タイトル: | 再公表特許(A1)_貼付材用フィルム基材および貼付材 |
出願番号: | 2010052113 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | A61K 9/70,A61K 47/32,A61K 47/34,B32B 25/08,B32B 27/40 |
加藤 嘉治 山田 諭 坂本 克美 山田 良幸 JP WO2010090346 20100812 JP2010052113 20100205 貼付材用フィルム基材および貼付材 セーレン株式会社 000107907 木村 満 100095407 毛受 隆典 100109449 森川 泰司 100132883 雨宮 康仁 100123618 桜田 圭 100148633 美恵 英樹 100147924 加藤 嘉治 山田 諭 坂本 克美 山田 良幸 JP 2009026108 20090206 A61K 9/70 20060101AFI20120713BHJP A61K 47/32 20060101ALI20120713BHJP A61K 47/34 20060101ALI20120713BHJP B32B 25/08 20060101ALI20120713BHJP B32B 27/40 20060101ALI20120713BHJP JPA61K9/70 401A61K47/32A61K47/34B32B25/08B32B27/40 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20120809 2010549549 24 4C076 4F100 4C076AA78 4C076BB31 4C076EE03A 4C076EE09A 4C076EE12A 4C076EE22A 4C076EE26A 4C076FF70 4F100AK12A 4F100AK25A 4F100AK41A 4F100AK46A 4F100AK51A 4F100AK51B 4F100AL09A 4F100AR00C 4F100BA02 4F100BA03 4F100BA07 4F100BA10A 4F100BA10C 4F100EH46 4F100EJ86 4F100JB10B 4F100JK02 4F100JK06 4F100JK07 4F100JL11C 4F100YY00 4F100YY00B 本発明は、貼付材用フィルム基材およびそれを用いた貼付材に関するものであり、特に、ストレッチ性、耐薬品性、柔軟性などに優れ、貼付材として使用した場合に、薬剤等を含む粘着剤層の影響によるフィルム基材の膨潤等によって強度低下やシワが生じることがなく、さらに薬剤等を含む粘着剤層との密着性および身体へのフィット性にも優れた貼付材用フィルム基材およびそれを用いた貼付材に関する。 従来、美容用、治療用等の目的で皮膚に貼付する貼付材として、貼付材用基材上に粘着剤層を設けたものが一般的に使用されており、このような貼付材用基材としては、不織布が使用されてきた。しかし、不織布は厚みが大きく、柔軟性に劣るため、不織布を貼付材用基材として用いた貼付材は使用感に優れないという問題があった。また、不織布を貼付材用基材として用いた貼付材は透明性がなく、皮膚に貼付した場合に貼付材が目立つという問題もあった。 そこで、例えばポリエチレンフィルムや塩化ビニルフィルム等のフィルムを貼付材用基材として用いることが提案されている。 しかし、これらのフィルム基材は、貼付材とした場合にフィルム基材上に設ける粘着剤層との密着性が低いためにフィルム基材から粘着剤層が剥離し、皮膚に貼付した貼付材を剥離する際に皮膚面に粘着剤層が残るなどの問題があった。 また、前記フィルム基材を用いて貼付材とした場合、フィルム基材上に設ける粘着剤層に含有している薬剤や添加剤等の影響によってフィルム基材が膨潤し、結果フィルム基材の強度が低下するとともに、フィルム基材にシワが生じるなどの問題もあった。 そこで、上記問題を解決するために、例えば特許文献1(特開平1−249719号公報)には、高分子ポリエステル可塑剤を配合した軟質塩化ビニル樹脂フィルムを、ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に積層接着し、さらにポリエチレンテレフタレートフィルム側に薬剤を含む粘着剤層を設けることによってなる皮膚貼付材が開示されている。 特許文献1に示すような貼付材は、ポリエチレンテレフタレートフィルムが耐薬品性や耐溶剤性に優れるものであるため、粘着剤層中の薬剤や添加剤がフィルム基材に移行することがなく、フィルム基材の強度が低下したり、フィルム基材にシワが生じたりすることがない。 しかしながら、上記フィルム基材に使用されるポリエチレンテレフタレートフィルムは、柔軟性やストレッチ性が低く、身体へのフィット性が十分に得られないという問題がある。 また、上記フィルム基材に使用される塩化ビニル樹脂は、近年、焼却時にダイオキシンを発生するおそれがあることから好ましく使用されず、環境問題の観点から、非塩素化材料への代替が求められている。 このように、ストレッチ性、耐薬品性、柔軟性などに優れ、貼付材として使用した場合に、薬剤等を含む粘着剤層の影響によるフィルム基材の膨潤等によって、強度低下やシワが生じることがなく、さらに薬剤等を含む粘着剤層との密着性および身体へのフィット性にも優れた貼付材用フィルム基材およびそれを用いた貼付材は、未だ得られていない。特開平1−249719号公報 本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ストレッチ性、耐薬品性、柔軟性などに優れ、貼付材として使用した場合に、薬剤等を含む粘着剤層の影響によるフィルム基材の膨潤等によって強度低下やシワが生じることがなく、さらに薬剤等を含む粘着剤層との密着性および身体へのフィット性にも優れた貼付材用フィルム基材およびそれを用いた貼付材を提供することである。 