タイトル: | 特許公報(B2)_核酸保護基の脱離方法 |
出願番号: | 2008502759 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | C07H 21/04 |
柴 佳伸 JP 5187189 特許公報(B2) 20130201 2008502759 20070226 核酸保護基の脱離方法 日本新薬株式会社 000004156 柴 佳伸 JP 2006050381 20060227 20130424 C07H 21/04 20060101AFI20130404BHJP JPC07H21/04 C07H 21/04 CAplus(STN) REGISTRY(STN) 特開平08−056679(JP,A) 特表2002−501931(JP,A) 国際公開第05/023828(WO,A1) 国際公開第06/095739(WO,A1) 国際公開第06/022323(WO,A1) Ohgi T. et al.,Org. Lett.,2005年,Vol.7(16),p.3477-3480 Sinha ND et al.,Nucleic Acid Res.,1984年,Vol.12(11),p.4539-4557 L. A. Ramos et al.,Carbohydrate Polymers,2005年,Vol.60(2),p.259-267 12 JP2007053490 20070226 WO2007099896 20070907 43 20100224 磯部 洋一郎 本発明は、オリゴ核酸誘導体の各リボースの2’位水酸基を保護している、中性条件下において脱離可能なエーテル型保護基、例えば、2−シアノエトキシメチル(以下、「CEM基」という。)を再現性よく、また効率よく脱離するための方法に関するものである。 オリゴリボ核酸(オリゴRNA)は、遺伝子解析のRNAプローブ、RNA医薬品素材(アンチセンスRNA、リボザイム、RNAiを利用した遺伝子発現制御)、人工酵素、アプタマーとして有用であることは周知である。 オリゴRNAを製造するための試薬の1つとして、リボースの2’位水酸基が中性条件において脱離可能なCEM基で置換され保護されているホスホロアミダイト化合物が知られている(非特許文献1)。 上記ホスホロアミダイト化合物を使用してオリゴRNAを製造する場合、固相担体上で所望の鎖長のオリゴRNAを製造した後、該オリゴRNAから固相担体及び各置換基の保護基を除去する必要がある。かかる保護基を除去する工程の1つとして、オリゴRNAの各リボースの2’位水酸基を保護している、中性条件下において脱離可能なエーテル型保護基を脱離する工程があるが、該工程では、脱保護剤としてテトラブチルアンモニウムフロリド(以下、「TBAF」という。)を、溶媒としてテトラヒドロフラン(以下、「THF」という。)を使用するのが一般的である(非特許文献1)。大木ら,ORGANIC LETTERS,Vol.7,3477(2005) 本発明の目的は、主として、オリゴ核酸誘導体の各リボースの2’位水酸基を保護している、中性条件下において脱離可能なエーテル型保護基を再現性よく、また効率よく脱離する方法を提供することにある。 本発明者は、上記目的を達成するために、鋭意検討した結果、次の一般式(10)で表されるオリゴ核酸誘導体にTBAFを作用させ、各リボースの2’位水酸基を保護している中性条件下において脱離可能なエーテル型保護基を脱離する工程において、THFを含有していてもよい、スルホキシド系溶媒若しくはアミド系溶媒又はこれらの混合溶媒を反応溶媒として用いることによって、次の一般式(11)で表されるオリゴ核酸誘導体を効率的に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。 式(10)及び(11)中、各Bは、それぞれ独立して、核酸塩基又はその修飾体を表す。nは、1〜200の範囲内にある整数を表す。nは、10〜100の範囲内にある整数が好ましく、また、より好ましくは、15〜50の範囲内にある整数である。各Qは、それぞれ独立して、O又はSを表す。各Rは、それぞれ独立して、H、水酸基、ハロゲン、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルケニルオキシ、アルケニルチオ、アルケニルアミノ、ジアルケニルアミノ、アルキニルオキシ、アルキニルチオ、アルキニルアミノ、ジアルキニルアミノ又はアルコキシアルキルオキシを表すが、少なくとも1つは水酸基を表す。Zは、H、リン酸基又はチオリン酸基を表す。 R1は、次の一般式(3)で表される置換基を表す。 式(3)中、R11、R12、R13は、同一又は異なって、水素又はアルコキシを表す。 各R4は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルケニルオキシ、アルケニルチオ、アルケニルアミノ、ジアルケニルアミノ、アルキニルオキシ、アルキニルチオ、アルキニルアミノ、ジアルキニルアミノ、アルコキシアルキルオキシ又は次の一般式(4)で表される置換基を表す。 式(4)中、WG1は、電子吸引性基を表す。 Bで表される核酸塩基としては特に限定されるものではなく、例えば、シトシン、ウラシル、チミン等のピリミジン塩基、アデニン、グアニン等のプリン塩基を挙げることができる。 Bの「修飾体」とは、核酸塩基が任意の置換基で置換されている基であり、かかる置換基としては、例えば、ハロゲン、アシル、アルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロを挙げることができ、これらが任意の位置に1〜3個置換されている。 Bの修飾体に係る「ハロゲン」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。 Bの修飾体に係る「アシル」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜6のアルカノイル、炭素数7〜13のアロイルを挙げることができる。具体的には、例えば、ホルミル、アセチル、n−プロピオニル、イソプロピオニル、n−ブチリル、イソブチリル、tert−ブチリル、バレリル、ヘキサノイル、ベンゾイル、ナフトイル、レブリニル等を挙げることができる。 Bの修飾体に係る「アルキル」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜5のアルキルを挙げることができる。具体的には、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル等を挙げることができる。当該アルキルは置換されていてもよく、かかる置換基としては、例えば、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノ、ニトロを挙げることができ、これらが任意の位置に1〜3個置換されていてもよい。 Bの修飾体における「アリールアルキル」、「アルコキシアルキル」、「モノアルキルアミノ」及び「ジアルキルアミノ」の「アルキル」部分は、上記の「アルキル」と同じものを挙げることができる。 Bの修飾体に係る「アルコキシ」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜4のアルコキシを挙げることができる。具体的には、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等を挙げることができる。なかでも炭素数1〜3のものが好ましく、とりわけメトキシが好ましい。 Bの修飾体に係る「アルコキシアルキル」の「アルコキシ」部分は、上記の「アルコキシ」と同じものを挙げることができる。 Bの修飾体に係る「アリールアルキル」の「アリール」としては、例えば、炭素数6〜12のアリールを挙げることができる。具体的には、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニル等を挙げることができる。当該アリールは置換されていてもよく、かかる置換基としては、例えば、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノ、ニトロを挙げることができ、これらが任意の位置に1〜3個置換されていてもよい。 Bの修飾体に係る「アルキル」、「アリール」の置換基である「ハロゲン」、「アルキル」及び「アルコキシ」としては、各々上記と同じものを挙げることができる。 R及びR4に係る「ハロゲン」、「アルコキシ」、「アルキルアミノ」又は「ジアルキルアミノ」は、前記Bの修飾体に係るそれらと同じものを挙げることができる。 R及びR4に係る「アルコキシアルキルオキシ」、「アルキルチオ」の「アルキル」部分としては、前記Bの修飾体に係る「アルキル」と同じものを挙げることができる。 R及びR4に係る「アルコキシアルキルオキシ」の「アルコキシ」部分としては、前記Bの修飾体に係る「アルコキシ」と同じものを挙げることができる。 R及びR4に係る「アルケニルオキシ」、「アルケニルチオ」、「アルケニルアミノ」、「ジアルケニルアミノ」の「アルケニル」部分としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数2〜6のアルケニルを挙げることができる。具体的には、例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル等を挙げることができる。 R及びR4に係る「アルキニルオキシ」、「アルキニルチオ」、「アルキニルアミノ」、「ジアルキニルアミノ」の「アルキニル」部分としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数2〜4のアルキニルを挙げることができる。具体的には、例えば、エチニル、2−プロピニル、1−ブチニル等を挙げることができる。 R11、R12、R13に係る「アルコキシ」としては、前記Bの「アルコキシ」と同じものを挙げることができる。 WG1に係る「電子吸引性基」としては、例えば、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ハロゲンを挙げることができる。なかでも、シアノが好ましい。 WG1に係る「アルキルスルホニル」の「アルキル」部分としては、前記Bの「アルキル」と同じものを挙げることができる。 WG1に係る「アリールスルホニル」の「アリール」部分としては、前記Bの「アリール」と同じものを挙げることができる。 「スルホキシド系溶媒」としては、例えば、下記一般式(I)で表される化合物を挙げることができる。具体的には、ジメチルスルホキシド(以下、「DMSO」という。)、エチルメチルスルホキシド等を挙げることができる。この中で、DMSOが適当である。 「アミド系溶媒」としては、例えば、下記一般式(II)で表される化合物を挙げることができる。具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」という。)、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。この中で、DMFが適当である。 式(I)及び(II)中、Ra、Rbは、同一又は異なって、アルキルを表す。Rc、Rdは、同一若しくは異なって、アルキルを表し、Reは、水素若しくはアルキルを表すか、又は、Rdは、アルキルを表し、RcとReが隣接する窒素原子及び炭素原子と一緒になって形成する、5若しくは6員の飽和環状アミド基を表す。 また、本発明として、次の一般式(10)で表されるオリゴ核酸誘導体に、TBAFを作用させ各リボースの2’位水酸基を保護している中性条件下において脱離可能なエーテル型保護基を脱離する工程において、THFを含有していてもよい、スルホキシド系溶媒若しくはアミド系溶媒又はこれらの混合溶媒を反応溶媒として用いることを特徴とする、次の一般式(11)で表されるオリゴ核酸誘導体を製造する工程を含む、次の一般式(A)で表されるオリゴRNA(以下、「オリゴRNA(A)」という。)の製造方法を挙げることができる。 式(10)及び(11)中、各B、各Q、各R、各R4は、それぞれ独立して、前記と同義である。n、R1、Zは、前記と同義である。 式(A)中、各B、各Q、各Rは、それぞれ独立して、前記と同義である。n、Zは、前記と同義である。 以下、本発明を詳細に説明する。I.ホスホロアミダイト化合物 上記オリゴRNA(A)の製造に使用するリボ核酸誘導体として、次の一般式(B)で表されるホスホロアミダイト化合物(以下、「ホスホロアミダイト化合物(B)」という。)を挙げることができる。 式(B)中、Bzは、保護基を有していてもよい核酸塩基又はその修飾体を表す。R1、WG1は、前記と同義である。WG2は、電子吸引性基を表す。R2a、R2bは、同一若しくは異なって、アルキルを表すか、又は、R2a、R2bが隣接する窒素原子と一緒になって形成する、5〜6員の飽和アミノ環基を表す。かかる飽和アミノ環基は、窒素原子の他に環構成原子として酸素原子又は硫黄原子を1個有していてもよい。 Bzに係る「核酸塩基」としては、核酸の合成に使用されるものであれば特に制限されず、例えば、シトシン、ウラシル等のピリミジン塩基、アデニン、グアニン等のプリン塩基が挙げることができる。 Bzに係る「核酸塩基」は、保護されていてもよく、なかでもアミノ基を有する核酸塩基、例えば、アデニン、グアニン、シトシンは、アミノ基が保護されているのが好ましい。かかる「アミノ基の保護基」としては、核酸の保護基として使用されるものであれば特に制限されず、具体的には、例えば、ベンゾイル、4−メトキシベンゾイル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、フェニルアセチル、フェノキシアセチル、4−tert−ブチルフェノキシアセチル、4−イソプロピルフェノキシアセチル、(ジメチルアミノ)メチレン等を挙げることができる。 Bzの「修飾体」とは、核酸塩基が任意の置換基で置換されている基であり、Bzの「修飾体」に係る置換基としては、例えば、ハロゲン、アシル、アルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロを挙げることができ、これらが任意の位置に1〜3個置換されている。 Bzの修飾体に係る「ハロゲン」、「アシル」、「アルキル」、「アリールアルキル」、「アルコキシ」、「アルコキシアルキル」、「モノアルキルアミノ」、「ジアルキルアミノ」としては、前記Bの修飾体に係るそれらと同じものを挙げることができる。 R2a、R2bに係る「アルキル」としては、前記Bの修飾体に係る「アルキル」と同じものを挙げることができる。 R2a、R2bに係る「5〜6員の飽和アミノ環基」としては、例えば、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、モルホリン−1−イル、チオモルホリン−1−イルを挙げることができる。 WG2に係る「電子吸引性基」としては、前記WG1の電子吸引基と同じものを挙げることができる。 ホスホロアミダイト化合物(B)は、2’位の水酸基に中性条件下において脱離可能なエーテル型保護基を有するホスホロアミダイト化合物である。また、2’位の水酸基に導入された基が直鎖状の置換基であり、3’位の水酸基に結合するリン原子の周りにおける立体が混み合っていないため、従来から使用されているホスホロアミダイト化合物と比較して、オリゴRNAを合成する際、非常に短時間に縮合反応が進行し、縮合収率がよいという特徴を有する。ホスホロアミダイト化合物(B)を使用することにより、オリゴDNAの製造と同様の手法を用いて、高純度のオリゴRNA(A)の製造が可能である。 