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タイトル:特許公報(B2)_イオン液体の製造方法
出願番号:2009519271
年次:2014
IPC分類:C07C 209/84,C07C 211/63,C07D 233/58,C07D 213/20,C07F 9/54


特許情報キャッシュ

三井 均 園部 兼士 柳 日馨 福山 高英 JP 5463140 特許公報(B2) 20140124 2009519271 20080611 イオン液体の製造方法 日宝化学株式会社 000227652 公立大学法人大阪府立大学 505127721 特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK 110000338 三井 均 園部 兼士 柳 日馨 福山 高英 JP 2007155769 20070612 20140409 C07C 209/84 20060101AFI20140319BHJP C07C 211/63 20060101ALI20140319BHJP C07D 233/58 20060101ALI20140319BHJP C07D 213/20 20060101ALI20140319BHJP C07F 9/54 20060101ALI20140319BHJP JPC07C209/84C07C211/63C07D233/58C07D213/20C07F9/54 C07D 233/58 C07F 9/6568 CAplus/REGISTRY(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII) JSTChina(JDreamIII) 米国特許出願公開第2007/0010688(US,A1) 中国特許出願公開第1858048(CN,A) 特開2004−026822(JP,A) 国際公開第2006/122563(WO,A1) 特表2009−527512(JP,A) 特開昭57−023607(JP,A) Green Chemistry,Vol.8, No.12,p.1076-1079 (2006). 日本化学会講演予稿集,Vol.85th, No.2,p.1115 (2005). 日本化学会講演予稿集,vol.84th, No.2,p.1274 (2004). Tetrahedron Letters,Vol.48, No.10,p.1721-1724 (2007).,Available online 14 January 2007 Tetrahedron,Vol.62, No.6,p.1309-1317 (2006). 11 JP2008060654 20080611 WO2008153045 20081218 32 20110610 小久保 敦規 本発明は、イオン液体およびその製造方法に関するものである。 イオン液体(イオン性液体、イオン性流体または常温溶融塩とも称される)は、カチオンとアニオンとを組み合わせてなる溶融塩である。イオン液体の特徴として、−50〜400℃の幅広い温度領域において液体状態であることが挙げられ、室温(25℃)において液体状態であるものも多数知られている。 幅広い温度領域において液体状態であることの他にも、イオン液体の特徴として、蒸気圧が極めて低く不揮発性であること、優れた熱安定性および電気化学安定性を有していること、粘度が低いこと、かつイオン導電性が高いことを挙げることができる。これらの特徴を生かして、イオン液体は、電解液または電解質を溶解させた電解液組成物、色素増感太陽電池、燃料電池、リチウムイオン2次電池、および電気二重層キャパシタなどの電気デバイスに利用されている。 また、イオン液体は、非プロトン性のイオン構造に基づく高い極性を示し、有機化合物および無機化合物に対して優れた溶解力を有する。この性質を利用して、イオン液体を、有機合成の反応溶媒として用いる試みが数多くなされている。イオン液体を反応溶媒として用いる場合、溶質はイオンのみに溶媒和されるため、水および有機溶媒を反応溶媒として用いる場合と全く異なる環境下で反応が進行する。また、イオン液体の中には、水および極性の低い有機溶媒に溶けにくい性質を有するものもあり、多相反応の環境を提供することもできる。さらに、揮発性もほとんどないため、安全性の面からも優れ、反応溶媒として大きな注目を集めている。 イオン液体の一般的な製造方法としては、アニオン交換法、酸エステル法および中和法を挙げることができる。これらの中でも、酸エステル法および中和法は、合成できるイオン液体の種類が限られるため、アニオン交換法が最も一般的に用いられている。アニオン交換法とは、アニオン交換反応を利用した合成法であり、目的とするイオン液体を構成するカチオンを含むハロゲン化物と、目的とするイオン液体を構成するアニオンを含む塩とを反応させることによってイオン液体を合成する方法である(例えば、非特許文献1参照)。 上述したように、イオン液体は、カチオンとアニオンとを組み合わせてなる溶融塩であり、カチオンおよびアニオンのみからなることが好ましい。しかし、実際には、イオン液体中には、例えば、水分などの微量な不純物が含まれている。これらの不純物は、主として、イオン液体の合成過程において生成または混入されるものであり、製造したイオン液体に大きな影響を及ぼす。例えば、イオン液体中に水分が含まれている場合、イオン液体中に含まれている水分は、イオン液体の粘性を下げるなどの物性に影響を及ぼす。また、イオン液体を反応溶媒として用いる場合には、例えば、触媒金属に配位することによって、反応速度に影響を及ぼすなど、その反応性に問題が生じ、電解液として用いる場合には、副生成物が発生し、製品の劣化を引き起こす一因となる。 水分の混入の他の要因としては、大気中の水分の吸湿を挙げることができる。大気中の水分の吸湿は、特に親水性のイオン液体において深刻な問題であるが、疎水性のイオン液体であっても、大気中の水分の吸湿が1重量%程度起きる。したがって、親水性および疎水性を問わず、イオン液体の製造において、イオン液体中に含まれる水分を除去する必要がある。 イオン液体中の水分除去には、水分を除去する方法として周知の方法である高真空かつ高温条件下での真空乾燥、およびモレキュラーシーブス、シリカまたはアルミナによる吸着脱水が用いられている。また、特許文献1には、水の電気分解を利用し、イオン液体中の水分を水素および酸素に分解する水分除去方法が開示されている。他にも、イオン液体の合成反応自体を、ppmオーダーにて水分管理することのできるドライルーム内において行う方法もとられている。大野弘幸監修「イオン性液体」シーエムシー出版(2003年)国際公開第2003/091198号パンフレット(2003年1月19日公開) しかし、上述した周知の方法を用いた水分除去方法は、様々な問題を有している。例えば、真空乾燥による水分除去の場合、製造したイオン液体の物性に影響を及ぼさない程度の含水率にまで乾燥するためには、24時間以上の時間が必要であり、水分除去に要する時間の長時間化が問題となる。特に、親水性のイオン液体では、吸湿性が非常に高いため、24時間以上の乾燥をしてもなお、完全に水分を除去できないおそれがある。したがって、親水性のイオン液体の製造においては、反応溶媒としての水の使用はもちろん、合成反応中における水分管理も非常に厳密に行わなければならず、イオン液体の製造方法が煩雑となり、かつ工業的生産は非常に困難である。 また、吸着脱水を用いる場合には、吸着剤を乾燥する必要があるため、イオン液体の製造におけるステップ数が増え、製造方法が煩雑となる。また、製造するイオン液体の粘性が高い場合には吸着剤を用いることができない。さらに、ドライルームの設置は、その設置費用が非常に高価であるだけでなく、合成過程において水を使用することができないため、製造できるイオン液体の種類が限定されてしまう。また、水の電気分解を用いる場合も、工業生産するためには、非常に多量の電気エネルギーを用いる必要があるため、イオン液体の製造コストが高くなってしまう。 本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、主として、製造できるイオン液体の種類を制限することなく、低コストであり、容易かつ短時間に含水率の低いイオン液体を製造する製造方法を提供することを目的としている。 本発明者らは、鋭意検討した結果、イオン液体から水分を除去するよりも、イオン液体から有機溶媒を除去することの方が容易であることを見出した。そして、溶融塩を生成することによって得られる溶融塩液中に、水によって加水分解され、有機溶媒を生成する化合物を添加することによって、溶融塩液中の水分を有機溶媒に変換できることを明らかにし、本発明を完成するに至った。 本発明に係るイオン液体の製造方法は、カチオン部位とアニオン部位とを組み合わせてなる溶融塩を含む溶融塩液から、溶融塩を主成分とするイオン液体を製造するイオン液体の製造方法であって、上記溶融塩液に、下記一般式(1)(式中、R1〜R4のうち少なくとも2つは、炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、残りは、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示す)で示される化合物を混合する水分除去工程を含むことを特徴としている。 また、本発明に係るイオン液体の製造方法は、上記溶融塩を合成する合成工程をさらに含み、上記水分除去工程において、上記合成工程によって得られる溶融塩液に、上記化合物を混合することが好ましい。 上記の構成によれば、上記一般式(1)で示される化合物が溶融塩液に含まれる水分によって加水分解され、ケトンまたはエステルと、アルコールとが生成される。すなわち、除去が非常に困難である溶融塩液中の水分を、除去が容易である有機溶媒に変換することができる。 これによって、水分除去に要する時間を大幅に短縮することができると共に、モレキューラーシーブスまたはシリカなどの吸着剤を使用することなく水分を除去できるため、吸着物質を乾燥させる煩雑な工程を不要とすることができる。さらに、新たに高価な設備を設ける必要がないため、イオン液体の製造にかかるコストを抑制することができる効果を奏する。 また、上記一般式(1)で示される化合物の加水分解反応は、上記一般式(1)で示される化合物と水との反応であるため、親水性および疎水性を問わず、溶融塩液中に含まれる水分を除去することができる効果を奏する。 