生命科学関連特許情報

タイトル:再公表特許(A1)_環状スルホン酸エステルの製造方法及びその中間体
出願番号:2010063062
年次:2013
IPC分類:C07D 327/10,C07D 327/04


特許情報キャッシュ

蔵本 絢子 岡本 訓明 綿引 勉 角野 元重 JP WO2011016440 20110210 JP2010063062 20100803 環状スルホン酸エステルの製造方法及びその中間体 和光純薬工業株式会社 000252300 蔵本 絢子 岡本 訓明 綿引 勉 角野 元重 JP 2009181963 20090804 C07D 327/10 20060101AFI20121207BHJP C07D 327/04 20060101ALI20121207BHJP JPC07D327/10C07D327/04 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20130110 2011525889 27 4C023 4C023AA01 本発明は、例えばリチウムイオン二次電池に於ける非水系電解液の添加剤等として有用な環状スルホン酸エステル(スルトン)の製造方法に関し、更に詳しくは、ジヒドロキシスルホン酸塩を原料とする効率の良い環状スルホン酸エステル(スルトン)の製造方法に関する。 環状スルホン酸エステル(スルトン)は、例えばリチウムイオン二次電池に於ける、種々の電池特性を向上させることができる非水系電解液の添加剤として有用な化合物であることが知られている。具体的には、例えば1,3-プロペンスルトン等の不飽和スルトンを非水系電解液に添加することで、負極上での電解液の還元分解反応を抑制する効果が期待できるばかりでなく、高温保存試験やサイクル試験時の電池の容量低下を抑制でき、また、電解液の分解に伴うガス発生を抑制できることが知られている(例えば特許文献1等)。また、例えばヒドロキシプロパンスルトン等のヒドロキシスルトンを含有する非水系電解液は、リチウムイオン二次電池に顕著な充放電効率の低減抑制効果、サイクル寿命の長期化、電池容量の低減抑制効果をもたらすことが知られている(例えば特許文献2等)。 このような環状スルホン酸エステル(スルトン)の一種である、1,3-プロペンスルトン等の不飽和スルトンの製造方法としては、具体的には、例えば(1)臭化アリルと亜硫酸ナトリウムを反応させて得られるアリルスルホン酸ナトリウムを臭素化してジブロモ体とし、続いて酸性条件下による環化反応を行うことにより2-ブロモ-1,3-プロパンスルトンを得た後、脱臭化水素化反応によって当該1,3-プロペンスルトンを得る方法(例えば非特許文献1等)、(2)アリルスルホン酸ナトリウムとオキシ塩化リンとを反応させて得られるアリルスルホニルクロリドに、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインを反応させて2-ブロモ-1,3-プロパンスルトンを得た後、脱臭化水素化反応によって当該1,3-プロペンスルトンを得る方法(例えば非特許文献2等)、(3)1,3-プロパンスルトンをラジカル開始剤の存在下、ハロゲン化剤を反応させてハロゲン化-1,3-プロパンスルトンとし、次いで脱ハロゲン化水素化反応によって1,3-プロペンスルトンを得る方法(例えば特許文献3等)、(4)ビニルスルホニルクロリドとアリルアルコールから得られるビニルスルホン酸アリルエステルを、ルテニウム触媒の存在下でメタセシス閉環させることにより当該1,3-プロペンスルトンを得る方法(例えば非特許文献3等)等が知られている。 また、2-ヒドロキシ-1,3-プロパンスルトン等のヒドロキシスルトンの製造方法としては、具体的には、例えば(5)メタ重亜硫酸ナトリウムと苛性ソーダから生じる亜硫酸水素ナトリウムをエピクロロヒドリンと反応させて3-クロロ-2-ヒドロキシプロパン亜硫酸ナトリウムを得た後、次いでこれを加熱条件下による閉環反応を行うことにより当該2-ヒドロキシ-1,3-プロパンスルトンが得られることが記載されている(例えば特許文献4等)。 しかしながら、上記(1)の方法に於いては、1,3-プロペンスルトンを得る際に使用した臭素が全て廃棄物となるため原子効率が悪く、また、減圧下で行う脱臭化水素化反応の工程は収率が低いなどの問題点があり、本発明者らが実際に(1)の方法を工業的スケールで実施したところ、目的物である1,3-プロペンスルトンが全く得られなかった。詳細は定かでないが、脱臭化水素化反応は無溶媒かつ高温で行うため、工業レベルでは閉環反応よりも分解やゲル化が起きているものと考えられる。上記(2)の方法に於いては、高価な1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインを相当量使用しなければならない上、収率が低い等の問題点がある。また、上記(3)の方法に於いては、1,3-プロパンスルトンのハロゲン化反応の際にハロゲンの置換位置の異なる3-ハロゲノ-1,3-プロパンスルトンが副生し、当該3-ハロゲノ-1,3-プロパンスルトンは脱ハロゲン化水素化反応が進行せず、目的とする1,3-プロパンスルトンが生成しないことから、収率が向上しない等の問題点がある。更に、上記(4)の方法では、比較的高価なルテニウム触媒を用いる必要があり、工業的製法であるとは言い難い。 また、2-ヒドロキシ-1,3-プロパンスルトンの製造方法として開示されている上記(5)の方法を本発明者らが追試したところ、2-ヒドロキシ-1,3-プロパンスルトンは全く得られず、合成中間体である3-クロロ-2-ヒドロキシプロパン亜硫酸ナトリウムの存在も確認されなかった。本発明者らが検討した結果、合成中間体として、3-クロロ-2-ヒドロキシプロパン亜硫酸ナトリウムではなく、3-クロロ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムが生成していることが判明した。このように、何れの方法も、収率が低い、比較的高価な反応試薬を相当量必要とする、工業的スケールでは安定して目的とする環状スルホン酸エステル(スルトン)を得ることが困難である等といった問題点があり、必ずしも有利な方法ではなかった。 このような状況下、安価な原料や反応試薬を用いることができるばかりでなく、目的とする環状スルホン酸エステル(スルトン)を工業的スケールでも安定して合成可能な効率の良い製造方法の開発が望まれている。特開2002−329528号公報特開2006−4813号公報韓国特許公開公報第1020070101716号米国特許第3100779号公報Chem. Commun., 1997, 611Synlett 1998, 1411Synthesis 2004, 10, 1696 本発明が解決しようとする課題は、目的とする環状スルホン酸エステル(スルトン)を、安価で収率良く得ることができるばかりでなく、工業スケールでも安定して当該環状スルホン酸エステル(スルトン)を得ることが可能な、効率の良い製造方法を提供することにある。 本発明は、一般式[2](式中、n個のR1、n個のR2、R3、R4及びR5は夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Mはアルカリ金属原子を表し、nは1又は2の整数を表す。)で示される化合物とハロゲン化チオニルとを反応させて、一般式[3](式中、Xはハロゲン原子を表し、n個のR1、n個のR2、R3、R4、R5及びnは上記に同じ。)で示される化合物を得る第1の工程と、上記一般式[3]で示される化合物を水又は/及びアルコールと反応させる第2の工程と、を含んでなることを特徴とする、一般式[1](式中、n個のR1、n個のR2、R3、R4、R5及びnは上記に同じ。)で示される化合物の製造方法の発明である。 また、本発明は、一般式[1'](式中、R2、R3、R4及びR5は上記に同じ。)で示される化合物を酸ハロゲン化物又は酸無水物と反応させて、一般式[5](式中、Lは上記酸ハロゲン化物又は酸無水物に由来する脱離基を表し、R2、R3、R4及びR5は上記に同じ。)で示される化合物を得、次いで上記一般式[5]で示される化合物を塩基で処理する第3の工程を含んでなることを特徴とする、一般式[4](式中、R2、R3、R4及びR5は上記に同じ。)で示される化合物の製造方法の発明である。 更に、本発明は、上記一般式[3]で示される化合物の発明である。 