タイトル: | 公開特許公報(A)_分散助剤及びこれを用いた顔料組成物 |
出願番号: | 2009018655 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | C09B 67/20,C09B 67/46,C07D 235/30 |
佐々木 大輔 中平 真一 JP 2010174142 公開特許公報(A) 20100812 2009018655 20090129 分散助剤及びこれを用いた顔料組成物 富士フイルム株式会社 306037311 飯田 敏三 100076439 佐々木 渉 100118131 宮前 尚祐 100131288 佐々木 大輔 中平 真一 C09B 67/20 20060101AFI20100716BHJP C09B 67/46 20060101ALI20100716BHJP C07D 235/30 20060101ALI20100716BHJP JPC09B67/20 LC09B67/46 BC07D235/30 AC09B67/20 F 6 OL 16 (出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成17年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 ナノテクノロジープログラム「ナノテク・先端部材実用化研究開発」/「有機顔料ナノ結晶の新規製造プロセスの研究開発」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願) 本発明は、顔料等の分散に用いられる分散助剤、及びこれを用いて作製される顔料組成物に関する 顔料を微細化し液体媒体に分散させるためには、一般的に強力な機械力と長い時間を必要とする。また、このようにして液体媒体中に分散させた顔料は、しばしば経時的に再凝集し、貯蔵時の増粘、貯蔵後の顔料分散体の流動性や色特性に不都合をきたすことがある。そこで、このような機械力による分散を軽減するために、あるいは分散媒体中での顔料分散体の安定性を向上させるために、顔料の改質が広く行われている。 顔料の改質法としては種々の方法が知られているが、分散剤や分散助剤等を改質剤として添加する手法があり、その目的で例えば顔料誘導体を用いる方法が示されている(非特許文献1参照)。顔料誘導体は分散させる顔料と同一あるいは類似の骨格を有するものであり、改質効果が見込まれ、分散させる顔料に合わせて、そのスルホン酸誘導体、スルホンアミド誘導体、アルキルアミノ誘導体、アルキル誘導体等を利用することが行われている。その例として、有機顔料にパラホルムアルデヒドとフタルイミドを濃硫酸又は発煙硫酸中で作用させてフタルイミドメチル基を導入する方法が開示されている(特許文献1参照)。また、有機顔料にクロロスルホン酸を作用させた後にジアミンを作用させる手法が開示されている(特許文献2参照)。 このように、分散助剤等として効果を奏するものとして、この分子骨格が顔料もしくはその類似構造で構成されたものが多く、必然的に顔料を出発原料として分散助剤を作ることが多かった。しかし、顔料は難溶性の化合物である。そのため、溶媒に溶解させることができない、その結果、顔料を変性する反応を効率良く進行させることが困難であった。また、このような顔料類似骨格を持った分散助剤は可視領域に吸収を有し、結果、使用顔料の色味を損なうこともあった。特開昭55−108466号公報特開平6−240160号公報色材工学ハンドブック,色材協会編,1989年,427〜428頁 本発明は、顔料の分散に用いたときに、顔料を分散させやすくし、かつこれによって調製された顔料分散体に高い分散安定性と良好な色味とを付与することが可能な、新規な分散助剤、これを用いた顔料組成物を提供することを目的とする。 上記課題は、下記の手段によって達成された。(1)下記一般式(1)で表される化合物からなることを特徴とする分散助剤。(R1は脂肪族炭化水素基、アリール基、アラルキル基、又はオキシアルキレン基を表す。R2、R3、R4、及びR5はそれぞれ独立して、水素原子、脂肪族炭化水素基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す)(2)前記一般式(1)が下記一般式(2)で表されることを特徴とする(1)に記載の分散助剤。(R1は脂肪族炭化水素基、アリール基、アラルキル基、又はオキシアルキレン基を表す)(3)前記一般式(1)及び(2)中のR1が、直鎖、分岐、または環状の炭素数4〜18のアルキル基であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の分散助剤。(4)顔料及び(1)〜(3)のいずれか1項に記載の分散助剤を含むことを特徴とする顔料組成物。(5)前記顔料が微粒子として有機溶媒に分散していることを特徴とする(4)に記載の顔料組成物。(6)前記有機溶媒が、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、及び脂肪族炭化水素系溶媒から選択される少なくとも1種以上の溶媒であることを特徴とする請求項5に記載の顔料組成物。 本発明の分散助剤は、顔料の分散に用いたとき顔料を分散させやすくし、しかもこれによって調製された顔料分散体に高い分散安定性を与えることができる。また、本発明の分散助剤は、その化合物の合成反応を所定の反応媒体中で効率良く進行させることができ、また共存させて用いる顔料の良好な色味を損なわずに発現させることができる。