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タイトル:公開特許公報(A)_アミンオキシド基含有樹脂溶液、及びそれを用いた毛髪化粧料用樹脂組成物
出願番号:2009161909
年次:2010
IPC分類:A61K 8/84,A61Q 5/02,A61Q 5/06,A61Q 5/12,A61Q 5/04,C08K 5/08,C08L 57/12


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川口 重興 JP 2010043066 公開特許公報(A) 20100225 2009161909 20090708 アミンオキシド基含有樹脂溶液、及びそれを用いた毛髪化粧料用樹脂組成物 三菱化学株式会社 000005968 重野 剛 100086911 川口 重興 JP 2008187443 20080718 A61K 8/84 20060101AFI20100129BHJP A61Q 5/02 20060101ALI20100129BHJP A61Q 5/06 20060101ALI20100129BHJP A61Q 5/12 20060101ALI20100129BHJP A61Q 5/04 20060101ALI20100129BHJP C08K 5/08 20060101ALI20100129BHJP C08L 57/12 20060101ALI20100129BHJP JPA61K8/84A61Q5/02A61Q5/06A61Q5/12A61Q5/04C08K5/08C08L57/12 11 OL 29 4C083 4J002 4C083AD071 4C083AD072 4C083CC32 4C083CC33 4C083CC34 4C083CC38 4C083CC39 4C083DD08 4J002BG071 4J002EE056 4J002FD050 4J002FD180 4J002FD200 4J002FD206 4J002FD310 4J002GB00 本発明は、アミンオキシド基含有樹脂を含むアミンオキシド基含有樹脂溶液に係り、詳しくは、経時による着色を抑制したアミンオキシド基含有樹脂溶液に関する。本発明はまた、該アミンオキシド基含有樹脂溶液を用いて調製された毛髪化粧料用樹脂組成物に関する。 従来、水で自在に希釈することができる良好な水溶性を示し、各種化粧品基剤との相溶性に優れ、且つ、毛髪への親和性、整髪性、洗髪性にも優れた毛髪化粧料用樹脂として、アミンオキシド基含有樹脂が知られており、アミンオキシド基含有樹脂を用いた各種の毛髪化粧料用樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献1〜5)。 このような毛髪化粧料用樹脂組成物において、製品としての外観は、商品価値ないし品質上、極めて重要な要素であり、例えば、経時により着色ないし変色するようなものは、商品価値を著しく損なうものとなる。 ところで、アミンオキシド基含有樹脂は、市販の各種モノマーを原料として使用し、それらを重合ないし共重合し、必要に応じて、モノマー原料により導入された構成単位を変性ないし修飾することにより製造される。このアミンオキシド基含有樹脂の原料モノマーは、重合性のものであり、従って、その保管中や輸送中などにおいて、光や熱などの刺激によりモノマーが重合して品質が低下する可能性がある。このため、製品として市販されているモノマー原料液中には、この保管ないし輸送中のモノマーの重合を防止するために、重合禁止剤が配合されている。特に、モノマー種によっては反応性が高く、重合しやすいものがあるため、モノマー原料液中に多量の重合禁止剤が含まれている場合がある。特許3520674号公報特許3620162号公報特許3620163号公報特許3620164号公報特許3620165号公報 アミンオキシド基含有樹脂を含む従来のアミンオキシド基含有樹脂溶液、及びそれを用いた毛髪化粧料用樹脂組成物は、水溶性、整髪性、洗髪性に優れるものであるが、経時により、特に紫外線や熱などの外部環境にさらされた場合において、着色ないし変色が起こるという問題があった。 本発明は上記従来の問題点を解決し、アミンオキシド基含有樹脂を含むアミンオキシド基含有樹脂溶液、及びそれを用いた毛髪化粧料用樹脂組成物であって、経時による着色ないし変色の問題のないアミンオキシド基含有樹脂溶液及び毛髪化粧料用樹脂組成物を提供することを目的とする。 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、アミンオキシド基含有樹脂を含むアミンオキシド基含有樹脂溶液、及びそれを用いた毛髪化粧料用樹脂組成物が、紫外線照射により着色ないし変色することを見出した。また、アミンオキシド基含有樹脂溶液、及びそれを用いた毛髪化粧料用樹脂組成物中の重合禁止剤量を一定量以下にすることで、経時による着色ないし変色の問題を解決することができることを見出した。 本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。[1] アミンオキシド基含有樹脂を含み、以下の条件(1)及び(2)を満足することを特徴とするアミンオキシド基含有樹脂溶液。(1) 該アミンオキシド基含有樹脂溶液を用いてアミンオキシド基含有樹脂含有量18重量%、水含有量10重量%、及びエタノール含有量72重量%の試料溶液を調製し、調製直後の該試料溶液について測定したLab表色系におけるa値(以下、「a0値」と記す。)と、該試料溶液をガラス製サンプル瓶に密封して紫外線を照射した後に測定したLab表色系におけるa値が最大値(以下「amax値」と記す。)のときの該amax値との差da値が、下記式(i)を満たす。 da=amax−a0≦5 ……(i)(2) 調製直後の上記(1)の試料溶液について測定したLab表色系におけるb値(以下、「b0値」と記す。)と、上記試料溶液が上記(1)におけるamax値を示すときのb値(以下、「bm値」と記す。)との差db値が下記式(ii)を満たす。 db=bm−b0≦9 ……(ii)[2] [1]において、該アミンオキシド基含有樹脂溶液が更に以下の条件(3)を満足することを特徴とするアミンオキシド基含有樹脂溶液。(3) 調製直後の前記(1)の試料溶液について測定したLab表色系におけるL値(以下、「L0値」と記す。)と、前記試料溶液が上記(1)においてamax値を示すときのL値(以下「Lm値」と記す。)との差dL値と、前記da値及びdb値が下記式(iii)を満たす。 dE=(dL2+da2+db2)1/2≦10 ……(iii)[3] [1]又は[2]において、前記試料溶液のpHが6〜9であることを特徴とするアミンオキシド基含有樹脂溶液。[4] アニオン交換樹脂で処理されていない、[1]〜[3]のいずれかに記載のアミンオキシド基含有樹脂溶液。[5] [1]〜[4]のいずれかに記載のアミンオキシド基含有樹脂溶液を用いて調製された、毛髪化粧料用樹脂組成物。[6] アミンオキシド基含有樹脂を含むアミンオキシド基含有樹脂溶液であって、該アミンオキシド基含有樹脂溶液が重合禁止剤を含まないか、或いは、重合禁止剤含有量が該アミンオキシド基含有樹脂含有量に対して750ppm以下であることを特徴とするアミンオキシド基含有樹脂溶液。[7] アミンオキシド基含有樹脂溶液が、重合禁止剤を含まないか、或いは、重合禁止剤含有量が該アミンオキシド基含有樹脂含有量に対して400ppm以下である、[6]に記載のアミンオキシド基含有樹脂溶液。[8] [6]又は[7]において、重合禁止剤がヒドロキノンモノメチルエーテルである、アミンオキシド基含有樹脂溶液。[9] [6]〜[8]のいずれかに記載のアミンオキシド基含有樹脂溶液を用いて調製された、毛髪化粧料用樹脂組成物。[10] アミンオキシド基含有樹脂を含む毛髪化粧料用樹脂組成物において、重合禁止剤を含まないか、或いは重合禁止剤含有量が20ppm以下であることを特徴とする毛髪化粧料用樹脂組成物。[11] [10]において、重合禁止剤がヒドロキノンモノメチルエーテルである、毛髪化粧料用樹脂組成物。 本発明のアミンオキシド基含有樹脂溶液及び毛髪化粧料用樹脂組成物は、経時による着色ないし変色の問題がなく、長期に亘り、その外観を良好な状態に維持することができる。 このため、本発明によれば、長期保存安定性に優れたアミンオキシド基含有樹脂溶液、及びそれを用いた商品価値の高い毛髪化粧料用樹脂組成物が提供される。 以下に本発明の毛髪化粧料用樹脂組成物の実施の形態を詳細に説明する。 なお、本明細書において「%」、「ppm」とは、特に記載の無い限り、「重量%」、「重量ppm」を意味する。 また、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸」又は「メタクリル酸」を表しており、「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリルアミド」についても同様とする。 本発明のアミンオキシド基含有樹脂溶液、及び毛髪化粧料用樹脂組成物に用いられるアミンオキシド基含有樹脂溶液は、このアミンオキシド基含有樹脂溶液を用いて特定の調合で調製した試料溶液に紫外線を照射したときの色差が小さく、着色の問題のないものである。或いは、本発明のアミンオキシド基含有樹脂溶液及び毛髪化粧料用樹脂組成物は、重合禁止剤を含まないか或いは重合禁止剤含有量が所定値以下に抑えられていることにより、着色が防止されたものである。