生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_イソシアニド化合物の製造方法
出願番号:2009059482
年次:2010
IPC分類:C07C 291/10,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

北野 克和 JP 2010209041 公開特許公報(A) 20100924 2009059482 20090312 イソシアニド化合物の製造方法 国立大学法人東京農工大学 504132881 平木 祐輔 100091096 石井 貞次 100096183 藤田 節 100118773 北野 克和 C07C 291/10 20060101AFI20100827BHJP C07B 61/00 20060101ALN20100827BHJP JPC07C291/10C07B61/00 300 3 OL 11 4H006 4H039 4H006AA02 4H006AC59 4H006BA51 4H006BE90 4H039CA70 4H039CG10 本発明は、R-NCと表される構造を有するイソシアニド(イソニトリル)化合物の製造方法に関する。 イソシアニド化合物は、R-NCと表される構造を有し、イソニトリル化合物とも呼称されている。例えば、特許文献1に開示されるように、特定の構造を有するイソシアニド化合物について水中付着生物防汚剤として機能することが知られており、この機能を利用し、種々の用途(例えば、船底防汚塗料等)にイソシアニド化合物を利用することが提案されている。また、イソシアニド化合物は、抗マラリア活性などの様々な生理活性を有することが知られており、医薬品や農薬といった分野においても利用用途が期待されている。すなわち、イソシアニド化合物は、その機能や生理活性からファインケミカルズとして、若しくはその原料や中間体として幅広く用途が期待されている。 イソシアニド化合物は、一般に、N−置換ホルムアミド類の脱水反応により製造される。N−置換ホルムアミド類の脱水反応を利用したイソシアニド化合物の製造方法としては、非特許文献1及び2に開示されるように、触媒としてホスゲン−トリエチルアミンを用いる方法が知られている。しかしながら、この方法は、非常に毒性が強いホスゲンを使用するため、通常の施設への適用が困難であり、特に工業的に応用することは困難であった。また、この方法を適用するとしても、ホスゲンの取扱いには細心の注意が必要であり、操作が複雑になってしまうという欠点があった。 また、イソシアニド化合物の製造方法としては、非特許文献3〜6に開示されるように、塩化ホスホリル−カリウムt−ブトキシド、塩化ホスホリル−ピリジン若しくは塩化チオニル−ジメチルホルムアミド(DMF)を用いる方法が知られている。しかしながら、この方法は、反応系が強酸性となるため、酸に弱い官能基を有するN−置換ホルムアミド類には適用できないか、できても収率が低いという欠点があった。さらに、この方法は、反応に際して腐食性の強いハロゲン化水素を発生するため、工業的規模の実施には特殊な反応容器を必要とし、アルカリ洗浄塔等の設備を備えなければならず、製造コストが大幅に高くなってしまうといった問題があった。 さらに、イソシアニド化合物の製造方法としては、非特許文献7〜10に開示されるように、トリフェニルフォスフィン−四塩化炭素、トリフェニルフォスフィン−臭素若しくはトリフェニルフォスフィン−アゾジカルボン酸ジエチルを用いる方法が知られている。しかしながら、この方法は、トリフェニルフォスフィン自体の毒性が強く、通常の施設への適用が困難であり、特に工業的に応用することは困難であった。また、反応終了後、大量に副生するトリフェニルフォスフィンオキシドの分離精製が困難であるという問題があった。 さらにまた、イソシアニド化合物の製造方法としては、非特許文献11に開示されるように、塩化p−トルエンスルホニル−キノリンを用いる方法が知られている。しかしながら、この方法は、イソシアニド化合物のアミノ酸誘導体や、イソシアノベンゼン誘導体の合成には用いることができず、種々のイソシアニド化合物に対する汎用性ないという問題があった。 さらにまた、イソシアニド化合物の製造方法としては、非特許文献12に開示されるように、バージェス試薬(Burgess reagent)を用いる方法が知られている。しかしながら、この方法は、試薬自体の安定性が低く、取扱いが困難であるという問題があった。 さらにまた、イソシアニド化合物の製造方法としては、非特許文献13に開示されるように、トリフルオロメタンスルホン酸無水物−N,N−ジイソプロピルエチルアミンを用いる方法が知られている。しかしながら、この方法は、低温条件(−78℃)を必要とし、低温条件を維持するためコストが高くなると言う問題がある。また、低温条件のもとでは、例えばイソシアノベンゼン誘導体等の合成は効率的ではなく、収量が低下するといった不都合もある。 さらにまた、イソシアニド化合物の製造方法としては、特許文献2に開示されるように、ハロイミニウム塩−トリエチルアミンを用いる方法が知られている。しかしながら、この方法は、ハロイミニウム塩を調整する必要があり、またハロイミニウム塩の取扱いが困難であるという問題があった。WO 2006/035891国際公開公報特開平7−215942号公報Angew. Chem., 77, 492 (1965)Angew. Chem., Int. Ed., 4,472(1965)Org. Synth., 41, 101 (1961)Org. Synth., 41, 13 (1961)Tetrahedron Lett., 2367 (1972)J. Org. Chem., 37, 187 (1972)Angew. Chem., 83, 143 (1971)Angew. Chem., 83, 143 (1971)Ann., 718, 24 (1968)Angew. Chem., 84, 957 (1972)Org. Synth., V, 772 (1973)Perkin Trans. 1, 1015 (1998)Synlett, 603 (1990) 上述のように、イソシアニド化合物の製造方法としては、イソシアニド化合物のアミノ酸誘導体やイソシアノベンゼン誘導体等のイソシアニド化合物の製造にも適用できる汎用性あり、且つ、毒性が低く簡便に取り扱うことができる試薬を使用する方法は知られていなかった。そこで、本発明は、上述した実情に鑑み、汎用性に優れ、且つ、簡単に取り扱うことができる試薬を用いたイソシアニド化合物の製造方法を提供することを目的としている。 上述の目的を達成した本発明は以下を包含する。(1) N−置換ホルムアミド類とリン酸ハロゲン化物とを塩基の存在下に反応させる工程を含むイソシアニド化合物の製造方法。(2) 上記リン酸ハロゲン化物は、下記式で示される化合物であることを特徴とする(1)記載のイソシアニド化合物の製造方法。(ここで、Xは炭素数1〜20のアルコキシ基、-OPh又は炭素数1〜20のジアルキルアミノ基であり、Yはハロゲン、好ましくは塩素、臭素又はヨウ素、最も好ましくは塩素である)(3) N−置換ホルムアミド類は、ベンゼン誘導体又はアミノ酸誘導体であることを特徴とする(1)記載のイソシアニド化合物の製造方法。 本発明によれば、ホスゲンといった毒性の高い物質を使用することなく、種々のイソシアニド化合物を合成対象できる汎用性に優れたイソシアニド化合物の製造方法を提供することができる。本発明に係るイソシアニド化合物の製造方法を適用することによって、試薬の取り扱いのための装置等を必要とせず低コストにイソシアニド化合物を製造することが可能となる。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明に係るイソシアニド化合物の製造方法は、N−置換ホルムアミド類とリン酸ハロゲン化物とを塩基の存在下に反応させることで、N−置換ホルムアミド類からの脱水によりイソシアニド化合物を合成するものである。なお、イソシアニド化合物とは、R-NCと表される構造を有し、イソニトリル化合物とも呼称されている。本発明に係るイソシアニド化合物の製造方法において、製造対象のイソシアニド化合物としては、特に限定されない。すなわち、R-NCで表されるイソシアニド化合物においてRは、アルキル基、シクロアルキル基、アダマンタン基、ベンゼン誘導体等を挙げることができる。言い換えると、N−置換ホルムアミド類は、合成対象のイソシアニド化合物に応じて適宜選択して使用することができる。すなわち、アルキル基を有するイソシアニド化合物を合成する際にはN−アルキル置換ホルムアミドを使用し、シクロアルキル基を有するイソシアニド化合物を合成する際にはN−シクロアルキル置換ホルムアミドを使用し、アダマンタン基を有するイソシアニド化合物を合成する際にはN−アダマンタン置換ホルムアミドを使用し、ベンゼン誘導体イソシアニド化合物を合成する際にはN−ベンゼン誘導体置換ホルムアミドを使用すればよい。 また、本反応において、リン酸ハロゲン化物とは、リン酸における3つの水酸基のうち1又は2の水酸基がハロゲンで置換され、残りの2又は1の水酸基が他の置換基で置換された構造を有する化合物である。すなわち、本反応に使用できるリン酸におけるリン酸ハロゲン化物としては、リン酸における3つの水酸基のうち2つの水酸基がハロゲンで置換され、1つの水酸基が他の置換基で置換された構造、及びリン酸における3つの水酸基のうち1つの水酸基がハロゲンで置換され、2つの水酸基が他の置換基で置換された構造の療法を含む意味である。 特に、本反応においてリン酸ハロゲン化物としては、リン酸における3つの水酸基のうち2つの水酸基がハロゲンで置換され、1つの水酸基が他の置換基で置換された構造、すなわち下記式で示される化合物を使用することが好ましい。(ここで、Xは炭素数1〜20のアルコキシ基、-OPh又は炭素数1〜20のジアルキルアミノ基であり、Yはハロゲン、好ましくは塩素、臭素又はヨウ素、最も好ましくは塩素である) より具体的に、本反応において、リン酸ハロゲン化物としては、ジクロロリン酸化合物を使用することが好ましい。