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タイトル:公開特許公報(A)_油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料
出願番号:2008286456
年次:2010
IPC分類:A61K 8/87,A61K 8/06,A61K 8/89,A61K 8/37,A61Q 1/02


特許情報キャッシュ

山口 歌奈子 佐藤 由紀子 JP 2010111634 公開特許公報(A) 20100520 2008286456 20081107 油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料 株式会社資生堂 000001959 長谷川 洋子 100098800 山口 歌奈子 佐藤 由紀子 A61K 8/87 20060101AFI20100423BHJP A61K 8/06 20060101ALI20100423BHJP A61K 8/89 20060101ALI20100423BHJP A61K 8/37 20060101ALI20100423BHJP A61Q 1/02 20060101ALI20100423BHJP JPA61K8/87A61K8/06A61K8/89A61K8/37A61Q1/02 6 OL 14 4C083 4C083AB242 4C083AC122 4C083AC261 4C083AC442 4C083AD042 4C083AD091 4C083AD092 4C083AD151 4C083AD162 4C083AD172 4C083BB25 4C083CC12 4C083DD23 4C083DD32 本発明は油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料に関する。さらに詳しくは、メークの仕上がりが透明感に優れるとともに、べたつかずにしっとりした使用感触を有し、安定性に優れた油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料に関する。 下地化粧料は一般に、液状〜クリーム状のファンデーション(いわゆるリキッドタイプのファンデーション)の肌ののりやのびを良好にして、そのリキッドファンデーションの皮膚への塗布を容易にすることで化粧仕上がりを美しくし、さらには化粧持ちを良好にする等の「プレメーク」手段として広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。そして化粧仕上げには、その上に粉末成分を主とする化粧料〔おしろい、粉体に油分を少量配合した粉末固形状ファンデーション(=パウダリータイプ、ケーキタイプなど)等〕を重ね付けして仕上げる。この場合、しっとりした使用感触を化粧下地料やリキッドタイプのファンデーション等に持たせた場合、重ね付けしたおしろいや粉末固形状ファンデーションなどの粉末成分が薄く均一に付かず、厚付きになったりムラになったりして、仕上がりの透明感を失う傾向がみられる。そのためこれらの問題を解決するベースメーキャップ化粧料の開発が求められていた。 下地化粧料は、加齢に伴うシワ・にきび跡・毛穴などに対する隠蔽力が強く、厚く塗布できるものが需要者に求められる(例えば、特許文献2参照)一方、透明感や素肌感を求める均一な薄付きを求める需要者も多く存在する。後者の需要者に対する下地化粧料においては、均一な薄付きによる透明感を出す方策として、界面活性剤や分散剤の配合量を低減する方法が挙げられる。またいずれのタイプの下地化粧料においても、しっとり感を求めるとべたつく傾向がみられ、このべたつき感を改善するために界面活性剤や分散剤の配合量を低減する方法が挙げられる。 しかしながら、界面活性剤や分散剤の配合量低減は、他方で乳化安定性、粉末分散性を低下させるおそれがある。そこで乳化安定性、分散性を改善するために増粘剤を配合することが行われている。この増粘剤として、両親媒性高分子(会合性増粘剤)が知られている(例えば特許文献3参照)。この特許文献3に示す両親媒性高分子(=疎水変性ポリエーテルウレタン)は、特許文献3の[0008]等にも記載のように、通常、水中油型乳化の系に用いられ、油中水型乳化の系への配合は知られていない。 とりわけ最近のベースメーキャップ化粧料には、紫外線などから肌を守るために紫外線散乱剤である二酸化チタン等の微粒子粉末を配合する傾向にある。このような微粒子粉末を配合する場合、粉末分散性、乳化安定性等のためには、より多くの界面活性剤が必要となり、界面活性剤の配合量の低減は難しく、べたつきを改善することは難しかった。 なお特許文献4には、油中水型乳化の系に水溶性高分子を配合する例が記載されているが、未だべたつきや透明感が十分に得られなかった。特開平9−95431号公報特開平4−364105号公報国際公開第2008/018541号パンフレット特開2006−160714号公報 本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、メークの仕上がりが透明感に優れるとともに、べたつかずにしっとりした使用感触を有し、安定性に優れた油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料を提供することを目的とする。 上記課題を解決するために本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、従来、水中油型乳化系に配合する両親媒性高分子を、特定の条件下で油中水型乳化の系に配合すると、油中水型乳化安定性を向上させ、かつべたつき感も低減することを見出し、本発明を完成させるに至った。 すなわち本発明は、(a)揮発性油分、(b)疎水性粉末、および(c)両親媒性会合性増粘剤を含有する、油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料を提供する。 また本発明は、(c)成分が下記式(I)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンである、上記油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料を提供する。〔式(I)中、R1、R2およびR4は、それぞれ独立に炭化水素基を示し;R3はウレタン結合を有していてもよい炭化水素基を示し;R5は直鎖、分岐鎖または2級の炭化水素基を示し;mは2以上の数であり;hは1以上の数であり;k、nはそれぞれ独立に0〜1000の数である。〕 また本発明は、(a)成分が低沸点シリコーン油である、上記油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料を提供する。 また本発明は、(a)成分が低沸点シリコーン油であるとき、さらに(d)シリコーン系界面活性剤を含有する、上記油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料を提供する。 また本発明は、さらに(e)モノおよび/またはセスキイソステアリン酸と、水酸基4個を有する多価アルコールとのエステルを3質量%以下の配合量割合で含有する、上記油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料を提供する。 また本発明は、化粧下地またはリキッドタイプのファンデーションである、上記油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料を提供する。 本発明により、メークの仕上がりが透明感に優れるとともに、べたつかずにしっとりした使用感触を有し、安定性に優れた油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料が提供される。 以下、本発明について詳述する。 (a)成分としての揮発性油分は、常温で揮発性を有する油分をいい、低沸点(常圧での沸点が260℃以下)の、イソパラフィン系炭化水素油やシリコーン油等が好ましく用いられる。 低沸点イソパラフィン系炭化水素油(軽質イソパラフィン)としては、イソドデカン、イソヘキサデカン等が挙げられる。市販品としてアイソパーA、同C、同E、同G、同H、同K、同L、同M(以上、いずれもエクソン社製)、シェルゾール71(シェル社製)、ソルトロール100、同130、同220(以上、いずれもフィリップ社製)等が挙げられ、これらを用いることができる。 