ここで、「オリゴDNA」とは、デオキシリボ核酸(DNA)のみからなるオリゴ核酸をいう。また、本発明において「オリゴRNA」とは、リボ核酸(RNA)及びデオキシリボ核酸(DNA)からなるオリゴ核酸であり、少なくとも1つはリボ核酸(RNA)を含有するオリゴ核酸をいう。 以下に示す製法において、原料が反応に影響を及ぼす置換基(例えば、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ)を有する場合は、原料をあらかじめ公知の方法に従い、適当な保護基で保護した後に反応を行う。保護基は、最終的に、接触還元、アルカリ処理、酸処理などの公知の方法に従い保護基を脱離することができる。II.ホスホロアミダイト化合物(B)の製法 ホスホロアミダイト化合物(B)は、次のようにして製造することができる。 ホスホロアミダイト化合物(B)は、公知化合物又は容易に製造可能な中間体から、例えば、次の工程a〜工程hの操作を実施することにより製造することができる。 以下、詳細に説明する。(1)工程a: 次の一般式(12)で表されるリボ核酸誘導体にアルキル化試薬を作用させることによって、中性条件下において脱離するエーテル型保護基を2’位の水酸基に導入する、次の一般式(13)で表されるリボ核酸誘導体を製造する工程。 式(12)、(13)及び(13’)中、Bz、R1、WG1は、前記と同義である。 「アルキル化試薬」として、例えば、次の一般式(14)で表されるエーテル化合物を挙げることができる。 式(14)中、Lは、ハロゲン、アリールチオ基、アルキルスルホキシド基又はアルキルチオ基を表す。WG1は、前記と同義である。 Lに係る「ハロゲン」、「アリールチオ基」の「アリール」、「アルキルスルホキシド基」及び「アルキルチオ基」の「アルキル」としては、前記Bの修飾体に係る「ハロゲン」、「アリール」、「アルキル」と同じものを挙げることができる。 エーテル化合物(14)の具体例としては、次の1〜2の化合物を挙げることができる。1.クロロメチル 2−シアノエチルエーテル2.2−シアノエチル メチルチオメチルエーテル エーテル化合物(14)は、中性条件下において脱離可能なエーテル型置換基を、2’位の水酸基に塩基性条件下において導入することができる新規なアルキル化試薬であり、ホスホロアミダイト化合物(B)を製造するための試薬として有用である。 エーテル化合物(14)は、次に示す工程1〜工程4を実施することにより製造することができる。工程1: 次の一般式(15)で表されるアルコール化合物をアルキルチオメチル化し、次の一般式(16)で表される化合物を製造する工程。 式(15)及び(16)中、WG1は、前記と同義である。R3は、アルキル又はアリールを表す。 化合物(16)は、Lがアルキルチオ基であるエーテル化合物(14)である。 R3に係る「アルキル」としては、前記Bの修飾体に係る「アルキル」と同じものを挙げることができる。 R3がメチルである場合、アルキルチオメチル化試薬としては、例えば、ジメチルスルホキシド、無水酢酸及び酢酸の混合溶液を挙げることができる。「ジメチルスルホキシド」の使用量は、化合物(15)のモル量に対して、10〜200倍モル量が適当であり、好ましくは20〜100倍モル量である。「酢酸」の使用量は、化合物(15)のモル量に対して、10〜150倍モル量が適当であり、好ましくは20〜100倍モル量である。「無水酢酸」の使用量は、化合物(15)のモル量に対して、10〜150倍モル量が適当であり、好ましくは20〜100倍モル量である。反応温度は、0℃〜100℃が適当である。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度等によって異なるが、通常1〜48時間が適当である。工程2: 化合物(16)をハロゲン化し、次の一般式(17)で表される化合物を製造する工程。 式(16)及び(17)中、WG1、R3は、前記と同義である。X2は、ハロゲンを表す。 化合物(17)は、エーテル化合物(14)におけるLがハロゲンである化合物である。 X2に係る「ハロゲン」としては、前記Bの修飾体に係る「ハロゲン」と同じものを挙げることができる。 本工程は、公知の方法(例えば、T.Bennecheら、Synthesis 762(1983))により実施することができる。使用する溶媒は、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン系炭化水素等を挙げることができる。ハロゲン化試薬としては、例えば、塩化スルフリル、オキシ塩化リンを挙げることができる。「ハロゲン化試薬」の使用量は、化合物(16)のモル量に対して、0.8〜20倍モル量が適当であり、好ましくは1〜10倍モル量である。反応温度は、0℃〜100℃が適当である。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度等によって異なるが、通常30分〜24時間が適当である。工程3: 化合物(17)をアリールチオ化し、次の一般式(18)で表される化合物を製造する工程。 式(17)及び(18)中、WG1、X2は、前記と同義である。R3aは、アリールを表す。 化合物(18)は、エーテル化合物(14)におけるLがアリールチオ基である化合物である。 R3aに係る「アリール」としては、前記Bの修飾体に係る「アリール」と同じものを挙げることができる。 本工程は、公知の方法により実施することができる。使用する溶媒は、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、アセトニトリルを挙げることができる。アリールチオ化試薬としては、例えば、チオフェノール、4−メチルベンゼンチオールを挙げることができる。「アリールチオ化試薬」の使用量は、化合物(17)のモル量に対して、0.8〜20倍モル量が適当であり、好ましくは1〜5倍モル量である。反応温度は、0℃〜100℃が適当である。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度等によって異なるが、通常1〜48時間が適当である。工程4: 化合物(16)を酸化し、次の一般式(19)で表される化合物を製造する工程。 式(16)及び(19)中、WG1、R3は、前記と同義である。 化合物(19)は、エーテル化合物(14)におけるLがアルキルスルホキシド基である化合物である。 R3に係る「アルキル」としては、前記Bの修飾体に係る「アルキル」と同じものを挙げることができる。 本工程は、公知の方法により実施することができる。使用する溶媒は、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、メタノールを挙げることができる。酸化剤としては、例えば、メタクロロ過安息香酸、メタ過ヨウ素酸塩、過酸化水素を挙げることができる。「酸化剤」の使用量は、化合物(16)モル量に対して、0.8〜10倍モル量が適当であり、好ましくは1〜2倍モル量である。反応温度は、0℃〜100℃が適当である。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度等によって異なるが、通常1〜48時間が適当である。 「アルキル化試薬」として、化合物(17)を使用する場合、以下のように実施することができる。 本工程は、公知の方法に従い、市販品として入手可能又は文献記載の方法に従い合成可能であるリボ核酸誘導体(12)にアルキル化試薬と塩基とを作用させることにより実施することができる。使用する溶媒は、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン系炭化水素を挙げることができる。「アルキル化試薬」の使用量は、リボ核酸誘導体(12)のモル量に対して、0.8〜20倍モル量が適当であり、好ましくは1〜10倍モル量である。本工程において、必要に応じて、リボ核酸誘導体(12)に金属試薬と塩基を作用させ製造される中間体を経由した後、アルキル化試薬を作用させることもできる。かかる「金属試薬」として、例えば、二塩化ジブチルスズを挙げることができる。「金属試薬」の使用量は、リボ核酸誘導体(12)のモル量に対して、0.8〜20倍モル量が適当であり、好ましくは1〜10倍モル量である。「塩基」としては、ピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、N−メチルイミダゾール、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどの有機塩基等を挙げることができる。「塩基」の使用量は、リボ核酸誘導体(12)のモル量に対して、0.8〜20倍モル量が適当であり、好ましくは1〜10倍モル量である。反応温度は、0℃〜120℃が適当である。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度等によって異なるが、通常30分〜24時間が適当である。 「アルキル化試薬」として、化合物(16)又は化合物(18)を使用する場合、以下のように実施することができる。 本工程は、公知の方法(例えば、M.Matteucci,Tetrahedron Letters,Vol.31,2385(1990))に従い、市販品として入手可能又は文献記載の方法に従い合成可能であるリボ核酸誘導体(12)に、アルキル化試薬と酸と硫黄原子に対するハロゲン化剤とを作用させることにより実施することができる。「アルキル化試薬」の使用量は、リボ核酸誘導体(12)のモル量に対して、0.8〜5倍モル量が適当であり、好ましくは1〜3倍モル量である。「酸」としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸銀、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートを挙げることができる。「酸」の使用量は、リボ核酸誘導体(12)のモル量に対して、0.01〜20倍モル量が適当であり、好ましくは0.02〜10倍モル量である。使用する溶媒は、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、THF、アセトニトリル又はこれらの任意の混合溶媒を挙げることができる。本工程において使用する「硫黄原子に対するハロゲン化剤」として、例えば、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、N−ヨードスクシンイミド(NIS)を挙げることができる。「硫黄原子に対するハロゲン化剤」の使用量は、リボ核酸誘導体(12)のモル量に対して、0.8〜10倍モル量が適当であり、好ましくは1〜5倍モル量である。反応温度は、−78℃〜30℃が適当である。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度等によって異なるが、通常5分〜5時間が適当である。 「アルキル化試薬」として、化合物(19)を使用する場合、以下のように実施することができる。 本工程は、公知の方法に従い、市販品として入手可能又は文献記載の方法に従い合成可能であるリボ核酸誘導体(12)に、アルキル化試薬と酸無水物と塩基とを作用させることにより実施することができる。「アルキル化試薬」の使用量は、リボ核酸誘導体(12)のモル量に対して、0.8〜5倍モル量が適当であり、好ましくは1〜3倍モル量である。「酸無水物」としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、無水酢酸を挙げることができる。「酸無水物」の使用量は、リボ核酸誘導体(12)のモル量に対して、0.01〜20倍モル量が適当であり、好ましくは0.02〜10倍モル量である。塩基としては、例えば、テトラメチルウレア、コリジンを挙げることができる。「塩基」の使用量は、リボ核酸誘導体(12)のモル量に対して、0.01〜20倍モル量が適当であり、好ましくは0.02〜10倍モル量である。使用する溶媒は、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン又はこれらの任意の混合溶媒を挙げることができる。反応温度は、−78℃〜30℃が適当である。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度等によって異なるが、通常5分〜24時間が適当である。(2)工程b: 工程aにおいて製造されるリボ核酸誘導体(13)を単離精製する工程。 本工程は、工程aにおいて製造される混合物から通常の分離精製手段、例えば、薄層クロマトグラフィー、シリガゲルクロマトグラフィーなどの手段を用いることにより単離精製することができる。(3)工程c: 工程bとは別に、次の一般式(20)で表されるリボ核酸誘導体にアルキル化試薬を作用させることによって、中性条件下において脱離するエーテル型保護基を2’位の水酸基に導入した、次の一般式(21)で表されるリボ核酸誘導体を製造する工程。 式(20)及び(21)中、Bz、WG1は、前記と同義である。 Aは、次の一般式(22a)又は(22b)で表されるケイ素置換基を表す。 式(22a)及び(22b)中、R6は、アルキルを表わす。 R6に係る「アルキル」としては、前記Bの修飾体に係る「アルキル」と同じものを挙げることができる。 「アルキル化試薬」としては、前記と同じものを挙げることができる。 「アルキル化試薬」として、化合物(17)を使用する場合、以下のように実施することができる。 本工程は、公知の方法に従い、市販品として入手可能又は文献記載の方法に従い合成可能であるリボ核酸誘導体(20)にアルキル化試薬と塩基とを作用させることにより実施することができる。使用する溶媒は、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン系炭化水素等を挙げることができる。「アルキル化試薬」の使用量は、リボ核酸誘導体(20)のモル量に対して、0.8〜20倍モル量が適当であり、好ましくは1〜10倍モル量である。本工程において、必要に応じて、リボ核酸誘導体(20)に金属試薬と塩基を作用させ製造される中間体を経由した後、アルキル化試薬を作用させることもできる。かかる「金属試薬」として、例えば、二塩化ジブチルスズ、tert−ブチルマグネシウムクロリドを挙げることができる。「金属試薬」の使用量は、リボ核酸誘導体(20)のモル量に対して、0.8〜20倍モル量が適当であり、好ましくは1〜10倍モル量である。「塩基」としては、ピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、N−メチルイミダゾール、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどの有機塩基等を挙げることができる。「塩基」の使用量は、リボ核酸誘導体(20)のモル量に対して、0.8〜20倍モル量が適当であり、好ましくは1〜10倍モル量である。反応温度は、0℃〜120℃が適当である。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度等によって異なるが、通常30分〜24時間が適当である。 「アルキル化試薬」として、化合物(16)又は化合物(18)を使用する場合、以下のように実施することができる。 本工程は、公知の方法(例えば、M.Matteucci,Tetrahedron Letters,Vol.31,2385(1990))に従い、市販品として入手可能又は文献記載の方法に従い合成可能であるリボ核酸誘導体(20)に、アルキル化試薬と酸と硫黄原子に対するハロゲン化剤とを作用させることにより実施することができる。