ジクロロリン酸化合物としては、ジクロロリン酸エチル(X=EtO、Y=Cl)、ジクロロリン酸フェニル(X=PhO、Y=Cl)、ジメチルアミノジホスホリルジクロリド(X=Me2N、Y=Cl)が使用可能を挙げることができる。 また、リン酸ハロゲン化物として、リン酸における3つの水酸基のうち1つの水酸基がハロゲンで置換され、2つの水酸基が他の置換基で置換された構造を有する化合物としては、例えば、クロロリン酸ジエチル、クロロリン酸ジフェニル、ビス(ジメチルアミノ)ホスホクロリダート等を挙げることができる。 さらに、リン酸ハロゲン化物としては、上述した構造を有する化合物に限定されず、ポリマーに担持された構造を有するものであっても良い。すなわち、本発明に係るイソシアニド化合物の製造方法は、上記式においてXがポリマー鎖であるリン酸ハロゲン化物を使用することもできる。ポリマーに担持させたリン酸ハロゲン化物を使用した場合には反応終了後のリン酸ハロゲン化物の回収が容易となる。また、リン酸ハロゲン化物担持ポリマーを固定した反応器を準備することで、本発明に係るイソシアニド化合物の製造方法を工業規模で容易に実施することができる。ここで、ポリマーとしては、従来使用されている如何なるポリマーを使用することができるが、例えば、ポリスチレン、ポリエチレングリコール、シリコンポリマー、フッ素ポリマー、アクリルポリマー、ウレタンポリマー等を使用することができる。 一方、本反応において、塩基としては、特に限定されず、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの三級アミンを使用することができる。 本反応におけるN−置換ホルムアミド類とリン酸ハロゲン化物との投入量は、特に限定されないが、N−置換ホルムアミド類に対してリン酸ハロゲン化物を0.5倍当量以上(eq、倍mol)とすることが好ましく、1.0〜1.5倍当量(eq、倍mol)とすることがより好ましく、1.2〜1.3倍当量(eq、倍mol)とすることが最も好ましい。一例としては、N−置換ホルムアミド類に対してリン酸ハロゲン化物を1.2倍当量(eq、倍mol)とすることができる。 また、本反応における反応温度は、特に限定されないが、20〜27℃として定義される室温で行うことが好ましい。反応は、反応混合物を液体クロマトグラフィー等で随時モニターし、所望の量のイソシアニド化合物が生成するまで反応を行ってよいが、2〜4時間程度反応させることが好ましい。 以上で説明した反応によりイソシアニド化合物を合成することができるが、上述した反応で得られた反応混合物から目的化合物であるイソシアニド化合物を単離する方法は特に限定されない。例えば、先ず、反応混合物を水相と油相に分離する。水相にはアミン、酸、塩等が溶解し、油相にはイソシアニド化合物が溶解するようにする。次に分液して油相を取り出し、シリカゲルカラマトグラフィー等の公知の分離機器を用いてイソシアニド化合物を単離することができる。また反応混合物が固体物を含む場合は、固形物を濾過により分離してもよい。 特に、本反応に使用するリン酸ハロゲン化物は、ホスゲンやトリフェニルフォスフィンと異なり強い毒性を示す化合物ではなく、試薬自体の安定性も高い。したがって、上述した反応は、試薬の取り扱いが容易であり、且つ安全性に優れた反応系であると言える。 また、上述した反応は、塩基の存在下に進行するため、酸に弱い官能基を有するN−置換ホルムアミド類に対しても優れた収率を達成することができる。さらに、上述した反応では、腐食性の強いハロゲン化水素等の副生成物が発生しない。したがって、副生成物の除去に必要な反応容器等の設備を要することなく、容易に工業的規模で実施することができる。さらにまた、本反応は、室温で行うことができるため、温度調節のための設備を要することなく簡便に実施することができる。 以上のように、本発明に係るイソシアニド化合物の製造方法を適用することによって、水中付着生物防汚剤、医薬品及び農薬等に代表されるファインケミカルズとしての用途が期待される、種々の構造を有するイソシアニド化合物を実験室規模又は工業規模で安全に製造することができる。 以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。〔実施例1〕イソシアノドデカンの合成 N−ドデシルホルムアミド(103.4 mg, 0.48 mmol)をピリジン(1 mL)に溶解し、ジクロロリン酸フェニル(186.4 μL, 0.58 mmol)を加え、室温にて3時間攪拌した。反応液に、水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を1M−HCl、炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1) により精製し、化合物イソシアノドデカン(85.5 mg, 0.44 mmol, 92%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 3.38 (2H, tt, J = 6.6, 2.2 Hz), 1.71-1.64 (2H, m), 1.43 (2H, quint, J = 7.3Hz), 1.35-1.21 (16H, m), 0.88 (3H, t, J = 7.3 Hz); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 155.6 (t, J = 6.2 Hz), 41.5 (t, J = 6.2 Hz), 31.9, 29.6, 29.5, 29.3, 29.3, 29.1, 28.7, 26.3, 22.6, 14.1.〔実施例2〕イソシアノシクロドデカンの合成 N−シクロドデシルホルムアミド(105.2 mg, 0.50 mmol)をピリジン(1 mL)に溶解し、ジクロロリン酸フェニル(88.7 μL, 0.60 mmol)を加え、室温にて3時間撹拌した。反応液に、水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を1M−HCl、炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 20: 1)により精製し、イソシアノシクロドデカン(85.1 mg, 0.44 mmol, 88 %)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.68-3.61 (1H, m), 1.80 (2H, dt, J = 19.8, 6.6 Hz), 1.70-1.61 (2H, m), 1.56-1.47 (2H, m), 1.46-1.36 (4H, m), 1.32 (12H, br); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 153.7 (t, J = 5.0 Hz), 51.2 (t, J = 5.0 Hz), 30.3, 23.7, 23.6, 23.2, 23.1, 20.1.〔実施例3〕イソシアノアダマンタンの合成 N−アダマンチルホルムアミド(109.5 mg, 0.61 mmol)をピリジン(1 mL)に溶解し、ジクロロリン酸フェニル(108.3 μL, 0.73 mmol)を加え、室温にて3時間撹拌した。反応液に、水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を1M−HCl、炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 20:1)により精製し、イソシアノアダマンタン(77.3 mg, 0.48 mmol, 79 %)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 2.09 (3H, br), 2.02 (6H, br), 1.66 (6H, br); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 151.7, (t, J = 5.0 Hz), 54.2 (t, J = 5.0 Hz), 43.5, 35.5, 28.7.〔比較例1〕2−イソシアノ−3−メチルブタン酸ベンジルエステルの合成 N−ホルミルバリンベンジルエステル(332.0 mg, 1.41 mmol)をピリジン(5 mL)に溶解し、塩化p−トルエンスルホニル(TsCl)(404 mg, 2.12 mmol)を加え氷冷下で3時間撹拌した。反応液に、飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を1M−HCl、炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)により精製し、2−イソシアノ−3−メチルブタン酸ベンジルエステル(80.1 mg, 0.37 mmol, 26%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.32 (5H, m), 5.23 (2H,dd, J = 14.7, 11.7 Hz), 4.20 (1H, d, J = 3.7 Hz), 2.34 (1H, dt, J = 19.8, 6.6 Hz), 1.09 (3H, d, J = 7.3 Hz), 0.96 (3H, d, J = 6.6 Hz); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 166.2, 160.5 (t, J = 5.0 Hz), 134.7, 128.7, 128.7, 128.4, 68.0, 62.9 (t, J = 6.2 Hz), 31.2, 19.3, 16.5. 比較例1の結果から、塩化p−トルエンスルホニルを使用するイソシアニド化合物の製造方法(Org. Synth., V, 772 (1973))では、N−置換ホルムアミド類としてアミノ酸誘導体を使用した場合に収量が著しく低くなることが示された。〔実施例4〕2−イソシアノ−3−メチルブタン酸ベンジルエステルの合成 N−ホルミルバリンベンジルエステル(109.6 mg, 0.47 mmol)をピリジン(1 mL)に溶解し、ジクロロリン酸フェニル(83.1 μL, 0.56 mmol)を加え、室温にて3時間撹拌した。