生命科学関連特許情報

タイトル:再公表特許(A1)_植物由来の高尿酸血症の予防または改善剤
出願番号:2009050797
年次:2011
IPC分類:A61K 36/28,A61K 36/00,A61P 19/06,A61P 43/00,A61K 8/97,A61K 36/18,A61K 36/53,A61K 36/48,A61K 31/122,A61K 31/7034,A61K 8/60,A61K 8/35,A61Q 90/00,C12N 9/99,A23L 1/30


特許情報キャッシュ

本田 真一 田中 穂積 岸田 秀之 北川 雅康 JP WO2009093584 20090730 JP2009050797 20090121 植物由来の高尿酸血症の予防または改善剤 株式会社カネカ 000000941 平木 祐輔 100091096 藤田 節 100118773 深見 伸子 100120905 本田 真一 田中 穂積 岸田 秀之 北川 雅康 JP 2008012910 20080123 JP 2008034209 20080215 A61K 36/28 20060101AFI20110428BHJP A61K 36/00 20060101ALI20110428BHJP A61P 19/06 20060101ALI20110428BHJP A61P 43/00 20060101ALI20110428BHJP A61K 8/97 20060101ALI20110428BHJP A61K 36/18 20060101ALI20110428BHJP A61K 36/53 20060101ALI20110428BHJP A61K 36/48 20060101ALI20110428BHJP A61K 31/122 20060101ALI20110428BHJP A61K 31/7034 20060101ALI20110428BHJP A61K 8/60 20060101ALI20110428BHJP A61K 8/35 20060101ALI20110428BHJP A61Q 90/00 20090101ALI20110428BHJP C12N 9/99 20060101ALI20110428BHJP A23L 1/30 20060101ALI20110428BHJP JPA61K35/78 TA61K35/78 BA61P19/06A61P43/00 111A61K8/97A61K35/78 CA61K35/78 QA61K35/78 JA61K31/122A61K31/7034A61K8/60A61K8/35A61Q99/00C12N9/99A23L1/30 B AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20110526 2009550523 20 4B018 4C083 4C086 4C088 4C206 4B018MD61 4B018MD89 4B018ME14 4B018MF01 4C083AA111 4C083AC211 4C083AD391 4C083CC01 4C083FF01 4C086AA01 4C086EA08 4C086GA17 4C086NA14 4C086ZC20 4C086ZC31 4C088AB11 4C088AB26 4C088AB29 4C088AB38 4C088AB59 4C088AC02 4C088AC11 4C088BA10 4C088CA06 4C088CA07 4C088NA14 4C088ZC20 4C088ZC31 4C206AA01 4C206CB14 4C206CB19 4C206KA18 4C206NA14 4C206ZC20 4C206ZC31 本発明は、ヨモギ、セツレンカ、菊、グアバ、ハハコグサ、ブルーマロー、オレガノ、カキドオシ、ハッカ、ムラサキナツフジ、ピーナッツおよびピクノジェノールからなる群より選ばれる少なくとも1種の植物素材に由来する成分またはカルコン誘導体を有効成分とする、高尿酸血症の予防または改善剤、ならびにキサンチンオキシダーゼ阻害剤に関するものである。 近年、高カロリー、高タンパク、高脂質食摂取の急激な増加や、ストレスの増加などにより、高尿酸血症やそれに由来する痛風症状を有する人が増加している。現在、成人男性の約2割が高尿酸血症の状態にあると言われている。 一般に、血中の尿酸値が7.0mg/dL以上となった状態を高尿酸血症と呼ぶ。通常、単なる高尿酸血症の状態では自覚症状はないが、その状態を長期間放置すると血中の尿酸塩が結晶化し、その尿酸塩が関節などに蓄積した場合は、激しい痛みを伴う痛風発作を引き起こす。さらに症状が進むと、皮下に痛風結節を生じたり、腎臓や尿路に尿酸結晶が蓄積し尿路結石を生じやすくなり、長期にわたると腎不全などの腎疾患に繋がることが知られている。このため、血中の尿酸値を適切にコントロールすることは、痛風をはじめ高尿酸血症の予防、改善の基本である。