[経時による着色の機構について] アミンオキシド基含有樹脂溶液及びこれを含む毛髪化粧料用樹脂組成物の経時による着色の原因は種々の可能性があると考えられるが、なかでも紫外線照射がその原因の一つとして挙げられ、紫外線照射により、アミンオキシド基含有樹脂溶液及びこれを含む毛髪化粧料用樹脂組成物に経時的に着色ないし変色が生じることが確認された。 また、もう一つの原因としては、アミンオキシド基含有樹脂溶液及びこれを含む毛髪化粧料用樹脂組成物が重合禁止剤を含むことが挙げられる。この重合禁止剤は、アミンオキシド基含有樹脂の原料モノマー液中に含まれる重合禁止剤であると考えられ、熱や光などの刺激により発生したラジカルを捕捉又は自消することなどにより、モノマーの重合を抑制しているものである。重合禁止剤は、ラジカル種やラジカル発生源となる物質と反応することで、着色の原因物質となる化合物を生成すると考えられる。 アミンオキシド基含有樹脂溶液ないしは毛髪化粧料用樹脂組成物が重合禁止剤を含むことにより経時により着色が起こる機構の詳細については明らかではないが、その一つの要因として次のようなことが考えられる。 即ち、アミンオキシド基含有樹脂の製造過程で使用され、アミンオキシド基含有樹脂溶液中に含まれる過酸化水素等の反応性物質やその他の反応副生物、未反応原料などの、アミンオキシド基含有樹脂中の様々な成分や溶存酸素が熱や光の影響で分解した際に発生するラジカルが、アミンオキシド基含有樹脂の製造原料としてのモノマー中に含まれる重合禁止剤と反応することで、この重合禁止剤がラジカル性の物質となり、重合禁止剤ラジカルが多量体などを形成してゆく過程で着色物質を生成し、アミンオキシド基含有樹脂溶液や毛髪化粧料用樹脂組成物を着色させると推察できる。 一方、アミンオキシド基含有樹脂以外の樹脂を製造した場合の樹脂溶液では、経時による着色ないし変色は生じないことを確認している。 アミンオキシド基含有樹脂とその他の樹脂での経時による着色ないし変色の違いの詳細な機構は不明であるが、アミンオキシド基含有樹脂溶液ないしそれを用いて調製された毛髪化粧料用樹脂組成物においては、重合禁止剤濃度を制限することにより、紫外線等の外部環境による着色の問題が解決され、耐光性、耐候性に優れた毛髪化粧料用樹脂組成物が提供される。[試料溶液について] 本発明において、Lab表色系におけるa値、b値、L値の測定に供される試料溶液は、アミンオキシド基含有樹脂18重量%、水10重量%、及びエタノール72重量%を含むものであるが、この試料溶液は、本発明のアミンオキシド基含有樹脂溶液から、次のようにして調製される。 即ち、一般に毛髪化粧料用樹脂組成物の調製に用いられる本発明のアミンオキシド基含有樹脂は、後述するアミンオキシド基含有樹脂の製造工程からアミンオキシド基含有樹脂溶液として供給される。このアミンオキシド基含有樹脂溶液は、アミンオキシド基含有樹脂の製造時の反応溶媒として通常使用されるエタノールと、生成物であるアミンオキシド基含有樹脂と、反応副生物や、オキシド化剤として用いる過酸化水素水に由来する若干量の水とを含むものであり、通常、アミンオキシド基含有樹脂濃度18〜100重量%、水濃度0〜35.7重量%、エタノール濃度0〜80重量%の、水/エタノール混合溶媒中に、本発明に係る試料溶液のアミンオキシド基含有樹脂濃度よりも、高濃度にアミンオキシド基含有樹脂が溶解した溶液である。 このアミンオキシド基含有樹脂溶液は、ごくわずかな未反応原料、反応副生物、重合開始剤(触媒)やオキシド化試薬(過酸化水素等)などの変性剤ないし化学修飾剤や、前述の原料モノマーに由来する重合禁止剤などを含む。これらは、アミンオキシド基含有樹脂溶液中成分を重量%濃度で示した場合、小数点以下のいわゆるppmオーダーの成分であることから、本発明において、これらはアミンオキシド基含有樹脂溶液中の不純物としてとらえられる。 従って、アミンオキシド基含有樹脂18重量%、水10重量%及びエタノール72重量%の試料溶液とは、アミンオキシド基含有樹脂の18重量%中に重合禁止剤などを含む不純物成分が含まれているが、これらは試料溶液の成分濃度としては、すべてアミンオキシド基含有樹脂に含まれるものとする。 ただし、後述の実施例の項においては、本発明で問題とする重合禁止剤(実施例においてはヒドロキノンモノメチルエーテル(以下「MEHQ」と略記することがある)を使用した濃度については、重合禁止剤濃度と着色との関係を明確にするために別途明記している。 本発明では、アミンオキシド基含有樹脂の製造工程から供給され、毛髪化粧料用樹脂組成物の製造等に用いられる、上述のアミンオキシド基含有樹脂、水、及びエタノール濃度のアミンオキシド基含有樹脂溶液に、必要量の水及び/又はエタノールを追加添加して、アミンオキシド基含有樹脂濃度18重量%、水濃度10重量%、エタノール濃度72重量%の試料溶液を調製して、色度の測定に供する。 従って、この試料溶液中には、アミンオキシド基含有樹脂(このアミンオキシド基含有樹脂には前述の製造工程由来の不純物を含む)以外に固形分は含まれず、また、pH調整のための酸やアルカリ、その他の試薬は含まれず、また、水及びエタノール以外の溶媒も実質的には含まれない。なお、ここで「実質的に含まない」とは、試料溶液中の含有量で1重量%以下をさす。 なお、アミンオキシド基含有樹脂製造工程から供給され、毛髪化粧料用樹脂組成物の製造等に用いられるアミンオキシド基含有樹脂溶液のアミンオキシド基含有樹脂濃度が、試料溶液のアミンオキシド基含有樹脂濃度よりも低い場合、或いは、このアミンオキシド基含有樹脂溶液の溶媒が水/エタノール混合溶媒ではなく、他の溶媒であって、単に水及び/又はエタノールとを追加添加しても、上記所定濃度の試料溶液を調製し得ない場合には、適宜、アミンオキシド基含有樹脂に影響を与えない条件で、溶媒を除去したり溶媒置換を行うことにより、試料溶液を調製することができる。この場合の溶媒除去又は溶媒置換方法としては、減圧蒸留や浸透膜を利用する方法などが挙げられる。 なお、アミンオキシド基含有樹脂濃度18重量%、水10重量%及びエタノール72重量%の試料溶液であれば、pHに大きな差異はなく、通常、6〜9程度である。[色度の測定について] 本発明においては、上述のようにして調製された試料溶液に対して紫外線を照射したときのLab表色系の色度の経時変化が小さいことを特徴とする。 この試料溶液への紫外線の照射方法については特に制限はなく、試料溶液をガラス製サンプル瓶に入れて、太陽光や紫外線ランプ(必要に応じ、フィルターを用いてもよい)を照射しても良く、また、耐光促進試験機(例えば、アイスパーUVテスターSUV−W1(岩崎電気社製))などを用いても良い。照射する光の波長、強度には特に制限はないが、例えば波長300〜400nmの紫外線を、600W/m2の強度で照射することが挙げられる。 即ち、本発明では、後述の通り、試料溶液に紫外線を照射したときのLab表色系のa値が最大となるときのamax値とa0値の差(da値)及びそのときのbm値、更にはLm値に基く値を指標とするが、紫外線の照射条件や照射方法自体には、特に制限はなく、どのような条件や方法で紫外線を照射しても、amax値、bm値、Lm値は同様の方法で規定できる。即ち、a値は、後述の実施例の項に示すように、紫外線の照射で次第に大きくなり、最大値となった後、再び小さくなる。従って、後述の実施例では、試料溶液を太陽光に当てて紫外線照射を行っているが、UVテスター等の他の手段を採用した場合でも、ほぼ同等の結果が得られ、amax値、bm値、Lm値は同様の方法で規定できる。 なお、amax値に到る時間は、紫外線の照射条件や照射方法により多少異なり、amaxの値自体もその照射条件や照射方法により、多少変化することがある。例えば、実施例において耐光促進試験機(UVテスター)で紫外線照射を行なった場合に比べて、太陽光に当てて紫外線照射を行った場合ではamax値が低くなる傾向がある。これは、UVテスターを用いた場合よりも太陽光による着色には長い時間がかかるため、a値が最大値になる前にa値に影響を及ぼす赤色が経時的に退色しているなどの原因があると推察される。また、太陽光を照射した場合には、波長300〜400nmの紫外線以外の光も同時に照射されるため、これらの影響があることも考えられる。 しかし、紫外線などの外部環境による試料溶液の着色が少ない本発明の範囲内においては、照射条件や照射方法による差は大きなものではない。 また、上述の如く、a値は、紫外線の照射により徐々に大きくなり、最大値となった後、再び小さくなることから、a値が経時により上昇し、その後明らかに下降に転じた後は、測定を終了し、それまでの最大値をamax値とすることができる。 なお、紫外線照射時の環境条件としては、常温、具体的には0〜60℃でよく、試料溶液をサンプル瓶に密封して紫外線を照射する場合、圧力条件及び湿度条件に左右されることはない。 試料溶液の色度の測定は、後述の実施例の項に記載されるように、例えば、日本電色工業社製 測色色差計ND−1001DP型や、日本分光社製 紫外可視分光光度計V−530と色彩計算カードTSV−566型を用いて行うことができる。[色差について] 本発明においては、前述の方法で調製された試料溶液について蒸留水を標準試料として測定したLab表色における色度が、下記(i)式及び(ii)式を満たし、好ましくは更に下記(iii)式を満たす。 da=amax−a0≦5 ……(i) db=bm−b0≦9 ……(ii) dE=(dL2+da2+db2)1/2≦10 ……(iii) (ただし、dL=Lm−L0) ここで、a0値、b0値、L0値は、それぞれ、調製直後の試料溶液について測定したLab表色系におけるa値、b値、L値であり、amax値は、試料溶液をガラス製サンプル瓶に入れて紫外線を照射した後、a値がとる最大値を示し、bm値及びLm値は、それぞれ、a値が最大値amax値をとるときのb値、L値である。 