タイトル: | 特許公報(B2)_亜鉛を有効成分として含有するコラーゲン合成促進剤 |
出願番号: | 2008522615 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | A61K 8/49,A61K 8/35,A61Q 19/00,A61Q 5/00,A61Q 1/12,A61Q 19/10,A61Q 5/02,A61K 33/30,A61K 31/315,A61K 31/4015,A61K 31/122,A61P 43/00,A61P 17/16 |
瀧野 嘉延 岩崎 敬治 金子 大介 JP 5423002 特許公報(B2) 20131206 2008522615 20070621 亜鉛を有効成分として含有するコラーゲン合成促進剤 味の素株式会社 000000066 高島 一 100080791 瀧野 嘉延 岩崎 敬治 金子 大介 US 60/866,499 20061120 US 60/866,503 20061120 US 60/871,845 20061226 JP 2006173918 20060623 JP 2006223941 20060821 JP 2006329172 20061206 20140219 A61K 8/49 20060101AFI20140130BHJP A61K 8/35 20060101ALI20140130BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20140130BHJP A61Q 5/00 20060101ALI20140130BHJP A61Q 1/12 20060101ALI20140130BHJP A61Q 19/10 20060101ALI20140130BHJP A61Q 5/02 20060101ALI20140130BHJP A61K 33/30 20060101ALI20140130BHJP A61K 31/315 20060101ALI20140130BHJP A61K 31/4015 20060101ALI20140130BHJP A61K 31/122 20060101ALI20140130BHJP A61P 43/00 20060101ALI20140130BHJP A61P 17/16 20060101ALI20140130BHJP JPA61K8/49A61K8/35A61Q19/00A61Q5/00A61Q1/12A61Q19/10A61Q5/02A61K33/30A61K31/315A61K31/4015A61K31/122A61P43/00 121A61P43/00 111A61P17/16 A61K8/00− 8/99 A61Q1/00−90/00 CAplus/REGISTRY(STN) 特開2005−247729(JP,A) 特開平06−211641(JP,A) 特表2001−508809(JP,A) 特開2002−322049(JP,A) 特開2003−277219(JP,A) 特表平09−510725(JP,A) 特開昭58−180410(JP,A) 特開平11−189522(JP,A) 特開2000−355516(JP,A) 特開2002−212049(JP,A) 8 JP2007062958 20070621 WO2007148831 20071227 22 20100616 弘實 謙二【技術分野】 【0001】 本発明はしわを防止するのに有用な、亜鉛を有効成分として含有するコラーゲン合成促進剤、およびこれを含有する組成物に関する。【背景技術】 【0002】 皮膚のしわを予防あるいは改善する物質は多く見出されているが、完全に予防や改善が実感できる安全な物質はなく、未だ多くの研究がなされている。しわの形成が起きる原因は種々報告されているが、その一つに肌の乾燥があげられる。皮膚角層中の水分量が減少することで、皮膚の小じわは現れることは良く知られた事実である。このことから、皮膚角層中の水分量を高く維持するため保湿成分が利用されている。我々自身の皮膚角層が持っている保湿成分としてNMF(Natural Moisturizing Factor)が有名であるが、その構成要素であるアミノ酸自身にも角層中の水分を高く保持するものも見出されている。また、プラセンタエキスやビタミン類などの細胞賦活成分により皮膚角化細胞のターンオーバーを促進し、しわの予防・改善を行おうとする提案もなされている。 【0003】 乾燥とは異なる原因として、皮膚の老化に伴うしわやたるみの大きな原因として、真皮中のコラーゲン量の減少が関係していると考えられる。皮膚中のコラーゲンは真皮の細胞外マトリックスの成分であり結合組織として重要な役割を果たしている。コラーゲン量は皮膚の柔らかさや張りを構成する重要な要因である。 