タイトル: | 公開特許公報(A)_実質的にアモルファスであるテルミサルタンの製法 |
出願番号: | 2008180150 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | A61K 31/4184,A61K 9/14,A61K 47/02,A61K 47/16,A61P 43/00 |
フリードル トーマス シェプキ ゴットフリート JP 2008285501 公開特許公報(A) 20081127 2008180150 20080710 実質的にアモルファスであるテルミサルタンの製法 ベーリンガー インゲルハイム ファルマ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト 503137975 熊倉 禎男 100082005 小川 信夫 100084009 箱田 篤 100084663 浅井 賢治 100093300 平山 孝二 100114007 フリードル トーマス シェプキ ゴットフリート A61K 31/4184 20060101AFI20081031BHJP A61K 9/14 20060101ALI20081031BHJP A61K 47/02 20060101ALI20081031BHJP A61K 47/16 20060101ALI20081031BHJP A61P 43/00 20060101ALI20081031BHJP JPA61K31/4184A61K9/14A61K47/02A61K47/16A61P43/00 116 13 2003559490 20020116 OL 14 4C076 4C086 4C076AA30 4C076AA32 4C076AA40 4C076BB01 4C076CC11 4C076DD30 4C076DD30A 4C076DD49 4C076DD50 4C076FF01 4C076GG01 4C076GG09 4C086AA01 4C086BC39 4C086GA07 4C086MA02 4C086MA41 4C086NA20 4C086ZA42 4C086ZC17 本発明は、アンギオテンシンII受容体拮抗剤テルミサルタンをヒドロクロロチアジド(HCTZ)のような利尿剤と組合わせて含有する二層医薬錠剤の配合剤に関する。本発明は、また、前記二層錠剤の製法を提供する。 INN テルミサルタンは、欧州特許出願第502314号に開示されているように高血圧症や他の医学的適応症の治療に開発されたアンギオテンシンII受容体拮抗剤である。 その化学名は、下記構造:を有する4'-[2-n-プロピル-4-メチル-6-(1-メチルベンズイミダゾール-2-イル)ベンズイミダゾール-1-イルメチル]ビフェニル-2-カルボン酸である。 テルミサルタンは、一般的には、遊離酸の形で製造され供給される。テルミサルタンは、pH 1〜7の胃腸管の生理的pH範囲の水性系において溶解性が非常に悪いことを特徴とする。国際出願第00/43370号に開示されているように、結晶性テルミサルタンは融点の異なる2つの多形で存在する。熱と湿度の影響によって、融点の低い多形Bは融点の高い多形Aに不可逆的に変換する。 ヒドロクロロチアジド(HCTZ)は、チアジド利尿剤であり、浮腫や高血圧症の治療に経口投与される。 HCTZの化学名は、下記構造を有する6-クロロ-3,4-ジヒドロ-2H-1,2,4-ベンゾチアジアジン-7-スルホンアミド-1,1-ジオキシドである。 テルミサルタンとHCTZのような利尿剤との併用治療は、高血圧症の治療に相乗的な治療効果を示すと考えられる。 それ故、本発明の目的は、テルミサルタンとHCTCのような利尿剤とを含有する一定用量の併用薬剤であって、前記併用薬剤が、必要とされる急速溶解と即効性薬剤放出プロファイルが十分な安定性と組合わされている、前記薬剤を提供することであった。 一般的には、即効性放出が企図された薬剤の一定用量の併用はそれらの2つの有効成分の粉末混合物又は共顆粒を必要な賦形剤と製造し、通常は対応する単一薬剤調製物の塩基性配合剤を保存し、第二薬剤成分を簡単に添加することにより調製される。 テルミサルタンとHCTZの併用においては、HCTZと従来のテルミサルタン配合剤の一成分である塩基性化合物、例えば、メグルミン(N-メチル-D-グルカミン)とが不適合であり、且つ崩壊性錠剤からの溶解と比べて溶解性マトリックスからHCTZの溶解速度が遅いために、この方法は実行可能でなかった。 不適合性の問題を克服するためにいくつかのガレヌス法が探究された。古典的な方法は、流動床造粒機中のHCTZ粒子をヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はポリビニルピロリドンのような水溶性ポリマーを含有するポリマー溶液でコーティングし、よって混合や圧縮中にHCTZ粒子とテルミサルタン配合剤との接触表面積を減少させることである。