重症の痛風患者も、血中尿酸値を適正な水準に低下させることにより、痛風発作の減少、慢性化への抑制、腎疾患への予防および改善に効果的であると考えられている(非特許文献1)。 通常体内の尿酸量は、排泄と産生のバランスが保たれており、適性値を保持している。しかしながら、生活習慣の乱れや、ストレスといった要因によってこのバランスが崩れると、尿酸値が高値となる。このため、適正な尿酸値にコントロールするためには、尿酸の産生を抑制することが重要であると考えられている。体内の尿酸は、キサンチンオキシダーゼの働きによってキサンチンより産生される(非特許文献2)。従って、キサンチンオキシダーゼの働きを阻害することによって、体内における尿酸の産生を抑制し血中の尿酸値を低減させ、痛風や高尿酸血症を予防または改善することが期待できる。 従来、血中尿酸値のコンロールの目的で、プロベネシド(尿酸排泄剤)やアロプリノール(尿酸産生抑制剤)などが使用されているが、効果が一過性であることや腎臓への副作用といった問題がある。そのため、キサンチンオキシダーゼを阻害し、血中の尿酸値を低減する効果に優れ、かつ安全性が高く長期間の投与が可能な、キサンチンオキシダーゼ阻害剤の開発が望まれていた。 これまでにキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する多くの化合物が報告されているが、多くは化学的に合成されたものであり、安全性が高いものであるとは言えないものが多い。天然物由来のキサンチンオキシダーゼ阻害剤を探索、開発した報告もあるが(特許文献1、2)、これらについてはキサンチンオキシダーゼ阻害効果が十分に満足できるものではなかった。特開2006−36787号公報特開2007−45784号公報Mebio、2000年、17巻、24−29頁プリン・ピリミジン代謝、1994年、18巻、1−10頁 本発明は上記を鑑み、安全性が高い、高尿酸血症の予防または改善剤、ならびにキサンチンオキシダーゼ阻害剤を提供することを課題とする。 本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意研究を行った結果、ヨモギ、セツレンカ、菊、グアバ、ハハコグサ、ブルーマロー、オレガノ、カキドオシ、ハッカ、ムラサキナツフジ、ピーナッツ等の抽出物及びピクノジェノールが、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有しており、高尿酸血症の予防および改善に極めて有効であることを見出し、本発明を完成させた。さらに、カルコン誘導体、なかでもオカニンまたはオカニン配糖体がキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有しており、高尿酸血症の予防または改善剤として極めて有用であることを見いだし、本発明を完成させた。 すなわち本発明は以下のとおりである。[1] ヨモギ、セツレンカ、菊、グアバ、ハハコグサ、ブルーマロー、オレガノ、カキドオシ、ハッカ、ムラサキナツフジおよびピーナッツからなる群より選択される少なくとも1種の植物素材の有機溶媒または有機溶媒水溶液抽出物、ピクノジェノール、および/または、一般式(1):(式中、R1〜R10は、それぞれ独立して、H、OH、OCH3のいずれかを表す)で表されるカルコン誘導体またはその配糖体を有効成分として含有することを特徴とする高尿酸血症の予防または改善剤。[2] ヨモギ、セツレンカ、菊、グアバ、ハハコグサ、ブルーマロー、オレガノ、カキドオシ、ハッカ、ムラサキナツフジおよびピーナッツからなる群より選択される少なくとも1種の植物素材の有機溶媒または有機溶媒水溶液抽出物、ピクノジェノール、および/または、一般式(1):(式中、R1〜R10は、それぞれ独立して、H、OH、OCH3のいずれかを表す)で表されるカルコン誘導体またはその配糖体を有効成分として含有することを特徴とするキサンチンオキシダーゼ阻害剤。[3] 有機溶媒が、エタノールである[1]または[2]記載の剤。[4] 一般式(1)で表されるカルコン誘導体またはその配糖体が、センダングサ属植物由来のカルコン誘導体またはその配糖体であることを特徴とする[1]または[2]記載の剤。[5] 一般式(1)で表されるカルコン誘導体またはその配糖体が、オカニンまたはオカニン配糖体であることを特徴とする[1]または[2]記載の剤。[6] [1]〜[5]のいずれかに記載の剤を含有することを特徴とする飲食品。[7] 機能性食品である[6]記載の飲食品。[8] 特定保健用食品である[6]記載の飲食品。[9] [1]〜[5]のいずれかに記載の剤を含有することを特徴とする、化粧品または医薬品。 本発明の高尿酸血症の予防または改善剤ならびにキサンチンオキシダーゼ阻害剤は、食経験のある植物素材を由来とするため安全性が高く、優れたキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有するため、高尿酸血症の予防や改善に有効である。 