タイトル: | 公開特許公報(A)_消臭石鹸 |
出願番号: | 2009185630 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | C11D 9/50,A61K 8/49,A61K 8/37,A61K 8/60,A61Q 19/10 |
飯島治 JP 2011037970 公開特許公報(A) 20110224 2009185630 20090810 消臭石鹸 有限会社モナリー 507216744 株式会社フルコーポレーション 508017694 西垣 康雄 100080595 飯島治 C11D 9/50 20060101AFI20110128BHJP A61K 8/49 20060101ALI20110128BHJP A61K 8/37 20060101ALI20110128BHJP A61K 8/60 20060101ALI20110128BHJP A61Q 19/10 20060101ALI20110128BHJP JPC11D9/50A61K8/49A61K8/37A61K8/60A61Q19/10 3 1 OL 44 4C083 4H003 4C083AC242 4C083AC471 4C083AC472 4C083AC931 4C083AC932 4C083AD391 4C083AD392 4C083CC22 4C083DD21 4C083EE18 4H003AB03 4H003DA02 4H003EB23 4H003EB43 4H003FA27 本発明は、アンモニア、トリメチルアミン、メチルメルカプタン、そして硫化水素の四大悪臭に対して消臭力を発揮する消臭石鹸に関するものである。 一般に、四大悪臭として、アンモニア、トリメチルアミン、メチルメルカプタン、そして硫化水素がある。このうち、アンモニアとトリメチルアミンはアルカリガスであり、メチルメルカプタンと硫化水素は酸性ガスである。アンモニア臭は急に激しい運動をすると汗の乳酸量も増加し、それに伴いアンモニアが増加すると発生する。トリメチルアミンは魚臭い体臭を発生させるのが特徴である。メチルメルカプタンや硫化水素は便臭などの悪臭を発生させる。これらの四大悪臭以外にもアルコールが体内で分解されて発生する、二日酔いの原因でもあるアセトアルデヒド(このアセトアルデヒドはタバコ特有の臭いの元でもある)、脂肪酸が酸化分解されて生じる加齢臭の原因となるノネナールなどの悪臭がある。一方で、消臭力があると世間で認識されている消臭剤としては、鉄クロロフィリン、銅クロロフィリン、茶カテキン、パセリパウダー、そして柿タンニンがある。 しかし、世間で消臭力があるとされている消臭剤は本当に評判通りに効果があるのかという素朴な疑問もある。そのため、本発明者は、後述するように、鉄クロロフィリン、銅クロロフィリン、茶カテキン、パセリ、そして柿タンニンの粉末を内容量3リットルのビニール袋に入れ、そこにアンモニア、トリメチルアミン、メチルメルカプタン、硫化水素、アセトアルデヒド、そしてノネナールのガスを注入し、同一条件下でのそれぞれの真の力を見定めるための検証を行った。その結果、アルカリ性であるクロロフィリンは、酸性ガスであるメチルメルカプタンと硫化水素に対しては強い効果を発揮したものの、アルカリガスであるアンモニアとトリメチルアミンに対してはいまひとつであった。また、酸性である柿タンニンは、アルカリガスであるアンモニアとトリメチルアミンに対して強い効果を持つものの、酸性ガスであるメチルメルカプタンと硫化水素に対しては全く効き目が認められなかった。ノネナールに対しては、クロロフィリンが強い効果を発揮した。柿タンニンもノネナールに対して効果が認められるものの、クロロフィリンには及ばなかった。アセトアルデヒドに対しては、クロロフィリンが効果を示している。茶カテキンとパセリパウダーについては全てにおいていまひとつであった。上記の粉末テストの結果から、世間では消臭力があるとされている茶カテキンとパセリパウダーは論外としても、強い効果が認められるクロロフィリンや柿タンニンについても万能ではないことがわかる。