タイトル: | 公表特許公報(A)_ユビキチンに対する新規活性化および転移カスケード |
出願番号: | 2009546507 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | C12N 15/113,A61K 45/00,A61K 39/395,A61K 31/713,A61P 35/00,A61P 35/02,G01N 33/15,G01N 33/50 |
ハーパー、ジェフリー、ウェイド ジン、ジァンピン JP 2010516254 公表特許公報(A) 20100520 2009546507 20080117 ユビキチンに対する新規活性化および転移カスケード プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジ 504000410 中島 淳 100079049 加藤 和詳 100084995 西元 勝一 100085279 ハーパー、ジェフリー、ウェイド ジン、ジァンピン US 60/885,431 20070118 US 60/946,757 20070628 C12N 15/113 20100101AFI20100423BHJP A61K 45/00 20060101ALI20100423BHJP A61K 39/395 20060101ALI20100423BHJP A61K 31/713 20060101ALI20100423BHJP A61P 35/00 20060101ALI20100423BHJP A61P 35/02 20060101ALI20100423BHJP G01N 33/15 20060101ALN20100423BHJP G01N 33/50 20060101ALN20100423BHJP JPC12N15/00 GA61K45/00A61K39/395 DA61K39/395 NA61K31/713A61P35/00A61P35/02G01N33/15 ZG01N33/50 Z AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW US2008051312 20080117 WO2008089329 20080724 107 20090918 2G045 4B024 4C084 4C085 4C086 2G045AA40 2G045DA20 2G045FB01 2G045FB03 4B024AA01 4B024BA80 4B024CA02 4B024CA11 4B024DA02 4B024DA06 4B024EA02 4B024GA11 4B024HA17 4C084AA17 4C084NA14 4C084ZB26 4C084ZB27 4C085AA13 4C085AA14 4C085BB11 4C085EE01 4C086AA01 4C086AA02 4C086EA16 4C086NA14 4C086ZB26 4C086ZB27政府の権利に関する記述 本発明は、米国国立衛生研究所の助成金番号AG011085およびGM54137の下、政府の援助により成されたものである。米国政府は、本発明に関して一定の権利を有する。関連出願 本出願は、その全体がそれぞれ参照により本明細書に組み込まれている、2007年6月28日出願の米国特許仮出願第60/946,757号、および2007年1月18日出願の米国特許仮出願第60/885,431号の優先権を主張するものである。 ユビキチンプロテアソーム経路(UPP)を介したタンパク質代謝回転は、細胞がシグナル伝達ネットワークを制御するために用いる主たるシステムを構成する。このプロセスにおいて、タンパク質はユビキチン分子鎖で標識され、ユビキチン分子鎖は、リジン残基とのイソペプチド結合を介して、標的と、およびユビキチン同士で結合する(Pickart他、Biochim.Biophys.Acta.1695:55(2004);Pickart、Cell 116:181(2004))。ユビキチンは、そのC末端グリシン残基を介してリジン残基と結合を形成する、76個のアミノ酸から成るタンパク質である。一般に、プロテアソームによる認識には4個または5個以上のユビキチン分子の付加で十分であると考えられており、プロテアソームにおいてポリユビキチン化タンパク質は分解される(Lam他、Nature 416:763(2002))。UPPを介したタンパク質代謝回転は、多様な細胞機能を制御し、ヒトの疾患と密接に関連していることが知られている(Petroski and Deshaies、Nat.Rev.Mol.Cell.Biol.6:9(2005))。ユビキチンシステムのいくつかの構成成分が、癌において変異していることが発見されている。UPPシステムの変化により、腫瘍抑制因子の不適切な分解、および癌遺伝子の過剰発現が誘発され、これにより無制御の増殖が促進されるという場合が最も多い(Cardozo and Pagano、Nat.Rev.Mol.Cell.Biol.5:739(2004))。UPPの異常は、パーキンソン病などの神経変性疾患の原因ともなり得る。ユビキチン化は、標的タンパク質の分解において重大な役割を担っているが、タンパク質の局在化、膜タンパク質の機能、エンドサイトーシス、およびその他のプロセスの制御においても重要な役割を担っている。 タンパク質のユビキチン化には、三つの主要タンパク質の作用が関与することが知られている(Hershko他、J.Biol.Chem.258:8206(1983);Ganoth他、J.Biol.Chem.263:12412(1988))。第一に、ユビキチンは活性化されて、E1ユビキチン活性化酵素と高エネルギーチオールエステル結合を形成する。このプロセスでは、まず、ATPの1分子が消費されてユビキチンのC末端グリシン(G76)がアデニル化されたユビキチンが形成され、続いて、G76カルボキシレートが活性部位システインへ転移されてチオールエステルが形成される(Haas他、J.Biol.Chem.257:10329(1982));Haas他、J.Biol.Chem.257:2543(1982))。第二のステップでは、E1〜Ubチオールエステル複合体が、E2ユビキチン結合酵素と、E1のC末端のE2結合ドメインを介して結合する。次に、ユビキチンは、E1の活性部位システインからE2の活性部位システインへ転移される(Pickart他、J.Biol.Chem.260:1573(1985))。次に、E2〜Ub複合体はE1から解離し、ここで、E3ユビキチンリガーゼと相互作用して、基質上または成長中のポリユビキチン鎖上のリジン残基へのユビキチンの転移を促進することができる(Eletr他、Nat.Struct.Mol.Biol.12:933(2005))。したがって、E1酵素は、ユビキチンを活性化させ、ユビキチン転移を促進させることにより、ユビキチン化プロセスにおいて重大な役割を担っている。 UPPの構成成分を疾患に対する薬物標的として用いることに関して、広く注目が集まっている。実際、UPPを標的とした最初の薬物であるVELCADE(登録商標)(Millennium Pharmaceuticals,Inc.、マサチューセッツ州,ケンブリッジ)が、2003年にFDAによって承認された(Popat他、Expert Opin.Pharmacother.7:1337(2006))。VELCADE(登録商標)は、26Sプロテアソームを標的とし、それによって、その代謝回転にこのプロテアソームを必要とするすべてのタンパク質の分解を阻害する。VELCADE(登録商標)は、多発性骨髄腫の治療に有用であることが示された(上記文献)。その作用様式は、特定の種類の癌細胞の、プロテアソーム活性に対する感受性の上昇に依存するものであると考えられ、これは、プロテアソームに依存するNFκB経路の必要性の増大を反映している可能性が考えられる。しかし、プロテアソームの阻害は、正常細胞に対しても潜在的に有害であり、したがって、特異性の高い新規の薬物標的を得ることが有用であろう。Pickart他、Biochim.Biophys.Acta.1695:55(2004)Pickart、Cell 116:181(2004)Lam他、Nature 416:763(2002)Petroski and Deshaies、Nat.Rev.Mol.Cell.Biol.6:9(2005)Cardozo and Pagano、Nat.Rev.Mol.Cell.Biol.5:739(2004)Hershko他、J.Biol.Chem.258:8206(1983)Ganoth他、J.Biol.Chem.263:12412(1988)Haas他、J.Biol.Chem.257:10329(1982)Haas他、J.Biol.Chem.257:2543(1982)Pickart他、J.Biol.Chem.260:1573(1985)Eletr他、Nat.Struct.Mol.Biol.12:933(2005)Popat他、Expert Opin.Pharmacother.7:1337(2006) 本発明は、新規ユビキチン活性化酵素Uba6という驚くべき発見に一部基づいている。この発見は、ユビキチンに対しては単一の活性化酵素が存在するという当該技術分野における長年の定説を考えると、特に予想外のものである。Uba6の酵素特性は、古典的ユビキチン活性化酵素Ube1とは実質的に異なっており、このことは、Uba6が、Ube1とは異なる生物学的役割を担っていることを示唆している。Uba6は、その触媒メカニズムにおいてATPを利用することから、ヒトなどの生物においてUba6活性に特異的に依存するシグナル伝達経路を制御するには、選択的にUba6活性を阻害する小分子阻害剤が有用であり得る。 ある実施形態においては、Uba6活性を阻害する方法を提供する。ある態様においては、阻害は、ユビキチン−アデニル酸中間体の形成を阻害する化合物(例えば、Uba6のアデニル化ドメインと結合する化合物)とUba6とを接触させること、Uba6のチオールエステル化を阻害する化合物とUba6とを接触させること、またはユビキチン結合酵素へのユビキチンの転移を阻害する化合物(例えば、Uba6のUblドメインと結合する化合物)とUba6とを接触させることによって達成される。ある態様においては、阻害は、インビトロで(例えば、細胞抽出物を用いて)、またはインビボで(例えば、組織培養細胞内、または生物内で)実施される。他の態様においては、ユビキチン結合酵素は、1種または複数種の、E2C、E2D1、E2D2、E2D3、E2D4、E2E1、E2G、E2S、E2T、およびE2Z(本明細書では、Use1ともいう)である。 別の実施形態においては、Uba6の触媒性システインドメインを阻害する化合物とUba6とを接触させることを含む、ユビキチン活性化を阻害する方法を提供する。ある態様においては、阻害は、インビトロで(例えば、細胞抽出物)またはインビボで(例えば、組織培養細胞内、または生物内で)実施される。 別の実施形態においては、Uba6活性を必要とする生物内で、Uba6活性を低下させる方法であって、Uba6のmRNAの一部と相補的な、1種または複数種のsiRNAをその生物へ投与することを含む方法を提供する。ある態様においては、siRNAは、1または複数の、配列番号1、配列番号2、および配列番号3のRNA配列である。他の態様においては、前記Uba6のmRNAの一部は、ThiFドメイン、触媒性システインドメイン、アデニル化ドメイン、またはユビキチン様ドメインをコードする。さらに他の態様においては、前記生物はヒトである。 別の実施形態においては、ユビキチン化を必要とする生物内で、ユビキチン化を低下させる方法であって、生物内でUba6活性の1種または複数種を阻害する、1種または複数種の化合物を、生物へ投与することを含む方法を提供する。ある態様においては、前記化合物は、抗体またはsiRNAである。他の態様においては、前記生物はヒトである。 さらに別の実施形態においては、E2Zのチャージング(charging;負荷)を阻害する化合物を同定する方法であって、E2Zおよびユビキチンを含む試料を提供すること、この試料を化合物と接触させること、前記試料をUba6またはUba6の生物活性部分と接触させること、ならびにユビキチンが前記化合物の存在下でE2Zと結合しているかどうかを決定することを含み、前記化合物がE2Zのチャージングを阻害する場合は、ユビキチンはE2Zと結合していない、前記方法を提供する。ある態様においては、この方法は、さらに、E2ZをSDS−PAGEゲル上で視覚化することを含む。 さらに別の実施形態においては、Uba6活性を阻害する化合物を同定する方法であって、ユビキチン結合酵素およびユビキチンを含む試料を提供すること、前記試料を化合物と接触させること、前記試料をUba6またはUba6の生物活性部分と接触させること、ならびにユビキチンが前記化合物の存在下でユビキチン結合酵素と結合しているかどうかを判定することを含み、前記化合物がUba6活性を阻害する場合は、ユビキチンはユビキチン結合酵素と結合していない、前記方法を提供する。ある態様においては、ユビキチン結合酵素は、E2C、E2D1、E2D2、E2D3、E2D4、E2E1、E2G、E2S、E2T、およびE2Zから成る群より選択される。 さらに別の実施形態においては、Uba6活性を阻害する化合物を同定する方法であって、ユビキチンを含む試料を提供すること、前記試料を化合物と接触させること、前記試料をUba6またはUba6の生物活性部分と接触させること、およびユビキチンが前記化合物の存在下で、Uba6またはUba6の生物活性部分と結合しているかどうかを判定することを含み、前記化合物がUba6活性を阻害する場合は、ユビキチンはUba6と結合していない、前記方法を提供する。ある態様においては、ユビキチンは、Uba6またはUba6の生物活性部分と、チオール結合を介して結合する。他の態様においては、ユビキチンは固定化されている。 別の実施形態においては、配列番号1、配列番号2、および配列番号3から成る群より選択される核酸配列に対して少なくとも約70%の同一性を有するRNA配列であって、Uba6活性を阻害することができるRNA配列を提供する。ある態様においては、Uba6活性は、1つまたは複数の、ユビキチン活性化、ユビキチン−アデニル酸中間体の形成、ユビキチンのチオールエステル化、ユビキチン結合酵素へのユビキチン転移、および/または標的ポリペプチドのユビキチン化から選択される。他の態様においては、前記RNAはsiRNAである。 別の実施形態においては、配列番号1、配列番号2、および配列番号3から成る群より選択されるRNA配列を提供する。ある態様においては、前記RNA配列は、ユビキチン活性化、ユビキチン−アデニル酸中間体の形成、ユビキチンのチオールエステル化、ユビキチン結合酵素へのユビキチン転移、および/または標的ポリペプチドのユビキチン化などのUba6活性を阻害することができる。他の態様においては、このRNAはsiRNAである。 本特許または出願ファイルには少なくとも1つのカラーで描かれた図面が含まれる。カラー図面付きの本特許または特許出願公開公報のコピーは、必要な料金と共に米国特許商標局へ申請することで提供される。前述の、およびその他の本発明の特徴と利点は、添付の図面と合わせて、以下に示す例示的実施形態の詳細な説明から、より十分に理解されるであろう。Uba6の物理的特性および機能的特性を示した図である。ヒト、ゼブラフィッシュ(D.rerio)、およびアメリカムラサキウニ(S.purpuratus)のThiFドメイン含有タンパク質の系統樹。マウスのUbe1xタンパク質およびUbe1yタンパク質、ならびに出芽酵母(S.cerevisiae)のUba1pも含む。配列および系統樹は、ClustalWを用いて作製した。Uba6の物理的特性および機能的特性を示した図である。昆虫細胞で発現、精製されたFlag標識Uba6(Uba6F)のSDS−PAGE分析(クーマシー染色)。Uba6の物理的特性および機能的特性を示した図である。Uba6は、ユビキチンに対しては活性化酵素として機能するが、いくつかのユビキチン様タンパク質(Ulps)に対しては機能しない。GST−Ulpsを、細菌内で発現させて精製し、ATPの存在下で精製Uba6Fと混合した。30℃で10分後、反応混合物を非還元条件下にてSDS−PAGEで分離し、クーマシーブルーを用いて視覚化した。レーン4では、Uba6FがUba6F〜GST−Ub抱合体へ変換されている。*はGST分解産物を示す。Uba6の物理的特性および機能的特性を示した図である。Uba6は、ユビキチンに対しては活性化酵素として機能するが、いくつかのユビキチン様タンパク質(Ulps)に対しては機能しない。GST−Ulpsを、細菌内で発現させて精製し、ATPの存在下で精製Uba6Fと混合した。30℃で10分後、反応混合物を非還元条件下にてSDS−PAGEで分離し、クーマシーブルーを用いて視覚化した。レーン4では、Uba6FがUba6F〜GST−Ub抱合体へ変換されている。D図では、GST−UbおよびATPの必要性、ならびに前記抱合体が還元剤DTTに対して感受性を有することを実証するために、種々の成分を取り除いた。Uba6の物理的特性および機能的特性を示した図である。関連するE1酵素Ube1Lは、ISG15の活性化を促進するが、ユビキチンには作用しない。特異性の指標として、GST−Ube1L(昆虫細胞より精製)の、GST−ISG15およびGST−Ubの活性化について分析した。予想通り、GST−Ube1LはISG15に対しては活性であったが、系統学的にはUba6よりもUbe1との関連性が高いにも関わらず、GST−Ubを活性化することができなかった。ネガティブコントロールとして、GST−MP1を用いた。Uba6の物理的特性および機能的特性を示した図である。本明細書にさらに記載するように、Ube1およびUba6によるユビキチン活性化の動態分析を実施した。エラーバーは、重複アッセイの標準偏差を示す。Uba6の物理的特性および機能的特性を示した図である。Uba6とユビキチン−アガロースとの結合。293T/Flag−HA−Uba6抽出物(pH7.5)を用いた、ユビキチン−アガロース上でのE1の捕捉。HA−Flag−Uba6を安定に発現する293T細胞からの抽出物で、Hershkoの古典的ユビキチンアフィニティクロマトグラフィー実験(下記)を行った。抽出物を、ATPの存在下にてユビキチン−アガロースと共にインキュベートし、ユビキチンをチャージ(charge;負荷)した。次に、ビーズを、Triton X−100含有バッファーで洗浄し、続いて、DTTで溶離した。次に、ロード、フロースルー、洗浄液、溶離液、およびユビキチン−アガロースに結合したままのタンパク質を、抗Ube1抗体および抗HA抗体を用いてイムノブロッティングを行い、HA−Flag−Uba6を検出した。Uba6の物理的特性および機能的特性を示した図である。脊椎動物におけるUba6の保存。ヒト(Hs)、マウス(Mm)、出芽酵母(Sc)、およびゼブラフィッシュ(Danio rerio、Dr)由来のUba6およびUbe1のアラインメント。ゼブラフィッシュの配列は、XP_695755.2の受入番号で提供された。ヒトとは異なり、マウスは、X染色体に位置するUbe1xおよびY染色体に位置するUbe1yという、2種類の関連性の高い(同一性90%)Ube1タンパク質を有する。Ube1yタンパク質は、精子形成に関与していると考えられる(Levy他、Mamm.Genome 11:164(2000);Mitchell他、Nature 359:528(1992))。深緑色:アデニル化ドメイン;薄緑色:ThiFモチーフ;赤色:触媒性システインドメイン(CCD);青色:ユビキチンフォールド(ubiquitin−fold)ドメイン(Ufd)。Uba6がインビボにおいてユビキチンでチャージされることを示すデータである。Flag−HA−Uba6、Flag−HA−Uba6C625A、またはFlag−HA−Uba6C625Sを、レンチウイルスベクターを用いてCMVプロモーター制御下で安定に発現する293T細胞を抽出バッファーに溶解し、抗HA抗体で免疫沈降した。免疫複合体を、非還元条件下にてSDS−PAGEで分離し、抗HA、抗Nedd8、もしくは抗ユビキチンでイムノブロットを行うか、または、ブロットをポンソーSで染色して、タンパク質を明らかにした。Uba6がインビボにおいてユビキチンでチャージされることを示すデータである。Flag−HA−Uba6、Flag−HA−Uba6C625A、またはFlag−HA−Uba6C625Sを内在レベルに近いレベルで発現する293T細胞を溶解し、抽出物を用いて、抗HAでイムノブロッティングを行ってFlag−HA−Uba6融合タンパク質を検出するか、または、抗Uba6でイムノブロッティングを行って導入遺伝子のUba6タンパク質と内在性Uba6タンパク質の両方を検出した。Flag−HA−Uba6C625Sタンパク質は、二本のバンドで移動し、移動度の遅い方のバンドがユビキチンをチャージしたFlag−HA−Uba6C625Sに相当する。Uba6がインビボにおいてユビキチンでチャージされることを示すデータである。Flag−HA−Uba6C625Sと結合したユビキチンの同定。Flag−HA−Uba6C625Sを発現する細胞の抽出物を、抗Flag樹脂および抗HA樹脂を用いて精製し、タンパク質をSDS−PAGEで分離した。個々のバンドの質量分析を行った。移動度の遅い方のバンドは、ユビキチン由来の3種類のペプチドを含んでおり、一方、移動度の速い方のバンドは、結合ユビキチン由来のペプチドを欠いていた。Uba6がインビボにおいてユビキチンでチャージされることを示すデータである。RNAiを用いたUba6の除去。GFP(コントロールとして)を標的とするsiRNAまたはUba6を標的とするsiRNAを、OLIGOFECTAMINE(登録商標)(Invitrogen、カリフォルニア州、カールズバッド)を用いて、293T細胞へトランスフェクトした。72時間後、細胞を溶解し、抽出物を用いて、抗Uba6抗体でイムノブロッティングを行った。Uba6に対して用いたsiRNA配列は、#1:CCUUGGAAGAGAAGCCUGAUGUAAA(配列番号1);#2:ACACUGAAGUUAUUGUACCGCAUUU(配列番号2);#3:GGGAUCGAUGGACCGUACAUGGAAA(配列番号3)であった。精製したFlag−HA−Uba6を、イムノブロットのポジティブコントロールとして用いた。Uba6およびUbe1が、E2ユビキチン結合酵素のチャージングに対して異なった選択性を持つことを示すデータである。図に示したE2は、細菌のインビトロ翻訳系を用いて作製し、35S−メチオニンにより代謝的に標識した。E2を、Flag−HA−Uba6またはFlag−HA−Ube1(昆虫細胞より発現、精製)と混合し、30℃で30分間インキュベートした。反応混合物を非還元SDS−PAGEで分離し、タンパク質をオートラジオグラフィーで可視化した。E2のアリコートをチャージングのコントロールとして含めた。Uba6およびUbe1が、E2ユビキチン結合酵素のチャージングに対して異なった選択性を持つことを示すデータである。E2チャージングデータの概要である。Uba6およびUbe1が、E2ユビキチン結合酵素のチャージングに対して異なった選択性を持つことを示すデータである。E2D1のチャージングを促進するUba6の能力には、活性部位システイン(C625)が必要である。Uba6のE2に対する特異性が、そのC末端Ublドメインに存在することを示すデータである。触媒性ドメインおよびC末端ユビキチン様(Ubl)ドメインの保存パーセントを示す、Ube1およびUba6のドメイン構造。Uba6のE2に対する特異性が、そのC末端Ublドメインに存在することを示すデータである。Ube1およびUba6のC末端Ublドメインの保存性。アラインメントは、ClustalWを用いて作製した。Uba6のE2に対する特異性が、そのC末端Ublドメインに存在することを示すデータである。Uba6およびUbe1のUblドメインを互いに置き換えたキメラタンパク質を作製した。これらのタンパク質を、野生型およびUbl欠失変異体と共に、昆虫細胞中でFlag−HA融合タンパク質として発現させ、精製して、Cdc34のチャージングを促進する能力について分析した。Cdc34は、Ube1によってチャージされるが、Uba6によってはチャージされない(レーン2および3)。Ublドメインが欠失したE1は、ともに不活性であったが、Ube1のUblドメインを含むUba6は、Cdc34のチャージングに対して活性であった。ヒト(Homo sapiens)のUba6をコードするcDNA配列(配列番号4)(GenBank受入番号NM_018227)を示す図である。ヒトのUba6のアミノ酸配列(配列番号5)(GenPept受入番号NP_060697)を示す図である。マウス(Mus musculus)のUba6をコードするcDNA配列(配列番号6)(GenBank受入番号NM_172712)を示す図である。マウスのUba6のアミノ酸配列(配列番号7)(GenPept受入番号NP_766300)を示す図である。ヒト由来E2ZをコードするcDNA配列(配列番号8)(GenBank受入番号NM_023079.2)を示す図である。ヒト由来E2Zをコードするアミノ酸配列(配列番号9)(GenPept受入番号NP_075567.1、部分配列を有する)を示す図である。Ube1Cの末端ドメインおよびUba6のC末端ドメインが、E2特異性を制御することを示すデータである。Uba6およびUbe1のドメイン構造、ならびにC末端Ublドメインを置き換えてキメラタンパク質を形成する方法を示す概略図である。Ube1Cの末端ドメインおよびUba6のC末端ドメインが、E2特異性を制御することを示すデータである。Nedd8活性化酵素の結晶構造に基づくE1酵素のドメイン構造モデル。Ube1Cの末端ドメインおよびUba6のC末端ドメインが、E2特異性を制御することを示すデータである。図に示したE1タンパク質およびE2結合酵素を用いてE2チャージングアッセイを行った。Ube1Cの末端ドメインおよびUba6のC末端ドメインが、E2特異性を制御することを示すデータである。Ube1およびUba6のUblドメインの予測構造である。E2ZのインビボでのチャージングにはUba6が必要であることを示すデータである。左図:E2Z〜ユビキチンチオエステルの形成は、E2Zの活性部位システイン(C>A変異体)を必要とし、DTTの添加によって減少した。右図:RNAiによるUba6の除去によって、インビボでのE2Zのチャージングが阻害されたが、Ube1では阻害されなかった。図に示したsiRNAを、安定的にFlag−HA−E2Zを発現する293T細胞内へトランスフェクトした。抽出物をMESバッファー(pH4.5)中に作製し、直ちにタンパク質をSDS−PAGEにより分離した。ニトロセルロースへの転写後、ブロットを図に示した抗体でプローブした。インビボでのUba6によるユビキチンの活性化を示す図である。培養細胞内でのE1の発現。抗Uba6および抗Ube1を、コントロールとしての組換えFlag−E1aと共に、図に示した細胞株由来の抽出物のブロットのプローブとして使用した。インビボでのUba6によるユビキチンの活性化を示す図である。293T/Flag−HA−Uba6細胞(野生型、C625SまたはC625A;20μg)由来のライセート(pH7.5)、または0.2mgの抽出物からの抗HA免疫複合体を、4−12%トリス−グリシン還元ゲルで分離し、抗Uba6、抗HA、または抗ユビキチンでイムノブロットした。インビボでのUba6によるユビキチンの活性化を示す図である。