さらに、本発明の分散助剤及びこれを用いた顔料組成物は、インクジェットインクもしくはその原料、またはカラーフィルタ塗布液もしくはその原料として好適に用いることができる。 以下、本発明について詳細に説明する。 本発明の分散助剤は一般式(1)で表される化合物からなる。 式中、R1は脂肪族炭化水素基、アリール基、アラルキル基、又はオキシアルキレン基を表す。 脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐または環状のアルキル鎖(好ましくは炭素数1〜30であり、より好ましくは炭素数1〜20であり、炭素数4〜18が特に好ましい。たとえば、メチル、エチル、iso−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−ステアリル、n−ヘキサデシル、2−エチルヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30であり、より好ましくは炭素数2〜20であり、炭素数2〜12が特に好ましい。例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、更に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)である。これらの中でも、アルキル基が好ましい。 アリール基は、好ましくは炭素数6〜30の単環または二環のアリール基(例えばフェニル、ナフチル等が挙げられる。)であり、より好ましくは炭素数6〜20のフェニル基または炭素数10〜24のナフチル基であり、更に好ましくは炭素数6〜12のフェニル基または炭素数10〜16のナフチル基である。 アラルキル基は、アリール基で置換されている低級アルキル基を意味し、アルキル部が直鎖状または分岐鎖状で、好ましい炭素数が1〜5、より好ましくは1であり、アリール部が好ましい炭素数が6〜10、より好ましくは6〜8である。具体的には、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。 オキシアルキレン基は、アルキレン鎖中に酸素原子が導入された基をいう。アルキレン鎖は直鎖でも、分岐でも、環状でもよい。また炭素数は1〜30が好ましく、2〜20がより好ましく、4〜18が特に好ましい。また、導入される酸素数は1〜15が好ましく、2〜10がより好ましく、2〜6が特に好ましい。 R1で表される脂肪族炭化水素基、アリール基、又はアラルキル基は、さらに置換基Tを有していてもよく、置換基Tとしては、例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等が挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ等が挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシ等が挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等が挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ等が挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等が挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ等が挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル等が挙げられる。)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。また置換基が二つ以上ある場合は、同一でも異なっていても良い。また、可能な場合には互いに連結して環を形成していてもよい。 また、式中R2、R3、R4及びR5は水素原子、脂肪族炭化水素基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基を表す。このとき、脂肪族炭化水素基、アリール基の好ましい範囲はR1と同じであり、アルコキシ基、アリールオキシ基の好ましい範囲はその置換基Tと同じである。なかでも、一般式(1)中の R2、R3、R4及びR5は水素原子であることが好ましく、すなわち、一般式(1)は一般式(2)で表される構造であることが好ましい。 また、一般式(2)中のR1は、一般式(1)と同義であり、その好ましい範囲も同じである。R1は中でも、直鎖、分岐、または環状のアルキル基であることがより好ましく、R1の炭素数は1〜30であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜20であり、炭素数4〜18が特に好ましい。たとえば、メチル、エチル、iso−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−ステアリル、n−ヘキサデシル、2−エチルヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられ、n−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−ステアリルがより好ましい。 以下、前記一般式(1)、(2)で表される好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれに限るものではない。なお、下記化合物P−1はJ.Agr.Food.Chem.,21,1973,616-618.