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タイトル:特許公報(B2)_貼付剤、及び貼付剤の評価方法
出願番号:2008547030
年次:2014
IPC分類:A61K 9/70,A61K 47/32


特許情報キャッシュ

川村 尚久 齋藤 隆 土屋 純子 JP 5546131 特許公報(B2) 20140523 2008547030 20071129 貼付剤、及び貼付剤の評価方法 ニプロパッチ株式会社 000174622 正林 真之 100106002 林 一好 100120891 川村 尚久 齋藤 隆 土屋 純子 JP 2006324460 20061130 20140709 A61K 9/70 20060101AFI20140619BHJP A61K 47/32 20060101ALI20140619BHJP JPA61K9/70 401A61K47/32 A61K 9/00−9/72 A61K 47/00−47/48 特表2001−507591(JP,A) 特表2001−508053(JP,A) 特表2001−507962(JP,A) 特表2001−508094(JP,A) 特開昭59−058068(JP,A) 国際公開第2005/087282(WO,A1) 特表平10−507944(JP,A) 特開平07−165563(JP,A) 特開昭60−004125(JP,A) 特開2004−315542(JP,A) 特開2004−083462(JP,A) 特開2003−183156(JP,A) 特開2002−363070(JP,A) 特開2001−003986(JP,A) 特開2006−169160(JP,A) 特開2002−226366(JP,A) 特開2001−328935(JP,A) 国際公開第01/068061(WO,A1) 国際公開第01/043729(WO,A1) 特開昭63−246327(JP,A) 特開2001−302502(JP,A) 9 JP2007073055 20071129 WO2008066115 20080605 19 20101126 高橋 樹理 本発明は、貼付剤に関し、より詳しくは、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を含有する粘着剤層を備える貼付剤に関する。また、本発明は、貼付剤の特性を評価する方法にも関する。 従来、皮膚貼付用の貼付剤(例えば、プラスター剤)が広く使用されている。これら貼付剤は、皮膚に貼付されることで、薬物を経皮的に吸収させるものであることから、皮膚への粘着性(貼着性)が重要となる。 そこで、貼付剤の粘着性について、種々の検討が行われているが、溶剤を使用せずに熱溶融で製造できる点で、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(以下、SISブロック共重合体とも称する)を粘着成分として使用する試みがなされている。 例えば、インドメタシン、SISブロック共重合体、流動パラフィン、及びポリエチレングリコールを粘着剤層中に含有する貼付剤(特許文献1参照)や、SISブロック共重合体、クロタミトン、及び消炎鎮痛薬を含有する貼付剤(特許文献2参照)等が開示されている。 これらの貼付剤によれば、粘着剤層中にSISブロック共重合体を配合したので、溶剤を使用せずに熱溶融で製造できるから、容易且つ安価に製造でき、更に、環境負荷を軽減できる。特開2001−302502号公報特開平4−321624号公報 しかしながら、前述した従来の貼付剤には、以下のような問題があった。 第1に、前述の貼付剤は、自着(ここで、「自着」とは、貼付剤の粘着剤層面同士の粘着力、貼付性などを意味する。粘着剤層面以外の対象物に接着しないという概念を含むものではない)力が強すぎるため、剥離フィルムを剥離する際、貼付剤を皮膚に貼付する際、再貼付する際等に、粘着剤層面同士が貼り付きやすく、しかも、貼り付いた面を引き剥がすのが困難である。 第2に、前述した貼付剤は、皮膚に対する粘着力も強すぎるため、皮膚から剥離される際、使用者に多大な痛みを与える。 そこで、本発明は、SISブロック共重合体を粘着成分として使用する貼付剤であって、取扱い性を向上でき且つ使用者に与える刺激を軽減できる貼付剤を提供することを目的とする。 本発明者らは、32℃における動的粘弾性測定で決定される粘着剤のtanδを所定範囲とすることにより、取扱い性を向上でき且つ使用者に与える刺激を軽減できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、具体的には、以下のようなものを提供する。 (1) 可撓性の支持体と、この支持体上に積層された粘着剤層と、を備える貼付剤であって、 前記粘着剤層は、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を含有し、 32℃における動的粘弾性測定によって得られるtanδ値が、周波数0.04Hz以上0.25Hz以下の少なくとも1点について以下の数式1を満たす貼付剤。 