本発明の製造方法によれば、目的とする一般式[1]で示されるヒドロキシスルトンや一般式[4]で示される不飽和スルトン等の環状スルホン酸エステル(スルトン)を高収率で得ることができるばかりでなく、工業スケールでも安定した収率で当該環状スルホン酸エステル(スルトン)を製造することが可能となる。また、上記第1の工程及び第2の工程、或いは上記第1の工程、第2の工程及び第3の工程を連続的に1ポット(one-pot)で行うことによっても、上記一般式[1]で示されるヒドロキシスルトンや上記一般式[4]で示される不飽和スルトンを高効率で製造することが可能となる。 一般式[1]、[2]及び[3]に於けるR1、並びに一般式[1]、[1']、[2]、[3]、[4]及び[5]に於けるR2、R3、R4及びR5で示される炭素数1〜3のアルキル基としては、直鎖状又は分枝状の何れでもよく、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、中でも炭素数1のアルキル基であるメチル基が好ましい。 一般式[2]に於けるMで示されるアルカリ金属原子としては、例えばリチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子、セシウム原子等が挙げられ、中でもリチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子が好ましく、更にその中でもナトリウム原子がより好ましい。 一般式[3]に於けるXで示されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でも塩素原子が好ましい。 一般式[1]、[2]及び[3]に於けるnとしては、1が好ましい。 一般式[5]に於けるLで示される、酸ハロゲン化物又は酸無水物に由来する脱離基としては、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数6〜10のアリールスルホニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜7のアルキルカルボニル基(アシル基)、炭素数7〜11のアリールカルボニル基等が挙げられ、具体的には、例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n-プロパンスルホニル基、イソプロパンスルホニル基、n-ブタンスルホニル基、イソブタンスルホニル基、sec-ブタンスルホニル基、tert-ブタンスルホニル基、シクロブタンスルホニル基、n-ペンタンスルホニル基、イソペンタンスルホニル基、sec-ペンタンスルホニル基、tert-ペンタンスルホニル基、ネオペンタンスルホニル基、2-メチルブタンスルホニル基、1,2-ジメチルプロパンスルホニル基、1-エチルプロパンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基、n-ヘキサンスルホニル基、イソヘキサンスルホニル基、sec-ヘキサンスルホニル基、tert-ヘキサンスルホニル基、ネオヘキサンスルホニル基、2-メチルペンタンスルホニル基、1,2-ジメチルブタンスルホニル基、2,3-ジメチルブタンスルホニル基、1-エチルブタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、例えばベンゼンスルホニル基、o-トルエンスルホニル基、m-トルエンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、2,3-キシレンスルホニル基、2,4-キシレンスルホニル基、2,5-キシレンスルホニル基、2,6-キシレンスルホニル基、3,4-キシレンスルホニル基、3,5-キシレンスルホニル基、1-ナフタレンスルホニル基、2-ナフタレンスルホニル基等の炭素数6〜10のアリールスルホニル基、例えばメチルカルボニル基(アセチル基)、エチルカルボニル基、n-プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、n-ブチルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、sec-ブチルカルボニル基、tert-ブチルカルボニル基、シクロブチルカルボニル基、n-ペンチルカルボニル基、イソペンチルカルボニル基、sec-ペンチルカルボニル基、tert-ペンチルカルボニル基、ネオペンチルカルボニル基、2-メチルブチルカルボニル基、1,2-ジメチルプロピルカルボニル基、1-エチルプロピルカルボニル基、シクロペンチルカルボニル基、n-ヘキシルカルボニル基、イソヘキシルカルボニル基、sec-ヘキシルカルボニル基、tert-ヘキシルカルボニル基、ネオヘキシルカルボニル基、2-メチルペンチルカルボニル基、1,2-ジメチルブチルカルボニル基、2,3-ジメチルブチルカルボニル基、1-エチルブチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、トリフルオロメチルカルボニル基(トリフルオロアセチル基)等のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜7のアルキルカルボニル基、例えばフェニルカルボニル基(ベンゾイル基)、o-トリルカルボニル基、m-トリルカルボニル基、p-トリルカルボニル基、2,3-キシリルカルボニル基、2,4-キシリルカルボニル基、2,5-キシリルカルボニル基、2,6-キシリルカルボニル基、3,4-キシリルカルボニル基、3,5-キシリルカルボニル基、1-ナフチルカルボニル基、2-ナフチルカルボニル基等の炭素数7〜11のアリールカルボニル基等が挙げられ、中でもメタンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、メチルカルボニル基(アセチル基)、トリフルオロメチルカルボニル基(トリフルオロアセチル基)、フェニルカルボニル基(ベンゾイル基)が好ましく、更にその中でもメタンスルホニル基、メチルカルボニル基(アセチル基)がより好ましい。 一般式[1]、[2]及び[3]に於けるR1、並びに一般式[1]、[1']、[2]、[3]、[4]及び[5]に於けるR2、R3、R4及びR5としては、水素原子が好ましい。 上記一般式[1]、[2]及び[3]で示される化合物の好ましい具体例としては、一般式[1]、[2]及び[3]に於けるR1が水素原子であって、かつnが1であるものが挙げられ、より具体的には、一般式[2]で示される化合物の好ましい具体例としては、一般式[2'](式中、R2、R3、R4、R5及びMは上記に同じ。)で示される化合物、一般式[3]で示される化合物の好ましい具体例としては、一般式[3'](式中、R2、R3、R4、R5及びXは上記に同じ。)で示される化合物、一般式[1]で示される化合物の好ましい具体例としては、上記一般式[1']で示される化合物を挙げることができる。上記一般式[2']で示される化合物及び上記一般式[3']で示される化合物は、上記一般式[1']で示される化合物(ヒドロキシスルトン)のような飽和スルトンのみならず、上記一般式[4]で示される化合物(不飽和スルトン)をも、高収率かつ高選択的に得るための中間体として有用なものであり、本発明の製造方法は、上記一般式[1']で示される化合物(ヒドロキシスルトン)及び上記一般式[4]で示される化合物(不飽和スルトン)を得る方法として好ましい製造方法である。 上記一般式[1]乃至[5]で示される化合物のより好ましい具体例としては、一般式[1]乃至[5]に於けるR1、R2、R3、R4及びR5がすべて水素原子であって、一般式[1]、[2]及び[3]に於いてはnが1であるものが挙げられ、より具体的には、一般式[2]で示される化合物のより好ましい具体例としては、一般式[2''](式中、Mは上記に同じ。)で示される化合物、一般式[3]で示される化合物のより好ましい具体例としては、一般式[3''](式中、Xは上記に同じ。)で示される化合物、一般式[1]及び[1']で示される化合物のより好ましい具体例としては、式[1'']で示される化合物、一般式[5]で示される化合物のより好ましい具体例としては、一般式[5'](式中、Lは上記に同じ。)