生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_ベースライン設定方法
出願番号:2008225235
年次:2010
IPC分類:G01J 3/02,G01N 21/27,G01N 30/86


特許情報キャッシュ

副島 武夫 大久保 優晴 JP 2010060387 公開特許公報(A) 20100318 2008225235 20080902 ベースライン設定方法 日本分光株式会社 000232689 岩橋 祐司 100092901 副島 武夫 大久保 優晴 G01J 3/02 20060101AFI20100219BHJP G01N 21/27 20060101ALI20100219BHJP G01N 30/86 20060101ALI20100219BHJP JPG01J3/02 CG01N21/27 FG01N30/86 H 3 1 OL 6 2G020 2G059 2G020AA03 2G020CB42 2G020CD03 2G020CD12 2G020CD13 2G020CD38 2G059EE01 2G059EE02 2G059EE06 2G059EE12 2G059HH01 2G059MM17 本発明はベースライン設定方法、特にベースライン推定手法の改良に関する。 赤外分光光度計等によるスペクトル分析時には、通常、基準軸(X軸)に波長ないし波数を設定し、吸光度、反射度等をY軸に設定する。そして、基準軸をパラメータとして測定値をプロットする。さらに定性分析を行う際には、複数の基準軸点における測定値の比を求めたり、定量分析を行う際には、特定基準軸点における吸光度を検量線と比較することもある。 しかしながら、スペクトル採取に用いる機器の特性の相違、或いはスペクトル測定中の環境変化によりスペクトルのベースラインは変動し、また蛍光の発生などがベースラインに影響を与えることもある。 このため、スペクトルに対するベースライン設定及び設定されたベースラインによるスペクトルデータ補正は、スペクトルデータの処理に必須の技術である。 また、例えば液体クロマトグラムなどでも、基準軸(X軸)は通常溶出時間を取るものの、測定値軸(Y軸)には吸光度等の測定値をプロットし、前記スペクトル分析と同様にベースラインの設定及び測定曲線の補正を行うことが多い。 しかしながら、ベースラインの変動自体を直接測定することは事実上不可能であり、必然的にベースライン変動の推定が必要となる。 例えば、下記特許文献1にはピーク部分の半値幅の2倍以上の曲率を持った円や楕円などを、実測スペクトルに接触させ且つ交わらないように移動させ、そのときの軌跡の一部分をベースラインとしている。 しかしながら、このような従来のベースライン補正に関する手法は、各種利点を備えるものの、演算負荷が大きく、しかも設定すべきパラメータも図形の形状、大きさなど多岐にわたり、実使用に際しての障害が多かった。特開平5−60614 本発明は前記従来技術に鑑みなされたものであり、その解決すべき課題は演算負荷が小さく、しかも簡易な設定で精度の高いベースライン補正を行うことにある。 前記目的を達成するために本発明にかかるベースライン設定方法は、 基準軸X上の特定点xiに対応し、基準軸に平行に所定長の線分Lを引き、 前記線分L上の各点L(xj)おける計測値yjのうち、最も基準軸に近いyminを用い、前記特定点(xi,yi)におけるベースライン点(xi,ymin)とし、 有効基準軸範囲でベースライン点を取得し、該ベースライン点を結ぶ線をベースラインとすることを特徴とする。 また、前記方法において、基準軸上の特定点(xi,yi)で所定長の線分Lを基準軸Xに対し水平に引き、該線分L上の各点L(xj)より計測曲線S上に対し垂線を下ろし、最大垂線長Pmaxを求め、(xi,(yi−Pmax))を前記特定点(xi,yi)におけるベースライン点とすることが好適である。 