0.25x+0.05≦y≦0.25x+0.10・・・数式1(式中、xは周波数(Hz)、yはtanδである。) (2) 32℃における動的粘弾性測定によって得られるtanδ値が、周波数0.04Hz以上0.25Hz以下の任意の点について前記数式1を満たす(1)記載の貼付剤。 (3) 可撓性の支持体と、この支持体上に積層された粘着剤層と、を備える貼付剤であって、 前記粘着剤層は、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を含有し、 32℃における動的粘弾性測定によって得られるtanδ値が、周波数0.04Hz以上0.10Hz以下の少なくとも1点について以下の数式2を満たす貼付剤。 0.25x+0.05≦y≦0.65x+0.09・・・数式2(式中、xは周波数(Hz)、yはtanδである。) (4) 32℃における動的粘弾性測定によって得られるtanδ値が、周波数0.04Hz以上0.10Hz以下の任意の点について前記数式2を満たす(3)記載の貼付剤。 (5) 前記粘着剤層は、粘着付与剤及び可塑剤を更に含有する(1)から(4)いずれか記載の貼付剤。 (6) 前記粘着剤層の全体に対して、前記スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の含有量は、10質量%以上40質量%以下であり、前記粘着付与剤の含有量は、10質量%以上35質量%以下であり、前記可塑剤の含有量は、20質量%以上60質量%以下である(5)記載の貼付剤。 (7) 前記スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体は、スチレン及びイソプレンの質量比(スチレン/イソプレン)が20/80以上25/75以下である(1)から(6)いずれか記載の貼付剤。 (8) 可撓性の支持体と、この支持体上に積層された粘着剤層と、を備える貼付剤について、 前記貼付剤が適用される対象の温度における、前記粘着剤層の動的粘弾性測定によって得られるtanδ値に基づいて評価を行う方法。 本発明によれば、32℃、周波数0.04Hz以上0.25Hz以下におけるに動的粘弾性測定によって得られるtanδ値を所定範囲としたので、SISブロック共重合体を粘着成分として使用する貼付剤における取扱い性を向上でき且つ使用者に与える刺激を軽減できる。 また、本発明によれば、32℃、周波数0.04Hz以上0.10Hz以下におけるに動的粘弾性測定によって得られるtanδ値を所定範囲としたので、SISブロック共重合体を粘着成分として使用する貼付剤における取扱い性を向上でき且つ使用者に与える刺激を軽減できる。本発明の実施例に係る貼付剤における周波数とtanδとの関係を示すグラフである。本発明の実施例に係る貼付剤における特定範囲の周波数とtanδとの関係を示すグラフである。本発明の実施例に係る貼付剤が、自着時において、剥離されるのに要する平均荷重を示すグラフである。発明を実施するための形態 以下、本発明の実施形態の一例について説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されない。 本発明の貼付剤は、可撓性の支持体と、この支持体上に積層された粘着剤層と、を備える。ここで、本発明の貼付剤は、主に皮膚貼付用であり、プラスター剤、パップ剤、テープ剤、絆創膏、シート剤、創傷被覆剤、化粧用パック剤等が含まれるが、工業用テープは含まれない。 <粘着剤層> 貼付剤を構成する粘着剤層は、SISブロック共重合体を必須成分として含有し、粘着付与剤及び可塑剤を更に含有することが好ましい。本明細書では、粘着剤層に含有される全成分を粘着剤と呼ぶ。 [SISブロック共重合体] SISブロック共重合体は、ゴム系粘着剤の一種であり、A−B−A型重合体に属するもので、末端ブロックのAがポリスチレン、ゴム中間ブロックのBがポリイソプレンからなる分子構造モデルを有するスチレン系熱可塑性のエラストマーである。 本発明に用いられるSISブロック共重合体としては、特に限定されないが、通常、溶液粘度(MPa・s〔cps〕、25℃)は約100〜3000程度のものでよく、スチレンとイソプレンの質量比は10/90〜30/70であってよいが、好ましくは、スチレンとイソプレンの質量比(スチレン/イソプレン)が20/80〜25/75である。このように、スチレン質量比が大きいSISブロック共重合体を用いることにより、粘着剤の作成が容易となる。 具体的には、以下の市販のSIS系樹脂が使用できる。例えば、スチレン/ゴム比(質量%)が15/85で、溶液粘度(MPa・s〔cps〕、25℃)が1,500のもの(商品名:クレイトンD−1107)、スチレン/ゴム比(質量%)が15/85で、溶液粘度(MPa・s〔cps〕、25℃)が900のもの(商品名:クレイトンD−1112)、スチレン/ゴム比(質量%)が17/83で、溶液粘度(MPa・s〔cps〕、25℃)が500のもの(商品名:クレイトンD−1117P)、スチレン/ゴム比(質量%)が22/78のもの(商品名:クレイトンD−KX401)、スチレン/ゴム比(質量%)が16/84のもの(商品名:クレイトンD−KX406)、スチレン/ゴム比(質量%)が30/70で、溶液粘度(MPa・s〔cps〕、25℃)が300のもの(商品名:クレイトンD−1125x)、スチレン/ゴム比(質量%)が10/90で、溶液粘度(MPa・s〔cps〕、25℃)が2,500のもの(商品名:クレイトンD−1320x)が挙げられる(いずれもジェイエスアール クレイトンエラストマー社製)。