なお、試料溶液の調製直後とは、試料溶液を調製した後、積極的な紫外線照射を行わない状態で、24時間以内をさす。 本発明において、上記(i)式及び(ii)式のいずれか一方だけでも満たさないと、着色による外観劣化の問題があり好ましくない。 da値(amax−a0)は好ましくは3以下であり、db値(bm−b0)は好ましくは5以下であり、dE(=(dL2+da2+db2)1/2)はより好ましくは6以下である。このような値であれば、毛髪化粧料用樹脂組成物(一般的にアミンオキシド基含有樹脂濃度0.01〜10重量%)としたときに着色の問題はほとんど解消できる。 Lab表色系においては、赤みが強まるとa値が大きくなり、黄色みが強まるとb値が大きくなる傾向がある。化粧料用組成物においては、赤みがかった変色は黄色みがかった変色よりも嫌われる傾向がある。そのため、da値はより小さい値のほうが好ましい。 da≦3、db≦5、dE≦6であれば、このアミンオキシド基含有樹脂溶液を用いて毛髪化粧料用樹脂組成物とした場合に変色が非常に少なく、高品質の製品とすることができる。 また、da≦5、db≦9であれば、毛髪化粧料用樹脂組成物とした場合に変色はややあるが、実用上に問題はなく、da=5、db=9を超えると、毛髪化粧料用樹脂組成物とした場合に変色があり実用上問題となる。[アミンオキシド基含有樹脂溶液中の重合禁止剤含有量] 本発明のアミンオキシド基含有樹脂溶液、およびこれを用いて調製された毛髪化粧料用樹脂組成物において、このアミンオキシド基含有樹脂溶液が重合禁止剤を含まないか、或いは、重合禁止剤含有量がアミンオキシド基含有樹脂含有量に対して750ppm以下であることを特徴とする。 毛髪化粧料用樹脂組成物の調製に用いるアミンオキシド基含有樹脂溶液の重合禁止剤含有量がアミンオキシド基含有樹脂含有量に対して750ppm、特に800ppmを超えると着色の問題があり、毛髪化粧料用樹脂組成物として好ましくない。このアミンオキシド基含有樹脂溶液中の重合禁止剤含有量は、少ない程好ましく、アミンオキシド基含有樹脂に対して好ましくは750ppm以下、より好ましくは600ppm以下、更に好ましくは500ppm以下、特に好ましくは400ppm以下、とりわけ好ましくは250ppm以下である。 なお、ここで言うアミンオキシド基含有樹脂溶液とは、前述の如く、アミンオキシド基含有樹脂の製造工程から供給される、毛髪化粧料用樹脂組成物の製造原料としてのアミンオキシド基含有樹脂溶液であり、一般的にはアミンオキシド基含有樹脂と水とエタノールとで構成されるものである。[毛髪化粧料用樹脂組成物中の重合禁止剤含有量] 本発明の毛髪化粧料用樹脂組成物はまた、重合禁止剤を含まないか、或いは、重合禁止剤含有量が20ppm以下であることを特徴とする。 毛髪化粧料用樹脂組成物の重合禁止剤含有量が20ppm以下であると着色の問題がなく、毛髪化粧料用樹脂組成物として好ましい。毛髪化粧料用樹脂組成物中の重合禁止剤含有量は、少ない程好ましく、10ppm以下であることが好ましく、5ppm以下であることが更に好ましい。 また、毛髪化粧料用樹脂組成物中のアミンオキシド基含有樹脂に対する重合禁止剤含有量は、上述のアミンオキシド基含有樹脂溶液中の重合禁止剤含有量と同様に、アミンオキシド基含有樹脂に対して通常800ppm以下、好ましくは750ppm以下、より好ましくは600ppm以下、更に好ましくは500ppm以下、特に好ましくは400ppm以下、とりわけ好ましくは250ppm以下である。 なお、後述の実施例の項では、アミンオキシド基含有樹脂溶液についての評価のみを行っているが、一般に、アミンオキシド基含有樹脂製造工程から供給されるアミンオキシド基含有樹脂濃度10〜60重量%程度のアミンオキシド基含有樹脂溶液を用いて製造される毛髪化粧料用樹脂組成物のアミンオキシド基含有樹脂濃度は、通常、0.1〜10重量%程度であり、アミンオキシド基含有樹脂溶液は1〜600倍程度に希釈されるため、後述の実施例1〜3のアミンオキシド基含有樹脂溶液であれば、上記毛髪化粧料用樹脂組成物中の重合禁止剤含有量の上限を満たし、着色の問題のない毛髪化粧料用樹脂組成物を調製することができることは明らかである。[重合禁止剤] 本発明に係る重合禁止剤とは、通常はアミンオキシド基含有樹脂の原料モノマー中に含有され、その結果毛髪化粧料用樹脂組成物の調製に供されるアミンオキシド基含有樹脂溶液中に含まれるものであり、例えば、次のようなものが挙げられる。 ヒドロキノン(HQ);4−メトキシフェノール(ヒドロキノンモノメチルエーテル:MEHQ);4−エトキシフェノール;4−プロポキシフェノール;4−ブトキシフェノール;4−ヘプトキシフェノール;ヒドロキノンモノベンジルエーテル;1,2−ジヒドロキシベンゼン;2−メトキシフェノール;2,5−ジクロロヒドロキノン;2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン;2−アセチルヒドロキノン;ヒドロキノンモノベンゾエート;1,4−ジメルカプトベンゼン;1,2−ジメルカプトベンゼン;2,3,5−トリメチルヒドロキノン;4−アミノフェノール;2−アミノフェノール;2−N,N−ジメチルアミノフェノール;2−メルカプトフェノール;4−メルカプトフェノール;カテコールモノブチルエーテル;4−エチルアミノフェノール;2,3−ジヒドロキシアセトフェノン;ピロガロール−1,2−ジメチルエーテル;2−メチルチオフェノール;t−ブチルカテコール;ジ−tert−ブチルニトロキシド;ジ−tert−アミルニトロキシド;2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;4−ジメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;4−エタノールオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;2,2,5,5−テトラメチル−ピロリジニルオキシ;3−アミノ−2,2,5,5−テトラメチル−ピロリジニルオキシ;2,2,5,5−テトラメチル−1−オキサ−3−アザシクロペンチル−3−オキシ;2,2,5,5−テトラメチル−3−ピロリニル−1−オキシ−3−カルボン酸;2,2,3,3,5,5,6,6−オクタメチル−1,4−ジアザシクロヘキシル−1,4−ジオキシ;4−ニトロソフェノラートの塩;2−ニトロソフェノール;4−ニトロソフェノール;銅ジメチルジチオカルバメート;銅ジエチルジチオカルバメート;銅ジブチルジチオカルバメート;銅サリチレート;メチレンブルー;鉄;フェノチアジン(PTZ);3−オキソフェノチアジン;5−オキソフェノチアジン;フェノチアジン二量体;1,4−ベンゼンジアミン;n−(1,4−ジメチルペンチル)−N’−フェニル−1,4−ベンゼンジアミン;n−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−1,4−ベンゼンジアミン;n−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン及びそれらの塩;酸化窒素;ニトロソベンゼン;p−ベンゾキノン;それらの異性体;それらのうちの2以上の混合物;上記のもののうちの1以上と分子性酸素との混合物: これらの重合禁止剤のうち、共役系を形成する多重結合を有する重合禁止剤、特に芳香族環を有するフェノール系重合禁止剤、とりわけHQ(ヒドロキノン)、MEHQ(ヒドロキノンモノメチルエーテル)が原料モノマーに好ましく用いられることから、本発明で対象とする重合禁止剤は、これらHQ、MEHQ等のフェノール系重合禁止剤である場合が多く、MEHQの場合が特に好ましい。 重合禁止剤は、これらの1種であっても良く、2種以上であっても良い。アミンオキシド基含有樹脂溶液又は毛髪化粧料用樹脂組成物中に重合禁止剤の2種以上が含まれる場合、それらの合計の含有量が上記上限値以下となるようにする。[重合禁止剤含有量の低減方法] 本発明のアミンオキシド基含有樹脂溶液ないしは毛髪化粧料用樹脂組成物に含有される重合禁止剤は、後述のアミンオキシド基含有樹脂製造工程で用いられるアミンオキシド基含有樹脂の原料モノマー中に含有されるものである。 従って、重合禁止剤含有量の少ないアミンオキシド基含有樹脂溶液ないしは毛髪化粧料用樹脂組成物を調製する方法としては特に制限はないが、例えば次のような操作が挙げられる。 (1) アミンオキシド基含有樹脂を合成後、アミンオキシド基含有樹脂を活性炭処理する。 (2) アミンオキシド基含有樹脂を合成後、アミンオキシド基含有樹脂をカチオン交換樹脂で処理する。 (3) 原料モノマーから重合禁止剤を吸着や蒸留により除去して重合禁止剤含有量を低減させるか、重合禁止剤を含まないものとした原料モノマーを用いてアミンオキシド基含有樹脂を製造する。 (4) 原料モノマーに重合禁止剤を添加しない、又は添加量を少なくした原料モノマーを用いてアミンオキシド基含有樹脂を製造する。 (5) 上記(1) 〜(4)の方法を組み合わせて行う。 なお、上記(1)の方法で、合成されたアミンオキシド基含有樹脂、即ち、アミンオキシド基含有樹脂の製造工程から供給される前述のアミンオキシド基含有樹脂溶液を活性炭処理する場合、具体的には次の(1−1)又は(1−2)の方法及び条件を採用することができる。