タイトル: | 公表特許公報(A)_アルコールを塩素化する方法 |
出願番号: | 2008529609 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | C07C 17/16,C07B 39/00,C07C 19/01,C07B 61/00 |
トルステン ローデ オリヴァー フッテンロッホ フリーデリケ オスヴァルト カトリン ヴィッセル JP 2009507806 公表特許公報(A) 20090226 2008529609 20060831 アルコールを塩素化する方法 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 508020155 BASF SE 矢野 敏雄 100061815 山崎 利臣 100094798 久野 琢也 100099483 杉本 博司 100110593 星 公弘 100128679 二宮 浩康 100135633 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 100114890 ラインハルト・アインゼル 230100044 トルステン ローデ オリヴァー フッテンロッホ フリーデリケ オスヴァルト カトリン ヴィッセル DE 102005043141.0 20050910 C07C 17/16 20060101AFI20090130BHJP C07B 39/00 20060101ALI20090130BHJP C07C 19/01 20060101ALI20090130BHJP C07B 61/00 20060101ALN20090130BHJP JPC07C17/16C07B39/00 CC07C19/01C07B61/00 300 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,LY,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW EP2006065873 20060831 WO2007028761 20070315 19 20080509 4H006 4H039 4H006AA02 4H006AC30 4H006BA53 4H006BC10 4H006BC11 4H006BC31 4H006BC34 4H006BE51 4H039CA52 4H039CD30 本発明は、塩素原子がCH2基に結合されている有機塩化物を、相応するアルコールと塩化チオニルとをトリアリールホスフィンオキシドの存在で20〜200℃の温度及び0.01〜10MPa絶対の圧力で反応させることによって製造する方法に関する。 アルキル塩化物は、化学製品、例えば染料、薬剤学的及び農学的な作用物質、電気めっき助剤、均一系触媒用の配位子、消毒剤、ステロイド及び成長ホルモンの合成の際の重要な中間生成物である。 塩素化剤、例えば塩化チオニル、三塩化リン又はホスゲンでのアルコールの塩素化は一般的に知られている。好ましくは、そのためにはいわゆる塩素化触媒が使用される。 米国特許(US)第2,331,681号明細書には、クロロアセトニトリルを得るために、有機塩基であるピリジン、ジメチルアニリン並びにキノリンの存在での、塩化チオニルでのグリコロニトリルの塩素化が記載されている。このためには等モル量の塩基が必要とされ、かつこれらが反応後に分離され、かつ廃棄されなければならないことは不都合である。 欧州特許出願公開(EP-A)第0 645 357号明細書には、アルキル塩化物を、相応するアルコール及びN,N−ジアルキルホルムアミド及びホスゲン又は塩化チオニルからなる化学量論量の触媒−付加物("ビルスマイヤー塩")から製造する方法が教示されている。この方法にとって不利であるのは、等モル量の触媒の使用及びアルコール及び塩素化剤の漸次の供給である。 英国特許出願公開(GB-A)第2,182,039号明細書には、トリフェニルホスフィンオキシド又はトリフェニルホスフィンスルフィドの存在での塩化チオニル又はホスゲンでのアルコールの塩素化が開示されている。実施例VIII及びIXには、トリフェニルホスフィンオキシド及びトルエンもしくは1,2−ジクロロエタンの存在での塩化チオニルでの2,3,6,3′,4′−ペンタアセチル−サッカロースの塩素化が記載されている。実施例VIIIからは、塩素化すべきOH基の物質量に対して使用されるトリフェニルホスフィンオキシドの約0.7のモル比が、及び実施例IXからは約1.7のモル比が算出される。 独国特許出願公開(DE-A)第41 16 365号明細書には、アルキル塩化物、アルケニル塩化物及びアルキニル塩化物を、触媒として脂肪族、脂環式又は環状−脂肪族のホスフィンオキシドの存在で相応するアルコールとホスゲン又は塩化チオニルとを反応させることによって製造することが教示されている。その場合に、第2頁10-12行では、前記で引用された英国特許出願公開(GB-A)第2,182,039号明細書によれば、トリアリールホスフィンオキシドがそれらの低い反応性のために、化学量論的に過剰の量で使用されなければならず、かつこの多い量及び低い溶解度に基づいて反応混合物の後処理を困難にすることが強調されている。