タイトル: | 公開特許公報(A)_PPAR活性化剤 |
出願番号: | 2008282617 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | A61K 36/18,A61K 36/899,A61K 36/896,A61K 36/53,A61K 35/64,A61K 31/192,A61K 31/343,A61P 43/00,A61P 5/50,A61P 29/00,A61P 3/10,A61P 5/48,A61P 3/06,A61P 9/12,A61P 3/04,A61P 9/10,A61P 1/04,A61P 1/18,A61P 11/06,A61P 17/02,A61P 17/16,A61P 17/00,A61P 25/28,A61P 25/00,A23L 1/30 |
忍 和歌子 奥澤 亜美 小出 秀之 忍 典昭 會田 浄 中村 哲朗 中野 智 小林 正孝 高乗 仁 JP 2010106001 公開特許公報(A) 20100513 2008282617 20081031 PPAR活性化剤 株式会社セラバリューズ 507186687 岩城 全紀 100106954 忍 和歌子 奥澤 亜美 小出 秀之 忍 典昭 會田 浄 中村 哲朗 中野 智 小林 正孝 高乗 仁 A61K 36/18 20060101AFI20100416BHJP A61K 36/899 20060101ALI20100416BHJP A61K 36/896 20060101ALI20100416BHJP A61K 36/53 20060101ALI20100416BHJP A61K 35/64 20060101ALI20100416BHJP A61K 31/192 20060101ALI20100416BHJP A61K 31/343 20060101ALI20100416BHJP A61P 43/00 20060101ALI20100416BHJP A61P 5/50 20060101ALI20100416BHJP A61P 29/00 20060101ALI20100416BHJP A61P 3/10 20060101ALI20100416BHJP A61P 5/48 20060101ALI20100416BHJP A61P 3/06 20060101ALI20100416BHJP A61P 9/12 20060101ALI20100416BHJP A61P 3/04 20060101ALI20100416BHJP A61P 9/10 20060101ALI20100416BHJP A61P 1/04 20060101ALI20100416BHJP A61P 1/18 20060101ALI20100416BHJP A61P 11/06 20060101ALI20100416BHJP A61P 17/02 20060101ALI20100416BHJP A61P 17/16 20060101ALI20100416BHJP A61P 17/00 20060101ALI20100416BHJP A61P 25/28 20060101ALI20100416BHJP A61P 25/00 20060101ALI20100416BHJP A23L 1/30 20060101ALI20100416BHJP JPA61K35/78 CA61K35/78 UA61K35/78 VA61K35/78 QA61K35/64A61K31/192A61K31/343A61P43/00 111A61P5/50A61P29/00A61P3/10A61P5/48A61P3/06A61P9/12A61P3/04A61P9/10 101A61P1/04A61P1/18A61P11/06A61P17/02A61P17/16A61P17/00A61P9/10A61P25/28A61P25/00A61P43/00 101A23L1/30 B 21 OL 29 4B018 4C086 4C087 4C088 4C206 4B018MD53 4B018MD55 4B018MD61 4B018ME03 4B018ME04 4B018ME07 4B018ME14 4C086AA01 4C086AA02 4C086BA05 4C086MA01 4C086MA02 4C086MA04 4C086MA05 4C086NA14 4C086ZA02 4C086ZA16 4C086ZA42 4C086ZA45 4C086ZA62 4C086ZA66 4C086ZA68 4C086ZA70 4C086ZA89 4C086ZB11 4C086ZB21 4C086ZC01 4C086ZC02 4C086ZC33 4C086ZC35 4C086ZC41 4C087AA01 4C087AA02 4C087BB22 4C087NA14 4C087ZA02 4C087ZA16 4C087ZA42 4C087ZA45 4C087ZA62 4C087ZA66 4C087ZA68 4C087ZA70 4C087ZA89 4C087ZB11 4C087ZB21 4C087ZC01 4C087ZC02 4C087ZC33 4C087ZC35 4C087ZC41 4C088AB12 4C088AB38 4C088AB64 4C088AB66 4C088AB72 4C088AB73 4C088AB81 4C088AB88 4C088AC03 4C088AC04 4C088AC05 4C088AC11 4C088BA07 4C088BA08 4C088BA09 4C088BA10 4C088CA02 4C088CA05 4C088CA06 4C088NA14 4C088ZA02 4C088ZA16 4C088ZA42 4C088ZA45 4C088ZA62 4C088ZA66 4C088ZA68 4C088ZA70 4C088ZA89 4C088ZB11 4C088ZB21 4C088ZC01 4C088ZC02 4C088ZC33 4C088ZC35 4C088ZC41 4C206AA01 4C206AA02 4C206DA16 4C206MA01 4C206MA02 4C206MA04 4C206MA05 4C206NA14 4C206ZA02 4C206ZA16 4C206ZA42 4C206ZA45 4C206ZA62 4C206ZA66 4C206ZA68 4C206ZA70 4C206ZA89 4C206ZB11 4C206ZB21 4C206ZC01 4C206ZC02 4C206ZC33 4C206ZC35 4C206ZC41 本発明は、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR: Peroxisome Proliferator Activated Receptor)の活性化剤に関する。 PPARは、核内受容体スーパーファミリーに属する転写因子であり、哺乳類においてはα、β/δ、γの3種のサブタイプが知られている。また、PPARγにはスプライシングの相違によりγ1およびγ2の2種類のアイソフォームが存在する。PPARの各サブタイプは、レチノイドXレセプター(RXR)とヘテロ2量体を形成し、リガンド依存的にプロモーター領域にPPAR応答配列(PPRE)を有する標的遺伝子の発現を誘導する(非特許文献1、2参照)。 PPARのサブタイプ間の発現には組織特異性が存在している。PPARαは脂肪酸の異化能の高い肝臓や腎臓、心臓、骨格筋などに発現しており、PPARβ/δは骨格筋をはじめとする各組織に普遍的に発現している。PPARγ1は脂肪組織の他に免疫系臓器や腎臓、膵臓、結腸などに発現しており、PPARγ2は脂肪組織に強く発現している。 PPARαのアゴニストとしては、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸などの脂肪酸やロイコトリエンB4などのアラキドン酸代謝産物などがある。また合成化合物では、抗高脂血症剤として臨床応用されているフィブラート系薬剤(ベザフィブラートやフェノフィブラートなど)やWY14643などが知られている。 PPARδのアゴニストとしては、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸などの不飽和脂肪酸やプロスタサイクリンなどがある。また合成化合物では、カルバプロスタサイクリンやGW501516などが知られている。 PPARγのアゴニストとしては、α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アラキドン酸などの不飽和脂肪酸やプロスタグランジンの代謝産物などがある。また合成化合物では、糖尿病治療薬として臨床応用されているチアゾリジン誘導体(ピオグリタゾン、トログリタゾン、ロシグリタゾンなど)などが知られている。 PPARα、δ、γの各サブタイプの機能は重複する部分はあるが、各々固有の機能も有することが判明している。 PPARαアゴニストは、中性脂肪の分解と脂肪酸の代謝を活性化し、血中の中性脂肪濃度を低減させ、臓器の中性脂肪含量を減少させることで、インスリン抵抗性を改善する。さらに、PPARαアゴニストは、LDL(low density lipoprotein)コレステロールの構成蛋白質の発現を抑制し、HDL(high density lipoprotein)コレステロールの構成蛋白質の発現を亢進することで、血中脂質濃度を低下させ、高脂血症に対する予防、治療効果を発揮する。 PPARαアゴニストは、炎症のマスターレギュレーターであるNF−kB(nuclear factor−kappa B)やAP−1(activator protein 1)と直接相互作用してそれらの標的遺伝子の転写を抑制する、あるいはIkBα遺伝子の発現を誘導しNF−kBの核内移行を抑制することで、抗炎症効果を発揮する(非特許文献3、4)。 