低沸点シリコーン油としては、例えば下記式(II)で表される鎖状シリコーン油、下記式(III)で表される環状シリコーン油(シクロメチコン)等が挙げられる。(式中、pは0〜3の整数を表す)(式中、qは3〜7の整数を表す) 上記式(II)で示される鎖状シリコーン油として、具体的には、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン等が例示される。 上記式(III)で示される環状シリコーン油(シクロメチコン)として、具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルテトラシクロシロキサン〔例えば、「エキセコールD−4」(信越シリコーン社製)、「SH244」、「SH344」(いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン社製〕、デカメチルシクロペンタシロキサン〔例えば、「エキセコールD−5」(信越シリコーン社製)、「SH245」、「DC345」(いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン〔例えば、「DC246」(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製〕、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン等が挙げられる。(a)成分は1種または2種以上を用いることができる。本発明では(a)成分として、乳化安定性の点から、低沸点シリコーン油が好ましく、シクロメチコンがより好ましく用いられる。 (a)成分の配合量は、本発明化粧料全量中、20〜80量%が好ましく、より好ましくは30〜60質量%である。20質量%未満では乳化安定性が低下することから粘度の減少が激しい傾向がみられ、一方、80質量%超では粉末が沈降し、ケーキングする傾向にある。 (b)成分としての疎水性粉末は、粉末自体が疎水性のもののみならず、親水性粉末等であっても粉末表面を疎水化処理した疎水化処理粉末も含む。 疎水性の粉末としては、具体的には、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四フッ化エチレン粉末、セルロース粉末などの有機粉末や、トリメチルシルセスキオキサン粉末などのシリコーン粉末等が例示される。 疎水化処理粉末の粉末成分としては、例えばタルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウムなど)、窒化ホウ素等の無機粉末;二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料;酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料;γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料;黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料;黒酸化鉄、カーボンブラック、低次二酸化チタン等の無機黒色系顔料;マンゴバイオレット、バルトバイオレット等の無機紫色系顔料;酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料;群青、紺青等の無機青色系顔料;二酸化チタンコーテッドマイカ、二酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、二酸化チタンコーテッドタルク、着色二酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等のパール顔料;アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属粉末顔料等が挙げられる。本発明ではこれら粉末成分を疎水化処理したものが用いられる。 疎水化処理方法としては、撥水性を付与できる方法であればいかなるものでもよく、その方法は問わないが、例えば気相法、液相法、オートクレーブ法、メカノケミカル法等、通常の表面処理方法を用いることができる。 例えば疎水化処理剤を原料粉末に添加して処理を行う場合、適当な溶媒(ジクロルメタン、クロロホルム、ヘキサン、エタノール、キシレン、揮発性シリコーン等)に希釈して添加してもよく、あるいは直接添加してもよい。粉末と処理剤の混合攪拌には、ボールミル、ホジャーサイトボールミル、振動ボールミル、アトライター、ポットミル、ロッドミル、パンミル、ホモミキサー、ホモディスパー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等も使用することができる。この他にも、粉末表面の活性を利用し、気相反応により100℃以下の低温で環状オルガノシロキサンを粉末表面上で重合させる方法(特公平1−54380号)や、前記方法の後に表面のシリコーンポリマーのSi−H部分にグリセロールモノアリルエーテル等のペンダント基を付加させる方法(特公平1−54381号)等も用いることができる。 疎水化処理として、具体的には、例えばメチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン・ジメチルポリシロキサンコポリマー、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類を用いた処理;オクチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等のシラン化合物を用いた処理;パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸を用いた処理;前記脂肪酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩等を用いた金属セッケン処理;パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩、パーフルオロアルキルトリメトキシシラン等を用いたフッ素処理等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。 疎水性粉末は撥水性が強く、実際に乳化物に適用した場合も、水や汗に強く、化粧くずれが最も起きにくいため効果の持続性に優れる。また乳化粒子が緻密で長期安定性も最も優れている。 これら疎水性粉末は1種を用いてもよく、あるいは2種以上を用いてもよい。また、一般の化粧品に適用できる疎水性粉末であればよく、上記例示の成分に限定されるものではない。 本発明では特に、紫外線防御の点から、疎水化処理を施した二酸化チタンが好適に用いられる。疎水化処理を施した微粒子二酸化チタンとしては、例えば「TTO−S−4」(比表面積58m2/g)、「TTO−V−4」(比表面積68m2/g)〔いずれも石原産業(株)製〕、「MT−100TV」(比表面積53.7m2/g)、「MT−014Z」(比表面積38m2/g)〔いずれもテイカ(株)製〕等が市販品として挙げられる。(b)成分は1種または2種以上を用いることができる。 (b)成分の配合量は、本発明化粧料全量中、5〜40質量%が好ましく、より好ましくは10〜30質量%である。5質量%未満では界面活性剤や分散剤の過多による色縞の発生や重ね付けしたおしろいや粉末固形状ファンデーションなどの粉末成分が薄く均一に付かず、厚付きになったりムラになったりして、仕上がりの透明感を失う傾向がみられる。一方、40質量%超では粉末の分散不良により色縞が発生しがちである。 (c)成分の両親媒性会合性増粘剤は、親水基部を骨格とし、末端に疎水性部分をもつコポリマーであり、水溶性媒体中でコポリマーの疎水性部分同士が会合し増粘作用を示すものをいう。このような会合性増粘剤は、水溶性媒体中でコポリマーの疎水性部分同士が会合し、親水部がループ状、ブリッジ状をなし、増粘作用を示す。本発明では(c)成分として下記式(I)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンが好ましく用いられる。この式(I)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンは、上記従来技術の欄で挙げた特許文献3に記載の公知の高分子である。 