生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_ラクチトール、マルチトールからなる抗菌剤
出願番号:2009165554
年次:2011
IPC分類:A61K 31/7032,A61K 8/60,A61Q 11/00,A61P 1/02,A23L 1/30,A23L 2/52,C07H 15/04


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児玉 悠史 樋口 裕明 成瀬 敦 桜井 孝治 JP 2011020935 公開特許公報(A) 20110203 2009165554 20090714 ラクチトール、マルチトールからなる抗菌剤 株式会社ロッテ 307013857 岡部 正夫 100064447 岡部 讓 100094112 臼井 伸一 100096943 高梨 憲通 100102808 小林 恒夫 100128646 齋藤 正巳 100128668 児玉 悠史 樋口 裕明 成瀬 敦 桜井 孝治 A61K 31/7032 20060101AFI20110107BHJP A61K 8/60 20060101ALI20110107BHJP A61Q 11/00 20060101ALI20110107BHJP A61P 1/02 20060101ALI20110107BHJP A23L 1/30 20060101ALI20110107BHJP A23L 2/52 20060101ALI20110107BHJP C07H 15/04 20060101ALN20110107BHJP JPA61K31/7032A61K8/60A61Q11/00A61P1/02A23L1/30 ZA23L2/00 FC07H15/04 D 7 2C OL 11 4B017 4B018 4C057 4C083 4C086 4B017LC04 4B017LG04 4B017LK08 4B017LK12 4B017LK16 4B017LL09 4B018LB01 4B018LB08 4B018MD32 4B018ME09 4B018MF02 4C057BB02 4C057DD01 4C057JJ05 4C057JJ06 4C083AB322 4C083AC102 4C083AC122 4C083AC742 4C083AC782 4C083AC862 4C083AD201 4C083AD202 4C083AD272 4C083AD352 4C083CC41 4C083DD08 4C083DD22 4C083DD23 4C083EE33 4C086AA01 4C086AA02 4C086EA05 4C086MA01 4C086MA04 4C086MA13 4C086MA17 4C086MA28 4C086MA35 4C086MA57 4C086NA14 4C086ZA67 4C086ZB35 本発明は、糖アルコール、特にラクトール、マルチトールからなる抗菌剤に関する。 糖アルコールは低カロリーで、非う蝕性を有し、虫歯予防や生活習慣病予防等の観点から、食品や化粧品、医薬品や健康食品など幅広い製品に利用されている。口腔内において、虫歯の原因菌に対する増殖抑制作用は広く知られているが、その他の有用性については未解明のものが多い。 本発明では、特に歯周病の原因である歯周病原菌に関する新たな糖アルコールの有用性に注目し、糖アルコールの抗菌性及び歯周病原菌増殖抑制の評価を行った。 糖アルコールの抗菌作用等に関しては従来から種々の先行文献がある。 非特許文献1には、P. gingivalis に対するキシリトールの増殖抑制効果が報告されている。しかしながらキシリトール以外の糖アルコールについて、う触原因菌、カンジダ菌を除き、歯周病原菌に対する抗菌、または増殖阻害に関しては全く報告されていない。 特許文献1は、歯周病の予防または治療剤を開示している。この文献には、乳酸菌を、これらの菌が資化しうる糖類を含有した培地でP.gingivalisと混合接種することで、培地のみと比較したP.gingivalisの増殖が抑制されている。尚、糖類を含む培地と含まない培地との増殖の比較は行われていない。実施例では、糖類としてグルコース、乳糖、ショ糖、試験菌株としてP.gingivalisのみ使用されている。さらに、請求項2に糖類として、キシリトール、エリスルトール、マルチトールが、発明の実施の形態に駆除対象歯周病原菌としてPrevotella intermedia, Actinobacillus actinomycetemcomitans, カンジダ菌、ミュータンス菌が別に記載されている。しかしながら、糖アルコール単独での歯周病原菌に対する抗菌作用の報告はない。 特許文献2は、口腔内疾患の予防及び/又は治療用組成物を開示している。乳酸菌の培養ろ液を含む培地にキシリトールを添加することでP.gingivalis, F.nucleatum, P.intermedia, Actinobacillus actinomycetemcomitansの増殖が、培養ろ液単独条件よりも抑制されている。尚、キシリトール単独を培地に添加してもこれらの菌の増殖にはほとんど影響はない。また、P.gingivalisについてはエリスリトール、マルチトールを添加することでも増殖が抑制されている。しかしながら、糖アルコール単独での歯周病原菌に対する抗菌作用の報告はない。 特許文献3は、乳酸菌を有効成分とする生菌製剤および乳酸菌含有食品を開示している。基礎培地にエリスルトールを最終濃度5%となるよう添加し、Streptococcus mutansを24時間培養したところ、エリスルトール未添加条件と比較して生菌数が75%、不溶性グルカン形成量が60%それぞれ抑制されている。また、乳酸菌を同時に培養した場合、抑制の度合いはさらに増大されている。請求項11より糖アルコールではエリスリトールのみ、組成物に含まれている。しかしながら、糖アルコール単独での歯周病原菌に対する抗菌作用の報告はない。 このように、先行文献においては、糖アルコールを乳酸菌の培地に添加することで歯周病原菌の増殖抑制に作用する開示が認められたが、う触原因菌、黄色ブドウ球菌、カンジダ菌を除き、糖アルコール単独条件で歯周病原菌の増殖に作用する報告は全く認められなかった。特開2003−171292号公報特表02/080946特表03/082027Clin Diagn Lab Immunol. 2005 Nov;12(11):1285-91 本発明は、ラクチトール及びマルチトールによる歯周病原菌及びう触原因菌の増殖抑制作用を特徴とした、歯周病及びう触の改善及び予防に効果を発揮する抗菌剤を提供することを目的とする。 糖アルコールは食品や化粧品、医薬品や健康食品など幅広い製品に利用されており、口腔内におけるう触原因菌に対する増殖抑制作用は広く知られているが、その他の有用性については未解明のものが多い。ラクチトールまたはマルチトールを含む培地において歯周病原菌を培養したところ、ラクチトールまたはマルチトールを含まない培地と比較して増殖が著しく阻害されることを確認した。また、この効果は殺菌的ではなく、静菌的な作用である可能性が示唆された。 本発明は、歯周病原菌に対して抗菌作用を有することから、含そう剤、練り歯磨き剤、吸入剤、トローチ剤などの製剤として、また、チューインガム、キャンディ、錠菓、グミ・ゼリー、ビスケット、チョコレート等の菓子、シャーベット、飲料等の食品として日常的に利用、摂取することが可能であり、歯周病及びう触の改善及び予防に極めて有効である。F.nucleatumの増殖に及ぼす糖アルコール(キシリトール)の影響を示すグラフである。F.nucleatumの増殖に及ぼす糖アルコール(エリスリトール)の影響を示すグラフである。F.nucleatumの増殖に及ぼす糖アルコール(ラクチトール)の影響を示すグラフである。F.nucleatumの増殖に及ぼす糖アルコール(マルチトール)の影響を示すグラフである。P.gingivalisの増殖に及ぼす糖アルコール(キシリトール)の影響を示すグラフである。P.gingivalisの増殖に及ぼす糖アルコール(エリスリトール)の影響を示すグラフである。P.gingivalisの増殖に及ぼす糖アルコール(ラクチトール)の影響を示すグラフである。P.gingivalisの増殖に及ぼす糖アルコール(マルチトール)の影響を示すグラフである。 本願発明の一実施形態は、糖アルコールを有効成分とする歯周病原菌増殖抑制抗菌剤である。 本発明の更なる一実施形態は、ラクチトールまたはマルチトールを有効成分とする歯周病原菌増殖抑制抗菌剤である。 本発明の別の一実施形態は、ラクチトールまたはマルチトールを有効成分とする歯周病原菌増殖抑制抗菌剤からなる含そう剤、練り歯磨き剤、吸入剤、およびトローチ剤である。 本発明の更なる別の一実施形態は、ラクチトールまたはマルチトールを有効成分とする歯周病原菌増殖抑制抗菌剤を含有するチューインガム、キャンディ、錠菓、グミ・ゼリー、ビスケット、チョコレート等の菓子、シャーベット、飲料等の食品である。 以下、本願発明を具体的実施例により詳細に説明するが、これらにより本願発明が限定されるものではない。(実施例1) 糖アルコールの抗菌性試験を以下のように行った。1−1. 被験試料の調製方法2%エタノールを用いて、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、マルチトールについては最終培地濃度が8%、チモールについては最終培地濃度が800ppm、塩化亜鉛については最終培地濃度が200ppmとなるようそれぞれ調製し、2%エタノールにより2倍希釈系列を作製した。1−2. 供試菌株歯周病原菌としてPorphyromonas gingivalis ATCC33277株(以後P.gingivalisと略す)、Fusobacterium nucleatum ATCC25586株(以後F.nucleatumと略す)、Prevotella intermedia ATCC25611株(以後P.intermediaと略す)、Prevotella nigrescens JCM6322株(以後P.nigrescensと略す)、Treponema denticola ATCC35405株(以後T.denticolaと略す)、Tannerella forsythia JCM10827株(以後T.forsythiaと略す)を用いた。また、舌苔局在菌のなかで、舌苔における割合が高い口腔内細菌として、Prevotella melaninogenica JCM6325株(以後P.melaninogenicaと略す)、Veillonella parvula JCM12972株(以後V.parvulaと略す)、Veillonella dispar ATCC17748株(以後V.disparと略す)を用いた。1−3. 培地P.gingivalis、F.nucleatum、P.intermedia、P.nigrescens、P.melaninogenicaはYeast extract(3.0g/l)、Hemin (5.0mg/l)、Menadione(0.5mg/l)を添加したTripticase soy brothを用いて、37℃の嫌気条件下(10%CO2、10%H2、80%N2)で培養した。