PPARαアゴニストは、表皮細胞の分化を誘導する作用や、メラノサイトの分化を抑制する作用を有し、肌に透明感を出す効果、あるいは美白効果を発揮する(非特許文献5、6)。 PPARαは、生体リズムの制御遺伝子Bmal1の発現を促進し、一方PPARα遺伝子もまたBmal1による転写標的遺伝子である(非特許文献7)。最近、PPARαのアゴニストを活動時間帯が後退する睡眠相後退症候群(DSPS)のモデルマウスに餌とともに摂食させることで、活動時間帯が正常化することが報告されている。従って、PPARαアゴニストは、睡眠障害などの生体リズム障害に対する予防、治療効果を有する可能性が示唆されている(非特許文献8)。 PPARδアゴニストは、筋肉組織で標的遺伝子である熱産生関連タンパク(UCP2)などの発現を亢進させる作用を有すること、またPPARδアゴニストを高脂肪食負荷マウスに同時摂食させると抗肥満作用を発現することから、PPARδアゴニストは肥満に対する改善効果を有することが期待されている。またPPARδアゴニストは2型糖尿病モデルマウスにおいて耐糖能およびインスリン感受性を示すことから、糖尿病治療薬としての可能性も示されている(非特許文献9、10)。 PPARδは、アゴニスト依存的にヒト単球走化因子(MCP−1)、インターロイキン(IL)−1β、マトリクスメタロプロテアーゼ9(MMP−9)などの炎症性蛋白の発現を転写レベルで抑制し、抗炎症作用を発揮する(非特許文献11)。またPPARδアゴニストのアテローム性動脈硬化、炎症性腸疾患などの疾患改善能も推測されている(非特許文献12)。 PPARδアゴニストは、表皮細胞分化能を持つこと(非特許文献13)、さらにPPARδノックアウト細胞の解析から、PPAR−δは創傷治癒にも関与することが報告されている(非特許文献14)。従って、PPARδアゴニストは、美白効果、並びに肌荒れや皮膚炎、創傷治癒に対して有用な効果が得られる可能性がある。 PPARγアゴニストは、脂肪細胞の分化を促進することで、インスリン抵抗性を惹起する因子(TNFαなど)を産生する大型脂肪細胞にアポトーシスを誘導し細胞数を減少させる。それを補うように前駆脂肪細胞から小型脂肪細胞への分化が促進され、アディポネクチンなどのインスリン抵抗性を改善する因子の産生を増大する。またPPARγアゴニストは、脂肪細胞並びに骨格筋、肝臓などの末梢組織におけるグルコースの取り込み、脂肪の合成、蓄積を促進する。従って、PPARγアゴニストは、インスリン抵抗性を改善することにより、糖尿病や肥満などのインスリン抵抗性疾患を予防、治療する効果を有している。 また、PPARγアゴニストは、血中の中性脂肪および遊離脂肪酸の低減作用を発現することで、高脂血症を予防、治療する効果を有する。さらに、PPARγアゴニストは血圧維持に関与するエンドセリン、プラスミノゲンアクチベーターインヒビター1(PAI−1)などの因子の産生を介して、高血圧症に対する予防、治療効果を有している。 PPARγは、転写因子NF−kBやAP−1と拮抗的に作用すること(非特許文献15)、またPPARγアゴニストがアレルギー性炎症、炎症性大腸炎の治療に有効である可能性が示されている(非特許文献16、17)。よって、PPARγアゴニストは、炎症性疾患に対する予防、治療効果が期待される。 PPARγアゴニストは、アルツハイマー病の主要因であるアミロイドβの脳内蓄積を抑制することが報告されている(非特許文献18)。また、PPARγアゴニストを脳梗塞モデルマウスに投与することによって、梗塞部位の縮小が確認されている(非特許文献19)。従って、PPARγアゴニストは、アルツハイマー病や脳梗塞などの神経疾患に対して予防、治療効果を有する可能性がある。 PPARγアゴニストは、表皮細胞の分化を促進し、増殖を抑制する作用を有することが報告されている(非特許文献20、21)。さらに、炎症、免疫反応を伴う皮膚疾患である乾癬を改善する効果も報告されている(非特許文献22)。従って、PPARγアゴニストは乾癬を含む皮膚疾患に対して予防、治療効果が期待される。 上記より、PPARアゴニストは、糖尿病、高脂血症、肥満症などのインスリン抵抗性症候群、炎症性腸炎などの炎症性疾患、アルツハイマー病や脳梗塞などの神経疾患、睡眠障害などの生体リズム障害疾患に対する予防、改善作用、並びに皮膚障害の予防、改善などのスキンケア効果が期待される。しかし、これまで有効性が確認されているフィブラート系薬剤やチアゾリジン系薬剤は長期摂取により、重篤な肝障害などの副作用が問題となっており、使用に於いては慎重を要する。またPPARアゴニスト作用を有する食品由来の天然物として、不飽和脂肪酸やポリフェノール類が知られているが、いずれも十分な活性が得られていない。 従って、本発明は、日常的に摂取しても副作用の問題がなく安全性に優れ、かつ十分に高いPPARアゴニスト活性を有する食品由来の天然素材を提供することを目的とする。 甜菜(学名:Beta vulgaris)は、アカザ科フダンソウ属の二年生の植物である。別名をビート(Sugar beet)または砂糖大根とも呼び、根の部分は砂糖の原料となり、根を搾ってその汁を煮詰めると砂糖がとれる。また、その搾りかす(ビートパルプ)は家畜の飼料としても利用されている。一方、砂糖の原料にならない葉の部分は畑にすき込んで緑肥として再利用されている。甜菜に含まれるビートサポニンの高脂血症および潰瘍の予防、改善に対する有効性については開示されている(特許文献1)。また、甜菜のビートサポニンに糖吸収抑制作用があり、肥満防止および高血糖の抑制に有効であることも開示されている(特許文献2)。並びに、甜菜抽出物、あるいは甜菜含有の色素成分ベタニン、ベタニジン、イソベタニンおよびイソベタニジンに糖尿病を予防、改善する効果があることも開示されている(特許文献2)。さらに、甜菜由来のビートサポニンは血清と肝臓のコレステロールとトリグリセリドを低下させ、高脂血症改善作用を有することが報告されている(非特許文献23)。しかし、甜菜の葉の抽出物にPPARα、δ、γアゴニスト作用があること、およびそのPPARの活性化を介したインスリン抵抗性症候群、炎症性疾患、神経疾患、生体リズム障害疾患の予防、改善作用、並びにスキンケア効果は知られていない。 レッドカラント(学名:Ribes rubrum)は、スグリ(ユキノシタ)科に属する植物であり、アカフサスグリ(赤房酸塊)、アカスグリ(赤酸塊)とも呼ばれる。レッドカラント抽出物に鎮痛作用、抗炎症作用および低血糖作用があることは報告されている(非特許文献24)。しかし、レッドカラント果実の抽出物に、PPARαアゴニスト作用があること、およびそのPPARαの活性化を介したインスリン抵抗性症候群、炎症性疾患、生体リズム障害疾患の予防、改善作用、並びにスキンケア効果は知られていない。 ハスカップ(学名:Lonicera caerulea var. emphyllocalyx)は、スイカズラ科スイカズラ属の落葉低木であり、クロミノウグイスカグラ(黒実鶯神楽)とも呼ばれる。実は食用となり、ビタミンC、アントシアニン、カルシウムなどが豊富に含まれる。ハスカップ(エタノール抽出物)は、生体内の抗酸化物質であるグルタチオン濃度を上昇させ、グルタチオンの欠乏によって生じる各種臓器の機能低下や種々の疾患(動脈硬化症性疾患を含む)に対する予防と治療に有効であることが開示されている(特許文献4)。また、ハスカップ抽出物にシクロオキシゲナーゼおよび誘導型一酸化窒素合成酵素の阻害作用があり、炎症性疾患の予防、治療、緩和に有効であることが開示されている(特許文献5)。さらに、ハスカップ果実搾汁に皮膚の線維芽細胞賦活作用があり、美白効果のあることが開示されている(特許文献6)。並びに、ハスカップ果実抽出物は、紫外線暴露による皮膚障害を抑制または改善する効果を有し、化粧品や医薬品として有用な皮膚外用剤になりうることが開示されている(特許文献7)。しかし、ハスカップ果実のエタノール抽出物に、PPARαアゴニスト作用があること、およびそのPPARαの活性化を介したインスリン抵抗性症候群、炎症性疾患、生体リズム障害疾患の予防、改善作用、並びにスキンケア効果は知られていない。 クマザサ(学名:Sasa veitchii)は、イネ科ササ属の単子葉植物であり、隈笹と表記されることもある。クマザサの葉はトリテルペノイド、ミネラル、ビタミンなどを含み、淡竹葉(たんちくよう)という生薬名でいうこともある。クマザサ(エタノール抽出物)は、前駆脂肪細胞の分化を抑制することから、脂肪の蓄積や肥満の抑制、改善に寄与し得ること、脂肪細胞の肥大に起因する蜂巣炎の予防、治療に有効であることが開示されている(特許文献8)。また、クマザサ抽出物に脂肪分解促進作用があり、脂肪細胞中に蓄積した脂肪の分解を促進し、肥満の予防および抑制に寄与し得ることが開示されている(特許文献9)。一方、クマザサ抽出液には抗炎症作用をはじめ、血圧降下作用、利尿作用、抗腫瘍作用などを有することが報告されている(非特許文献25)。さらに、クマザサ抽出物にセラミド合成促進効果があり、肌の保湿効果にも優れ、肌の乾燥や乾燥からくるかさつき、かゆみ、ひび、あかぎれなどの皮膚疾患に対し予防改善効果のあることが開示されている(特許文献10)。また、クマザサは、脳内神経伝達物質であるアセチルコリンの成分であるコリンを比較的多く含んでおり、クマザサ抽出物が老人性痴呆症およびアルツハイマー病の抑制治療剤になりうることが開示されている(特許文献11)。しかし、クマザサ葉抽出物にPPARγアゴニスト作用があること、およびそのPPARγの活性化を介したインスリン抵抗性症候群、炎症性疾患、神経疾患の予防、改善作用、並びにスキンケア効果は知られていない。 