上記式(I)中、R1、R2およびR4は、それぞれ独立に炭化水素基を示す。好ましくは炭素原子数2〜4のアルキレン基またはフェニルエチレン基である。 R3はウレタン結合を有していてもよい炭化水素基を示し、ここで炭化水素基としては炭素原子数1〜10のアルキレン基が好ましい。 R5は直鎖、分岐鎖または2級の炭化水素基を示す。好ましくは炭素原子数8〜36のアルキル基である。 mは2以上の数である。 hは1以上の数である。 k、nはそれぞれ独立に0〜1000の数である。 上記式(I)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンは、例えば、R1−[(O−R2)k−OH]m(ここで、R1、R2、k、mは上記で定義したとおり)で表される1種または2種以上のポリエーテルポリオールと、R3−(NCO)h+1(ここで、R3、hは上記で定義したとおり)で表される1種または2種以上のポリイソシアネートと、HO−(R4−O)n−R5(ここで、R4、R5、nは上記で定義したとおり)で表される1種または2種以上のポリエーテルモノアルコールとを反応させることにより得る方法が好適例として挙げられる。 上記3者の仕込み比は、特に限定されるものでないが、ポリエーテルポリオールおよびポリエーテルモノアルコール由来の水酸基と、ポリイソシアネート由来のイソシアネート基の比が、NCO/OH=0.8:1〜1.4:1であるのが好ましい。 (c)成分は、特許文献3に記載がされているように、通常、水中油型乳化の系に配合されているが、本発明では、後述するように特に(d)成分と組合せて配合することによって油中水型乳化の系に配合することに成功した。本発明では(c)成分として、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマーである「アデカノールGT−700」(旭電化工業(株)製)等が挙げられる。 (c)成分の配合量は、本発明化粧料全量中、0.01〜1質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜0.7質量%、特に好ましくは0.2〜0.5質量%である。0.01質量%未満または1質量%を超えると安定性(分散性、乳化安定性)を得ることが難しい。 (d)成分のシリコーン系界面活性剤は、乳化剤として作用するもので、HLB7以下のものが好ましい。本発明では(a)成分として低沸点シリコーン油を用いる場合に、(d)成分を配合することが特に好ましい。 (d)成分としては特に、下記式(IV)(式中、R6は水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基を表し;rは平均で1〜150の数を表し;uは平均で1〜50の数を表し;a、bは平均で0〜35の数を表す)で表されるポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が好ましく用いられる。ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤は、例えば「シリコーンSC9450N」、「シリコーンSC0938B」、「シリコーンSC0928SL」、「シリコーンSC1014M」(信越化学(株)製)や、「シリコーンSH−3771」(東レ・ダウコーニング社)等として市販されている。(d)成分は1種または2種以上を用いることができる。 (d)成分を配合する場合、その配合量は、本発明化粧料全量中に0.1〜4質量%が好ましく、より好ましくは1〜4質量%、特に好ましくは2〜3質量%である。0.1質量%未満では、乳化不良により経時において粘度が減少するなど、十分な経時安定性を得るのが難しく、一方、4質量%を超えて配合すると経時安定性が得られない上、界面活性剤の過多による色縞の発生や重ね付けしたおしろいや粉末固形状ファンデーションなどの粉末成分が薄く均一に付かず、厚付きになったりムラになったりして、仕上がりの透明感を失う傾向がみられる。また、通常水中油型乳化の系に配合される(c)成分は、油中水型乳化の系に配合すると転相してしまうが、特に(d)成分との組合せで(c)成分を上記の配合量の範囲で配合することで、転相せずに内相(水相)に配合され、油中水型乳化の乳化安定性を向上させ、かつべたつき感を低減させた使用感が得られた。 本発明では所望によりさらに、分散剤として(e)モノおよび/またはセスキイソステアリン酸と、水酸基4個を有する多価アルコールとのエステルを3質量%以下の割合で配合してもよい。(e)成分を配合しない態様も含まれる。(e)成分は、具体的には、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ジグリセリン、セスキイソステアリン酸ジグリセリン等が挙げられる。中でもセスキイソステアリン酸ソルビタンが好ましく用いられる。市販品としては、「エステモール182V」(日清オイリオグループ(株)製)、「エマレックスSPIS−150」(日本エマルジョン(株)製)等が挙げられる。(e)成分は1種または2種以上を用いることができる。 (e)成分を配合する場合、本発明化粧料全量中に3質量%以下の配合割合で配合するのが好ましい。より好ましくは0.1〜3質量%、さらに好ましくは0.5〜3質量%、特に好ましくは0.8〜1.5質量%である。(e)成分を3質量%を超えて配合するとべたつきや、上に重ねるパウダリーファンデーションやおしろいが厚付き、ムラ付きして、透明感のある仕上がりが得られない。 また本発明では、使用感触(べたつかずしっとりした使用感触)、透明感のある仕上がりのより一層の向上のために、(d)成分と(e)成分の合計配合量を5質量%未満に抑えるのが好ましく、さらには3.5質量%以下に抑えるのがより好ましい。 本発明の油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料は、上記(a)〜(c)成分を必須成分とし、さらに(d)成分を配合し、さらに所望により(e)成分を配合し得るという構成を採ることにより、メークの仕上がりが透明感に優れるとともに、べたつかずにしっとりした使用感触を有し、安定性に優れる。特に粉末として二酸化チタン等の微粒子粉末を配合する場合、このような微粒子粉末は他の粉末に比べ、比表面積が大きく、それだけ系の安定性を保ち難いため、通常、界面活性剤、分散剤が多量に必要である。本発明では上記構成としたことにより、界面活性剤、分散剤を少量に抑えても安定性を保つことが可能となった。 本発明の油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料は、常法により調製することができ、乳化の方法は特に限定されるものでない。例えば、水相(内相)と油相(外相)を、それぞれ70℃程度に加温し、加温した水相を油相に徐々に添加して、乳化機で乳化し、その後、室温まで放冷する等の方法が挙げられるが、これに限定されるものでない。油相(外相)は通常、化粧料全量に対して20〜80質量%が好ましく、より好ましくは30〜60質量%である。 本発明に係るベースメーキャップ化粧料は、油中水型乳化型の下地化粧料やリキッドタイプのファンデーションである。本発明の油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料を塗布した後に、その上から粉末を主成分とする化粧料(おしろい、パウダリーファンデーションなど)を重ねてメーキャップの仕上げをする。具体使用態様として、(i)化粧下地と、粉末固形状ファンデーションの組合せ、(ii)化粧下地と、液状〜クリーム状のファンデーション(=リキッドタイプのファンデーション)と、おしろいの組合せ、などが挙げられる。さらには(iii)化粧下地と、おしろいの組合せ、(iv)化粧下地を用いずに、リキッドタイプのファンデーションと、おしろいの組合せ、などの態様も考えられる。 本発明の油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲内で通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の任意添加成分、例えば、油脂、ロウ類、炭化水素油、高級アルコール、高級脂肪酸、合成エステル油、界面活性剤((d)成分以外)水溶性高分子、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、粉末成分((b)成分以外)、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調製剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合することができる。 