本発明者らは、鋭意検討の結果、エラストマー樹脂からなる層(エラストマー層)と水膨潤性ポリウレタン樹脂からなる層(水膨潤性ポリウレタン層)とを積層させることにより、上記課題を解決することが可能であることを見出し、それに基づいて本発明を完成させるに到った。 すなわち、本発明は、エラストマー層の片面に水膨潤性ポリウレタン層を積層してなる貼付材用フィルム基材であって、該貼付材用フィルム基材の10%伸張時の応力(10%モジュラス)が0.2〜3.0N/25mm、20%モジュラスが0.3〜4.0N/25mm、50%モジュラスが0.5〜5.0N/25mmである貼付材用フィルム基材である。 前記エラストマー層は、ポリアミド系エラストマー樹脂、ポリウレタン系エラストマー樹脂、ポリアクリル系エラストマー樹脂、ポリエステル系エラストマー樹脂、ポリスチレン系エラストマー樹脂の中から選択される、少なくとも1種のエラストマー樹脂によって形成されていることが好ましい。 また、前記貼付材用フィルム基材は、60%伸張後の弾性回復率が80%以上、破断強度が20MPa以上であることが好ましい。 また、前記水膨潤性ポリウレタン層は、線水膨潤率が1〜30%であることが好ましい。 また、本発明の別の様態としては、前記貼付材用フィルム基材の水膨潤性ポリウレタン層上に粘着剤層を設けてなる貼付材である。 本発明によれば、ストレッチ性、耐薬品性、柔軟性などに優れ、貼付材として使用した場合に、薬剤等を含む粘着剤層の影響によるフィルム基材の膨潤等によって強度低下やシワが生じることがなく、さらに薬剤等を含む粘着剤層との密着性および身体へのフィット性にも優れた貼付材用フィルム基材およびそれを用いた貼付材を提供することができる。 本発明にかかる貼付材用フィルム基材(これを単に「フィルム基材」と称す場合がある)は、ストレッチ性に優れた樹脂(エラストマー樹脂)からなる層(エラストマー層)の片面に、水膨潤性ポリウレタン樹脂からなる層(水膨潤性ポリウレタン層)が積層されてなるものである。 なお、本発明にかかる貼付材用フィルム基材を使用して貼付材を作製する場合には、水膨潤性ポリウレタン層上に粘着剤層を設けることとする。 エラストマー層は、弾力性を有するため、貼付材として使用した場合に貼付材として必要なストレッチ性、フィルム強度を得ることが可能となる。 本発明のエラストマー層に使用されるエラストマー樹脂としては、例えばポリアミド系エラストマー樹脂、ポリウレタン系エラストマー樹脂、ポリアクリル系エラストマー樹脂、ポリエステル系エラストマー樹脂、ポリスチレン系エラストマー樹脂等が挙げられ、これらの中から少なくとも1種を用いることが好ましく、また2種以上を混合して用いてもよい。なかでもポリウレタン系エラストマー樹脂が、柔軟性、伸縮性、引張弾性に優れる点で好ましく用いられる。 ここで、ポリウレタン系エラストマー樹脂とは、イソシアネート成分とポリオール成分とを反応させて得られるエラストマー性をもつ重合体である。 イソシアネート成分としては、脂肪族系ジイソシアネート、芳香族系ジイソシアネート、脂環族系ジイソシアネートなどが挙げられ、単独または2種以上で用いられる。 さらに具体的には、脂肪族系ジイソシアネートとしては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等、芳香族系ジイソシアネートとしては、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等、脂環族系ジイソシアネートとしては、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。また、必要に応じて、3官能以上のイソシアネートを使用してもよい。 一方、ポリオール成分としては;ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトンポリオール等を用いてなるポリエステルポリオール;ポリヘキサメチレンカーボネート等を用いてなるポリカーボネートポリオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等を用いてなるポリエーテルポリオールなどが挙げられる。 さらに、前記ポリウレタン系エラストマー樹脂は、無黄変型の樹脂であることが好ましい。 ここで、無黄変型の樹脂とは、光などの外的要因によって樹脂が黄変しないか、もしくは黄変が極めて発生しにくい樹脂であって、ポリウレタン系エラストマー樹脂の場合は、芳香族系イソシアネート以外のイソシアネート成分(例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート)を用いてなるポリウレタン系エラストマー樹脂をいう。 無黄変型の樹脂を使用することにより、難黄変型または黄変型の樹脂を使用する場合に比べ、薬剤等を含む粘着剤層の影響によってエラストマー層が膨潤すること、およびフィルム基材にシワが発生することをより抑制することができるとともに、フィルム基材の強度低下をより抑制することができる。 また、エラストマー樹脂は、本質的に水膨潤性を示さないエラストマー樹脂を使用すべきである。 エラストマー樹脂として水膨潤性エラストマー樹脂、特に水膨潤性ポリウレタン系エラストマー樹脂、を使用した場合には、貼付材として使用した際に、薬剤等を含む粘着剤層の影響によってエラストマー層が膨潤するおそれや、フィルム基材にシワが発生するおそれ、フィルム基材の強度が低下するおそれなどがある。 