「アルキル化試薬」の使用量は、リボ核酸誘導体(20)のモル量に対して、0.8〜5倍モル量が適当であり、好ましくは1〜3倍モル量である。「酸」としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸銀、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートを挙げることができる。「酸」の使用量は、リボ核酸誘導体(20)のモル量に対して、0.01〜20倍モル量が適当であり、好ましくは0.02〜10倍モル量である。使用する溶媒は、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、THF、アセトニトリル又はこれらの任意の混合溶媒を挙げることができる。本工程において使用する「硫黄原子に対するハロゲン化剤」として、例えば、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、N−ヨードスクシンイミド(NIS)を挙げることができる。「硫黄原子に対するハロゲン化剤」の使用量は、リボ核酸誘導体(20)のモル量に対して、0.8〜10倍モル量が適当であり、好ましくは1〜5倍モル量である。反応温度は、−78℃〜30℃が適当である。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度等によって異なるが、通常5分〜5時間が適当である。 「アルキル化試薬」として、化合物(19)を使用する場合、以下のように実施することができる。 本工程は、公知の方法に従い、市販品として入手可能又は文献記載の方法に従い合成可能であるリボ核酸誘導体(20)に、アルキル化試薬と酸無水物と塩基とを作用させることにより実施することができる。「アルキル化試薬」の使用量は、リボ核酸誘導体(20)のモル量に対して、0.8〜5倍モル量が適当であり、好ましくは1〜3倍モル量である。「酸無水物」としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、無水酢酸を挙げることができる。「酸無水物」の使用量は、リボ核酸誘導体(20)のモル量に対して、0.01〜20倍モル量が適当であり、好ましくは0.02〜10倍モル量である。塩基としては、例えば、テトラメチルウレア、コリジンを挙げることができる。「塩基」の使用量は、リボ核酸誘導体(20)のモル量に対して、0.01〜20倍モル量が適当であり、好ましくは0.02〜10倍モル量である。使用する溶媒は、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン又はこれらの任意の混合溶媒を挙げることができる。反応温度は、−78℃〜30℃が適当である。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度等によって異なるが、通常5分〜24時間が適当である。(4)工程d: 工程a〜工程cとは別に、リボ核酸誘導体(20)にジメチルスルホキシドと酢酸と無水酢酸とを作用させることによって、次の一般式(23)で表されるリボ核酸誘導体を製造する工程。 式(20)及び(23)中、A、Bzは、前記と同義である。 本工程は、公知の方法に従い、市販品として入手可能又は文献記載の方法に従い合成可能であるリボ核酸誘導体(20)に、ジメチルスルホキシドと酢酸と無水酢酸とを作用させることにより実施することができる。 「ジメチルスルホキシド」の使用量は、リボ核酸誘導体(20)のモル量に対して、10〜200倍モル量が適当であり、好ましくは20〜100倍モル量である。「酢酸」の使用量は、リボ核酸誘導体(20)のモル量に対して、10〜150倍モル量が適当であり、好ましくは20〜100倍モル量である。「無水酢酸」の使用量は、リボ核酸誘導体(20)のモル量に対して、10〜150倍モル量が適当であり、好ましくは20〜100倍モル量である。反応温度は、10℃〜50℃が適当である。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度等によって異なるが、通常30分〜24時間が適当である。(5)工程e: 工程dにおいて製造されるリボ核酸誘導体(23)に次の一般式(24)で表されるアルコール化合物と酸と硫黄原子に対するハロゲン化剤とを作用させることによって、中性条件下において脱離するエーテル型保護基を2’位の水酸基に導入した、次の一般式(21)で表されるリボ核酸誘導体を製造する工程。 式(21)、(23)及び(24)中、A、Bz、WG1は、前記と同義である。 本工程は、公知の方法に従い、リボ核酸誘導体(23)に、アルコール化合物(24)と酸と硫黄原子に対するハロゲン化剤とを作用させることにより実施することができる。 使用する溶媒は、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、THF、アセトニトリル又はこれらの任意の混合溶媒を挙げることができる。「アルコール化合物(24)」の使用量は、リボ核酸誘導体(23)のモル量に対して、0.8〜20倍モル量が適当であり、好ましくは1〜10倍モル量である。「酸」としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸銀、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートを挙げることができる。「硫黄原子に対するハロゲン化剤」としては、例えば、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、N−ヨードスクシンイミド(NIS)を挙げることができる。「硫黄原子に対するハロゲン化剤」の使用量は、リボ核酸誘導体(23)のモル量に対して、0.1〜20倍モル量が適当であり、好ましくは0.2〜10倍モル量である。反応温度は、−100℃〜20℃が適当である。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度等によって異なるが、通常5分〜12時間が適当である。(6)工程f: 工程c又は工程eにおいて製造されるリボ核酸誘導体(21)の3’位と5’位の水酸基の保護基を脱離する反応を行うことによって、次の一般式(25)で表されるリボ核酸誘導体を製造する工程。 式(21)及び(25)中、A、Bz、WG1は、前記と同義である。 本工程は、リボ核酸誘導体(21)を有機溶媒に溶解し、フッ素化剤単独又はフッ素化剤と酸(例えば、酢酸、塩酸、硫酸)とを任意の混合比の混合試薬として反応させることにより実施することができる。本工程に使用しうる「フッ素化剤」としては、例えば、フッ化アンモニウム、TBAF、トリエチルアミントリヒドロフロリド、フッ化水素ピリジンを挙げることができる。「フッ素化剤」の使用量としては、リボ核酸誘導体(21)のモル量に対して、0.1〜20倍モル量が適当であり、好ましくは0.2〜10倍モル量である。反応温度は、0℃〜120℃が適当である。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度等によって異なるが、通常30分〜24時間が適当である。 混合試薬におけるフッ素化剤と酸との混合比は、1:2〜1:0.1(フッ素化剤:酸)が適当であり、1:1.2〜1:1が好ましい。(7)工程g: 工程fにおいて製造されるリボ核酸誘導体(25)の5’位の水酸基に酸性条件下において脱離する保護基(R1)を導入する、リボ核酸誘導体(13)を製造する工程。 式(13)及び(25)中、Bz、R1、WG1は、前記と同義である。X3は、ハロゲンを表す。 X3に係る「ハロゲン」としては、前記Bの修飾体に係る「ハロゲン」と同じものを挙げることができる。 本工程は、公知の方法に従い、リボ核酸誘導体(25)にR1X3を作用させることにより実施することができる。R1X3の使用量は、リボ核酸誘導体(25)のモル量に対して、0.8〜20倍モル量が適当であり、好ましくは1〜10倍モル量である。使用する溶媒は、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、アセトニトリル、THFを挙げることができる。「塩基」としては、ピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、N−メチルイミダゾール、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどの有機塩基を挙げることができる。「塩基」の使用量は、リボ核酸誘導体(25)のモル量に対して、0.8〜20倍モル量が適当であり、好ましくは1〜10倍モル量である。反応温度は、0℃〜120℃が適当である。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度等によって異なるが、通常30分〜24時間が適当である。(8)工程h: 工程b又は工程fにおいて製造されるリボ核酸誘導体(13)にホスホロアミダイト化試薬と、必要に応じて活性化剤とを作用させることによって、3’位の水酸基がホスホロアミダイト化されたホスホロアミダイト化合物(B)を製造する工程。 式(13)及び(B)中、Bz、R1、R2a、R2b、WG1、WG2は、前記と同義である。 「ホスホロアミダイト化試薬」としては、例えば、次の一般式(26a)、(26b)で表される化合物を挙げることができる。 式(26a)及び(26b)中、R2a、R2b、WG2は、前記と同義である。X1は、ハロゲンを表す。 X1に係る「ハロゲン」としては、前記Bの修飾体に係る「ハロゲン」と同じものを挙げることができる。 本工程は、リボ核酸誘導体(13)にホスホロアミダイト試薬を作用させて、3’位の水酸基をホスホロアミダイト化する反応であり、公知の方法に従い実施することができる。必要に応じて、活性化剤を使用することもできる。使用する溶媒は、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、アセトニトリル、THFを挙げることができる。 「ホスホロアミダイト化試薬」の使用量は、リボ核酸誘導体(13)のモル量に対して、0.8〜20倍モル量が適当であり、好ましくは1〜10倍モル量である。「活性化剤」としては、例えば、1H−テトラゾール、5−エチルチオテトラゾール、5−ベンジルメルカプト−1H−テトラゾール、4,5−ジクロロイミダゾール、4,5−ジシアノイミダゾール、ベンゾトリアゾールトリフラート、イミダゾールトリフラート、ピリジニウムトリフラート、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、2,4,6−コリジン/N−メチルイミダゾールを挙げることができる。「活性化剤」の使用量は、リボ核酸誘導体(13)のモル量に対して、0.8〜20倍モル量が適当であり、好ましくは1〜10倍モル量である。反応温度は、0℃〜120℃が適当である。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度等によって異なるが、通常30分〜24時間が適当である。 このようにして、製造されるホスホロアミダイト化合物(B)は、それ自体公知の手段、例えば、濃縮、液性変換、転溶、溶媒抽出、結晶化、再結晶、分留、クロマトグラフィー等により分離精製することができる。III.オリゴRNA(A)の製造方法 オリゴRNA(A)の製造方法について、以下に詳述する。 式(A)中、各B、各Q、各Rは、それぞれ独立して、前記と同義である。n、Zは、前記と同義である。 オリゴRNA(A)の製法は、公知の方法に従い行うことができるが、例えば、次に示す工程A〜工程Hの操作を実施することにより、段階的に3’から5’の方向へ核酸モノマー化合物を縮合することにより行うことができる。 下記工程に使用されている化合物及び試薬のうち、ホスホロアミダイト化合物(B)以外については、オリゴRNA又はオリゴDNAの合成に一般的に使用されているものであれば特に限定されない。また、既存の核酸合成試薬を用いた場合と同様、すべての工程をマニュアル又は市販のDNA自動合成機を用いて製造することができる。自動合成機で行うことにより操作法の簡便化、また合成の正確性の点から自動合成機を用いる方法が望ましい。また、下記工程A〜工程Hに記載されている化合物及び試薬のうち、核酸モノマー化合物以外については、オリゴDNA又はオリゴRNAの合成に一般的に使用されているものであれば特に限定されない。 また、オリゴRNA(A)の製造方法において、核酸モノマー化合物として少なくとも1回はホスホロアミダイト化合物(B)を使用することによって、各Rのうち少なくとも1つが水酸基であるオリゴRNA(A)を製造することができる。また、例えば、後記する工程Bにおいて、核酸モノマー化合物として、全てホスホロアミダイト化合物(B)を使用することにより各Rが全て水酸基であるオリゴRNA(A)を製造することができる。(1)工程A: 次の一般式(1)で表される(オリゴ)核酸誘導体に酸を作用させることによって、5’位の水酸基の保護基を脱離して、次の一般式(2)で表される(オリゴ)核酸誘導体を製造する工程。 式(1)及び(2)中、n、R1は前記と同義である。各Q、各R4、各WG2は、それぞれ独立して、前記と同義である。各Bxは、それぞれ独立して、保護基を有していてもよい核酸塩基又はその修飾体を表す。 Eは、アシル又は次の一般式(5)で表される置換基を表す。 式(5)中、E1は、単結合又は次の一般式(6)で表される置換基を表す。 式(6)中、Q、WG2は、前記と同義である。 Tは、H、アシルオキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルケニルオキシ、アルケニルチオ、アルケニルアミノ、ジアルケニルアミノ、アルキニルオキシ、アルキニルチオ、アルキニルアミノ、ジアルキニルアミノ、アルコキシアルキルオキシ、前記一般式(4)で表される置換基又は上記一般式(5)で表される置換基を表す。但し、E又はTのどちらか一方は、置換基(5)を表す。 Bxに係る「核酸塩基」としては、核酸の合成に使用されるものであれば特に制限されず、例えば、シトシン、ウラシル、チミン等のピリミジン塩基、アデニン、グアニン等のプリン塩基を挙げることができる。 Bxに係る「核酸塩基」は、保護されていてもよく、なかでもアミノ基を有する核酸塩基、例えば、アデニン、グアニン、シトシンは、アミノ基が保護されているのが好ましい。 かかる「アミノ基の保護基」としては、核酸の保護基として使用されるものであれば特に制限されず、具体的には、例えば、ベンゾイル、4−メトキシベンゾイル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、フェニルアセチル、フェノキシアセチル、4−tert−ブチルフェノキシアセチル、4−イソプロピルフェノキシアセチル、(ジメチルアミノ)メチレンを挙げることができる。 Bxの「修飾体」とは、核酸塩基が任意の置換基で置換されている基であり、Bxの「修飾体」に係る置換基としては、例えば、ハロゲン、アシル、アルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロを挙げることができ、これらが任意の位置に1〜3個置換されている。 Bxの修飾体に係る「ハロゲン」、「アシル」、「アルキル」、「アリールアルキル」、「アルコキシ」、「アルコキシアルキル」、「モノアルキルアミノ」、「ジアルキルアミノ」としては、前記Bの修飾体に係るそれらと同じものを挙げることができる。 