生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_軽度認知機能障害の治療に用いる唯一の薬剤としてのDMAE
出願番号:2009533884
年次:2010
IPC分類:A61K 31/133,A61P 25/28,A61K 31/4015


特許情報キャッシュ

ピエール、ファーブル クリストフ、プルジビルスキ ブリュノ、デュボワ JP 2010508253 公表特許公報(A) 20100318 2009533884 20071031 軽度認知機能障害の治療に用いる唯一の薬剤としてのDMAE ピエール、ファーブル、メディカマン 500033483 吉武 賢次 100075812 中村 行孝 100091487 紺野 昭男 100094640 横田 修孝 100107342 ピエール、ファーブル クリストフ、プルジビルスキ ブリュノ、デュボワ FR 0609548 20061031 A61K 31/133 20060101AFI20100219BHJP A61P 25/28 20060101ALI20100219BHJP A61K 31/4015 20060101ALI20100219BHJP JPA61K31/133A61P25/28A61K31/4015 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MT,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW EP2007061737 20071031 WO2008053011 20080508 15 20090626 4C086 4C206 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC08 4C086MA01 4C086MA04 4C086MA52 4C086NA14 4C086ZA15 4C206AA01 4C206AA02 4C206FA03 4C206KA15 4C206MA01 4C206MA04 4C206MA72 4C206NA14 4C206ZA15 本発明は、非認知症軽度認知機能障害の治療を目的とした医薬品を製造するための、唯一の有効成分としての、遊離型の、または塩もしくはエステルの形態ならびに水和物および溶媒和物の形態の、ジメチルアミノエタノール(デアノールまたはDMAE)の使用に関する。 そのため、本発明の対象であるこの使用は、認知愁訴(一般に記憶愁訴)を訴える、すなわち認知テスト(特に記憶力テスト)において能力レベルの低下を示しているが、全般的認知・知的機能(fonctionnement cognitif et intellectuel global)を保持し、日常生活動作が損なわれないままである人、特に高齢者を対象とした医薬品に関するものであることに留意すべきである。さらに、このような人は臨床的認知症症候群がなく、特に、DSM−IV(Diagnostic and Statistical Manual of Mentals, 4th Edition)によって、ICD−10(International Classification of Diseases 10th Edition)によって、あるいはNINCDS−ADRDA(National Institute of Neurologic and Communicative Disorders and Stroke (NINCDS) and Alzheimer's Disease and Related Disorders Association (ADRDA) criteria: McKhannG, Drachman D, Folstein M, Katzman R, Price D, Stadlan EM, Clinical Diagnosis of Alzheimer's Disease: report of the NINCDS-ADRDA Work Group under the auspices of the Department of Health and Human Services Task Force on Alzheimer's Disease, Neurology 1984; 34: 939-44)に従ってアルツハイマー病の疑いまたはほぼ確実なアルツハイマー病について定義されるような、認知症の臨床基準を満たさない。 よって、本発明は特に、上述の異なる形態、すなわち特に、ピログルタメート、ヒドロクロリド、アスコルベート、ビタルトレート、ジハイドロジェンホスフェート、オロテート、スクシネート、カルバメート、フェニルアセテート、ベンゾエート、パラ−アセトアミドベンゾエートおよびアセグルタメート(l'aceglutamate)の中から選択される塩またはエステルの形態の、DMAEの使用に関する。 