タイトル: | 公開特許公報(A)_結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物とその製造方法 |
出願番号: | 2010093171 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | C07D 207/34,A61P 3/06,A61K 31/40 |
山邊 邦夫 西口 茂信 松田 啓二 JP 2011219437 公開特許公報(A) 20111104 2010093171 20100414 結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物とその製造方法 東和薬品株式会社 591040753 赤岡 迪夫 100060368 赤岡 和夫 100124648 山邊 邦夫 西口 茂信 松田 啓二 C07D 207/34 20060101AFI20111007BHJP A61P 3/06 20060101ALI20111007BHJP A61K 31/40 20060101ALN20111007BHJP JPC07D207/34A61P3/06A61K31/40 5 1 OL 11 4C069 4C086 4C069AC05 4C069AC06 4C069BB02 4C069BB12 4C069BB15 4C069BB48 4C069BD06 4C086AA03 4C086AA04 4C086BC05 4C086GA13 4C086GA15 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA14 4C086NA20 4C086ZC20 4C086ZC33 本発明は、HMG−CoAレダクターゼ阻害薬であるアトルバスタチンヘミカルシウム水和物の結晶性形態TW−1とその製造方法に関する。 アトルバスタチンは総コレステロールおよびLDL−コレステロールを用量依存的に低下させ、優れた血清コレステロール低下作用を有する薬剤として、世界各国で発売されるに至っている。 アトルバスタチンには結晶多形が存在することから、種々の結晶形に関する特許出願がなされている。 特表平11−509230号公報(特許文献1)においては、特定のX線回折スペクトルまたは固体状態のNMRで特徴付けられる結晶性形態I、II、IV及びその水和物のアトルバスタチンが開示されている。例えば、結晶性形態Iについては2通りの製法が開示されており、一方はアトルバスタチンラクトン、メチル第3ブチルエーテル、メタノールの混合物を水酸化ナトリウムの水溶液と反応させて、開環したナトリウム塩を形成させ、酢酸カルシウム半水和物の溶液を添加後に結晶性形態Iのアトルバスタチンのスラリーを種晶として添加する方法である。他方は無定形のアトルバスタチン及び結晶性形態Iのアトルバスタチンを水とメタノールの混合物中で攪拌することにより得る方法である。 特表2004−513956号公報(特許文献2)には粉末X線回折スペクトルによって特定されるアトルバスタチンヘミカルシウムVII型及びその水和物が開示されている。実施例1には無水エタノール中でアトルバスタチンヘミカルシウムI型またはV型を16時間攪拌後、ろ過によって回収された固体を65℃で24時間乾燥することでVII型を得る製法が記載されている。 国際公開WO03/18547号(特許文献3)はアモルファス形態のアトルバスタチンヘミカルシウムの製法に係るものであり、ExampleIIには、結晶性アトルバスタチンヘミカルシウムをジクロロメタンに溶解し、濃縮した有機層を冷却したジイソプロピルエーテルに攪拌しながら滴下し、乾燥する一連の方法が記載されている。この方法では、結晶性のアトルバスタチンヘミカルシウムをジクロロメタンに溶解させている。 国際公開WO2006/48894号(特許文献4)に開示されているM−2及びM−3結晶は、いずれもアセトンと水の混合溶媒にアモルファスのアトルバスタチンカルシウムを加えて製造することを特徴としている。また、M−4結晶の製造にはジクロロメタンが使用されている。なお、M−4結晶の製造においては、水は使用されていない。 国際公開WO2008/108572号(特許文献5)に開示されているD2結晶は、メタノール、ジクロロメタン、水の混合溶媒にアモルファスのアトルバスタチンヘミカルシウムを加えて製することを特徴としている。 なお、アトルバスタチンは、米国特許第4681893号明細書(特許文献6)において最初に公開され、米国特許第5273995号明細書(特許文献7)においてそのヘミカルシウム塩が開示されている。特表平11−509230号公報特表2004−513956号公報国際公開WO03/18547号国際公開WO2006/48894号国際公開WO2008/108572号米国特許第4681893号明細書米国特許第5273995号明細書 アトルバスタチンヘミカルシウムを製造するにあたっては、工業的規模での製造に耐えうる方法であることが必要である。そのため、生成物が充分に溶媒に分散し、良好に攪拌でき、かつ容器からの取り出しが容易であるなどの利便性が求められる。 しかしながら、特表平11−509230号公報(特許文献1)、特表2004−513956号公報(特許文献2)、国際公開WO03/18547号(特許文献3)、国際公開WO2006/48894号(特許文献4)、国際公開WO2008/108572号(特許文献5)に記載のアトルバスタチンヘミカルシウムの精製方法は、純度を十分向上する精製方法とは言えない。