反応液に、水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を1M−HCl、炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 5:1)により精製し、2−イソシアノ−3−メチルブタン酸ベンジルエステル(80.9 mg, 0.37 mmol, 79%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.32 (5H, m), 5.23 (2H,dd, J = 14.7, 11.7 Hz), 4.20 (1H, d, J = 3.7 Hz), 2.34 (1H, dt, J = 19.8, 6.6 Hz), 1.09 (3H, d, J = 7.3 Hz), 0.96 (3H, d, J = 6.6 Hz); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 166.2, 160.5 (t, J = 5.0 Hz), 134.7, 128.7, 128.7, 128.4, 68.0, 62.9 (t, J = 6.2 Hz), 31.2, 19.3, 16.5. 実施例4の結果から、リン酸ハロゲン化物を使用することによってN−置換ホルムアミド類としてアミノ酸誘導体を使用した場合であっても、比較例1の方法とは異なり、優れた収率を達成できることが分かった。〔比較例2〕2−イソシアノ−3−フェニルプロパン酸エチルエステルの合成N−ホルミルフェニルアラニンエチルエステル(306.5 mg, 1.39 mmol)をピリジン(5 mL)に溶解し、塩化p−トルエンスルホニル(TsCl)(401.2 mg, 2.10 mmol)を加え氷冷下で2時間撹拌した。反応液に、飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を1M−HCl、炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により精製し、2−イソシアノ−3−フェニルプロパン酸エチルエステル(64.3 mg, 0.32 mmol, 24%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.34 (2H, t, J = 7.32 Hz), 7.30 (1H,t, J = 7.32 Hz), 7.26 (2H, d, J = 7.32 Hz), 4.44 (1H, dd, J = 8.8, 5.1 Hz), 4.24 (2H, q, J = 7.3 Hz), 3.25 (1H, dd, J = 13.2, 5.1 Hz), 3.14 (1H, dd, J = 13.9, 8.8 Hz), 1.26 (3H, t, J = 7.3 Hz); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 166.0, 160.8 (t, J = 6.2 Hz), 134.4, 129.3, 128.7, 127.8, 62.7, 58.1 (t, J = 7.4 Hz), 38.9, 13.9. 比較例2の結果から、塩化p−トルエンスルホニルを使用するイソシアニド化合物の製造方法(Org. Synth., V, 772 (1973))では、N−置換ホルムアミド類としてアミノ酸誘導体を使用した場合に収量が著しく低くなることが示された。〔実施例5〕2−イソシアノ−3−フェニルプロパン酸エチルエステルの合成 N−ホルミルフェニルアラニンエチルエステル(117.6 mg, 0.53 mmol)をピリジン(1 mL)に溶解し、ジクロロリン酸フェニル(94.8 μL, 0.64 mmol)を加え、室温にて3時間撹拌した。反応液に、水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を1M−HCl、炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 4:1)により精製し、2−イソシアノ−3−フェニルプロパン酸エチルエステル(66.0 mg, 0.32 mmol, 60%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.34 (2H, t, J = 7.32 Hz), 7.30 (1H,t, J = 7.32 Hz), 7.26 (2H, d, J = 7.32 Hz), 4.44 (1H, dd, J = 8.8, 5.1 Hz), 4.24 (2H, q, J = 7.3 Hz), 3.25 (1H, dd, J = 13.2, 5.1 Hz), 3.14 (1H, dd, J = 13.9, 8.8 Hz), 1.26 (3H, t, J = 7.3 Hz); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 166.0, 160.8 (t, J = 6.2 Hz), 134.4, 129.3, 128.7, 127.8, 62.7, 58.1 (t, J = 7.4 Hz), 38.9, 13.9. 実施例5の結果から、リン酸ハロゲン化物を使用することによってN−置換ホルムアミド類としてアミノ酸誘導体を使用した場合であっても、比較例2の方法とは異なり、優れた収率を達成できることが分かった。〔実施例6〕4−ヘプチルイソシアノベンゼンの合成(1) N−(4−ヘプチルフェニル)ホルムアミド(99 mg, 0.45 mmol)を塩化メチレン(1 mL)に溶解し、トリエチルアミン(1 mL)とジクロロリン酸フェニル(115 mg, 0.54 mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液に、飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 10:1)によって精製し、4−ヘプチルイソシアノベンゼン(82 mg, 0.41 mmol, 91%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.27 (2H, t, J = 8.1, 5.1 Hz), 7.18 (2H, d, J = 8.1 Hz), 2.61 (2H, t, J = 8.1 Hz), 1.59 (2H, m), 1.30 (8H, m), 0.88 (3H, t, J = 7.2 Hz); 13C NMR (150 MHz, CDCl3 ) δ 163.2 (br), 144.6, 129.2, 126.1, 124.1 (t, J = 12.4 Hz), 35.6, 31.6, 31.0, 29.0, 29.0, 22.5, 14.0.〔実施例7〕4−ヘプチルイソシアノベンゼンの合成(2) N−(4−ヘプチルフェニル)ホルムアミド(112 mg, 0.51 mmol)を塩化メチレン(1 mL)に溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1 mL)とジクロロリン酸フェニル(126 mg, 0.61 mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液に、飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 10:1)によって精製し、4−ヘプチルイソシアノベンゼン(88 mg, 0.44 mmol, 86% )を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.27 (2H, t, J = 8.1, 5.1 Hz), 7.18 (2H, d, J = 8.1 Hz), 2.61 (2H, t, J = 8.1 Hz), 1.59 (2H, m), 1.30 (8H, m), 0.88 (3H, t, J = 7.2 Hz); 13C NMR (150 MHz, CDCl3 ) δ 163.2 (br), 144.6, 129.2, 126.1, 124.1 (t, J = 12.4 Hz), 35.6, 31.6, 31.0, 29.0, 29.0, 22.5, 14.0.〔実施例8〕4−ヘプチルイソシアノベンゼンの合成(3) N−(4−ヘプチルフェニル)ホルムアミド(98 mg, 0.45 mmol)を塩化メチレン(1 mL)に溶解し、トリエチルアミン(1 mL)とジクロロリン酸エチル(84 mg, 0.54 mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液に、飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 10:1)によって精製し、4−ヘプチルイソシアノベンゼン(78 mg, 0.39 mmol, 86%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.27 (2H, t, J = 8.1, 5.1 Hz), 7.18 (2H, d, J = 8.1 Hz), 2.61 (2H, t, J = 8.1 Hz), 1.59 (2H, m), 1.30 (8H, m), 0.88 (3H, t, J = 7.2 Hz); 13C NMR (150 MHz, CDCl3 ) δ 163.2 (br), 144.6, 129.2, 126.1, 124.1 (t, J = 12.4 Hz), 35.6, 31.6, 31.0, 29.0, 29.0, 22.5, 14.0.