生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_フレーク状ガラス及びそれを配合した化粧料
出願番号:2009511779
年次:2013
IPC分類:C09C 3/12,C09C 1/30,A61K 8/25,A61Q 1/02


特許情報キャッシュ

前田 健 柳生 智宏 大谷 和弘 JP 5123294 特許公報(B2) 20121102 2009511779 20080411 フレーク状ガラス及びそれを配合した化粧料 日本板硝子株式会社 000004008 鎌田 耕一 100107641 間中 恵子 100143236 前田 健 柳生 智宏 大谷 和弘 JP 2007116175 20070425 20130123 C09C 3/12 20060101AFI20121227BHJP C09C 1/30 20060101ALI20121227BHJP A61K 8/25 20060101ALI20121227BHJP A61Q 1/02 20060101ALI20121227BHJP JPC09C3/12C09C1/30A61K8/25A61Q1/02 C09C1/00-3/12 C09D15/00-17/00 特開2006−257176(JP,A) 特開2002−038051(JP,A) 特開2001−262004(JP,A) 特開平03−243667(JP,A) 特開昭62−045666(JP,A) 4 JP2008057163 20080411 WO2008133042 20081106 12 20101115 内藤 康彰 本発明は、フレーク状ガラスと、このフレーク状ガラスが配合された化粧料とに関する。 白粉やパウダーファンデーション、頬紅、アイシャドーなどのメイクアップ化粧料には、主としてタルク、マイカ、セリサイトなどの天然の鱗片状体質顔料が用いられている。特に、マイカ、セリサイト、シリカフレーク(鱗片状シリカ)は、透明で柔らかな感触があり、プレストケーキにした際に取り出しやすいため、広く用いられている。 しかし、天然産物であるマイカやセリサイトは、鉄などの不純物を含んでおり、油を加えると色が黒くなる傾向を示し、きれいな発色が得られないという問題がある。さらに、マイカやセリサイトは、肌への付着性や滑らかさも充分ではない。 一方、天然物の代わりに、合成マイカや、非晶質の鱗片状シリカ(例えば、特開平6−87720号公報参照)、結晶性の鱗片状シリカ(例えば、特開平4−145011号公報参照)も用いられている。しかし、これらの物質は充分な強度を有していないため、他の粉体との混合時に粉砕されてしまうなどの問題がある。また、上記の非晶質の鱗片状シリカ及び結晶性の鱗片状シリカは、ステンレス板や鋼板などの基体の上にシリカ成分を塗布し乾燥させた後、この塗布膜を基体から剥離することによって得られている。このため、鱗片状シリカに基体表面の凹凸が転写されてしまい、一方面(作製時に基体と接触した面)に凹凸が形成された製品しか得られない。そのため、表面反射が起こり、透明性の維持が難しく、さらに、光りやすい鱗片状シリカしか得られていない。 さらには、不定形のシリカゲルを配合したメイクアップ用化粧品も提案されている。しかし、シリカゲルは多孔質であるため、このような化粧品は肌の水分を吸収し、ガサガサした感触となり、皮膚への伸びが悪くなる傾向にある。 一方、マイカや合成マイカは光りやすい。このため、これらを配合した化粧料では、光り過ぎて自然な化粧効果が得られない、すなわち素肌感が得られにくいという問題もある。 また、体質顔料に表面処理を施す(体質顔料の表面を所定の処理剤を用いて被覆する)ことによって、肌上での滑らかさや肌への付着性を向上させた化粧料も提案されているが、充分な滑らかさは未だ得られていない。 本発明の目的は、上記の問題点を解決し、滑らかで感触がよく、透明感及び皮膚への付着性に優れ、光り過ぎない自然な仕上がり、いわゆる素肌感のある化粧料を実現するためのフレーク状ガラスを提供することにある。