【0004】 皮膚組織におけるコラーゲン量を増加させるためには、UV照射により誘導されるコラーゲナーゼ活性を阻害し、コラーゲンの分解を抑制すること、および、コラーゲン合成を促進することが重要である。コラーゲン合成はビタミンやホルモン、サイトカインなどが作用することで促進することが知られている。 【0005】 コラーゲン合成を促す製品としてコラーゲンタンパクやコラーゲン組成アミノ酸組成物などが市販されているが、そのコラーゲン合成促進効果は明確でない。 【0006】 また、レチノイド、レチノール、レチノイン酸がコラーゲンの合成を促進させることが知られているが、催奇性、副作用も報告されており、より安全で、効果の高いコラーゲン合成促進剤が求められている。 【0007】 ユビキノンは1957年にウシの心臓の細胞内ミトコンドリアから単離・発見された化合物で、コエンザイムQ10、補酵素Q10、あるいは単にCoQ10とも呼ばれる。ユビキノンは体内で作り出され、多くの臓器に存在する。その働きの1つに細胞内ミトコンドリアでのエネルギーの産生がある。ミトコンドリア内において、糖や脂質などを利用し電子伝達系、TCAサイクルを介して、ATPという高エネルギー分子を産生する。すなわち、ユビキノンは電子伝達系で働き、ATP産生に寄与する。心臓でのユビキノンは40歳を過ぎると20歳時の約半分までその生成量が減少すると言われている。皮膚においては、いまだユビキノンに関する詳しいデータは少ないが、他の臓器と同様に加齢と共にユビキノン濃度は減少すると考えられる。 【0008】 また、ユビキノンのもう1つの働きは抗酸化効果である。皮膚は紫外線などに暴露される機会が多いため、皮膚内での酸化反応が常に引き起こされている。この酸化反応を防ぐため、多くのユビキノンが生成され利用されていると考えられる。2004年には、化粧品としてユビキノンが利用可能となり、多くの化粧品に使われるようになってきたが、エネルギー産生促進による肌のターンオーバーの促進や、抗酸化効果以外では、ユビキノンの皮膚に対する具体的な効果については未だ不明な点も多い。 【0009】 一方、亜鉛については、無機亜鉛塩の一種である酸化亜鉛が、おむつかぶれを抑制すると報告されている(例えば、FEBS Letters,384巻,92〜96ページ、1996年)。しかしながら、この化合物は水にも油性成分にも難溶で、化粧品や皮膚外用剤の成分として用いることが難しい。 【0010】 有機亜鉛塩の一種であるグリシン亜鉛塩について、メタロチオネインの誘導促進作用を有することが知られている(特開2005−247729号公報)。これは抗酸化効果やラジカル補足能などの経路により、メラニン合成阻害や細胞毒性阻害などのUVによる皮膚損傷の抑制作用である。しかしながらグリシン亜鉛塩のコラーゲン合成に対する影響は知られていない。 【0011】 同じく有機亜鉛塩の一種であるピロリドンカルボン酸亜鉛塩やアシルアミノ酸亜鉛塩について、UVにより惹起されるAP−1やNF−κBなどの炎症因子を抑制することが知られている(特開2006−022090号公報、国際公開WO2005/123062号パンフレット)。しかしながらピロリドンカルボン酸亜鉛塩やアシルアミノ酸亜鉛塩のコラーゲン合成に関する作用は知られていない。 【0012】 その他、有機亜鉛塩や無機亜鉛塩について、収れん作用、消炎作用、白色顔料、紫外線防御剤、消臭・殺菌剤の用途で化粧料組成物に配合することが知られているが、効果を期待できる濃度領域近傍での利用は皮膚に対する刺激性から、化粧品としての利用が難しかった。また低濃度での利用では、皮膚への上記有効性を見出せず、亜鉛塩の化粧料への配合は進んでいないのが現状である。【発明の開示】 【0013】 本発明者らは、保湿や、肌のターンオーバーの促進によるしわの改善ではなく、コラーゲン合成によるしわの改善を目的として鋭意検討を重ねた結果、亜鉛をヒト真皮繊維芽細胞に導入することにより、アスコルビン酸トランスポーターの発現促進効果を有することを見出し、これに伴いコラーゲン合成促進効果が得られることを見出した。 【0014】 アスコルビン酸トランスポーターは、細胞へのアスコルビン酸の取り込みを促進する膜タンパク質であり(Hiroyasu Tsukaguchi etc (1999)Nature 399,70−75を参照せよ)、アスコルビン酸トランスポーターの発現増強により、真皮繊維芽細胞においてコラーゲン合成に必須なアスコルビン酸の細胞内への取り込みが増加し、コラーゲン合成が促進される。 【0015】 さらに、驚くべきことに、従来コラーゲン合成促進効果が知られていなかったユビキノンに、亜鉛塩の一つであるピロリドンカルボン酸亜鉛塩を添加することにより、極めて顕著にコラーゲン合成が相乗的に促進されることを見出した。 