また、前記方法において、 基準軸X上の特定点xiに対応し、基準軸に平行に所定長の線分Lを引き、 前記線分L上の各点L(xj)おける計測値yjのうち、最も基準軸に近いyminを用い、前記特定点(xi,yi)における仮ベースライン点(xi,ymin)とし、 基準軸X上で前後所定範囲の仮ベースライン点を比較し、最大仮ベースライン点を当該特定点(xi,yi)における本ベースライン点とし、 有効基準軸範囲で本ベースライン点を取得し、該本ベースライン点を結ぶ線をベースラインとすることが好適である。 以上説明したように、計測曲線上の特定点に対するベースライン点として、該特定点を挟む基準軸に平行な線分範囲で、測定曲線の最も小さい測定値を探索し、該測定値を前記特定点におけるベースライン値としたので、パラメータ設定は前記線分長のみであり、演算負荷も小さい。 以下、図面に基づき本発明の好適な実施例について説明する。 図1は本発明の一実施形態にかかるベースライン設定方法のフローチャートが示されており、また図2はスペクトルとベースラインの設定方法の説明図である。 まず、操作者は線分長2lの設定を行う。この線分長はスペクトルS上に現れる最大ピークの裾幅以上に設定することが好ましい。最大ピークの裾幅以下の線分長であるとベースライン点がピーク内にもぐりこむ場合がある。 そして、特定計測点(xi,yi)で、該計測点を中心として線分Lを基準軸Xと平行に設定する。この結果、線分Lは[((xi−l),yi)−((xi+l),yi)]に引かれることになる。 前記線分Lからは所定間隔でスペクトルラインSにまで垂線Pが下ろされ、線分Lの特定点L(xj)=座標((xi−l),yi)から下ろされた垂線P(xi−1)、座標((xi−l+1),yi)から下ろされた垂線P(xi−l+1)、…座標((xi+l),yi)から下ろされた垂線P(xi+l)の各長さが求められ、本実施形態においては、この中で最も長い垂線P(xi−l+5)が選択される。 そして測定点(xi,yi)の測定値yiより最長垂線長P(xi−l+5)を減じて得た(xi,(yi−P(xi−l+5))を、基準軸上の点xiにおけるベースライン点とする。 図3に示すように同様の操作を繰り返し、各xiにおけるベースライン点を算出する。そして、これらを連結することで、ベースラインBLを得る。 図4には蛍光によりかさ上げされたラマンスペクトルSと、該スペクトルSに対して本実施形態を適用してベースラインBLを得、ベースライン補正を行った補正スペクトル曲線Samdを示す。同図より明らかなように、縦軸スケールが小さくなり、大きい縦軸スケールでは発見できなかった僅かなピークが発見できる。また、ライブラリー検索でのヒット精度が高くなる。 また、赤外吸収スペクトルに対しては試料のみに起因する補正スペクトルを得ることにより定量、定性分析の精度が向上するという利点が確認されている。 なお、前記実施形態においては、線分Lの中心点をスペクトル上の特定計測点にあわせることとしたが、例えば基準軸に対数目盛を使用したときなどには、特定点右側方向に短い線分長を設定する等、不等長としても良い。 また、特定計測点座標(xi,yi)の両側からそれぞれ最も基準軸Xに近い計測値ymin1,ymin2を探索し、その平均値yminを用いても良い。特定計測点から両側に伸張する線分それぞれが最大ピークの裾幅以上の長さを有する必要があるが、特にベースラインの急激な単調上昇が認められるようなケースで有効である。 また、前記実施例においては特定計測点に線分Lを設置することとしたが、例えば(xi−l)−(xi+l)の間で最小の計測値yminを探索し、特定計測点座標(xi,yi)のyiをyminと置換して(xi,ymin)を基準軸上の点xiにおけるベースライン点としても良い。 また、前記実施例において、ベースラインの上下動が激しい場合には、前後のベースライン点との相関を取ることも好適である。 すなわち、前記実施例と同様に各計測点について仮ベースライン点を取得し、前後の計測点における仮ベースライン点を参照して本ベースライン点を設定することも好ましい。 具体的な本ベースライン点の設定は、特定計測点に対し±5cm−1の範囲で仮ベースライン点を探査を行う場合、下記のように実施することができる。 