生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_α7ニューロンニコチン性受容体リガンドおよび抗精神病薬組成物
出願番号:2008501915
年次:2008
IPC分類:A61K 45/06,A61P 25/00,A61P 43/00,A61K 31/501,A61K 31/454,A61K 31/439,A61K 31/4515,A61K 31/551,A61K 31/519,A61P 25/28


特許情報キャッシュ

コーラース,キヤシー・エル リユター,リン・イー ビトナー,アール・スコツト JP 2008533142 公表特許公報(A) 20080821 2008501915 20060308 α7ニューロンニコチン性受容体リガンドおよび抗精神病薬組成物 アボット・ラボラトリーズ 391008788 ABBOTT LABORATORIES 川口 義雄 100062007 小野 誠 100114188 渡邉 千尋 100140523 金山 賢教 100119253 大崎 勝真 100103920 坪倉 道明 100124855 コーラース,キヤシー・エル リユター,リン・イー ビトナー,アール・スコツト US 60/663,184 20050318 A61K 45/06 20060101AFI20080725BHJP A61P 25/00 20060101ALI20080725BHJP A61P 43/00 20060101ALI20080725BHJP A61K 31/501 20060101ALI20080725BHJP A61K 31/454 20060101ALI20080725BHJP A61K 31/439 20060101ALI20080725BHJP A61K 31/4515 20060101ALI20080725BHJP A61K 31/551 20060101ALI20080725BHJP A61K 31/519 20060101ALI20080725BHJP A61P 25/28 20060101ALI20080725BHJP JPA61K45/06A61P25/00A61P43/00 111A61K31/501A61K31/454A61K31/439A61K31/4515A61K31/551A61K31/519A61P25/28A61P43/00 121 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,LY,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW US2006008289 20060308 WO2006101745 20060928 46 20071105 4C084 4C086 4C084AA20 4C084MA02 4C084NA06 4C084ZA18 4C084ZC75 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC21 4C086BC55 4C086CB02 4C086CB03 4C086CB09 4C086CB17 4C086GA07 4C086MA02 4C086MA04 4C086NA06 4C086ZA18 4C086ZC75 本発明は、抗精神病薬およびα7ニコチン性アセチルコリン受容体リガンドを含む組成物、それの使用方法ならびに関連する製造品に関するものである。 統合失調症および関連障害、例えば統合失調性感情障害などの精神病状態は、病因が不確定な複雑かつ一様でない疾患である。世界的に罹患率が人口の約1%〜2%で、統合失調症は、重大な社会的および経済的結果をもたらすものである。 統合失調症自体は、思考および知覚、認識ならびに感情の経験の領域における基本的な障害を特徴とする。代表的な発症は青年期後期または成人早期であり、それは後遺症状および不完全な社会復帰の期間が交互にある明らかな精神病的特徴の期間を有する慢性的な生涯続く病気である。統合失調症は、実質的に全ての症例で医学的介入を必要とする。約60%〜70%の統合失調症患者が1回も結婚することがなく、統合失調症患者の間での失業率は70%を超える。そのような統計データは、統合失調症患者が社会において十分に機能していないことを示唆するものである。 統合失調症の症状は、3つの主要なクラスター:陽性、陰性および認知性に細分される。陽性(精神病的)症状は、妄想(理性によって修正できない誤った信念)、幻覚(通常は存在しない声)、脈絡のない会話および顕著に無軌道な行動からなる。陰性症状は、感情鈍麻、失語症(精神錯乱によって引き起こされる無言状態)、自発性欠如(目標を追求しようという意欲の欠如)および無快感症(楽しみを経験できないこと)として記載される。認知欠損には、作業記憶、注意、言葉再現および実行機能の障害などがある。さらに、多様な関連する特徴および精神障害には、洞察力低下、離人症、現実感喪失、抑鬱、不安および薬物乱用障害などがある。最後に、統合失調症患者では、自殺率が顕著に高くなっており、生涯において少なくとも1回の自殺未遂が20%〜40%であり、患者の10%が実際に自殺に至っている(DSM-IV Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 4th edition, American Psychiatric Assoc, Washington, D. C, 2000)。 統合失調症治療の現在の標準は非定型抗精神病薬であるが、いまだに世界的には典型的抗精神病薬がかなり使用されている。従来、標準、旧来的または一次抗精神病薬とも称される典型的抗精神病薬(フェノチアジン類、ブチロフェノン類およびチオキサンテン類)は現在に至るまで、統合失調症の中核的治療となってきた。 典型的抗精神病薬による治療の限界は、錐体外路系副作用(EPS)の誘発である。EPSには、パーキンソニズム、ジストニア、座位不能および神経弛緩薬性悪性症候群ならびに遅発性ジスキネジーと称される不可逆的運動障害などがある。重度の座位不能は、患者を不安にさせ、いらだたせて、攻撃的行動および自殺行動に至る場合がある。最も困難な神経的副作用である遅発性ジスキネジーは不可逆的となり得るものであり、それのリスクが典型的薬剤より非定型薬剤が好まれる主要な根拠となっている。EPSの発生は用量依存的であり、典型的抗精神病薬の治療を受けた患者の60%以下で起こる。実際に、臨床医は各患者について用量を力価測定して、管理可能なレベルの副作用で最大の効力が得られるようにする(Kinon et al, CNS Drugs, 2004, 18:597-616;Tarsy et al, CNS Drugs, 2002, 16:23-45;Kulisevsky and Otermin, Neurologia, 2003, 18:262-268)。従って、抗精神病薬が持っている効力は、その狭い治療枠によって限定される。非定型的抗精神病薬は代表的には、少なくとも等しい抗精神病効力を有し、不快な急性および長期副作用が比較的少ない薬剤である。これらの医薬は、陽性症状を抑制する上で有効であると一般に受け入れられているが、その障害の他の側面におけるそれらの効力(例えば、陰性症状および認知欠損の抑制)については意見が分かれている。比較的新しい非定型的抗精神病薬の中には、典型的抗精神病薬と比較して不利益が少なくなっており、すなわち効力を判定する治療枠が広くなっている。例えば、クロザピン、リスペリドン、オランザピンおよびセルチンドールなどの非定型抗精神病薬では、典型的抗精神病薬と比較してEPS誘発のリスクが低くなっている。しかしながら、そのような非定型抗精神病薬はなお、30%を超える患者においてEPSを誘発し得る。クロザピンは、生じる錐体外路系副作用が少ないという点で例外である。しかしながら、この非定型神経安定薬は、造血機能障害を生じることが知られており、それもそれの使用を制限するものである。 EPSに加えて、現在入手可能な抗精神病薬は、それらの有用性、障害の症状クラスターを抑制する上で必要な至適用量を判定する医師の能力またはそれらの両方を制限する他の副作用を生じるものである。これらには、無快感症、認識機能障害、体重増、代謝症候群および糖尿病などの二次的な陰性症状などがある。 非定型抗精神病薬が陰性および認知性症状の治療において高い効力を有することがある程度示唆されている。しかしながら、これらの他の症状クラスターに対する効力を有すると一般に認められているのはクロザピンのみである。さらに、クロザピンは、顆粒球減少症のリスクのために、他の治療法では難治性である患者においてのみ承認されている(Practice Guidelines for the Treatment of Psychiatric Disorders Compendium 2002, American Psychiatric Assoc, Washington, D. C, 2002;Kapur and Remington, Ann. Rev. Med, 2001 , 52:503-517)。 抗精神病薬には各種の補助療法が行われてきた。しかしながら、下記に示すように、その補助療法の目的は異なっている。 バルプロエート、ベンゾジアゼピン類、L−ドーパおよびクエチアピンなどの抗癲癇薬が、陽性症状を改善し、EPSに対する効果がほとんどないことが提案および実証されている。 抗鬱薬(例えば、フルボキサミン、ミルタザピン、レボキセチン、ネファゾドン(nefazadone))、グリシン、5−HT1A作働薬およびグルコースが、陰性、認知性もしくは抑鬱性症状を改善し、EPSに対する効果がほとんどないことが提案および実証されている。 フルオキセチンは、陰性/抑鬱性症状に対する補助療法として用いた場合にEPSを増悪することが示されている。 抗コリン作用薬、β−遮断薬、抗酸化剤、ベンゾジアゼピン類、L−ドーパおよびファモチジン、アマンタジン、メトホルミン、トピラメートおよびオルリスタットなどのヒスタミンH2拮抗薬が、EPSおよび体重増などの抗精神病薬誘発の副作用を軽減することが提案および実証されている。 ニザチジンが、体重増を抑制するのに用いた場合にEPSを増悪することが示されている。 抗精神病薬に関連する有害効果によって、治療不遵守または治療終了に至る場合があることから、慢性病の経過中に再発および再入院する率が高くなる(Practice Guidelines for the Treatment of Psychiatric Disorders Compendium 2002, American Psychiatric Assoc, Washington, D. C, 2002;Kapur and Remington, Ann. Rev. Med, 2001 , 52:503-517)。限定された効力および副作用の結果として、患者の医薬服用遵守欠如が、統合失調症の治療において重大な問題となっている。40%を超える統合失調症患者が、処方された医薬を服用しない。 遅発性ジスキネジーを例外として、EPSは医薬による治療を中止することで解決することができる。しかしながら、治療を中止すると患者には統合失調症症状再発のリスクが生じることになる。 従って、現在利用可能な抗精神病薬を用いる治療の効果は、程度の差こそあれ、それの使用に関連する広範囲の副作用によって制限される。精神障害などのCNS疾患は満足されていない医療ニーズであり、そのような適応症を治療する方法および可能性は不十分である。精神障害の意義およびそれの治療における限界を考慮すると、特にはEPSのリスクを低減するような形で、そのような精神障害を治療する新たな方法が確認されることは有用であると考えられる。 本発明は、抗精神病薬とニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)リガンド、特にはα7サブタイプ受容体リガンドとの組み合わせが関与する、精神障害および関連する障害の個人の治療用の組成物に関するものである。本発明は、抗精神病薬とニコチン性アセチルコリン受容体リガンド、例えばα7ニューロンニコチン性受容体作働薬またはアロステリック調節剤との相乗的組み合わせを提供する。本発明はさらに、特にはヒトでの精神障害を含む中枢神経系障害の治療または予防を提供する。そのような組み合わせは、患者のEPSへの曝露を減らし、現行の治療に対する有益な代替法を提供することができる。 1実施形態において本発明は、少なくとも1種類の製薬上許容される賦形剤との混合物で、(i)抗精神病薬;および(ii)ニューロンニコチン性受容体サブタイプα7受容体リガンドを含む組成物に関するものである。(i)および(ii)の量が共に精神障害を治療する上で有効であり、特にEPSが少ない本発明は、非常に有益である。しかしながら、(i)および(ii)がそれぞれ有効量で存在する組成物も想到される。その抗精神病薬は、統合失調症その他の関連する精神障害の治療において有用な神経遮断性ドーパミン受容体拮抗薬または他の典型的もしくは非定型抗精神病薬であることができる。 別の実施形態において本発明は、患者における精神病状態を治療または予防する方法に関するものである。その方法では、(i)抗精神病薬を患者に投与し、(ii)ニューロンニコチン性受容体サブタイプα7受容体リガンドを患者に投与することで精神病状態を治療または予防する段階があるが、これらに限定されるものではない。 さらに別の実施形態は、(i)少なくとも1種類の抗精神病薬を含む第1の医薬剤形;(ii)少なくとも1種類のニューロンニコチン性アセチルコリンサブタイプα7受容体リガンドを含む第2の医薬剤形を含む製造品であって、第1および第2の医薬剤形を含むものに関する。本発明のそれらの実施形態、それらの製造方法およびそれらの使用方法について、下記でさらに説明する。 抗精神病薬 典型的または旧来的抗精神病薬および非定型抗精神病薬は当業者には公知である。 典型的抗精神病薬は、ドーパミンD2受容体で拮抗作用を示す。典型的抗精神病薬は、その効力に応じて3つの群に分類される。例えば、典型的抗精神病薬には、ハロペリドールおよびフルフェナジンなどの高アフィニティ;ロキサピンなどの中間効力の薬剤;およびクロルプロマジンなどの低効力の薬剤などがある。典型的抗精神病薬は、陽性症状に対する効力があるが、EPSおよび鎮静などの副作用の発生率が高い。 典型的抗精神病薬は、5HT2受容体に対する高レベルのアフィニティを示し、その受容体でセロトニンの拮抗薬として機能する。これらの化合物が抗精神病薬効果を発揮する正確な機序については現在も検討が行われているが、それらの効力の少なくとも一部は、CNS内でのセロトニン作働性伝達を調節する能力に由来するものであると考えられている。非定型抗精神病薬は多くの場合、CNS内でドーパミン作働性受容体に対してアフィニティを有するが、それらはクロルプロマジン、ハロペリドールおよびその他などの従来の抗精神病薬より効力はかなり低いドーパミン作働性拮抗薬である。これらの化合物およびそれらの作用機序の詳細な議論については、読者の関心はブリンの報告に向く(Blin, Comparative Review of New Antipsychotics, Can J Psychiatry, VoI 44, 235-242 April 1999)。それらの作用機序が異なっていることに加え、非定型抗精神病薬は、それらの副作用プロファイルに基づいて旧来的抗精神病薬と区別することができる。非定型抗精神病薬では、ハロペリドールなどの典型的抗精神病薬と比較した場合、急性錘体外路系症状、特にはジストニアの発生率が大幅に低下する(Beasley, et al., Neuropsychopharmacology, 14(2), 111-123, (1996); Ananth J, et al., Curr. Pharm. Des. 10(18):2219-29 (2004))。 典型的抗精神病薬には、例えばフェンチアジン類、ブトリロフェノン類(butryrophenones)およびチオザンテン類などのD2拮抗薬である化合物などがあり得る。そのような種類の化合物の例には、フルフェナジン、クロルプロマジン、ハロペリドールおよびロキサピンなどがあるが、これらに限定されるものではない。 非定型抗精神病薬には、通常はD2および5−HT1A拮抗作用(これらに限定されるものではない)を示す混合拮抗薬である化合物などがあり得る。例としては、クロザピン、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、ジプラジドンおよびアルピプラゾールなどがある。 補助抗精神病薬には、抗癲癇剤、抗鬱剤または抗コリン作用薬である化合物などがあり得る。そのような種類の化合物の例には、β−遮断薬、抗酸化剤、ベンゾジアゼピン類、L−ドーパ、H2拮抗薬および5HT1A作働薬などがあるが、これらに限定されるものではない。 受容体のサブタイプもしくはサブユニット、イオンチャンネル、酵素その他の機序を標的とすることで生じる上記化合物その他の化合物と類似する薬理プロファイルまたは臨床的効果を有する他の化合物も、その化合物が本願出願後に発見されたとしても、抗精神病薬という用語に包含されるものと見なすべきである。 