さらに、本発明の別の目的は、このようなフレーク状ガラスを配合した化粧料を提供することである。 本発明のフレーク状ガラスは、フレーク状ガラス基材と、前記フレーク状ガラス基材の表面を被覆する被覆膜とを含むフレーク状ガラスであって、前記フレーク状ガラス基材は、平均厚さが0.1〜1.0μm、且つ、平均粒径が1〜100μmであり、前記被覆膜は、メチルハイドロジエンシリコーンによって形成されており、前記被覆膜の含有割合が、625±20℃の強熱減量として測定した場合に0.05〜2.50質量%である。 なお、本明細書において、フレーク状ガラス基材の平均厚さとは、少なくとも100枚のフレーク状ガラス基材を抜き取り、それらのフレーク状ガラス基材について走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて厚さを測定し、その厚さ合計を測定枚数で割った値のことである。また、本明細書において、フレーク状ガラス基材の平均粒径とは、レーザー回折散乱法に基づいて測定された粒度分布において、累積質量百分率が50%に相当する粒径(D50)のことである。 本発明の化粧料は、上記の本発明のフレーク状ガラスが配合されたものである。 本発明のフレーク状ガラスには、メチルハイドロジエンシリコーンによって形成された被覆膜が、625±20℃の強熱減量として測定した場合に0.05〜2.50質量%を満たす割合で含まれている。これにより、本発明のフレーク状ガラスが配合された化粧料は、滑らかで感触がよく、透明感、発色性及び皮膚への付着性に優れ、光り過ぎない自然な仕上がり、いわゆる素肌感のあるメイクアップを実現できる。 本発明のフレーク状ガラス及び化粧料の実施形態について説明する。 本実施の形態のフレーク状ガラスは、フレーク状ガラス基材の表面に、メチルハイドロジエンシリコーンによって形成された被覆膜が設けられている。本実施の形態のフレーク状ガラスにおけるこの被覆膜の含有割合は、625±20℃の強熱減量として測定した場合に、0.05〜2.50質量%を満たす。換言すれば、本実施の形態のフレーク状ガラスは、強熱減量として0.05〜2.50質量%のメチルハイドロジエンシリコーンによって表面処理されている。なお、本実施の形態のフレーク状ガラスにおいて、フレーク状ガラス基材の表面に被覆膜で被覆されていない部分が含まれていてもよい。 また、より好ましくは、メチルハイドロジエンシリコーンによって形成された被覆膜の含有割合が、強熱減量として0.10〜1.00質量%を満たすことである。 フレーク状ガラスにおけるメチルハイドロジエンシリコーンの被覆量(被覆膜の含有割合)が、フレーク状ガラスの強熱減量として0.05質量%よりも少ない場合には、フレーク状ガラスの撥水効果が不充分である。このため、このようなフレーク状ガラスが化粧料に配合された場合、肌の汗が当該フレーク状ガラスに吸着して、くすみ感が発生しやすい。一方、その被覆量が、フレーク状ガラスの強熱減量として2.50質量%よりも多い場合には、フレーク状ガラスが凝集しやすく、化粧料中に均一に分散しにくいという問題が発生する。したがって、本実施の形態では、フレーク状ガラスにおけるメチルハイドロジエンシリコーンの被覆量を上記の範囲内とする。 なお、本発明のフレーク状ガラスでは、強熱減量によって被覆膜の含有割合の範囲が特定されているので、設計上で被覆膜の含有割合を特定する場合と比較して、効果が得られる範囲をより正確に特定することができる。したがって、本発明のフレーク状ガラスによれば、滑らかで感触がよく、透明感及び皮膚への付着性に優れ、光り過ぎない自然な仕上がり、いわゆる素肌感のある化粧料を、より確実に安定して提供できる。 本実施の形態において用いられるメチルハイドロジエンシリコーンとしては、例として信越化学工業株式会社製「KF−99」や「KF−9901」、東レ・ダウコーニング株式会社製「SH1107」や「BY16−805」などが挙げられる。