本発明の一つの特定の態様によれば、前記DMAE誘導体の使用は、特に、海馬型健忘症候群の治療を目的とする。 本発明の別の特徴によれば、前記DMAE誘導体は、特に、臨床的認知症評価(Clinical Dementia Rating)(CDR)尺度によるステージ0.5に相当する中等度認知機能障害の治療を目的とする。この評価は、Hugues CP, Berg L, Danzinger WLらによって、”A new clinical scale for the staging of dementia” BrJ Psychiatric 1982; 140; 566-72において記載されている。CDR尺度のこの0.5ステージは、認知動作速度の低下に相当し、まさに中等度の認知機能障害を有しているが、それでもなおそれが顕著である患者を特徴付ける。 これらの患者における記憶障害のタイプは、一般に、些細な軽度の物忘れ、出来事を部分的にのみ再構築することと解され、社会的行動、家庭生活、余暇活動および知的興味には事実上障害なしと解される。 日常生活動作が事実上損なわれていない場合、前記患者は認知症の兆候は全く示さないものとされる。 前世紀後半以降、軽度認知障害を有する総ての老齢患者が必ずしも認知症を発症するわけではないことから、軽度の安定した認知障害を有する高齢患者と認知症へ進行中の高齢患者をよりよく見分けるために最適な診断指標を発見しようとして、いくつかの概念が提唱されてきた。 これらの概念の目的は、一時的または根治的治療技術とはいかないまでも、少なくとも予防的治療技術から恩恵を受け得る人を識別することである。 異なるタイプのアプローチ(臨床的、神経心理学的)に基づいた、異なる診断ツール(神経心理テスト)を用いたこれらの概念では、高齢患者における認知障害の存在が共通している。 得られた結果や提案される作用機序を考慮して、これらの様々な分類に合う患者においていくつかの利益も予想できた。例として、高齢患者における認知障害に関する文献に記載された主要な名称のリストを以下に示す: ・前駆期のAD(Prodromal AD) ・健忘型MCI(単一ドメインまたは複数ドメイン)(Amnesic MCI (single domain or multiple domain)) ・軽度認知機能障害(Mild Cognitive Impairment)(MCI)−Petersen et al (1999) ・認知症を伴わない認知機能障害(Cognitively Impaired Non Demented)(CIND)−1995 ・加齢関連認知低下(Aging-Associated Cognitive Decline)(AACD)−Levy (1994) ・軽度認知低下(Mild Cognitive Decline)(MCD)−OMS (1994) ・年齢関連認知低下(Age-Related Cognitive Decline)(ARCD)−DSM IV ・高齢期の物忘れ(Late-Life Forgetfulness)(LLF) De Blakford and La Rue ・年齢相応の記憶機能障害(Age-Consistent Memory Impairment)(ACMI) ・加齢に伴う記憶機能障害(Age-Associated Memory Impairment)(AAMI)−Crook et al (1986) ・悪性老人性物忘れ(Malignant Senescent Forgetfulness)(MSF) ・良性老人性物忘れ(Benign Senescent Forgetfulness)(BSF) 最も新しい名前の1つである軽度認知機能障害(MCI)により、正常(「正常」と考えられる年齢関連認知低下)にはもはや相当しないが、(アルツハイマー病型の)認知症にはまだ相当しない状態を特徴付けることができる。臨床上、MCIは、認知機能愁訴を訴えている、理論上認知症へ進行する危険性が高い高齢患者集団に当てはまる。 Petersen RC "Mild Cognitive Impairment as a diagnostic entity" J. Intern Med 2004; 256: 183-194では、前記障害についてのいくつかの定義が提案されている: ・近い家族によって確認された記憶愁訴、 ・年齢を考慮しての異常な機能障害、 ・認知症なし、 ・認知低下、 ・基本的に正常な日常生活動作。 現在、4つのサブカテゴリーへのMCIの分類(症候群分類): ・健忘型MCI−単一ドメイン(記憶のみに関する機能障害) ・健忘型MCI−複数ドメイン(記憶を含むいくつかの認知領域における機能障害) ・非健忘型MCI−単一ドメイン(記憶以外のただ1つの認知領域における機能障害) ・非健忘型MCI−複数ドメイン(記憶を含まないいくつかの認知ドメインにおける機能障害)に関して合意が得られている。 