本発明に好ましく使用される無黄変型ポリウレタン系エラストマー樹脂の具体例としては、例えば無黄変型ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂、無黄変型ポリエステル系ポリウレタン樹脂、無黄変型ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、およびこれらの共重合体などが挙げられるが、耐薬品性や耐溶剤性の点で無黄変型ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が特に好ましく用いられる。 また、前記エラストマー樹脂には、必要に応じ、架橋剤、無機粒子、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、アミドワックス等の平滑剤、加水分解防止剤、顔料、黄変防止剤、マット剤などの、各種添加剤を添加してもよい。 前記エラストマー層の厚みは、5〜50μmであることが好ましく、さらに好ましくは10〜30μmである。 エラストマー層の厚みが5μm未満であると、貼付材として必要な強度を有することができず、取り扱い性に劣るものとなるおそれがある。また、厚みが50μmを超えると、フィルム基材の柔軟性が十分に得られず、貼付材として使用した場合に使用感に劣るものとなるおそれがある。 前記エラストマー層の製造方法としては、前述したエラストマー樹脂を直接または適当な有機溶媒によって希釈した後、離型性を有する基材上(離型紙、離型フィルム等)にナイフコーター、コンマコーター、ロールコーター、ダイコーター、リップコーター等を用いて塗布することにより製造する方法や、エラストマー層と離型フィルム基材をインフレーション法により同時に製造する方法などが挙げられる。なかでも、ナイフコーター、コンマコーターを用いた方法が、フィルム厚みの精度がよく、フィルム薄膜化に優れるため、好ましく用いられる。 ここで、前記有機溶媒としては;メチルエチルケトン(MEK)、アセトン等のケトン系溶剤;ジメチルホルムアミド(DMF);トルエン等の芳香族系溶剤;テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;石油スピリット等の石油系溶剤;イソプロピレンアルコール(IPA)等のアルコール類などが挙げられ、単独で、または2種以上を混合した状態で用いることができる。 本発明にかかる貼付材用フィルム基材は、前記エラストマー層の片面に、さらに水膨潤性ポリウレタン樹脂からなる層(水膨潤性ポリウレタン層)が積層されていることが求められる。 前記水膨潤性ポリウレタン層は、貼付材として使用する際に設ける粘着剤層が含有する水などの溶媒成分との親和性が高いため、粘着剤層との密着性に優れている。そのため、フィルム基材から粘着剤層が剥離しにくく、皮膚に貼付した貼付材を剥離する際、皮膚面に粘着剤層が残ることを防止することができる。そのため、水膨潤性ポリウレタン層は、水膨潤性ポリウレタン粒子をバインダー樹脂層に分散させたものよりも、成膜性のあるポリウレタン樹脂からなる層であることが好ましい。特にエラストマー層がポリウレタン樹脂からなる場合は、類似した機械的物性を持つポリウレタン樹脂を用いることでエラストマー層と水膨潤性樹脂の剥離防止性を向上させることができる。 ここで、水膨潤性ポリウレタン樹脂とは、フィルムの状態で水と接触した際、水吸収によってフィルムの膨潤を示すポリウレタン樹脂である。 水膨潤性ポリウレタン樹脂の具体例としては、水膨潤性ポリエステル系ポリウレタン樹脂、水膨潤性ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂、水膨潤性ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、およびこれらの共重合体が挙げられる。なかでも、水膨潤性ポリエーテル系ポリウレタン樹脂が、耐加水分解性に優れる点で好ましい。 前記水膨潤性ポリウレタン樹脂によって形成される水膨潤性ポリウレタン層は、線水膨潤率が1〜30%であることが好ましく、さらに好ましくは5〜25%である。 ここで線水膨潤率は、試験片を5cm×5cmにカットし対角線に5cmの標線を記し、次いで、25℃(±5℃)の水に30分浸漬した後、標線の長さX[cm]を測定し、標線の伸びから、次式を用いて算出した値をいう。 線水膨潤率[%]={(X[cm]−5[cm])/5[cm]}×100 水膨潤性ポリウレタン層の線水膨潤率が1%未満であると、貼付材として使用した場合に、水膨潤性ポリウレタン層上に設ける粘着剤層との密着性が低く、皮膚に貼付した貼付材を剥離する際、皮膚面に粘着剤層が残るなどの問題が発生するおそれがある。 また、水膨潤性ポリウレタン層の線水膨潤率が30%を超えると、貼付材として使用した場合に粘着剤層に含有する薬剤等の影響によって水膨潤性ポリウレタン層が大きく膨潤し、フィルム基材にシワが発生するおそれや、フィルム基材の強度が低下するおそれがある。 前記水膨潤性ポリウレタン層の厚みは、1〜20μmであることが好ましく、さらに好ましくは3〜15μmである。 水膨潤性ポリウレタン層の厚みが1μm未満であると、粘着剤層とフィルム基材との密着性が不十分となり、フィルム基材から粘着剤層が剥離するおそれや、皮膚に貼付した貼付材を剥離する際に皮膚面に粘着剤層が残るおそれなどがある。また、厚みが20μmを超えると、貼付材として使用した場合に粘着剤層に含有する薬剤等の影響によって水膨潤性ポリウレタン層が大きく膨潤し、フィルム基材にシワが発生するおそれや、フィルム基材の強度が低下するおそれがある。 さらに、前記水膨潤性ポリウレタン層の厚みは、フィルム基材厚みの4割未満であることが好ましく、さらに好ましくは3割未満である。 前記水膨潤性ポリウレタン層の厚みが、フィルム基材厚みの4割以上であると、貼付材として使用した場合に粘着剤層に含有する薬剤等の影響によって水膨潤性ポリウレタン層が大きく膨潤し、フィルム基材にシワが発生するおそれや、フィルム基材の強度が低下するおそれがある。 