〔実施例9〕4−ヘプチルイソシアノベンゼンの合成(4) N−(4−ヘプチルフェニル)ホルムアミド(112 mg, 0.51 mmol)を塩化メチレン(1 mL)に溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1 mL)とジクロロリン酸エチル(1.2 eq, 126 mg, 0.61 mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液に、飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 10:1)によって精製し、4−ヘプチルイソシアノベンゼン(96 mg, 0.48 mmol, 94%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.27 (2H, t, J = 8.1, 5.1 Hz), 7.18 (2H, d, J = 8.1 Hz), 2.61 (2H, t, J = 8.1 Hz), 1.59 (2H, m), 1.30 (8H, m), 0.88 (3H, t, J = 7.2 Hz); 13C NMR (150 MHz, CDCl3 ) δ 163.2 (br), 144.6, 129.2, 126.1, 124.1 (t, J = 12.4 Hz), 35.6, 31.6, 31.0, 29.0, 29.0, 22.5, 14.0.〔実施例10〕4−ブロモイソシアノベンゼンの合成(1) N−(4−ブロモフェニル)ホルムアミド(98.6 mg, 0.49 mmol)をジクロロメタン(1 mL)に溶解し、トリエチルアミン(1 mL)とジクロロリン酸エチル(81.0 mg, 0.60 mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液に、飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)によって精製し、4−ブロモフェニルイソシアノベンゼン(74 mg, 0.40 mmol, 82%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.53 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.25 (2H, d, J = 9.0 Hz); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 165.9 (t, J = 5.0 Hz), 132.7, 127.8, 125.5 (t, J = 13.7 Hz), 123.4.〔実施例11〕4−ブロモイソシアノベンゼンの合成(2) N−(4−ブロモフェニル)ホルムアミド(100.4 mg, 0.50 mmol)をジクロロメタン(1 mL)に溶解し、トリエチルアミン(1 mL)とジクロロリン酸フェニル(105.0 mg, 0.50 mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液に、飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)によって精製し、4−ブロモフェニルイソシアノベンゼン(73 mg, 0.40 mmol, 82%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.53 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.25 (2H, d, J = 9.0 Hz); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 165.9 (t, J = 5.0 Hz), 132.7, 127.8, 125.5 (t, J = 13.7 Hz), 123.4.〔比較例3〕4−ベンジルオキシイソシアノベンゼンの合成 N−(4−ベンジルオキシフェニル)ホルムアミド(455.0 mg, 2.0 mmol)をピリジン(3 mL)に溶解し、塩化p−トルエンスルホニル(762 mg, 4.0 mmol)を加えて、室温にて24時間撹拌したが、反応は一切進行しなかった。 比較例3の結果から、塩化p−トルエンスルホニルを使用するイソシアニド化合物の製造方法(Org. Synth., V, 772 (1973))では、N−置換ホルムアミド類としてベンゼン誘導体を使用した場合には、反応が進行せずイソシアニド化合物を合成できないことがが示された。〔実施例12〕4−ベンジルオキシイソシアノベンゼンの合成(1) N−(4−ベンジルオキシフェニル)ホルムアミド(118.1 mg, 0.52 mmol)を塩化メチレン(1 mL)に溶解し、トリエチルアミン(1 mL)とジクロロリン酸エチル(81.0 mg, 0.50 mmol)を加えて、室温にて2時間撹拌した。反応液に、飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 5:1) によって精製し、4−ベンジルオキシイソシアノベンゼン(91 mg, 0.43 mmol, 83%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.39 (4H, m), 7.36-7.33 (1H, m), 7.31 (2H, d, J = 8.8 Hz), 6.94 (2H, d, J = 8.8 Hz), 5.07 (2H, s); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 162.8 (br), 159.0, 136.0, 128.7, 128.3, 127.7, 127.4, 119.7 (t, J = 13.7Hz), 115.5, 70.3. 実施例12の結果から、リン酸ハロゲン化物を使用することによってN−置換ホルムアミド類としてベンゼン誘導体を使用した場合であっても、比較例3の方法とは異なり、優れた収率を達成できることが分かった。〔実施例13〕4−ベンジルオキシイソシアノベンゼンの合成(2) N−(4−ベンジルオキシフェニル)ホルムアミド(116.4 mg, 0.51 mmol)を塩化メチレン(1 mL)に溶解し、トリエチルアミン(1 mL)とジクロロリン酸フェニル(105.0 mg, 0.50 mmol) を加えて、室温にて2時間撹拌した。反応液に、飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 5:1) によって精製し、4−ベンジルオキシイソシアノベンゼン(94 mg, 0.45 mmol, 88%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.39 (4H, m), 7.36-7.33 (1H, m), 7.31 (2H, d, J = 8.8 Hz), 6.94 (2H, d, J = 8.8 Hz), 5.07 (2H, s); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 162.8 (br), 159.0, 136.0, 128.7, 128.3, 127.7, 127.4, 119.7 (t, J = 13.7Hz),, 115.5, 70.3. 実施例12の結果から、リン酸ハロゲン化物を使用することによってN−置換ホルムアミド類としてベンゼン誘導体を使用した場合であっても、比較例3の方法とは異なり、優れた収率を達成できることが分かった。〔比較例4〕4−ベンジルオキシイソシアノベンゼンの合成 N−(4−ベンジルオキシフェニル)ホルムアミド(455.0 mg, 2.0 mmol)を塩化メチレン(10 mL)に溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(4 mL)とトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.7 mL) を加えて、アルゴン気流中、氷温下で10分間撹拌した。反応液に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を1M−HCl、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 5:1) によって精製し、4−ベンジルオキシイソシアノベンゼン(38 mg, 0.18 mmol, 9%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.39 (4H, m), 7.36-7.33 (1H, m), 7.31 (2H, d, J = 8.8 Hz), 6.94 (2H, d, J = 8.8 Hz), 5.07 (2H, s); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 162.8 (br), 159.0, 136.0, 128.7, 128.3, 127.7, 127.4, 119.7 (t, J = 13.7Hz),, 115.5, 70.3. 比較例4の結果から、トリフルオロメタンスルホン酸無水物−N,N−ジイソプロピルエチルアミンを用いてイソシアニド化合物を製造する方法〔Synlett, 603 (1990)〕では、N−置換ホルムアミド類としてベンゼン誘導体を使用した場合に収量が著しく低くなることが示された。 N−置換ホルムアミド類とリン酸ハロゲン化物とを塩基の存在下に反応させる工程を含むイソシアニド化合物の製造方法。 上記リン酸ハロゲン化物は、下記式で示される化合物であることを特徴とする請求項1記載のイソシアニド化合物の製造方法。(ここで、Xは炭素数1〜20のアルコキシ基、-OPh又は炭素数1〜20のジアルキルアミノ基であり、Yはハロゲン、好ましくは塩素、臭素又はヨウ素、最も好ましくは塩素である) N−置換ホルムアミド類は、ベンゼン誘導体又はアミノ酸誘導体であることを特徴とする請求項1記載のイソシアニド化合物の製造方法。 【課題】汎用性に優れ、且つ、簡単に取り扱うことができる試薬を用いてイソシアニド化合物を製造する。【解決手段】N−置換ホルムアミド類とリン酸ハロゲン化物とを塩基の存在下に反応させる工程を含むイソシアニド化合物の製造方法。【選択図】なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る