【0016】 本発明の目的は、上記の知見に基づき、優れたコラーゲン合成作用を有するコラーゲン合成促進剤、およびこれを含有する化粧料組成物を得ることにある。【課題を解決するための手段】 【0017】 すなわち、本発明は、亜鉛を有効成分として含有することを特徴とするコラーゲン合成促進用組成物、およびユビキノンとピロリドンカルボン酸亜鉛塩を有効成分として含有することを特徴とするコラーゲン合成促進用組成物に関する。 【0018】 皮膚刺激性、細胞内への導入効率などの観点から、現実的に実施可能な亜鉛の導入方法としては、亜鉛を亜鉛塩にして、一定濃度、皮膚に塗布することが必要であり、具体的には以下の発明を含む。 【0019】(1)亜鉛を有効成分として含有するコラーゲン合成促進剤。(2)亜鉛が、ピロリドンカルボン酸亜鉛塩、グルコン酸亜鉛塩、フェノールスルホン酸亜鉛、乳酸亜鉛塩、各種アミノ酸亜鉛塩、アシルアミノ酸亜鉛塩、硫酸亜鉛、塩化亜鉛および酸化亜鉛からなる群より選択される化合物である、(1)記載のコラーゲン合成促進剤。(3)亜鉛が、ピロリドンカルボン酸亜鉛塩である(1)記載のコラーゲン合成促進剤。(4)ピロリドンカルボン酸亜鉛塩とユビキノンを有効成分として含有するコラーゲン合成促進剤。(5)コラーゲン合成が、ヒト繊維芽細胞のアスコルビン酸トランスポーターの発現増強を介してされるものである、上記(1)から(4)に記載のコラーゲン合成促進剤。(6)亜鉛を、有効成分として配合することを特徴とする、コラーゲン合成促進用組成物。(7)亜鉛が、ピロリドンカルボン酸亜鉛塩、グルコン酸亜鉛塩、フェノールスルホン酸亜鉛、乳酸亜鉛塩、各種アミノ酸亜鉛塩、アシルアミノ酸亜鉛塩、硫酸亜鉛、塩化亜鉛および酸化亜鉛からなる群より選択される化合物である、(6)記載のコラーゲン合成促進用組成物。(8)亜鉛が、ピロリドンカルボン酸亜鉛塩である(6)記載のコラーゲン合成促進用組成物。(9)ピロリドンカルボン酸亜鉛塩とユビキノンを有効成分として配合することを特徴とする、コラーゲン合成促進用組成物。(10)亜鉛を、組成物中に1μM〜100mMの濃度で存在するように配合することを特徴とする、上記(6)〜(9)に記載のコラーゲン合成促進用組成物。(11)さらに、N−アシル酸性アミノ酸エステル、またはアミノ酸誘導体が配合される、上記(6)〜(10)に記載のコラーゲン合成促進用組成物。(12)軟膏、化粧水、ローション、クリーム、乳液、美容液、パック、ファンデーション、液体ハンドソープ、シャンプー、または毛髪用化粧水である上記(6)〜(11)に記載のコラーゲン合成促進用組成物。(13)亜鉛を、有効成分として配合することを特徴とする、しわの予防剤または治療剤。(14)亜鉛が、ピロリドンカルボン酸亜鉛塩、グルコン酸亜鉛塩、フェノールスルホン酸亜鉛、乳酸亜鉛塩、各種アミノ酸亜鉛塩、アシルアミノ酸亜鉛塩、硫酸亜鉛、塩化亜鉛および酸化亜鉛からなる群より選択される化合物である、(13)記載のしわの予防剤または治療剤。(15)亜鉛が、ピロリドンカルボン酸亜鉛塩である(13)記載のしわの予防剤または治療剤。(16)ピロリドンカルボン酸亜鉛塩とユビキノンを有効成分として配合することを特徴とする、しわの予防剤または治療剤。(17)コラーゲン合成促進のための亜鉛の使用。(18)コラーゲン合成促進のための、ピロリドンカルボン酸亜鉛塩、グルコン酸亜鉛塩、フェノールスルホン酸亜鉛、乳酸亜鉛塩、各種アミノ酸亜鉛塩、アシルアミノ酸亜鉛塩、硫酸亜鉛、塩化亜鉛および酸化亜鉛からなる群より選択される亜鉛塩の使用。(19)コラーゲン合成促進のためのピロリドンカルボン酸亜鉛塩の使用。(20)コラーゲン合成促進のためのピロリドンカルボン酸亜鉛塩とユビキノンの併用。(21)上記(6)〜(12)に記載の組成物を皮膚に塗布することを特徴とするコラーゲン合成を促進する方法。(22)ユビキノンとピロリドンカルボン酸亜鉛塩が、50:1〜0.1:1の重量比率で含有される、上記(4)に記載のコラーゲン合成促進剤。(23)0.0001重量%〜10重量%のユビキノンおよび0.000035重量%〜3.5重量%のピロリドンカルボン酸亜鉛塩を含有することを特徴とするコラーゲン合成促進用組成物。(24)0.0001重量%〜10重量%のユビキノンおよび0.000035重量%〜3.5重量%のピロリドンカルボン酸亜鉛塩を含有することを特徴とするしわの予防剤または治療剤。(25)0.0001重量%〜10重量%のユビキノンおよび0.000035重量%〜3.5重量%のピロリドンカルボン酸亜鉛塩を含有する組成物を皮膚に塗布することを特徴とするコラーゲン合成を促進する方法。【図面の簡単な説明】 【0020】 図1は、ヒト真皮繊維芽細胞を用いた亜鉛塩のコラーゲン合成促進効果を確認した図である。 図2は、ヒト真皮繊維芽細胞を用いたピロリドンカルボン酸亜鉛塩によるコラーゲン合成促進効果を確認した図である。 