その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。 以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれによってなんら限定されるものではない。なお、配合量は特記しない限りすべて質量%である。 まず初めに、本実施例で用いた試験方法、評価方法について説明する。 [使用性(しっとりさ、べたつき感がない)] 各試料をパネル(5名)が顔面に塗布した後、市販のパウダリーファンデーション(粉末化粧料)でメーク仕上げをして、使用性(しっとりさ、べたつき感がない)について下記の評価基準により評価した。(評価基準)◎:3名以上が、良好であると回答○:2名が、良好であると回答△:1名が、良好であると回答×:0名が、良好であると回答 [透明感(仕上げ用粉末化粧料の被覆の均一さ、薄付き] 各試料をパネル(5名)が顔面に塗布した後、市販のパウダリーファンデーション(粉末化粧料)でメーク仕上げをして、透明感(粉末化粧料の被覆が均一でムラがない、厚付きせずに薄付きである)について下記の評価基準により評価した。(評価基準)◎:3名以上が、良好であると回答○:2名が、良好であると回答△:1名が、良好であると回答×:0名が、良好であると回答 [分散性(色縞)] 各試料100gを1Lビーカーに入れ、ステンレス製プロペラ(45rpm)にて試料表面をこすることで粉末の分散を確認した。凝集する場合にはリング状の色縞が現れる。目視で状態を観察し、下記の評価基準により評価した。(評価基準)◎:縞模様が全くみられず、問題なかった○:縞模様がごくわずかにみられたが、実用上問題ない程度であった×:縞模様がみられた [粘度変化(乳化安定性)] 各試料を50℃の恒温槽に4週間放置し、第1日目と4週間目の粘度を測定して、両者の粘度の変化幅(粘度の差)で下記基準により評価した。(評価基準)◎:粘度の差が1000mPa・s未満○:粘度の差が1000mPa・s以上2000mPa・s未満×:粘度の差が2000mPa・s以上。 また下記の表1〜2に示す化合物は以下の製品を用いた。・シクロメチコン(*1):「エキセコールD−5」(信越化学(株)製)、・ジメチコンポリオール(*2):「シリコーンSC9450N」(HLB4.5。信越化学(株)製)、・セスキイソステアリン酸ソルビタン(*3):「エステモール182V」(日清オイリオグループ(株)製)、・疎水化処理微粒子二酸化チタン(*4):「MT−100TV」(テイカ(株)製)、・両親媒性会合性増粘剤(*5):「アデカノールGT−700」〔=(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー〕(旭電化工業(株)製)、・ジメチルアクリルアミド/AMPS/メチレンビスアクリルアミドクロスポリマー(*6):「SUpolymer G−1」(東邦化学工業(株)製)、・ヒドロキシエチルセルロース(*7):「ナトロゾール250HR」(Hercules社製)、・キシログルカン(*8):「シルキーシード」(大日本製薬(株)製)、・キサンタンガム(*9):「ノムコートZZ」(日清オイリオグループ(株)製)。 (実施例1、比較例1〜5) 下記表1に示す組成の下地化粧料を試料として、上記試験方法、評価基準に従い、使用性(しっとりさ、べたつき感のなさ)、透明感(均一さ、薄付き)について評価した。結果を表1に示す。 表1に示す結果から明らかなように、増粘剤として、本発明で用いる(c)成分を用いた実施例1では、使用性、透明感のいずれも極めて優れた効果が得られたが、増粘剤を配合しない比較例1や、他の増粘剤を用いた比較例3〜5では、十分な使用性や透明感が得られなかった。 (実施例1、2〜5、比較例1) 下記表2に示す組成の下地化粧料を試料として、上記試験方法、評価基準に従い、使用性(しっとりさ、べたつき感のなさ)、透明感(均一さ、薄付き)、分散性、粘度変化について評価した。結果を表2に示す。 表2は増粘剤としての(c)成分の配合量を変えて評価試験を行った結果である。(c)成分を配合することにより、使用性、透明感に加え、安定性(分散性、粘度変化)にも優れた効果が得られることが確認され、特に(c)成分を最適配合量範囲に近づけるに従いより優れた効果が得られることが確認された。なお、本発明で用いる(c)成分を用いなかった比較例1は、十分な使用性、透明性が得られないことに加え、分散性も得られなかった。 以下にさらに処方例を示す。 (実施例6:リキッドファンデーション) (配 合 成 分) (質量%)(1)ジメチコンコポリオール 2(2)シクロメチコン 26(3)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5(4)セスキイソステアリン酸ソルビタン 1(5)ポリグリセリン変性シリコーン 1.5(6)ジメチルポリシロキサン 3(7)フェニルトリメチコン 4.5(8)ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.9(9)シリコーン処理粉末(注) 8.6(10)疎水化処理微粒子酸化チタン 4.5(11)イオン交換水 29.2(12)グリセリン 7.5(13)ジブチレングリコール 6(14)両親媒性増粘剤 0.3 (注):「シリコーン処理粉末」は、原料粉体8.6質量%(=タルク6質量%、べンガラ0.5質量%、黄酸化鉄2質量%、黒酸化鉄0.1質量%)に対し、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサンおよびテトラデセンにて表面処理(疎水化処理。表面処理被覆合計量91.4質量%)を行って得られたものである。(製法) (1)〜(7)を均一に混合し(油相部)、これに(8)〜(10)(粉末部)を加えて分散させ、さらに均一に溶解した(11)〜(14)(水相部)を加えて均一に混合してファンデーションを得る。 (a)揮発性油分、(b)疎水性粉末、および(c)両親媒性会合性増粘剤を含有する、油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料。 (c)成分が下記式(I)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンである、請求項1記載の油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料。〔式(I)中、R1、R2およびR4は、それぞれ独立に炭化水素基を示し;R3はウレタン結合を有していてもよい炭化水素基を示し;R5は直鎖、分岐鎖または2級の炭化水素基を示し;mは2以上の数であり;hは1以上の数であり;k、nはそれぞれ独立に0〜1000の数である。〕 (a)成分が低沸点シリコーン油である、請求項1または2記載の油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料。 さらに(d)シリコーン系界面活性剤を含有する、請求項3記載の油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料。 さらに(e)モノおよび/またはセスキイソステアリン酸と、水酸基4個を有する多価アルコールとのエステルを3質量%以下の配合量割合で含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料。 化粧下地またはリキッドタイプのファンデーションである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料。 【課題】メークの仕上がりが透明感に優れるとともに、べたつかずにしっとりした使用感触を有し、安定性に優れた油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料(例えば、化粧下地、リキッドタイプのファンデーション等)を提供する。【解決手段】(a)揮発性油分、(b)疎水性粉末、および(c)両親媒性会合性増粘剤を含有する、油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料。(a)成分として低沸点シリコーン油を用いる場合、さらに(d)シリコーン系界面活性剤を配合するのが好ましい。また、所望によりさらに(e)モノおよび/またはセスキイソステアリン酸と、水酸基4個を有する多価アルコールとのエステルを3質量%以下の配合量割合で含んでもよい。【選択図】なし