前記疾患の進行の観点から見れば、「単一ドメイン」健忘型MCIおよび複数ドメイン健忘型MCIは、主としてアルツハイマー型認知症へと進行するように思われる。 本発明の一つの特定の特徴によれば、前記DMAE誘導体の使用は、特に、2004年にthe International Working Group on Mild Cognitive Impairmentによって定義されたような軽度認知機能障害の治療を目的とする。 しかしながら、病因病理学的概念(concept etiopathogenique)には、第一に、診断条件(診断条件はまだ明確に決定されておらず、各研究ごとにデータが大いに異なる原因である)、そして、第二に、その病因論的多様性に関連して限界があることに留意するべきである。 このため、明瞭な治療的アプローチを検討することや、ある個体において前記障害の発生を予測することが困難となる。 MCIを、その進行様式によって個々に区別し、特徴付ける傾向がある他の定義も提案されている。「アルツハイマー型」MCIまたは「発症前アルツハイマー病」は、 ・本人または近い家族による記憶愁訴、 ・緩やかな発症:日常生活動作に対する影響(iADL)はほとんどまたは全く無し、 ・海馬型健忘症候群(良好な記銘にもかかわらず自由再生不良、手掛かりが有効でない遅延再生障害、複数の誤反応(intrusion))、 ・後の評価において確認される持続的な記憶障害:認知症なし、 ・MCIについて他の可能性のある原因が全くないこと(必要であればパラメディカルテストを実施することができる:画像化、生物学...)によって特徴付けられる。 アルツハイマー病にある程度の有効性を示した治療の多くは、MCIについても検証されており、それらの治療には、それらの製造承認において、アルツハイマー病の治療適応を受けた製品(抗コリンエステラーゼまたはメマンチンなど)が含まれる。現在まで、これらの検証済製品はいずれもMCIの治療において具体的な効果を示していないことに留意することが重要である。 アルツハイマー病の治療における活性が認められており、それらの有効性がMCIについても検証されている主要な薬物治療のリストを以下に示す: ・ロフェコキシブ(Merck):3年、その後4年、N=1457 ADへの転換、ADAS cog、SRT、CDR、Blessed; ・ドネペジルおよびビタミンE(ADCS):3年、N=769 ADへの転換; ・ドネペジル(Pfizer):6ヶ月、N=269 症状変化; ・リバスチグミン(Novartis):3年、その後4年、N=1018 ADへの転換、複合神経認知的変化; ・ピラセタム(UCB):1年、N=約600 症状進行、低下速度; ・ガランタミン(INT−11)(Janssen):2年、N=約900 症状進行 M−ADAS cog、DSST、CDR; ・ガランタミン(INT−18)(Janssen):2年、N=約900 症状進行 M−ADAS cog、DSST、CDRおよびMRI; ・CX 516、AMPAモジュレーター(Cortex, Servier):1ヶ月、N=168 症候性。 MCIにおいてこれらの薬物治療を用いて行われた試験では、主要な基準において、または転換時間において有意な効果を示したものはなかった。これらのテストの多くは、主要な基準として転換率を用いて行われた(Schneider, Mild Cognitive Impairment, Am. J. Geriatr. Psychiatry, 2005: 13: 629-632)。 驚くべきことに、本発明者らは、記憶喪失だけで本質的に特徴付けられる非認知症軽度認知欠陥、特にMCIは、記憶改善において特異的効果を示すDMAEならびにその塩および他の誘導体(エステルなど)、さらにその水和物および溶媒和物の治療効果によって最適な恩恵を受ける特異的モデルであることを確認した。 対象となる集団は軽度認知機能障害および海馬型健忘症候群を有する個体であり、これらの軽度認知機能障害および海馬型健忘症候群は、16アイテムの自由再生・手がかり再生テスト(test de rappel libre/rappel indice a 16-items)(FR/CR−16アイテム)とも呼ばれるグローバー−ブシュケテスト(test de Grober et Buschke)の結果の低下によって実証される(Van der Linden M et al, L'evaluation des troubles de la memoire, Eds Soial p 25-45)。そのため、前記対象集団を選抜するために、このテストを用いることができる。 