タイトル: | 公開特許公報(A)_毛髪化粧料組成物 |
出願番号: | 2009091893 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | A61K 8/892,A61K 8/39,A61Q 5/06 |
川口 太一郎 柏原 光喜 JP 2010241722 公開特許公報(A) 20101028 2009091893 20090406 毛髪化粧料組成物 株式会社ミルボン 592255176 三輪 鐵雄 100078064 三輪 英樹 100115901 川口 太一郎 柏原 光喜 A61K 8/892 20060101AFI20101001BHJP A61K 8/39 20060101ALI20101001BHJP A61Q 5/06 20060101ALI20101001BHJP JPA61K8/892A61K8/39A61Q5/06 4 OL 14 4C083 4C083AC102 4C083AC122 4C083AC172 4C083AC181 4C083AC182 4C083AC302 4C083AC432 4C083AC442 4C083AC902 4C083AD161 4C083AD162 4C083BB04 4C083CC31 4C083CC32 4C083DD08 4C083DD23 4C083DD41 4C083EE28 4C083EE29 本発明は、毛髪への塗布時や仕上がり時において、毛髪に柔らかさを付与し得る毛髪化粧料組成物に関するものである。 近年、毛髪デザインの多様化に伴って、ヘアカラーやパーマネントウェーブ処理などの化学的処理を施すことで、これを達成することが盛んに行われているが、このような処理によって毛髪の損傷の度合いが益々大きくなっている。 上記のような化学的処理によって損傷した毛髪は、細胞間脂質がキューティクルやコルテックスから流出するために乾燥してパサパサした感触になることから、触れたときに毛髪自体が硬く感じられるようになることが知られている。また、上記のように硬く感じられるようになった毛髪は、所望のデザインを作ることが難しいことも知られている。 こうした事情を受けて、硬く感じられるようになり、柔らかさが失われた毛髪の状態を改善するために、シリコーン類やエステル類などの油性成分などを始めとするコンディショニング作用を有する成分を配合した毛髪化粧料が開発されている。 例えば、シリコーン類の中でもジメチコノールは、毛髪に滑らかな感触や艶、まとまり感を付与できる作用が強いことが知られており、これを配合した毛髪化粧料の提案がある(特許文献1、2)。特開2005−263752号公報特開2008−56604号公報 しかしながら、最近は上記のような化学的処理を長期にわたって継続して毛髪に施すことが多く、このような処理を受けて大きく損傷した毛髪に対しては、上記のような従来の毛髪化粧料では、十分な柔らかさを付与することが困難であった。 本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、化学的処理により損傷した毛髪であっても、良好な柔らかさを付与し得る毛髪化粧料組成物を提供することにある。 上記目的を達成し得た本発明の毛髪化粧料組成物は、乳化重合によって得られたジメチコノール、および高級アルコールに酸化プロピレンと酸化エチレンとを付加重合したブロック型非イオン性界面活性剤が配合されたことを特徴とするものである。 本発明によれば、化学的処理により損傷した毛髪であっても、良好な柔らかさを付与し得る毛髪化粧料組成物を提供することができる。 本発明の毛髪化粧料組成物では、ジメチコノール(ジメチルシリコーンの両末端を水酸基で封鎖したシリコーン化合物)として、乳化重合により得られたものを使用する。理由は定かではないが、乳化重合により得られたジメチコノールを用いることで、塗布時や塗布後の仕上がり時における毛髪の柔らかさを、健康な状態の毛髪の有する柔らかさを上回る状態にし得る毛髪化粧料組成物を構成できる。 乳化重合により得られたジメチコノールとしては、これを含有するエマルションが市販されており、本発明の毛髪化粧料組成物では、これらを用いることができる。本発明の毛髪化粧料組成物で使用し得る市販品の具体例としては、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製の「XS65−B7991(商品名)」や「XS65−C1717(商品名)」などが挙げられる。 毛髪化粧料組成物における上記ジメチコノールの配合量は、塗布した毛髪に柔らかさをより良好に付与する観点から、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。ただし、毛髪化粧料組成物中の上記ジメチコノール量が多すぎると、塗布した毛髪がべたべたとした感触になる傾向がある。よって、毛髪化粧料組成物における上記ジメチコノールの配合量は、3.5質量%以下であることが好ましく、2.5質量%以下であることがより好ましい。 本発明の毛髪化粧料組成物に使用するブロック型非イオン性界面活性剤は、高級アルコールに酸化プロピレンと酸化エチレンとを付加重合することで得られたものである。このようなブロック型非イオン性界面活性剤を上記ジメチコノールと併用することで、塗布時や塗布後の仕上がり時における毛髪の柔らかさを、健康な状態の毛髪の有する柔らかさを上回る状態にし得る毛髪化粧料組成物を構成できる。 上記ブロック型非イオン性界面活性剤の形成に用いられる高級アルコールとしては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、2−デシルテトラデシルアルコールなどの、炭素数が12〜24のアルコールが挙げられる。これらの中でも、塗布時の毛髪に柔らかさを付与する作用がより強い点で、2−デシルテトラデシルアルコールを用いて合成されたブロック型非イオン性界面活性剤が好ましい。 