しかしながら、脂肪族、脂環式及び環状−脂肪族のホスフィンオキシドの使用にとって不利であるのは、それらの − 特にトリフェニルホスフィンオキシドに比較して − 費用のかかる製造方法のためにより劣悪な入手可能性であり、このことは経済的に見て価格の形でも表れる。 本発明の課題は、技術水準の欠点を有さず、容易に入手可能かつ工業的に十分入手可能な出発物質並びに場合により容易に入手可能かつ工業的に十分入手可能な助剤/触媒のみを必要とし、温和な温度及び圧力下で有用生成物の高い転化率、高い選択率及び高い空時収率をもたらし、反応混合物の単純な後処理を可能にし、かつ有用生成物が高い純度で取得されることができる、塩素原子がCH2基に結合されている有機塩化物の製造方法を見出すことであった。 それに応じて、塩素原子がCH2基に結合されている有機塩化物を、相応するアルコールを塩化チオニルと、トリアリールホスフィンオキシドの存在で20〜200℃の温度及び0.01〜10MPa絶対の圧力で反応させることによって製造する方法が見出され、前記方法は、トリアリールホスフィンオキシドを、塩素化すべきOH基の物質量に対して0.0001〜0.5のモル比で使用することによって特徴付けられている。 独国特許出願公開(DE-A)第41 16 365号明細書及び英国特許出願公開(GB-A)第2,182,039号明細書の技術的教示に基づいて、これらによればトリアリールホスフィンオキシドがそれらの低い反応性のために化学量論的に過剰の量で使用されなければならず、塩素原子がCH2基に結合されている有機塩化物を、相応するアルコールを塩化チオニルと反応させることによって製造するために、まさに化学量論的に不足した量のトリアリールホスフィンオキシドで完全に十分であることは全く意外であった。 本発明による方法の場合に、トリアリールホスフィンオキシドは、好ましくは、塩素化すべきOH基の物質量に対して0.001〜0.5、特に好ましくは0.001〜0.1及び極めて特に好ましくは0.005〜0.05のモル比で使用される。 本発明による方法の場合に、一般的にアルコールとして、一般式(I)[式中、基R1〜R3は互いに独立して、・水素を表すか又は、飽和又は不飽和の、非環状又は環状の、脂肪族、芳香族又は芳香脂肪族の、非置換又は1〜5個のヘテロ原子又は官能基により中断又は置換され、炭素原子1〜30個を有する含炭素有機基を表すか;・2個の基が一緒になって、飽和又は不飽和の、非環状又は環状の、脂肪族、芳香族又は芳香脂肪族の、非置換又は1〜5個のヘテロ原子又は官能基により中断又は置換され、炭素原子1〜40個を有する二結合性の含炭素有機基を表すか;又は・3個全ての基が一緒になって、飽和又は不飽和の、非環状又は環状の、脂肪族、芳香族又は芳香脂肪族の、非置換又は1〜5個のヘテロ原子又は官能基により中断又は置換され、炭素原子1〜50個を有する三結合性の含炭素有機基を表す]で示される化合物が使用される。 ヘテロ原子として、形式的に−CH2−基、−CH=基、−C≡基又は=C=基を置換することができる原則的に全てのヘテロ原子が考慮に値する。含炭素基がヘテロ原子を含有する場合には、酸素、窒素、硫黄、リン及びケイ素が好ましい。好ましい基として、特に−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR′−、−N=、−PR′−、−PR′2及び−SiR′2−を挙げることができ、その際に基R′は含炭素基の残りの部分である。 官能基として、炭素原子又はヘテロ原子に結合されていてよい原則的に全ての官能基が考慮に値する。適した例として、−OH(ヒドロキシ)、−Hal(ハロゲン)、=O(特にカルボニル基として)、−NH2(アミノ)、=NH(イミノ)、−COOH(カルボキシ)、−CONH2(カルボキサミド)、−SO3H(スルホ)及び−CN(シアノ)を挙げることができる。官能基及びヘテロ原子は、直接隣り合っていてもよいので、例えば−COO−(エステル)、−CONH−(第二級アミド)又は−CONR′−(第三級アミド)のような組合せも共に含まれている。ハロゲン(Hal)として、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を挙げることができる。 好ましくは、基R1〜R3は互いに独立して、・水素;・官能基、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよい及び/又は1個又はそれ以上の酸素原子により中断されていてよいC1〜C20−アルキル;・官能基、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよいC5〜C12−シクロアルキル;・官能基、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよい及び/又は1個又はそれ以上の酸素原子により中断されていてよいC2〜C20−アルケニル、その際にこれは1つ又はそれ以上のC=C二重結合を有していてよく;・官能基、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよいC5〜C12−シクロアルケニル;・官能基、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよい及び/又は1個又はそれ以上の酸素原子により中断されていてよいC2〜C20−アルキニル、その際にこれは1つ又はそれ以上のC≡C三重結合を有していてよく;又は・官能基、シクロアルキル、アリール、アルキル、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよいC6〜C12−アリールを表すか;又は2個の基が一緒になって・官能基、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよい及び/又は1個又はそれ以上の酸素原子により中断されていてよいC4〜C30−アルキレン;又は・官能基、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよい及び/又は1個又はそれ以上の酸素原子により中断されていてよいC5〜C30−アルケニレン、その際にこれは1つ又はそれ以上のC=C二重結合を含していてよいを表すか;又は3個全ての基が一緒になって・官能基、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよい及び/又は1個又はそれ以上の酸素原子により中断されていてよい、三結合性の、飽和又は不飽和のC6〜C40−炭化水素基を表す。 官能基、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよい及び/又は1個又はそれ以上の酸素原子により中断されていてよいC1〜C20−アルキルは、例えば、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル(イソブチル)、2−メチル−2−プロピル(t−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2,4,4−トリメチルペンチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−ノニル、1−デシル、1−ウンデシル、1−ドデシル、1−トリデシル、1−テトラデシル、1−ペンタデシル、1−ヘキサデシル、1−ヘプタデシル、1−オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、シクロペンチルメチル、2−シクロペンチルエチル、3−シクロペンチルプロピル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル、3−シクロヘキシルプロピル、ベンジル(フェニルメチル)、ジフェニルメチル(ベンズヒドリル)、トリフェニルメチル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、p−トリルメチル、1−(p−ブチルフェニル)−エチル、p−クロロベンジル、2,4−ジクロロベンジル、p−メトキシベンジル、m−エトキシベンジル、2−シアノエチル、2−シアノプロピル、2−メトキシカルボニルエチル、2−エトキシカルボニルエチル、2−ブトキシカルボニルプロピル、1,2−ジ−(メトキシカルボニル)−エチル、メトキシ、エトキシ、1,3−ジオキソラン−2−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、6−ヒドロキシヘキシル、2−ヒドロキシメチル−2−プロピル、2−フェノキシエチル、2−フェノキシプロピル、3−フェノキシプロピル、4−フェノキシブチル、6−フェノキシヘキシル、2−メトキシエチル、2−メトキシプロピル、3−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、6−メトキシヘキシル、2−エトキシエチル、2−エトキシプロピル、3−エトキシプロピル、4−エトキシブチル、6−エトキシヘキシル、アセチル、クロロメチル、2−クロロエチル、トリクロロメチル、1,1−ジメチル−2−クロロエチル、メトキシメチル、2−ブトキシエチル、ジエトキシメチル、ジエトキシエチル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシプロピル、2−オクチルオキシエチル、2−メトキシイソプロピル、2−(メトキシカルボニル)−エチル、2−(エトキシカルボニル)−エチル、2−(n−ブトキシカルボニル)−エチル、5−ヒドロキシ−3−オキサ−ペンチル、8−ヒドロキシ−3,6−ジオキサ−オクチル、11−ヒドロキシ−3,6,9−トリオキサ−ウンデシル、7−ヒドロキシ−4−オキサ−ヘプチル、11−ヒドロキシ−4,8−ジオキサ−ウンデシル、15−ヒドロキシ−4,8,12−トリオキサ−ペンタデシル、9−ヒドロキシ−5−オキサ−ノニル、14−ヒドロキシ−5,10−ジオキサ−テトラデシル、5−メトキシ−3−オキサ−ペンチル、8−メトキシ−3,6−ジオキサ−オクチル、11−メトキシ−3,6,9−トリオキサ−ウンデシル、7−メトキシ−4−オキサ−ヘプチル、11−メトキシ−4,8−ジオキサ−ウンデシル、15−メトキシ−4,8,12−トリオキサ−ペンタデシル、9−メトキシ−5−オキサ−ノニル、14−メトキシ−5,10−ジオキサ−テトラデシル、5−エトキシ−3−オキサ−ペンチル、8−エトキシ−3,6−ジオキサ−オクチル、11−エトキシ−3,6,9−トリオキサ−ウンデシル、7−エトキシ−4−オキサ−ヘプチル、11−エトキシ−4,8−ジオキサ−ウンデシル、15−エトキシ−4,8,12−トリオキサ−ペンタデシル、9−エトキシ−5−オキサ−ノニル又は14−エトキシ−5,10−オキサ−テトラデシルである。 