で示される化合物、一般式[4]で示される化合物のより好ましい具体例としては、式[4']で示される化合物を挙げることができる。上記式[1'']で示される化合物(2-ヒドロキシ-1,3-プロパンスルトン)及び上記式[4']で示される化合物(1,3-プロペンスルトン)は、リチウムイオン二次電池に於ける非水系電解液の添加剤として好ましい化合物である。すなわち、本発明は、上記式[1'']で示される化合物(2-ヒドロキシ-1,3-プロパンスルトン)及び上記式[4']で示される化合物(1,3-プロペンスルトン)を得る方法としてより好ましい製造方法である。また、上記一般式[2'']、[3'']及び[5']で示される化合物は、当該スルトンの合成中間体としてより好ましい化合物である。 本発明の製造方法に於いて、上記一般式[1]で示される化合物(ヒドロキシスルトン)は、上記一般式[2]で示される化合物(ジオール)を、該化合物(ジオール)に対して所定量のハロゲン化チオニルと反応させて、上記一般式[3]で示される化合物(環状亜硫酸エステル)を得た後(第1の工程)、当該環状亜硫酸エステルを水又は/及びアルコールと反応させること(第2の工程)により合成することができる。更に、上記一般式[4]で示される化合物(不飽和スルトン)は、上記第1及び第2の工程によって得られる上記一般式[1']で示される化合物(ヒドロキシスルトン)を、該化合物(ヒドロキシスルトン)に対して所定量の酸ハロゲン化物又は酸無水物と反応させて、上記一般式[5]で示される化合物を得た後、次いで該化合物を塩基で処理すること(第3の工程)により合成することができる。また、上記第1の工程及び第2の工程を連続的に、すなわち、1ポット(one-pot)で行うことにより、上記第1の工程及び第2の工程を段階的に行う場合に比べて、高収率かつ高効率で一般式[1]で示される化合物(ヒドロキシスルトン)を得ることができる。更に、上記第1の工程及び第2の工程のみならず、第3の工程をも連続的に、すなわち、1ポット(one-pot)で行うことにより、これらを段階的に行う場合に比べて、更に効率良く一般式[4]で示される化合物(不飽和スルトン)を得ることができる。 本発明に於いて使用される一般式[2]で示される化合物、すなわち、一般式[2]で示されるジオールは、市販のものを用いるか常法により合成したものを適宜用いればよい。常法としては、アリルスルホン酸ナトリウム、ホモアリルスルホン酸ナトリウム等のアルケニルスルホン酸のアルカリ金属塩をエポキシ化した後、加水分解反応を行う方法等が挙げられる。また、本発明に於いては、特に一般式[2]で示されるジオールとして、一般式[2]に於けるR1、R2、R3、R4及びR5がすべて水素原子であって、かつnが1であるジオール、すなわち、2,3-ジヒドロキシプロパンスルホン酸のアルカリ金属塩がより好ましく用いられる。 上記第1の工程に於いて、一般式[2]で示されるジオールと反応させるハロゲン化チオニルとしては、市販のものを用いれば足り、具体的には、例えば塩化チオニル、臭化チオニル、ヨウ化チオニル等が挙げられ、中でも安価で取り扱いが容易であるという点から、塩化チオニルが好ましい。また、ハロゲン化チオニルの使用量としては、一般式[2]で示されるジオールに対して、通常1.6当量〜20当量、好ましくは1.8当量〜10当量である。尚、これらのハロゲン化チオニルは、1種類を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。 上記第1の工程は、無溶媒又は有機溶媒中で行えばよい。当該有機溶媒としては、反応原料である一般式[2]で示されるジオールと反応しない有機溶媒であれば特に制限はなく、具体的には、例えばヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、炭酸ジメチル、アセトニトリル、ジオキサン等が好ましく用いられる。また、有機溶媒の使用量としては特に制限されないが、例えば一般式[2]で示されるジオール1mmolに対して、通常0.1mL〜20mL、好ましくは0.2mL〜10mLである。尚、これらの有機溶媒は、1種類を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。 上記第1の工程は、反応を促進しうる触媒の存在下で行ってもよく、斯かる触媒としては、例えばN,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-N-フェニルホルムアミド等のN,N-二置換アミド、例えばトリエチルアミン、N,N-ジエチルアニリン等の3級アミン、例えばピリジン、4-エチルピリジン、2-メチル-5-エチルピリジン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)等の含窒素複素環化合物等が挙げられる。また、触媒の使用量としては特に制限されないが、例えば一般式[2]で示されるジオールに対して、通常0.001当量〜20当量、好ましくは0.01当量〜10当量、より好ましくは0.01当量〜5当量である。尚、これらの触媒は、1種類を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。 上記第1の工程に於ける反応温度は、一般式[2]で示されるジオールとハロゲン化チオニルとが反応するような温度に設定すればよいが、当該ジオールとハロゲン化チオニルとが効率的に反応し、上記一般式[3]で示される化合物、すなわち、上記一般式[3]で示される環状亜硫酸エステルを収率良く合成できる温度に設定することが好ましい。具体的には、例えば通常−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜80℃である。 上記第1の工程に於ける反応時間は、一般式[2]で示されるジオールに対するハロゲン化チオニルの使用量、有機溶媒の種類及びその使用量、反応温度等により変動する場合があるので一概には言えないが、通常0.2時間〜24時間、好ましくは0.5時間〜12時間の範囲に設定される。 上記第1の工程に於いて、反応終了後の溶液から、第1の工程の生成物である一般式[3]で示される環状亜硫酸エステルを単離する方法としては、一般的な後処理操作でよい。具体的には、例えば反応終了後の反応液を冷水中に投入し、次いでトルエン等の適当な有機溶媒で抽出後、得られた抽出液を適宜水等で洗浄し、洗浄後の溶液を濃縮することにより単離できる。尚、上記のような単離操作の他に、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の精製操作を加えてもよい。また、本発明に於いては、上記第1の工程と後述する第2の工程を連続的に行うことにより、目的とする一般式[1]で示される化合物、すなわち、一般式[1]で示されるヒドロキシスルトンをより高収率かつ高効率で得ることができるため、収率及び効率の向上を更に求める場合には、上記第1の工程終了後の後処理操作を行わずに第2の工程を行うことが望ましい。 このようにして得られる一般式[3]で示される環状亜硫酸エステルは、上述したように、一般式[1]で示されるヒドロキシスルトンや一般式[4]で示される化合物、すなわち、一般式[4]で示される不飽和スルトンを合成する上での合成中間体として重要な化合物である。 上記第2の工程は、一般式[3]で示される環状亜硫酸エステルと水又は/及びアルコールを反応させる工程であり、当該水又は/及びアルコールの使用量(複数種を組み合わせて用いる場合にはその合計)としては、一般式[3]で示される環状亜硫酸エステルに対して、通常0.8当量〜20当量、好ましくは1.8当量〜10当量、より好ましくは1.8当量〜7当量である。当該アルコールとしては、市販のものを用いれば足り、具体的には、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、シクロブタノール等が挙げられ、中でもメタノール、エタノールが好ましい。尚、これらの水又は/及びアルコールは、1種類を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。 上記第2の工程に於いては、反応を促進させるために、酸を用いることが好ましい。