好適な典型的抗精神病薬の例には、下記の化合物などがあるが、これらに限定されるものではない。 ハロペリドール(ハルドール)、4−(4−クロロフェニル)−1−[4−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−4ピペリジニルは、オルト・マクネイル・ファーマシューティカルズ者(Ortho McNeil Pharmaceuticals)から経口剤(液剤、錠剤)または非経口剤の形態で入手可能である。デポー製剤として筋肉投与されるデカン酸ハロペリドールは、長期療法における選択肢である。 クロルプロマジン(ソラジン、ラルガクチル(Largactil))、10−(3−ジメチルアミノプロピル)−2−クロルフェノチアジン、グラクソ・スミスクライン(Glaxo SmithKline)およびその他から経口剤または非経口剤の形態で入手可能である。 フルフェナジン(モデケート(Modecate)、ペルミチル(Permitil)、プロリキシン)、4−[3−[2−(トリフルオロジメチル)フェノチアジン−10H−イル]プロピル]−1−ピペラジンエタノールは、ベーリンガーインゲルハイム社(Boehringer Ingeheim)およびその他から経口剤または非経口剤の形態で入手可能である。デポー製剤として筋肉投与されるデカン酸フルフェナジンは、長期療法における選択肢である。 好適な非定型抗精神病薬の例には、下記の化合物などがあるが、これらに限定されるものではない。 リスペリドン、3−[2−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル)ピペリジノ]エチル]−2−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド−[1,2−a]ピリミジン−4−オンおよび精神疾患の治療におけるそれの使用が、米国特許第4804663号に記載されている。リスペリドンは、ジャンセン(Janssen)から市販されている。リスペリドン、それの投与計画、可能な副作用および他の情報に関する詳細な議論が文献にある(AHFS, Drug Information 2000, p. 2142(the American Society of Hospital Pharmacistsが刊行(編者:McEvoy))。 オランザピン、2−メチル−4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−10H−チエノ[2,3−b][1,5]ベンゾジアゼピンは公知の化合物であり、米国特許第5229382号で統合失調症、統合失調症様障害、急性躁病、軽度の不安状態および精神疾患の治療において有用であると記載されている。オランザピンは、イー・ライ・リリー(Eli Lilly)から市販されている。オランザピン、それの投与計画、可能な副作用などについての詳細な議論が文献にある(AHFS, Drug Information 2000, p. 2135(the American Society of Hospital Pharmacistsが刊行(編者:McEvoy))。 クロザピン、8−クロロ−11−(4−メチル−1−ピペラジニル)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピンが米国特許第3539573号に記載されている。統合失調症治療における臨床的効力が、ハーネスらの報告(Hanes et al, Psychopharmacol. Bull., 24, 62 (1988))に記載されている。クロザピンは、ノバルティス(Novartis)から市販されている。クロザピン、それの投与計画、可能な副作用などについての詳細な議論が文献にある(AHFS, Drug Information 2000, p. 2125(the American Society of Hospital Pharmacistsが刊行(編者:McEvoy))。 クエチアピン、5−[2−(4−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−11−イル −1−ピペラジニル)エトキシ]エタノールおよびそれの統合失調症治療における有用性を示すアッセイでのそれの活性が、米国特許第4879288号に記載されている。クエチアピンは代表的には、それの(E)−2−ブテンジオエート(2:1)塩として投与される。それは、アストラ・ゼネカ(Astra Zeneca)から市販されている。クエチアピン、それの投与計画、可能な副作用および治療の他の側面についての詳細な議論が文献にある(AHFS, Drug Information 2000, p. 2142(the American Society of Hospital Pharmacistsが刊行(編者:McEvoy))。 ジプラジドン、5−[2−[4−(1 ,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)−1 −ピペラジニル]エチル]−6−クロロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンは代表的には、塩酸塩・1水和物として投与される。それは、ファイザー(Pfizer)から市販されている。その化合物は、米国特許第4831031号および5312925号に記載されている。統合失調症治療における有用性を示しアッセイでのそれの活性については、米国特許第4831031号、米国特許第4831031号および5312925号に記載されている。 アルピプラゾール(エビリファイ)は、統合失調症の治療において臨床用途に最近導入された非定型抗精神病薬である。別のデータがブリストール−マイヤーズ・スクイブ(Bristol-Myers Squibb)から入手することができる。ナーベルら(Naber, et al., Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry. 2004 Dec. 28(8): 1213-9)は、アルピプラゾールの抗精神病薬効果を評価している。 セルチンドール、1−[2−[4−[5−クロロ−1−(4−フルオロフェニル)−1H−インドール−3−イル]−1−ピペリジニル]エチル]イミダゾリジン−2−オンは米国特許第4710500号に記載されている。統合失調症治療におけるそれの使用が、米国特許第4710500号、5112838号および5238945号に記載されている。 ゾテピン、2−{(8−クロロジベンゾ[b,f]チエピン−10−イル)オキシ]−N,N−ジメチルエチルアミンは、ゾレプチル(Zoleptil;登録商標)の商標名でクノール(Knoll)から市販されている。それは、日本およびドイツで抗精神病薬としての使用に関して承認されている。 ペロスピロンは、吉富製薬が統合失調症向けに日本で販売している。その化合物に関するさらなる情報が、日本の住友製薬から入手可能である。 異常な感覚ゲーティングおよび神経伝達機序変化が、統合失調症の精神病理における病因として認識されている。一つの良く知られている側面は、統合失調症患者が適切にゲーティングまたは感覚活動を選別する能力の欠如を示すというものである。発明の理論によって制限されるものではないが、α7受容体リガンドが感覚ゲーティング機序を調節し、ニューロン発火および神経伝達物質放出などの神経伝達を変えることで、抗精神病薬の効果に影響を与えると考えられている。 従って、一部の医薬はやはり、5HTおよびドーパミン受容体に作用する進行の初期段階で、本発明にも好適であると考えられている。例えば、メルク・ファーマシューティカルズ(Merck Pharmaceuticals)が研究中のEMR−62218およびエピバンセリン(eplivanserin;Sanofi-Synthelabo)が、ドーパミンの遮断を起こさない5HT2A受容体の選択的阻害薬であると報告されている。SSR−181507(Sanofi-Synthelabo)が混合ドーパミンD2/5HT2A拮抗薬であると報告されており、SB271046(Glaxo SmithKline)は臨床試験に進んでいる5HT6受容体の拮抗薬である。PNU−177864(Pfizer)は、ドーパミンD3受容体の高度に選択的な部分遮断剤であると報告されている。SR−125047(Sanofi-Synthelabo)は、ハロペリドールも結合することが明らかになっている中枢シグマ受容体と称される脳部位を調節する化合物であると報告されている。 カンナビノイド受容体の遮断薬であるリモナバント(以前の名称:SR−141716)も好適である可能性がある。 オサネタントおよびタルネタント(SB223412)などのニューロキニン−3拮抗薬が現在臨床試験での検討下にある。ニューロキニン類は、脳の黒質および線条体領域で認めれるペプチドと称される化合物である。ニューロキニン類は、神経弛緩薬の副作用の一部に関連があると考えられている運動制御に関与する。従って、α7受容体リガンドとニューロキニン−3拮抗薬との組み合わせも、既報の抗精神病薬と同様にして有用なアジュバント療法を示すことが想到される。 統合失調症に対する全く異なるアプローチは、細胞膜での多価不飽和脂肪酸の分解を行う脳酵素の阻害薬の試験である。この種の化合物であるLAX−101d(Laxdale Pharmaceuticals)が臨床試験で登場してきた。そのようなα7作働薬がニューロン活動に影響し得ること、そして膜特性に影響を与えるような機序との組み合わせで、化合物の有効性に影響を与える可能性のあることが想到される。それら化合物の製造方法および関連する投与情報に関するさらなる情報が、臨床試験の進行に伴って個々の製造者から得ることができる。 ニコチン性アセチルコリンサブタイプα7受容体リガンド 既報の抗精神病薬効力が、その抗精神病薬とニコチン性アセチルコリンサブタイプα7受容体リガンド(α7受容体リガンド)との併用によって驚くほど改善し得ることが認められている。そのようなα7受容体リガンドは、そのような薬剤の副作用プロファイルを増悪させることなく、抗精神病薬の効力を高める上で非常に有効である。 ニコチン性アセチルコリンサブタイプα7受容体リガンドは、受容体の活性を変えることでニコチン性アセチルコリンサブタイプα7受容体の機能を調節する。好適な化合物は、α7受容体を部分的に遮断もしくは部分的に活性化する部分作働薬またはその受容体を活性化する作働薬であることもできる。陽性アロステリック調節剤は、受容体の受容体活性化や脱感作を誘発することなく、アセチルコリンに対する受容体の応答を強化する化合物である。本発明に好適なニコチン性アセチルコリンサブタイプα7受容体リガンドには、完全作働薬、部分作働薬または陽性アロステリック調節剤などがあり得る。 α7受容体リガンドの特性決定を行う一つの方法は、それらが[3H]−MLAアッセイによって調べた場合に約1nmol〜約10μMのKi値を示すことであり、多くのものが結合1μM未満の値(「KiMLA」)を有する。本発明の化合物の[3H]−シチシン結合値(「KiCyt」)は、約50nMから100μM強の範囲であった。好ましい化合物の決定は代表的には、[3H]−シチシン結合によって測定されたKiCyt値を考慮したMLAアッセイによって測定されたKiMLAが、式D=KiCyt/KiMLAにおいてDが少なくとも50となるようなものであると見なした。例えば、好ましい化合物は代表的には、α4β2受容体と比較してα7受容体で高い効力を示す。MLAおよび[3H]−シチシン結合アッセイが公知であるが、それらアッセイを行う上での詳細については、国際公開WO2005/028477;WO2005/066168;US20050137184;US20050137204;US20050245531;WO2005/066166;WO2005/066167;およびWO2005/077899に記載されている。 1nM〜10μMの範囲の濃度での陽性アロステリック調節剤は、ニューロンまたは細胞系で内因的に、またはアフリカツメガエル卵母細胞または細胞系での組換えタンパク質の発現を介して発現されるα7ニコチン性受容体でのアセチルコリンの応答を促進する。 従って、本発明に好適なα7受容体リガンドは、各種化学分類のものであることができる。特には、本発明に好適なα7受容体リガンドのいくつかの例として、例えば国際公開WO2005/028477に記載されているジアザビシクロアルカン誘導体;例えば国際公開WO2005/066168に記載されているスピロ環状キヌクリジンエーテル誘導体;例えば米国公開US20050137184号、US20050137204号およびUS20050245531号に記載の縮合二環式複素環置換キヌクリジン誘導体;例えば国際公開WO2005/066166に記載されている3−キヌクリジニルアミノ置換ビアリール誘導体;例えば国際公開WO2005/066167に記載の3−キヌクリジニルヘテロ原子架橋ビアリール誘導体;ならびに例えば国際公開WO2005/077899に記載のアミノ置換三環誘導体(これら刊行物はいずれも、参照によってその全体が本明細書に組み込まれるものとする)などがあるが、これらに限定されるものではない。そのようなα7受容体リガンドを、認識上の効果を得るために抗精神病薬と併用することが記載されているが、抗精神病薬の副作用プロファイルを増悪することなく、その薬剤の効力を高めるのにα7受容体リガンドを使用することは明瞭には想到されていない。 例えば、ジアザビシクロアルカン誘導体は下記式を有し、またはその製薬上許容される塩、エステル、アミドまたはプロドラッグである。 式中、 Zは、下記式のジアザ二環式アミン:であり; Ar1は、下記式(a)または(b)の5員もしくは6員芳香族環:であり; Ar2は、未置換もしくは置換5員もしくは6員ヘテロアリール環;未置換もしくは置換二環式ヘテロアリール環;3,4−(ジメチレンジオキシ)フェニル;カルバゾリル;テトラヒドロカルバゾリル;ナフチル;およびフェニルからなる群から選択され;Ar2は、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシスルホニル、アルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、ニトロ、−NRARB、(NRARB)アルキル、(NRARB)カルボニル、(NRARB)スルホニルおよびフェニルからなる群から選択される0、1、2もしくは3個の置換基で置換されており;ただし、Y1がOまたはSであり、Y2がNであり、Y3が−CR3であり、R3が水素であり、Y4がCである場合、Ar2は5−テトラゾリルではなく; X1、X2、X3およびX4はそれぞれ独立にNおよび−CR3からなる群から選択され、ただしR3はX1、X2、X3およびX4がいずれも−CR3である場合に少なくとも一つの場合で水素ではなく; Y1、Y2およびY3はそれぞれ独立に、N、O、Sおよび−CR3からなる群から選択され; Y4はCおよびNからなる群から選択され、ただし、Y4がCである場合、Y1、Y2およびY3のうちの少なくとも一つが−CR3以外であり; l、m、n、oおよびpはそれぞれ独立に0、1もしくは2からなる群から選択され、ただし、l、m、n、oおよびpの合計は3、4または5であり、さらにはlおよびoの合計が少なくとも1であって、mおよびpの合計が少なくとも1であり; R1は、水素、アルケニル、アルキルアルコキシカルボニル、アリールアルキルおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され; R2は各場合で独立に、水素、アルコキシカルボニルおよびアルキルからなる群から選択され; R3は各場合で独立に、水素およびアルキルからなる群から選択され; RAおよびRBはそれぞれ独立に、水素、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アリールカルボニル、ホルミルおよび(NRCRD)スルホニルからなる群から選択され; RCおよびRDはそれぞれ独立に、水素およびアルキルからなる群から選択される。 ジアザビシクロアルカン誘導体の一つの製造方法では、市販の3,6−ジクロロピリダジンをアリール−またはヘテロアリール−ボロン酸、パラジウム(0)および塩基で処理して、相当するモノアリールモノクロロピリダジンを得る。得られたモノアリールモノクロロピリダジンを、好適な保護ジアザ二環部分および塩基で処理して、保護ジアザ二環置換ピリダジンを得ることができる。そのような保護ジアザ二環置換ピリダジン誘導体は、当業者には公知の還元的アミノ化を用いて脱保護およびアルキル化して、アルキル化ジアザ二環置換ピリダジンを得る。 ジアザビシクロアルカン誘導体を製造する別の方法では、ジハロゲン化5員または6員環を有する好適な保護ジアザ二環部分およびPd(0)をNaOtBuまたはCs2CO3などの塩基で処理して、ハロアリールジアミンを得る。