官能基、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよいC5〜C12−シクロアルキルは、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシル、メチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、ジエチルシクロヘキシル、ブチルシクロヘキシル、メトキシシクロヘキシル、ジメトキシシクロヘキシル、ジエトキシシクロヘキシル、クロロシクロヘキシル、ジクロロシクロヘキシル又はジクロロシクロペンチルである。 官能基、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよい及び/又は1個又はそれ以上の酸素原子により中断されていてよいC2〜C20−アルケニルは、例えば、ビニル、2−プロペニル、3−ブテニル、シス−2−ブテニル又はトランス−2−ブテニルである。 官能基、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよいC5〜C12−シクロアルケニルは、例えば、3−シクロペンテニル、2−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル又は2,5−シクロヘキサジエニルである。 官能基、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよい及び/又は1個又はそれ以上の酸素原子により中断されていてよいC2〜C20−アルキニルは、例えば、エチニル、1−プロピニル又は2−プロピニルである。 官能基、シクロアルキル、アリール、アルキル、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよいC6〜C12−アリールは、例えば、フェニル、トリル、キシリル、α−ナフチル、β−ナフチル、4−ジフェニリル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、トリクロロフェニル、ジフルオロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、ジエチルフェニル、イソプロピルフェニル、t−ブチルフェニル、ドデシルフェニル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、エトキシフェニル、ヘキシルオキシフェニル、メチルナフチル、イソプロピルナフチル、クロロナフチル、エトキシナフチル、2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、2,6−ジクロロフェニル、4−ブロモフェニル、2−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、2,4−ジニトロフェニル、2,6−ジニトロフェニル、4−ジメチルアミノフェニル、メトキシエチルフェニル又はエトキシメチルフェニルである。 隣接した2個の基が一緒になって、官能基、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよい及び/又は1個又はそれ以上の酸素原子により中断されていてよいC4〜C30−アルキレン基又はC5〜C30−アルケニレン基を形成する場合には、例えば、1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、1,5−ペンチレン、2−オキサ−1,3−プロピレン、1−オキサ−1,3−プロピレン、2−オキサ−1,3−プロピレン、1−オキサ−1,3−プロペニレン又は3−オキサ−1,5−ペンチレンである。 3個全ての基が一緒になって、官能基、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよい及び/又は1個又はそれ以上の酸素原子により中断されていてよい、三結合性の、飽和又は不飽和のC6〜C40−炭化水素基を形成する場合には、例えば、一般式(II)で示される非置換又は置換された基である。 前記の基が複数のヘテロ原子を有する場合には、2個のヘテロ原子の間に、通例、少なくとも1個の炭素原子、好ましくは少なくとも2個の炭素原子が存在する。 