当該酸としては、具体的には、例えば塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸、例えば炭酸、酢酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等の有機酸が挙げられ、中でも塩酸が好ましい。また、酸の使用量としては、一般式[3]で示される環状亜硫酸エステルに対して、通常0.8当量〜10当量、好ましくは1当量〜5当量である。尚、これらの酸は、1種類を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。また、上記第1の工程と第2の工程を連続的に1ポット(one-pot)で行う場合には、上記第1の工程で使用されるハロゲン化チオニル由来の酸性成分が酸の代わりとなるので、必ずしも酸を加える必要はない。 上記第2の工程は、水又は/及びアルコールが反応溶媒を兼ねるため、他の有機溶媒を必須としないが、有機溶媒を併用して実施してもよい。当該有機溶媒としては、反応原料である一般式[3]で示される環状亜硫酸エステルと反応しない有機溶媒であれば特に制限はなく、具体的には、例えばヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、炭酸ジメチル、アセトニトリル、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。また、有機溶媒の使用量としては特に制限されないが、例えば一般式[3]で示される環状亜硫酸エステル1mmolに対して、通常0.02mL〜10mL、好ましくは0.05mL〜5mLである。尚、これらの有機溶媒は、1種類を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。 上記第2の工程に於ける反応温度は、一般式[3]で示される環状亜硫酸エステルと水又は/及びアルコールとが反応するような温度に設定すればよいが、当該環状亜硫酸エステルと水又は/及びアルコールとが効率的に反応し、上記一般式[1]で示されるヒドロキシスルトンを収率良く合成できる温度に設定することが好ましい。具体的には、例えば通常−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜60℃、より好ましくは10℃〜30℃である。 上記第2の工程に於ける反応時間は、一般式[3]で示される環状亜硫酸エステルに対する水又は/及びアルコールの使用量、酸の種類及びその使用量、反応温度等により変動する場合があるので一概には言えないが、通常0.1時間〜6時間、好ましくは0.2時間〜3時間の範囲に設定される。 上記第2の工程に於いて、反応終了後の溶液から、第2の工程の生成物である一般式[1]で示されるヒドロキシスルトンを単離、精製する方法としては、一般的な後処理、精製操作でよい。具体的には、例えば反応終了後の反応液を濃縮し、次いで濃縮残渣に酢酸エチル等の適当な有機溶媒と必要であれば水を投入して攪拌後、水層を除去して得られた有機層を水等で洗浄し、洗浄後の溶液を濃縮した濃縮残渣にトルエン等の適当な有機溶媒を投入することによって生じた結晶を濾取することにより効率良く精製できる。尚、上記のような精製操作でなくとも、通常のカラムクロマトグラフィーによる精製操作を行ってもよい。また、本発明に於いては、上記第1の工程及び第2の工程のみならず、後述する第3の工程をも連続的に行うことにより、目的とする一般式[4]で示される不飽和スルトンを更に高効率で得ることができるため、効率の更なる向上を求める場合には、上記第2の工程終了後の後処理操作を行わずに第3の工程を行うことが望ましい。 上記第3の工程に於いて、一般式[1']で示されるヒドロキシスルトンと反応させる酸ハロゲン化物又は酸無水物としては、市販のものを用いれば足り、具体的な酸ハロゲン化物としては、例えばメタンスルホニルクロリド、メタンスルホニルブロミド、メタンスルホニルヨージド、エタンスルホニルクロリド、エタンスルホニルブロミド、エタンスルホニルヨージド、n-プロパンスルホニルクロリド、n-プロパンスルホニルブロミド、n-プロパンスルホニルヨージド、イソプロパンスルホニルクロリド、イソプロパンスルホニルブロミド、イソプロパンスルホニルヨージド、n-ブタンスルホニルクロリド、n-ブタンスルホニルブロミド、n-ブタンスルホニルヨージド、イソブタンスルホニルクロリド、イソブタンスルホニルブロミド、イソブタンスルホニルヨージド、sec-ブタンスルホニルクロリド、sec-ブタンスルホニルブロミド、sec-ブタンスルホニルヨージド、tert-ブタンスルホニルクロリド、tert-ブタンスルホニルブロミド、tert-ブタンスルホニルヨージド、シクロブタンスルホニルクロリド、シクロブタンスルホニルブロミド、シクロブタンスルホニルヨージド、n-ペンタンスルホニルクロリド、n-ペンタンスルホニルブロミド、n-ペンタンスルホニルヨージド、イソペンタンスルホニルクロリド、イソペンタンスルホニルブロミド、イソペンタンスルホニルヨージド、sec-ペンタンスルホニルクロリド、sec-ペンタンスルホニルブロミド、sec-ペンタンスルホニルヨージド、tert-ペンタンスルホニルクロリド、tert-ペンタンスルホニルブロミド、tert-ペンタンスルホニルヨージド、ネオペンタンスルホニルクロリド、ネオペンタンスルホニルブロミド、ネオペンタンスルホニルヨージド、2-メチルブタンスルホニルクロリド、2-メチルブタンスルホニルブロミド、2-メチルブタンスルホニルヨージド、1,2-ジメチルプロパンスルホニルクロリド、1,2-ジメチルプロパンスルホニルブロミド、1,2-ジメチルプロパンスルホニルヨージド、1-エチルプロパンスルホニルクロリド、1-エチルプロパンスルホニルブロミド、1-エチルプロパンスルホニルヨージド、シクロペンタンスルホニルクロリド、シクロペンタンスルホニルブロミド、シクロペンタンスルホニルヨージド、n-ヘキサンスルホニルクロリド、n-ヘキサンスルホニルブロミド、n-ヘキサンスルホニルヨージド、イソヘキサンスルホニルクロリド、イソヘキサンスルホニルブロミド、イソヘキサンスルホニルヨージド、sec-ヘキサンスルホニルクロリド、sec-ヘキサンスルホニルブロミド、sec-ヘキサンスルホニルヨージド、tert-ヘキサンスルホニルクロリド、tert-ヘキサンスルホニルブロミド、tert-ヘキサンスルホニルヨージド、ネオヘキサンスルホニルクロリド、ネオヘキサンスルホニルブロミド、ネオヘキサンスルホニルヨージド、2-メチルペンタンスルホニルクロリド、2-メチルペンタンスルホニルブロミド、2-メチルペンタンスルホニルヨージド、1,2-ジメチルブタンスルホニルクロリド、1,2-ジメチルブタンスルホニルブロミド、1,2-ジメチルブタンスルホニルヨージド、2,3-ジメチルブタンスルホニルクロリド、2,3-ジメチルブタンスルホニルブロミド、2,3-ジメチルブタンスルホニルヨージド、1-エチルブタンスルホニルクロリド、1-エチルブタンスルホニルブロミド、1-エチルブタンスルホニルヨージド、シクロヘキサンスルホニルクロリド、シクロヘキサンスルホニルブロミド、シクロヘキサンスルホニルヨージド、トリフルオロメタンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホニルブロミド、トリフルオロメタンスルホニルヨージド等のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルスルホン酸ハロゲン化物、例えばベンゼンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルブロミド、ベンゼンスルホニルヨージド、o-トルエンスルホニルクロリド、o-トルエンスルホニルブロミド、o-トルエンスルホニルヨージド、m-トルエンスルホニルクロリド、m-トルエンスルホニルブロミド、m-トルエンスルホニルヨージド、p-トルエンスルホニルクロリド、p-トルエンスルホニルブロミド、p-トルエンスルホニルヨージド、2,3-キシレンスルホニルクロリド、2,3-キシレンスルホニルブロミド、2,3-キシレンスルホニルヨージド、2,4-キシレンスルホニルクロリド、2,4-キシレンスルホニルブロミド、2,4-キシレンスルホニルヨージド、2,5-キシレンスルホニルクロリド、2,5-キシレンスルホニルブロミド、2,5-キシレンスルホニルヨージド、2,6-キシレンスルホニルクロリド、2,6-キシレンスルホニルブロミド、2,6-キシレンスルホニルヨージド、3,4-キシレンスルホニルクロリド、3,4-キシレンスルホニルブロミド、3,4-キシレンスルホニルヨージド、3,5-キシレンスルホニルクロリド、3,5-キシレンスルホニルブロミド、3,5-キシレンスルホニルヨージド、1-ナフタレンスルホニルクロリド、1-ナフタレンスルホニルブロミド、1-ナフタレンスルホニルヨージド、2-ナフタレンスルホニルクロリド、2-ナフタレンスルホニルブロミド、2-ナフタレンスルホニルヨージド等の炭素数6〜10のアリールスルホン酸ハロゲン化物、例えばアセチルクロリド、アセチルブロミド、アセチルヨージド、プロピオニルクロリド(プロピオン酸クロリド)、プロピオニルブロミド(プロピオン酸ブロミド)、プロピオニルヨージド(プロピオン酸ヨージド)、n-ブチリルクロリド(酪酸クロリド)、n-ブチリルブロミド(酪酸ブロミド)、n-ブチリルヨージド(酪酸ヨージド)、イソブチリルクロリド(イソ酪酸クロリド)、イソブチリルブロミド(イソ酪酸ブロミド)、イソブチリルヨージド(イソ酪酸ヨージド)、n-バレリルクロリド(吉草酸クロリド)、n-バレリルブロミド(吉草酸ブロミド)、n-バレリルヨージド(吉草酸ヨージド)、イソバレリルクロリド(イソ吉草酸クロリド)、イソバレリルブロミド(イソ吉草酸ブロミド)、イソバレリルヨージド(イソ吉草酸ヨージド)、sec-バレリルクロリド(ヒドロアンゲリカ酸クロリド)、sec-バレリルブロミド(ヒドロアンゲリカ酸ブロミド)、sec-バレリルヨージド(ヒドロアンゲリカ酸ヨージド)、tert-バレリルクロリド(ピバル酸クロリド)、tert-バレリルブロミド(ピバル酸ブロミド)、tert-バレリルヨージド(ピバル酸ヨージド)、シクロブタンカルボニルクロリド、シクロブタンカルボニルブロミド、シクロブタンカルボニルヨージド、n-ヘキサノイルクロリド(カプロン酸クロリド)、n-ヘキサノイルブロミド(カプロン酸ブロミド)、n-ヘキサノイルヨージド(カプロン酸ヨージド)、イソヘキサノイルクロリド、イソヘキサノイルブロミド、イソヘキサノイルヨージド、sec-ヘキサノイルクロリド、sec-ヘキサノイルブロミド、sec-ヘキサノイルヨージド、tert-ヘキサノイルクロリド、tert-ヘキサノイルブロミド、tert-ヘキサノイルヨージド、ネオヘキサノイルクロリド、ネオヘキサノイルブロミド、ネオヘキサノイルヨージド、2-メチルバレリルクロリド、2-メチルバレリルブロミド、2-メチルバレリルヨージド、1,2-ジメチルブチリルクロリド、1,2-ジメチルブチリルブロミド、1,2-ジメチルブチリルヨージド、1-エチルブチリルクロリド、1-エチルブチリルブロミド、1-エチルブチリルヨージド、シクロペンタンカルボニルクロリド、シクロペンタンカルボニルブロミド、シクロペンタンカルボニルヨージド、n-ヘプタノイルクロリド(エナント酸クロリド)、n-ヘプタノイルブロミド(エナント酸ブロミド)、n-ヘプタノイルヨージド(エナント酸ヨージド)、イソヘプタノイルクロリド、イソヘプタノイルブロミド、イソヘプタノイルヨージド、sec-ヘプタノイルクロリド、sec-ヘプタノイルブロミド、sec-ヘプタノイルヨージド、tert-ヘプタノイルクロリド、tert-ヘプタノイルブロミド、tert-ヘプタノイルヨージド、ネオヘプタノイルクロリド、ネオヘプタノイルブロミド、ネオヘプタノイルヨージド、2-メチルヘキサノイルクロリド、2-メチルヘキサノイルブロミド、2-メチルヘキサノイルヨージド、1,2-ジメチルバレリルクロリド、1,2-ジメチルバレリルブロミド、1,2-ジメチルバレリルヨージド、2,3-ジメチルバレリルクロリド、2,3-ジメチルバレリルブロミド、2,3-ジメチルバレリルヨージド、1-エチルバレリルクロリド、1-エチルバレリルブロミド、1-エチルバレリルヨージド、シクロヘキサンカルボニルクロリド、シクロヘキサンカルボニルブロミド、シクロヘキサンカルボニルヨージド、トリフルオロアセチルクロリド、トリフルオロアセチルブロミド、トリフルオロアセチルヨージド等のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜7のアルキルカルボン酸ハロゲン化物、例えばベンゾイルクロリド、ベンゾイルブロミド、ベンゾイルヨージド、o-トルイル酸クロリド、o-トルイル酸ブロミド、o-トルイル酸ヨージド、m-トルイル酸クロリド、m-トルイル酸ブロミド、m-トルイル酸ヨージド、p-トルイル酸クロリド、p-トルイル酸ブロミド、p-トルイル酸ヨージド、2,3-キシリル酸クロリド、2,3-キシリル酸ブロミド、2,3-キシリル酸ヨージド、2,4-キシリル酸クロリド、2,4-キシリル酸ブロミド、2,4-キシリル酸ヨージド、2,5-キシリル酸クロリド、2,5-キシリル酸ブロミド、2,5-キシリル酸ヨージド、2,6-キシリル酸クロリド、2,6-キシリル酸ブロミド、2,6-キシリル酸ヨージド、3,4-キシリル酸クロリド、3,4-キシリル酸ブロミド、3,4-キシリル酸ヨージド、3,5-キシリル酸クロリド、3,5-キシリル酸ブロミド、3,5-キシリル酸ヨージド、1-ナフトエ酸クロリド(1-ナフタレンカルボン酸クロリド)、1-ナフトエ酸ブロミド(1-ナフタレンカルボン酸ブロミド)、1-ナフトエ酸ヨージド(1-ナフタレンカルボン酸ヨージド)、2-ナフトエ酸クロリド(2-ナフタレンカルボン酸クロリド)、2-ナフトエ酸ブロミド(2-ナフタレンカルボン酸ブロミド)、2-ナフトエ酸ヨージド(2-ナフタレンカルボン酸ヨージド)等の炭素数7〜11のアリールカルボン酸ハロゲン化物等が挙げられる。 また、上記酸無水物の具体例としては、例えばメタンスルホン酸無水物、エタンスルホン酸無水物、n-プロパンスルホン酸無水物、イソプロパンスルホン酸無水物、n-ブタンスルホン酸無水物、イソブタンスルホン酸無水物、sec-ブタンスルホン酸無水物、tert-ブタンスルホン酸無水物、シクロブタンスルホン酸無水物、n-ペンタンスルホン酸無水物、イソペンタンスルホン酸無水物、sec-ペンタンスルホン酸無水物、tert-ペンタンスルホン酸無水物、ネオペンタンスルホン酸無水物、2-メチルブタンスルホン酸無水物、1,2-ジメチルプロパンスルホン酸無水物、1-エチルプロパンスルホン酸無水物、シクロペンタンスルホン酸無水物、n-ヘキサンスルホン酸無水物、イソヘキサンスルホン酸無水物、sec-ヘキサンスルホン酸無水物、tert-ヘキサンスルホン酸無水物、ネオヘキサンスルホン酸無水物、2-メチルペンタンスルホン酸無水物、1,2-ジメチルブタンスルホン酸無水物、2,3-ジメチルブタンスルホン酸無水物、1-エチルブタンスルホン酸無水物、シクロヘキサンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物等のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜12のアルキルスルホン酸無水物、例えばベンゼンスルホン酸無水物、o-トルエンスルホン酸無水物、m-トルエンスルホン酸無水物、p-トルエンスルホン酸無水物、2,3-キシレンスルホン酸無水物、2,4-キシレンスルホン酸無水物、2,5-キシレンスルホン酸無水物、2,6-キシレンスルホン酸無水物、3,4-キシレンスルホン酸無水物、3,5-キシレンスルホン酸無水物、1-ナフタレンスルホン酸無水物、2-ナフタレンスルホン酸無水物等の炭素数12〜20のアリールスルホン酸無水物、例えば無水酢酸、プロパン酸無水物(無水プロピオン酸)、n-ブタン酸無水物(無水酪酸)、イソブタン酸無水物(無水イソ酪酸)、n-ペンタン酸無水物(無水吉草酸)、イソペンタン酸無水物(無水イソ吉草酸)、sec-ペンタン酸無水物(無水ヒドロアンゲリカ酸)、tert-ペンタン酸無水物(無水ピバル酸)、シクロブタンカルボン酸無水物、n-ヘキサン酸無水物(無水カプロン酸)、イソヘキサン酸無水物、sec-ヘキサン酸無水物、tert-ヘキサン酸無水物、ネオヘキサン酸無水物、2-メチルペンタン酸無水物、1,2-ジメチルブタン酸無水物、1-エチルブタン酸無水物、シクロペンタンカルボン酸無水物、n-ヘプタン酸無水物(無水エナント酸)、イソヘプタン酸無水物、sec-ヘプタン酸無水物、tert-ヘプタン酸無水物、ネオヘプタン酸無水物、2-メチルヘキサン酸無水物、1,2-ジメチルペンタン酸無水物、2,3-ジメチルペンタン酸無水物、1-エチルペンタン酸無水物、シクロヘキサンカルボン酸無水物、無水トリフルオロ酢酸等のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数4〜14のアルキルカルボン酸無水物、例えば安息香酸無水物(無水安息香酸)、o-メチル安息香酸無水物、m-メチル安息香酸無水物、p-メチル安息香酸無水物、2,3-ジメチル安息香酸無水物、2,4-ジメチル安息香酸無水物、2,5-ジメチル安息香酸無水物、2,6-ジメチル安息香酸無水物、3,4-ジメチル安息香酸無水物、3,5-ジメチル安息香酸無水物、1-ナフトエ酸無水物(1-ナフタレンカルボン酸無水物)、2-ナフトエ酸無水物(2-ナフタレンカルボン酸無水物)等の炭素数14〜22のアリールカルボン酸無水物等が挙げられる。 