タイトル: | 公開特許公報(A)_コイルの非破壊検査方法 |
出願番号: | 2009206719 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | G01N 27/20,G01R 31/12,G01R 31/06 |
木村 英明 松本 陽 JP 2011058864 公開特許公報(A) 20110324 2009206719 20090908 コイルの非破壊検査方法 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 000100768 特許業務法人あいち国際特許事務所 110000648 木村 英明 松本 陽 G01N 27/20 20060101AFI20110301BHJP G01R 31/12 20060101ALI20110301BHJP G01R 31/06 20060101ALI20110301BHJP JPG01N27/20 ZG01R31/12 ZG01R31/06 4 1 OL 11 2G014 2G015 2G060 2G014AA32 2G014AB07 2G014AB49 2G014AC19 2G015AA14 2G015AA19 2G015BA01 2G015CA06 2G015CA11 2G060AA09 2G060AA19 2G060AE01 2G060AF01 2G060AF07 2G060AG11 2G060EA07 2G060KA15 本発明は、モータコアに装着されたコイルの電気的な絶縁状態を非破壊状態で検査する方法に関する。 モータのステータコアあるいはロータコア(これらをモータコアという)に装着されるコイルは、導体の外周表面を絶縁樹脂によって被覆した被覆導体を多数巻回して構成されている。これらの多数の被覆導体の電気的絶縁性は、モータの性能において非常に重要な特性である。 従来、被覆導体を巻回してなるコイルの絶縁状態を検査する方法としては、食塩水によるピンホール検査がある。 この方法は、図7に示すごとく、食塩水(0.2%)とフェノールフタレインとよりなる導電性の検査液91を検査容器92内に収容し、この検査液92内にモータコア8に装着されたコイル7と、電極93とを浸漬して行う。電極93とコイル7のの端末部71とを電線15で接続すると共に、その間に配設した直流電源11によって両者の間に直流電圧を印加することによって行う。そして、コイルのを構成する被覆導体の絶縁皮膜に傷がある場合には、電気分解によって発生した水素の気泡99がフェノールフタレインと反応して溶液が赤変する。その赤変により傷の位置Pを特定することができる。 ところが、上記の食塩水とフェノールフタレインとよりなる導電性の検査液を用いる方法では、コイルの傷の位置を確認することができても、その傷の大きさがどの程度であって実用上支障が出るか否かが不明である。また、食塩水を含む上記検査液は、モータコアを腐食させる性質があるため、検査を行ったモータコアおよびコイルは、たとえコイルの傷が見つからなくても製品とすることはできず、廃棄せざるを得ない。 このような不具合を解決するために、モータコアを腐食させない耐腐食性のあるフッ素系不活性溶液に導電性のアルコールであるイソプロピルアルコールを混合した検査液を用いた検査方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法によれば、電流値の計測によって絶縁皮膜の傷の大きさが定量的に判断できるとされている。特許第3646645号公報 しかしながら、上記のフッ素系不活性溶液にイソプロピルアルコールを混合した検査液を用いた場合には、導電性のアルコールであるイソプロピルアルコールがコイルの絶縁皮膜にダメージを与えることが判明した。これは、イソプロピルアルコールが皮膜に浸透してクレージングや膨潤などを引き起こすためであると考えられる。このような絶縁皮膜へのダメージはその絶縁性を低下させるため、やはり、特許文献1の検査後のモータコアおよびコイルは製品にすることはできない。 本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、コイルの絶縁皮膜の傷の状態を検査した後に、絶縁皮膜にダメージを与えることなく、製品化可能なコイルの非破壊検査方法を提供しようとするものである。 本発明は、溶解性パラメータ(SP値)が11.0cal/cm2未満であり、分子量が70以上である有機化合物よりなる導電性液体と、フッ素系不活性溶液とを含有してなる検査液を検査容器内に収容し、 モータコアに装着されたコイルと、電極とを上記検査容器の上記検査液内に浸漬し、 上記コイルと上記電極との間に電圧を付与して両者の間に流れる電流の値を測定することにより、上記コイルの傷の状態を判定することを特徴とするコイルの非破壊検査方法にある(請求項1)。 本発明は、上記検査液として、モータコアを腐食させることのない耐腐食性のフッ素系不活性溶液をベースとし、これに上記特定の物性を有する有機化合物よりなる導電性液体を混合したものを用いている。これにより、絶縁皮膜にダメージを与えることなく、その傷の検査を実施することができる。そのため、試験後のモータコアおよびコイルは、検査合格したものについては、十分に検査液を乾燥除去することによって、そのまま製品に適用することが可能である。