フレーク状ガラス基材にメチルハイドロジエンシリコーンを被覆する方法としては、特開昭61−73775号公報、特開昭61−17667号公報、特開昭63−201041号公報などに例示されるような、溶液浸漬法、溶液噴霧法などが挙げられる。例えば、トルエン及びキシレンなどの芳香族炭化水素、石油エーテル、ミネラルスピリット及びケロシンなどの脂肪族炭化水素、又は、イソプロピルアルコールなどを用いてメチルハイドロジエンシリコーンを希釈し、これをフレーク状ガラス基材に塗布して塗布膜を加熱によって乾燥させることにより、メチルハイドロジエンシリコーンの被覆膜を形成することができる。なお、この時、形成された被覆膜の含有量が強熱減量として0.10〜2.50質量%(好ましくは0.10〜1.00質量%)の範囲を満たすように、メチルハイドロジエンシリコーンの量を適宜調整して、メチルハイドロジエンシリコーンをフレーク状ガラス基材に塗布する。 本実施の形態において用いられるフレーク状ガラス基材は、例えば、特公昭45−3541号公報に開示されているようないわゆるブロー法や、特開昭59−21533号公報や特表平2−503669号公報に開示されているいわゆるロータリー法で作製することができる。 ブロー法は、溶融ガラスを貯えた液槽中にノズルを入れ、このノズルから空気を吹き込んで、いわゆる風船を作り、これをローラーで引っ張って、フレーク状のガラスを得る方法である。ロータリー法は、高速回転している平板やカップ状容器に溶融ガラスを連続的に注ぎ、平板やカップ縁から溶融ガラスを延伸させてフレーク状のガラスを得る方法である。 これらの方法によれば、平均厚さが0.1〜5.0μmの範囲内であり、平均粒径が1〜1000μm範囲内であるフレーク状ガラス基材が得られるが、化粧料に配合された際に、高い透明感及び皮膚への付着性と、光りすぎない自然な仕上がり(素肌感)とが実現できるという点で、本実施の形態では平均厚さ0.1〜1.0μm、且つ、平均粒径1〜100μmのフレーク状ガラス基材が用いられる。 また、本実施の形態において用いられるフレーク状ガラス基材には、一般的にEガラス、Cガラスと称される組成のガラスが適用できるが、その組成上酸化ホウ素の溶出が懸念される。近年、化粧料においては、安全に対する要求が高まってきており、また、厚生省薬務局審査課監修による「化粧品種別配合成分規格」(株式会社薬事日報社、1997年発行)によれば“窒化ホウ素”の項目に、溶出ホウ素量20ppm以下という規定がある。したがって、化粧料に配合されるフレーク状ガラスに用いられるガラスは、組成成分としてホウ素を含有しないことが望ましい。このようなガラスの例として、特開2002−226732号公報などに開示されたボロンフリーEガラスが挙げられる。 なお、本実施の形態で説明したフレーク状ガラスは、フレーク状ガラス基材と、当該フレーク状ガラス基材の表面に設けられた、メチルハイドロジエンシリコーンを用いて形成された被覆膜とからなるものであるが、さらに、界面活性剤、シランカップリング剤、チタニアカップリング剤、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、フッ素樹脂またはポリアミノ酸などの高分子化合物、水素添加レチシン、アシル化コラーゲン、金属石鹸のほか、親油性ワックス、多価アルコールエステルなどが複合的に設けられていてもよい。 本実施の形態の化粧料は、上記に説明した本実施の形態のフレーク状ガラスが配合されたものである。 本実施の形態の化粧料は、前記フレーク状ガラスの他に、通常、化粧料に用いられる他の成分を必要に応じて適宜配合することができる。他の成分としては、無機粉末、有機粉末、顔料、色素、油性成分、有機溶剤、樹脂や可塑剤などが挙げられる。例えば、無機粉末としては、タルク、カオリン、マイカ、セリサイト、その他の雲母類、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、クレー類などが挙げられる。 