タイトル: | 公開特許公報(A)_ビタミンA類の安定化方法 |
出願番号: | 2010151460 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | C07C 403/08 |
井土 伸一 高橋 寛子 堀内 弘三 JP 2012012347 公開特許公報(A) 20120119 2010151460 20100701 ビタミンA類の安定化方法 株式会社東洋発酵 591155884 小島 清路 100094190 萩野 義昇 100117134 谷口 直也 100111752 井土 伸一 高橋 寛子 堀内 弘三 C07C 403/08 20060101AFI20111216BHJP JPC07C403/08 6 OL 12 4H006 4H006AA02 4H006AD40 4H006UC12 本発明は、ビタミンA類を含有する各種製品(例えば、化粧品等)において、含まれているビタミンA類を安定化する方法に関する。 レチノール等のビタミンA類は種々の生理作用を有する物質として知られている。例えば、レチノールはしわに対して効果が高い美容素材として知られている。そこで、従来より、ビタミンA類を含有する化粧品が市販されている。また、ビタミンA類として生体機能の維持に必須の成分であり、特に目の機能維持に重要であることが知られている。そこで、従来より、ビタミンA類を含有する栄養剤及び医薬組成物が開発されている。 一方、レチノール等のビタミンA類は安定性の悪い物質として知られており、化粧品等に添加した場合に酸化等により分解することがある。このような分解が進めば、化粧品等においてレチノールの生理作用を十分に発現させることができなくなる。そこで、従来より、化粧品等に添加したビタミンA類を安定化させる方法が求められている。 レチノール等のビタミンA類を安定化させる公知の方法として、例えば、特許文献1には、特定の流動パラフィンを特定の割合で配合することにより、レチノールを安定化させる方法が開示されている。特許文献2には、脂質系成分、オイル系成分及び乳化系成分を特定割合で含み、レチノール等の親油性皮膚有用物質を安定化させる乳化物が開示されている。特許文献3には、レチノールを非リン脂質リポソーム中に被包することにより安定化させる方法が開示されている。特許文献4には、レチノールをシリル化することにより安定化させる方法が開示されている。特許文献5には、レチノールを特定の液晶の内相に含有させて安定化させる方法が開示されている。特開2008−94839号公報特開2002−255792号公報特表平11−503165号公報特開2005−23018号公報特開平11−79929号公報 本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、安全性が高く、優れたビタミンA類の安定化方法を提供することを目的とする。 本発明は以下のとおりである。〔1〕ビタミンA類を含有する組成物に下記式(1)で表される化合物(式中、R1〜R6はそれぞれ独立に水素原子又はR−CO−基である。但し、R1〜R6のうちの少なくとも1つはR−CO−基である。Rは一価の炭化水素基である。以下、「化合物(1)」という。)を含有させるビタミンA類の安定化方法。〔2〕R1〜R6の2以上がR−CO−基である(R;一価の炭化水素基)〔1〕記載のビタミンA類の安定化方法。〔3〕R1〜R6の2以上がR’−CO−基である(R’;構造中に水酸基又は該水酸基と他のカルボン酸化合物とのエステル構造を有する一価の炭化水素基)〔1〕記載のビタミンA類の安定化方法。〔4〕上記式(1)で表される化合物の分子量が1,000〜10,000である〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載のビタミンA類の安定化方法。〔5〕上記式(1)で表される化合物の含有量が0.5〜5質量%である〔1〕乃至〔4〕のいずれかに記載のビタミンA類の安定化方法。〔6〕上記ビタミンA類と上記式(1)で表される化合物との割合(重量比)が1:(1〜100)である〔1〕乃至〔5〕のいずれかに記載のビタミンA類の安定化方法。 本発明のビタミンA類の安定化方法は、安全性が高く、ビタミンA類の安定化に優れる。よって、本発明のビタミンA類の安定化方法は、例えば、レチノール等のビタミンA類を含む化粧料、飲食品、及び医薬品に対して好適に適用することができる。実施例に係るレチノール残存率と経過週数との相関を示すグラフである。 以下、本発明を詳しく説明する。 