(1−1) 活性炭を充填したカラムにアミンオキシド基含有樹脂溶液を通液させる方法 (条件) ・通液SV(空間速度)=0.1〜0.8hr−1 ・温度:10〜60℃(1−2) アミンオキシド基含有樹脂溶液中に活性炭を入れ、撹拌した後、固液分離する方法 (条件) ・アミンオキシド基含有樹脂溶液:活性炭=1:10〜2:1(容量比) ・温度:10〜80℃ ・撹拌時間:1〜10時間 また、上記(2)の方法のように、合成されたアミンオキシド基含有樹脂、即ち、アミンオキシド基含有樹脂の製造工程から供給される前述のアミンオキシド基含有樹脂溶液をカチオン交換樹脂で処理する場合において、以下の理由により、イオン交換樹脂としてはカチオン交換樹脂のみを用い、アニオン交換樹脂は用いないこと、即ち、本発明のアミンオキシド基含有樹脂溶液はアニオン交換樹脂で処理されていないことが好ましい。 一般に、アミンオキシド基含有樹脂溶液は、その製造工程上、オキシド化試薬として用いる過酸化水素等の酸化剤を含んでいる場合が多い。一方で、一般的にアニオン交換樹脂は、過酸化水素などの酸化剤により樹脂を構成する主鎖や官能基が攻撃を受け、分解等による樹脂からの脱離物の発生や樹脂寿命の低下の問題があると言われている。このため、アニオン交換樹脂で処理されたアミンオキシド基含有樹脂溶液中には、アニオン交換樹脂からの脱離物等の不純物の混入の問題や、臭い、色への悪影響などが懸念されることから工業的に好ましくないと考えられる。[アミンオキシド基含有樹脂の製造方法] 本発明に係るアミンオキシド基含有樹脂の製造方法については特に制限はないが、例えば、アミンオキシド基含有単量体を含む親水性単量体(以下、「(A)成分」、或いは「親水性単量体(A)」と称す場合がある。)と、必要に応じて用いられる疎水性単量体(以下、「(B)成分」、或いは「疎水性単量体(B)」と称す場合がある。)とを重合又は共重合させることにより、前述のアミンオキシド基含有樹脂溶液として製造することができる。 なお、この場合、アミンオキシド基含有単量体(以下「アミンオキシド基含有単量体(a)」、或いは「(a)成分」と称す場合がある。)の代わりに、窒素含有前駆体単量体(以下「窒素含有前駆体単量体(b)」、或いは「(b)成分」と称す場合がある。)を用いて、これを重合又は共重合させた後にオキシド化することによってアミンオキシド基を導入してもよく、また、反応活性な官能基を持つ単量体を重合又は共重合させた後、該官能基と反応しうる活性基及びアミンオキシド基を、併せ持つ化合物を反応させることによってアミンオキシド基を導入してもよく、このような方法でも本発明に係るアミンオキシド基含有樹脂を製造することができる。なお、以下において、アミンオキシド基含有単量体(a)の代わりに用いられる上記窒素含有前駆体単量体(b)又は反応活性な官能基を持つ単量体を「アミンオキシド基導入用単量体」と称す場合がある。 得られるアミンオキシド基含有樹脂の毛髪化粧料用樹脂組成物成分としての性能の面から、重合に供される親水性単量体(A)の30重量%以上がアミンオキシド基含有単量体(a)又はアミンオキシド基導入用単量体であることが好ましく、アミンオキシド基含有単量体(a)又はアミンオキシド基導入用単量体の親水性単量体(A)全体に占める割合が50重量%以上であるものがより好ましい。この割合は、さらに好ましくは80重量%以上、特に好ましくは95重量%以上である。<アミンオキシド基含有単量体(a)> (a)成分のアミンオキシド基含有単量体としては、例えば下記一般式(I)〜(IV)で表される単量体が挙げられる。(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2及びR3は、各々独立に、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数6〜24のアリール基、又は炭素数7〜24のアリールアルキル基を示し、R4及びR5は、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数6〜24のアリール基、又は炭素数7〜24のアリールアルキル基を示す。Xは2価の結合基を表し、mは0〜1の整数を、nは0〜4の整数を示す。pは0〜3の整数を、Yは−C(R11)R12−、−NR13−、−S−又は−O−を示し、R6〜R13の少なくとも一つは、各々独立に、−CH2=C(R1)−(X)m−、他のR6〜R13は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数6〜24のアリール基、又は炭素数7〜24のアリールアルキル基を示す。aとbは、各々独立に1〜10の整数を示す。なお、X、R4、R5、R7、R8、R9、R10が複数ある場合、複数のX、R4、R5、R7、R8、R9、R10は同一であっても異なっていても良い。) 上記一般式(I)で示される単量体には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピオン酸ビニル、p−ジメチルアミノメチルスチレン、p−ジメチルアミノエチルスチレン、p−ジエチルアミノメチルスチレン、p−ジエチルアミノエチルスチレン等のアミンオキシド化物、あるいは、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水クロトン酸等の不飽和基含有酸無水物と、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、アニリン等の酸無水物との反応活性基を含有した物との反応物、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体とN,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン等のエポキシ基との反応活性基を含有した物との反応物、等のアミンオキシド化物が例示される。また、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体とヒドロキシエチル−N,N−ジメチルアミンオキシドの様にエポキシ基と反応活性な基を含有したアミンオキシド含有物との生成物、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基含有単量体とヒドロキシエチル−N,N−ジメチルアミンオキシド等のイソシアネート基と反応活性な基を含有したアミンオキシド含有物との生成物が例示される。 上記一般式(II)で示される単量体には、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、3−メチル−5−ビニルピリジン、4−メチル−5−ビニルピリジン、6−メチル−5−ビニルピリジン、2−メチル−4−ビニルピリジン、3−メチル−4−ビニルピリジン、2−ラウリル−5−ビニルピリジン、2−ラウリル−4−ビニルピリジン、2−(t−ブチル)−5−ビニルピリジン、2−(t−ブチル)−4−ビニルピリジン、等のアルキル、アリール、アルキルアリール基の付加物等のアミンオキシド化物が例示される。 上記一般式(III)で示される単量体には、1−ビニルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、4−メチル−1−ビニルイミダゾール、5−メチル−1−ビニルイミダゾール、2−ラウリル−1−ビニルイミダゾール、4−(t−ブチル)−1−ビニルイミダゾール等のアミンオキシド化物が例示される。 上記一般式(IV)で示される単量体には、4−ビニルモルホリン、2−メチル−4−ビニルモルホリン、4−アリルモルホリン、1−ビニルピペリジン、4−メチル−4−ビニルピペリジン、2−ラウリル−1−ビニルピペラジン、2−メチルピペラジノエチルメタクリレート、等のアミンオキシド化物が例示される。 これらの中でも、一般式(I)で示される単量体が最も好ましく、特に一般式(I)のR2とR3が炭素数1〜4のアルキル基であるものが最も好ましい。<窒素含有前駆体単量体(b)> (b)成分のオキシド化される前の窒素含有前駆体単量体としては、下記一般式(V)〜(VIII)で表される単量体が挙げられる。(式中のR1〜R10、a、b、m、n、p、X、Yの定義は、前記式(I)〜(IV)におけるのと同義である。) 上記(b)成分はオキシド化せず、(A)成分の親水性単量体としてそのまま使用することもできる。<他の親水性単量体(c)> その他の(A)成分として、上記アミンオキシド基含有単量体(a)や窒素含有前駆体単量体(b)等のアミンオキシド基導入用単量体の他に、他の親水性単量体(c)を用いることもできる。これらの親水性単量体としては、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、又は同一分子中にアニオン及びカチオン両イオン性を有する両性の単量体が挙げられる。 そのような単量体のうち、ノニオン性単量体としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール/プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、N−ポリアルキレンオキシ(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリルアミドと炭素数2〜4のアルキレンオキシドとから誘導される単量体、及び(メタ)アクリロニトリル、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ビニルピロリドン、N−(メタ)アクリロイルモルフォリン、アクリルアミド等の親水性モノマーが例示される。 