また、工業的規模での製造にも耐えられる、優れた操作性を有するアトルバスタチンヘミカルシウムでもない。 また、国際公開WO03/18547号(特許文献3)に記載の方法で得られるアトルバスタチンヘミカルシウムはアモルファス形態であり、この方法では結晶性のアトルバスタチンヘミカルシウムを得ることができない。 国際公開WO2008/108572号(特許文献5)に記載されているD2結晶の製造方法では、メタノール、ジクロロメタン、水の混合溶媒が用いられているが、本発明者らがメタノール、ジクロロメタン、水の混合溶媒による結晶化を試みたところ、溶液中での結晶の凝集により、良好な攪拌、及び容器からの取り出しが困難であった。 そこで、この発明の目的は、工業的規模で製造されることが可能であって、純度が高い結晶性のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物とその製造方法を提供することである。 鋭意検討の結果、本発明者らは驚くべきことに、工業的規模での製造にも耐えられる、優れた操作性を有するアトルバスタチンヘミカルシウムの新規結晶性形態TW−1及びその製造方法を見出した。また本発明者らは、意外にも本発明の製造方法によれば、得られる新規結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物は、純度が向上したものであることを見出した。 この発明に従った結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物は、CuKα放射線を用いて測定される2θ値として5.5、5.9、8.8、11.1、11.7、12.3、14.3、14.6、18.2、18.7、19.0、19.5、19.7、22.9、および、24.0を含む粉末X線回折パターンを有する。 このようにすることにより、ろ過性などの操作性に優れ、工業的規模で製造されることが可能であって、純度が高い結晶性のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物を提供することができる。 また、この発明に従った結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物の製造方法は、ジクロロメタンに溶解したアトルバスタチンヘミカルシウムを水に接触させることによって上記の結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物を析出させる結晶化工程を含むことが好ましい。 このようにすることにより、ろ過性などの操作性に優れ、工業的規模で製造されることが可能であって、純度が高い結晶性のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物の製造方法を提供することができる。 また、この発明に従った結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物の製造方法においては、結晶化工程は、固体状態のアトルバスタチンヘミカルシウムをジクロロメタンに溶解させる溶解工程と、溶解工程においてジクロロメタンに溶解されたアトルバスタチンヘミカルシウムに水を添加する工程とを含むことが好ましい。 また、この発明に従った結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物の製造方法においては、結晶化工程は、固体状態のアトルバスタチンヘミカルシウムをジクロロメタンと水とからなる混合液に添加する工程とを含むことが好ましい。 また、この発明に従った結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物の製造方法においては、結晶化工程は、固体状態のアトルバスタチンヘミカルシウムを水に混合する混合工程と、混合工程において水に混合されたアトルバスタチンヘミカルシウムにジクロロメタンを添加する工程とを含むことが好ましい。 以上のように、この発明によれば、工業的規模で製造されることが可能であって、純度が高いアトルバスタチンヘミカルシウム水和物とその製造方法を提供することができる。結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物の粉末X線回折パターンを示す図である。 本発明に従った結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物は、CuKα放射線を用いて測定される2θ値として5.5、5.9、8.8、11.1、11.7、12.3、14.3、14.6、18.2、18.7、19.0、19.5、19.7、22.9、および、24.0を含む粉末X線回折パターンを有する。 結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物は、3水和物相当の水分を含有する。 上述の結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物の製造方法においては、出発物質としては、アトルバスタチンヘミカルシウムであれば特定の結晶形に限定されることはない。