これらの酸ハロゲン化物又は酸無水物の中でも、メタンスルホニルクロリド、メタンスルホニルブロミド、トリフルオロメタンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホニルブロミド、p-トルエンスルホニルクロリド、p-トルエンスルホニルブロミド、アセチルクロリド、アセチルブロミド、トリフルオロアセチルクロリド、トリフルオロアセチルブロミド、ベンゾイルクロリド、ベンゾイルブロミド等の酸ハロゲン化物、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、p-トルエンスルホン酸無水物、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、安息香酸無水物(無水安息香酸)等の酸無水物が好ましく、更にその中でもメタンスルホニルクロリド、無水酢酸がより好ましい。 上記酸ハロゲン化物又は酸無水物の使用量としては、一般式[1']で示されるヒドロキシスルトンに対して、通常0.8当量〜10当量、好ましくは1当量〜5当量である。尚、これらの酸ハロゲン化物又は酸無水物は、1種類を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。 上記第3の工程の一般式[5]で示される化合物を塩基で処理し、一般式[4]で示される不飽和スルトンを得る反応に於いて、該反応に用いられる塩基としては、市販のものを用いれば足り、具体的には、例えばトリエチルアミン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)等の3級アミン、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸のアルカリ金属塩、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、例えばナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムtert-ブトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、例えばn-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、n-ヘキシルリチウム等のアルキルリチウム、例えばリチウムジイソプロピルアミド(LDA)、リチウムヘキサメチルジシラザン(LHMDS)、ナトリウムヘキサメチルジシラザン(NaHMDS)、カリウムヘキサメチルジシラザン(KHMDS)等の金属アミド等が挙げられ、中でも反応条件を制御し易いことから、例えばトリエチルアミン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)等の3級アミン、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸のアルカリ金属塩等の比較的穏和な塩基が好ましく、その中でもトリエチルアミン、炭酸カリウムがより好ましい。また、塩基の使用量としては、一般式[5]に於けるLO−基の脱離反応、すなわち、一般式[5]で示される化合物の二重結合形成反応が円滑に進行する量以上を用いればよく、具体的には、一般式[5]で示される化合物に対して、通常0.8当量〜20当量、好ましくは1当量〜10当量である。尚、これらの塩基は、1種類を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。 また、上記第3の工程の一般式[1']で示されるヒドロキシスルトンと酸ハロゲン化物又は酸無水物との反応に於いて、酸ハロゲン化物を用いる場合には、ハロゲン化水素が副生するため、該反応の時点で塩基を用いることが望ましい。すなわち、上述した塩基は、上記二重結合形成反応を進行させる目的のみならず、該ハロゲン化水素をトラップする目的でも使用することができる。尚、上記酸ハロゲン化物又は酸無水物との反応の時点で塩基を用いる場合にも、上記の具体的な塩基を用いることができ、その使用量も上記した当量であればよい。また、一般式[1']で示されるヒドロキシスルトンと酸ハロゲン化物又は酸無水物との反応の時点で塩基を用いた場合には、塩基の使用量にもよるが、一般式[5]で示される化合物の二重結合形成反応が連続的に進行し、一般式[4]で示される不飽和スルトンが得られる場合がある。 上記第3の工程に於いて、一般式[1']で示されるヒドロキシスルトンと酸ハロゲン化物又は酸無水物との反応の時点で塩基を用い、かつ該塩基が液体である場合には、塩基が反応溶媒を兼ねるため有機溶媒を必須としないが、塩基が固体である場合、或いは一般式[1']で示されるヒドロキシスルトンと酸ハロゲン化物又は酸無水物との反応の時点で塩基を用いない場合等に於いては、有機溶媒中で反応を実施することが望ましい。当該有機溶媒としては、反応原料である一般式[1']で示されるヒドロキシスルトン、一般式[5]で示される化合物、酸ハロゲン化物、酸無水物等と反応しない有機溶媒であれば特に制限はなく、具体的には、例えばヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、炭酸ジメチル、アセトニトリル、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、中でもヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、炭酸ジメチル、アセトニトリルが好ましく、更にその中でも酢酸エチルがより好ましい。また、有機溶媒の使用量としては特に制限されないが、例えば一般式[1']で示されるヒドロキシスルトン1mmol又は一般式[5]で示される化合物1mmolに対して、通常0.1mL〜20mL、好ましくは0.2mL〜10mLである。尚、これらの有機溶媒は、1種類を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよく、塩基が固体であって上記有機溶媒に溶解し難い場合には、水を併用してもよい。 上記第3の工程に於ける反応温度は、一般式[1']で示されるヒドロキシスルトンと酸ハロゲン化物又は酸無水物とが反応し、かつ一般式[5]で示される化合物の二重結合形成反応が進行するような温度に設定すればよいが、上記反応が効率的に進行し、一般式[4]で示される不飽和スルトンを収率良く合成できる温度に設定することが好ましい。具体的には、例えば通常−40℃〜70℃、好ましくは−30℃〜50℃である。 上記第3の工程に於ける反応時間は、一般式[1']で示されるヒドロキシスルトンに対する酸ハロゲン化物又は酸無水物の使用量、一般式[5]で示される化合物に対する塩基の使用量、有機溶媒の有無、その種類及び使用量、反応温度等により変動する場合があるので一概には言えないが、通常0.1時間〜48時間、好ましくは0.2時間〜36時間の範囲に設定される。尚、上記反応時間は、一般式[1']で示されるヒドロキシスルトンから一般式[4]で示される不飽和スルトンを合成する際の総反応時間を表し、このうち、一般式[1']で示されるヒドロキシスルトンから一般式[5]で示される化合物を合成する際の反応時間は、通常0.05時間〜16時間、好ましくは0.1時間〜12時間の範囲に設定され、一般式[5]で示される化合物から一般式[4]で示される不飽和スルトンを合成する際の反応時間は、通常0.05時間〜32時間、好ましくは0.1時間〜24時間の範囲に設定される。 