上記ブロック型非イオン性界面活性剤としては、例えば日光ケミカルズ社製の市販品を用いることができる。具体的には、ポリオキシエチレン(1)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル(商品名:NIKKOL PBC−31)、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル(商品名:NIKKOL PBC−44)、ポリオキシエチレン(12)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル(商品名:NIKKOL PEN−4612)、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル(商品名:NIKKOL PEN−4620)、ポリオキシエチレン(30)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル(商品名:NIKKOL PEN−4630)などが挙げられる(なお、上記の各化合物において、オキシエチレンの後の括弧内の数値は酸化エチレンの平均付加モル数を、オキシプロピレンの後の括弧内の数値は酸化プロピレンの平均付加モル数を、それぞれ意味している。後記の各化合物においても同様である。)。 毛髪化粧料組成物における上記ブロック型非イオン性界面活性剤の配合量は、塗布した毛髪に柔らかさをより良好に付与する観点から、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。ただし、毛髪化粧料組成物中の上記ブロック型非イオン性界面活性剤量が多すぎると、却って仕上がり後の毛髪に硬さが感じられるようになる虞がある。よって、毛髪化粧料組成物における上記ブロック型非イオン性界面活性剤の配合量は、1.5質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。 本発明の毛髪化粧料組成物には、媒体として主に水を使用する。毛髪化粧料組成物における水の配合量は、50〜98質量%であることが好ましい。 また、本発明の毛髪化粧料組成物には、多価アルコールを配合することが好ましい。上記ジメチコノールと多価アルコールとを特定比率で配合することで、毛髪化粧料組成物の毛髪への柔らかさ付与作用を更に高めることができる。毛髪化粧料組成物における多価アルコールの配合量とジメチコノールの配合量との比率は、質量基準で、4:1〜1:2とすることが好ましい。 多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリンなどが挙げられる。 更に、本発明の毛髪化粧料組成物には、上記の各成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、通常の化粧料で用いられている各種成分を配合することができる。このような成分としては、例えば、界面活性剤(アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、上記ブロック型非イオン性界面活性剤以外の非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤)、水溶性高分子、アルコール類、油脂、エステル、炭化水素、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、pH調整剤、香料などが挙げられる。 アニオン性界面活性剤としては、例えば、ヤシ油脂肪酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン、ラウリン酸トリエタノールアミン、ステアリン酸カリウムなどの脂肪酸塩;ミリスチン酸カルシウム、イソステアリン酸アルミニウムなどの金属セッケン;ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウムなどのアルキルエーテルカルボン酸塩;ステアロイル乳酸ナトリウム、イソステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カリウムなどのアシル乳酸塩;ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウムなどのN−アシルグルタミン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、アルキル(12,13)硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウムなどのアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどのアルキルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩;などが挙げられる。 カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウムなどのモノアルキル型4級アンモニウム塩;塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジオレイルジメチルアンモニウムなどのジアルキル型4級アンモニウム塩;塩化ベンザルコニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウムなどのベンザルコニウム型4級アンモニウム;塩化セチルピリジニウム;などが挙げられる。 