タイトル: | 特許公報(B2)_口腔内崩壊錠 |
出願番号: | 2009553471 |
年次: | 2012 |
IPC分類: | A61K 9/20,A61K 31/5375,A61K 47/10,A61K 47/38,A61K 47/36,A61K 47/32,A61P 1/00 |
藤原 恵一 落合 康 木村 洋平 JP 4989733 特許公報(B2) 20120511 2009553471 20090213 口腔内崩壊錠 大日本住友製薬株式会社 000002912 京都薬品工業株式会社 000161965 高島 一 100080791 土井 京子 100125070 鎌田 光宜 100136629 田村 弥栄子 100121212 山本 健二 100122688 村田 美由紀 100117743 藤原 恵一 落合 康 木村 洋平 JP 2008032490 20080213 JP 2008113249 20080423 20120801 A61K 9/20 20060101AFI20120712BHJP A61K 31/5375 20060101ALI20120712BHJP A61K 47/10 20060101ALI20120712BHJP A61K 47/38 20060101ALI20120712BHJP A61K 47/36 20060101ALI20120712BHJP A61K 47/32 20060101ALI20120712BHJP A61P 1/00 20060101ALN20120712BHJP JPA61K9/20A61K31/5375A61K47/10A61K47/38A61K47/36A61K47/32A61P1/00 A61K 9/20 A61K 31/5375 A61K 47/10 A61K 47/32 A61K 47/36 A61K 47/38 A61P 1/00 国際公開第2007/072840(WO,A1) 国際公開第2007/043538(WO,A1) 国際公開第2007/018057(WO,A1) 第46回北陸信越薬剤師大会/第39回北陸信越薬剤師学術大会/第8回富山県薬学会年会 講演要旨集,2006年,81ページ 23 JP2009052439 20090213 WO2009102038 20090820 101 20111202 山村 祥子 本発明は十分な硬度を有し、且つ口腔内での崩壊性に優れた口腔内崩壊錠に関する。具体的には、少量の水または水なしで服用しても口腔内で速やかに崩壊し、且つ通常の錠剤と同等の硬度を持つ口腔内崩壊錠であって、特に包装容器の開封後のような加湿条件下でも十分な硬度を保有し、良好な崩壊性を維持する口腔内崩壊錠に関する。 高齢化社会を迎え、錠剤を嚥下するのが容易でない、または困難な高齢者の患者にも服用しやすい口腔内崩壊錠の開発が要望され、現在、様々な口腔内崩壊錠が市販されている。 高齢者の患者は、数種類の薬剤を一度に服用することも多く、加えて、種々の薬剤の用法によって服用の時間帯も異なることもあり、正確に決められた用法、用量で服用することは困難であることが多い。また、高齢者の患者は、手先が不自由な患者も少なくなく、個別の容器から薬剤を取り出すことも大きな負担になっている。これらの問題を解決するため、病院や薬局では、高齢者の患者が薬剤を飲み忘れることの防止や、容器から薬剤を取り出す負担の軽減等のコンプライアンス向上の目的で、複数の薬を一つのパッケージに納めた一包化が進んでいる。 しかし、一包化するためには包装容器から取り出した状態においても薬剤の特性を失わないことが重要であり、とりわけ口腔内崩壊錠においては、湿度が高い条件下においても崩壊性の維持および硬度の維持が必須になる。特に、近年一包化の際の医療過誤防止の観点から、自動分包機を使用する病院や薬局が増加しており、包装容器から取り出した後に自動分包機で使用される際の物理的な衝撃にも耐えうる硬度の保持が必要とされてきている。 しかしながら、従来の口腔内崩壊錠は、速崩壊性を付与すると通常の錠剤に比して硬度を高くすることが困難である上、吸湿性が高くなり、加湿条件下で硬度が大幅に低下することにより必要な硬度を保持することが出来ず、服用前に錠剤が破損しやすいという問題があった。このため医療現場では、加湿条件下で保存しても錠剤の崩壊性および硬度が維持されるような口腔内崩壊錠の創出が望まれている。 それゆえ、口腔内崩壊錠に関しては、これまで多くの報告がなされている。例えば、特許文献1は、適度な硬度と速やかな崩壊性を示し、製造性も問題のない製剤として、a)活性成分、b)平均粒子径が30μm〜300μmの糖または糖アルコール、c)崩壊剤およびd)セルロース類を含有してなる速崩壊性固形製剤を開示し、崩壊剤として、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウムおよびクロスポビドンを、セルロース類として、結晶セルロース、粉末セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよびカルメロースを開示している。 また、特許文献2は、十分な硬度を有し、且つ服用感がよく、口腔内での崩壊性に優れた口腔内崩壊錠として、平均粒子径31μm〜80μmのD−マンニトール、活性成分、崩壊剤および0.01重量%〜0.5重量%のステアリン酸もしくはステアリン酸金属塩を含有する速崩壊性錠剤を開示しており、崩壊剤として、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、カルメロースカルシウムおよびクロスカルメロースナトリウムを例示している。そして、前記錠剤の製造方法として、ステアリン酸等の滑沢剤を外部に局在させる「外部滑沢打錠法」による製造が開示されている。 特許文献3は、マンニトール、崩壊剤、セルロース類、滑沢剤、並びにデンプン類および乳糖の少なくとも1種を含有してなる、口腔内で速やかに崩壊し、実用上十分な強度を有する口腔内崩壊性組成物を開示し、セルロース類として、粉末セルロース、結晶セルロースを例示し、また好ましい崩壊剤として、クロスポビドンまたはクロスカルメロースナトリウムを例示している。そして、圧縮成形時における障害を低減する効果を付与するべく、マンニトールとデンプン類または乳糖との配合比を特定している。 特許文献4には、(1)薬物、(2)水溶性高分子、(3)特定の形状のD−マンニトール、(4)カルボキシメチルセルロースおよびコメデンプンからなる群から選ばれる一種を含み、十分な硬度を有し、崩壊性、服用感に優れた口腔内速崩壊錠剤が開示されている。 特許文献5には、a)活性成分、b−1)糖および/または糖アルコールおよびc−1)セルロース類を含有してなる群1と、b−2)糖および/または糖アルコールおよびc−1)セルロース類を含有してなる群2とを含有してなり、群1および/または群2にd)溶解補助剤を含有する、崩壊性、溶出調節性、製造性に優れる速崩壊性固形製剤が開示され、セルロース類として、結晶セルロース、粉末セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース等を開示している。 特許文献1、2および4においては、特定のマンニトール等の糖または糖アルコールを用いることを特徴としており、特許文献1および3においては、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドンなどの膨潤性で崩壊力の強い崩壊剤を必須成分として用い、効果を発現している。しかし、従来の口腔内崩壊性錠剤においては、硬度が十分でなく、一包化に対応しにくいものであったり、口腔内における崩壊性が不十分であるものも存在していた。 なお、上記各特許文献においては、結晶セルロースを用いる、または用いてもよいことが開示されている。結晶セルロースは、高成形性素材として知られているが、その形状は種々存在し、例えば、平均粒子径や形状によって多くのグレードが存在している。そして、最近、かさ密度が非常に低い0.2g/cm3未満の結晶セルロースが製造され、低成形性薬物の湿打後末への応用(10%未満の添加による成形性、摩損度の改善)、高主薬含有錠剤の直打への応用(薬物含量を高くした場合の打錠障害を抑制)、および液状主薬の直打への応用(圧縮時の液状主薬のシミだし抑制)が記載されている(非特許文献1)。しかしながら口腔内崩壊錠への応用に関する具体的な記載はない。国際公開00/78292号パンフレット国際公開2003/103713号パンフレット特開2000−273039号公報特開2007−197438号公報特開2003−34655号公報旭化成ケミカルズ株式会社著、第3回成形技術研究会講演会、2006年11月28日発行、P121〜136 そこで本発明においては、一包化に対応できる口腔内崩壊錠、すなわち、適度な硬度と口腔内での速やかな崩壊性を兼ね備え、かつ加湿条件下でも口腔内崩壊性を保持し、自動分包機の使用に必要な一定以上の硬度を維持する口腔内崩壊錠を得ることを目的とした。 本発明者らは、上記課題を解決するために、かさ密度の低い結晶セルロースを用いて、口腔内崩壊錠を製造することを着想した。まず、かさ密度の低い結晶セルロースを用いると、硬度が高く、速い崩壊性を有する口腔内崩壊錠が得られたが、意外にも加湿条件下で口腔内崩壊時間が遅延することが判明した。そこで、該結晶セルロースと崩壊力の強い崩壊剤であるクロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウムとを組み合わせた口腔内崩壊錠を製造した。ところが、これら崩壊剤を使用した場合には、十分な硬度および速い崩壊性を有する口腔内崩壊錠が得られないか、得られたとしても、加湿後において、外観に凹凸が生じ、大幅な硬度低下が生じる問題があることが判明した。 更に、本発明者らは鋭意検討を行った結果、活性成分、マンニトール、かさ密度が0.18g/cm3以下である結晶セルロースに加え、カルメロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチから選ばれる2種以上の成分を組み合わせると、得られる口腔内崩壊錠が従来知られていた口腔内崩壊錠に比して、優れた崩壊性および適度な硬度を有し、加湿条件下においても速やかな口腔内崩壊性を保持し、自動分包機にて分包するために必要な一定以上の硬度を維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明は下記の[1]〜[32]に関する。[1](1)活性成分、(2)マンニトール、(3)結晶セルロース並びに(4)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分を含有する口腔内崩壊錠であって、該崩壊錠100重量%における各成分の配合割合が、(1)0.01〜50重量%、(2)20〜86重量%、(3)10〜30重量%、および(4)各々の特定成分の配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の合計が3〜60重量%であって、配合する結晶セルロース(3)の集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、口腔内崩壊錠。[2]特定成分(4)がカルメロースおよびコーンスターチを含む、上記[1]に記載の口腔内崩壊錠。[3]該崩壊錠100重量%におけるマンニトール(2)の配合割合が、20〜75重量%である、上記[1]または[2]に記載の口腔内崩壊錠。[4]特定成分(4)において、該崩壊錠100重量%中、カルメロースを1〜10重量%、コーンスターチを5〜20重量%の配合割合で含む、上記[3]に記載の口腔内崩壊錠。[5](4)の特定成分が、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースおよびコーンスターチを含む、上記[1]に記載の口腔内崩壊錠。[6]特定成分(4)において、該崩壊錠100重量%中、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを1〜10重量%、カルメロースを1〜10重量%およびコーンスターチを5〜20重量%の配合割合で含む、上記[5]に記載の口腔内崩壊錠。[7]活性成分(1)が、4−アミノ−5−クロロ−2−エトキシ−N−〔〔4−(4−フルオロベンジル)−2−モルホリニル〕メチル〕ベンズアミド(以下「化合物A」という)またはその薬学的に許容される塩である、上記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。[8]さらに、(5)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含み、口腔内崩壊錠100重量%における該水溶性高分子(5)の配合割合の合計が0.5〜10重量%である、上記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。[9]水溶性高分子(5)が、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子であり、該崩壊錠100重量%における配合割合の合計が0.5〜5重量%である、上記[8]に記載の口腔内崩壊錠。[10](1a)活性成分、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し粒子化し、得られる活性成分含有粒子、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分、並びに必要に応じて(5b)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し、成形する口腔内崩壊錠であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が、(1a)0.01〜50重量%、(2a)および(2b)の合計が20〜86重量%、(3b)10〜30重量%、(4b)の特定成分の各配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の配合割合の合計が3〜60重量%で、(5a)および(5b)を配合する場合の配合割合の合計が0.5〜10重量%であって、配合する(3b)の結晶セルロースの集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、口腔内崩壊錠。[11](1)活性成分、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース並びに(4b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の特定成分、並びに必要に応じて(5b)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含む混合物を造粒し、得られる造粒顆粒、(3c)結晶セルロース、(4c)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の特定成分を含む混合物を成形してなる口腔内崩壊錠であって、該崩壊錠100重量%における各成分の配合割合が、(1)0.01〜50重量%、(2b)20〜86重量%、(3b)および(3c)の合計が10〜30重量%、および(4b)および(4c)において少なくとも2種の特定成分を含有し、各特定成分の配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の配合割合の合計が3〜60重量%並びに配合される場合の(5b)の配合割合は0.5〜10重量%であって、配合する(3b)および(3c)の結晶セルロースの集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下であることを特徴とする、口腔内崩壊錠。