タイトル: | 公開特許公報(A)_クレンジングクリーム |
出願番号: | 2010084023 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | A61K 8/86,A61K 8/39,A61K 8/73,A61Q 19/10,A61Q 1/14 |
井上 明典 JP 2011213664 公開特許公報(A) 20111027 2010084023 20100331 クレンジングクリーム 株式会社ナリス化粧品 591230619 井上 明典 A61K 8/86 20060101AFI20110930BHJP A61K 8/39 20060101ALI20110930BHJP A61K 8/73 20060101ALI20110930BHJP A61Q 19/10 20060101ALI20110930BHJP A61Q 1/14 20060101ALI20110930BHJP JPA61K8/86A61K8/39A61K8/73A61Q19/10A61Q1/14 3 OL 8 4C083 4C083AB032 4C083AC072 4C083AC122 4C083AC421 4C083AC422 4C083AD092 4C083AD172 4C083AD221 4C083AD222 4C083CC11 4C083CC23 4C083CC24 4C083DD31 4C083EE06本発明はメイクアップ化粧料とのなじみが良く、クレンジング力に優れ、使用後洗い流した後のべたつきの少ないクレンジングクリームに関する。一般的に油性の汚れやメイクアップ化粧料を落とす目的のクレンジング料は、O/W型もしくはW/O型のエマルションのクリーム状、ジェル状、液状(水性、油性)などがあり、それぞれの使用性に応じて利用されている。クリーム状のクレンジング料は油性成分と界面活性剤と水からなる乳化化粧料でいわゆるクレンジングクリームと呼ばれる。クレンジングクリームは油性成分と水性成分をバランス良く配合しているため、高いしっとり感や、肌あたりの良さに優れているが、W/O型エマルションの場合、連続相が油成分であるため、クレンジング力に優れているが、クレンジング後の化粧料の除去が困難で、油性成分が手や顔に残りべたつくため、使用感が好ましくない。O/W型エマルションの場合は、使用中の肌感触は良いが、連続相が水成分であるため、メイクアップ化粧料とのなじみが悪くクレンジング力が不十分であり、皮脂やメイク汚れが肌に残留し、水洗後の肌もべたついて好ましくない。クレンジングクリームのメイクアップ化粧料に対するなじみを良くしクレンジング力を向上させる為にポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油やポリオキシアルキレングリセリル脂肪酸エステル等の特定の界面活性剤と水溶性高分子と油性成分と水等を含有することを特徴とする乳化組成物が開示されている。(特許文献1、2参照)更には炭酸ジエステルの溶剤効果を利用したクレンジング用の皮膚外用剤が開示されている。(特許文献3参照)しかしながら満足な効果は得られておらず、市場では高いしっとり感や、肌あたりの良さに優れるだけでなく、クレンジング力にも優れ、洗い流した後にべたつかないクレンジングクリームが望まれていた。特開平11−43416号公報特開2009−269860号公報特開2006−298866号公報したがって、本発明の目的はメイクアップ化粧料とのなじみが良く、クレンジング力に優れ、洗い流した後にべたつきの少ないクレンジングクリームを提供することにある。すなわち本発明の構成は(A)グリセリン重合度が20〜60、脂肪酸組成がイソステアリン酸、オレイン酸の何れかで、脂肪酸がモノ脂肪酸からトリ脂肪酸であることを特徴とするポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルと(B)グリセリン重合度が6〜10、脂肪酸組成が炭素数が16〜18であることを特徴とするポリグリセリンモノ脂肪酸エステルと(C)HLBが4以下のショ糖脂肪酸エステルを含有することを特徴とするクレンジングクリームである。