図3は、ピロリドンカルボン酸亜鉛塩によるアスコルビン酸トランスポーターmRNA発現増強効果を確認した図である。 図4は、ヒト真皮繊維芽細胞を用いたピロリドンカルボン酸亜鉛塩およびユビキノンによるコラーゲン合成促進効果を確認した図である。 図5は、ピロリドンカルボン酸亜鉛塩配合処方による三次元培養ヒト皮膚におけるコラーゲン合成促進効果を確認した図である。【発明の詳細な説明】【発明を実施するための最良の形態】 【0021】 以下、本発明の詳細を説明する。 【0022】 本発明に用いられる亜鉛は、皮膚刺激性、細胞への導入効率などの観点から、現実的に亜鉛を亜鉛塩にして、一定濃度、皮膚に塗布することが必要である。この場合有機亜鉛塩および無機亜鉛塩のいずれも使用することができる。有機亜鉛塩としては、ピロリドンカルボン酸亜鉛塩、グルコン酸亜鉛塩、フェノールスルホン酸亜鉛、乳酸亜鉛塩、各種アミノ酸亜鉛塩、アシルアミノ酸亜鉛塩、などが含まれる。無機亜鉛塩としては、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、酸化亜鉛などが含まれる。 【0023】 アミノ酸亜鉛塩としては、グリシン亜鉛塩、アラニン亜鉛塩、バリン亜鉛塩、ロイシン亜鉛塩、イソロイシン亜鉛塩、フェニルアラニン亜鉛塩、メチオニン亜鉛塩、トリプトファン亜鉛塩、アスパラギン亜鉛塩、グルタミン亜鉛塩、セリン亜鉛塩、スレオニン亜鉛塩、システイン亜鉛塩、チロシン亜鉛塩、アスパラギン酸亜鉛塩、グルタミン酸亜鉛塩、リジン亜鉛塩、アルギニン亜鉛塩、若しくはヒスチジン亜鉛塩などの各種アミノ酸亜鉛塩が挙げられる。 【0024】 アシルアミノ酸亜鉛塩とは、アミノ酸のアミノ基にアシル基が結合した化合物の亜鉛塩であるが、例えば、アシルアミノ酸としては以下の構造式を有する化合物が挙げられる。 【0025】 【化1】 【0026】(上記(I)中、R1は炭素原子数2〜22のアシル基、R2は水素原子または、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル基を、R3はアミノ酸であるバリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アラニンの側鎖または、水素原子を表し、nは0または1の整数を表す。) 【0027】 コラーゲン合成促進効果を高めるという観点において、血流促進効果を持つピロリドンカルボン酸の亜鉛塩は、血管内のアスコルビン酸などの有用物質を塗布部位に集めることが期待されるため、アスコルビン酸トランスポーターの発現促進効果がより顕著にコラーゲン合成促進効果に反映される亜鉛塩である。 【0028】 ピロリドンカルボン酸亜鉛塩(以下、PCA亜鉛塩、PCAZn塩ともいう)とは、2−ピロリドン−5−カルボン酸の亜鉛塩であって、各種水和物であってもよい。実施例において使用したピロリドンカルボン酸亜鉛塩は2水和物であり、以下の構造を有する。 【0029】 【化2】 【0030】 ピロリドンカルボン酸亜鉛塩は、D体、L体もしくはDL体(D体とL体の混合物)のいずれを用いてもよい。例えば、L−PCA亜鉛塩やDL−PCA亜鉛塩を用いることができる。これらを単独あるいは混合して用いることが可能であり、DL体を用いる場合、D体とL体の比率は特に限定されない。 【0031】 本発明のコラーゲン合成促進剤は、化粧料や皮膚外用剤などの組成物に配合して使用される。この際、その配合量を1μM〜100mM(PCA亜鉛塩として0.000035重量%〜3.5重量%)、好ましくは、1μM〜10mM(PCA亜鉛塩として0.000035重量%〜0.35重量%)、更に好ましくは、1μM〜1mM(PCA亜鉛塩として0.000035重量%〜0.035重量%)程度のごく少量配合することが重要である。3.5重量%以上の配合では皮膚に対して刺激感が生じる、あるいは、きしみ感などが発生する問題があり、また、培養皮膚細胞を用いた検討によれば、高濃度ではコラーゲン合成促進効果は起こらなくなり、好ましくない。 【0032】 本発明のコラーゲン合成促進剤を化粧料や皮膚外用剤などの組成物に配合するとき、これらの成分以外に、一般に化粧料あるいは皮膚外用剤として使用される成分を本発明の効果を阻害しない範囲で添加することができる。 【0033】 本発明の第二の態様として、ユビキノンとピロリドンカルボン酸亜鉛塩を有効成分として含有するコラーゲン合成促進剤に関する。今まで説明したように、ピロリドンカルボン酸亜鉛塩を単独でコラーゲン合成促進剤として使用することができるが、ユビキノンと併用して用いると、驚くべき相乗効果を有するコラーゲン合成促進剤として使用することができる。これにより、肌のターンオーバーの促進や、抗酸化効果による、しわの改善ではなく、コラーゲン合成によるしわの改善が期待できる。 