エラストマー層上に水膨潤性ポリウレタン層を積層させる方法としては、例えば前記水膨潤性ポリウレタン樹脂を直接または適当な有機溶媒により希釈し、エラストマー層上にナイフコーター、コンマコーター、ロールコーター、ダイコーター、リップコーター等により塗布する方法や、水膨潤性ポリウレタンフィルムを作成した後にエラストマー層上に積層し熱融着させる方法などが挙げられる。なかでも、ナイフコーター、コンマコーターにより塗布する方法が、フィルム厚みの精度がよく、フィルム薄膜化に優れるため、好ましく用いられる。 ここで、前記有機溶媒としては、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン等のケトン系溶剤;ジメチルホルムアミド(DMF);トルエン等の芳香族系溶剤;テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;石油スピリット等の石油系溶剤;イソプロピルアルコール(IPA)等のアルコール類などが挙げられ、単独で、または2種以上を混合した状態で用いることができる。 このようにして得られた本発明にかかる貼付材用フィルム基材は、10%伸張時の応力(10%モジュラス)が0.2〜3.0N/25mm、20%モジュラスが0.3〜4.0N/25mm、50%モジュラスが0.5〜5.0N/25mmであることが求められる。 各応力値が上記範囲よりも小さいと、フィルム基材が柔軟になりすぎ、貼付材を肌面に貼付する際や、貼付材を肌面から剥離する際に、貼付材が大きく伸び縮みして変形しやすいため、貼付材としての取扱が困難なものとなる。 一方、各応力値が上記範囲を超えると、フィルム基材が硬くなり、貼付材を身体の特に関節部に使用した場合に、追随姓に欠けるものとなる。また、フィルム基材が硬くなることによって肌へのあたり感を与え、使用感の極めて悪いものとなる。 なお、フィルム基材の各応力値は、後述する実施例に記載の測定方法により測定することができる。 また、本発明にかかるフィルム基材は、貼付材を身体の屈曲部などに使用する場合などを考慮し、60%伸張後の弾性回復率が80%以上でことが好ましく、さらに好ましくは85%以上である。 60%伸張後の弾性回復率が80%よりも小さいと、貼付材を身体の特に関節部に使用した場合に追随性に欠けるものとなる。 なお、フィルム基材の弾性回復率は、後述する実施例に記載の測定方法により測定することができる。 また、本発明にかかるフィルム基材は、破断強度が20MPa以上であることが好ましく、さらに好ましくは25MPa以上である。 フィルム基材の強度が20MPa未満であると、貼付材として使用した際に、関節などの屈曲部における引張などの負荷によって、容易に破断してしまうおそれがある。 なお、フィルム基材の破断強度は、後述する実施例にて示す測定方法によって求められる。 また、本発明の別の様態である貼付材は、前記貼付材用フィルム基材の水膨潤性ポリウレタン層上に粘着剤層を設けることによって得ることができる。 前記粘着剤層に用いられる粘着剤としては、貼付材に用いられる粘着剤、例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゲル状粘着剤などの周知の粘着剤が挙げられ、使用目的によって適宜選定すればよい。 また、前記粘着剤層には、必要に応じて皮膚吸収性の薬剤等を含有させてもよい。 前記薬剤としては、特に限定するものではないが、例えば、アセトアミノフェン、メフェナム酸、フルフェナム酸、インドメタシン、ジクロフェナック、ジクロフェナックナトリウム、アルクロフェナック、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、サリチル酸、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、1−メントール、カンファー、スリンダック、トルメチンナトリウム、ナプロキセン、フェンブフェンなどの鎮痛消炎剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗高血圧剤、降圧利尿剤、抗生物質、麻酔剤、抗菌物質、抗真菌物質、ビタミン剤、抗癲癇剤、冠血管拡張剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、性ホルモン、抗鬱剤、脳循環改善剤、制吐剤、抗潰瘍剤などが挙げられる。 これらの薬剤は、単独で使用してもよいし、必要に応じて2種以上を併用してもよい。 また、前記薬剤は、必要に応じて溶解剤に溶解させた状態で使用してもよい。 使用される溶解剤としては、ベンジルアルコール、ブチルベンゾエート、ミリスチン酸イソプロピル、オクタノール、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコール、クロタミトン、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。 前記粘着剤と前記薬剤との混合割合は、用いる粘着剤や薬剤の種類などによって異なるが、通常は、両者の混合物中に占める薬剤の割合が0.1〜30重量%の範囲となるように調製することが好ましい。 本発明にかかる貼付材用フィルム基材上に前記粘着剤層を設ける方法としては、特に限定するものではないが、例えば、前記水膨潤性ポリウレタン層上に直接粘着剤を塗布する方法や、離型性基材上に粘着剤層を形成させ、該離型性基材を前記水膨潤性ポリウレタン層に重ね合わせて該粘着剤層を転写する方法などが挙げられる。 また、前記粘着剤層は、前記水膨潤性ポリウレタン層上の全面に設けるか、または部分的に、線状、網目状、ドット状等のパターンで設けることができる。 