[12](1a)化合物Aまたはその薬学的に許容される塩、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し粒子化した活性成分含有粒子と、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分、並びに必要に応じて(5b)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含有する口腔内崩壊錠であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が、(1a)0.1〜10重量%、(2a)および(2b)の合計が20〜86重量%、(3b)10〜30重量%、(4b)各々の特定成分の配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の合計が3〜60重量%、並びに(5a)および(5b)の合計が0.5〜10重量%であって、配合する結晶セルロース(3b)の集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、口腔内崩壊錠。[13](1a)化合物Aまたはその薬学的に許容される塩、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し粒子化した活性成分含有粒子と、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分、並びに(5b)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含有する口腔内崩壊錠であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が、(1a)0.1〜10重量%、(2a)および(2b)の合計が20〜86重量%、(3b)10〜30重量%、(4b)各々の特定成分の配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の合計が3〜60重量%、並びに(5a)および(5b)の合計が0.5〜10重量%であって、配合する結晶セルロース(3b)の集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、上記[12]に記載の口腔内崩壊錠。[14](1a)化合物Aまたはその薬学的に許容される塩、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し粒子化し、得られる活性成分含有粒子、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の特定成分、並びに(5b)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含む混合物を造粒し、得られる造粒顆粒、(3c)結晶セルロース、(4c)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の特定成分を含む混合物を成形してなる口腔内崩壊錠であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が、(1a)0.1〜10重量%、(2a)および(2b)の合計が20〜86重量%、(3b)および(3c)の合計が10〜30重量%、(4b)および(4c)において少なくとも2種の特定成分を含有し、その合計における各々の特定成分の配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の全体の合計が3〜60重量%、並びに(5a)および(5b)の合計が0.5〜10重量%であって、配合する結晶セルロース(3b)および(3c)を併せた集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、口腔内崩壊錠。[15](1a)化合物Aまたはその薬学的に許容される塩、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し粒子化し、得られる活性成分含有粒子、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4.1b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、(4.3b)カルメロース、並びに(5b)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含む混合物を造粒し、得られる造粒顆粒、(3c)結晶セルロース、(4.1c)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、および(4.2c)コーンスターチを含む混合物を成形してなる口腔内崩壊錠であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が、(1a)0.1〜10重量%、(2a)および(2b)の合計が30〜75重量%、(3b)および(3c)の合計が10〜30重量%、(4.1b)および(4.1c)の合計が1〜20重量%、(4.2c)5〜20重量%、(4.3b)1〜20重量%、並びに(5a)および(5b)の合計が0.5〜10重量%であって、配合する結晶セルロース(3b)および(3c)を併せた集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、上記[14]に記載の口腔内崩壊錠。[16]該崩壊錠100重量%におけるマンニトール(2a)の配合割合が1〜30重量%であり、水溶性高分子(5a)の配合割合が0.5〜9.9重量%である、上記[12]〜[15]のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。[17]水溶性高分子(5a)が、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースであり、水溶性高分子(5b)がヒドロキシプロピルセルロースである、上記[12]〜[15]のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。[18]配合する結晶セルロースの集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が、18〜30重量%である、上記[1]〜[17]のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。[19]配合する結晶セルロースの集合体のかさ密度が0.15g/cm3以下であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が、10〜30重量%である、上記[1]〜[17]のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。[20](1)活性成分、(2)マンニトール、(3)結晶セルロース、(4)(4.1)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、(4.2)コーンスターチ及び(4.3)カルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分、並びに(5)メチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含有する口腔内崩壊錠であって、該崩壊錠100重量%における各成分の配合割合が(1)0.1〜45重量%、(2)20〜75重量%、(3)15〜25重量%、(4)配合される場合の各特定成分の配合割合が(4.1)1〜16重量%、(4.2)5〜20重量%、(4.3)1〜10重量%であり、且つ配合する特定成分の合計が5〜40重量%、並びに(5)0.5〜8重量%であって、配合する(3)の結晶セルロースの集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、口腔内崩壊錠。[21](1)活性成分、(2)マンニトール、(3)結晶セルロース、(4)(4.1)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、(4.2)コーンスターチ及び(4.3)カルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分、並びに(5)メチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含有する口腔内崩壊錠であって、該崩壊錠100重量%における各成分の配合割合が(1)0.1〜25重量%、(2)30〜75重量%、(3)15〜25重量%、(4)配合される場合の各特定成分の配合割合が(4.1)1〜6重量%、(4.2)5〜20重量%、(4.3)1〜5重量%であり、且つ配合する特定成分の合計が5〜35重量%、並びに(5)0.5〜8重量%であって、(3)の結晶セルロースの集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、口腔内崩壊錠。[22](1a)化合物A又はその薬学的に許容される塩、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロース又はメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースを混合し粒子化した活性成分含有粒子と、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4b)(4.1b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、(4.2b)コーンスターチ及び(4.3b)カルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分、並びに(5b)メチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含有する口腔内崩壊錠であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が(1a)1〜8重量%、(2a)及び(2b)の合計が20〜75重量%、(3b)15〜25重量%、(4b)配合される場合の各特定成分の配合割合が(4.1b)1〜16重量%、(4.2b)5〜20重量%、(4.3b)1〜10重量%であり、且つ配合する特定成分の配合割合の合計が5〜40重量%、並びに(5a)及び(5b)の合計が0.5〜8重量%であって、配合する(3b)の結晶セルロースの集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である口腔内崩壊錠。[23](1a)化合物A又はその薬学的に許容される塩、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロース又はメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースを混合し粒子化した活性成分含有粒子と、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4b)(4.1b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、(4.2b)コーンスターチ及び(4.3b)カルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分、並びに(5b)メチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含有する口腔内崩壊錠であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が(1a)1〜5重量%、(2a)及び(2b)の合計が30〜75重量%、(3b)15〜25重量%、(4b)配合される場合の各特定成分の配合割合が(4.1b)1〜6重量%、(4.2b)5〜20重量%、(4.3b)1〜5重量%であり、且つ特定成分の配合割合の合計が5〜35重量%、並びに(5a)及び(5b)の合計が0.5〜8重量%であって、(3b)の結晶セルロースの集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である口腔内崩壊錠。[24](1a)化合物A又はその薬学的に許容される塩、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロース又はメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースを混合して粒子化し、得られる活性成分含有粒子、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4.1b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、(4.3b)カルメロース、並びに(5b)メチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含む混合物を造粒し、得られる造粒顆粒、(3c)結晶セルロース、(4.1c)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、及び(4.2c)コーンスターチを含む混合物を成形してなる口腔内崩壊錠であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が(1a)1〜8重量%、(2a)及び(2b)の合計が20〜75重量%、(3b)及び(3c)の合計が15〜25重量%、(4.1b)及び(4.1c)の合計が1〜16重量%、(4.2c)5〜20重量%、(4.3b)1〜10重量%、並びに(5a)及び(5b)の合計が0.5〜8重量%であって、配合する(3b)及び(3c)の結晶セルロースを併せた集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、口腔内崩壊錠。[25](1a)化合物A又はその薬学的に許容される塩、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロース又はメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースを混合して粒子化し、得られる活性成分含有粒子、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4.1b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、(4.3b)カルメロース、並びに(5b)メチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含む混合物を造粒し、得られる造粒顆粒、(3c)結晶セルロース、(4.1c)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、及び(4.2c)コーンスターチを含む混合物を成形してなる口腔内崩壊錠であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が(1a)1〜5重量%、(2a)及び(2b)の合計が30〜75重量%、(3b)及び(3c)の合計が15〜25重量%、(4.1b)及び(4.1c)の合計が1〜6重量%、(4.2c)5〜20重量%、(4.3b)1〜5重量%、並びに(5a)及び(5b)の合計が0.5〜8重量%であって、(3b)及び(3c)の結晶セルロースを併せた集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、口腔内崩壊錠。