本発明では、ビタミンA類を含有する組成物に化合物(1)を含有させる。本発明では、化合物(1)を1種単独で含有させてもよく、2種以上の異なる構造の化合物(1)を含有させてもよい。 式(1)中、R−CO−基を構成する「R」は一価の炭化水素基である。該一価の炭化水素基の構造には特に限定はない。上記一価の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、及びアリールアルキニル基が挙げられる。 上記アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基(以下、「アルキル基等」と総称する。)の構造には特に限定はない。上記アルキル基等は、直鎖状でもよく、分岐状でもよい。また、上記アルキル基等は、鎖状構造でもよく、環状構造(シクロアルキル基、シクロアルケニル基、及びシクロアルキニル基)でもよい。また、上記アルキル基等は、鎖状構造中又は環状構造中に炭素原子及び水素原子以外の原子を1個又は2個以上含んでいてもよい。上記炭素原子及び水素原子以外の原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子の1種又は2種以上が挙げられる。 上記アルキル基等は、その構造中に置換基として、炭素原子及び水素原子以外の原子を含む置換基を1種又は2種以上有していてもよい。該置換基として具体的には、例えば水酸基が挙げられる。また、該水酸基は、他のカルボン酸化合物とエステル構造を形成していてもよい。該他のカルボン酸化合物が水酸基を有する場合、該水酸基は、他のカルボン酸化合物とエステル構造を形成していてもよい。よって、上記アルキル基等には、ポリヒドロキシカルボン酸由来の基(下記式参照)でもよい。 式中、nは1以上の整数、通常は1〜20、好ましくは1〜15、更に好ましくは2〜10、より好ましくは3〜8である。また、式中、Yは水素原子又はR−CO−基(R;一価の炭化水素基)である。Rについては上記の説明が妥当する。Z1及びZ3は任意の二価の炭化水素基である。該二価の炭化水素基は直鎖状でも分岐状でもよい。また、該二価の炭化水素基は飽和炭化水素基でもよく、不飽和結合を含んでいてもよい。Z1及びZ3の炭素数は通常1〜25、好ましくは2〜20、更に好ましくは5〜15である。Z1及びZ3としては、例えば、−(CH2)m−が挙げられる(m;1〜25、好ましくは2〜20、更に好ましくは5〜15の整数)。Z1及びZ3は同一の構造でもよく、異なる構造でもよい。Z2及びZ4は任意の一価の炭化水素基である。該一価の炭化水素基については上記の説明が妥当する。Z2及びZ4の炭素数は通常1〜20、好ましくは2〜15、更に好ましくは4〜10である。Z2及びZ4としては、例えば、−(CH2)m−CH3が挙げられる(m;1〜20、好ましくは2〜15、更に好ましくは4〜10の整数)。Z2及びZ4は同一の構造でもよく、異なる構造でもよい。 上記アルキル基等の炭素数には特に限定はない。上記アルキル基等の炭素数の下限値としては例えば1、2、3、5、8、又は10とすることができる。上記アルキル基等の炭素数の上限としては通常40、30、25、又は22である。上記アルキル基等が置換基として他のカルボン酸化合物とのエステル構造を有する場合、上記アルキル基等の炭素数の上限は上記範囲を超える数値とすることができる。 上記アルキル基として具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、及び2−エチルヘキシル基が挙げられる。上記シクロアルキル基として具体的には、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、及び2−メチルシクロヘキシル基が挙げられる。上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、及びイソプロペニル基が挙げられる。上記シクロアルケニル基として具体的には、例えば、シクロヘキセニル基が挙げられる。 水酸基を有する上記R−CO−基としては、例えば、12−ヒドロキシステアリン酸由来の基が挙げられる。上記他のカルボン酸化合物とのエステル構造を有する上記R−CO−基としては、例えば、ポリヒドロキシステアリン酸由来の基(下記式参照。式中、nは1以上の整数、通常は1〜20、好ましくは1〜15、更に好ましくは2〜10、より好ましくは3〜8)が挙げられる。 