アニオン性単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸単量体;不飽和多塩基酸無水物(例えば無水コハク酸、無水フタル酸等)と、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)とのハーフエステル;スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート等のスルホン酸基を有する単量体;アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート等のリン酸基を有する単量体等が例示される。 これらのアニオン性不飽和単量体は、酸のまま若しくは部分中和又は完全中和して使用することができ、あるいは、酸のまま共重合に供してから部分中和又は完全中和することもできる。中和に使用する塩基物としては例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アンモニア水、モノ、ジ、トリエタノールアミン、トリメチルアミン等のアミン化合物がある。 カチオン性単量体としては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、p−ジメチルアミノメチルスチレン、p−ジメチルアミノエチルスチレン、p−ジエチルアミノメチルスチレン、p−ジエチルアミノエチルスチレン等を、カチオン化剤、例えば塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル類、ジメチル硫酸等のジアルキル硫酸類、N−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド等の第3級アミン鉱酸塩のエピクロルヒドリン付加物、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機塩、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸等でカチオン化したカチオン性単量体が例示される。 両性不飽和単量体としては、前述のカチオン性単量体を、変性化剤としてハロ酢酸ナトリウム又はカリウム等の変性化剤を用いることにより両性イオン系単量体として使用することができる。<疎水性単量体(B)> 疎水性単量体(B)としては、炭素数1〜24のアルコールの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル、酢酸ビニル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等の疎水性ビニルモノマー、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸のフルオロアルキルエステル、ラジカル重合性不飽和基含有シリコンマクロモノマー等の不飽和基含有マクロモノマー等が例示される。 上記炭素数1〜24のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸セカンダリーブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸セカンダリーペンチル、(メタ)アクリル酸1−エチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチルブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーペンチル、(メタ)アクリル酸3−メチルブチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチルペンチル、(メタ)アクリル酸4−メチルペンチル、(メタ)アクリル酸2−エチルブチル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−ヘプチル、(メタ)アクリル酸3−ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸3,3,5−トリメチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸ドコシル、(メタ)アクリル酸テトラコシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル等が例示される。 これらの中でも、炭素数1〜24のアルコールの(メタ)アクリル酸エステル、とりわけ炭素数1〜18のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。<(A)/(B)成分の重合割合> (B)成分である疎水性単量体の好ましい使用量は、(B)成分の疎水性の程度、得られるアミンオキシド基含有樹脂の用途、使用形態により異なる。一般に、重合に供される単量体全体の85重量%以下で、且つ重合後の樹脂の水溶性が損なわれない範囲である。 毛髪化粧料用樹脂組成物には大きく分けてセット用とコンディショニング用がある。 得られるアミンオキシド基含有樹脂をセット用樹脂として使用する場合、アミンオキシド基含有樹脂の製造に供される(A)成分と(B)成分の割合は、(A)成分が15〜90重量%、(B)成分が85〜10重量%の共重合体であることが好ましい。(A)成分が15重量%未満では共重合体からなる皮膜の平滑性及び透明性が悪化し、水に難溶性となり、洗髪の際に洗浄除去が困難になる場合がある。また(A)成分が90重量%を超えると、セット力が不十分になる場合がある。 セット用毛髪化粧料には、スプレー、ムース、ジェル等の形態がある。 得られるアミンオキシド基含有樹脂を例えばスプレー用樹脂として使用する場合は、アミンオキシド基含有樹脂の製造に供される(A)成分と(B)成分の割合は、好ましくは(A)成分が15〜90重量%、(B)成分が85〜10重量%、更に好ましくは(A)成分が30〜80重量%、(B)成分が70〜20重量%である。 得られるアミンオキシド基含有樹脂をムース用樹脂として使用する場合、溶媒として使用される水の割合が多いため、比較的親水性が高いことが要求され、アミンオキシド基含有樹脂の製造に供される(A)成分と(B)成分の割合は、好ましくは(A)成分が30〜90重量%、(B)成分が70〜10重量%、更に好ましくは(A)成分が40〜80重量%、(B)成分が60〜20重量%である。 得られるアミンオキシド基含有樹脂をジェル用樹脂として使用する場合は、ムースと同様に水の割合が多いため適度な親水性が求められること、またジェルベースとの親和性の点から、アミンオキシド基含有樹脂の製造に供される(A)成分と(B)成分の割合は、好ましくは(A)成分が40〜90重量%、(B)成分が60〜10重量%、更に好ましくは(A)成分が50〜80重量%、(B)成分が50〜20重量%である。 一方、得られるアミンオキシド基含有樹脂をコンディショニング用樹脂として使用する場合、髪のなめらかな感触や、洗浄による除去の容易さのために、親水性が高いことが要求され、アミンオキシド基含有樹脂の製造に供される(A)成分と(B)成分の割合は、好ましくは(A)成分が30〜100重量%、(B)成分が70〜0重量%、更に好ましくは(A)成分が50〜100重量%、(B)成分が50〜0重量%である。<重合方法> 本発明に係るアミンオキシド基含有樹脂の製造方法としては、(1)前記一般式(V)〜(VIII)で表される窒素含有前駆体単量体(b)をオキシド化し、得られたアミンオキシド基含有単量体を用いて重合又は共重合させる方法(2)前記一般式(V)〜(VIII)で表される窒素含有前駆体単量体(b)を用いて重合又は共重合させ、得られた窒素含有重合体をオキシド化する方法(3)反応活性な官能基をもつ単量体を用いて重合又は共重合した後、当該官能基と反応し得る活性基及びアミンオキシド基を合せ持った物質を反応させる方法等が採用できるが、中でも上記(2)の方法が好ましい。 アミンオキシド基含有樹脂は、上記単量体成分を通常ラジカル重合開始剤の存在下に、溶液重合、バルク重合、懸濁重合等の公知の方法で重合させることにより得られる。特に溶液重合により好適に得ることが出来る。 また、重合溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等の有機溶剤が、単独又は2種以上を混合して使用される。 ラジカル重合開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジーt−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の過酸化物等が用いられる。 これらの重合開始剤は、反応に供される単量体成分に対して、通常0.01〜5重量%の割合で用いられる。 重合は通常窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で30℃〜120℃、好ましくは40℃〜100℃で1〜20時間の範囲で行われる。<オキシド化> 上記(2)の方法でアミンオキシド基含有樹脂を製造する場合、単量体成分を重合させて得られた前駆体ポリマー溶液に、オキシド化剤を加えて20℃〜100℃の範囲で0.1〜100時間、好ましくは1〜50時間オキシド化することによってアミンオキシド基含有樹脂を得る。 オキシド化剤としては過酸化物又はオゾン等の酸化剤が用いられる。