本発明はメイクアップ化粧料とのなじみが良く、クレンジング力に優れ、洗い流した後にべたつきの少ないO/W型エマルションのクレンジングクリームを提供するものである。以下、本発明の構成を詳述する。本発明における成分(A)のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルは、特にグリセリン重合度が20〜60のものが好ましく、脂肪酸組成に関してはイソステアリン酸、オレイン酸が好ましい。脂肪酸はモノ脂肪酸からトリ脂肪酸が好ましい。具体的にはトリイソステアリン酸PEG−20グリセリル、トリイソステアリン酸PEG−40グリセリル、トリイソステアリン酸PEG−50グリセリル、トリイソステアリン酸PEG−60グリセリル、トリオレイン酸PEG−20グリセリル、トリオレイン酸PEG−30グリセリル、トリオレイン酸PEG−40グリセリル、トリオレイン酸PEG−50グリセリル、トリオレイン酸PEG−60グリセリル、イソステアリン酸PEG−20グリセリル、イソステアリン酸PEG−30グリセリル、イソステアリン酸PEG−40グリセリル、イソステアリン酸PEG−50グリセリル、イソステアリン酸PEG−60グリセリル、ジイソステアリン酸PEG−20グリセリル、ジイソステアリン酸PEG−30グリセリル、ジイソステアリン酸PEG−40グリセリル、ジイソステアリン酸PEG−50グリセリル、ジイソステアリン酸PEG−60グリセリルが例示される。中でも、特にトリイソステアリン酸PEG−20グリセリルが好ましく、市販品の例としては第一工業製薬社製ノイゲンGIS−320が挙げられる。本発明における成分(A)ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルのクレンジングクリームに対する好ましい配合量としては、1〜5質量%であり、さらに好ましくは2〜3質量%である。配合量が6質量%以上であるとクレンジング力が低下する傾向にあり、また配合量が1質量%未満であると洗い流した後べたつきを感じる場合がある。本発明における成分(B)のポリグリセリンモノ脂肪酸エステルは、特にグリセリン重合度が6〜10のものが好ましく、脂肪酸組成に関しては炭素数が16〜18のものが好ましく、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸が特に好ましい。具体的にはステアリン酸ポリグリセリル−6、ステアリン酸ポリグリセリル−10、オレイン酸ポリグリセリル−6、オレイン酸ポリグリセリル−10、イソステアリン酸ポリグリセリル-6、イソステアリン酸ポリグリセリル−10が例示される。中でも、ステアリン酸ポリグリセリル−6、ステアリン酸ポリグリセリル−10が特に好ましい。ステアリン酸ポリグリセリル−6の市販品の例としては日光ケミカルズ社製NIKKOL Hexaglyn 1-SV が挙げられる。同様にステアリン酸ポリグリセリル−10の市販品の例としては太陽化学社製サンソフトQ-18Yが挙げられる。本発明において成分(B)ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルの好ましい配合量は、1〜5質量%であり、さらに好ましくは2〜3質量%である。配合量が1質量%未満であると水洗後べたつきを感じる場合があり、また配合量が6質量%を超えるとクレンジング力が低下する傾向にある。本発明における成分(C)ショ糖脂肪酸エステルはHLBが4以下であれば特に制限なく使用できる。更には脂肪酸のエステル組成がモノエステルのみで構成されるのではなく、ポリエステルで構成されるものがより好ましい。具体的には、たとえばショ糖カプロン酸エステル、ショ糖カプリル酸エステル、ショ糖カプリン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖リノール酸エステル、ショ糖リノレン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル等が例示される。なかでも、脂肪酸がポリエステルで構成されHLBが1以下であるものとしてポリステアリン酸スクロース(HLB1以下)やポリパルミチン酸スクロース(HLB約1)、ポリオレイン酸スクロース(HLB約1)、ポリラウリン酸スクロース(HLB約1)が例示される。