前記粘着剤層の厚みは、1〜1500μmであることが好ましく、薬剤の粘着剤層中での拡散速度が比較的小さいものについては、50〜800μmが好ましい。粘着剤層の厚みが1μm未満であると、粘着剤の量が少なく、十分な粘着性が得られないおそれがある。また、1500μmを超えると、薬剤の肌面への残存率が高くなり、肌面に残った薬剤によってかぶれ等が発生するおそれがある。また、貼付材の透湿性の低下によってかぶれが発生するおそれもある。 このようにして得られる貼付材は、前記粘着剤層上にさらに剥離紙を設けてもよい。粘着剤層上に剥離紙を設けることにより、貼付材の使用時まで該粘着剤層表面を保護することができる。 前記剥離紙としては、一般に貼付材に使用している剥離紙を用いればよく、特に限定するものではない。 このようにして得られた本発明にかかる貼付材は、粘着剤層を設けていないフィルム基材と比較した場合の、粘着剤層を設けて60℃環境下で20日放置したフィルム基材における強度保持率が、60%以上であることが好ましく、さらに好ましくは65%以上である。 強度保持率が60%未満であると、製造した貼付材が、製造から実使用までの期間に、実使用に耐え得るのに十分な強度を損なうおそれがある。 なお、フィルム基材の強度劣化は、粘着剤層に含まれる薬剤等の影響により、フィルム基材が変質または劣化することによって引き起こされる。 フィルム基材の強度保持率は、後述する実施例にて示す測定方法によって求められる。 以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。 なお、以下の実施例および比較例における各測定および評価は、下記の方法に従って行った。[フィルム基材の応力値] JIS L 1096に準拠して、幅25mmの試験片を、つかみ間隔50mm、引張速度150mm/minで伸張させることにより、10%、20%、50%の各伸張時の応力値、すなわち10%モジュラス値、20%モジュラス値、50%モジュラス値をそれぞれ測定した。なお、測定には株式会社島津製作所製オートグラフAG−ISを使用した。[フィルム基材の弾性回復率] JIS L 1096に準拠して、幅25mmの試験片を、つかみ間隔50mm、引張速度150mm/minで30mm伸張した後、直ちに同じ速度でつかみ間隔まで回復させ、このときの残留伸びL[mm]を測定した。なお、測定には株式会社島津製作所製オートグラフAG−ISを使用した。 その結果より、次式を用いて60%伸張時の弾性回復率を算出した。 60%伸張時の弾性回復率[%] ={(30[mm]−L[mm])/30[mm]}×100[フィルム基材の破断強度] JIS L 1096に準拠して、幅25mmの試験片を、つかみ間隔50mm、引張速度150mm/minで伸張し、破断時の強度を測定した。なお、測定には株式会社島津製作所製オートグラフAG−ISを使用した。[線水膨潤率] エラストマー層の粘着剤層側に設ける樹脂層を5cm×5cmにカットし、対角線に5cmの標線を記し、25℃(±5℃)の水に30分浸漬した後、標線の長さX[cm]を測定し、標線の伸びから前記式を用いて算出した。[粘着剤層を設けた場合のフィルム基材の強度保持率] 実施例および比較例のフィルム基材に粘着剤層を設けた場合の、フィルム基材の強度保持率を下記方法により求めた。 なお、本明細書においては、2種類の粘着剤層(粘着剤層a、粘着剤層b)について、フィルム基材の強度保持率を求めた。粘着剤層を設けるための塗布液aおよびbは、下記処方からなる。 <塗布液aの処方> サリチル酸グリコール 5重量部 l−メントール 7重量部 アクリル系粘着剤 40重量部 <塗布液bの処方> インドメタシン 1重量部 l−メントール 7重量部 流動パラフィン 微量 アクリル系粘着剤 40重量部 なお、塗布液aに含有されるサリチル酸グリコール、および塗布液bに含有されるインドメタシンは、ともに貼付材に頻繁に使用されている薬剤である。 また、l−メントールは、清涼感の付与を目的として貼付材に頻繁に使用されているものである。 実施例および比較例で作製したフィルム基材の片側に、上記組成からなる塗布液を、塗布量50g/m2(乾燥重量)となるよう直接塗布し、厚み50μmの粘着剤層を形成した。 各フィルム基材の強度保持率は、下記方法により求めた。 まず、前述したフィルム基材の破断強度測定方法に基づき、粘着剤層を設けていないフィルム基材の破断時強度A[MPa]を測定した。 次いで、各フィルム基材に上記方法により粘着剤層aまたは粘着剤層bを設けた貼付材を作製した。 これを、それぞれ60℃環境下に20日放置した後、フィルム基材の破断強度を測定したのと同様の測定方法に基づき、粘着剤層を設けたフィルム基材の破断時強度B[MPa]を測定した。 これらの測定結果を用いて、次式によりフィルム基材の強度保持率を算出した。 フィルム基材の強度保持率(%)=B[MPa]/A[MPa]×100[フィルム基材と粘着剤層との密着性] フィルム基材の強度保持率を求めた際に使用したものと同様の、粘着剤層aまたはbを設けた各フィルム基材について、フィルム基材の耳部(粘着剤層が形成されていない部分)を手で持ち、さらに粘着剤層を指で引き剥がすことにより、フィルム基材と粘着剤層との剥離を試みた。 その結果より、下記基準に基づいて、フィルム基材と粘着剤層との密着性を評価した。 ○:粘着剤層の凝集破壊(粘着剤層の破壊)が発生し、フィルム基材と粘着剤層との界面剥離はみられなかった。 △:粘着剤層の凝集破壊、およびフィルム基材と粘着剤層との界面剥離が、ともにみられた。 ×:フィルム基材と粘着剤層とが界面剥離し、粘着剤層の凝集破壊はみられなかった。[粘着剤層を設けた場合のフィルム基材のシワ発生性] フィルム基材の強度保持率を求めた際に使用したものと同様の、粘着剤層aまたはbを設けた各フィルム基材について、フィルム基材にシワが発生しているかどうかを目視により確認し、下記基準に基づいて評価した。 ○:フィルム基材にシワの発生が認められなかった。 △:フィルム基材に若干のシワの発生が認められた。 ×:フィルム基材にシワの発生が認められた。[粘着剤層を設けた場合のフィルム基材の使用性] フィルム基材の強度保持率を求めた際に使用したものと同様の、粘着剤層aまたはbを設けた各フィルム基材について実際に肌への貼付を試み、貼付のし易さおよび肌への追従性を確認し、下記基準に基づいて評価した。 ○:肌への貼付が容易であり、肌への追従性がよい。 ×:肌への貼付が困難である、または肌への追従性がわるい。[実施例1] まず、下記処方からなるポリウレタン樹脂溶液を作製した。<ポリウレタン樹脂溶液の処方> レザミンNE−8880 (大日精化工業株式会社製、 無黄変型ポリカーボネート系ポリウレタンエラストマー樹脂)100重量部 レザロイドLU−4007 (大日精化工業株式会社製、表面処理剤) 40重量部 トルエン 70重量部 イソプロピルアルコール(IPA) 30重量部 次いで、マット調離型紙(リンテック株式会社製、EV−130TPD)上に、前記ポリウレタン樹脂溶液を、コンマコーターを用いて塗布し、130℃で2分間の乾燥を行った後、マット調離型紙を剥離し、厚み20μmのエラストマー層を作製した。 次いで、下記処方からなる水膨潤性ポリウレタン樹脂溶液を作製した。<水膨潤性ポリウレタン樹脂溶液の処方> ハイムレンY231 (大日精化工業株式会社製、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂) 100重量部 UST−392マットB(大日精化工業株式会社製、表面処理剤)20重量部 メチルエチルケトン(MEK) 60重量部 次いで、前記エラストマー層の片面に、前記水膨潤性ポリウレタン樹脂溶液を、コンマコーターを用いて塗布し、130℃で2分間の乾燥を行って、厚み5μmの水膨潤性ポリウレタン層を前記エラストマー層の片面に形成させた。 このようにして、実施例1の貼付材用フィルム基材を得た。 実施例1の各評価結果を表1に示す。なお、粘着剤層は、水膨潤性ポリウレタン層上に作製するものとする。[実施例2] まず、下記処方からなるポリウレタン樹脂溶液を作製した。<ポリウレタン樹脂溶液の処方> レザミンNE−308 (大日精化工業株式会社製、 無黄変型ポリエステル系ポリウレタンエラストマー樹脂) 100重量部 レザロイドLU−4007(大日精化工業株式会社製、表面処理剤) 40重量部 トルエン 70重量部 イソプロピルアルコール(IPA) 30重量部 次いで、マット調離型紙(リンテック株式会社製、EV−130TPD)上に、前記ポリウレタン樹脂溶液を、コンマコーターを用いて塗布し、130℃で2分間の乾燥を行った後、マット調離型紙を剥離し、厚み20μmのエラストマー層を作製した。 次いで、下記処方からなる水膨潤性ポリウレタン樹脂溶液を作製した。<水膨潤性ポリウレタン樹脂溶液の処方> ハイムレンY231 (大日精化工業株式会社製、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂)100重量部 UST−392マットB(大日精化工業株式会社製、表面処理剤)20重量部 メチルエチルケトン(MEK) 60重量部 次いで、前記エラストマー層の片面に、前記水膨潤性ポリウレタン樹脂溶液を、コンマコーターを用いて塗布し、130℃で2分間の乾燥を行って、厚み5μmの水膨潤性ポリウレタン層を前記エラストマー層の片面に形成させた。 このようにして、実施例2の貼付材用フィルム基材を得た。 実施例2の各評価結果を表1に示す。なお、粘着剤層は、水膨潤性ポリウレタン層上に作製するものとする。[実施例3] 実施例1で作製したのと同様のポリウレタン樹脂溶液を使用し、マット調離型紙(リンテック株式会社製、EV−130TPD)上に、前記ポリウレタン樹脂溶液を、コンマコーターを用いて塗布し、130℃で2分間の乾燥を行った後、マット調離型紙を剥離し、厚み20μmのエラストマー層を作製した。 次いで、下記処方からなる水膨潤性ポリウレタン樹脂溶液を作製した。<水膨潤性ポリウレタン樹脂溶液の処方> ハイムレンY208 (大日精化工業株式会社製、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂)100重量部 UST−392マットB(大日精化工業株式会社製、表面処理剤)20重量部 メチルエチルケトン(MEK) 60重量部 次いで、前記エラストマー層の片面に、前記水膨潤性ポリウレタン樹脂溶液を、コンマコーターを用いて塗布し、130℃で2分間の乾燥を行って、厚み5μmの水膨潤性ポリウレタン層を前記エラストマー層の片面に形成させた。 このようにして、実施例3の貼付材用フィルム基材を得た。 実施例3の各評価結果を表1に示す。なお、粘着剤層は、水膨潤性ポリウレタン層上に作製するものとする。[実施例4] 実施例1で作製したのと同様のポリウレタン樹脂溶液を使用し、マット調離型紙(リンテック株式会社製、EV−130TPD)上に、前記ポリウレタン樹脂溶液を、コンマコーターを用いて塗布し、130℃で2分間の乾燥を行った後、マット調離型紙を剥離し、厚み20μmのエラストマー層を作製した。 次いで、下記処方からなる水膨潤性ポリウレタン樹脂溶液を作製した。<水膨潤性ポリウレタン樹脂溶液の処方> ハイムレンY611−124 (大日精化工業株式会社製、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂)100重量部 UST−392マットB(大日精化工業株式会社製、表面処理剤)20重量部 メチルエチルケトン(MEK) 60重量部 次いで、前記エラストマー層の片面に、前記水膨潤性ポリウレタン樹脂溶液を、コンマコーターを用いて塗布し、130℃で2分間の乾燥を行って、厚み5μmの水膨潤性ポリウレタン層を前記エラストマー層の片面に形成させた。 