好ましくは、本発明による方法の場合に、アルコールとして、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール、プロパルギルアルコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−ブチン−1,4−ジオール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、ペンタエチレングリコール、ペンタエチレングリコールモノメチルエーテル、ペンタエチレングリコールモノエチルエーテル、ヘキサエチレングリコール、ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコールモノブチルエーテル、ジブチレングリコール、ジブチレングリコールモノメチルエーテル、ジブチレングリコールモノエチルエーテル、ジブチレングリコールモノブチルエーテル、トリブチレングリコール、トリブチレングリコールモノメチルエーテル、トリブチレングリコールモノエチルエーテル、トリブチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコール、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラブチレングリコールモノブチルエーテル、ベンジルアルコール、2−ヒドロキシメチル−ベンジルアルコール、3−ヒドロキシメチル−ベンジルアルコール、4−ヒドロキシメチル−ベンジルアルコール、.4−メトキシベンジルアルコール、2,2−ジメチル−プロパノール、2−エチルヘキサノール、2−エチルヘプタノール、2−プロピルヘプタノール、2−プロピルヘプタノール、ペンタエリトリトール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン又は1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパンが使用される。 特に好ましくは、基R1〜R3は互いに独立して、・水素;・ヒドロキシ、ハロゲン、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよい及び/又は1個又はそれ以上の酸素原子により中断されていてよいC1〜C20−アルキル;・ヒドロキシ、ハロゲン、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよい及び/又は1個又はそれ以上の酸素原子により中断されていてよいC2〜C20−アルケニル、その際にこれは1つ又はそれ以上のC=C二重結合を有していてよく;・ヒドロキシ、ハロゲン、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよい及び/又は1個又はそれ以上の酸素原子により中断されていてよいC2〜C20−アルキニル、その際にこれは1つ又はそれ以上のC≡C三重結合を有していてよく;又は・ヒドロキシ、ハロゲン、シクロアルキル、アリール、アルキル、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよいC6〜C12−アリールを表す。 極めて特に好ましくは、アルコールとして、R1〜R3からの最大1個の基、かつ極めてより好ましくは0個の基が水素である一般式(I)の化合物が使用される。 殊に、基R1〜R3は互いに独立して、・ヒドロキシ及び/又はハロゲンにより置換されていてよい及び/又は1個又はそれ以上の酸素原子により中断されていてよいC1〜C20−アルキル;又は・ヒドロキシ及び/又はハロゲンにより置換されていてよいC6〜C12−アリールを表す。 極めて特に好ましくは、本発明による方法の場合に、アルコールとして、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン、2−エチルヘキサノール、プロパルギルアルコール及び特に1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール及び1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタンが使用される。 本発明による方法の場合に、触媒として、モノ又はポリ核置換されたトリアリールホスフィンオキシド並びに非置換のトリフェニルホスフィンオキシドが使用されることができる。好ましくは、一般式(III)[式中、基Ra〜Roは互いに独立して、水素又はC1〜C6−アルキルを表す]で示されるトリアリールホスフィンオキシドが使用される。極めて特に好ましくは、トリフェニルホスフィンオキシドが使用される。 アルコール、塩化チオニル、トリアリールホスフィンオキシド及び場合により使用されうる溶剤の添加は、異なるやり方で及び異なる順序で行われることができる。アルコールは、例えば液体で、固体で又は不活性溶剤中に溶解されて、使用されることができる。さらに、トリアリールホスフィンオキシドの一部又は全量を、アルコール中に溶解して又はアルコールと混合して、添加することが可能である。 塩化チオニルの添加は、通例、液体で行われる。さらに、トリアリールホスフィンオキシドの一部又は全量を塩化チオニル中に溶解させ、かつこのようにして添加することも原則的に可能である。 トリアリールホスフィンオキシドの前記の種類の添加とは選択的に、これは、別個に、場合により不活性溶剤中に溶解されて、添加されることもできる。 一般的に、溶剤を添加することは、特に、使用されるアルコール及び/又は反応により生じる反応混合物が選択される反応温度で液体で存在する場合に、不要である。しかしながら、選択された反応温度で固体として存在しうる反応混合物の場合には不活性溶剤の使用は通例、賢明である。