Eに係る「アシル」としては、前記Bの修飾体に係る「アシル」と同じものを挙げることができる。 Tの「アシルオキシ」に係る「アシル」部分としては、前記Bの修飾体に係る「アシル」と同じものを挙げることができる。 Tに係る「ハロゲン」、「アルコキシ」、「アルキルアミノ」及び「ジアルキルアミノ」としては、前記Bの修飾体に係るそれらと同じものを挙げることができる。 Tに係る「アルコキシアルキルオキシ」及び「アルキルチオ」の「アルキル」部分としては、前記Bの修飾体に係る「アルキル」と同じものを挙げることができる。 Tに係る「アルコキシアルキルオキシ」の「アルコキシ」部分としては、前記Bの修飾体に係る「アルコキシ」と同じものを挙げることができる。 Tに係る「アルケニルオキシ」、「アルケニルチオ」、「アルケニルアミノ」、「ジアルケニルアミノ」の「アルケニル」部分としては、前記Rに係る「アルケニル」と同じものを挙げることができる。 Tに係る「アルキニルオキシ」、「アルキニルチオ」、「アルキニルアミノ」、「ジアルキニルアミノ」の「アルキニル」部分としては、前記Rに係る「アルキニル」と同じものを挙げることができる。 Tに係る「アルキルアミノ」、「アルケニルアミノ」、「アルキニルアミノ」は保護されていてもよく、かかる保護基はアミノ基の保護基として使用されるものであれば特に制限されず、例えば、トリフルオロアセチル、ベンゾイル、4−メトキシベンゾイル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、フェニルアセチル、フェノキシアセチル、4−tert−ブチルフェノキシアセチル、4−イソプロピルフェノキシアセチル、(ジメチルアミノ)メチレンを挙げることができる。特に、トリフルオロアセチルが好ましい。 本工程は、固相担体に担持されている次の一般式(27a)、(27b)で表される核酸誘導体(n=1である核酸誘導体(1))、又は、工程A〜工程Dの操作を行うことにより製造される固相担体に担持されているオリゴRNA若しくはオリゴDNA(n=2〜100であるオリゴ核酸誘導体(1))(以下、「固相担体に担持されているオリゴ核酸誘導体」という。)に酸を作用させることにより実施することができる。 式(27a)及び(27b)中、BX、R1は、前記と同義である。R2L、R4Lは、置換基(5)を表す。R2は、アシルオキシを表す。R4aは、H、アシルオキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルケニルオキシ、アルケニルチオ、アルケニルアミノ、ジアルケニルアミノ、アルキニルオキシ、アルキニルチオ、アルキニルアミノ、ジアルキニルアミノ、アルコキシアルキルオキシ又は置換基(4)を表す。 R2、R4aの「アシルオキシ」に係る「アシル」としては、前記Bの修飾体に係る「アシル」と同じものを挙げることができる。 R4aに係る「ハロゲン」、「アルコキシ」、「アルキルアミノ」及び「ジアルキルアミノ」としては、前記Bの修飾体に係るそれらと同じものを挙げることができる。 R4aに係る「アルコキシアルキルオキシ」及び「アルキルチオ」の「アルキル」部分としては、前記Bの修飾体に係る「アルキル」と同じものを挙げることができる。 R4aに係る「アルコキシアルキルオキシ」の「アルコキシ」部分としては、前記Bの修飾体に係る「アルコキシ」と同じものを挙げることができる。 R4aに係る「アルケニルオキシ」、「アルケニルチオ」、「アルケニルアミノ」、「ジアルケニルアミノ」の「アルケニル」部分としては、前記Rに係る「アルケニル」と同じものを挙げることができる。 R4aに係る「アルキニルオキシ」、「アルキニルチオ」、「アルキニルアミノ」、「ジアルキニルアミノ」の「アルキニル」部分としては、前記Rに係る「アルキニル」と同じものを挙げることができる。 R4aに係る「アルキルアミノ」、「アルケニルアミノ」、「アルキニルアミノ」は保護されていてもよく、かかる保護基はアミノ基の保護基として使用されるものであれば特に制限されず、例えば、トリフルオロアセチル、ベンゾイル、4−メトキシベンゾイル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、フェニルアセチル、フェノキシアセチル、4−tert−ブチルフェノキシアセチル、4−イソプロピルフェノキシアセチル、(ジメチルアミノ)メチレンを挙げることができる。特に、トリフルオロアセチルが好ましい。 「固相担体」としては、例えば、定孔ガラス(controlled pore glass;CPG)、オキサリル化−定孔ガラス(例えば、Alulら,Nucleic Acids Research,Vol.19,1527(1991)を参照)、TentaGel支持体−アミノポリエチレングリコール誘導体化支持体(例えば、Wrightら,Tetrahedron Letters,Vol.34,3373(1993)を参照)、Poros−ポリスチレン/ジビニルベンゼンのコポリマーを挙げることができる。 「リンカー」としては、例えば、3−アミノプロピル、スクシニル、2,2’−ジエタノールスルホニル、ロングチェーンアルキルアミノ(LCAA)を挙げることができる。 核酸誘導体(27a)、核酸誘導体(27b)は、公知の方法に従い製造される又は市販品として入手できる固相担体に担持されている核酸誘導体であり、好ましい態様としては、例えば、次の一般式(28)、(29)で表される核酸誘導体を挙げることができる。 式(28)及び(29)中、BX、Q、R1、R4、WG2は、前記と同義である。 R4が置換基(4)である核酸誘導体(28)、(29)は、ホスホロアミダイト化合物(B)から公知の方法に従い製造することができる。 本工程に使用しうる「酸」としては、例えば、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸を挙げることができる。本工程に使用しうる酸は、1〜5%の濃度になるように適当な溶媒で希釈して使用することもできる。溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、ジクロロメタン、アセトニトリル、水又はこれらの任意の混合溶媒を挙げることができる。上記反応における反応温度は、20℃〜50℃が好ましい。反応時間は、オリゴ核酸誘導体(1)の種類、使用する酸の種類、反応温度等によって異なるが、通常1分〜1時間が適当である。使用する試薬の量は固相担体に担持されている(オリゴ)核酸誘導体に対して0.8〜100倍モル量が適当であり、好ましくは1〜10倍モル量である。(2)工程B: 工程Aにおいて製造される(オリゴ)核酸誘導体(2)に、活性化剤を用いて核酸モノマー化合物を縮合させ、次の一般式(7)で表されるオリゴ核酸誘導体を製造する工程。 式(2)及び(7)中、各BX、各Q、各R4、各WG2は、それぞれ独立して、前記と同義である。E、n、R1、Tは、前記と同義である。 本工程は、固相担体に担持されているオリゴ核酸誘導体に核酸モノマー化合物と活性化剤とを作用させることにより実施することができる。 「核酸モノマー化合物」としては、ホスホロアミダイト化合物(B)又は次の一般式(30)で表される核酸誘導体を挙げることができる。 式(30)中、R1、R2a、R2b、R4a、WG2は、前記と同義である。BYは、保護基を有していてもよい核酸塩基又はその修飾体を表す。 BYに係る「核酸塩基」としては、核酸の合成に使用されるものであれば特に制限されず、例えば、シトシン、ウラシル、チミン等のピリミジン塩基、アデニン、グアニン等のプリン塩基を挙げることができる。 BYに係る「核酸塩基」は、保護されていてもよく、なかでもアミノ基を有する核酸塩基、例えば、アデニン、グアニン、シトシンは、アミノ基が保護されているのが好ましい。 かかる「アミノ基の保護基」としては、核酸の保護基として使用されるものであれば特に制限されず、具体的には、例えば、ベンゾイル、4−メトキシベンゾイル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、フェニルアセチル、フェノキシアセチル、4−tert−ブチルフェノキシアセチル、4−イソプロピルフェノキシアセチル、(ジメチルアミノ)メチレンを挙げることができる。 BYの「修飾体」とは、核酸塩基が任意の置換基で置換されている基であり、BYの「修飾体」に係る置換基としては、例えば、ハロゲン、アシル、アルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロを挙げることができ、これらが任意の位置に1〜3個置換されている。 BYの修飾体に係る「ハロゲン」、「アシル」、「アルキル」、「アリールアルキル」、「アルコキシ」、「アルコキシアルキル」、「モノアルキルアミノ」、「ジアルキルアミノ」としては、前記Bの修飾体に係るそれらと同じものを挙げることができる。 「活性化剤」としては、前記と同じものを挙げることができる。 反応溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、アセトニトリル、THFを挙げることができる。上記反応における反応温度は、20℃〜50℃が好ましい。反応時間は、オリゴ核酸誘導体(2)の種類、使用する活性化剤の種類、反応温度等によって異なるが、通常1分〜1時間が適当である。使用する試薬の量は固相担体に担持されているオリゴ核酸誘導体に対して0.8〜100倍モル量が適当であり、好ましくは1〜10倍モル量である。(3)工程C: 工程Bにおいて未反応である(オリゴ)核酸誘導体(2)の5’位の水酸基をキャッピングする工程。 式(2)及び(8)中、各BX、各Q、各R4、各WG2は、それぞれ独立して、前記と同義である。E、n、Tは、前記と同義である。R5は、メチル、フェノキシメチル、tert−ブチルフェノキシメチルを表す。 本工程は、工程Bにおいて未反応であった5’位の水酸基を保護する反応であり、固相担体に担持されているオリゴ核酸誘導体にキャップ化剤を作用することにより実施することができる。 「キャップ化剤」としては、例えば、無水酢酸、フェノキシ酢酸無水物又はtert−ブチルフェノキシ酢酸無水物を挙げることができる。キャップ化剤は、0.05〜1Mの濃度になるように適当な溶媒で希釈して使用することもできる。溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、ピリジン、ジクロロメタン、アセトニトリル、THF又はこれらの任意の混合溶媒を挙げることができる。また、本工程において必要に応じて、「反応促進剤」として、例えば、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾールを使用することができる。上記反応における反応温度は、20℃〜50℃が好ましい。反応時間は、オリゴ核酸誘導体(2)の種類、使用するキャップ化剤の種類、反応温度等によって異なるが、通常1分〜30分が適当である。使用する試薬の量は固相担体に担持されているオリゴ核酸誘導体に対して0.8〜100倍モル量が適当であり、好ましくは1〜10倍モル量である。(4)工程D: 工程Bにおいて製造されるオリゴ核酸誘導体(7)に酸化剤を作用させることによって亜リン酸基をリン酸基又はチオリン酸基に変換する工程。 式(7)及び(9)中、各BX、各Q、各R4、各WG2は、それぞれ独立して、前記と同義である。E、n、R1、Tは、前記と同義である。 本工程は、3価のリンから5価のリンに酸化剤を使用して変換する反応であり、固相担体に担持されているオリゴ核酸誘導体に酸化剤を作用させることにより実施することができる。 リンを酸素で酸化する場合には、「酸化剤」として、例えば、ヨウ素、tert−ブチルヒドロペルオキシドを使用することができる。該酸化剤は、0.05〜2Mの濃度になるように適当な溶媒で希釈して使用することができる。反応に使用する溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、ピリジン、THF、水又はこれらの任意の混合溶媒を挙げることができる。例えば、ヨウ素/水/ピリジン―THFあるいはヨウ素/ピリジン―酢酸や過酸化剤(tert−ブチルヒドロパーオキシド/メチレンクロリドなど)を用いることができる。 また、リンを硫黄で酸化する場合には、「酸化剤」として、例えば、硫黄、Beaucage試薬(3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン−1,1−ジオキシド)、3−アミノ−1,2,4−ジチアゾール−5−チオン(ADTT)を使用することができる。該酸化剤は、0.01〜2Mの濃度になるように適当な溶媒で希釈して使用することができる。反応に使用する溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル、ピリジン又はこれらの任意の混合溶媒が挙げられる。 反応温度は、20℃〜50℃が好ましい。反応時間は、オリゴ核酸誘導体(7)の種類、使用する酸化剤の種類、反応温度等によって異なるが、通常1分〜30分が適当である。使用する試薬の量は固相担体に担持されているオリゴ核酸誘導体に対して0.8〜100倍モル量が適当であり、好ましくは10〜50倍モル量である。(5)工程E: 工程Dにおいて製造されるオリゴ核酸誘導体(9)を固相担体から切り出し、各核酸塩基部及び各リン酸基の保護基を脱離する工程。 式(9)及び(10)中、各B、各BX、各Q、各R4、各WG2は、それぞれ独立して、前記と同義である。E、n、R、R1、T、Zは、前記と同義である。 切り出し工程は、所望の鎖長のオリゴRNAを切り出し剤によって、固相担体及びリンカーから外す反応であり、所望の鎖長のオリゴ核酸誘導体が担持された固体担体に切り出し剤を添加することにより実施することができる。本工程において、核酸塩基部の保護基を脱離することができる。 「切り出し剤」としては、例えば、濃アンモニア水、メチルアミンを挙げることができる。本工程に使用しうる「切り出し剤」は、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、THF又はこれらの任意の混合溶媒で希釈して使用することもできる。なかでも、エタノールが好ましい。 反応温度は、15℃〜75℃が適当であり、好ましくは15℃〜30℃であり、より好ましくは18℃〜25℃である。脱保護反応時間は、オリゴ核酸誘導体(9)の種類、反応温度等によって異なるが、10分〜30時間が適当であり、好ましくは30分〜24時間であり、より好ましくは1〜4時間である。脱保護に使用される溶液中の水酸化アンモニウムの濃度は、20〜30重量%が適当であり、好ましくは25〜30重量%であり、より好ましくは28〜30重量%である。使用する試薬の量は、固相担体に担持されているオリゴ核酸誘導体に対して1〜100倍モル量が適当であり、好ましくは10〜50倍モル量である。(6)工程F: 次の一般式(10)で表されるオリゴ核酸誘導体に、TBAFを作用させ、各リボースの2’位水酸基の保護基を脱離する工程において、THFを含有していてもよい、スルホキシド系溶媒若しくはアミド系溶媒又はこれらの混合溶媒を反応溶媒として用いることによって、次の一般式(11)で表されるオリゴ核酸誘導体を製造する工程。 式(10)及び(11)中、各B、各Q、各R、各R4は、それぞれ独立して、前記と同義である。n、R1、Zは、前記と同義である。 本工程は、オリゴ核酸誘導体(10)にTBAFを作用させることにより実施することができる。使用するTBAFの量は除去される保護基に対して1〜500倍モル量が適当であり、好ましくは5〜10倍モル量である。