293T/Flag−HA−Uba6細胞(野生型、またはC625A;20μg)由来のライセート(pH4.5)、または0.2mgの抽出物からの抗HA免疫複合体を、4−12%ビス−トリス非還元ゲルで分離し、その後、抗HAまたは抗ユビキチンでイムノブロットした。インビボでのUba6によるユビキチンの活性化を示す図である。293T/Flag−HA−Uba6細胞ライセート(pH4.5、2mg)からFlag−HA−Uba6を免疫沈降し、4−12%ビス−トリス非還元ゲルで分離した。インビボでのUba6によるユビキチンの活性化を示す図である。ユビキチン活性化Uba6の質量スペクトル分析。用いたFlag−HA−Uba6C625Sタンパク質については、本明細書にさらに記載する。Uba6の標的に対するE2結合酵素の系統的な分析を示す図である。ユビキチンE1のE2チャージング活性を、活性E2の系統樹上に示した。Uba6の標的に対するE2結合酵素の系統的な分析を示す図である。Uba6およびUbe1は、インビトロで、異なるE2チャージング活性を示す。アッセイでは、「方法」に記載のように、大腸菌(E.coli)S30抽出物中で作製された35S−メチオニン標識E2、ユビキチンノックアウト、および図に示したE1を用いた。*は、非特異的翻訳産物。Uba6の標的に対するE2結合酵素の系統的な分析を示す図である。ヒトUbe1およびUba6の配列保存性。Uba6の標的に対するE2結合酵素の系統的な分析を示す図である。キメラE1タンパク質による、Cdc34B、UbcH5D、およびUse1(本明細書ではE2Zともいう)のインビトロでのチャージングを、35S−メチオニン標識E2を用いて調べた。ユビキチン結合酵素Use1およびCdc34の、インビボでのチャージングに対する特徴的な要求性を示す図である。細胞内でのE2チャージングのメカニズムを示す模式図。E2は、チャージした形態とチャージしていない形態の混合物として存在し、これは、チャージした形態がいかに素早く生成し、使われるかに依存している。ユビキチン結合酵素Use1およびCdc34の、インビボでのチャージングに対する特徴的な要求性を示す図である。HeLa細胞を、図に示したsiRNAでトランスフェクトした。72時間後、細胞をpH4.5で溶解し、非還元4−12%ビス−トリス濃度勾配ゲルでタンパク質を分離して、イムノブロットした。ユビキチン結合酵素Use1およびCdc34の、インビボでのチャージングに対する特徴的な要求性を示す図である。Use1は、哺乳類細胞において、触媒性システインを介してチャージされる。293T、または293T/Flag−HA−Use1(野生型またはC190A)細胞を溶解し(pH4.5)、その後、非還元4−12%ビス−トリス濃度勾配ゲルで分離して、イムノブロットした。レーン4では、試料をDTTで前処理した(200mM、5分)。ユビキチン結合酵素Use1およびCdc34の、インビボでのチャージングに対する特徴的な要求性を示す図である。ユビキチンの活性化およびチャージングする2種類の独立したシステムを示すモデルである。E1の構造に関する情報を示す図である。E1の構造的構成。Ube1、UbeL1、およびUba6は、単鎖E1であるが、Uba3/APP−BP1およびUba2/Sae1は、ヘテロダイマーのE1である。E1の構造に関する情報を示す図である。Uba6およびUbe1のUfdドメインの予測構造、ならびにUba3のUfdドメインとの比較。予測構造は、SUMO E1 Sae2(PDBコード1Y8Q)をテンプレートとして、「Modeller」ソフトウェア(リリース8v2)を用いて作成し、Pymolを用いて表示した。UfdUbe1:残基948−1058。UfdUba6:残基949−1052。UfdUba3:残基349−440。E1の構造に関する情報を示す図である。ヒトUba6、Ube1、およびUbe1Lの間での、ドメインに特異的な配列相同性。相同性パーセントおよび類似性パーセントを示す。Uba6およびUse1が、ヒト細胞株および組織中で広く発現されることを示す図である。比較のためにUbe1の発現を示す。発現パターンは、ノバルティス研究財団ゲノム研究所の転写プロファイリングリソース(transcriptional profiling resource)を用いて得た(Su他、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.99:4465(2002);Su他、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.101:6062(2004))。GST−UBLタンパク質の分析を示す図である。Ube1LはISG15を活性化するが、ユビキチンは活性化しない。GST−Ube1L、GST−Ube1、またはネガティブコントロールとしてのGST−MP1(300nM)を、GST−ISG15またはGST−Ub(6μM)を、2mMのATPの存在下にて活性化する能力について調べた(30分、30℃)。反応混合物を4−12%トリス−グリシンで分離し、クーマシーブルーでタンパク質を視覚化した。GST−Ube1L、GST−Ube1、およびGST−MP1は、以前の記載のように、昆虫細胞内で発現させ、精製した(Zhao他、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.101:7578(2004))。GST−UBLタンパク質の分析を示す図である。GST−Nedd8は、Uba3/APPBP1によって、インビトロで活性化される。Uba3/APPBP1(300nM)を、6μMのGST−Nedd8またはコントロールとしてのGSTと共にインキュベートし(パネルaで説明したように)、非還元4−12%トリス−グリシンで分離し、チオエステル形成について分析した。GST−UBLタンパク質の分析を示す図である。Uba6は、インビトロで、Nedd8を活性化しない。Flag−Uba6(8nM)を、種々の濃度(0、5、10、20、40、80ng)のGST−UbまたはGST−Nedd8と共に、2mMのATPの存在下にてインキュベートし、反応混合物を4−12%トリス−グリシンで分離し、抗Flag抗体を使用したイムノブロッティングを行った。Uba6は、GST−Ubを活性化したが、GST−Nedd8は活性化しなかった。GST−UBLタンパク質の分析を示す図である。GST−ユビキチン滴定。8nMのUba6またはUbe1を、図に示した濃度のGST−ユビキチンと共に、30℃にて10分間インキュベートした。試料を、4−12%トリス−グリシン非還元ゲルで電気泳動し、その後、図に示した抗体でイムノブロッティングを行った。GST−UBLタンパク質の分析を示す図である。GST−ユビキチン活性化の時間経過。反応物は、500nMのGST−ユビキチン、および8nMのUba6またはUbe1を含み、30℃にて、図に示した時間インキュベートした。GST−UBLタンパク質の分析を示す図である。UBL活性化アッセイに用いたGST−UBLタンパク質からのC末端ペプチドを同定する質量スペクトルデータの概要。インビボおよびインビトロにて、Uba6はユビキチンを活性化するが、Nedd8は活性化しないことを示す図である。293T細胞から単離されたFlag−HA−Uba6C625Sの移動度の遅い形態と共に移動するユビキチン由来ペプチドのタンデム質量スペクトル。ユビキチン由来のTLSDYNIQKペプチドのスペクトルを示す。インビボおよびインビトロにて、Uba6はユビキチンを活性化するが、Nedd8は活性化しないことを示す図である。Flag−HA−Uba6を、pH7.5のバッファー中に溶解した図に示した細胞株由来の抽出物(10mg)から単離し、タンパク質を非還元4−12%トリス−グリシンで分離して、クーマシーブルーで染色した。上部のバンドおよび下部のバンドを質量分析器で処理した。同定されたユビキチンペプチドを示し、これらのペプチドに関連する統計値を、本明細書にさらに記載するように収集した。脊椎動物由来Use1タンパク質の配列アラインメント、およびE2チャージングの分析を示す図である。Uevに代表される非触媒性サブクラスを含む、ヒトE2ユビキチン結合酵素ファミリーの系統樹。系統樹の作成に用いた個々のE2ファミリーメンバーの受入番号を示す。E2配列は、ClustalWでアラインメントし、Treeviewによって系統樹を表示した。脊椎動物由来Use1タンパク質の配列アラインメント、およびE2チャージングの分析を示す図である。アラインメントはClustalWで作成した。カエル(ゼノパス Xenopus)Use1およびゼブラフィッシュ(Danio rerio)Use1の配列は、ヒトUse1をクエリーとして用いたESTデータベースのブラスト解析(blast analysis)によって得た。Mm gene ID:268470;Rn gene ID:303478;Hs gene ID:65264;ゼブラフィッシュ受入番号:XP_001337511;ゼノパス受入番号:Q6PCF7;Spur(ムラサキウニS.purpuratus)受入番号:XP_785296。脊椎動物由来Use1タンパク質の配列アラインメント、およびE2チャージングの分析を示す図である。Ubc5およびUse1のチャージングには、Uba6の触媒性システインが必要である。本明細書にさらに記載するように、野生型Uba6または変異体(C625A)Uba6を用いてアッセイを行った。脊椎動物由来Use1タンパク質の配列アラインメント、およびE2チャージングの分析を示す図である。Uba6による精製Use1のチャージング。「方法」で説明するように、細菌からUse1を精製した。Use1(2.5μM)を用い、25μMのユビキチンおよび2mMのATPの存在下にて、Flag−Uba6濃度を上昇させながら(0、0.025、0.05、0.1、0.2、0.4μM、昆虫細胞から精製)チャージングアッセイを行った。脊椎動物由来Use1タンパク質の配列アラインメント、およびE2チャージングの分析を示す図である。Ube1タンパク質およびUba6タンパク質のUfdドメインのアミノ酸配列。黒色および灰色、Ube1およびUba6で保存;紫色、Ube1で保存;黄色、Uba6で保存。脊椎動物由来Use1タンパク質の配列アラインメント、およびE2チャージングの分析を示す図である。ユビキチンE2のチャージングの程度を測定するアッセイ。本明細書にさらに記載するように、細胞をpH3〜pH5のバッファー中に溶解し、非還元4−12%ビス−トリスゲルで分離し、Cdc34Aタンパク質とCdc34Bタンパク質の両方と反応する抗Cdc34をプローブとしたイムノブロットを行った。レーン5〜8では、ライセートを200mMのDTTの存在下で5分間煮沸し、その後、電気泳動を行った。脊椎動物由来Use1タンパク質の配列アラインメント、およびE2チャージングの分析を示す図である。Use1抗体の特異性。図に示したsiRNAをトランスフェクトされた細胞を得るための293T細胞の抽出物(トランスフェクションの72時間後)を、還元条件下にて4−12%トリス−グリシンで分離し、アフィニティ精製を行ったUse1抗体でイムノブロットを行った。脊椎動物由来Use1タンパク質の配列アラインメント、およびE2チャージングの分析を示す図である。293T細胞をpH4.5のMES溶解バッファー中に溶解し、DTTの存在下または非存在下にて、10μgを4−12%ビス−トリスゲルで電気泳動を行った。ゲルは、図に示した抗体をプローブとした。Uba6Ufd−Use1とUbe1Ufd−Cdc34との接触部分の構造モデルを示す図である。ヒトUba6、Ube1、およびUba3のモデルに基づいた配列アラインメント、ならびにCdc34A、Use1、およびUbc12のH1ヘリックスのアラインメント。接触部分に位置する残基を赤色で示す。同一残基を黒色の網掛けで示す。類似残基を灰色の網掛けで示す。Uba6Ufd−Use1とUbe1Ufd−Cdc34との接触部分の構造モデルを示す図である。Ubc12−Uba3Ufdの構造(Huang他、Mol.Cell 17:341(2005))。Ubc12を水色で示す。Uba3Ufdを緑色で示す。接触部分の残基を図に示す。Uba6Ufd−Use1とUbe1Ufd−Cdc34との接触部分の構造モデルを示す図である。Use1−Uba6Ufdのモデル。Use1を水色で示す。Uba6Ufdを緑色で示す。接触部分の残基を図に示す。Uba6Ufd−Use1とUbe1Ufd−Cdc34との接触部分の構造モデルを示す図である。Cdc34AUbe1Ufdのモデル。Cdc34Aを水色で示す。Ube1Ufdを緑色で示す。接触部分の残基を図に示す。Uba6Ufd−Use1とUbe1Ufd−Cdc34との接触部分の構造モデルを示す図である。Uba3Ufd(構造)、Uba6Ufd(モデル)、およびUbe1Ufd(モデル)のチャージされた残基の表面を示す図。配向を示すために、対応するリボンイメージを示す。本明細書でさらに説明するように、試験された遺伝子配列を示す図である。 一般に、Ube1は、すべての真核生物のゲノムにコードされるユビキチンに対する、唯一の活性化酵素であると考えられる。この結論は、出芽酵母に単一の必須ユビキチンE1が存在すること、およびUbe1に温度感受性変異を含むげっ歯類の組織培養細胞が、単一の遺伝子しか存在しないことと一致するような細胞周期停止表現型を示すという知見に基づいている(Finley他、Cell 37:43(1984);Ciechanover他、J.Cell.Biochem.24:27(1984))。本明細書でさらに説明するように、驚くべきことに、この定説が間違っており、脊椎生物は2種類の異なるユビキチン活性化酵素を有することが発見された。理論に束縛されるものではないが、この新規な酵素Uba6は、Ube1とは異なると考えられる方法で、ユビキチンのユビキチン結合酵素(例えば、E2)への結合を促進する。したがって、Uba6は、ユビキチン経路において特異的な機能を持つ可能性があるので、重要な薬物標的である。 ユビキチンプロテアソーム経路(UPP)は、いずれも疾患状態において重要であるような、転写、細胞周期の進行、およびアポトーシスに関与する多くの重要な調節タンパク質の代謝回転において中心的な役割を担っている。例えば、King他、Science 274:1652(1996);Vorhees他、Clin.Cancer Res.9:6316(2003);Adams他、Nat.Rev.Cancer 4:349(2004)を参照されたい。したがって、ユビキチン活性化酵素を標的とすることにより、細胞分裂および細胞シグナル伝達の統合性を維持するために重要な種々の生化学的経路を干渉する、特有の機会が提供される。Uba6などのユビキチン活性化酵素は、ユビキチン結合経路の最初のステップで機能する。それゆえに、Uba6酵素の阻害により、ユビキチン修飾による下流の生物学的結果が特異的に調節されるはずである。そのため、このような活性化酵素の阻害、およびその結果であるユビキチン結合の下流への影響の阻害は、細胞分裂、細胞シグナル伝達、および疾患メカニズムにとって重要である細胞生理機能のいくつかの局面を干渉する方法を意味している。それゆえに、Uba6などのユビキチン活性化酵素は、多様な細胞機能の制御因子として、種々の疾患および障害(すなわち、「ユビキチン関連障害」)の治療のための新規なアプローチを同定するための潜在的に重要な治療標的である。 少なくともある実施形態においては、本明細書に記載のUba6および/またはE2Z(本明細書ではUse1ともいう)の調節剤を、癌などの細胞増殖性障害の治療に用いることができる。腫瘍形成におけるUPP経路の役割は、潜在的な抗癌治療としてのプロテアソーム阻害研究のきっかけとなった。例えば、VELCADE(登録商標)による26Sプロテアソームの阻害によってUPP経路を調節することは、ある種の癌において効果的な治療であることが示されており、再発性多発性骨髄腫および不応性多発性骨髄腫の治療法として認可されている。 そのレベルがUPP経路によって制御されるタンパク質の例には、CDKインヒビターp27Kip1およびNFκBのインヒビターであるIκBが含まれる。Podust他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:4579(2000);Read他、Mol.Cell Biol.20:2326(2000)、を参照されたい。p27の分解を阻害することにより、細胞周期のG1期およびS期を経由して細胞が進行することを阻止することができる。IκBの分解を干渉することにより、NF−κBの核局在化、悪性表現型に関連した種々のNF−κB依存性遺伝子の転写、および標準的な細胞毒性治療に対する抵抗性を阻止することができる。NF−κBは、多くの炎症促進性メディエーターの発現において重要な役割を担っており、これは、炎症性障害におけるそのようなインヒビターの役割を示唆するものである。したがって、UPPの阻害は、関節リウマチ、喘息、多発性硬化症、乾癬、および再灌流障害などを含む炎症性障害の治療に有用である。 UPPの阻害は、例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病、トリプレットリピート病を含む神経変性障害;神経因性疼痛;脳卒中、梗塞、腎障害などの虚血性障害;および悪液質などの障害の治療にも有用である。例えば、Elliott and Ross Am.J.Clin.Pathol.116:637(2001);Elliott他、J.Mol.Med.81:235(2003);Tarlac and Storey J.Neurosci.Res.74:406(2003);Mori他、Neuropath.Appl.Neurobiol.31:53(2005);Manning Curr.Pain Headache Rep.8:192(2004);Dawson and Dawson Science 302:819(2003);Kukan Physiol.Pharmacol.55:3(2004);Wojcik and DiNapoli Stroke 35:1506(2004);Lazarus他、Am.J.Physiol.27:E332(1999)、を参照されたい。 細胞増殖性障害の治療には、急速増殖を含む、増殖の阻害が含まれることを意図している。本明細書で用いる「細胞増殖性障害」という用語には、多細胞生物における1つまたは複数の細胞サブセットの、望ましくないまたは不適切な増殖を特徴とする障害が含まれる。「癌」という用語は、様々な種類の悪性新生物を意味し、そのほとんどは、周囲組織に浸潤することができ、別の部位へ転移する可能性がある(例えば、PDR Medical Dictionary 1st edition(1995)、を参照されたい)。「新生物」および「腫瘍」という用語は、細胞増殖によって正常組織よりも急速に成長し、増殖を開始させた刺激が除去された後も成長を続ける異常組織を意味する(例えば、PDR Medical Dictionary 1st edition(1995)、を参照されたい)。そのような異常組織は、良性(すなわち、良性腫瘍)であっても悪性(すなわち、悪性腫瘍)であってもよいが、構造的な構成および正常組織との機能的な協調の、部分的にまたは完全な欠落を示す。 「細胞増殖性障害の治療」という言葉には、患者における新生物の増殖を防止すること、または患者に既に存在する癌の増殖を低減することが含まれることを意図している。阻害は、1つの部位から別の部位への癌の転移の阻害であってもよい。 ある実施形態においては、癌は固形腫瘍である。本発明の方法で治療することができる固形腫瘍の限定されない例には、膵臓癌;膀胱癌;結腸直腸癌;転移性乳癌を含む乳癌;アンドロゲン依存性前立腺癌およびアンドロゲン非依存性前立腺癌を含む前立腺癌;例えば、転移性腎細胞癌腫を含む腎臓癌;肝細胞癌;例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)、細気管支肺胞癌腫(BAC)、および肺腺癌を含む肺癌;例えば、進行性上皮癌または原発性腹膜癌を含む卵巣癌;子宮頚癌;胃癌;食道癌;例えば、頭頚部の扁平細胞癌腫を含む頭頚部癌;メラノーマ;転移性神経内分泌腫瘍を含む神経内分泌癌;例えば、神経膠腫、退形成性乏突起神経膠腫、成人多形膠芽腫、および成人退形成性星状細胞腫を含む脳腫瘍;骨癌;ならびに軟部肉腫などが含まれる。 他のある実施形態においては、癌は、血液系悪性腫瘍である。血液系悪性腫瘍の限定されない例には、急性骨髄性白血病(AML);移行期CMLおよびCML急性転化期(CML−BP)を含む慢性骨髄性白血病(CML);急性リンパ性白血病(ALL);慢性リンパ性白血病(CLL);ホジキン病(HD);濾胞性リンパ腫およびマントル細胞リンパ腫を含む非ホジキンリンパ腫(NHL);B細胞リンパ腫;T細胞リンパ腫;多発性骨髄腫(MM);ワルデンシュトレームマクログロブリン血症;不応性貧血(RA)、環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)、芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB)、および移行期のRAEB(RAEB−T)を含む骨髄異形成症候群(MDS);ならびに骨髄増殖性症候群などが含まれる。 細胞増殖性障害としては、さらに、アテローム性動脈硬化症および再狭窄を例とする増殖性心血管障害などの、血管平滑筋細胞の過剰増殖に伴う障害を挙げることができる。細胞増殖性障害には、例えば、X染色体性魚鱗癬、乾癬、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、表皮解離性角質増殖症、および脂漏性皮膚炎などの増殖性皮膚障害などの障害も含まれる場合がある。細胞増殖性障害には、さらに、常染色体優性嚢胞腎疾患(ADPKD)、肥満細胞症、およびウイルスなどの感染性病原体に起因する細胞増殖性障害などの障害が含まれる場合がある。医薬化合物 本発明の化合物は、1種または複数種のユビキチン活性化酵素活性の阻害剤を含む。特に、この化合物は、1つまたは複数のUba6活性(例えば、ユビキチン活性化;ユビキチン−アデニル酸中間体の形成;ユビキチンのチオールエステル化;1種または複数種のユビキチン結合酵素(例えば、E2)へのユビキチン転移;および/または、1種または複数種の標的ポリペプチド(例えば、ユビキチン、E2、標的ポリペプチドおよび/またはタンパク質など)のユビキチン化)、および/または、1種または複数種のE2Z活性(例えば、ユビキチン活性化;ユビキチン−アデニル酸中間体の形成;ユビキチンのチオールエステル化;1種または複数種のユビキチン−タンパク質リガーゼ(例えば、E3)へのユビキチン転移;および/または、1種または複数種の標的ポリペプチド(例えば、ユビキチン、E3、標的ポリペプチドおよび/またはタンパク質など)のユビキチン化)の阻害剤として設計される。 阻害剤としては、これらに限定されないが、標的タンパク質へのユビキチンの結合を促進するE1酵素の効果を調節(例えば、低下)する(例えば、ユビキチン活性化を低下、および/またはユE2へのビキチン転移を促進する)化合物が挙げられる。阻害剤としては、さらに、これらに限定されないが、標的タンパク質へのユビキチン結合を促進するE2Z酵素の効果を調節(例えば、低下)する(例えば、ユビキチン活性化を低下、および/またはE3へのユビキチン転移を促進する)化合物も挙げられる。したがって、本発明の化合物は、Uba6酵素および/またはE2Z酵素をインビトロまたはインビボ(例えば、細胞またはモデル動物内で)で阻害する能力について、本明細書でさらに詳細に述べる方法または当該技術分野で周知の方法に従って分析されてもよい。この化合物は、Uba6酵素および/またはE2Z酵素と結合能力、またはその活性を媒介する能力について直接評価することができる。または、化合物の活性は、間接的な細胞アッセイ、またはUba6阻害による下流効果の阻害を評価するためにUba6および/またはE2Z活性化の下流効果のアッセイによって評価することができる。例えば、活性の評価は、ユビキチンが結合した基質(例えば、ユビキチンが結合したE2、ユビキチンが結合したE3、ユビキチン化基質など)の検出;下流タンパク質基質の安定化の検出;UPP活性の阻害の検出などによって行うことができる。活性を評価するためのアッセイは、本明細書においてさらに説明され、および/または当該技術分野において周知である。 本発明の一実施形態は、本明細書で述べる化合物、またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含む組成物に関する。本発明の化合物は、官能基を誘導体化して、インビボで転換して親化合物へ戻ることができるプロドラッグ誘導体を提供することができることは理解されるであろう。そのようなプロドラッグの例には、化合物のヒドロキシル基または化合物のアミノ基から誘導されるカルバモイル部分から誘導されるメトキシメチルエステル、メチルチオメチルエステル、またはピバロイルオキシメチルエステルなど、生理学的に許容され、代謝的に不安定なエステル誘導体が含まれる。さらに、この代謝的に不安定なエステルまたはカルバメートと類似の、本明細書で述べる親化合物をインビボで生成することが可能な、生理学的に許容される本発明の化合物の同等物も、本発明の範囲内である。 本発明の化合物の薬学的に許容される塩をこれらの組成物に用いる場合、塩は、無機または有機の酸および塩基から誘導することができる。適切な塩についての総説は、例えば、Berge 他、J.Pharm.Sci.66:1(1977);および、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.、ed.A.Gennaro,Lippincott Williams & Wilkins,2000を参照されたい。 本明細書で用いる「薬学的に許容される担体」という用語は、これらに限定されないが、哺乳類(例えば、ヒト)などの対象レシピエントに対して適合性があり、活性薬剤を、その薬剤の活性を失うことなく標的部位へ送達するのに適した物質を含むことを意図している。担体に付随する毒性または有害な影響は、もし存在する場合は、活性薬剤の意図する使用に対する妥当なリスク対効果比に相応するものであることが好ましい。 本発明の医薬組成物は、従来の造粒法、混合法、溶解法、カプセル化法、凍結乾燥法、または乳化のプロセスなど、当該技術分野で周知の方法によって製造することができる。組成物としては、様々な形状に製造することができ、顆粒、沈殿物、または粒子、フリーズドライ、ロータリードライ、もしくはスプレードライされた粉末を含む粉末、無定形粉末、錠剤、カプセル、シロップ、坐薬、注射液、エマルジョン、エリキシル剤、懸濁液、または溶液が挙げられる。製剤は、任意に、安定化剤、pH調節剤、界面活性剤、可溶化剤、生物学的利用能調節剤(bioavailability modifier)、およびこれらの組み合わせを含んでもよい。 医薬製剤は、これらに限定されないが、油、水、アルコール、およびこれらの組み合わせなどの液体を用いて、懸濁液または溶液として調製してもよい。シクロデキストリンなどの可溶化剤を含んでいてもよい。薬学的に適切な界面活性剤、懸濁化剤、または乳化剤を、経口投与用製剤または非経口投与用製剤に添加してもよい。懸濁液は、例えば、ピーナッツ油、ゴマ油、綿実油、コーン油、およびオリーブ油などの油を含んでいてもよい。懸濁製剤はまた、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、脂肪酸グリセリド、およびアセチル化脂肪酸グリセリドなどの脂肪酸のエステルも含んでいてもよい。