A=実測スペクトルの波数 B=実測スペクトルの強度 C=仮ベースライン点(強度) D=本ベースライン点(強度) E=補正スペクトル(強度)とした場合に、 Cn=MIN(Bn−5〜Bn+5) Dn=MAX(Cn−5〜Bn+5) En=Bn−Dnとして算出する(n:測定点番号)。 このように特定測定点における仮ベースライン点に対して、さらに前後(±5cm−1)の測定点における仮ベースライン点を比較し、その最大値を特定測定点における本ベースライン点とすることにより、ベースラインの急激な変動を抑制することができる。本発明の一実施形態にかかるベースライン設定方法のフローチャート図である。本発明の一実施形態にかかるベースライン設定方法の実行状態の説明図である。図2に示した実行状態が終了し、ベースラインが設定された状態の説明図である。本発明にかかる方法をラマンスペクトルに適用した状態の説明図である。 基準軸Xと、該基準軸Xに対し直交方向に伸張する計測値軸Yとを有し、前記基準軸X上の各点に対し一の計測値が特定される計測曲線のベースライン設定方法において、 基準軸X上の特定点xiに対応し、基準軸に平行に所定長の線分Lを引き、 前記線分L上の各点L(xj)おける計測値yjのうち、最も基準軸に近いyminを用い、前記特定点(xi,yi)におけるベースライン点(xi,ymin)とし、有効基準軸範囲でベースライン点を取得し、該ベースライン点を結ぶ線をベースラインとすることを特徴とするベースライン設定方法。 請求項1記載の方法において、基準軸上の特定点(xi,yi)で所定長の線分Lを基準軸Xに対し水平に引き、該線分L上の各点L(xj)より計測曲線S上に対し垂線を下ろし、最大垂線長Pmaxを求め、(xi,(yi−Pmax))を前記特定点(xi,yi)におけるベースライン点とすることを特徴とするベースライン設定方法。 請求項1記載の方法において、 基準軸X上の特定点xiに対応し、基準軸に平行に所定長の線分Lを引き、 前記線分L上の各点L(xj)おける計測値yjのうち、最も基準軸に近いyminを用い、前記特定点(xi,yi)における仮ベースライン点(xi,ymin)とし、 基準軸X上で前後所定範囲の仮ベースライン点を比較し、最大仮ベースライン点を当該特定点(xi,yi)における本ベースライン点とし、有効基準軸範囲で本ベースライン点を取得し、該本ベースライン点を結ぶ線をベースラインとすることを特徴とするベースライン設定方法。 【課題】 本発明の解決すべき課題は、演算負荷が小さく、しかも簡易な設定で精度の高いベースライン補正を行うことにある。【解決手段】 基準軸Xと、該基準軸Xに対し直交方向に伸張する計測値軸Yとを有し、前記基準軸X上の各点に対し一の計測値が特定される計測曲線のベースライン設定方法において、 基準軸X上の特定点xiに対応し、基準軸に平行に所定長の線分Lを引き、 前記線分L上の各点L(xj)おける計測値yjのうち、最も基準軸に近いyminを、前記特定点(xi,yi)におけるベースライン点(xi,ymin)とし、有効基準軸範囲でベースライン点を取得し、該ベースライン点を結ぶ線をベースラインとすることを特徴とするベースライン設定方法。【選択図】図1


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る

特許公報(B2)_ベースライン設定方法

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ベースライン設定方法
出願番号:2008225235
年次:2013
IPC分類:G01J 3/02,G01N 21/27,G01N 30/86


特許情報キャッシュ