ペパーミント(学名:Mentha x piperita L.)は、シソ科メンタ属の多年草植物であり、西洋ハッカとも呼ばれる。ペパーミントの爽快味、冷涼感の主体となる成分は、メントールである。ペパーミント抽出物には血中コレステロール並びに中性脂肪を低減させHDLを上昇させる作用と、含有抗酸化成分によるLDLの酸化抑制作用によって、高脂血症ならび高脂血症よって誘発される動脈硬化などの治療に有効であることが開示されている(特許文献12)。また、ペパーミント抽出物は肝臓での脂質代謝を賦活化し、内臓に蓄積された脂肪および肝臓中の脂肪を減少させることで、肥満および脂肪肝を基礎疾患とする種種の生活習慣病(糖尿病、高脂血症、動脈硬化など)の発症、進展、および増悪を予防できることが開示されている(特許文献13)。さらに、ペパーミントに含まれるメンソールが脂肪細胞のTRPカルシウムチャンネルのアゴニストとして脂肪細胞の分化を誘導すること、さらに脂肪細胞の分化異常に起因する疾患(インスリン抵抗性症候群、肥満、高脂血症、高血圧症、動脈硬化など)を予防、改善するのに有用であることが開示されている(特許文献14)。しかし、ペパーミントの葉抽出物にPPARγアゴニスト作用があること、およびそのPPARγの活性化を介したインスリン抵抗性症候群、炎症性疾患、神経疾患の予防、改善作用、並びにスキンケア効果は知られていない。 スペアミント(学名:Mentha spicata)は、シソ科ハッカ属の多年草植物であり、オランダハッカ、ミドリハッカ(緑薄荷)、グリーンミントとも呼ばれる。スペアミントの清涼感溢れる香りの主体はカルボンである。スペアミントのエタノール抽出物に高いPPARαリガンド活性があり、肥満、インスリン抵抗性、高脂肪血症および糖尿病などに係わるメタボリックシンドロームの予防また改善に有効であることが開示されている(特許文献15)。また、スペアミント抽出物はPPARβ/δ活性作用を有しており、これを有効成分として含有する皮膚外用組成物は肌荒れや皮膚炎症、皮膚バリア機能低下の予防、改善に有効であることが開示されている(特許文献16)。しかし、スペアミントの葉抽出物に、PPARγアゴニスト作用があること、およびそのPPARγの活性化を介したインスリン抵抗性症候群、炎症性疾患、神経疾患の予防、改善作用、並びにスキンケア効果は知られていない。 ショウガ(生姜、生薑、学名:Zingiber officinale)はショウガ科の多年草。根茎(肥大した地下茎)を香辛料、生薬として用いる。ショウガの刺激(辛味)成分は主にジンゲロール(gingerol)、デヒドロジンゲロン(dehydrogingerone)などである。また、ショーガオール(shogaol)およびジンゲロン(gingerone)は加熱やアルカリ処理により生じた二次的産物である。ショウガ抽出物に膵リパーゼ阻害作用を認め、肥満の抑制や防止に有効であることが開示されている(特許文献17)。また、ショウガ抽出物にグルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)活性化作用があり、GAD活性化によるγ−アミノ酪酸(GABA)産生増強によって、肥満および動脈硬化防止作用が期待されることが開示されている(特許文献18)。さらに、ショウガの成分であるジンゲロールは脂肪細胞のアディポネクチン産生増強および促進を介して、2型糖尿病における血糖や血中脂質濃度を減少させる効果を有することについて開示されている(特許文献19)。一方、ショウガから抽出されたジンゲロールには抗炎症作用があり、関節炎の予防、治療に効果を有することも開示されている(特許文献20)。また、ショウガ抽出物に含まれるジンゲロール、ショウガオールは皮膚の角層修復作用を有しており、健康的な肌を維持するのに有効であることが開示されている(特許文献21)。しかし、ショウガ抽出物にPPARγアゴニスト作用があること、およびそのPPARγの活性化を介したインスリン抵抗性症候群、炎症性疾患、神経疾患の予防、改善作用、並びにスキンケア効果は知られていない。 オリーブ(学名:Olea europaea L.)は、もくせい科オリーブ属の植物である。主にオリーブオイルとして用いられている。オリーブオイルは果実から採取された油であり、他の植物油に比べ、オレイン酸を多く含む。その他リノール酸、パルミチン酸のグリセリド、脂溶性ビタミン類に富み、カリウム、リン、マグネシウムなども含む。オリーブオイルなどの植物油類およびオレイン酸やリノール酸は、炎症性疾患や糖尿病などの治療および予防に適用されることが開示されている(特許文献22)。一方、オリーブ葉の抽出物は枇杷の葉抽出物との組み合わせで、血糖値上昇抑制作用がみられ、糖尿病の発症に抑制効果を示すこと(特許文献23)、また、オリーブの葉に抗コレステロール作用があり、動脈硬化の予防、治療に有効であることも開示されている(特許文献24)。オリーブオイルは単球、マクロファージに作用して、NF−kBの活性を抑制し抗炎症効果をもたらすことが報告されている(非特許文献26)。しかし、オリーブオイルにPPARδアゴニスト作用があること、およびそのPPARδの活性化を介したインスリン抵抗性症候群、炎症性疾患の予防、改善作用、並びにスキンケア効果は知られていない。 サジー(沙棘、学名:Hippophae rhamnoides L.)は、主に中国黄河流域およびロシア、中東の乾燥地帯に分布するグミ科の植物である。多くの亜種が存在し、サジー(沙棘)の他に、シーバックソーン(seabuckthorn)、オビルピーハ(oblepikha)、サンドルン(sanddorn)などが知られている。サジー果実にはリノール酸、リノレン酸やパルミトオレイン酸などの脂肪酸やビタミンC、E、Aやβ−カロチン、植物ステロール、フラボノイドが豊富に含まれる。サジー葉抽出物はタンパク質非酵素的糖化抑制活性を示す成分を含み、糖尿病および糖尿病合併症予防、治療に有効であることが開示されおり(特許文献25)、また、サジー葉の含有ポリフェノールは肝臓の脂肪酸β酸化の促進効果と膵リパーゼ活性抑制効果を有しており、体脂肪蓄積を抑制することが報告されている(非特許文献27)。また、サジー由来のフラボノイドは抗酸化作用を有し、心血管の疾患の予防に有効であること(非特許文献28)、さらに、サジー種子オイルは血清コレステロールを軽減させ、動脈硬化の予防に有効であることが報告されている(非特許文献29)。一方、サジー種子抽出物は好酸球のアポトーシスを誘発する活性を有し、アレルギー性鼻炎あるいはアトピー性気管支喘息などの炎症性疾患の予防と治療において有効であることが開示されている(特許文献26)。加えて、サジー由来の抗炎症効果を有する化合物としてトリテルペン誘導体が開示されている(特許文献27)。サジーの果汁油および種子油は皮膚老化防止効果を有し、それを含有する化粧料に関して開示されている(特許文献28)。また、サジー果実の極性溶媒抽出物は、紫外線暴露に起因する皮膚障害を抑制または改善する効果を有することが開示されている(特許文献29)。しかし、サジー果肉オイルおよび種子オイルにPPARα、δ、γアゴニスト作用があること、およびそのPPARの活性化を介したインスリン抵抗性症候群、炎症性疾患、神経疾患、生体リズム障害疾患の予防、改善作用、並びにスキンケア効果は知られていない。 ハチミツ(蜂蜜)は、ミツバチが花から集めた蜜を主原料に作り出し、巣の中に貯蔵する天然の甘味料である。成分としてブドウ糖、果糖のほか各種ビタミン、ミネラル、アミノ酸(イソマルトオリゴ糖)を含んでいる。ハチミツは、イソフラボンとの組み合わせで、カルシトニン遺伝子関連ペプチドの産生および放出を促進することで、TNF−αの産生を抑制し、高血圧や肥満の予防、治療効果を示すことが開示されている(特許文献30)。また、ハチミツには健常人および肥満、高脂血症の患者の血糖値、血中脂質量およびC反応性蛋白を低減させる効果のあることが報告されている(非特許文献30)。さらに、ハチミツは抗菌作用や抗酸化作用を有しており、創傷治癒および抗炎症に有効であることも報告されている(非特許文献31、32)しかし、ハチミツにPPARα、δアゴニスト作用があること、およびそのPPARの活性化を介したインスリン抵抗性症候群、炎症性疾患、生体リズム障害疾患の予防、改善作用、並びにスキンケア効果は知られていない。 サフラン(学名Crocus sativus L.)は、地中海沿岸を原産とするアヤメ科の多年草であり、そのめしべを乾燥させた香辛料としても知られている。また、中国漢方では薬用ハーブ(蔵紅花、あるいは蕃紅花)として使われている。主要成分として、α、β、γ‐カロテン、色素配糖体であるクロシン(crocin)、無色の苦味配糖体ピクロクロシン(picrocrocin)、などを含む。サフランは末梢血流改善作用を有し、末梢循環不全に関連する糖尿病の予防および治療に有効であることが開示されている(特許文献31)。また、サフラン抽出物にはグルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)活性化作用があり、GAD活性化によるγ−アミノ酪酸(GABA)産生増強によって、肥満および動脈硬化防止効果の可能性が開示されている(特許文献18)。さらに、サフラン抽出物に鎮痛作用と抗炎症作用のあることが報告されている(非特許文献33)。一方、サフランの色素クロシンは、神経細胞のグルタチオン合成を促進させ、スフィンゴミエリナーゼ活性を抑制することでアポトーシスを回避させる作用を有すること(非特許文献34)が報告されており、またサフラン色素には、β−アミロイドの凝集、蓄積を抑制する作用があり、アルツハイマー病などの神経疾患の予防、治療薬としての可能性が推測されている(非特許文献35)。