[26](1)活性成分、(2)マンニトール、(3)結晶セルロース並びに(4)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分を含有する口腔内崩壊錠であって、25℃、相対湿度75%の条件下で3日間保存した後の絶対硬度が、1.5N/mm2以上である、口腔内崩壊錠。[27](1a)活性成分、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し粒子化し、得られる活性成分含有粒子、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分、並びに必要に応じて(5b)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し、成形する口腔内崩壊錠の製造方法であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が、(1a)0.01〜50重量%、(2a)および(2b)の合計が20〜86重量%、(3b)10〜30重量%、(4b)の特定成分の各配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の配合割合の合計が3〜60重量%で、(5a)および(5b)を配合する場合の配合割合の合計が0.5〜10重量%であって、配合する(3b)の結晶セルロースの集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、口腔内崩壊錠の製造方法。[28](1)活性成分、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース並びに(4b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の特定成分、並びに必要に応じて(5b)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含む混合物を造粒し、得られる造粒顆粒、(3c)結晶セルロースおよび(4c)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の特定成分を含む混合物を成形してなる口腔内崩壊錠の製造方法であって、該崩壊錠100重量%における各成分の配合割合が、(1)0.01〜50重量%、(2b)20〜86重量%、(3b)および(3c)の合計が10〜30重量%、および(4b)および(4c)において少なくとも2種の特定成分を含有し、各特定成分の配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の配合割合の合計が3〜60重量%、並びに配合される場合の(5b)の配合割合は0.5〜10重量%であって、配合する(3b)および(3c)の結晶セルロースの集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下であることを特徴とする、口腔内崩壊錠の製造方法。[29](1a)化合物Aまたはその薬学的に許容される塩、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し粒子化し、得られる活性成分含有粒子、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分、並びに必要に応じて(5b)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し、成形する口腔内崩壊錠の製造方法であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が、(1a)0.1〜10重量%、(2a)および(2b)の合計が20〜86重量%、(3b)10〜30重量%、(4b)の特定成分の各配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の配合割合の合計が3〜60重量%で、(5a)および(5b)を配合する場合の配合割合の合計が0.5〜10重量%であって、配合する(3b)の結晶セルロースの集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、口腔内崩壊錠の製造方法。[30](1a)化合物A又はその薬学的に許容される塩、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し粒子化し、得られる活性成分含有粒子、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチ及びカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分、並びに(5b)メチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し、成形する口腔内崩壊錠の製造方法であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が、(1a)0.1〜10重量%、(2a)及び(2b)の合計が20〜86重量%、(3b)10〜30重量%、(4b)の特定成分の各配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の配合割合の合計が3〜60重量%で、(5a)及び(5b)の配合割合の合計が0.5〜10重量%であって、配合する(3b)の結晶セルロースの集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、上記[29]に記載の口腔内崩壊錠の製造方法。[31](1a)化合物Aまたはその薬学的に許容される塩、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し粒子化し、得られる活性成分含有粒子、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の特定成分、並びに(5b)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含む混合物を造粒し、得られる造粒顆粒、(3c)結晶セルロース、(4c)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の特定成分を含む混合物を成形することを特徴とする口腔内崩壊錠の製造方法であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が、(1a)0.1〜10重量%、(2a)および(2b)の合計が20〜86重量%、(3b)および(3c)の合計が10〜30重量%、(4b)および(4c)において少なくとも2種の特定成分を含有し、各特定成分の配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の配合割合の合計が3〜60重量%、(5a)および(5b)の合計が0.5〜10重量%であって、配合する(3b)および(3c)の結晶セルロースを併せた集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、口腔内崩壊錠の製造方法。[32](1a)化合物A又はその薬学的に許容される塩、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロース又はメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースを混合して粒子化し、得られる活性成分含有粒子、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4.1b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、(4.3b)カルメロース、並びに(5b)メチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含む混合物を造粒し、得られる造粒顆粒、(3c)結晶セルロース、(4.1c)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、及び(4.2c)コーンスターチを含む混合物を成形する口腔内崩壊錠の製造方法であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が(1a)0.1〜10重量%、(2a)及び(2b)の合計が20〜86重量%、(3b)及び(3c)の合計が10〜30重量%、(4.1b)及び(4.1c)の合計が1〜20重量%、(4.2c)1〜20重量%、(4.3b)1〜20重量%、並びに(5a)及び(5b)の合計が0.5〜10重量%であって、配合する(3b)及び(3c)の結晶セルロースを併せた集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、口腔内崩壊錠の製造方法。 本発明によれば、優れた崩壊性および適度な硬度を有し、加湿条件下においても速やかな口腔内崩壊性を保持し、自動分包機で使用するために必要な一定以上の硬度を維持することができる口腔内崩壊錠を提供できる。また、服用感にも優れた口腔内崩壊錠を提供できる。発明を実施するための形態 本発明において、「口腔内崩壊錠」とは、錠剤を服用するために水を摂取することなく、口腔内で速やかに崩壊する錠剤を意味し、具体的には口腔内で主として唾液による崩壊試験または装置による崩壊試験などにおいて約40秒以内に、好ましくは30秒以内に崩壊する錠剤を意味する。 本明細書および本特許請求の範囲において、配合割合とは、口腔内崩壊錠全重量を100重量%としたときの錠剤全重量に対する各成分の割合(重量%)を意味する。 本明細書および本特許請求の範囲において「平均粒子径」は、例えばシンパテック(SYMPATEC)社のレーザー回折式粒度測定器[ヘロスアンドロドス(HELOS&RODOS)]、あるいは島津製作所のレーザー回折式粒度分布測定装置(SALD3000)で測定された値で表される。 本明細書および本特許請求の範囲において「かさ密度」は、第15改正日本薬局方に記載されている定質量法(第1法)で測定された値で表される。すなわち、100mL(cm3)のメスフラスコに、通常約30gの検体を自由落下で充填したときの体積をXcm3としたとき、以下の式で表される数値のことをいう。ただし、検体がメスフラスコからあふれる場合は適宜検体の重量を減量して測定する。 かさ密度(g/cm3)=検体の重量(g)/X(cm3) 本発明の口腔内崩壊錠は、まず、(1)活性成分、(2)マンニトール、(3)結晶セルロースおよび(4)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分を含有することを特徴とするものであり、且つ該崩壊錠100重量%における配合割合が(1)0.01〜50重量%、(2)20〜86重量%、(3)10〜30重量%および(4)配合される各特定成分の配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の合計が3〜60重量%であることを特徴とし、更に、配合する結晶セルロース(3)の集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下であることを特徴とするものである。 より具体的には、本発明の口腔内崩壊錠は、該崩壊錠100重量%あたり、下記成分が下記配合割合になるような組成物を製剤化することによって得ることができるものである:(1)活性成分を0.01〜50重量%、(2)マンニトールを20〜86重量%、(3)その集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である結晶セルロースを10〜30重量%および(4)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分を含み、且つ各々の特定成分の配合割合が1〜20重量%であり、併せて3〜60重量%。 以下に、本発明につき、さらに詳しく説明する。 (1)活性成分 本発明の口腔内崩壊錠において使用される活性成分としては、医薬活性成分として疾患の治療や予防に供され、経口投与可能なものであれば特に限定されない。例えば、滋養強壮保健薬;解熱鎮痛消炎薬;抗精神病薬;催眠鎮静薬;鎮痙薬;中枢神経作用薬;脳代謝改善薬;脳循環改善薬;抗てんかん薬;交感神経興奮剤;健胃消化剤;抗潰瘍剤;消化管運動機能改善剤;制酸剤;鎮咳去痰剤;腸運動抑制薬;鎮吐剤;呼吸促進剤;気管支拡張剤;アレルギー用薬;抗ヒスタミン剤;強心剤;不整脈用剤;利尿剤;ACE阻害剤;Ca拮抗剤;AII拮抗薬;血管収縮剤;冠血管拡張剤;血管拡張薬;末梢血管拡張薬;高脂血症用剤;利胆剤;セフェム系抗生物質;経口抗菌薬;化学治療剤;スルフォニル尿素薬;αグルコシダーゼ阻害薬;インスリン抵抗性改善薬;速効性インスリン分泌促進剤;DPPIV阻害薬;糖尿病合併症治療薬;骨粗しょう症剤;抗リウマチ剤;骨格筋弛緩剤;アルカロイド系麻薬;サルファ剤;痛風治療剤;血液凝固阻止剤;抗悪性腫瘍剤等が挙げられる。 本発明における活性成分は、薬学上許容される限り、塩またはフリー体の形であってもよい。また、アルコール和物等の溶媒和物、または水和物等の形であってもよい。さらに、上記に挙げた活性成分は、単独で用いても、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。 本発明における(1)の活性成分の配合量は、通常、口腔内崩壊錠100重量%に対し0.01〜50重量%であるが、好ましくは0.1〜45重量%、さらに好ましくは0.1〜25重量%程度である。なお、本発明における「活性成分の配合割合」とは、一般的に薬剤として採用されている「医薬活性成分」の形態を基準とするものである。すなわち、塩の形態をとっている薬物の場合には、その塩を形成する酸または塩基を加えた量を基準とする。但し、薬物が結晶水等を有する場合は、当該結晶水相当量を減じた量を基準とする。 本発明で使用される活性成分の平均粒子径としては口腔内でザラツキを感じない大きさであればよく、通常1〜250μmであり、好ましくは1〜150μmであり、さらに好ましくは1〜100μmである。所望の粒子径とするため、必要に応じて適宜活性成分を粉砕して用いる。粉砕方法としては例えば気流粉砕機やハンマー式粉砕機による方法が挙げられる。 また、活性成分については、公知の製剤手法によって苦味等の不快な味をマスキングしたり、腸溶性や徐放性などの放出制御能を付与したり、安定化や製造性の改善のために処理を施してもよい。