懸濁製剤は、これらに限定されないが、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサデシルアルコール、グリセロール、およびプロピレングリコールなどのアルコールを含んでいてもよい。これに限定されないが、ポリ(エチレングリコール)を含むエーテル、鉱物油および石油などの石油炭化水素;ならびに水も、懸濁製剤に用いてもよい。 これらの組成物に用いることができる薬学的に許容される担体としては、これらに限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩および炭酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、硫酸プロタミンなどの塩または電解質、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂が挙げられる。 ある実施形態によると、本発明の組成物は、ヒトなどの哺乳類への医薬投与用に製剤される。そのような医薬組成物は、経口、非経口、吸入スプレー、局所、直腸内、鼻腔内、口内、膣内、またはインプラントリザーバー(implanted reservoir)により投与してもよい。本明細書で用いる「非経口」という用語は、これらに限定されないが、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、髄膜内、肝内、病変内、および頭蓋内への注射技術または輸液技術を含む。ある態様においては、組成物は、経口、静脈内、または皮下投与される。本発明の製剤は、短時間作用性、即効性、または長時間作用性となるように設計してもよい。さらに、化合物は、全身的手段ではなく、腫瘍部位への投与(例えば、注射による)のように局所的に投与することができる。 本明細書に記載される組成物の滅菌注射用形態は、水性の懸濁液であっても、油性の懸濁液であってよい。このような懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤、および懸濁化剤を用いて、当該技術分野で周知の技術に従って製剤することができる。滅菌注射用製剤は、例えば1,3−ブタンジオール溶液など、無毒性の非経口的に許容される希釈剤もしくは溶媒中の滅菌注射溶液または滅菌注射懸濁液であってもよい。用いることができる許容される媒体および溶媒の中には、水、リンゲル液、および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌固定油が、溶媒または懸濁媒体として通常用いられている。この目的のためには、合成モノ−グリセリドまたは合成ジ−グリセリドを含むいずれの無菌性固定油を用いてもよい。オレイン酸などの脂肪酸およびそのグリセリド誘導体は、注射液の調製に有用であり、オリーブ油またはヒマシ油などの天然の薬学的に許容される油、特にそのポリオキシエチル化型のものも有用である。このような油性溶液または懸濁液はまた、カルボキシメチルセルロースなどの長鎖アルコール希釈剤もしくは分散剤、またはエマルジョンおよび懸濁液を含む薬学的に許容される剤形の製剤に一般的に用いられる類似の分散剤を含んでいてもよい。Tweensなどのその他の一般的に用いられる界面活性剤、および薬学的に許容される固形、液体、またはその他の剤形の製造に一般的に用いられるその他の乳化剤または生物学的利用能調節剤もまた、製剤の目的のために用いてもよい。化合物は、ボーラス注射または持続輸液など、注射による非経口投与用として製剤してもよい。注射用単位投与剤形は、アンプルの形態であっても、複数投与用容器の形態であってもよい。 医薬組成物は、これらに限定されないが、カプセル、錠剤、水性懸濁液、または溶液を含む、いずれの経口的に許容される剤形によっても経口投与することができる。経口用の錠剤の場合、一般的に用いられる担体としては、ラクトースおよびコーンスターチが挙げられる。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も、通常添加される。カプセル形態での経口投与の場合、有用な希釈剤としては、ラクトースおよび乾燥コーンスターチが挙げられる。経口用に水性懸濁液が必要である場合は、活性成分は乳化剤および懸濁化剤と組み合わされる。所望により、特定の甘味料、香味料、または着色料を添加してもよい。 あるいは、医薬組成物は、直腸内投与のための坐薬の形で投与してもよい。これらは、室温では固体だが直腸内温度では液体であり、したがって、直腸内で融解して薬物を放出することになる適切な非刺激性賦形剤と薬剤とを混合することによって調製してもよい。そのような物質としては、ココアバター、蜜蝋、およびポリエチレングリコールが挙げられる。 本発明の医薬組成物は、特に、治療の標的が、眼、皮膚、または下部腸管の疾患を含む、局所投与によって容易に到達可能である領域または臓器を含む場合は、局所投与をしてもよい。適切な局所投与製剤は、これらの領域または臓器の各々に対して容易に調製される。 下部腸管への局所投与は、直腸坐薬製剤(上記参照)、または適切な浣腸製剤で行ってもよい。局所経皮性パッチを用いてもよい。局所投与には、医薬組成物は、1種または複数種の担体に懸濁または溶解された活性成分を含有する適切な軟膏として製剤してもよい。本明細書に記載される化合物の局所投与のための担体としては、これらに限定されないが、鉱油、液体石油、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックス、および水が挙げられる。あるいは、医薬組成物は、1種または複数種の薬学的に許容される担体に懸濁または溶解された活性成分を含有する、適切なローションまたはクリームとして製剤してもよい。適切な担体としては、これらに限定されないが、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水が挙げられる。 点眼用の場合、医薬組成物は、等張性でpHを調節した滅菌食塩水中に微粒子化懸濁液として、または、好ましくは、等張性でpHを調節した滅菌食塩水中の溶液として、塩化ベンジルアルコニウム(benzylalkonium chloride)などの保存剤を含んで、または含まずに、製剤してもよい。あるいは、点眼用の場合、医薬組成物は、ワセリンなどの軟膏として製剤してもよい。 医薬組成物はまた、鼻エアロゾルまたは鼻吸入によって投与してもよい。そのような組成物は、医薬製剤の技術分野で周知の技術に従って調製され、ベンジルアルコールまたはその他の適切な保存剤、生物学的利用能を向上させる吸収促進剤、フッ化炭素、および/またはその他の従来の可溶化剤もしくは分散剤を用いて、食塩水溶液として調製してもよい。 本明細書に記載される医薬組成物は、特に、本明細書に記載される障害(例えば、癌などの増殖性障害、炎症性障害、神経変性障害)に関する治療用途に有用である。ある実施形態においては、この組成物は、治療中の関連障害が再発しているか、または再発を起こすリスクを有するか、または再発中の患者に投与するために製剤される。本明細書で用いる「患者」という用語は、例えばヒトなどの哺乳類をなどの動物を意味することを意図している。ある実施形態においては、本明細書に記載される医薬組成物は、さらに、別の治療薬を含んでいてもよい。この治療薬は、治療中の障害、疾患、または状態を有する患者に通常投与されるものとすることができる。 「治療効果量」とは、単一用量または複数用量の投与によって、1つまたは複数のUba6酵素の活性の検出可能な低下、および/または、1つまたは複数の治療中の障害または疾患状態の重症度の検出可能な軽減を引き起こすのに十分である、化合物または組成物の量を意味する。「治療効果量」はまた、細胞の治療、治療中の障害もしくは疾患状態の進行の遅延または予防(例えば、癌のさらなる腫瘍増殖の予防、さらなる炎症反応の予防)、対象の障害の症状の、そのような治療を行わない場合に期待されるもの以上の、寛解、緩和、軽減、または改善を行うのに十分な量を含むことも意図している。 必要とするUba6酵素調節剤(例えば、阻害剤)の量は、所与の組成物の特定の化合物、治療中の障害の種類、投与経路、およびその障害の治療に要する時間の長さに応じて異なる。化合物の治療効果量(すなわち、効果用量)は、体重に対して、約0.001〜30mg/kg、約0.01〜25mg/kg、約0.1〜20mg/kg、約1〜10mg/kg、2〜9mg/kg、3〜8mg/kg、4〜7mg/kg、または5〜6mg/kgの範囲とすることができる。いずれの特定の患者に対しても、具体的な用量および治療レジメンは、使用される具体的な化合物の活性、患者の年齢、体重、一般的健康状態、性別、および食事、投与の時間、排出速度、薬物の組み合わせ、治療を行う医師の判断、ならびに治療中の特定の疾患の重症度を含む種々の要因に依存することになることもまた理解されるべきである。別の薬剤と組み合わせて阻害剤が投与されるある態様においては、組成物中に存在する追加の治療薬の量は、通常は、その治療薬を唯一の活性薬剤として含む組成物として通常投与される量以下となる。ある態様においては、追加の治療薬の量は、その治療薬を唯一の治療活性薬剤として含む組成物中に通常存在する量の約50%〜約100%の範囲となる。 本発明の一実施形態は、試料中の1つまたは複数のUba6酵素活性を調節(例えば、阻害)または低下する方法に関し、その方法は、試料を1種または複数種の本明細書に記載される化合物および/または組成物と接触させることを含む。試料としては、これらに限定されないが、精製されたもしくは部分的に精製されたUba6酵素、培養細胞もしくは細胞培養物の抽出物、哺乳類から採取した生検細胞もしくは液体、またはその抽出物、および1つまたは複数の体液(例えば、血液、血清、唾液、尿、糞便、精液、涙、および母乳など)またはその抽出物を挙げることができる。試料中の1つまたは複数のUba6酵素活性の阻害は、インビトロ、インビボ、またはインサイチュー(in situ)で行ってもよい。 別の実施形態は、本明細書で述べる1つまたは複数のユビキチン関連障害を持つ患者、本明細書で述べる1つまたは複数のユビキチン関連障害の1つまたは複数の症状を持つ患者、および/または、本明細書で述べる1つまたは複数のユビキチン関連障害の再発のリスクを有するか、または再発中の患者を治療する方法である。そのような方法は、本明細書で述べる1種または複数種の化合物および/または医薬組成物を患者へ投与することを含む。本明細書で用いる「治療する」という用語は、これらに限定されないが、障害、障害の1つまたは複数の症状、または障害に対する素因を治療する、治癒する、緩和する、軽減する、変化させる、回復させる、寛解する、和らげる、改善する、または影響を与えることを含むことを意図している。 治療を受ける特定の障害または状態に応じて、1種または複数種のUba6酵素阻害剤が、1種または複数種の追加の治療薬と組み合わせて投与される。ある実施形態においては、追加の治療薬は、治療中の障害または状態を有する患者に対して通常投与されるものである。1種または複数種のUba6阻害剤を、単一の剤形、または別々の剤形で、他の治療薬と共に投与してもよい。別々の剤形として投与する場合は、他の治療薬は、1種または複数種のUba6阻害剤の投与の前に投与しても、同時に投与しても、後に続けて投与してもよい。 ある実施形態においては、1種または複数種のUba6阻害剤は、増殖性障害および癌の治療に適した、細胞傷害剤を含むがこれらに限定されない1種または複数種の治療薬、放射線療法、および免疫療法と組み合わせて投与される。1種または複数種のUba6阻害剤と組み合わせての使用に適した細胞傷害剤の限定されない例には、代謝拮抗物質(例えば、カペシタビン、ゲムシタビン、5−フルオロウラシルまたは5−フルオロウラシル/ロイコボリン、フルダラビン、シタラビン、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン、およびメトトレキサート);トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシド、テニポシド、カンプトテシン、トポテカン、イリノテカン、ドキソルビシン、およびダウノルビシン);ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチンおよびビンブラスチン;例えば、パクリタキセルおよびドセタキセルを含むタキサン);白金薬剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、およびオキサリプラチン);抗生物質(例えば、アクチノマイシンD、ブレオマイシン、マイトマイシンC、アドリアマイシン、ダウノルビシン、イダルビシン、ドキソルビシン、およびペグ化リポソームドキソルビシン);アルキル化剤(例えば、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、チオテパ、イホスファミド、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン、デカルバジン、およびシクロホスファミド);タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、メシル酸イマチニブ、およびゲフィチニブ);プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、サリドマイド、および関連する類似体);抗体(例えば、トラスツズマブ、リツキシマブ、セツキシマブ、およびベバシズマブ);ミトキサントロン;デキサメタゾン;プレドニゾン;およびテモゾロミドなどが含まれる。 1種または複数種のUba6阻害剤と組み合わせることができる薬剤のその他の例には、抗炎症薬(例えば、副腎皮質ステロイド、TNF遮断薬、Il−1RA、アザチオプリン、シクロホスファミド、およびスルファサラジン);免疫調節剤および/または免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、インターフェロン、副腎皮質ステロイド、シクロホスファミド、アザチオプリン、メトトレキサート、およびスルファサラジン);抗菌薬および抗ウイルス薬;ならびにアルツハイマー病治療のための薬剤(例えば、ドネペジル、ガランタミン、メマンチン、およびリバスチグミン)が含まれる。スクリーニングアッセイ 本発明は、調節剤、すなわち、1種または複数種のUba6酵素と結合するか、またはUba6の発現もしくは1種または複数種のUba6活性に対して刺激効果または阻害効果を有する候補化合物もしくは候補薬剤または試験化合物もしくは試験薬剤(例えば、ペプチド、環状ペプチド、ペプチド模倣剤、小分子、有機小分子、またはその他の薬物)を同定するための方法(本明細書では、「スクリーニングアッセイ」ともいう)を提供する。 本明細書で用いる用語「有機小分子」は、分子量が約25ダルトンより大きく、約3000ダルトン未満、好ましくは約2500ダルトン未満、より好ましくは約2000ダルトン未満であり、好ましくは約100〜約1000ダルトンの間であり、より好ましくは約200〜約500ダルトンの間である、天然または合成の有機分子を意味する。 一実施形態では、Uba6、Uba6ポリペプチドもしくはその生物活性部分、E2Z、またはE2Zポリペプチドもしくはその生物活性部分と、結合もしくはその活性を調節する、候補化合物または試験化合物をスクリーニングするためのアッセイを提供する。試験化合物は、当該技術分野で周知のコンビナトリアルライブラリー法における数多くの手法のいずれを用いても得ることができ、コンビナトリアルライブラリー法としては、生物学的ライブラリー;空間的に処アドレス可能な並列固相ライブラリーもしくは並列液相ライブラリー;デコンボリューションを要する合成ライブラリー法;「1ビーズ1化合物(one−bead one−compound)」ライブラリー法;およびアフィニティクロマトグラフィによる選択を用いる合成ライブラリー法が挙げられる。生物学的ライブラリーによる手法は、ペプチドライブラリーに限定されるが、一方、他の4種類の手法は、化合物のペプチド、非ペプチドオリゴマー、または小分子ライブラリーに適用可能である(Lam,K.S.、Anticancer Drug Des.12:145(1997))。 分子ライブラリーの合成法の例は、当該技術分野において、例えば、DeWitt他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6909(1993);Erb他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:11422(1994);Zuckermann他、J.Med.Chem.37:2678(1994);Cho他、Science 261:1303(1993);Carrell他、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.33:2059(1994);Carell他、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.33:2061(1994);およびGallop他、J.Med.Chem.37:1233(1994)を参照のこと。 化合物のライブラリーは、溶液中(例えば、Houghten、Biotechniques 13:412(1992))、またはビーズ上(Lam、Nature 354:82(1991))、チップ(Fodor、Nature 364:555(1993))、細菌(Ladner、米国特許第5,223,409号)、胞子(Ladner、米国特許第5,223,409号)、プラスミド(Cull他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1865(1992))、またはファージ上(Scott and Smith、Science 249:386(1990);Devlin、Science 249:404(1990);Cwirla他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:6378(1990);Felici、J.Mol.Biol.222:301(199I);Ladner、前述)で提示することができる。 ランダム化核酸の分子ライブラリーを細胞集団へ導入する方法の例には、当該技術分野の、例えば、米国特許第6,365,344号を参照のこと。ランダム化核酸の分子ライブラリーにより、所望の表現型効果を有する候補化合物または試験化合物の直接選定することが可能となる。一般的な方法には、例えば、複数の細胞内にて、各々の核酸が異なるヌクレオチド配列を有するランダム化核酸の分子ライブラリーを発現させること、細胞内の候補化合物または試験化合物の存在に反応して生理機能の変化を図に示した細胞のスクリーニングを行うこと、ならびに細胞および/または候補化合物もしくは試験化合物を検出して単離することが含まれることがある。 一実施形態では、導入された核酸はランダム化され、単離されたランダム化発現産物のライブラリーとして細胞内で発現される。ランダム化発現産物は、mRNA、RNAi試薬、アンチセンスRNA、siRNA、リボザイム成分などの核酸、またはペプチド(例えば、環状ペプチド)であってもよい。例えば、RNAi試薬には、これらに限定されないが、Uba6のコード配列(例えば、ヒトUba6(配列番号5)のシステイン625領域に対応する核酸配列(例えば、触媒性システインドメイン);ヒトUba6(配列番号5)のアミノ酸947〜1052に対応する核酸配列(例えば、C末端ユビキチン様(Ubl)ドメイン);アデニル化ドメイン;および/または1つまたは複数のThiFドメイン)に対応する二本鎖もしくはヘアピン配列が含まれる。ライブラリーは、所望の反応を示す1つまたは複数の細胞を提供するのに確率的に十分である範囲の細胞反応を引き起こすのに十分なほど、構造的に多様なランダム化発現産物の集団を提供するだろう。 導入された核酸、および得られた発現産物はランダム化されており、これは、核酸およびペプチドの各々が、それぞれ、実質的にランダムなヌクレオチドおよびアミノ酸から成っていることを意味する。ライブラリーは、完全にランダムであっても、または、例えば、全体的にもしくは位置毎に、ヌクレオチド/残基の頻度に偏りがあってもよい。他の実施形態においては、ヌクレオチドまたは残基は、例えば、疎水性アミノ酸、プリンなどの所定のクラス内でランダム化される。 ランダム化発現産物の機能的および構造的な単離は、遊離の(すなわち、共有結合していない)発現産物を提供することによって行ってもよい。しかし、場合によっては、発現産物は、官能基または融合パートナー、好ましくは異種の(宿主細胞に対して)もしくは合成の(どの細胞由来でもない)官能基または融合パートナーと結合してもよい。基またはパートナーの例には、これらに限定されないが、ゴルジ、小胞体、核小体、核、核膜、ミトコンドリア、葉緑体、分泌小胞、およびリソソームなどの所定の細胞内部位へ発現産物を恒常的に局在化させることができるシグナル配列;発現産物の生物活性を維持したまま発現産物を所定のタンパク質へ結合させることができる結合配列;それ自体のまたは共結合したタンパク質の選択的な分解のシグナル伝達を行う配列;ならびに分泌シグナルおよび膜アンカーシグナルが含まれる。 ランダム化発現産物を立体構造的に制限して、細胞が利用可能な立体構造の数をより特異的に定めるパートナーを提供することが望ましい場合もある。例えば、そのようなパートナーは、合成提示構造;細胞内でランダム化ペプチドを立体構造制限ドメインとして提示可能である人工ポリペプチドであってよい。一般に、そのような提示構造には、ランダム化ペプチドのN末端部に連結した第一の部分、および該ペプチドのC末端部に連結した第二の部分を含まれる。提示構造の例には、例えばコイルドコイルなどの外部ループ上にペプチドを提示することによって、ペプチドへの接触性を最大化する(Myszka and Chaiken、Biochemistry 33:2362(1994))。ランダム化発現産物の機能的単離を向上するため、提示構造は、標的細胞中で発現される生物活性が最小となるように選択または設計される。さらに、提示構造は、修飾、ランダム化、および/または成熟させて、ランダム化発現産物の提示配向性を変化させてもよい。例えば、ループの基部の決定基を修飾して、絶対的アミノ酸同一性は維持したまま、内部ループペプチドの三次構造を僅かに修飾してもよい。その他の提示構造には、ジンクフィンガードメイン、重要でない残基がランダム化されているβシートターン上のループおよびコイルドコイルステム構造;システインブリッジ、環状ペプチドなどによって連結されたループ構造が含まれる。 一実施形態では、アッセイは細胞に基づくアッセイであり、Uba6タンパク質またはその生物活性部分を発現する細胞を試験化合物と接触させ、試験化合物が、例えば、ユビキチン活性化;ユビキチン−アデニル酸中間体の形成;ユビキチンのチオールエステル化;1または複数のユビキチン結合酵素(例えば、E2)へのユビキチン転移;および/または、1または複数の標的ポリペプチドのユビキチン化など、1または複数のUba6活性を調節する能力について測定する。別の実施形態では、アッセイは細胞に基づくアッセイであり、E2Zタンパク質またはその生物活性部分を発現する細胞を試験化合物と接触させ、例えば、ユビキチン活性化;ユビキチン−アデニル酸中間体の形成;ユビキチンのチオールエステル化;1または複数のユビキチン−タンパク質リガーゼ(例えば、E3)へのユビキチン転移;および/または、1または複数の標的ポリペプチドのユビキチン化など、1または複数のE2Z活性を調節する試験化合物の能力について測定する。 試験化合物が1または複数のUba6活性、および/または1または複数のE2Z活性を調節する能力の測定は、例えば、本明細書で述べる1または複数のアッセイを用いて、例えば、ユビキチン活性化、ユビキチン−アデニル酸中間体の形成、ユビキチンのチオールエステル化、1または複数のユビキチン結合酵素へのユビキチン転移、1または複数のユビキチン−タンパク質リガーゼへのユビキチン転移、および/または、1または複数の標的ポリペプチドまたは標的ポリペプチドのユビキチン化などをモニタリングすることによって行うことができる。 試験化合物がUba6および/またはE2Zの1または複数の活性を調節する能力の測定は、例えば、Uba6もしくはUba6基質(例えば、ユビキチン、E2、および/または標的ポリペプチドもしくは標的タンパク質)、および/またはE2ZもしくはE2Z基質(例えば、ユビキチン、E3、および/または標的ポリペプチドもしくは標的タンパク質)を放射性同位体または酵素標識と結合させ、Uba6、Uba6基質、E2Z、および/またはE2Z基質の変化(例えば、SDS−PAGEゲル上の移動度の変化)を検出することによって、Uba6、Uba6基質、E2Z、および/またはE2Z基質の変化(例えば、ユビキチン化、チオールエステル化、もしくはユビキチンアデニル化などによる)を測定することによって行うことができる。例えば、125I、35S、14C、または3Hによって直接または間接的に化合物を標識することができ、放射線放出の直接測定またはシンチレーション測定によって放射性同位元素を検出することができる。あるいは、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、またはルシフェラーゼで化合物を酵素標識し、適切な基質の生成物への変換を測定することによって、その酵素標識を検出することができる。 化合物がUba6および/またはE2Zと相互作用を起こす能力を、いずれの相互作用物も標識せずに測定することも、本発明の範囲内である。例えば、マイクロフィジオメーター(microphysiometer)を用いて、化合物、またはUba6および/またはE2Zのいずれも標識せずに、化合物とUba6および/またはE2Zとの相互作用を検出することができる(McConnell,H.M.他、Science 257:1906(1992))。本明細書で用いる「マイクロフィジオメーター」(例えば、Cytosensor(商品名))とは、光アドレス可能な電位鎖測定センサー(light−addressable potentiometric sensor)(LAPS)を用いて、細胞がその環境を酸性化する速度を測定する分析機器である。この酸性化速度の変化は、化合物とUba6および/またはE2Zとの相互作用の指標として用いることができる。 別の実施形態では、アッセイは細胞に基づくアッセイであり、Uba6および/またはE2Zを発現する(例えば、ユビキチン、E2、E3、標的ポリペプチドまたは標的タンパク質を発現する)細胞を試験化合物と接触させること、ならびに、試験化合物が、Uba6、Uba6標的分子、E2Z、および/またはE2Z標的分子の活性を調節(例えば、刺激もしくは阻害)する能力を測定することが含まれる。試験化合物が、Uba6、Uba6標的分子、E2Z、および/またはE2Z標的分子の活性を調節する能力の測定は、例えば、Uba6および/またはE2Zが結合してユビキチン活性化を調節する能力を測定することによって行うことができる。 Uba6および/またはE2Zがユビキチン活性化を調節する能力の測定は、直接結合を測定する前述の方法の1つによって行うことができる。