上記アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、及びアリールアルキニル基(以下、「アリール基等」と総称する。)の構造には特に限定はない。上記アリール基等は、他の置換基を1種又は2種以上有していてもよい。例えば、上記アリール基等に含まれる芳香環は、他の置換基を1種又は2種以上有していてもよい。従って、上記アリール基等は、無置換のアリール基(C6H5−)を有する場合だけでなく、芳香環に置換基を有するアリール基を有する場合も含む。芳香環に位置する置換基の位置は、o−、m−、及びp−のいずれでもよい。上記置換基として具体的には、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、及び臭素原子等)、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ニトロ基、置換アミノ基、及びアルコキシ基の1種又は2種以上が挙げられる。 上記R−CO−基としては、これまで述べた基のなかでも、特に脂肪酸残基(脂肪酸中のカルボキシル基から水酸基が除かれてなる一価の基)が好ましい。即ち、上記化合物(1)は、ジペンタエリスリトールと脂肪酸とのエステル化合物であることが好ましい。 上記脂肪酸としては、飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸のいずれであってもよいが、飽和脂肪酸が好ましい。即ち、例えば、酪酸(C4直鎖)、カプロン酸(C6直鎖)、イソカプロン酸(C6分枝)、カプリル酸(C8直鎖)、イソカプリル酸(C8分枝)、カプリン酸(C10直鎖)、ラウリン酸(C12直鎖)、ミリスチン酸(C14直鎖)、イソミリスチン酸(C14分枝)、パルミチン酸(C16直鎖)、イソパルミチン酸(C16分枝)、ステアリン酸(C18直鎖)、イソステアリン酸(C18分枝)、アラキジン酸(C20直鎖)、ベヘン酸(C22直鎖)、リグノセリン酸(C22直鎖)が好ましい。これらは1種のみ用いてもよく2種以上併用されてもよい。 更に、脂肪酸は、前述のように置換基を有してもよいが、この置換基は水酸基であることが好ましい。即ち、例えば、上記に例示された各種の脂肪酸がヒドロキシル化されたヒドロキシ脂肪酸(ヒドロキシステアリン酸、ヒドロキシイソステアリン酸など)である。これらのヒドロキシ脂肪酸が有する水酸基(カルボキシル基由来の水酸基を除く)は1つであってもよく、2つ以上であってもよいが、1つであることが好ましい。また、水酸基の結合位置は特に限定されないが、中心炭素(炭素数12であれば、6位の炭素)よりもカルボキシル基から離れた位置の炭素に結合されていることが好ましい(炭素数12でれば、7〜12位の炭素に結合される)。 以上のように、上記化合物(1)が脂肪酸エステル化合物である場合には、上記R−CO−基のうちの少なくとも1つは、ヒドロキシ飽和脂肪酸の残基、又は、このヒドロキシ飽和脂肪酸の縮合体の残基{ポリヒドロキシ脂肪酸の残基、即ち、上記式(3)等で表されるR’−CO−基}であることが好ましい。 更に、上記化合物(1)は、上記ヒドロキシ飽和脂肪酸の残基、及び、ポリヒドロキシ飽和脂肪酸の残基以外にも、R−CO−基として、他の脂肪酸残基を有することができる。他の脂肪酸残基を構成する脂肪酸としては、ロジン酸等が挙げられる。即ち、例えば、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、デヒドロアビエチン酸などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上が併用されてもよい。 また、式(1)中、R1〜R6はそれぞれ独立に水素原子又はR−CO−基である(R;一価の炭化水素基)。但し、R1〜R6のうちの少なくとも1つはR−CO−基である。化合物(1)において通常、R1〜R6のうち2以上、好ましくは3以上がR−CO−基である。勿論、R1〜R6の全てがR−CO−基でもよい。また、式(1)中、R1〜R6の2以上、好ましくは3以上をR’−CO−基(R’;構造中に水酸基又は該水酸基と他のカルボン酸化合物とのエステル構造を有する一価の炭化水素基)とすることができる。 式(1)中、R−CO−基が2以上含まれている場合、各R−CO−基は同じ構造でもよく、異なる構造でもよい。例えば、R−CO−基が2以上含まれている場合、全て同じR−CO−基でもよく、Rの構造が異なるR−CO−基でもよい。 化合物(1)の分子量には特に限定はない。該分子量は通常1000〜10000、好ましくは1200〜8000、更に好ましくは1300〜7000である。 