具体的には、例えば、活性成分を造粒または被覆し粒子(または顆粒)としてもよい。その方法は特に限定されないが、活性成分の造粒は、例えば、国際公開2005/055989号パンフレットにあるように、(1)不快な味を有する薬物、(2)メチルセルロースおよび(3)マンニトールを混合し粒子化し、「薬物の不快な味を低減した薬物含有粒子」としてもよい。 また、活性成分を被覆する例示としては、例えば、特開平3−130214号公報に記載の方法を用いてもよい。 本明細書において被覆とは、薬効成分の表面の全部または一部を被覆成分で覆うことを含む。被覆するための装置としては、一般的な流動層造粒機(転動流動層造粒機、ワースター型流動層造粒機等を含む)が挙げられるが、工程中の粒子の粗大化を抑えるために、側面からの強制循環装置を備えるワースター法を改良した流動層造粒機(例えばパウレック社製 SPCなど)や整粒解砕機構(スクリーン・インペラ方式やブレード・ステータ方式、クロススクリュー、ランプブレーカなど)付き複合型流動層造粒機(例えば、パウレック社製 微粒子コーティング・造粒装置SFP−01など)、回転流動層造粒機(例えば、奈良機械製作所製 オムニテックスなど)が好ましい。噴霧乾燥するための装置としては、一般的なスプレードライヤー(大川原製作所製、大川原化工機製、ヤマト社製、ニロ社製など)を用いることができる。 上記のごとく、活性成分を造粒または被覆等する場合には、活性成分を平均粒子径が1〜150μm、好ましくは平均粒子径が1〜50μm、さらに好ましくは平均粒子径が1〜30μmに微粉砕化することが推奨される。このように、活性成分を造粒または被覆等して機能を付与し、前処理を施した場合には、その目的の機能を発現する最小単位である活性成分を含有するそれら粒子(活性成分含有粒子)の平均粒子径は、その粒子の特徴、例えば、溶けやすさ等に依存されるが、例えば、1〜500μm程度、好ましくは、1〜400μm程度、より好ましくは10〜300μm程度である。該粒子が溶けにくい場合には、例えば、250μm以下、好ましくは、1〜150μm程度とするのがよい。機能を発現する最小単位である活性成分を含有する粒子とは、苦味マスク、徐放性、腸溶性などの活性成分自体では発揮し得ない性質を新たに付与する際に、その性能を錠剤中で示す活性成分を含む最小の構成単位を意味する。例えば、活性成分を含む苦味マスクされた粒子、徐放性粒子、腸溶性粒子などの形態をとる。口腔内崩壊錠100重量%あたりの機能発現最小単位である活性成分を含有する粒子(活性成分含有粒子)の配合量は、通常0.5〜60重量%であるが、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは2〜30重量%程度であり、最も好ましくは3〜20重量%程度である。 また、上記のような処理を行う際に、下記の(2)〜(4)(更に(5))に記載の成分を用いる場合には、その使用量は、下記成分の配合割合に含まれる。 (2)マンニトール 本発明における必須成分の一つであるマンニトールとしては、特に限定は無いが、D−マンニトールが好ましい。「日本薬局方」または「医薬品添加物規格」に記載されたものを通常に用いることができる。その結晶形は特に限定されず、α型、β型、δ型のいずれを用いても良いし、噴霧乾燥して得られる無晶形のものであっても良い。一方、特開平11−92403号公報に記載されたような、球形で密度の高いマンニトールを使用しても良い。 配合するマンニトールの平均粒子径としては特に限定されないが、好ましくは10〜300μm、より好ましくは10〜250μm、さらに好ましくは30〜200μmである。所望の粒子径とするため、必要に応じて適宜粉砕してもよい。粉砕方法としては例えば気流粉砕機やハンマー式粉砕機による粉砕方法が例示できる。 口腔内崩壊錠100重量%あたりのマンニトールの配合量は、本発明において通常20〜86重量%であるが、好ましくは20〜75重量%であり、より好ましくは30〜75重量%である。 (3)結晶セルロース 本発明における必須成分の一つである結晶セルロースは、口腔内崩壊錠に配合する際のその集合体のかさ密度が重要である。即ち、その集合体のかさ密度が、通常0.18g/cm3以下のものを使用することを特徴とする。好ましくは0.17g/cm3以下のものを使用し、さらに好ましくは0.15g/cm3以下のものがよい。 本発明の所望の効果は、特定のかさ密度を有する結晶セルロースと、下記(4)に記載の2種以上の特定成分との組み合わせによって、発揮されるものである。すなわち、その集合体のかさ密度が上記範囲を満たす結晶セルロースを如何に多く配合しても、下記特定成分との組み合わせがないと、所望の効果が得られない(比較例1〜5参照)。また、下記特定成分(4)を2種以上用いても、集合体のかさ密度が上記範囲を満たさない結晶セルロースと組み合わせると、所望の効果を達成できない(比較例18〜23参照)。とりもなおさず、本発明の組み合わせによって所望の効果が達成できることを見出したものである。 また、用いる結晶セルロースの平均粒子径が大きいと口腔内で崩壊した後に、ザラツキを感じるため、服用感の観点から、原料とする結晶セルロースの平均粒子径は150μm以下が好ましく、より好ましくは120μm以下であり、更に好ましくは100μm以下である。 本発明にかかわる「かさ密度」が0.18g/cm3以下である結晶セルロースとしては、市販されているものを用いることができ、例えば、セオラスKG−1000(旭化成製)が例示できる。結晶セルロースは1種類のものを用いてもよいが、かさ密度や平均粒子径の異なる2種以上の結晶セルロースを、その集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下となるように併用して用いてもよい。例えば、セオラスKG−802(旭化成製)の「かさ密度」は、0.22g/cm3であり、単独で本発明に用いても、以下の比較例(21〜23)に示すごとく、本発明の効果を達成できないが、例えば、かさ密度が0.14g/cm3であるセオラスKG−1000と1対1(重量比)で混合して、かさ密度が0.18g/cm3である結晶セルロースの混合物にすることによって、所望の効果を得ることができる(実施例45)。その他適宜混合して集合体のかさ密度を調整することによって、同様に所望の効果を得ることができる(実施例44および46)。また、上記のように混合することにより、本発明における「かさ密度」が0.18g/cm3以下となる異なる2種以上の結晶セルロースを、予め混合せずに併用して用いても良い。例えば、本発明においては造粒や最終時での添加等、混合せずに各々配合しても良い。 上記結晶セルロースの配合量は、硬度および崩壊時間の観点から、口腔内崩壊錠100重量%あたり、通常10〜30重量%である。好ましくは15〜25重量%である。配合する結晶セルロースの集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下であって、その配合割合が18〜30重量%であるのが好ましい。また、配合する結晶セルロースの集合体のかさ密度が0.15g/cm3以下の場合には、その配合割合が10〜30重量%であるのが好ましい。 (4)特定成分 本発明においては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分を含有することを特徴とする。上記特定の結晶セルロースとの組み合わせにおいて、所望の効果が得られるのは、この3種の特定成分のうち、2種以上を配合する場合である。言い換えれば、特定成分を配合しない、または1種のみを配合する場合には所望の効果が得られず(比較例1〜5および比較例6〜10参照)、2種または3種配合することによってはじめて本発明の目的を達成できることを見出したものである。 (4.1)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 本発明で使用される低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは、ヒドロキシプロポキシ基の置換割合に特に限定はなく、局方に適合するものであればよい。通常は7.0〜12.9%である。その平均粒子径としては特に限定はないが、用いる低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの平均粒子径が大きいと、口腔内で崩壊した後にザラツキを感じるため、服用感の観点からは、原料とする低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの平均粒子径は、好ましくは10〜200μm、より好ましくは10〜150μm、さらに好ましくは10〜100μmである。所望の粒子径とするため、必要に応じて適宜粉砕してもよい。粉砕方法としては、例えば気流粉砕機やハンマー式粉砕機による方法が挙げられる。低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの配合量は、口腔内崩壊錠100重量%あたり通常1〜20重量%であるが、好ましくは1〜16重量%、より好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは1〜6重量%である。 (4.2)コーンスターチ 本発明で使用されるコーンスターチは、その平均粒子径としては特に限定はないが、用いるコーンスターチの平均粒子径が大きいと、口腔内で崩壊した後にザラツキを感じるため、服用感の観点からは、原料とするコーンスターチの平均粒子径は、好ましくは10〜200μm、より好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは10〜50μmである。所望の粒子径とするため、必要に応じて適宜粉砕してもよい。粉砕方法としては、例えば気流粉砕機やハンマー式粉砕機による方法が挙げられる。コーンスターチの配合割合は、口腔内崩壊錠100重量%あたり通常1〜20重量%、好ましくは、5〜20重量%である。 (4.3)カルメロース 本発明で使用されるカルメロースは特に限定はないが、通常、日本薬局方に適合しているものを用いる。その平均粒子径としては特に限定はないが、用いるカルメロースの平均粒子径が大きいと、口腔内で崩壊した後にザラツキを感じるため、服用感の観点からは、原料とするカルメロースの平均粒子径は、好ましくは10〜200μm、より好ましくは10〜150μm、さらに好ましくは10〜100μmである。所望の粒子径とするため、必要に応じて適宜粉砕してもよい。粉砕方法としては、例えば気流粉砕機やハンマー式粉砕機による方法が挙げられる。カルメロースの配合量は、口腔内崩壊錠100重量%あたり通常1〜20重量%であるが、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%、もっとも好ましくは1〜3重量%である。 上記3種の特定成分は、いずれの2種または3種を用いてもよいが、その配合量は、合計して、口腔内崩壊錠100重量%あたり3〜60重量%である。2種の特定成分のみを配合する場合には、その配合量の合計は3〜40重量%である。(4)の特定成分の配合割合の合計は、2種を用いる場合または3種を用いる場合のいずれにおいても、好ましくは5〜40重量%であり、より好ましくは5〜35重量%である。 (5)水溶性高分子 本発明においては、さらに混合性または含量均一性を向上させるため、造粒する際の結合剤として、水溶性高分子を加えてもよい。本発明で使用される水溶性高分子は、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドン等が挙げられる。好ましくは、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。水溶性高分子はその結合力から崩壊性に悪影響を与えるため、通常の場合は添加されないか、添加するとしても配合割合はごく少量添加できるのみである。しかし、本発明の場合、水溶性高分子を口腔内崩壊錠100重量%あたり0.5〜10重量%添加することが可能である。崩壊性の観点から、好ましくは0.5〜8重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。 その他の製剤化成分 本発明の口腔内崩壊錠においては、上記の成分以外にも、通常、その他の製剤化成分を加えて製剤化される。本発明で用いられることもある「その他の製剤化成分」としては、配合しても薬剤の初期および加湿後の硬度および崩壊時間に影響が無いか、または極めて少なく、製剤化するのに支障の無い成分であればいずれでもよい。例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、甘味剤、矯味剤・矯臭剤、安定化剤、界面活性剤、流動化剤、帯電防止剤、コーティング剤、滑沢剤、着色剤、香料等がその例として挙げられる。「その他の製剤化成分」の配合量は、口腔内崩壊錠100重量%あたり0.01〜25重量%であり、錠剤中に、これら製剤化成分を含むときは、その配合量に応じて上記の成分の量が減じられる配合比でもって構成される。 賦形剤 賦形剤としては、例えば、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、トレハロース、ブドウ糖、白糖、乳糖水和物、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。 崩壊剤 崩壊剤としては、例えば、クロスカルメロースナトリウム;カルボキシメチルスターチナトリウム;部分アルファー化デンプン、バレイショデンプン、コメデンプンなどのデンプン類;カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスポビドン等が挙げられる。崩壊剤の配合量は、錠剤の硬度維持に支障のない量であればよい。 結合剤 結合剤としては、例えば、アラビアゴム、アラビアゴム末、部分アルファー化デンプン、ゼラチン、カンテン、デキストリン、プルラン、ポビドン、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルメロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース等が挙げられる。結合剤の配合量は、錠剤の硬度を維持し、且つ口腔内での崩壊に支障のない量であればよい。 甘味剤 甘味剤としては、例えば、アスパルテーム、ネオテーム、アセスルファムカリウム、果糖、還元麦芽糖水アメ、グリチルリチン酸二カリウム、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクラロース、ステビア、ソーマチン等が挙げられる。 矯味剤・矯臭剤 矯味剤・矯臭剤としては、例えば、アスパラギン酸ナトリウム、アラニン、アルギニン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、グルタミン酸塩酸塩、グルタミン酸ナトリウム等の各種アミノ酸またはその塩、アジピン酸、アスコルビン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸等の有機酸、カンゾウ、クエン酸トリエチル、タウリン、タンニン酸等が挙げられる。 安定化剤 安定化剤としては、エデト酸ナトリウム、トコフェロール等が挙げられる。 界面活性剤 界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート、硬化油等が挙げられる。 