そのことは、自らの悪臭の原因がなんであるかを確かめずにクロロフィリンや柿タンニンを用いても、その悪臭原因には効果が期待できないものを使っている場合があることを示している。また、悪臭原因が複合的な場合は、クロロフィリンあるいは柿タンニンを単独に用いても、悪臭を取り除くことができないことがわかる。 そこで、本発明者は、クロロフィリンと柿タンニンを混合して石鹸を作れば、それぞれの強みを生かし弱点を補えて、悪臭原因が偏ったものであろうと複合的なものであろうと、強い効果が発揮される最強の消臭石鹸が作れるのではないか、という期待のもと後述する実験を行った。特開2002−177376号公報 解決しようとする問題点は、クロロフィリンと柿タンニンのそれぞれの強みを生かしつつ弱点を補え、悪臭原因が偏ったものであろうと複合的なものであろうと万遍なく強い消臭効果を発揮する最強の消臭石鹸を作る点にある。 本発明は、クロロフィリンと柿タンニンを含有する消臭石鹸を作ることを最も主要な特徴とする。 本発明の消臭石鹸は、クロロフィリンと柿タンニンを含有するため、アルカリガスであるアンモニアとトリメチルアミンに対しても、また酸性ガスであるメチルメルカプタンと硫化水素に対しても強い消臭効果が発揮されるという利点がある。図1は本発明に係る消臭石鹸の一例である。(実施例1) クロロフィリンと柿タンニンを含有させることにより、四大悪臭であるアンモニア、トリメチルアミン、メチルメルカプタン、そして硫化水素に対して万遍なく強い消臭効果を発揮する消臭石鹸を作ることに成功した。 まず、鉄クロロフィリン、銅クロロフィリン、茶カテキン、パセリパウダー、柿タンニンがアンモニア、トリメチルアミン、メチルカプタン、硫化水素、アセトアルデヒドに効果があるか否かの脱臭効果試験をした。におい袋に粉末を入れガスを添加する粉末テストである。 上記脱臭効果試験(粉末テスト)の結果は以下の通りである。アンモニアに対しては柿タンニンの効果が顕著であり、鉄クロロフィル、茶カテキン、パセリ、銅クロロフィルが順に続いている。トリメチルアミンに対しても柿タンニンの効果が顕著であり、これに比べてパセリ、茶カテキン、鉄クロロフィル、銅クロロフィルの効き目はいまひとつである。メチルメルカプタンに対しては、銅クロロフィルおよび鉄クロロフィルがいずれも同じように強い効果が認められるが、柿タンニン、パセリ、茶カテキンの効果はいずれも微弱である。硫化水素に対しても銅クロロフィルおよび鉄クロロフィルがいずれも同じように強い効果が認められ、柿タンニンがそれに続き、パセリ、茶カテキンは効果が弱い。アセトアルデヒドに対しては、銅クロロフィルおよび鉄クロロフィルは効果が認められるものの、柿タンニン、パセリ、茶カテキンの効果は弱い。茶カテキンとパセリについては全てにおいていまひとつであり世上の評価と大きな隔たりがあることが認められた。 続いて、鉄クロロフィル、銅クロロフィル、緑茶抽出物、パセリ、柿タンニンの粉末がノネナールのガスに効果があるか否かの脱臭効果試験(粉末テスト)をした。これもにおい袋に粉末を入れガスを添加する粉末テストである。上記のノネナールに対する脱臭効果試験(粉末テスト)の結果は以下の通りである。ノネナールに対しては、クロロフィルが強い効果を発揮した。柿タンニンもノネナールに対して効果が認められるものの、クロロフィルには及ばなかった。茶カテキンとパセリについては全てにおいていまひとつであった。 上記脱臭効果試験(粉末テスト)では、アルカリ性であるクロロフィルは、酸性ガスであるメチルメルカプタンと硫化水素に対しては強い効果があること、また、酸性である柿タンニンは、アルカリガスであるアンモニアとトリメチルアミンに対して強い効果を持つこと、ノネナールに対してはクロロフィルが強い効果を発揮し、柿タンニンも効果があることを確かめられた。そこで、今度は、クロロフィルと柿タンニンの水溶液をにおい袋に入れ、メチルカプタン、硫化水素、トリメチルアミンのガスを添加する脱臭効果試験(水溶液テスト)を行った。 尚、アンモニアについては水に溶けてしまうため消臭実験ができないので省いている。まずは、メチルカプタンに関する脱臭効果試験(水溶液テスト)である。