反応溶媒として、THFを含有していてもよい、スルホキシド系溶媒若しくはアミド系溶媒又はこれらの混合溶媒を使用することができる。また、スルホキシド系溶媒若しくはアミド系溶媒又はこれらの混合溶媒をTHFとの混合溶媒として使用する場合、スルホキシド系溶媒若しくはアミド系溶媒又はこれらの混合溶媒に対するTHFの使用量は、0〜95%が適当であり、好ましくは0〜50%である。「THFを含有していてもよい、スルホキシド系溶媒若しくはアミド系溶媒又はこれらの混合溶媒(反応溶媒)」の使用量は、オリゴ核酸誘導体(10)の種類や使用する反応溶媒等によって異なるが、TBAFに対して、0.8〜100倍モル量が適当であり、好ましくは1〜10倍モル量である。反応温度は、オリゴ核酸誘導体(10)の種類や使用する反応溶媒等によって異なるが、20℃〜80℃が好ましい。反応時間は、オリゴ核酸誘導体(10)、使用する反応溶媒や反応温度等によって異なるが、通常1時間〜100時間が適当である。 また、必要であれば、本工程における副生成物であるアクリロニトリルを捕捉するために、アクリロニトリルの捕捉剤として、例えば、ニトロアルカン、アルキルアミン、アミジン、チオール、チオール誘導体又はこれらの任意の混合物を添加することができる。「ニトロアルカン」としては、直鎖状の炭素数1〜6のニトロアルカンを挙げることができる。具体的には、例えば、ニトロメタンを挙げることができる。例えば、「アルキルアミン」としては、例えば、直鎖状の炭素数1〜6のアルキルアミンを挙げることができる。具体的には、例えば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミンを挙げることができる。「アミジン」としては、例えば、ベンズアミジン、ホルムアミジンを挙げることができる。「チオール」としては、例えば、直鎖状の炭素数1〜6のチオールを挙げることができる。具体的には、例えば、メタンチオール、エタンチオール、1−プロパンチオール、1−ブタンチオール、1−ペンタンチオール、1−ヘキサンチオールを挙げることができる。「チオール誘導体」としては、例えば、同一又は異なる直鎖状の炭素数1〜6のアルキルチオール基を有するアルコール又はエーテルを挙げることができる。具体的には、例えば、2−メルカプトエタノール、4−メルカプト−1−ブタノール、6−メルカプト−1−ヘキサノール、メルカプトメチルエーテル、2−メルカプトエチルエーテル、3−メルカプトプロピルエーテル、4−メルカプトブチルエーテル、5−メルカプトペンチルエーテル、6−メルカプトヘキシルエーテルを挙げることができる。「アクリロニトリルの捕捉剤」の使用量としては、オリゴ核酸誘導体(10)の種類等によって異なるが、オリゴ核酸誘導体(10)の各リボースの2’位水酸基を保護している2−シアノエトキシメチルに対して、0.1〜500倍モル量が適当であり、好ましくは1〜10倍モル量である。(7)工程G: オリゴ核酸誘導体(11)の5’位の水酸基を脱離する工程。 式(11)及び(A)中、各B、各Q、各Rは、それぞれ独立して、前記と同義である。n、R1、Zは、前記と同義である。 本工程は、最終的にオリゴRNAの5’位水酸基の保護基を脱離する反応であり、固体担体から切り出されたオリゴRNAに酸を作用させることにより実施することができる。 本工程において使用しうる「酸」としては、例えば、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、酢酸を挙げることができる。本工程に使用しうる酸は、適当な溶媒で希釈して使用することもできる。溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、ジクロロメタン、アセトニトリル、水、pHが2〜5の緩衝液又はこれらの任意の混合溶媒を挙げることができる。緩衝液としては、例えば、酢酸緩衝液を挙げることができる。上記反応における反応温度は、20℃〜50℃が好ましい。反応時間は、オリゴ核酸誘導体(11)の種類、使用する酸の種類、反応温度等によって異なるが、通常1分〜1時間が適当である。使用する試薬の量は固相担体に担持されているオリゴ核酸誘導体に対して0.8〜100倍モル量が適当であり、好ましくは1〜10倍モル量である。(8)工程H: 工程Gにおいて製造されるオリゴRNA(A)を分離精製する工程。 「分離精製工程」とは、上記反応混合物から通常の分離精製手段、例えば、抽出、濃縮、中和、濾過、遠心分離、再結晶、C8からC18の逆相カラムクロマトグラフィー、C8からC18逆相カートリッジカラム、陽イオン交換カラムクロマトグラフィー、陰イオン交換カラムクロマトグラフィー、ゲルろ過カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、透析、限界ろ過などの手段を単独若しくは組み合わせて用いることにより、所望のオリゴRNAを単離精製する工程である。 「溶出溶媒」としては、例えば、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、水の単独溶媒もしくは任意の比率の混合溶媒を挙げることができる。この場合添加物として、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸アンモニウム、酢酸トリエチルアンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、トリス塩酸、エチレンジアミン四酢酸を1mM〜2Mの濃度で添加し、溶液のpHを1〜9の範囲で調整することもできる。 工程A〜工程Dの操作を繰り返すことにより、所望の鎖長のオリゴRNA(A)を製造することができる。なお、本製法においてオリゴRNA(A)を製造するための出発原料として、R4aが置換基(4)である化合物(27a)、R4aがH若しくはアシルオキシである核酸誘導体(27a)、又はR2がアシルである核酸誘導体(27b)等を使用することができる。但し、出発原料として、R4aがH若しくはアシルオキシである核酸誘導体(27a)、又はR2がアシルオキシである核酸誘導体(27b)を使用した場合、核酸モノマー化合物として、少なくとも1つは本発明ホスホロアミダイト化合物を使用する必要がある。 以下に参考例、実施例を揚げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらのみに限定されない。参考例1 クロロメチル 2−シアノエチルエーテル工程1 メチルチオメチル 2−シアノエチルエーテルの製造 3−ヒドロキシプロピオニトリル32g(450mmol)をジメチルスルホキシド450mlに溶解し、無水酢酸324mL、酢酸231mLを加え室温で24時間攪拌した。炭酸水素ナトリウム990gを水4.5Lに溶解したものを調製し、これに反応液を一時間かけて滴下した。そのまま一時間攪拌し、反応液を酢酸エチルにて抽出し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、溶媒留去し得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、無色油状物のメチルチオメチル 2−シアノエチルエーテルを41g得た(収率70%)。1H−NMR(CDCl3): 2.18(s,3H);2.66(t,2H,J=6.3Hz);3.77(t,2H,J=6.3Hz);4.69(s,2H)工程2 クロロメチル 2−シアノエチルエーテルの製造 工程1で得られたメチルチオメチル 2−シアノエチルエーテル3.3g(25mmol)を70mLの塩化メチレンに溶解させ、氷冷下2mL(25mmol)の塩化スルフリルを滴下し、さらに室温にて一時間反応させた。反応後、溶媒を留去し真空中にて蒸留し、目的化合物を無色油状物として2.5g得た(収率85%)。沸点:84−85℃(0.3Torr)1H−NMR(CDCl3): 2.72(t,2H,J=6.3Hz);3.92(t,2H,J=6.3Hz);5.52(s,2H)参考例2 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジン 3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)工程1 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジンの製造 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)ウリジン546mg(1mmol)を1,2−ジクロロエタン4mLに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン452mg(3.5mmol)を加え、ついで365mg(1.2mmol)の二塩化ジブチルスズを加えた後、室温で一時間反応した。その後80℃にしクロロメチル 2−シアノエチルエーテル155.4mg(1.3mmol)を滴下、そのまま30分間攪拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に反応液を加え塩化メチレンにて抽出を行い無水硫酸マグネシウムにて乾燥、溶媒留去し、得られた混合物を30gのシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジンを得た(197mg;収率34%)。1H−NMR(CDCl3): 2.47(d,1H,J=7.8Hz);2.69(t,2H,J=6.3Hz);3.55(dd,1H,11.3,2.2Hz);3.62(dd,1H,11.3,2.2Hz);3.83(s,6H);3.87(t,2H,J=6.3Hz);4.07−4.08(m,1H);4.32(dd,1H,J=5.3,1.9Hz);4.54(q,1H,J=5.3Hz);4.94,5.11(2d,2H,J=6.9Hz);5.32(d,1H,J=8.2Hz);6.00(d,1H,J=1.9Hz);6.85−6.88(m,4H);7.29−7.41(m,9H);8.02(d,1H,J=8.2Hz);8.53(br.s,1H)ESI−Mass:652[M+Na]+工程2 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジン 3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)の製造 工程1で得られた5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジン209mg(0.332mmol)、テトラゾール23mg(0.332mmol)をアセトニトリル2mLに溶解し150mgの(0.498mmol)の2−シアノエチル N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイトを滴下し、45℃で1.5時間反応させた。反応後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え酢酸エチルにて抽出し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、溶媒留去し得られた混合物を20gのシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的化合物を得た(200mg;収率73%)。ESI−Mass:852[M+Na]+参考例3 2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジン工程1 3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジンの製造 3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)ウリジン150mg(0.3mmol)をアルゴン雰囲気下THF7mLに溶解し、メチルチオメチル 2−シアノエチルエーテル54mg(0.4mmol)、モレキュラーシーブス4A100mgを加え、10分攪拌した。0℃にしトリフルオロメタンスルホン酸10mg(0.06mmol)のTHF2mL溶液を加え攪拌した後、N−ヨードスクシンイミド92mg(0.4mmol)を加え、1時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、塩化メチレンにて洗浄した後、有機相を1Mのチオ硫酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、溶媒留去した。得られた残渣を薄層クロマトグラフィーにて精製し、3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジンを得た(150mg;収率85%)。1H−NMR(CDCl3): 0.97−1.12(m,28H);2.68−2.73(m,2H);3.78−3.86(m,1H);3.96−4.05(m,2H);4.12−4.30(m,4H);5.0−5.04(m,2H);5.70(d,1H,J=8.2Hz);5.75(s,1H);7.90(d,1H,J=8.2Hz);9.62(br.s,1H)ESI−Mass:570[M+H]+工程2 2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジンの製造 工程1で得られた3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジン200mg(0.35mmol)をメタノール2mLに溶解し、フッ化アンモニウム65mg(1.76mmol)を加え50℃にて5時間加熱攪拌した。放冷後アセトニトリルを加え攪拌し、ろ過濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的化合物を得た(108mg;収率94%)。1H−NMR(CD3OD): 2.72−2.76(t,2H,J=6.2Hz);3.68−3.92(m,4H);4.00−4.03(m,1H);4.26−4.32(m,2H);4.81−4.95(m,2H);5.71(d,1H, J=8.1Hz);6.00(d,1H,J=3.3Hz);8.10(d,1H,J=8.1Hz)ESI−Mass:350[M+Na]+参考例4 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジンの製造 2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジン14g(43mmol)をピリジンで共沸し真空ポンプで30分乾燥した。THF300mLに溶解し、アルゴン雰囲気下ピリジン68g(856mmol)、モレキュラーシーブス4A20gを加え10分攪拌した。これに4,4’−ジメトキシトリチルクロリド19.6g(57.8mmol)を3回に分けて1時間ごとに加え、さらに1時間攪拌した。メタノール10mLを加え2分攪拌した後、セライトろ過し酢酸エチルにて洗浄した。ろ液を濃縮後、残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と分液した。有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、目的化合物を得た(26.5g;収率98%)。