【0034】 本発明においてユビキノンとは、2,3−ジメトキシ−5−メチル−6−ポリプレニル−1,4−ベンゾキノンの側鎖のイソプレン単位が10のユビキノン類であり、本発明の効果を適切に発現させるためには、ユビキノンの配合量は0.0001重量%以上にすることが好ましく、0.01重量%以上にすることがより好ましく、0.03重量%以上にすることがさらに好ましい。また、ユビキノンの配合量を必要以上に多くすると、結晶化したり、製品の色が黄変するおそれがあるので、10重量%以下にすることが好ましく、1重量%以下にすることがより好ましく、0.1重量%以下にすることがさらに好ましい。ピロリドンカルボン酸亜鉛塩は、その効果を適切に発現させるためには、ユビキノンとピロリドンカルボン酸亜鉛塩の配合比率が、50:1〜0.1:1の比率で含有されることが好ましい。 【0035】 また、本発明の更なる態様として、本発明のコラーゲン合成促進剤と、N−アシル酸性アミノ酸エステル、アミノ酸およびアミノ酸誘導体からなる群より選択される1種また2種以上が同時に配合されてなる組成物に関する。 【0036】 本発明の組成物に配合することができるN−アシル酸性アミノ酸エステルは、次の構造で表されるものであって、 【0037】 【化3】 【0038】(式中のXおよびYは双方が同じでも異なっていてもよいが、XおよびYはステロールのエステル生成残基、炭素数8〜30の直鎖もしくは分岐の液状高級アルキルアルコールもしくはアルケニルアルコール、または炭素数12〜38の固形状直鎖もしくは分岐の高級アルコールのエステル生成残基から選ばれる少なくとも1種である。そして、窒素原子に結合するCORは炭素数8〜22の直鎖アシル基である。nは1または2である。a、bは0〜10であり、bは0〜10である。) 【0039】 特にN−アシル酸性ジエステルが好ましく、その好適な具体例としては、例えば、N−ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリルベヘニルオクチルドデシル)、N−ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリルオクチルドデシル)、N−ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル2−オクチルドデシル)、N−ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシルフィトステリルベヘニル)などが挙げられ、それらは、味の素株式会社から、それぞれ、「エルデュウCL−301」、「エルデュウCL−202」、「エルデュウPS−203」、「エルデュウPS−304」の商品名で市販されている。 【0040】 そして、本発明において、このN−アシル酸性アミノ酸エステルは、保湿力や整肌性の向上に寄与し、また、安定性の向上にも寄与するが、その効果を適切に発現させるためには、その配合量は、0.01重量%以上にすることが好ましく、0.1重量%以上にすることがより好ましく、0.5重量%以上にすることがさらに好ましく、また、N−アシル酸性アミノ酸エステルの配合量を必要以上に多くすると、べたつくおそれがあるので、20重量%以下にすることが好ましく、10重量%以下にすることがより好ましく、5重量%以下にすることがさらに好ましい。 【0041】 アミノ酸またはアミノ酸誘導体は、保湿効果の向上に寄与させるために組成物中に配合されるが、そのアミノ酸としては、例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、シトルリン、システイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、オキシプロリン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、オルニチン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンなどが挙げられ、それらのL体、D体またはDL体のいずれであってもよいし、また、それらの塩であってもよい。そのような塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩などが挙げられる。 【0042】 また、アミノ酸誘導体としては、前述のアミノ酸を環化、アシル化またはエステル化したものであって、例えば、アセチルグルタミン酸、アセチルメチオニン、アセチルシステイン、N,N−ジアセチル−L−シスチンジメチルエステル、アシルグルタミン酸塩、アシルグリシン塩、アシルアラニン塩、アシルアルギニンエチルエステル塩などが挙げられる。ただし、N−アシル酸性アミノ酸エステルは含まない。 