本発明の検査方法を用いれば絶縁皮膜へのダメージがほとんど無いことについては、後述する実験によって確かめられた。 また、上記電流値を測定することによって、その値から傷の大きさ(面積)を容易に求めることができ、傷の定量的な判断も可能である。 このように、本発明によれば、コイルの絶縁皮膜の傷の状態を検査した後に、絶縁皮膜にダメージを与えることなく、製品化可能なコイルの非破壊検査方法を提供することができる。実施例1における、コイルの非破壊検査方法を行う検査装置の構成を示す説明図。実施例1における、予備試験の結果を示す説明図。実施例1における、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールを導電性液体として用いた検査試験の結果を示す説明図。実施例1における、酢酸ブチルを導電性液体として用いた検査試験の結果を示す説明図。実施例1における、ベンゼンを導電性液体として用いた検査試験の結果を示す説明図。実施例1における、ヘプタンを導電性液体として用いた検査試験の結果を示す説明図。従来例における、コイルの非破壊検査方法を行う検査装置の構成を示す説明図。 本発明において、上記導電性液体は、溶解性パラメータ(SP値)が11.0cal/cm2未満であり、分子量が70以上である有機化合物よりなる。 上記SP値は、石油系溶剤をはじめ、各種の適正溶剤の選択に有用な溶解力の尺度である溶解性パラメータである。このSP値が大きいほど溶解性が強くなり、極性も高くなる傾向にある。そして、本発明では、上記SP値を11.0cal/cm2未満に制限することによって、コイルの絶縁被膜への浸透を抑制する。一方、上記SP値が11.0cal/cm2を超える場合には、上記導電性液体の絶縁被膜への浸透が抑制しきれず、絶縁皮膜へのダメージを回避することが困難となる。なお、SP値の下限値は特に制限はないが、フッ素不活性溶液と同等なSP値であれば溶液内のSP値も均一となり安定した溶液になることから、SP値の下限値は6.6cal/cm2であることが好ましい。 また上記分子量は、数平均分子量であるが、これを70以上に限定することによって、絶縁皮膜へのダメージを回避する。この理由は、上記導電性液体の分子量が小さいほど、コイルの絶縁被膜のミクロなレベルで網目構造の隙間に入り込み膨潤させ、絶縁性を低下させる影響が出やすいためと考えられる。なお、分子量値の上限値は特に制限はないが、フッ素系不活性溶液と同等な分子量値であればより均一な分子量分布となり、安定した液状態になるため、分子量値の上限値は238であることがことが好ましい。 そして、本発明における上記導電性液体は、上記SP値と分子量とが両方とも上記特定の範囲に入る有機化合物を採用することによって、絶縁皮膜へのダメージを抑えている。 上記導電性液体は、エーテル系、グリコールエーテル系、または炭化水素系であることが好ましい(請求項2)。これらの系においては、上記SP値および分子量の特定範囲を両方とも具備する化合物を比較的容易に選択することが可能である。 特に、上記導電性液体は、酢酸ブチル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、ベンゼン、またはヘプタンであることが好ましい(請求項3)。これらは、絶縁皮膜へのダメージを回避しつつ、精度の高い検査結果を出すことが可能である。これらの中でも、特に、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールは、後述する実施例に示すごとく、上記検査方法の実施において優れた精度と感度を実現することができ、最も好ましい。この理由の一つは、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールが他の3種よりも導電率が高いことにあると考えられる。 また、上記導電性液体と上記フッ素系不活性溶液との混合割合は、両者の合計量に対する上記導電性液体の含有量が体積比において3〜5%であることが好ましい(請求項4)。上記導電性液体の含有量が3%未満の場合には、十分な導電性が得られず、検査において印加する電圧を従来よりも高める必要があり、それに伴う設備対策が必要となる。また、上記導電性液体の含有量が5%を超える場合には、有機則により、溶液自体が引火性物質の対象となるため、これに対する取り扱いや保管等の対応が複雑化するという問題が生じる。(実施例1) 本発明の実施例にかかるコイルの非破壊検査方法について、図1〜図6を用いて説明する。 本例のコイルの非破壊検査方法を行う検査装置1は、図1に示すごとく、導電性液体とフッ素系不活性溶液とを含有してなる検査液4を収容する検査容器10を有している。また、検査容器10の外部には、直流電源11と、これに接続された電流計12とが設けられている。直流電源11及び電流計12は、検査容器10内に浸漬される電極2と、同じく検査容器10内に浸漬されるモータコア8に装着されたコイル7とに、電線15を介してそれぞれ電気的に接続されるようになっている。上記直流電源11及び電流計12を含む電気回路には、図示しないスイッチや、電流値を解析するための制御回路等を接続することも可能である。 