V.parvula、 V.disparはTrypticase(5.0g/l)、Yeast Extract(3.0g/l)、Sodium lactate(9.0g/l)、Sodium thioglycollate(0.75g/l)、Tween80(1.0g/l)、Glucose (1.0g/l)を加えた培地をK2CO2でpH7.5に調製し、同様の条件で培養した。T.forsythiaはYeast extract(5.0g/l)、Hemin(5.0mg/l)、Menadione(0.5mg/l)を添加したBrain heart infusion brothを120℃、15分滅菌処理した後、L-cysteine(1.0g/l)、N-acetylneuraminic acid(10.0mg/l)、Fetal Bovine Serum(50ml/l)を添加した培地を用いて同条件で培養した。T.denticolaはTYGVS培地を用いて同様の条件で培養した。1−4. 抗菌性の判定 抗菌性試験は2倍希釈系列で希釈を行った液体希釈法を用いた。すなわち、2倍希釈系列を行った被験試料液を96穴プレートに加え (各穴の液量は100μl)、前記1−3の培地で培養した菌液を同一の培地に5%以下の濃度で希釈・混和し、これを96穴プレート上に100μl添加した。尚、菌液を含まない100μlの培地のみを添加したものをコントロールとし、24〜48時間の嫌気培養(10%CO2、10%H2、80%N2)を行い、分光光度計にてOD660値を測定した。コントロールと比較してOD660値が同程度のもの、かつ肉眼で菌の発育が認められない濃度を最小発育阻止濃度(以後MICと略す)とした。1−5. 結果 各種糖アルコールの口臭原因菌に対する抗菌活性を確認する目的で抗菌試験を行った。各試験菌株のMICを表1に示す。全ての被験試料はP.nigrescens、P. melaninogenica、V.parvula、T.forsythiaに対し、8%以下(チモールは800ppm以下)の濃度で抗菌性を示さなかった。T.denticolaに対してはチモールで抗菌性が得られなかったものの、試験に用いた4種全ての糖アルコールで8%のMICが確認された。逆にV.disparに対してはチモールで400ppmのMICが示されたものの、糖アルコールに抗菌性は認められなかった。また、P.gingivalisに対しては塩化亜鉛の25ppm、チモールの200ppmと比較して活性は弱いものの、全ての糖アルコールで弱い抗菌性が確認された。弱い抗菌性とは完全に菌の増殖を抑制していないものの、他の濃度の半分程度のOD660値を示し、肉眼で菌の発育が若干認められる状態を指す。尚、塩化亜鉛はP.gingivalisに対してのみ抗菌試験を行った。F.nucleatumに対してはチモールの200ppmと比較して活性は弱いものの、キシリトール、エリスリトールが8%のMICを示した。P.intermediaに対してはチモールで抗菌性が確認されなかったものの、エリスリトールが8%のMICを示した。 以上の結果より糖アルコールは、菌特異的な抗菌性を示すことが明らかとなった。P.gingivalis、 F.nucleatum、 P.intermedia、T.denticolaはいずれも歯周病の主要な病原菌であり、その発症と進行に関与している。糖アルコールはこれら病原菌に抗菌性を示した一方、舌苔局在菌のなかで舌苔における割合が高い口腔内細菌(P.melaninogenica、V.parvula、V.dispar)には抗菌性を示さなかった。Veillonella属は若い健常人のプラークにおいても、歯周病患者より高く検出されることが報告されている。健常人の口腔内常在菌として、これらの菌株に糖アルコールが抗菌性を示さなかったことは、食品の添加物質として望ましい結果であると考えられる。P.gingivalisについては、菌代謝阻害に働く塩化亜鉛が極めて低いMICを示したため、代謝阻害による菌の増殖阻害が一因とも考えられる。△:弱い抗菌性 、 ×:全ての濃度で抗菌性が確認されず、 ND:No Data糖アルコール濃度:0.0078%〜8%チモール濃度:0.78ppm〜800ppm塩化亜鉛濃度:0.195ppm〜200ppm(実施例2) 糖アルコールの増殖抑制試験を以下のように行った。2−1. 被験試料の調製方法 キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、マルチトールについて最終培地濃度が5%または10%となるよう調製した。2−2. 供試菌株 菌株としては、実施例1の供試菌株に記載のF.nucleatumとP.gingivalisを用いた。2−3. 培地 P.gingivalis、F.nucleatum共にYeast extract(3.0g/l)、Hemin(5.0mg/l)、Menadione(0.5mg/l)を添加したTripticase soy brothを用いて、37℃の嫌気条件下(10%CO2、10%H2、80%N2)で培養した。増殖曲線測定時は上記培地に最終濃度5%または10%となるよう糖アルコールを添加、溶解後、120℃、15分滅菌処理したものを用いた。2−4. 増殖曲線の測定 前記2−3の培地で対数増殖期まで培養した菌液を、5%または10%の各糖アルコールを含む培地20mlに100μl添加した。尚、糖アルコールを含まない通常の培地20mlに菌液100μlを添加したものをコントロールとした。