ハロアリールジアミンはさらに、アリールまたはヘテロアリールボロン酸およびPd(0)で、またはアリールまたはヘテロアリール有機スタンナンおよびPd(0)で処理して、保護ビアリール化ジアミンを得ることができる。前述の脱保護もしくは保護およびアルキル化によって、好適なジアザビシクロアルカン誘導体が得られる。ジアザビシクロアルカン誘導体の製造についてのさらなる説明が、2005年3月31日公開の国際公開WO2005/028477(参照によって全体が本明細書に組み込まれるものとする)にある。 縮合ビシクロ複素環置換キヌクリジン誘導体は下記式を有し、またはそれの製薬上許容される塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグである。 式中、 n1は0、1または2であり; AはNまたはN+−O−であり; X10は、O、Sおよび−N(R11)−からなる群から選択され; Ar11は、0、1、2、3または4個の窒素原子を含む6員芳香族環であり、Ar11は0、1、2、3または4個のアルキル基で置換されており; Ar12は、下記式の基:であり; Z11、Z12、Z13およびZ14は独立にCおよび−C(R3b)からなる群から選択され;ただし、Z11、Z12、Z13およびZ14のうちでCであるものは0個もしくは1個であり; Z15、Z16、Z17およびZ18は独立に、Cおよび−C(R3b)からなる群から選択され;ただし、Z15、Z16、Z17およびZ18のうちでCであるものは0個もしくは1個であり; Z19、Z20、Z21、Z22、Z23、Z24、Z25およびZ26は独立にCおよび−C(R3c)からなる群から選択され;ただし、Z19、Z20、Z21、Z22、Z23、Z24、Z25およびZ26のうちでCであるのは1個であり、式(e)の基はそのC原子を介してAr11に結合しており; Y11は各場合で独立に、O、S、−N(R12)、−C(R13)および−C(R13)(R13a)からなる群から選択され; Y12は、−N(R12)、C(=O)、−C(R13)および−C(R13)(R13a)からなる群から選択され; Y13は、−N(R12)、−C(R13)および−C(R13)(R13a)からなる群から選択され;ただし、式(c)の基においてY11、Y12およびY13のうちで−C(R13)であるのは0個または1個であり; 式(c)の基においてY11、Y12およびY13のうちで−C(R13)であるのが1個である場合、Z11、Z12、Z13およびZ14はそれぞれ−C(R13b)であり、式(c)の基は、Y11、Y12もしくはY13のうちの−C(R13)のC原子を介してAr11に結合しており;Z11、Z12、Z13およびZ14のうちの1個がCである場合も、Y11、Y12およびY13は−C(R13)以外であり、式(c)の基はZ11、Z12、Z13またはZ14のそのC原子を介してAr11に結合しており; Y12aおよびY13aは独立に、N、Cおよび−C(R13a)からなる群から選択され;ただし、Y11が式(d)の基において−C(R13)である場合、Y12aおよびY3aはNおよび−C(R13a)からなる群から選択され、Y12aおよびY13aのうちの1個がCである場合、式(d)の基におけるY11はO、S、−N(R12)または−C(R13)(R13a)であり; Z15、Z16、Z17およびZ18のうちの1個がCである場合、式(d)の基におけるY11はO、S、−N(R12)および−C(R13)(R13a)からなる群から選択され;Y12aおよびY13aはそれぞれ独立に、Nおよび−C(R13a)からなる群から選択され;式(b)の基はZ15、Z16、Z17またはZ18のうちの前記Cを介してAr11に結合しており;やはり式(d)の基におけるY11が−C(R13)であるか、Y12aおよびY13aのうちの1個がCである場合、Z15、Z16、Z17およびZ18はそれぞれ−C(R13b)であり、式(d)の基は式(d)の基におけるY11の−C(R13)のC原子を介して、またはY12aもしくはY13aのC原子を介してAr11に結合しており; R11およびR12は各場合でそれぞれ独立に、水素およびアルキルからなる群から選択され; R13およびR13aは各場合でそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、アルキル、アリール、−OR、−NR15R16、−アルキル−OR14および−アルキル−NR15R16からなる群から選択され; R13bおよびR13cは各場合でそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、アルキル、アリール、−OR14、−NR15R16、−アルキル−OR14、−アルキル−NR15R16および−SCNからなる群から選択され; R14は、水素、アルキル、アリール、アルキルカルボニルおよびアリールカルボニルからなる群から選択され; R15およびR16は各場合でそれぞれ独立に、水素、アルキル、アリール、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニルおよびアリールカルボニルからなる群から選択され、ただし、R15およびR16のうちの少なくとも1個が水素またはアルキルであり; R18は水素およびアルキルからなる群から選択される。 縮合ビシクロ複素環置換キヌクリジン誘導体の一つの製造方法では、文献(Org. Lett., 2002, 4, 973)に記載の方法に従って、3−キヌクリジノールをブロモ、クロロもしくはヨード置換ハロフェニルヨージド、CuI、Cs2CO3および1,10−フェナントロリンで処理して、ハロフェノキシキヌクリジン誘導体を得る。得られたハロフェノキシキヌクリジン誘導体を、パラジウム触媒存在下にビス(ピナコラト)ジボロンまたはビス(カテコラト)ジボロンで処理して、相当するスズおよびボロン酸を得て、それを縮合ビシクロ複素環のハライドと反応させて、縮合ビシクロ複素環置換エーテルを得ることができる。縮合ビシクロ複素環置換アミンおよび縮合ビシクロ複素環置換チオエーテルも、3−キヌクリジノールおよびハロフェニルヨージドに代えて公知の原料を用いる以外は同様にして製造することができ、例えば3−キヌクリジノンとハロ置換アニリンを反応させて縮合ビシクロ複素環置換アミンを得たり、あるいは3−クロロキヌクリジンをハロビアリールチオールと反応させて縮合ビシクロ複素環置換チオエーテルを得る。縮合ビシクロ複素環置換キヌクリジン誘導体の製造についてのさらなる説明が、2005年6月23日公開の米国公開US20050137184号;2005年6月23日公開のUS20050137204号;および2005年11月3日公開のUS20050245531(これらはそれぞれ、参照によって全体が本明細書に組み込まれるものとする)にある。 スピロ環状キヌクリジンエーテル誘導体;3−キヌクリジニルアミノ置換ビアリール誘導体、3−キヌクリジニルヘテロ原子架橋ビアリール誘導体;およびアミノ置換三環誘導体も製造することができ、本発明において好適である。そのような化合物の製造についてのさらなる説明が、2005年7月21日公開の国際公開番号WO2005/066168;2005年7月21日公開のWO2005/066166;2005年7月21日公開のWO2005/066167;および2005年8月25日公開のWO2005/077899(これらはそれぞれ、参照によって全体が本明細書に組み込まれるものとする)にある。 α7作働薬または部分作働薬であると報告されている化合物の例として、例えばWO2004/016608およびWO2004/022556に記載のキヌクリジン誘導体;および例えばやはりWO2004/016608に記載されているチロロン誘導体がある。 陽性アロステリック調節剤として報告されている化合物の例としては、例えばWO01/32619、WO01/32620、WO01/32622に記載の5−ヒドロキシインドール類縁体;例えばWO04/098600に記載のテトラヒドロキノリン誘導体;アミノチアゾール誘導体;および例えばWO04/085433に記載のジアリール尿素誘導体がある。 好適なニューロンニコチン性サブタイプα7受容体リガンドである化合物の具体例には、 5−(6−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]ピリダジン−3−イル)−1H−インドール; 2−(6−フェニルピリダジン−3−イル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール; 5−[5−{(1R,5R)−6−ジメチル−3,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−イル}−ピリジン−2−イル]−1H−インドール;および 5−[6−(シス−5−メチル−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル)−ピリダジン−3−イル−1H−インドール などがあるが、これらに限定されるものではない。 ニコチン性アセチルコリン受容体α7サブタイプの活性を調節する化合物は、それが受容体に影響する形態を問わず、本発明において好適である。α7活性を示すと報告されている他の化合物には、キヌクリジンアミド誘導体、例えばPNU−282987、WO04/052894に記載のN−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−4−クロロベンズアミドおよびその他、ならびにMEM−3454などがあるが、これらに限定されるものではない。別の化合物には、ARR17779、AZD0328、WB−56203、SSR−180711A、GTS21およびOH−GTS−21(これらはいずれも、公に入手可能な文献に記載されている)などがあり得るが、これらに限定されるものではない。α7を示すことが研究下で報告されているさらに別の化合物には、TC−5619およびバレニクリン(varenicline)がある。TC−5619に関するさらなるデータが、ターガセプト(Targacept)から入手可能である。バレニクリンについてのさらなるデータがファイザーから入手可能である。 上記の具体的な化合物以外に、親化合物の各種製薬上許容される塩、エステルおよびアミドも、本発明の組成物、方法および製造品に組み込むことが可能であることは、当業者には容易に理解できると考えられる。 好適な製薬上許容される塩基付加塩には、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびアルミニウム塩などのアルカリ金属およびアルカリ土類金属に基づくカチオンならびに無毒性4級アンモニアおよびアンモニウム、テトラジメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、ジメチルアミン、ジメチルアミン、トリジメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミンなどのアミンカチオンなどがあるが、これらに限定されるものではない。塩基付加塩の形成に有用な他の代表的な有機アミンには、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジンなどがある。 他の可能な化合物には、製薬上許容されるアミドおよびエステルなどがある。「製薬上許容されるエステル」とは、エステル結合の加水分解時に、カルボン酸の生理的有効性および特性を保持し、生理的にも他の形態でも望ましくないものとはならないエステルを指す。プロドラッグとしての製薬上許容されるエステルの説明に関しては、文献(Bundgaard, E., ed., (1985) Design of Prodrugs, Elsevier Science Publishers, Amsterdam;参照によって本明細書に組み込まれる)を参照する。これらのエステルは代表的には、相当するカルボン酸およびアルコールから形成される。一般にはエステル形成は、従来の合成技術によって行うことができる(例えば、マーチの著作(March Advanced Organic Chemistry, 3rd Ed., John Wiley & Sons, New York p. 1157 (1985))およびそこに引用されている参考文献、ならびにマークらの著作(Mark et al. Encyclopedia of Chemical Technology, John Wiley & Sons, New York (1980))を参照する。これらはいずれも参照によって本明細書に組み込まれる。)。そのエステルのアルコール成分は通常、(i)1以上の二重結合を有することができるか有することができず、分岐炭素を有することができるか有することができないC2〜C12脂肪族アルコールまたは(ii)C7〜C12芳香族もしくはヘテロ芳香族アルコールを含む。本発明はまた、本明細書に記載の両方のエステルであり、同時にそれの製薬上許容される塩である組成物の使用をも想到するものである。 「製薬上許容されるアミド」とは、アミド結合の加水分解時に、カルボン酸の生理的有効性および特性を保持し、生理的にも他の形態でも望ましくないものとはならないアミドを指す。プロドラッグとしての製薬上許容されるアミドの説明に関しては、文献(Bundgaard, H., ed., (1985) Design of Prodrugs, Elsevier Science Publishers, Amsterdam)を参照する。これらのアミドは代表的には、相当するカルボン酸およびアミンから形成される。一般にはアミド形成は、従来の合成技術によって行うことができる(例えば、マーチの著作(March Advanced Organic Chemistry, 3rd Ed., John Wiley & Sons, New York p. 1152 (1985))およびマークらの著作(Mark et al. Encyclopedia of Chemical Technology, John Wiley & Sons, New York (1980))を参照する。これらはいずれも参照によって本明細書に組み込まれる。)。本発明はまた、本明細書に記載のアミドであり、同時にそれの製薬上許容される塩である組成物の使用をも想到するものである。 投与後に化学プロセスもしくは生理的プロセスを介してイン・ビボで薬剤を放出する薬剤前駆体の投与によって、これら化合物がイン・ビボで発生し得ることは、当業者には容易に明らかであろう(例えば、生理pHとなった時や酵素作用によって親化合物が所望の薬剤形態に変換される)。 投与 上記のように、処置を必要とする患者(すなわち、ヒト)に対して、抗精神病薬およびα7受容体リガンドを同時に投与することで精神病状態を治療することが可能であることが発見された。そのような併用は、用量範囲を拡大し、EPSの発生率を低下させる上で特に有用であることが発見された。 本願で使用される場合に、「同時投与」という用語は、患者の症状が軽快し得る適切な時点で、少なくとも1種類の抗精神病薬が処方(または消費)されている患者に対して、α7受容体リガンドを投与することを指す。これは、α7受容体リガンドおよび抗精神病薬の同時投与または異なるが適切な時点でのそれら医薬の投与を意味することができる。そのような適切な投与計画を確立することは、精神科医その他の医師などの当業者には容易に明らかになろう。 抗精神病薬およびα7受容体リガンドを同時に投与する用量範囲は、広く変動し得る。具体的な用量は、選択される特定の抗精神病薬、患者の病気の重度、患者が患っている他の医学的状態または疾患、患者が服用している他の薬剤およびそれらが相互作用もしくは有害事象を引き起こす可能性、患者の抗精神病薬に対する過去の応答ならびに他の因子を考慮して、患者の担当医が選択する。 抗精神病薬およびα7受容体リガンドは、患者の統合失調症または関連状態を治療する上で有効な量で同時に投与すべきである。より一般的には、上記のガイドラインの精神に従って、抗精神病薬1用量およびα7受容体リガンド1用量を選択することで、本発明の組み合わせを作ることになろう。 本発明の抗精神病薬療法は、同時に身体で化合物の有効レベルを提供するように、α7受容体リガンドとともに抗精神病薬を投与することで行う。代表的にはその組み合わせは、経口投与される。 しかしながら本発明は、経口投与に限定されない。本発明は、関与する医薬および患者に適した投与経路を網羅するものと解釈すべきである。例えば、経口薬を服用するのを忘れやすかったり、嫌がる患者には、経皮投与が非常に望ましい。医薬を拒否する患者には注射が適切である可能性がある。特定の環境下で、一つの薬剤を経口などの一つの経路によって投与し、他のものを経皮、皮膚、静脈、筋肉、経鼻または直腸経路によって投与することができる。