以下に、本発明を詳しく説明する。 本発明における高尿酸血症の予防または改善剤は、ヨモギ、セツレンカ、菊、グアバ、ハハコグサ、ブルーマロー、オレガノ、カキドオシ、ハッカ、ムラサキナツフジおよびピーナッツからなる群より選択される少なくとも1種の植物素材の有機溶媒または有機溶媒水溶液の抽出物、ピクノジェノール、および/または、カルコン誘導体またはその配糖体を、有効成分として含有し、高尿酸血症の予防または改善に用いることができる。さらには、血中の尿酸値の適正値へのコントロールにも用いることができる。 本発明における高尿酸血症の予防とは、日本痛風・核酸代謝学会が高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(2002年9月発行)にて定義している高尿酸血症の状態(血中尿酸値7.0mg/dL以上)になるのを防ぐまたは遅らせる(そのリスクを低減させる)ことを指す。本発明でいう高尿酸血症の改善とは、上記に記す高尿酸血症の状態から、血中尿酸値を低減して、正常な状態とするあるいはその状態に近づけることを指す。また本発明の高尿酸血症の予防または改善剤は、血中尿酸値をコントロールすることによって、痛風症状の予防または改善に用いることもできる。 本発明においては、ヨモギ、セツレンカ、菊、グアバ、ハハコグサ、ブルーマロー、オレガノ、カキドオシ、ハッカ、ムラサキナツフジおよびピーナッツからなる群より選択される少なくとも1種の植物素材の有機溶媒または有機溶媒水溶液の抽出物、ピクノジェノール、および/または、カルコン誘導体またはその配糖体を、有効成分として含有する組成物を、キサンチンオキシダーゼ阻害剤として使用することもできる。 本発明のキサンチンオキシダーゼ阻害剤は、キサンチンオキシダーゼの働きを阻害することで、尿酸の産生を阻害することができる。また、本発明のキサンチンオキシダーゼ阻害剤は、キサンチンオキシダーゼがキサンチンから尿酸を産生する際に生じる活性酸素を抑制することもできる。その他、本発明のキサンチンオキシターゼ阻害剤は、キサンチンオキシターゼの働きを阻害または抑制することで期待できる様々な用途に使用することができる。 本発明において、キサンチンオキシダーゼ阻害効果は、被検物質のキサンチンオキシダーゼ阻害剤を哺乳動物に投与あるいは摂取させてその効果を測定する方法や、市販または調製したキサンチンオキシダーゼに、被検物質を作用させその阻害作用を測定する方法により評価可能である。一般に、市販または調製したキサンチンオキシダーゼを用いる方法が、感度、再現性、簡便性において優れており、通常この方法が用いられる。 キサンチンオキシダーゼ阻害活性は、具体的には、例えば基質にキサンチンを、酵素にバターミルク由来キサンチンオキシダーゼを用い、生成した尿酸を検出することで測定することができる(Biol. Pharm. Bull., 2004年, 27巻, 1414〜1421頁)。本発明においては、これらの評価系において、溶媒対照と比較して40%以上のキサンチンオキシダーゼ阻害活性を示したサンプルを、「キサンチンオキシダーゼ阻害活性あり」と判定する。 本発明の高尿酸血症の予防または改善剤、ならびにキサンチンオキシダーゼ阻害剤(以下、「本発明の剤」と総称する)の有効成分あるいはその由来となる植物素材は、ヨモギ、セツレンカ、菊、グアバ、ハハコグサ、ブルーマロー、オレガノ、カキドオシ、ハッカ、ムラサキナツフジ、ピーナッツ、ピクノジェノール、および/または、カルコン誘導体またはその配糖体である。上記素材は単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、これらの植物素材は、通常食用として提供されているものでも構わない。 本発明の剤においてヨモギを用いる場合は、ヨモギを基原植物とする生薬であるガイヨウを用いることも可能である。本発明の剤においてハハコグサを用いる場合は、ハハコグサを基原植物とする生薬であるソキクソウを用いることも可能である。本発明の剤においてカキドオシを用いる場合は、カキドオシを基原植物とする生薬であるキンセンソウまたはレンセンソウを用いることも可能である。本発明の剤においてムラサキナツフジを用いる場合は、ムラサキナツフジを基原植物とするケイケットウを用いることも可能である。 本発明の剤において用いられる、ヨモギ、セツレンカ、菊、グアバ、ハハコグサ、ブルーマロー、オレガノ、カキドオシ、ハッカ、ムラサキナツフジ、ピーナッツ等の植物素材は、葉、茎、芽、花、木質部、樹皮などの地上部および根、塊茎などの地下部、種子、樹脂など全ての部位が使用可能である。そのなかでも、ヨモギについては全草、セツレンカについては全草、菊については花、グアバについては葉、ハハコグサにおいては全草、ブルーマローについては花、オレガノについては葉および花、カキドオシについては全草、ハッカについては葉、ムラサキナツフジについては茎、ピーナッツについては渋皮を用いることが好ましい。 