生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_クロロエタノールの製造方法
出願番号:2010110808
年次:2011
IPC分類:C07C 29/66,C07C 31/36,C07B 61/00


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島田 昌紀 JP 2011236173 公開特許公報(A) 20111124 2010110808 20100513 クロロエタノールの製造方法 積水化学工業株式会社 000002174 新樹グローバル・アイピー特許業務法人 110000202 島田 昌紀 C07C 29/66 20060101AFI20111028BHJP C07C 31/36 20060101ALI20111028BHJP C07B 61/00 20060101ALN20111028BHJP JPC07C29/66C07C31/36C07B61/00 300 3 OL 4 4H006 4H039 4H006AA02 4H006AC25 4H006AC30 4H006AC41 4H006BA68 4H006BE05 4H006DA25 4H006FE11 4H006FE71 4H006FE75 4H039CG10 本発明は、クロロエタノールの製造方法に関する。 クロロエタノールは、主に、様々な有機物質を合成するときの中間体として用いられる酸化エチレンの製造に利用され、他にも染料、医薬品、殺菌剤及び可塑剤の合成原料として利用されている。 クロロエタノールは、従来、ナフサを主とする炭化水素を水蒸気と混合して熱分解して得られるエチレンに、次亜塩素酸を付加させることにより合成されていた。 しかしこれらの製造方法は、一般的に化石資源を原料とするエチレンを原料としているため、将来的な化石資源の枯渇、原油の市場価格等に大きく影響を受ける可能性がある。 また、エチレンをバイオエタノールの脱水により得ることもできるが、副生する水を分離するための精製工程数が増えるため、コストの増大につながる。 本発明は、化石資源が有する上述した様々の問題点を解決することができ、分離精製工程に関するコストを抑えることのできるクロロエタノールの製造方法を提供することを目的とする。 本発明は、エタノールから2−クロロエタノールを製造する方法であって、(1)エタノールを脱水して得られた反応生成物を、精製工程を経ることなくそのまま2−クロロエタノール化反応に付す2−クロロエタノールの製造方法、(2)エタノール脱水反応において、エタノールを固体酸触媒に接触させる(1)に記載の2−クロロエタノールの製造方法、(3)固体酸触媒が、4〜100のシリカ/アルミナ比を有する水素型ゼオライトである(2)に記載の2−クロロエタノールの製造方法を提供する。 本発明によれば、化石資源が有する様々の問題点を解決することができ、分離精製工程に関するコストを抑えることのできるクロロエタノールの製造方法を提供することができる。 本発明のクロロエタノール(つまり、2−クロロ−1−エタノール)の製造方法では、まず、エタノールを脱水する。これによって、エチレンを得ることができる。 原料として用いるエタノールは、工業的に製造されたものを利用してもよいし、化石資源を原料として製造されたものを用いてもよい。 特に、エタノールは、バイオマスを原料としてバイオエタノールとして得られたものを用いることが適している。バイオエタノールは、サトウキビ、甜菜などから得られる糖類、トウモロコシ、芋類などから得られる澱粉等を発酵させることにより、あるいは廃木材などの木材、稲わらなどの草木から得られるセルロースまたはヘミセルロースを酵素により糖類へ分解し、得られた糖類を発酵させることにより得られる。このようなバイオエタノールを用いることにより、化石資源がもつ種々の問題点を解決することができる。 エタノールの脱水は、一般に知られた方法のいずれをも使用することができる。液体及び固体の種々の触媒を利用した方法が挙げられる。なかでも、固体酸触媒を用いた方法が好ましい。 固体酸触媒としては特に制限されず、ハロゲン化物、硫酸塩、リン酸塩、酸化物、硫化物などの金属塩、イソポリ酸、ヘテロポリ酸、複合酸化物、固定化スルホン酸、ゼオライト(amicite、アンモニウム白榴石、方沸石、バレル沸石、bellbergite、bikitaite、boggsite、brewsterite、brewsterite-Sr、brewsterite-Ba、菱沸石、灰菱沸石、ソーダ菱沸石、カリ菱沸石、chiavennite、斜プチロル沸石(-Na、-K、-Ca等)、コウルス沸石、ダキアルディ沸石、灰ダキアルディ沸石、ソーダダキアルディ沸石、エディントン沸石、剥沸石、エリオン沸石、ソーダエリオン沸石、カリエリオン沸石、灰エリオン沸石、faujasite(-Na、-Ca、-Mg等)、フェリエ沸石(-Mg、-K、-Na等)、ガロン沸石、gaultite、ギスモンド沸石、グメリン沸石(-Na、-Ca、-K等)、ゴビンス沸石、ゴナルド沸石、goosecreekite、gottardiite、重土十字沸石、輝沸石、灰輝沸石、ストロンチウム輝沸石、ソーダ輝沸石、カリ輝沸石、hsianghualite、kalborsite、濁沸石、白榴石、レビ沸石(−Ca、−Na等)、lovdarite、maricopaite、mazzite、merlinoite、中沸石、montesommaite、mordenite、mutinaite、ソーダ沸石、offretite、pahasapaite、partheite、paulingite(-K、-Ca等)、十字沸石(-Na、-K、-Ca等)、ポルクス石、roggianite、スコレス沸石、ステラ沸石、束沸石(-Ca、-Na等)、トムソン沸石、tschernichite、tschortnerite、ワイラケ沸石、weinebeneite、willhendersonite、湯河原沸石等、(yugawaralite)等)等を用いることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、容易に入手できることから水素型ゼオライトを好適に利用することができる。