副島 武夫 大久保 優晴 JP 5363050 特許公報(B2) 20130913 2008225235 20080902 ベースライン設定方法 日本分光株式会社 000232689 岩橋 祐司 100092901 副島 武夫 大久保 優晴 20131211 G01J 3/02 20060101AFI20131121BHJP G01N 21/27 20060101ALN20131121BHJP G01N 30/86 20060101ALN20131121BHJP JPG01J3/02 CG01N21/27 FG01N30/86 H G01N21/00−21/83 G01J3/00−3/52 JSTPlus(JDreamIII) 特開2008−097590(JP,A) 特表2008−529611(JP,A) TANTRA,R.,“Strategy to improve the reproducibility of colloidal SERS”,JOURNAL OF RAMAN SPECTROSCOPY,2007年 7月24日,Vol.38,pp.1469-1479 METER,S.L.,“PIXE investigation of aerosol composition over the Zambian Copperbelt”,Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section B,1999年 4月 2日,Vol.160, Issues 1-4,pp.433-438 TANTRA,R.,“A Practical Method to Fabricate Gold Substrates for Surface-Enhanced Raman Spectroscopy”,APPLIED SPECTROSCOPY,2008年 9月 1日,Vol.62, No.9,pp.992-1000 3 2010060387 20100318 7 20100727 ▲高▼場 正光 本発明はベースライン設定方法、特にベースライン推定手法の改良に関する。 赤外分光光度計等によるスペクトル分析時には、通常、基準軸(X軸)に波長ないし波数を設定し、吸光度、反射度等をY軸に設定する。そして、基準軸をパラメータとして測定値をプロットする。さらに定性分析を行う際には、複数の基準軸点における測定値の比を求めたり、定量分析を行う際には、特定基準軸点における吸光度を検量線と比較することもある。 しかしながら、スペクトル採取に用いる機器の特性の相違、或いはスペクトル測定中の環境変化によりスペクトルのベースラインは変動し、また蛍光の発生などがベースラインに影響を与えることもある。 このため、スペクトルに対するベースライン設定及び設定されたベースラインによるスペクトルデータ補正は、スペクトルデータの処理に必須の技術である。 また、例えば液体クロマトグラムなどでも、基準軸(X軸)は通常溶出時間を取るものの、測定値軸(Y軸)には吸光度等の測定値をプロットし、前記スペクトル分析と同様にベースラインの設定及び測定曲線の補正を行うことが多い。 しかしながら、ベースラインの変動自体を直接測定することは事実上不可能であり、必然的にベースライン変動の推定が必要となる。 例えば、下記特許文献1にはピーク部分の半値幅の2倍以上の曲率を持った円や楕円などを、実測スペクトルに接触させ且つ交わらないように移動させ、そのときの軌跡の一部分をベースラインとしている。 しかしながら、このような従来のベースライン補正に関する手法は、各種利点を備えるものの、演算負荷が大きく、しかも設定すべきパラメータも図形の形状、大きさなど多岐にわたり、実使用に際しての障害が多かった。特開平5−60614 本発明は前記従来技術に鑑みなされたものであり、その解決すべき課題は演算負荷が小さく、しかも簡易な設定で精度の高いベースライン補正を行うことにある。 前記目的を達成するために本発明にかかるベースライン設定方法は、波長ないし波数をとった基準軸Xと、該基準軸Xに対し直交方向に伸張する計測値軸Yとを有し、前記基準軸X上の各点に対し一の計測値が特定されるスペクトル曲線のベースライン設定方法であって、 スペクトル曲線上の特定点(xi,yi)で所定長の線分Lを基準軸Xに対し水平に引き、前記線分L上の各点L(xj)よりスペクトル曲線S上に対し垂線を下ろし、最大垂線長Pmaxを求め、点(xi,(yi−Pmax))を前記特定点(xi,yi)における仮ベースライン点とする。 そして、基準軸X上で前後所定範囲の複数の仮ベースライン点を比較し、最大仮ベースライン点を当該特定点(xi,yi)における本ベースライン点とし、 有効基準軸範囲でi=i+1として繰り返し本ベースライン点を取得し、各xiにおける該本ベースライン点を結ぶ線をベースラインとすることを特徴とする。 