しかし、サフラン抽出物にPPARδ、γアゴニスト作用があること、およびそのPPARの活性化を介したインスリン抵抗性症候群、炎症性疾患、神経疾患、生体リズム障害疾患の予防、改善作用、並びにスキンケア効果は知られていない。 ナツメ(棗、学名:Ziziphus jujuba)は、クロウメモドキ科の落葉高木である。果実は乾燥させ(乾しなつめ)たり、菓子材料として食用にされ、また漢方薬としても用いられる。サネブトナツメまたはその近縁植物の実を乾燥したものは大棗(たいそう)、種子は酸棗仁(さんそうにん)と称する生薬である。酸棗仁は、食用真珠層粉(ほぼ純粋なカルシウム)と必須アミノ酸との組合せで、不眠症改善効果のあることが開示されている(特許文献32)。また、酸棗仁由来の抽出物は、中枢神経におけるγ−アミノ酪酸(GABA)のレセプターサブユニットの発現に作用して、麻酔薬ペントバルビタールによる睡眠誘導を促進させることが報告されている(非特許文献36)。さらに、ナツメ由来のサポニンは、脳の海馬におけるグルタミン酸神経活動を抑制すること、またマウスを用いた実験で鎮静作用と催眠作用を有することが報告されている(非特許文献37、38)。一方、ナツメに含まれるオレイン酸アミドは、コリンアセチルトランスフェラーゼの活性化作用を有し、薬剤スコポラミン(scopolamine)投与によって誘発される健忘症の予防に効果を示すことがマウスを用いた実験で示されている(非特許文献39)。しかし、ナツメ種子の抽出物にPPARα、δ、γアゴニスト作用があること、およびそのPPARの活性化を介したインスリン抵抗性症候群、炎症性疾患、神経疾患、生体リズム障害疾患の予防、改善作用、並びにスキンケア効果は知られていない。 行者ニンニク(行者葫、学名:Allium victorialis)は、ネギ科ネギ属の多年草。ヒトビロ、キトピロ、ヒトビル、ヤマビル、ヤマニンニクまたはアイヌネギなどの別名がある。ニンニク同様、アリシンを豊富に含んでいる。アリシンは様々な生物活性を有しており、抗菌作用および抗真菌作用が知られている(非特許文献40)。また、アリシンは血清コレステロール量およびトリグリセリド量を低下させ、アテローム硬化性プラーク形成および血小板凝集を減少させることが報告されている(非特許文献41、42)。ニンニク由来のアリインとサポニンの一種スピロスタノールを含有するニンニクエキスは血糖値上昇抑制効果と耐糖能改善効果を有しており、糖尿病の予防、治療効果が期待されることが開示されている(特許文献33)。さらに、アリシンが細胞内のグルタチオンと反応して生成されたS−アリルメルカプトグルタチオンは、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈疾患、血栓症、高レベルのコレステロールおよび血液脂質、高血圧、体重コントロール、アルツハイマー病、緑内障、癌および炎症性疾患の処置に有用であることが開示されている(特許文献34)。しかし、行者ニンニクの抽出物にPPARα、δ、γアゴニスト作用があること、およびそのPPARの活性化を介したインスリン抵抗性症候群、炎症性疾患、神経疾患、生体リズム障害疾患の予防、改善作用、並びにスキンケア効果は知られていない。 桂皮酸(cinnamic acid)は、シナモン(肉桂)あるいはバルサムの樹皮より分離される芳香を有する化合物である。その薬理作用としては、抗酸化、抗腫瘍、抗菌作用などが報告されているが(非特許文献43など)、PPAR活性化作用については報告されていない。 タンシノン(tanshinones)は、生薬丹参の主成分として含まれる化合物である。その薬理作用としては、血管拡張、血圧降下、鎮静、鎮痛、抗菌作用などが報告されているが(非特許文献44など)、PPAR活性化作用については報告されていない。特公平5−7399号公報特開平8−40912号公報特開2005−336069号公報特開2006−348053号公報特開2006−83149号公報特開2002−20258号公報特開2005−306850号公報特開2004−75640号公報特開2006−45120号公報特開平11−199501号公報特開平10−276719号公報特開平11−246426号公報特開2006−36788号公報特開2006−199647号公報特開2007−22917号公報特開2007−119432号公報特開2002−275007号公報特開2003−206225号公報特開2006−45210号公報特開2007−210993号公報特開平6−239736号公報特表平9−502196号公報特開2003−128571号公報特開2004−352626号公報特開2004−217544号公報特表2007−526260号公報特開2007−51101号公報特開昭63−145210号公報特開2006−188488号公報特開2007−291014号公報特開平10−287576号公報特開2000−354470号公報特開2005−89419号公報特表2003−514830号公報Willson−TM.et al.,J.Med.Chem.、第43巻、p.527−550、2000年Lehrke−M.& Lazar−MA,Cell、第123巻、p.993−999、2005年Staels B.et al.,Nature、第399巻、p.790−793、1998年Delerive P.et al.,J.Biol.Chem.、第275巻、p.36703−36707、2000年Hanley K.et al.,J.Invest Dermatol.、第110巻、p.368−375、1998年Di−Poi N.et al.,Lipids,、第39巻、p.1093−1099、2004年Canaple L.et al.,Mol.Endocrinol.、第20巻、p.1715−1727、2006年Shirai 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すなわち、本発明は以下の発明に関する。[1]甜菜の抽出物、クマザサの抽出物、ショウガの粉末およびその抽出物、行者ニンニクの抽出物、ペパーミントの抽出物、ナツメの抽出物、レッドカラントの抽出物、ハスカップの抽出物、サフランの抽出物、サジーの抽出物、オリーブの抽出物、ハチミツ、桂皮酸およびその誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩、並びにタンシノンおよびその誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有することを特徴とするPPAR活性化剤。[2]インスリン抵抗性症候群および/または炎症性疾患の予防または改善用である前記[1]に記載の活性化剤。[3]インスリン抵抗性症候群が、糖尿病、高インスリン血症、脂質代謝異常疾患、高血圧、肥満症および動脈硬化症から選択される少なくとも1つの症候を有するものである前記[2]に記載の活性化剤。[4]炎症性疾患が、大腸炎、膵炎、アレルギー性気管支喘息および皮膚炎から選択される少なくとも1つの疾患である前記[2]に記載の活性化剤。[5]肌荒れまたは美白のスキンケア用である前記[1]または[2]に記載の活性化剤。[6]PPARがPPARα、δ、γのうち少なくとも1種である前記[1]〜[5]のいずれかに記載の活性化剤。[7]甜菜の抽出物、行者ニンニクの抽出物、ナツメの抽出物、レッドカラントの抽出物、ハスカップの抽出物、サジーの抽出物、およびハチミツからなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有することを特徴とするPPARα活性化剤。[8]甜菜の抽出物、行者ニンニクの抽出物、ナツメの抽出物、サフランの抽出物、サジーの抽出物、オリーブの抽出物、およびハチミツからなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有することを特徴とするPPARδ活性化剤。[9]甜菜の抽出物、クマザサの抽出物、ショウガの粉末および抽出物、行者ニンニクの抽出物、ペパーミントの抽出物、スペアミントの抽出物、ナツメの抽出物、サフランの抽出物およびサジーの抽出物、桂皮酸およびその誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩、並びにタンシノンおよびその誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有することを特徴とするPPARγ活性化剤。[10]脳梗塞、アルツハイマー病および神経疾患から選択される少なくとも1つの疾患の予防または改善用である前記[9]に記載の活性化剤。[11]生体リズム障害疾患の予防または改善用である前記[7]に記載の活性化剤。[12]抽出物が、搾汁または溶媒抽出により得られるものである前記[1]〜[11]のいずれかに記載の活性化剤。[13]溶媒が、水および/またはエチルアルコールである前記[12]に記載の活性化剤。[14]前記[1]〜[13]のいずれかに記載の活性化剤を含有するインスリン抵抗性症候群の予防または改善用組成物。[15]前記[1]〜[13]のいずれかに記載の活性化剤を含有する炎症性疾患の予防または改善用組成物。[16]前記[1]〜[13]のいずれかに記載の活性化剤を含有するスキンケア用組成物。[17]前記[9]または[10]に記載の活性化剤を含有する神経疾患の予防または改善用組成物。[18]前記[7]または[11]に記載の活性化剤を含有する生体リズム障害疾患の予防または改善用組成物。[19]飲食用であることを特徴とする前記[14]〜[18]のいずれかに記載の組成物。