投与経路は、いずれの形でも変えることができ、薬剤の物理特性ならびに患者および介護者の便宜によって制限される。 下記の例は、本発明をさらに説明するために提供されるものである。それらはいかなる形でも本発明を限定するものと解釈すべきではない。現在入手可能な抗精神病薬の用量範囲は広いものとすることができる。EPSなどの治療を制限する副作用は、既報のように用量に関係するものである。従って、例として、一部の商業的に使用されている抗精神病薬についての代表的な用量範囲は下記の通りである。このリストは完全なものであるわけではなく、現在の臨床的使用そそれのEPSリスクとの相関を例示するに過ぎない。 表1の参考文献には、Practice Guidelines for the Treatment of Psychiatric Disorders Compendium 2002, American Psychiatric Assoc, Washington, D.C., 2002;Kapur and Remington, Ann. Rev. Med, 2001, 52:503-517;Kinon et al, CNS Drugs, 2004, 18:597-616;Tarsy et al, CNS Drugs, 2002, 16:23-45;Kulisevsky and Otermin, Neurologia, 2003, 18:262-268;Davis and Chen; J Clin Psychopharmacol, 2004, 24, 192-208などがある。 単独では有害効果(例:錘体外路系効果)を引き起こさず、そしてα7受容体リガンドなどの抗精神病薬の副作用プロファイルを悪化させずに抗精神病薬の効力を有意に高める薬剤は、抗精神病薬の治療ウィンドウを広げるはずである。補助療法としてα7ニューロンニコチン性受容体リガンド(作働薬、拮抗薬またはアロステリック調節剤)を用いて副作用を悪化させることなく陽性症状の緩和を促進することで治療ウィンドウを大きくすることについては、公知の先行知識はない。しかしながら、補助剤、すなわちα7作働薬もしくは調節剤が抗精神病薬の能力および効力を高める能力によって、臨床医が用量を判定可能な治療ウィンドウを広げることで、抗精神病薬の臨床的有用性を高めることが可能であると考えられる。これは、治療ウィンドウの広がりが小さいが意味のあるものであり得るEPS傾向が最大の典型的抗精神病薬ならびに治療ウィンドウの広がりが実質的にかなり大きいものであると予想される相対的に高い用量でEPSを示す非定型抗精神病薬の両方に関連するものであると考えられる。 従って、本発明において、抗精神病薬をα7受容体リガンドと併用し、有効用量より低い用量を含む比較的低用量で投与して、より良好な効果を得たり、診療所で一般的に遭遇する抗精神病薬関連の副作用を排除または発生率低下させることができる。 抗精神病薬に関連する用量依存的副作用のリスクを有意に低下させるには、α7受容体リガンドを治療法に加える際に、抗精神病薬の用量を25〜50%だけ低下させるか、ないしは一般的な実務で使用される標準最大用量の25〜50に制限することになろう。これらの用量では、患者は陽性症状に対して十分な抗精神病薬効力を保持するが、EPSなどの副作用のリスクは低くなると考えられる。 本明細書で使用される場合の「有効量」という用語は、医学的治療に該当する投与専門家の判断で妥当な利益/リスク比で不安障害、気分障害および精神障害または治療されるべき状態を治療もしくは予防する上で十分な個々の化合物量を指す。 本明細書で使用される場合の「有効量より低い」という用語は、例えば「有効用量より低い用量」または「有効量より低い量」を指すのに用いられるその用語は、医学的治療に該当する投与専門家の判断で妥当な利益/リスク比で不安障害、気分障害および精神障害または治療されるべき状態を治療もしくは予防するための量より少ない個々の化合物の用量または量を指す。 本明細書で使用される場合の「最大有効」という用語は、例えば「最大有効用量」または「最大有効量」を指すのに用いられるその用語は、医学的治療に該当する投与専門家の判断で妥当な利益/リスク比で不安障害、気分障害および精神障害または治療されるべき状態を治療もしくは予防する上で最大の効果を有する個々の化合物の用量または量を指す。 特定の患者における具体的な有効用量は、治療対象の障害およびその障害の重度;用いられる具体的な化合物の活性;用いられる具体的な組成物;年齢などの多様な要素によって決まる。しかしながら、治療を受ける被験者の状態に応じて、用量の多少の変動があるのは当然である。いずれにしても、投与を担当する者が、個々の被験者における適切な用量を決定する。 正確な製剤、投与経路および用量は、患者の状態を考慮しながら個々の医師が選択することができる。用量および投与間隔を個別に調節して、治療効果を維持する上で十分な活性部分の血漿レベルを得ることができる。 下記の用量および本明細書の記述および添付の特許請求の範囲において別途記載されている他の用量は、体重が約65kg〜約70kgである平均的なヒト被験者についてのものである。当業者であれば、被験者の病歴に基づいて、65kg〜70kgの範囲外の体重の被験者に必要な用量を決定することが容易にできるであろう。本明細書および該当する場合は添付の特許請求の範囲を通じて用量はいずれも、1日用量である。 抗精神病薬の好適な量は、表2に示し、α7受容体リガンドの有効用量と合わせた、好ましくは下端での推奨用量範囲に基づいたものである。α7受容体リガンドの有効用量範囲を調節して、臨床試験から判断される有効血漿レベルを確保することになり、その範囲は製造者が推奨する製品の投与期間(1日1回もしくは2回または徐放)に応じた範囲を取り得る。 製剤 抗精神病薬およびα7受容体リガンド化合物は、単一の医薬組成物として、または別個に投与して、併用効果または管理された効果を得ることができる。そのような組成物は、医薬に好適な物理形態を取ることができる。経口投与に好適な医薬組成物が特に好ましい。そのような医薬組成物は、有効量の各化合物を含み、その有効量は投与される化合物の1日用量に関係する。各用量単位は、全ての化合物の1日用量を含むか、その用量の1/3などの1日用量の一部を含むことができる。あるいは、各用量単位は、それら化合物のうちの一つの全用量および他の化合物の用量の一部を含むことができる。そのような場合、患者は組み合わせ用量単位の一つおよび他の化合物のみを含む1以上の単位を1日1回服用することができる。各用量単位に含まれる各薬剤の量は、療法に選択される薬剤の種類ならびに抗精神病薬療法が提供される適応症などの他の要素によって決まる。 その組成物は、少なくとも1種類の製薬上許容される賦形剤または不活性成分を含む。不活性成分および医薬組成物の製剤のやり方は、本発明の組み合わせが存在する以外は従来の通りである。ここでは、薬学で使用される通常の製剤方法を用いることができる。あらゆる通常の種類の組成物を用いることができ、それには錠剤、咀嚼錠、カプセル、液剤、非経口液剤、経鼻噴霧剤もしくは粉剤、トローチ、坐剤、経皮貼付剤および懸濁液などがある。概して組成物は、合計で約0.5%〜約50%の前記化合物を含み、それは所望の用量および使用される組成物の種類によって決まる。しかしながら、化合物の量は最も良好には、有効量、すなわちそのような処置を必要とする患者に対して所望の用量を提供する各化合物の量として定義される。抗精神病薬およびα7受容体リガンド化合物または複数化合物の具体的な組み合わせは、専ら簡便性および経済性を求めて選択および製剤することができる。組み合わせ剤は、いずれか所望の組成物形態で製剤することができる・組成物のいくつかの例を本明細書で記載し、それに続いていくつかの代表的な製剤を示す。 カプセルは、好適な希釈剤と化合物を混合し、適当な量のその混合物をカプセルに充填することで製造する。通常の希釈剤には、多くの種類のデンプン、粉末セルロース、特には結晶セルロースおよび微結晶セルロース、果糖、マニトールおよびショ糖などの糖類、穀物粉および同様の食用粉末などの不活性粉末物質などがある。 所望に応じて、カプセルの製剤は、患者が摂取する前にカプセルから内容物が出るように行うことができる。カプセル内容物は、食物、ジュースその他の物質で希釈して、嚥下が困難な患者への投与が簡単に行えるようにすることができる。そのような製剤の製造方法は、当業者には明らかであろう。 前記医薬は、当業界で公知のように液体またはシロップに製剤して、投与が簡単になるようにすることもできる。その医薬は、当業界で公知のように液体、香味剤、酸化防止剤、安定剤その他の不活性成分に溶解または添加することができる。そのような製剤は、認知症患者などの高齢者に特に好適である。 錠剤は、直接圧縮、湿式造粒または乾式造粒によって製造される。それらの製剤には通常、希釈剤、結合剤、潤滑剤および崩壊剤ならびに前記化合物が組み込まれる。代表的な希釈剤には、例えば各種のデンプン、乳糖、マニトール、カオリン、リン酸カルシウムまたは硫酸カルシウム、塩化ナトリウムなどの無機塩ならびに粉末糖などがある。粉末セルロース誘導体も有用である。代表的な錠剤結合剤は、デンプン、ゼラチンならびに乳糖、果糖、グルコースなどの糖類などの物質である。天然および合成ガム類も簡便であり、それにはアカシア、アルギン酸塩、ジメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどがある。ポリエチレングリコール、エチルセルロースおよびロウ類も結合剤として作用し得る。 潤滑剤は、錠剤および穿孔機がダイスに粘着するのを防ぐ上で錠剤製剤で必要である。潤滑剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸カルシウム、ステアリン酸および硬化植物油などの滑りの良い固体から選択される。 錠剤崩壊剤は、濡れた時に膨潤して錠剤を破壊し、化合物を放出する物質である。それには、デンプン類、クレー類、セルロース類、アルギン類およびガム類などがある。詳細には、例えばトウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン、ジメチルセルロース、寒天、ベントナイト、木材セルロース、粉末天然スポンジ、カチオン交換樹脂、アルギン酸、グアーガム、かんきつ類パルプおよびカルボキシジメチルセルロース、さらにはラウリル硫酸ナトリウムを用いることができる。 胃の強酸含有物から有効成分を保護するために、腸溶製剤を用いる場合が多い。そのような製剤は、酸環境下で不溶であって塩基性環境下で可溶性であるポリマーのフィルムで固体製剤をコーティングすることで形成される。フィルムの例としては、酢酸フタル酸セルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、ジメチルセルロースフタル酸ヒドロキシプロピルおよびジメチルセルロース酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルがある。 錠剤は多くの場合、香味剤および封入剤として糖でコーティングする。前記化合物は、現在は確立された実務であるように、製剤中に大量のマニトールなどの味の良い物質を用いることで、咀嚼錠として製剤することもできる。現在では、患者に製剤を確実に服用させ、一部の患者では悩みの種である嚥下困難を回避するために、急速溶解錠のような製剤が使用されることも非常に多い。 組み合わせ剤を坐剤として投与することが望ましい場合は、通常の基剤を用いることができる。カカオ脂は従来の坐剤基剤であり、それにロウを加えて調整することで、それの融点を若干高くすることができる。特には各種分子量のポリエチレングリコール類を含む水混和性坐剤基剤も広く使用されている。 経皮貼付剤も、前記組み合わせ剤を投与する上で好適である。代表的には経皮貼付剤は、薬剤を溶解もしくは部分溶解させ、組成物を保護するフィルムによって皮膚と接触した状態に保持される樹脂性組成物を含む。より複雑な貼付剤組成物も使用され、特には浸透圧作用によって薬剤がポンプ吸収される無数の孔が貫通した膜を有するものがある。 包装 患者への便宜性を高めるため、抗精神病薬およびα7受容体リガンドは単一の製剤に調剤することができる。あるいは、別個の製剤を用いるが、例えばブリスターパックのように、薬剤師が調剤する単一の容器に包装することができる。そのような包装は代表的には、患者が投与法を遵守し、必要な医薬を全て消費するのを助けるために設計されるものである。 製造品とは代表的には包装を指し、抗精神病薬を含む第1の医薬剤形およびα7受容体リガンドを含む第2の医薬剤形を含むことができる。製造品は、第1および第2の医薬剤形を単一剤形で、または別個の剤形で含むことができる。そのような包装の例は製薬業界の当業者には公知である。例えば、ファイザーは、ジスロマック(登録商標)と称される抗生物質を流通させている。患者は、初日に丸薬2個を服用し、その後4日間にわたって丸薬1個を服用して、感染を根絶させなければならない。患者にそのような複雑な投与計画を遵守させるため、ファイザーは、一般にZパックと称されるブリスタパックに医薬を包装している。用量を漸減させなければならないステロイドで、同様の包装を用いる。経口避妊薬は、便宜性を高めるための医薬包装の別の例である。 抗精神病薬およびα7受容体リガンドをそのような包装に組み込んで、患者の便宜性を高めることができる。所望に応じて、抗精神病薬およびα7受容体リガンドが単一剤形であったとしても、そのような包装を用いることができる。そのような包装の特定のものについては、当業者には容易に明らかになろう。 当業者には公知であるように、包装された医薬には添付文書が含まれている。そのような添付文書は、医薬、それの用量、可能性のある副作用および適応症について記載したものである。従って本発明は、少なくとも一つのα7受容体リガンドと組み合わせて少なくとも一つの抗精神病薬化合物を含む包装を包含するものと解釈すべきである。その化合物は、単一剤形であるか、別個の剤形であることができる。 精神障害 上記のように、抗精神病薬とα7受容体リガンドの組み合わせは、精神疾患および他の障害または統合失調症以外の精神病において効力を有する。 例えば、統合失調症様障害は、統合失調症と同じ症状を示す状態であるが、急性発症して2週間〜6ヶ月以内に寛解する点を特徴とする。多くの場合、統合失調症様障害は、患者の最初の統合失調症エピソードを説明するのに用いられる。患者は統合失調症の急性期に認められるものと同じ症状を呈するが、患者には統合失調症の病歴がない。臨床医は、統合失調症様障害を「初期統合失調症」とも称する。統合失調症様障害の治療は、本発明の投与および製剤について前述した方法で行うことができる。 本発明に従って治療可能な精神障害の例には、例えば偏執症型、解体型、緊張性型、未分化型または残留型の統合失調症;統合失調症様障害;例えば妄想型または抑鬱型の統合失調性感情障害、;妄想性障害;短期精神病性障害;感応精神病;全身の医学的状態による精神障害;例えばアルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、オピオイド類またはフェンシクリジンによって誘発される精神疾患などの物質誘発性精神障害;偏執症型の人格障害;統合失調症型の人格障害;特定不能の精神障害などがあるが、これらに限定されるものではない。 各種タイプおよびサブタイプの精神障害に割り当てられた意味は、DSM−IV−TRに記載されているものである(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 4th ed., American Psychiatric Assoc, Washington, D. C, 2002, p. 297-343)。 本明細書で使用される統合失調症とは、少なくとも6ヶ月続き、少なくとも1ヶ月の活動期症状(すなわち、妄想、幻覚、解体した会話、顕著に解体した行動もしくは緊張病性行動、陰性症状のうちの2以上)を含む障害を指す(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, DSM-IV-TR, 4th ed., American Psychiatric Assoc, Washington, D.C., 2002)。 統合失調性感情障害は、統合失調症の気分エピソードおよび活動期症状が一緒に起こり、顕著な気分症状なしに少なくとも2週間の妄想もしくは幻覚がその前または後にある障害と定義される(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, DSM-IV- TR, 4th ed., American Psychiatric Assoc, Washington, D. C, 2002)。 統合失調症様障害は、期間(すなわち、障害が1〜6ヶ月間続く)および機能低下をさせる必要性がない点以外は統合失調症と等価である症状発現を特徴とする障害と定義される(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, DSM-IV-TR, 4th ed., American Psychiatric Assoc, Washington, D. C, 2002)。 