生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_カルボン酸エステルの製造方法
出願番号:2008200249
年次:2010
IPC分類:C07D 307/00,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

山口 修平 JP 2010037237 公開特許公報(A) 20100218 2008200249 20080801 カルボン酸エステルの製造方法 富士フイルム株式会社 306037311 高松 猛 100115107 矢澤 清純 100132986 山口 修平 C07D 307/00 20060101AFI20100122BHJP C07B 61/00 20060101ALN20100122BHJP JPC07D307/00C07B61/00 300 5 OL 10 4C037 4H039 4C037AA02 4H039CA66 4H039CD10 4H039CD20 本発明はカルボン酸エステルの製造方法に関するものであり、3級アミン存在下、カルボン酸ハライドを製造する際において特定の化合物を存在させることによって、副生成物の発生および目的物であるカルボン酸エステルへの着色を抑制することを特徴とする製造方法である。 カルボン酸エステルの製造方法として、カルボン酸ハライドとアルコールを塩基存在下で反応させる方法が知られている。カルボン酸とアルコールを水酸化ナトリウム等の無機塩基水溶液存在下で反応させる方法はSchotten-Baumann法といわれ、古典的なカルボン酸エステル製造方法の一つである(非特許文献1、非特許文献2)。しかしカルボン酸ハライドとして脂肪族酸ハライドを用いた場合には水によるアルコールとの反応よりも早くカルボン酸ハライドの加水分解が進行してしまうことが知られている。そのため現在では、カルボン酸ハライドを用いてエステルを製造する場合には非プロトン性有機溶媒中でピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基を用いる方法が一般的である(非特許文献1,非特許文献3)。しかしこれらの方法では微量の副生成物によって目的とするエステルに着色が見られ、活性炭等を用いて脱色の処理が必要となる場合があった。また脱色処理を行っても完全に着色を除くことができないことがあった。新実験化学講座-14、p1012、丸善N.O.V.Sonntag, Chem. Rev., 52, 237 (1953)M.Naruto, K.Ohno, N.Naruse, and H.Takeuchi, Tetrahedron Lett., 20, 251 (1979) 本発明は、不純物による着色等のない高品質のカルボン酸エステルを、効率よく製造する方法を提供することを目的とする。 本発明は、下記構成のカルボン酸エステルの製造方法であり、これにより本発明の上記目的が達成される。(1)3級アミンの存在下、一般式(1)で表される化合物を、アルコールに対して、0.05〜2.0モル当量用いることを特徴とする、カルボン酸ハライドをアルコールと反応させるカルボン酸エステルの製造方法。 一般式(1)中、 nは0または1の整数を表す。 nが0のときRaは水素原子を表し、nが1のときRaは置換基を有していてもよいアルキル基をまたは水素原子を表す。(2)前記カルボン酸ハライドが、置換基を有していてもよい飽和カルボン酸ハライドであることを特徴とする、(1)に記載のカルボン酸エステルの製造方法。(3)一般式(1)で示される化合物を、アルコールに対して0.1〜1.5モル当量用いることを特徴とする、(1)または(2)に記載のカルボン酸エステルの製造方法。(4)前記アルコールがラクトン骨格を有することを特徴とする、(1)〜(3)の何れかに記載のカルボン酸エステルの製造方法。(5)前記カルボン酸ハライドが、クロロ酢酸クロリドであることを特徴とする、(1)〜(4)の何れかに記載のカルボン酸エステルの製造方法。 本発明によれば、不純物による着色等のない高品質のカルボン酸エステルを、効率よく製造することができる。 以下、本発明について詳細に説明する。 尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。<一般式(1)で表される化合物> 本発明は、一般式(1)で表される化合物が反応系中に存在する条件下で、エステル化反応を行うことを特徴とする。 一般式(1)において、nは0または1の整数を表す。nが0のときRaは水素原子を表し、nが1のときRaは置換基を有していてもよい飽和アルキル基をまたは水素原子を表す。 一般式(1)で表される化合物としては、カルボン酸ハライドに対応するカルボン酸や水(n=0である場合に相当)が好ましく、水が特に好ましい。また一般式(1)で表される化合物は単独で用いても複数種用いてもよい。 一般式(1)で表される化合物は、エステル化するアルコールに対して、反応系中に0.05〜2.0モル当量用いることが好ましく、0.1〜1.5モル当量用いることがより好ましく、0.1〜1.0当量用いることが特に好ましい。