特にポリステアリン酸スクロースが好ましく、HLBが1でステアリン酸のエステル化度が4〜5のポリステアリン酸スクロースが特に好ましい。市販品としては第一工業製薬社製のシュガーワックスS−10Eが挙げられる。本発明において成分(C)ショ糖脂肪酸エステルの好ましい配合量は、0.5〜2質量%であり、さらに好ましくは0.5〜1質量%である。配合量が0.5質量%未満であるとメイクアップ化粧料とのなじみが悪くなる傾向にあり、また配合量が2質量%を超えると洗い流した後べたつきを感じる場合がある。本発明において、発明の効果を損なわない範囲であれば上記必須成分のほかに、必須成分以外の界面活性剤、必須成分以外の油剤、多価アルコール、香料、色素、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、油性ゲル化剤、抗炎症剤、植物エキスなど通常化粧料に用いられる原料を適宜配合することができる。以下に実施例、比較例を挙げて本発明を説明する。本発明はこれらにより限定されるものではない。実施例、比較例に示したクレンジング力および官能試験の試験方法は下記の通りである。尚、以下の表に示す組成物の配合量は、それぞれ質量%で示す。<クレンジング力および官能試験評価方法>20〜30代女性20名に市販のメイクアップ化粧料(ファンデーション及び口紅)を使用してもらい、30分後、実施例、比較例の試料を2g用い、1分間一定の力及び速さで顔面をマッサージし、その後水で洗い流した。その際のメイクアップ化粧料とのなじみやすさ、クレンジング力、水洗後のべたつきのなさを5段階評価し、その平均点から下記基準により判定した。5段階評価5点:非常に良い4点:良い3点:普通2点:やや悪い1点:悪い 実施例1〜9、比較例1〜7表1に示した処方のクレンジングクリームを常法により作製し、前記各試験を実施した。その結果を表1に併せて示す。トリイソステアリン酸PEG−20グリセリル(商品名:ノイゲンGIS−320、第一工業製薬社製)ステアリン酸ポリグリセリル−6(商品名:NIKKOL Hexaglyn 1-SV 、日光ケミカルズ社製)ステアリン酸ポリグリセリル−10(商品名:サンソフトQ-18Y、太陽化学社製)ポリステアリン酸スクロース(商品名:シュガーワックスS−10E、第一工業製薬社製)表1より明らかなように本発明の成分を用いた実施例のクレンジングクリームはいずれも優れた性能を有していた。一方、必須成分のいずれかを欠いた比較例では、メイクアップ化粧料とのなじみ、クレンジング力、洗い流した後のべたつきのなさのいずれかの面で劣っており、本発明の目的を達成できなかった。処方例1 (クレンジングクリーム) 質量(%)(1)トリイソステアリン酸PEG−30グリセリル 2(2)ステアリン酸ポリグリセリル−6 2(3)ポリステアリン酸スクロース 1(4)トリエチルヘキサノイン 40(5)シクロメチコン 5(6)セタノール 3.5(7)1,3BG 8(8)カルボマー 0.1(9)水酸化カリウム 0.1(10)水 残部*トリイソステアリン酸PEG−30グリセリル(商品名:EMALEX GWIS-330、日本エマルジョン社製)*ステアリン酸ポリグリセリル−6(商品名:NIKKOL Hexaglyn 1-SV、日光ケミカルズ社製)*ポリステアリン酸スクロース(シュガーワックスS−10E、第一工業製薬社製)処方例2 (クレンジングクリーム) 質量(%)(1)トリオレイン酸PEG−30グリセリル 2(2)ステアリン酸ポリグリセリル−10 1(3)ポリステアリン酸スクロース 1(4)トリエチルヘキサノイン 40(5)シクロメチコン 5(6)セタノール 3.5(7)1,3BG 8(8)カルボマー 0.1(9)水酸化カリウム 0.1(10)水 残部*トリオレイン酸PEG−30グリセリル(商品名:EMALEX GWO-330日本エマルジョン社製)*ステアリン酸ポリグリセリル−10(商品名:サンソフトQ-18Y、太陽化学社製)*ポリステアリン酸スクロース(商品名:シュガーワックスS-10E、第一工業製薬社製)処方例3 (クレンジングクリーム) 質量(%)(1)トリイソステアリン酸PEG−20グリセリル 