生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_酸化銅含有触媒の還元方法
出願番号:2009149536
年次:2011
IPC分類:B01J 37/18,B01J 23/72,C07C 29/145,C07C 33/22,C07B 61/00


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中山 敏男 丹羽 伸文 小池 弘文 JP 2011005388 公開特許公報(A) 20110113 2009149536 20090624 酸化銅含有触媒の還元方法 住友化学株式会社 000002093 日本オキシラン株式会社 503108115 中山 亨 100113000 坂元 徹 100151909 中山 敏男 丹羽 伸文 小池 弘文 B01J 37/18 20060101AFI20101210BHJP B01J 23/72 20060101ALI20101210BHJP C07C 29/145 20060101ALI20101210BHJP C07C 33/22 20060101ALI20101210BHJP C07B 61/00 20060101ALN20101210BHJP JPB01J37/18B01J23/72 ZC07C29/145C07C33/22C07B61/00 300 4 1 OL 8 4G169 4H006 4H039 4G169AA02 4G169AA08 4G169BB04A 4G169BB04B 4G169BC31A 4G169BC31B 4G169CB02 4G169CB70 4G169EA02Y 4G169EA06 4G169FA01 4G169FB44 4G169FB45 4G169FB46 4G169FB78 4H006AA02 4H006AC42 4H006BA05 4H006BA30 4H006BB61 4H006BC11 4H006BC13 4H006BD20 4H006BE20 4H039CA60 4H039CB20 本発明は、酸化銅含有触媒の還元方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、酸化銅含有触媒が充填された触媒充填部と気液分離部を備える反応器を用いて、触媒充填部に水素を含む気体と液体を導入して酸化銅含有触媒を還元する方法であって、還元によって得られる触媒中の金属銅のシンタリングを防止することができ、かつ触媒の強度を高く保持することができる酸化銅含有触媒の還元方法に関するものである。 酸化銅含有触媒は、通常、反応に使用する前に触媒中の酸化銅を金属銅に予め還元して用いられる。例えば、特許文献1には、固定床断熱式反応器に充填された酸化銅含有触媒にエチルベンゼン、水素、メタンを通過させて還元した後、アセトフェノンを1−フェニルエチルアルコールへ水素化する方法が開示されている。特開2001−199917号公報 かかる状況において、本発明が解決しようとする課題は、酸化銅含有触媒が充填された触媒充填部と気液分離部を備える反応器を用いて、触媒充填部に水素を含む気体と液体を導入して酸化銅含有触媒を還元する方法であって、還元によって得られる触媒中の金属銅のシンタリングを防止することができ、かつ触媒の強度を高く保持することができる酸化銅含有触媒の還元方法を提供する点にある。 すなわち、本発明は、酸化銅含有触媒が充填された触媒充填部と気液分離部を備える反応器を用いて、触媒充填部に水素を含む気体と液体を導入して酸化銅含有触媒を還元する方法であって、触媒充填部出口の液体に含まれる水分の濃度を1500重量ppm以下とする酸化銅含有触媒の還元方法に係るものである。 本発明の酸化銅含有触媒の還元方法によれば、還元によって得られる触媒中の金属銅のシンタリングを防止することができ、かつ触媒の強度を高く保持することができる。触媒還元装置 本発明で用いられる酸化銅含有触媒とは、主成分として酸化銅(CuO)を含んでいる触媒を意味する。触媒中のCuOの含有量は、通常10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%である。