【0043】 一般に化粧料あるいは皮膚外用剤に使用されている成分としては、抗酸化剤、抗炎症剤、紫外線吸収剤、美白剤、細胞賦活剤、保湿剤、金属キレート剤、油性原料、界面活性剤、溶剤、高分子物質、粉体物質、色素類、香料、経皮吸収促進剤及びステロイドホルモン等を挙げることができる。 【0044】 上記亜鉛塩を含有する組成物の形態には特に制限はなく、溶液状、ペースト状、ゲル状、固体状、粉末状等任意の形態をとることができる。また、本発明の組成物は、オイル、ローション、クリーム、乳液、ゲル、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、エナメル、ファンデーション、リップスティック、おしろい、パック、軟膏、錠剤、注射液、顆粒、カプセル、香水、パウダー、オーデコロン、歯磨、石鹸、エアゾル、クレンジングフォーム等の他、皮膚老化防止改善剤、皮膚炎症防止改善剤、浴用剤、養毛剤、皮膚美容液、日焼け防止剤、色素性乾皮症・日光蕁麻疹等の光線過敏症の防止改善剤、光アレルギーの防止改善剤、光免疫抑制の防止改善剤あるいは、外傷・あかぎれ・ひびわれ等による肌荒れの防止改善剤、消毒剤、抗菌剤、殺虫剤、害虫駆除剤、角質溶解剤、表皮剥離剤、ニキビの防止改善剤、角化症・乾皮症・魚鱗癬・乾癬等の各種皮膚疾患の防止改善剤等に用いることができる。 【0045】 更にその他の常用成分を、組成物に本発明の効果を阻害しない範囲で添加することができる。本発明の組成物におけるその他の常用成分としては、防腐剤、褪色防止剤、緩衝剤、にきび用薬剤、ふけ・かゆみ防止剤、制汗防臭剤、熱傷用薬剤、抗ダニ・シラミ剤、角質軟化剤、乾皮症用薬剤、抗ウイルス剤、ホルモン類、ビタミン類、アミノ酸・ペプチド類、タンパク質類、収れん剤、清涼・刺激剤、動植物由来成分、抗生物質、抗真菌剤、育毛剤等を挙げることができる。【実施例】 【0046】 以下、本発明を実施例(合成例、試験例および配合例)により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、これらの実施例において、配合量は重量%で表した。 【0047】試験例1.亜鉛塩のコラーゲン合成促進効果 亜鉛塩のコラーゲン合成促進効果を確認するため、2種類の亜鉛塩と、同じくナトリウム塩を調製し、正常ヒト真皮繊維芽細胞からのコラーゲン合成促進効果を評価した。コンフルエント状態になった正常ヒト真皮繊維芽細胞を剥がし、D−MEM(10%FBS含有)中、96ウェルプレートに播種し、24時間、飽和水蒸気下、37℃、5%CO2にて無菌的に培養した。24時間後、培地を取り除き、各サンプルを所定の濃度(50μM。250μMアスコルビン酸Na塩及び2%FBS含有)に調製したD−MEMを添加した。48時間、飽和水蒸気下、37℃、5%CO2にて無菌的に培養した。48時間後、その培養上澄みを採取し、その液中のヒト真皮繊維芽細胞から放出されたI型プロコラーゲン量をELISAにて定量評価した。 結果を図1に示す。グラフから分かるように、2種類の亜鉛塩はともに、コントロールに比べ48時間での培地中へのコラーゲン合成量が増加した。しかし、対応するナトリウム塩では、培地中のコラーゲン合成量の増加は認められなかった。 【0048】試験例2.PCAZn塩の血流促進効果 PCAZn塩とその他のZn塩との違いを血流促進効果(血液量増加)から確認した。各サンプルのZn塩及び、Na塩を調製し、ヒト前腕に塗布し血流促進効果を目視にて評価した。サンプルは、(1)PCAZn塩、(2)PCANa塩、(3)グルコン酸Zn塩、(4)グルコン酸Na塩、(5)硫酸Zn塩、(6)硫酸Na2塩を用いた。濃度は5wt%とし、pHは5.5〜6.5の間に調製した。上記サンプルを80μl、前腕に半閉塞パッチし、30分後パッチを除去し、目視評価を行った。さらに、30分後、50分後に目視観察を行い、表1に従い評点を付した。結果を表2に示す。結果は得られた評点の平均である。 【0049】 【表1】 【0050】 【表2】 【0051】 サンプル(1)及び(2)では一過性の血流促進効果が確認された。しかし、その他のサンプルにおいては、どの評価時間帯においても血流促進効果は認められなかった。この結果から、PCAZn塩はその他のZn塩に比べ、皮膚に塗布することで一時的な血流促進効果を誘導することが判明した。 これにより、血管内のアスコルビン酸などの有用物質を塗布部位に集めることで、PCAZn塩はその他のZn塩に比べ、よりコラーゲン産生促進効果を高めることが期待される。 【0052】試験例3.ピロリドンカルボン酸亜鉛塩のヒト真皮繊維芽細胞コラーゲン合成促進効果 正常ヒト真皮繊維芽細胞を6ウェルプレートにDMEM(ダルベッコ改変イーグル培地、FBS10%含有)にて播種した。5%CO2、飽和水蒸気下、37℃のインキュベータで24時間培養した。