過酸化物としては、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、過酢酸、メタクロロ過安息香酸、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキシド等が挙げられるが、一般的には過酸化水素が用いられ、過酸化水素は、通常、水溶液の形で用いられる。 これらのオキシド化剤の量は、前駆体ポリマー中に含まれるオキシド化可能な官能基に対して、0.2〜3倍モル当量の割合、特に0.5〜2倍モル当量使用するのが好ましい。 反応により得られたアミンオキシド基含有樹脂溶液は、残存した過酸化物を未処理のままで毛髪化粧料用樹脂組成物に使用することもできるが、公知の方法で処理した後、使用することもできる。 具体的には還元剤添加処理、イオン交換樹脂による処理、活性炭処理、金属触媒による処理等が挙げられる。 得られた樹脂溶液はそのまま使用することもできるが、必要に応じて再沈殿、溶媒留去等の公知の方法でアミンオキシド基含有樹脂を単離して使用することも出来る。また、単離したアミンオキシド基含有樹脂は、必要ならば再沈殿や、溶剤洗浄、膜分離、吸着処理等によってさらに精製することができる。 このようにして得られるアミンオキシド基含有樹脂は、重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めたポリスチレン換算の値)5,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜500,000、更に好ましくは20,000〜300,000である。一般に毛髪化粧料用に使用される樹脂は、セット用としては比較的分子量の小さいものが、コンディショニング用としては比較的分子量の大きいものが好まれるが、セット用としては重量平均分子量5,000〜300,000、コンディショニング用としては20,000〜1,000,000のものが好ましい。[毛髪化粧料用樹脂組成物] 上述のようにして得られる本発明のアミンオキシド基含有樹脂溶液を用いて、毛髪化粧料用樹脂組成物を調製することができる。本発明の毛髪化粧料用樹脂組成物としては、本発明のアミンオキシド基含有樹脂溶液を用いて調製されていればよく、その他に一般的に毛髪化粧料に用いられる公知の化合物を含んでいてもよい。 例えば、本発明のアミンオキシド基含有樹脂溶液を用いてシャンプー、リンス、トリートメント、セット剤、パーマネントウエーブ液等の毛髪化粧料用樹脂組成物が製造される。 この際、従来使用されている公知のポリマーと上記アミンオキシド基含有樹脂とを併用使用してもよい。 本発明の毛髪化粧料用樹脂組成物は、液体、クリーム、エマルジョン、ゲル、ムース等いかなる形態でもよい。 毛髪化粧料用樹脂組成物中のアミンオキシド基含有樹脂の含有量は、毛髪化粧料用樹脂組成物の形態や目的、或いは併用するポリマーの種類や量によって異なるが、毛髪化粧料用樹脂組成物中のアミンオキシド基含有樹脂含有量としては、前述の如く、0.01〜10重量%程度とすることが好ましい。 毛髪化粧料用樹脂組成物の用途のうち、セット剤とは、エアゾールヘアスプレー、ポンプ式ヘアスプレー、フォーム状ヘアスプレー、ヘアミスト、セットローション、ヘアスタイリング剤、ヘアクリーム、ヘアーオイル等の、水及び/又はエタノール、イソプロパノール等のアルコール類を溶媒とする公知の整髪料を含む。この場合、毛髪化粧料用樹脂組成物は、アミンオキシド基含有樹脂単独で、或いは慣用のカチオン性、アニオン性、ノニオン性、及び両性の公知のセット用ポリマーと併用して配合される。 例えば、泡沫状態で噴出可能な毛髪化粧料(ムース)として用いる場合の毛髪化粧料用樹脂組成物の組成は、アミンオキシド基含有樹脂0.01〜10重量%、公知のセット用ポリマー0〜15重量%、ノニオン性界面活性剤0.1〜5重量%、液化ガス(噴射剤)3〜25重量%及び水を主体とする水溶性溶媒60重量%〜残余である(但し、水は毛髪化粧料中、60重量%以上含有される)。 ジェルとして使用する場合の毛髪化粧料用樹脂組成物の組成は、アミンオキシド基含有樹脂0.01〜10重量%、公知のセット用ポリマー0〜15重量%、ジェルベース0.1〜3重量%、水72重量%〜残余である。 ヘアースプレーとして用いる場合の毛髪化粧料用樹脂組成物の組成は、アミンオキシド基含有樹脂0.01〜10重量%、公知のセット用ポリマー0〜15重量%、溶剤30〜80重量%、噴射剤10〜70重量%である。 併用しうる公知のセット用ポリマーとして、カチオン性ポリマーでは、例えばヒドロキシセルロースとグリシジルトリメチルアンモニウムクロライドとのエーテル(商品名:レオガードG(ライオン社製)、商品名:ポリマーJR−30M−125及び同−400(ユニオンカーバイド社製))、ビニルピロリドン−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体の4級化物(商品名:GAFQUAT734及び755(GAF社製))、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体(商品名:MERQUAT100(メルク社製))、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドアクリロアマイド共重合体(商品名:MERQUAT550(メルク社製))等が挙げられる。 アニオン性ポリマーでは、例えば、(メタ)アクリル酸とメタクリル酸アルキルとの共重合体(商品名:ダイヤホールド(三菱化学(株)社製)、商品名:プラスサイズ(互応化学社製))、マレイン酸モノアルキルエステルとメチルビニルエーテル共重合体(商品名:GANTREZ(ISP社製))等が挙げられる。 ノニオン性ポリマーでは、例えば、ポリビニルピロリドン(商品名:PVP(ISP社製))ビニルピロリドンと酢酸ビニル共重合体(商品名:LUVISKOL(BASF社製))等が挙げられる。両性ポリマーでは、例えば、メタクリル酸エステル共重合体(商品名:ユカフォーマ−AM−75W(三菱化学(株)社製))等が挙げられる。 ムースに使用できるノニオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。 また、スプレー又はムースに使用できる噴射剤としては、液化石油ガス、ジメチルエーテル、ハロゲン化炭化水素等の液化ガス及び空気、二酸化炭素ガス、窒素ガス等の圧縮ガス等がある。 毛髪化粧料用樹脂組成物の用途のうち、コンディショニング機能の付与を目的とする毛髪化粧品には、シャンプー、リンス、パーマネント液等の、溶媒が水及び/又はエタノール、イソプロパノール等のアルコール類である毛髪化粧品、又はヘアートリートメント等の、溶媒が水及び(又は)エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、又はアルコール類及び/又は沸点50℃〜300℃である炭化水素類からなる毛髪化粧品がある。前述のセット剤と同様にコンディショニング機能付与剤としても、毛髪化粧料用樹脂組成物は、アミンオキシド基含有樹脂単独で、又は慣用のカチオン性、アニオン性、ノニオン性、及び両性の公知のコンディショニング用ポリマーと併用して配合される。 例えば、毛髪化粧料用樹脂組成物をシャンプーとして使用する場合、公知のアニオン性、両性又はノニオン性の界面活性剤基材に、アミンオキシド基含有樹脂を添加して用いられる。ここで、界面活性剤基材の例を挙げると、アニオン性界面活性剤としては、N−ココノイル−N−メチル−β−アラニンナトリウム、N−ミリストイル−N−メチル−β−アラニンナトリウム等のN−脂肪酸アシル−N−メチル−β−アラニン塩などが、両性界面活性剤基材としては、ココアシドプロピルベタイン、ジメチルラウリルベタイン、ビス(2−ヒドロキシエチル)ラウリルベタイン、シクロヘキシルラウリルアミンオキシド、ジメチルラウリルアミンオキシド、ビス(2−ヒドロキシエチル)ラウリルアミンオキシドなどが、またノニオン性界面活性剤基材としては、ステアリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどが挙げられる。 毛髪化粧料用樹脂組成物をリンスとして使用する場合は、公知のカチオン性界面活性剤にアミンオキシド基含有樹脂を添加して用いられる。ここで、カチオン性界面活性剤基材の例を挙げると、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウムなどが挙げられる。 毛髪化粧料用樹脂組成物をパーマネント液として使用する場合は、公知の臭素酸塩類、過ホウ素酸類等の酸化剤、及びチオグリコール酸及びその塩、システイン等の還元剤に、アミンオキシド基含有樹脂を添加して用いられる。 毛髪化粧料用樹脂組成物をヘアートリートメントとして使用する場合には、公知のカチオン性界面活性剤基材、及び/又はカチオン性ポリペプタイド、カチオン性セルロース、カチオン性ポリシロキサンなどのカチオン化ポリマーと併用又は代換してアミンオキシド基含有樹脂を添加して用いられる。ここでカチオン性界面活性剤基材としては、例えばリンス用に使用できるとして例示したものが、ヘアートリートメントにも使用できる。 上述のセット剤及びコンディショニング機能付与剤のいずれの場合も、前述した各種成分の他に、必要に応じて、本発明の効果に影響のない範囲で、他の任意成分を配合しても良い。任意成分としては、例えば、次のようなものが挙げられるが、何ら以下のものに限定されるものではない。 