触媒中のCuO以外の成分としてはCr2O3、ZnO、Fe2O3、Al2O3、ZrO2、TiO2、SiO2、MnO2、Co2O3、NiO、BaO、CaO、MgO、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3などを含有してもよい。 触媒は共沈法、沈着法、混練法により製造することができる。共沈法によって触媒を製造する場合、硝酸銅の水溶液に水酸化ナトリウム、炭酸ソーダーまたは炭酸アンモニウムを加えて、水酸化物、塩基性炭酸塩として沈殿させ、水洗、乾燥後、過熱分解した後、触媒粉体を得る。固定床反応器に充填する場合には該粉体とグラファイト、シリカゾル、アルミナなどのバインダーを添加後、混練、打錠成型又は押し出し成型によって、ペレットに成型された触媒を用いる。 本発明で用いられる液体としては、還元条件下で液体であるものであり、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの炭化水素、及びこれらの混合溶媒をあげることができる。 還元温度は、還元速度を速めるという観点や金属銅のシンタリングを防ぐという観点から、通常40〜200℃であり、好ましくは130〜200℃である。 還元圧力は、還元速度を速めるという観点や金属銅のシンタリングを防ぐという観点から、通常0.1〜2MPaであり、好ましくは0.4〜1MPaである。 水分濃度が1500重量ppmを超えないように酸化銅含有触媒を還元するために、反応温度または反応圧力などの反応条件を調整して、反応速度、すなわち、水の生成速度を制御することが好ましい。 本発明で用いられる水素を含む気体としては、水素ガスのみで用いても良いし、窒素ガスのような不活性ガスで希釈しても良い。また、工業的用にはナフサを分解して得られるメタネーター水素を用いても良い。水素を含む気体中の水分は通常、室温で飽和蒸気圧以下に乾燥されたガスを用いることが好ましい。 本発明において、触媒充填部出口から抜き出された液体の水分濃度は、還元によって得られる触媒中の金属銅のシンタリングを防止し、触媒の強度を高く保持するという観点から、1500重量ppm以下である。 触媒充填部出口から抜き出された液体の水分濃度は、触媒充填部出口から抜き出された液体をカールフィッシャー法やガスクロマトグラフ法によって測定することによって求められる。触媒充填部出口から抜き出された液体を冷却して水を分離させる場合には、冷却後の液体の水分濃度と分離された水分量から、触媒充填部出口から抜き出された液体の水分濃度を計算することができる。 更に、本発明の還元方法としては、触媒充填部出口から抜き出された液体に含まれる水分を除去してから、水素を含む気体と液体を分離し、分離された液体を触媒充填部へリサイクル液体として導入する還元方法が、還元での液体の使用量を少なくでき、経済的であるために好ましい。 触媒充填部出口から抜き出された液体に含まれる水分の除去方法としては、下記の方法が好ましい 一番目の方法としては、触媒充填部出口から抜き出された液体を冷却して水を除去してから、水素を含む気体と液体を分離し、分離された液体を触媒充填部に導入する還元方法が挙げられる。触媒充填部出口から抜き出された液体の冷却温度は、還元温度より低ければ良い。好ましくは、経済的であるという観点や、液体の水分濃度が高くなり金属銅のシンタリングが起きることを防止するという観点から、5〜35℃である。 二番目の方法としては、触媒充填部出口から抜き出された液体に含まれる水分を、水素ガスを含む気体に水分を同伴し低減させてから、水素を含む気体と液体を分離し、分離された液体を触媒充填部に導入する還元方法が挙げられる。 三番目の方法としては、触媒充填部に、または触媒充填部出口から抜き出された液体に、乾燥した不活性ガスを導入し、触媒充填部出口から抜き出された液体に含まれる水分を、水素を含む気体および導入した不活性ガスに同伴させて低減し、水素を含む気体と液体を分離し、分離された液体を触媒充填部に導入する還元方法が挙げられる。不活性ガスとしては、安価で入手しやすいことから、窒素やメタンが好ましい。 上記の二番目の還元方法において、水素ガスを含む気体に水分を同伴し低減させる方法としては、水素を含む気体で液体をバブリングする方法が挙げられる。