参考例5 N4−アセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)シチジン 3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)工程1 N4−アセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)シチジンの製造 N4−アセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)シチジン588mg(1mmol)を1,2−ジクロロエタン4mLに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン452mg(3.5mmol)を加え、ついで365mg(1.2mmol)の二塩化ジブチルスズを加えた後、室温で一時間反応した。その後80℃にしクロロメチル 2−シアノエチルエーテル155.4mg(1.3mmol)を滴下、そのまま60分間攪拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に反応液を加え塩化メチレンにて抽出を行い無水硫酸マグネシウムにて乾燥、溶媒留去し、得られた混合物を30gのシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、N4−アセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)シチジンを得た(219mg;収率35%)。1H−NMR(CDCl3): 2.19(s,3H);2.56(d,1H,J=8.8Hz);2.65(t,2H,J=6.2Hz);3.55(dd,1H,10.5,2.5Hz);3.63(dd,1H,10.5,2.5Hz);3.82(s,6H);3.86(t,2H,J=6.2Hz);4.09−4.14(m,1H);4.28(d,1H,J=5.1Hz);4.44−4.49(m,1H);4.97,5.24(2d,2H,J=6.9Hz);5.96(s,1H);6.86−6.88(m,4H);7.09(d,1H,J=6.9Hz);7.26−7.42(m,9H);8.48(d,1H,J=6.9Hz);8.59(br.s,1H)ESI−Mass:693[M+Na]+工程2 N4−アセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)シチジン 3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)の製造 工程1で得られたN4−アセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル) シチジン205mg(0.306mmol)を塩化メチレン2mLに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン105mg(0.812mmol)を加え2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト116mg(0.49mmol)を滴下し、室温で1時間反応させた。反応後、溶媒を留去し得られた混合物を20gのシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的化合物を得た(242mg;収率91%)。ESI−Mass:871[M+H]+参考例6 N4−アセチル−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)シチジン工程1 N4−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)シチジンの製造 N4−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)シチジン1.00g(1.89mmol)とメチルチオメチル 2−シアノエチルエーテル500mg(3.79mmol)を混合し、トルエン10mLとTHF10mLの混合溶媒に溶解した。ついでトリフルオロメタンスルホン酸銀975mg(3.79mmol)を加え、モレキュラーシーブス4Aを加え、乾燥した。氷冷下、N−ブロモスクシンイミド370mg(2.08mmol)を加え、反応容器を遮光し、10分間撹拌した。さらにN−ブロモスクシンイミド70mg(0.39mmol)を追加し、25分間撹拌した。反応終了後、塩化メチレンを加えて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄を行い、無水硫酸ナトリウムにて乾燥、溶媒留去し、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、N4−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)シチジンを得た。(936mg;収率81%)。1H−NMR(CDCl3): 0.90−1.11(m,28H);2.28(s,3H);2.62−2.79(m,2H);3.78−3.89(m,1H);3.96−4.04(m,2H);4.19−4.23(m,3H);4.30(d,1H,J=13.6Hz);5.00(d,1H,J=6.8Hz);5.09(d,1H,J=6.8Hz);5.77(s,1H);7.44(d,1H,J=7.5Hz);8.30(d,1H,J=7.5Hz);10.13(s,1H)ESI−Mass:611[M+H]+工程2 N4−アセチル−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)シチジンの製造 工程1で得られたN4−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)シチジン500mg(0.819mmol)をTHF2.5mLとメタノール2.5mLの混合溶媒に溶解し、フッ化アンモニウム150mg(4.10mmol)を加え、50℃で4時間反応させた。反応終了後、アセトニトリルにて希釈、濾過し、溶媒を留去し得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的化合物を得た(210mg;収率70%)。1H−NMR(D2O): 2.13(s,3H);2.66−2.71(m,2H);3.72−3.78(m,3H);3.90(dd,1H,13.0,2.6Hz);4.06−4.11(m,1H);4.20(dd,1H,J=7.1,5.2Hz);4.29(dd,1H,J=5.1,2.9Hz);4.83(d,1H,J=7.2Hz);4.94(d,1H,J=7.2Hz);5.95(d,1H,J=2.9Hz);7.25(d,1H,J=7.6Hz);8.25(d,1H,J=7.6Hz)ESI−Mass:391[M+Na]+参考例7 N4−アセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)シチジンの製造 2’−O−(2−シアノエトキシメチル)シチジン9.9g(26.8mmol)をピリジンで共沸し真空ポンプで30分乾燥した。THF190mLに溶解し、アルゴン雰囲気下ピリジン43g(538mmol)、モレキュラーシーブス4A20gを加え10分攪拌した。これに4,4’−ジメトキシトリチルクロリド11.8g(34.9mmol)を3回に分けて1時間ごとに加え、さらに1時間攪拌した。メタノール2mLを加え2分攪拌した後、セライトろ過し酢酸エチルにて洗浄した。ろ液をエバポレーターで濃縮後残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と分液した。有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、目的化合物を得た(15g;収率83%)。参考例8 N2−アセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシン 3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)工程1 N2−アセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシンの製造 N2−アセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)グアノシン627mg(1mmol)を1,2−ジクロロエタン4mLに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン452mg(3.5mmol)を加え、ついで365mg(1.2mmol)の二塩化ジブチルスズを加えた後、室温で一時間反応した。その後80℃にしクロロメチル 2−シアノエチルエーテル155.4mg(1.3mmol)を滴下、そのまま60分間攪拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に反応液を加え塩化メチレンにて抽出を行い無水硫酸マグネシウムにて乾燥、溶媒留去し、得られた混合物を30gのシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、N2−アセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシンを得た(450mg;収率63%)。1H−NMR(CDCl3): 1.92(s,3H);2.47−2.51(m,2H);2.68(br.s,1H);3.30(dd,1H,10.7,3.8Hz);3.47(dd,1H,10.7,3.8Hz);3.55−3.60(m,1H);3.65−3.70(m,1H);3.74,3.75(2s,6H);4.22−4.23(m,1H);4.55−4.58(m,1H);4.78,4.83(2d,2H,J=7.0Hz);5.01(t,1H,J=5.1Hz);5.99(d,1H,J=5.1Hz);6.76−6.79(m,4H);7.17−7.44(m,9H);7.88(s,1H);8.36(br.s,1H);12.06(br.s,1H)工程2 N2−アセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシン 3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)の製造 工程1で得られたN2−アセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシン400mg(0.563mmol)を塩化メチレン2mLに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン181mg(1.4mmol)を加え2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト161mg(0.68mmol)を滴下し、室温で1時間反応させた。反応後、溶媒を留去し得られた混合物を20gのシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的化合物を得た(471mg;収率92%)。参考例9 N6−アセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシン 3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)工程1 N6−アセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシンの製造 N6−アセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)アデノシン22.0g(36.0mmol)を1,2−ジクロロエタン170mLに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン16.3g(126mmol)を加え、ついで12.1g(39.7mmol)の二塩化ジブチルスズを加えた後、室温で一時間反応した。その後80℃にし15分間撹拌後、クロロメチル 2−シアノエチルエーテル4.30g(36.0mmol)を滴下、そのまま30分間撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に反応液を加え塩化メチレンにて抽出を行い無水硫酸マグネシウムにて乾燥、溶媒留去し、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、N6−アセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシンを得た。(7.47g;収率33%)1H−NMR(CDCl3): 2.51(t,2H,J=6.2Hz);2.58(d,1H,J=5.5Hz);2.61(s,3H);3.45(dd,1H,J=10.7,4.0Hz);3.54(dd,1H,J=10.7,3.2Hz);3.62−3.79(m,2H);3.79(s,6H);4.25(br.q,1H,J〜4.6Hz);4.59(q,1H,J=5.2Hz);4.87−4.94(m,3H);6.23(d,1H,J=4.4Hz);6.80−6.83(m,4H);7.22−7.32(m,7H);7.40−7.43(m,2H);8.20(s,1H);8.61(br.s,1H);8.62(s,1H)ESI−Mass:695[M+H]+工程2 N6−アセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシン 3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)の製造 工程1で得られたN6−アセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシン10.0g(14.4mmol)を塩化メチレン75mLに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン4.7g(36mmol)を加え2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト4.82g(20.3mmol)を滴下し、室温で1時間反応させた。反応後、溶媒を30mL程度残して留去し得られた反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的化合物を得た(12.0g;収率93%)。ESI−Mass:895[M+H]+参考例10 N6−アセチル−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシン工程1 N6−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシンの製造 N−ヨードスクシンイミド245mg(1.09mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸銀280mg(1.09mmol)を塩化メチレン8mLに懸濁させ、モレキュラーシーブス4Aを加え、乾燥した。ここに、N6−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)アデノシン400mg(0.73mmol)とメチルチオメチル 2−シアノエチルエーテル145mg(1.11mmol)を塩化メチレン4mLに溶解し、氷冷下で加えた。そのまま3時間撹拌した。