本発明においては、ヨモギ、セツレンカ、菊、グアバ、ハハコグサ、ブルーマロー、オレガノ、カキドオシ、ハッカ、ムラサキナツフジまたはピーナッツの、有機溶媒または有機溶媒水溶液による抽出物を、本発明の剤の有効成分として使用することができる。本発明において、これら植物素材の抽出物を得る方法は特に限定されないが、上記の植物素材を有機溶媒または有機溶媒水溶液に浸し、常圧下で攪拌又は放置し、静置分離、濾過又は遠心分離などを行うことにより、得ることができる。 本発明において、用いられる抽出溶媒は有機溶媒もしくは有機溶媒水溶液(有機溶媒と水の混合溶媒)であり、該有機溶媒としては特に限定されないが、例えばエタノール、酢酸エチル、アセトン、ヘキサン、メタノールなどが挙げられる。また、水と混合して用いる場合は水溶性の有機溶媒が好ましい。 このなかでも、得られる抽出物を食品や医薬品用途に安全に適用する観点からは、抽出に使用する有機溶媒として、エタノールもしくはエタノール水溶液を選択するのがより好ましい。本発明において抽出溶媒としてエタノール水溶液を使用する場合のエタノール濃度は特に限定されないが、例えば50重量%以上、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上である。 また、抽出温度は、一般に−20〜100℃、普通1〜90℃、好ましくは10〜70℃で好適に実施できる。抽出時間は、普通0.1時間〜1ヶ月、好ましくは0.5時間〜7日間で好適に実施できる。また、抽出溶媒の使用量はヨモギ、セツレンカ、菊、グアバ、ハハコグサ、ブルーマロー、オレガノ、カキドオシ、ハッカ、ムラサキナツフジ、ピーナッツ1重量部に対して1倍量以上50倍量以下が好ましく、3倍量以上20倍量以下がより好ましい。1倍量未満ではこれら植物素材が充分に抽出溶媒に浸らず抽出物の回収率が低くなる。また、50倍量以上では抽出に用いる抽出タンク等の容器が大きくなり、溶媒除去に必要となるエネルギーが極めて大きく製造コストが高くなる傾向がある。 本発明において、ヨモギ、セツレンカ、菊、グアバ、ハハコグサ、ブルーマロー、オレガノ、カキドオシ、ハッカ、ムラサキナツフジまたはピーナッツの抽出物は、抽出液の形態のまま使用してもよいし、溶媒を除去したものを使用してもよい。さらに、他の適切な溶媒に溶解、懸濁した形態であってもよい。さらに、当該ヨモギ、セツレンカ、菊、グアバ、ハハコグサ、ブルーマロー、オレガノ、カキドオシ、ハッカ、ムラサキナツフジまたはピーナッツの抽出物は、飲食品や医薬品として不適当な不純物を含有しない限り、抽出液のまま、又は粗抽出物あるいは半精製抽出物として本発明に使用できる。 また、本発明の剤は、ピクノジェノールを有効成分とすることができる。ピクノジェノールは、フランス海岸松の樹皮から抽出された抽出物であり、一般に「フランス海岸松の樹皮抽出物」としてあるいは「ピクノジェノール」として市販しているものを入手して使用しても良いし、フランス海岸松の樹皮を公知の方法で抽出処理したものを使用しても良い。また、ピクノジェノールを高含有するサプリメントや健康食品等をそのまま使用することもできる。 さらに、本発明の剤は、カルコン誘導体またはその配糖体を有効成分とすることができる。一般に、「カルコン誘導体」とは、下記式(2):で示されるカルコン骨格(β−フェニルアクリロフェノン骨格)を有する化合物の総称である。 本発明においては、上記式(2)の位置番号2〜6および2′〜6′のいずれか1つ以上が水酸基あるいはメトキシ基で置換されたカルコン誘導体またはその配糖体を有効成分とする。すなわち、本発明の剤の有効成分であるカルコン誘導体は、上記一般式(1)においてR1〜R10が、それぞれ独立して、H、OH、OCH3のいずれかであるカルコン誘導体またはその配糖体である。以下、本発明で用いるカルコン誘導体について、さらに詳細に説明する。 本発明において、一般式(1)におけるR1〜R10の置換基は、それぞれ独立して、任意の組み合わせで、H、OH、OCH3のいずれかであれば特に限定されない。但し、R1〜R10のすべてがHであることはなく、少なくとも1つがOHまたはOCH3で置換されている必要がある。 また、本発明においては、上記カルコン誘導体のうち、R1〜R10のいずれか1つ以上がOHであるのが好ましく、2つ以上がOHであるのがより好ましい。またR1〜R10のいずれか3つ以上がOHまたはOCH3であるのが好ましい。 そのようなカルコン誘導体としては、具体的に、ブテイン(一般式(1)中、R3、R4、R8、R10がOHで、残りはH)、ランセオレチン(一般式(1)中、R3、R4、R6、R8がOH、R7がOCH3で、残りはH)、オカニン(一般式(1)中、R3、R4、R8〜R10がOHで、残りはH)、ペジセリン(一般式(1)中、R6〜R10がOCH3で、残りはH)、ペジシン(一般式(1)中、R6、R9がOH、R7、R8、R10がOCH3で、残りはH)、スチロプシジン(一般式(1)中、R3、R4、R6、R8、R9がOHで、残りはH)、エキナチン(一般式(1)中、R3、R8がOH、R5がOCH3で、残りはH)、イソリキリチゲニン(一般式(1)中、R3、R8、R10がOHで、残りはH)、リコカルコンB(一般式(1)中、R3、R4、R8がOH、R5がOCH3で、残りはH)などが挙げられるが、これらに限定されない。 