出発物質として現在までに知られたいかなる結晶形または非晶質のアトルバスタチンヘミカルシウムを用いても、本発明に従った製造方法によって新しい結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物を得ることができる。 出発物質のアトルバスタチンヘミカルシウムを、ジクロロメタンと水を用いて再結晶させることにより、本発明の新規結晶性形態TW−1を簡便に得ることができる。 再結晶の工程においては、アトルバスタチンヘミカルシウムをジクロロメタンに添加し、攪拌を行った後に水を添加してもよいし、先にアトルバスタチンヘミカルシウムを水に添加した後にジクロロメタンを添加してもよい。ジクロロメタンと水は混合溶媒として用いられてもよい。また、加熱還流下でアトルバスタチンヘミカルシウムをジクロロメタンに溶解させた後、水を添加する方法によっても目的とする結晶を得ることができる。 再結晶の工程において攪拌操作を行う場合、溶媒としてジクロロメタンを用いるのみでは、結晶化さえ起こらないのに対し、ジクロロメタンと水とを用いることで本発明の新規結晶である結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物を得ることができる。 結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物が形成される正確な条件は、経験的に決定することができ、そして実施に適当であることが見出される方法を与えることができる。 すなわち、例えば、無定形、または結晶性のアトルバスタチンヘミカルシウムを20℃〜40℃でジクロロメタンに溶解し、ジクロロメタンに対し約0.05〜10v/vの水、特に好ましくは0.05〜0.1v/vの水を添加し、結晶を析出させ、次いで濾過することによって、結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物を得ることができる。 以下の非限定的実施例では、本発明の化合物を製造する好ましい方法を説明するが、本発明に従った製造方法はこれらに限定されるものではない。 <実施例1> 結晶性形態TW−1の〔R−(R*,R*)〕−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ―ジヒドロキシ−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−〔(フェニルアミノ)カルボニル〕−1H−ピロール−1−ヘプタン酸ヘミカルシウム塩の水和物、すなわち、結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物を、次の方法A〜方法Kの製造方法で製造した。 (方法A) 非晶質のアトルバスタチンヘミカルシウム(米国特許5273995号明細書に記載のアトルバスタチンヘミカルシウム)(1g)を、加熱還流下ジクロロメタン(10mL)中で10分間攪拌して溶解させ、濾過した。その濾液に水(0.5mL)を添加した後、17時間攪拌して結晶化させた。その結晶を濾過し、55℃にて12時間減圧乾燥し、結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物(0.78g)を得た。 (方法B) 非晶質のアトルバスタチンヘミカルシウム(1g)を、加熱還流下ジクロロメタン(10mL)中で10分間攪拌して溶解させ、濾過した。その濾液に水(1mL)を添加した後、17時間攪拌して結晶化させた。その結晶を濾過し、55℃にて12時間減圧乾燥し、結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物(0.99g)を得た。 (方法C) 非晶質のアトルバスタチンヘミカルシウム(1g)を、加熱還流下ジクロロメタン(10mL)中で10分間攪拌して溶解させ、濾過した。その濾液に水(10mL)を添加した後、17時間攪拌して結晶化させた。その結晶を濾過し、55℃にて12時間減圧乾燥し、結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム(0.95g)を得た。 (方法D) 非晶質のアトルバスタチンヘミカルシウム(1g)を、加熱還流下ジクロロメタン(10mL)中で10分間攪拌して溶解させ、濾過した。その濾液に水(30mL)を添加した後、17時間攪拌して結晶化させた。その結晶を濾過し、55℃にて12時間減圧乾燥し、結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム(0.95g)を得た。 (方法E) 非晶質のアトルバスタチンヘミカルシウム(1g)を、室温にてジクロロメタン(3mL)中で2時間攪拌した。次に、その溶液に水(30mL)を添加した後、17時間攪拌し、白色固体の沈殿を得た。次にその白色固体を濾過し、50℃にて12時間減圧乾燥し、結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム(0.75g)を得た。 (方法F)非晶質のアトルバスタチンヘミカルシウム(10g)を、加熱還流下ジクロロメタン(150mL)中で10分間攪拌し、濾過した。その濾液に水(7.5mL)を添加した後、17時間攪拌し、白色固体の沈殿を得た。