このようにして、実施例1の貼付材用フィルム基材を得た。 実施例4の各評価結果を表1に示す。なお、粘着剤層は、水膨潤性ポリウレタン層上に作製するものとする。[実施例5] まず、ポリアミド系エラストマー樹脂フィルム(アルケマ株式会社製 ペバックスMX1205 SP01 厚み40μm)の片面に、実施例1に記載の処方からなる水膨潤性ポリウレタン樹脂溶液をコンマコーターを用いて塗布し、130℃で2分間の乾燥を行って、厚み5μmの水膨潤性ポリウレタン層を形成させた。 このようにして、実施例5の貼付材用フィルム基材を得た。 実施例5の各評価結果を表1に示す。なお、粘着剤層は、水膨潤性ポリウレタン層上に作製するものとする。[比較例1] 実施例1で作製したのと同様のポリウレタン樹脂溶液を使用し、同様の方法によって厚み20μmのエラストマー層を作製し、これを比較例1の貼付材用フィルム基材とした。 比較例1の各評価結果を表2に示す。[比較例2] 実施例1で使用したのと同様の水膨潤性ポリウレタン樹脂溶液を用いて、マット調離型紙(リンテック株式会社製、EV−130TPD)上に、前記樹脂溶液を、コンマコーターを用いて塗布し、130℃で2分間の乾燥を行った後、マット調離型紙を剥離して厚み20μmの水膨潤性ポリウレタン層を作製し、これを比較例2の貼付材用フィルム基材とした。 比較例2の各評価結果を表2に示す。[比較例3] まず、下記処方からなるポリウレタン樹脂溶液を作製した。<ポリウレタン樹脂溶液の処方> クリスボン2026EL (DIC工業株式会社製、 難黄変型ポリエステル系ポリウレタンエラストマー樹脂) 100重量部 レザロイドLU−4007(大日精化工業株式会社製、表面処理剤) 40重量部 トルエン 70重量部 イソプロピルアルコール(IPA) 30重量部 次いで、マット調離型紙(リンテック株式会社製、EV−130TPD)上に、前記ポリウレタン樹脂溶液を、コンマコーターを用いて塗布し、130℃で2分間の乾燥を行った後、マット調離型紙を剥離し、厚み20μmのエラストマー層を作製した。 次いで、下記処方からなる水膨潤性ポリウレタン樹脂溶液を作製した。<水膨潤性ポリウレタン樹脂溶液の処方> ハイムレンY231 (大日精化工業株式会社製、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂)100重量部 UST−392マットB(大日精化工業株式会社製、表面処理剤)20重量部 メチルエチルケトン(MEK) 60重量部 次いで、前記エラストマー層の片面に、前記水膨潤性ポリウレタン樹脂溶液を、コンマコーターを用いて塗布し、130℃で2分間の乾燥を行って、厚み5μmの水膨潤性ポリウレタン層を前記エラストマー層の片面に形成させた。 このようにして、比較例3の貼付材用フィルム基材を得た。 比較例3の各評価結果を表2に示す。なお、粘着剤層は、水膨潤性ポリウレタン層上に作製するものとする。[比較例4] まず、下記処方からなるポリウレタン樹脂溶液を作製した。<ポリウレタン樹脂溶液の処方> レザミンNE−8836 (大日精化工業株式会社製、 無黄変型ポリカーボネート系ポリウレタンエラストマー樹脂)100重量部 レザロイドLU−4007(大日精化工業株式会社製、表面処理剤) 40重量部 トルエン 70重量部 イソプロピルアルコール(IPA) 30重量部 次いで、マット調離型紙(リンテック株式会社製、EV−130TPD)上に、前記ポリウレタン樹脂溶液を、コンマコーターを用いて塗布し、130℃で2分間の乾燥を行った後、マット調離型紙を剥離し、厚み20μmのエラストマー層を作製した。 次いで、下記処方からなる水膨潤性ポリウレタン樹脂溶液を作製した。<水膨潤性ポリウレタン樹脂溶液の処方> ハイムレンY231 (大日精化工業株式会社製、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂)100重量部 UST−392マットB(大日精化工業株式会社製、表面処理剤)20重量部 メチルエチルケトン(MEK) 60重量部 次いで、前記エラストマー層の片面に、前記水膨潤性ポリウレタン樹脂溶液を、コンマコーターを用いて塗布し、130℃で2分間の乾燥を行って、厚み5μmの水膨潤性ポリウレタン層を前記エラストマー層の片面に形成させた。 このようにして、比較例4の貼付材用フィルム基材を得た。 比較例4の各評価結果を表2に示す。なお、粘着剤層は、水膨潤性ポリウレタン層上に作製するものとする。[比較例5] 実施例1で作製したのと同様のポリウレタン樹脂溶液を使用し、マット調離型紙(リンテック株式会社製、EV−130TPD)上に、前記ポリウレタン樹脂溶液を、コンマコーターを用いて塗布し、130℃で2分間の乾燥を行った後、マット調離型紙を剥離し、厚み20μmのエラストマー層を作製した。 次いで、下記処方からなる水膨潤性ポリビニルアルコール樹脂溶液を作製した。<水膨潤性ポリビニルアルコール樹脂溶液の処方> JMR−30L (日本酢ビ・ポバール株式会社製、ポリビニルアルコール系樹脂)20重量部 水40%とIPA60%の混合溶媒 85重量部 次いで、前記エラストマー層の片面に、前記水膨潤性ポリビニルアルコール樹脂溶液を、コンマコーターを用いて塗布し、130℃で2分間の乾燥を行って、厚み5μmの水膨潤性ポリビニルアルコール層を前記エラストマー層の片面に形成させた。 このようにして、比較例5の貼付材用フィルム基材を得た。 比較例5の各評価結果を表2に示す。なお、粘着剤層は、水膨潤性ポリビニルアルコール層上に作製するものとする。