40〜47時間の嫌気培養(10%CO2、10%H2、80%N2)を行い、その間、分光光度計にてOD660値を適時測定した。2−5. 結果 抗菌試験において、P.gingivalis、 F.nucleatum等4菌株に対して抗菌活性が認められたことから、糖アルコールがこれら菌株に対して増殖を抑制する可能性が示唆された。この可能性を確認する目的で、糖アルコールを含有した培地におけるP.gingivalis、 F.nucleatumの増殖曲線の測定を行った。F.nucleatumの増殖曲線を図1A、1B、1C及び1Dに、P.gingivalisの増殖曲線を図2A、2B、2C及び2Dに示す。なお、各糖アルコールについて、n=2(図中では1、2と表記)で試験を行い、コントロールは糖アルコール無添加培地を示す。 F.nucleatumに対しては、キシリトール、エリスリトールが特に強い増殖抑制を示した。この結果はF.nucleatumに対する抗菌試験の結果と相関する。両糖アルコールは5%、10%濃度において、培養44時間経過時にコントロールよりも低いOD660値を示した。また、ラクチトール、マルチトールについては5%濃度においてコントロールと同様の増殖を示したものの、10%濃度において培養44時間経過時にコントロールよりも低いOD660値を示した。 P.gingivalisに対しては、ラクチトール、マルチトールが特に強い増殖抑制を示した。両糖アルコールは5%、10%濃度において、培養40時間経過時にも増殖が認められず、目視で確認しても培養液は透明であった。また、キシリトール、エリスリトールの効果にはばらつきが見られるものの、弱い増殖抑制を示した。両糖アルコールは培養20時間前後から菌の増殖が認められ、46時間経過時にはコントロールと同程度のOD660値を示した。ラクチトール、マルチトールについては水分活性の影響で菌が死滅している可能性が考えられたため、培養40時間経過時の10%ラクチトール、10%マルチトール培養液100μlをそれぞれ血液平板培地に塗布し、37℃の嫌気条件下(10%CO2、10%H2、80%N2)で10日間培養を行った。その結果、10%ラクチトール条件で83個、10%マルチトール条件で308個のコロニーが確認されたため、両糖アルコールは殺菌的ではなく、静菌的に働く可能性が示唆された。10%キシリトールにはばらつきが見られ、再現性を確認する必要があるが、キシリトール、エリスリトールには、対数増殖期に移行する時間を遅延させる効果があると考えられる。 次に、本発明の糖アルコールからなる歯周病原菌増殖抑制抗菌剤を含有する含そう剤、練り歯磨き、口臭用スプレー、トローチ、チューインガム、キャンディ、錠菓、グミゼリー、飲料を常法にて製造した。以下にそれらの処方を示した。なお、これらによって本発明品の範囲を制限するものではない。(実施例3) 下記処方に従って含そう剤を製造した。エタノール 2.0重量%ラクチトール 10.0香料 1.0水 残 100.0(実施例4) 下記処方に従って練り歯磨きを製造した。炭酸カルシウム 40.0重量%グリセリン 10.0マルチトール 20.0カルボオキシメチルセルロース 2.0ラルリル硫酸ナトリウム 2.0香料 1.0サッカリン 0.1クロルヘキシジン 0.01 水 残 100.0(実施例5) 下記処方に従って口臭用スプレーを製造した。エタノール 10.0重量%グリセリン 5.0ラクチトール 10.0マルチトール 10.0香料 0.05着色料 0.001水 残 100.0(実施例6) 下記処方に従ってトローチを製造した。マルチトール 72.3重量%キシリトール 20.0アラビアガム 6.0香料 1.0モノフルオロリン酸ナトリウム 0.7 100.0(実施例7) 下記処方に従ってチューインガムを製造した。ガムベース 20.0重量%マルチトール 45.0ラクチトール 33.0 香料 2.0 100.0(実施例8) 下記処方に従ってキャンディを製造した。マルチトール 50.0重量%還元水あめ 34.0クエン酸 2.0香料 0.2水 残 100.0(実施例9) 下記処方に従って錠菓を製造した。マルチトール 76.1重量%ラクチトール 19.0ショ糖脂肪酸エステル 0.2香料 0.2水 4.5 100.0(実施例10) 下記処方に従ってグミゼリーを製造した。ゼラチン 60.0重量%還元水あめ 21.40マルチトール 11.5植物油脂 4.5リンゴ酸 2.0香料 0.5 100.0(実施例11) 下記処方に従って飲料を製造した。オレンジ果汁 30.0重量%ラクチトール 15.0クエン酸 0.1ビタミンC 0.04香料 0.1水 残 100.0 本願発明に係る糖アルコールは広く使用されている素材であり、糖アルコールを使用した種々の製品、特に、歯周病予防特定保健用食品等に有用である。 糖アルコールを有効成分とする歯周病原菌増殖抑制抗菌剤。 前記糖アルコールが、ラクチトールまたはマルチトールである、請求項1に記載の抗菌剤。 請求項1または2に記載の抗菌剤からなる含そう剤。 請求項1または2に記載の抗菌剤からなる練り歯磨き剤。 請求項1または2に記載の抗菌剤からなる吸入剤。 請求項1または2に記載の抗菌剤からなるトローチ剤。 請求項1または2に記載の抗菌剤を含有する食品。 【課題】糖アルコールによる歯周病原菌及びう触原因菌の増殖抑制作用を特徴とした、歯周病及びう触の改善及び予防に効果を発揮する抗菌剤の提供。【解決手段】低カロリーで、非う蝕性を有し、虫歯予防や生活習慣病予防等の観点から、食品や化粧品、医薬品や健康食品など幅広い製品に利用されている、糖アルコール、特にラクチトールまたはマルチトールを有効成分とする歯周病原菌増殖抑制抗菌剤及び当該抗菌剤からなる、含そう剤、練り歯磨き剤、吸入剤、トローチ剤と食品。【選択図】図2C