不活性溶剤は、使用されるアルコール、塩化チオニル、形成される有機塩化物及び使用されるトリアリールホスフィンオキシドに対して化学的に不活性である溶剤であると理解されるべきである。"化学的に不活性な"は、希釈剤が、選択された条件下で挙げられた物質と化学的に反応されないという意味である。適した溶剤として、例えば、芳香族炭化水素又は脂肪族炭化水素が挙げられている。溶剤が使用される場合には、好ましくはその沸点は、その後に有用生成物を単純なやり方で及び所望の純度で分離することができるように、所望の有機塩化物の沸点から十分に離れている。使用される溶剤の量は好ましくは、液相中に反応混合物を保持するために必要である量の100〜1000%の範囲である。 好ましくは、本発明による方法の場合に、アルコール及びトリアリールホスフィンオキシドが装入され、かつこれは所望の反応温度にされる。引き続き、液体の形で通常添加される塩化チオニルの導通と共に一般的に開始される。 本発明による方法の場合に、塩化チオニルは一般的に、塩素化すべきOH基の物質量に対して0.9〜5、好ましくは0.95〜2、特に好ましくは0.99〜1.5及び極めて特に好ましくは1〜1.2のモル比で使用される。 反応の際に遊離する反応ガスである塩化水素及び二酸化硫黄は、通例、連続的に反応装置から導出される。 本発明による方法は通例、半連続的又は連続的に操作される。半連続モードの場合に、通常、アルコールは適した反応装置中に装入され、かつその中にトリアリールホスフィンオキシドの全量又はその少なくとも一部が溶解される。引き続き、場合によりトリアリールホスフィンオキシドの残りの量を含有する塩化チオニルが、反応の進行に相応して連続的に添加される。 連続モードの場合に、通常、出発物質及びトリアリールホスフィンオキシドが同時に、適した反応装置に供給され、その際に供給された量に相応する量が同時に、反応装置から導出される。 適した反応装置として、液/液反応に適している原則的に全ての反応装置、例えば撹拌釜を挙げることができる。 本発明による方法は、0.01〜10MPa絶対、好ましくは0.05〜5MPa絶対、特に好ましくは0.09〜0.5MPa絶対及び極めて特に好ましくは0.09〜0.2MPa絶対の圧力で実施される。 さらに、本発明による方法は、20〜200℃、好ましくは30〜180℃及び特に好ましくは50〜160℃の温度で実施される。 所望の量の塩化チオニルが添加された後に、得られた反応溶液は通例、なお、特定の時間、一般的に30分〜6時間にわたって反応条件下に後反応のために放置される。過剰の塩化チオニル及びそれらの反応生成物である塩化水素及び二酸化硫黄を反応溶液から除去するかもしくは減損するために、場合により混合しながら不活性ガスが通過されることができる("ストリッピング")。 反応排出液は一般的に、公知の方法を用いて後処理される。好ましくは、所望の有機塩化物は、分別蒸留によって単離される。使用されたトリアリールホスフィンオキシドは、その場合に、必要に応じて蒸留によって回収され、かつ再び使用されることができる。 塩素原子がCH2基に結合されている有機塩化物を半連続的に製造する一般的な実施態様において、所望の量の相応するアルコール及び所望の量のトリアリールホスフィンオキシドは、還流冷却器を備えた撹拌釜中へ添加され、かつこの混合物は所望の反応温度にされる。引き続き、塩化チオニルの添加と共に開始され、その際に添加速度は通例、未反応塩化チオニルが、還流下に弱く沸騰するように調節される。所望の量の塩化チオニル添加の終了後に、反応混合物はさらに撹拌しながら約0.5〜6時間、後反応のために放置される。有利には、引き続き、残りの塩化水素及び残りの二酸化硫黄は窒素でストリッピングされる。最終的に反応混合物は、蒸留塔に供給され、この中でまず最初に過剰の塩化チオニルが、及び引き続き、好ましくは真空下に、所望の有機塩化物が留去される。 本発明による方法は、塩素原子がCH2基に結合されている有機塩化物の製造を可能にし、その際に、出発物質として一般的に容易に入手可能かつ工業的に十分入手可能であるアルコール、並びに容易に入手可能かつ工業的に十分入手可能な塩化チオニル及び触媒として好ましくは極めて良好に入手可能なトリフェニルホスフィンオキシドが使用されることができる。さらに、見出された方法は、温和な温度及び圧力下でも有用生成物の高い転化率、高い選択率及び高い空時収率をもたらし、かつ反応混合物の単純な後処理を可能にし、その際に有用生成物は、高い純度で取得されることができる。 例1(触媒を用いない比較例) 冷却器、バブルカウンター、滴下漏斗、温度計及びパドル撹拌機を備えた250mL四つ口撹拌装置中に、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)31.20g(0.30mol)を室温で装入し、油浴中で80℃に加熱した。ついで固体出発物質上へ、撹拌しながら塩化チオニルを滴加した。反応は直ちに始まり、これは激しいガス発生に現れていた。その際に内部温度は85℃に上昇し、かつ固体の2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールは、液体へ変換され始めた。