[20]医薬用であることを特徴とする前記[14]〜[18]のいずれかに記載の組成物。[21]非ヒト動物用であることを特徴とする前記[14]〜[18]のいずれかに記載の組成物。 さらに本発明は、以下に関する。〔22〕PPAR活性化剤を製造するための甜菜の抽出物、クマザサの抽出物、ショウガの粉末および抽出物、行者ニンニクの抽出物、ペパーミントの抽出物、スペアミントの抽出物、ナツメの抽出物、サフランの抽出物およびサジーの抽出物、桂皮酸およびその誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩、並びにタンシノンおよびその誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1種の使用、〔23〕甜菜の抽出物、クマザサの抽出物、ショウガの粉末および抽出物、行者ニンニクの抽出物、ペパーミントの抽出物、スペアミントの抽出物、ナツメの抽出物、サフランの抽出物およびサジーの抽出物、桂皮酸およびその誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩、並びにタンシノンおよびその誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1種を、個体(患者など)へ投与する工程を含むことを特徴とするインスリン抵抗性症候群、炎症性疾患、脳梗塞、アルツハイマー病、神経疾患および生体リズム障害疾患から選択される少なくとも1の症候もしくは疾患の予防または改善方法。 本発明によれば、食品由来のPPAR活性化剤、およびそれを有効成分として含有する組成物が提供される。本発明の活性化剤または組成物は、インスリン抵抗性症候群、炎症性疾患、神経疾患、生体リズム障害疾患の予防および改善、あるいはスキンケアに於いて有用である。さらに、本発明の組成物は食品由来の天然素材であるため、安全性が高く、合成医薬品にみられる深刻な副作用を回避し、長期の摂取が可能となることが期待される。 本発明の活性化剤または組成物は、インスリン抵抗性症候群を予防または改善し得るので、例えば、糖尿病(特にインスリン非依存性糖尿病またはII型糖尿病)をはじめ、高インスリン血症、脂質代謝異常疾患、肥満(特に内臓脂肪型肥満)、高血圧症、動脈硬化病などの症状、病態または疾患などを予防または改善し得る。さらに、本発明の活性化剤または組成物は、インスリン抵抗性症候群を予防または改善し得るので、例えば、内臓脂肪型肥満に高血糖(糖尿病)、高血圧、高脂血病のうち2つ以上を合併したメタボリックシンドロームなどの生活習慣病などをも予防または改善し得る。 以下に、本発明の実施の形態を以下に詳しく説明する。 本発明におけるPPAR活性化は、Gal4 DNA結合領域と連結したPPARリガンド結合領域にリガンド(アゴニスト)が結合することによって、PPAR転写活性能が稼動し、そのDNA結合領域を介して、標的レポーター遺伝子の発現が増強されることを含む。PPARの活性化は、対照のPPAR活性化の強度に対するアゴニストの強度比として評価できる。 本発明に係るPPAR活性化剤は、PPARリガンド結合領域に結合し、PPAR転写能を発揮する能力、即ちPPAR活性化能を有する。 本発明に係るPPAR活性化剤は、PPARα、δ、γのうち、少なくとも1種以上のPPARサブタイプに対し、活性化能を有していればよい。本発明のPPAR活性化剤に使用される甜菜の抽出物、クマザサの抽出物、ショウガの乾燥粉末またはその抽出物、行者ニンニクの抽出物、ペパーミントの抽出物、スペアミントの抽出物、ナツメの抽出物、レッドカラントの抽出物、ハスカップの抽出物、サフランの抽出物、サジーの抽出物またはオリーブの抽出物の原料となる植物は、植物の全体または一部分(例えば、全草、葉、根、根茎、茎、根皮、果実、種子もしくは花など)をそのまま、または乾燥させたものを用いることができるが、植物により、甜菜は葉または根、クマザサは葉、ショウガは根茎、行者ニンニクは全草、ペパーミントは葉、スペアミントは葉、ナツメは種子、レッドカラントは果実、ハスカップは果実、サフランは雌しべ、サジーは果実または種子を、オリーブは果実を用いることが好ましい。粉末は、公知の方法、例えば、粉砕機などを用いて、製造できる。 植物の抽出物は、植物を搾汁、または溶媒で抽出することにより得ることができる。抽出条件は特に制限はなく、一般的に植物抽出に用いられる条件で実施できる。 搾汁の方法としては、例えばスクリュー式、ギア式、カッター式などの搾り機やジューサーなどを用いたり、攪拌圧搾、遠心分離により固液分離したりする方法などを1また2以上を組み合わせて用いる方法が挙げられる。搾汁液は、PPAR活性化作用を失わない範囲内で脱臭、精製などの操作を加えることが出来る。搾汁液は、そのまま、または濃縮や乾燥、あるいは適切な溶媒や担体で希釈などして用いることができる。 溶媒抽出に用いられる溶媒としては、水(例えば、水道水、蒸留水、精製水、冷水、温水、熱湯など、好ましくは熱湯)、または有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、アルコール(例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなど)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセトン、メチルイソブチルケトン、石油エーテル、シクロヘキサン、四塩化炭素、トルエン、ベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、エーテル、ピリジン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、またはアセトニトリルなどが挙げられる。これらの有機溶媒を単独、または適宜組み合わせ、一定の比率で混合し、更には無水または含水状態で用いることができる。好ましくは、エチルアルコール−水混合溶媒、エチルアルコール、エーテル、クロロホルム、ベンゼン、アセトン、または熱石油エーテルなどが望ましい。抽出は加熱下に行っても良い。溶媒抽出に先立ち、粉砕した植物を水に溶解または懸濁させた後、糖などの水溶出画分を溶出除去してもよい。あるいは、溶媒抽出後、溶媒抽出物を濃縮し、水に溶解または懸濁させた後、水溶出画分を除去してもよい。溶媒抽出後の抽出液は、抽出液のまま用いることもできるが、溶媒を除去して用いてもよい。溶媒の除去は公知の方法、例えば、加熱濃縮、減圧濃縮、凍結乾燥などにより実施できる。また、これらの抽出物は、PPAR活性化作用を失わない範囲内で脱臭、精製などの操作を加えることが出来る。溶媒除去した抽出物は、そのまま、または適切な溶媒や担体で希釈などして用いることができる。 植物の抽出物には、オリーブオイル、サージ果肉オイルおよびサージ種子オイルなどが含まれる。 本発明に使用されるハチミツは、植物の花蜜、植物の生組織上からの分泌物、または植物の生組織上で植物の汁液を吸う昆虫が排出する物質から、例えばミツバチがつくりだす天然の甘味物質であれば特に限定されず使用できる。ハチミツは、植物の花蜜に由来する花ハチミツ(Blossom Honey)もしくは花蜜ハチミツ(Nectar Honey)、または植物の生組織上からの分泌物に由来する露ハチミツ(Honeydew Honey)が含まれる。 桂皮酸は、以下の式:で表わされる化合物(C9H8O2=148.16)ある。桂皮酸誘導体としては、桂皮酸のエステル体またはエーテル体などが挙げられ、具体的には、例えば、メトキシ桂皮酸、トランス桂皮酸、メチル桂皮酸またはエチル桂皮酸などが挙げられる。 タンシノンはフェナンスラキノン系の化合物であり、代表的な化合物としては、以下の式: で表わされるタンシノンIIA(C19H18O3=294.3)、または以下の式: で表わされるクリプトタンシノン(C19H20O3=296.36)などが挙げられる。 これらの薬学的に許容される塩としては、無機酸付加塩(例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩など)、有機カルボン酸・スルホン酸付加塩(例えば、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩など)、あるいは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどの金属塩などが挙げられる。 インスリン抵抗性症候群としては、組織や細胞などでのインスリンの働きが低下したために生じる症状、疾患または病態などが挙げられる。インスリン抵抗性症候群には、例えば、糖尿病、肥満、高インスリン血症、脂質代謝異常疾患、高血圧症、動脈硬化症などが含まれる。糖尿病としては、例えば、インスリン抵抗性糖尿病またはII型糖尿病などが好ましく挙げられる。また、糖尿病には、耐糖能異常も含まれる。肥満としては、例えば内臓脂肪型肥満や皮下脂肪型肥満などが挙げられるが、内臓脂肪型肥満が好ましい。脂質代謝異常疾患としては、例えば、高脂血病、高コレステロール血病、高LDLコレステロール血病、低LDLコレステロール血病、高トリグリセリド血病などが挙げられる。また、インスリン抵抗性症候群には、例えば、内臓脂肪型肥満に高血糖(糖尿病)、高血圧、高脂血病(脂質代謝異常疾患)のうち2つ以上を合併したメタボリックシンドロームなどの生活習慣病なども含まれる。 炎症性疾患としては、PPAR活性が抑制または低下などしたために生じる炎症性の疾患などが挙げられる。炎症性疾患としては、具体的には、例えば大腸炎、膵炎、アレルギー性気管支喘息および皮膚炎などが挙げられる。 本発明において「疾患」には、症状または病態が含まれる。 