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特許公報(B2)_ラクチトール、マルチトールからなる抗菌剤

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ラクチトール、マルチトールからなる抗菌剤
出願番号:2009165554
年次:2015
IPC分類:A61K 31/7004,A61P 31/04,A61P 1/02,A61K 8/34,A61Q 11/00


特許情報キャッシュ

児玉 悠史 樋口 裕明 成瀬 敦 桜井 孝治 JP 5710111 特許公報(B2) 20150313 2009165554 20090714 ラクチトール、マルチトールからなる抗菌剤 株式会社ロッテ 307013857 岡部 讓 100094112 臼井 伸一 100096943 高梨 憲通 100102808 小林 恒夫 100128646 齋藤 正巳 100128668 本田 亜希 100136799 児玉 悠史 樋口 裕明 成瀬 敦 桜井 孝治 20150430 A61K 31/7004 20060101AFI20150409BHJP A61P 31/04 20060101ALI20150409BHJP A61P 1/02 20060101ALI20150409BHJP A61K 8/34 20060101ALI20150409BHJP A61Q 11/00 20060101ALI20150409BHJP JPA61K31/7004A61P31/04A61P1/02A61K8/34A61Q11/00 A61K 31/00−31/80 CAplus/REGISTRY(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII) 国際公開第2006/106994(WO,A1) 特開2005−350483(JP,A) 特開2003−081800(JP,A) 特開昭56−118012(JP,A) 特開昭56−097215(JP,A) 特開2008−283964(JP,A) 特開2003−171292(JP,A) 三宅洋一郎ら,糖アルコールとデンタルプラークコントロール,臨床検査,2008年,Vol.52, No.4,p.455-458 Su-Ji Han et al.,Xylitol Inhibits Inflammatory Cytokine Expression Induced by Lipopolysaccharide from Porphyromonas g,Clinical and Diagnostic Laboratory Immunology,2005年11月,Vol. 12, No. 11,p. 1285-1291 橋野恵衣,エリスリトールによるPorphyromonas gingivalis発現タンパク質の変化に関する網羅的解析,日本歯周病学会会誌,2009年 4月10日,Vol. 51, 春季特別号,p. 106,B-3 1 2011020935 20110203 10 20120711 ▲高▼岡 裕美 本発明は、糖アルコール、特にラクトール、マルチトールからなる抗菌剤に関する。 糖アルコールは低カロリーで、非う蝕性を有し、虫歯予防や生活習慣病予防等の観点から、食品や化粧品、医薬品や健康食品など幅広い製品に利用されている。口腔内において、虫歯の原因菌に対する増殖抑制作用は広く知られているが、その他の有用性については未解明のものが多い。 本発明では、特に歯周病の原因である歯周病原菌に関する新たな糖アルコールの有用性に注目し、糖アルコールの抗菌性及び歯周病原菌増殖抑制の評価を行った。 糖アルコールの抗菌作用等に関しては従来から種々の先行文献がある。 非特許文献1には、P. gingivalis に対するキシリトールの増殖抑制効果が報告されている。しかしながらキシリトール以外の糖アルコールについて、う触原因菌、カンジダ菌を除き、歯周病原菌に対する抗菌、または増殖阻害に関しては全く報告されていない。 特許文献1は、歯周病の予防または治療剤を開示している。この文献には、乳酸菌を、これらの菌が資化しうる糖類を含有した培地でP.gingivalisと混合接種することで、培地のみと比較したP.gingivalisの増殖が抑制されている。尚、糖類を含む培地と含まない培地との増殖の比較は行われていない。実施例では、糖類としてグルコース、乳糖、ショ糖、試験菌株としてP.gingivalisのみ使用されている。さらに、請求項2に糖類として、キシリトール、エリスルトール、マルチトールが、発明の実施の形態に駆除対象歯周病原菌としてPrevotella intermedia, Actinobacillus actinomycetemcomitans, カンジダ菌、ミュータンス菌が別に記載されている。しかしながら、糖アルコール単独での歯周病原菌に対する抗菌作用の報告はない。 特許文献2は、口腔内疾患の予防及び/又は治療用組成物を開示している。乳酸菌の培養ろ液を含む培地にキシリトールを添加することでP.gingivalis, F.nucleatum, P.intermedia, Actinobacillus actinomycetemcomitansの増殖が、培養ろ液単独条件よりも抑制されている。