統合失調症型障害は、親密な人間関係を形成する能力がないこと、常軌を逸した行動および軽度の知覚変容を特徴とする社会的および対人的欠陥の生涯的パターンと定義される。 本発明は、妄想性障害;短期精神病性障害;感応精神病;例えばアルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、オピオイド類またはフェンシクリジンによって誘発される精神疾患などの物質誘発性精神障害;全身の医学的状態による精神障害;偏執症型の人格障害;統合失調症型の人格障害;および特定不能の精神障害などの他の精神障害の治療に用いることができる。 例えば、本明細書で使用される統合失調症、統合失調症様障害または統合失調性感情障害の治療は、前記障害の1以上症状(陽性、陰性および他の関連する特徴)の治療、例えば妄想もしくは幻覚または関連するそのような症状の治療をも包含するものである。統合失調症および統合失調症様障害および統合失調性感情障害の症状の他の例には、解体した会話、感情的平坦化、アロギー、無快感症、不相応な情動、不快な気分(例えば抑鬱、不安または怒りの形態でのもの)および認知機能障害のいくつかの適応症などがある。 本明細書で言及される妄想性障害は、統合失調症の他の活動期症状がない少なくとも1ヶ月間の異常性のない妄想を特徴とする(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, DSM-IV-TR, 4th ed., American Psychiatric Assoc, Washington, D. C, 2002)。 短期精神病性障害は、1日を超えて続き、1ヶ月までに軽減する障害である(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, DSM-IV-TR, 4th ed., American Psychiatric Assoc, Washington, D. C, 2002)。 感応精神病は、同様の内容の比較的長く続く妄想を有する他者によって影響される個人における妄想の存在を特徴とする(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, DSM-IV TR, 4th ed., American Psychiatric Assoc, Washington, D. C, 2002)。 全身の医学的状態による精神障害は、全身の医学的状態の直接的な生理的結果であると判断される精神病症状を特徴とする(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, DSM-IV- TR, 4th ed., American Psychiatric Assoc, Washington, D.C., 2002)。 特定不能の精神障害は、DSM−IVTRで定義される特定の精神障害のいずれの基準も満足しない精神病的発現である(American Psychiatric Assoc, Washington, D. C, 2002)。 別の実施形態において、本発明で使用される化合物は、アルツハイマー型の認知症;物質誘発性精神錯乱;および精神病の特徴を有する大鬱病性障害などの関連する特徴としての精神病症状を持って現れ得る他の障害の治療において有用である。 好ましい実施形態において、本発明で使用される化合物は、統合失調症、統合失調性感情障害、統合失調症様障害または統合失調症型障害の治療において有用である。 本発明はさらに、以前は「情動障害」と呼ばれていた気分障害を治療するのに用いることができる。気分障害は明瞭に描写される病気の群ではないが、それには単極性鬱病および双極性鬱病、全般性不安障害および広場恐怖症、パニック障害および対人恐怖などのより特定の不安障害、強迫性障害および心的外傷後ストレス障害(PTSD)などがある。これらの病気の間には高レベルの類似性および併存性があり、臨床医は単一の群としてそれらを考えることができる。 異なるタイプおよびサブタイプの気分障害に割り当てられている意味は、抑鬱性障害(「単極性鬱病」)および双極性障害、全般性不安障害および広場恐怖症、パニック障害および対人恐怖などのより特定の不安障害、強迫性障害および心的外傷後ストレス障害(PTSD)下にDSM−IV−TR(その内容は、参照によって本明細書に組み込まれる)に記載されている(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 4th ed., American Psychiatric Assoc, Washington, D. C, 2002, p. 345-484)。 本明細書で使用される「情動障害」という用語は、「気分障害」という用語と互換的に使われ、例えば抑鬱などの一次臨床症状としての気分の変化を特徴とする障害を指す。 下記の実施例は、本発明の各種態様を説明することを目的として提供されるものであって、いかなる形でも本発明を限定するものと解釈すべきではない。 実施例1:臨床的に使用される典型的および非定型抗精神病薬は、DBAマウスモデルで有効である 感覚ゲーティングおよび情報処理の機能障害は、永続的異常、幻覚および注意散漫などの臨床的特徴に関連していると推定されており、感覚の過剰負担、認識の断片化および解体の前駆状態であると考えられてきた。生理的尺度の中で、一つのアプローチは、プレパルス抑制(PPI)パラダイムによる驚愕反射が関与するものであった。統合失調症の患者は、驚愕のプレパルス抑制(PPI)に欠損を示し、それは陽性および陰性の両方の症状に関連している。PPIは、大きい音の前に弱い聴覚刺激を行った場合の大きい音に対する音響驚愕反射における低下を指す。短い先導間隔で、これは驚愕応答の大きさの顕著な低減およびゲーティングならびにそれの反応時間の延長の効果を有する。PPIの障害が、ドーパミンおよびセロトニンの作働薬およびグルタミン酸/N−ジメチルDアスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬によって起こるか、遺伝子操作(例:DBA2マウス株)および実験的操作(例:隔離状態でのラットの飼育、神経毒性病変その他の方法)によって誘発することができる。DBA2マウス株でのPPIにおける自然発生欠損は、抗精神病薬を評価する上での有効なモデルであることが示されており、基底線PPIにおける上昇が、ハロペリドール、リスペリドンおよびクロザピンなどの臨床的に有効な抗精神病薬によって認められている(Olivier B., et al., Psychopharmacology (2001) vol. 156:284-290;Ouagazzal A-M., Psychopharmacology (2001) vol. 156:273-283;Simosky J.K., Psychopharmacology (2003) vol. 165:386-396)。試験を行うために、下記の材料および方法を用いた。 動物:6〜8週齢の雄DBA/2Jマウス(Jackson Laboratories AX9 facility, Bar Harbor, Maine, USA)を全ての実験で用いた。動物は、標準施設条件下に12時間明/暗周期で8匹ずつの群で飼育し(6:00時に点灯)、飼料および飲料水は自由に摂取させた。 化学薬品:ハロペリドール、(分子量(MW)が375.9である4−(4−[4−クロロフェニル]−4−ヒドロキシ−1−ピペリジニル)−1−(4−フルオロフェニル)−1−ブタノン)は、シグマ−アルドリッチ(Sigma-Aldrich, St. Louis, Missouri, USA)から入手した。クロザピン(8−クロロ−11−(4−ジメチル−1−ピペラジニル)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン、MW326.83)はトクリス(Tocris, Ellisville, Missouri, USA)から入手した。リスペリドン(3−[2−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]エチル]−6,7,8,9−テトラヒドロ−2−ジメチル−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン、MW410.5)は、ICNバイオメディカルズ社(ICN Biomedicals Inc., Aurora, Ohio, USA)から入手した。 化合物の調製;ハロペリドール、クロザピンおよびリスペリドンをいずれも水/酢酸に溶解させ、NaOHでpHを5.5に標準化した。化合物はいずれも、0.1mL/10g(体重)の容量で液剤にて投与した。 実験手順:驚愕応答およびPPIを、ハミルトン・キンダー(Hamilton Kinder, Poway, California, USA)からの驚愕チャンバを用いて測定した。各チャンバには、換気されて音が減弱された小室に収納された調節可能な天井を有するプレキシグラス製の矩形体が入っていた。天井は個体(動物ごと)ごとに調節して、十分な頭上スペースが取れるが、後ろスペースがなく、広い移動ができないようにした。チャンバを、驚愕応答をコンピュータに伝達するための圧電円板に取り付けた錨板の上に設置した。各チャンバ内に置いた拡声器から、バックグラウンドノイズ(65dB)および音響刺激を送った。白色雑音源(Radioshack, USA)により、実験期間にわたって実験室中で一定の白色雑音を維持した。各セッションは、5分間の馴致期間から開始し、その後4回の連続する120dBで40msの試行を行った。これらの試行には、主解析には含ませず、基底線応答と称する。次に、動物には5種類の異なる試行形態、すなわち驚愕パルス(120dB、40)または20秒間にわたる3つの音レベル(70、75または80dB)のうちのいずれかの前パルス刺激と、それに続いて100ms後の40msにわたる音響驚愕(120dB)を行った。各条件下で合計12の試行をランダムな順序で行い、試行は全て、5〜25秒の可変の試行間間隔によって分けた。最後に、この手順は4回の120dB、40msの音バースト付与で終了した(主解析には含めず、基底線解析または馴化解析に含めた)。動物には試験化合物を注射してから、30分後に試行を開始した。驚愕単独の試行では、基本的聴覚驚愕または驚愕応答を測定し、前パルス+驚愕試行ではPPIのレベルを、(代表的には)式:[(前パルス+パルスの驚愕応答)/(パルス単独の驚愕応答)]×100を用いて、各音響前パルス試行型についてのパーセントスコアとして計算した。 統計データ:データは最初に、2つの独立の因子での二元配置反復測定分散分析(ANOVA)を用いて解析した。両方の因子の有意な相互作用があった場合、独立の群として各投与組み合わせを用いて、次の事後一元配置ANOVAを行った。フィッシャーの保護あり最小有意差検定を用いて、全ての事後有意差を求めた(p<0.05を有意と見なした)。 結果:最初の一連の実験によって、DBA2マウスPPIでの抗精神病薬、すなわち典型的(例:ハロペリドール)および非定型(クロザピンおよびリスペリドン)抗精神病薬の両方についての能力を評価した。図1に示したように、ハロペリドールでの効力は3−g/kg(腹腔内)で認められ、クロザピンでは3mg/kg(腹腔内)で、リスペリドンでは0.3および1.0mg/kg(腹腔内)で認められた。この試験は、そのマウスモデル(DBA/2マウス前パルス阻害(PPI)試験)が統合失調症の陽性症状に対する臨床効力の予測因子であることを示している(Olivier B, et al., Psychopharmacology (2001) vol 156:284-290.)。 実施例2:リスペリドンのα7作働薬強化抗精神病薬効果 これら相互作用の性質を評価するため、リスペリドンの有効用量より低い用量(0.1mg/kg)に対するα7作働薬である化合物1(0.1〜10μol/kg(腹腔内))の効果を調べた。下記の材料および方法を用いて試験を行った。 動物:6〜8週齢の雄DBA/2Jマウス(Jackson Laboratories AX9 facility, Bar Harbor, Maine, USA)を全ての実験で用いた。動物は、標準施設条件下に12時間明/暗周期で8匹の群で飼育し(6:00時に点灯)、飼料および飲料水は自由に摂取させた。 化学薬品:化合物1(ロット番号1278527)、5−(6−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ− 3−イルオキシ]ピリダジン−3−イル−1 H−インドール、MW402.32はアボット・ラボラトリーズ(Abbott Laboratories)で製造した。 リスペリドン(3−[2−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]エチル]−6,7,8,9− テトラヒドロ−2−ジメチル−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン、MW410.5)は、ICNバイオメディカルズ社(Aurora, Ohio, USA)から入手した。 化合物の調製:化合物1は生理食塩水に溶かした。リスペリドンは水+酢酸に溶かし、NaOHでpHを5.5に標準化した。化合物はいずれも、0.1mL/10g(体重)の容量で液剤にて投与した。 実験手順:驚愕応答およびPPIを、ハミルトン・キンダー(Hamilton Kinder, Poway, California, USA)からの驚愕チャンバを用いて測定した。各チャンバには、換気されて音が減弱された小室に収納された調節可能な天井を有するプレキシグラス製の矩形体が入っていた。天井は個体(動物ごと)ごとに調節して、十分な頭上スペースが取れるが、後ろスペースがなく、広い移動ができないようにした。チャンバを、驚愕応答をコンピュータに伝達するための圧電円板に取り付けた錨板の上に設置した。各チャンバ内に置いた拡声器から、バックグラウンドノイズ(65dB)および音響刺激を送った。白色雑音源(Radio Shack, USA)により、実験期間にわたって実験室中で一定の白色雑音を維持した。各セッションは、5分間の馴致期間から開始し、その後4回の連続する120dBで40msの試行を行った。これらの試行には、主解析には含ませず、基底線応答と称する。次に、動物には5種類の異なる試行形態、すなわち驚愕パルス(120dB、40)または20秒間にわたる3つの音レベル(70、75または80dB)のうちのいずれかの前パルス刺激と、それに続いて100ms後の40msにわたる音響驚愕(120dB)を行った。各条件下で合計12の試行をランダムな順序で行い、試行は全て、5〜25秒の可変の試行間間隔によって分けた。最後に、この手順は4回の120dB、40msの音バースト付与で終了した(主解析には含めず、基底線解析または馴化解析に含めた)。動物には試験化合物を注射してから、30分後に試行を開始した。併用投与試験では、α7作働薬を投与してから、10分後にリスペリドンを投与した。試行は、2回目の注射から30分後に開始した。驚愕単独の試行では、基本的聴覚驚愕または驚愕応答を測定し、前パルス+驚愕試行ではPPIの量を、(代表的には)式:[(前パルス+パルスの驚愕応答)/(パルス単独の驚愕応答)]×100を用いて、各音響前パルス試行型についてのパーセントスコアとして計算した。 統計データ:データは最初に、2つの独立の因子での二元配置反復測定分散分析(ANOVA)を用いて解析した。両方の因子の有意な相互作用があった場合、独立の群として各投与組み合わせを用いて、次の事後一元配置ANOVAを行った。フィッシャーの保護あり最小有意差検定を用いて、全ての事後有意差を求めた(p<0.05を有意と見なした)。 結果:図2に示したように、化合物1単独(0.04mg/kgで)では効果がないが、有効用量より低い用量のリスペリドン(0.1mg/kg)と併用すると、最大有効応答が得られる。そのような応答は、10倍高い用量のリスペリドン(1.0mg/kg)によって得られるものと同様である。結果は、通常は弱い効力の用量を、作働薬によってα7受容体活性化に対して強固な効力を示すようにできることを示している。この効果を達成するのに必要な化合物1の血漿濃度は100nM未満である。試験は、統合失調症の陽性症状に対する臨床効力を予測させるものであると考えられているマウスモデルで(DBA/2マウス前パルス阻害(PPI)試験)、α7受容体リガンドが抗精神病薬であるリスペリドンの能力および効力の両方を高めることを示している。従って、そのような抗精神病薬をα7受容体リガンドと併用すると、それを相対的に低い用量で投与して、より良好な効果を得て、診療所において一般的に遭遇する抗精神病薬関連の副作用を排除または低減することが可能である。