流動化剤 流動化剤としては、例えば、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、重質無水ケイ酸、酸化チタン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム等が挙げられる。 帯電防止剤 帯電防止剤としては、例えば、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、タルク等が挙げられる。 コーティング剤 コーティング剤としては、例えば、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、アラビアゴム末、エチルセルロース、オパドライ、カルナウバロウ、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルエチルセルロース、カルメロースナトリウム、乾燥メタクリル酸コポリマー、ステアリルアルコール、セタノール、セラック、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、プルラン、ポビドン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ポリビニルアルコールコポリマー、ジメチルアミノエチルメタアクリレート・メチルメタアクリレートコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース混合物、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、メタクリル酸コポリマー、2−メチル−5−ビニルピリジンメチルアクリレート・メタクリル酸コポリマー等が挙げられる。 滑沢剤 滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸金属塩、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、硬化油、マクロゴール等が挙げられる。ステアリン酸金属塩としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム等が挙げられるが、滑沢剤の中でステアリン酸またはステアリン酸金属塩、特に、ステアリン酸マグネシウムが好ましい。製剤化する前の滑沢剤の平均粒子径は0.5〜50μmであり、好ましくは1〜30μmである。滑沢剤の配合割合は、通常口腔内崩壊錠100重量%あたり0.01〜3.0重量%であり、好ましくは0.1〜2.0重量%である。さらに好ましくは0.3〜1.2重量%である。 着色剤 着色剤としては、例えば、食用赤色3号、食用黄色5号、食用青色1号などの食用色素、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、褐色酸化鉄、黒酸化鉄、銅クロロフィル、銅クロロフィルナトリウム、リボフラビン、抹茶末等が挙げられる。 香料 香料としては、例えば、オレンジエッセンス、オレンジ油、カラメル、カンフル、ケイヒ油、ペパーミントおよびスペアミント等のミント系油、ストロベリーエッセンス、チョコレートエッセンス、チェリーフレーバー、トウヒ油、パインオイル、ハッカ油、バニラフレーバー、ビターエッセンス、フルーツフレーバー、ヨーグルトフレーバー、ペパーミントおよびスペアミント等のミント系パウダーおよびミント系フレーバー、ミックスフレーバー、メントール、レモンパウダー、レモン油、ローズ油等が挙げられる。 口腔内崩壊錠の製造方法 本発明の口腔内崩壊錠は、製剤分野において慣用の方法を用いて製造することができる。上記(1)〜(4)の各成分(および必要に応じて(5)の成分)、並びに必要に応じて上記のその他の製剤化成分を含む組成物を公知手段で製剤化することによって得ることができる。例えば、上記のような諸成分を均一に混合した後、その混合物を通常の打錠機等を用いた打錠等の圧縮成形を行うことによって錠剤とすることができる。また、上記成分を混合し(必要に応じて造粒を行って顆粒とし)、これに滑沢剤を加えて圧縮成形することによって錠剤とすることができる。また、活性成分(1)をあらかじめ、(2)〜(4)の各成分の一部、およびその他製剤化成分とともに造粒やコーティング等公知手段で前処理してから、残りの製剤化成分とともに均一に混合した後、その混合物を公知手段で錠剤とすることもできる。 たとえば、(1a)活性成分、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し粒子化し、得られる活性成分含有粒子、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分、並びに必要に応じて(5b)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し、成形して口腔内崩壊錠とすることができる。ただし、該崩壊錠100重量%における配合割合は、(1a)0.01〜50重量%、(2a)および(2b)の合計が20〜86重量%、(3b)10〜30重量%、(4b)の特定成分の各配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の配合割合の合計が3〜60重量%で、(5a)および(5b)を配合する場合の配合割合の合計が0.5〜10重量%である。 また、(1)活性成分、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース並びに(4b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の特定成分、並びに必要に応じて(5b)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含む混合物を造粒し、得られる造粒顆粒、(3c)結晶セルロース(4c)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の特定成分を含む混合物を成形して、口腔内崩壊錠とすることもできる。ただし、該崩壊錠100重量%における各成分の配合割合は、(1)0.01〜50重量%、(2b)20〜86重量%、(3b)および(3c)の合計が10〜30重量%、および(4b)および(4c)において少なくとも2種の特定成分を含有し、各特定成分の配合割合は1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の配合割合の合計が3〜60重量%、並びに配合される場合の(5b)の配合割合は0.5〜10重量%である。 錠剤の成形方法については、特に限定されないが、公知の打錠機、例えば、ロータリー打錠機、単発打錠機、プレス機等を用いた圧縮成形法が用いられる。圧縮成形圧力は、本発明の錠剤に十分な硬度と適切な崩壊時間を与える程度であれば、特に限定されず、適宜選択できる。 化合物Aへの適用 本発明は特に、活性成分として、不快な味を有する薬物である4−アミノ−5−クロロ−2−エトキシ−N−〔〔4−(4−フルオロベンジル)−2−モルホリニル〕メチル〕ベンズアミド(化合物A)またはその薬学的に許容される塩を用いる場合に適用されるのが好ましい。該化合物(またはその酸付加塩或いはこれらの水和物)は、選択的セロトニン4受容体アゴニストであり、良好な消化管運動促進作用を示す(米国特許第4,870,074号公報参照)。該化合物は、例えば、米国特許第4,870,074号公報に記載の方法またはこれに準じる方法によって製造することができる。この化合物Aは、ラセミ体であっても、一方の光学活性体であってもよい。また、該化合物はフリー体であってもよいし、その薬学的に許容される塩であってもよい。塩としては好ましくは酸付加塩がよい。たとえば有機酸の付加塩としては、ギ酸塩、酢酸塩、乳酸塩、アジピン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩等が挙げられ、無機酸の付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等が例示できる。この中でも特にクエン酸塩が好ましい。さらに、該活性成分またはその薬学的に許容される塩は、溶媒和物であってもよく、水和物および非水和物であってもよい。好ましくはクエン酸塩の水和物であり、とりわけクエン酸塩・2水和物が好ましい。 しかしながら、該化合物は、それ自身では不快な味を有するため、口腔内崩壊錠とするためには、その味をマスキングすることが望まれる。その方法については、種々の方法が知られているが、国際公開2005/055989号パンフレットに記載の方法によって得られる薬物含有粒子とするのが好ましい。即ち、化合物Aまたはその薬学的に許容される塩、マンニトール、並びにメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し、粒子化して活性成分含有粒子とするのが好ましい。水溶性高分子は、好ましくはメチルセルロースが必須であり、より好ましくはメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースを用いるのがよい。ここにおいては、活性成分のまわりにメチルセルロースが完全に被膜されている状態ではなく、活性成分もその粒子表面にも存在する。 活性成分含有粒子 化合物Aを用いた好ましい活性成分含有粒子は、(1a)化合物Aまたはその薬学的に許容される塩、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含む組成物を混合し、粒子化したものである。 活性成分含有粒子に含まれる(1a)の化合物Aまたはその薬学的に許容される塩の配合割合は、(1)の上記活性成分のそれと同じであるが、好ましくは、錠剤100重量%に対して、0.1〜10重量%、好ましくは、1〜8重量%程度、さらに好ましくは1〜5重量%程度である。 粒子化に必要な(2a)のマンニトールは、本発明の必須成分の一つである上記(2)のマンニトールの一部を用いる。その配合割合は、国際公開2005/055989号パンフレットに記載の範囲を用いるのがよいが、好ましくは、錠剤100重量%に対して1〜30重量%程度、さらに好ましくは、1〜20重量%程度である。 粒子化に必要な(5a)の水溶性高分子としては、不快な味をマスキングするために少なくともメチルセルロースを含有することが好ましい。またはメチルセルロースとヒドロキシプロピルセルロースを併用してもよい。その他の水溶性高分子を加えてもよい。(5a)の水溶性高分子の配合量としては、国際公開2005/055989号パンフレットに記載の範囲を用いるのがよいが、好ましくは、錠剤100重量%に対して0.5〜9.9重量%程度、さらに好ましくは、0.5〜6重量%程度である。 この活性成分含有粒子は、上記(1a)、(2a)、(5a)の各成分を混合し粒子化したものである。具体的には、例えば、上記を含む混合物に、水や含水溶媒を加えて粒子化することによって得られる粒子である。該方法には、各成分を混合した後、水や含水溶媒を加えて粒子化することや、メチルセルロース(必要に応じてさらにヒドロキシプロピルセルロースを添加)の全部または一部を水に溶解させ、それを混合物に加えて粒子化することも含まれる。さらに、該方法には、各成分を混合した後、本発明の効果に影響を与えない範囲において、他の通常の結合剤を含んだ水または含水溶媒を加えて粒子化することも含まれる。粒子化する方法としては、例えば、攪拌造粒法(agitation granulation method)、押出し造粒法(extrusion granulation method)、流動層造粒法(fluidized bed granulation method)、乾式造粒法(dry granulation method)などの慣用の造粒法に従って製造することができる。活性成分含有粒子は、更に矯味剤、流動化剤、安定化剤、界面活性剤、崩壊剤、着色剤等を該粒子内に配合してもよい。これら成分の具体例は、上記その他の製剤化成分の欄において例示したものが使用できる。 化合物Aの不快な味を遮蔽した口腔内崩壊錠 上記活性成分含有粒子を本発明の口腔内崩壊錠に適用することによって、不快な味を遮蔽し、且つ優れた崩壊性および適度な硬度を有し、加湿条件下においても速やかな口腔内崩壊性を保持し、自動分包機で分包するために必要な一定以上の硬度を維持し得る口腔内崩壊錠を得ることができる。 即ち、(1a)化合物Aまたはその薬学的に許容される塩、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し、粒子化した活性成分含有粒子と、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、上記(4b)特定成分から選ばれる少なくとも2種、並びに必要に応じて(5b)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含有する混合物を打錠することによって得ることができる。その製造方法は、上記方法を用いることができる。ただし、該崩壊錠100重量%における各成分の配合割合は、(1a)0.1〜10重量%、(2a)および(2b)の合計で20〜86重量%、(3b)10〜30重量%、(4b)各々の特定成分の配合割合が1〜20重量%であり且つ配合する特定成分の合計が3〜60重量%、並びに(5a)および(5b)の合計で0.5〜10重量%とすることが好ましい。また、(5b)においてメチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。 通常、錠剤中に含まれる各成分の配合割合が1重量%以上である場合は、得られる口腔内崩壊錠において、その各成分が含量均一性を満たさないという問題は、起こることはまれであった。それにもかかわらず、上記活性成分含有粒子を1重量%以上の配合割合で(2)〜(4)の各成分と混合する場合には、本発明の所望の効果を達成できるにもかかわらず、含量均一性を満たさない場合があることが判明した。 そこで、本発明者らは、上記活性成分含有粒子を、さらに(2)〜(4)の成分の一部を用いて造粒することによって、上記の含量均一性の問題を解決できることを見出した。即ち、 (1a)化合物Aまたはその薬学的に許容される塩、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し粒子化し、得られる活性成分含有粒子、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の特定成分、並びに(5b)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含む混合物を造粒し、得られる造粒顆粒、(3c)結晶セルロース、(4c)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の特定成分を含む混合物を成形することによって解決できることを見出したものである。ただし、該崩壊錠100重量%における配合割合が(1a)0.1〜10重量%、(2a)および(2b)の合計が20〜86重量%、(3b)および(3c)の合計が10〜30重量%、(4b)および(4c)において、少なくとも2種の特定成分を含有し、その合計における各々の特定成分の配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の全体の合計が3〜60重量%、並びに(5a)および(5b)の合計が0.5〜10重量%である。 