24時間後、サンプル(PCA亜鉛塩など)を10μMの濃度で添加したDMEM(FBS10%含有、アスコルビン酸500μM含有)に、6ウェルプレートの培地を交換した。サンプルの交換は毎日行い、計5回サンプル交換(8日間)を行った。最後のサンプルを交換した後、24時間後、培地を吸引除去しPBSにてウェルをリンスした。得られたコラーゲンシートを酵素的に分解し可溶化させ、ELISAにてI型コラーゲン量を定量評価した。 図2に示したように、ピロリドンカルボン酸亜鉛塩を10μM添加したI型コラーゲン量はコントロール(ピロリドンカルボン酸亜鉛塩無添加)に比べ、180%の増加を示した。 【0053】試験例4.ピロリドンカルボン酸亜鉛塩のアスコルビン酸トランスポーターmRNA発現増強効果 正常ヒト真皮繊維芽細胞をシャーレにD−MEM(ダルベッコ改変イーグル培地、FBS10%含有)にて播種した。5%CO2、飽和水蒸気下、37℃のインキュベータで1日、培養した。シャーレにサンプル(PCA亜鉛塩など)を1μM、50μMの濃度で添加し、インキュベータにて24時間培養した。培養後、培地を吸引除去し、PBSでリンスした。細胞はRN easy Mini Kit(Quiagen製)のプロトコールに従って、細胞内中のRNAの抽出を行った。得られたRNAから、定法に従いc−DNAを合成し、文献既知の方法にて(Christopher P.Corpe etc(2005)J.Biol.Chem.280、5211−5220)、アスコルビン酸トランスポーター;SVCTのRT−PCRを行った(プライマー:センスプライマー;5’−CTGAGCTCATGGCGATCTAC−3’(配列番号1)、アンチセンス;5’−CATGTCAGGTAGTGCTGTAGCCCCA−3’(配列番号2))。得られたDNAを電気泳動し、サンプルの有無によるSVCTのRNAの発現量を評価した。電気泳動のバンドの評価は、ルミノ・イメージアナライザー(LAS−3000/富士フィルム製)を用い、G3PDHにて規格化した数値にて行った。 図3に示すように、ピロリドンカルボン酸亜鉛塩を1μM、50μM添加することで、無添加のコントロールに比べ1μMで150%、50μM添加で200%のアスコルビン酸トランスポーターのRNA発現量の増加が確認された。これにより、NHDFでのアスコルビン酸トランスポーターが増加し細胞内のアスコルビン酸濃度の増加、これに伴いNHDFのコラーゲン合成量が増加したと考えられる。 【0054】試験例5.ピロリドンカルボン酸亜鉛塩とユビキノンのヒト真皮繊維芽細胞コラーゲン合成促進効果 正常ヒト真皮繊維芽細胞を6ウェルプレートにD−MEM(ダルベッコ改変イーグル培地、FBS10%含有)にて播種した。5%CO2、飽和水蒸気下、37℃のインキュベータで24時間培養した。24時間後、サンプル(1)PCA亜鉛塩(30μM)+ユビキノン(30μM)、サンプル(2)PCA亜鉛塩(30μM)、サンプル(3)ユビキノン(30μM)を添加したDMEM(FBS10%含有、アスコルビン酸500μM含有)に、6ウェルプレートの培地を交換した。サンプルの交換は毎日行い、計5回サンプル交換(8日間)を行った。最後のサンプルを交換した後、24時間後、培地を吸引除去しPBSにてウェルをリンスした。得られたコラーゲンシートを酵素的に分解し可溶化させ、ELISAにてI型コラーゲン量を定量評価した。 図4に示したように、ピロリドンカルボン酸亜鉛塩単独ではコントロール(サンプル無添加)に比べ約300%のコラーゲンマトリックス生成促進効果を示し、ユビキノン単独では250%の促進効果を示した。さらに、ピロリドンカルボン酸亜鉛塩とユビキノンを併用投与した場合、コラーゲン合成促進は約400%まで上昇し、ピロリドンカルボン酸亜鉛塩単独の場合よりも強いコラーゲン合成促進効果が確認された。 これにより従来知られていなかったユビキノンおよびピロリドンカルボン酸亜鉛塩の組み合わせにコラーゲン合成促進効果があることが示され、さらに、ユビキノンのエネルギー産生促進効果をピロリドンカルボン酸亜鉛塩がコラーゲン合成促進につなげ、両者を併用することで、コラーゲン合成促進を相乗的に増加させることに成功した。 【0055】試験例6.ピロリドンカルボン酸亜鉛塩配合処方による三次元培養ヒト皮膚におけるコラーゲン合成促進効果 角層、表皮層、真皮層を持ちコラーゲンマトリックスを形成している三次元培養ヒト皮膚モデルを用い、PCA亜鉛塩(0.001wt%)、ユビキノン、N,N’−ジアセチルシスチンジメチルエステル(DACDM)、アミノ酸数種類を配合したクリームA(表7および表8を参照)を角層表面に100μl塗布した。さらに、比較対象としてクリームAから上記4種類(PCA亜鉛塩、ユビキノン、DACDM、アミノ酸群)を除いたクリームBを、コントロールとしてはリン酸バッファー(PBS)を同様に、それぞれ100μl角層表面に塗布した。