神経疾患としては、PPARγアゴニストにより予防、改善の認められる脳梗塞などの脳血管障害性疾患、およびアルツハイマー病などの神経変性疾患が挙げられる。 「アゴニスト」は、一般に生体内の受容体分子に働いて神経伝達物質やホルモンなどと同様の機能を示す作動薬をいうが、受容体に結合し、生体内物質と同様の細胞内情報伝達系を作動させる物質を含む。 PPARγアゴニストとしては、甜菜の抽出物、クマザサの抽出物、ショウガの粉末もしくはその抽出物、行者ニンニクの抽出物、ペパーミントの抽出物、スペアミントの抽出物、ナツメの抽出物、サフランの抽出物、サジーの抽出物、桂皮酸またはタンシノンなどが挙げられる。好ましくは、甜菜の葉もしくは根の抽出物、クマザサの葉の抽出物、ショウガの根茎の抽出物、行者ニンニクの全草の抽出物、ペパーミントの葉の抽出物、スペアミントの葉の抽出物、ナツメの種子の抽出物、サフランの雌しべの抽出物、サジーの果実もしくは種子の粉末または抽出物である。 生体リズム障害としては、PPARαアゴニストにより予防、改善の認められる日内リズムの乱れにより生じる症状が挙げられる。このような症状としては、例えば、睡眠障害、時差ボケ、頭痛および判断力、集中力の低下などが挙げられる。生体リズム障害としては、具体的には、例えば不眠症などが挙げられる。 PPARαアゴニストとしては、例えば、甜菜の抽出物、行者ニンニクの抽出物、ナツメの抽出物、レッドカラントの抽出物、ハスカップの抽出物、サジーの抽出物、ハチミツ、桂皮酸またはタンシノンが挙げられる。好ましくは、甜菜の葉もしくは根の抽出物、行者ニンニクの全草の抽出物、ナツメの種子の抽出物、レッドカラントの果実の抽出物、ハスカップの果実の抽出物、サジーの果実もしくは種子の抽出物またはハチミツである。 PPARδアゴニストとしては、例えば、甜菜の抽出物、行者ニンニクの抽出物、ナツメの抽出物、サフランの抽出物、サジーの抽出物、オリーブの抽出物またはハチミツが挙げられる。好ましくは、甜菜の葉もしくは根の抽出物、行者ニンニクの全草の抽出物、ナツメの種子の抽出物、サフランの雌しべの抽出物、サジーの果実または種子の抽出物またはハチミツである。 スキンケアとしては、PPARアゴニストにより有効性の認められる美白効果、および肌荒れや皮膚炎などの予防、改善効果が挙げられる。 本発明は、甜菜の抽出物、クマザサの抽出物、ショウガの粉末もしくはその抽出物、行者ニンニクの抽出物、ペパーミントの抽出物、スペアミントの抽出物、ナツメの抽出物、レッドカラントの抽出物、ハスカップの抽出物、サフランの抽出物、サジーの抽出物、オリーブ抽出物、ハチミツ、桂皮酸またはタンシノンのいずれかを1種以上を有効成分として含有することを特徴とする、インスリン抵抗性症候群、炎症性疾患、神経疾患、生体リズム障害疾患の予防、改善用組成物、またはスキンケアに有効な組成物を提供する。本発明の組成物は、例えば、飲食用もしくは医薬用あるいは動物用が含まれる。該組成物は、「治療薬」、 「予防薬」、「治療剤」、「予防剤」、「医薬品」、「医薬組成物」、「飲食用組成物」、「飲料」、「食品」または「飼料」などと表記することもできる。 本発明のインスリン抵抗性症候群、炎症性疾患、神経疾患、生体リズム障害疾患の予防、改善用組成物、またはスキンケアに有効な組成物は、PPARアゴニストを含有する組成物であって、甜菜の抽出物、クマザサの抽出物、ショウガの粉末もしくはその抽出物、行者ニンニクの抽出物、ペパーミントの抽出物、スペアミントの抽出物、ナツメの抽出物、レッドカラントの抽出物、ハスカップの抽出物、サフランの抽出物、サジーの抽出物、オリーブの抽出物、ハチミツ、桂皮酸またはタンシノンの少なくとも1種以上を有効成分として含有することを特徴としており、その形態は限定されず、例えば、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)や健康食品などの飲食品、医薬品、医薬部外品などとして用いることができる。 また、本発明の活性化剤もしくは組成物の一つの態様としては、非ヒト動物用であり、例えば、家畜またはペットなどの愛玩動物用である。家畜やペット用の飼料やペットフードとしても使用することができる。 本発明の活性化剤または組成物は、安全とされている投与量の範囲内において、ヒトを含む動物に対して、必要量(有効量)が投与される。本発明の薬剤の投与量は、剤型の種類、投与方法、患者の年齢や体重、患者の症状などを考慮して、最終的には医師または獣医師などの判断により適宜決定することができる。 なお、本発明における「予防」または「改善」には、完全な予防効果または改善効果を有する場合に限定されず、部分的な効果を有する場合であってもよい。 本発明の活性化剤または組成物は、生理学的に許容される担体、賦形剤、あるいは希釈剤などと混合し、医薬用または飲食用組成物として経口、あるいは非経口的に投与することができる。経口剤としては、顆粒剤、散剤、錠剤、カプセル剤、溶剤、乳剤、あるいは懸濁剤などの剤型とすることができる。非経口剤としては、注射剤、点滴剤、外用薬剤、あるいは座剤などの剤型を選択することができる。注射剤には、皮下注射剤、筋肉注射剤、静脈注射剤、動脈注射剤あるいは腹腔内注射剤などを示すことができる。外用薬剤には、経鼻投与剤、あるいは軟膏剤などを示すことができる。上記剤型は、公知の製剤技術を使用できる。 例えば、経口投与用の錠剤は、賦形剤、崩壊剤、結合剤、および滑沢剤などを加えて混合し、圧縮整形することにより製造することができる。賦形剤としては、例えば、乳糖、デンプン、あるいはマンニトールなどが挙げられる。崩壊剤としては、例えば、炭酸カルシウムやカルボキシメチルセルロースカルシウムなどが挙げられる。結合剤としては、例えば、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、あるいはポリビニルピロリドンが挙げられる。滑沢剤としては、タルクやステアリン酸マグネシウムなどが挙げられる。 本発明の活性化剤または組成物は、種々の形態の飲食品、例えば、飲料、スナック類、乳製品、調味料、でんぷん加工製品、加工肉製品などあらゆる食品に適宜配合することができるが、飲料が好ましい。 飲料としては、例えば、茶系飲料、清涼飲料、果実飲料、野菜飲料、発泡性飲料、乳飲料、乳酸菌飲料、またはアルコール性飲料などを挙げることができる。 また、本発明の飲食品としては、例えば、液状、固形状、粉末状の嗜好飲料類、調味料および香辛料類、もしくは調理加工食品などが挙げられ、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、栄養補助食品などを含む。本発明の飲食品は好ましくは、上述の各種疾患、症状または病態の予防もしくは改善効果を有する。 また本発明は、本発明の活性化剤もしくは組成物を個体(例えば、患者など)へ投与する工程を含む、上述の各種疾患の予防または改善方法を提供する。 本発明の予防または改善方法の対象となる個体は、上述の各種疾患を発症し得る生物であれば特に制限されないが、好ましくはヒトである。 個体への投与は、一般的には、例えば、経口投与、動脈内注射、静脈内注射、皮下注射など当業者に公知の方法により行うことができる。投与量は、患者の体重や年齢、 投与方法などにより変動するが、例えば、成人1日当たり約0.1〜2000mg/kg体重の範囲から、当業者(医師、獣医師、薬剤師など)であれば適当な投与量、を適宜選択することが可能である。 以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例において、略語は以下を意味する。 PPAR:ペルオキシソーム増殖剤受容体(peroxisome proliferator−activated receptor) DMEM:ダルベッコ改変イーグル培地(Doulbecco’s modified Eagle’s Medium) FBS:ウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum) CMV:サイトメガロウイルス(cytomegarovirus) DMSO:ジメチルスルホキシド DNA:デオキシリボ核酸(Deoxyribonucleic acid) %は、特に明記しない場合は質量%を示す。 甜菜葉の水溶性抽出物は以下の通りに調製された。乾燥した甜菜の葉の粉砕物2gに、水を10mL(10g)加え、沸騰させた後、これを遠心分離により固液分離し、微粒子を除くため、ろ液をメンブレンフィルター(Millipore社製,0.22μm)に通した。これにより得られた溶液は1.5mL(1.5g)であり、水抽出による収率は下記の式1に従い12.5%と算出された。式1 抽出物の収率(%)=100×本発明の抽出物の質量(g)÷抽出前の原料の質量(g) 甜菜葉のエタノール抽出物は以下の通りに調製された。乾燥した甜菜の葉の粉砕物2gに、エタノールを5mL加え、室温で3時間振盪後、これを遠心分離により固液分離し、微粒子を除くため、ろ液をメンブレンフィルター(Millipore社製,0.22μm)に通した。これにより得られた溶液のうち、抽出前の原料の質量0.4gに相当する1mLを減圧乾燥させた。乾固物は40mgであり、エタノール抽出による収率は式1に従い10%と算出された。 千切りにした甜菜根は70度の湯にて6時間静置し糖分を抽出した後、固体を乾燥粉末化した。粉末2gに、エタノールを5mL加え、室温で3時間振盪後、これを遠心分離により固液分離し、微粒子を除くため、ろ液をメンブレンフィルター(Millipore社製,0.22μm)に通した。これにより得られた溶液のうち、抽出前の原料の質量0.4gに相当する1mLを減圧乾燥させた。乾固物は24mgであり、エタノール抽出による収率は式1に従い6%と算出された。 