また、本発明において上記カルコン誘導体の配糖体を使用する場合の糖残基としては、単糖または2もしくは3個の糖からなるオリゴ糖に由来する糖残基から選ばれる。これらの糖残基のもとになる単糖の代表例は、グルコース、マンノース、アラビノース、キシロースなどのアルドース、および、リブロース、キシルロースなどのケトース、および、ラムノース、フコースなどのデオキシ糖が挙げられる。オリゴ糖としては、上記の同一または異なる単糖類の2個以上がグリコシド結合したものが挙げられる。本発明においてはこれら配糖体のうちいずれをも好ましく使用できる。 本発明の剤の中で、上記カルコン誘導体を有効成分とする剤の中では、オカニンまたはオカニン配糖体を少なくとも含有するものがもっとも好ましい。 本発明の剤の有効成分として使用されるカルコン誘導体は、化学合成により得ることも可能であるが、植物などの天然物を材料にして抽出法により得る方法が、人体に対する安全性の面から好適である。その場合の抽出法の材料として使用される植物としては、菊花またはセンダングサ属植物が好適である。センダングサ属植物を用いる際は、コセンダングサ(Bidens Pilosa)、アメリカセンダングサ(Bidens frondosa)を用いることがより好ましい。 本発明における菊花またはセンダングサ属植物の使用形態は特に限定されず、例えば生の状態、乾燥物、その乾燥物の粉砕物など全てを含む。抽出法を実施するにあたっては、一般式(1)記載のカルコン誘導体が抽出される方法であれば特に限定されないが、菊花またはセンダングサ属植物を乾燥させた後に粉砕し、抽出溶媒を用いて抽出し、当該抽出液よりクロマトグラフィー技術によって、当該カルコン誘導体を分離精製することにより得ることができる。 本発明において、抽出に用いられる抽出溶媒は特に限定されないが、例えばエタノール、メタノール、酢酸エチル、アセトン、ヘキサンなどの有機溶媒やその水との混合溶媒が好ましい例として挙げられる。また、水と混合して用いる場合は水溶性の有機溶媒が好ましい。このなかでも、得られる抽出物を食品や医薬品用途に安全に適用する観点からはエタノールまたはエタノール水溶液を選択するのが好ましい。 尚、抽出した後に、酸や酵素を用いて加水分解処理を行った抽出処理液をクロマトグラフィーに供して、カルコン誘導体を分離精製してもよい。なお、不適当な不純物を含有しない限り、カルコン誘導体を含有する抽出物をそのまま使用してもかまわない。 上記カルコン誘導体またはその配糖体、ならびにそれらを含有する植物抽出物等は、キサンチンオキシダーゼ阻害活性の発現により、生体内の尿酸の生成を抑制するため、高尿酸血症および痛風症状を予防または改善する高尿酸血症用剤として有用である。さらに、高尿酸血症または痛風により生じる様々な疾患の予防に利用することも可能であり、さらには、炎症、動脈硬化、発癌、脳障害、メタボリックシンドロームなどの活性酸素に起因して生じる疾患の予防や改善にも効果を発揮する。 本発明の剤の有効成分である、上記ヨモギ、セツレンカ、菊、グアバ、ハハコグサ、ブルーマロー、オレガノ、カキドオシ、ハッカ、ムラサキナツフジまたはピーナッツの有機溶媒または有機溶媒水溶液による抽出物、ピクノジェノール、あるいは、カルコン誘導体またはその配糖体には、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を失わない範囲内で脱臭、精製などの操作を加えることもできる。 本発明の剤における有効成分は、上述したとおり、ヨモギ、セツレンカ、菊、グアバ、ハハコグサ、ブルーマロー、オレガノ、カキドオシ、ハッカ、ムラサキナツフジおよびピーナッツからなる群より選択される少なくとも1種の植物素材の有機溶媒または有機溶媒水溶液による抽出物、ピクノジェノール、あるいは、カルコン誘導体またはその配糖体である(以下、総称して単に「有効成分」ともいう)。本発明の剤においては、これら有効成分を、単独で含有するものであってもよいし、また、公知の担体や助剤などの添加剤と混合して、カプセル剤、錠剤、顆粒剤など服用しやすい形態に成型したものであってもよい。また、栄養強化を目的として、ビタミンA,C,D,Eなどの各種ビタミン類を添加、併用することもできる。本発明の剤における上記有効成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜100重量%、より好ましくは10〜90重量%である。 本発明の剤は、これらを含有する飲食品、化粧品または医薬品として用いることもできる。 