皮膚モデルの真皮層側には皮膚モデル用培地を張り、培地は毎日交換した。サンプルを塗布後、皮膚モデルは、5%CO2、飽和水蒸気下、37℃のインキュベータにて培養した。サンプル塗布後3日目に、上層のサンプル、下層の培地を取り除き、水でリンス後、皮膚を凍結乾燥した。凍結乾燥後、真皮層のみを水に1日浸潤させた。1日後、浸潤した真皮層を上記試験例2.で行った方法を用い、コラーゲンマトリックスを酵素的に分解可溶化し、ELISAにてI型コラーゲン量を定量評価した。 図5に示すように、ピロリドンカルボン酸亜鉛塩を含んだクリームAを塗布した三次元培養ヒト皮膚モデルは、コントロール、及びクリームBに比較し、真皮層のコラーゲンマトリックス中のI型コラーゲン量が170%程度増加した。 【0056】合成例1.ピロリドンカルボン酸亜鉛塩の合成 DL−PCA亜鉛塩は特開平3−168240号公報記載の方法に準じ、DL−PCAと酸化亜鉛を水中100℃で2時間反応させた後、室温下5時間攪拌を続け、析出した結晶をろ別することにより合成した。L−PCA亜鉛塩は以下の方法で合成した。オートクレーブ中にて、L−グルタミン酸ナトリウム1水和物(61.1g)の水溶液を180℃で2時間加熱し、50wt%のピロリドンカルボン酸ナトリウム塩溶液を得た。50wt%のピロリドンカルボン酸ナトリウム塩溶液100.0g(0.33mol、pH7.7、光学純度84%、L/D比率=92/8)に、硝酸(純度 60wt%)2.7gを添加し、pH5.2に調整した。硫酸亜鉛7水和物47.6g(0.17mol)を水34.2gに溶解した水溶液を、ピロリドンカルボン酸ナトリウム塩溶液(pH4.1)に添加した。この溶液を30分間室温(pH3.7)で結晶を得るまで混和し、ろ過した。得られた結晶は水(21.9g)で洗浄し、32.0g(0.09mol、収率55%)のピロリドンカルボン酸亜鉛二水和物を得た。光学純度は99.8%(L/D比率99.9/0.1)であった。 【0057】配合例1〜40 以下に、種々の製剤の配合例を次に示す。これらの製剤は常法に従い調製した。尚、配合量は重量%で表した。 【0058】 以下に、軟膏の配合例を示す。 【0059】 【表3】 【0060】 以下に、化粧水の配合例を示す。 【0061】 【表4】 【0062】 【表5】 【0063】 以下に、ローションの配合例を示す。 【0064】 【表6】 【0065】 以下に、クリームの配合例を示す。 【0066】 【表7】 【0067】 【表8】 【0068】 以下に、乳液の配合例を示す。 【0069】 【表9】 【0070】 以下に、美容液の配合例を示す。 【0071】 【表10】 【0072】 以下に、パックの配合例を示す。 【0073】 【表11】 【0074】 以下に、ファンデーションの配合例を示す。 【0075】 【表12】 【0076】 以下に、液体ハンドソープの配合例を示す。 【0077】 【表13】 【0078】 以下に、シャンプーの配合例を示す。 【0079】 【表14】 【0080】 以下に、毛髪用化粧水の配合例を示す。 【0081】 【表15】【産業上の利用可能性】 【0082】 本発明は、化粧品の分野において効果の高いコラーゲン合成促進剤として利用可能である。従来知られていた、レチノイド、レチノール、レチノイン酸と同等以上のコラーゲン合成促進効果があり、催奇性、副作用もなく、より安全なコラーゲン合成促進剤である。 ピロリドンカルボン酸亜鉛塩とユビキノンからなる、コラーゲン合成促進剤。 ユビキノンとピロリドンカルボン酸亜鉛塩の重量比が、50:1〜0.1:1である、請求項1に記載のコラーゲン合成促進剤。 ピロリドンカルボン酸亜鉛塩とユビキノンを有効成分として配合することを特徴とする、コラーゲン合成促進用組成物。 ピロリドンカルボン酸亜鉛塩を、組成物中に1μM〜100mMの濃度で存在するように配合することを特徴とする、請求項3に記載のコラーゲン合成促進用組成物。 ユビキノン0.0001重量%〜10重量%および、ピロリドンカルボン酸亜鉛塩0.000035重量%〜3.5重量%を含有することを特徴とするコラーゲン合成促進用組成物。 さらに、N−アシル酸性アミノ酸エステル、またはアミノ酸誘導体が配合される、請求項3から5のいずれか1項に記載のコラーゲン合成促進用組成物。 軟膏、化粧水、ローション、クリーム、乳液、美容液、パック、ファンデーション、液体ハンドソープ、シャンプー、または毛髪用化粧水である請求項3から6のいずれか1項に記載のコラーゲン合成促進用組成物。 コラーゲン合成が、ヒト繊維芽細胞のアスコルビン酸トランスポーターの発現増強を介してされるものである、請求項3から7のいずれか1項に記載のコラーゲン合成促進用組成物。