なお、本明細書等における「溶融塩液」とは、カチオン部位とアニオン部位とを組み合わせてなる溶融塩を生成することによって得られる溶液であり、含水率が200ppmより多い、溶融塩を主成分とする溶液を指している。 また、本発明に係るイオン液体の製造方法では、さらに、上記一般式(1)で示される化合物は、アセタールまたはオルソエステル化合物であることが好ましい。 アセタールまたはオルソエステル化合物は、安定な化合物であるため、取り扱いが容易であり、また副反応を引き起こす可能性が非常に低いため、上述の加水分解反応を容易とすることができる効果を奏する。 また、本発明に係るイオン液体の製造方法では、さらに、上記アセタールまたは上記オルソエステル化合物は、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジエトキシエタン、1,1−ジメトキシプロパン、1,1−ジエトキシプロパン、2,2−ジメトキシプロパン、2,2−ジエトキシプロパン、1,1−ジメトキシブタン、1,1−ジエトキシブタン、2,2−ジメトキシブタン、2,2−ジエトキシブタン、オルソ蟻酸メチル、オルソ蟻酸エチル、オルソ酢酸メチルまたはオルソ酢酸エチルであることが好ましい。 また、本発明に係るイオン液体の製造方法では、さらに、上記水分除去工程により得られた混合物から、下記一般式(2)で示される化合物、および下記一般式(3)で示されるアルコールの少なくともいずれか1つを除去する精製工程をさらに含んでいることが好ましい。(式中、R5およびR6は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、R7は、炭素数1〜8のアルキル基を示す)。 上記工程を含むことによって、不純物の非常に少ない、高純度のイオン液体とすることができる効果を奏する。 また、本発明に係るイオン液体の製造方法では、さらに、上記一般式(2)で示される化合物は、ケトン、アルデヒド、またはエステルであることが好ましい。 ケトン、アルデヒド、またはエステルは、安定な化合物であるため、イオン液体中において分解し、さらなる副生成物が形成されることを抑制することができる。したがって、ケトン、アルデヒド、またはエステルを除去することによって、高純度のイオン液体を得ることができる効果を奏する。 また、本発明に係るイオン液体の製造方法では、さらに、上記一般式(2)で示される化合物および上記一般式(3)で示されるアルコールの沸点が、200℃以下であることが好ましい。 上記構成によれば、加水分解によって生成した一般式(2)で示される化合物および上記一般式(3)で示されるアルコールを、イオン液体中から容易に除去することができる効果を奏する。 また、本発明に係るイオン液体の製造方法では、さらに、上記カチオン部位は、下記一般式(4)で示される第4級アンモニウムカチオン、または窒素原子を含む複素環骨格を有するカチオンであることが好ましい。(式中、R8〜R11は、飽和アルキル基、不飽和アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基またはアルコキシアルキル基を示す)。 また、本発明に係るイオン液体の製造方法では、さらに、上記複素環骨格を有するカチオンは、下記一般式(5)で示されるイミダゾリウムカチオン、下記一般式(6)で示されるピリジニウムカチオン、または下記一般式(7)で示されるトリアジン誘導体カチオンであることが好ましい。(式中、R12〜R26は、水素原子、飽和アルキル基、不飽和アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアルコキシアルキル基を示す)。 また、本発明に係るイオン液体の製造方法では、さらに、上記カチオン部位は、下記一般式(8)で示す第4級ホスホニウムカチオン、またはリン原子を含む複素環骨格を有するカチオンであることが好ましい。(式中、R27〜R30は、飽和アルキル基、不飽和アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ビニル基またはアルコキシアルキル基を示す)。 また、本発明に係るイオン液体の製造方法では、さらに、上記アニオン部位は、ハロゲン化物イオン、トリフラートアニオン、テトラフルオロボラートアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、硝酸イオン、硫酸イオン、N(CF3SO2)2−、N(CN)2−、C(CN)3−、CH3OSO3−、(C2H5)2PO4−、N(C2F5SO2)2−、N(CF3CO)2−、N(CF3SO2)(CF3CO)−、N(FSO2)2−またはCF3COO−であることが好ましい。 また、上記イオン液体の製造方法を用いて製造されたイオン液体も本発明の範疇に含まれる。 上記の構成によれば、イオン液体中に含まれる水分による影響を、最小限とすることができる。これによって、例えば、イオン液体を反応溶媒として用いる場合には、触媒金属に配位することによる反応速度への影響を最小限とすることができ、電解液として用いる場合には、副生成物が発生による製品の劣化を抑制することができる効果を奏する。 また、本発明に係るイオン液体では、さらに、上記一般式(2)で示される化合物および上記一般式(3)で示されるアルコールの濃度が、200ppm以下であることが好ましい。 上記の構成によって、イオン液体中に含まれる不純物の非常に少ない、高純度のイオン液体とすることができるため、例えば、反応溶媒および電気デバイスに用いる場合おいて、より一層好適に用いることができる効果を奏する。 本発明の他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十分分かるであろう。また、本発明の利点は、添付図面を参照した次の説明で明白になるであろう。 〔実施形態1〕 本発明に係るイオン液体の製造方法の一実施形態について以下に説明する。 本項では、まずイオン液体の製造の製造方法の詳細について説明し、次に本発明に係るイオン液体の製造方法に好適に用いることができる材質について説明する。 (イオン液体の性質) イオン液体は、イオン性液体、イオン性流体または常温溶融塩とも称される組成物であり、具体的には、カチオン部位とアニオン部位とを組み合わせてなる溶融塩を主成分とする組成物である。なお、本明細書等における「主成分」とは、組成物に含まれる全成分のうち、50質量%を越える成分であることを意味しており、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることがさらに好ましい。 また、本明細書等において、「溶融塩」とは、カチオン部位とアニオン部位とを組み合わせてなり、−50〜400℃の範囲において液体状態をとる塩であることを意味しており、室温(25℃)程度において液体状態をとる塩であることが好ましい。 本発明に好適に用いることができるイオン液体、ならびにそのカチオン部位およびアニオン部位については、後に詳述する。 (イオン液体の製造方法) 本発明に係るイオン液体の製造方法は、溶融塩を含む溶融塩液から水分を除去する水分除去工程を包含している。また、本発明に係るイオン液体の製造方法は、溶融塩液を合成する合成工程、および水分除去工程で得られた混合物を精製する精製工程を包含している。これらの工程について、以下にそれぞれ説明する。 ここで、本明細書等において、「イオン液体」とは、含水量が200ppm以下の溶融塩を指している。「溶融塩液」とは、溶融塩を生成することによって得られる溶液であって、水分を200ppmより多く含む、溶融塩を主成分とする溶液を意味している。 (合成工程) 合成工程は、カチオン部位とアニオン部位とを組み合わせてなる溶融塩を合成する工程であり、従来公知の合成方法を用いることができる。溶融塩の合成方法として、具体的には、アニオン交換法、酸エステル法、および中和法などを挙げることができる。これらの中でも、合成できる溶融塩の種類が多く、工業的に製造することができる観点からアニオン交換法を用いることが好ましい。 なお、本実施の形態では、以下、アニオン交換法を用いて溶融塩を合成した場合を例に挙げて説明する。アニオン交換法とは、目的とするイオン液体を構成するカチオンを含む塩と、目的とするイオン液体を構成するアニオンを含む塩とを反応させることによって溶融塩を合成する方法である。 合成工程にアニオン交換法を用いる場合には、アニオン交換反応において副生塩が生成するため、副生塩を除去する副生塩除去工程を含む必要がある。 副生塩除去工程は、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、疎水性のイオン液体の製造方法である場合には、水を用いて分液することにより副生塩を容易に除去することができる。親水性のイオン液体の製造方法である場合には、水を用いた分液操作することができないため、一般的には、カラムクロマトグラフィーまたはろ過を用いて副生塩を除去する。具体的には、カラムクロマトグラフィーとしては、アルミナを充填したカラムを用いる方法を挙げることができる。ろ過による副生塩除去の方法としては、原料に、例えば、硝酸銀などの銀塩を用いることによって、生成する副生塩を溶融塩液に溶解しない銀塩とする方法を挙げることができる。 また、溶融塩液中に溶解している副生塩を析出させ、析出した副生塩をろ過することによって副生塩を除去してもよい。具体的には、アニオン交換反応終了後、合成反応に用いた溶媒を除去することにより副生塩および溶融塩液をスラリー状とし、このスラリー状の副生塩および溶融塩液に、溶媒を添加して副生塩を析出させる。 副生塩を析出させるために用いる溶媒は、副生塩に対して溶解度の低い溶媒、すなわち副生塩に対する貧溶媒であることが好ましい。具体的には、ケトン系またはハロゲン系溶媒であることがより好ましく、アセトンまたはクロロホルムであることがさらに好ましい。 副生塩を析出させる溶媒を副生塩に対する貧溶媒とすることによって、副生塩除去工程におけるコストを低減すると共に、副生塩除去工程を容易とすることができる。また、貧溶媒を用いた副生塩の析出による副生塩の除去は、親水性のイオン液体および疎水性のイオン液体のいずれの製造方法にも用いることができる。