本発明の剤を含有する飲食品としては特に限定されず、例えば、飲食物材料に混合して、チューインガム、チョコレート、キャンディー、ゼリー、ビスケット、クラッカーなどの菓子類;アイスクリーム、氷菓などの冷菓類;茶、清涼飲料、栄養ドリンク、美容ドリンクなどの飲料;うどん、中華麺、スパゲティー、即席麺などの麺類;蒲鉾、竹輪、はんぺんなどの練り製品;ドレッシング、マヨネーズ、ソースなどの調味料;マーガリン、バター、サラダ油などの油脂類;パン、ハム、スープ、レトルト食品、冷凍食品など、すべての一般的な飲食物に使用することができる。特にカルコン誘導体またはその配糖体を含む飲食品としては、例えば、高尿酸血症予防改善効果を有する、またはキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する菊花ジュースやセンダングサ濃縮エキスとして提供することができる。さらに、製剤化して、特定保健用食品、栄養機能食品などの保健機能食品や健康食品、サプリメントとすることもできる。 これら飲食品を摂取する場合、その摂取量は上記有効成分の量に換算して成人一人一日当たり、好ましくは0.01〜1000mg/Kg体重、より好ましくは0.1〜300mg/Kg体重となるように摂取するのが好ましい。 さらに、本発明の剤を、化粧品または医薬品として用いる場合は、その剤形は特に限定されない。例えば、スプレードライや凍結乾燥によって乾燥させた粉末とすることもできる。また、ハードカプセルやソフトカプセルといったカプセル剤、チュアブルタブレットに例示される錠剤、顆粒剤、液剤、散剤、注射剤、座薬、貼付剤などが挙げられる。製剤化においては、薬剤学的に許容される他の製剤素材、例えば、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、酸化防止剤、着色剤、凝集防止剤、吸収促進剤、溶解補助剤、安定化剤などを適宜添加して調製することができる。 これら製剤の投与量としては、症状、投与方法、摂取する者の年齢、体重等により異なる。ヨモギ、セツレンカ、菊、グアバ、ハハコグサ、ブルーマロー、オレガノ、カキドオシ、ハッカ、ムラサキナツフジおよびピーナッツからなる群より選択される少なくとも1種の植物素材の有機溶媒または有機溶媒水溶液による抽出物、あるいは、ピクノジェノールを含む製剤については、上記有効成分の量に換算して、成人一人一日当たり、好ましくは0.01〜1000mg/Kg体重、より好ましくは0.1〜100mg/Kg体重を、1回ないし数回に分けて投与することが好ましい。カルコン誘導体またはその配糖体を含む製剤については、通常、成人一日あたりのカルコン誘導体の摂取量として、0.01g〜20g、好ましくは0.05〜5gの範囲で選ばれる。 また本発明の剤を、他の医薬品や高尿酸血症用組成物やキサンチンオキシダーゼ阻害作用を有する食品等と併用して使用することも可能である。 以下実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 (実施例1) ヨモギ(全草)、セツレンカ(全草)、ハハコグサ(全草)、カキドオシ(全草)、ハッカ(葉)、ムラサキナツフジ(茎)(以上、新和物産株式会社より購入);菊(花)、オレガノ(葉および花)(以上、株式会社カネカサンスパイスより購入);ブルーマロー(花)(小林桂株式会社より購入);グアバ(葉)、ピーナッツ(渋皮)(以上、一般小売店で購入)、各々1000gを、99.5容量%エタノール水溶液5Lに浸し45度で6時間、撹拌抽出を行った後、ろ過により残渣を除去して抽出液を得た。更に、その抽出液を減圧濃縮して溶媒を除去し、それぞれの抽出物を得た。また、ピクノジェノールは市販品をそのまま使用した。 (実施例2) 各サンプルのキサンチンオキシダーゼ阻害活性を評価するにあたり、実施例1で調製した各抽出物およびピクノジェノールを、DMSOに溶解し100mg/mLとした。各々のDMSO溶液を75mMリン酸緩衝液(pH7.5)に溶解し400μg/mLのサンプル溶液を調製した。 サンプル溶液50μL、および、リン酸緩衝液に0.2unit/mLとなるようにバターミルク由来キサンチンオキシダーゼを溶解させた酵素液50μLを、96穴プレートに加え、25℃で15分間処理を行った。その後、100μLの0.4mMキサンチン溶液を加え、更に25℃で15分間反応を行った。この時、各サンプルの終濃度は100μg/mLとなる。そして、20μLの1N塩酸を添加して反応を停止させた。マイクロプレートリーダーを用い295nmにおける吸光度を測定した。なお、溶媒対照として、リン酸緩衝液にDMSOを0.4%となるように溶解させた溶液50μLを、サンプル溶液の代わりに用いた。溶媒対照またはサンプルを添加した反応液中にキサンチンオキシダーゼにより生成した尿酸量(反応値)は、キサンチンオキシダーゼ存在下の吸光度からキサンチンオキシダーゼ非存在下の吸光度を差し引いて求めた。なお、キサンチンオキシダーゼ阻害活性は次式より求めた。