上記の三番目の還元方法において、水素を含む気体および導入した不活性ガスに水分を同伴し低減させる方法としては、水素を含む気体で液体をバブリングする方法が挙げられる。バブリングする時の液体の温度は、水分を同伴し低減し易くするという観点や、液体が流出し、液体のロスが大きくなることを防ぐという観点から、50〜200℃が好ましい。 本発明の方法によって還元された触媒の用途としては、ケトンの水素化に使用される。例えば、アセトフェノンを水素化する1−フェニルエチルアルコールの製造に使用できる。1−フェニルエチルアルコールは工業的にスチレンモノマーあるいは各種有機合成の中間体としての原料である。 次に本発明を実施例により説明する。実施例1 SUS−316L製の管(内径:14mmφ、長さ:1200mmL)に温度鞘管(外径:3mmφ)をセットした中に、酸化銅を63重量%含有した触媒(直径1.4mmφ、長さ4〜8mmの円柱状)を125g(充填長:1000mm)充填した(触媒充填部(5))。触媒充填部出口から抜き出された液体を冷却する冷却器(8)、圧力調整器(9)、冷却後の液体と水を分離する為のガラス製油水分離器(10)を設置した(冷却器(8)と圧力調整器(9)と油水分離器(10)が気液分離部である)。又、気液分離部で気体と分離された液体を、リサイクル液体(11)として触媒充填部(5)へ導入して、還元反応を行った。 最初に窒素をマスフローコントローラーを通じて90Nml/min、リサイクル液体(水分濃度が330重量ppmのリサイクルエチルベンゼン)を750g/hr供給し、反応器内の圧力を0.5MPaになるように圧力調整器で調整した。液体の流出を確認後、触媒充填部(5)の入口部の予熱器の温度を上げ、触媒充填部(5)の入口温度が150℃を超えないように温度調整を行った。 温度を150℃に調整した後に、液体(水分濃度が330重量ppmのエチルベンゼン)を50g/hr、続いて、メタンの濃度が16体積%であるメタンと水素の混合ガスを90Nml/minで供給し、窒素ガスをストップした。この時点を還元反応の開始時刻(時刻0)として、触媒充填部(5)を加熱し、触媒充填部(5)の温度を150℃に維持して還元反応を開始した。開始後(時刻0から)2時間おきに油水分離器(10)に回収された水の重量と、リサイクル液中の水分濃度を測定したところ、触媒充填部(5)から抜き出された液体の水分濃度は980重量ppmと計算された。最終的には18時間の還元反応を行った。還元率は58%と計算された。窒素雰囲気下で触媒を抜き出し、窒素で触媒を乾燥した後、触媒充填部(5)の中間部の触媒について乳鉢ですりつぶし、Rigaku ultraX−18(電圧;50kv、電源;100mA、XRay Cu−Kα)でXRD分析を行った。Cu0の結晶子サイズについて測定した結果2θ=43.3度、123Åであった。また、触媒強度についても、XRD同様に触媒充填部(5)の中間部の触媒を選択し、Fujiwara Hardness Testerで測定を行ったところ、18(N)であった。結果については表1に示す。 還元率の計算:生成水重量(g)÷理論生成水重量(g) 理論生成水重量(g):触媒重量×CuO濃度÷100÷CuO分子量×水分子量 CuO濃度:63(重量%) CuO分子量:79.5(g/mol) 水分子量:18.0(g/mol) 水分濃度(重量ppm) in:平沼 AQ−6カールフィッシャーにて測定 out:(液体流量(g/h)×out液体中の水分濃度(重量ppm)÷106 +水生成流量(g/h))÷液体流量(g/h)×106 結晶子サイズ(Å):Rigaku ultraX−18 (電圧;50kv、電源;100mA、XRay Cu−Kα) Scherrerの式による 触媒強度(N):Fujiwara Hardness Tester 触媒20個の横方向の平均強度(長さ4.5mm以上)実施例2 還元時間を100時間とした以外は実施例1と同様に還元反応を行った。約46時間までにほぼ理論量の生成水が留出したが、その後、100時間まで、同一条件で還元反応を行った。還元反応開始(時刻0)から46時間で触媒充填部(5)出口の液体の水分濃度は960重量ppm、還元率は101%と計算され、結晶子サイズ109Å、触媒強度は17Nであった。