したがって、疎水性のイオン液体の製造方法における塩除去工程においても水を用いる必要がないため、下記に説明する水分除去工程において除去する水分の量を低減することができる。 また、硝酸銀などの銀塩を用いるろ過と異なり、原料の種類が限定されることはないが、イオン液体を構成するアニオンを含む塩のカチオンをアルカリ金属カチオンまたはアルカリ土類金属カチオンとすることが好ましい。すなわち、副生塩をアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩とすることが好ましい。これによって、副生塩に対する貧溶媒によって、容易に副生塩を析出させることができる。 (水分除去工程) 水分除去工程は、溶融塩を含む溶融塩液中に含まれる水分を除去する工程である。水分除去工程においては、上記合成工程において溶融塩を合成することによって得られた溶融塩液中から水分を除去してもよい。上述したように、イオン液体中に水分が多く含まれていると、イオン液体の物性に影響を及ぼし、イオン液体を反応溶媒として用いる場合には、例えば、触媒金属に配位することによって、反応速度に影響を及ぼすなど、その反応性に問題が生じ、電解液として用いる場合には、副生成物が発生し、製品の劣化を引き起こす要因となる。 溶融塩液中に含まれる水分は、溶融塩の合成工程において溶媒として用いた水の混入および大気中の水分の吸湿によるものである。イオン液体の主成分は、カチオン部位とアニオン部位とを組み合わせてなる溶融塩であるため、その性質上、疎水性のイオン液体であっても、1重量%程度の水分を吸湿する。したがって、親水性のイオン液体の製造方法だけでなく、疎水性のイオン液体の製造方法においても水分除去工程において溶融塩液中の水分を除去する必要がある。 なお、本発明における水分除去工程は、溶融塩液中の含水率を200ppm以下にまで低減する工程である。 本発明に係るイオン液体の製造方法における水分除去工程は、具体的には、溶融塩液に下記一般式(1)で示される化合物を混合する工程である。(式中、R1〜R4のうち少なくとも2つは、炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、残りは、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示す)。 なお、本明細書等において、水素原子は、重水素および三重水素を含む。 上記一般式(1)で示される化合物を溶融塩液に混合することによって、当該化合物が溶融塩液中の水分によって加水分解され、ケトンまたはエステルと、アルコールとが生成する。すなわち、除去が非常に困難である溶融塩液中に含まれる水分を、除去が容易である有機溶媒に変換することができる。 これによって、水分除去に要する時間を大幅に短縮することができると共に、モレキューラーシーブスまたはシリカなどの吸着剤を使用することなく水分を除去できるため、吸着物質を乾燥させる煩雑な工程を不要なものとすることができる。また、新たに高価な設備を設ける必要がないため、イオン液体の製造に要するコストを抑制することができる。 なお、本明細書等における「加水分解」とは、水の酸素原子が上記一般式(1)における1位の炭素原子を攻撃し、上記一般式(1)の有する少なくとも2つのアルコキシ基のいずれか1つの結合を切ることによって引き起こされるものである。すなわち、上述した加水分解を引き起こすためには、上記一般式(1)における1位の炭素原子が電子的に乏しい状態である必要があるため、上記一般式(1)における1位の炭素原子には、電子吸引力の大きい酸素原子が少なくとも2つ結合している必要がある。 したがって、上記一般式(1)で示される化合物は、R1〜R4のうち少なくとも2つが炭素数1〜8のアルコキシ基であればよいが、化合物の安定性の観点から、R1〜R4のうち2つが炭素数1〜8のアルコキシ基であるアセタール、または3つが炭素数1〜8のアルコキシ基であるオルソエステル化合物であることが好ましい。なお、本明細書等において、「オルソエステル化合物」とは、1,1,1−トリアルコキシド化合物の総称を意味している。 上記一般式(1)で示される化合物がオルソエステル化合物である場合、オルソエステル化合物は、下記反応式(1)に示すように反応し、1分子のオルソエステル誘導体であるエステル、および2分子のアルコールを生成する。(式中、R31〜R33は、炭素数1〜8のアルキル基を示し、R34は、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示す)。 また、上記一般式(1)で示される化合物がアセタールである場合、アセタールは、下記反応式(2)に示すように反応し、1分子のアセタール誘導体であるケトンまたはアルデヒド、および2分子のアルコールを生成する。(式中、R35およびR37は、炭素数1〜8のアルキル基を示し、R36およびR38は、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示す)。 ここで、炭素数1〜8のアルコキシ基は、炭素数が1〜8であれば、直鎖状であってもよいし、分岐鎖を有していてもよい。アルコキシ基の炭素数が上記範囲内であれば、加水分解によって生成するアルコールの沸点がイオン液体の沸点に比べて低いため、下記にて説明する精製工程において、容易に除去することができる。 また、一般的に、アルコールは、炭素鎖が短くなるほど沸点が低下することから、アルコキシ基の炭素数は小さいほど好ましく、炭素数が1〜4であることがより好ましく、炭素数が1または2であることがさらに好ましい。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、またはn−ブトキシ基であることがより好ましく、メトキシ基またはエトキシ基であることがさらに好ましい。 R1〜R4のうち炭素数1〜8のアルコキシ基によって置換されていない残りの置換基は、水素原子または炭素数が1〜8のアルキル基である。炭素数が1〜8のアルキル基の場合、炭素数が上記範囲内であれば直鎖状であってもよいし、分岐鎖を有していてもよい。アルキル基の炭素数が上記範囲内であれば、加水分解によって生成する生成するエステルまたはケトンの沸点がイオン液体の沸点に比べて低いため、下記にて説明する精製工程において、イオン液体から容易に除去することができる。なお、アルコキシ基によって置換されていない残りの置換基のうち、いずれか1つが水素原子である場合には、アルデヒドが生成する。 また、一般的に、エステル、ケトンおよびアルデヒドは、炭素鎖が短くなるほど沸点が低下することから、アルキル基の炭素数は小さいほど好ましく、炭素数が1〜4であることがより好ましく、炭素数が1または2であることがさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、およびブチル基であることがより好ましく、メチル基またはエチル基であることがさらに好ましい。 以上より、上記一般式(1)で示される化合物は、アセタールの中でも、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジエトキシエタン、1,1−ジメトキシプロパン、1,1−ジエトキシプロパン、2,2−ジメトキシプロパン、2,2−ジエトキシプロパン、1,1−ジメトキシブタン、1,1−ジエトキシブタン、2,2−ジメトキシブタン、2,2−ジエトキシブタンであることがより好ましい。また、オルソエステル化合物の中でも、オルソ蟻酸メチル、オルソ蟻酸エチル、オルソ酢酸メチル、オルソ酢酸エチルであることがより好ましい。 なお、一般式(1)で示される化合物は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。 一般式(1)で示される化合物を加水分解することによって生成するアルコールは、沸点が200℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましい。具体的には、生成するアルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、s−ブタノールおよびt−ブタノールであることが好ましく、メタノールまたはエタノールであることがより好ましい。生成するアルコールの沸点を上記範囲とすることによって、下記に説明する精製工程において生成したアルコールを容易に除去することができる。 すなわち、一般式(1)におけるR1〜R4のうちアルコキシ基によって置換されている置換基は、炭素数が1〜4であることが好ましく、炭素数が1または2であることがより好ましい。 また、一般式(1)で示す化合物を加水分解することによって生成するエステルもしくはケトンまたはアルデヒドは、沸点が200℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましい。具体的には、生成するエステル、ケトンまたはアルデヒドが、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、アセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチルおよびプロピオン酸エチルであることが好ましい。生成するエステルもしくはケトンまたはアルデヒドの沸点を上記範囲とすることによって、下記に説明する精製工程において生成したエステルもしくはケトンまたはアルデヒドを容易に除去することができる。 すなわち、一般式(1)におけるR1〜R4のうちアルコキシ基によって置換されていないものは、炭素数が1〜4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、炭素数が1または2のアルキル基または水素原子であることがより好ましい。 水分除去工程後の溶融塩液中に含まれる含水率は、200ppm以下である。なお、より好ましくは、100ppm以下であり、さらに好ましくは10ppm以下であり、0ppmであることが最も好ましい。 水分除去工程後の溶融塩液中に含まれる含水率を上記範囲とすることによって、製造したイオン液体中に含まれる水がイオン液体の物性に与える影響を、最小限とすることができる。イオン液体の物性に与える影響を最小限とすることによって、イオン液体を反応溶媒として用いる場合には、例えば、触媒金属に配位することによる反応速度への影響を最小限とすることができ、電解液として用いる場合には、副生成物が発生による製品の劣化を抑制することができる。 (精製工程) 精製工程は、水分除去工程において生成したエステルまたはケトンおよびアルコールを、水分除去工程により得られた混合物から除去する工程である。 精製工程に用いる方法は、上記混合物から有機溶媒を除去することができる方法であれば特に限定されるものではない。具体的には、イオン液体が不揮発性であり、その沸点が生成したエステルまたはケトンおよびアルコールの沸点と比べて非常に高いことから、分留によって分離精製することが好ましい。また、精製工程における時間を短縮する観点から、真空ポンプなどを用いた減圧濃縮による分留であることがより好ましい。 真空ポンプなどを用いた減圧濃縮を用いる場合には、圧力を20mmHg以下とすることが好ましく、10mmHg以下とすることがより好ましく、2mmHg以下とすることがさらに好ましい。また、減圧濃縮時間は、1時間以上であることが好ましい。 減圧濃縮における圧力および濃縮時間を上記範囲とすることによって、上記混合物中に含まれるエステルまたはケトンおよびアルコールを完全に除去することができる。これによって、より高純度のイオン液体を製造できる。 また、精製工程後のイオン液体中に含まれるエステルまたはケトンおよびアルコールの濃度が、200ppm以下であることが好ましく、100ppm以下であることがより好ましく、0ppmであることが最も好ましい。 精製工程後のイオン液体中に含まれるエステルまたはケトンおよびアルコールの濃度が、上記範囲とすることによって、イオン液体中に含まれる不純物の非常に少ない、より高純度のイオン液体を製造できる。 (イオン液体) 次に、本発明に好適に製造できるイオン液体について以下に説明する。 本発明の製造方法によって製造できるイオン液体は、特に限定されるものではなく、親水性および疎水性のイオン液体の双方とも製造することができる。すなわち、イオン液体を構成するカチオン部位およびアニオン部位に関しても、組み合わせることによって溶融塩となるものであれば、特に限定されるものではない。本発明において好適に用いることができる具体的なカチオン部位およびアニオン部位について、以下に詳述する。 なお、本明細書等における「疎水性」とは、水との親和性が低い、すなわち水に溶けにくい性質であることを意味しており、完全に水に溶けないことを意味するものではない。また、本明細書等における「親水性」とは、水との親和性が高い、すなわち水に溶けやすい性質であることを意味している。 (カチオン部位) 本発明に係る製造方法によって製造できるイオン液体のカチオン部位の構造は、鎖式構造であってもよく、環式構造であってもよい。 カチオン部位の構造が鎖式構造である場合は、具体的には、下記一般式(4)で示される第4級アンモニウムカチオン、および下記一般式(8)で示される第4級ホスホニウムカチオンを挙げることができる。(式中、R8〜R11およびR27〜R30は、飽和アルキル基、不飽和アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基またはアルコキシアルキル基を示す)。 これらの中でも、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、トリフェニルオクチルホスフォニウムカチオン、トリ−t−ブチルオクチルホスフォニウムカチオンであることがより好ましい。 また、カチオン部位の構造が環式構造を有する場合には、具体的には、窒素原子またはリン原子を含む複素環骨格を有するカチオンを挙げることができる。窒素原子またはリン原子を含む複素環骨格を有するカチオンにおいて、複素環骨格を形成する元素数は、特に限定されているものではないが、5および6員環であることが好ましい。また、複素環骨格は、単環式であってもよいし、多環式であってもよい。なお上記複素環骨格には、窒素原子またはリン原子以外に、酸素原子または硫黄原子が含まれていてもよい。 窒素原子またはリン原子を含む複素環骨格を有するカチオンの具体的な例として、以下の骨格を有する化合物を挙げることができる。(式中、R39〜R50は、水素原子、飽和アルキル基、不飽和アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアルコキシアルキル基を示す)。 これらの中でも、下記一般式(5)で示されるイミダゾリウムカチオン、下記一般式(6)で示されるピリジニウムカチオン、または下記一般式(7)示されるトリアジン誘導体カチオンであることがより好ましい。(式中、R12〜R26は、水素原子、飽和アルキル基、不飽和アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアルコキシアルキル基を示す)。 これらの中でも、上記一般式(5)で示されるイミダゾリウムカチオンであることがより一層好ましく、エチルメチルイミダゾリウムカチオンおよびブチルメチルイミダゾリウムカチオンであることがさらに好ましい。 (アニオン部位) 本発明の製造方法によって製造できるイオン液体のアニオン部位は、ハロゲン化物イオン、トリフラートアニオン、テトラフルオロボラートアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、硝酸イオン、硫酸イオン、N(CF3SO2)2−、N(CN)2−、C(CN)3−、CH3OSO3−、または(C2H5)2PO4−、N(C2F5SO2)2−、N(CF3CO)2−、N(CF3SO2)(CF3CO)−、N(FSO2)2−またはCF3COO−であることが好ましく、N(CF3SO2)2−、N(CN)2−、テトラフルオロボラートアニオンまたはヘキサフルオロホスフェートアニオンであることがより好ましく、N(CN)2−であることがさらに好ましい。 本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。 以下、実施例を示し、本発明の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な様態が可能である。 〔実施例1〕 (カチオン部位を含む塩の合成) 200mlの四つ口フラスコに1−メチルイミダゾール(1-Methylimidazole)16.42g(0.200mol)、1−クロロブタン(1-Chlorobutane)20.37g(0.220mol)、およびトルエン(Toluene)10.00gを仕込み、還流(約106℃)で17時間撹拌し、反応させた。反応後、反応液の温度を70℃以下まで冷却(風冷)した後、超純水30.00gを仕込み、水冷にてさらに室温まで冷却した。 冷却後、分液操作にて上層のトルエン層を除去した。下層の水層には、さらにトルエン20.00gを添加し、30分間撹拌した後、分液操作にて上層のトルエン層を除去した。分液操作後の水層には、イオン液体のカチオン部位を含むN-methyl-N’-butyl imidazolium chloride(以下、[BMIm]Clと称する)が含まれている。 (アニオン交換反応) 分液操作後、下層の水層に、96%ジシアナミドナトリウム(Sodium dicyanamide;NaDCA)18.55g(0.200mol)、超純水70.00gを添加し、室温にて3時間撹拌し、アニオン交換反応を行った。反応後、反応液を200mlナスフラスコに移し、60℃、20mmHgにて2.5時間、減圧濃縮し、水を除去することによって、[BMIm]DCAを溶媒とする白色スラリーを得た。 (塩除去工程) 次に、得られた白色スラリーにクロロホルム(Chloroform)20.40gを添加し、約0〜5℃まで冷却した後、30分間撹拌し、副生塩である塩化ナトリウム(Sodium chloride)および未反応のジシアナミドナトリウムを晶析熟成した。熟成終了後、内径55mmのブフナーロートを用いてろ過し、得られた結晶をクロロホルム(60.20g)にて洗浄した。ろ過によって得られたろ液は、200mlナスフラスコに移し、50℃、20mmHgで2時間、減圧濃縮し、クロロホルムを除去した。得られた濃縮液に、クロロホルム50.00gを添加し、約0〜5℃まで冷却した後、30分間撹拌することによって再度晶析熟成した後、ろ過した。ろ過によって得られた結晶をクロロホルム(34.50g)にて洗浄した。ろ過によって得られたろ液は、200mlナスフラスコに移し、50℃、20mmHgで1時間、減圧濃縮した後、さらに50℃、1〜2mmHgで1時間、減圧濃縮した。 (水分除去工程および精製工程) 得られた濃縮液に、オルソ酢酸メチル(Methyl orthoacetate;MOA)4.81g(0.040mol)を添加し、80℃で3時間撹拌し、留去しきれなかったイオン液体中の水分と反応させた。反応後、MOAが水によって加水分解されて生成したメタノール(Methanol)、酢酸メチル(Methyl acetate)および未反応のMOAを、50℃、20mmHgで30分間、減圧濃縮した。濃縮液を、さらに60℃、1〜2mmHgで2時間減圧濃縮し、目的物であるN−メチル−N’−ブチルイミダゾールジシアナミド(N-methyl-N’-butyl imidazolium dicyanamide;[BMIm]DCA)を収率90.4%(37.1g;0.181mol)で得た。なお、得られた[BMIm]DCAは、微黄色の液体であり、[BMIm]DCA中の塩化物イオン(Cl−)濃度は、2.66%であった。 ([BMIm]DCAの含水率測定) [BMIm]DCAの含水率は、カールフィッシャー法を用いて測定した。 MOAの添加前の含水率は0.95%(9500ppm)であったが、MOA添加後の含水率は、0%(0ppm)であった。また、メタノール、酢酸メチルおよび未反応のMOAの濃縮後の含水率は、0.0061%(61ppm)であった。 〔実施例2〕 (カチオン部位を含む塩の合成) [BMIm]Clは、実施例1と同様の方法を用いて合成した。 (アニオン交換反応) 60℃、20mmHgにて2時間、減圧濃縮した以外は、実施例1と同様にして[BMIm]DCAを溶媒とする白色スラリーを得た。 (塩除去工程) 次に、得られた白色スラリーにアセトン(Acetone)60.00gを添加し、約0〜5℃まで冷却した後、30分間撹拌し、副生塩である塩化ナトリウム(Sodium chloride)および未反応のジシアナミドナトリウムを晶析熟成した。