キサンチンオキシダーゼ阻害活性(%)={1−(被検物質(サンプル)の反応値/溶媒対照の反応値)}x100 実施例1で得られた、ヨモギ、セツレンカ、菊、グアバ、ハハコグサ、ブルーマロー、オレガノ、カキドオシ、ハッカ、ムラサキナツフジ、ピーナッツ抽出物およびピクノジェノールのキサンチンオキシダーゼ阻害活性を表1に示した。 表1から明らかなように、実施例1で得られた、ヨモギ、セツレンカ、菊、グアバ、ハハコグサ、ブルーマロー、オレガノ、カキドオシ、ハッカ、ムラサキナツフジ、ピーナッツのエタノール抽出物、およびピクノジェノールは、強いキサンチンオキシダーゼ阻害活性を示した。 (実施例3) 各サンプルのキサンチンオキシダーゼ阻害活性を評価するにあたり、オカニン(アメリカセンダングサ由来)およびアロプリノール(和光純薬工業社製)を、それぞれ、DMSOに溶解し100mMとした。各々のDMSO溶液を75mMリン酸緩衝液(pH7.5)に溶解し400μMのサンプル溶液を調製した。 96穴プレートに、上記サンプル溶液50μL、およびリン酸緩衝液に0.2unit/mLとなるようにバターミルク由来キサンチンオキシダーゼを溶解させた酵素液50μLを加え、25℃で15分間処理を行った。その後、100μLの0.4mMキサンチン溶液を加え、更に25℃で15分間反応を行った。この時、各サンプルの終濃度は100μMとなる。そして、20μLの1N塩酸を添加して反応を停止させた。マイクロプレートリーダーを用い295nmにおける吸光度を測定した。なお溶媒対照として、リン酸緩衝液にDMSOを0.4%となるように溶解させた溶液50μLを、サンプル溶液の代わりに用いた。溶媒対照またはサンプルを添加した反応液中にキサンチンオキシダーゼにより生成した尿酸量(反応値)は、キサンチンオキシダーゼ存在下の吸光度からキサンチンオキシダーゼ非存在下の吸光度を差し引いて求めた。なお、キサンチンオキシダーゼ阻害活性は次式より求めた。 キサンチンオキシダーゼ阻害活性(%)={1−(被検物質(サンプル)の反応値/溶媒対照の反応値)x100 さらに、サンプル濃度を変え、同様にして種々の濃度における各サンプルのキサンチンオキシダーゼ阻害活性を求めた。そして、オカニンのキサンチンオキシダーゼに対するIC50と、高尿酸血症剤として用いられているアロプリノールのIC50を比較した。オカニンならびにアロプリノールのIC50を表2に示した。IC50とは、溶媒対照の活性を100%として、キサンチンオキシダーゼの活性を50%阻害するための被検物質の濃度を表す。 表2から明らかなように、本発明のオカニンはアロプリノールよりも強いキサンチンオキシダーゼ阻害活性を示した。 (実施例4) 5週齢の雄SDラットを日本SLCより購入し、1週間の馴化飼育を行った。体重を基に群分け(1群あたり6匹ずつ)を実施し、対照群、ヨモギ抽出物投与群、菊抽出物投与群、グアバ抽出物投与群、オレガノ抽出物投与群の計5群を設定した。 まず、オキソン酸カリウム(SIGMA−ALDRICH社)250mg/Kg体重をラットの腹腔内に投与し、オキソン酸カリウム誘発高尿酸血症モデルラットとした。オキソン酸カリウム投与1時間後、ヨモギ抽出物投与群、菊抽出物投与群、グアバ抽出物投与群、オレガノ抽出物投与群に、それぞれ実施例1で得られたヨモギ抽出物、菊抽出物、グアバ抽出物、オレガノ抽出物を中鎖脂肪酸トリグリセリドに懸濁し、各抽出物が500mg/Kg体重となるように投与した。また、対照群には、中鎖脂肪トリグリセリドを投与した。次いで、オキソン酸カリウム投与2時間後に全個体から採血を行った。採血した血液から遠心分離により血清を分取し、血中の尿酸値を測定した。表3にその結果を示した。 表3から明らかなように、ヨモギ抽出物、菊抽出物、グアバ抽出物、オレガノ抽出物の投与により尿酸値の有意な低減が観察された。 (実施例5) 5週齢の雄SDラットを日本SLCより購入し、1週間の馴化飼育を行った。体重を基に群分け(1群あたり6匹ずつ)を実施し、対照群、セツレンカ抽出物投与群、ハハコグサ抽出物投与群の計3群を設定した。 まず、オキソン酸カリウム(SIGMA−ALDRICH社)250mg/Kg体重をラットの腹腔内に投与し、オキソン酸カリウム誘発高尿酸血症モデルラットとした。オキソン酸カリウム投与1時間後、セツレンカ抽出物投与群、ハハコグサ抽出物投与群に、それぞれ実施例1で得られたセツレンカ抽出物、ハハコグサ抽出物を中鎖脂肪酸トリグリセリドに懸濁し、各抽出物が1000mg/Kg体重となるように投与した。また、対照群には、中鎖脂肪トリグリセリドを投与した。次いで、オキソン酸カリウム投与3時間後に全個体から採血を行った。採血した血液から遠心分離により血清を分取し、血中の尿酸値を測定した。表4にその結果を示した。 表4から明らかなように、セツレンカ抽出物、ハハコグサ抽出物の投与により尿酸値の有意な低減が観察された。 (実施例6) 5週齢の雄SDラットを日本SLCより購入し、1週間の馴化飼育を行った。