例示的な実施形態では、Uba6および/またはE2Zがユビキチン活性化を調節する能力の測定は、例えば、ユビキチン活性化;ユビキチン−アデニル酸中間体の形成;ユビキチンのチオールエステル化;1または複数のユビキチン結合酵素(例えば、E2)へのユビキチン転移;1または複数のユビキチン−タンパク質リガーゼ(例えば、E3)へのユビキチン転移;および/または、1または複数の標的ポリペプチド(例えば、ユビキチン、E2、E3、または、標的ポリペプチドおよび/または標的タンパク質など)のユビキチン化など、1または複数のUba6活性および/またはE2Z活性を検出することによって行うことができる。 さらに別の実施形態では、本発明のアッセイは細胞を用いないアッセイであり、Uba6および/またはE2Zを試験化合物と接触させ、試験化合物がUba6および/またはE2Z、またはUba6および/またはE2Zの生物活性部分と結合する能力が測定される。本発明のアッセイに用いられるUba6の生物活性部分には、これらに限定されないが、ThiFドメイン(例えば、ThiFドメイン1に対して配列番号5のアミノ酸50〜200、ThiFドメイン2に対して配列番号5のアミノ酸460〜600)、触媒性システインドメイン(例えば、配列番号5のシステイン625を含むアミノ酸配列)、アデニル化ドメイン(配列番号5のアミノ酸1〜610)、およびC末端ユビキチン様(Ubl)ドメイン(例えば、配列番号5のアミノ酸947〜1052)などが含まれる。試験化合物のUba6および/またはE2Zへの結合は、前述のように、直接または間接的に測定することができる。例示的な実施形態では、このアッセイは、Uba6および/またはE2Z、またはUba6および/またはE2Zの生物活性部分を、Uba6および/またはE2Zと結合する既知の化合物と接触させてアッセイ混合物を形成すること、このアッセイ混合物を試験化合物と接触させること、ならびに試験化合物がUba6および/またはE2Zと相互作用を起こす能力を測定することを含み、ここで、Uba6および/またはE2Zと相互作用を起こす試験化合物の能力の測定には、試験化合物が、既知の化合物と比較して、Uba6および/またはE2Z、またはUba6および/またはE2Zの生物活性部分と優先的に結合する能力を測定することが含まれる。 別の実施形態では、アッセイは細胞を用いないアッセイであり、Uba6および/またはE2Z、またはUba6および/またはE2Zの生物活性部分を試験化合物と接触させ、試験化合物がUba6および/またはE2Z、またはUba6および/またはE2Zの生物活性部分の活性を調節(例えば、刺激または阻害)する能力が測定される。試験化合物がUba6および/またはE2Zの活性を調節する能力の測定は、例えば、直接結合を測定する前述の方法の1つにより、Uba6および/またはE2Zが、Uba6および/またはE2Zの標的分子と結合する能力を測定することによって行うことができる。Uba6および/またはE2Zが、それぞれ、Uba6および/またはE2Zの標的分子と結合する能力の測定は、リアルタイム生体分子相互作用分析(real−time Biomolecular Interaction Analysis)(BIA)などの技術を用いて達成することもできる。(Sjolander,S.and Urbaniczky,C.、Anal.Chem.63:2338−2345(1991)、およびSzabo他、Curr.Opin.Struct.Biol.5:699−705(1995))。本明細書で用いる「BIA」とは、いずれの反応体も標識せずに、リアルタイムで生体分子特異的な相互作用を研究する技術のことである(例えば、BIAcore(商品名))。表面プラズモン共鳴(SPR)の光学現象における変化を、生物学的分子間のリアルタイムでの反応の指標として用いることができる。 さらに別の実施形態では、細胞を用いないアッセイは、Uba6および/またはE2Z、またはUba6および/またはE2Zの生物活性部分を、それぞれ、Uba6および/またはE2Zと結合する既知の化合物と接触させてアッセイ混合物を形成すること、このアッセイ混合物を試験化合物と接触させること、ならびに試験化合物がUba6および/またはE2Zと相互作用を起こす能力を測定することを含み、ここで、試験化合物がUba6および/またはE2Zと相互作用を起こす能力の測定には、Uba6および/またはE2Zの標的分子と優先的に結合するか、またはUba6および/またはE2Zの標的分子の活性(例えば、ユビキチンの活性化;ユビキチン−アデニル酸中間体の形成;ユビキチンのチオールエステル化;1または複数のユビキチン結合酵素(例えば、E2)へのユビキチン転移;1または複数のユビキチン−タンパク質リガーゼ(例えば、E3)へのユビキチン転移;および/または、1または複数の標的ポリペプチド(例えば、ユビキチン、E2、E3、または標的ポリペプチドおよび/または標的タンパク質など)のユビキチン化など)を調節する、Uba6および/またはE2Zの能力を測定することが含まれる。 前述の本発明のアッセイ方法の二つ以上の実施形態では、非複合体形態の一方もしくは両方のタンパク質から複合体形態を分離することを促進するため、およびアッセイの自動化に適合させるために、Uba6、Uba6標的分子、E2Z、および/またはE2Z標的分子のいずれかを固定化することが望ましい場合がある。試験化合物のUba6および/またはE2Zへの結合、または、候補化合物の存在下および非存在下におけるUba6および/またはE2Zと1または複数の標的分子との相互作用は、反応体を収容するのに適しているいかなる容器中でも行うことができる。そのような容器の例には、マイクロタイタープレート、試験管、およびマイクロチューブが含まれる。一実施形態では、一方または両方のタンパク質がマトリックスに結合できるようにするドメインを付加する融合タンパク質を提供することができる。例えば、グルタチオンSトランスフェラーゼ/Uba6融合タンパク質、またはグルタチオンSトランスフェラーゼ/標的融合タンパク質を、グルタチオンセファロースビーズ(Sigma、ミズーリ州、セントルイス)、またはグルタチオン誘導体化マイクロタイタープレート上に吸着させることができ、続いて、これを、試験化合物と混合し、または試験化合物と非吸着標的タンパク質もしくはUba6のいずれかと混合し、この混合物を、複合体形成をもたらす条件下(例えば、塩およびpHについての生理的条件下)でインキュベートする。インキュベーションの後、ビーズまたはマイクロタイタープレートのウェルを洗浄して結合していない成分を取り除き、ビーズの場合はマトリックスを固定化し、例えば前述のようにして、複合体を直接または間接的に測定する。あるいは、複合体をマトリックスから解離し、標準的な方法を用いて、Uba6の結合または活性レベルを測定することができる。 本発明のスクリーニングアッセイにおいては、タンパク質をマトリックス上へ固定化するその他の技術を用いることもできる。例えば、Uba6、Uba6標的分子、E2Z、および/またはE2Z標的分子を、ビオチンとアビジンまたはストレプトアビジンの結合を用いることで固定化することができる。ビオチン化したUba6および/またはE2Z、または標的分子は、ビオチン−NHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)から、当該技術分野で周知の技術(例えば、ビオチン化キット、Pierce Chemicals、イリノイ州、ロックフォード)を用いて調製することができ、ストレプトアビジンをコーティングした96ウェルプレート(Pierce社)のウェル中へ固定化することができる。あるいは、Uba6および/またはE2Z、または標的分子に対する反応性を有し、Uba6および/またはE2Zがその標的分子と結合することを阻害しない抗体を、プレートのウェルへ誘導体化し、未結合の標的、またはUba6および/またはE2Zを、抗体結合によってウェル中に捕捉することができる。そのような複合体を検出する方法としては、GST固定化複合体の検出についての前述の方法に加えて、Uba6および/またはE2Z、または、Uba6および/またはE2Zの1または複数の標的分子に対する反応性を有する抗体を用いた複合体の免疫検出、ならびにUba6および/またはE2Zと関連する酵素活性の検出に依存する酵素結合アッセイが挙げられる。 別の実施形態では、細胞を候補化合物と接触させ、細胞中でのUba6タンパク質、Uba6 mRNA、E2Zタンパク質、および/またはE2Z mRNAの発現を測定する方法によって、Uba6および/またはE2Zの発現の調節剤が同定される。候補化合物の存在下におけるUba6タンパク質、Uba6 mRNA、E2Zタンパク質、および/またはE2Z mRNAのレベルを、候補化合物の非存在下におけるUba6タンパク質、Uba6 mRNA、E2Zタンパク質、および/またはE2Z mRNAのレベルと比較する。さらに、この比較に基づいて、候補化合物は、Uba6タンパク質および/またはE2Zタンパク質の発現、および/またはUba6 mRNAおよび/またはE2Z mRNAの発現の調節剤として同定される。例えば、候補化合物の存在下におけるUba6タンパク質および/またはE2Zタンパク質の発現、および/またはUba6 mRNAおよび/またはE2Z mRNAの発現が、非存在下よりも大きい(統計的に有意に大きい)場合、この候補化合物は、それぞれ、Uba6タンパク質および/またはE2Zタンパク質の発現、および/またはUba6 mRNAおよび/またはE2Z mRNAの発現の刺激剤として同定される。あるいは、候補化合物の存在下におけるUba6タンパク質および/またはE2Zタンパク質の発現、および/またはUba6 mRNAおよび/またはE2Z mRNAの発現が、非存在下よりも小さい(統計的に有意に小さい)場合、この候補化合物は、それぞれ、Uba6タンパク質および/またはE2Zタンパク質の発現、および/またはUba6 mRNAおよび/またはE2Z mRNAの発現の阻害剤として同定される。Uba6 mRNAおよび/またはE2Z mRNAまたはタンパク質の細胞中における発現レベルは、Uba6 mRNAおよび/またはE2Z mRNAまたはタンパク質を検出するための本明細書に記載の方法によって測定することができる。 本発明のさらに別の態様では、Uba6および/またはE2Zは、ツーハイブリッドアッセイまたはスリーハイブリッドアッセイ(例えば、米国特許第5,283,317号;Zervos他、Cell 72:223−232(1993);Madura他、J.Biol.Chem.268:12046−12054(1993);Bartel他、Biotechniques 14:920−924(1993);Iwabuchi他、Oncogene 8:1693−1696(1993);および、Brent、国際公開第94/10300号、を参照されたい)における「ベイトタンパク質(bait proteins)」として用いて、他のタンパク質を同定することができる。前記他のタンパク質は、Uba6と結合するかまたは相互作用するものであり(「Uba6結合タンパク質」)、1または複数のUba6活性(例えば、ユビキチン活性化;ユビキチン−アデニル酸中間体の形成;ユビキチンのチオールエステル化;1または複数のユビキチン結合酵素(例えば、E2)へのユビキチン転移;および/または1または複数の標的ポリペプチド(例えば、ユビキチン、E2、標的ポリペプチドおよび/またはタンパク質など)のユビキチン化)に関与するものである。あるいは、そのようなUba6結合タンパク質は、Uba6阻害剤である可能性が高い。 別の実施形態では、アッセイは動物モデルに基づくアッセイであり、動物を試験化合物と接触させること、および試験化合物がUba6および/またはE2Zの発現、および/またはUba6および/またはE2Zの活性を変化させる能力を測定することを含む。動物としては、これらに限定されないが、非ヒト霊長類、ウサギ、ラット、およびマウスなどの哺乳類が挙げられる。 本発明は、さらに、前述のスクリーニングアッセイによって同定される新規な薬剤に関する。したがって、本明細書で記載の適切な動物モデルにおいて本明細書に記載のように同定された薬剤を使用することも、本発明の範囲内である。例えば、本明細書に記載のように同定された薬剤(例えば、Uba6および/またはE2Z調節剤)を動物モデルに用いて、そのような薬剤による治療の効力、毒性、または副作用を決定することができる。あるいは、本明細書に記載のように同定された薬剤を動物モデルに用いて、そのような薬剤の作用のメカニズムを決定することができる。さらに、本発明は、本明細書に記載のユビキチン関連障害(例えば、細胞増殖性障害および/または神経変性障害)の治療のための、前述のスクリーニングアッセイによって同定される新規な薬剤の使用にも関する。Uba6核酸配列およびアミノ酸配列 本発明の一態様は、Uba6タンパク質および/またはE2Zタンパク質、またはその生物活性部分をコードする単離核酸分子、ならびに、Uba6をコードする核酸分子および/またはE2Zをコードする核酸分子(例えば、それぞれ、Uba6m RNAおよび/またはE2Z mRNA)を同定するハイブリダイゼーションプローブとして用いるのに十分な核酸断片、およびUba6核酸分子の増幅または変異のためのPCRプライマーとして使用するための核酸断片に関する。本明細書で用いる「核酸分子」という用語は、これらに限定されないが、DNA分子(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)、およびRNA分子(例えば、mRNA)、およびヌクレオチド類似体を用いて生成されたDNAまたはRNAの類似体を含むことを意図している。核酸分子は、一本鎖DNAであってもよく、または二本鎖DNAであってもよい。 「単離」核酸分子は、核酸の天然源中に存在するその他の核酸分子から分離されたものである。例示的な実施形態では、「単離」核酸は、核酸が由来する生物のゲノムDNA内においては、生来その核酸に隣接している配列(すなわち、核酸の5’末端および3’末端に位置する配列)は含んでいない。例えば、種々の実施形態においては、単離Uba6核酸分子は、その核酸が由来する細胞のゲノムDNAにおいて、生来その核酸に隣接しているヌクレオチド配列を、約5kb、4kb、3kb、2kb、1kb、0.5kb、または0.1kb未満含むことができる。さらに、cDNA分子などの「単離」核酸分子は、遺伝子組換え技術によって作製された場合は、その他の細胞成分もしくは培養液を実質的に含まないことができ、または化学的に合成された場合は、化学的前駆体もしくはその他の化学物質を実質的に含まないことができる。 例えば、配列番号4もしくは配列番号6のヌクレオチド配列を有する核酸分子、またはその一部など、本発明の核酸分子は、標準的な分子生物学的技術を用いて単離することができ、その配列情報は本明細書に提供される。配列番号4もしくは配列番号6の核酸配列のすべてまたは一部をハイブリダイゼーションプローブとして用いることにより、標準的なハイブリダイゼーション技術およびクローニング技術(例えば、Sambrook,J.、Fritsh,E.F.、and Maniatis,T.、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd,ed.、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、1989に記載)を用いてUba6核酸分子を単離することができる。さらに、配列番号4もしくは配列番号6のすべてまたは一部を含む核酸分子は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、配列番号4または配列番号6の配列に基づいて設計された合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いて単離することができる。 本発明の核酸は、cDNA、mRNA、またはあるいは、ゲノムDNAをテンプレートとして用いて、標準的なPCR増幅技術に従って適切なオリゴヌクレオチドプライマーを用いることにより、増幅することができる。そのようにして増幅された核酸は、適切なベクター中へクローン化し、DNA配列分析によって特性決定することができる。さらに、Uba6および/またはE2Zヌクレオチド配列に対応するオリゴヌクレオチドは、例えば自動DNA合成機の使用など、標準的な合成技術によって作製することができる。 一実施形態では、本発明の単離核酸分子は、配列番号4もしくは配列番号6に示されるヌクレオチド配列、またはこれらいずれかのヌクレオチド配列の一部を含む。別の実施形態では、本発明の単離核酸分子は、配列番号4もしくは配列番号6に示されるヌクレオチド配列と相補的な核酸分子、またはこれらのヌクレオチド配列のいずれかの一部と相補的な核酸分子を含む。配列番号4または配列番号6に示されるヌクレオチド配列と相補的な核酸分子は、配列番号4または配列番号6に示されるヌクレオチド配列とハイブリダイズし、それによって安定な二本鎖を形成することができるような、配列番号4または配列番号6に示されるヌクレオチド配列に対して十分に相補的である核酸分子である。 さらに別の実施形態では、本発明の単離核酸分子は、配列番号4もしくは配列番号6に示されるヌクレオチド配列の全長、またはこれらのヌクレオチド配列のいずれかの一部に対して、少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、もしくはそれを超える同一性を有するヌクレオチド配列を含む。 さらに、本発明の核酸分子は、配列番号4または配列番号6の核酸配列の一部のみを含むことができ、例えば、プローブもしくはプライマーとして用いることができる断片、またはUba6タンパク質の生物活性部分をコードする断片である。配列番号4または配列番号6の核酸配列により、他のUba6ファミリーメンバー、および他の種由来のUba6ホモログの同定、および/またはクローニングに用いられるよう設計されたプローブおよびプライマーの作製が可能となる。 プローブ/プライマーは、通常、実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを含む。このオリゴヌクレオチドは、通常、配列番号4もしくは配列番号6のセンス配列、配列番号4もしくは配列番号6のアンチセンス配列、または配列番号4もしくは配列番号6の天然の対立遺伝子変異(allelic variant)もしくは突然変異(mutant)の、少なくとも約12もしくは15、約20もしくは25、約30、35、40、45、50、55、60、65、もしくは75の連続したヌクレオチドと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列の領域を含む。例示的な実施形態では、本発明の核酸分子は、350〜400、400〜450、450〜500、500〜550、550〜600、600〜650、650〜700、700〜750、750〜800、800〜850、850〜900、900〜950、950〜1000、1000〜1500、1500〜2000、2000〜2500、2500〜3000、3000〜3500、3500〜4000、4000〜4500、4500〜5000、5101、5386、5000〜5500、またはこれを超えるヌクレオチド長であり、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号4または配列番号6の核酸分子とハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む。 Uba6ヌクレオチド配列に基づくプローブを用いて、同一のタンパク質もしくは相同タンパク質をコードする転写物またはゲノム配列を検出することができる。ある実施形態においては、プローブは、それに結合した標識基をさらに含む。標識基は、例えば、放射性同位元素、蛍光化合物、酵素、または酵素補因子であり得る。そのようなプローブは、例えば、Uba6 mRNAレベルの検出またはゲノムUba6遺伝子が突然変異もしくは欠失しているかどうかを決定することなどによって、対象由来の細胞試料中のUba6をコードする核酸のレベルの測定によってUba6を異所性発現する細胞または組織を同定するための診断試験用キットの一部として用いることができる。 「Uba6タンパク質の生物活性部分」をコードする核酸断片は、Uba6の生物活性(Uba6タンパク質の生物活性は本明細書に記載されている)を有するポリペプチドをコードする、配列番号4もしくは配列番号6のヌクレオチド配列の一部を単離し、Uba6タンパク質のコード部分を発現させ(例えば、インビトロでの組換え発現により)、Uba6のコード部分の活性を評価することによって調製することができる。 本発明は、さらに、遺伝コードの縮重のために配列番号4または配列番号6に示すヌクレオチド配列とは異なり、それゆえ、配列番号4または配列番号6に示すヌクレオチド配列によってコードされるものと同じUba6タンパク質をコードする核酸分子も含む。別の実施形態では、本発明の単離核酸分子は、配列番号5または配列番号7に示すアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列を有する。 配列番号4または配列番号6のUba6ヌクレオチド配列に加えて、Uba6タンパク質のアミノ酸配列に変化を引き起こすようなDNA配列多型が集団(例えば、ヒトの集団)内に存在する場合があることを、当業者であれば理解するであろう。Uba6遺伝子におけるそのような遺伝多型は、対立遺伝子の自然変異により、集団内の個体間にも存在する場合がある。本明細書で用いる「遺伝子」および「組換え遺伝子」という用語は、哺乳類、またはマウス、またはゼブラフィッシュのUba6などのUba6をコードするオープンリーディングフレームを含む核酸分子を意味し、さらに、非コード制御配列およびイントロンを含んでいてもよい。 Uba6の対立遺伝子変異には、機能的Uba6タンパク質および非機能的Uba6タンパク質の両方が含まれる。機能的な対立遺伝子変異は、Uba6リガンドと結合する能力、および/または本明細書に記載するUba6活性のいずれかを調節する能力を維持している、Uba6の自然発生的なアミノ酸配列変異である。機能的な対立遺伝子変異は、通常、配列番号5もしくは配列番号7の1つまたは複数のアミノ酸の保存的置換、または、このタンパク質の非重要領域の非重要残基の置換、欠失、もしくは挿入のみを含むであろう。 非機能的な対立遺伝子変異は、Uba6リガンドと結合する能力、および/または本明細書に記載するUba6活性のいずれかを調節する能力を有していない、Uba6の自然発生的なアミノ酸配列変異である。非機能的な対立遺伝子変異は、通常、非保存的置換、欠失、もしくは挿入、または配列番号5もしくは配列番号7のアミノ酸配列の中途の切断(premature truncation)、または重要残基もしくは重要領域の置換、欠失、または挿入を含むであろう。 本発明は、さらに、Uba6タンパク質の非ヒトオルソログ(ortholog)を提供する。Uba6タンパク質のオルソログは、同一のUba6リガンド結合を有し、および/または本明細書に記載するいずれかのUba6活性を調節できるような、種々の生物から単離されたタンパク質である。Uba6のオルソログは、配列番号5または配列番号7と実質的に同一であるアミノ酸配列を含むものとして容易に同定することができる。 さらに、その他のUba6ファミリーメンバーをコードし、それゆえ、配列番号4または配列番号6のUba6配列とは異なるヌクレオチド配列を有する核酸分子も、本発明の範囲内であることを意図している。例えば、別のUba6cDNAは、ヒトまたはマウスのUba6ヌクレオチド配列に基づいて同定することができる。さらに、異なる種由来のUba6タンパク質をコードし、それゆえ、配列番号4または配列番号6のUba6配列とは異なるヌクレオチド配列を有する核酸分子も、本発明の範囲内であることを意図している。例えば、サルUba6のcDNAは、ヒトUba6またはマウスUba6のヌクレオチド配列に基づいて同定することができる。 本発明のUba6のcDNAの自然対立遺伝子変異およびホモログに対応する核酸分子は、本明細書に開示するcDNAもしくはその一部を、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下での標準的なハイブリダイゼーション技術に従ったハイブリダイゼーションプローブとして用いて、本明細書に開示するUba6核酸との相同性に基づいて単離することができる。 したがって、別の実施形態では、本発明の単離核酸分子は、少なくとも15、20、25、30、またはそれを超える長さのヌクレオチドであり、ストリンジェントな条件下にて、配列番号4または配列番号6のヌクレオチド配列を含む核酸分子とハイブリダイズする。その他の実施形態では、核酸は、少なくとも30、50、100、150、200、250、300、307、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5101、5386、または5500ヌクレオチド長である。本明細書で用いる「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」という用語は、互いに、少なくとも60%の同一性を持つヌクレオチド配列同士が、通常、ハイブリダイズした状態で維持されるような、ハイブリダイゼーションおよび洗浄の条件を説明することを意図している。例示的な実施形態では、この条件は、互いに、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または95%の同一性を有する配列同士が、通常、ハイブリダイズした状態で維持されるような条件である。そのようなストリンジェントな条件は、当業者に周知であり、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons,N.Y.(1989)、6.3.1−6.3.6を参照のこと。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の限定されない例としては、6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中で、約45℃にてハイブリダイゼーションを行い、続いて、0.2×SSC、0.1%SDS中で、50℃にて、ある態様においては55℃にて、他の態様においては60℃または65℃にて、1回または複数回の洗浄を行うというものである。ある態様においては、ストリンジェントな条件下で配列番号4または配列番号6の配列とハイブリダイズする本発明の単離核酸分子は、天然に存在する核酸分子に対応している。本明細書で用いる「天然に存在する」核酸分子とは、自然に存在する(例えば、天然タンパク質をコードする)ヌクレオチド配列を有するRNAまたはDNA分子をいう。 集団中に存在し得るUba6配列の天然に存在する対立遺伝子変異に加えて、変異によって配列番号4または配列番号6のヌクレオチド配列へ変化を導入することができ、それによって、Uba6タンパク質の機能上の能力を変えることなく、コードされたUba6タンパク質のアミノ酸配列に、変化を引き起こすことができることを、当業者であればさらに理解するであろう。例えば、配列番号4または配列番号6の配列に、「非必須」アミノ酸残基におけるアミノ酸置換を引き起こすヌクレオチド置換を生じさせることができる。「非必須」アミノ酸残基とは、生物活性を変化させることなく、Uba6の野生型配列(例えば、配列番号5または配列番号7の配列)から変化させることができる残基であり、一方、「必須」アミノ酸残基は、生物活性に必要である。