熟成終了後、内径55mmのブフナーロートを用いてろ過し、得られた結晶をアセトン(30.00g)にて洗浄した。ろ過によって得られたろ液は、200mlナスフラスコに移し、50℃、20mmHgで1時間、減圧濃縮した後、さらに50℃、1〜2mmHgで1時間、減圧濃縮した。 (水分除去工程および精製工程) 得られた濃縮液に、オルソ酢酸メチル(Methyl orthoacetate;MOA)4.81g(0.040mol)を添加し、80℃で3時間撹拌し、留去しきれなかったイオン液体中の水分と反応させた。反応後、MOAが水によって加水分解されて生成したメタノール(Methanol)、酢酸メチル(Methyl acetate)および未反応のMOAを、50℃、20mmHgで30分間、減圧濃縮した。濃縮液を、さらに60℃、1〜2mmHgで2時間減圧濃縮し、目的物であるN−メチル−N’−ブチルイミダゾールジシアナミド(N-methyl-N’-butyl imidazolium dicyanamide;[BMIm]DCA)を収率97.2%(39.9g;0.194mol)で得た。なお、得られた[BMIm]DCAは、微黄色の液体であり、[BMIm]DCA中の塩化物イオン(Cl−)濃度は、0.16%であった。 ([BMIm]DCAの含水率測定) [BMIm]DCAの含水率は、カールフィッシャー法を用いて測定した。 MOAの添加前の含水率は0.39%(3900ppm)であったが、MOA添加後の含水率は、0%(0ppm)であった。また、メタノール、酢酸メチルおよび未反応のMOAの濃縮後の含水率は、0.0019%(19ppm)であった。 〔実施例3〕 (カオチン部位を含む塩の合成) 500mlの四つ口フラスコに、1−メチルイミダゾール(1-Methylimidazole)151.9g(1.850mol)、1−クロロブタン(1-Chlorobutane)188.4g(2.035mol)、およびトルエン(Toluene)80.0gを仕込み、還流(約106℃)にて25時間攪拌し、反応させた。反応後、反応液の温度を70℃以下まで冷却(風冷)した後、超純水100.0gを仕込み、水冷にてさらに室温まで冷却した。 冷却後、分液操作にて上層のトルエン層を除去した。下層の水層には、さらにトルエン80.0gを仕込み、30分間攪拌した後、分液操作にて上層のトルエン層を除去した。分液操作後の水層には、イオン液体のカオチン部位であるN-methyl-N’-butyl imidazolium chloride(以下[BMIm]Clと称する)が含まれている。 (アニオン交換反応) 分液操作後、下層の水層を1000ml四つ口フラスコに移し、テトラフルオロホウ酸ナトリウム(sodium tetrafluoroborate)223.4g(2.035mol)、超純水250.0gを仕込み、室温にて1時間攪拌し、アニオン交換反応を行った。反応後、分液操作にて下層の水層を除去した。上層に超純水50.0gを仕込み、30分攪拌した。攪拌後、反応液はエマルジョンを形成したため、そのまま濾過を行い、アセトン(Acetone)50.0gを用いて500mlナスフラスコへ移し、60℃ 20mmHgにて3.5時間、減圧濃縮し、水およびアセトンを留去することによって、N−メチル−N’−ブチルイミダゾールテトラフルオロボレート(N-methyl-N’-butyl imidazolium Tetrafluoroborate;[BMIm]BF4)を溶媒とする淡黄色スラリーを得た。 (塩除去工程) 次に、得られた淡黄色スラリーに、アセトン100.0gを仕込み、約0〜5℃まで冷却した後、30分間攪拌し、副生成物である塩化ナトリウム(Sodium chloride)、および未反応物であるテトラフルオロホウ酸ナトリウムを晶析熟成した。熟成終了後、内径55mmのブフナーロートを用いて濾過し、得られた結晶をアセトン70.0gにて洗浄した。濾過によって得られた濾液は、500mlナスフラスコに移し、60℃ 20mmHgにて3時間減圧濃縮し、目的物である[BMIm]BF4を含む濃縮液379.8gを得た。この濃縮液の含水率は0.1284%(1284ppm)であった。 (水分除去工程および精製工程) 得られた濃縮液の内の30.0gを50mlナスフラスコに移し、オルソ蟻酸メチル(Methyl orthoformate;OFM)0.45g(0.00428mol)を仕込み、80℃にて4時間攪拌し、留去しきれなかったイオン液体中の水分と反応させた。反応後、OFMが水によって加水分解されて生成したメタノール(Methanol)、蟻酸メチル(Methyl formate)および未反応のOFMを、60℃ 20mmHgにて1時間、さらに60℃ 1〜2mmHgにて2時間減圧濃縮を行い、目的物である[BMIm]BF4の淡黄色液体を得た。 ([BMIm]BF4の含水率測定) [BMIm]BF4の含水率は、カールフィッシャー法を用いて測定した。OFM添加後の含水率は、0.0112%(112ppm)であった。また、メタノール、蟻酸メチルおよび未反応のOFMの濃縮後の含水率は0.0066%(66ppm)であった。 〔実施例4〕 (水分除去工程および精製工程) 実施例3にて得られた、[BMIm]BF4を含む濃縮液の内の30.0gを50mlナスフラスコに移し、オルソ蟻酸n−プロピル(n-Propyl orthoformate;OFNP)0.81g(0.00428mol)を仕込み、80℃にて3時間攪拌し、留去しきれなかったイオン液体中の水分と反応させた。反応後、OFNPが水によって加水分解されて生成したメタノール(Methanol)、蟻酸n−プロピル(n-Propyl formate)および未反応のOFNPを、60℃ 20mmHgにて1時間、さらに60℃ 1〜2mmHgにて3時間減圧濃縮を行い、目的物である[BMIm]BF4の淡黄色液体を得た。 ([BMIm]BF4の含水率測定) [BMIm]BF4の含水率は、カールフィッシャー法を用いて測定した。OFNP添加後の含水率は0.0037%(37ppm)であった。また、メタノール、蟻酸n−プロピルおよび未反応のOFNPの濃縮後の含水率は0.0046%(46ppm)であった。 〔実施例5〕 (水分除去工程および精製工程) 実施例3にて得られた、[BMIm]BF4を含む濃縮液の内の30.0gを50mlナスフラスコに移し、オルソ酢酸エチル(Ethyl orthoacetate;EOA)0.69g(0.00425mol)を仕込み、80℃にて3時間攪拌し、留去しきれなかったイオン液体中の水分と反応させた。反応後、EOAが水によって加水分解されて生成したエタノール(Ethanol)、酢酸エチル(Ethyl acetate)および未反応のEOAを、60℃ 20mmHgにて1時間、さらに60℃ 1〜2mmHgにて3時間減圧濃縮を行い、目的物である[BMIm]BF4の淡黄色液体を得た。 ([BMIm]BF4の含水率測定) [BMIm]BF4の含水率は、カールフィッシャー法を用いて測定した。EOA添加後の含水率は0.0042%(42ppm)であった。また、エタノール、酢酸エチルおよび未反応のEOAの濃縮後の含水率は0.0031%(31ppm)であった。 〔実施例6〕 (水分除去工程および精製工程) 実施例3にて得られた、[BMIm]BF4を含む濃縮液の内の30.0gを50mlナスフラスコに移し、オルソ酪酸メチル(Methyl ortho n-butyrate;MOB)0.63g(0.00425mol)を仕込み、80℃にて3時間攪拌し、留去しきれなかったイオン液体中の水分と反応させた。反応後、MOBが水によって加水分解されて生成したメタノール(Methanol)、酪酸メチル(Methyl n-butyrate)および未反応のMOBを、60℃ 20mmHgにて1時間、さらに60℃ 1〜2mmHgにて2時間減圧濃縮を行い、目的物である[BMIm]BF4の淡黄色液体を得た。 ([BMIm]BF4の含水率測定) [BMIm]BF4の含水率は、カールフィッシャー法を用いて測定した。MOB添加後の含水率は0.0038%(38ppm)であった。また、メタノール、酪酸メチルおよび未反応のMOBの濃縮後の含水率は0.0072%(72ppm)であった。 〔実施例7〕 (水分除去工程および精製工程) 実施例3にて得られた、[BMIm]BF4を含む濃縮液の内の30.0gを50mlナスフラスコに移し、オルソ蟻酸エチル(Ethyl orthoformate;OFE)0.63g(0.00425mol)を仕込み、80℃にて3時間攪拌し、留去しきれなかったイオン液体中の水分と反応させた。反応後、OFEが水によって加水分解されて生成したエタノール(Ethanol)、蟻酸エチル(Ethyl formate)および未反応のOFEを、60℃ 20mmHgにて1時間、さらに60℃ 1〜2mmHgにて3時間減圧濃縮を行い、目的物である[BMIm]BF4の淡黄色液体を得た。 ([BMIm]BF4の含水率測定) [BMIm]BF4の含水率は、カールフィッシャー法を用いて測定した。OFE添加後の含水率は0.0085%(85ppm)であった。また、エタノール、蟻酸エチルおよび未反応のOFEの濃縮後の含水率は0.0054%(54ppm)であった。 〔実施例8〕 (水分除去工程および精製工程) 実施例3にて得られた、[BMIm]BF4を含む濃縮液の内の30.0gを50mlナスフラスコに移し、オルソオクタン酸メチル(Methyl ortho n-octanoate;OEC8)0.87g(0.00426mol)を仕込み、80℃にて3時間攪拌し、留去しきれなかったイオン液体中の水分と反応させた。反応後、OEC8が水によって加水分解されて生成したメタノール(Methanol)、オクタン酸メチル(Methyl n-octanoate)および未反応のOEC8を、60℃ 20mmHgにて1時間、さらに60℃ 1〜2mmHgにて3時間減圧濃縮を行い、目的物である[BMIm]BF4の淡黄色液体を得た。 ([BMIm]BF4の含水率測定) [BMIm]BF4の含水率は、カールフィッシャー法を用いて測定した。OEC8添加後の含水率は0.0041%(41ppm)であった。また、メタノール、オクタン酢メチルおよび未反応のOEC8の濃縮後の含水率は0.0153%(153ppm)であった。 