[比較例6] 実施例1で作製したのと同様のポリウレタン樹脂溶液を使用し、マット調離型紙(リンテック株式会社製、EV−130TPD)上に、前記ポリウレタン樹脂溶液を、コンマコーターを用いて塗布し、130℃で2分間の乾燥を行った後、マット調離型紙を剥離し、厚み20μmのエラストマー層を作製した。 次いで、水膨潤性ポリエステル樹脂溶液(プラスコートZ−880(互応化学工業株式会社製、水溶性ポリエステル系樹脂 固形分25%の液状品))を前記エラストマー層の片面に、コンマコーターを用いて塗布し、130℃で2分間の乾燥を行って、厚み5μmの水膨潤性ポリエステル層を前記エラストマー層の片面に形成させた。 このようにして、比較例6の貼付材用フィルム基材を得た。 比較例6の各評価結果を表2に示す。なお、粘着剤層は、水膨潤性ポリウレタン層上に作製するものとする。[比較例7] 実施例1で作製したのと同様のポリウレタン樹脂溶液を使用し、マット調離型紙(リンテック株式会社製、EV−130TPD)上に、前記ポリウレタン樹脂溶液を、コンマコーターを用いて塗布し、130℃で2分間の乾燥を行った後、マット調離型紙を剥離し、厚み20μmのエラストマー層を作製した。 次いで、下記処方からなる親水性且つ非水膨潤性ポリウレタン樹脂溶液を作製した。<親水性且つ非水膨潤性ポリウレタン樹脂溶液の処方> ハイムレンY210B (大日精化工業株式会社製、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂)100重量部 UST−392マットB(大日精化工業株式会社製、表面処理剤)20重量部 メチルエチルケトン 60重量部 次いで、前記エラストマー層の片面に、前記水膨潤性ポリビニルアルコール樹脂溶液を、コンマコーターを用いて塗布し、130℃で2分間の乾燥を行って、厚み5μmの親水性且つ非水膨潤性ポリウレタン層を前記エラストマー層の片面に形成させた。 このようにして、比較例7の貼付材用フィルム基材を得た。 比較例7の各評価結果を表2に示す。なお、粘着剤層は、水膨潤性ポリウレタン層上に作製するものとする。[評価] 実施例1および2の貼付材用フィルム基材は、粘着剤層を設けた場合にも高い強度保持率を有し、粘着剤層との密着性も良好なものであった。また、フィルム基材にシワが生じることもなく、使用性にも優れたものであった。 比較例1は、水膨潤樹脂層を持たないため、粘着剤層との密着性が不十分となった。 比較例2は、エラストマー層が水膨潤樹脂層のみからなる構成のため、粘着剤に含まれる水分の影響でフィルム基材が膨潤し、シワ発生となった。 比較例3は、エラストマー層に用いた樹脂がモジュラスの小さいものなので、粘着剤層と積層した際に大きなシワが発生する。 比較例4は、エラストマー層に用いた樹脂がモジュラスの大きなものであるので、硬く、使用性に劣るものとなった。 比較例5は、水膨潤性ポリビニルアルコールの弾性回復率が悪いため、エラストマー層への追従が悪く、弾性回復率が悪いフィルム基材となった。 比較例6は、水膨潤性ポリエステル樹脂の弾性回復率が悪いため、弾性回復率の悪いフィルム基材となる。 比較例7は、親水性であるが水膨潤性をもたないポリエーテル系ポリウレタンを使用したため、粘着剤層との密着性に劣る。 尚、比較例2以外の実施例及び比較例で用いた1層目のエラストマー層の線水膨潤率はいずれも0%である。エラストマー層の片面に水膨潤性ポリウレタン層を積層してなる貼付材用フィルム基材であって、該貼付材用フィルム基材の10%伸張時の応力(10%モジュラス)が0.2〜3.0N/25mm、20%モジュラスが0.3〜4.0N/25mm、50%モジュラスが0.5〜5.0N/25mmであることを特徴とする貼付材用フィルム基材。前記エラストマー層が、ポリアミド系エラストマー樹脂、ポリウレタン系エラストマー樹脂、ポリアクリル系エラストマー樹脂、ポリエステル系エラストマー樹脂、ポリスチレン系エラストマー樹脂の中から選択される、少なくとも1種のエラストマー樹脂によって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の貼付材用フィルム基材。前記エラストマー層が、ポリウレタン系エラストマー樹脂によって形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の貼付材用フィルム基材。前記貼付材用フィルム基材が、60%伸張後の弾性回復率が80%以上、破断強度が20MPa以上あることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の貼付材用フィルム基材。前記水膨潤性ポリウレタン層が、線水膨潤率が1〜30%であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の貼付材用フィルム基材。前記水膨潤性ポリウレタン層の線水膨潤率が5〜25%であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の貼付材用フィルム基材。請求項1〜6のいずれかに記載の貼付材用フィルム基材の水膨潤性ポリウレタン層上に粘着剤層を設けてなる貼付材。 ストレッチ性、耐薬品性、柔軟性などに優れ、貼付材として使用した場合に、薬剤等を含む粘着剤層の影響によるフィルム基材の膨潤等によって、強度低下やシワが生じることがなく、さらに薬剤等を含む粘着剤層との密着性および身体へのフィット性にも優れた貼付材用フィルム基材およびそれを用いた貼付材を提供する。 エラストマー層の片面に水膨潤性ポリウレタン層を積層してなる貼付材用フィルム基材であって、該貼付材用フィルム基材の10%伸張時の応力(10%モジュラス)が0.2〜3.0N/25mm、20%モジュラスが0.3〜4.0N/25mm、50%モジュラスが0.5〜5.0N/25mmであることを特徴とする貼付材用フィルム基材である。