コイル7と電線15との接続は、コイル7の端末部71を検査液4の液面よりも上方に露出させた状態で、その端末部71と電線15とを接続することにより行う。 そして、上記検査装置1を用いた検査方法は、コイル7と電極2との間に、直流電源11から電圧を付与して、電流計12によって両者の間に流れる電流の値を測定することにより、上記コイルの傷の状態を判定する方法である。 上記検査液4としては、モータコアを腐食させることのない耐腐食性のフッ素系不活性溶液をベースとし、これに有機化合物よりなる導電性液体を混合したものを用いる。本例では、複数種類の有機化合物よりなる導電性液体(試料1〜試料8)を混合したものを準備した。表1に示すごとく、導電性液体としては、アルコール系を3種、グリコール系を1種、エーテル系を1種、グリコールエーテル系を1種、及び炭化水素系を2種準備した。 各導電性液体については、SP値、分子量(数平均分子量)、沸点、導電率、密度の特性について表1に示した。 上記8種類の導電性液体について、本発明の検査方法に適しているか否かを確認するために、予備試験を行った。この予備試験は、上記各導電性液体100%の液体中に、上記コイル7を構成する被覆導体を1時間浸漬し、その後、被覆導体を取り出して24時間常温常湿状態中に放置し、その後、グリセリン法により絶縁破壊電圧値を求めるものである。上記グリセリン法は、電線試料の中間部を、プラス電極と導通するグリセリン溶液中に浸漬させ、電線試料の一端部をマイナス電極に導通させて、一対の電極間に500V/secの昇圧速度で、電線試料における絶縁被膜が破壊されるまで電圧を印加し、その破壊電圧が高いほど絶縁性が高いと判断する試験方法である。 上記8種類の導電性液体のうち、代表として、試料1のイソプロピルアルコール(符号B)、試料6の3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(符号C)、試料5の酢酸ブチル(符号D)、試料7のベンゼン(符号E)、および試料8のヘプタン(符号F)について、上記予備試験を行った。また、比較のために、導電性液体に一切浸漬していない被覆導体(符号A)(以下、適宜、基準材という)についても上記予備試験を行った。 予備試験は、基準材(符号A)、イソプロピルアルコール(符号B)、及び3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(符号C)については、28回実施(n=28)し、酢酸ブチル(符号D)、試料7のベンゼン(符号E)、および試料8のヘプタン(符号F)については、10回実施(n=10)し、その平均値(ave)、上限値(max)及び下限値(min)を求めた。その結果を図2に示す。同図は、横軸に試験材を上記符号で示し、縦軸にグリセリン溶液中での絶縁破壊電圧値(kV)を取ったものである。 同図に示すごとく、試料1のイソプロピルアルコール(符号B)は、基準材(符号A)に比べて、上記絶縁破壊電圧値が大きく低下し、10kVを下回った。これに対し、試料6の3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(符号C)、試料5の酢酸ブチル(符号D)、試料7のベンゼン(符号E)、および試料8のヘプタン(符号F)については、基準材(符号A)に比べて、ほとんど上記絶縁破壊電圧値が低下せず、優れた絶縁特性を示すことがわかる。 なお、同図に示さなかった試料2〜4についても、同様の予備試験によって、試料1(符号B)と同様に絶縁破壊電圧値が大きく低下することが確認されている。 以上の予備試験の結果から、少なくとも、試料6の3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(符号C)、試料5の酢酸ブチル(符号D)、試料7のベンゼン(符号E)、および試料8のヘプタン(符号F)については、被覆導体の絶縁皮膜にほとんどダメージを与えないことがわかった。 ここで、上記各導電性液体の特徴を以下に示す。<アルコール> アルコール(alcohol)とは、炭化水素の水素原子をヒドロキシ基で置き換えた物質の総称である。芳香環の水素原子を置換したものはフェノール類と呼ばれ、アルコールと区別される。アルコールはヒドロキシ基を持つことがその特徴である。ヒドロキシ基が他の分子と水素結合を形成し、アルコール分子は極性物質としての性質を持つ。<グリコール> グリコール(glycol)はアルコールの一種(ポリオール)で、鎖式脂肪族炭化水素または環式脂肪族炭化水素の2つの炭素原子に1つずつヒドロキシ基が置換している構造を持つ化合物であり、ジオール化合物とも呼ばれる。グリコール類は常温で無色液体であるが、一般のアルコールに比べて分子量の割に融点や粘度が高いという性質を持っている。これはヒドロキシ基を介する水素結合が多いことに起因している。<エーテル> エーテル(ether)は有機化合物の分類のひとつで、構造式をR−O−R’(R、R’はアルキル基、アリール基などの有機基、Oは酸素原子)の形で表される化合物を指す。また、エーテルに含まれるR−O−R’の部分をエーテル結合という。酸素が非共有電子対を持つことから、ルイス塩基性、水素結合受容性を示す。ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)などは、多くの有機化合物をよく溶かし化学的に比較的安定であるため、非プロトン性溶媒としての用途が多い。<グリコールエーテル> グリコールエーテルは、アルコールとエーテルの最も良好な溶解性を組み合わせられている用途の広い分子である。グリコールエーテルは、水と同様に広範囲の有機化学物質に対して混和性と溶解性を有している。そのため、グリコールエーテルは、樹脂に対する活性溶媒として表面塗料工業、溶媒としてブレーキ液工業、種々の石油ベース燃料における凍結防止剤(anti−icer)として石油工業、不凍液として自動車工業並びに日常的に使用される特別品において非常に優れているものと考えられる。 上記内容を踏まえて上記予備試験の結果を考察すると、以下のように考えられる。エーテルは酸素が非共有電子対を持つことから、比較的安定した溶液となるが、アルコールはヒドロキシ基が分子と水素結合を形成し、アルコール分子は極性物質としての性質を持つことから、不安定な溶液となる。その両者の特徴を併せ持つのがグリコールエーテルとなり、エーテル結合を含んでいるからアルコールに比べて安定した溶液となる為、特に絶縁被膜にダメージをあまり与えず、その絶縁性の低下がないと考えられる。 次に、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(試料6)、酢酸ブチル(試料5)、ベンゼン(試料7)、およびヘプタン(試料8)について、それぞれ、耐腐食性のフッ素系不活性溶液をベースに混合して検査液4を作製し、上記のコイルの非破壊検査方法による検査試験を実施した。耐腐食性のフッ素系不活性溶液としては、具体的には、Novec HFE-7100(住友3M社製)を用いた。また、混合割合は、体積比で、耐腐食性のフッ素系不活性溶液を95.2%、各導電性液体を4.8%という割合とした。 また、上記検査試験は、コイル7の傷の面積が予めわかっている試験用コイルを準備し、その傷面積と上記電流計12によって計測される漏れ電流との相関性を調べるものである。結果は、図3〜図6に示す。各図とも、横軸に傷面積(mm2)を取り、縦軸に漏れ電流(nA)を取ったものである。 図3には、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(試料6)を上記導電性液体とした場合の結果を示す。同図より知られるごとく、この場合には、後述する他の例よりも、傷面積と漏れ電流の相関性を示すR2が1に近く、また、傾きも急であり、感度及び精度が高い検査方法にすることができることがわかる。 図4〜図6には、それぞれ、酢酸ブチル(試料5)、ベンゼン(試料7)、およびヘプタン(試料8)を上記導電性液体とした場合の結果を示す。これらの図から知られるように、これらは、ほぼ同じような直線性を示し、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(試料6)よりは若干感度及び精度が劣るものの、十分に上記導電性液体として機能することがわかる。 1 コイルの非破壊検査方法を行う検査装置 10 検査容器 11 直流電源 12 電流計 2 電極 4 検査液 7 コイル 8 モータコア 溶解性パラメータ(SP値)が11.0cal/cm2未満であり、分子量が70以上である有機化合物よりなる導電性液体と、フッ素系不活性溶液とを含有してなる検査液を検査容器内に収容し、 モータコアに装着されたコイルと、電極とを上記検査容器の上記検査液内に浸漬し、 上記コイルと上記電極との間に電圧を付与して両者の間に流れる電流の値を測定することにより、上記コイルの傷の状態を判定することを特徴とするコイルの非破壊検査方法。 請求項1において、上記導電性液体は、エーテル系、グリコールエーテル系、または炭化水素系であることを特徴とするコイルの非破壊検査方法。 請求項1又は2において、上記導電性液体は、酢酸ブチル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、ベンゼン、またはヘプタンであることを特徴とするコイルの非破壊検査方法。 請求項1〜3のいずれか1項において、上記導電性液体と上記フッ素系不活性溶液との混合割合は、両者の合計量に対する上記導電性液体の含有量が体積比において3〜5%であることを特徴とするコイルの非破壊検査方法。 【課題】コイルの絶縁皮膜の傷の状態を検査した後に、絶縁皮膜にダメージを与えることなく、製品化可能なコイルの非破壊検査方法を提供すること。【解決手段】溶解性パラメータ(SP値)が11.0cal/cm2未満であり、分子量が70以上である有機化合物よりなる導電性液体と、フッ素系不活性溶液とを含有してなる検査液4を検査容器10内に収容し、モータコア8に装着されたコイル7と、電極2とを検査容器10の検査液4内に浸漬し、コイル7と電極2との間に電圧を付与して両者の間に流れる電流の値を測定することにより、コイル7の傷の状態を判定する。導電性液体4は、エーテル系、グリコールエーテル系、または炭化水素系であることが好ましい。特に、導電性液体は、酢酸ブチル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、ベンゼン、またはヘプタンであることが好ましい。【選択図】図1