陽性アロステリック調節剤は、内因性(アセチルコリン)および外因性(例:化合物1)作働薬のα7ニューロンニコチン性受容体に対する効果を高める化合物であり、従ってそのような薬剤も同様の効果を有することが期待されると考えられる。 実施例3:α7作働薬はリスペリドンのような副作用プロファイルを示さず、リスペリドンの強硬症効果を増悪しない 抗精神病薬医薬の副作用の一つが、ドーパミンD2受容体の遮断による錘体外路系運動障害症候群である。錘体外路系運動障害は、齧歯類での抗精神病薬によって誘発される強行症応答によって予測可能である。化合物1単独で強硬症応答が誘発されるか、抗精神病薬の強硬症効果が妨害されるか否かを評価するため、下記の一連の試験を行った。試験を行うのに用いた材料および方法は以下の通りである。 動物:体重300〜325gの雄スプレーグ・ドーリーラット(CRL:CD(SD)、Charles River Laboratories, Omaha, Nebraska)を実験に用いた。動物は標準条件下にラット4匹ずつの群で12時間明/暗周期で飼育し(0600時に点灯)、飼料および飲料水は自由に摂取させた。 化学薬品:化合物1(ロット番号1278527)、MW402.32はアボット・ラボラトリーズで製造した。リスペリドン(3−[2−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]エチル]−6,7,8,9−テトラヒドロ−2−ジメチル−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン、MW410.5)は、ICNバイオメディカルズ社(Aurora, Ohio, USA)から入手した。 化合物の調製:化合物1は生理食塩水に溶かした。リスペリドンは水+酢酸に溶かし、NaOHでpHを5.5に標準化した。化合物はいずれも、1.0mL/kg(体重)の容量で液剤にて投与した。 実験手順:ラットを取り扱い、開始に先立って試験室に馴致させた。試験当日、ラットを個々のケージに移動させ、少なくとも1時間平穏にしておいた。化合物はいずれも、1.0mL/kg(腹腔内)で投与する。併用投与の場合、α7作働薬を投与してから、10分後にリスペリドンを投与した。ラットを、注射から60分後、120分後、180分後および240分後に強硬症応答について調べ、試験セッション間ではケージに戻した。強硬症の程度を、金属棒(直径1.1cmで、テーブル上面から上方8cmのところに吊り下げたもの)の上に両前足をやさしく置くことで測定した。ラットが両足を棒から外すまでの時間(秒単位)を記録し、最大カットオフは300秒とした。各種時間点での強硬症の合計期間を解析に用いた。各ラットについて少なくとも5回の試行を試みて、強硬症についての下端カットオフとして5秒を用いた(ゼロとスコアを付けた時間)。5〜15秒の強硬症時間において、5回の試行の最大時間を記録した。交互に、15秒を超える(300秒まで)強硬症試行時間を記録した。 統計データ: データは最初に、2つの独立の因子での二元配置反復測定分散分析(ANOVA)を用いて解析した。両方の因子の有意な相互作用があった場合、独立の群として各投与組み合わせを用いて、次の事後一元配置ANOVAを行った。スチュデントのt検定を用いて、全ての事後有意差を求めた(p<0.05を有意と見なした)。 結果:図3に示したように、0.04mg/kg(実施例2に示したリスペリドンの抗精神病薬効果をブーストした用量)〜4mg/kgの用量範囲の化合物1単独では、EPS予測因子である強硬症を誘発しなかった。さらに化合物1は、併用投与した場合にリスペリドン(2.5mg/kg(腹腔内))の強硬症行動も変えなかった。図3に示したように、リスペリドン(2.5mg/kg(腹腔内))単独で、強硬症効果が誘発され、化合物1を加えてもその効果は高くならなかった。この試験は、α7作働薬がEPS効果を示さず、抗精神病薬の副作用プロファイルを変える可能性を持たないことを示している。しかしながら、抗精神病薬の効力が同等の用量で向上することから、正味の効果は、α7ニューロンニコチン性受容体リガンドとの併用において治療ウィンドウでの全体的改善である。 実施例4:ハロペリドールのα7作働薬強化抗精神病薬効果 PPIモデルを用いて、選択的α7ニコチン性受容体作働薬である化合物1(0.04〜4.0mg/kg)の有効用量より少ない用量のハロペリドールに対する効果を調べた。 動物:6〜8週齢の雄DBA/2Jマウス(Jackson Labs AX9 facility, Bar Harbor, Maine, USA)を用いた。動物は、標準施設条件下に12時間明/暗周期で8匹ずつの群で飼育し(6:00時に点灯)、飼料および飲料水は自由に摂取させた。 化学薬品:化合物1(ロット番号1278527)MW402.32はアボット・ラボラトリーズ(Abbott Laboratories)で製造した。ハロペリドール(4−(4−[4−クロロフェニル]−4−ヒドロキシ−1−ピペリジニル)−1−(4−フルオロフェニル)−1−ブタノン、MW375.9)は、シグマ−アルドリッチ(Sigma-Aldrich, St. Louis, Missouri, USA)から入手した。 化合物の調製;化合物1は生理食塩水に溶かした。ハロペリドールは水+酢酸に溶解させ、NaOHでpHを5.0に標準化した。化合物はいずれも、0.1mL/10g(体重)の容量で液剤にて投与した。 実験手順:驚愕応答およびPPIを、ハミルトン・キンダー(Hamilton Kinder, Poway, California, USA)からの驚愕チャンバを用いて測定した。各チャンバには、換気されて音が減弱された小室に収納された調節可能な天井を有するプレキシグラス製の矩形体が入っていた。天井は個体(動物ごと)ごとに調節して、十分な頭上スペースが取れるが、後ろスペースがなく、広い移動ができないようにした。チャンバを、驚愕応答をコンピュータに伝達するための圧電円板に取り付けた錨板の上に設置した。各チャンバ内に置いた拡声器から、バックグラウンドノイズ(65dB)および音響刺激を送った。白色雑音源(Radio Shack, USA)により、実験期間にわたって実験室中で一定の白色雑音を維持した。各セッションは、5分間の馴致期間から開始し、その後4回の連続する120dBで40msの試行を行った。これらの試行には、主解析には含ませず、基底線応答と称した。次に、動物には5種類の異なる試行形態、すなわち驚愕パルス(120dB、40)または20秒間にわたる3つの音レベル(70、75または80dB)のうちのいずれかの前パルス刺激と、それに続いて100ms後の40msにわたる音響驚愕(120dB)を行うか、全く刺激を行わなかった。各条件下で合計12の試行をランダムな順序で行い、試行は全て、5〜25秒の可変の試行間間隔によって分けた。最後に、この手順は4回の120dB、40msの音バースト付与で終了した(主解析には含めず、基底線解析または馴化解析に含めた)。動物には試験化合物を注射してから、30分後に試行を開始した。併用投与試験では、α7作働薬を投与してから、10分後にハロペリドールを投与した。試行は、2回目の注射から30分後に開始した。驚愕単独の試行では、PPIの量を、(代表的には)式:[(前パルス+パルスの驚愕応答)/(パルス単独の驚愕応答)]×100を用いて、各音響前パルス試行型についてのパーセントスコアとして計算した。 統計データ:データは最初に、2つの独立の因子での二元配置反復測定分散分析(ANOVA)を用いて解析した。両方の因子の有意な相互作用があった場合、独立の群として各投与組み合わせを用いて、次の事後一元配置ANOVAを行った。ダンネットの多重比較検定を用いて、全ての事後有意差を求めた(p<0.05を有意と見なした)。 結果:図4に示したように、ハロペリドール(0.3mg/kg)は、化合物1存在下に、より有効であることが認められた。化合物1とハロペリドールの併用は、より高用量のハロペリドール(3mg/kg)単独より効果的であった。これは、通常は効果が弱い用量が、作働薬によってα7受容体活性化に対する強固な効力を示すようになり得ることを示している。この効果を得る上で必要な化合物1の血漿濃度は約3ng/mL(約10nM)である。 実施例5:α7作働薬はハロペリドールの効力を妨害しない 化合物1がハロペリドールの効果を減弱させることができるか否かを評価するため、化合物1(0.04〜4.0mg/kg(腹腔内))を投与してから10分後に最大有効用量のハロペリドールを投与する試験を行った。 動物:6〜8週齢の雄DBA/2Jマウス(Jackson Labs AX9 facility, Bar Harbor, Maine, USA)を用いた。動物は、標準施設条件下に12時間明/暗周期で8匹ずつの群で飼育し(6:00時に点灯)、飼料および飲料水は自由に摂取させた。 化学薬品:化合物1(ロット番号1278527)MW402.32はアボット・ラボラトリーズ(Abbott Laboratories)で製造した。ハロペリドール(4−(4−[4−クロロフェニル]−4−ヒドロキシ−1−ピペリジニル)−1−(4−フルオロフェニル)−1−ブタノン、MW375.9)は、シグマ−アルドリッチ(Sigma-Aldrich, St. Louis, Missouri, USA)から入手した。 化合物の調製;化合物1は生理食塩水に溶かした。ハロペリドールは水+酢酸に溶解させ、NaOHでpHを5.0に標準化した。化合物はいずれも、0.1mL/10g(体重)の容量で液剤にて投与した。 実験手順:驚愕応答およびPPIを、ハミルトン・キンダー(Hamilton Kinder, Poway, California, USA)からの驚愕チャンバを用いて測定した。各チャンバには、換気されて音が減弱された小室に収納された調節可能な天井を有するプレキシグラス製の矩形体が入っていた。天井は個体(動物ごと)ごとに調節して、十分な頭上スペースが取れるが、後ろスペースがなく、広い移動ができないようにした。チャンバを、驚愕応答をコンピュータに伝達するための圧電円板に取り付けた錨板の上に設置した。各チャンバ内に置いた拡声器から、バックグラウンドノイズ(65dB)および音響刺激を送った。白色雑音源(Radio Shack, USA)により、実験期間にわたって実験室中で一定の白色雑音を維持した。各セッションは、5分間の馴致期間から開始し、その後4回の連続する120dBで40msの試行を行う。これらの試行には、主解析には含ませず、基底線応答と称した。次に、動物には5種類の異なる試行形態、すなわち驚愕パルス(120dB、40)または20秒間にわたる3つの音レベル(70、75または80dB)のうちのいずれかの前パルス刺激と、それに続いて100ms後の40msにわたる音響驚愕(120dB)を行うか、全く刺激を行わなかった。各条件下で合計12の試行をランダムな順序で行い、試行は全て、5〜25秒の可変の試行間間隔によって分けた。最後に、この手順は4回の120dB、40msの音バースト付与で終了した(主解析には含めず、基底線解析または馴化解析に含めた)。動物には試験化合物を注射してから、30分後に試行を開始した。併用投与試験では、α7作働薬を投与してから、10分後にハロペリドールを投与した。試行は、2回目の注射から30分後に開始した。驚愕単独の試行では、PPIの量を、(代表的には)式:[(前パルス+パルスの驚愕応答)/(パルス単独の驚愕応答)]×100を用いて、各音響前パルス試行型についてのパーセントスコアとして計算した。 統計データ:データは最初に、2つの独立の因子での二元配置反復測定分散分析(ANOVA)を用いて解析した。両方の因子の有意な相互作用があった場合、独立の群として各投与組み合わせを用いて、次の事後一元配置ANOVAを行った。ダンネットの多重比較検定を用いて、全ての事後有意差を求めた(p<0.05を有意と見なした)。 結果:図5に示したように、ハロペリドールの減弱は認められなかった。実際には、化合物1存在下では、効果の有意な増強が認められた。併用によって認められた効力のレベルは、高用量の非定型抗精神病薬リスペリドンで認められる効力と同等であり、それはそのモデルで最大もしくはほぼ最大の程度の効力であった。 実施例6:化合物2、α7ニューロンニコチン性受容体化合物のDBAマウスでの評価 PPIモデルを用いて、別の選択的α7ニコチン性受容体作働薬である化合物2の効果を調べた。 動物:6〜8週齢の雄DBA/2Jマウス(Jackson Labs AX9 facility, Bar Harbor, Maine, USA)を用いた。動物は、標準施設条件下に12時間明/暗周期で8匹ずつの群で飼育し(6:00時に点灯)、飼料および飲料水は自由に摂取させた。 化学薬品:化合物2(ロット番号1115256)2−(6−フェニルピリダジン−3−イル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロールMW 380.32はアボット・ラボラトリーズ(Abbott Laboratories)で製造した。 化合物の調製;化合物2は生理食塩水に溶かした。化合物は、0.1mL/10g(体重)の容量で液剤にて投与した。 実験手順:驚愕応答およびPPIを、ハミルトン・キンダー(Hamilton Kinder, Poway, California, USA)からの驚愕チャンバを用いて測定した。各チャンバには、換気されて音が減弱された小室に収納された調節可能な天井を有するプレキシグラス製の矩形体が入っていた。天井は個体(動物ごと)ごとに調節して、十分な頭上スペースが取れるが、後ろスペースがなく、広い移動ができないようにした。チャンバを、驚愕応答をコンピュータに伝達するための圧電円板に取り付けた錨板の上に設置した。各チャンバ内に置いた拡声器から、バックグラウンドノイズ(65dB)および音響刺激を送った。白色雑音源(Radio Shack, USA)により、実験期間にわたって実験室中で一定の白色雑音を維持した。各セッションは、5分間の馴致期間から開始し、その後4回の連続する120dBで40msの試行を行った。これらの試行には、主解析には含ませず、基底線応答と称する。次に、動物には5種類の異なる試行形態、すなわち驚愕パルス(120dB、40)または20秒間にわたる3つの音レベル(70、75または80dB)のうちのいずれかの前パルス刺激と、それに続いて100ms後の40msにわたる音響驚愕(120dB)を行うか、全く刺激を行わなかった。各条件下で合計12の試行をランダムな順序で行い、試行は全て、5〜25秒の可変の試行間間隔によって分けた。最後に、この手順は4回の120dB、40msの音バースト付与で終了した(主解析には含めず、基底線解析または馴化解析に含めた)。動物には試験化合物を注射してから、30分後に試行を開始した。驚愕単独の試行では、PPIの量を、(代表的には)式:[(前パルス+パルスの驚愕応答)/(パルス単独の驚愕応答)]×100を用いて、各音響前パルス試行型についてのパーセントスコアとして計算した。 統計データ:データは最初に、2つの独立の因子での二元配置反復測定分散分析(ANOVA)を用いて解析した。両方の因子の有意な相互作用があった場合、独立の群として各投与組み合わせを用いて、次の事後一元配置ANOVAを行った。ダンネットの多重比較検定を用いて、全ての事後有意差を求めた(p<0.05を有意と見なした)。 結果:図6に示したように、化合物2単独では、0.04〜4.0mg/kgで効果を示さなかった。 実施例7:α7作働薬である化合物2は、リスペリドンの抗精神病薬効果を増強した PPIモデルを用いて、有効用量より低い用量のリスペリドンに対する別の選択的α7ニコチン性受容体作働薬である化合物2(0.04〜4.0mg/kg)の効果を調べた。 動物:6〜8週齢の雄DBA/2Jマウス(Jackson Labs AX9 facility, Bar Harbor, Maine, USA)を用いた。動物は、標準施設条件下に12時間明/暗周期で8匹の群で飼育し(6:00時に点灯)、飼料および飲料水は自由に摂取させた。 化学薬品:化合物1(ロット番号115256)MW380.32はアボット・ラボラトリーズで製造した。リスペリドン(3−[2−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]エチル]−6,7,8,9− テトラヒドロ−2−ジメチル−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン、MW410.5)は、ICNバイオメディカルズ社(Aurora, Ohio, USA)から入手した。 化合物の調製:化合物2は生理食塩水に溶かした。リスペリドンは水+酢酸に溶かし、NaOHでpHを5.5に標準化した。化合物はいずれも、0.1mL/10g(体重)の容量で液剤にて投与した。 実験手順:驚愕応答およびPPIを、ハミルトン・キンダー(Hamilton Kinder, Poway, California, USA)からの驚愕チャンバを用いて測定した。