特許公報(B2)_イソシアニド化合物の製造方法

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_イソシアニド化合物の製造方法
出願番号:2009059482
年次:2013
IPC分類:C07C 291/10,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

北野 克和 JP 5212945 特許公報(B2) 20130308 2009059482 20090312 イソシアニド化合物の製造方法 国立大学法人東京農工大学 504132881 平木 祐輔 100091096 石井 貞次 100096183 藤田 節 100118773 北野 克和 20130619 C07C 291/10 20060101AFI20130530BHJP C07B 61/00 20060101ALN20130530BHJP JPC07C291/10C07B61/00 300 C07B 31/00−61/00;63/00−63/04 C07C 1/00−409/44 特開平01−143850(JP,A) 特開2008−133257(JP,A) 特表2007−518758(JP,A) 3 2010209041 20100924 12 20120312 柿崎 美陶 本発明は、R-NCと表される構造を有するイソシアニド(イソニトリル)化合物の製造方法に関する。 イソシアニド化合物は、R-NCと表される構造を有し、イソニトリル化合物とも呼称されている。例えば、特許文献1に開示されるように、特定の構造を有するイソシアニド化合物について水中付着生物防汚剤として機能することが知られており、この機能を利用し、種々の用途(例えば、船底防汚塗料等)にイソシアニド化合物を利用することが提案されている。また、イソシアニド化合物は、抗マラリア活性などの様々な生理活性を有することが知られており、医薬品や農薬といった分野においても利用用途が期待されている。すなわち、イソシアニド化合物は、その機能や生理活性からファインケミカルズとして、若しくはその原料や中間体として幅広く用途が期待されている。 イソシアニド化合物は、一般に、N−置換ホルムアミド類の脱水反応により製造される。N−置換ホルムアミド類の脱水反応を利用したイソシアニド化合物の製造方法としては、非特許文献1及び2に開示されるように、触媒としてホスゲン−トリエチルアミンを用いる方法が知られている。しかしながら、この方法は、非常に毒性が強いホスゲンを使用するため、通常の施設への適用が困難であり、特に工業的に応用することは困難であった。また、この方法を適用するとしても、ホスゲンの取扱いには細心の注意が必要であり、操作が複雑になってしまうという欠点があった。 また、イソシアニド化合物の製造方法としては、非特許文献3〜6に開示されるように、塩化ホスホリル−カリウムt−ブトキシド、塩化ホスホリル−ピリジン若しくは塩化チオニル−ジメチルホルムアミド(DMF)を用いる方法が知られている。しかしながら、この方法は、反応系が強酸性となるため、酸に弱い官能基を有するN−置換ホルムアミド類には適用できないか、できても収率が低いという欠点があった。さらに、この方法は、反応に際して腐食性の強いハロゲン化水素を発生するため、工業的規模の実施には特殊な反応容器を必要とし、アルカリ洗浄塔等の設備を備えなければならず、製造コストが大幅に高くなってしまうといった問題があった。 さらに、イソシアニド化合物の製造方法としては、非特許文献7〜10に開示されるように、トリフェニルフォスフィン−四塩化炭素、トリフェニルフォスフィン−臭素若しくはトリフェニルフォスフィン−アゾジカルボン酸ジエチルを用いる方法が知られている。しかしながら、この方法は、トリフェニルフォスフィン自体の毒性が強く、通常の施設への適用が困難であり、特に工業的に応用することは困難であった。また、反応終了後、大量に副生するトリフェニルフォスフィンオキシドの分離精製が困難であるという問題があった。 さらにまた、イソシアニド化合物の製造方法としては、非特許文献11に開示されるように、塩化p−トルエンスルホニル−キノリンを用いる方法が知られている。しかしながら、この方法は、イソシアニド化合物のアミノ酸誘導体や、イソシアノベンゼン誘導体の合成には用いることができず、種々のイソシアニド化合物に対する汎用性ないという問題があった。 さらにまた、イソシアニド化合物の製造方法としては、非特許文献12に開示されるように、バージェス試薬(Burgess reagent)を用いる方法が知られている。しかしながら、この方法は、試薬自体の安定性が低く、取扱いが困難であるという問題があった。 さらにまた、イソシアニド化合物の製造方法としては、非特許文献13に開示されるように、トリフルオロメタンスルホン酸無水物−N,N−ジイソプロピルエチルアミンを用いる方法が知られている。しかしながら、この方法は、低温条件(−78℃)を必要とし、低温条件を維持するためコストが高くなると言う問題がある。また、低温条件のもとでは、例えばイソシアノベンゼン誘導体等の合成は効率的ではなく、収量が低下するといった不都合もある。 さらにまた、イソシアニド化合物の製造方法としては、特許文献2に開示されるように、ハロイミニウム塩−トリエチルアミンを用いる方法が知られている。しかしながら、この方法は、ハロイミニウム塩を調整する必要があり、またハロイミニウム塩の取扱いが困難であるという問題があった。WO 2006/035891国際公開公報特開平7−215942号公報Angew. Chem., 77, 492 (1965)Angew. Chem., Int. Ed., 4,472(1965)Org. Synth., 41, 101 (1961)Org. Synth., 41, 13 (1961)Tetrahedron Lett., 2367 (1972)J. Org. Chem., 37, 187 (1972)Angew. Chem., 83, 143 (1971)Angew. Chem., 83, 143 (1971)Ann., 718, 24 (1968)Angew. Chem., 84, 957 (1972)Org. Synth., V, 772 (1973)Perkin Trans. 1, 1015 (1998)Synlett, 603 (1990) 上述のように、イソシアニド化合物の製造方法としては、イソシアニド化合物のアミノ酸誘導体やイソシアノベンゼン誘導体等のイソシアニド化合物の製造にも適用できる汎用性あり、且つ、毒性が低く簡便に取り扱うことができる試薬を使用する方法は知られていなかった。そこで、本発明は、上述した実情に鑑み、汎用性に優れ、且つ、簡単に取り扱うことができる試薬を用いたイソシアニド化合物の製造方法を提供することを目的としている。 上述の目的を達成した本発明は以下を包含する。(1) N−置換ホルムアミド類とリン酸ハロゲン化物とを塩基の存在下に反応させる工程を含むイソシアニド化合物の製造方法。(2) 上記リン酸ハロゲン化物は、下記式で示される化合物であることを特徴とする(1)記載のイソシアニド化合物の製造方法。(ここで、Xは炭素数1〜20のアルコキシ基、-OPh又は炭素数1〜20のジアルキルアミノ基であり、Yはハロゲン、好ましくは塩素、臭素又はヨウ素、最も好ましくは塩素である)(3) N−置換ホルムアミド類は、ベンゼン誘導体又はアミノ酸誘導体であることを特徴とする(1)記載のイソシアニド化合物の製造方法。 本発明によれば、ホスゲンといった毒性の高い物質を使用することなく、種々のイソシアニド化合物を合成対象できる汎用性に優れたイソシアニド化合物の製造方法を提供することができる。本発明に係るイソシアニド化合物の製造方法を適用することによって、試薬の取り扱いのための装置等を必要とせず低コストにイソシアニド化合物を製造することが可能となる。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明に係るイソシアニド化合物の製造方法は、N−置換ホルムアミド類とリン酸ハロゲン化物とを塩基の存在下に反応させることで、N−置換ホルムアミド類からの脱水によりイソシアニド化合物を合成するものである。なお、イソシアニド化合物とは、R-NCと表される構造を有し、イソニトリル化合物とも呼称されている。本発明に係るイソシアニド化合物の製造方法において、製造対象のイソシアニド化合物としては、特に限定されない。すなわち、R-NCで表されるイソシアニド化合物においてRは、アルキル基、シクロアルキル基、アダマンタン基、ベンゼン誘導体等を挙げることができる。言い換えると、N−置換ホルムアミド類は、合成対象のイソシアニド化合物に応じて適宜選択して使用することができる。すなわち、アルキル基を有するイソシアニド化合物を合成する際にはN−アルキル置換ホルムアミドを使用し、シクロアルキル基を有するイソシアニド化合物を合成する際にはN−シクロアルキル置換ホルムアミドを使用し、アダマンタン基を有するイソシアニド化合物を合成する際にはN−アダマンタン置換ホルムアミドを使用し、ベンゼン誘導体イソシアニド化合物を合成する際にはN−ベンゼン誘導体置換ホルムアミドを使用すればよい。 また、本反応において、リン酸ハロゲン化物とは、リン酸における3つの水酸基のうち1又は2の水酸基がハロゲンで置換され、残りの2又は1の水酸基が他の置換基で置換された構造を有する化合物である。すなわち、本反応に使用できるリン酸におけるリン酸ハロゲン化物としては、リン酸における3つの水酸基のうち2つの水酸基がハロゲンで置換され、1つの水酸基が他の置換基で置換された構造、及びリン酸における3つの水酸基のうち1つの水酸基がハロゲンで置換され、2つの水酸基が他の置換基で置換された構造の療法を含む意味である。 特に、本反応においてリン酸ハロゲン化物としては、リン酸における3つの水酸基のうち2つの水酸基がハロゲンで置換され、1つの水酸基が他の置換基で置換された構造、すなわち下記式で示される化合物を使用することが好ましい。(ここで、Xは炭素数1〜20のアルコキシ基、-OPh又は炭素数1〜20のジアルキルアミノ基であり、Yはハロゲン、好ましくは塩素、臭素又はヨウ素、最も好ましくは塩素である) より具体的に、本反応において、リン酸ハロゲン化物としては、ジクロロリン酸化合物を使用することが好ましい。