特に、(1a)化合物Aまたはその薬学的に許容される塩、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し粒子化し、得られる活性成分含有粒子と、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4.1b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、(4.3b)カルメロース、並びに(5b)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含む混合物を造粒し、得られる造粒顆粒、(3c)結晶セルロース、(4.1c)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、および(4.2c)コーンスターチを含む混合物を成形することが好ましい。ただし、該崩壊錠100重量%における配合割合が(1a)0.1〜10重量%、(2a)および(2b)の合計が20〜86重量%、(3b)および(3c)の合計が10〜30重量%、(4.1b)および(4.1c)の合計が1〜20重量%、(4.2c)1〜20重量%、(4.3b)1〜20重量%、並びに(5a)および(5b)の合計が0.5〜10重量%である。好ましくは、(2a)および(2b)の合計が20〜75重量%、(より好ましくは30〜75重量%)、(4.2c)が5〜20重量%である。 造粒顆粒に使用される(3b)結晶セルロース並びに特定成分(4.1b)、(4.2b)および(4.3b)の配合割合は、上記条件を満たす限り任意に調整することができる。結晶セルロース(3b)と(3c)の重量比の好ましい値は、1:0.5〜1:2であり、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(4.1b)およびカルメロース(4.3b)は、任意に選択できるが、コーンスターチ(4.2b)は造粒顆粒に用いることなく、粉末として添加することにより、後述するように服用感が良好になり、好ましい。また、(3b)と(3c)を併せた集合体のかさ密度は、上述の(3)に記載したとおりである。 口腔内崩壊錠 かくして得られる本発明の口腔内崩壊錠は、製剤を服用するために水を摂取することなく、口腔内で速やかな崩壊性を示すものを意味する。具体的には、本発明の口腔内崩壊錠は、口腔内で主として唾液により、約40秒以内に崩壊する製剤を意味し、通常、40秒以内、好ましくは30秒以内で崩壊するものである。 また、本発明の口腔内崩壊錠は、通常の操作において欠け、割れを生じない程度の十分な硬度を有するものである。通常の操作とは、包装状態での運搬および保管、PTPからの取り出し、自動分包機による一包化、一包化の包装形態での運搬および保管等が挙げられる。具体的には、本発明の口腔内崩壊錠は、その絶対硬度が2.0N/mm2以上で、好ましくは3.0N/mm2以上であればよい。また、錠剤に割線がある場合は、割れ易さを考慮して、その絶対硬度が2.0〜10.0N/mm2で、好ましくは2.5〜7.0N/mm2である。 なお、絶対硬度とは、錠剤硬度計で測定した硬度を、錠剤を縦方向に二分した断面積(たとえば平錠の場合は、錠剤径(mm)×錠剤の厚み(mm))で割った値であり、以下の式で示される。絶対硬度(N/mm2)=硬度(N)/断面積(mm2) さらに、本発明の口腔内崩壊錠は、加湿条件下で保存しても、速やかな崩壊性および硬度を維持できる錠剤である。例えば、本発明の口腔内崩壊錠の場合、25℃、相対湿度75%(75%RH)の条件下で3日間保存後の口腔内崩壊時間は、初期のそれと比して差が無く(例えば、保存前後の崩壊時間の差が5秒以内)、絶対硬度は、通常、1.5N/mm2以上で、好ましくは1.6N/mm2以上に維持できるものである。 また、服用する患者にとって口腔内崩壊錠の服用感は重要な要素であり、口腔内で唾液の水分を錠剤に吸収される感じがすることなく、また口腔内で錠剤が膨らむことなく、成分由来の酸味等を感じることなく、唾液によって錠剤が早期に崩壊し始めることが重要である。すなわち、本発明の口腔内崩壊錠は、服用したときに粉っぽさ(口内の水分が錠剤に吸収されやすく、懸濁状態になるまでに時間を要し、粉体が比較的多く残る状態を示す。)、膨張感(口内の水分が錠剤に吸収されることにより、錠剤の崩壊に関係なく口中で膨らんでいくように感じる状態を示す。)、酸味(口内において酸味を感じる状態を示す。)を感じることなく、初期の崩壊性も良いことを特徴とするものである(表55〜62参照)。 上述の加湿後の硬度および崩壊時間が、本発明において好ましい範囲を満たす処方の中で、さらに上記の服用感を加味したときに、本発明における好ましい(3)および(4)の各成分の数値範囲は、以下に示すとおりである。すなわち、口腔内崩壊錠100重量%における各成分の好ましい数値範囲は、(3)特定のかさ密度を有する結晶セルロースが15〜25重量%、(4.1)低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが1〜6重量%、(4.2)コーンスターチが5〜20重量%、(4.3)カルメロースが1〜5重量%さらに好ましくは1〜3重量%である。上記特定成分(4.1)、(4.2)および(4.3)は、化合物Aを含む活性成分含有粒子を口腔内崩壊錠に使用する際は3種含有することが好ましく、また、そうでない場合には、2種または3種を用いても良好な服用感が得られる。 以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 なお、(1)の活性成分としては、以下の5種類を用いた。即ち、化合物Aのラセミ体を化合物A−aと、また、化合物A−aのクエン酸塩を化合物A−b(活性成分)と定義し、A−b・2水和物を使用した(大日本住友製薬製、平均粒子径約5μm)。また、カフェインは、BASF製の無水カフェインを、アセトアミノフェンは、山本化学工業製を、ゾニサミドは、大日本住友製薬製(平均粒子径約7μm)を、シメチジンは、住友化学製を使用した。 (2)のマンニトールとしては、以下の14種類のものを使用した。即ち、特に実施例および表中に特定の記載のないもの(「マンニトール」)は、D−マンニトールであるロケット社(ROQUETTE)のパーリトール160C(平均粒子径約60μm)を意味し、マンニトール50Cとは、D−マンニトールであるロケット社(ROQUETTE)のパーリトール50C(平均粒子径約30μm)を意味し、マンニトール25CとはD−マンニトールであるロケット社(ROQUETTE)のパーリトール25Cを意味する。また、マンニトールSとはD−マンニトールである東和化成のマンニットS(平均粒子径約70μm)を、マンニトールPとはD−マンニトールである東和化成のマンニットP(平均粒子径約30μm)を意味する。マンニトールMとはD−マンニトールであるメルク社のパーテックdeltaMを意味する。マンニトール100SDとは、D−マンニトールであるロケット社(ROQUETTE)のパーリトール100SDを意味し、マンニトール200SDとは、D−マンニトールであるロケット社(ROQUETTE)のパーリトール200SDを意味し、マンニトールマリンクリスタルとはD−マンニトールである三菱商事フードテック株式会社のマリンクリスタルを意味し、マンニトール108とはD−マンニトールであるフロイント産業株式会社(FREUND)のノンパレル−108を意味する。マンニトールM100とはD−マンニトールであるメルク社(MERCK)のParteck M100を意味し、マンニトールM200とはD−マンニトールであるメルク社(MERCK)のParteck M200を意味し、マンニトールM300とはD−マンニトールであるメルク社(MERCK)のParteck M300を意味する。マンニトール1.059はD−マンニトールであるメルク社(MERCK)のマンニトール1.05980を意味する。 (3)の結晶セルロースとしては、以下のものを使用した。結晶セルロースKG−1000とは旭化成のセオラスKG−1000(かさ密度、0.14g/cm3)を意味し、結晶セルロースPH−101は旭化成のセオラスPH−101(かさ密度、0.31g/cm3)を意味し、結晶セルロースKG−802は旭化成のセオラスKG−802(かさ密度、0.22g/cm3)を意味する。 (4)の特定成分として、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとしては以下のものを使用した。特に実施例および表中に特定の記載がないもの(「低置換度ヒドロキシプロピルセルロース」)は、信越化学のLH−21を意味し、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース22とは、信越化学のLH−22を意味し、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース32は、信越化学のLH−32を意味し、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース11は、信越化学のLH−11を意味し、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース31は、信越化学のLH−31を意味する。また、カルメロースは五徳薬品工業のカルメロースNS−300を使用し、コーンスターチは、日本食品化工のコーンスターチ(XX16)Wを使用した。 クロスポビドンはBASFジャパン社のコリドンCL、カルメロースナトリウムは三栄源エフ・エフ・アイ社のセロゲン PR−S、カルメロースカルシウムは五徳薬品社のECG−505、カルボキシメチルスターチナトリウムは五協産業社のプリモジェル、クロスカルメロースナトリウムは旭化成ケミカルズ社のAc−Di−Solを使用した。ステアリン酸マグネシウムは、太平化学産業のステアリン酸マグネシウム(植物性)、メチルセルロースは、信越化学工業のメトローズSM−25(粘度2.53mm2/S(20℃における2%水溶性粘度(日本薬局方)))を使用し、ヒドロキシプロピルセルロースは、日本曹達のHPC−Lを使用した。軽質無水ケイ酸は、日本アエロジル製のアエロジール200を、アスパルテームは味の素のアスパルテームを使用し、ステビアは丸善製薬のステビMZを使用し、スペアミントは高砂香料工業のスペアミントミクロン20を使用し、メントールは小川香料のメントールコートンDL47155を使用した。乳糖造粒粉末は、フロイント産業製の乳糖Gを、黄色三二酸化鉄は癸巳化成製の黄色三二酸化鉄を使用し、無水クエン酸はナカライテスクの無水クエン酸を使用した。 比較例1〜10 表1に記載の処方に従って、表2に示す配合割合の口腔内崩壊錠を製造した。すなわち、口腔内崩壊錠を構成する、ステアリン酸マグネシウム以外の各成分を混合した。続いて、その混合物にステアリン酸マグネシウムを添加し、得られた混合物を打錠機(理研製、油圧式プレス機)で打錠し、1錠重量200mg、直径8mmの錠剤を得た。なお、打錠圧は、口腔内崩壊時間が25秒プラスマイナス5秒になるように調整しながら打錠した。そのときの打錠圧は、下記の試験例の表52に示した。 なお、この口腔内崩壊錠は、本発明における(4)の特定成分を含んでいないか、または1種類しか含んでいない点で本発明のそれと異なる。 実施例1〜8<(4)の特定成分としてカルメロースおよびコーンスターチを配合している場合> 表3に記載の処方に従って、表4に示す配合割合の口腔内崩壊錠を製造した。すなわち、口腔内崩壊錠を構成する、ステアリン酸マグネシウム以外の各成分を混合した。続いて、その混合物にステアリン酸マグネシウムを添加し、得られた混合物を打錠機(理研製、油圧式プレス機)で打錠し、1錠重量200mg、直径8mmの錠剤を得た。なお、打錠圧は、口腔内崩壊時間が25秒プラスマイナス5秒になるように調整しながら打錠した。そのときの打錠圧は、下記の試験例の表47に示した。 実施例9〜16<(4)の特定成分として、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよびコーンスターチを配合している場合> 実施例1〜8と同様にして、表5に記載の処方に従って、表6に示す配合割合の口腔内崩壊錠を製造した。そのときの打錠圧は、下記の試験例の表47に示した。 実施例17〜23<(4)の特定成分として、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよびカルメロースを配合している場合> 実施例1〜8と同様にして、表7に記載の処方に従って、表8に示す配合割合の口腔内崩壊錠を製造した。そのときの打錠圧は、下記の試験例の表47に示した。 比較例11〜13および実施例24〜39<(4)の特定成分の合計の配合割合> 実施例1〜8と同様にして、表9、表11、表13に記載の処方に従って、表10、表12、表14に示す配合割合の口腔内崩壊錠を製造した。なお、比較例11〜13の口腔内崩壊錠は、(4)の特定成分の配合割合の合計が2重量%であり、本発明の範囲を満たさない点で本発明のそれと異なる。そのときの打錠圧は、下記の試験例の表48および表52に示した。 比較例14〜17および実施例40〜43<結晶セルロースの配合割合> 実施例1〜8と同様にして、表15に記載の処方に従って、表16に示す配合割合の口腔内崩壊錠を製造した。なお、比較例14〜17の口腔内崩壊錠は、(3)の結晶セルロースの配合割合が5重量%または40重量%であり、本発明の範囲を満たさない点で本発明のそれと異なる。そのときの打錠圧は、下記の試験例の表48および表52に示した。実施例44〜46および比較例18〜23<配合する結晶セルロース(3)のかさ密度> かさ密度の異なる結晶セルロースを用いて、実施例1〜8と同様にして、表17に記載の処方に従って、表18に示す配合割合の口腔内崩壊錠を製造した。具体的には、実施例44〜46においては、かさ密度が0.14g/cm3の結晶セルロースKG−1000にかさ密度がそれぞれ0.31g/cm3である結晶セルロースPH−101または0.22g/cm3である結晶セルロースKG−802を混合し、配合する結晶セルロースの集合体のかさ密度を、それぞれ、0.17g/cm3(実施例44)、0.18g/cm3(実施例45)、0.17g/cm3(実施例46)に調整したものを用い、口腔内崩壊錠を製造した。なお、比較例18〜23の口腔内崩壊錠は、配合する結晶セルロース(3)のかさ密度が0.31g/cm3または0.22g/cm3であり、本発明の範囲を満たさない点で本発明のそれと異なる。そのときの打錠圧は、下記の試験例の表48および表52に示した。 実施例47〜50<マンニトールの種類> 各種マンニトールを用いて、実施例1〜8と同様にして、表19に記載の処方に従って、表19に示す配合割合の口腔内崩壊錠を製造した。そのときの打錠圧は、下記の試験例の表48に示した。 実施例51〜56<活性成分の配合割合> 実施例1〜8と同様にして、表20に記載の処方に従って、表21に示す配合割合の口腔内崩壊錠を製造した。そのときの打錠圧は、下記の試験例の表48に示した。 実施例57〜72<活性成分の種類および配合割合> 各種活性成分を用いて、実施例1〜8と同様にして、表22〜25に記載の処方に従って、表22〜25に示す配合割合の口腔内崩壊錠を製造した。そのときの打錠圧は、下記の試験例の表49に示した。活性成分として、実施例57〜60はカフェインを、実施例61〜64はアセトアミノフェンを、実施例65〜68はシメチジンを、実施例69〜72はゾニサミドを用いた。 