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特許公報(B2)_油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料
出願番号:2008286456
年次:2014
IPC分類:A61K 8/87,A61K 8/891,A61K 8/29,A61K 8/894,A61K 8/06,A61Q 1/02


特許情報キャッシュ

山口 歌奈子 佐藤 由紀子 JP 5484710 特許公報(B2) 20140228 2008286456 20081107 油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料 株式会社 資生堂 000001959 長谷川 洋子 100098800 山口 歌奈子 佐藤 由紀子 20140507 A61K 8/87 20060101AFI20140410BHJP A61K 8/891 20060101ALI20140410BHJP A61K 8/29 20060101ALI20140410BHJP A61K 8/894 20060101ALI20140410BHJP A61K 8/06 20060101ALI20140410BHJP A61Q 1/02 20060101ALI20140410BHJP JPA61K8/87A61K8/891A61K8/29A61K8/894A61K8/06A61Q1/02 A61K 8/00− 8/99 A61Q 1/00−90/00 特開2006−160714(JP,A) 特開2000−239120(JP,A) 特開平09−071766(JP,A) 国際公開第2008/018541(WO,A1) 4 2010111634 20100520 15 20111031 川島 明子 本発明は油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料に関する。さらに詳しくは、メークの仕上がりが透明感に優れるとともに、べたつかずにしっとりした使用感触を有し、安定性に優れた油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料に関する。 下地化粧料は一般に、液状〜クリーム状のファンデーション(いわゆるリキッドタイプのファンデーション)の肌ののりやのびを良好にして、そのリキッドファンデーションの皮膚への塗布を容易にすることで化粧仕上がりを美しくし、さらには化粧持ちを良好にする等の「プレメーク」手段として広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。そして化粧仕上げには、その上に粉末成分を主とする化粧料〔おしろい、粉体に油分を少量配合した粉末固形状ファンデーション(=パウダリータイプ、ケーキタイプなど)等〕を重ね付けして仕上げる。この場合、しっとりした使用感触を化粧下地料やリキッドタイプのファンデーション等に持たせた場合、重ね付けしたおしろいや粉末固形状ファンデーションなどの粉末成分が薄く均一に付かず、厚付きになったりムラになったりして、仕上がりの透明感を失う傾向がみられる。そのためこれらの問題を解決するベースメーキャップ化粧料の開発が求められていた。 下地化粧料は、加齢に伴うシワ・にきび跡・毛穴などに対する隠蔽力が強く、厚く塗布できるものが需要者に求められる(例えば、特許文献2参照)一方、透明感や素肌感を求める均一な薄付きを求める需要者も多く存在する。後者の需要者に対する下地化粧料においては、均一な薄付きによる透明感を出す方策として、界面活性剤や分散剤の配合量を低減する方法が挙げられる。またいずれのタイプの下地化粧料においても、しっとり感を求めるとべたつく傾向がみられ、このべたつき感を改善するために界面活性剤や分散剤の配合量を低減する方法が挙げられる。 しかしながら、界面活性剤や分散剤の配合量低減は、他方で乳化安定性、粉末分散性を低下させるおそれがある。そこで乳化安定性、分散性を改善するために増粘剤を配合することが行われている。この増粘剤として、両親媒性高分子(会合性増粘剤)が知られている(例えば特許文献3参照)。この特許文献3に示す両親媒性高分子(=疎水変性ポリエーテルウレタン)は、特許文献3の[0008]等にも記載のように、通常、水中油型乳化の系に用いられ、油中水型乳化の系への配合は知られていない。 とりわけ最近のベースメーキャップ化粧料には、紫外線などから肌を守るために紫外線散乱剤である二酸化チタン等の微粒子粉末を配合する傾向にある。このような微粒子粉末を配合する場合、粉末分散性、乳化安定性等のためには、より多くの界面活性剤が必要となり、界面活性剤の配合量の低減は難しく、べたつきを改善することは難しかった。 なお特許文献4には、油中水型乳化の系に水溶性高分子を配合する例が記載されているが、未だべたつきや透明感が十分に得られなかった。特開平9−95431号公報特開平4−364105号公報国際公開第2008/018541号パンフレット特開2006−160714号公報 本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、メークの仕上がりが透明感に優れるとともに、べたつかずにしっとりした使用感触を有し、安定性に優れた油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料を提供することを目的とする。 上記課題を解決するために本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、従来、水中油型乳化系に配合する両親媒性高分子を、特定の条件下で油中水型乳化の系に配合すると、油中水型乳化安定性を向上させ、かつべたつき感も低減することを見出し、本発明を完成させるに至った。 すなわち本発明は、(a)揮発性油分、(b)疎水性粉末、および(c)両親媒性会合性増粘剤を含有する、油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料を提供する。 また本発明は、(c)成分が下記式(I)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンである、上記油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料を提供する。〔式(I)中、R1、R2およびR4は、それぞれ独立に炭化水素基を示し;R3はウレタン結合を有していてもよい炭化水素基を示し;R5は直鎖、分岐鎖または2級の炭化水素基を示し;mは2以上の数であり;hは1以上の数であり;k、nはそれぞれ独立に0〜1000の数である。〕 また本発明は、(a)成分が低沸点シリコーン油である、上記油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料を提供する。 また本発明は、(a)成分が低沸点シリコーン油であるとき、さらに(d)シリコーン系界面活性剤を含有する、上記油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料を提供する。 また本発明は、さらに(e)モノおよび/またはセスキイソステアリン酸と、水酸基4個を有する多価アルコールとのエステルを3質量%以下の配合量割合で含有する、上記油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料を提供する。 また本発明は、化粧下地またはリキッドタイプのファンデーションである、上記油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料を提供する。 本発明により、メークの仕上がりが透明感に優れるとともに、べたつかずにしっとりした使用感触を有し、安定性に優れた油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料が提供される。 以下、本発明について詳述する。 (a)成分としての揮発性油分は、常温で揮発性を有する油分をいい、低沸点(常圧での沸点が260℃以下)の、イソパラフィン系炭化水素油やシリコーン油等が好ましく用いられる。 