例えば、本発明のUba6タンパク質中で保存されているアミノ酸残基は、特に変化を起こしにくいと予想される。さらに、本発明のUba6タンパク質とUba6ファミリータンパク質のその他のメンバーとの間で保存されるような、付加的なアミノ酸残基は、変化を起こしやすくないようだ。 したがって、本発明の別の態様は、活性に必須ではないアミノ酸残基における変化を含むUba6タンパク質をコードする核酸分子に関する。そのようなUba6タンパク質は、配列番号5または配列番号7とはアミノ酸配列が異なるが、生物活性を維持している。一実施形態では、単離核酸分子は、タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、ここで、このタンパク質は、配列番号5または配列番号7に対して、少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれを超える同一性を有するアミノ酸配列を含む。 配列番号5または配列番号7のタンパク質と相同なUba6タンパク質をコードする単離核酸分子は、コードされたタンパク質に、1つまたは複数のアミノ酸置換、付加、または欠失が導入されるように、配列番号4または配列番号6のヌクレオチド配列に、1つまたは複数のヌクレオチド置換、付加、または欠失を導入することによって生成することができる。配列番号4または配列番号6への突然変異の導入は、部位特異的突然変異誘発およびPCR突然変異誘発などの標準的な技術によって行うことができる。ある実施形態においては、非必須であると予測される1つまたは複数のアミノ酸残基において保存的アミノ酸置換が行われる。「保存的アミノ酸置換」とは、アミノ酸残基が、類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置換されることである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該技術分野において定義されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、電荷をもたない極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分岐側鎖を有するアミノ酸(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が含まれる。ある態様においては、Uba6タンパク質において非必須であると予測されるアミノ酸残基が、同一の側鎖ファミリーの別のアミノ酸残基と置換される。あるいは、別の実施形態では、飽和突然変異誘発などにより、Uba6コード配列の全体または一部にランダムに突然変異を導入することができ、得られたミュータントをUba6の生物活性についてスクリーニングして、活性を保持している突然変異体を同定することができる。配列番号4または配列番号6の突然変異誘発に続いて、コードされたタンパク質を組換え技術によって発現させ、そのタンパク質の活性を測定することができる。 例示的な実施形態においては、Uba6突然変異タンパク質は、(1)ユビキチンを活性化する能力;(2)ユビキチン−アデニル酸中間体の形成を媒介する能力;(3)ユビキチンのチオールエステル化を媒介する能力;(4)1または複数のユビキチン結合酵素(例えば、E2)へユビキチンを転移する能力;および/または(5)1または複数の標的ポリペプチド(例えば、ユビキチン、E2、または標的ポリペプチドおよび/または標的タンパク質など)をユビキチン化する能力についてアッセイを実施することができる。別の例示的な実施形態では、E2Z突然変異タンパク質が(1)ユビキチンを活性化する能力;(2)ユビキチン−アデニル酸中間体の形成を媒介する能力;(3)ユビキチンのチオールエステル化を媒介する能力;(4)1または複数のユビキチン−タンパク質リガーゼ(例えば、E3)へユビキチンを転移する能力;および/または(5)1または複数の標的ポリペプチド(例えば、ユビキチン、E3、または標的ポリペプチドおよび/または標的タンパク質など)をユビキチン化する能力についてアッセイを実施することができる。 前述のUba6タンパク質および/またはE2Zタンパク質をコードする核酸分子に加えて、本発明の別の態様は、それらに対してアンチセンスである単離核酸分子に関する。「アンチセンス」核酸は、タンパク質をコードする「センス」核酸にと相補的なヌクレオチド配列、例えば、二本鎖cDNA分子のコード鎖と相補的、またはmRNA配列と相補的なヌクレオチド配列を含む。したがって、アンチセンス核酸は、センス核酸と水素結合することができる。アンチセンス核酸は、Uba6および/またはE2Zのコード鎖全体と相補的であっても、またはそれらの一部のみと相補的であってもよい。一実施形態では、アンチセンス核酸分子は、Uba6および/またはE2Zをコードするヌクレオチド配列のコード鎖の「コード領域」に対してアンチセンスである。「コード領域」という用語は、アミノ酸残基に翻訳されるコドンを含むヌクレオチド配列の領域を意味する。別の実施形態では、アンチセンス核酸分子は、Uba6および/またはE2Zをコードするヌクレオチド配列のコード鎖の「非コード領域」に対してアンチセンスである。「非コード領域」という用語は、コード領域に隣接し、アミノ酸へ翻訳されない5’配列および3’配列を意味する(すなわち、5’非翻訳領域および3’非翻訳領域ともいう)。 本発明の実施形態は、Uba6タンパク質および/またはE2Zタンパク質の1または複数の生物活性部分を有するアミノ酸配列を提供する。本明細書で用いる「Uba6タンパク質の生物活性部分」は、Uba6分子と非Uba6分子との相互作用に関与するUba6タンパク質断片を含む。本明細書で用いる「E2Zタンパク質の生物活性部分」は、E2Z分子と非E2Z分子との相互作用に関与するE2Zタンパク質断片を含む。Uba6タンパク質の生物活性部分としては、例えば、配列番号5または配列番号7に示すアミノ酸配列などのUba6タンパク質のアミノ酸配列と十分に同一であるか、またはそれに由来するアミノ酸配列を含むペプチドが挙げられ、それは、完全長Uba6タンパク質よりも少ないアミノ酸を含み、Uba6タンパク質の活性の少なくとも1つを示す。通常、生物活性部分は、Uba6タンパク質の活性の少なくとも1つ(例えば、ユビキチン活性化;ユビキチン−アデニル酸中間体の形成;ユビキチンのチオールエステル化;1または複数のユビキチン結合酵素(例えば、E2)へのユビキチン転移;および/または1または複数の標的ポリペプチド(例えば、ユビキチン、E2、または標的ポリペプチドおよび/または標的タンパク質など)のユビキチン化)を有するドメインまたはモチーフ(例えば、1、2、またはそれ以上のThiFドメイン、1つまたは複数の触媒性システインドメイン、1つまたは複数のアデニル化ドメイン、および/または1つまたは複数のC末端ユビキチン様(Ubl)ドメイン)を含む。Uba6タンパク質の生物活性部分は、例えば、10、25、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1050、1052、1053、またはそれを超えるアミノ酸長のポリペプチドであってもよい。Uba6タンパク質の生物活性部分は、UPP活性を調節する薬剤開発の標的として用いることができる。一実施形態では、Uba6タンパク質の生物活性部分は、少なくとも1つのThiFドメイン、触媒性システインドメイン、アデニル化ドメイン、および/またはC末端ユビキチン様ドメインを含む。 当然のことながら、ある実施形態においては、本発明のUba6タンパク質の生物活性部分は、前述の構造ドメインの少なくとも1個を含んでいてもよい。他の実施形態では、Uba6タンパク質の生物活性部分は、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つの前述の構造ドメインを含んでもよい。さらに、タンパク質の他の領域が欠失したようなその他の生物活性部分は、組換え技術によって作製することができ、未変性Uba6タンパク質の機能的活性の1つまたは複数について評価することができる。 例示的な実施形態では、Uba6タンパク質は、配列番号5または配列番号7に示すアミノ酸配列を有する。他の実施形態では、Uba6タンパク質は、配列番号5または配列番号7と実質的に相同であって、配列番号5または配列番号7のタンパク質の機能的活性を保持しているが、上記で詳細に説明したような自然対立遺伝子変異または突然変異誘発のためにアミノ酸配列が異なっている。したがって、別の実施形態では、Uba6タンパク質は、配列番号5または配列番号7に対して少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれを超える同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質である。 2つのアミノ酸配列、または2つの核酸配列の同一性パーセントを決定するため、最適な比較を行うことを目的として、配列のアラインメントが行われる(例えば、最適なアラインメントのために、第一および第二のアミノ酸配列もしくは核酸配列の一方または両方にギャップを導入することができ、比較の目的のために非相同配列を無視することができる)。例示的な実施形態では、比較用にアラインメントされる参照配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、および少なくとも70%、80%、または90%である(例えば、第二の配列をUba6アミノ酸配列に対してアラインメントする場合で、それぞれ1052アミノ酸残基および1053アミノ酸残基を有する場合、少なくとも315、少なくとも420、少なくとも526、少なくとも631、および少なくとも736、841、もしくは946のアミノ酸残基がアラインメントされる)。次に、対応するアミノ酸の位置またはヌクレオチドの位置におけるアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第一の配列中のある位置が、第二の配列中の対応する位置と同一のアミノ酸残基またはヌクレオチドによって占められている場合、これらの分子はその位置において同一である(本明細書で用いるアミノ酸または核酸の「同一性」は、アミノ酸または核酸の「相同性」と同義である)。二つの配列の間の同一性パーセントは、これらの配列によって共有される同一である位置の数の関数であり、二つの配列の最適なアラインメントのために導入される必要があるギャップの数および各ギャップの長さが考慮に入れられる。 二つの配列間の配列比較、および同一性パーセントの決定は、数学的なアルゴリズムを用いて行うことができる。例示的な実施形態では、二つのアミノ酸配列間の同一性パーセントは、GCGソフトウェアパッケージのGAPプログラム(http://www.gcg.comより入手可能)に組み込まれたNeedleman and Wunsch(J.Mol.Biol.(48):444−453(1970))のアルゴリズムを用い、Blosum62マトリックスまたはPAM250マトリックスのいずれかを用いて、gap weight:16、14、12、10、8、6、または4、およびlength weight:1、2、3、4、5、または6を用いて決定される。さらに別の例示的な実施形態では、二つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、GCGソフトウェアパッケージのGAPプログラム(gcg.comのウェブサイトより入手可能)を用い、NWSgapdnaCMPマトリックス、ならびにgap weight:40、50、60、70、または80、およびlength weight:1、2、3、4、5、または6を用いて決定される。別の実施形態では、二つのアミノ酸配列またはヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれたE.Meyers and W.Miller(CABIOS、4:11(1989))のアルゴリズムを用い、PAM120 weight residue table、gap length penalty:12、およびgap penalty:4を用いて決定される。 本発明の核酸およびタンパク質配列を「クエリー配列」として用いてさらに公のデータベースで検索を行い、例えば、他のファミリーメンバーまたは関連する配列を同定することができる。そのような検索は、Altschul他、J.Mol.Biol.215:403(1990)のNBLASTおよびXBLASTプログラム(バージョン2.0)を用いて行うことができる。BLASTヌクレオチド検索は、NBLASTプログラムを用いて、score=100、wordlength=12で行い、本発明のUba6核酸分子と相同なヌクレオチド配列を得ることができる。BLASTタンパク質検索は、XBLASTプログラムを用いて、score=50、wordlength=3で行い、本発明のUba6タンパク質分子と相同なアミノ酸配列を得ることができる。比較用のギャップ付きアラインメントを得るために、Altschul他、Nucleic Acids Res.25(17):3389(1997)に記載のように、Gapped BLASTを利用することができる。BLASTおよびGapped BLASTプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)のデフォルトパラメータを用いることができる(ncbi.nlm.nih.govのウェブサイト)。組換え発現ベクターおよび宿主細胞 本発明の別の態様は、Uba6タンパク質および/またはE2Zタンパク質(もしくはその一部)をコードする核酸を含む、発現ベクターなどのベクターに関する。本明細書で用いる「ベクター」という用語は、連結された別の核酸を輸送することができる核酸分子を意味する。ベクターの1つのタイプは「プラスミド」であり、これは、その中に付加的なDNA断片を連結することができる環状の二本鎖DNAループを意味する。別のタイプのベクターはウイルスベクターであり、付加的なDNA断片をウイルスゲノムに連結することができる。ある種のベクターは、導入された宿主細胞内で自律増殖することができる(例えば、細菌複製開始点を有する細菌ベクター、および哺乳類のエピソームベクター)。その他のベクター(例えば、哺乳類の非エピソームベクター)は、宿主細胞へ導入されると宿主細胞のゲノムに組み込まれ、それによって、ホストゲノムと共に複製される。さらに、ある種のベクターは、ベクターに作動的に連結された遺伝子の発現させることができる。そのようなベクターを、本明細書において「発現ベクター」という。一般に、組換えDNA技術において有用な発現ベクターは、プラスミドの形態である場合が多い。プラスミドが最も一般的に用いられるベクターの形態であることから、本明細書では、「プラスミド」および「ベクター」を交換可能に用いる場合がある。しかし、本発明には、ウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウイルス)などの同等の機能を果たす他の形態の発現ベクターを含むことを意図している。 本発明の組換え発現ベクターは、本発明の核酸を宿主細胞内での核酸の発現に適した形態で含む。このことは、組換え発現ベクターが、発現に用いられる宿主細胞に基づいて選択され、発現される核酸配列に作動的に連結された、1つまたは複数の制御配列を含むことを意味する。組換え発現ベクター内で、「作動的に連結される」とは、対象であるヌクレオチド配列が、(例えば、インビトロ転写/翻訳系、またはベクターが宿主細胞中へ導入される場合は宿主細胞において)そのヌクレオチド配列の発現が可能となるように制御配列に連結されることを意味することを意図している。「制御配列」という用語は、プロモーター、エンハンサー、およびその他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むことを意図している。そのような制御配列は、例えば、Goeddel、Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185、Academic Press、San Diego、CA(1990)に記載されている。制御配列としては、多くのタイプの宿主細胞中でのヌクレオチド配列の恒常的に発現させる配列、および特定の宿主細胞中でのみヌクレオチド配列を発現させる配列(例えば、組織特異的制御配列)が挙げられる。発現ベクターの設計が、形質転換される宿主細胞の選択、所望のタンパク質発現レベルなどの要因に依存し得ることを、当業者であれば理解するであろう。本発明の発現ベクターを宿主細胞中へ導入し、それによって、融合タンパク質もしくはペプチドを含む、本明細書に記載する核酸によってコードされるタンパク質またはペプチド(例えば、Uba6タンパク質および/またはE2Zタンパク質、変異型のUba6タンパク質および/またはE2Zタンパク質、ならびに融合タンパク質など)を産生させることができる。 本発明の組換え発現ベクターは、原核細胞または真核細胞中でUba6が発現されるように設計することができる。例えば、Uba6、Uba6断片、E2Z、および/またはE2Z断片を、大腸菌などの細菌細胞、昆虫細胞(バキュロウイルス発現ベクターを用いて)、酵母細胞、または哺乳類細胞中で発現させることができる。適切な宿主細胞については、Goeddel、Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185、Academic Press、San Diego,CA(1990)、でさらに議論されている。あるいは、組換え発現ベクターは、例えば、T7プロモーター制御配列およびT7ポリメラーゼを用いて、インビトロで転写および翻訳することができる。 原核細胞中でのポリペプチドの発現は、融合タンパク質もしくは非融合タンパク質を発現させる恒常的プロモーターまたは誘導性プロモーターを含むベクターを用いて、大腸菌内で行われることが最も多い。融合ベクターは、コードされるポリペプチドへ、通常はその組換えポリペプチドのアミノ末端へ、多くのアミノ酸を付加している。通常、そのような融合ベクターは、1)組換えポリペプチドの発現を増加させる、2)組換えポリペプチドの溶解度を増大させる、および3)アフィニティ精製においてリガンドとして作用することによって、組換えポリペプチドの精製を補助する、という三つの目的を果たす。多くの場合、融合発現ベクターには、融合部分と組換えポリペプチドとの接続部にタンパク質切断部位が導入されて、融合ポリペプチドの精製に続いて、融合部分から組換えポリペプチドを分離することが可能となる。そのような酵素、およびその同族認識配列としては、第Xa因子、トロンビン、およびエンテロキナーゼが挙げられる。典型的な融合発現ベクターとしては、pGEX(Pharmacia Biotech Inc;Smith,D.B.and Johnson,K.S.、Gene 67:31−40(1988))、pMAL(New England Biolabs、マサチューセッツ州、べバリー)、およびpRIT5(Pharmacia、ニュージャージー州、ピスカタウエイ)が挙げられ、それぞれ、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)、マルトースE結合タンパク質、またはタンパク質Aを標的組換えタンパク質と融合する。 適切な誘導性の非融合大腸菌発現ベクターの例には、pTrc(Amann他、Gene 69:301−315(1988))、およびpET11d(Studier他、Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185、Academic Press、San Diego、CA 60−89 (1990))が含まれる。pTrcベクターからの標的遺伝子発現は、ハイブリッドtrp−lac融合プロモーターからの宿主RNAポリメラーゼ転写に依存する。pET11dベクターからの標的遺伝子発現は、共発現したウイルスRNAポリメラーゼ(T7gn1)を介して行われる、T7gn10−lac融合プロモーターからの転写に依存する。このウイルスポリメラーゼは、宿主株BL21(DE3)またはHMS174(DE3)により、lacUV5プロモーターの転写制御下にてT7gn1遺伝子を内部に有する常在性のプロファージから供給される。 大腸菌中での組換えタンパク質の発現を最大化する1つの手法は、組換えタンパク質のタンパク質分解による切断能力が損なわれた宿主細菌内でタンパク質を発現させることである(Gottesman,S.、Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185、Academic Press、San Diego,CA 119−128(1990))。別の手法は、発現ベクター中へ挿入される核酸の核酸配列を変化させて、各アミノ酸に対する個々のコドンを大腸菌内で優先的に用いられるものとすることである(Wada他、Nucleic Acids Res.20:2111(1992))。本発明のそのような核酸配列の変化は、標準的なDNA合成技術によって行うことができる。 別の実施形態では、Uba6発現ベクターは、酵母発現ベクターである。出芽酵母内での発現のためのベクターの例には、pYepSec1(Baldari他、Embo J.6:229(1987))、pMFa(Kurjan and Herskowitz、Cell 30:933(1982))、pJRY88(Schultz他、Gene 54:113(1987))、pYES2(Invitrogen、カリフォルニア州、サンディエゴ)、およびpicZ(Invitrogen、カリフォルニア州、サンディエゴ)が含まれる。 あるいは、バキュロウイルス発現ベクターを用いて、Uba6ポリペプチドおよび/またはE2Zポリペプチドを昆虫細胞内で発現させることができる。培養昆虫細胞(例えば、Sf9細胞)内でのタンパク質の発現に使用可能であるバキュロウイルスベクターとしては、pAcシリーズ(Smith他、Mol.Cell Biol.3:2156(1983))、およびpVLシリーズ(Lucklow and Summers、Virology 170:31(1989))が挙げられる。 さらに別の実施形態では、本発明の核酸は、哺乳類発現ベクターを用いて、哺乳類細胞内で発現される。哺乳類発現ベクターの例には、pCDM8(Seed,B.、Nature 329:840(1987))、およびpMT2PC(Kaufman他、EMBO J.6:187(1987))が含まれる。哺乳類細胞内で用いる場合、発現ベクターの制御機能は、多くの場合、ウイルス制御因子によってもたらされる。例えば、一般的に用いられるプロモーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、サイトメガロウィスル、およびサルウイルス40に由来している。原核細胞および真核細胞の両方に適したその他の発現系については、Sambrook,J.、Fritsh,E.F. and Maniatis、T.、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、2nd,ed.、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、1989の第16章および第17章を参照されたい。 別の実施形態では、組換え哺乳類発現ベクターは、特定のタイプの細胞内で優先的に核酸を発現させることができる(例えば、組織特異的制御エレメントを用いて核酸を発現させる)。組織特異的制御エレメントは、当該技術分野で周知である。適切な組織特異的プロモーターの限定されない例には、アルブミンプロモーター(肝臓特異的;Pinkert他、Genes Dev.1:268(1987))、リンパ特異的プロモーター(Calame and Eaton、Adv.Immunol.43:235(1988))、特にT細胞受容体のプロモーター(Winoto and Baltimore、EMBO J.8:729(1989))および免疫グロブリンのプロモーター(Banerji他、Cell 33:729(1983);Queen and Baltimore Cell 33:741(1983))、ニューロン特異的プロモーター(例えば、ニューロフィラメントプロモーター;Byrne and Ruddle、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.86:5473(1989) )、膵臓特異的プロモーター(Edlund他、Science 230:912(1985))、ならびに乳腺特異的プロモーター(例えば、牛乳乳清プロモーター;米国特許第4,873,316号、および欧州特許出願公開第264,166号)が含まれる。発生的に制御されたプロモーターも含まれ、例えば、マウスhoxプロモーター(Kessel and Gruss、Science 249:374 (1990))、およびα−フェトプロテインプロモーター(Campes and Tilghman、Genes Dev.3:537(1989))が含まれる。 一実施形態では、本発明は、Uba6核酸分子に対してアンチセンスである核酸分子を提供する。本明細書で用いる「アンチセンス」という用語は、DNAおよび/またはRNAの機能に干渉し、そのRNAおよび/またはDNAの発現を抑制し得る核酸を意味する。アンチセンス核酸は、タンパク質をコードする「センス」核酸に対して相補的であるヌクレオチド配列を含み、例えば、二本鎖cDNA分子のコード鎖に対して相補的であるか、またはmRNA配列に対して相補的である。したがって、アンチセンス核酸は、センス核酸と水素結合することができる。アンチセンス核酸は、Uba6コード鎖全体に対して相補的であってもよく、またはその一部のみに対して相補的であってもよい。 アンチセンス核酸分子を細胞へ送達して、内在性ヌクレオチド配列の発現を阻害、除去、増強、もしくは変化させるために外来性ヌクレオチド配列を発現させることができ、または天然にはその細胞と関連していない特定の生理的特性を発現させることができる。ある実施形態においては、アンチセンス核酸は、アンチセンスRNA、二本鎖干渉RNA(「dsRNA」)、短鎖干渉RNA(「siRNA」)、またはリボザイムである。 本明細書で用いる「siRNA」という用語は、長さが例えば21〜25塩基など、30塩基未満である二本鎖RNAを意味する。siRNAは、当該技術分野で周知のいずれの方法で作製してもよい。siRNAおよびRNA干渉の総説については、Macrae他、Science 311:195(2006);Vermeulen他、RNA 11:674(2005);Nishikura、Cell 16:415(2001);Fire他、Nature 391:806(1998)を参照されたい。一実施形態では、デオキシヌクレオチドの3’オーバーハングを有する、一本鎖の、遺伝子特異的センスおよびアンチセンスRNAオリゴマーを作製し、精製する。例えば、2本のオリゴマーを94℃で2分間加熱し、90℃で1分間冷却し、次に、1分あたり1℃の割合で20℃まで冷却してアニールすることができる。次に、このsiRNAを、動物へ注入するか、または、本明細書に記載する核酸送達の方法を用いて所望のタイプの細胞へ送達することができる。 本発明の別の態様は、宿主細胞のゲノムの特定の位置へ相同的に組換え可能な配列を含む本発明の組換え発現ベクターが導入された宿主細胞に関する。