レッドカラント果汁は果実0.7gを絞り0.3mLの液体を得た。収率は式1に従い43%と算出された。 ハスカップ果汁は果実67gを攪拌圧搾した後、遠心分離により固液分離し、40mLの液体を得た。収率は式1に従い60%と算出された。 クマザサ葉の水溶性抽出物は以下の通りに調製された。葉の粉砕物2gに、水を12mL(12g)加え、沸騰させた後、これを遠心分離により固液分離し、微粒子を除くため、ろ液をメンブレンフィルター(Millipore社製,0.22μm)に通した。これにより得られた溶液は3mLであり、水抽出による収率は式1に従い21%と算出された。 クマザサ葉のエタノール抽出物は以下の通りに調製された。乾燥クマザサ葉の粉砕物1gに、エタノールを5mL加え、室温で3時間振盪後、これを遠心分離により固液分離し、微粒子を除くため、ろ液をメンブレンフィルター(Millipore社製, 0.22μm)に通した。これにより得られた溶液のうち、抽出前の原料の質量0.2gに相当する1mLを減圧乾燥させた。乾固物は7.5mgであり、エタノール抽出による収率は式1に従い3.8%と算出された。 サフランは香辛料として市販されているサフランのめしべの乾燥末を用いた(S&B製)。サフランの水溶性抽出物は以下の通りに調製された。サフラン150mgに、沸騰水を3mL(3g)加え、30分静置した。これを遠心分離により固液分離し、微粒子を除くため、ろ液をメンブレンフィルター(Millipore社製, 0.22μm)に通した。これにより得られた溶液は2.2mLであり、水抽出による収率は式1に従い70%と算出された。 サフランのエタノール抽出物は以下の通りに調製された。サフラン150mgに、エタノールを2mL加え、室温で3時間振盪後、これを遠心分離により固液分離し、微粒子を除くため、ろ液をメンブレンフィルター(Millipore社製, 0.22μm)に通した。これにより得られた溶液のうち、抽出前の原料の質量22.5mgに相当する0.3mLを減圧乾燥させた。乾固物は5.0mgであり、エタノール抽出による収率は式1に従い22%と算出された。 ナツメ種子の水溶性抽出物は以下の通りに調製された。乾燥したナツメの種子の粉砕物1gに、水を10mL(10g)加え、沸騰させた後、これを遠心分離(15,000rpm)により固液分離し、微粒子を除くため、ろ液をメンブレンフィルター(Milipore社製、0.22μm)に通した。これにより得られた溶液は5mL(5g)であり、水抽出による収率は、式1にしたがい45.5%と算出された。 ナツメ種子のエタノール抽出物は以下の通りに調製された。乾燥したナツメの種子の粉砕物1gに、エタノールを4mL加え、室温で3時間振盪後、これを遠心分離(15,000rpm)により固液分離し、微粒子を除くため、ろ液をメンブレンフィルター(Milipore社製、0.22μm)に通した。これにより得られた溶液のうち、抽出前の原料の質量0.25gに相当する1mLを減圧乾燥させた。乾固物は29mgであり、エタノール抽出による収率は、式1にしたがい11.6%と算出された。 行者ニンニクの水溶性抽出物は以下の通りに調製された。乾燥した行者ニンニクの粉砕物0.5gに、水を10mL(10g)加え、沸騰させた後、これを遠心分離(15,000rpm)により固液分離し、微粒子を除くため、ろ液をメンブレンフィルター(Milipore社製、0.22μm)に通した。これにより得られた溶液は2.5mL(2.5g)であり、水抽出による収率は、式1にしたがい28.8%と算出された。 行者ニンニクのエタノール抽出物は以下の通りに調製された。乾燥した行者ニンニクの粉砕物0.5gに、エタノールを3mL加え、室温で3時間振盪後、これを遠心分離(15,000rpm)により固液分離し、微粒子を除くため、ろ液をメンブレンフィルター(Milipore社製、0.22μm)に通した。これにより得られた溶液のうち、抽出前の原料の質量0.25gに相当する1.5mLを減圧乾燥させた。乾固物は27mgであり、エタノール抽出による収率は、式1にしたがい10.8%と算出された。 スペアミント葉のエタノール抽出物は以下の通りに調製された。乾燥したスペアミントの葉の粉砕物2.5gに、エタノールを10mL加え、室温で3時間振盪後、これを遠心分離(15,000rpm)により固液分離し、微粒子を除くため、ろ液をメンブレンフィルター(Milipore社製、0.22μm)に通した。これにより得られた溶液のうち、抽出前の原料の質量1.25gに相当する5mLを減圧乾燥させた。乾固物は60mgであり、エタノール抽出による収率は、式1にしたがい4.8%と算出された。 ペパーミント葉のエタノール抽出物は以下の通りに調製された。乾燥したペパーミントの葉の粉砕物2.5gに、エタノールを10mL加え、室温で3時間振盪後、これを遠心分離(15,000rpm)により固液分離し、微粒子を除くため、ろ液をメンブレンフィルター(Milipore社製、0.22μm)に通した。これにより得られた溶液のうち、抽出前の原料の質量1.25gに相当する5mLを減圧乾燥させた。乾固物は45mgであり、エタノール抽出による収率は、式1にしたがい3.6%と算出された。 PPARα活性化試験: PPARα活性はPPARα依存的な遺伝子の転写活性(ルシフェラーゼ活性)を指標に検討した。すなわち、サル由来CV−1細胞株を、2×105細胞/wellとなるよう、6穴プレートに播種し、DMEM(10%FBSを含む)中で1日培養した。Gal4のDNA結合ドメイン(Gal4−DBD)およびPPARαのリガンド結合ドメイン(PPARα−LBD)のキメラタンパク発現プラスミド(pGal4DBD/PPARαLBD)、Gal4応答配列(配列番号1:CGGAGGACAGTACTCCG)およびホタルルシフェラーゼ遺伝子を含むレポータープラスミド(pG5−Luc)、およびウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子の上流にCMVプロモーターを連結したコントロールプラスミド(pGL4.75hRluc−CMV; Promega社製)を同時に各々1μg、0.9μg、0.1μg/wellとなるようトランスフェクション試薬(FuGENE HD;Roche社製)と共に加え、前記培養した細胞にプラスミドを導入した。その後形質転換細胞をトリプシンによりはがし、細胞をPBSにて洗浄後、96穴プレートに、1.6×104細胞/wellとなるよう再度播種しなおした。この際、培養液を、被験物質を含むDMEM培地に交換し、さらに48時間培養した。PBSにて細胞を洗浄後、デュアルルシフェラーゼアッセイシステム(Promega社製)を用いてホタルルシフェラーゼおよびウミシイタケルシフェラーゼ活性を各々測定した。すなわち細胞溶解液で細胞を溶解し、ルシフェリンを含む基質溶液を加え、ルミノメーターにてホタルおよびウミシイタケルシフェラーゼの発光量を各々測定した。なお、PPARα依存的な遺伝子の転写活性(ルシフェラーゼ活性)は以下のように定義した。 PPARα依存的な遺伝子の転写活性(ルシフェラーゼ活性)=(pG5−Lucによるホタルルシフェラーゼ活性)/(hRluc−CMVによるウミシイタケルシフェラーゼ活性) 上記に示すPPARα活性化試験を用い、被験物質のルシフェラーゼ活性を測定した。被験物質としては、以下の[1]〜[23]を使用した。 [1]甜菜葉水抽出物:実施例1で得られた甜菜葉の水溶性抽出物(溶液)を用いた。[2]甜菜葉エタノール抽出物:実施例2で得られた甜菜葉のエタノール抽出物(乾固物)をDMSOにて500mg/mL濃度となるよう調製し、使用した。[3]甜菜根エタノール抽出物:実施例3で得られた甜菜根エタノール抽出物をDMSOにて100mg/mL濃度となるよう調製し、使用した。[4]レッドカラント果肉:実施例4で調製したレッドカラント果汁を使用した。[5]ハスカップ果肉:実施例4で調製したハスカップ果汁を使用した。[6]クマザサ葉水抽出物:実施例6で得られたクマザサの水溶性抽出物(溶液)を用いた。[7]クマザサ葉エタノール抽出物:実施例7で得られたクマザサのエタノール抽出物(乾固物)をDMSOにて50mg/mL濃度となるよう調製し、使用した。[8]サフラン水抽出物:実施例8で得られたサフランの水溶性抽出物(溶液)を用いた。[9]サフランエタノール抽出物:実施例9で得られたサフランのエタノール抽出物(乾固物)をDMSOにて100mg/mL濃度となるよう調製し、使用した。[10]ナツメ種子水抽出物:実施例10で得られたナツメ種子の水溶性抽出物(溶液)を用いた。[11]ナツメ種子エタノール抽出物:実施例11で得られたナツメ種子のエタノール抽出物(乾固物)をDMSOにて150mg/mL濃度となるよう調製し、使用した。[12]行者ニンニク水抽出物:実施例12で得られた行者ニンニクの水溶性抽出物(溶液)を用いた。[13]行者ニンニクエタノール抽出物:実施例13で得られた行者ニンニクのエタノール抽出物(乾固物)をDMSOにて100mg/mL濃度となるよう調製し、使用した。[14]スペアミント葉エタノール抽出物:実施例14で得られたスペアミント葉のエタノール抽出物(乾固物)をDMSOにて200mg/mL濃度となるよう調製し、使用した。[15]オリーブオイル:市販品のオリーブオイル(日清オイリオグループ株式会社製)を、DMSOで1:1(V/V)に希釈して用いた。[16]ハチミツ:市販品のハチミツ(株式会社シジシージャパン製)を、滅菌水で1:1(V/V)に希釈して用いた。[17]ショウガ末:ショウガは香辛料として市販されているショウガ乾燥末(株式会社ギャバン製)をDMSOで溶解し100mg/mL濃度とした。[18]サジー果肉オイル(1):中国より入手した。