各チャンバには、換気されて音が減弱された小室に収納された調節可能な天井を有するプレキシグラス製の矩形体が入っていた。天井は個体(動物ごと)ごとに調節して、十分な頭上スペースが取れるが、後ろスペースがなく、広い移動ができないようにした。チャンバを、驚愕応答をコンピュータに伝達するための圧電円板に取り付けた錨板の上に設置した。各チャンバ内に置いた拡声器から、バックグラウンドノイズ(65dB)および音響刺激を送った。白色雑音源(Radio Shack, USA)により、実験期間にわたって実験室中で一定の白色雑音を維持した。各セッションは、5分間の馴致期間から開始し、その後4回の連続する120dBで40msの試行を行った。これらの試行には、主解析には含ませず、基底線応答と称する。次に、動物には5種類の異なる試行形態、すなわち驚愕パルス(120dB、40ms)または20秒間にわたる3つの音レベル(70、75または80dB)のうちのいずれかの前パルス刺激と、それに続いて100ms後の40msにわたる音響驚愕(120dB)を行うか、全く刺激を行わなかった。各条件下で合計12の試行をランダムな順序で行い、試行は全て、5〜25秒の可変の試行間間隔によって分けた。最後に、この手順は4回の120dB、40msの音バースト付与で終了した(主解析には含めず、基底線解析または馴化解析に含めた)。動物には試験化合物を注射してから、30分後に試行を開始した。併用投与試験では、α7作働薬を投与してから、10分後にリスペリドンを投与した。試行は、2回目の注射から30分後に開始した。驚愕単独の試行では、PPIの量を、(代表的には)式:[(前パルス+パルスの驚愕応答)/(パルス単独の驚愕応答)]×100を用いて、各音響前パルス試行型についてのパーセントスコアとして計算した。 統計データ:データは最初に、2つの独立の因子での二元配置反復測定分散分析(ANOVA)を用いて解析した。両方の因子の有意な相互作用があった場合、独立の群として各投与組み合わせを用いて、次の事後一元配置ANOVAを行った。ダンネットの多重比較検定を用いて、全ての事後有意差を求めた(p<0.05を有意と見なした)。 結果:図7に示したように、リスペリドン(0.1mg/kg)は、化合物2の存在下に効力が高まることが認められ、0.4〜4.0mg/kgの化合物2と組み合わせると最大効力(1.0mg/kgのリスペリドンによって認められる効力と同等)となった。これは、通常な効果が弱い用量が、別の選択的作働薬によって、α7受容体活性化に対して強固な効力を示すようになり得ることを示している。 実施例8:DBAマウスにおけるα7ニューロンニコチン性受容体化合物である化合物3の評価 PPIモデルを用いて、別の選択的α7ニコチン性受容体作働薬である化合物3の効果を調べた。 動物:6〜8週齢の雄DBA/2Jマウス(Jackson Labs AX9 facility, Bar Harbor, Maine, USA)を用いた。動物は、標準施設条件下に12時間明/暗周期で8匹ずつの群で飼育し(6:00時に点灯)、飼料および飲料水は自由に摂取させた。 化学薬品:化合物3(ロット番号1163769)N−(3R)−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタ−3−イル−4−クロロベンズアミド・フマレートMW402.45はアボット・ラボラトリーズで合成した。あるいは化合物3は、トクリス(Ellisville, Missouri, USA)から入手可能である。 化合物の調製;化合物3は生理食塩水に溶かした。化合物3は、0.1mL/10g(体重)の容量で液剤にて投与した。 実験手順:驚愕応答およびPPIを、ハミルトン・キンダー(Hamilton Kinder, Poway, California, USA)からの驚愕チャンバを用いて測定した。各チャンバには、換気されて音が減弱された小室に収納された調節可能な天井を有するプレキシグラス製の矩形体が入っていた。天井は個体(動物ごと)ごとに調節して、十分な頭上スペースが取れるが、後ろスペースがなく、広い移動ができないようにした。チャンバを、驚愕応答をコンピュータに伝達するための圧電円板に取り付けた錨板の上に設置した。各チャンバ内に置いた拡声器から、バックグラウンドノイズ(65dB)および音響刺激を送った。白色雑音源(Radio Shack, USA)により、実験期間にわたって実験室中で一定の白色雑音を維持した。各セッションは、5分間の馴致期間から開始し、その後4回の連続する120dBで40msの試行を行った。これらの試行には、主解析には含ませず、基底線応答と称する。次に、動物には5種類の異なる試行形態、すなわち驚愕パルス(120dB、40)または20秒間にわたる3つの音レベル(70、75または80dB)のうちのいずれかの前パルス刺激と、それに続いて100ms後の40msにわたる音響驚愕(120dB)を行うか、全く刺激を行わなかった。各条件下で合計12の試行をランダムな順序で行い、試行は全て、5〜25秒の可変の試行間間隔によって分けた。最後に、この手順は4回の120dB、40msの音バースト付与で終了した(主解析には含めず、基底線解析または馴化解析に含めた)。動物には試験化合物を注射してから、30分後に試行を開始した。驚愕単独の試行では、PPIの量を、(代表的には)式:[(前パルス+パルスの驚愕応答)/(パルス単独の驚愕応答)]×100を用いて、各音響前パルス試行型についてのパーセントスコアとして計算した。 統計データ:データは最初に、2つの独立の因子での二元配置反復測定分散分析(ANOVA)を用いて解析した。両方の因子の有意な相互作用があった場合、独立の群として各投与組み合わせを用いて、次の事後一元配置ANOVAを行った。ダンネットの多重比較検定を用いて、全ての事後有意差を求めた(p<0.05を有意と見なした)。 結果:図8に示したように、化合物3単独では、1.0〜10.0mg/kgで効果を示さなかった。 実施例9:α7作働薬はリスペリドンの抗精神病薬効果を増強した PPIモデルを用いて、有効用量より低い用量のリスペリドンに対する選択的α7ニコチン性受容体作働薬である化合物3(1.0〜10.0mg/kg)の効果を調べた。 動物:6〜8週齢の雄DBA/2Jマウス(Jackson Labs AX9 facility, Bar Harbor, Maine, USA)を用いた。動物は、標準施設条件下に12時間明/暗周期で8匹の群で飼育し(6:00時に点灯)、飼料および飲料水は自由に摂取させた。 化学薬品:化合物3であるN−(3R)−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタ−3−イル−4−クロロベンズアミド・フマレートMW402.45はアボット・ラボラトリーズで製造した。リスペリドン(3−[2−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]エチル]−6,7,8,9− テトラヒドロ−2−ジメチル−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン、MW410.5)は、ICNバイオメディカルズ社(Aurora, Ohio, USA)から入手した。 化合物の調製:化合物3は生理食塩水に溶かした。リスペリドンは水+酢酸に溶かし、NaOHでpHを5.5に標準化した。化合物はいずれも、0.1mL/10g(体重)の容量で液剤にて投与した。 実験手順:驚愕応答およびPPIを、ハミルトン・キンダー(Hamilton Kinder, Poway, California, USA)からの驚愕チャンバを用いて測定した。各チャンバには、換気されて音が減弱された小室に収納された調節可能な天井を有するプレキシグラス製の矩形体が入っていた。天井は個体(動物ごと)ごとに調節して、十分な頭上スペースが取れるが、後ろスペースがなく、広い移動ができないようにした。チャンバを、驚愕応答をコンピュータに伝達するための圧電円板に取り付けた錨板の上に設置した。各チャンバ内に置いた拡声器から、バックグラウンドノイズ(65dB)および音響刺激を送った。白色雑音源(Radio Shack, USA)により、実験期間にわたって実験室中で一定の白色雑音を維持した。各セッションは、5分間の馴致期間から開始し、その後4回の連続する120dBで40msの試行を行った。これらの試行には、主解析には含ませず、基底線応答と称した。次に、動物には5種類の異なる試行形態、すなわち驚愕パルス(120dB、40ms)または20秒間にわたる3つの音レベル(70、75または80dB)のうちのいずれかの前パルス刺激と、それに続いて100ms後の40msにわたる音響驚愕(120dB)を行うか、全く刺激を行わなかった。各条件下で合計12の試行をランダムな順序で行い、試行は全て、5〜25秒の可変の試行間間隔によって分けた。最後に、この手順は4回の120dB、40msの音バースト付与で終了した(主解析には含めず、基底線解析または馴化解析に含めた)。動物には試験化合物を注射してから、30分後に試行を開始した。併用投与試験では、α7作働薬を投与してから、10分後にリスペリドンを投与した。試行は、2回目の注射から30分後に開始した。驚愕単独の試行では、PPIの量を、(代表的には)式:[(前パルス+パルスの驚愕応答)/(パルス単独の驚愕応答)]×100を用いて、各音響前パルス試行型についてのパーセントスコアとして計算した。 統計データ:データは最初に、2つの独立の因子での二元配置反復測定分散分析(ANOVA)を用いて解析した。両方の因子の有意な相互作用があった場合、独立の群として各投与組み合わせを用いて、次の事後一元配置ANOVAを行った。ダンネットの多重比較検定を用いて、全ての事後有意差を求めた(p<0.05を有意と見なした)。 結果:図9に示したように、リスペリドン(0.1mg/kg)は、化合物3の存在下に効力が高まることが認められ、1.0〜10.0mg/kgの化合物3と組み合わせると最大効力(1.0mg/kgのリスペリドンによって認められる効力と同等)となった。これは、通常な効果が弱い用量が、別の選択的作働薬によって、α7受容体活性化に対して強固な効力を示すようになり得ることを示している。 実施例10:α7作働薬はハロペリドールの強硬症効果を増悪しない 抗精神病薬医薬の副作用の一つが、ドーパミンD2受容体の遮断による錘体外路系運動障害症候群である。錘体外路系運動障害は、齧歯類での抗精神病薬によって誘発される強行症応答によって予測可能である。化合物1単独で強硬症応答が誘発されるか、抗精神病薬の強硬症効果が妨害されるか否かを評価するため、下記の一連の試験を行った。 動物:体重300〜325gの雄スプレーグ・ドーリーラット(CRL:CD(SD)、Charles River Laboratories, Omaha, Nebraska, USA)を実験に用いた。動物は標準条件下にラット4匹ずつの群で12時間明/暗周期で飼育し(0600時に点灯)、飼料および飲料水は自由に摂取させた。 化学薬品:化合物1(ロット番号1278527)、MW402.32はアボット・ラボラトリーズで製造した。ハロペリドール(4−(4−[4−クロロフェニル]−4−ヒドロキシ−1−ピペリジニル)−1−(4−フルオロフェニル)−1−ブタノンMW375.9)は、シグマ・アルドリッチ(St. Louis, Missouri, USA)から入手した。 化合物の調製:化合物1は生理食塩水に溶かした。ハロペリドールは水+酢酸に溶かし、NaOHでpHを5.0に標準化した。化合物はいずれも、1.0mL/kg(体重)の容量で液剤にて投与した。 実験手順:ラットを取り扱い、開始に先立って試験室に馴致させた。試験当日、ラットを個々のケージに移動させ、少なくとも1時間平穏にしておいた。化合物はいずれも、1.0mL/kg(腹腔内)で投与する。併用投与の場合、α7作働薬を投与してから、10分後にハロペリドールを投与した。ラットを、注射から60分後、120分後、180分後および240分後に強硬症応答について調べ、試験セッション間ではケージに戻した。強硬症の程度を、金属棒(直径1.1cmで、テーブル上面から上方8cmのところに吊り下げたもの)の上に両前足をやさしく置くことで測定した。ラットが両足を棒から外すまでの時間(秒単位)を記録し、最大カットオフは300秒とした。各種時間点での強硬症の合計期間を解析に用いた。各ラットについて少なくとも5回の試行を試みて、強硬症についての下端カットオフとして5秒を用いた(ゼロとスコアを付けた時間)。5〜15秒の強硬症時間において、5回の試行の最大時間を記録した。交互に、15秒を超える(300秒まで)強硬症試行時間を記録した。 統計データ:データは最初に、2つの独立の因子での二元配置反復測定分散分析(ANOVA)を用いて解析した。両方の因子の有意な相互作用があった場合、独立の群として各投与組み合わせを用いて、次の事後一元配置ANOVAを行った。スチュデントのt検定を用いて、全ての事後有意差を求めた(p<0.05を有意と見なした)。 結果:図10に示したように、化合物1(0.4mg/kg(腹腔内))は、併用投与した場合にハロペリドール(0.3mg/kg(腹腔内))の強硬症行動を変えなかった。この試験は、α7作働薬が抗精神病薬の副作用プロファイルを変える可能性を持たないことを示している。しかしながら、抗精神病薬の効力が同等の用量で向上することから、正味の効果は、α7ニューロンニコチン性受容体リガンドとの併用において治療ウィンドウでの全体的改善であると考えられる。 実施例11:α7作働薬である化合物2はリスペリドンの強硬症効果を増悪しない 動物:体重300〜325gの雄スプレーグ・ドーリーラット(CRL:CD(SD)、Charles River Laboratories, Omaha, Nebraska, USA)を実験に用いた。動物は標準条件下にラット4匹ずつの群で12時間明/暗周期で飼育し(0600時に点灯)、飼料および飲料水は自由に摂取させた。 化学薬品:化合物2(ロット番号1115256)、MW380.32はアボット・ラボラトリーズで製造した。リスペリドン(3−[2−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]エチル]−6,7,8,9−テトラヒドロ−2−ジメチル−4H−ピリドール[1,2−a]ピリミジン−4−オン、MW410.5)は、ICNバイオメディカルズ社(Aurora, Ohio, USA)から入手した。 化合物の調製:化合物2は生理食塩水に溶かした。リスペリドンは水+酢酸に溶かし、NaOHでpHを5.5に標準化した。化合物はいずれも、1.0mL/kg(体重)の容量で液剤にて投与した。 実験手順:ラットを取り扱い、開始に先立って試験室に馴致させた。試験当日、ラットを個々のケージに移動させ、少なくとも1時間平穏にしておいた。化合物はいずれも、1.0mL/kg(腹腔内)で投与する。併用投与の場合、α7作働薬を投与してから、10分後にリスペリドンを投与した。ラットを、注射から60分後、120分後、180分後および240分後に強硬症応答について調べ、試験セッション間ではケージに戻した。強硬症の程度を、金属棒(直径1.1cmで、テーブル上面から上方8cmのところに吊り下げたもの)の上に両前足をやさしく置くことで測定した。ラットが両足を棒から外すまでの時間(秒単位)を記録し、最大カットオフは300秒とした。各種時間点での強硬症の合計期間を解析に用いた。各ラットについて少なくとも5回の試行を試みて、強硬症についての下端カットオフとして5秒を用いた(ゼロとスコアを付けた時間)。5〜15秒の強硬症時間において、5回の試行の最大時間を記録した。交互に、15秒を超える(300秒まで)強硬症試行時間を記録した。 統計データ:データは最初に、2つの独立の因子での二元配置反復測定分散分析(ANOVA)を用いて解析した。両方の因子の有意な相互作用があった場合、独立の群として各投与組み合わせを用いて、次の事後一元配置ANOVAを行った。スチュデントのt検定を用いて、全ての事後有意差を求めた(p<0.05を有意と見なした)。 結果:図11に示したように、化合物2(4.0mg/kg(腹腔内))は、併用投与した場合にリスペリドン(2.5mg/kg(腹腔内))の強硬症行動を有意に変えなかった。この試験は、別のα7作働薬が抗精神病薬の副作用プロファイルを変える可能性を持たないことを示している。しかしながら、抗精神病薬の効力が同等の用量で向上することから、正味の効果は、α7ニューロンニコチン性受容体リガンドとの併用において治療ウィンドウでの全体的改善であると考えられる。 実施例12:α7作働薬である化合物3はリスペリドンの強硬症効果を増悪しない 動物:体重300〜325gの雄スプレーグ・ドーリーラット(CRL:CD(SD)、Charles River Laboratories, Omaha, Ne)を実験に用いた。動物は標準条件下にラット4匹ずつの群で12時間明/暗周期で飼育し(0600時に点灯)、飼料および飲料水は自由に摂取させた。 