反応終了後、塩化メチレンを加えて希釈し、チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄を行い、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、溶媒留去し、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、N6−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシンを得た。(201mg;収率45%)1H−NMR(CDCl3): 0.98−1.11(m,28H);2.62(s,3H);2.69(td,2H,6.5,J=1.5Hz);3.81−3.89(m,1H);4.02−4.09(m,2H);4.17(d,1H,J=9.4Hz);4.28(d,1H,J=13.4Hz);4.50(d,1H,J=4.5Hz);4.67(dd,1H,J=8.8,4.5Hz);5.02(d,1H,J=7.0Hz);5.08(d,1H,J=7.0Hz);6.10(s,1H);8.34(s,1H);8.66(s,1H);8.67(s,1H)ESI−Mass:636[M+H]+工程2 N6−アセチル−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシンの製造 工程1で得られたN6−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシン300mg(0.47mmol)を、酢酸0.1mLと0.5M TBAFのTHF溶液2mLの混合溶液に溶解し、室温で2時間撹拌した。反応終了後、得られた反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的化合物を得た。(160mg;収率86%)。1H−NMR(DMSO−d6): 2.25(s,3H);2.53−2.68(m,2H);3.41−3.46(m,1H);3.56−3.64(m,2H);3.69−3.73(m,1H);4.00−4.01(m,1H);4.36−4.37(m,1H);4.72−4.78(m,3H);5.20(bt,2H);5.41(d,1H,J=5.2Hz);6.17(d,1H,J=5.7Hz);8.66(s,1H);8.72(s,1H);10.72(s,1H)ESI−Mass:415[M+Na]+参考例11 N6−アセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシンの製造 N6−アセチル−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシン9.50g(24.2mmol)を脱水ピリジン100mLに溶解し、濃縮して乾燥した後、アルゴン雰囲気下、脱水ピリジン100mLに溶解した。氷冷下、4,4’−ジメトキシトリチルクロリド10.7g(31.2mmol)を加え、室温で1時間20分反応した。反応終了後、塩化メチレンにて希釈し、水にて洗浄を行い無水硫酸ナトリウムにて乾燥、溶媒留去し、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的化合物を得た。(13.8g;収率82%)参考例12 N2−フェノキシアセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシン 3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)工程1 N2−フェノキシアセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシンの製造 N2−フェノキシアセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)グアノシン720mg(1mmol)を1,2−ジクロロエタン4mLに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン452mg(3.5mmol)を加え、ついで365mg(1.2mmol)の二塩化ジブチルスズを加えた後、室温で一時間反応した。その後80℃にしクロロメチル 2−シアノエチルエーテル155.4mg(1.3mmol)を滴下、そのまま60分間攪拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に反応液を加え塩化メチレンにて抽出を行い無水硫酸マグネシウムにて乾燥、溶媒留去し、得られた混合物を30gのシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、N2−フェノキシアセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシンを得た(384mg;収率48%)。1H−NMR(CDCl3): 2.47−2.51(m,2H);2.58(br.s,1H);3.42(dd,1H,10.1,3.8Hz);3.46(dd,1H,10.1,3.8Hz);3.53−3.57(m,1H);3.69−3.73(m,1H);3.77(s,6H);4.24−4.26(m,1H);4.48−4.50(m,1H);4.61−4.65(m,2H);4.83,4.87(2d,2H,J=7.0Hz);4.88(t,1H,J=5.7Hz);6.05(d,1H,J=5.7Hz);6.80−6.82(m,4H);6.92−6.96(m,3H);7.07−7.11(m,2H);7.20−7.42(m,9H);7.84(s,1H);8.99(s,1H);11.81(br.s,1H)ESI−Mass:825[M+Na]+工程2 N2−フェノキシアセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシン 3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイトの製造 工程1で得られたN2−フェノキシアセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシン320mg(0.399mmol)を塩化メチレン4mLに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン128.8mg(0.996mmol)を加え2−シアノエチル N,N−ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト141.5mg(0.598mmol)を滴下し、室温で1時間反応させた。反応後、溶媒を留去し得られた混合物を30gのシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的化合物を得た(316mg;収率79%)。ESI−Mass:1003[M+H]+参考例13 N2−フェノキシアセチル−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシン工程1 N2−フェノキシアセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシンの製造 N2−フェノキシアセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)グアノシン2.0g(3.0mmol)をTHF16mLに溶解し、メチルチオメチル 2−シアノエチルエーテル0.99g(7.6mmol)、モレキュラーシーブス4A1.0gを加え、アルゴン雰囲気下−45℃で10分攪拌した。トリフルオロメタンスルホン酸0.68g(4.5mmol)のTHF5mL溶液を加え攪拌した後、N−ヨードスクシンイミド1.02g(4.5mmol)を加え、15分攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ろ過後酢酸エチルにて抽出、有機相を1Mのチオ硫酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄、水、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、N2−フェノキシアセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシンを得た(2.0g;収率89%)。1H−NMR(CDCl3): 0.99−1.11(m,28H);2.59−2.77(m,2H);3.82−4.05(m,3H);4.15(d,1H,J=9.3Hz);4.25−4.35(m,2H);4.52−4.56(dd,1H,J=9.3,4.3Hz);5.00,5.07(2d,2H,J=7.2Hz);5.95(s,1H)6.99−7.12(m,3H);7.35−7.40(m,2H);8.09(s,1H);9.38(br.s,1H);11.85(br.s,1H)ESI−Mass:766[M+Na]+工程2 N2−フェノキシアセチル−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシンの製造 1M TBAFのTHF溶液2.83mL(2.83mmol)に酢酸0.14mL(0.14mmol)を加えた溶液を調整する。工程1で得られたN2−フェノキシアセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシン1.0g(1.35mmol)をTHF2.83mLに溶解し、上で調整した溶液を加えアルゴン雰囲気下室温で1時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮後、塩化メチレンに溶解しシリカゲルクロマトグラフィーにのせ精製し、目的化合物を得た。(0.67g;収率99%)。1H−NMR(DMSO−d6): 2.59−2.66(m,2H);3.41−3.63(m,4H);3.98(m,1H);4.32(m,1H);4.58−4.62(t,1H,J=5.3Hz);4.71−4.78(dd,2H,J=13.1,6.8Hz);4.87(s,2H);5.12(s,1H)5.37(s,1H);5.97(d,1H,J=6.1Hz)6.96−6.99(m,3H);7.28−7.34(m,2H);8.30(s,1H);11.78(br.s,2H)ESI−Mass:500[M−H]−参考例14 N2−フェノキシアセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシンの製造 N2−フェノキシアセチル−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシン660mg(1.32mmol)をピリジンで共沸し真空ポンプで30分乾燥した。THF9mLに溶解し、アルゴン雰囲気下ピリジン2.1g(26.4mmol)、モレキュラーシーブス4A600mgを加え10分攪拌した。これに4,4’−ジメトキシトリチルクロリド540mg(1.58mmol)を3回に分けて1時間ごとに加え、さらに1時間攪拌した。メタノール2mLを加え2分攪拌した後、セライトろ過し酢酸エチルにて洗浄した。ろ液をエバポレーターで濃縮後残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と分液した。有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、目的化合物を得た(800mg;収率75%)。参考例15 N6−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシン工程1 N6−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−メチルチオメチルアデノシンの製造 N6−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)アデノシン2.00g(3.62mmol)をジメチルスルホキシド25mLに溶解し、無水酢酸17.5mL、酢酸12.5mLを加え室温で14時間撹拌した。反応終了後、水200mLに反応液を加え、酢酸エチルにて抽出を行い、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄を行い、無水硫酸ナトリウムにて乾燥、溶媒留去し、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、N6−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−メチルチオメチルアデノシンを得た。(1.36g;収率61%)1H−NMR(CDCl3): 0.96−1.11(m,28H);2.20(s,3H);2.61(s,3H);4.03(dd,1H,J=13.4,2.4Hz);4.18(d,1H,J=9.1Hz);4.27(d,1H,J=13.4Hz);4.63−4.71(m,2H);5.00(d,1H,J=11.5Hz);5.07(d,1H,J=11.5Hz);6.09(s,1H);8.31(s,1H);8.65(s,1H);8.69(s,1H)ESI−Mass:635[M+Na]+工程2 N6−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシンの製造 工程1で得られたN6−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−メチルチオメチルアデノシン1.00g(1.63mmol)を、THF25mLに溶解した。3−ヒドロキシプロピオニトリル5.88g(82.7mmol)を加え、モレキュラーシーブス4Aを加えて乾燥し、−45℃に冷却した。N−ヨードスクシンイミド440mg(1.96mmol)を加え、ついでトリフルオロメタンスルホン酸490mg(3.26mmol)を加えた後、−45℃で15分間撹拌した。反応終了後、冷却したままトリエチルアミンを加えて中和し、塩化メチレンにて希釈、チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄を行い、無水硫酸ナトリウムにて乾燥、溶媒留去し、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的化合物を得た。(722mg;収率71%)。参考例16 ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジン 市販の2’/3’−O−ベンゾイル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)ウリジンが担持されているCPG固相担体(37mg,1μmol)をグラスフィルター付きカラムに入れ、核酸自動合成機(ExpediteTM:アプライドバイオシステムズ社)を使用して、標記化合物のオリゴRNAの合成を行った。 核酸モノマー化合物として、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジン 3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)を、縮合触媒としてテトラゾールを、酸化剤としてヨウ素溶液を、キャッピング溶液として無水酢酸とN−メチルイミダゾール溶液を使用した。核酸モノマー化合物を20回縮合させた後、切り出し剤として10Mのメチルアミンのエタノール水溶液を用いて、室温中1〜2時間かけてCPG固相担体からの切り出し及び各リン酸部位の保護基の脱離反応を行った。