に記載されているものの、どのような用途において有用であるかは記載されていない。 本発明の分散助剤は粉末の状態で白色の固体として得ることができ、顔料本来の色特性を損なわず、顔料種を問わずに組み合わせて使用することができる。本発明において用いられる有機顔料は、例えば、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、アントラキノン系顔料、アントアントロン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ジスアゾ縮合系顔料、ジスアゾ系顔料、アゾ系顔料、インダントロン系顔料、フタロシアニン系顔料、トリアリールカルボニウム系顔料、ジオキサジン系顔料、アミノアントラキノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ピラントロン系顔料、イソビオラントロン系顔料、それらの混合物などが挙げられる。 なかでも、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、またはアゾ系顔料であることが好ましく、ジケトピロロピロール系顔料、フタロシアニン系顔料、またはジオキサジン系顔料がより好ましい。 前記有機顔料としては、例えば、以下のものが挙げられる。 C.I.ピグメントイエロー11,24,31,53,83,93,99,108,109,110,138,139,147,150,151,154,155,167,180,185,199; C.I.ピグメントオレンジ36,38,43,71; C.I.ピグメントレッド81,105,122,149,150,155,171,175,176,177,209,220,224,242,254,255,264,270; C.I.ピグメントバイオレット19,23,32,37,39; C.I.ピグメントブルー1,2,15,15:1,15:3,15:6,16,22,60,66; C.I.ピグメントグリーン7,36,37; C.I.ピグメントブラウン25,28; C.I.ピグメントブラック1,7; 本発明における顔料としては、特に限定されるものではないが、下記の顔料がより好ましい。 C.I.ピグメントイエロー11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185, C.I.ピグメントオレンジ36,71, C.I.ピグメントレッド122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264, C.I.ピグメントバイオレット19,23,37, C.I.ピグメントブルー15:1,15:3,15:6,16,22,60,66, C.I.ピグメントグリーン36C.I.ピグメントブラック7 本発明においては、2種類以上の有機顔料または有機顔料の固溶体を組み合わせて用いてもよい。 本発明の顔料組成物は、上記有機顔料に本発明の分散助剤を混合するか、コーティングなどの被覆手段を用いて表面処理することによって形成される。顔料組成物の調整方法としては、顔料粉末と本発明の分散助剤の粉末を単に混合して作製しても所望の効果を得ることができる。しかし、ニーダー、ロールミル、アトライター、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の分散機を用いて機械的に混合したり、水又は有機溶剤中の顔料のスラリーに分散助剤を添加し、顔料表面に分散助剤を吸着、分散させたりした分散組成物とすることで、さらに高い効果を得ることができる。 この際、使用する分散助剤の量に制約は無く、使用用途や顔料種によって自由に選択できる。しかしその中でも、有機顔料100質量部に対して、0.01〜50質量部であることが好ましく、0.05〜30質量部であることがより好ましい。分散助剤が少なすぎると、顔料分散体の流動性、安定性において十分な効果が得られないことがある。一方分散助剤の使用量が多すぎると効果の増大が期待できなくなることがあり、また顔料特性(隠蔽性、着色力等)に影響することがある。 本発明の顔料組成物を有機溶媒中で分散させることにより、顔料分散組成物として使用することができる。この顔料分散組成物には、樹脂類、高分子化合物、溶剤、その他添加剤等を配合することができ、これらは顔料分散組成物の用途により適時選択され使用されればよい。 分散媒として使用される溶媒は、顔料を溶解しないものであればどのようなものでもよく、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、スルホキシド系溶媒、アミド系溶媒及びハロゲン含有溶媒等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。中でも、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、及び脂肪族炭化水素系溶媒が好ましい。また、これらの溶媒は2種以上の液体の混合物として使ってもよい。また、これら分散媒は樹脂類や高分子化合物を溶解するものが好ましい。たとえば、2−アセトキシ−1−メトキシプロパン、1−メトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トルエン、キシレンなどを挙げることができる。また、溶剤の添加量は顔料分散組成物の用途などに応じて適宜選択されるが、顔料100質量部に対して、100〜300000質量部であることが好ましく、500〜10000質量部であることがより好ましい。