モンゴル産サジーを原料とするサジー果肉オイルをDMSOで1:1(V/V)に希釈して用いた。[19]サジー果肉オイル(2):中国より入手した中国産サジーを原料とするサジー果肉オイルをDMSOで1:1(V/V)に希釈して用いた。[20]サジー種子オイル(1):中国より入手したサジー種子オイルをDMSOで1:1(V/V)に希釈して用いた。[21]サジー種子オイル(2)::中国より入手したサジー種子オイルをDMSOで1:1(V/V)に希釈して用いた。[22]サジー果肉(1):中国より入手したサジージュースを原液で用いた。[23]サジー果肉(2):中国より入手したサジージュース コントロール(ネガティブコントロール)として0.33%DMSOを、また陽性対照(ポジティブコントロール)としてWY14643(Tocris Bioscience社製)を100μMとなるよう添加した。 結果を表1に示す。甜菜、行者ニンニク、ナツメ、レッドカラント、ハスカップ、サジーの各種抽出物、およびハチミツにPPARαのアゴニスト活性が確認された。 PPARδ活性化試験: PPARδ活性はPPARδ依存的な遺伝子の転写活性(ルシフェラーゼ活性)を指標に検討した。すなわち、実施例1に記載の方法のうち、pGal4DBD/PPARαLBDの代わりにpGal4DBD/PPARδLBDを用いる以外は実施例1と同様に実施した。なお、pGal4DBD/PPARδLBDは、Gal4のDNA結合ドメイン(Gal4−DBD)およびPPARδのリガンド結合ドメイン(PPARδ−LBD)のキメラタンパク発現プラスミドである。 上記に示すPPARδ活性化試験を用い、披験物質のルシフェラーゼ活性を測定した。被験物質は、実施例16で調製した被験物質を用いた。コントロール(ネガティブコントロール)として0.33%DMSOを添加した群を、また陽性対照(ポジティブコントロール)としてGW501516(ALEXIS Biochemicals社製)を1μMとなるよう添加した群をそれぞれ作成した。 検索の結果、表2に示すように、甜菜、行者ニンニク、スペアミント、ナツメ、サフラン、サジーの各種抽出物、およびオリーブオイル、ハチミツにPPARδのアゴニスト活性が確認された。 PPARγ活性化試験: PPARγ活性はPPARγ依存的な遺伝子の転写活性(ルシフェラーゼ活性)を指標に検討した。すなわち、実施例1に記載の方法のうち、pGal4DBD/PPARαLBDの代わりにpGal4DBD/PPARγLBDを用いる以外は実施例1と同様に実施した。なお、pGal4DBD/PPARγLBDは、Gal4のDNA結合ドメイン(Gal4−DBD)およびPPARγのリガンド結合ドメイン(PPARγ−LBD)のキメラタンパク発現プラスミドである。 上記に示すPPARγ活性化試験を用い、披験物質のルシフェラーゼ活性を測定した。被験物質は、実施例15で調製した被験物質、ペパーミント並びに桂皮酸(和光純薬工業株式会社製)、タンシノンIIA(フナコシ株式会社製)およびクリプトタンシノン(フナコシ株式会社製)をDMSOに溶解して用いた。コントロール(ネガティブコントロール)として0.33%DMSOを添加した群を、また陽性対照(ポジティブコントロール)としてピオグリタゾン(Pioglitazone; Alexis Biochemical製)を10μMとなるよう添加した群をそれぞれ作成した。 検索の結果、表3に示すように、甜菜、クマザサ、ショウガ、行者ニンニク、ペパーミント、スペアミント、ナツメ、サフラン、サジーの各種抽出物、桂皮酸、タンシノンIIAおよびクリプトタンシノンにPPARγのアゴニスト活性が確認された。 本発明に係る活性化剤または組成物は、PPARアゴニスト活性を有するので、インスリン抵抗性症候群、炎症性疾患、神経疾患、生体リズム障害疾患の予防および改善、あるいはスキンケアに於いて有効である。さらに、本発明の組成物は食品由来の天然素材であるため、安全性が高く、合成医薬品にみられる深刻な副作用を回避し、長期の摂取が可能となることが期待される。 本発明の活性化剤または組成物は、インスリン抵抗性症候群を予防または改善し得るので、例えば、糖尿病(特にインスリン非依存性糖尿病またはII型糖尿病)をはじめ、高インスリン血症、脂質代謝異常疾患、肥満(特に内臓脂肪型肥満)、高血圧症、動脈硬化病などの症状、病態または疾患などを予防または改善し得る。さらに、本発明の活性化剤または組成物は、インスリン抵抗性症候群を予防または改善し得るので、例えば、内臓脂肪型肥満に高血糖(糖尿病)、高血圧、高脂血病のうち2つ以上を合併したメタボリックシンドロームなどの生活習慣病などをも予防または改善し得る。 甜菜の抽出物、クマザサの抽出物、ショウガの粉末およびその抽出物、行者ニンニクの抽出物、ペパーミントの抽出物、ナツメの抽出物、レッドカラントの抽出物、ハスカップの抽出物、サフランの抽出物、サジーの抽出物、オリーブの抽出物、ハチミツ、桂皮酸およびその誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩、並びにタンシノンおよびその誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有することを特徴とするペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)活性化剤。 インスリン抵抗性症候群および/または炎症性疾患の予防または改善用である請求項1に記載の活性化剤。 インスリン抵抗性症候群が、糖尿病、高インスリン血症、脂質代謝異常疾患、高血圧、肥満症および動脈硬化症から選択される少なくとも1つの症候を有するものである請求項2に記載の活性化剤。 炎症性疾患が、大腸炎、膵炎、アレルギー性気管支喘息および皮膚炎から選択される少なくとも1つの疾患である請求項2に記載の活性化剤。 肌荒れまたは美白のスキンケア用である請求項1または2に記載の活性化剤。 PPARがPPARα、δ、γのうち少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性化剤。 甜菜の抽出物、行者ニンニクの抽出物、ナツメの抽出物、レッドカラントの抽出物、ハスカップの抽出物、サジーの抽出物、およびハチミツからなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有することを特徴とするPPARα活性化剤。 甜菜の抽出物、行者ニンニクの抽出物、ナツメの抽出物、サフランの抽出物、サジーの抽出物、オリーブの抽出物、およびハチミツからなる群より選択される少なくとも1種のを有効成分として含有することを特徴とするPPARδ活性化剤。 甜菜の抽出物、クマザサの抽出物、ショウガの粉末および抽出物、行者ニンニクの抽出物、ペパーミントの抽出物、スペアミントの抽出物、ナツメの抽出物、サフランの抽出物およびサジーの抽出物、桂皮酸およびその誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩、並びにタンシノンおよびその誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有することを特徴とするPPARγ活性化剤。 脳梗塞、アルツハイマー病および神経疾患から選択される少なくとも1つの疾患の予防または改善用である請求項9に記載の活性化剤。 生体リズム障害疾患の予防または改善用である請求項7に記載の活性化剤。 抽出物が、搾汁または溶媒抽出により得られるものである請求項1〜11のいずれか1項こうに記載の活性化剤。 溶媒が、水および/またはエチルアルコールである請求項12に記載の活性化剤。 請求項1〜13のいずれか1項に記載の活性化剤を含有するインスリン抵抗性症候群の予防または改善用組成物。 請求項1〜13のいずれか1項に記載の活性化剤を含有する炎症性疾患の予防または改善用組成物。 請求項1〜13のいずれか1項に記載の活性化剤を含有するスキンケア用組成物。 請求項9または10に記載の活性化剤を含有する神経疾患の予防または改善用組成物。 請求項7または11に記載の活性化剤を含有する生体リズム障害疾患の予防または改善用組成物。 飲食用であることを特徴とする請求項14〜18のいずれか1項に記載の組成物。 医薬用であることを特徴とする請求項14〜18のいずれか1項に記載の組成物。 非ヒト動物用であることを特徴とする請求項14〜18のいずれか1項に記載の組成物。 【課題】本発明は、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)に対してアゴニスト活性を有し、かつ安全性に優れた物質を見出すことを目的とし、該物質を有効成分とするPPAR活性化剤の提供を課題とする。さらに、本発明は、該物質を含有することを特徴とするインスリン抵抗性症候群、炎症性疾患、神経疾患、生体リズム障害疾患の予防または改善組成物、並びにスキンケアに有効な組成物の提供を課題とする。【解決手段】甜菜の抽出物、クマザサの抽出物、ショウガの粉末およびその抽出物、行者ニンニクの抽出物、ペパーミントの抽出物、ナツメの抽出物、レッドカラントの抽出物、ハスカップの抽出物、サフランの抽出物、サジーの抽出物、オリーブの抽出物、ハチミツ、桂皮酸およびその誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩、並びにタンシノンおよびその誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有することを特徴とするペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)活性化剤。【選択図】なし配列表