「宿主細胞」、および「組換え宿主細胞」という用語は、本明細書において交換可能に用いられる。これらの用語は、特定の対象細胞だけを意味するだけでなく、そのような細胞の子孫、または潜在的な子孫も意味することは理解されよう。突然変異または環境的な影響のために、後続の世代においてある種の変異が発生する可能性があるため、そのような子孫は、実際、親細胞と同一でない場合があるが、それでも、本明細書で用いるこの用語の範囲内に含まれる。 宿主細胞は、いずれの原核細胞であっても、または真核細胞であってもよい。例えば、宿主細胞は、大腸菌などの細菌細胞、昆虫細胞(例えば、ショウジョウバエ細胞)、酵母、ゼノパス細胞、ゼブラフィッシュ細胞、または哺乳類細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、アフリカミドリザル腎臓細胞(COS)、またはヒト胎児細胞(293T)など)であってもよい。その他の適切な宿主細胞は、当業者に周知である。 ベクターDNAは、従来の形質転換技術またはトランスフェクション技術によって、原核細胞または真核細胞に導入することができる。本明細書で用いる「形質転換」および「トランスフェクション」という用語は、外来性核酸(例えば、DNA)を宿主細胞へ導入するための当該技術分野において認められている種々の技術を意味し、リン酸カルシウムもしくは塩化カルシウム共沈殿、DEAE−デキストランによるトランスフェクション、リポフェクション、またはエレクトロポレーションが含まれる。宿主細胞を形質転換またはトランスフェクトする適切な方法は、Sambrook他、(Molecular Cloning:A Laboratory Manual、2nd,ed.、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor,N.Y.、1989)、およびその他の実験用マニュアルを参考されたい。 哺乳類細胞を安定にトランスフェクトする場合、使用する発現ベクターおよびトランスフェクション技術にもよるが、極僅かの細胞のみが外来性DNAをそのゲノムに組み込みことができることが知られている。このような組み込み体(integrant)を同定し、選別するためには、一般に、選別可能なマーカー(例えば、抗生物質への耐性)をコードする遺伝子を、対象の遺伝子と共に宿主細胞に導入する。選別可能マーカーの例には、G418、ハイグロマイシン、およびメトトレキサートなどの薬物に対する耐性を付与するものが含まれる。選別可能マーカーをコードする核酸は、検出可能な翻訳産物をコードするベクターと同じベクターによって宿主細胞へ導入してもよく、または別のベクターによって導入してもよい。導入された核酸で安定にトランスフェクトされた細胞は、薬剤選択によって同定することができる(例えば、選別可能マーカー遺伝子を組み込んだ細胞が生存し、その他の細胞は死滅する)。 例えば培養下の原核宿主細胞または真核宿主細胞など、本発明の宿主細胞を用いて、Uba6タンパク質および/またはE2Zタンパク質、またはその一部を産生(すなわち、発現)することができる。したがって、本発明は、さらに、本発明の宿主細胞を用いて、Uba6タンパク質および/またはE2Zタンパク質、またはその一部を産生する方法を提供する。一実施形態では、この方法は、本発明の(検出可能な翻訳産物をコードする組換え発現ベクターが導入された)宿主細胞を適切な培地中で培養して、検出可能な翻訳産物を産生することを含む。別の実施形態では、この方法は、Uba6タンパク質および/またはE2Zタンパク質、またはその一部を、培地または宿主細胞から単離することをさらに含む。 本発明の宿主細胞を用いて、非ヒトトランスジェニック動物を産生することもできる。例えば、一実施形態では、本発明の宿主細胞は、Uba6をコードする配列が導入された受精卵母細胞または胚性幹細胞である。次に、このような宿主細胞を用いて、外来性Uba6配列がそのゲノムに導入された非ヒトトランスジェニック動物を作出することができる。本明細書で用いる「トランスジェニック動物」とは、哺乳類(例えば、ラットまたはマウスなどのげっ歯類)などの非ヒト動物であって、その動物の1つまたは複数の細胞が導入遺伝子を含んでいる。トランスジェニック動物のその他の例には、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ヤギ、ニワトリ、両生類などが含まれる。導入遺伝子は、トランスジェニック動物を発生させるもととなる細胞のゲノム中に組み込まれ、成熟動物のゲノム中に残っている外来性DNAであり、トランスジェニック動物の1または複数のタイプの細胞または組織中で、コードされた遺伝子産物を発現させるものである。本明細書で用いる「相同組換え動物」とは、哺乳類など(例えば、マウス)の非ヒト動物であって、内在性遺伝子と、発生前にその動物の細胞内(例えばその動物の胚性細胞など)へ導入された外来性DNA分子との間での相同組換えにより、内在性遺伝子が変化した動物のことである。 胚操作およびマイクロインジェクションによってトランスジェニック動物、特にマウスなどの動物を作出する方法は、当該技術分野において通常の方法となっており、例えば、米国特許第4,736,866号および第4,870,009号、Wagnerらによる米国特許第4,873,191号、Hogan,B.、Manipulating the Mouse Embryo(Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、1986)、ならびにWilmut他、Nature 385:810(1997)に記載されている。類似の方法が、その他のトランスジェニック動物の作出に用いられる。導入遺伝子の制御された発現を可能とする選択系を含むトランスジェニック非ヒト動物の作出方法が、Lakso他、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:6232(1992);およびO’Gorman他、Science 251:1351(1991)に記載されている。診断アッセイ 生物試料中のUba6および/またはE2Zの発現、またはUba6および/またはE2Zの活性を検出する方法の例には、試験対象から生物試料を採取すること、およびその生物試料を、Uba6および/またはE2Zの発現、またはUba6および/またはE2Zの活性(例えば、ユビキチン活性化;ユビキチン−アデニル酸中間体の形成;ユビキチンのチオールエステル化;1または複数のユビキチン結合酵素(例えば、E2)へのユビキチン転移;1または複数のユビキチン−タンパク質リガーゼ(例えば、E3)へのユビキチン転移;および/または1または複数の標的ポリペプチドのユビキチン化)を検出することができる化合物もしくは薬剤と接触させることが含まれる。 ある態様においては、Uba6および/またはE2Zの発現、またはUba6および/またはE2Zの活性(例えば、ユビキチン活性化;ユビキチン−アデニル酸中間体の形成;ユビキチンのチオールエステル化;1または複数のユビキチン結合酵素(例えば、E2)へのユビキチン転移;1または複数のユビキチン−タンパク質リガーゼ(例えば、E3)へのユビキチン転移;および/または1または複数の標的ポリペプチドのユビキチン化)を検出する薬剤は、Uba6、ユビキチン、および/または抗体などの標的ポリペプチドもしくは標的タンパク質と結合することができる抗体である。抗体は、ポリクローナルであってもモノクローナルであってもよい。完全な(intact)抗体、またはその断片(例えば、Fab、またはF(ab’)2)を用いることができる。プローブまたは抗体に関する「標識された」という用語は、検出可能である物質をプローブまたは抗体にカップリング(すなわち、物理的結合)によりプローブまたは抗体を直接標識すること、および直接標識された別の試薬との反応性によりプローブまたは抗体を間接標識することを含むことを意図している。間接標識の例には、蛍光標識した二次抗体を用いて一次抗体を検出すること、および蛍光標識したストレプトアビジンにより検出可能となるよう、DNAプローブをビオチンで末端標識することが含まれる。 「生物試料」という用語は、対象から単離された組織、細胞、および生体液、ならびに対象内に存在する組織、細胞、および体液を含むことを意図している。すなわち、本発明の検出方法を用いて、生物試料中のUba6および/またはE2Zの発現、またはUba6および/またはE2Zの活性をインビトロ、ならびにインビボで検出することができる。例えば、Uba6および/またはE2Zをインビトロで検出する技術としては、酵素結合免疫吸着法(ELISA)、ウェスタンブロット法、免疫沈降法、および免疫蛍光法が挙げられる。さらに、Uba6および/またはE2Zの発現、またはUba6および/またはE2Zの活性をインビボで検出する技術としては、標識抗Uba6および/または抗E2Z抗体、標識抗ユビキチン抗体、標識抗E2抗体、標識抗E3抗体、または標識抗標的タンパク質などを対象へ導入する方法が挙げられる。例えば、標準的なイメージング技術によって対象中のその存在および位置を検出することができる放射性マーカーで抗体を標識することができる。 一実施形態では、生物試料は、試験対象由来のタンパク質分子を含む。ある態様においては、生物試料は、対象から従来の手段によって単離された血清試料である。 別の実施形態では、この方法は、コントロールの対象からコントロールの生物試料を得ること、そのコントロール試料を、Uba6および/またはE2Zの発現、またはUba6および/またはE2Zの活性を検出することができる化合物もしくは薬剤と接触させ、その生物試料中のUba6および/またはE2Zの発現、またはUba6および/またはE2Zの活性の存在を検出すること、ならびにコントロール試料中のUba6および/またはE2Zの発現、またはUba6活性の存在を、試験試料中のUba6および/またはE2Zの発現、またはUba6および/またはE2Zの活性の存在と比較することをさらに含む。 本発明は、さらに、生物試料中のUba6および/またはE2Zの発現、またはUba6および/またはE2Zの活性の存在を検出するためのキットも含む。例えば、このキットは、生物試料中のUba6および/またはE2Zの発現、またはUba6および/またはE2Zの活性を検出することができる標識された化合物もしくは薬剤;試料中のUba6および/またはE2Zの発現、またはUba6および/またはE2Zの活性の量を測定する手段;ならびに、試料中のUba6および/またはE2Zの発現、またはUba6および/またはE2Zの活性の量を標準試料と比較する手段を含むことができる。この化合物または薬剤は、適切な容器内に収容することができる。このキットは、さらに、このキットを用いてUba6および/またはE2Zの発現、またはUba6および/またはE2Zの活性を検出するための説明書を含むことができる。予後アッセイ さらに、本明細書に記載する診断の方法を用いて、Uba6の発現もしくは活性の異常に伴う疾患もしくは障害(例えば、癌)を有するか、またはそれを発症するリスクを有する対象を同定することができる。例えば、前述の診断アッセイ、または以下に示すアッセイなどの本明細書に記載するアッセイを用いて、癌などのユビキチン関連障害、炎症性障害、および神経変性障害など、Uba6の発現および/または活性の誤制御を伴う障害を有するか、またはそれを発症するリスクを有する対象を同定することができる。 したがって、本発明は、Uba6および/またはE2Zの発現または活性の異常を伴う疾患または障害を同定する方法を提供する。この方法では、対象から試験試料を採取し、Uba6および/またはE2Zの発現、および/またはUba6および/またはE2Zの活性を検出する。ここで、Uba6および/またはE2Zの発現、および/またはUba6および/またはE2Zの活性の存在が、Uba6および/またはE2Zの発現、および/またはUba6および/またはE2Zの活性の異常に伴う疾患もしくは障害を有するか、またはそれらを発症するリスクを有する対象の兆候となる。本明細書で用いる「試験試料」とは、対象から採取された生物試料を意味する。例えば、試験試料は、体液(例えば、血清)、細胞試料、または組織であってよい。 さらに、本明細書に記載する予後アッセイを用いることで、対象に薬剤(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、ペプチド模倣剤、タンパク質、ペプチド、核酸、小分子、またはその他の薬物候補)を投与して、Uba6および/またはE2Zの発現または活性の異常に伴う疾患または障害を治療することが可能かどうかを判断することができる。例えば、そのような方法を用いて、癌に対する薬剤で、対象を効果的に治療できるかどうかを判断することができる。したがって、本発明は、Uba6および/またはE2Zの発現または活性の異常を伴う障害に対する薬剤で、対象を効果的に治療できるかどうかを判断するための方法を提供する。この方法では、試験試料を採取し、Uba6および/またはE2Zの発現、および/またはUba6および/またはE2Zの活性を検出する。 本発明の方法を用いて、Uba6遺伝子および/またはE2Z遺伝子の遺伝的変化を検出することもでき、それによって、変化した遺伝子を有する対象が、癌などのUba6および/またはE2Zの活性の誤制御を特徴とする障害に対するリスクを有するかどうかが判断される。ある実施形態においては、この方法には、Uba6タンパク質および/またはE2Zタンパク質をコードする遺伝子の完全性に影響を与える変化;Uba6遺伝子および/またはE2Z遺伝子の異所性発現;または、Uba6タンパク質および/またはE2Zタンパク質の異常活性、のうちの少なくとも1つを特徴とする遺伝的変化の有無を、対象由来の細胞試料中で検出することが含まれる。例えば、そのような遺伝的変化は、1)Uba6遺伝子および/またはE2Z遺伝子からの1つまたは複数のヌクレオチドの欠失;2)Uba6遺伝子および/またはE2Z遺伝子への1つまたは複数のヌクレオチドの付加;3)Uba6遺伝子および/またはE2Z遺伝子の1つまたは複数のヌクレオチドの置換、4)Uba6遺伝子および/またはE2Z遺伝子の染色体再構築;5)Uba6遺伝子および/またはE2Z遺伝子のメッセンジャーRNA転写レベルの変化;6)ゲノムDNAのメチル化パターンの改変など、Uba6遺伝子および/またはE2Z遺伝子の異常な修飾;7)Uba6遺伝子および/またはE2Z遺伝子のメッセンジャーRNA転写の非野生型スプライシングパターンの存在;8)非野生型レベルのUba6タンパク質および/またはE2Zタンパク質;9)Uba6遺伝子および/またはE2Z遺伝子の対立遺伝子欠失;ならびに10)Uba6および/またはE2Zの不適切な活性、のうちの少なくとも1つの存在を確認することによって検出することができる。本明細書に記載するように、Uba6および/またはE2Z遺伝子の変化を検出するために用いることができる当該技術分野で周知の数多くのアッセイが存在する。 ある実施形態においては、この変化の検出には、アンカーPCRもしくはRACE PCRなどのポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)における(例えば、米国特許第4,683,195号、第4,683,202号を参照)、またはライゲーション連鎖反応法(ligation chain reaction)(LCR)(例えば、Landegran他、Science 241:1077(1988);およびNakazawa他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:360(1994)を参照)におけるプローブ/プライマーの使用を含み、後者は、Uba6遺伝子の点突然変異の検出に特に有用であり得る(Abravaya他、Nucleic Acids Res.23:675(1995)を参照)。この方法は、対象から細胞試料を採取する工程、試料の細胞から核酸(例えば、ゲノム核酸、mRNA、またはその両方)を単離する工程、Uba6遺伝子(存在する場合)のハイブリダイゼーションおよび増幅が生ずるような条件下にて、核酸試料を、Uba6遺伝子へ特異的にハイブリダイズする1または複数のプライマーと接触させる工程、ならびに増幅産物の有無を検出するか、もしくは増幅産物のサイズを検出してその長さをコントロール試料と比較する工程を含むことができる。本明細書に記載する突然変異の検出に用いられる技術のいずれかと組み合わせて、PCRおよび/またはLCRを予備的な増幅工程として用いることが望ましい場合があることが予想される。 別の増幅法としては:自家持続配列複製法(Guatelli他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874(1990))、転写増幅システム(Kwoh他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1173(1989))、Qβレプリカーゼ(Lizardi,P.M.他、Biotechnology 6:1197(1988))、またはその他のいずれかの核酸増幅法が挙げられ、それに続いて、当業者に周知の技術を用いて増幅された分子を検出する。このような検出スキームは、核酸分子の検出において、そのような分子の存在数が非常に少ない場合に特に有用である。 別の実施形態において、試料細胞由来のUba6遺伝子の突然変異は、制限酵素の切断パターンの変化によって同定することができる。例えば、試料DNAおよびコントロールDNAを単離し、(任意に)増幅し、1または複数の制限エンドヌクレアーゼで消化し、断片長さサイズをゲル電気泳動で決定して比較する。試料DNAとコントロールDNAとの間の断片長さサイズの違いは、試料DNAに変異が存在することを示している。さらに、配列特異的リボザイム(例えば、米国特許第5,498,531号を参照)を用いて、リボザイム切断部位で発生または欠失した特定の変異の存在を評価することができる。 他の実施形態では、Uba6の遺伝子突然変異を、例えばDNAまたはRNAなどの試料核酸およびコントロール核酸を、数百または数千のオリゴヌクレオチドプローブを含む高密度アレイにハイブリダイズさせることによって同定することができる(Cronin,M.T.他、Human Mutation 7:244(1996);Kozal,M.J.他、Nature Medicine 2:753(1996))。例えば、Uba6の遺伝子突然変異は、前述のCronin他に記載のように、光で生成したDNAプローブ(light−generated DNA probes)を含む二次元アレイ中で同定することができる。簡単に述べると、プローブの第一のハイブリダイゼーションアレイを用いて試料およびコントロール中の長い一続きのDNAをスキャンして、配列重複プローブの直線状アレイを作製することにより、これらの配列間の塩基変化を同定することができる。この工程により、点突然変異を同定することが可能となる。この工程に第二のハイブリダイゼーションアレイが続き、ここでは、検出されたすべての変異または突然変異に相補的な、より小さな特定化プローブアレイを用いることで、特定の突然変異の特性決定が可能となる。各突然変異アレイは、一つは野生型遺伝子に相補的で、もう一つは突然変異遺伝子に相補的である並列プローブセットから成る。 さらに別の実施形態では、当該技術分野で周知の様々な配列決定反応のいずれも、Uba6および/またはE2Z遺伝子の直接に配列決定すること、および試料Uba6および/またはE2Zの配列を対応する野生型(コントロール)配列と比較することによって変異を検出することに用いることができる。配列決定反応の例には、Maxam and Gilbert(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:560(1977))、またはSanger(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:5463(1977))によって開発された技術に基づくものが含まれる。診断アッセイを行う場合は、質量分析による配列決定(例えば、PCT国際公開第94/16101号;Cohen他、(1996) Adv.Chromatogr.36:127−162;およびGriffin他、(1993) Appl.Biochem.Biotechnol.38:147を参照)を含む、様々な自動配列決定方法のいずれも用いることができることが予測される(Biotechniques 19:448(1995))。 Uba6遺伝子および/またはE2Z遺伝子中の突然変異を検出するその他の方法としては、切断剤からの保護を利用して、RNA/RNAまたはRNA/DNAヘテロ二本鎖におけるミスマッチ塩基を検出する方法が挙げられる(Myers他、Science 230:1242(1985))。一般的に、当該技術分野の技術「ミスマッチ切断」では、最初に、野生型Uba6配列および/または野生型E2Z配列を含む(標識)RNAまたはDNAを、組織試料から得られた突然変異の可能性のあるRNAまたはDNAとハイブリダイズさせることによって形成されるヘテロ二本鎖を用意する。この二重鎖である二本鎖を、コントロール鎖および試料鎖の間の塩基対ミスマッチなどによって存在することになるような、二本鎖の一本鎖領域を切断する薬剤で処理する。例えば、RNA/DNA二本鎖はRNaseで処理し、DNA/DNAハイブリッド鎖はS1ヌクレアーゼで処理し、ミスマッチ領域を酵素で消化する。他の実施形態では、DNA/DNA二本鎖またはRNA/DNA二本鎖のいずれかを、ヒドロキシルアミンまたは四酸化オスミウムで処理し、ピペリジンで処理してミスマッチ領域を消化する場合がある。ミスマッチ領域の消化後、次に、得られた物質を変性ポリアクリルアミドゲルにてサイズによって分離し、突然変異部位を決定する。例えば、Cotton他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:4397(1988);Saleeba他、Methods Enzymol.217:286(1992)を参照されたい。例示的な実施形態では、コントロールDNAまたはRNAは、検出のために標識することができる。 さらに別の実施形態において、ミスマッチ切断反応には、細胞試料から得られたUba6および/またはE2ZのcDNAにおける点突然変異を検出し、マッピングするために、定義された系において二本鎖DNA中のミスマッチ塩基対を認識する1または複数のタンパク質(いわゆる、「DNAミスマッチ修復」酵素)が用いられる。例えば、大腸菌のmutY酵素は、G/AミスマッチのAを切断し、HeLa細胞由来のチミジンDNAグリコシラーゼは、G/TミスマッチのTを切断する(Hsu他、Carcinogenesis 15:1657(1994))。例示的な実施形態によると、例えば、野生型Uba6配列および/または野生型E2Z配列などのUba6配列および/またはE2Z配列に基づくプローブを、試験細胞由来のcDNAまたはその他のDNA産物にハイブリダイズさせる。その二本鎖を、DNAミスマッチ修復酵素で処理し、その切断産物を、存在する場合は、電気泳動プロトコルなどによって検出することができる。例えば、米国特許第5,459,039号を参照されたい。 その他の実施形態では、電気泳動における移動度の変化を用いて、Uba6遺伝子および/またはE2Z遺伝子中の変異が同定されることがある。例えば、一本鎖高次構造多型法(SSCP)を用いて、変異型核酸と野生型核酸との間の電気泳動における移動度の違いを検出することができる(Orita他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86(1989):2766、Cotton、Mutat.Res.285:125 (1993);および、Hayashi、Genet.Anal.Tech.Appl.9:73 (1992)を参照されたい)。試料およびコントロールのUba6核酸の一本鎖DNA断片は、変性され、復元される。一本鎖核酸の二次構造は配列により異なっており、その結果生じる電気泳動における移動度の変化よって、1塩基の変化でさえも検出することができる。DNA断片は、標識されていてもよく、または標識されたプローブで検出してもよい。アッセイの感度は、二次構造が配列の変化に対してより感受性の高い、RNAを用いることによって(DNAを使用するよりも)向上させることができる。例示的な実施形態においては、対象となる方法はヘテロ二本鎖分析を用いて、電気泳動における移動度の変化に基づいて二重鎖のヘテロ二本鎖分子を分離する(Keen他、Trends Genet.7:5(1991))。 さらに別の実施形態では、変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)(Myers他、Nature 313:495(1985))を用いて、変性剤の濃度勾配を有するポリアクリルアミドゲル中での変異型断片または野生型断片の移動を分析する。分析方法としてDGGEを用いる場合は、例えば、約40bpの高融点のGCリッチDNAから成るGCクランプをPCRによって付加することによって、DNAが完全に変性することがないよう、DNAを修飾することがある。さらなる実施形態では、変性剤の濃度勾配の代わりに温度勾配を用いて、コントロールDNAおよび試料DNAの移動度の違いを同定する(Rosenbaum and Reissner、Biophys.Chem.265:12753(1987))。 点突然変異を検出するその他の技術の例には、これらに限定されないが、選択的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、選択的増幅、または選択的プライマー伸長が含まれる。例えば、既知の突然変異を中心に配置したオリゴヌクレオチドプライマーを作製し、次に、完全に一致する場合にのみハイブリダイズすることができる条件下で、標的DNAとハイブリダイズさせることができる(Saiki他、Nature 324(1986):163;Saiki他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:6230(1989))。このような対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドをハイブリダイゼーションメンブランに結合させ、標識した標的DNAとハイブリダイズさせる場合、PCRで増幅した標的DNA、または多くの種々の変異型とハイブリダイズする。 あるいは、選択的PCR増幅に依存する対立遺伝子特異的増幅技術を、本発明と組み合わせて用いることができる。特異的増幅のためのプライマーとして用いられるオリゴヌクレオチドは、対象となる突然変異を、その分子の中心に有し(したがって、増幅はディファレンシャルハイブリダイゼーションに依存する)(Gibbs他、Nucl.Acids Res.17:2437(1989))、または、適切な条件下で、ミスマッチがポリメラーゼ伸長を防止または減少させることができる場合は、1つのプライマーの3’最末端に有することができる(Prossner、Tibtech 11:238(1993))。さらに、この突然変異領域中に新規な制限部位を導入して、切断に基づく検出を可能とすることが望ましい場合がある(Gasparini他、Mol.Cell Probes 6:1(1992))。ある実施形態においては、増幅のためのTaqリガーゼを用いて増幅を実施する場合があることが予想される(Barany、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:189(1991))。