低沸点イソパラフィン系炭化水素油(軽質イソパラフィン)としては、イソドデカン、イソヘキサデカン等が挙げられる。市販品としてアイソパーA、同C、同E、同G、同H、同K、同L、同M(以上、いずれもエクソン社製)、シェルゾール71(シェル社製)、ソルトロール100、同130、同220(以上、いずれもフィリップ社製)等が挙げられ、これらを用いることができる。 低沸点シリコーン油としては、例えば下記式(II)で表される鎖状シリコーン油、下記式(III)で表される環状シリコーン油(シクロメチコン)等が挙げられる。(式中、pは0〜3の整数を表す)(式中、qは3〜7の整数を表す) 上記式(II)で示される鎖状シリコーン油として、具体的には、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン等が例示される。 上記式(III)で示される環状シリコーン油(シクロメチコン)として、具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルテトラシクロシロキサン〔例えば、「エキセコールD−4」(信越シリコーン社製)、「SH244」、「SH344」(いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン社製〕、デカメチルシクロペンタシロキサン〔例えば、「エキセコールD−5」(信越シリコーン社製)、「SH245」、「DC345」(いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン〔例えば、「DC246」(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製〕、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン等が挙げられる。(a)成分は1種または2種以上を用いることができる。本発明では(a)成分として、乳化安定性の点から、低沸点シリコーン油が好ましく、シクロメチコンがより好ましく用いられる。 (a)成分の配合量は、本発明化粧料全量中、20〜80量%が好ましく、より好ましくは30〜60質量%である。20質量%未満では乳化安定性が低下することから粘度の減少が激しい傾向がみられ、一方、80質量%超では粉末が沈降し、ケーキングする傾向にある。 (b)成分としての疎水性粉末は、粉末自体が疎水性のもののみならず、親水性粉末等であっても粉末表面を疎水化処理した疎水化処理粉末も含む。 疎水性の粉末としては、具体的には、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四フッ化エチレン粉末、セルロース粉末などの有機粉末や、トリメチルシルセスキオキサン粉末などのシリコーン粉末等が例示される。 疎水化処理粉末の粉末成分としては、例えばタルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウムなど)、窒化ホウ素等の無機粉末;二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料;酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料;γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料;黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料;黒酸化鉄、カーボンブラック、低次二酸化チタン等の無機黒色系顔料;マンゴバイオレット、バルトバイオレット等の無機紫色系顔料;酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料;群青、紺青等の無機青色系顔料;二酸化チタンコーテッドマイカ、二酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、二酸化チタンコーテッドタルク、着色二酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等のパール顔料;アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属粉末顔料等が挙げられる。本発明ではこれら粉末成分を疎水化処理したものが用いられる。 疎水化処理方法としては、撥水性を付与できる方法であればいかなるものでもよく、その方法は問わないが、例えば気相法、液相法、オートクレーブ法、メカノケミカル法等、通常の表面処理方法を用いることができる。 例えば疎水化処理剤を原料粉末に添加して処理を行う場合、適当な溶媒(ジクロルメタン、クロロホルム、ヘキサン、エタノール、キシレン、揮発性シリコーン等)に希釈して添加してもよく、あるいは直接添加してもよい。粉末と処理剤の混合攪拌には、ボールミル、ホジャーサイトボールミル、振動ボールミル、アトライター、ポットミル、ロッドミル、パンミル、ホモミキサー、ホモディスパー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等も使用することができる。この他にも、粉末表面の活性を利用し、気相反応により100℃以下の低温で環状オルガノシロキサンを粉末表面上で重合させる方法(特公平1−54380号)や、前記方法の後に表面のシリコーンポリマーのSi−H部分にグリセロールモノアリルエーテル等のペンダント基を付加させる方法(特公平1−54381号)等も用いることができる。 疎水化処理として、具体的には、例えばメチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン・ジメチルポリシロキサンコポリマー、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類を用いた処理;オクチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等のシラン化合物を用いた処理;パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸を用いた処理;前記脂肪酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩等を用いた金属セッケン処理;パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩、パーフルオロアルキルトリメトキシシラン等を用いたフッ素処理等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。 疎水性粉末は撥水性が強く、実際に乳化物に適用した場合も、水や汗に強く、化粧くずれが最も起きにくいため効果の持続性に優れる。また乳化粒子が緻密で長期安定性も最も優れている。 これら疎水性粉末は1種を用いてもよく、あるいは2種以上を用いてもよい。また、一般の化粧品に適用できる疎水性粉末であればよく、上記例示の成分に限定されるものではない。 本発明では特に、紫外線防御の点から、疎水化処理を施した二酸化チタンが好適に用いられる。疎水化処理を施した微粒子二酸化チタンとしては、例えば「TTO−S−4」(比表面積58m2/g)、「TTO−V−4」(比表面積68m2/g)〔いずれも石原産業(株)製〕、「MT−100TV」(比表面積53.7m2/g)、「MT−014Z」(比表面積38m2/g)〔いずれもテイカ(株)製〕等が市販品として挙げられる。(b)成分は1種または2種以上を用いることができる。 (b)成分の配合量は、本発明化粧料全量中、5〜40質量%が好ましく、より好ましくは10〜30質量%である。5質量%未満では界面活性剤や分散剤の過多による色縞の発生や重ね付けしたおしろいや粉末固形状ファンデーションなどの粉末成分が薄く均一に付かず、厚付きになったりムラになったりして、仕上がりの透明感を失う傾向がみられる。一方、40質量%超では粉末の分散不良により色縞が発生しがちである。 (c)成分の両親媒性会合性増粘剤は、親水基部を骨格とし、末端に疎水性部分をもつコポリマーであり、水溶性媒体中でコポリマーの疎水性部分同士が会合し増粘作用を示すものをいう。このような会合性増粘剤は、水溶性媒体中でコポリマーの疎水性部分同士が会合し、親水部がループ状、ブリッジ状をなし、増粘作用を示す。