次にその白色固体を濾過し、50℃にて12時間減圧乾燥し、結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム(8.68g)を得た。 (方法G) 非晶質のアトルバスタチンヘミカルシウム(10g)を、加熱還流下ジクロロメタン(150mL)中で10分間攪拌し、濾過した。その濾液に水(150mL)を添加した後、17時間攪拌し、白色固体の沈殿を得た。次にその白色固体を濾過し、50℃にて12時間減圧乾燥し、結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム(7.88g)を得た。 (方法H) 結晶性のアトルバスタチンヘミカルシウム(10g)(例えば、特表平11−509230号公報、特表2004−514694号公報に記載のアトルバスタチンヘミカルシウム)を、室温にてジクロロメタン(200mL)中で2時間攪拌した。次に、その溶液に水(10mL)を添加した後、14時間攪拌し、白色固体の沈殿を得た。次にその白色固体を濾過し、55℃にて12時間減圧乾燥し、結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム(9.02g、水分値:4.04%)を得た。 得られた結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物を、CuKα放射線を使用してPANalytical製X’Pert PRO MPDシステム(X’Celerator検出器)で測定した。測定された粉末X線回折パターンを図1に示し、図1に示す粉末X線回折パターンから読み取られた2θ及び相対強度を表1に示す。 図1と表1とに示すように、結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物は、CuKα放射線を用いて測定される2θ値として5.5、5.9、8.8、11.1、11.7、12.3、14.3、14.6、18.2、18.7、19.0、19.5、19.7、22.9、および、24.0を含む粉末X線回折パターンを有する。 このようにすることにより、ろ過性などの操作性に優れ、工業的規模で製造されることが可能であって、純度が高いアトルバスタチンヘミカルシウム水和物を提供することができる。 (方法I) 結晶性のアトルバスタチンヘミカルシウム(10g)を、室温にてジクロロメタン(100mL)中で2時間攪拌した。次に、その溶液に水(100mL)を添加した後、14時間攪拌し、白色固体の沈殿を得た。次にその白色固体を濾過し、55℃にて12時間減圧乾燥し、結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム(9.09g、水分値:3.71%)を得た。 以上のように、方法A〜方法Iの結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウムの製造方法は、ジクロロメタンに溶解したアトルバスタチンヘミカルシウムを水に接触させることによって上記の結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物を析出させる結晶化工程を含む。 また、方法A〜方法Iにおいては、結晶化工程は、固体状態のアトルバスタチンヘミカルシウムをジクロロメタンに溶解させる溶解工程と、溶解工程においてジクロロメタンに溶解されたアトルバスタチンヘミカルシウムに水を添加する工程とを含む。 (方法J) 結晶性のアトルバスタチンヘミカルシウム(1.0g)を、室温にて水(10mL)中で2時間攪拌した。次に、その懸濁液にジクロロメタン(10mL)を添加した後、3時間攪拌し、白色固体の沈殿を得た。次にその白色固体を濾過し、55℃にて12時間減圧乾燥し、結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム(0.81g)を得た。 このように、方法Jの結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウムの製造方法は、ジクロロメタンに溶解したアトルバスタチンヘミカルシウムを水に接触させることによって上記の結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物を析出させる結晶化工程を含む。 また、方法Jにおいては、結晶化工程は、固体状態のアトルバスタチンヘミカルシウムを水に混合する混合工程と、混合工程において水に混合されたアトルバスタチンヘミカルシウムにジクロロメタンを添加する工程とを含む。 (方法K) 結晶性のアトルバスタチンヘミカルシウム(1.0g)を、室温にて水(10mL)/ジクロロメタン(10mL)の混液へ添加し、3時間攪拌し、白色固体の沈殿を得た。次にその白色固体を濾過し、55℃にて12時間減圧乾燥し、結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム(0.89g)を得た。 このように、方法Kの結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウムの製造方法は、ジクロロメタンに溶解したアトルバスタチンヘミカルシウムを水に接触させることによって上記の結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物を析出させる結晶化工程を含む。 