この場合は、5’配列の3’末端において完全一致する場合にのみライゲーションが起こり、それにより、増幅の有無を調べることによって特定の部位での既知の突然変異の存在を検出することが可能となる。 本明細書に記載する方法は、例えば、本明細書に記載する少なくとも1つのプローブ核酸または抗体試薬を含む、予めパッケージされた診断キットを用いることによって実施してもよく、例えば臨床の場で便利に用いて、Uba6遺伝子が関与する疾患もしくは疾病の症状を示すか、またはそれらの家族歴がある患者の診断を行うことができる。さらに、本明細書に記載する予後アッセイには、Uba6が発現するいずれのタイプの細胞または組織も用いることができる。臨床試験中の効果のモニタリング Uba6および/またはE2Zの発現、または1または複数の活性(例えば、ユビキチン活性化;ユビキチン−アデニル酸中間体の形成;ユビキチンのチオールエステル化;1または複数のユビキチン結合酵素(例えば、E2)へのユビキチン転移;1または複数のユビキチン−タンパク質リガーゼ(例えば、E3)へのビキチン転移;および/または1または複数の標的ポリペプチド(例えば、ユビキチン、E2、E3、または標的ポリペプチドおよび/または標的タンパク質など)のユビキチン化)に対する薬剤(例えば、薬物)の影響のモニタリングは、基本的な薬物スクリーニングにおいてだけでなく、臨床試験においても適用することができる。例えば、本明細書に記載するスクリーニングアッセイによって決定された薬剤が、Uba6および/またはE2Zの遺伝子発現またはタンパク質レベルを上昇させる、またはUba6および/またはE2Zの活性を上方制御する効果は、Uba6および/またはE2Zの遺伝子発現、タンパク質レベルの低下、またはUba6および/またはE2Zの活性の下方制御を示す対象の臨床試験においてモニターすることができる。あるいは、スクリーニングアッセイによって決定された、Uba6および/またはE2Zの遺伝子発現またはタンパク質レベルを低下させる、またはUba6および/またはE2Zの活性を下方制御するという薬剤の効果は、Uba6および/またはE2Zの遺伝子発現、タンパク質レベルの上昇、またはUba6および/またはE2Zの活性の上方制御を示す対象の臨床試験においてモニタリングすることができる。 例示的な実施形態では、本発明は、薬剤(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、ペプチド模倣剤、タンパク質、ペプチド、核酸、小分子、もしくは本明細書に記載するスクリーニングアッセイによって同定されたその他の薬物候補)による対象の治療の効果をモニタリングする方法を提供し、その方法には、(i)その薬剤の投与前に、対象から投与前試料を採取する工程;(ii)投与前試料中の、Uba6および/またはE2Zのタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現レベル、または、Uba6および/またはE2Zの活性レベルを検出する工程;(iii)対象から1または複数の投与後試料を採取する工程;(iv)投与後試料中の、Uba6および/またはE2Zのタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現レベルもしくは活性レベル、または、Uba6および/またはE2Zの活性レベルを検出する工程;(v)投与前試料中のUba6および/またはE2Zのタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現レベルもしくは活性レベル、または、Uba6および/またはE2Zの活性レベルを、1または複数の投与後試料中のUba6および/またはE2Zのタンパク質、mRNA、もしくはゲノムDNA、またはUba6および/またはE2Zの活性と比較する工程;ならびに(vi)それに応じて対象への薬剤の投与量を変更する工程を含む。例えば、Uba6および/またはE2Zの発現または活性を検出されたものよりも高いレベルに上昇させるため、すなわち、薬剤の効果を高めるためには、薬剤の投与量を増加させることが望ましい場合がある。あるいは、Uba6の発現または活性を検出されたものよりも低いレベルに低下させるために、すなわち、薬剤の効果を下げるためには、薬剤の投与量を減少させることが望ましい場合がある。このような実施形態によると、Uba6および/またはE2Zの発現または活性を、観測可能な表現型の応答がない場合でも、薬剤の効果の指標として用いることができる。 本発明を、以下の例でさらに説明するが、これらは、限定するものとして解釈されるべきではない。本願に引用されるすべての参考文献、特許、および特許出願公開公報の内容は、その全体を参照により本明細書に組み込む。実施例1新規な脊椎動物E1タンパク質Uba6は、インビトロでユビキチンの活性化を促進する ユビキチンに対するE1は、細菌の古代の代謝酵素に見られる、タンパク質フォールドドメイン、ThiFドメインを含むタンパク質ファミリーのメンバーである(Lake他、Nature 414:325(2001))。このドメインを用いて関連するタンパク質をバイオインフォマティックスにより同定し、ユビキチンに対する標準E1活性化酵素(GenBank受入番号FLJ10808)であるUbe1と類似性した、これまでは未同定であったタンパク質、Uba6が同定された。Uba6オルソログは、マウス、ラット、およびゼブラフィッシュ(Dr)に存在するが、脊椎動物でない後生動物、または酵母中には存在しない(図1A)。系統学的には、Uba6は、Ube1LよりもUbe1と関連性が低かった(図1G)。 組換えUba6(昆虫細胞中で発現し、そこから精製、図1B)が、いくつかのユビキチン様タンパク質、およびユビキチン自体を活性化する能力について調べた。非還元SDS−PAGE分析でのUba6〜Ubチオールエステルの出現による測定によると、驚くべきことに、Uba6はユビキチンを活性化することはできるが、試験したそれ以外のユビキチン様タンパク質はいずれも活性化できないことが分かった(図1C、レーン4)。予想通り、Uba6〜Ubの形成は、DTTの添加によって逆転させることができ、このことは、チオールエステルの存在を示唆している(図1D、レーン5および6)。Uba6よりもUbe1と関連性の高いUbe1L(図1A)は、ユビキチンを活性化できなかったが、Ube1Lの既知の標的であるISG15を活性化できたため(図1E)、Uba6のユビキチン活性を促進する能力は特異的であると考えられた。合わせて考えると、これらのデータは、Uba6はユビキチンのチャージング(charging;負荷)を促進できるが、その他の数多くのユビキチン様タンパク質のチャージングは促進できないということを示唆している。 ユビキチン活性化酵素としてのUba6の同定は予想外であったので、この結論を確認するために以下に説明するいくつかの実験を行った。まず、Ube1の精製に使用するHershko(Hershko他、J.Biol.Chem.258:8206(1983))の古典的手法により、Uba6も同様に精製することができるかどうかを調べた。Flag−HA−Uba6を安定に発現する293T細胞から抽出物を作製し、ATP存在下で、ユビキチン−アガロースと共にインキュベートした。続いて、DTTを含有しないバッファーでビーズを洗浄し、次に、E1とユビキチンもしくはユビキチン様タンパク質との間のチオールエステルを逆転させる、DTTを含有するバッファーでタンパク質を溶離した。次に、ロード、フロースルー、洗浄液、および溶離液、ならびにユビキチン−アガロースビーズに結合したままのタンパク質を用いてイムノブロッティングを行い、抗Ube1でUbe1を、抗HAでFlag−HA−Uba6を検出した。Uba6の溶離パターンは、Ube1の溶離パターンと非常に類似していた(図1F)。特に、Uba6は、DTTによる処理で特異的に溶離された。これらのデータは、Uba6が、Ube1と同様に、チオール依存的な様式でユビキチンと化学的に架橋できることを示唆している。実施例2インビボでユビキチンに結合したUba6の同定 インビボでのUba6とユビキチンとの結合を実証するために、3種類の形態のUba6:1)N末端Flag−HAタグを有する野生型タンパク質;2)触媒性システインがアラニンに変異し、N末端にFlag−HAが融合された、C625A変異体;および3)触媒性システインがセリンに変異し、N末端にFlag−HAが融合された、C625S変異体を安定に発現する細胞株を作製した。活性部位のシステインをアラニンで置換することによって、タンパク質のユビキチン活性化を促進する能力が不活性化されると予想された。対照的に、システインのセリンへの変異体は、システインで形成されるチオールエステルよりも安定であるエステル結合ユビキチンまたはエステル結合ユビキチン様タンパク質の形成をサポートすると予想された。確かに、過去の研究(Komatsu他、Embo J.23:1977(2004))では、特定の場合では、チオールエステル結合よりもエステル結合の方がより安定な抱合体を形成することが可能であることが実証されている。 還元剤の非存在下でのSDS−PAGEによる分析においては、3種類のタンパク質はすべて同等のレベルで発現した(図2A)。抗HA抗体によるイムノブロッティング、およびポンソー染料を用いたメンブランの染色の両方で観測されたように、野生型タンパク質およびC625Aミュータントが同一の位置に移動したのに対し、C625Sミュータントタンパク質の大部分はSDS−PAGEによる移動度の低下を示した(図2A)。これらのデータは、Uba6が、ミュータントタンパク質のS625を介して、ユビキチンまたはユビキチン様タンパク質と安定なエステルを形成することを示唆している。Uba6の移動度の遅い形態が、ユビキチンまたはユビキチン様タンパク質Nedd8を有しているかどうかを調べるために、抗ユビキチン抗体または抗Nedd8抗体を用いて、イムノブロット法を行った(図2A)。C625をセリンで置換した場合、ユビキチンはUba6の移動度の遅い形態において検出されたが、野生型タンパク質またはC625A変異タンパク質のいずれにもユビキチンは見いだされなかった。このことは、より移動度の遅い形態のUba6C625Sタンパク質がユビキチンを含むことを示唆している。一方、ポジティブコントロールとして用いたSCF複合体中でははっきりと検出されたが、Nedd8は検出されなかった(図2A)。 次に、Uba6C625Sがユビキチンと結合していることについてのさらなる確認を求めた。Flag−HA−Uba6C625Sの調製用試料を、CMVプロモーターの支配下でFlag−HA−Uba6C625Sを安定に発現する293T細胞から精製した。単離されたタンパク質のおよそ30%が、そのユビキチン様タンパク質による修飾物と一致する位置で移動することが分かった(図3C)。より移動度の遅いタンパク質の質量分析により、ユビキチン由来の3種類のペプチドが同定された(図3C)。このことは、Uba6C625Sがユビキチンと抱合していることと一致する。一方、より移動度の速い形態のタンパク質は、ユビキチンのペプチドを欠いていた。Uba6C625Sのいずれの形態も、その他のいずれのユビキチン様タンパク質のペプチドも含んでおらず、このことは、このような条件下ではUba6がその他のユビキチン様タンパク質を活性化することができないことを示唆している。 これらの結果に対する過剰発現のいずれの影響をも排除するために、Flag−HA−Uba6、Flag−HA−Uba6C625A、およびFlag−HA−Uba6C625Sを、PGKプロモーターにより誘導したレンチウイルスベクターから内在レベルに近いレベルで発現させた。ここでも、C625Sミュータントが、ユビキチン化と一致するより移動度の遅いタンパク質を発現したが、WTまたはC625Aタンパク質は発現しなかった(図2B)。合わせて考えると、これらのデータは、Uba6が、組織培養細胞中でユビキチンを活性化する機能を有することを示唆している。実施例3Uba6は、Ube1とは異なる特異性でユビキチンのE2への転移を促進する Ube1は、その活性部位システイン残基からE2ユビキチン結合酵素の活性部位システインへのユビキチンの転移を促進する。E2の一部はUbe1によって活性化されることが分かっているが、少数のE2は、ユビキチン様タンパク質への転移に特異的である(E2M/Ubc12はNedd8によってチャージされ、E2I/Ubc9はSUMOによってチャージされ、E2L/Ubc8はISG15によってチャージされる)。Uba6が、1種または複数種のE2へユビキチンを転移する能力を有するかどうかを決定するために、ヒトゲノムに存在する24種類を超えるE2をクローン化し、非還元SDS−PAGEを用いて、インビトロでのチャージングアッセイ(charging assay)を実施した。このアッセイでは、チャージされたE2は、チャージされていないE2よりも移動度が遅かった。チャージングアッセイの例を図3Aに示し、すべてのE2実験のデータを図3Bにまとめる。これらのE2に対するUbe1およびUba6の特異性は異なることが発見された。予想通り、Ube1およびUba6のいずれも、E2M、E2M3、HSPC、E2L6、E2U、またはE2Iのチャージングを促進しなかった。Ube1は、E2J1、E2J2、E2K、E2Q2、E2R1/Cdc34、E2R2/Cdc34B、およびE2Wのチャージングを選択的に促進し、一方、Ube1およびUba6の両方が、E2C、E2D1、E2D2、E2D3、E2D4、E2E1、E2G、E2S、およびE2Tのチャージングを様々な程度に促進した。興味深いことに、Ube1ではなくUba6が、機能が未知でありこれまで性質が不明であったE2Zのチャージングを促進した。理論に束縛されるものではないが、これらのデータは、Ube1およびUba6が、これらがチャージングするE2に関して異なる基質特異性を有し、したがって、異なる経路で機能する可能性があることを示唆している。理論に束縛されるものではないが、Uba6は、非標準(non−canonical)E2(すなわち、既知のE2との配列の関連性から同定することができないE2)と共に機能する可能性がある。そのようなタンパク質は、当該技術分野で周知の方法を用いて容易に同定されるであろう。実施例4Ube1およびUba6のUblドメインは基質特異性を制御する Nedd8に対するE1のサブユニットであるUba3についての過去の研究により、そのC末端ユビキチンフォールドが、特異的E2であるUbc12の認識に関与していることが明らかとなっている(Huang他、Nat.Struct.Mol.Biol.11:927(2004))。Ube1およびUba6のThiFドメインおよび触媒性ドメインは43%の同一性を有するが、C末端ユビキチン様ドメインは、より関連性が低い(約33%の同一性)(図4A、B)。一方、Uba6のUblドメインは、ゼブラフィッシュからヒトのUba6タンパク質において非常に保存度が高く(約75%)(図1G)、このことは、Uba6のC末端Ublドメイン内の配列を維持するための選択圧の存在を示唆している。Uba1に対するUba6の基質選択性がそのUblドメインを反映している可能性を調べるために、Ublドメインの交換実験を行った(図4C)。Ube1のUblドメインを、Uba6由来のUblドメインで置換し、またその逆も行った。Ube1はCdc34/E2R1を活性化することができたのに対し、Uba6は、この活性を欠いていた。しかし、Ube1のUblドメインを持つUba6は、Cdc34のチャージングに対して活性であった。このことと一致して、Uba6由来のUblドメインを含むUbe1は、Cdc34のチャージングにおいて不完全であった。Ublドメインを欠いたUbe1およびUba6はいずれもCdc34をチャージングにおいて不完全であった。これらのデータは、Ube1およびUba6のC末端Ublドメインが、ユビキチンチャージングの特異性にとって重要であること、およびUba6のUblドメインが、Ube1のUblドメインよりも識別性が高いことを示唆している。実施例5動物細胞中のUba6の存在量を低下させる方法 動物細胞中のUba6を検出するために、C末端Ublドメインに対する抗体を作製した。この抗体は、293T細胞を含むいくつかの細胞株からの抽出物において、Uba6の予想サイズであるおよそ125Kdのタンパク質の二本線を認識した(図2D)。この抗体は、エピトープタグが存在するために内在性タンパク質よりもSDS−PAGE上で僅かに遅く移動する、精製Flag−HA−Uba6とも反応した。Uba6を標的とする3種類の異なるsiRNAが、その定常状態のレベルを大きく低下させることができることが分かった(図2D)。これらのデータは、RNAiを用いることによって、Uba6の活性/機能が阻害されることを示唆している。実施例6Ubc5のチャージング Ube1およびUba6の両方によってチャージされるUbc5に対する、キメラタンパク質(Uba1のUblドメインをUbe1のUblドメインで置換;Ube1由来のUblドメインをUba6のUblドメインで置換(図11Aおよび11B))の活性分析を行った。Ublドメインを欠くUba6およびUbe1は、Ubc5に対する活性を欠くが、各々のキメラタンパク質は活性であることが分かった(図11C)。これらのデータは、この共通するE2に関しては、Ublドメインが交換可能であることを示唆している。さらに、Cdc34またはE2Zに対するキメラの活性が欠如していることは、タンパク質が全体的に非機能的であるからではないことも示唆している。重要なことには、Uba6のUblドメインを含むUbe1タンパク質は、やはりE2Zに対して不活性であり、このことは、特異性にはUblドメイン外の付加的な構造的特徴が必要である可能性があることを示唆している。分子モデル化による研究も行い、Uba6およびUbe1由来のいずれのUblドメインも、ユビキチン様フォールドに折りたたまれることが示された(図11D)。実施例7インビボでのE2ZのチャージにはUba6必要である Uba6またはUbe1のいずれかを除去するために、RNAiと組み合わせたインビボでのチャージングアッセイを利用した。インビボでのチャージングアッセイにおいては、pH約4.5のバッファー(50mM MES(pH4.5)、0.5% NP40、100mM NaCl)を用いて細胞ライセートを作製し、直ちに非還元SDS−PAGEで分離した。このような条件下にて、E2チオールエステルは比較的安定に維持され、SDS−PAGEによる分離が可能であった。次に、チャージングされたE2およびチャージングされていないE2をイムノブロットにより検出した。E2Zに対する抗体は利用可能ではなかったため、Flag−HA−タグを有するE2Zを安定に発現する細胞株を作製した。図12Aに示すように、E2Zの画分は、大部分のタンパク質よりも僅かに遅く移動した。このバンドは、活性部位システインがアラニンに変異してユビキチン化されない変異型E2Zを用いた場合、または野生型E2ZにDTTを添加した場合(チオールエステルを減少させることになる)には、存在しなかった。図12Bに示すように、3種類の異なるsiRNAを用いてUba6を除去することにより、E2Zのインビボでのチャージングが、完全にUba6に依存していることが分かった。一方、Ube1の除去は、E2Zのチャージングの程度に影響を与えなかった。しかし、Ube1の除去により、Ube1特異的E2 Cdc34のチャージングの程度は低下した。実施例8ユビキチンE1の構造的多様性および機能的多様性 ヒト、チンパンジー、旧世界ザル、およびゼブラフィッシュは、単一のUBE1遺伝子しか含んでおらず、ヒトの場合、これはX染色体に位置している。しかし、マウスの場合、Y染色体上に第二の遺伝子が位置していることから、X連鎖UBE1遺伝子の重複が発生したと考えられる(Levy他、Mamm.Genome 11:164(2000);Mitchell他、Nature 359:528(1992);Odorisio他、Dev.Biol.180:336(1996))。マウスUbe1yタンパク質は、マウスUbe1xと約90%の同一性を有し、これらのタンパク質は、E1樹状図の同じクレイド(clad)に位置する(図20)。実際、マウスUbe1yは、ゼブラフィッシュUbe1タンパク質よりも、マウスUbe1xおよび対応するヒトUbe1タンパク質と関連性が高い(図20)。ラットY染色体にも、UBE1関連配列が存在するが、これらの配列(GenBank ID 25225を参照)が完全なUBE1遺伝子を構成するとは考えられない。植物には複数のUbe1オルソログが存在する(例えば、シロイヌナズナには2つの遺伝子(Hatfield他、Plant J.11:213(1997))、コムギには3つの遺伝子が存在する(図20))。ここでも、各々の種内では、コードされたE1タンパク質は互いに関連性が高く(約90%の同一性)、E1樹状図で単一のクレイド形成する(図20)。過去の研究においては、Ube1関連E1の機能的特性の違いを同定することができておらず、このことは、これらの遺伝子が、同一の生化学的機能をもたらすであろうが、異なる種類の細胞、または異なる発生環境において機能するであろうことを示唆している。シロイヌナズナUbe1タンパク質は、試験したすべてのE2に対して同一の活性を有している(Hatfield他、Plant J.11:213(1997))。さらに、過去には、マウスUbe1yがもっぱら精巣内でのみ発現し、精子形成におけるUbe1yの誘発は、Ube1xタンパク質も発現するこの発生段階における通常のユビキチン活性化酵素の活性レベルの上昇の必要性を反映していると考えられると結論付けられた(Odorisio他、Dev.Biol.180:336(1996))。一方、ヒト、マウス、およびゼブラフィッシュのUba6遺伝子は、互いの関連性がより高く、Ube1クレイドとの関連性は低い(図20)。実際、Uba6タンパク質は、それ自体のクラッドを形成し、これは、ヒトUba6およびUbe1が、E2のインビボでのチャージングにおいて異なる役割を担っているという知見と一致する(図15)。 Uba6オルソログを持たないと思われる、線虫(C.elegans)、黄色ショウジョウバエ(D.melanogaster)、分裂酵母(S.pombe)、および出芽酵母(S.cerevisiae)とは対照的に、ウニ(S.purpuratus)においては、Ube1およびUba6オルソログのいずれも同定された(709残基に対して、それぞれ、XP_795302、同一性65%、およびXP_780782、同一性56%)。実施例9E1Ufd−E2接触部分における特異性エレメント 本明細書で示す結果は、Ube1およびUba6が、異なるセットのE2結合酵素と相互作用しチャージングする能力を有することを示唆しており、欠失解析およびキメラタンパク質の解析に基づいている。本明細書で示す結果は、Uba6およびUbe1のC末端ユビキチンフォールドドメイン(Ufd)が、E2の動員および/またはトランスチオール化に寄与していることも示唆している(図14)。現在、Ube1、Uba6、Use1、またはCdc34に利用可能な構造は存在しない。これらのタンパク質のモデルを、関連するタンパク質:Uba6およびUbe1に対してはSUMO1(pdbコード:1Y8Q)由来のUfd、Cdc34Aの場合はUbcH1(1TTE)由来のUfd、ならびにUse1の場合はUbcH5B(2ESQ)由来のUfdの構造に基づいて構築した。UfdおよびCdc34に対するモデルは、Modellerを用いて作製し、Use1に対するモデルは、Swissmodelを用いて作製した。次に、これらのモデルを、Pymolにて、Uba3Ufd−Ucb12複合体(1Y8X)(Huang他、Mol.Cell 17:341(2005))の構造と比較した。 Ubc12/Uba3Ufdの構造において(図21B)、Ubc12のN末端ヘリックス(ヘリックス1)は、主にS2、S3、およびS4から成るUfdのβシートの表面と複数の箇所で接触している(図21B)。Ubc12ヘリックスに面したUfdのβシート表面は、主に、短鎖の側鎖および/または親水性の側鎖を有する残基(A380、T382、T384、T391、A424、A426)から成る(図21Aおよび21B)。これにより、Ubc12ヘリックスのQ31、L32、Q35、およびN39との相互作用が容易となる。Uba3UfdのR390は、βシートの反対側から突出しており、Ubc12のL2ループのD427と接触している(図21B)。Uba6およびUbe1のSUMO1Ufdフォールドとの構造に基づいたアラインメント、ならびにUse1およびCdc34AのUBCフォールドとの構造に基づいたアラインメントにより、Uba6Ufd−Use1複合体およびUbe1UfdCdc34複合体のモデルが提供される(図21Cおよび21D)。特異性に対する構造的基盤をこれらのモデルから直接同定することはできないが、特異性に関与する可能性のある予測接触部分内におけるUfd配列とUBCとの配列の違いを同定することは可能である。まず、3つのUfdのβシート表面は、異なるチャージ分布を有する(図21D)。Uba3Ufdは、最も塩基性であり(青色)、Ube1UfdおよびUba6Ufdがそれに続く。さらに、Uba3Ufdは、Uba6またはUbe1由来のUfdには見られない酸性のパッチ(赤色)を有する。Ubc12のH1ヘリックスとは対照的に、Use1のH1ヘリックスは、非常に高い疎水性の性質を持ち、これは、Uba6Ufdの予測S2βシートおよびS3βシートの疎水性が、Uba3Ufdと比べて、より高いことと一致している(図21Aおよび21C)。Use1のL2ループは、Uba6UfdのS3およびH2と相互作用するであろうが、構造的予測が不確実であるために、これらの潜在的な相互作用を評価することは不可能である。Ube1Ufdの予測構造は、Uba3Ufd−Ubc12の構造に重ね合わせると、Cdc34のH1と衝突するような、モデル化が不十分なセグメントを含んでいる(図21D)。しかしながら、それぞれの接触部分で接触している可能性のある接触部分の残基における類似および相違のいずれをも同定することはできる。例えば、Ube1のS4末端部のR1029は、Uba6のD1023およびUba3のA426に対応している(図21A)。さらに、Ube1のS2のL997は、Uba6のV986およびUba3のT384に対応している(図21A)。同様に、それぞれの特異的E2のH1の残基には、著しい相違が存在する(図21A)。 本明細書において解析された複合体について、E2およびUfdの接触部分に存在すると予測される残基の相違は明らかであるものの、理論に束縛されるものではないが、本明細書で示しデータに基づくと、この系の特異性は、E2とUfdとの接触部分のアミノ酸の1つもしくは少数の変化を反映する可能性は低いと考えられる。第一に、E2配列の詳細な解析(特に、Ufdと結合するN末端ヘリックス)では、共に機能するE1と関連する個別のクラスへE2を分離するような残基のクラスを同定することができなかった(Winn他、Structure 12:1563(2004))。第二に、Ubc12/Uba3−Ufd相互作用に対する、大規模ばアラニン走査突然変異誘発(alanine scanning mutagenesis)により、多くの残基が相互作用に寄与することが示唆されている。例えば、Ubc12の接触部分の9個の残基のうちの8個の変異により、Nedd8によるそのチャージングが低下、または消滅した(Huang他、Mol.Cell 17:341(2005);Huang他、Nature 445:394(2007))。