化学薬品:化合物3、MW402.45はアボット・ラボラトリーズで製造した。リスペリドン(3−[2−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]エチル]−6,7,8,9−テトラヒドロ−2−ジメチル−4H−ピリドール[1,2−a]ピリミジン−4−オン、MW410.5)は、ICNバイオメディカルズ社(Aurora, Ohio, USA)から入手した。 化合物の調製:化合物3は生理食塩水に溶かした。リスペリドンは水+酢酸に溶かし、NaOHでpHを5.5に標準化した。化合物はいずれも、1.0mL/kg(体重)の容量で液剤にて投与した。 実験手順:ラットを取り扱い、開始に先立って試験室に馴致させた。試験当日、ラットを個々のケージに移動させ、少なくとも1時間平穏にしておいた。化合物はいずれも、1.0mL/kg(腹腔内)で投与する。併用投与の場合、α7作働薬を投与してから、10分後にリスペリドンを投与した。ラットを、注射から60分後、120分後、180分後および240分後に強硬症応答について調べ、試験セッション間ではケージに戻した。強硬症の程度を、金属棒(直径1.1cmで、テーブル上面から上方8cmのところに吊り下げたもの)の上に両前足をやさしく置くことで測定した。ラットが両足を棒から外すまでの時間(秒単位)を記録し、最大カットオフは300秒とした。各種時間点での強硬症の合計期間を解析に用いた。各ラットについて少なくとも5回の試行を試みて、強硬症についての下端カットオフとして5秒を用いた(ゼロとスコアを付けた時間)。5〜15秒の強硬症時間において、5回の試行の最大時間を記録した。交互に、15秒を超える(300秒まで)強硬症試行時間を記録した。 統計データ:データは最初に、2つの独立の因子での二元配置反復測定分散分析(ANOVA)を用いて解析した。両方の因子の有意な相互作用があった場合、独立の群として各投与組み合わせを用いて、次の事後一元配置ANOVAを行った。スチュデントのt検定を用いて、全ての事後有意差を求めた(p<0.05を有意と見なした)。 結果:図12に示したように、化合物3(3.0mg/kg(腹腔内))は、併用投与した場合にリスペリドン(2.5mg/kg(腹腔内))の強硬症行動を有意に変えなかった。この試験は、別のα7作働薬が抗精神病薬の副作用プロファイルを変える可能性を持たないことを示している。しかしながら、抗精神病薬の効力が同等の用量で向上することから、正味の効果は、α7ニューロンニコチン性受容体リガンドとの併用において治療ウィンドウでの全体的改善であると考えられる。 以上、組成物、方法および製造品について、各種の具体的な実施形態および技術を参照しながら説明してきた。本明細書に記載の実施例は、添付の特許請求の範囲で定義の本発明およびそれの均等物の範囲を説明するものであって、それを限定するものではない。DBA2マウスにおけるプレパルス抑制試験での効果を高める上での、それぞれリスペリドン、ハロペリドールおよびクロザピンなどの臨床的に使用される抗精神病薬の効果を表すグラフである。これらの化合物は、臨床的実務で使用される各種の抗精神病薬を代表するものである。DBA2マウスにおけるプレパルス抑制試験での効果を高める上での、それぞれリスペリドン、ハロペリドールおよびクロザピンなどの臨床的に使用される抗精神病薬の効果を表すグラフである。これらの化合物は、臨床的実務で使用される各種の抗精神病薬を代表するものである。DBA2マウスにおけるプレパルス抑制試験での効果を高める上での、それぞれリスペリドン、ハロペリドールおよびクロザピンなどの臨床的に使用される抗精神病薬の効果を表すグラフである。これらの化合物は、臨床的実務で使用される各種の抗精神病薬を代表するものである。有効用量より低い用量の非定型抗精神病薬であるリスペリドンの効果を高める上での化合物1,5−(6−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]ピリダジン−3−イル−1H−インドールの効果をグラフ表示する図である。薬剤誘発強硬症などのリスペリドンに関連する副作用に対する化合物1の効果をグラフ表示する図である。有効用量より低い用量の典型的抗精神病薬であるハロペリドールの効果を高める上での化合物1の効果をグラフ表示する図である。ハロペリドールの効力を妨害しない化合物1をグラフ表示する図である。DBA2マウスでのプレパルス抑制試験におけるα7ニューロンニコチン性作働薬化合物2である2−(6−フェニルピリダジン−3−イル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロールの効果をグラフ表示する図である。化合物2がリスペリドンの効力を強化することをグラフ表示する図である。DBA2マウスでのプレパルス抑制試験におけるα7ニューロンニコチン性作働薬化合物3であるN−(3R)−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタ−3−イル−4−クロロベンズアミドフマレートの効果をグラフ表示する図である。有効用量より低い用量のリスペリドンの効果を高める上での化合物3の効果をグラフ表示する図である。薬剤誘発強硬症などのハロペリドールに関連する副作用に対する化合物1の効果をグラフ表示する図である。薬剤誘発強硬などのリスペリドンに関連する副作用に対する化合物2の効果をグラフ表示する図である。薬剤誘発強硬症などのリスペリドンに関連する副作用に対する化合物3の効果をグラフ表示する図である。 少なくとも1種類の製薬上許容される賦形剤との混合物で、 (i)抗精神病薬;および (ii)ニューロンニコチン性サブタイプα7受容体リガンド を含む組成物。 ニューロンニコチン性受容体α7受容体リガンドが、式D=KiCyt/KiMLAにおいてDが50という値より大きくなるような、[3H]−シチシン結合アッセイによって測定されるKi値(KiCyt)のMLA結合アッセイによって測定されるKi値(KiMLA)の比を示す請求項1の組成物。 ニューロンニコチン性サブタイプα7受容体リガンドが、ニューロンニコチン性サブタイプα7作働薬、ニューロンニコチン性サブタイプα7部分作働薬またはニューロンニコチン性サブタイプα7アロステリック調節剤である請求項1の組成物。 ニューロンニコチン性サブタイプα7受容体リガンドが、ジアザビシクロアルカン誘導体、スピロ環状キヌクリジンエーテル誘導体、ビシクロ複素環置換キヌクリジン誘導体、3−キヌクリジニルアミノ置換ビアリール誘導体、3−キヌクリジニルヘテロ原子架橋ビアリール誘導体およびアミノ置換三環誘導体からなる群から選択される請求項1の組成物。 ニューロンニコチン性サブタイプα7受容体リガンドが、下記式を有し、またはその製薬上許容される塩、エステル、アミドまたはプロドラッグである請求項1の組成物 [式中、 Zは、式:のジアザ二環式アミンであり; Ar1は、下記式(a)または(b):の5員もしくは6員芳香族環であり; Ar2は、未置換もしくは置換5員もしくは6員ヘテロアリール環;未置換もしくは置換二環式ヘテロアリール環;3,4−(メチレンジオキシ)フェニル;カルバゾリル;テトラヒドロカルバゾリル;ナフチル;およびフェニルからなる群から選択され;Ar2は、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシスルホニル、アルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、ニトロ、−NRARB、(NRARB)アルキル、(NRARB)カルボニル、(NRARB)スルホニルおよびフェニルからなる群から選択される0、1、2もしくは3個の置換基で置換されており;ただし、Y1がOまたはSであり、Y2がNであり、Y3が−CR3であり、およびR3が水素であり、ならびにY4がCである場合、Ar2は5−テトラゾリルではなく; X1、X2、X3およびX4はそれぞれ独立にNおよび−CR3からなる群から選択され、ただしR3はX1、X2、X3およびX4がいずれも−CR3である場合に少なくとも一つの場合で水素ではなく; Y1、Y2およびY3はそれぞれ独立に、N、O、Sおよび−CR3からなる群から選択され; Y4はCおよびNからなる群から選択され、ただし、Y4がCである場合、Y1、Y2およびY3のうちの少なくとも一つが−CR3以外であり; l、m、n、oおよびpはそれぞれ独立に0、1もしくは2からなる群から選択され、ただし、l、m、n、oおよびpの合計は3、4または5であり、ならびにさらにはlおよびoの合計が少なくとも1であって、mおよびpの合計が少なくとも1であり; R1は、水素、アルケニル、アルキルアルコキシカルボニル、アリールアルキルおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され; R2は各場合で独立に、水素、アルコキシカルボニルおよびアルキルからなる群から選択され; R3は各場合で独立に、水素およびアルキルからなる群から選択され; RAおよびRBはそれぞれ独立に、水素、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アリールカルボニル、ホルミルおよび(NRCRD)スルホニルからなる群から選択され;および RCおよびRDはそれぞれ独立に、水素およびアルキルからなる群から選択される。]。 ニューロンニコチン性サブタイプα7受容体リガンドが下記式を有し、またはその製薬上許容される塩、エステル、アミドまたはプロドラッグである請求項1の組成物 [式中、 n1は0、1または2であり; AはNまたはN+−O−であり; X10は、O、Sおよび−N(R11)−からなる群から選択され; Ar11は、0、1、2、3または4個の窒素原子を含む6員芳香族環であり、Ar11は0、1、2、3または4個のアルキル基で置換されており; Ar12は、式:の基であり; Z11、Z12、Z13およびZ14は独立にCおよび−C(R3b)からなる群から選択され;ただし、Z11、Z12、Z13およびZ14のうちでCであるものは0個もしくは1個であり; Z15、Z16、Z17およびZ18は独立に、Cおよび−C(R3b)からなる群から選択され;ただし、Z15、Z16、Z17およびZ18のうちでCであるものは0個もしくは1個であり; Z19、Z20、Z21、Z22、Z23、Z24、Z25およびZ26は独立にCおよび−C(R3c)からなる群から選択され;ただし、Z19、Z20、Z21、Z22、Z23、Z24、Z25およびZ26のうちでCであるのは1個であり、および式(e)の基はそのC原子を介してAr1に結合しており; Y11は各場合で独立に、O、S、−N(R12)、−C(R13)および−C(R13)(R13a)からなる群から選択され; Y12は、−N(R12)、C(=O)、−C(R13)および−C(R13)(R13a)からなる群から選択され; Y13は、−N(R12)、−C(R13)および−C(R13)(R13a)からなる群から選択され;ただし、式(c)の基においてY11、Y12およびY13のうちで−C(R13)であるのは0個または1個であり; 式(c)の基においてY11、Y12およびY13のうちで−C(R13)であるのが1個である場合、Z11、Z12、Z13およびZ14はそれぞれ−C(R13b)であり、および式(c)の基は、Y11、Y12もしくはY13のうちの−C(R13)のC原子を介してAr11に結合しており;およびZ11、Z12、Z13およびZ14のうちの1個がCである場合も、Y11、Y12およびY13は−C(R13)以外であり、および式(c)の基はZ11、Z12、Z13またはZ14のそのC原子を介してAr11に結合しており; Y12aおよびY13aは独立に、N、Cおよび−C(R13a)からなる群から選択され;ただし、Y11が式(d)の基において−C(R13)である場合、Y12aおよびY3aはNおよび−C(R13a)からなる群から選択され、ならびにY12aおよびY13aのうちの1個がCである場合、式(d)の基におけるY11はO、S、−N(R12)または−C(R13)(R13a)であり; Z15、Z16、Z17およびZ18のうちの1個がCである場合、式(d)の基におけるY11はO、S、−N(R12)および−C(R13)(R13a)からなる群から選択され;Y12aおよびY13aはそれぞれ独立に、Nおよび−C(R13a)からなる群から選択され;式(d)の基はZ15、Z16、Z17またはZ18のうちのCを介してAr11に結合しており;やはり式(d)の基におけるY11が−C(R13)であるか、Y12aおよびY13aのうちの1個がCである場合、Z15、Z16、Z17およびZ18はそれぞれ−C(R13b)であり、および式(d)の基は式(d)の基におけるY11の−C(R13)のC原子を介して、またはY12aもしくはY13aのC原子を介してAr11に結合しており; R11およびR12は各場合でそれぞれ独立に、水素およびアルキルからなる群から選択され; R13およびR13aは各場合でそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、アルキル、アリール、−OR、−NR15R16、−アルキル−OR14および−アルキル−NR15R16からなる群から選択され; R13bおよびR13cは各場合でそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、アルキル、アリール、−OR14、−NR15R16、−アルキル−OR14、−アルキル−NR15R16および−SCNからなる群から選択され; R14は、水素、アルキル、アリール、アルキルカルボニルおよびアリールカルボニルからなる群から選択され; R15およびR16は各場合でそれぞれ独立に、水素、アルキル、アリール、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニルおよびアリールカルボニルからなる群から選択され、ただし、R15およびR16のうちの少なくとも1個が水素またはアルキルであり;および R18は水素およびアルキルからなる群から選択される。]。 ニューロンニコチン性サブタイプα7受容体リガンドが、 5−(6−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]ピリダジン−3−イル)−1H−インドール; 2−(6−フェニルピリダジン−3−イル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール; 5−[5−{(1R,5R)−6−メチル−3,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−イル}−ピリジン−2−イル]−1H−インドール;および 5−[6−(シス−5−メチル−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル)−ピリダジン−3−イル−1H−インドール からなる群から選択される請求項1の組成物。 ニューロンニコチン性サブタイプα7受容体リガンドが、N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−4−クロロベンズアミド(PNU−282987)、MEM−3454、ARR−1119、AZD0328、WB−56203、SSR−180711A、GTS21、OH−GTS−21、TC−5619またはバレニクリンである請求項1の組成物。 非定型抗精神病薬が、精神病状態の治療において有効量より少ない量で存在する請求項1の組成物。 抗精神病薬が、ハロペリドール、リスペリドン、オランザピン、クロザピン、クエチアピン、ジプラジドン、アルピプラゾール、セルチンドール、ゾテピンおよびペロスピロンからなる群から選択される請求項1の組成物。 患者における精神病状態を治療または予防する上での使用方法であり、 (i)ある量の抗精神病薬を前記患者に投与する段階、および (ii)ある量のニューロンニコチン性受容体サブタイプα7受容体リガンドを前記患者に投与する段階 を有し、(i)および(ii)の量が一緒で、精神障害または情動障害を治療する上で有効であることを特徴とする方法。 (i)の量が有効量より少ない量である請求項11の方法。 患者が、抗精神病薬による治療中に錘体外路系症状を患ったことがある請求項11の方法。 (i)少なくとも1種類の抗精神病薬を含む第1の医薬剤形; (ii)少なくとも1種類のニューロンニコチン性アセチルコリンサブタイプα7受容体リガンドを含む第2の医薬剤形を含む製造品であって、 第1および第2の医薬剤形を収容する製造品。 本発明は、抗精神病薬およびα7ニコチン性アセチルコリン受容体リガンドを含む組成物、それの使用方法ならびに関連する製造品に関するものである。


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