上記ブロック型非イオン性界面活性剤以外の非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンセチルエーテル、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、自己乳化型モノステアリン酸エチレングリコール、ポリオキシエチレン(20)ステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(3)ソルビット、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ポリ(2〜10)グリセリル、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。両性界面活性剤としては、例えば、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ヤシ油アルキルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタインなどが挙げられる。 水溶性高分子としては、例えば、カチオン化セルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、セルロースエーテル、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、カラギーナン、グアーガム、カチオン化グアーガム、ヒアルロン酸、キトサン、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。アルコール類としては、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコールなどの低級アルコール;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコールなどの高級アルコール;が挙げられる。 油脂としては、例えば、シア脂、小麦胚芽油、コメヌカ油、マカデミアナッツ油、メドウホーム油、卵黄油などが挙げられる。エステルとしては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸イソステアリル、オレイン酸オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸ヘキシル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、コハク酸ジオクチル、イソステアリン酸フィトステリルなどが挙げられる。 炭化水素としては、例えば、キャンデリラロウ、マイクロクリスタリンワックス、ホホバ油、ミツロウ、カルナウバロウ、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、セレシン、パラフィン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、ワセリンなどが挙げられる。脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸などが挙げられる。 金属イオン封鎖剤としては、例えば、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸などが挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、d1−α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、エリソルビン酸、無水亜硫酸ナトリウムなどが挙げられる。pH調整剤としては、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸などの酸;アンモニア、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、アルギニンなどのアルカリ剤;が挙げられる。 本発明の毛髪化粧料組成物の剤型については特に制限はないが、毛髪表面に均一に付着させやすい剤型であることが好ましい。具体的には、本発明の毛髪化粧料組成物は、エアゾールやトリガー式の容器に封入してスプレーやフォームの形態で使用することが好ましいことから、液状または低粘度のゲル状であることが推奨される。 本発明の毛髪化粧料組成物は、通常、毛髪に塗布した後、洗い流さない方法で使用される。例えば、フォームや液状、ゲル状の毛髪化粧料組成物を適量手に取って毛髪に塗布したり、スプレーとして毛髪に適量噴霧して塗布したりし、毛髪化粧料組成物を塗布した後の毛髪は洗い流さないで仕上げる。 以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。なお、以下の表1〜表4では毛髪化粧料組成物全体で100%となるように、それぞれ各成分の配合量を%で示すが、その%はいずれも質量%であり、また、表1〜表4中ではその%の表示を省略し、配合量を表す数値のみで表示する。実施例1〜10および比較例1〜7 実施例1〜10および比較例1〜7の毛髪化粧料組成物を、表1〜表4に示す組成で、以下の手法によって調製した。まず、使用する全精製水のうち80質量%に、表1〜表4に示す(1)〜(6)の成分を攪拌しながら順次添加し、ここに(7)の成分と(8)の成分とを混合したものを[ただし、(8)の成分を使用しなかった比較例1の毛髪化粧料組成物では、(7)の成分を単独で]添加した。そして、残りの精製水を添加して、毛髪化粧料組成物を得た。 なお、実施例1〜10および比較例1〜7の毛髪化粧料組成物の調製に使用した原材料は、以下の通りである。・ジメチコノールエマルション:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製「XS65−B7991(商品名)」。粘度100万mPa・s、ジメチコノールの濃度が50質量%。・乳酸水溶液(0.1質量%):武蔵野化学研究所社製「ムサシノ乳酸90(商品名)」。・フェノキシエタノール:東邦化学工業社製「ハイソルブEPH(商品名)」。・ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油:日光ケミカルズ社製「NIKKOL HCO−40(商品名)」。・ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油:日光ケミカルズ社製「NIKKOL HCO−50(商品名)」。・ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油:日光ケミカルズ社製「NIKKOL PBC−60(商品名)」。・ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル:日光ケミカルズ社製「NIKKOL BO−10V(商品名)」。・ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル:日光ケミカルズ社製「NIKKOL BO−20V(商品名)」。・ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム:日光ケミカルズ社製「NIKKOL DLP−10(商品名)」。・ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート:花王社製「レオドール TW−L120(商品名)」。・ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル;日光ケミカルズ社製「NIKKOL PBC−44(商品名)」。・ポリオキシエチレン(30)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル;日光ケミカルズ社製「NIKKOL PEN−4630(商品名)」。 実施例1〜10および比較例1〜7の毛髪化粧料組成物について、以下の方法で毛髪への柔らかさ付与効果を評価した。(評価用トレスの作製) 健康な状態の毛髪(長さ20cm、質量30g)のトレス2本を一組としたものを用意した。そして、片方のトレスに、ミルボン社製「オルディーブ C13−CL(商品名)」50gと、ミルボン社製「オルディーブ オキシダン 6%(商品名)」100gとを混合したものを塗布し、加温器を用いて毛髪表面が45〜50℃になるように30分加温し、その後通常のシャンプーで洗浄して乾燥させる一連の処理を3回繰り返して施した。その後、2本のトレス(上記の処理を施してダメージを与えたトレスと、未処理のトレス)の根元を綿糸で結わえ、二股に分かれるように分割して、評価用トレスを作製した。 実施例1〜10および比較例1〜7の毛髪化粧料組成物の評価には、同じ評価用トレス(上記の評価用トレス)を用いた。毛髪化粧料組成物をスプレー式容器に充填し、上記評価用トレスにおけるダメージを与えたトレスに適量噴霧した。そして、各評価用トレスについて、専門の評価者5名が、ダメージを与え毛髪化粧料組成物を塗布したトレスの柔らかさを、未処理のトレスの柔らかさと比較し、下記基準に従って点数付けを行った。なお、評価用トレスは、1つの毛髪化粧料組成物の評価を行うごとに、ポリオキシエチレン(2)ラウリル硫酸ナトリウム水溶液(5質量%濃度)を用いて洗浄し、乾燥させて使用した。 未処理のトレスに比べて、かなり柔らかく感じる ・・・5点。 未処理のトレスに比べて、やや柔らかく感じる ・・・4点。 未処理のトレスと柔らかさが同等である ・・・3点。 未処理のトレスに比べて、やや硬く感じる ・・・2点。 未処理のトレスに比べて、かなり硬く感じる ・・・1点。 上記5名の評価者が付けた点数を、実施例、比較例ごとに合計し、下記基準に基づいて各毛髪化粧料組成物による効果を評価した。 21点以上 ・・・◎(十分な柔らかさが出ている)。 18〜20点 ・・・○(柔らかさが出ている)。 13〜17点 ・・・△(未処理のトレスと柔らかさが同等)。 12点以下 ・・・×(柔らかさがない)。 上記の評価結果を表5および表6に示す。なお、表5および表6には、特記事項の欄に、各毛髪(評価用トレス)の状態について、上記専門の評価者が特徴的であると評価した場合に、その内容を併記している。 表5に示す通り、乳化重合により得られたジメチコノール、および高級アルコールに酸化プロピレンと酸化エチレンとを付加重合したブロック型非イオン性界面活性剤を配合した実施例1〜10の毛髪化粧料組成物は、ダメージを与えたトレスの柔らかさを良好に高めることができている。これに対し、表6に示すように、上記ブロック型非イオン性界面活性剤に代えて別の非イオン性界面活性剤を配合した比較例1〜7の毛髪化粧料組成物は、ダメージを与えたトレスに柔らかさを付与する作用が劣っている。 乳化重合によって得られたジメチコノール、および高級アルコールに酸化プロピレンと酸化エチレンとを付加重合したブロック型非イオン性界面活性剤が配合されたことを特徴とする毛髪化粧料組成物。 上記ジメチコノールを含むエマルションを用いたものである請求項1に記載の毛髪化粧料組成物。 上記ブロック型非イオン性界面活性剤が、高級アルコールに2−デシルテトラデシルアルコールを用いて合成されたものである請求項1または2に記載の毛髪化粧料組成物。 上記ジメチコノールの配合量が、0.5〜3.5質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の毛髪化粧料組成物。 【課題】 化学的処理により損傷した毛髪であっても、良好な柔らかさを付与し得る毛髪化粧料組成物を提供する。【解決手段】 乳化重合によって得られたジメチコノール、および高級アルコールに酸化プロピレンと酸化エチレンとを付加重合したブロック型非イオン性界面活性剤が配合されたことを特徴とする毛髪化粧料組成物により、上記課題を解決する。上記ジメチコノールとしては、エマルションの形態のものが好ましく、上記ブロック型非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールに2−デシルテトラデシルアルコールを用いて合成されたものが好ましい。【選択図】 なし