また、基準軸X上の特定点xiで所定長の線分Lを基準軸Xに対し水平に引き、 前記線分L上の各点L(xj)に対応する計測値yjのうち、最も基準軸Xに近いyminを求め、点(xi,ymin)をスペクトル曲線上の前記特定点(xi,yi)における仮ベースライン点とし、 基準軸X上で前後所定範囲の複数の仮ベースライン点を比較し、最大仮ベースライン点を当該特定点(xi,yi)における本ベースライン点とし、 有効基準軸範囲でi=i+1として繰り返し本ベースライン点を取得し、各xiにおける該本ベースライン点を結ぶ線をベースラインとすることを特徴とする。 ここで、本発明では、前記仮ベースライン点を取得する際の前記線分Lの範囲と、前記本ベースライン点を取得する際の前記前後所定範囲とが、同じであることが好ましい。 以上説明したように、スペクトル曲線上の特定点に対するベースライン点として、該特定点を挟む基準軸に平行な線分範囲で、線分上の各点よりスペクトル曲線上に対し垂線を下ろし、最大垂線長Pmaxを探索し、(xi,(yi−Pmax))を前記特定点における仮ベースライン点としたので、パラメータ設定は前記線分長のみであり、演算負荷も小さい。加えて、基準軸X上で前後所定範囲にある複数の仮ベースライン点のうちの最大仮ベースライン点を前記特定点における本ベースライン点とし、複数の本ベースライン点を結ぶ線をベースラインとした。このようにして設定されたベースラインを使うことによって、スペクトル採取に用いる機器の特性の相違、スペクトル測定中の環境変化、或いは、試料からの蛍光の発生などの影響を受けたスペクトル曲線に対して、高精度のベースライン補正を行うことができる。 以下、図面に基づき本発明の好適な実施例について説明する。 図1は本発明の一実施形態にかかるベースライン設定方法のフローチャートが示されており、また図2はスペクトルとベースラインの設定方法の説明図である。 まず、操作者は線分長2lの設定を行う。この線分長はスペクトルS上に現れる最大ピークの裾幅以上に設定することが好ましい。最大ピークの裾幅以下の線分長であるとベースライン点がピーク内にもぐりこむ場合がある。 そして、特定計測点(xi,yi)で、該計測点を中心として線分Lを基準軸Xと平行に設定する。この結果、線分Lは[((xi−l),yi)−((xi+l),yi)]に引かれることになる。 前記線分Lからは所定間隔でスペクトルラインSにまで垂線Pが下ろされ、線分Lの特定点L(xj)=座標((xi−l),yi)から下ろされた垂線P(xi−1)、座標((xi−l+1),yi)から下ろされた垂線P(xi−l+1)、…座標((xi+l),yi)から下ろされた垂線P(xi+l)の各長さが求められ、本実施形態においては、この中で最も長い垂線P(xi−l+5)が選択される。 そして測定点(xi,yi)の測定値yiより最長垂線長P(xi−l+5)を減じて得た(xi,(yi−P(xi−l+5))を、基準軸上の点xiにおけるベースライン点とする。 図3に示すように同様の操作を繰り返し、各xiにおけるベースライン点を算出する。そして、これらを連結することで、ベースラインBLを得る。 図4には蛍光によりかさ上げされたラマンスペクトルSと、該スペクトルSに対して本実施形態を適用してベースラインBLを得、ベースライン補正を行った補正スペクトル曲線Samdを示す。同図より明らかなように、縦軸スケールが小さくなり、大きい縦軸スケールでは発見できなかった僅かなピークが発見できる。また、ライブラリー検索でのヒット精度が高くなる。 また、赤外吸収スペクトルに対しては試料のみに起因する補正スペクトルを得ることにより定量、定性分析の精度が向上するという利点が確認されている。 なお、前記実施形態においては、線分Lの中心点をスペクトル上の特定計測点にあわせることとしたが、例えば基準軸に対数目盛を使用したときなどには、特定点右側方向に短い線分長を設定する等、不等長としても良い。 