上記のメチルカプタンに関する脱臭効果試験(水溶液テスト)の結果は以下の通りである。同試験では、鉄クロロフィル0.02%溶液、同0.002%溶液、柿タンニン0.02%溶液、同0.002%溶液を用意し、単独で、あるいは混合してにおい袋に入れ、メチルカプタンガスを添加している。鉄クロロフィル0.02%溶液の場合が最も脱臭効果が強いが、鉄クロロフィル0.02%溶液と柿タンニン0.02%溶液との混合液の場合でも多少劣るものの遜色ない脱臭効果が得られている。次は、硫化水素に関する脱臭効果試験(水溶液テスト)である。 上記の硫化水素に関する脱臭効果試験(水溶液テスト)の結果は以下の通りである。同試験は、鉄クロロフィル0.02%溶液、同0.002%溶液、柿タンニン0.02%溶液、同0.002%溶液を用意し、単独で、あるいは混合してにおい袋に入れ、硫化水素ガスを添加して行っている。鉄クロロフィル0.02%溶液の場合、瞬時(10分以下)にして脱臭する極めて強い効果が得られている。鉄クロロフィル0.02%溶液と柿タンニン0.02%溶液との混合液の場合でも多少劣るもの遜色ない脱臭効果が得られている。最後に、トリメチルアミンに関する脱臭効果試験(水溶液テスト)である。 上記のトリメチルアミンに関する脱臭効果試験(水溶液テスト)の結果は以下の通りである。同試験は、鉄クロロフィル0.02%溶液、同0.002%溶液、柿タンニン0.02%溶液、同0.002%溶液を用意し、単独液あるいは混合液をにおい袋に入れ、トリメチルアミンガスを添加して行った。 柿タンニン0.02%溶液の場合が最も強い効果が得られている。鉄クロロフィル0.02%溶液と柿タンニン0.02%溶液との混合液の場合でも多少劣るもの遜色ない脱臭効果が得られている。 以上のことからつぎのことが確認できる。1鉄クロロフィルと柿タンニンのいずれも粉末の場合と同様に水溶液になっても消臭力がある。2鉄クロロフィルと柿タンニンのいずれも高濃度の方が低濃度より消臭力が強い。3鉄クロロフィルと柿タンニンの混合液は単独液より消臭力が若干弱くなる。これは事前にある程度予想されたことで、アルカリ性のクロロフィルと酸性の柿タンニンが中和してしまうことに起因している。しかし、その減弱のマイナス分を考慮しても、四大悪臭であるトリメチルアミン、メチルメルカプタン、そして硫化水素に対して万遍なく強い消臭効果を発揮する(アンモニアに対しては粉末テストに示されるように柿タンニンが強力な消臭効果がある)。尚、この脱臭効果試験(水溶液テスト)では、鉄クロロフィリンを用いているが、脱臭効果試験(粉末テスト)の結果を踏まえれば、銅クロロフィリンを用いても同様の効果が得られることが容易に推定できる。 本発明を実施した消臭石鹸の一例を図1に、またその成分表を表35に示す。この実施例では、本発明を固形石鹸に適用したが、鉄クロロフィルと柿タンニンを含有していれば石鹸の形態はこれに限定されることなく、たとえば液状のものであってもよい。 クロロフィルと柿タンニンを含有する石鹸であるから、それぞれの強みを生かし弱点を補え、四大悪臭であるトリメチルアミン、メチルメルカプタン、アンモニア、そして硫化水素に対して万遍なく強い消臭効果があり、したがって、悪臭原因がいずれかの要素に偏ったものであろうと複合的なものであろうと強い効果が発揮される顕著な効果が得られる。また、ノネナールやアセトアルデヒドに対して効果が期待できる。 1 消臭石鹸 クロロフィリンと柿タンニンを含有してなることを特徴とする消臭石鹸。クロロフィリンが鉄クロロフィリンである請求項1記載の消臭石鹸。クロロフィリンが銅クロロフィリンである請求項1記載の消臭石鹸。 【課題】アンモニア、トリメチルアミン、メチルメルカプタン、そして硫化水素四大悪臭に対して消臭力を発揮する消臭石鹸を提供。【解決手段】酸性ガスであるメチルメルカプタンと硫化水素に対しては強い効果を発揮するクロロフィリンとアルカリガスであるアンモニアとトリメチルアミンに対して強い効果を持つ柿タンニンを混合してなる、悪臭原因が偏ったものであろうと複合的なものであろうと万遍なく強い消臭効果を発揮する最強の消臭石鹸。【選択図】図1