本発明に用いられるSISブロック共重合体としては、これらの1種又は2種以上が含有されるものでよいが、スチレン/ゴム比(質量%)が22/78のもの(商品名:クレイトンD−KX401)が好ましい。 SISブロック共重合体の含有量としては、特に制限はないが、粘着剤全体に対して10〜40質量%であることが好ましい。SISブロック共重合体の含有量は、小さすぎると、凝集力が不充分となる一方、大きすぎると、皮膚貼着性が不充分となるため、好ましくない。 [粘着付与剤] 本発明に用いられる粘着付与剤としては、特に限定されないが、例えば、脂環式飽和炭化水素樹脂(合成石油樹脂)やロジンエステル誘導体、テルペン系樹脂、フェノール系樹脂等が好ましい。 脂環式飽和炭化水素樹脂としては、特に限定されないが、例えば「アルコンP−100(商品名)」(荒川化学工業社製)等が挙げられる。 ロジンエステル誘導体としては、特に限定されないが、例えば、「エステルガムH(商品名)」(荒川化学工業社製)、「KE−311(商品名)」(荒川化学工業社製)、「KE−100(商品名)」(荒川化学工業社製)等が挙げられる。 テルペン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、「YSレジン(商品名)」(ヤスハラケミカル社製)等が挙げられる。 本発明に用いられる粘着付与剤としては、例えばこれらの1種又は2種以上が含有されるものでよい。 粘着付与剤の含有量としては、特に制限はないが、粘着剤全体に対して10〜35質量%であることが好ましい。粘着付与剤の含有量が小さすぎると、粘着力が不充分となる一方、粘着付与剤の含有量が大きすぎると、粘着力が過剰に強くなり、皮膚から剥離されるときに使用者に大きな痛みを与える。 [可塑剤] 本発明に用いられる可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、流動パラフィン、硬化油、硬化ヒマシ油、オクチルドデカノール等の高級アルコール、スクワラン、スクワレン、ひまし油、液状ゴム(ポリブテン)、ミリスチン酸イソプロピル等の脂肪酸エステル等が挙げられる。本発明に用いられる可塑剤は、例えばこれらの1種又は2種以上が含有されるものでよい。また、これらの中では、流動パラフィン、硬化油、硬化ヒマシ油が好ましい。 可塑剤の含有量は、粘着剤全体に対して20〜60質量%であることが好ましい。可塑剤の含有量が小さすぎると、粘着剤層が過剰に硬化するため、粘着力が不充分となる。一方で、可塑剤の配合量が大きすぎると、粘着剤層が過剰に軟化するために、べたつきを生じたり、皮膚から剥離されるときに大きな痛みを与えたり、糊残りを生じやすくなったりする。可塑剤の含有量は、より好ましくは25〜50質量%、更により好ましくは30〜50質量%である。 [任意成分] 貼付剤を構成する粘着剤層は、上記の成分の他、必要に応じて、薬物成分、賦形剤や抗酸化剤、薬物溶解剤、経皮吸収促進剤、香料、着色料等の任意成分を含有してよい。任意成分は、これらの1種又は2種以上であってよい。 (薬物成分) 薬物成分としては、例えば、全身麻酔剤、睡眠、鎮痛剤、消炎鎮痛剤、ステロイドホルモン剤、興奮・覚醒剤、精神神経用剤、局所麻酔剤、骨格筋弛緩剤、自立神経用剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、強心剤、不整脈用剤、利尿剤、血圧降下剤、血管収縮剤、血管拡張剤、カルシウム拮抗剤、抗殺菌剤、寄生性皮膚疾患用剤、皮膚軟化剤、抗生物質、解毒剤、鎮咳剤、鎮痒剤、催眠剤、精神活力剤、ぜんそく剤、ホルモン分泌促進剤、抗潰瘍剤、制癌剤、ビタミン剤、美肌成分等の美白効果があるもの等が挙げられる。 また、本発明の貼付剤の用途が局所作用型貼付剤である場合、この貼付剤に含まれる薬物として、例えば、インドメタシン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ロキソプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム、ピロキシカム、メロキシカム、ケトロラック、フェルビナク、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウム等の消炎鎮痛剤が挙げられる。これらのうち、インドメタシン、ケトプロフェン、フェルビナク、ロキソプロフェン、ジクロフェナク、及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。薬物の含有量は、特に限定されないが、通常、粘着剤全体に対して0.1〜20質量%程度であってよい。 (賦形剤) 賦形剤としては、特に限定されないが、例えば無水ケイ酸、軽質無水ケイ酸、含水ケイ酸等のケイ素化合物、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、乾燥水酸化アルミニウムゲル、含水ケイ酸アルミニウム等のアルミニウム化合物、カオリン、酸化チタン等が挙げられる。 (抗酸化剤) 抗酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、トコフェロール、トコフェロールエステル誘導体、ブチルヒドロキシアニソール、2−メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。 (薬物の溶解剤・経皮吸収促進剤) 薬物の溶解剤や経皮吸収促進剤としては、特に限定されないが、ポリエチレングリコール(平均分子量は200〜30000)、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の多価アルコール類、オレイン酸、イソステアリン酸、クエン酸等の脂肪酸、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル等の脂肪酸エステル、カプリル酸モノグリセリド、カプリル酸トリグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル等の脂肪酸多価アルコールエステル、メントール、メントール誘導体、ハッカ油、リモネン等のテルペン類、N−メチル−2−ピロリドン、クロタミトン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。 <支持体> 本発明に用いられる支持体としては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等の伸縮性又は非伸縮性の織布、不織布、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル等のフィルム、あるいはウレタン、ポリウレタン等の発泡性支持体が使用できる。支持体としては、これら1種を単独で使用してもよく、2種以上を積層して使用してもよい。 <ライナー> 本発明の貼付剤は、可撓性の支持体と、この支持体の片面上に粘着剤が塗布された粘着剤層と、を備える貼付剤であるが、通常、粘着剤層上に剥離可能なライナーが積層された形態で提供される。 本発明に通常用いられる剥離可能なライナーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル等のフィルム、アルミニウム蒸着の金属性のフィルム等が挙げられ、ライナー表面にシリコン処理等の剥離処理が施されたものであってもよい。本発明に用いられる「剥離可能なライナー」としては、例えば、直線又は曲線状の切れ込みを備えるもの、2以上のライナーが一部重ね合わせられた形態のもの、折り返し部を備えるものが、容易に剥離できる点で好ましい。 <製造方法> (粘着剤の作成) 本発明の貼付剤は、SISブロック共重合体を含んだ原材料組成物を溶融開始時から溶融状態になるまで(室温〜250℃)、必要に応じて更に溶融状態において、剪断負荷の条件(50rpm〜1500rpmの撹拌速度)でヘンシェルミキサ(登録商標)等により混合撹拌して粘着剤を製造する。この方法で製造すれば、本発明の物理的パラメータを有する粘着剤を製造できる。 混合撹拌は、特に限定されないが、原材料組成物を溶融開始時から溶融状態になるまで行ってよい。混合撹拌時における温度は、50℃以上であることが好ましい。撹拌は、剪断負荷と並行して行うのが好ましく、この場合の撹拌速度は50rpm以上であることが好ましく、100rpm以上であることがより好ましい。 混合撹拌に用いられる装置としては、例えばヘンシェルミキサ(登録商標)、ニーダ、オープンロール、ミキシングロール、インターナールミキサ、バンバリーミキサ、プラストミル、二軸混練機、押出し混練機等が挙げられる。これらの中でも、高速撹拌をしやすい点で、ヘンシェルミキサ(登録商標)が好ましい。 (貼付剤(プラスター剤)の作成) 本発明の貼付剤における支持体上に塗布される粘着剤層の厚みは、90μm〜250μmであることが好ましい。粘着剤層の厚みは、大きすぎると、使用時に衣類等に貼付剤の端が引っかかって剥がれやすくなる一方、小さすぎると、貼付剤の支持性が失われて貼付の誤りを起こしやすくなる。 なお、本発明の貼付剤の製造方法は、上記の手順に限定されるものではなく、製造機器や製造スケール等にあわせて、温度条件、撹拌回転数、撹拌時間等を調節してよい。 この製造方法によれば、後述するように、32℃における動的粘弾性測定によって得られるtanδ値が、周波数0.04Hz以上0.25Hz以下の少なくとも1点について以下の数式1を満たす粘着剤を、容易に製造できる。 0.25x+0.05≦y≦0.25x+0.10・・・数式1(式中、xは周波数(Hz)、yはtanδである。) <tanδの測定> tanδとは、下記式に従い、損失弾性率(G’’)及び貯蔵弾性率(動的剪断弾性率)(G’)により算出される物理的特性値である。 tanδ=G’’/G’ tanδの測定は、例えば、測定装置としてレオメトリックダイナミックアナライザを用いて、次のような手順で行われる。 まず、貼付剤から粘着剤をかきとり、この粘着剤50mg〜75mgを前記装置内の円筒状の治具に挟む。次いで、32℃において、周波数を0.01Hzから80Hzまで公比1.259Hzで増加させ歪を与えた時の応力を検出し、この検出値に基づいて、損失弾性率(G’’)と貯蔵弾性率(動的剪断弾性率)(G’)を算出し、tanδ値を得る。 