〔実施例9〕 (水分除去工程および精製工程) 実施例3にて得られた、[BMIm]BF4を含む濃縮液の内の30.0gを50mlナスフラスコに移し、2,2−ジメトキシプロパン(2,2-Dimethoxypropane;DMP)0.45g(0.00432mol)を仕込み、80℃にて6時間攪拌し、留去しきれなかったイオン液体中の水分と反応させた。反応後、DMPが水によって加水分解されて生成したメタノール(Methanol)、アセトン(Acetone)および未反応のDMPを、60℃ 20mmHgにて1時間、さらに60℃ 1〜2mmHgにて3時間減圧濃縮を行い、目的物である[BMIm]BF4の淡黄色液体を得た。 ([BMIm]BF4の含水率測定) [BMIm]BF4の含水率は、カールフィッシャー法を用いて測定した。DMP添加後の含水率は0.0189%(189ppm)であった。また、メタノール、アセトンおよび未反応のDMPの濃縮後の含水率は0.0164%(164ppm)であった。 〔実施例10〕 (水分除去工程および精製工程) 実施例3にて得られた、[BMIm]BF4を含む濃縮液の内の30.0gを50mlナスフラスコに移し、1,1−ジエトキシエタン(1,1-Diethoxyethane;DEE)0.51g(0.00432mol)を仕込み、80℃にて6時間攪拌し、留去しきれなかったイオン液体中の水分と反応させた。反応後、DEEが水によって加水分解されて生成したエタノール(Ethanol)、アセトアルデヒド(Acetaldehyde)および未反応のDEEを、60℃ 20mmHgにて1時間、さらに60℃ 1〜2mmHgにて3時間減圧濃縮を行い、目的物である[BMIm]BF4の淡黄色液体を得た。 ([BMIm]BF4の含水率測定) [BMIm]BF4の含水率は、カールフィッシャー法を用いて測定した。エタノール、アセトアルデヒドおよび未反応のDEEの濃縮後の含水率は0.0100%(100ppm)であった。 〔実施例11〕 (水分除去工程および精製工程) 実施例3にて得られた、[BMIm]BF4を含む濃縮液の内の30.0gを50mlナスフラスコに移し、1,1−ジメトキシエタン(1,1-Dimethoxyethane;DME)0.39g(0.00433mol)を仕込み、80℃にて3時間攪拌し、留去しきれなかったイオン液体中の水分と反応させた。反応後、DMEが水によって加水分解されて生成したメタノール(Methanol)、アセトアルデヒド(Acetaldehyde)および未反応のDMEを、60℃ 20mmHgにて1時間、さらに60℃ 1〜2mmHgにて3時間減圧濃縮を行い、目的物である[BMIm]BF4の淡黄色液体を得た。 ([BMIm]BF4の含水率測定) [BMIm]BF4の含水率は、カールフィッシャー法を用いて測定した。メタノール、アセトアルデヒドおよび未反応のDMEの濃縮後の含水率は0.0058%(58ppm)であった。 〔実施例12〕 (カオチン部位を含む塩の合成) 500mlの四つ口フラスコに、1−メチルイミダゾール(1-Methylimidazole)82.1g(1.000mol)、1−クロロブタン(1-Chlorobutane)101.8g(1.100mol)およびトルエン(Toluene)50.0gを仕込み、還流(約106℃)にて15時間攪拌し、反応させた。反応後、反応液の温度を70℃以下まで冷却(風冷)した後、超純水100.0gを仕込み、水冷にてさらに室温まで冷却した。 冷却後、分液操作にて上層のトルエン層を除去した。下層の水層には、さらにトルエン100.0gを仕込み、30分間攪拌した後、分液操作にて上層のトルエン層を除去した。分液操作後の水層には、イオン液体のカオチン部位である[BMIm]Clが含まれている。 (アニオン交換反応) 分液操作後、[BMIm]Clを含む水層53.8g([BMIm]Cl 0.200mol相当)300ml三角フラスコに移し、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Lithium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide)63.2g(0.220mol)、超純水50.0gを仕込み、室温にて30分間攪拌し、アニオン交換反応を行った。反応後、分液操作にて上層の水層を除去した。下層に超純水50.0gを仕込み、室温にて30分攪拌し、分液操作にて上層の水層を除去した。イオン液体のカオチン部位を含む下層を100mlナスフラスコに移し、60℃ 20mmHgにて1時間、減圧濃縮し、水を留去することによって、N−メチル−N’−ブチルイミダゾールビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(N-methyl-N’-butyl imidazolium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide;[BMIm]NTf2)を溶媒とする淡黄色溶液を得た。 (塩除去工程) 次に、得られた淡黄色溶液に、アセトン(Acetone)50.0gを仕込み、約0〜5℃まで冷却した後、30分間攪拌し、副生成物である塩化リチウム(Lithium chloride)、および未反応物であるリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを晶析熟成した。熟成終了後、結晶の析出は無かったが、そのまま内径55mmのブフナーロート用いて濾過し、アセトン20.0gにて洗浄した。濾過によって得られた濾液は、200mlナスフラスコに移し、60℃ 20mmHgにて2時間、さらに60℃ 1〜2mmHgにて1時間減圧濃縮し、目的物である[BMIm]NTf2を含む濃縮液73.8gを得た。この濃縮液の含水率は0.0111%(111ppm)であった。 (水分除去工程および精製工程) 得られた濃縮液73.8gに、オルソ酢酸メチル(Methyl orthoacetate;MOA)0.20g(0.00166mol)を仕込み、80℃にて3時間攪拌し、留去しきれなかったイオン液体中の水分と反応させた。反応後、MOAが水によって加水分解されて生成したメタノール(Methanol)、酢酸メチル(Methyl acetate)および未反応のMOAを、60℃ 20mmHgにて1時間、さらに60℃ 1〜2mmHgにて2時間減圧濃縮を行い、目的物である[BMIm]NTf2の淡黄色液体を得た。 ([BMIm]NTf2の含水率測定) [BMIm]NTf2の含水率は、カールフィッシャー法を用いて測定した。MOA添加後の含水率は、0.0032%(32ppm)であった。また、メタノール、酢酸メチルおよび未反応のMOAの濃縮後の含水率は0.0037%(37ppm)であった。 〔実施例13〕 (アニオン交換反応) 実施例12にて得られた、[BMIm]Clを含む水層79.7g([BMIm]Cl 0.296mol相当)を300ml三角フラスコに移し、テトラフルオロホウ酸ナトリウム(Sodium Tetrafluoroborate)36.2g(0.330mol)、超純水50.0gを仕込み、室温にて30分間攪拌し、アニオン交換反応を行った。反応後、さらに超純水50.0gを追加し、分液操作にて上層の水層を除去した。下層に超純水20.0gを仕込み、室温にて30分攪拌した。攪拌後、液は分液せずに一層となったため、イオン液体のカオチン部位を含む溶液をアセトン(Accetone)20.0gを用いて100mlナスフラスコに移し、60℃ 20mmHgにて1時間、減圧濃縮し、水を留去することによって、N−メチル−N’−ブチルイミダゾールテトラフルオロボレート(N-methyl-N’-butyl imidazolium Tetrafluoroborate;[BMIm]BF4)を溶媒とする淡黄色スラリーを得た。 (塩除去工程) 次に、得られた淡黄色溶液に、アセトン(Acetone)50.0gを仕込み、約0〜5℃まで冷却した後、30分間攪拌し、副生成物である塩化ナトリウム(Sodium chloride)、および未反応物であるテトラフルオロホウ酸ナトリウムを晶析熟成した。熟成終了後、内径55mmのブフナーロート用いて濾過し、アセトン20.0gにて洗浄した。濾過によって得られた濾液は、100mlナスフラスコに移し、60℃ 20mmHgにて2時間、さらに60℃ 1〜2mmHgにて1時間減圧濃縮を行い、目的物である[BMIm]BF4を含む濃縮液32.7gを得た。この濃縮液の含水率は0.0233%(233ppm)であった。 (水分除去工程および精製工程) 得られた濃縮液32.7gに、オルソ酢酸メチル(Methyl orthoacetate;MOA)0.20g(0.00166mol)を仕込み、80℃にて3時間攪拌し、留去しきれなかったイオン液体中の水分と反応させた。反応後、MOAが水によって加水分解されて生成したメタノール(Methanol)、酢酸メチル(Methyl acetate)および未反応のMOAを、60℃ 20mmHgにて1時間、さらに60℃ 1〜2mmHgにて2時間減圧濃縮を行い、目的物である[BMIm]BF4の淡黄色液体を得た。 ([BMIm]BF4の含水率測定) [BMIm]BF4の含水率は、カールフィッシャー法を用いて測定した。MOA添加後の含水率は、0.0082%(82ppm)であった。また、メタノール、酢酸メチルおよび未反応のMOAの濃縮後の含水率は0.0087%(87ppm)であった。 〔実施例14〕 (アニオン交換反応) 実施例12にて得られた、[BMIm]Clを含む水層134.5g([BMIm]Cl 0.500mol相当)を300ml三角フラスコに移し、96%ナトリウムジシアナミド(Sodium dicyanamide;NaDCA)49.0g(0.528mol)、超純水150.0gを仕込み、室温にて30分間攪拌し、アニオン交換反応を行った。反応後、液は一層となったため、イオン液体のカオチン部位を含む溶液を500mlナスフラスコに移し、60℃ 20mmHgにて1時間、減圧濃縮し、水を留去することによって、N−メチル−N’−ブチルイミダゾールジシアナミド(N-methyl-N’-butyl imidazolium Dicyanamide;[BMIm]DCA)を溶媒とする淡黄色スラリーを得た。 (塩除去工程) 次に、得られた淡黄色溶液に、アセトン(Acetone)100.0gを仕込み、約0〜5℃まで冷却した後、30分間攪拌し、副生成物である塩化ナトリウム(Sodium chloride)、および未反応物であるナトリウムジシアナミドを晶析熟成した。