海馬型健忘症候群は、次の特徴によって実際上定義される(Dubois B et al Lancet Neurol., 2004, 246-248; Dubois B et al Lancet Neurol., 2007, 734-746): −コントロールされた記銘にもかかわらず自由再生障害、 −手がかりの無効果、または貯蔵欠如を示す認識障害、 −数多くの誤反応(intrusion)。 グローバー−ブシュケテストを用いて、不完全な貯蔵ステップを発見するために記銘段階および想起段階をコントロールすることができ、このテストは海馬型健忘症候群を立証するための高性能ツールとなる。 このテストは次のとおり行われる: 16の異なる意味カテゴリーに属する16単語(またはアイテム)のリストを4フェーズで記憶する:1.16単語を4単語ずつ与えるフェーズ(直後再生による16単語のコントロールされた記銘および識別フェーズに相当する)、その後干渉課題(20秒、例えば374から1ずつ逆に数えること)を与える。2.3回の自由再生および3回の手がかり再生を全16単語に適用する(自由再生されないアイテムについては、記銘に用いられるカテゴリーの手がかりを与える)フェーズ、再生ごとに干渉課題20秒間を与える。3.前記16アイテムの中から前記16アイテムを認識するための認識フェーズ、16意味的誤選択肢および16中立的誤選択肢、および4.20分後の自由/手がかり再生フェーズ。フェーズ1:前記単語を1枚のカードで4単語ずつ、すなわち4枚のカードで与える。「記銘」フェーズ中、心理学者は患者にカードを1枚ずつ与える。4アイテムからなる各カードに対して、心理学者は患者に、与えたカテゴリー手がかり(例えば花)に対応するあるアイテム(例えばラッパズイセン)を見つけ、それを読み上げるように求める。あるカードの4アイテムが正確に識別されたら、心理学者はそのカードを回収し、その4単語について「直後手がかり再生」テストを行う:前記カテゴリー手がかりを声に出して言われたら、患者はこのカテゴリーに属するアイテムを思い出さねばならない。この「直後手がかり再生」中に想起されない単語がある場合には、心理学者は対応するカードを再び見せ、思い出してないアイテムのカテゴリー名を告げて、患者がその対象アイテムを識別し、読むようにする。次に、心理学者は、カードを隠し、患者に最初のトライアル中に見つからなかったカテゴリーに対応するアイテムを思い出すように求めて、「直後手がかり再生」を再び行う。各アイテムにつき3回の「直後手がかり再生」トライアルを提案することができる。心理学者は4アイテムからなる他の3枚のカードについても同様に進める。4枚目のカードを提示し直後手がかり再生が成功した後、患者に干渉課題20秒間(逆に数えること)を実施するように求める。フェーズ2:次に、心理学者は自由再生フェーズを進め、この自由再生フェーズ中に患者は、前記カードで任意の順序で事前に与えた総ての単語を思い出さねばならない。この自由再生フェーズは2分続き、この後心理学者は「自由再生」フェーズ中に思い出してない単語についてのみ「手がかり再生」フェーズに進める。心理学者はこれらの単語のカテゴリーを与えて、対応するアイテムの患者再生を促す。必要であれば心理学者は正確な回答をする。3回の再生トライアルを得るために、干渉課題の前に、同じ「自由再生」および「手がかり再生」手順を3回繰り返す。3回目のトライアルでは患者の誤りを指摘しない。フェーズ3:さらに、心理学者は干渉課題直後に「認識」フェーズを提案する。患者は32の誤選択肢に混じった16対象アイテムを認識しなければならない。フェーズ4:認識フェーズの20分後に、「自由再生」および「手がかり再生」フェーズがある。 よって、このテストの目的は、・直後手がかり再生手順を用いて注意障害をコントロールすること、・単語を自発的に想起する能力(自由再生)と単語を貯蔵し(手がかり再生)、単語を統合する能力(20分後での手がかり再生)を見分けることである。 そこで、海馬型健忘症候群を有する対象集団は、次の基準: 自由再生スコア20以下(このスコアは、フェーズ2の3回の自由再生トライアル中に正確に名前を言えたアイテムを数えることによって得る)、および 総再生スコア40以下(このスコアは、フェーズ2の3回の自由再生・手がかり再生トライアル中に正確に名前を言えたアイテムを数えることによって得る)により選抜される。 本発明においては、前記対象集団のプロフィールを再現するために、スコポラミンの注射によってこの記憶障害が誘導された集団においてDMAEならびにその塩およびエステル、さらにその水和物および溶媒和物の活性を評価した。 