本発明の貼付剤を構成する粘着剤は、32℃における動的粘弾性測定によって得られるtanδ値が、周波数0.04Hz以上0.25Hz以下の少なくとも1点について以下の数式1を満たす。 0.25x+0.05≦y≦0.25x+0.10・・・数式1(式中、xは周波数(Hz)、yはtanδである。) 32℃における動的粘弾性測定によって得られるtanδ値は、取扱い性をより向上でき且つ使用者に与える刺激をより軽減できる点で、周波数0.04Hz以上0.25Hz以下の任意の点について数式1を満たすことが好ましい。なお、「周波数0.04Hz以上0.25Hz以下の任意の点」とは、周波数0.04Hz以上0.25Hz以下における全測定点を意味し、全測定点の数は特に限定されない。 本発明の貼付剤を構成する粘着剤は、32℃における動的粘弾性測定によって得られるtanδ値が、周波数0.04Hz以上0.10Hz以下の少なくとも1点について以下の数式2を満たす。 0.25x+0.05≦y≦0.65x+0.09・・・数式2(式中、xは周波数(Hz)、yはtanδである。) 本発明の貼付剤を構成する粘着剤は、32℃における動的粘弾性測定によって得られるtanδ値が、周波数0.04Hz以上0.10Hz以下の少なくとも1点について以下の数式3又は4を満たすことがより好ましく、数式5を満たすことが更に好ましい。 0.25x+0.05≦y≦0.25x+0.10・・・数式3 0.35x+0.04≦y≦0.65x+0.09・・・数式4 0.35x+0.04≦y≦0.25x+0.10・・・数式5(式中、xは周波数(Hz)、yはtanδである。) 32℃における動的粘弾性測定によって得られるtanδ値は、取扱い性をより向上でき且つ使用者に与える刺激をより軽減できる点で、周波数0.04Hz以上0.10Hz以下の任意の点について数式2〜5のいずれかを満たすことが好ましい。なお、「周波数0.04Hz以上0.10Hz以下の任意の点」とは、周波数0.04Hz以上0.10Hz以下における全測定点を意味し、全測定点の数は特に限定されない。 また、別の観点において、粘着剤は、32℃、周波数0.10Hzにおける動的粘弾性測定によって得られるtanδ値が、0.065以上0.165以下であり、好ましくは0.075以上0.155以下であり、より好ましくは0.079以上0.154以下である。 更に別の観点において、粘着剤は、32℃、周波数0.05Hzにおける動的粘弾性測定によって得られるtanδ値が、0.053以上0.150以下であり、好ましくは0.0625以上0.143以下であり、より好ましくは0.0625以上0.113以下である。 ところで、32℃は、貼付剤が一般的に適用されるヒト表皮の平均温度である。このため、32℃における動的粘弾性測定によって得られるtanδ値が、使用時における貼付剤の特性を反映するものと推定される。従って、貼付剤が適用される対象の温度が変化した場合には、その温度における粘着剤層の動的粘弾性測定によって得られるtanδ値に基づいて、貼付剤の評価を行うことができる。このように、「貼付剤が適用される対象の温度」とは、貼付剤の用途等に応じて、適宜設定されてよい。 なお、本発明の貼付剤を構成する粘着剤は、ガラス転移温度(Tg)が−45℃以上−35℃以下であることが好ましく、−43℃以上−35℃以下であることがより好ましい。 次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。 <実施例1> ヘンシェルミキサ(登録商標、三井鉱山社製)内に、可塑剤としての流動パラフィン(モレスコホワイトP−350P;松村石油研究所社製)4162.5gに、抗酸化剤としてのジブチルヒドロキシトルエン22.5gと、粘着付与剤としての予め加温した「エステルガムH(商品名)」(荒川化学工業社製)2250gと、を添加し、回転数200rpm、温度100℃の条件で混合した。 この混合物に、スチレンとイソプレンの質量比(スチレン/イソプレン)が22/78であるSISブロック共重合体(D−KX401CS;ジェイエスアール クレイトンエラストマー社製)2250gを添加し、回転数900rpm、温度100℃の条件下で剪断をしつつ、190℃へ上昇させ、混合物を溶解した。 次いで、この溶解物を回転数900rpmで剪断をしつつ、20分間撹拌した。この撹拌物に、薬物の溶解剤や経皮吸収促進剤として、l−メントール135g、N−メチル−2−ピロリドン180gを添加し、混合撹拌することで、粘着剤を作成した。 続いて、作成した粘着剤を100g/m2目付のメリヤス(ポリエステル製)上に150μmの厚みになるよう展延し、この粘着剤上にシリコン処理したライナー(PET製)を積層することで、貼付剤(プラスター剤)を作成した。 <実施例2> 流動パラフィンの添加量を3870g、l−メントールの添加量を270g、ジブチルヒドロキシトルエンの添加量を90gとし、更にジクロフェナクナトリウム90gを添加したことを除き、実施例1と同様の手順で、粘着剤を作成し、貼付剤(プラスター剤)を作成した。 <実施例3> ジクロフェナクナトリウムの代わりにケトプロフェンを添加し、「エステルガムH(商品名)」の代わりに「KE−100(商品名)」を添加したことを除き、実施例2と同様の手順で、粘着剤を作成し、貼付剤(プラスター剤)を作成した。 <実施例4> 流動パラフィンの添加量を3847.5g、ジブチルヒドロキシトルエンの添加量を112.5gとし、「KE−100(商品名)」の代わりに「エステルガムH(商品名)」を使用した点を除き、実施例3と同様の手順で、粘着剤を作成し、貼付剤(プラスター剤)を作成した。 <実施例5> 流動パラフィンの添加量を3856.5g、N−メチル−2−ピロリドンの添加量を360gとし、「エステルガムH(商品名)」の代わりに「KE−100(商品名)」を使用し、更にインドメタシン90g、クエン酸36gを添加したことを除き、実施例1と同様の手順で、粘着剤を作成し、貼付剤(プラスター剤)を作成した。 <実施例6> 流動パラフィンの添加量を3654g、ジブチルヒドロキシトルエンの添加量を45gとし、更に硬化油180gを添加し、インドメタシンの代わりにジクロフェナクナトリウムを添加したことを除き、実施例5と同様の手順で、粘着剤を作成し、貼付剤(プラスター剤)を作成した。 <実施例7> 「D−KX401CS(商品名)」の添加量を3150g、「エステルガムH(商品名)」の添加量を2700g、流動パラフィンの添加量を3150gとし、更に、N−メチル−2−ピロリドン、l−メントール、及びジブチルヒドロキシトルエンを添加しなかったことを除き、実施例1と同様の手順で、粘着剤を作成し、貼付剤(プラスター剤)を作成した。 <実施例8> 「D−KX401CS(商品名)」の添加量を1800g、流動パラフィンの添加量を3510g、l−メントールの添加量を90gとし、更に、硬化油180g及びフェルビナク90gを添加し、ジブチルヒドロキシトルエンを添加せず、「エステルガムH(商品名)」の代わりに「KE−100(商品名)」3510gを添加したことを除き、実施例1と同様の手順で、粘着剤を作成し、貼付剤(プラスター剤)を作成した。 <実施例9> 「D−KX401CS(商品名)」の添加量を1350g、「エステルガムH(商品名)」の添加量を2700g、流動パラフィンの添加量を3960gとし、更に、スチレンとイソプレンの質量比(スチレン/イソプレン)が15/85であるSISブロック共重合体(D−1107;ジェイエスアール クレイトンエラストマー社製)900g及びケトプロフェン90gを添加し、且つ、N−メチル−2−ピロリドン、l−メントール、及びジブチルヒドロキシトルエンを添加しなかったことを除き、実施例1と同様の手順で、粘着剤を作成し、貼付剤(プラスター剤)を作成した。 <実施例10> 「D−KX401CS(商品名)」の添加量を2700g、流動パラフィンの添加量を3127.5g、N−メチル−2−ピロリドンの添加量を450g、ジブチルヒドロキシトルエンの添加量を22.5g、クエン酸の添加量を45gとしたことを除き、実施例6と同様の手順で、粘着剤を作成し、貼付剤(プラスター剤)を作成した。 (比較例1) N−メチル−2−ピロリドンの添加量を270gとし、「D−KX401CS(商品名)」の代わりに「D−1107(商品名)」を添加し、ケトプロフェンを添加しなかったことを除き、実施例3と同様の手順で、粘着剤を作成し、貼付剤(プラスター剤)を作成した。 (比較例2) 流動パラフィンの添加量を3780g、N−メチル−2−ピロリドンの添加量を270gとし、「D−KX401CS(商品名)」の代わりに「D−1107(商品名)」を添加したことを除き、実施例2と同様の手順で、粘着剤を作成し、貼付剤(プラスター剤)を作成した。 実施例1〜10及び比較例1〜2の組成の概略は、表1に示される通りである。 SIS :SISブロック共重合体 EGH :エステルガムH(ロジンエステル誘導体) KE :KE−100(ロジンエステル誘導体) BHT :ジブチルヒドロキシトルエン LP :流動パラフィン NMP :N−メチル−2−ピロリドン L−MEN :l−メントール KP :ケトプロフェン DFNa :ジクロフェナクナトリウム ID :インドメタシン FB :フェルビナク 実施例1〜10、比較例1〜2、及びSIS粘着剤を含有する市販貼付剤a〜gについて、その粘着剤の物理的特性値(tanδ)を測定することで、自着性(取扱い性)、皮膚刺激性、皮膚貼着性、及び水分存在下での皮膚貼着性(耐水性)を評価した。市販品は、それぞれ、市販品a「モーラステープ」(久光製薬社製)、市販品b「ヤクバン」(トクホン社製)、市販品c「フレックス」(久光製薬社製)、市販品d「ファルケン」(祐徳薬品工業社製)、市販品e「ライラテープ」(テイコクメディックス社製)、市販品f「ボルタレンテープ」(ノバルティスファーマ社製)、市販品g「ケトタックス」(東光薬品工業社製)である。 [試験例1] tanδの測定 レオメトリックダイナミックアナライザ「Dynamic Analyzer RDAIII(商品名)」(Rheometric Scientific社製)を用いて、粘着剤の貯蔵弾性率(G’)等を測定した。 具体的には、まず、各貼付剤の粘着剤層から粘着剤をかき取り、約65mgの粘着剤を円筒状の治具に挟んだ。