実施例3 還元温度を120℃、還元時間を49時間とした以外は実施例1と同様に還元反応を行った。この時の触媒充填部(5)出口の液体の水分濃度は620重量ppm、還元率は56%と計算され、結晶子サイズ114Å、触媒強度は18Nであった。実施例4 還元圧力を0.9Mpa、還元時間を16時間とした以外は実施例1と同様に還元反応を行った。この時の触媒充填部(5)出口の液体の水分濃度は1100重量ppm、還元率は56%と計算され、結晶子サイズ131Å、触媒強度は21Nであった。比較例1 還元温度を210℃、還元時間を6時間とした以外は実施例1と同様に還元反応を行った。この時の触媒充填部(5)出口の液体の水分濃度は1840重量ppm、還元率は52%と計算され、結晶子サイズ177Å、触媒強度は24Nであった。比較例2 水を1.2g/h供給し、入口の水分濃度を1830重量ppmとして、還元時間を37時間とした以外は実施例1と同様に還元反応を行った。この時の触媒充填部(5)出口の液体の水分濃度は2350重量ppm、還元率は72%と計算され、結晶子サイズ188Å、触媒強度は17Nであった。比較例3 水を2.4g/h供給し、入口の水分濃度を3300重量ppmとして、還元圧力を0.9MPa、還元時間を32時間とした以外は実施例1と同様に還元反応を行った。この時の触媒充填部(5)出口の液体の水分濃度は3980重量ppm、還元率は83%と計算され、結晶子サイズ289Å、触媒強度は2Nであった。 比較例1、比較例2、比較例3から、触媒充填部(5)出口の液体の水分濃度が1500重量ppmを超えると、結晶サイズが大きくなり、銅のシンタリングが起き、活性が低下したり、触媒強度が低下したりしていることが分かる。(1)窒素(2)水素(3)液体(4)水(5)触媒充填部(6)予熱器(7)熱電対(8)冷却器(9)圧力調整器(10)油水分離器(11)リサイクル液体(12)リサイクルポンプ(13)vent gas(14)パージ 酸化銅含有触媒が充填された触媒充填部と気液分離部を備える反応器を用いて、触媒充填部に水素を含む気体と液体を導入し、触媒充填部出口から抜き出された水素を含む気体と液体を気液分離部に導入し、導入された水素を含む気体と液体を気液分離部で分離し、分離された液体を触媒充填部に導入する酸化銅含有触媒を還元する方法であって、触媒充填部出口の液体の水分濃度を1500重量ppm以下とする酸化銅含有触媒の還元方法。 気液分離部が冷却器を備える反応器を用いて、冷却器で触媒充填部出口から抜き出された液体を冷却して、液体に含まれる水分を低減し、水素を含む気体と液体を分離し、分離された液体を触媒充填部に導入する請求項1に記載の酸化銅含有触媒の還元方法。 触媒充填部出口から抜き出された液体に含まれる水分を、水素を含む気体に同伴させて低減し、水素を含む気体と液体を分離し、分離された液体を触媒充填部に導入する請求項1に記載の酸化銅含有触媒の還元方法。 触媒充填部に、または触媒充填部出口から抜き出された液体に、乾燥した不活性ガスを導入し、触媒充填部出口から抜き出された液体に含まれる水分を、水素を含む気体および導入した不活性ガスに同伴させて低減し、水素を含む気体と液体を分離し、分離された液体を触媒充填部に導入する請求項1に記載の酸化銅含有触媒の還元方法。 【課題】酸化銅含有触媒が充填された触媒充填部と気液分離部を備える反応器を用いて、触媒充填部に水素を含む気体と液体を導入して酸化銅含有触媒を還元する方法であって、還元によって得られる触媒中の金属銅のシンタリングを防止することができ、かつ触媒の強度を高く保持することができる酸化銅含有触媒の還元方法を提供する。【解決手段】酸化銅含有触媒が充填された触媒充填部5と気液分離部10を備える反応器を用いて、触媒充填部5に水素を含む気体と液体を導入し、触媒充填部5出口から抜き出された水素を含む気体と液体を気液分離部10に導入し、導入された水素を含む気体と液体を気液分離部10で分離し、分離された液体を触媒充填部5に導入する酸化銅含有触媒を還元する方法であって、触媒充填部5出口の液体の水分濃度を1500重量ppm以下とする酸化銅含有触媒の還元方法。【選択図】図1


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