また、有機粉末としては、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、エポキシパウダー、アクリルパウダーなどのパウダーの他に、ナイロン、アクリルなどのプラスチックビーズなども挙げられる。 顔料としては、微結晶性セルロース、酸化チタン、酸化亜鉛および酸化ジルコニウムなどの無機白色顔料、酸化鉄およびチタン酸鉄などの無機赤色系顔料、黄酸化鉄および黄土などの無機黄色系顔料、黒酸化鉄およびカーボンブラックなどの無機黒色形顔料、酸化クロム、水酸化クロムおよびチタン酸コバルトなどの無機緑色系顔料、紺青などの無機青色系顔料、さらに、酸化チタンや酸化鉄を被覆した鱗片状ガラスやシリカ、雲母チタン(雲母の表面に酸化チタンがコーティングされた粉末)及びオキシ塩化ビスマスなどの真珠光沢顔料、アルミニウムパウダーやカッパーパウダーなどの金属粉末顔料などが挙げられる。 色素としては、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号のジルコニウムレーキ、バリウムレーキ又はアルミニウムレーキなどの有機顔料、あるいはクロロフィル又はβ−カロチンなどの天然色素などが挙げられる。 油性成分としては、スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、オケゾライト、セレシン、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、セチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、2−エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセロール、オレイン酸−2−オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸グリセロール、トリヤシ油脂肪酸グリセロール、オリーブ油、アボガド油、ミツロウ、ミリスチン酸ミリスチル、ミンク油又はラノリンなどの各種炭化水素、シリコーン油、高級脂肪酸、油脂類のエステル類、高級アルコール、あるいはロウなどが挙げられる。 さらに、アセトン、トルエン、酢酸ブチル又は酢酸エステルなどの有機溶剤、アルキド樹脂又は尿素樹脂などの樹脂、カンファ、クエン酸アセチルトリブチルなどの可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、界面活性剤、保湿剤、香料、水、アルコール、あるいは増粘剤などが挙げられる。 化粧料の形態としては、粉末状、ケーキ状、ペンシル状、スティック状、軟膏状、液状、乳液状又はクリーム状など種々の形態が挙げられる。これらには、例えば、化粧水、乳液又はクリームなどのフェーシャル化粧料、ファンデーション、口紅、アイシャドー、頬紅、アイライナー、ネイルエナメル又はマスカラなどのメイクアップ化粧料などが含まれる。 以下に実施例及び比較例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明は、本発明の要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。 (実施例1〜12) 実施例1〜12として、本発明のフレーク状ガラスの試料を作製した。 まず、表1に示す組成のEガラス及びホウ素を含まない(ホウ素非含有)ガラスを用いて、ブロー法によりフレーク状ガラス基材を作製した。具体的には、1200℃以上に加熱した溶解槽にEガラス又はホウ非含有ガラスの組成を有したガラスを入れて溶解し、この溶解槽にノズルを入れ、このノズルから空気を吹き込みながら薄いガラスを作製し、この薄いガラスをローラーで連続的に引き出した。空気の吹き込み量及びローラー回転数を変えて、平均厚さ0.4μmのガラスと平均厚さ0.7μmのガラスとを得た。