上記第3の工程に於いて、一般式[5]で示される化合物を、反応終了後の溶液から単離する方法としては、一般的な後処理操作でよい。具体的には、例えば反応終了後の反応液に水を投入し、次いで有機層を分取後、得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び水で順次洗浄し、洗浄後の溶液を濃縮することにより単離できる。尚、上記のような単離操作の他に、カラムクロマトグラフィーによる精製操作を加えてもよい。また、一般式[4]で示される不飽和スルトンを反応終了後の溶液から単離する方法としては、一般的な後処理操作でよい。具体的には、例えば反応終了後の反応液に必要であれば水を投入し、次いで有機層を分取後、得られた有機層を水で洗浄し、洗浄後の溶液を濃縮することにより単離できる。また、単離した後に精製操作を行う場合には、例えば上記洗浄後の溶液又は上記濃縮後の濃縮残渣にトルエン等の適当な有機溶媒を投入し、そこで生じた結晶を濾取することによって精製することができる。尚、上記のような精製操作でなくとも、通常のカラムクロマトグラフィーによる精製操作を行ってもよい。 このように、本発明者らは、入手又は合成が容易な、一般式[2]で示されるジオールを原料として、合成中間体として一般式[3]で示される環状亜硫酸エステルを経る、一般式[1]で示されるヒドロキシスルトン及び一般式[4]で示される不飽和スルトンを製造できる方法を初めて見出した。本方法では、従来法に比べて、収率良く目的とする化合物を得ることができ、特に、これらの工程を連続的に1ポット(one-pot)で行うことによって、目的とする化合物をより効率良く得ることが可能な優れた製造方法である。また、これらの工程はいずれも穏和な条件で実施できるので、分解やゲル化といった問題が生じる可能性が少なく、工業的スケールでも安定して目的とする化合物を得ることできる。 以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。 合成例1 2,3-ジヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムの合成(反応式[I]) 亜硫酸ナトリウム120g(924mmol、含量:97.0%;和光純薬工業株式会社製)を水400mLに溶解させた溶液に、3-クロロ-1,2-プロパンジオール107.2g(970mmol;和光純薬工業株式会社製)を加え、1時間加熱還流した。反応終了後、反応液を濃縮、次いで濃縮残渣にメタノール750mLを投入し、そこで生じた結晶を濾取した後、得られた結晶を乾燥することにより、白色結晶の上記一般式[2]に係る2,3-ジヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム202.6g(含量:67.2%、収率:82.7%)を得た。尚、2,3-ジヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムの含量は、1H-NMRを用いた内部標準法により求めた。また、上記白色結晶中には、副生成物である塩化ナトリウムの結晶が混在していることが確認された。以下に1H-NMRの測定結果を示す。 1H-NMR(400MHz,D2O)δ(ppm):2.97(2H),3.54(2H),4.05(1H) 実施例1 1,3,2-ジオキサチオラン-2-オキシド-4-イル-メタンスルホニルクロリドの合成(第1の工程;反応式[II]) 合成例1で得られた2,3-ジヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムの全量のうち、80.0g(301mmol、含量:67.2%)をN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)110.3g(1509mmol;和光純薬工業株式会社製)に懸濁させ、−20℃〜10℃に冷却した。冷却した懸濁液に、塩化チオニル107.7g(905mmol;和光純薬工業株式会社製)を少しずつ滴下した後、室温で3時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を−20℃〜10℃に冷却した水400mLに加え、次いでこの混合液にトルエン200mLを加えて撹拌し、有機層を分取した。分取した有機層を水で洗浄後、当該有機層を濃縮することにより、黄色油状の上記一般式[3]に係る1,3,2-ジオキサチオラン-2-オキシド-4-イル-メタンスルホニルクロリド65.1g(収率:98%)を得た。尚、1,3,2-ジオキサチオラン-2-オキシド-4-イル-メタンスルホニルクロリドは2種類の異性体混合物(異性体A及び異性体B)として得られた。以下に1H-NMRの測定結果を示す。<異性体A> 1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):3.98(1H,dd,CH2),4.12(1H,dd,CH2),4.55(1H,dd,OCH2),4.96(1H,dd,OCH2),5.52(1H,m,CH)<異性体B> 1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):4.25(1H,dd,CH2),4.43(1H,dd,CH2),4.74(1H,dd,OCH2),4.81(1H,dd,OCH2),5.16(1H,m,CH) 実施例2 2-ヒドロキシ-1,3-プロパンスルトンの合成(第2の工程;反応式[III]) 実施例1で得られた1,3,2-ジオキサチオラン-2-オキシド-4-イル-メタンスルホニルクロリドの全量のうち、4.21g(19.1mmol)に対して氷冷下で12N塩酸1.75g(塩化水素;21.0mmol、水;62.2mmol;和光純薬工業株式会社製)を加え、室温で30分攪拌して反応させた。反応終了後、反応液に酢酸エチル50mLを加えて攪拌し、次いで有機層を分取した。分取した有機層を水で洗浄後、当該有機層を濃縮、次いで濃縮残渣にトルエンを投入し、そこで生じた結晶を濾取した後、得られた結晶を乾燥することにより、白色結晶の上記一般式[1]に係る2-ヒドロキシ-1,3-プロパンスルトン2.51g(収率:95%)を得た。以下に1H-NMRの測定結果を示す。 1H-NMR(400MHz,acetone-d)δ(ppm):3.26(1H),3.65(1H),4.33(1H),4.60(1H),4.99(1H) 実施例3 2-ヒドロキシ-1,3-プロパンスルトンの合成(第1及び第2の工程を連続的に1ポット(one-pot)で行う方法;反応式[IV]) 合成例1に準じて得られた2,3-ジヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム4.0g(16.4mmol、含量:73.3%)をトルエン10mLに懸濁させ、次いでN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)0.06g(0.823mmol;和光純薬工業株式会社製)を加えた後、塩化チオニル5.85g(49.2mmol;和光純薬工業株式会社製)を少しずつ滴下し、65℃で7時間加熱攪拌して反応させた。 次いで反応液を室温まで冷却し、冷却した溶液にメタノール2.63g(82.0mmol;和光純薬工業株式会社製)を加えて室温で2時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮し、得られた濃縮残渣に酢酸エチル50mL及び水30mLを加えて攪拌、次いで有機層を分取した。分取した有機層を水で洗浄後、当該有機層を濃縮、次いで濃縮残渣にトルエンを投入し、そこで生じた結晶を濾取した後、得られた結晶を乾燥することにより、白色結晶の上記一般式[1]に係る2-ヒドロキシ-1,3-プロパンスルトン2.20g(収率:97%)を得た。 実施例4 1,3-プロペンスルトンの合成(第3工程;反応式[V]) 実施例3に準じて得られた2-ヒドロキシ-1,3-プロパンスルトン1.70g(12.3mmol)を酢酸エチル12mLに溶解させ、次いで氷冷下でトリエチルアミン(Et3N)2.99g(29.5mmol;和光純薬工業株式会社製)及びメタンスルホニルクロリド(MsCl)1.69g(14.7mmol;和光純薬工業株式会社製)を加え、−20℃〜10℃で4時間攪拌して反応させた。