尚、キシリトール単独を培地に添加してもこれらの菌の増殖にはほとんど影響はない。また、P.gingivalisについてはエリスリトール、マルチトールを添加することでも増殖が抑制されている。しかしながら、糖アルコール単独での歯周病原菌に対する抗菌作用の報告はない。 特許文献3は、乳酸菌を有効成分とする生菌製剤および乳酸菌含有食品を開示している。基礎培地にエリスルトールを最終濃度5%となるよう添加し、Streptococcus mutansを24時間培養したところ、エリスルトール未添加条件と比較して生菌数が75%、不溶性グルカン形成量が60%それぞれ抑制されている。また、乳酸菌を同時に培養した場合、抑制の度合いはさらに増大されている。請求項11より糖アルコールではエリスリトールのみ、組成物に含まれている。しかしながら、糖アルコール単独での歯周病原菌に対する抗菌作用の報告はない。 このように、先行文献においては、糖アルコールを乳酸菌の培地に添加することで歯周病原菌の増殖抑制に作用する開示が認められたが、う触原因菌、黄色ブドウ球菌、カンジダ菌を除き、糖アルコール単独条件で歯周病原菌の増殖に作用する報告は全く認められなかった。特開2003−171292号公報特表02/080946特表03/082027Clin Diagn Lab Immunol. 2005 Nov;12(11):1285-91 本発明は、ラクチトール及びマルチトールによる歯周病原菌及びう触原因菌の増殖抑制作用を特徴とした、歯周病及びう触の改善及び予防に効果を発揮する抗菌剤を提供することを目的とする。 糖アルコールは食品や化粧品、医薬品や健康食品など幅広い製品に利用されており、口腔内におけるう触原因菌に対する増殖抑制作用は広く知られているが、その他の有用性については未解明のものが多い。ラクチトールまたはマルチトールを含む培地において歯周病原菌を培養したところ、ラクチトールまたはマルチトールを含まない培地と比較して増殖が著しく阻害されることを確認した。また、この効果は殺菌的ではなく、静菌的な作用である可能性が示唆された。 本発明は、歯周病原菌に対して抗菌作用を有することから、含そう剤、練り歯磨き剤、吸入剤、トローチ剤などの製剤として、また、チューインガム、キャンディ、錠菓、グミ・ゼリー、ビスケット、チョコレート等の菓子、シャーベット、飲料等の食品として日常的に利用、摂取することが可能であり、歯周病及びう触の改善及び予防に極めて有効である。F.nucleatumの増殖に及ぼす糖アルコール(キシリトール)の影響を示すグラフである。F.nucleatumの増殖に及ぼす糖アルコール(エリスリトール)の影響を示すグラフである。F.nucleatumの増殖に及ぼす糖アルコール(ラクチトール)の影響を示すグラフである。F.nucleatumの増殖に及ぼす糖アルコール(マルチトール)の影響を示すグラフである。P.gingivalisの増殖に及ぼす糖アルコール(キシリトール)の影響を示すグラフである。P.gingivalisの増殖に及ぼす糖アルコール(エリスリトール)の影響を示すグラフである。P.gingivalisの増殖に及ぼす糖アルコール(ラクチトール)の影響を示すグラフである。P.gingivalisの増殖に及ぼす糖アルコール(マルチトール)の影響を示すグラフである。 本願発明の一実施形態は、糖アルコールを有効成分とする歯周病原菌増殖抑制抗菌剤である。 本発明の更なる一実施形態は、ラクチトールまたはマルチトールを有効成分とする歯周病原菌増殖抑制抗菌剤である。 本発明の別の一実施形態は、ラクチトールまたはマルチトールを有効成分とする歯周病原菌増殖抑制抗菌剤からなる含そう剤、練り歯磨き剤、吸入剤、およびトローチ剤である。 本発明の更なる別の一実施形態は、ラクチトールまたはマルチトールを有効成分とする歯周病原菌増殖抑制抗菌剤を含有するチューインガム、キャンディ、錠菓、グミ・ゼリー、ビスケット、チョコレート等の菓子、シャーベット、飲料等の食品である。 以下、本願発明を具体的実施例により詳細に説明するが、これらにより本願発明が限定されるものではない。(実施例1) 糖アルコールの抗菌性試験を以下のように行った。1−1. 被験試料の調製方法2%エタノールを用いて、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、マルチトールについては最終培地濃度が8%、チモールについては最終培地濃度が800ppm、塩化亜鉛については最終培地濃度が200ppmとなるようそれぞれ調製し、2%エタノールにより2倍希釈系列を作製した。1−2. 供試菌株歯周病原菌としてPorphyromonas gingivalis ATCC33277株(以後P.gingivalisと略す)、Fusobacterium nucleatum ATCC25586株(以後F.nucleatumと略す)、Prevotella intermedia ATCC25611株(以後P.intermediaと略す)、Prevotella nigrescens JCM6322株(以後P.nigrescensと略す)、Treponema denticola ATCC35405株(以後T.denticolaと略す)、Tannerella forsythia JCM10827株(以後T.forsythiaと略す)を用いた。また、舌苔局在菌のなかで、舌苔における割合が高い口腔内細菌として、Prevotella melaninogenica JCM6325株(以後P.melaninogenicaと略す)、Veillonella parvula JCM12972株(以後V.parvulaと略す)、Veillonella dispar ATCC17748株(以後V.disparと略す)を用いた。