反応混合物を減圧下、濃縮後、逆相カラム(ODS)にて不要ピークを除去後、溶出溶媒(アセトニトリル−50mM トリエチルアミン−酢酸緩衝液)を用いて精製した。残渣を減圧下濃縮後、1M TBAFのTHF溶液を用いて室温1時間反応し、2’位の水酸基の保護基を脱離した。溶液を脱塩処理後、80%酢酸にて5’末端の保護基を除去した(室温下10分)。減圧下濃縮後、水層をエーテル洗浄し、精製をすることなく、高純度の目的化合物を得た。MALDI−TOF−MS:計算値 6367.52 [M+H]+ 実測値 6366.50 [M+H]+参考例17 ホスホロチオエート結合を有するオリゴRNAの製造シチジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−アデニリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕−アデニリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−アデニリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕−アデニリル−〔3’→5’〕−チミジリル−〔3’→5’〕−チミジン 市販の5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジンが担持されているCPG固相担体(22mg,1μmol)をグラスフィルター付きカラムに入れ、核酸自動合成機(ExpediteTM:アプライドバイオシステムズ社)を使用して、標記化合物のオリゴRNAの合成を行った。 核酸モノマー化合物として、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジン 3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)、N4−アセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)シチジン 3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)、N6−アセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシン 3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)、N2−フェノキシアセチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシン 3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)シチジン 3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)を、縮合剤としてベンジルメルカプトテトラゾールを、酸化剤としてBeaucage試薬(3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン−1,1−ジオキシド)を、キャッピング溶液としてフェノキシ酢酸無水物とN−メチルイミダゾール溶液を使用した。核酸モノマー化合物を20回縮合させた後、切り出し剤として、濃アンモニア水−エタノール混合液(3:1)を用いて、40℃、4時間かけてCPG固相担体からの切り出し及び各リン酸部位の保護基の脱離反応及び塩基の保護基の除去を行った。反応混合物を減圧下、濃縮後、2.5μLのニトロメタンを含む0.5M TBAFのDMSO溶液500μLを用いて室温2時間反応し、2’位の水酸基の保護基を脱離した。250μLの1M Tris−HCl緩衝液(pH7.5)を加えたのち、8mLのエタノールに滴下し、反応生成物を沈殿させた。終夜、冷蔵庫に保存した後、上澄みを除去し、ODSカラム(LiChroprep RP−18)にて精製した。80%酢酸水溶液にて4,4’−ジメトキシトリチルを脱保護し、酢酸エチルと水にて分液操作を行い、水層を濃縮し、目的化合物を得た(80OD260;収率40%)。MALDI−TOF−MS:計算値 6928.4 [M+H]+ 実測値 6930.1 [M+H]+試験例1 アミド系溶媒の脱保護効果 市販の5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジンが担持されているCPG固相担体(333mg,15μmol)をフィルター付きカラムに入れ、核酸自動合成機(ExpediteTM:アプライドバイオシステムズ社)を使用して、固相上でアデニリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕−アデニリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕−アデニリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕アデニリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕−アデニリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕−チミジンの合成を行い、固相上で、4,4’−ジメトキシトリチルを脱離した。オリゴRNA2μmol分のレジンに対し、切り出し剤として、濃アンモニア水−エタノール混合液(3:1)6mLを用いて、40℃、4時間かけてCPG固相担体からの切り出し及び各リン酸部位の保護基の脱離反応及び塩基の保護基の除去を行った。反応混合物を10等分し減圧下濃縮し、下記表1に記載の脱保護条件において、各リボースの2’位水酸基の保護基を脱離する反応を行った。但し、各反応において、100μmolのTBAFにつき、1μLのニトロメタンを添加した。反応溶液量と同量の1MのTris−HCl緩衝液(pH7.5)を加えたのち、各オリゴRNAをHPLCにて分析した。 HPLCにおける測定条件は、以下のとおりである。測定条件:HPLC 装置 送液ユニット:LC−10AT(島津製作所社製) 検出器:SPD−10A(島津製作所社製)逆相HPLCカラム DNAPac PA100<4mmφx250mm>(DIONEX社製)カラム温度 :50℃移動相 グラジエント:リニアグラジエント20分(B液:5%−25%) A液:10%アセトニトリルを含む25mMTris−HCl緩衝液 B液:10%アセトニトリルと700mM過塩素酸ナトリウムを含む25mMTris−HCl緩衝液移動相の流量 :1.5ml/分紫外線可視分光器検出波長:260nm 上記表1に示すように、TBAFのTHF溶液に、DMFを添加することにより、反応時間の短縮又はTBAF試薬の量を低減できることが明らかである。試験例2 アミド系溶媒及びスルホキシド系溶媒の脱保護効果 市販の5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジンが担持されているCPG固相担体(333mg,15μmol)をフィルター付きカラムに入れ、核酸自動合成機(ExpediteTM:アプライドバイオシステムズ社)を使用して、固相上でアデニリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕−アデニリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕−アデニリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕アデニリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕−アデニリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕−チミジンの合成を行い、固相上で、4,4’−ジメトキシトリチルを脱離した。この内、オリゴRNA1μmol分のレジンに対し、切り出し剤として、濃アンモニア水−エタノール混合液(3:1)3mLを用いて、40℃、4時間かけてCPG固相担体からの切り出し及び各リン酸部位の保護基の脱離反応及び塩基の保護基の除去を行った。上記反応混合物を減圧下濃縮した後、室温下、下記表2に記載の脱保護条件において、各リボースの2’位水酸基の保護基を脱離する反応を行った。但し、各反応において、100μmolのTBAFにつき、1μLのニトロメタンを添加した。また、100μmolのTBAFにつき、100μLの1M Tris−HCl緩衝液(pH7.5)を加えたのち、2mL(但し、エントリー3については、1.5mL)のエタノールに滴下し、反応生成物を沈殿させた。終夜、冷蔵庫に保存した後、上澄みを除去し、反応生成物をHPLCにて分析し、本反応の終点を確認した。HPLCにおける測定条件は、試験例1と同様である。 上記表2に示すように、反応溶媒としてTHFのかわりにDMSO又はDMFを使用した場合、格段に反応性が向上することが明らかである。 さらに、上記結果から明らかなように、反応溶媒としてDMSOを使用した場合、TBAFの使用量、反応溶媒の使用量を低減することができた。TBAFの使用量は、反応溶媒としてTHFを使用したときよりも、約1/5に減らすることができた。このことによって、高価なTBAFの使用量を低減するとともに、最終生成物を析出させるために使用する、エタノールの使用量も低減できることが明らかである。 TBAFを作用させ各リボースの2’位水酸基の保護基を脱離する工程において、スルホキシド系溶媒若しくはアミド系溶媒又はこれらの混合溶媒を反応溶媒として用いる、オリゴ核酸誘導体の各リボースの2’位水酸基の保護基が除去されたオリゴ核酸誘導体を製造する工程を経由することによって、大量にかつ高純度でのオリゴRNA(A)の製造が可能となった。 次の一般式(10)で表されるオリゴ核酸誘導体に、テトラブチルアンモニウムフロリド(TBAF)を作用させ、リボースの2’位水酸基の保護基である2−シアノエトキシメチルを脱離する工程において、テトラヒドロフランを含有していてもよい、スルホキシド系溶媒若しくはアミド系溶媒又はこれらの混合溶媒を反応溶媒として用いることを特徴とする、次の一般式(11)で表されるオリゴ核酸誘導体の製造方法。式(10)及び(11)中、各Bは、それぞれ独立して、核酸塩基又はその修飾体を表す。nは、1〜200の範囲内にある整数を表す。各Qは、それぞれ独立して、O又はSを表す。各Rは、それぞれ独立して、H、水酸基、ハロゲン、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルケニルオキシ、アルケニルチオ、アルケニルアミノ、ジアルケニルアミノ、アルキニルオキシ、アルキニルチオ、アルキニルアミノ、ジアルキニルアミノ又はアルコキシアルキルオキシを表すが、少なくとも1つは水酸基を表す。Zは、H、リン酸基又はチオリン酸基を表す。R1は、次の一般式(3)で表される置換基を表す。式(3)中、R11、R12、R13は、同一又は異なって、水素又はアルコキシを表す。各R4は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルケニルオキシ、アルケニルチオ、アルケニルアミノ、ジアルケニルアミノ、アルキニルオキシ、アルキニルチオ、アルキニルアミノ、ジアルキニルアミノ又はアルコキシアルキルオキシ又は次の一般式(4)で表される置換基を表す。(式(4)中、WG1は、シアノを表す。)但し、各R4の少なくとも1つは一般式(4)で表される置換基を表す。 スルホキシド系溶媒が次の一般式(I)で表される化合物である、請求項1に記載のオリゴ核酸誘導体の製造方法。式(I)中、Ra、Rbは、同一又は異なって、アルキルを表す。 次の一般式(I)で表される化合物がジメチルスルホキシドである、請求項2に記載のオリゴ核酸誘導体の製造方法。 アミド系溶媒が次の一般式(II)で表される化合物である、請求項1に記載のオリゴ核酸誘導体の製造方法。式(II)中、Rc、Rdは、同一若しくは異なって、アルキルを表し、Reは、水素若しくはアルキルを表すか、又はRdはアルキルを表し、RcとReは隣接する窒素原子と炭素原子とが一緒になって形成する、5若しくは6員の飽和環状アミド基を表す。 一般式(II)で表される化合物がN,N−ジメチルホルムアミドである、請求項4に記載のオリゴ核酸誘導体の製造方法。 さらに、ニトロアルカン、アルキルアミン、アミジン、チオール若しくはチオール誘導体又はこれらの任意の混合物を含有する反応溶媒を用いることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のオリゴ核酸誘導体の製造方法。 下記工程を含む、次の一般式(A)で表されるオリゴRNAの製造方法。式(A)中、各Bは、それぞれ独立して、核酸塩基又は修飾体を表す。nは、1〜200の範囲内にある整数を表す。各Qは、それぞれ独立して、O又はSを表す。各Rは、それぞれ独立して、H、水酸基、ハロゲン、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルケニルオキシ、アルケニルチオ、アルケニルアミノ、ジアルケニルアミノ、アルキニルオキシ、アルキニルチオ、アルキニルアミノ、ジアルキニルアミノ又はアルコキシアルキルオキシを表すが、少なくとも1つは水酸基を表す。Zは、H、リン酸基又はチオリン酸基を表す。工程:次の一般式(10)で表されるオリゴ核酸誘導体に、テトラブチルアンモニウムフロリド(TBAF)を作用させ、リボースの2’位水酸基である2−シアノエトキシメチルを脱離する工程において、テトラヒドロフランを含有していてもよい、スルホキシド系溶媒若しくはアミド系溶媒又はこれらの混合溶媒を反応溶媒として用いることを特徴とする、次の一般式(11)で表されるオリゴ核酸誘導体を製造する工程。式(10)及び(11)中、各B、各Q、各Rは、それぞれ独立して、前記と同義である。n、Zは、前記と同義である。R1は、次の一般式(3)で表される置換基を表す。式(3)中、R11、R12、R13は、同一又は異なって、水素又はアルコキシを表す。各R4は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルケニルオキシ、アルケニルチオ、アルケニルアミノ、ジアルケニルアミノ、アルキニルオキシ、アルキニルチオ、アルキニルアミノ、ジアルキニルアミノ又はアルコキシアルキルオキシ又は次の一般式(4)で表される置換基を表す。(式(4)中、WG1は、シアノを表す。)但し、各R4の少なくとも1つは一般式(4)で表される置換基を表す。 スルホキシド系溶媒が次の一般式(I)で表される化合物である、請求項7に記載のオリゴ核酸誘導体の製造方法。式(I)中、Ra、Rbは、同一又は異なって、アルキルを表す。 一般式(I)で表される化合物がジメチルスルホキシドである、請求項8に記載のオリゴ核酸誘導体の製造方法。 アミド系溶媒が次の一般式(II)で表される化合物である、請求項7に記載のオリゴ核酸誘導体の製造方法。式(II)中、Rc、Rdは、同一若しくは異なって、アルキルを表し、Reは、水素若しくはアルキルを表すか、又はRdはアルキルを表し、RcとReは隣接する窒素原子と炭素原子とが一緒になって形成する、5若しくは6員の飽和環状アミド基を表す。 一般式(II)で表される化合物がN,N−ジメチルホルムアミドである、請求項10に記載のオリゴRNAの製造方法。 さらに、ニトロアルカン、アルキルアミン、アミジン、チオール若しくはチオール誘導体又はこれらの任意の混合物を含有する反応溶媒を用いることを特徴とする、請求項7〜11のいずれかに記載のオリゴRNAの製造方法。