同様に、Uba3のUfdの相互作用表面上の5個の残基のうちの4個の変異により、Ubc12のチャージングが低下した(Huang他、Mol.Cell 17:341(2005))。したがって、この重要で興味深い問題を扱うには、構造解析が必要となるであろう。実施例10材料と方法プラスミド Ube1、Uba6、E2ユビキチン結合酵素およびユビキチン様タンパク質に対するオープンリーディングフレームは、cDNAテンプレートまたはcDNAライブラリーからPCRによって増幅し、pENTR/D−Topo(Invitrogen、カリフォルニア州、カールズバッド)にクローン化した。これらのオープンリーディングフレームは、次に、CLONASE(登録商標)(Invitrogen、カリフォルニア州、カールズバッド)を用いて組換えによるクローン化を利用して、図に示した目的のプラスミドに導入した。突然変異は、PCRに基づく突然変異誘発を用いて作成した。すべてのオープンリーディングフレームを、その全体について配列を決定した。GST−Ube1LおよびGST−MP1を発現するバキュロウイルスは、Brenda Schulman 氏(聖ユダヤ小児研究病院、テネシー州、ンフィス)の提供による。 特に断りのない限り、オープンリーディングフレームは、pENTR/TOPO(Invitrogen、カリフォルニア州、カールズバッド)にクローン化し、CLONASE(Invitrogen)を用いたインビトロ組換えを利用して、適切な発現プラスミドに導入した。pHAGE−Flag−HAベクター(ピューロマイシン耐性)では、オープンリーディングフレームはPGKプロモーターの支配下に配置される。E2のオープンリーディングフレームは、T7プロモーター、およびN末端His−6タグを含むベクター内に配置した。細菌内でのUse1発現のために、Use1オープンリーディングフレーム(NM_023079)を、オープンリーディングフレームの上流にTEVプロテアーゼ切断部位を含むpENTR−2にクローン化し、pDEST−15(Invitrogen製、N末端GSTタグ)へ導入した。抗Use1抗体を用いて検出した内在性タンパク質のサイズ、およびDNA配列解析によると、Use1に対するアノテーションが付されたオープンリーディングフレーム(UBE2Zという)(Gu,X.他、Cloning and characterization of a gene encoding the human putative ubiquitin conjugating enzyme E2Z (UBE2Z).Mol.Biol.Rep.(2006))は正しくない。実際のオープンリーディングフレームは、アノテーションが付された開始部位の前の109個のアミノ酸から開始する(図20B)。調べたすべての遺伝子の配列を、図22にまとめて示す。mRNA発現 ノバルティス研究財団ゲノム研究所の転写プロファイリングリソース(Su他、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.99:4465(2002);Su他、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.101:6062(2004))を用いて、Uba6、Ube1およびUse1に対するmRNA発現の解析を行った。この解析では、GNF1Hチップを、MAS5転写プロファイリングアルゴリズム(Su他、(2004) Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.101:6062)と組み合わせて利用した。系統樹 系統樹、およびアラインメントは、ClustalWをTreeviewと組み合わせて用いて作成した。抗体 Uba6抗体およびUse1抗体は、それぞれ、細菌内で作製されたGST−Uba6融合タンパク質(残基869−1052)、およびGST−Use1を用いて、ウサギで作製した。抗体は、使用前にアフィニティ精製を行った。抗体の特異性は、Uba6、Use1に対するRNAiによって決定した。タンパク質の発現および精製 昆虫細胞内でのタンパク質の産生では、組換えバキュロウイルスを用いてSf9細胞を感染させ(40時間)、溶解バッファー(50mM Tris−HCl(pH7.5)、0.5mM DTT、150mM NaCl、0.5% Nonidet−P40、プロテアーゼ阻害剤(Roche))中の清澄化した細胞抽出物を、抗Flag−セファロースビーズまたはGSH−セファロースビーズに結合させた。洗浄したビーズをFlagペプチド(500μg/mL)、またはグルタチオン(40mM)で溶離し、タンパク質を、50mM Tris−HCl(pH7.5)、0.5mM DTT、150mM NaCl、50% グリセロールに対して透析した。細菌発現は、Rosetta/DE3細胞中で、0.4mM IPTGにより誘導し、37℃で3時間行った。溶解バッファー中で細胞を破壊した後、GSH−セファロースを用いて精製した。質量分析により、GST−UBLタンパク質はすべて、適切なC末端を有することが分かった。 特に断りのない限り、哺乳類細胞におけるタンパク質発現は、Gatewayに適合したpHAGE(レンチウイルス)に基づくベクターを用いたウイルスの形質導入によって行った。ベクターを293T細胞にパッケージングし、これを用いて図に示した細胞株の形質導入を行い、その後、ピューロマイシンによる選別を行った。免疫沈降では、溶解バッファー中に抽出物を生成し、その後、図に示した抗体でインキュベートした。タンパク質は、4−12%のトリス−グリシン勾配ゲル(Invitorogen)で分離した。E2のチャージングを調べるために、細胞を、50mM MES、150mM NaCl、0.2% Nonidet−P40、プロテアーゼ阻害剤(Roche、インディアナ州、インディアナポリス)(図に示したように、pH3〜5)バッファー中に溶解し、遠心分離により清澄化した。10μgの抽出物を、非還元Novex4−12%ビス−トリスゲルで分離した後、イムノブロットを行った。RNAiを用いた場合は、Oligofectamine(Invitorogen)を用いて、図に示したsiRNA(33nM)を細胞にトランスフェクトした。72時間後、細胞を前述のように溶解し、E2のチャージングを調べた。siRNAの配列は本明細書にて提供されている。ユビキチンとFlag−HA−Uba6との間のチオエステルを調べるため、Flag−HA−Uba6(野生型またはC625A変異体)を発現する細胞を、50mM MES(pH4.5)、150mM NaCl、0.2% Nonidet−P40、プロテアーゼ阻害剤中に溶解し、抽出物を使用して抗HAアガロースを用いた免疫沈降を行った。免疫複合体を溶解バッファー(pH4.5)で洗浄し、HAペプチドで溶離し、次に、還元剤の非存在下にて、4−12%ビス−トリスゲルで電気泳動を行った。場合によっては、チオエステル結合を減少させるために、電気泳動の前に試料を200mM DTTで処理した。ゲルをPVDFへ転写して、図に示した抗体でプローブし、または、場合によっては、以下に示すように、バンドを切り出して、質量分析を行った。インビトロでのユビキチン活性化アッセイおよびE2チャージングアッセイ ユビキチン活性化については、図に示したE1(8nM)を、100nM GST−UBLおよび2mM ATPと共に、反応バッファー(50mM Tris−HCl、5mM KCl、5mM MgCl2)中で、30℃にて15分間インキュベートし(全容量10μL)、還元剤を含まない2×Laemli試料バッファーを添加して反応を停止し、直ちに、非還元4−12%トリス−グリシンゲル、およびイムノブロッティングを行った。ユビキチン活性化の動態を測定するために、8nM E1および0.5μM ユビキチンを、30℃にて図に示した時間反応させ、化学発光をCCDにより検出してイムノブロットを定量した。検出は、測定機器Alpha Innotech FlourChem 8900を用いて行った。GSTユビキチン濃度への依存性を測定する実験では、GST−ユビキチン濃度は、0、7.5、15、30、60、120、240、および480nMであり、反応時間は10分であった。2回の独立した実験の平均反応速度を、標準偏差と共に示す。E2のチャージングを調べるために、35S−メチオニンの存在下、細菌S30抽出物(Promega)を用いて、図に示したE2をインビトロで翻訳した。細菌S30抽出物は、このアッセイに干渉する可能性のあるユビキチン活性化酵素およびユビキチン結合酵素を欠いている。放射標識したE2(1μL)を、反応バッファー中、40nMの図に示したE1、25μMのリジンを含まないユビキチン(Boston Biochem、マサチューセッツ州、ウォルサム)、2mMのATPと共にインキュベートした(15分、30℃)(全容量10μL)。説明されているように、反応物をユビキチンの活性化について分析した。一部の実験では、細菌から精製したUse1を用いた。Ube1は、TEVプロテアーゼを用いてGST−TEV−Use1から切り離し、溶離したUse1を、50mM Tris−HCl(pH7.5)、0.5mM DTT、150mM NaCl、50% グリセロールに対して透析した。ユビキチン−セファロースを用いたUba6およびUbe1の捕捉は、過去に報告されたように(Pickart他、J.Biol.Chem.260:1573(1985);Ciechanover他、J.Biol.Chem.257:2537(1982))、安定にFlag−HA−Uba6を発現する細胞の抽出物を用いて行った。質量分析 特に断りのない限り、質量分析は、ゲル内トリプシン処理で作製されたペプチドについて、Thermo−Electron LTQ質量分析器を用いて行った。検索は、Sequestを用いて行った。GST−UBL融合タンパク質のC末端を決定するために、SDS−PAGEゲルから2μgのタンパク質を切り出し、図に示したプロテアーゼで消化した。次に、消化したペプチドを、LC/MS/MSの一連の操作毎に3250を超えるMS/MSのスキャンが得られる条件下にて、LC/MS/MSを分析した。予測C末端ペプチド、ならびに予測スペクトルと一致するスコアXCorrおよびdCnを得た。哺乳類細胞から精製したFlag−HA−Uba6〜Ub由来のペプチドの分析については、トリプシン処理した試料を、測定機器LTQ−Orbitrapを用いてLC/MS/MS分析し、高い質量精度でペプチドを同定した。まず、Sequestを用いて、タンデム質量スペクトルのヒトゲノムに対する検索を行い、ユビキチンおよびUba6に対するペプチドを同定されたが、その他のユビキチン様タンパク質に対しては同定されなかった。より効果的に付加的なUBLの存在を除外するために、ヒトのユビキチン、Nedd8、SUMO−1、SUMO−2、SUMO−3、Fub1、Fat10、Urm1、Ufm1、Gdx、Isg15、およびApg12に対するタンパク質配列を含む範囲を絞ったデータベースの検索を、100質量単位フィルター(100 mass unit filter)を用いて行った(軌道トラップ検出によって得られる高い質量精度のために容易に行われる)。ユビキチンにのみ対応するペプチドが得られ(図2参照)、このことから、Uba6が、ユビキチンに加えてUBLも効率的にチャージすることは極めて可能性が低いと考えられた。 昆虫細胞内でのタンパク質の産生では、組換えバキュロウイルスを用いてSf9細胞を感染させ(40時間)、溶解バッファー(50mM Tris−HCl(pH7.5)、0.5mM DTT、150mM NaCl、0.5% Nonidet−P40、プロテアーゼ阻害剤(Roche))中の清澄化した細胞抽出物を、抗Flag−セファロースビーズまたはGSH−セファロースビーズに結合させた。洗浄したビーズをFlagペプチド(500μg/mL)、またはグルタチオン(40mM)で溶離し、タンパク質を、50mM Tris−HCl(pH7.5)、0.5mM DTT、150mM NaCl、50% グリセロールに対して透析した。細菌発現は、Rosetta/DE3細胞中で、0.4mM IPTGで誘導し、37℃にて3時間行った。溶解バッファー中で細胞を破壊した後、GSH−セファロースを用いて精製した。質量分析により、GST−UBLタンパク質はすべて、適切なC末端を有することが分かった。 特に断りのない限り、哺乳類細胞におけるタンパク質の発現は、Gatewayに適合したpHAGE(レンチウイルス)に基づくベクターを用いたウイルスの形質導入によって行った。ベクターを293T細胞にパッケージングし、これを用いて図に示した細胞株の形質導入を行い、その後、ピューロマイシンによる選別を行った。免疫沈降法では、溶解バッファー中に抽出物を生成し、その後、図に示した抗体でインキュベートした。タンパク質は、4−12%のトリス−グリシン勾配ゲル(Invitorogen)で分離した。E2のチャージングを調べるために、細胞を、50mM MES、150mM NaCl、0.2% Nonidet−P40、プロテアーゼ阻害剤(Roche、インディアナ州、インディアナポリス)(図に示したように、pH3〜5)バッファー中に溶解し、遠心分離により清澄化した。10μgの抽出物を、非還元Novex4−12%ビス−トリスゲルで分離した後、イムノブロットを行った。RNAiを用いた場合は、Oligofectamine(Invitorogen)を用いて、図に示したsiRNA(33nM)を細胞にトランスフェクトした。72時間後、細胞を前述のように溶解し、E2のチャージングを調べた。siRNAの配列は本明細書にて提供されている。ユビキチンとFlag−HA−Uba6との間のチオエステルを調べるため、Flag−HA−Uba6(野生型、またはC625A変異体)を発現する細胞を、50mM MES(pH4.5)、150mM NaCl、0.2% Nonidet−P40、プロテアーゼ阻害剤中に溶解し、抽出物を使用して抗HAアガロースを用いた免疫沈降を行った。免疫複合体を溶解バッファー(pH4.5)で洗浄し、HAペプチドで溶離し、次に、還元剤の非存在下にて、4−12%ビス−トリスゲルで電気泳動を行った。場合によっては、チオエステル結合を減少させるために、電気泳動の前に試料を200mM DTTで処理した。ゲルをPVDFへ転写して、図に示した抗体でプローブし、または、場合によっては、以下に示すように、バンドを切り出して、質量分析を行った。組織培養 組織培養細胞は、ダルベッコ変法イーグル培地中で、5%CO2下、37℃にて増殖させた。Flag−HA−Uba6または関連する突然変異体を安定に発現する細胞株を作製するために、Uba6のORFを、pHAGE−CMV−Flag−HA−GAWまたはpHAGE−PGK−Flag−HA−GAWのいずれかに組換え、ウイルスを、標準的なレンチウイルスパッケージングの手順を用いてパッケージングした。ウイルスの上清を用いて293T細胞を、およそ0.5の感染効率で感染させた。細胞は、ピューロマイシンを用いて、組込みについて選別された。大腸菌でのタンパク質の発現 GST−ユビキチンおよびユビキチン様タンパク質の大腸菌での発現については、BL21/DE3細胞(Novagen、ウィスコンシン州、マディソン)を、適切な発現プラスミド(pDEST−27、Invitrogen)で形質転換し、プラスミドはカルバサイクリンを用いて選別した。細胞を0.8ODまで増殖させ、0.4mMのIPTGで誘導した。3時間後、細胞を回収し、50mM Tris−HCl(pH7.5)、150mM NaCl、1mM EDTA、0.5% NP40中で溶解し、12000gにて遠心分離した。抽出物を、GSH−セファロース(Pharmacia、ニュージャージー州、ピスカタウエイ)を用いて精製した。溶解バッファーでビーズを洗浄後、0.1M Tris−HCl(pH8)および40mM グルタチオンを用いてタンパク質を溶離した。E2をインビトロで翻訳するために、T7プロモーターを含むベクター中のコード配列を、大腸菌インビトロ翻訳システム(Promega)を用いて、35S−メチオニンの存在下で、転写、および翻訳した。次に、タンパク質を、以下に説明するチオールエステルアッセイに用いた。昆虫細胞でのタンパク質の発現 昆虫細胞での発現では、ORFクローンは、Sf9細胞の同時導入によって、Bac−N−Blue(Invitrogen)を用いてバキュロウイルス配列と組換え、トランスフェクションの3日後にウイルス上清を単離した。ウイルスストックを、Sf9細胞中で増幅させた。タンパク質の産生については、Sf9細胞をウイルスストッに感染させ、40時間後、プロテアソーム阻害剤(Roche、スイス、バーゼル)の存在下で、50mM Tris−HCl(pH7.5)、150mM NaCl、1mM EDTA、および0.5% NP40を用いて細胞を溶解した。抽出物を遠心分離により清澄化し、ライセートを、抗Flag樹脂(Sigma、ミズーリ州、セントルイス)、またはGSH−セファロース樹脂(Pharmacia、ニュージャージー州、ピスカタウエイ)と共にインキュベートした。樹脂を溶解バッファーで洗浄し、その後、前述のように、Flagペプチド(Sigma)またはグルタチオンで溶離した。タンパク質を、50mM Tris−HCl、50mM NaCl、および50% グリセロールに対して、4℃にて2時間透析し、−80℃で保存した。ユビキチン活性化反応および転移反応 ユビキチン活性化を調べるために、Ube1またはUba6(100ng)を、50mM Tris−HCl(pH7.5)、50mM NaCl、および4mM ATP中にて、10μgのユビキチンまたはユビキチン様タンパク質の存在下、上記で示した時間インキュベートした(最終容量10μL)。反応混合物を用いて、図に示した時間、非還元SDS−PAGEで分離した。ゲルは、クーマシーで染色するか、または上記で示した抗体でイムノブロッティングを行った。 Uba6からE2へのユビキチン転移を調べるために、チオールエステルアッセイを行った。反応は、2μLのインビトロ翻訳、および35S−メチオニン標識されたE2を添加したこと以外は前述のようにして行った。図に示した時間の後、反応混合物を非還元SDS−PAGEで分離し、乾燥ゲルはオートラジオグラフィーを行ってE2タンパク質およびそのチオールユビキチンの形態を視覚化した。一部の実験では、リジン残基を持たないユビキチン(UbKO)を用いた。哺乳類細胞でのタンパク質の発現 哺乳類細胞におけるUba6に対するユビキチン抱合体を調べるために、Uba6または変異体を安定的にもしくは一過的に発現する、図に示した細胞株を溶解した。清澄化したライセートを用いて、抗HA樹脂で免疫沈降を行った。樹脂を溶解バッファーで洗浄後、タンパク質を非還元SDS−PAGEで分離し、図に示した抗体でイムノブロッティングを行った。特定の場合では、ゲルをクーマシーで染色し、タンパク質を切り出した後、Taplin Mass Spectrometry Core Facility(Harvard Medical School)にて質量分析を行った。全般的方法 ユビキチン活性化アッセイには、50mM Tris−HCl、5mM KCl、5mM MgCl2中で8nM E1、100nM GST−UBL、および2mM ATPを30℃にて15分間処理することを含めた(全容量10μL)。還元剤を含まない2×Laemli試料バッファーで反応を停止し、非還元4−12%トリス−グリシンゲルで分離し、イムノブロッティングを行った。E2のチャージングを調べるために、35S−メチオニンの存在下、細菌S30抽出物(Promega、ウィスコンシン州、マディソン)を用いて、図に示したE2をインビトロで翻訳した。E2(1μL)を、40nM E1、25μM KOユビキチン(Boston Biochem、マサチューセッツ州、ウォルサム)、2mM ATPと共にインキュベートし(15分間、30℃)(全容量10μL)、その後、4−12%トリス−グリシンゲル分離/オートラジオグラフィーを行った。 免疫沈降法については、細胞抽出物を、pH7.5の溶解バッファー(50mM Tris−HCl(pH7.5)、150mM NaCl、0.5% Nonidet−P40、プロテアーゼ阻害剤(Roche、インディアナ州、インディアナポリス))、またはpH4.5の溶解バッファー(50mM MES(pH4.5)、150mM NaCl、0.2% Nonidet−P40、プロテアーゼ阻害剤)中に作製した。タンパク質を、非還元4−12%トリス−グリシン勾配ゲルまたは4−12%ビス−トリス勾配ゲルで分離し、その後、ブロッティングまたは質量分析を行った。インビボでのE2のチャージングを調べるために、細胞を、50mM MES(図に示したように、pH3〜5)、150mM NaCl、0.2% Nonidet−P40、プロテアーゼ阻害剤中に溶解し、遠心分離により清澄化した。抽出物(10μg)を、非還元4−12%ビス−トリスゲルで分離した後、イムノブロッティングを行なった。記載がある場合は、抽出物を200mMのジチオスレイトール(DTT)とともに煮沸した(5分間)。RNAiについては、Oligofectamine(Invitrogen、カリフォルニア州、カールズバッド)を用いて細胞をトランスフェクトした。72時間後、本明細書に記載のように細胞を溶解した。siRNAの配列:siUba6−1、CCTTGGAAGAGAAGCCTGATGTAAA;siUba6−2、ACACTGAAGTTATTG TACCGCATTT;siUba6−3、GGGATCGATGGACCGTACATGGAAA;siUbe1−1、GAGAAGCTGGGCAAGCAGAAGTATT;siUbe1−2、CCGACAGCTTGACTCCTACAAGAAT;siUbe1−3、TCCTCAACTTGGCCCTGCCTTTCTT。実施例11参考文献 Gu,X.他、“Cloning and characterization of a gene encoding the human putative ubiquitin conjugating enzyme E2Z(UBE2Z)”、Mol.Biol.Rep.、34:183−188(2006) Pickart,C.M.& Eddins,M.J.、“Ubiquitin: structures,functions,mechanisms”、Biochim.Biophys.Acta、1695:55−72(2004) Huang,D.T.、Walden,H.、Duda,D.& Schulman,B.A.、“Ubiquitin−like protein activation”、Oncogene 23:1958−1971(2004) Kerscher,O.、Felberbaum,R.& Hochstrasser,M.、“Modification of proteins by ubiquitin and ubiquitin−like proteins”、Annu.Rev.Cell 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前記ユビキチン結合酵素が、E2Zである、請求項8に記載の方法。 ユビキチン活性化を阻害する方法であって、Uba6を、Uba6の触媒性システインドメインを阻害する化合物と接触させることを含む方法。 インビトロまたはインビボで行われる、請求項14に記載の方法。 組織培養細胞内で行われる、請求項14に記載の方法。 Uba6活性を必要とする生物内で、Uba6活性を低下させる方法であって、 Uba6のmRNAの一部と相補的な1種または複数種のsiRNAを前記生物へ投与することを含む方法。 前記siRNAが、配列番号1、配列番号2、および配列番号3から成る群より選択されるRNA配列である、請求項17に記載の方法。 前記Uba6のmRNAの一部が、ThiFドメイン、触媒性システインドメイン、アデニル化ドメイン、またはユビキチン様ドメインをコードする、請求項17に記載の方法。 前記生物が、ヒトである、請求項17に記載の方法。 ユビキチン化を必要とする生物内で、ユビキチン化を低下させる方法であって、 前記生物内でUba6活性の1種または複数種を阻害する1種または複数種の化合物を前記生物へ投与することを含む方法。 前記化合物が、抗体またはsiRNAである、請求項21に記載の方法。 前記生物が、ヒトである、請求項21に記載の方法。 E2Zのチャージングを阻害する化合物を同定する方法であって、 E2Zおよびユビキチンを含む試料を提供することと、 前記試料を前記化合物と接触させることと、 前記試料をUba6またはその生物活性部分と接触させることと、 前記化合物の存在下にて、ユビキチンがE2Zと結合しているかどうかを決定することとを含み、 前記化合物がE2Zのチャージングを阻害する場合は、ユビキチンがE2Zと結合していない、方法。 SDS−PAGEゲル上でE2Zを視覚化することをさらに含む、請求項24に記載の方法。 Uba6活性を阻害する化合物を同定する方法であって、 ユビキチン結合酵素およびユビキチンを含む試料を提供することと、 前記試料を前記化合物と接触させることと、 前記試料をUba6またはその生物活性部分と接触させることと、 前記化合物の存在下にて、ユビキチンが前記ユビキチン結合酵素と結合しているかどうかを決定することとを含み、 前記化合物がUba6活性を阻害する場合は、ユビキチンが前記ユビキチン結合酵素と結合していない、方法。 前記ユビキチン結合酵素が、E2C、E2D1、E2D2、E2D3、E2D4、E2E1、E2G、E2S、E2T、およびE2Zから成る群より選択される、請求項26に記載の方法。 前記ユビキチン結合酵素が、E2Zである、請求項26に記載の方法。 Uba6活性を阻害する化合物を同定する方法であって、 ユビキチンを含む試料を提供することと、 前記試料を前記化合物と接触させることと、 前記試料をUba6またはその生物活性部分と接触させることと、 前記化合物の存在下にて、ユビキチンが、Uba6またはその生物活性部分と結合しているかどうかを決定することとを含み、 前記化合物がUba6活性を阻害する場合は、ユビキチンがUba6と結合していない、方法。 ユビキチンが、チオール結合を介して、Uba6またはその生物活性部分と結合している、請求項29に記載の方法。 ユビキチンが、固定化される、請求項29に記載の方法。 配列番号1、配列番号2、および配列番号3から成る群より選択される核酸配列と少なくとも約70%の同一性を有するRNA配列であって、前記RNA配列が、Uba6活性を阻害することができる、RNA配列。 前記Uba6活性が、ユビキチンの活性化、ユビキチン−アデニル酸中間体の形成、ユビキチンのチオールエステル化、ユビキチン結合酵素へのユビキチン転移、および標的ポリペプチドのユビキチン化から成る群より選択される、請求項32に記載のRNA配列。 前記RNAがsiRNAである、請求項32に記載のRNA配列。 配列番号1、配列番号2、および配列番号3から成る群より選択される、RNA配列。 前記RNA配列が、Uba6活性を阻害することができる、請求項35に記載のRNA配列。 前記Uba6活性が、ユビキチンの活性化、ユビキチン−アデニル酸中間体の形成、ユビキチンのチオールエステル化、ユビキチン結合酵素へのユビキチン転移、および標的ポリペプチドのユビキチン化から成る群より選択される、請求項36に記載のRNA配列。 前記RNAがsiRNAである、請求項35に記載のRNA配列。 新規ユビキチン活性化酵素Uba6を提供する。Uba6経路を介してユビキチンを阻害するための組成物および方法を提供する。ユビキチン化の新規阻害剤を同定する方法も提供する。新規RNAi分子も提供する。