ジクロロリン酸化合物としては、ジクロロリン酸エチル(X=EtO、Y=Cl)、ジクロロリン酸フェニル(X=PhO、Y=Cl)、ジメチルアミノジホスホリルジクロリド(X=Me2N、Y=Cl)が使用可能を挙げることができる。 また、リン酸ハロゲン化物として、リン酸における3つの水酸基のうち1つの水酸基がハロゲンで置換され、2つの水酸基が他の置換基で置換された構造を有する化合物としては、例えば、クロロリン酸ジエチル、クロロリン酸ジフェニル、ビス(ジメチルアミノ)ホスホクロリダート等を挙げることができる。 さらに、リン酸ハロゲン化物としては、上述した構造を有する化合物に限定されず、ポリマーに担持された構造を有するものであっても良い。すなわち、本発明に係るイソシアニド化合物の製造方法は、上記式においてXがポリマー鎖であるリン酸ハロゲン化物を使用することもできる。ポリマーに担持させたリン酸ハロゲン化物を使用した場合には反応終了後のリン酸ハロゲン化物の回収が容易となる。また、リン酸ハロゲン化物担持ポリマーを固定した反応器を準備することで、本発明に係るイソシアニド化合物の製造方法を工業規模で容易に実施することができる。ここで、ポリマーとしては、従来使用されている如何なるポリマーを使用することができるが、例えば、ポリスチレン、ポリエチレングリコール、シリコンポリマー、フッ素ポリマー、アクリルポリマー、ウレタンポリマー等を使用することができる。 一方、本反応において、塩基としては、特に限定されず、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの三級アミンを使用することができる。 本反応におけるN−置換ホルムアミド類とリン酸ハロゲン化物との投入量は、特に限定されないが、N−置換ホルムアミド類に対してリン酸ハロゲン化物を0.5倍当量以上(eq、倍mol)とすることが好ましく、1.0〜1.5倍当量(eq、倍mol)とすることがより好ましく、1.2〜1.3倍当量(eq、倍mol)とすることが最も好ましい。一例としては、N−置換ホルムアミド類に対してリン酸ハロゲン化物を1.2倍当量(eq、倍mol)とすることができる。 また、本反応における反応温度は、特に限定されないが、20〜27℃として定義される室温で行うことが好ましい。反応は、反応混合物を液体クロマトグラフィー等で随時モニターし、所望の量のイソシアニド化合物が生成するまで反応を行ってよいが、2〜4時間程度反応させることが好ましい。 以上で説明した反応によりイソシアニド化合物を合成することができるが、上述した反応で得られた反応混合物から目的化合物であるイソシアニド化合物を単離する方法は特に限定されない。例えば、先ず、反応混合物を水相と油相に分離する。水相にはアミン、酸、塩等が溶解し、油相にはイソシアニド化合物が溶解するようにする。次に分液して油相を取り出し、シリカゲルカラマトグラフィー等の公知の分離機器を用いてイソシアニド化合物を単離することができる。また反応混合物が固体物を含む場合は、固形物を濾過により分離してもよい。 特に、本反応に使用するリン酸ハロゲン化物は、ホスゲンやトリフェニルフォスフィンと異なり強い毒性を示す化合物ではなく、試薬自体の安定性も高い。したがって、上述した反応は、試薬の取り扱いが容易であり、且つ安全性に優れた反応系であると言える。 また、上述した反応は、塩基の存在下に進行するため、酸に弱い官能基を有するN−置換ホルムアミド類に対しても優れた収率を達成することができる。さらに、上述した反応では、腐食性の強いハロゲン化水素等の副生成物が発生しない。したがって、副生成物の除去に必要な反応容器等の設備を要することなく、容易に工業的規模で実施することができる。さらにまた、本反応は、室温で行うことができるため、温度調節のための設備を要することなく簡便に実施することができる。 以上のように、本発明に係るイソシアニド化合物の製造方法を適用することによって、水中付着生物防汚剤、医薬品及び農薬等に代表されるファインケミカルズとしての用途が期待される、種々の構造を有するイソシアニド化合物を実験室規模又は工業規模で安全に製造することができる。 以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。〔実施例1〕イソシアノドデカンの合成 N−ドデシルホルムアミド(103.4 mg, 0.48 mmol)をピリジン(1 mL)に溶解し、ジクロロリン酸フェニル(186.4 μL, 0.58 mmol)を加え、室温にて3時間攪拌した。反応液に、水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を1M−HCl、炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1) により精製し、化合物イソシアノドデカン(85.5 mg, 0.44 mmol, 92%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 3.38 (2H, tt, J = 6.6, 2.2 Hz), 1.71-1.64 (2H, m), 1.43 (2H, quint, J = 7.3Hz), 1.35-1.21 (16H, m), 0.88 (3H, t, J = 7.3 Hz); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 155.6 (t, J = 6.2 Hz), 41.5 (t, J = 6.2 Hz), 31.9, 29.6, 29.5, 29.3, 29.3, 29.1, 28.7, 26.3, 22.6, 14.1.〔実施例2〕イソシアノシクロドデカンの合成 N−シクロドデシルホルムアミド(105.2 mg, 0.50 mmol)をピリジン(1 mL)に溶解し、ジクロロリン酸フェニル(88.7 μL, 0.60 mmol)を加え、室温にて3時間撹拌した。反応液に、水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を1M−HCl、炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 20: 1)により精製し、イソシアノシクロドデカン(85.1 mg, 0.44 mmol, 88 %)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.68-3.61 (1H, m), 1.80 (2H, dt, J = 19.8, 6.6 Hz), 1.70-1.61 (2H, m), 1.56-1.47 (2H, m), 1.46-1.36 (4H, m), 1.32 (12H, br); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 153.7 (t, J = 5.0 Hz), 51.2 (t, J = 5.0 Hz), 30.3, 23.7, 23.6, 23.2, 23.1, 20.1.〔実施例3〕イソシアノアダマンタンの合成 N−アダマンチルホルムアミド(109.5 mg, 0.61 mmol)をピリジン(1 mL)に溶解し、ジクロロリン酸フェニル(108.3 μL, 0.73 mmol)を加え、室温にて3時間撹拌した。反応液に、水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を1M−HCl、炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 20:1)により精製し、イソシアノアダマンタン(77.3 mg, 0.48 mmol, 79 %)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 2.09 (3H, br), 2.02 (6H, br), 1.66 (6H, br); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 151.7, (t, J = 5.0 Hz), 54.2 (t, J = 5.0 Hz), 43.5, 35.5, 28.7.〔比較例1〕2−イソシアノ−3−メチルブタン酸ベンジルエステルの合成 N−ホルミルバリンベンジルエステル(332.0 mg, 1.41 mmol)をピリジン(5 mL)に溶解し、塩化p−トルエンスルホニル(TsCl)(404 mg, 2.12 mmol)を加え氷冷下で3時間撹拌した。反応液に、飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を1M−HCl、炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)により精製し、2−イソシアノ−3−メチルブタン酸ベンジルエステル(80.1 mg, 0.37 mmol, 26%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.32 (5H, m), 5.23 (2H,dd, J = 14.7, 11.7 Hz), 4.20 (1H, d, J = 3.7 Hz), 2.34 (1H, dt, J = 19.8, 6.6 Hz), 1.09 (3H, d, J = 7.3 Hz), 0.96 (3H, d, J = 6.6 Hz); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 166.2, 160.5 (t, J = 5.0 Hz), 134.7, 128.7, 128.7, 128.4, 68.0, 62.9 (t, J = 6.2 Hz), 31.2, 19.3, 16.5. 比較例1の結果から、塩化p−トルエンスルホニルを使用するイソシアニド化合物の製造方法(Org. Synth., V, 772 (1973))では、N−置換ホルムアミド類としてアミノ酸誘導体を使用した場合に収量が著しく低くなることが示された。