流動パラフィン、ワセリン、固形パラフィン、スクワラン、オレフィンオリゴマーなどの炭化水素類; エタノール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール; モノステアリルグリセリンエーテル、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分枝アルコール等のアルコール類; ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン(ベヘニル)酸、オレイン酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸、ラノリン脂肪酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、γ−リノレン酸、エイコサペンタエン酸等の高級脂肪酸類及びその誘導体; カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸等の植物系高分子; キサンタンガム、デキストラン、プルラン等の微生物系高分子; コラーゲン、ゼラチン等の動物系高分子などの天然水溶性高分子; メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子; アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子などの半合成水溶性高分子; ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー(カーボポール)等のビニル系高分子; ポリエチレングリコール20,000、4,000,000、600,000等のポリオキシエチレン系高分子; ポリエチレンイミンなどの合成水溶性高分子; ベントナイト、ケイ酸AlMg(ビーガム)、ラボナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機の水溶性高分子; 揮発性シリコーン油、シリコーン樹脂、シリコーンガム、アルキル変性シリコーン等のシリコーン類; N−ラウリル−L−グルタミン酸モノナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸−L−グルタミン酸モノトリエタノールアミン、N−ミリスチル酸アシル−L−グルタミン酸モノナトリウム、N−混合脂肪酸アシル−L−グルタミン酸モノナトリウム等のN−脂肪酸アシル−L−グルタミン酸塩; ラウリン酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム等のN−脂肪酸−N−メチルタウリン塩; ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイルサルコシンナトリウム等のN−脂肪酸サルコシン縮合物の塩; アシルサルコシンナトリウム、アシルグルタミン酸塩、アシル−β−アラニンナトリウム、アシルタウレート、ラウリル硫酸塩、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤; 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等の金属イオン封鎖剤; 3−(4′−メチルベンジリデン)−d,1−カンファー、3−ベンジリデン−d,1−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2′−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4′−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、安息香酸系、アントラニル酸系、サリチル酸系、桂皮酸系、ベンゾフェノン系等、各種紫外線吸収剤; グリセリルモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等の乳化剤; (ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、マルチトール、ソルビトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−1,2−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン等の保湿剤; ヒノキチオール、ヘキサクロロフェン、ベンザルコニウムクロリド、トリクロロカルバニリド及びピチオノール等の抗菌剤; 塩化カルプロニウム等の血管拡張剤; メントール類等の清涼感付与剤; ニコチン酸ベンジル等の刺激感付与剤; ビタミンA、B、C、D、E等のビタミン類; グルコン酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、パラオキシ安息香酸エステル等の殺菌防腐剤; タンパク加水分解物、アミノ酸、植物抽出エキス、EDTA−Na等のキレート化剤 コハク酸、コハク酸ナトリウム、トリエタノールアミン等のpH調製剤; 増泡剤、発泡剤、泡安定剤、エアゾール製品の場合は液化石油ガス、ジメチルエーテル等の噴射剤、金属イオン捕獲剤、防黴剤、殺菌剤、乳濁剤、コンディショニング剤、増粘剤、酸化防止剤、可溶化剤、ロジン、ハイドロトロープ、養毛剤、生薬、色素、香料。 以下に製造例及び実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。 なお、以下において、「部」は「重量部」を意味し、「%」「ppm」はそれぞれ「重量%」「重量ppm」を意味する。 また、用いた原料モノマーは、いずれも三菱レイヨン(株)製のものであり、各モノマー重量に対するMEHQ濃度は次の通りであった。 ジメチルアミノエチルメタクリレート:2000ppm メタクリル酸ラウリル:1000ppm メタクリル酸t−ブチル:200ppm なお、上記原料モノマーや製造された樹脂溶液等のMEHQ濃度は、下記方法で分析して求めた。<MEHQ濃度の分析方法> ガスクロマトグラフィー:ヒューレットパッカード社製「HP6850シリーズGCシステム」を用い、以下の条件及び仕様で測定した。 カラム:ヒューレットパッカード社製「HP−1」 インジェクション温度:250℃ カラム温度:60℃から130℃までは7℃/分で昇温し、130℃から250℃までは15℃/分で昇温させた キャリアガス:ヘリウム 15ml/分 検出器:FID[樹脂溶液の製造]製造例1:樹脂溶液P−1の製造 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素置換用ガラス管、及び撹拌装置を取り付けた五つ口フラスコ内に、ジメチルアミノエチルメタクリレート50部、メタクリル酸ラウリル25部、メタクリル酸t−ブチル25部、及び無水エタノール200部を仕込み、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.2部を添加して、撹拌を行いながら窒素気流下、80℃に加熱して8時間反応させて共重合体溶液を得た。ポリスチレンを標準物質とするGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)分析により求めたこの共重合体の重量平均分子量(ポリスチレン換算)は100,000であった。 次に、仕込みに用いたジメチルアミノエチルメタクリレートと等モル過酸化水素(34%過酸化水素水を使用)を滴下ロートにて上記で得られた溶液に1時間かけて滴下し、さらに窒素気流下、沸点で12時間加熱還流してジメチルアミノ基のオキシド化反応を行った。なお、上記のオキシド化反応の終点は、反応液のアミン価測定により確認した。また、赤外吸収スペクトルよりN−Oの吸収が認められ、アミンオキシド基の生成を確認した。 最後に無水エタノールを添加し、溶液組成を樹脂分30%、水7%、エタノール63%に調整して、樹脂溶液P−1を得た。 この樹脂溶液P−1のMEHQ濃度は390ppmであり、樹脂固形分当たりのMEHQ濃度は1300ppmであった。製造例2:樹脂溶液P−2の製造 製造例1と同様に共重合反応とオキシド化反応を行った後、反応液を下記条件でエタノールを充満させた活性炭カラムに通して、MEHQを除去した。 (条件) ・温度:室温(20〜35℃) ・通液SV:0.25hr−1 その後、カラム流出液の組成を樹脂分30%、水7%、エタノール63%に調整して、樹脂溶液P−2を得た。 この溶液P−2のMEHQは、検出限界以下であった。製造例3:樹脂溶液P−3の製造 製造例1と同様にモノマー、溶媒、重合開始剤を仕込んで共重合体反応を行った後、得られた共重合体溶液に、ジメチルアミノエチルメタクリレートと等モルのモノクロロ酢酸ナトリウムを添加し、さらに12時間撹拌を行って、ジメチルアミノ基の両性イオン化反応を行った。 この溶液を加圧濾過して生成した塩化ナトリウムを除去した後、溶液組成を樹脂分30%、水7%、エタノール63%に調節して、樹脂溶液P−3を得た。 この樹脂溶液P−3のMEHQ濃度は390ppmであり、樹脂固形分当たりのMEHQ濃度は1300ppmであった。製造例4:樹脂溶液P−4の製造 製造例1において、ジメチルアミノエチルメタクリレートに代えてモノマー重量に対してMEHQ濃度が200ppmであるジメチルアミノエチルメタクリレートを用いた以外は、製造例1と同様の条件で共重合体を得た。製造例1と同様の分析法で求めたこの共重合体の重量平均分子量は100,000であった。 