他方、分散組成物における顔料(顔料微粒子)の含有量は、0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましい。 上記の顔料分散組成物に使用される樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、フェノール樹脂、ニトロセルロース樹脂等を挙げることができるが、これらに限定されない。 また、顔料と本発明の分散助剤とからなる顔料組成物には、通常分散剤が組み合わせて用いられ、この分散剤として高分子化合物を用いることが好ましい。分散剤として高分子化合物を添加して溶媒中で分散させることで、顔料微粒子に対して上記分散剤と本発明の分散助剤とが協働して作用し、得られた顔料分散組成物のよりいっそうの分散安定化を図ることができる。これは、本発明の分散助剤が顔料粒子表面の安定化だけでなく、分散剤(好ましくは高分子化合物)の吸着を促進し得るような表面処理能力を有することに起因すると考えられる。分散剤(好ましくは高分子化合物)は(1)析出した顔料表面に素早く吸着して、微細なナノ粒子を形成し、かつ(2)これらの粒子が再び凝集することを防ぐ作用を有するものであることが好ましい。 上記分散剤として用いられる高分子化合物としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、他にもアニオン性、カチオン性、両イオン性、もしくはノニオン性の高分子化合物を使用することができる。 高分子化合物としては、その質量平均分子量(Mw)は、1000〜200000の範囲が好ましく、特に10000〜100000の範囲が好ましい。この質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(キャリア:テトラヒドロフラン)により測定されるポリスチレン換算質量平均分子量である。 高分子化合物の具体例としては、BYK Chemie社製「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti−Terra−203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、170、2000(高分子共重合物)」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン)」などが挙げられる(いずれも商品名)。 また、Efka CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766、6750」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」、共栄社化学社製「フローレン TG−710(ウレタンオリゴマー)」、「フローノンSH−290、SP−1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」、楠本化成社製「ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」などが挙げられる(いずれも商品名)。 さらに、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、EP」、「ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子)」、「エマルゲン920、930、931、935、950、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン24(ココナッツアミンアセテート)、86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパーズ5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13240、13940(ポリエステルアミン系)、17000(脂肪酸アミン系)、3000、24000GR、32000、39000、55000」、日光ケミカル社製「ニッコール T106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline 4−0(ヘキサグリセリルテトラオレート)」等が挙げられる(いずれも商品名)。 他にも、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール−部分ホルマール化物、ポリビニルアルコール−部分ブチラール化物、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体、ポリアクリル酸塩、ポリビニル硫酸塩、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ(4−ビニルピリジン)塩、ポリアミド、ポリアリルアミン塩、縮合ナフタレンスルホン酸塩、セルロース誘導体、澱粉誘導体などが挙げられる。その他、アルギン酸塩、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、アラビアゴム、トンガントゴム、リグニンスルホン酸塩などの天然高分子類も使用できる。これら高分子化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、また、低分子量の化合物を組み合わせて用いてもよい。