本発明では(c)成分として下記式(I)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンが好ましく用いられる。この式(I)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンは、上記従来技術の欄で挙げた特許文献3に記載の公知の高分子である。 上記式(I)中、R1、R2およびR4は、それぞれ独立に炭化水素基を示す。好ましくは炭素原子数2〜4のアルキレン基またはフェニルエチレン基である。 R3はウレタン結合を有していてもよい炭化水素基を示し、ここで炭化水素基としては炭素原子数1〜10のアルキレン基が好ましい。 R5は直鎖、分岐鎖または2級の炭化水素基を示す。好ましくは炭素原子数8〜36のアルキル基である。 mは2以上の数である。 hは1以上の数である。 k、nはそれぞれ独立に0〜1000の数である。 上記式(I)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンは、例えば、R1−[(O−R2)k−OH]m(ここで、R1、R2、k、mは上記で定義したとおり)で表される1種または2種以上のポリエーテルポリオールと、R3−(NCO)h+1(ここで、R3、hは上記で定義したとおり)で表される1種または2種以上のポリイソシアネートと、HO−(R4−O)n−R5(ここで、R4、R5、nは上記で定義したとおり)で表される1種または2種以上のポリエーテルモノアルコールとを反応させることにより得る方法が好適例として挙げられる。 上記3者の仕込み比は、特に限定されるものでないが、ポリエーテルポリオールおよびポリエーテルモノアルコール由来の水酸基と、ポリイソシアネート由来のイソシアネート基の比が、NCO/OH=0.8:1〜1.4:1であるのが好ましい。 (c)成分は、特許文献3に記載がされているように、通常、水中油型乳化の系に配合されているが、本発明では、後述するように特に(d)成分と組合せて配合することによって油中水型乳化の系に配合することに成功した。本発明では(c)成分として、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマーである「アデカノールGT−700」(旭電化工業(株)製)等が挙げられる。 (c)成分の配合量は、本発明化粧料全量中、0.01〜1質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜0.7質量%、特に好ましくは0.2〜0.5質量%である。0.01質量%未満または1質量%を超えると安定性(分散性、乳化安定性)を得ることが難しい。 (d)成分のシリコーン系界面活性剤は、乳化剤として作用するもので、HLB7以下のものが好ましい。本発明では(a)成分として低沸点シリコーン油を用いる場合に、(d)成分を配合することが特に好ましい。 (d)成分としては特に、下記式(IV)(式中、R6は水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基を表し;rは平均で1〜150の数を表し;uは平均で1〜50の数を表し;a、bは平均で0〜35の数を表す)で表されるポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が好ましく用いられる。ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤は、例えば「シリコーンSC9450N」、「シリコーンSC0938B」、「シリコーンSC0928SL」、「シリコーンSC1014M」(信越化学(株)製)や、「シリコーンSH−3771」(東レ・ダウコーニング社)等として市販されている。(d)成分は1種または2種以上を用いることができる。 (d)成分を配合する場合、その配合量は、本発明化粧料全量中に0.1〜4質量%が好ましく、より好ましくは1〜4質量%、特に好ましくは2〜3質量%である。0.1質量%未満では、乳化不良により経時において粘度が減少するなど、十分な経時安定性を得るのが難しく、一方、4質量%を超えて配合すると経時安定性が得られない上、界面活性剤の過多による色縞の発生や重ね付けしたおしろいや粉末固形状ファンデーションなどの粉末成分が薄く均一に付かず、厚付きになったりムラになったりして、仕上がりの透明感を失う傾向がみられる。また、通常水中油型乳化の系に配合される(c)成分は、油中水型乳化の系に配合すると転相してしまうが、特に(d)成分との組合せで(c)成分を上記の配合量の範囲で配合することで、転相せずに内相(水相)に配合され、油中水型乳化の乳化安定性を向上させ、かつべたつき感を低減させた使用感が得られた。 本発明では所望によりさらに、分散剤として(e)モノおよび/またはセスキイソステアリン酸と、水酸基4個を有する多価アルコールとのエステルを3質量%以下の割合で配合してもよい。(e)成分を配合しない態様も含まれる。(e)成分は、具体的には、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ジグリセリン、セスキイソステアリン酸ジグリセリン等が挙げられる。中でもセスキイソステアリン酸ソルビタンが好ましく用いられる。市販品としては、「エステモール182V」(日清オイリオグループ(株)製)、「エマレックスSPIS−150」(日本エマルジョン(株)製)等が挙げられる。(e)成分は1種または2種以上を用いることができる。 (e)成分を配合する場合、本発明化粧料全量中に3質量%以下の配合割合で配合するのが好ましい。より好ましくは0.1〜3質量%、さらに好ましくは0.5〜3質量%、特に好ましくは0.8〜1.5質量%である。(e)成分を3質量%を超えて配合するとべたつきや、上に重ねるパウダリーファンデーションやおしろいが厚付き、ムラ付きして、透明感のある仕上がりが得られない。 また本発明では、使用感触(べたつかずしっとりした使用感触)、透明感のある仕上がりのより一層の向上のために、(d)成分と(e)成分の合計配合量を5質量%未満に抑えるのが好ましく、さらには3.5質量%以下に抑えるのがより好ましい。 本発明の油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料は、上記(a)〜(c)成分を必須成分とし、さらに(d)成分を配合し、さらに所望により(e)成分を配合し得るという構成を採ることにより、メークの仕上がりが透明感に優れるとともに、べたつかずにしっとりした使用感触を有し、安定性に優れる。特に粉末として二酸化チタン等の微粒子粉末を配合する場合、このような微粒子粉末は他の粉末に比べ、比表面積が大きく、それだけ系の安定性を保ち難いため、通常、界面活性剤、分散剤が多量に必要である。本発明では上記構成としたことにより、界面活性剤、分散剤を少量に抑えても安定性を保つことが可能となった。 本発明の油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料は、常法により調製することができ、乳化の方法は特に限定されるものでない。例えば、水相(内相)と油相(外相)を、それぞれ70℃程度に加温し、加温した水相を油相に徐々に添加して、乳化機で乳化し、その後、室温まで放冷する等の方法が挙げられるが、これに限定されるものでない。油相(外相)は通常、化粧料全量に対して20〜80質量%が好ましく、より好ましくは30〜60質量%である。 本発明に係るベースメーキャップ化粧料は、油中水型乳化型の下地化粧料やリキッドタイプのファンデーションである。本発明の油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料を塗布した後に、その上から粉末を主成分とする化粧料(おしろい、パウダリーファンデーションなど)を重ねてメーキャップの仕上げをする。具体使用態様として、(i)化粧下地と、粉末固形状ファンデーションの組合せ、(ii)化粧下地と、液状〜クリーム状のファンデーション(=リキッドタイプのファンデーション)と、おしろいの組合せ、などが挙げられる。さらには(iii)化粧下地と、おしろいの組合せ、(iv)化粧下地を用いずに、リキッドタイプのファンデーションと、おしろいの組合せ、などの態様も考えられる。 