1時間かけて塩化チオニル約44.6g(0.375mol)を添加した後に、塩化チオニルのさらなる滴加にも関わらず、さらなるガス発生はもはや観察されなかった。内部温度をその後に100℃に上昇させ、かつさらに塩化チオニルを89.25g(0.75mol)の全量及び約2時間の全滴加時間まで滴加し、その際にさらにガス発生はもはや起こらなかった。ついでバッチを、130℃の油浴温度で3時間後撹拌し、その際に混合物を約111℃の内部温度で還流した。引き続き、バッチを室温に冷却し、混合物をガスクロマトグラフィーにより分析した。1,3−ジクロロ−2,2−ジメチルプロパンではなく、むしろジオール及び塩化チオニルからなる環状エステルが主に検出されることができた。 例2(本発明により触媒を用いる) 例1に前記された通りの装置中に、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)83.20g(0.80mol)及びトリフェニルホスフィンオキシド4.73g(0.017mol)を室温で装入し、油浴中で80℃に加熱した(塩素化すべきOH基の物質量に対するトリフェニルホスフィンオキシドのモル比は0.011に等しい)。その際に、双方の物質は、縞を形成しながらゆっくりと互いの中へ溶融した。ついで濁った溶融物上へ、撹拌しながら塩化チオニルを滴加した。反応は直ちに始まり、これは激しいガス発生に現れていた。塩化チオニルの最初の数滴の後で既に、反応混合物は完全に液体であった。その際に、内部温度は 短時間で86℃に上昇した。約2.5時間かけて、塩化チオニル100.57g(0.85mol)を滴加し、その際にこの期間の終了頃にさらなるガス形成はもはや観察されなかった。内部温度を、その後にさらに塩化チオニルを滴加せずに100℃に上昇させ、その際に約95℃から弱いガス発生が観察されることができた。ついで約100℃で、さらに塩化チオニルを238.00g(2.00mol)の全量及び約4.5時間の全滴加時間まで滴加した。バッチを、130℃の油浴温度及び約115℃の内部温度で2.5時間後撹拌し、その際にさらにガス発生は観察されることができた。しかしながら、後撹拌時間の終了頃には、ガス発生は次第に弱まった。引き続き、バッチを室温に冷却した。反応排出液141.41gが得られた。これを、ガスクロマトグラフィーにより分析し、かつ主生成物として1,3−ジクロロ−2,2−ジメチルプロパンを検出した。ついで反応排出液を真空中で13hPa絶対(13mbar絶対)で分別蒸留した。結果は第1表に示されている。3つの留分は、112.79gのジクロロ−2,2−ジメチルプロパンの全質量となり、これは99.89%の収率に相当する。 例3(本発明により触媒を用いる) 例1に前記された通りの装置中に、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン50.51g(0.416mol)及びトリフェニルホスフィンオキシド3.820g(0.014mol)を室温で装入し、油浴中で135℃に加熱した(塩素化すべきOH基の物質量に対するトリフェニルホスフィンオキシドのモル比は0.011に等しい)。その際に、双方の物質は、縞を形成しながらゆっくりと互いの中へ溶融した。ついで濁った溶融物上へ、撹拌しながら塩化チオニル10mLを滴加した。反応は直ちに始まり、これは激しいガス発生に現れていた。塩化チオニルの最初の数滴の後で既に、反応混合物は完全に液体であった。約20minかけて、塩化チオニル101.5mL(2.838mol)を110〜120℃で滴加した。バッチを111℃の温度で90min後撹拌した。引き続き、バッチを室温に冷却した。反応排出液83.89gが澄明な淡褐色の液体として得られた。これを、ガスクロマトグラフィーにより分析し、かつ主生成物として1,3−ジクロロ−2−クロロメチル−2−メチルプロパンを検出した。ついで反応排出液を真空中で13hPa絶対(13mbar絶対)で分別蒸留した。結果は第2表に示されている。生成物は、98%の純度及び85%の収率で得られた。 例2及び3は、本発明による方法によって1,3−ジクロロ−2,2−ジメチルプロパン及び1,3−ジクロロ−2−クロロメチル−2−メチルプロパンも、ステリックヒンダード二塩化物もしくは三塩化物として極めて高い収率及び純度で得ることができることを示している。 例4(本発明により触媒を用いる) 例1に前記された通りの装置中に、1,6−ヘキサンジオール51.54g(0.423mol)及びトリフェニルホスフィンオキシド4.101g(0.014mol)を室温で装入し、油浴中で45℃に加熱した(塩素化すべきOH基の物質量に対するトリフェニルホスフィンオキシドのモル比は0.017に等しい)。その際に、双方の物質は、縞を形成しながらゆっくりと互いの中へ溶融した。約95minかけて、塩化チオニル122.4g(1.029mol)を70〜80℃で滴加した。バッチを60〜70℃の温度でさらに85min後撹拌した。引き続き、バッチを室温に冷却した。澄明な淡褐色な液体が得られた。これを、ガスクロマトグラフィーにより分析し、かつ主生成物として1,6−ジクロロヘキサンを検出した。ついで反応排出液を真空中で13hPa絶対(13mbar絶対)で分別蒸留した。結果は第3表に示されている。生成物は、>99%の純度及び87%の収率で得られた。 