また、特定計測点座標(xi,yi)の両側からそれぞれ最も基準軸Xに近い計測値ymin1,ymin2を探索し、その平均値yminを用いても良い。特定計測点から両側に伸張する線分それぞれが最大ピークの裾幅以上の長さを有する必要があるが、特にベースラインの急激な単調上昇が認められるようなケースで有効である。 また、前記実施例においては特定計測点に線分Lを設置することとしたが、例えば(xi−l)−(xi+l)の間で最小の計測値yminを探索し、特定計測点座標(xi,yi)のyiをyminと置換して(xi,ymin)を基準軸上の点xiにおけるベースライン点としても良い。 また、前記実施例において、ベースラインの上下動が激しい場合には、前後のベースライン点との相関を取ることも好適である。 すなわち、前記実施例と同様に各計測点について仮ベースライン点を取得し、前後の計測点における仮ベースライン点を参照して本ベースライン点を設定することも好ましい。 具体的な本ベースライン点の設定は、特定計測点に対し±5cm−1の範囲で仮ベースライン点を探査を行う場合、下記のように実施することができる。 A=実測スペクトルの波数 B=実測スペクトルの強度 C=仮ベースライン点(強度) D=本ベースライン点(強度) E=補正スペクトル(強度)とした場合に、 Cn=MIN(Bn−5〜Bn+5) Dn=MAX(Cn−5〜Bn+5) En=Bn−Dnとして算出する(n:測定点番号)。 このように特定測定点における仮ベースライン点に対して、さらに前後(±5cm−1)の測定点における仮ベースライン点を比較し、その最大値を特定測定点における本ベースライン点とすることにより、ベースラインの急激な変動を抑制することができる。本発明の一実施形態にかかるベースライン設定方法のフローチャート図である。本発明の一実施形態にかかるベースライン設定方法の実行状態の説明図である。図2に示した実行状態が終了し、ベースラインが設定された状態の説明図である。本発明にかかる方法をラマンスペクトルに適用した状態の説明図である。 波長ないし波数をとった基準軸Xと、該基準軸Xに対し直交方向に伸張する計測値軸Yとを有し、前記基準軸X上の各点に対し一の計測値が特定されるスペクトル曲線のベースライン設定方法において、 スペクトル曲線上の特定点(xi,yi)で所定長の線分Lを基準軸Xに対し水平に引き、 該線分L上の各点L(xj)よりスペクトル曲線S上に対し垂線を下ろし(ここで、i,jは自然数)、最大垂線長Pmaxを求め、 点(xi,(yi−Pmax))を前記特定点(xi,yi)における仮ベースライン点とし、 基準軸X上で前後所定範囲の複数の仮ベースライン点を比較し、最大仮ベースライン点を当該特定点(xi,yi)における本ベースライン点とし、 有効基準軸範囲でi=i+1として繰り返し本ベースライン点を取得し、各xiにおける該本ベースライン点を結ぶ線をベースラインとすることを特徴とするベースライン設定方法。 波長ないし波数をとった基準軸Xと、該基準軸Xに対し直交方向に伸張する計測値軸Yとを有し、前記基準軸X上の各点に対し一の計測値が特定されるスペクトル曲線のベースライン設定方法において、 基準軸X上の特定点xiで所定長の線分Lを基準軸Xに対し水平に引き、 該線分L上の各点L(xj)に対応する計測値yjのうち、最も基準軸Xに近いyminを求め(ここで、i,jは自然数)、 点(xi,ymin)をスペクトル曲線上の特定点(xi,yi)における仮ベースライン点とし、 基準軸X上で前後所定範囲の複数の仮ベースライン点を比較し、最大仮ベースライン点を当該特定点(xi,yi)における本ベースライン点とし、 有効基準軸範囲でi=i+1として繰り返し本ベースライン点を取得し、各xiにおける該本ベースライン点を結ぶ線をベースラインとすることを特徴とするベースライン設定方法。 請求項1または2記載の方法において、前記仮ベースライン点を取得する際の前記線分Lの範囲と、前記本ベースライン点を取得する際の前記前後所定範囲とが、同じであることを特徴とするベースライン設定方法。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る