熟成終了後、内径55mmのブフナーロート用いて濾過し、アセトン100.0gにて洗浄した。濾過によって得られた濾液は、300mlナスフラスコに移し、60℃ 20mmHgにて2時間、さらに60℃ 1〜2mmHgにて1時間減圧濃縮を行い、目的物である[BMIm]DCAを含む濃縮液106.2gを得た。この濃縮液の含水率は0.2794%(2794ppm)であった。 (水分除去工程および精製工程) 得られた濃縮液106.2gに、オルソ酢酸メチル(Methyl orthoacetate;MOA)4.00g(0.0333mol)を仕込み、80℃にて3時間攪拌し、留去しきれなかったイオン液体中の水分と反応させた。反応後、MOAが水によって加水分解されて生成したメタノール(Methanol)、酢酸メチル(Methyl acetate)および未反応のMOAを、60℃ 20mmHgにて1時間、さらに60℃ 1〜2mmHgにて2時間減圧濃縮を行い、目的物である[BMIm]DCAの淡黄色液体を得た。 ([BMIm]NTf2の含水率測定) [BMIm]NTf2の含水率は、カールフィッシャー法を用いて測定した。MOA添加後の含水率は、0.0129%(129ppm)であった。また、メタノール、酢酸メチルおよび未反応のMOAの濃縮後の含水率は0.0089%(89ppm)であった。 〔実施例15〕 (カオチン部位を含む塩の合成) 300mlの四つ口フラスコに、トリフェニルホスフィン(Triphenylphosphine)39.3g(0.150mol)、1−ブロモオクタン(1-Bromooctane)31.9g(0.165mol)およびトルエン(Toluene)100.0gを仕込み、還流(約106℃)にて14時間攪拌し、反応させた。反応後、反応液の温度を70℃以下まで冷却(風冷)した。 冷却後、分液操作にて上層のトルエン層を除去した。下層の有機層には、さらにトルエン50.0gを仕込み、30分間攪拌した後、分液操作にて上層のトルエン層を除去した。分液操作後の有機層には、イオン液体のカオチン部位であるTriphenyl n-octylphosphonium bromide(以下、[TPPO]Brと称する)が含まれている。 (アニオン交換反応) 分液操作後、[TPPO]Brを含む溶液82.2g([TPPO]Br 0.150mol相当)を300mlナスフラスコに移し、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Lithium bis (trifluoromethanesulfonyl) imide)47.4g(0.165mol)、超純水50.0gを仕込み、室温にて1時間攪拌し、アニオン交換反応を行った。反応後、分液操作にて下層の水層を除去した。イオン液体のカオチン部位を含む上層をアセトン(Acetone)20.0gを用いて200mlナスフラスコに移し、60℃ 20mmHgにて1時間、減圧濃縮し、溶媒を留去することによって、トリフェニルn−オクチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Triphenyl n-octylphosphonium bis (trifluoromethanesulfonyl imide;[TPPO]NTf2)を含む淡黄色溶液を得た。 (塩除去工程) 次に、得られた淡黄色溶液に、アセトン(Acetone)50.0gを仕込み、約0〜5℃まで冷却した後、30分間攪拌し、副生成物である臭化リチウム(Lithium bromide)、および未反応物であるリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを晶析熟成した。熟成終了後、結晶の析出は無かったが、そのまま内径55mmのブフナーロートを用いて濾過し、アセトン20.0gにて洗浄した。濾過によって得られた濾液は、200mlナスフラスコに移し、60℃ 20mmHgにて2時間、さらに60℃ 1〜2mmHgにて1時間減圧濃縮し、目的物である[TPPO]NTf2を含む濃縮液78.2gを得た。この濃縮液の含水率は0.0732%(732ppm)であった。 (水分除去工程および精製工程) 得られた濃縮液78.2gに、オルソ酢酸メチル(Methyl orthoacetate;MOA)4.00g(0.0333mol)を仕込み、80℃にて3時間攪拌し、留去しきれなかったイオン液体中の水分と反応させた。反応後、MOAが水によって加水分解されて生成したメタノール(Methanol)、酢酸メチル(Methyl acetate)および未反応のMOAを、60℃ 20mmHgにて1時間、さらに60℃ 1〜2mmHgにて2時間減圧濃縮を行い、目的物である[TPPO]NTf2の淡黄色液体を得た。 ([TPPO]NTf2の含水率測定) [TPPO]NTf2の含水率は、カールフィッシャー法を用いて測定した。MOA添加後の含水率は、0.0369%(369ppm)であった。また、メタノール、酢酸メチルおよび未反応のMOAの濃縮後の含水率は0.0027%(27ppm)であった。 〔実施例16〕 (カオチン部位を含む塩の合成) 300mlの四つ口フラスコに、ピリジン(Pyridine)15.8g(0.200mol)、1−クロロヘキサン(1-Chlorohexane)26.5g(0.220mol)およびトルエン(Toluene)50.0gを仕込み、還流(約106℃)にて22時間攪拌し、反応させた。反応後、反応液の温度を70℃以下まで冷却(風冷)した後、超純水50.5gを仕込み、水冷にてさらに室温まで冷却した。 冷却後、分液操作にて上層のトルエン層を除去した。下層の有機層には、さらにトルエン50.0gを仕込み、30分間攪拌した後、分液操作にて上層のトルエン層を除去した。分液操作後の水層には、イオン液体のカオチン部位であるN-n-hexyl Pyridinium chloride(以下、[HPy]Clと称する)が含まれている。 (アニオン交換反応) 分液操作後、[HPy]Clを含む溶液126.8g([HPy]Cl 0.200mol相当)を300mlナスフラスコに移し、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Lithium bis (trifluoromethanesulfonyl) imide)63.2g(0.220mol)を仕込み、室温にて1時間攪拌し、アニオン交換反応を行った。反応後、分液操作にて上層の水層を除去した。下層に超純水50.0gを仕込み、室温にて30分間攪拌し、分液操作にて上層の水層を除去した。イオン液体のカオチン部位を含む下層を200mlナスフラスコに移し、60℃ 20mmHgにて1時間、減圧濃縮し、溶媒を留去することによって、N−n−ヘキシルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(N-n-hexyl Pyridinium bis (trifluoromethanesulfonyl imide;[HPy]NTf2)を含む淡黄色溶液を得た。 (塩除去工程) 次に、得られた淡黄色溶液に、アセトン(Acetone)50.0gを仕込み、約0〜5℃まで冷却した後、30分間攪拌し、副生成物である塩化リチウム(Lithium chloride)、および未反応物であるリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを晶析熟成した。熟成終了後、結晶の析出は無かったが、そのまま内径55mmのブフナーロート用いて濾過し、アセトン20.0gにて洗浄した。濾過によって得られた濾液は、200mlナスフラスコに移し、60℃ 20mmHgにて3時間、さらに60℃ 1〜2mmHgにて1時間減圧濃縮し、目的物である[HPy]NTf2を含む濃縮液93.4gを得た。この濃縮液の含水率は0.0069%(69ppm)であった。 (水分除去工程および精製工程) 得られた濃縮液93.4gに、オルソ酢酸メチル(Methyl orthoacetate;MOA)0.20g(0.00166mol)を仕込み、80℃にて3時間攪拌し、留去しきれなかったイオン液体中の水分と反応させた。反応後、MOAが水によって加水分解されて生成したメタノール(Methanol)、酢酸メチル(Methyl acetate)および未反応のMOAを、60℃ 20mmHgにて1時間、さらに60℃ 1〜2mmHgにて2時間減圧濃縮を行い、目的物である[HPy]NTf2の淡黄色液体を得た。 ([HPy]NTf2の含水率測定) [HPy]NTf2の含水率は、カールフィッシャー法を用いて測定した。MOA添加後の含水率は、0.0000%(0ppm)であった。また、メタノール、酢酸メチルおよび未反応のMOAの濃縮後の含水率は0.0000%(0ppm)であった。 〔実施例17〕 (カオチン部位を含む塩の合成) 200mlの四つ口フラスコに、トリエチルアミン(Triethylamine)20.2g(0.200mol)、1−ブロモヘキサン(1-Bromohexane)36.3g(0.220mol)およびトルエン(Toluene)50.0gを仕込み、還流(約106℃)にて23時間攪拌し、反応させた。反応後、反応液の温度を70℃以下まで冷却(風冷)した後、超純水50.0gを仕込み、水冷にてさらに室温まで冷却した。 冷却後、分液操作にて上層のトルエン層を除去した。下層の水層には、さらにトルエン50.0gを仕込み、30分間攪拌した後、分液操作にて上層のトルエン層を除去した。分液操作後の有機層には、イオン液体のカオチン部位であるTriethyl n-hexyl ammonium bromide(以下、[TEHA]Brと称する)が含まれている。 (アニオン交換反応) 分液操作後、[TEHA]Brを含む溶液94.0g([TEHA]Br 0.200mol相当)を300mlナスフラスコに移し、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Lithium bis (trifluoromethanesulfonyl) imide)63.2g(0.220mol)を仕込み、室温にて1時間攪拌し、アニオン交換反応を行った。反応後、分液操作にて上層の水層を除去した。下層に超純水50.0gを仕込み、室温にて30分間攪拌し、分液操作にて上層の水層を除去した。