例5(塩素化剤としてホスゲンを用いる比較例) 例1に前記された通りの装置中に、1,6−ジクロロヘキサン50mLをトリフェニルホスフィンオキシド2g(0.0072mol)と共に装入し、115℃に加熱した。75分かけて、気体ホスゲン80g(1.24mol)と、1,6−ジクロロヘキサン150mL中の1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン24g(0.200mol)からなる懸濁液とを計量供給した(塩素化すべきOH基の物質量に対するトリフェニルホスフィンオキシドのモル比は0.012に等しい)。引き続き、120℃でさらに1時間撹拌した。窒素の導通により未反応ホスゲンを除去した後に、得られた生成物をガスクロマトグラフィーにより分析した。反応排出液は、1,3−ジクロロ−2−クロロメチル−2−メチル−プロパン2.5 GC面積%、塩化物置換されたクロロホルマートからなる混合物80 GC面積%及び環状炭酸エステル17.5 GC面積%を含有していた。 比較例5は、本発明による例3とは異なり、ホスゲンでのステリックヒンダードアルコールの塩素化の際に、少量のトリアリールホスフィンオキシドでは不十分であり、それゆえホスゲンが塩化チオニルとは結果において著しく相違することを示している。 塩素原子がCH2基に結合されている有機塩化物を、相応するアルコールを塩化チオニルと、トリアリールホスフィンオキシドの存在で20〜200℃の温度及び0.01〜10MPa絶対の圧力で反応させることによって製造する方法であって、トリアリールホスフィンオキシドを、塩素化すべきOH基の物質量に対して0.0001〜0.5のモル比で使用することを特徴とする、有機塩化物の製造方法。 トリアリールホスフィンオキシドを、塩素化すべきOH基の物質量に対して0.001〜0.1のモル比で使用する、請求項1記載の方法。 アルコールとして、一般式(I)[式中、基R1〜R3は互いに独立して、・水素を表すか又は、飽和又は不飽和の、非環状又は環状の、脂肪族、芳香族又は芳香脂肪族の、非置換又は1〜5個のヘテロ原子又は官能基により中断又は置換され、炭素原子1〜30個を有する含炭素有機基を表すか;・2個の基が一緒になって、飽和又は不飽和の、非環状又は環状の、脂肪族、芳香族又は芳香脂肪族の、非置換又は1〜5個のヘテロ原子又は官能基により中断又は置換され、炭素原子1〜40個を有する二結合性の含炭素有機基を表すか;又は・3個全ての基が一緒になって、飽和又は不飽和の、非環状又は環状の、脂肪族、芳香族又は芳香脂肪族の、非置換又は1〜5個のヘテロ原子又は官能基により中断又は置換され、炭素原子1〜50個を有する三結合性の含炭素有機基を表す]で示される化合物を使用する、請求項1から2までのいずれか1項記載の方法。 アルコールとして、基R1〜R3が互いに独立して、・水素;・ヒドロキシ、ハロゲン、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよい及び/又は1個又はそれ以上の酸素原子により中断されていてよいC1〜C20−アルキル;・ヒドロキシ、ハロゲン、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよい及び/又は1個又はそれ以上の酸素原子により中断されていてよいC2〜C20−アルケニル、その際にこれは1つ又はそれ以上のC=C二重結合を有していてよく;・ヒドロキシ、ハロゲン、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよい及び/又は1個又はそれ以上の酸素原子により中断されていてよいC2〜C20−アルキニル、その際にこれは1つ又はそれ以上のC≡C三重結合を有していてよく;又は・ヒドロキシ、ハロゲン、シクロアルキル、アリール、アルキル、アリールオキシ及び/又はアルキルオキシにより置換されていてよいC6〜C12−アリールを表す一般式(I)の化合物を使用する、請求項3記載の方法。 アルコールとして、R1〜R3からの最大1個の基が水素である一般式(I)の化合物を使用する、請求項4記載の方法。 アルコールとして、R1〜R3からの基が水素ではない一般式(I)の化合物を使用する、請求項5記載の方法。 アルコールとして2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールを使用する、請求項6記載の方法。 トリアリールホスフィンオキシドとしてトリフェニルホスフィンオキシドを使用する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。 塩化チオニルを、塩素化すべきOH基の物質量に対して0.9〜5のモル比で使用する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。 塩素原子がCH2基に結合されている有機塩化物を、相応するアルコールを塩化チオニルと、トリアリールホスフィンオキシドの存在で20〜200℃の温度及び0.01〜10MPa絶対の圧力で反応させることによって製造する方法であって、その際にトリアリールホスフィンオキシドが、塩素化すべきOH基の物質量に対して0.0001〜0.5のモル比で使用される。