1−3. 培地P.gingivalis、F.nucleatum、P.intermedia、P.nigrescens、P.melaninogenicaはYeast extract(3.0g/l)、Hemin (5.0mg/l)、Menadione(0.5mg/l)を添加したTripticase soy brothを用いて、37℃の嫌気条件下(10%CO2、10%H2、80%N2)で培養した。V.parvula、 V.disparはTrypticase(5.0g/l)、Yeast Extract(3.0g/l)、Sodium lactate(9.0g/l)、Sodium thioglycollate(0.75g/l)、Tween80(1.0g/l)、Glucose (1.0g/l)を加えた培地をK2CO2でpH7.5に調製し、同様の条件で培養した。T.forsythiaはYeast extract(5.0g/l)、Hemin(5.0mg/l)、Menadione(0.5mg/l)を添加したBrain heart infusion brothを120℃、15分滅菌処理した後、L-cysteine(1.0g/l)、N-acetylneuraminic acid(10.0mg/l)、Fetal Bovine Serum(50ml/l)を添加した培地を用いて同条件で培養した。T.denticolaはTYGVS培地を用いて同様の条件で培養した。1−4. 抗菌性の判定 抗菌性試験は2倍希釈系列で希釈を行った液体希釈法を用いた。すなわち、2倍希釈系列を行った被験試料液を96穴プレートに加え (各穴の液量は100μl)、前記1−3の培地で培養した菌液を同一の培地に5%以下の濃度で希釈・混和し、これを96穴プレート上に100μl添加した。尚、菌液を含まない100μlの培地のみを添加したものをコントロールとし、24〜48時間の嫌気培養(10%CO2、10%H2、80%N2)を行い、分光光度計にてOD660値を測定した。コントロールと比較してOD660値が同程度のもの、かつ肉眼で菌の発育が認められない濃度を最小発育阻止濃度(以後MICと略す)とした。1−5. 結果 各種糖アルコールの口臭原因菌に対する抗菌活性を確認する目的で抗菌試験を行った。各試験菌株のMICを表1に示す。全ての被験試料はP.nigrescens、P. melaninogenica、V.parvula、T.forsythiaに対し、8%以下(チモールは800ppm以下)の濃度で抗菌性を示さなかった。T.denticolaに対してはチモールで抗菌性が得られなかったものの、試験に用いた4種全ての糖アルコールで8%のMICが確認された。逆にV.disparに対してはチモールで400ppmのMICが示されたものの、糖アルコールに抗菌性は認められなかった。また、P.gingivalisに対しては塩化亜鉛の25ppm、チモールの200ppmと比較して活性は弱いものの、全ての糖アルコールで弱い抗菌性が確認された。弱い抗菌性とは完全に菌の増殖を抑制していないものの、他の濃度の半分程度のOD660値を示し、肉眼で菌の発育が若干認められる状態を指す。尚、塩化亜鉛はP.gingivalisに対してのみ抗菌試験を行った。F.nucleatumに対してはチモールの200ppmと比較して活性は弱いものの、キシリトール、エリスリトールが8%のMICを示した。P.intermediaに対してはチモールで抗菌性が確認されなかったものの、エリスリトールが8%のMICを示した。 以上の結果より糖アルコールは、菌特異的な抗菌性を示すことが明らかとなった。P.gingivalis、 F.nucleatum、 P.intermedia、T.denticolaはいずれも歯周病の主要な病原菌であり、その発症と進行に関与している。糖アルコールはこれら病原菌に抗菌性を示した一方、舌苔局在菌のなかで舌苔における割合が高い口腔内細菌(P.melaninogenica、V.parvula、V.dispar)には抗菌性を示さなかった。Veillonella属は若い健常人のプラークにおいても、歯周病患者より高く検出されることが報告されている。健常人の口腔内常在菌として、これらの菌株に糖アルコールが抗菌性を示さなかったことは、食品の添加物質として望ましい結果であると考えられる。P.gingivalisについては、菌代謝阻害に働く塩化亜鉛が極めて低いMICを示したため、代謝阻害による菌の増殖阻害が一因とも考えられる。△:弱い抗菌性 、 ×:全ての濃度で抗菌性が確認されず、 ND:No Data糖アルコール濃度:0.0078%〜8%チモール濃度:0.78ppm〜800ppm塩化亜鉛濃度:0.195ppm〜200ppm(実施例2) 糖アルコールの増殖抑制試験を以下のように行った。2−1. 被験試料の調製方法 キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、マルチトールについて最終培地濃度が5%または10%となるよう調製した。2−2. 供試菌株 菌株としては、実施例1の供試菌株に記載のF.nucleatumとP.gingivalisを用いた。2−3. 培地 P.gingivalis、F.nucleatum共にYeast extract(3.0g/l)、Hemin(5.0mg/l)、Menadione(0.5mg/l)を添加したTripticase soy brothを用いて、37℃の嫌気条件下(10%CO2、10%H2、80%N2)で培養した。