生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_アセトアルデヒドの製造方法
出願番号:2010139381
年次:2012
IPC分類:C07C 45/30,C07C 47/07


特許情報キャッシュ

島田 昌紀 JP 2012001509 公開特許公報(A) 20120105 2010139381 20100618 アセトアルデヒドの製造方法 積水化学工業株式会社 000002174 新樹グローバル・アイピー特許業務法人 110000202 島田 昌紀 C07C 45/30 20060101AFI20111202BHJP C07C 47/07 20060101ALI20111202BHJP JPC07C45/30C07C47/07 3 OL 4 4H006 4H006AA02 4H006AC45 4H006BA95 4H006BB31 4H006BE53 本発明は、アセトアルデヒドの製造方法に関する。 アセトアルデヒドは、水、アルコール、エーテルに任意の割合で溶解する無色の液体であり、化学的にはきわめて反応性に富んでいるため、さまざまな化合物の合成中間体として有用である。 従来から、アセトアルデヒドは、主に、少量の塩化パラジウム及び塩化銅を触媒として溶解した塩酸水溶液中に、エチレンと酸素又は空気とを供給することによって合成する、いわゆるヘキスト・ワッカー法により製造されている。 しかし、これらの製造方法は、化石資源を原料とするエチレンを原料としているため、将来的な化石資源の枯渇や原油の市場価格に大きく影響を受ける可能性がある。エチレンをバイオエタノールの脱水により得ることもできるが、工程数が増えるためコストの増大につながり、不都合である。 また、安価な原料としてメタノールと酢酸とからアセトアルデヒドを合成する方法が提案されている(例えば、特許文献1)が、この方法でも工程数が増えるため、コストの増大を招くという不都合がある。特開2000−256233号公報 本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、化石資源が有する種々の問題点を解決することができるアセトアルデヒドの製造方法を提供することを目的とする。 本発明は、以下の発明を含む。 (1)エタノールを塩素によって酸化することを特徴とするアセトアルデヒドの製造方法。 (2)300〜500nmの波長を含む光源を利用した光塩素化反応により酸化する(1)に記載のアセトアルデヒドの製造方法。 (3)エタノールとして、20〜80vol%濃度のエタノール水溶液を利用する(1)又は(2)に記載のアセトアルデヒドの製造方法。 本発明によれば、化石資源が有する種々の問題点を解決して、安価にかつ簡便に、安定してアセトアルデヒドを製造することが可能となる。 本発明のアセトアルデヒドの製造方法では、エタノールを塩素によって酸化する。 エタノールとしては、特に限定されるものではないが、バイオマスを原料として得られるものを用いることができる。 バイオエタノールは、サトウキビ、甜菜などから得られる糖類、トウモロコシ、芋類などから得られる澱粉等を発酵させることにより、あるいは廃木材などの木材、稲わらなどの草木から得られるセルロースまたはヘミセルロースを酵素により糖類へ分解し、得られた糖類を発酵させることにより得られる。このようなバイオエタノールを用いることにより、化石資源がもつ種々の問題点を解決することができる。なお、エタノールは、工業的に製造されたものを利用してもよい。 エタノールは、任意のエタノール濃度の水溶液として利用することができるが、より好ましくは20〜80vol%である。20vol%以下であれば、たとえ選択率が高くても、エタノール濃度が低いため単位時間当たりの収量が充分とならい傾向があり、80vol%以上であれば、副反応を充分に抑えることができない傾向がある。 塩素は、通常、気体状態でエタノールと反応させる。塩素は略100%の濃度で供給してもよいし、不活性ガス(例えば、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等)によって希釈して供給してもよい。この場合の希釈の程度は、反応効率を考慮して、50重量%以下、好ましくは25重量%以下が挙げられる。 エタノールと塩素とは、例えば、エタノール水溶液100gに対して、25〜100sccmの供給量で反応させることが好ましい。 エタノールの塩素による酸化は、塩素ガス、塩化水素、五塩化リン、三塩化リン、オキシ塩化リン、塩化チオニル、次亜塩素酸化合物等の塩素含有化合物を使用して行うことが好ましい。この酸化は、例えば、光反応、熱反応、触媒反応等により実現することができる。なかでも、エタノールの塩素ガスによる光塩素化、熱塩素化による酸化が好ましく、より好ましくは塩素ガスによる光塩素化による酸化である。 光反応としては、紫外線、可視光線等の種々の波長の光を照射する方法が挙げられるが、なかでも、300〜500nm程度の波長を有する光源からの光を照射して反応させることが好ましい。光源は、特に限定されることはなく、蛍光灯、水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ、LEDランプ等を用いることができる。 反応温度は、0〜80℃程度、好ましくは0〜50℃程度が適している。反応時間は、1〜5時間程度が適している。 得られたアセトアルデヒドは、当該分野で公知の方法によって回収することができ、さらに精製してもよい。例えば、精密蒸留等の方法が挙げられる。 以下に、本発明のアセトアルデヒドの製造方法を詳細に説明する。 反応液は、ガスクロマトグラフ(島津製作所製、商品名GC−2010)、キャピラリーカラム(Agilent J&W社製、商品名DB−1、30m×0.25mm(内径)、膜厚1.0μm)水素炎イオン化検出器(FID)を用いて定量した。 反応生成物の組成比は下式により算出した。 収率(モル%)=100×{アセトアルデヒド生成物量(mol)/塩素注入量(mol)} 実施例1 ガラス製500ml反応容器にエタノール50%水溶液300gを入れ密封し、温度を25℃に調整した後、20WのUV蛍光灯(東芝製 ケミカルランプ ピーク波長352nm)による照射を開始した。温度を25℃に維持しながら、攪拌下で塩素ガスを0.1L/分の速度で150分間注入し、反応させることにより、アセトアルデヒドを得た。 このようにして得られたアセトアルデヒドの注入塩素量を基準とする収率は81.3%であった。 実施例2 実施例1においてエタノール水溶液濃度を20%に変更した以外は実施例1と同様にしてアセトアルデヒドを得た。 このようにして得られたアセトアルデヒドの注入塩素量を基準とする収率は92.1%であった。 実施例3 実施例1においてエタノール水溶液濃度を75%に変更した以外は実施例1と同様にしてアセトアルデヒドを得た。 このようにして得られたアセトアルデヒドの注入塩素量を基準とする収率は67.8%であった。 本発明によれば、化石資源が有する種々の問題点を解決することができ、安価にかつ簡便に、さらに安定してアセトアルデヒドを製造することができる。 エタノールを塩素によって酸化することを特徴とするアセトアルデヒドの製造方法。 300〜500nmの波長を含む光源を利用した光塩素化反応により酸化する請求項1に記載のアセトアルデヒドの製造方法。 エタノールとして、20〜80vol%濃度のエタノール水溶液を利用する請求項1又は2に記載のアセトアルデヒドの製造方法。 【課題】化石資源が有する種々の問題点を解決することができ、安価にかつ簡便に、さらに安定してアセトアルデヒドを製造することができるアセトアルデヒドの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】エタノールを塩素によって酸化するアセトアルデヒドの製造方法であり、例えば、300〜500nmの波長を含む光源を利用した光塩素化反応により酸化することが好ましく、エタノールとして、20〜80vol%濃度のエタノール水溶液を利用することが好ましい。【選択図】なし


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