この水素型ゼオライトは、シリカ/アルミナ比が4〜100であることが好ましい。 固体触媒は、そのまま用いても、また、これを適当な担体、例えば、シリカ等に担持させて用いてもよい。触媒の形状は、粒状、ペレット状、円筒状等任意の形状及び大きさとすることができる。 触媒量は、エタノール量に対して0.1〜10重量%程度、好ましくは1〜10重量%程度、より好ましくは1〜5重量%程度が挙げられる。 固体触媒を用いてエタノールの脱水を行うためには、通常、触媒反応設備が利用される。 触媒反応設備としては特に制限されず、任意の反応方式を実行することが可能な設備が適している。例えば、固定床式(例えば、固定床気相流通式、固定床液相流通式)、流動床式(例えば、流動床気相流通式、流動床液相流通式)、懸濁床回分式、懸濁床連続式等が実現し得る設備が挙げられる。 原料として用いるエタノールは、気体又は液体のいずれでもよいが、エタノールの脱水反応は、通常、気相で行われることから、気体のものが適している。 エタノールの脱水は、常圧下で行ってもよいが、加圧下で反応させてもよい。例えば、常圧〜20kg/cm2程度、好ましくは常圧〜10kg/cm2程度が挙げられる。これにより、副反応を低減させることができる。また、脱水反応は、大気中又は酸素雰囲気下で行ってもよいが、不活性ガス、例えば、窒素又はアルゴン雰囲気で行うか、これらのガスをエタノールの希釈ガス等として用いてもよい。 反応温度は、150〜350℃の温度範囲で行うことが適しており、さらに200℃〜300℃の温度範囲が好ましい。 エタノールの供給速度は、例えば、触媒の容積、温度、圧力、エタノールの性状等によって適宜調整することができる。 脱水したエタノールは、精製工程を経ることなく、そのまま2−クロロエタノール化反応に付す。エタノールは脱水することにより、エチレンとすることができる。上述したように、通常、エタノールの脱水は気相で行うために、エチレンは、通常、エチレンガスとして生成され、エタノールの希釈ガス、水蒸気又は雰囲気ガスが混在した気体として得られる。従って、2−クロロエタノール化反応は、例えば、先の工程で得られた脱水したエタノール(例えば、エチレン含有ガス)に、次亜塩素酸を接触させることにより行うことができる。 次亜塩素酸は、液体及び気体のいずれでもよいが、反応性等を考慮すると、塩素を水中に溶解させて得られた溶液を用いることが適している。この場合の次亜塩素酸の濃度は特に限定されない。 脱水したエタノールに対して反応させる塩素の量は、塩素に対し生成したエチレンが等量、もしくは少し過剰になるよう調整することが、反応時間、収率等の観点から好ましい。 2−クロロエタノール化反応は、特に加温して行う必要はなく、0℃〜室温の温度範囲で行うことができるが、塩素と水との反応をより進行させるために、室温付近で反応させることが適している。 以下に、本発明の2−クロロエタノールの製造方法を詳細に説明する。 反応液は、ガスクロマトグラフ(島津製作所製、商品名GC−2010)、キャピラリーカラム(Agilent J&W社製、商品名DB−1、30m×0.25mm(内径)、膜厚1.0μm)、水素炎イオン化検出器(FID)を用いて分析/定量した。 また、2−クロロエタノールの塩素を基準とする収率を、下式により算出した。 収率(mol%)=〔2−クロロエタノール量(mol)/溶解塩素量(mol)〕×100 実施例1 容量500mlのガラス製反応容器に水350gを入れ、室温にて、塩素ガスを0.05L/分の速度で攪拌しながら10分間溶解し、次亜塩素酸水溶液を調製した。 シリカ/アルミナ比18の水素型モルデナイト3gを内径10mmの石英製反応管に充填し、窒素中400℃で2時間熱処理した。その後、反応温度に放冷した後、気化させたエタノールを触媒層に通して、圧力0.1MPa、エタノール流量0.6g/時、窒素流量8,000ml/時、反応温度230℃の条件下に反応を行い、得られたエチレンを次亜塩素酸水溶液に120分間吹き込み、2−クロロエタノールを得た。 反応生成物をガスクロマトグラフで分析した結果、塩素を基準とする2−クロロエタノールの収率は92.4モル%であった。 本発明は、クロロエタノールを使用するあらゆる分野において利用することができる。 エタノールから2−クロロエタノールを製造する方法であって、 エタノールを脱水して得られた反応生成物を、精製工程を経ることなくそのまま2−クロロエタノール化反応に付すことを特徴とする2−クロロエタノールの製造方法。 エタノール脱水反応において、エタノールを固体酸触媒に接触させる請求項1に記載の2−クロロエタノールの製造方法。 固体酸触媒が、4〜100のシリカ/アルミナ比を有する水素型ゼオライトである請求項2に記載の2−クロロエタノールの製造方法。 【課題】化石資源が有する様々の問題点を解決することができ、分離精製工程に関するコストを抑えることのできるクロロエタノールの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】エタノールから2−クロロエタノールを製造する方法であって、エタノールを脱水して得られた反応生成物を、精製工程を経ることなくそのまま2−クロロエタノール化反応に付す2−クロロエタノールの製造方法。この方法ではエタノール脱水反応において、エタノールを固体酸触媒に接触させてもよい。また、固体酸触媒が、4〜100のシリカ/アルミナ比を有する水素型ゼオライトであることが好ましい。【選択図】なし


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