〔実施例4〕2−イソシアノ−3−メチルブタン酸ベンジルエステルの合成 N−ホルミルバリンベンジルエステル(109.6 mg, 0.47 mmol)をピリジン(1 mL)に溶解し、ジクロロリン酸フェニル(83.1 μL, 0.56 mmol)を加え、室温にて3時間撹拌した。反応液に、水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を1M−HCl、炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 5:1)により精製し、2−イソシアノ−3−メチルブタン酸ベンジルエステル(80.9 mg, 0.37 mmol, 79%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.32 (5H, m), 5.23 (2H,dd, J = 14.7, 11.7 Hz), 4.20 (1H, d, J = 3.7 Hz), 2.34 (1H, dt, J = 19.8, 6.6 Hz), 1.09 (3H, d, J = 7.3 Hz), 0.96 (3H, d, J = 6.6 Hz); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 166.2, 160.5 (t, J = 5.0 Hz), 134.7, 128.7, 128.7, 128.4, 68.0, 62.9 (t, J = 6.2 Hz), 31.2, 19.3, 16.5. 実施例4の結果から、リン酸ハロゲン化物を使用することによってN−置換ホルムアミド類としてアミノ酸誘導体を使用した場合であっても、比較例1の方法とは異なり、優れた収率を達成できることが分かった。〔比較例2〕2−イソシアノ−3−フェニルプロパン酸エチルエステルの合成N−ホルミルフェニルアラニンエチルエステル(306.5 mg, 1.39 mmol)をピリジン(5 mL)に溶解し、塩化p−トルエンスルホニル(TsCl)(401.2 mg, 2.10 mmol)を加え氷冷下で2時間撹拌した。反応液に、飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を1M−HCl、炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により精製し、2−イソシアノ−3−フェニルプロパン酸エチルエステル(64.3 mg, 0.32 mmol, 24%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.34 (2H, t, J = 7.32 Hz), 7.30 (1H,t, J = 7.32 Hz), 7.26 (2H, d, J = 7.32 Hz), 4.44 (1H, dd, J = 8.8, 5.1 Hz), 4.24 (2H, q, J = 7.3 Hz), 3.25 (1H, dd, J = 13.2, 5.1 Hz), 3.14 (1H, dd, J = 13.9, 8.8 Hz), 1.26 (3H, t, J = 7.3 Hz); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 166.0, 160.8 (t, J = 6.2 Hz), 134.4, 129.3, 128.7, 127.8, 62.7, 58.1 (t, J = 7.4 Hz), 38.9, 13.9. 比較例2の結果から、塩化p−トルエンスルホニルを使用するイソシアニド化合物の製造方法(Org. Synth., V, 772 (1973))では、N−置換ホルムアミド類としてアミノ酸誘導体を使用した場合に収量が著しく低くなることが示された。〔実施例5〕2−イソシアノ−3−フェニルプロパン酸エチルエステルの合成 N−ホルミルフェニルアラニンエチルエステル(117.6 mg, 0.53 mmol)をピリジン(1 mL)に溶解し、ジクロロリン酸フェニル(94.8 μL, 0.64 mmol)を加え、室温にて3時間撹拌した。反応液に、水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を1M−HCl、炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 4:1)により精製し、2−イソシアノ−3−フェニルプロパン酸エチルエステル(66.0 mg, 0.32 mmol, 60%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.34 (2H, t, J = 7.32 Hz), 7.30 (1H,t, J = 7.32 Hz), 7.26 (2H, d, J = 7.32 Hz), 4.44 (1H, dd, J = 8.8, 5.1 Hz), 4.24 (2H, q, J = 7.3 Hz), 3.25 (1H, dd, J = 13.2, 5.1 Hz), 3.14 (1H, dd, J = 13.9, 8.8 Hz), 1.26 (3H, t, J = 7.3 Hz); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 166.0, 160.8 (t, J = 6.2 Hz), 134.4, 129.3, 128.7, 127.8, 62.7, 58.1 (t, J = 7.4 Hz), 38.9, 13.9. 実施例5の結果から、リン酸ハロゲン化物を使用することによってN−置換ホルムアミド類としてアミノ酸誘導体を使用した場合であっても、比較例2の方法とは異なり、優れた収率を達成できることが分かった。〔実施例6〕4−ヘプチルイソシアノベンゼンの合成(1) N−(4−ヘプチルフェニル)ホルムアミド(99 mg, 0.45 mmol)を塩化メチレン(1 mL)に溶解し、トリエチルアミン(1 mL)とジクロロリン酸フェニル(115 mg, 0.54 mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液に、飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 10:1)によって精製し、4−ヘプチルイソシアノベンゼン(82 mg, 0.41 mmol, 91%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.27 (2H, t, J = 8.1, 5.1 Hz), 7.18 (2H, d, J = 8.1 Hz), 2.61 (2H, t, J = 8.1 Hz), 1.59 (2H, m), 1.30 (8H, m), 0.88 (3H, t, J = 7.2 Hz); 13C NMR (150 MHz, CDCl3 ) δ 163.2 (br), 144.6, 129.2, 126.1, 124.1 (t, J = 12.4 Hz), 35.6, 31.6, 31.0, 29.0, 29.0, 22.5, 14.0.〔実施例7〕4−ヘプチルイソシアノベンゼンの合成(2) N−(4−ヘプチルフェニル)ホルムアミド(112 mg, 0.51 mmol)を塩化メチレン(1 mL)に溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1 mL)とジクロロリン酸フェニル(126 mg, 0.61 mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液に、飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 10:1)によって精製し、4−ヘプチルイソシアノベンゼン(88 mg, 0.44 mmol, 86% )を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.27 (2H, t, J = 8.1, 5.1 Hz), 7.18 (2H, d, J = 8.1 Hz), 2.61 (2H, t, J = 8.1 Hz), 1.59 (2H, m), 1.30 (8H, m), 0.88 (3H, t, J = 7.2 Hz); 13C NMR (150 MHz, CDCl3 ) δ 163.2 (br), 144.6, 129.2, 126.1, 124.1 (t, J = 12.4 Hz), 35.6, 31.6, 31.0, 29.0, 29.0, 22.5, 14.0.〔実施例8〕4−ヘプチルイソシアノベンゼンの合成(3) N−(4−ヘプチルフェニル)ホルムアミド(98 mg, 0.45 mmol)を塩化メチレン(1 mL)に溶解し、トリエチルアミン(1 mL)とジクロロリン酸エチル(84 mg, 0.54 mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液に、飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 10:1)によって精製し、4−ヘプチルイソシアノベンゼン(78 mg, 0.39 mmol, 86%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.27 (2H, t, J = 8.1, 5.1 Hz), 7.18 (2H, d, J = 8.1 Hz), 2.61 (2H, t, J = 8.1 Hz), 1.59 (2H, m), 1.30 (8H, m), 0.88 (3H, t, J = 7.2 Hz); 13C NMR (150 MHz, CDCl3 ) δ 163.2 (br), 144.6, 129.2, 126.1, 124.1 (t, J = 12.4 Hz), 35.6, 31.6, 31.0, 29.0, 29.0, 22.5, 14.0.