増殖曲線測定時は上記培地に最終濃度5%または10%となるよう糖アルコールを添加、溶解後、120℃、15分滅菌処理したものを用いた。2−4. 増殖曲線の測定 前記2−3の培地で対数増殖期まで培養した菌液を、5%または10%の各糖アルコールを含む培地20mlに100μl添加した。尚、糖アルコールを含まない通常の培地20mlに菌液100μlを添加したものをコントロールとした。40〜47時間の嫌気培養(10%CO2、10%H2、80%N2)を行い、その間、分光光度計にてOD660値を適時測定した。2−5. 結果 抗菌試験において、P.gingivalis、 F.nucleatum等4菌株に対して抗菌活性が認められたことから、糖アルコールがこれら菌株に対して増殖を抑制する可能性が示唆された。この可能性を確認する目的で、糖アルコールを含有した培地におけるP.gingivalis、 F.nucleatumの増殖曲線の測定を行った。F.nucleatumの増殖曲線を図1A、1B、1C及び1Dに、P.gingivalisの増殖曲線を図2A、2B、2C及び2Dに示す。なお、各糖アルコールについて、n=2(図中では1、2と表記)で試験を行い、コントロールは糖アルコール無添加培地を示す。 F.nucleatumに対しては、キシリトール、エリスリトールが特に強い増殖抑制を示した。この結果はF.nucleatumに対する抗菌試験の結果と相関する。両糖アルコールは5%、10%濃度において、培養44時間経過時にコントロールよりも低いOD660値を示した。また、ラクチトール、マルチトールについては5%濃度においてコントロールと同様の増殖を示したものの、10%濃度において培養44時間経過時にコントロールよりも低いOD660値を示した。 P.gingivalisに対しては、ラクチトール、マルチトールが特に強い増殖抑制を示した。両糖アルコールは5%、10%濃度において、培養40時間経過時にも増殖が認められず、目視で確認しても培養液は透明であった。また、キシリトール、エリスリトールの効果にはばらつきが見られるものの、弱い増殖抑制を示した。両糖アルコールは培養20時間前後から菌の増殖が認められ、46時間経過時にはコントロールと同程度のOD660値を示した。ラクチトール、マルチトールについては水分活性の影響で菌が死滅している可能性が考えられたため、培養40時間経過時の10%ラクチトール、10%マルチトール培養液100μlをそれぞれ血液平板培地に塗布し、37℃の嫌気条件下(10%CO2、10%H2、80%N2)で10日間培養を行った。その結果、10%ラクチトール条件で83個、10%マルチトール条件で308個のコロニーが確認されたため、両糖アルコールは殺菌的ではなく、静菌的に働く可能性が示唆された。10%キシリトールにはばらつきが見られ、再現性を確認する必要があるが、キシリトール、エリスリトールには、対数増殖期に移行する時間を遅延させる効果があると考えられる。 次に、本発明の糖アルコールからなる歯周病原菌増殖抑制抗菌剤を含有する含そう剤、練り歯磨き、口臭用スプレー、トローチ、チューインガム、キャンディ、錠菓、グミゼリー、飲料を常法にて製造した。以下にそれらの処方を示した。なお、これらによって本発明品の範囲を制限するものではない。(実施例3) 下記処方に従って含そう剤を製造した。エタノール 2.0重量%ラクチトール 10.0香料 1.0水 残 100.0(実施例4) 下記処方に従って練り歯磨きを製造した。炭酸カルシウム 40.0重量%グリセリン 10.0マルチトール 20.0カルボオキシメチルセルロース 2.0ラルリル硫酸ナトリウム 2.0香料 1.0サッカリン 0.1クロルヘキシジン 0.01 水 残 100.0(実施例5) 下記処方に従って口臭用スプレーを製造した。エタノール 10.0重量%グリセリン 5.0ラクチトール 10.0マルチトール 10.0香料 0.05着色料 0.001水 残 100.0(実施例6) 下記処方に従ってトローチを製造した。マルチトール 72.3重量%キシリトール 20.0アラビアガム 6.0香料 1.0モノフルオロリン酸ナトリウム 0.7 100.0(実施例7) 下記処方に従ってチューインガムを製造した。ガムベース 20.0重量%マルチトール 45.0ラクチトール 33.0 香料 2.0 100.0(実施例8) 下記処方に従ってキャンディを製造した。マルチトール 50.0重量%還元水あめ 34.0クエン酸 2.0香料 0.2水 残 100.0(実施例9) 下記処方に従って錠菓を製造した。マルチトール 76.1重量%ラクチトール 19.0ショ糖脂肪酸エステル 0.2香料 0.2水 4.5 100.0(実施例10) 下記処方に従ってグミゼリーを製造した。ゼラチン 60.0重量%還元水あめ 21.40マルチトール 11.5植物油脂 4.5リンゴ酸 2.0香料 0.5 100.0(実施例11) 下記処方に従って飲料を製造した。オレンジ果汁 30.0重量%ラクチトール 15.0クエン酸 0.1ビタミンC 0.04香料 0.1水 残 100.0 本願発明に係る糖アルコールは広く使用されている素材であり、糖アルコールを使用した種々の製品、特に、歯周病予防特定保健用食品等に有用である。 5%〜10%の濃度のラクチトールまたはマルチトールを有効成分とするPorphyromonas gingivalisの増殖抑制抗菌剤。


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