顔料の分散に用いる高分子化合物に関しては、「顔料分散安定化と表面処理技術・評価」(化学情報協会、2001年12月発行)の29〜46頁に詳しく記載されている。 アニオン性高分子化合物(アニオン性界面活性剤)としては、N−アシル−N−アルキルタウリン塩、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。なかでも、N−アシル−N−アルキルタウリン塩が好ましい。N−アシル−N−アルキルタウリン塩としては、特開平3−273067号明細書に記載されているものが好ましい。これらアニオン性高分子化合物は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。 カチオン性高分子化合物(カチオン性界面活性剤)には、四級アンモニウム塩、アルコキシル化ポリアミン、脂肪族アミンポリグリコールエーテル、脂肪族アミン、脂肪族アミンと脂肪族アルコールから誘導されるジアミンおよびポリアミン、脂肪酸から誘導されるイミダゾリンおよびこれらのカチオン性物質の塩が含まれる。これらカチオン性高分子化合物は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。 両イオン性高分子化合物は、前記アニオン性高分子化合物が分子内に有するアニオン基部分とカチオン性高分子化合物が分子内に有するカチオン基部分を共に分子内に有する高分子化合物である。 ノニオン性高分子化合物(ノニオン性界面活性剤)としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。なかでも、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルが好ましい。これらノニオン性高分子化合物は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。 分散剤(好ましくは上記高分子化合物)の含有量は、顔料粒子の均一分散性および保存安定性をより一層向上させるために、顔料100質量部に対して0.1〜1000質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜500質量部の範囲であり、さらに好ましくは5〜20質量部の範囲である。この量が少なすぎると顔料粒子の分散安定性の向上が見られない場合がある。また、分散剤(好ましくは高分子化合物)は、単独で用いても、複数のものを組み合わせて用いてもよい。 上記分散剤として用いられる高分子化合物のなかでも、高分子を構成するモノマーとして、不飽和カルボン酸(例、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸及びフマル酸など)、不飽和スルホン酸(例、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸など)などが含まれる、酸性高分子化合物であることが好ましい。 その他添加剤としては、例えば、界面活性剤、シランカップリング剤、表面調整剤、粘度調整剤、湿潤剤、消泡剤、酸化防止剤等を挙げることができる。 本発明の顔料分散組成物の調製は、特に制限されないが、例えば、顔料と分散助剤と溶剤と場合によっては高分子化合物などの種々添加剤とを、縦型もしくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機等を用いて、0.01〜1mmの粒径のガラス、ジルコニア等でできたビーズで微分散処理を行なうことにより得ることができる。 また、ビーズ分散を行なう前に、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸もしくは2軸の押出機等を用いて、強い剪断力を与えながら混練分散処理を行なうことも可能である。 なお、混練、分散についての詳細は、T.C.Patton著”Paint Flow and Pigment Dispersion”(1964年 John Wiley and Sons社刊)等に記載されている。 本発明において顔料微粒子(一次粒子)の平均粒径は5nm〜500nmであることが好ましく、10nm〜200nmであることがより好ましく、10nm〜100nmであることが特に好ましい。また、粒子の単分散性を表す指標として、本発明においては、特に断りのない限り、体積平均粒径(Mv)と数平均粒径(Mn)の比(Mv/Mn)を用いる。本発明において顔料微粒子(一次粒子)の単分散性、つまりMv/Mnは、1.0〜2.0であることが好ましく、1.0〜1.8であることがより好ましい。本発明において顔料粒子の粒子径は、特に断らない限り、堀場製作所社製LB−500(商品名)を用いて動的光散乱法により、顔料濃度が0.9〜1.1Vの範囲で検出されるようになるまで希釈した分散液中で測定し、そのメジアン径を平均粒径とした。 本発明の分散助剤及びこれを用いた顔料組成物は、常法により調製して、インクジェットインクもしくはその原料、またはカラーフィルタ塗布液もしくはその原料として好適に用いることができる。インクジェットインクとして用いる場合には、例えば特開2004−43776号公報に記載の実施態様を参照することができ、カラーフィルタとして用いる場合には特開2007−262378号公報等に記載の実施態様を参照することができる。 以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を示す。(合成例1)(分散助剤P−1の合成) 2−アミノベンズイミダゾール13.32部をN−メチルピロリドン30部に室温で溶解させる。