反応終了後、水12mLを加えて攪拌し、次いで有機層を分取した。分取した有機層を水で洗浄後、当該有機層を濃縮、次いで濃縮残渣にトルエンを投入し、そこで生じた結晶を濾取した後、得られた結晶を乾燥することにより、白色結晶の上記一般式[4]に係る1,3-プロペンスルトン1.39g(収率:94%)を得た。以下に1H-NMRの測定結果を示す。 1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):5.12(1H),6.81(1H),7.00(1H) 実施例5 2-アセトキシ-1,3-プロパンスルトンの合成(第3の工程のうちの一般式[1']で示される化合物から一般式[5]で示される化合物を得る工程;反応式[VI]) 実施例3に準じて得られた2-ヒドロキシ-1,3-プロパンスルトン1.49g(10.8mmol)を酢酸エチル10mLに溶解させ、次いで無水酢酸(Ac2O)1.66g(16.2mmol;和光純薬工業株式会社製)を加え、室温で1時間攪拌して反応させた。反応終了後、水10mLを加えて攪拌し、次いで有機層を分取した。分取した有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び水で順次洗浄後、当該有機層を濃縮することにより、褐色油状の上記一般式[5]に係る2-アセトキシ-1,3-プロパンスルトン1.91g(収率:98%)を得た。以下に1H-NMRの測定結果を示す。 1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):2.15(3H),3.35(1H),3.62(1H),4.47(1H),4.64(1H),5.61(1H) 実施例6 1,3-プロペンスルトンの合成(第3の工程のうちの一般式[5]で示される化合物から一般式[4]で示される化合物を得る工程;反応式[VII]) 実施例5で得られた2-アセトキシ-1,3-プロパンスルトンの全量のうち、0.50g(2.78mmol)を酢酸エチル5mLに溶解させ、次いで水5mLに溶解させた炭酸カリウム0.23g(1.66mmol;和光純薬工業株式会社製)を加え、40℃で12時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を水で洗浄し、有機層を分取、次いで分取した有機層を濃縮することにより、白色結晶の上記一般式[4]に係る1,3-プロペンスルトン0.22g(収率:66%)を得た。 実施例7 1,3-プロペンスルトンの合成(第1、第2及び第3の工程を連続的に1ポット(one-pot)で行う方法;反応式[VIII]) 合成例1に準じて得られた2,3-ジヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム4.0g(16.4mmol、含量:73.3%)をトルエン10mLに懸濁させ、次いでN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)0.06g(0.823mmol;和光純薬工業株式会社製)を加えた後、塩化チオニル5.85g(49.2mmol;和光純薬工業株式会社製)を少しずつ滴下し、65℃で7時間加熱攪拌して反応させた。 次いで反応液を室温まで冷却し、冷却した溶液にメタノール1.57g(49.2mmol;和光純薬工業株式会社製)を加えて室温で2時間攪拌して反応させた。 引き続き、反応液に無水酢酸(Ac2O)3.35g(32.8mmol;和光純薬工業株式会社製)を加え、室温で1時間攪拌して反応させた。 反応終了後、反応液に水15mLを加えて攪拌し、次いで有機層を分取した。更に分取した有機層に対して水15mLに溶解させた炭酸カリウム3.40g(24.6mmol;和光純薬工業株式会社製)を加え、40℃で12時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を水で洗浄し、有機層を分取、次いで分取した有機層を濃縮することにより、白色結晶の上記一般式[4]に係る1,3-プロペンスルトン1.18g(収率:60%)を得た。 実施例1〜7の結果から、一般式[2]で示されるジオールを原料に、合成中間体として、一般式[3]で示される環状亜硫酸エステルを経ることにより、目的とする一般式[1]で示されるヒドロキシスルトン及び一般式[4]で示される不飽和スルトンが高収率で得られることが判った。また、反応を連続的に1ポット(one-pot)で行えることも判り、連続的に行うことで、より効率良く目的とする化合物が得られるので、本発明の製造方法が、効率の面でも非常に効果的な方法であることが判った。 本発明の製造方法は、例えばリチウムイオン二次電池に於ける非水系電解液の添加剤等として有用な環状スルホン酸エステル(スルトン)の工業的スケールでの安定的、かつ効率の良い生産等を可能にするものである。一般式[2](式中、n個のR1、n個のR2、R3、R4及びR5は夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Mはアルカリ金属原子を表し、nは1又は2の整数を表す。)で示される化合物とハロゲン化チオニルとを反応させて、一般式[3](式中、Xはハロゲン原子を表し、n個のR1、n個のR2、R3、R4、R5及びnは前記に同じ。)で示される化合物を得る第1の工程と、前記一般式[3]で示される化合物を水又は/及びアルコールと反応させる第2の工程と、を含んでなることを特徴とする、一般式[1](式中、n個のR1、n個のR2、R3、R4、R5及びnは前記に同じ。)で示される化合物の製造方法。前記第1及び第2の工程が、連続的に行われるものである請求項1に記載の製造方法。前記一般式[1]乃至[3]に於けるR1が水素原子であって、かつnが1である請求項1に記載の製造方法。請求項3で得られた一般式[1'](式中、R2、R3、R4及びR5は夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)で示される化合物を酸ハロゲン化物又は酸無水物と反応させて、一般式[5](式中、Lは前記酸ハロゲン化物又は酸無水物に由来する脱離基を表し、R2、R3、R4及びR5は前記に同じ。)で示される化合物を得、次いで前記一般式[5]で示される化合物を塩基で処理する第3の工程を含んでなることを特徴とする、一般式[4](式中、R2、R3、R4及びR5は前記に同じ。)で示される化合物の製造方法。一般式[1']で示される化合物を得るための前記第1及び第2の工程、並びに第3の工程が、連続的に行われるものである請求項4に記載の製造方法。前記酸ハロゲン化物が、スルホン酸ハロゲン化物又はカルボン酸ハロゲン化物である請求項4に記載の製造方法。前記酸無水物が、スルホン酸無水物又はカルボン酸無水物である請求項4に記載の製造方法。前記酸ハロゲン化物又は酸無水物が、メタンスルホニルクロリド又は無水酢酸である請求項4に記載の製造方法。一般式[3](式中、n個のR1、n個のR2、R3、R4及びR5は夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、nは1又は2の整数を表す。)で示される化合物。 環状スルホン酸エステル(スルトン)を、安価で収率良く得ることができるばかりでなく、工業スケールでも安定して当該環状スルホン酸エステル(スルトン)を得ることが可能な、効率の良い製造方法を提供することを目的とし、本発明は、特定構造のジオールとハロゲン化チオニルとを反応させて、特定構造の環状亜硫酸エステルを得る第1の工程と、当該環状亜硫酸エステルを水又は/及びアルコールと反応させる第2の工程と、を含んでなることを特徴とする、ヒドロキシスルトンの製造方法、特定構造のヒドロキシスルトンを酸ハロゲン化物又は酸無水物と反応させて中間体を得、次いで当該中間体を塩基で処理する第3の工程を含んでなることを特徴とする、特定構造の不飽和スルトンの製造方法、並びに特定構造の環状亜硫酸エステルに関する。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る