また、方法Kにおいては、結晶化工程は、固体状態のアトルバスタチンヘミカルシウムをジクロロメタンと水とからなる混合液に添加する工程とを含む。 <実施例2> (類縁物質) 実施例1の方法Hにより得られた本発明の結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物と、その出発物質である結晶性のアトルバスタチンヘミカルシウムとについて、類縁物質の測定を行った。 (試験方法) 試料20mgを水/アセトニトリル混液(1:1)20mLに溶かし、試料溶液とした。この液1mLを正確に量り、水/アセトニトリル混液(1:1)を加えて正確に100mLとし、標準溶液とした。試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり、次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行った。それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定した。 (試験条件) 検出器としては、紫外吸光光度計(測定波長:254nm)を用いた。カラムとしては、5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんした、内径4.6mm、長さ25cmのステンレス管を用いた。カラム温度は、40℃付近の一定温度であった。 移動相Aは、次のようにして作製した。すなわち、クエン酸一水和物10.5gを水900mLに溶かし、この液にアンモニア水を加えてpH5.0に調整した後、水を加えて1000mLとした。この液400mLにアセトニトリル100mL及びテトラヒドロフラン100mLを加えた。 移動相Bは、アセトニトリル/テトラヒドロフラン混液(1:1)とした。 移動相の送液は、移動相A及び移動相Bの混合比を次の表2に示すように変えて濃度勾配制御することによって行った。 表2に示すように、試料溶液の注入後、0〜40分までの間は、移動相Aが93vol%、移動相Bが7vol%であり、40〜80分の間は、移動相Aが93vol%から60vol%、移動相Bが7vol%から40vol%になるように、濃度勾配制御した。 (試験結果) 総類縁物質含量を比較すると、出発物質については0.59%、結晶性形態TW−1については0.45%であった。すなわち、本発明の製造方法によって、純度の向上したアトルバスタチンヘミカルシウム水和物の結晶性形態TW−1が得られた。 CuKα放射線を用いて測定される2θ値として5.5、5.9、8.8、11.1、11.7、12.3、14.3、14.6、18.2、18.7、19.0、19.5、19.7、22.9、および、24.0を含む粉末X線回折パターンを有する、結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物。 ジクロロメタンに溶解したアトルバスタチンヘミカルシウムを水に接触させることによって請求項1に記載の結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物を析出させる結晶化工程を含む、結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物の製造方法。 前記結晶化工程は、固体状態のアトルバスタチンヘミカルシウムをジクロロメタンに溶解させる溶解工程と、前記溶解工程においてジクロロメタンに溶解されたアトルバスタチンヘミカルシウムに水を添加する工程とを含む、請求項2に記載の結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物の製造方法。 前記結晶化工程は、固体状態のアトルバスタチンヘミカルシウムをジクロロメタンと水とからなる混合液に添加する工程とを含む、請求項2に記載の結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物の製造方法。 前記結晶化工程は、固体状態のアトルバスタチンヘミカルシウムを水に混合する混合工程と、前記混合工程において水に混合されたアトルバスタチンヘミカルシウムにジクロロメタンを添加する工程とを含む、請求項2に記載の結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物の製造方法。 【課題】工業的規模で製造されることが可能であって、純度が高い結晶性のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物とその製造方法を提供する。【解決手段】結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物は、CuKα放射線を用いて測定される2θ値として5.5、5.9、8.8、11.1、11.7、12.3、14.3、14.6、18.2、18.7、19.0、19.5、19.7、22.9、および、24.0を含む粉末X線回折パターンを有する。結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物の製造方法は、ジクロロメタンに溶解したアトルバスタチンヘミカルシウムを水に接触させることによって上記の結晶性形態TW−1のアトルバスタチンヘミカルシウム水和物を析出させる結晶化工程を含む。【選択図】図1