次にブチルイソシアネート9.91部を滴下し、滴下後70度で3時間加熱攪拌する。反応終了後室温まで冷却し、得られた析出物をろ過、洗浄することで、前記分散助剤P−1を22部得た。1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ=0.85(t,3H)、1.25〜1.42(m,2H)、1.42〜1.56(m,2H)、3.15〜3.25(m,2H)、6.95〜7.05(m,2H)、7.25〜7.45(m,3H)、9.75(s、1H)、11.42(s、1H)。m.p.:240−242℃。(合成例2)(分散助剤P−2の合成) 合成例1のブチルイソシアネートをヘキシルイソシアネート12.72部に変更した以外は合成例1と同様にして合成することで、前記分散助剤P−2を24.4部得た。1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ=0.85(t,3H)、1.25〜1.42(m,6H)、1.42〜1.56(m,2H)、3.15〜3.25(m,2H)、6.95〜7.05(m,2H)、7.25〜7.45(m,3H)、9.75(s、1H)、11.42(s、1H)。m.p.:226−228℃。(合成例3)(分散助剤P−3の合成) 合成例1のブチルイソシアネートをオクチルイソシアネート15.52部に変更した以外は合成例1と同様にして合成することで、前記分散助剤P−3を26.8部得た。1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ=0.85(t,3H)、1.15〜1.44(m,10H)、1.44〜1.58(m,2H)、3.15〜3.25(m,2H)、6.95〜7.05(m,2H)、7.20〜7.45(m,3H)、9.75(s、1H)、11.42(s、1H)。m.p.:219−221℃。(合成例4)(分散助剤P−4の合成) 合成例1のブチルイソシアネートをデシルイソシアネート18.33部に変更した以外は合成例1と同様にして合成することで、前記分散助剤P−4を29部得た。1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ=0.85(t,3H)、1.15〜1.40(m,14H)、1.40〜1.58(m,2H)、3.15〜3.25(m,2H)、6.95〜7.05(m,2H)、7.20〜7.45(m,3H)、9.75(s、1H)、11.42(s、1H)。m.p.:214−216℃。(合成例5)(分散助剤P−5の合成) 合成例1のブチルイソシアネートをドデシルイソシアネート21.13部に変更した以外は合成例1と同様にして合成することで、前記分散助剤P−5を31.8部得た。1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ=0.85(t,3H)、1.15〜1.40(m,18H)、1.40〜1.58(m,2H)、3.15〜3.25(m,2H)、6.95〜7.05(m,2H)、7.20〜7.45(m,3H)、9.75(s、1H)、11.42(s、1H)。m.p.:196−198℃。(合成例6)(分散助剤P−6の合成) 合成例1のブチルイソシアネートをオクタデシルイソシアネート29.55部に変更した以外は合成例1と同様にして合成することで、前記分散助剤P−5を38.3部得た。1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ=0.85(t,3H)、1.15〜1.40(m,30H)、1.40〜1.58(m,2H)、3.15〜3.25(m,2H)、6.95〜7.05(m,2H)、7.20〜7.45(m,3H)、9.75(s、1H)、11.42(s、1H)。m.p.:191−193℃。(合成例7)(分散助剤P−7の合成) 合成例1のブチルイソシアネートを2−エチルヘキシルイソシアネート15.52部に変更した以外は合成例1と同様にして合成することで、前記分散助剤P−7を26.8部得た。1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ=0.85(t,6H)、1.15〜1.35(m,8H)、1.36〜1.50(m,1H)、3.10〜3.28(m,2H)、6.95〜7.05(m,2H)、7.20〜7.45(m,3H)、9.75(s、1H)、11.42(s、1H)。m.p.:202−204℃。(合成例8)(分散助剤P−8の合成) 合成例1のブチルイソシアネートをシクロヘキシルイソシアネート12.52部に変更した以外は合成例1と同様にして合成することで、前記分散助剤P−8を20.0部得た。1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ=1.18〜1.42(m,6H)、1.45〜1.60(m,1H)、1.60〜1.75(m,2H)、1.78〜1.88(m,2H)、6.95〜7.05(m,2H)、7.25〜7.45(m,3H)、9.75(s、1H)、11.42(s、1H)。m.p.:245−247℃。(合成例9)(分散助剤P−9の合成) 合成例1のブチルイソシアネートをフェニルイソシアネート11.91部に変更した以外は合成例1と同様にして合成することで、前記分散助剤P−9を15.3部得た。1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ=6.98〜7.18(m,4H)、7.22〜7.60(m,7H)、9.55(s、1H)。