この粘着剤を、32℃において、周波数を0.01Hzから80Hzまで公比1.259Hzで増加させ、1%の歪を与えたときの応力を、12秒毎に測定プロットした。プレート板は直径25mmの並行平板を使用し、クリアランス(Gap)を1.2mmとし、PCソフト(Orchestrator Ver.6.5.6;Rheometric Scientific社製)を用いてG’及びG’’を算出した。tanδ(=G’’/G’)を、同様にPCソフト(Orchestrator Ver.6.5.6;Rheometric Scientific社製)を用いて計算した。 <測定条件> ・周波数 : 0.01〜80Hz(公比1.259Hzで増加) ・温度 : 32℃ ・測定プロット: 12秒毎に測定プロットした。 ・プレート板 : 並行平板、直径25mm ・クリアランス(Gap):1.2mm ・ひずみ量 : 1% 実施例1〜10、比較例1〜2で得られた粘着剤、及び市販品a〜gが有する粘着剤を用いて測定した。これらの32℃におけるtanδは、表2に示す通りであった。また、周波数とtanδとの関係をグラフで表現したものを、図1及び図2に示す。なお、図1は、0.01〜80Hzの全域に亘る周波数とtanδとの関係を対数表示したグラフであり、図2は、周波数0〜0.30Hzの部分を部分的に拡大したグラフである。 [試験例2] 取扱い性の評価 貼付剤のライナーを剥がした後、上記市販品a〜g及び実施例1〜10、比較例1〜2の貼付剤(10cm×7cm)の粘着剤層面同士を貼り合せ二つ折りにした。これを元に引き離した時の剥がし易さを以下の基準に基づいて官能評価した。 「評価基準」 ◎:抵抗なく剥がせる。 ○:引き剥がすのにやや抵抗感がある。 △:引き剥がすのがやや難しい。 ×:元に引き剥がすのが困難であり、粘着剤層が一部剥がれる。 [試験例3] 皮膚刺激性(剥離時の痛み)の評価 上記市販品a〜g及び実施例1〜10、比較例1〜2の貼付剤(10cm×7cm)をモニター5人の右上腕部に貼付した。各貼付剤を右上腕部から剥離した時に感じた痛みを、以下の基準に従って評価した。 「評価基準」 ◎:全く痛みを感じない。 ○:やや痛みを感じる。 △:痛みを感じる。 ×:強い痛みを感じる。 [試験例4] 皮膚貼着性の評価 上記市販品a〜g及び実施例1〜10、比較例1〜2の貼付剤(10cm×7cm)をモニター5人の右上腕部に貼付した。8時間経過後における各貼付剤の皮膚貼付状態(剥離状況)を目視で観察した。皮膚に全面に貼り付いていたものを“剥離なし”とし、以下の基準で評価した。 「評価基準」 ◎:剥離なし。 ○:ごく軽度の剥離あり。 △:四隅等にやや広い剥離あり。 ×:広い範囲に剥離あり、又は、貼付部位の大幅なずれあり。 [試験例5] 水分存在下での皮膚貼着性(耐水性)の評価 上記市販品a〜g及び実施例1〜10、比較例1〜2の貼付剤(10cm×7cm)をモニター5人の右上腕部に精製水を噴霧した後、試験例4と同じ手順で評価を行い、各貼付剤の皮膚貼着性を評価した。 試験例2〜5による評価結果を表3に示す。 表2及び図1〜2に示されるように、実施例1〜9で作成された粘着剤はいずれも、32℃における動的粘弾性測定によって得られるtanδ値が、周波数0.04Hz以上0.25Hz以下の任意の点について数式1を満たす。これに対して、市販品a〜g及び比較例1〜2には、32℃における動的粘弾性測定によって得られるtanδ値が、周波数0.04Hz以上0.25Hz以下のいずれの1点についても数式1を満たすものはなかった。 また、実施例1〜10で作成された粘着剤はいずれも、32℃における動的粘弾性測定によって得られるtanδ値が、周波数0.04Hz以上0.10Hz以下の任意の点について数式2を満たす。これに対して、市販品a〜g及び比較例1〜2には、32℃における動的粘弾性測定によって得られるtanδ値が、周波数0.04Hz以上0.10Hz以下のいずれの1点についても数式2を満たすものはなかった。 一方、表3に示されるように、実施例1〜10で作成された貼付剤はいずれも、取扱い性、皮膚貼着性及び耐水性を向上でき、且つ、皮膚に与える刺激を低減できることが分かった。これに対して、市販品a〜g及び比較例1〜2で作成された貼付剤には、取扱い性、皮膚貼着性及び耐水性を向上でき、且つ、皮膚に与える刺激を低減できるものはなかった。 [試験例6] 取扱い性の評価 実施例6及び市販品a、fの支持体側にガムテープを貼って各貼付剤を補強した後、2.5cm幅で切断することで、複数の断片を得た。次に、各試験片から剥離ライナーを剥離した後、互いの粘着剤層面同士を貼り合わせ、その上で2kgのローラを1往復させることで圧着させた。続いて、ガムテープでつまみ部分を形成することで、試験片を作成した。この試験片を引っ張り試験機の上部及び下部つかみで挟み、300mm/分の速度で試験片を剥離させ、完全に剥離するまでの荷重を測定した。測定を3回行い、測定された荷重の平均値を算出した。この結果を図3に示す。 図3に示されるように、実施例6で作成された貼付剤は、市販品a、fに比べ、格段に小さい荷重で剥離した。即ち、実施例6で作成された貼付剤は、自着したときには容易に剥離でき、取扱い性を向上できることが分かった。 