次いで、製造例1と同様の方法でオキシド化反応を行ない、アミンオキシド基の生成を確認した後、無水エタノールを添加し、溶液組成を樹脂分30%、水7%、エタノール63%に調整して、樹脂溶液P−4を得た。 この樹脂溶液P−4のMEHQ濃度は34ppmであり、樹脂固形分当たりのMEHQ濃度は113ppmであった。[耐光安定性試験]実施例1,2、比較例1,2、参考例1 製造例1〜3で得られた樹脂溶液P−1〜P−3を用い、表2に示す配合で調合し、それぞれ表2に示す組成の試料溶液を調製した。 得られた試料溶液40mlをそれぞれガラス製サンプル瓶(容量50ml)に密封し、屋外にて14日間太陽光に当てた。ただし、参考例1においては、実施例1,2及び比較例1,2とは別の試験日に、同様のサンプル瓶を屋外にて4日間太陽光に当てた。この参考例1における4日間の太陽光照射による紫外線の積算光量は、約100J/cm2と算出され、他の例における7日間の算出紫外線積算光量とほぼ同等であった。 このようにサンプル瓶を太陽光に当てた際の色度の変化を下記方法で測定した。<色度測定方法> 光路長10mmのガラス製セルに試料溶液を入れ、日本電色工業社製 測色色差計ND−1001DP型を用い、蒸留水を標準試料として測定、計算し、Lab表色系の測定値を得た。L,a,b値、dL,da,db値の経時変化から、amax,bm,Lm値と、それぞれda,db,dLを求め、下記式で変色度dE値を計算した。 dE=(dL2+da2+db2)1/2 光照射前後のdEが大きいほど変色が大きいことを示す。 a値、b値、L値の経時変化を表1に示す。 また、a0、b0、L0、amax、bm、Lm、da、db、dLとdEの値を表2に示す。 なお、表2には調製された試料溶液のpHを併記した。[耐光促進試験機による耐光安定性試験]実施例3、比較例3 製造例4及び製造例1で得られた樹脂溶液P−4、P−1を用い、表4に示す配合で調合し、それぞれ表4に示す組成の試料溶液を調製した。 得られた試料溶液6mlをそれぞれガラス製サンプル瓶(容量10ml)に密封し、耐光促進試験機(アイスパーUVテスターSUV−W1(岩崎電気社製))にて、波長300〜400nmの紫外線を、600W/m2の強度で、0分、10分、20分、30分、40分、50分間照射した。 このようにサンプル瓶に紫外線を照射した際の色度の変化を下記方法で測定した。<色度測定方法> 光路長10mmのガラス製セルに試料溶液を入れ、日本分光社製 紫外可視分光光度計V−530と色彩計算カードTSV−566型を用いて、蒸留水を標準試料として測定、計算し、Lab表色系の測定値を得た。L,a,b値、dL,da,db値の経時変化から、実施例1におけると同様にしてamax,bm,Lm値と、それぞれda,db,dLを求め、変色度dE値を計算した。 a値、b値、L値の経時変化を表3に示す。 また、a0、b0、L0、amax、bm、Lm、da、db、dLとdEの値を表4に示す。 なお、表4には調製された試料溶液のpHを併記した。 以上の結果より、次のことが分かる。 比較例1は、MEHQ濃度390ppm(樹脂固形分当たりのMEHQ濃度1300ppm)の樹脂溶液P−1を用いて試料溶液を調製したものであり、試料溶液中にMEHQを234ppm含み、da=6.2、db=9.7、dE=12.9と着色が大きい。 比較例2は、MEHQを含まない樹脂溶液P−2を用いたものの、MEHQを外添してMEHQ濃度234ppmの試料溶液としたものであり、da=7.5、db=17.1、dE=19.7と着色が大きい。 これに対して、実施例1は、MEHQを含まない樹脂溶液P−2を用いて試料溶液を調製したものであり、試料溶液中にMEHQを含まず、da=1.7、db=0.5、dE=4.1と着色がないと言える。 また、実施例2は、MEHQを含まない樹脂溶液P−2を用い、MEHQを外添してMEHQ濃度22ppmの試料溶液としたものであるが、MEHQ濃度が低いため、da=2.7、db=2.5、dE=5.0と着色は殆どないと言える。 従って、アミンオキシド基含有樹脂溶液中のMEHQ濃度を制御することにより、着色を防止することができることが分かる。 なお、参考例1は、アミンオキシド基含有樹脂溶液ではなく、ベタイン系樹脂溶液P−3を用いたものであり、MEHQ濃度234ppm(ベタイン系樹脂に対するMEHQ濃度1300ppm)であるが、da=1.82、db=3.76、dE=5.6と着色の問題は殆どない。 実施例3は、MEHQ濃度34ppm(樹脂固形分当たりのMEHQ濃度113ppm)の樹脂溶液P−4を用いて試料溶液を調製したものであり、試料溶液中にMEHQを20ppm含み、da=1.6、db=2.2、dE=3.2と着色がないと言える。 比較例3は、MEHQ濃度390ppm(樹脂固形分当たりのMEHQ濃度1300ppm)の樹脂溶液P−1を用いて試料溶液を調製したものであり、試料溶液中にMEHQを234ppm含み、da=16.0、db=14.9、dE=26.6と着色が大きい。 なお、実施例にて色度測定に用いた、日本電色工業社製 測色色差計ND−1001DPによる測定方法と、日本分光社製 紫外可視分光光度計V−530及び色彩計算カードTSV−566型による測定方法とについて、次の通り比較を行なった。 アミンオキシド基含有樹脂溶液を含むサンプルであって、着色状態の異なる45種のサンプルについて、前述した両測定方法と同様にしてLab表色系の測定値を得た。両測定方法による測定値の差(絶対値)の平均は、L値で1.1、a値で0.09、b値で0.4であり、両測定方法による測定値の差の標準偏差は、L値で±0.99、a値で±0.22、b値で±0.61であった。 これらの結果より、いずれの測定方法を用いても、本発明におけるL値、a値、及びb値の測定値には大きな差を生じないと考えられる。 アミンオキシド基含有樹脂を含み、以下の条件(1)及び(2)を満足することを特徴とするアミンオキシド基含有樹脂溶液。(1) 該アミンオキシド基含有樹脂溶液を用いてアミンオキシド基含有樹脂含有量18重量%、水含有量10重量%、及びエタノール含有量72重量%の試料溶液を調製し、調製直後の該試料溶液について測定したLab表色系におけるa値(以下、「a0値」と記す。)と、該試料溶液をガラス製サンプル瓶に密封して紫外線を照射した後に測定したLab表色系におけるa値が最大値(以下「amax値」と記す。)のときの該amax値との差da値が、下記式(i)を満たす。 da=amax−a0≦5 ……(i)(2) 調製直後の上記(1)の試料溶液について測定したLab表色系におけるb値(以下、「b0値」と記す。)と、上記試料溶液が上記(1)におけるamax値を示すときのb値(以下、「bm値」と記す。)との差db値が下記式(ii)を満たす。 db=bm−b0≦9 ……(ii) 請求項1において、該アミンオキシド基含有樹脂溶液が更に以下の条件(3)を満足するアミンオキシド基含有樹脂溶液。(3) 調製直後の前記(1)の試料溶液について測定したLab表色系におけるL値(以下、「L0値」と記す。)と、前記試料溶液が上記(1)においてamax値を示すときのL値(以下「Lm値」と記す。)との差dL値と、前記da値及びdb値が下記式(iii)を満たす。 dE=(dL2+da2+db2)1/2≦10 ……(iii) 請求項1又は2において、前記試料溶液のpHが6〜9であるアミンオキシド基含有樹脂溶液。 アニオン交換樹脂で処理されていない、請求項1ないし3のいずれかに記載のアミンオキシド基含有樹脂溶液。 請求項1ないし4のいずれかに記載のアミンオキシド基含有樹脂溶液を用いて調製された、毛髪化粧料用樹脂組成物。 アミンオキシド基含有樹脂を含むアミンオキシド基含有樹脂溶液であって、該アミンオキシド基含有樹脂溶液が重合禁止剤を含まないか、或いは、重合禁止剤含有量が該アミンオキシド基含有樹脂含有量に対して750ppm以下であることを特徴とするアミンオキシド基含有樹脂溶液。 アミンオキシド基含有樹脂溶液が、重合禁止剤を含まないか、或いは、重合禁止剤含有量が該アミンオキシド基含有樹脂含有量に対して400ppm以下である、請求項6に記載のアミンオキシド基含有樹脂溶液。 請求項6又は7において、重合禁止剤がヒドロキノンモノメチルエーテルである、アミンオキシド基含有樹脂溶液。 請求項6ないし8のいずれかに記載のアミンオキシド基含有樹脂溶液を用いて調製された、毛髪化粧料用樹脂組成物。 アミンオキシド基含有樹脂を含む毛髪化粧料用樹脂組成物において、重合禁止剤を含まないか、或いは重合禁止剤含有量が20ppm以下であることを特徴とする毛髪化粧料用樹脂組成物。 請求項10において、重合禁止剤がヒドロキノンモノメチルエーテルである、毛髪化粧料用樹脂組成物。 【課題】経時による着色ないし変色の問題のないアミンオキシド基含有樹脂溶液及びそれを用いた毛髪化粧料用樹脂組成物を提供する。【解決手段】アミンオキシド基含有樹脂を含むアミンオキシド基含有樹脂溶液。このアミンオキシド基含有樹脂溶液を用いて調製された毛髪化粧料用樹脂組成物。該アミンオキシド基含有樹脂溶液から調製したアミンオキシド基含有樹脂含有量18重量%、水含有量10重量%、及びエタノール含有量72重量%の試料溶液について測定したLab表色系におけるa値(a0)と、該試料溶液に紫外線照射した後のa値の最大値(amax)との差da値が5以下で、上記試料溶液について測定したb値(b0)と、該試料溶液がamax値を示すときのb値(bm)との差db値が9以下。【選択図】なし


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