なお、一般式(1)で表される化合物の当量は反応時、反応系中に存在する量を表し、すなわち原料、溶媒等に含まれる量と反応時に添加する量の合計を表す。 一般式(1)で表される化合物を、エステル化するアルコールに対して、反応系中に0.05〜2.0モル当量用いるとは、アルコール1モルに対し、一般式(1)で表される化合物を0.05〜2.0モルを存在させることを意味する。 一般式(1)で表される化合物を添加することにより、下記参考文献に記載される様なカルボン酸ハライドに塩基が作用し、生じるケテン由来の化合物を、反応系中に存在する水またはカルボン酸が分解するため、高純度でかつ着色のないカルボン酸エステルを得ることができると考えている。(参考文献1)W. T. Brady. and R. D. Watts., J. Org. Chem., 46, 4047 (1981)(参考文献2)J. C. Martin, et al , J. Org. Chem., 36, 2211 (1971)<アルコール> 本発明に用いるアルコールとしては特に限定はされないが、アルコール性水酸基を1個以上含有するものであれば何れの化合物でも使用可能である。 このような化合物として、例えばブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、イソデシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ドデシルアルコール、ラウリルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等のアルキル型アルコール類;メトキシエチルアルコール、エトキシエチルアルコール、ブトキシエチルアルコール、メトキシジエチレングリコール、エトキシジエチレングリコール、ブトキシジエチレングリコール、メトキシトリプロピレングリコール、エトキシトリプロピレングリコール、ブトキシトリプロピレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリプロピレングリコール等のアルコキシ基含有型アルコール類; シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、シクロオクチルアルコール、メチルシクロヘキシルアルコール、エチルシクロヘキシルアルコール等の環式アルキル型アルコール類;テトラフルフリールアルコール、メチルテトラフルフリールアルコール等のテトラフルフリール型アルコール類;イソボニルアルコール、メチルイソボニルアルコール等のイソボニル型アルコール類;ジシクロペンテニルアルコール、ジシクロペンタジエニルアルコール、ジシクロペンテニロキシエチルアルコール等の複素環式脂肪族基含有型アルコール類;tert−ブチルアミノエチルアルコール、N,N−ジメチルアミノエチルアルコール、N,N−ジエチルアミノエチルアルコール等のアミノ基含有型アルコール類;テトラフロロプロピルアルコール、ヘプタデカフロロデシルアルコール等の含フッ素型アルコール類;ベンジルアルコール等のベンジル基含有型アルコール類;フェノール、メチルフェノール等のフェニル基含有型アルコール類;フェノキシエチルアルコール、フェノキシジエチレングリコール、フェノキシトリエチレングリコール、フェノキシヘキサエチレングリコール等のフェノキシ基含有型アルコール類;アルキレンオキサイド変性リン酸型アルコール類、ε−カプロラクトン変性ヒドロキシアルコール、ε−カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアルコール等のヒドロキシル基をε−カプロラクトン又はアルキレンオキサイドで変性した変性型のアルコール類等の1価のアルコール類や、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の両末端水酸基含有アルキル型アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルキレングリコール型アルコール類;ヒドロキシピバリン酸エチレングリコール、ヒドロキシピバリン酸ジエチレングリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコール等のエステル型両未端水酸基含有アルコール類;トリメチロールプロパン、エトキシトリメチロールプロパン、プロポキシトリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、エトキシジトリメチロールプロパン、プロポキシジトリメチロールプロパン、ε−カプロラクトン変性トリメチロールプロパン、ε−カプロラクトン変性ジトリメチロールプロパン等のトリメチロールプロパン及びその誘導体のアルコール類;ペンタエリスリトール、エトキシペンタエリスリトール、プロポキシペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