m.p.:224−226℃。(実施例1) 下記組成Aの成分を混合し、ホモジナイザーを用いて回転数3000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、顔料を含む混合溶液を調製した。〔組成A〕 ・C.I.ピグメントレッド254 (商品名:イルガフォア レッド B−CF、 チバ・スペシャルティケミカルズ(株)社製)・・・ 80部 ・分散助剤P−1・・・ 8部 ・高分子化合物C−34(分散剤)・・・ 40部 ・1−メトキシ−2−プロピルアセテート・・・ 672部 高分子化合物C−34は、特開2007−277514に記載されている方法で調整した。 続いて、上記より得られた混合溶液を、さらに0.3mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ディスパーマット(商品名、GETZMANN社製)にて6時間分散処理を行ない、その後さらに、減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(商品名、日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2000kg/cm3の圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、鮮やかな赤色の顔料分散組成物1を得た。(実施例2〜14)、(比較例1〜4) 実施例1において、分散助剤P−1及び顔料PR254を、表に記載の分散助剤及び顔料にそれぞれ代えたこと以外、実施例1と同様にして、顔料分散組成物2〜18を調製した。得られた顔料分散組成物はいずれも顔料の良好な色相が維持され、鮮やかな色みを呈していた。また得られた顔料分散組成物について、それぞれ下記の「1.平均粒径の測定評価」及び「2.粘度の測定評価」を行い、その結果を下記表1に示した。(評価)1.平均粒径 顔料粒子の粒子径は、堀場製作所社製LB−500(商品名)を用いて動的光散乱法により、顔料濃度が0.9〜1.1Vの範囲で検出されるようになるまで希釈した分散液中で測定し、そのメジアン径を平均粒径とした。各分散液について、その平均粒径を下記の基準で評価した。 A:平均粒径が150nm未満 B:平均粒径が150nm以上、300nm未満 C:平均粒径が300nm以上用いた顔料分散組成物は、調製直後と1週間静置後の2水準行った。平均粒径が小さいほど、顔料粒子が細かく砕かれていることを示し好ましい。またこの評価において、調製直後と1週間静置後とで粒径に変化がないことが好ましい。2.粘度(流動性) 各顔料分散組成物の25℃における粘度を、粘度計(東機産業(株)社製、RE80、商品名)を用いて測定し、下記の基準で評価した。 A:20mPa・s未満 B:20mPa・s以上、100mPa・s未満 C:100mPa・s以上、 先と同様、用いた顔料分散組成物は、調製直後と1週間室温静置後の2水準行った。粘度が低いほど、顔料粒子が安定に分散されていることを示し、好ましい。またこの評価において、調製直後と1週間静置後とで粘度に変化がないことが好ましい。 測定不能:粘度が高すぎるため測定不可能であった。 ゲル化:ゲル化したために測定不可能であった。 表2の結果から明らかなように、本発明の分散助剤を添加して顔料微粒子を分散させた顔料分散組成物は、添加しないときに比べて分散性に優れ、しかも低粘度が長期間維持されるという高い分散安定性を示すことが分かった。 下記一般式(1)で表される化合物からなることを特徴とする分散助剤。(R1は脂肪族炭化水素基、アリール基、アラルキル基、又はオキシアルキレン基を表す。R2、R3、R4、及びR5はそれぞれ独立して、水素原子、脂肪族炭化水素基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。) 前記一般式(1)が下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項1に記載の分散助剤。(R1は脂肪族炭化水素基、アリール基、アラルキル基、又はオキシアルキレン基を表す。) 前記一般式(1)及び(2)中のR1が、直鎖、分岐、または環状の炭素数4〜18のアルキル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の分散助剤。 顔料及び請求項1〜3のいずれか1項に記載の分散助剤を含むことを特徴とする顔料組成物。 前記顔料が微粒子として有機溶媒に分散していることを特徴とする請求項4に記載の顔料組成物。 前記有機溶媒が、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、及び脂肪族炭化水素系溶媒から選択される少なくとも1種以上の溶媒であることを特徴とする請求項5に記載の顔料組成物。 【課題】顔料の分散に用いたときに、顔料を分散させやすくし、かつこれによって調製された顔料分散体に高い分散安定性と良好な色味とを付与することが可能な、新規な分散助剤、これを用いた顔料組成物を提供する。【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物からなることを特徴とする分散助剤。(R1は脂肪族炭化水素基、アリール基、アラルキル基、又はオキシアルキレン基を表す。R2、R3、R4、及びR5はそれぞれ独立して、水素原子、脂肪族炭化水素基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す)【選択図】なし