以上より、SISブロック共重合体を含有する粘着剤の32℃における動的粘弾性測定によって得られるtanδ値が、周波数0.04Hz以上0.25Hz以下において数式1を満たすものとすることで、優れた皮膚貼着性を有し、取扱い性及び耐水性を向上でき且つ使用者に与える刺激を軽減できることが分かった。 また、SISブロック共重合体を含有する粘着剤の32℃における動的粘弾性測定によって得られるtanδ値が、周波数0.04Hz以上0.10Hz以下において数式2を満たすものとすることで、優れた皮膚貼着性を有し、取扱い性及び耐水性を向上でき且つ使用者に与える刺激を軽減できることが分かった。 以上の結果は、別の観点から評価すると、貼付剤の代表的な適用対象であるヒト表皮の平均的温度である32℃における、粘着剤層の動的粘弾性測定によって得られるtanδ値に基づけば、使用時における貼付剤の皮膚貼着性、取扱い性、耐水性、及び使用者に与える刺激を適切に評価できることを示唆するものである。 可撓性の支持体と、この支持体上に積層された粘着剤層と、を備える薬物経皮吸収用貼付剤であって、 前記粘着剤層は、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を含有し、 32℃における動的粘弾性測定によって得られるtanδ値が、周波数0.04Hz以上0.25Hz以下の少なくとも1点について以下の数式1を満たし、前記スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体は、スチレン及びイソプレンの質量比(スチレン/イソプレン)が20/80以上25/75以下である、貼付剤。 0.25x+0.05≦y≦0.25x+0.10・・・数式1(式中、xは周波数(Hz)、yはtanδである。) 32℃における動的粘弾性測定によって得られるtanδ値が、周波数0.04Hz以上0.25Hz以下の任意の点について前記数式1を満たす請求項1記載の貼付剤。 可撓性の支持体と、この支持体上に積層された粘着剤層と、を備える薬物経皮吸収用貼付剤であって、 前記粘着剤層は、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を含有し、 32℃における動的粘弾性測定によって得られるtanδ値が、周波数0.04Hz以上0.10Hz以下の少なくとも1点について以下の数式2を満たし、前記スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体は、スチレン及びイソプレンの質量比(スチレン/イソプレン)が20/80以上25/75以下である、貼付剤。 0.25x+0.05≦y≦0.65x+0.09・・・数式2(式中、xは周波数(Hz)、yはtanδである。) 32℃における動的粘弾性測定によって得られるtanδ値が、周波数0.04Hz以上0.10Hz以下の任意の点について前記数式2を満たす請求項3記載の貼付剤。 前記粘着剤層は、粘着付与剤及び可塑剤を更に含有する請求項1から4いずれか記載の貼付剤。 前記粘着剤層の全体に対して、前記スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の含有量は、10質量%以上40質量%以下であり、前記粘着付与剤の含有量は、10質量%以上35質量%以下であり、前記可塑剤の含有量は、20質量%以上60質量%以下である請求項5記載の貼付剤。 取扱い性が向上し且つ使用者に与える刺激が軽減されたものである請求項1から6いずれか記載の貼付剤。 可撓性の支持体と、この支持体上に積層された粘着剤層と、を備える薬物経皮吸収用貼付剤について、 前記貼付剤が適用される対象の温度における、前記粘着剤層の動的粘弾性測定によって得られるtanδ値に基づいて評価を行う方法であって、 前記粘着剤層は、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を含有し、 32℃における動的粘弾性測定によって得られる前記tanδ値が周波数0.04Hz以上0.25Hz以下の少なくとも1点について以下の数式1を満たすことで、取り扱い性を向上でき且つ使用者に与える刺激を軽減できる貼付剤として評価を行う方法。 0.25x+0.05≦y≦0.25x+0.10・・・数式1(式中、xは周波数(Hz)、yはtanδである。) 可撓性の支持体と、この支持体上に積層された粘着剤層と、を備える薬物経皮吸収用貼付剤について、 前記貼付剤が適用される対象の温度における、前記粘着剤層の動的粘弾性測定によって得られるtanδ値に基づいて評価を行う方法であって、 前記粘着剤層は、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を含有し、 32℃における動的粘弾性測定によって得られる前記tanδ値が周波数0.04Hz以上0.10Hz以下の少なくとも1点について以下の数式2を満たすことで、取り扱い性を向上でき且つ使用者に与える刺激を軽減できる貼付剤として評価を行う方法。 0.25x+0.05≦y≦0.65x+0.09・・・数式2(式中、xは周波数(Hz)、yはtanδである。)


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