体重を基に群分け(1群あたり6匹ずつ)を実施し、対照群、オカニン投与群の計2群を設定した。 まず、オキソン酸カリウム(SIGMA−ALDRICH社)250mg/Kg体重をラットの腹腔内に投与し、オキソン酸カリウム誘発高尿酸血症モデルラットとした。オキソン酸カリウム投与1時間後、オカニンを蒸留水に懸濁し、オカニンが50mg/Kg体重となるように投与した。また、対照群には、蒸留水を投与した。次いで、オキソン酸カリウム投与2時間後に全個体から採血を行った。採血した血液から遠心分離により血清を分取し、血中の尿酸値を測定した。表5にその結果を示した。 表5から明らかなように、オカニンの投与により尿酸値の有意な低減が観察された。 (実施例7) ヨモギ(全草)、菊(花)、グアバ(葉)、ハハコグサ(全草)、ブルーマロー(花)、オレガノ(葉および花)、ハッカ(葉)、各々1000gを、90、60、30、容量%エタノール水溶液、または水に浸し45℃で6時間、撹拌抽出を行った後、ろ過により残渣を除去して抽出液を得た。抽出液を減圧濃縮して溶媒を除去し、それぞれの抽出物を得た。 (実施例8) 実施例7で調製した各抽出物を、DMSOに溶解し100mg/mLとした。各々のDMSO溶液を75mMリン酸緩衝液(pH7.5)に溶解し400μg/mLのサンプル溶液を調製した。 サンプル溶液50μL、および、リン酸緩衝液に0.2unit/mLとなるようにバターミルク由来キサンチンオキシダーゼを溶解させた酵素液50μLを、96穴プレートに加え、25℃で15分間処理を行った。その後、100μLの0.4mMキサンチン溶液を加え、更に25℃で15分間反応を行った。この時、各サンプルの終濃度は100μg/mLとなる。そして、20μLの1N塩酸を添加して反応を停止させた。マイクロプレートリーダーを用い295nmにおける吸光度を測定した。なお、溶媒対照として、リン酸緩衝液にDMSOを0.4%となるように溶解させた溶液50μLを、サンプル溶液の代わりに用いた。溶媒対照またはサンプルを添加した反応液中にキサンチンオキシダーゼにより生成した尿酸量(反応値)は、キサンチンオキシダーゼ存在下の吸光度からキサンチンオキシダーゼ非存在下の吸光度を差し引いて求めた。なお、キサンチンオキシダーゼ阻害活性は次式より求めた。 キサンチンオキシダーゼ阻害活性(%)={1−(被検物質(サンプル)の反応値/溶媒対照の反応値)}x100 実施例7で得られた、ヨモギ、菊、グアバ、ハハコグサ、ブルーマロー、オレガノ、ハッカの各抽出液のキサンチンオキシダーゼ阻害活性を表6に示した。 表6から明らかなように、実施例7で得られた、ヨモギ、菊、グアバ、ハハコグサ、ブルーマロー、オレガノ抽出物は、強いキサンチンオキシダーゼ阻害活性を示した。 ヨモギ、セツレンカ、菊、グアバ、ハハコグサ、ブルーマロー、オレガノ、カキドオシ、ハッカ、ムラサキナツフジおよびピーナッツからなる群より選択される少なくとも1種の植物素材の有機溶媒または有機溶媒水溶液抽出物、ピクノジェノール、および/または、一般式(1):(式中、R1〜R10は、それぞれ独立して、H、OH、OCH3のいずれかを表す)で表されるカルコン誘導体またはその配糖体を有効成分として含有することを特徴とする高尿酸血症の予防または改善剤。 ヨモギ、セツレンカ、菊、グアバ、ハハコグサ、ブルーマロー、オレガノ、カキドオシ、ハッカ、ムラサキナツフジおよびピーナッツからなる群より選択される少なくとも1種の植物素材の有機溶媒または有機溶媒水溶液抽出物、ピクノジェノール、および/または、一般式(1):(式中、R1〜R10は、それぞれ独立して、H、OH、OCH3のいずれかを表す)で表されるカルコン誘導体またはその配糖体を有効成分として含有することを特徴とするキサンチンオキシダーゼ阻害剤。 有機溶媒が、エタノールである請求項1または2記載の剤。 一般式(1)で表されるカルコン誘導体またはその配糖体が、センダングサ属植物由来のカルコン誘導体またはその配糖体であることを特徴とする請求項1または2記載の剤。 一般式(1)で表されるカルコン誘導体またはその配糖体が、オカニンまたはオカニン配糖体であることを特徴とする請求項1または2記載の剤。 請求項1〜5いずれか1項記載の剤を含有することを特徴とする飲食品。 機能性食品である請求項6記載の飲食品。 特定保健用食品である請求項6記載の飲食品。 請求項1〜5いずれか1項記載の剤を含有することを特徴とする、化粧品または医薬品。 ヨモギ、セツレンカ、菊、グアバ、ハハコグサ、ブルーマロー、オレガノ、カキドオシ、ハッカ、ムラサキナツフジおよびピーナッツからなる群より選択される少なくとも1種の植物素材の有機溶媒または有機溶媒水溶液抽出物、ピクノジェノールおよび/またはカルコン誘導体またはその配糖体を有効成分として含有する高尿酸血症の予防または改善剤を提供する。


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