本発明の油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲内で通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の任意添加成分、例えば、油脂、ロウ類、炭化水素油、高級アルコール、高級脂肪酸、合成エステル油、界面活性剤((d)成分以外)水溶性高分子、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、粉末成分((b)成分以外)、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調製剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合することができる。 その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。 以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれによってなんら限定されるものではない。なお、配合量は特記しない限りすべて質量%である。 まず初めに、本実施例で用いた試験方法、評価方法について説明する。 [使用性(しっとりさ、べたつき感がない)] 各試料をパネル(5名)が顔面に塗布した後、市販のパウダリーファンデーション(粉末化粧料)でメーク仕上げをして、使用性(しっとりさ、べたつき感がない)について下記の評価基準により評価した。(評価基準)◎:3名以上が、良好であると回答○:2名が、良好であると回答△:1名が、良好であると回答×:0名が、良好であると回答 [透明感(仕上げ用粉末化粧料の被覆の均一さ、薄付き] 各試料をパネル(5名)が顔面に塗布した後、市販のパウダリーファンデーション(粉末化粧料)でメーク仕上げをして、透明感(粉末化粧料の被覆が均一でムラがない、厚付きせずに薄付きである)について下記の評価基準により評価した。(評価基準)◎:3名以上が、良好であると回答○:2名が、良好であると回答△:1名が、良好であると回答×:0名が、良好であると回答 [分散性(色縞)] 各試料100gを1Lビーカーに入れ、ステンレス製プロペラ(45rpm)にて試料表面をこすることで粉末の分散を確認した。凝集する場合にはリング状の色縞が現れる。目視で状態を観察し、下記の評価基準により評価した。(評価基準)◎:縞模様が全くみられず、問題なかった○:縞模様がごくわずかにみられたが、実用上問題ない程度であった×:縞模様がみられた [粘度変化(乳化安定性)] 各試料を50℃の恒温槽に4週間放置し、第1日目と4週間目の粘度を測定して、両者の粘度の変化幅(粘度の差)で下記基準により評価した。(評価基準)◎:粘度の差が1000mPa・s未満○:粘度の差が1000mPa・s以上2000mPa・s未満×:粘度の差が2000mPa・s以上。 また下記の表1〜2に示す化合物は以下の製品を用いた。・シクロメチコン(*1):「エキセコールD−5」(信越化学(株)製)、・ジメチコンポリオール(*2):「シリコーンSC9450N」(HLB4.5。信越化学(株)製)、・セスキイソステアリン酸ソルビタン(*3):「エステモール182V」(日清オイリオグループ(株)製)、・疎水化処理微粒子二酸化チタン(*4):「MT−100TV」(テイカ(株)製)、・両親媒性会合性増粘剤(*5):「アデカノールGT−700」〔=(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー〕(旭電化工業(株)製)、・ジメチルアクリルアミド/AMPS/メチレンビスアクリルアミドクロスポリマー(*6):「SUpolymer G−1」(東邦化学工業(株)製)、・ヒドロキシエチルセルロース(*7):「ナトロゾール250HR」(Hercules社製)、・キシログルカン(*8):「シルキーシード」(大日本製薬(株)製)、・キサンタンガム(*9):「ノムコートZZ」(日清オイリオグループ(株)製)。 (実施例1、比較例1〜5) 下記表1に示す組成の下地化粧料を試料として、上記試験方法、評価基準に従い、使用性(しっとりさ、べたつき感のなさ)、透明感(均一さ、薄付き)について評価した。結果を表1に示す。 表1に示す結果から明らかなように、増粘剤として、本発明で用いる(c)成分を用いた実施例1では、使用性、透明感のいずれも極めて優れた効果が得られたが、増粘剤を配合しない比較例1や、他の増粘剤を用いた比較例3〜5では、十分な使用性や透明感が得られなかった。 (実施例1、2〜5、比較例1) 下記表2に示す組成の下地化粧料を試料として、上記試験方法、評価基準に従い、使用性(しっとりさ、べたつき感のなさ)、透明感(均一さ、薄付き)、分散性、粘度変化について評価した。結果を表2に示す。 表2は増粘剤としての(c)成分の配合量を変えて評価試験を行った結果である。(c)成分を配合することにより、使用性、透明感に加え、安定性(分散性、粘度変化)にも優れた効果が得られることが確認され、特に(c)成分を最適配合量範囲に近づけるに従いより優れた効果が得られることが確認された。なお、本発明で用いる(c)成分を用いなかった比較例1は、十分な使用性、透明性が得られないことに加え、分散性も得られなかった。 以下にさらに処方例を示す。 (実施例6:リキッドファンデーション) (配 合 成 分) (質量%)(1)ジメチコンコポリオール 2(2)シクロメチコン 26(3)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5(4)セスキイソステアリン酸ソルビタン 1(5)ポリグリセリン変性シリコーン 1.5(6)ジメチルポリシロキサン 3(7)フェニルトリメチコン 4.5(8)ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.9(9)シリコーン処理粉末(注) 8.6(10)疎水化処理微粒子酸化チタン 4.5(11)イオン交換水 29.2(12)グリセリン 7.5(13)ジブチレングリコール 6(14)両親媒性増粘剤 0.3 (注):「シリコーン処理粉末」は、原料粉体8.6質量%(=タルク6質量%、べンガラ0.5質量%、黄酸化鉄2質量%、黒酸化鉄0.1質量%)に対し、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサンおよびテトラデセンにて表面処理(疎水化処理。表面処理被覆合計量91.4質量%)を行って得られたものである。(製法) (1)〜(7)を均一に混合し(油相部)、これに(8)〜(10)(粉末部)を加えて分散させ、さらに均一に溶解した(11)〜(14)(水相部)を加えて均一に混合してファンデーションを得る。 (a)揮発性油分を20〜80質量、 (b)疎水性粉末を5〜40質量%、 (c)下記式(I):〔式(I)中、R1、R2およびR4は、それぞれ独立に炭化水素基を示し;R3はウレタン結合を有していてもよい炭化水素基を示し;R5は直鎖、分岐鎖または2級の炭化水素基を示し;mは2以上の数であり;hは1以上の数であり;k、nはそれぞれ独立に0〜1000の数である。〕で表される疎水変性ポリエーテルウレタンを0.01〜1質量%、および (d)下記式(IV):〔式(IV)中、R6は水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基を表し;rは平均で1〜150の数を表し;uは平均で1〜50の数を表し;a、bは平均で0〜35の数を表す。〕で表されるポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を0.1〜4質量%、含有する、油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料。 (a)成分が常圧での沸点が260℃以下の低沸点シリコーン油である、請求項1記載の油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料。 さらに(e)モノおよび/またはセスキイソステアリン酸と、水酸基4個を有する多価アルコールとのエステルを3質量%以下の配合量割合で含有する、請求項1または2記載の油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料。 化粧下地またはリキッドタイプのファンデーションである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料。


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