上記組成物中の化合物(1)の含有量には特に限定はない。化合物(1)の含有量は通常0.5〜5質量%、好ましくは0.7〜4質量%、更に好ましくは1〜3質量%である。また、上記組成物中のレチノール及び化合物(1)の割合も特に限定はない。該割合は必要に応じて種々の範囲とすることができる。上記組成物中のレチノール及び化合物(1)の割合(重量比)は通常1:(1〜100)、好ましくは1:(1〜50)、更に好ましくは1:(5〜30)である。 上記ビタミンA類は、イソプレノイド型ポリエンアルコールを基本骨格として有する化合物及び該化合物の誘導体である。上記ビタミンA類として具体的には、例えば、ビタミンA1(レチノール)、ビタミンA2、ビタミンA3及び3,4−ジヒドロレチノール並びにこれらが酸化されたアルデヒド(レチナール等)及びカルボン酸(レチノイン酸)等が挙げられる。また、上記ビタミンA類には、薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される誘導体をも含む。上記誘導体としては、例えば、上記レチノール等のカルボン酸エステルが挙げられる。上記誘導体としてより具体的には、例えば、酢酸レチノール及びパルミチン酸レチノール等のC1〜C30エステル等が挙げられる。尚、本発明では、上記ビタミンA類は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 上記ビタミンA類を含有する組成物の種類及び組成には特に限定はない。本発明はレチノール等のビタミンA類を含む化粧料、化粧品素材、飲食品、飲食品用添加剤、及び医薬品に対して好適に適用することができる。上記ビタミンA類を含有する組成物の形態にも特に限定はない。上記ビタミンA類を含有する組成物は固形状(例えば、錠剤状、トローチ状、チューインガム状、粉末状、顆粒状)、半固形状、及び液状のいずれでもよい。上記ビタミンA類を含有する組成物が液状の化粧品又は化粧品素材の場合、例えば、ローション、クリーム及び乳液とすることができる。 更に、上記ビタミンA類を含有する組成物は、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。例えば、化粧品、化粧品素材、飲食品、飲食品用添加剤、及び医薬品において公知の添加成分を含んでいてもよい。上記他の成分としては、例えば、植物エキス、ビタミン、ビタミン様物質、ミネラル、低級アルコール類、多価アルコール類、油脂類、界面活性剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、防腐剤、及び香料が挙げられる。 以下、本発明を実施例により具体的に説明する。 以下に記載の処方に基づいて化粧料組成物1〜6(実施例;化粧料組成物1〜4、比較例;化粧料組成物5〜6)を調製した。 得られた化粧料組成物1〜6を、各々エアレス容器に充填後、25℃の条件で保管した。その後、6週間経過時(化粧料組成物1〜6)、10週間経過時(化粧料組成物5)、12週間経過時(化粧料組成物1〜4)、16週間経過時(化粧料組成物6)の各経過時における化粧料組成物中に残存されたレチノール残存率(%)を測定した。当初添加量したレリノール量に対する残存されたレチノール量の割合を測定し、その結果を表1及び図1に示した。 上記測定に際して、レチノール量は下記方法により測定した。即ち、50mLメスフラスコに測定対象の化粧料組成物を200mg量り取り、次いで、DMF90体積%及びn−ヘキサン10体積%を含む混合液を添加した後、40℃において5分間インキュベートし、更に5分間超音波溶解した。その後、0.45μm孔径フィルタを通して得られた液体に含まれるレチノールの量をHPLCで測定した。 上記HPLCに際しては、以下の分析条件とした。即ち、カラムにナーゲル社製「Nucleosil C18 100−7μm(長さ250mm、内径4mm)」を用い、カラム温度は35℃とし、移動相としてメタノール90体積%及び水10体積%の混合液を用いた。更に、検知には波長325nmの紫外線光を利用した。 