その後、粉砕、分級を行って、それぞれ平均粒径10μm及び平均粒径25μmのフレーク状ガラス基材を得た。粉砕には、ジェットミル型粉砕機(製品名「ラボジェットLJ」(日本ニューマチック株式会社製))を用いた。また、粒度の調整は、ふるい分け分級によって行った。ふるい分け分級には、電磁ふるい振とう機(製品名「RETSCH SIEVE SHAKER, type VIBRO」(RETSCH株式会社製)を用い、目的とする粒度分布に応じて適宜ふるいを選択した。平均粒径は、レーザー回折粒度分布測定装置(製品名「マイクロトラック(登録商標)HRA」(日機装株式会社製))によって測定した。 得られたフレーク状ガラス基材に、以下の方法にてメチルハイドロジエンシリコーン(信越化学工業株式会社製、「KF−9901」)の被覆膜を形成した。すなわち、イソプロピルアルコールにメチルハイドロジエンシリコーンを希釈して、これを溶液浸漬法によってフレーク状ガラス基材に塗布し、塗布膜を70℃にて4時間乾燥させた後、160℃にて2時間焼き付けを行うことによって、被覆膜を形成した。このようにして、実施例1〜12のフレーク状ガラスの試料を作製した。実施例1〜12のフレーク状ガラスに用いたガラスの種類と、フレーク状ガラス基材の平均厚さ及び平均粒径とは、表2に示すとおりである。 次に、これらの試料に対して行った強熱減量の測定方法について説明する。以上のように作製された実施例1〜12のフレーク状ガラス(フレーク状ガラス基材の表面にメチルハイドロジエンシリコーンからなる被覆膜が設けられたもの)を、110±5℃にて60分以上乾燥させた後、625℃にて15分以上強熱した。この強熱によって生じたフレーク状ガラスの質量の減少(減量)を測定し、強熱前のフレーク状ガラスの質量に対する減量の百分率を求めて、強熱減量とした。実施例1〜12のフレーク状ガラスにおける強熱減量は、表2に示すとおりである。 (比較例1〜12) 比較例として、実施例1〜12と同様の方法にて作製したフレーク状ガラス基材にメチルハイドロジエンシリコーンを被覆しないフレーク状ガラス(比較例1及び2)と、メチルハイドロジエンシリコーンを強熱減量として0.05質量%未満被覆したフレーク状ガラス(比較例3、4及び6)及び2.50%より多く被覆したフレーク状ガラス(比較例5、7及び8)とを作製した。 また、比較例として、実施例1〜12と同様の方法で作製したフレーク状ガラス基材に、撥水性シランカップリング剤としてメチルトリメトキシシランを被覆したフレーク状ガラス(比較例9及び10)も作製した。 さらに、比較例として、フレーク状ガラス基材の代わりに天然マイカ及び合成マイカを準備し、これら天然マイカ及び合成マイカの表面に実施例1〜12と同様の方法でメチルハイドロジエンシリコーンを被覆した試料(比較例11及び12)を作製した。 表3に、比較例1〜12で用いた基材の種類(ガラス種類、マイカ種類)と、その平均厚さ及び平均粒径と、実施例1〜12と同様の方法で測定した強熱減量と、被覆膜材料と示す。 (実施例13〜24、比較例13〜24) 実施例1〜12のフレーク状ガラス、比較例1〜12の試料を用い、表4に示す各成分によりパウダーファンデーションを作製し、化粧料としての評価を行った。(実施例13〜24及び比較例13〜24) 表4の成分(1)〜(8)をヘンシェルミキサーで混合し、この混合物に対して成分(9)〜(13)を加熱溶解混合したものを添加した後、パルペライザーで粉砕し、これを直径6cmの皿に1.5kg/cm2の圧力で成形し、パウダーファンデーションを得た。 実施例1〜12のフレーク状ガラス及び比較例1〜12の試料を用いて作製した実施例13〜24及び比較例13〜24のファンデーションの官能試験を行った。 官能試験は、10人の被験者を起用し、この10人の評価の平均値をもって、化粧料の使用感を評価した。評価基準を表5に、評価結果を表6に示す。 