、エトキシジペンタエリスリトール、プロポキシジペンタエリスリトール、ε−カプロラクトン変性ペンタエリスリトール、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトール等のペンタエリスリトール及びその誘導体のアルコール類;トリヒドロキシイソシアヌレート、トリス(ヒドロキエチル)イソシアヌレート、トリス(エチレンオキサイド変性)イソシアヌレート、トリス(プロピレンオキサイド変性)イソシアヌレート、トリス(ε−カプロラクトン変性)イソシアヌレート等のイソシアヌレート及びその誘導体のアルコール類;ジ(ヒドロキシエチル)ジシクロペンタジエン等の複素環誘導体のアルコール類;エチレンオキサイド付加ビスフェノールA、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールA、エチレンオキサイド付加水添ビスフェノールA、プロピレンオキサイド付加水添ビスフェノールA、ε−カプロラクトン変性ビスフェノールA、エチレンオキサイド付加ビスフェノールS、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールS、エチレンオキサイド付加水添ビスフェノールS、プロピレンオキサイド付加水添ビスフェノールS、ε−カプロラクトン変性ビスフェノールS等のビスフェノール化合物の変性型アルコール類;グリセリン、エチレンオキサイド付加グリセリン類、プロピレンオキサイド付加グリセリン類、ε−カプトラクトン変性グリセリン類等の多価のアルコール類が挙げられる。 また本発明ではラクトン骨格を有するアルコール、脂環骨格を有するアルコールを用いることができる。ラクトン骨格を有するアルコールとしてはラクトン構造を含有していればいずれの基でも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造を含有する基であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環していてもよく、下記に表される式(LC−1)〜(LC−16)のラクトン構造を有するアルコールを用いることができる。 下記で表される式(LC−1)〜(LC−16)において、ラクトン骨格は置換基Rb2を有していても、有していなくてもよい。好ましい置換基Rb2としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、酸分解性基、トリフルオロメチル基、パーフルオロアルキル基が挙げられ、シアノ基が好ましい。またn2は0から5の整数を表す。n2が2以上の時、複数存在するRb2は同一でも異なっていてもよく、また、複数存在するRb2同士が結合して環を形成してもよい。 以下にラクトン骨格を有するアルコールの具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。<カルボン酸ハライド> 本発明で用いるカルボン酸ハライドとしては、カルボン酸クロリド、カルボン酸ブロミドなどを挙げることができるが、特に安定性と反応性の観点からカルボン酸クロリドを用いることが好ましい。また脂肪族カルボン酸ハライド、芳香族カルボン酸ハライド等を特に制限なく、用いることができるが、脂肪族カルボン酸ハライドがより好ましく、置換基を有していてもよい、飽和脂肪族カルボン酸ハライドが特に好ましい。 好ましいカルボン酸ハライドとしては酢酸クロリド、酢酸ブロミド、クロロ酢酸クロリド、ブロモ酢酸ブロミド、ジクロロ酢酸クロリド、トリフルオロ酢酸クロリド、トリクロロ酢酸クロリド、トリブロモ酢酸クロリド、プロピオン酸クロリド、プロピオン酸ブロミド、イソブチリルクロリド、トリメチルアセチルクロリド、3,5,5,-トリメチルヘキサノイルクロリド、3-シクロペンチルプロピオニルクロリド、2-クロロプロピオニルクロリド、3-クロロプロピオニルクロリド、2-ブロモプロピオニルクロリド、2-ブロモプロピオニルブロミド、3-ブロモプロピオニルクロリド、2-ブロモイソブチリルブロミド、3-クロロピバロイルクロリド、2,3-ジクロロプロピオニルクロリド、2,3-ジブロモプロピオニルクロリド、ブチリルクロリド、イソバレリルクロリド、tert-ブチルアセチルクロリド、4−クロロブチリルクロリド、2−ブロモブチリルブロミド、4−ブロモブチリルクロリド、ヘプタフルオロブチリルクロリド、バレリルクロリド、5-クロロバレリルクロリド、5−ブロモバレリルクロリド、ヘキサノイルクロリド、2−エチルヘキサノイルクロリド、2−ブロモヘキサノイルブロミド、6−ブロモヘキサノイルクロリド、ヘプタノイルクロリド、オクタノイルクロリド、ペンタデカフルオロオクタノイルクロリド、ノナノイルクロリド、デカノイルクロリド、ウンデカノイルクロリド、ラウロイルクロリド、ミリストイルクロリド、パルミトイルクロリド、ヘプタデカノイルクロリド、ステアロイルクロリド、シクロプロパンカルボニルクロリド、シクロブタンカルボニルクロリド、シクロペンタンカルボニルクロリド、シクロヘキサンカルボニルクロリド、1−アダマンタンカルボニルクロリド等があげられるが、本発明はこれに限定されるものではない。 