化粧料組成物1〜5(組成物全体100質量%中) レチノール;0.1質量% 化合物(1)として下記化合物A〜Dのいずれか;2.00質量% トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル;6.00質量% グリセリン;5.00質量% (アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマ ;4.50質量% ホホバ油;4.00質量% 1,3−ブチルグリコール;3.50質量% スクワラン;1.50質量% ペンチレングリコール;1.50質量% グリコシルトレハロース;1.20質量% バチルス/(コメヌカエキス/ダイズエキス)発酵液;1.00質量% ヒアルロン酸Na;0.01質量% ポリソルベート60;0.50質量% 加水分解水添デンプン;0.90質量% フェノキシエタノール;0.60質量% 水;残部 尚、化粧料組成物5は、化合物(1)に換えて、12−ヒドロキシステアリン酸(以下、表及び図において「化合物E」という)を2質量%含有させたこと以外は、上記化粧料組成物1〜4と同配合である。また、化粧料組成物6は、化合物(1)を含有させないこと以外は、上記化粧料組成物1〜4と同配合である。 上記各化粧料組成物に用いた化合物(1)は、以下の通りである。(1)化粧料組成物1;トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル 式(1)に示すR1〜R6として、「式(3)に示す基(但し、n≒4)」と「水素原子」とを、3:3で有する化合物(以下、表及び図において「化合物A」という)。(2)化粧料組成物2;ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスチル 式(1)に示すR1〜R6として、R1〜R6の全てに「12−ヒドロキシステアリン酸のエステル残基」を有する化合物(以下、表及び図において「化合物B」という)。(3)化粧料組成物3;テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル 式(1)に示すR1〜R6として、「12−ヒドロキシステアリン酸のエステル残基」と「イソステアリン酸のエステル残基」と「水素原子」とを、3:1:2で有する化合物(以下、表及び図において「化合物C」という)。(4)化粧料組成物;ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル; 式(1)に示すR1〜R6として、「12−ヒドロキシステアリン酸のエステル残基」と「ステアリン酸のエステル残基」と「ロジン酸のエステル残基」とを、4:1.5:0.5で有する化合物(以下、表及び図において「化合物D」という)。 表1及び図1より、上記化粧料組成物6(化合物(1)無配合)では、16週経過時点で残存率74.6%であった。また、上記化粧料組成物5(化合物(1)無配合)では、10週経過時点で残存率72.4%であった。 一方、化合物(1)を配合した化粧料組成物1〜4では、12週経過時点で90%前後の残存率を達成している。このことから、化合物(1)を配合することにより、上記化粧料組成物中のレチノールが安定化されていることが分かる。 尚、本発明は、上記具体的実施例に限定されず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更することができる。 ビタミンA類を含有する組成物に下記式(1)で表される化合物を含有させるビタミンA類の安定化方法。(上記式中、R1〜R6はそれぞれ独立に水素原子又はR−CO−基である。但し、R1〜R6のうちの少なくとも1つはR−CO−基である。Rは一価の炭化水素基である。) R1〜R6の2以上がR−CO−基である請求項1記載のビタミンA類の安定化方法。 R1〜R6の2以上がR’−CO−基である(R’;構造中に水酸基又は該水酸基と他のカルボン酸化合物とのエステル構造を有する一価の炭化水素基)請求項1記載のビタミンA類の安定化方法。 上記式(1)で表される化合物の分子量が1,000〜10,000である請求項1乃至3のいずれかに記載のビタミンA類の安定化方法。 上記式(1)で表される化合物の含有量が0.5〜5質量%である請求項1乃至4のいずれかに記載のビタミンA類の安定化方法。 上記ビタミンA類と上記式(1)で表される化合物との割合(重量比)が1:(1〜100)である請求項1乃至5のいずれかに記載のビタミンA類の安定化方法。 【課題】安全性が高く、優れたビタミンA類の安定化方法を提供する。【解決手段】本発明のビタミンA類の安定化方法は、ビタミンA類を含有する組成物に下記式(1)で表される化合物(式中、R1〜R6はそれぞれ独立に水素原子又はR−CO−基である。但し、R1〜R6のうちの少なくとも1つはR−CO−基である。Rは一価の炭化水素基である。)を含有させる方法である。【化1】【選択図】なし