イオン液体のカオチン部位を含む下層を200mlナスフラスコに移し、60℃ 20mmHgにて1時間、減圧濃縮し、溶媒を留去することによって、トリエチルn−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Triethyl n-hexyl ammonium bis (trifluoromethanesulfonyl) imide;[TEHA]NTf2)を含む淡黄色溶液を得た。 (塩除去工程) 次に、得られた淡黄色溶液に、アセトン(Acetone)50.0gを仕込み、約0〜5℃まで冷却した後、30分間攪拌し、副生成物である塩化リチウム(Lithium chloride)、および未反応物であるリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを晶析熟成した。熟成終了後、結晶の析出は無かったが、そのまま内径55mmのブフナーロート用いて濾過し、アセトン20.0gにて洗浄した。濾過によって得られた濾液は、200mlナスフラスコに移し、60℃ 20mmHgにて2時間、さらに60℃ 1〜2mmHgにて1時間減圧濃縮し、目的物である[TEHA]NTf2を含む濃縮液73.7gを得た。この濃縮液の含水率は0.0085%(85ppm)であった。 (水分除去工程および精製工程) 得られた濃縮液73.7gに、オルソ酢酸メチル(Methyl orthoacetate;MOA)0.20g(0.00166mol)を仕込み、80℃にて3時間攪拌し、留去しきれなかったイオン液体中の水分と反応させた。反応後、MOAが水によって加水分解されて生成したメタノール(Methanol)、酢酸メチル(Methyl acetate)および未反応のMOAを、60℃ 20mmHgにて1時間、さらに60℃ 1〜2mmHgにて2時間減圧濃縮を行い、目的物である[TEHA]NTf2の淡黄色液体を得た。 ([TEHA]NTf2の含水率測定) [TEHA]NTf2の含水率は、カールフィッシャー法を用いて測定した。MOA添加後の含水率は、0.0030%(30ppm)であった。また、メタノール、酢酸メチルおよび未反応のMOAの濃縮後の含水率は0.0042%(42ppm)であった。 〔比較例1〕 実施例3にて得られた、[BMIm]BF4を含む濃縮液(含水率0.1284%(1284ppm))の内の30.0gを50mlナスフラスコに移し、60℃ 1〜2mmHgにて6時間減圧濃縮を行い、目的物である[BMIm]BF4の淡黄色液体を得た。 [BMIm]BF4の含水率は、カールフィッシャー法を用いて測定した。減圧濃縮後の含水率は0.0389%(389ppm)であった。 〔比較例2〕 実施例14にて得られた、[BMIm]DCAに超純水を添加し、含水率を0.3919%(3919ppm)に調整した。この[BMIm]DCA 30.0gを、60℃ 1〜2mmHgにて8時間減圧濃縮を行い、目的物である[BMIm]DCAの淡黄色液体を得た。 [BMIm]DCAの含水率は、カールフィッシャー法を用いて測定した。減圧濃縮後の含水率は0.1197%(1197ppm)であった。 〔比較例3〕 実施例14にて得られた、[BMIm]DCAに超純水を添加し、含水率を0.3528%(3528ppm)に調整した。この、[BMIm]DCA20.0gに、モレキュラーシーブス(3A)1.0gを仕込み、10分間攪拌後、一晩静置し、さらに一晩攪拌して、脱水処理を行った。 [BMIm]DCAの含水率は、カールフィッシャー法を用いて測定した。一晩静置後の含水率は0.2583%(2583ppm)であった。また、一晩攪拌後の含水率は0.1351%(1351ppm)であった。 〔比較例4〕 実施例14にて得られた、[BMIm]DCAに超純水を添加し、含水率を0.3528%(3528ppm)に調整した。この、[BMIm]DCA20.0gに、シリカゲル(青、中粒)1.0gを仕込み、10分間攪拌後、一晩静置し、さらに一晩攪拌して、脱水処理を行った。 [BMIm]DCAの含水率は、カールフィッシャー法を用いて測定した。一晩静置後の含水率は0.3707%(3707ppm)であった。また、一晩攪拌後の含水率は0.3803%(3803ppm)であった。 本発明に係る製造方法は、以上のように、溶融塩液に、水分によって加水分解される上記一般式(1)で示される化合物を混合する水分除去工程を含んでいる。 これによって、水分除去に要する時間を大幅に短縮することができると共に、モレキューラーシーブスまたはシリカなどの吸着剤を使用することなく水分を除去できる。 すなわち、製造するイオン液体の種類に関係なく、低コストであり、容易かつ短時間に溶融塩液中の水分を除去できる。 発明の詳細な説明の項においてなされた具体的な実施形態または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と次に記載する請求の範囲内で、いろいろと変更して実施することができるものである。 本発明に係るイオン液体の製造方法を用いて製造できるイオン液体は、有機合成における反応溶媒、ならびに電解液または電解質を溶解させた電解液組成物、色素増感太陽電池、燃料電池、リチウムイオン2次電池および電気二重層キャパシタなどの電気デバイス用途に好適に用いることができる。 カチオン部位とアニオン部位とを組み合わせてなる溶融塩を含む溶融塩液から、溶融塩を主成分とするイオン液体を製造するイオン液体の製造方法であって、 上記溶融塩液に、下記一般式(1)(式中、R1〜R4のうち少なくとも2つは、炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、残りは、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示す)で示される化合物を混合する水分除去工程を含むことを特徴とするイオン液体の製造方法。 上記溶融塩を合成する合成工程をさらに含み、 上記水分除去工程において、上記合成工程によって得られる溶融塩液に、上記化合物を混合することを特徴とする請求項1に記載のイオン液体の製造方法。 上記一般式(1)で示される化合物は、アセタールまたはオルソエステル化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のイオン液体の製造方法。 上記アセタールまたは上記オルソエステル化合物は、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジエトキシエタン、1,1−ジメトキシプロパン、1,1−ジエトキシプロパン、2,2−ジメトキシプロパン、2,2−ジエトキシプロパン、1,1−ジメトキシブタン、1,1−ジエトキシブタン、2,2−ジメトキシブタン、2,2−ジエトキシブタン、オルソ蟻酸メチル、オルソ蟻酸エチル、オルソ酢酸メチルまたはオルソ酢酸エチルであることを特徴とする請求項3に記載のイオン液体の製造方法。 上記水分除去工程により得られた混合物から、下記一般式(2)(式中、R5およびR6は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基またはアルコキシ基を示す)で示される化合物および 下記一般式(3)(式中、R7は、炭素数1〜8のアルキル基を示す)で示されるアルコールの少なくともいずれか1つを除去する精製工程をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載のイオン液体の製造方法。 上記一般式(2)で示される化合物は、ケトン、アルデヒドまたはエステルであることを特徴とする請求項5に記載のイオン液体の製造方法。 上記一般式(2)で示される化合物および上記一般式(3)で示されるアルコールの沸点が、200℃以下であることを特徴とする請求項5に記載のイオン液体の製造方法。 上記カチオン部位は、下記一般式(4)(式中、R8〜R11は、飽和アルキル基、不飽和アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基またはアルコキシアルキル基を示す)で示される第4級アンモニウムカチオン、 または窒素原子を含む複素環骨格を有するカチオンであることを特徴とする請求項1または2に記載のイオン液体の製造方法。 上記複素環骨格を有するカチオンは、下記一般式(5)(式中、R12〜R16は、水素原子、飽和アルキル基、不飽和アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアルコキシアルキル基を示す) 下記一般式(6)(式中、R17〜R22は、水素原子、飽和アルキル基、不飽和アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアルコキシアルキル基を示す)で示されるピリジニウムカチオン、 または、下記一般式(7)(式中、R23〜R26は、水素原子、飽和アルキル基、不飽和アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアルコキシアルキル基を示す)で示されるトリアジン誘導体カチオンであることを特徴とする請求項8に記載のイオン液体の製造方法。 上記カチオン部位は、下記一般式(8)(式中、R27〜R30は、飽和アルキル基、不飽和アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ビニル基またはアルコキシアルキル基を示す)で示される第4級ホスホニウムカチオン、またはリン原子を含む複素環骨格を有するカチオンであることを特徴とする請求項1または2に記載のイオン液体の製造方法。 上記アニオン部位は、ハロゲン化物イオン、トリフラートアニオン、テトラフルオロボラートアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、硝酸イオン、硫酸イオン、N(CF3SO2)2−、N(CN)2−、C(CN)3−、CH3OSO3−、(C2H5)2PO4−、N(C2F5SO2)2−、N(CF3CO)2−、N(CF3SO2)(CF3CO)−、N(FSO2)2−またはCF3COO−であることを特徴とする請求項1または2に記載のイオン液体の製造方法。


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