カルボン酸ハライドはアルコールに対して、0.5〜3.0モル当量用いることが好ましく、0.5〜2.0モル当量用いることがより好ましく、0.8〜1.8モル当量用いることが特に好ましい。<3級アミン> 本発明において、3級アミン類を脱塩酸剤として使用する。3級アミン類としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチル−ジエチルアミン、N−エチル−ジメチルアミン、N−エチル−ジアミルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチル−シクロヘキシルアミン、N,N−ジエチル−シクロヘキシルアミン等の脂肪族アミン;N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等の芳香族アミン;ピリジン、ピコリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジン等の複素環アミン; 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0] ノン−5−エン、キヌクリジン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の脂環式アミン等が挙げられる。これらは単独で用いても、複数用いてもよい。 3級アミンはアルコールに対して0.5〜3.0モル当量用いることが好ましく、0.5〜2.0モル当量用いることがより好ましく、0.8〜1.8モル当量用いることが特に好ましい。またカルボン酸ハライド等モル量用いることが好ましい。<有機溶媒> 本発明では溶媒として有機溶媒を使用することができる。使用し得る有機溶媒としては反応に不活性な溶媒であればよく、例えばヘプタン、ヘキサン、オクタン、ジクロロメタン、クロロホルム、エチレンジクロライド、アセトン、アセトニトリル、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジエチルエーテル、ジt-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等が挙げられる。これらは単独で使用しても混合して使用してもよい。 有機溶媒はエステル化するアルコールの質量に対して0〜50倍の質量を用いるのが好ましく、0〜25倍がより好ましく、0〜15倍が特に好ましい。<製造工程> 本発明はアルコールとカルボン酸クロリドが反応しエステルが生成する際に、反応系中に一般式(1)で表される化合物が存在することを特徴とする。したがって、目的とするエステルを製造する工程において、どの様な手順をもって反応操作を行ってもよい。 たとえば、アルコール、3級アミン、一般式(1)で表される化合物の混合物に対して、カルボン酸ハライドを滴下してもよいし、アルコール、カルボン酸ハライドの混合物に対して、3級アミンを滴下してもよい。またアルコール、と一般式(1)で表される化合物の混合物に対してカルボン酸ハライド、3級アミンを滴下してもよい。さらにカルボン酸ハライドに対して、カルボン酸ハライドアルコール、3級アミン、一般式(1)で表される化合物の混合物を滴下してもよく、3級アミン対して、アルコール、カルボン酸ハライドの混合物を滴下してもよい。また反応を行う際、溶媒を使用してもよい。 反応を行う際、反応温度は特に制限はないが、反応容器内の反応溶液の温度が0℃〜60℃であることが好ましく、0℃〜30℃がより好ましく、0℃〜15℃が特に好ましい。〔実施例1〕 5L三口フラスコ中でアルコールA100gをTHF720gに溶解させた後、ピリジン77gを加えた。ここでカールフィッシャー法にて混合溶液の含水率を測定したところ、0.024%であった。このTHF溶液に水を3.39g(先に測定の含水率と合わせ、原料の0.33当量になる量)を加えた後、氷浴にて冷却した。フラスコ内温が5℃以下になったことを確認し、クロロ酢酸クロリド110gを反応溶液を攪拌している中に滴下した(反応溶液は15℃以下で管理)。滴下終了後、反応溶液を室温にて3時間攪拌した。その後反応液に水1440gを添加し、さらに30分攪拌したのち生成した結晶を濾取し、水1440gで洗浄した。室温で48時間真空乾燥を行い、化合物Bを136g(収率91%)白色結晶として得た。1HNMRスペクトル(CDCl3)6.22(1H,m), 5.69(1H, m), 4.68(2H, s), 4.66(1H, m), 4.55(1H, m), 3.22(1H, m), 2.40〜2.59(2H, m), 1.98(3H, s), 1.55〜2.16(4H, m)〔実施例2〕 5L三口フラスコ中でアルコールA100gをTHF720gに溶解させた後、クロロ酢酸20g、ピリジン71gを加えた。ここでカールフィッシャー法にて混合溶液の含水率を測定したところ、0.027%であった。