なお、実施例58〜60、実施例62〜64、実施例66〜68、実施例70〜72はそれぞれ同じ混合物を用い、実施例58、62、66、70では1錠重量100mg、直径7mmの錠剤を、実施例59、63、67、71では1錠重量200mg、直径8mmの錠剤を、実施例60、64、68、72では1錠重量300mg、直径9mmの錠剤を製造した。 実施例73〜80<活性成分を粒子化し活性成分含有粒子とした場合> 活性成分含有粒子の製造 本粒子は、表26に示す処方および表27に示す配合割合に従って製造した。すなわち、マンニトール(2a)、メチルセルロース(5a)を30メッシュ篩で篩過後、流動層造粒乾燥機(パウレック製、MP−01)にて、ヒドロキシプロピルセルロース(5a)が4重量%水溶液になるように調製した結合液に化合物A−b・2水和物(1a)を懸濁させた懸濁液を噴霧して造粒、乾燥した。できた顆粒を22メッシュ篩で篩過し、平均粒子径が約100μmの活性成分含有粒子を得た。 口腔内崩壊錠の製造 本錠剤は、表26に示す処方および表27に示す配合割合に従って製造した。すなわち、活性成分含有粒子、マンニトール(2b)、結晶セルロース(3b)、カルメロース(4.3b)、コーンスターチ(4.2b)、軽質無水ケイ酸、アスパルテームおよびステビアの中から処方に記載の成分を混合し、30メッシュ篩で篩過後、流動層造粒乾燥機(パウレック製、MP−01)でヒドロキシプロピルセルロース(5b)が4重量%水溶液になるように調製した結合液を噴霧して造粒、乾燥した。得られた顆粒を22メッシュ篩で篩過し、平均粒子径が約100μmの造粒顆粒を得た。該顆粒とステアリン酸マグネシウム以外の処方に記載の粉末成分を混合した。続いて、その混合物にステアリン酸マグネシウムを添加し、得られた混合物を打錠機(菊水製作所、VIRGO)で打錠し、1錠重量200mg、直径8mmの錠剤を得た。なお、打錠圧は、初期の絶対硬度が2.5〜3.0N/mm2になるように調整しながら打錠した。そのときの打錠圧は、下記の試験例の表50に示した。 実施例81〜88<活性成分を粒子化し活性成分含有粒子とした場合> 活性成分含有粒子の製造 本粒子は、表28に示す処方および表29に示す配合割合に従って製造した。すなわち、マンニトール(2a)、メチルセルロース(5a)を30メッシュ篩で篩過後、流動層造粒乾燥機(パウレック製、MP−01)にて、ヒドロキシプロピルセルロース(5a)が4重量%水溶液になるように調製した結合液に化合物A−b・2水和物(1a)を懸濁させた懸濁液を噴霧して造粒、乾燥した。できた顆粒を22メッシュ篩で篩過し、平均粒子径が約100μmの活性成分含有粒子を得た。 口腔内崩壊錠の製造 本錠剤は、表28に示す処方および表29に示す配合割合に従って製造した。すなわち、活性成分含有粒子、マンニトール(2b)、結晶セルロース(3b)、カルメロース(4.3b)、コーンスターチ(4.2b)、各種低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(4.1b)、軽質無水ケイ酸の中から処方に記載の成分を混合し、30メッシュ篩で篩過後、流動層造粒乾燥機(パウレック製、MP−01)でヒドロキシプロピルセルロース(5b)が4重量%水溶液になるように調製した結合液を噴霧して造粒、乾燥した。得られた顆粒を22メッシュ篩で篩過し、平均粒子径が約100μmの造粒顆粒を得た。該顆粒とステアリン酸マグネシウム以外の処方に記載の粉末成分を混合した。続いて、その混合物にステアリン酸マグネシウムを添加し、得られた混合物を打錠機(菊水製作所、VIRGO)で打錠し、1錠重量200mg、直径8mmの錠剤を得た。なお、打錠圧は、初期の絶対硬度が2.5〜3.0N/mm2になるように調整しながら打錠した。そのときの打錠圧は、下記の試験例の表50に示した。 実施例89〜99<低置換度ヒドロキシプロプルセルロースおよびマンニトールの種類> 実施例1〜8と同様にして、表30〜32に記載の処方に従って、表30〜32に示す配合割合の口腔内崩壊錠を製造した。そのときの打錠圧は、下記の試験例の表51に示した。 比較例24〜35<各特定成分(4)の配合割合> 実施例1〜8と同様にして、表33および35に記載の処方に従って、表34および36に示す配合割合の口腔内崩壊錠を製造した。比較例24〜35の口腔内崩壊錠は、(4)の特定成分のうち1種の配合割合が本発明の範囲を満たさない点で、本発明のそれと異なる。そのときの打錠圧は、下記の試験例の表53に示した。 比較例36〜65<本発明の(4)の特定成分とは異なる崩壊剤を添加する場合> 実施例1〜8と同様にして、表37、39、41、43および45に記載の処方に従って、表38、40、42、44、46に示す配合割合の口腔内崩壊錠を製造した。比較例36〜65の口腔内崩壊錠は、(4)の特定成分のうち1種のみを用い、さらに、クロスポビドン、カルメロースナトリウム等、(4)の特定成分とは異なる崩壊剤を配合している点が本発明と異なる。そのときの打錠圧は、下記の試験例の表53および表54に示した。試験例1 各実施例および比較例で製造された錠剤の初期および加湿後の崩壊時間および硬度を測定し、表47〜54の結果を得た。*1:打錠時に杵全体にかかっている圧力(MPa)を理研製の油圧式プレス機(表50のみ菊水製作所、VIRGOを使用し、圧力単位はkN)に装備されている圧力計で測定した。*2:健常な男性3名の試験者が、錠剤を口腔内に保持してから崩壊するまでの時間(秒)の平均値を算出した。*3:健常な男性3名の試験者が、25℃、75%RHの条件下で3日間保存後の錠剤を口腔内に保持してから崩壊するまでの時間(秒)の平均値を算出した。*4:錠剤の厚みをダイヤルシクネスゲージ(新潟精機製、DS−3010S)で測定し、錠剤硬度計(富山産業製、TH−203CP)を用いて硬度(kgf)を測定し、以下の式に従って絶対硬度を算出した。絶対硬度=測定硬度(kgf)×9.8/断面積(mm2)*5:25℃、75%RH保存後3日経過後、錠剤の厚みをダイヤルシクネスゲージ(新潟精機製、DS−3010S)で測定し、錠剤硬度計(富山産業製、TH−203CP)を用いて硬度を測定し、*4の式に従って絶対硬度を算出した。 各実施例で製造された口腔内崩壊錠は、いずれも加湿前および後の両条件下にて30秒以内の崩壊時間を示し、崩壊性に優れることが示された。また、いずれも2.0N/mm2以上の絶対硬度と、1.5N/mm2以上の加湿後硬度を有していた。一方、比較例で製造された口腔内崩壊錠においては、崩壊性、絶対硬度および加湿後硬度のすべてを満足するものは得られなかった。試験例2 各実施例および比較例で製造された錠剤の服用感の評価(官能試験)を行い、表55〜62の結果を得た。*1:粉っぽさ:口内の水分が錠剤に吸収されやすく、懸濁状態になるまでに時間を要し、粉体が比較的多く残る状態を示す。膨張感:口内の水分が錠剤に吸収されることにより、錠剤の崩壊に関係なく口中で膨らんでいくように感じる状態を示す。酸味:口内において酸味を感じる状態を示す。健常な男性3名の試験者が、錠剤を口腔内に保持し、服用感に関する上記3つの項目について下記の基準で判定し、3名の平均的な評価を、表55〜62に記した。◎ 全く感じない○ ほとんど感じない△ わずかに感じる× 感じる×× 水が必要である*2:初期の崩壊性:健常な男性3名の試験者が、錠剤を口腔内に保持してから崩壊が始まるまでの時間(秒)を測定し、3名の平均値を算出して、表55〜62に記した。◎ 服用後、3秒以内に崩壊が始まる○ 服用後、3秒〜7秒で崩壊が始まる△ 服用後、8秒〜12秒で崩壊が始まる× 服用後、13秒以上で崩壊が始まる 各実施例で製造された口腔内崩壊錠は、初期の崩壊性については、いずれも良好な評価を得ており、若干粉っぽさや酸味が感じられたものもあったが、おおむね良好な服用感が得られた。 比較例66〜68<本発明の処方とは異なり、特許文献5に開示された処方による場合> 顆粒Bの製造 本顆粒は、表63に示す配合割合に従って製造した。すなわち、A−b・2水和物、乳糖造粒粉末、コーンスターチ、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース31を流動層造粒乾燥機(パウレック製、MP−01)にて、ヒドロキシプロピルセルロースに22倍重量の精製水を添加して調製した結合液に、黄色三二酸化鉄を懸濁させた懸濁液を噴霧して造粒し、乾燥した。得られた顆粒を22メッシュ篩で篩過し、顆粒Bを得た。 顆粒Cの製造 本顆粒は、表64に示す配合割合に従って製造した。すなわち、マンニトールS、マンニトール1.059、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース11を流動層造粒乾燥機(パウレック製、MP−01)に仕込み、精製水306.6gにD−マンニトール、無水クエン酸、黄色三二酸化鉄を懸濁させた懸濁液を噴霧しながら造粒、乾燥した。得られた顆粒を22メッシュ篩で篩過し、顆粒Cを得た。 口腔内崩壊錠の製造 本錠剤は、表65に示す配合割合に従って製造した。すなわち、顆粒B、顆粒C、アスパルテーム、ステアリン酸マグネシウムおよび結晶セルロースKG−1000、結晶セルロースKG−802、結晶セルロースPH−101の中から処方に記載した成分のうちステアリン酸マグネシウム以外の粉末成分を混合した。続いて、その混合物にステアリン酸マグネシウムを添加し、得られた混合物を打錠機(理研製、油圧式プレス機)で打錠し、1錠重量250mg、直径9mmの錠剤を得た。なお、打錠圧は、崩壊時間が25秒前後になるように調整しながら打錠した。そのときの打錠圧は、下記の試験例の表69に示した。 比較例69〜71<本発明の処方とは異なり、特許文献5に開示された処方による場合> 混合粉末Dの製造 本混合粉末は、表66に示す配合割合に従って製造した。すなわち、A−b・2水和物、乳糖造粒粉末、コーンスターチ、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース31、ヒドロキシプロピルセルロース、黄色三二酸化鉄を混合し、22メッシュ篩で篩過し、混合粉末Dを得た。 混合粉末Eの製造 本混合粉末は、表67に示す配合割合に従って製造した。すなわち、マンニトールS、マンニトール1.059、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース11、D−マンニトール、無水クエン酸、黄色三二酸化鉄を混合し、22メッシュ篩で篩過し、混合粉末Eを得た。 口腔内崩壊錠の製造 本錠剤は、表68に示す配合割合に従って製造した。すなわち、混合粉末D、混合粉末E、アスパルテーム、ステアリン酸マグネシウムおよび結晶セルロースKG−1000、結晶セルロースKG−802、結晶セルロースPH−101の中から処方に記載した成分のうち、ステアリン酸マグネシウム以外の処方に記載の粉末成分を混合した。続いて、その混合物にステアリン酸マグネシウムを添加し、得られた混合物を打錠機(理研製、油圧式プレス機)で打錠し、1錠重量250mg、直径9mmの錠剤を得た。なお、打錠圧は、崩壊時間が25秒前後になるように調整しながら打錠した。そのときの打錠圧は、下記の試験例の表69に示した。 試験例3 上記比較例66〜71で製造された錠剤の初期および加湿後の崩壊時間および硬度を測定し、表69の結果を得た。*1:打錠時に杵全体にかかっている圧力(MPa)を理研製の油圧式プレス機に装備されている圧力計で測定した。*2:健常な男性3名の試験者が、錠剤を口腔内に保持してから崩壊するまでの時間(秒)の平均値を算出した。*3:健常な男性3名の試験者が、25℃、75%RHの条件下で3日間保存後の錠剤を口腔内に保持してから崩壊するまでの時間(秒)の平均値を算出した。*4:錠剤の厚みをダイヤルシクネスゲージ(新潟精機製、DS−3010S)で測定し、錠剤硬度計(富山産業製、TH−203CP)を用いて硬度(kgf)を測定し、以下の式に従って絶対硬度を算出した。絶対硬度=測定硬度(kgf)×9.8/断面積(mm2)*5:25℃、75%RH保存後3日経過後、錠剤の厚みをダイヤルシクネスゲージ(新潟精機製、DS−3010S)で測定し、錠剤硬度計(富山産業製、TH−203CP)を用いて硬度を測定し、*4の式に従って絶対硬度を算出した。 上記の比較例で製造された口腔内崩壊錠においては、口腔内における崩壊時間は加湿前および加湿後のいずれにおいても30秒以内であったが、絶対硬度は2.0N/mm2に満たず、加湿後硬度も1.5N/mm2に及ばず、自動分包機による一包化等の操作を行うのに十分な硬度を有していなかった。 本発明により、一包化に対応できる口腔内崩壊錠、すなわち、適度な硬度と口腔内での速やかな崩壊性を兼ね備え、かつ加湿条件下でも口腔内崩壊性を保持し、自動分包機で使用するために必要な一定以上の硬度を維持する口腔内崩壊錠を提供することができる。 以上、本発明の具体的な態様のいくつかを詳細に説明したが、当業者であれば示された特定の態様には、本発明の教示と利点から実質的に逸脱しない範囲で様々な修正と変更をなすことは可能である。従って、そのような修正および変更も、すべて後記の請求の範囲で請求される本発明の精神と範囲内に含まれるものである。 本出願は日本で出願された特願2008−32490および2008−113249を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。 (1)活性成分、(2)マンニトール、(3)結晶セルロース並びに(4)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分を含有する口腔内崩壊錠であって、該崩壊錠100重量%における各成分の配合割合が、(1)0.01〜50重量%、(2)20〜86重量%、(3)10〜30重量%、および(4)各々の特定成分の配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の合計が3〜60重量%であって、配合する結晶セルロース(3)の集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、口腔内崩壊錠。 特定成分(4)が、カルメロースおよびコーンスターチを含む、請求項1に記載の口腔内崩壊錠。 該崩壊錠100重量%におけるマンニトール(2)の配合割合が、20〜75重量%である、請求項1または2に記載の口腔内崩壊錠。 特定成分(4)において、該崩壊錠100重量%中、カルメロースを1〜10重量%、コーンスターチを5〜20重量%の配合割合で含む、請求項3に記載の口腔内崩壊錠。 (4)の特定成分が、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースおよびコーンスターチを含む、請求項1に記載の口腔内崩壊錠。 特定成分(4)において、該崩壊錠100重量%中、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを1〜10重量%、カルメロースを1〜10重量%およびコーンスターチを5〜20重量%の配合割合で含む、請求項5に記載の口腔内崩壊錠。 活性成分(1)が、4−アミノ−5−クロロ−2−エトキシ−N−〔〔4−(4−フルオロベンジル)−2−モルホリニル〕メチル〕ベンズアミド(以下「化合物A」という)またはその薬学的に許容される塩である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。 