特に、本発明者らは、DMAEならびにその塩およびエステルの一部、とりわけDMAEピログルタメート(pGlu−DMAE)の効果について、コリン作動性伝達を遮断するスコポラミンの注射によって誘導される記憶喪失のために反復投与した後、24名の健康な個体においてトライアルを行った(クロスオーバー研究)。用いた薬物は、1日用量として、成人において100mg〜3g、有利には300mg〜3gのオーダーの有効成分、特に1日当たり1500mgのオーダーを可能にする投与量単位に相当する、経口経路で摂取するのに好適な形態とした。検証した薬物治療によって、およそ1.5μg/mlのDMAEおよび/またはおよそ24ng/mlのpGlu(ピログルタミン酸)というCmaxピークに相当する血漿レベルがもたらされた。 本発明者らは次のテストを行った:・記憶力テスト:ブシュケセレクティブリマインディングテスト(Buschke Selective Reminding Test)、・注意力テスト:ディジットシンボルサブスティチューションテスト(Digit Symbol Substitution Test)(90”)・覚醒度および気分の評価:Bond and LaderによるEVA、・感覚・運動能力テスト:反応時間(合計、意思決定および運動)。 観察された主な結果を添付の図1〜図4のグラフに示しており、これらの図のグラフにおいて:・LTSは、長期貯蔵において獲得された単語の数を表し、・LTRは、各テストにおいて長期記憶から想起された単語すなわちLTSに属し、進行中のテストで再生された単語の数を表し、そして・CLTRは、一貫して獲得されたすなわちその後のテスト中に再生された単語の数を表す。 DMAEおよびその誘導体、特にDMAEピログルタメートは、記憶能力レベルに対して特異的効果を示したが、覚醒度、注意力などのような検証した他の認知的成分に何の影響も与えなかった。 よって、DMAEまたはその塩の作用機序は、上述の従来の抗コリンエステラーゼのもの(その記憶に対する効果は、覚醒度、注意力、学習などのような様々な認知的局面に対する全般的効果の結果に過ぎないようである)とは異なっているようである。 本発明者らによって行われた他の様々な試験によれば、プロ−コリン作動活性(activite pro-cholinergique)を有するDMAEおよびその塩またはエステルは、前頭分布を考慮して意思プロセスにより関与する無名質−皮質コリン作動系(systeme cholinergique innominato-cortical)に対してよりもむしろ、特に、記憶プロセスに関与する中隔海馬コリン作動性経路を介して作用するものと考えられる。 海馬型健忘症候群を特徴とする非認知症軽度認知機能障害の治療を目的とした医薬品を製造するための、唯一の有効成分としての、遊離型の、または塩もしくはエステルの形態ならびに水和物および溶媒和物の形態の、ジメチルアミノエタノール(DMAE)の使用。 前記DMAEが、次の誘導体:ピログルタメート、ヒドロクロリド、アスコルベート、ビタルトレート、ジハイドロジェンホスフェート、オロテート、スクシネート、カルバメート、フェニルアセテート、ベンゾエート、パラ−アセトアミドベンゾエートおよびアセグルタメートの中から選択される塩またはエステルの形態で用いられる、請求項1に記載の使用。 前記医薬品が、成人の1日用量を300mg〜3g、特に1500mgの有効成分とすることを可能にする投与量単位で、経口経路で摂取されるように意図されている形態で与えられる、請求項1または2に記載の使用。 前記医薬品が、およそ1.5μg/mlというジメチルアミノエタノールのCmaxに相当する血漿レベルをもたらすジメチルアミノエタノールの連日投与を可能にする、経口経路で摂取される投与量単位の形態である、請求項3に記載の使用。 デアノールピログルタメートが用いられる、請求項2に記載の使用。 前記医薬品が、300mg〜3g、特に1500mgのデアノールピログルタメートの成人への連日投与を可能にする投与量単位で、経口経路によって摂取されるように意図されている形態で与えられる、請求項5に記載の使用。 前記医薬品が、およそ1.5μg/mlというジメチルアミノエタノールのCmaxに相当する血漿レベルおよびおよそ24ng/mlというピログルタミン酸のCmaxに相当する血漿レベルをもたらすジメチルアミノエタノールピログルタメートの連日投与を可能にする、経口経路で摂取される投与量単位の形態で与えられる、請求項6に記載の使用。 本発明は、海馬型健忘症候群を特徴とする非認知症軽度認知機能障害の治療に用いる薬物の製造のための、唯一の有効成分としての、遊離型の、あるいは塩の形態またはエステルの形態、さらにその水和物および溶媒和物の形態の、ジメチルアミノエタノール(DMAE)の使用に関する。


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