次に氷浴にて冷却をおこない、フラスコ内温が5℃以下になったことを確認し、クロロ酢酸クロリド86gを反応溶液を攪拌している中に滴下した(反応溶液は15℃以下で管理)。滴下終了後、反応溶液を室温にて3時間攪拌した。その後反応液に水1440gを添加し、さらに30分攪拌したのち生成した結晶を濾取し、水1440gで洗浄した。室温で48時間真空乾燥を行い化合物Bを136g(収率91%)白色結晶として得た。〔比較例1〕 5L三口フラスコ中でアルコールA100gをTHF720gに溶解させた後、ピリジン77gを加えた。ここでカールフィッシャー法にて混合溶液の含水率を測定したところ、0.024%であった。この反応溶液を氷浴にて冷却し、フラスコ内温が5℃以下になったことを確認してからクロロ酢酸クロリド110gを反応溶液を攪拌している中に滴下した(反応溶液は15℃以下で管理)。滴下終了後、反応溶液を室温にて3時間攪拌した。その後反応液に水1440gを添加し、さらに30分攪拌したのち生成した結晶を濾取し、水1440gで洗浄した。室温で48時間真空乾燥を行い化合物Bを131g(収率88%)黄色の結晶として得た。(脱色処理) 得られた黄色の結晶10gをアセトン100gに溶解し、活性炭5gを添加した30分攪拌した。溶液を濾過し活性炭を取り除いた後、濃縮を行い短黄色結晶9.2gを得た。活性炭による脱色処理を行っても白色の結晶を得ることはできなかった。〔実施例3〕 3L三口フラスコ中でアルコールC100gをアセトニトリル500gに溶解させた後、ピリジン66gを加えた。ここでカールフィッシャー法にて混合溶液の含水率を測定したところ、0.026%であった。このTHF溶液に水を2.31g(先に測定の含水率と合わせ、原料の0.25当量になる量)を加えた後、氷浴にて冷却した。フラスコ内温が5℃以下になったことを確認し、クロロ酢酸クロリド95gを反応溶液を攪拌している中に滴下した(反応溶液は15℃以下で管理)。滴下終了後、反応溶液を室温にて3時間攪拌した。その後反応液に水1000gを添加し、さらに30分攪拌したのち生成した結晶を濾取し、水100gで洗浄した。室温で48時間真空乾燥を行い化合物Dを128g(収率90%)白色結晶として得た。1HNMRスぺクトル(CDCl3)σ(ppm):4.71(1H,d),4.69(1H,brs),4.07(2H,s),3.64-3.62(1H,m),2.78(1H,br),2.43(1H,dd),2.27(1H,dd),2.21(1H,ddd),2.00(1H,dd)〔比較例2〕 3L三口フラスコ中でアルコールC 100gをアセトニトリル500gに溶解させた後、ピリジン66gを加えた。ここでカールフィッシャー法にて混合溶液の含水率を測定したところ、0.026%であった。この反応溶液を氷浴にて冷却し、フラスコ内温が5℃以下になったことを確認してからクロロ酢酸クロリド95gを反応溶液を攪拌している中に滴下した(反応溶液は15℃以下で管理)。滴下終了後、反応溶液を室温にて3時間攪拌した。その後反応液に水1000gを添加し、さらに30分攪拌したのち生成した結晶を濾取し、水1000gで洗浄した。室温で48時間真空乾燥を行い化合物Dを127g(収率89%)黄色の結晶として得た。 3級アミンの存在下、一般式(1)で表される化合物を、アルコールに対して、0.05〜2.0モル当量用いることを特徴とする、カルボン酸ハライドをアルコールと反応させるカルボン酸エステルの製造方法。 一般式(1)中、 nは0または1の整数を表す。 nが0のときRaは水素原子を表し、nが1のときRaは置換基を有していてもよいアルキル基をまたは水素原子を表す。 前記カルボン酸ハライドが、置換基を有していてもよい飽和カルボン酸ハライドであることを特徴とする、請求項1に記載のカルボン酸エステルの製造方法。 一般式(1)で示される化合物を、アルコールに対して0.1〜1.5モル当量用いることを特徴とする、請求項1または2に記載のカルボン酸エステルの製造方法。 前記アルコールがラクトン骨格を有することを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載のカルボン酸エステルの製造方法。 前記カルボン酸ハライドが、クロロ酢酸クロリドであることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載のカルボン酸エステルの製造方法。 【課題】不純物による着色等のない高品質のカルボン酸エステルを、効率よく製造する方法を提供する。【解決手段】3級アミンの存在下、一般式(1)で表される化合物を、アルコールに対して、0.05〜2.0モル当量用いることを特徴とする、カルボン酸ハライドをアルコールと反応させるカルボン酸エステルの製造方法。【化1】一般式(1)中、 nは0または1の整数を表す。 nが0のときRaは水素原子を表し、nが1のときRaは置換基を有していてもよいアルキル基をまたは水素原子を表す。【選択図】なし


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