さらに、(5)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含み、口腔内崩壊錠100重量%における該水溶性高分子(5)の配合割合の合計が0.5〜10重量%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。 水溶性高分子(5)が、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースであり、該崩壊錠100重量%における配合割合の合計が0.5〜5重量%である、請求項8に記載の口腔内崩壊錠。 (1a)活性成分、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し粒子化し、得られる活性成分含有粒子、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分、並びに必要に応じて(5b)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含有する口腔内崩壊錠であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が、(1a)0.01〜50重量%、(2a)および(2b)の合計が20〜86重量%、(3b)10〜30重量%、(4b)の特定成分の各配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の配合割合の合計が3〜60重量%で、(5a)および(5b)を配合する場合の配合割合の合計が0.5〜10重量%であって、配合する(3b)の結晶セルロースの集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、口腔内崩壊錠。 (1)活性成分、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース並びに(4b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の特定成分、並びに必要に応じて(5b)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含む混合物を造粒し、得られる造粒顆粒、(3c)結晶セルロース、(4c)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の特定成分を含む混合物を成形してなる口腔内崩壊錠であって、該崩壊錠100重量%における各成分の配合割合が、(1)0.01〜50重量%、(2b)20〜86重量%、(3b)および(3c)の合計が10〜30重量%、および(4b)および(4c)において少なくとも2種の特定成分を含有し、各特定成分の配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の配合割合の合計が3〜60重量%並びに配合される場合の(5b)の配合割合は0.5〜10重量%であって、配合する(3b)および(3c)の結晶セルロースの集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下であることを特徴とする、口腔内崩壊錠。 (1a)化合物Aまたはその薬学的に許容される塩、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し粒子化した活性成分含有粒子と、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分、並びに必要に応じて(5b)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含有する口腔内崩壊錠であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が、(1a)0.1〜10重量%、(2a)および(2b)の合計が20〜86重量%、(3b)10〜30重量%、(4b)各々の特定成分の配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の合計が3〜60重量%、並びに(5a)および(5b)の合計が0.5〜10重量%であって、配合する結晶セルロース(3b)の集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、口腔内崩壊錠。 (1a)化合物Aまたはその薬学的に許容される塩、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し粒子化した活性成分含有粒子と、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分、並びに(5b)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含有する口腔内崩壊錠であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が、(1a)0.1〜10重量%、(2a)および(2b)の合計が20〜86重量%、(3b)10〜30重量%、(4b)各々の特定成分の配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の合計が3〜60重量%、並びに(5a)および(5b)の合計が0.5〜10重量%であって、配合する結晶セルロース(3b)を併せた集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、請求項12に記載の口腔内崩壊錠。 (1a)化合物Aまたはその薬学的に許容される塩、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し粒子化し、得られる活性成分含有粒子、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の特定成分、並びに(5b)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含む混合物を造粒し、得られる造粒顆粒、(3c)結晶セルロース、(4c)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の特定成分を含む混合物を成形してなる口腔内崩壊錠であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が、(1a)0.1〜10重量%、(2a)および(2b)の合計が20〜86重量%、(3b)および(3c)の合計が10〜30重量%、(4b)および(4c)において少なくとも2種の特定成分を含有し、その合計における各々の特定成分の配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の全体の合計が3〜60重量%、並びに(5a)および(5b)の合計が0.5〜10重量%であって、配合する結晶セルロース(3b)および(3c)を併せた集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、口腔内崩壊錠。 (1a)化合物Aまたはその薬学的に許容される塩、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し粒子化し、得られる活性成分含有粒子、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4.1b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、(4.3b)カルメロース、並びに(5b)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含む混合物を造粒し、得られる造粒顆粒、(3c)結晶セルロース、(4.1c)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、および(4.2c)コーンスターチを含む混合物を成形してなる口腔内崩壊錠であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が、(1a)0.1〜10重量%、(2a)および(2b)の合計が30〜75重量%、(3b)および(3c)の合計が10〜30重量%、(4.1b)および(4.1c)の合計が1〜20重量%、(4.2c)5〜20重量%、(4.3b)1〜20重量%、並びに(5a)および(5b)の合計が0.5〜10重量%であって、配合する結晶セルロース(3b)および(3c)を併せた集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、請求項14に記載の口腔内崩壊錠。 該崩壊錠100重量%におけるマンニトール(2a)の配合割合が1〜30重量%であり、水溶性高分子(5a)の配合割合が0.5〜9.9重量%である、請求項12〜15のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。 水溶性高分子(5a)が、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースであり、水溶性高分子(5b)がヒドロキシプロピルセルロースである、請求項12〜15のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。 配合する結晶セルロースの集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が、18〜30重量%である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。 配合する結晶セルロースの集合体のかさ密度が0.15g/cm3以下であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が、10〜30重量%である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。 (1a)活性成分、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し粒子化し、得られる活性成分含有粒子、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分、並びに必要に応じて(5b)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し、成形する口腔内崩壊錠の製造方法であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が、(1a)0.01〜50重量%、(2a)および(2b)の合計が20〜86重量%、(3b)10〜30重量%、(4b)の特定成分の各配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の配合割合の合計が3〜60重量%で、(5a)および(5b)を配合する場合の配合割合の合計が0.5〜10重量%であって、配合する(3b)の結晶セルロースの集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、口腔内崩壊錠の製造方法。 (1)活性成分、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース並びに(4b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の特定成分、並びに必要に応じて(5b)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子をを含む混合物を造粒し、得られる造粒顆粒、(3c)結晶セルロースおよび(4c)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の特定成分含む混合物を成形してなる口腔内崩壊錠の製造方法であって、該崩壊錠100重量%における各成分の配合割合が、(1)0.01〜50重量%、(2b)20〜86重量%、(3b)および(3c)の合計が10〜30重量%、および(4b)および(4c)において少なくとも2種の特定成分を含有し、各特定成分の配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の配合割合の合計が3〜60重量%、並びに配合される場合の(5b)の配合割合は0.5〜10重量%であって、配合する(3b)および(3c)の結晶セルロースの集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下であることを特徴とする、口腔内崩壊錠の製造方法。 (1a)化合物Aまたはその薬学的に許容される塩、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し粒子化し、得られる活性成分含有粒子、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分、並びに必要に応じて(5b)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し、成形する口腔内崩壊錠の製造方法であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が、(1a)0.1〜10重量%、(2a)および(2b)の合計が20〜86重量%、(3b)10〜30重量%、(4b)の特定成分の各配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の配合割合の合計が3〜60重量%で、(5a)および(5b)を配合する場合の配合割合の合計が0.5〜10重量%であって、配合する(3b)の結晶セルロースの集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、口腔内崩壊錠の製造方法。 (1a)化合物Aまたはその薬学的に許容される塩、(2a)マンニトール、並びに(5a)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を混合し粒子化し、得られる活性成分含有粒子、(2b)マンニトール、(3b)結晶セルロース、(4b)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の特定成分、並びに(5b)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を含む混合物を造粒し、得られる造粒顆粒、(3c)結晶セルロース、(4c)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の特定成分を含む混合物を成形することを特徴とする口腔内崩壊錠の製造方法であって、該崩壊錠100重量%における配合割合が、(1a)0.1〜10重量%、(2a)および(2b)の合計が20〜86重量%、(3b)および(3c)の合計が10〜30重量%、(4b)および(4c)において少なくとも2種の特定成分を含有し、各特定成分の配合割合が1〜20重量%であり、且つ配合する特定成分の配合割合の合計が3〜60重量%、(5a)および(5b)の合計が0.5〜10重量%であって、配合する(3b)および(3c)の結晶セルロースを併せた集合体のかさ密度が0.18g/cm3以下である、口腔内崩壊錠の製造方法。