表6に示すように、本発明のフレーク状ガラス(実施例1〜12)を用いたパウダーファンデーション(実施例13〜24)は、全ての評価において評価点4.5点以上を満たしており、比較例1〜12の試料を用いたパウダーファンデーション(比較例13〜24)と比較して良好な結果が得られた。 比較例1及び2のようにメチルハイドロジエンシリコーンにより形成された被覆膜を有さないフレーク状ガラスは、それら自体の滑らかさが不十分なため、ファンデーションとしての伸びが劣り、仕上がり感も劣る結果であった(比較例13及び14)。比較例3、4及び6のようにメチルハイドロジエンシリコーンの被覆量が少ないフレーク状ガラスは、それ自体の撥水性が不充分なため、伸び性及び仕上がり感が劣る結果であった(比較例15、16及び18)。比較例5、7及び8のようにメチルハイドロジエンシリコーンの被覆量が多いフレーク状ガラスは、ファンデーション中でのフレーク状ガラスの分散が不充分であり、ファンデーションに濁りが出やすく、使用感も劣るという結果であった(比較例17、19及び20)。比較例9及び10のように撥水性のシランカップリング剤によって形成された被覆膜を有するフレーク状ガラスは、それら自体で凝集しやすく、ファンデーション中での分散が不充分で、ファンデーションに濁りが出やすく、仕上がり感や使用感も劣るという結果であった(比較例21及び22)。比較例11及び12のように天然マイカ及び合成マイカをメチルハイドロジエンシリコーンで被覆した試料は、それら自体の透明感が不充分であり、ファンデーションとしての伸びはよかったが、自然な仕上がり感が劣るという結果であった(比較例23及び24)。 また、フレーク状ガラス基材にEガラスを用いた例を比較すると、実施例のフレーク状ガラスのホウ素溶出量は、比較例に比べて非常に低く、安全性が高い結果が得られた。なお、ホウ素溶出量の測定は、化粧品種別配合成分規格“窒化ホウ素”の純度試験(4)溶出ホウ素量の方法に準じて試験溶液を調整し、それを原子吸光法で定量分析して行った。試験溶液の調整方法は以下の通りである。 フレーク状ガラス2.5gをフッ素樹脂製ビーカーにとり、エタノール10mLを加えてよくかき混ぜ、さらに水40mLを加えてよくかき混ぜた後、フッ素樹脂製時計皿にのせ、ホットプレート上で1時間加熱する。放冷後、濾過し、残留物を少量の水で洗い、洗液を濾液に合わせる。この液をさらにメンブランフィルター(0.22μm)で濾過する。濾液全体をフッ素樹脂製ビーカーにとり、硫酸1mLを加え、ホットプレート上で10分間煮沸する。放冷後、この溶液をポリエチレン製メスフラスコに入れ、フッ素樹脂製ビーカーを少量の水で洗い、この洗液をポリエチレン製メスフラスコ内の溶液に合わせた後、水を加えて正確に50mLとし、これを試験溶液とした。 本発明のフレーク状ガラスを用いた化粧料は、滑らかで感触がよく、透明感及び皮膚への付着性に優れ、光らない自然な仕上がり、いわゆる素肌感が得られる化粧料として利用することができる。 フレーク状ガラス基材と、前記フレーク状ガラス基材の表面を被覆する被覆膜とを含むフレーク状ガラスであって、 前記フレーク状ガラス基材は、平均厚さが0.1〜1.0μm、且つ、平均粒径が1〜100μmであり、 前記被覆膜は、メチルハイドロジエンシリコーンによって形成されており、前記被覆膜の含有割合が、625±20℃にて前記フレーク状ガラスを15分以上強熱することによって生じた前記フレーク状ガラスの強熱減量が0.05〜2.50質量%となるような含有割合である、フレーク状ガラス。 前記被覆膜の含有割合が、625±20℃にて前記フレーク状ガラスを15分以上強熱することによって生じた前記フレーク状ガラスの強熱減量が0.10〜1.00質量%となるような含有割合である、請求項1に記載のフレーク状ガラス。 前記フレーク状ガラス基材が、組成成分としてホウ素を含有しない、請求項1に記載のフレーク状ガラス。 請求項1に記載のフレーク状ガラスが配合された化粧料。


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