〔実施例9〕4−ヘプチルイソシアノベンゼンの合成(4) N−(4−ヘプチルフェニル)ホルムアミド(112 mg, 0.51 mmol)を塩化メチレン(1 mL)に溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1 mL)とジクロロリン酸エチル(1.2 eq, 126 mg, 0.61 mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液に、飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 10:1)によって精製し、4−ヘプチルイソシアノベンゼン(96 mg, 0.48 mmol, 94%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.27 (2H, t, J = 8.1, 5.1 Hz), 7.18 (2H, d, J = 8.1 Hz), 2.61 (2H, t, J = 8.1 Hz), 1.59 (2H, m), 1.30 (8H, m), 0.88 (3H, t, J = 7.2 Hz); 13C NMR (150 MHz, CDCl3 ) δ 163.2 (br), 144.6, 129.2, 126.1, 124.1 (t, J = 12.4 Hz), 35.6, 31.6, 31.0, 29.0, 29.0, 22.5, 14.0.〔実施例10〕4−ブロモイソシアノベンゼンの合成(1) N−(4−ブロモフェニル)ホルムアミド(98.6 mg, 0.49 mmol)をジクロロメタン(1 mL)に溶解し、トリエチルアミン(1 mL)とジクロロリン酸エチル(81.0 mg, 0.60 mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液に、飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)によって精製し、4−ブロモフェニルイソシアノベンゼン(74 mg, 0.40 mmol, 82%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.53 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.25 (2H, d, J = 9.0 Hz); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 165.9 (t, J = 5.0 Hz), 132.7, 127.8, 125.5 (t, J = 13.7 Hz), 123.4.〔実施例11〕4−ブロモイソシアノベンゼンの合成(2) N−(4−ブロモフェニル)ホルムアミド(100.4 mg, 0.50 mmol)をジクロロメタン(1 mL)に溶解し、トリエチルアミン(1 mL)とジクロロリン酸フェニル(105.0 mg, 0.50 mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液に、飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)によって精製し、4−ブロモフェニルイソシアノベンゼン(73 mg, 0.40 mmol, 82%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.53 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.25 (2H, d, J = 9.0 Hz); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 165.9 (t, J = 5.0 Hz), 132.7, 127.8, 125.5 (t, J = 13.7 Hz), 123.4.〔比較例3〕4−ベンジルオキシイソシアノベンゼンの合成 N−(4−ベンジルオキシフェニル)ホルムアミド(455.0 mg, 2.0 mmol)をピリジン(3 mL)に溶解し、塩化p−トルエンスルホニル(762 mg, 4.0 mmol)を加えて、室温にて24時間撹拌したが、反応は一切進行しなかった。 比較例3の結果から、塩化p−トルエンスルホニルを使用するイソシアニド化合物の製造方法(Org. Synth., V, 772 (1973))では、N−置換ホルムアミド類としてベンゼン誘導体を使用した場合には、反応が進行せずイソシアニド化合物を合成できないことがが示された。〔実施例12〕4−ベンジルオキシイソシアノベンゼンの合成(1) N−(4−ベンジルオキシフェニル)ホルムアミド(118.1 mg, 0.52 mmol)を塩化メチレン(1 mL)に溶解し、トリエチルアミン(1 mL)とジクロロリン酸エチル(81.0 mg, 0.50 mmol)を加えて、室温にて2時間撹拌した。反応液に、飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 5:1) によって精製し、4−ベンジルオキシイソシアノベンゼン(91 mg, 0.43 mmol, 83%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.39 (4H, m), 7.36-7.33 (1H, m), 7.31 (2H, d, J = 8.8 Hz), 6.94 (2H, d, J = 8.8 Hz), 5.07 (2H, s); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 162.8 (br), 159.0, 136.0, 128.7, 128.3, 127.7, 127.4, 119.7 (t, J = 13.7Hz), 115.5, 70.3. 実施例12の結果から、リン酸ハロゲン化物を使用することによってN−置換ホルムアミド類としてベンゼン誘導体を使用した場合であっても、比較例3の方法とは異なり、優れた収率を達成できることが分かった。〔実施例13〕4−ベンジルオキシイソシアノベンゼンの合成(2) N−(4−ベンジルオキシフェニル)ホルムアミド(116.4 mg, 0.51 mmol)を塩化メチレン(1 mL)に溶解し、トリエチルアミン(1 mL)とジクロロリン酸フェニル(105.0 mg, 0.50 mmol) を加えて、室温にて2時間撹拌した。反応液に、飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 5:1) によって精製し、4−ベンジルオキシイソシアノベンゼン(94 mg, 0.45 mmol, 88%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.39 (4H, m), 7.36-7.33 (1H, m), 7.31 (2H, d, J = 8.8 Hz), 6.94 (2H, d, J = 8.8 Hz), 5.07 (2H, s); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 162.8 (br), 159.0, 136.0, 128.7, 128.3, 127.7, 127.4, 119.7 (t, J = 13.7Hz),, 115.5, 70.3. 実施例12の結果から、リン酸ハロゲン化物を使用することによってN−置換ホルムアミド類としてベンゼン誘導体を使用した場合であっても、比較例3の方法とは異なり、優れた収率を達成できることが分かった。〔比較例4〕4−ベンジルオキシイソシアノベンゼンの合成 N−(4−ベンジルオキシフェニル)ホルムアミド(455.0 mg, 2.0 mmol)を塩化メチレン(10 mL)に溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(4 mL)とトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.7 mL) を加えて、アルゴン気流中、氷温下で10分間撹拌した。反応液に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を1M−HCl、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 5:1) によって精製し、4−ベンジルオキシイソシアノベンゼン(38 mg, 0.18 mmol, 9%)を得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.39 (4H, m), 7.36-7.33 (1H, m), 7.31 (2H, d, J = 8.8 Hz), 6.94 (2H, d, J = 8.8 Hz), 5.07 (2H, s); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 162.8 (br), 159.0, 136.0, 128.7, 128.3, 127.7, 127.4, 119.7 (t, J = 13.7Hz),, 115.5, 70.3. 比較例4の結果から、トリフルオロメタンスルホン酸無水物−N,N−ジイソプロピルエチルアミンを用いてイソシアニド化合物を製造する方法〔Synlett, 603 (1990)〕では、N−置換ホルムアミド類としてベンゼン誘導体を使用した場合に収量が著しく低くなることが示された。 N−置換ホルムアミド類と、リン酸における1又は2の水酸基がハロゲンで置換されたリン酸ハロゲン化物とを塩基の存在下に反応させる工程を含むイソシアニド化合物の製造方法。 上記リン酸ハロゲン化物は、下記式で示される化合物であることを特徴とする請求項1記載のイソシアニド化合物の製造方法。(ここで、Xは炭素数1〜20のアルコキシ基、-OPh又は炭素数1〜20のジアルキルアミノ基であり、Yはハロゲン、好ましくは塩素、臭素又はヨウ素、最も好ましくは塩素である) N−置換ホルムアミド類は、ベンゼン誘導体又はアミノ酸誘導体であることを特徴とする請求項1記載のイソシアニド化合物の製造方法。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る