2(2)ステアリン酸ポリグリセリル−6 2(3)ポリラウリン酸スクロース 1(4)トリエチルヘキサノイン 40(5)シクロメチコン 5(6)セタノール 3.5(7)1,3BG 8(8)カルボマー 0.1(9)水酸化カリウム 0.1(10)水 残部*トリオレイン酸PEG−20グリセリル(商品名:EMALEX GWO-320日本エマルジョン社製)*ステアリン酸ポリグリセリル−6(商品名:NIKKOL Hexaglyn 1-SV、日光ケミカルズ社製)*ポリラウリン酸スクロース(商品名:三菱化学フーズ株式会社製 リョートーシュガーエステルL−195)処方例4 (クレンジングクリーム) 質量(%)(1)トリイソステアリンン酸PEG−20グリセリル 2(2)オレイン酸ポリグリセリル−6 2(3)ポリステアリン酸スクロース 1(4)トリエチルヘキサノイン 40(5)シクロメチコン 5(6)セタノール 3.5(7)1,3BG 8(8)カルボマー 0.1(9)水酸化カリウム 0.1(10)水 残部*オレイン酸ポリグリセリル−6(商品名:NIKKOL Hexaglyn 1-OV、日光ケミカルズ社製)*ポリステアリン酸スクロース(商品名:シュガーワックスS-10E、第一工業製薬社製)処方例5 (クレンジングクリーム) 質量(%)(1)ジイソステアリン酸PEG−20グリセリル 2(2)ステアリン酸ポリグリセリル−6 2(3)ポリステアリン酸スクロース 1(4)トリエチルヘキサノイン 40(5)シクロメチコン 5(6)セタノール 3.5(7)1,3BG 8(8)カルボマー 0.1(9)水酸化カリウム 0.1(10)水 残部*ジイソステアリン酸PEG−20グリセリル(商品名:EMALEXGWIS-230EX 、日本エマルジョン社製)*ポリステアリン酸スクロース(商品名:シュガーワックスS-10E、第一工業製薬社製)上記処方例1から5のクレンジングクリームを作成し評価したところ、メイクアップ化粧料とのなじみ、クレンジング力、洗い流した後のべたつきのなさについて、優れた性能を有していた。本発明のクレンジングクリームは、メイクアップ化粧料とのなじみ、クレンジング力、洗い流した後のべたつきのなさについて、優れた性能を有している。本発明は、このように顕著な作用効果を有する発明であり、産業上の貢献はまことに大きく、意義のある発明である。(A)グリセリン重合度が20〜60、脂肪酸組成がイソステアリン酸、オレイン酸の何れかで、脂肪酸がモノ脂肪酸からトリ脂肪酸であることを特徴とするポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル(B)グリセリン重合度が6〜10、脂肪酸組成が炭素数が16〜18であることを特徴とするポリグリセリンモノ脂肪酸エステル(C)HLBが4以下のショ糖脂肪酸エステルを含有することを特徴とするクレンジングリーム。(A)を1〜5質量%、(B)を1〜5質量%(C)を0.5〜2質量%を含有することを特徴とする請求項1に記載のクレンジングリーム。(A)がトリイソステアリン酸PEG−20グリセリルであり、(B)がグリセリン重合度が6〜10、脂肪酸がステアリン酸であることを特徴とするポリグリセリンモノ脂肪酸エステルであり(C)がポリステアリン酸スクロースであることを特徴とする請求項1〜2に記載のクレンジングクリーム 【課題】メイクアップ化粧料とのなじみが良く、クレンジング力に優れ、洗い流した後のべたつきの少ないクレンジングクリームを提供する。【課題を解決するための手段】(A)グリセリン重合度が20〜60、脂肪酸組成がイソステアリン酸、オレイン酸の何れかで、脂肪酸がモノ脂肪酸からトリ脂肪酸であることを特徴とするポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルと(B)グリセリン重合度が6〜10、脂肪酸組成が炭素数が16〜18であることを特徴とするポリグリセリンモノ脂肪酸エステルと(C)HLBが4以下であるショ糖脂肪酸エステルを含有することでメイクアップ化粧料とのなじみが良く、クレンジング力に優れ、洗い流した後のべたつきの少ないクレンジングクリームを提供することが可能となる。【選択図】なし