しかし、これらの手段によって所望の長時間寿命を十分得る程度まで圧縮錠剤においてHCTZとテルミサルタン配合剤との接触面積を減少させることは可能でなかった。 更に、テルミサルタン配合剤においてコーティングしたHCTZを含有する錠剤からのHCTZの溶解速度は、ポリマーのゲル形成特性のために更に低下した。 他の方法は、テルミサルタンとHCTZのための別個のフィルムコーティング錠剤をカプセルへ充填しうるようなサイズと形で製造することであった。テルミサルタンについては2つ〜4つの単一の小錠剤へ、HCTZについては1つ又は2つの小錠剤へ用量を分割することにより、サイズ1〜0の長さのカプセルに充填することができる。しかし、この方法においては、テルミサルタンの薬剤溶解速度は、大きなカプセルシェルの吸収待ち時間を引き起こすために単一の物質と比べて低下した。更に、患者のコンプライアンスに関して、ゼロ長さのカプセルは信頼できない。 本発明によれば、ここでテルミサルタンと利尿剤とを含有する一定用量の併用薬剤の調製において従来の方法に伴う上記問題がテルミサルタンを本質的にアモルファス形態で溶解性錠剤マトリックス中に含有する第一層と、利尿剤を崩壊性錠剤マトリックス中に含有する第二層とを含有する二層医薬錠剤によって克服することができることを見出した。 本発明の二層錠剤は、難水溶性テルミサルタンの溶解が非常にpH依存性であり、よって薬剤の生理的pHレベルでの溶解を容易にし、利尿剤の急速崩壊性マトリックスからの即効性放出も与える。同時に、二層錠剤構造はHCTZのような利尿剤とテルミサルタン配合剤の塩基性成分との不適合性に起因する安定性の問題を克服する。 更に、態様においては、本発明は、二層打錠技術の改善に関し、二層医薬錠剤の製造方法であって、(i) 第一錠剤層組成物を供給する工程であって、 a) テルミサルタンと、少なくとも1種の塩基性物質と、任意により溶解剤(solubilizer)及び/又は結晶抑制剤との水溶液を調製する段階; b) 前記水溶液を噴霧乾燥して噴霧乾燥した顆粒を得る段階; c) 前記噴霧乾燥した顆粒と水溶性希釈剤とを混合してプレミックスを得る段階; d) 前記プレミックスと滑沢剤とを混合して第一錠剤層のための最終混和物(ブレンド)を得る段階; e) 任意により、a)〜d)のいずれかの段階で他の賦形剤及び/又は補助剤を添加する段階による、前記工程;(ii) 第二錠剤層組成物を供給する工程であって、 f) 利尿剤と崩壊性錠剤マトリックスの成分と、任意により更に賦形剤及び/又は補助剤とを混合及び/又は造粒する段階; g) 滑沢剤を混合して第二錠剤層のための最終混和物を得る段階による、前記工程;(iii) 第一錠剤層組成物又は第二錠剤層組成物のいずれかを錠剤圧縮機へ導入する工程;(iv) 前記錠剤層組成物を圧縮して錠剤層を形成する工程;(v) もう一方の錠剤層組成物を錠剤圧縮機へ導入する工程; 及び(vi) 双方の錠剤層組成物を圧縮して二層錠剤を形成する工程を含む、前記方法を提供する。定義 本明細書で用いられる“本質的にアモルファス形態”という用語は、X線粉末回折測定によって求められるように少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の割合でアモルファス形態の成分を含有する生成物を意味する。 “溶解性錠剤マトリックス”という用語は、生理的水性媒体に容易に溶解する即効性放出(急速溶解)特性を有する医薬錠剤塩基配合剤を意味する。 “利尿剤”とは、ヒドロクロロチアジド(HCTZ)、クロパミド、キシパミド又はクロロタリドンのようなチアジドやチアジド類似利尿剤、又は高血圧症の治療に適したあらゆる他の利尿剤、例えば、フロセミドやピレタニド、又はアミロイドやトリアムテレンとのその組合わせを意味する。 “崩壊性錠剤マトリックス”という用語は、生理的水性媒体中で容易に膨潤し崩壊する即効性放出特性を有する医薬錠剤塩基配合剤を意味する。好適実施態様の説明 本発明の二層錠剤は、テルミサルタンを本質的にアモルファス形態で溶解性錠剤マトリックス中に含有する第一層と、利尿剤を崩壊性錠剤マトリックス中に含有する第二層とを含んでいる。 活性成分テルミサルタンは、一般的には、その遊離酸の形で供給されるが、薬学的に許容しうる塩も用いることができる。続いての処理で、テルミサルタンは、通常は溶解され、本質的にアモルファス形態に変換され、その最初の結晶形態や粒子径は得られる二層錠剤配合剤の物理的性質と生物薬剤的性質にほとんど重要でない。しかしながら、更に処理で湿潤や溶解を容易にするために、例えば、篩過により出発物質から集合体を除去することが好ましい。 本質的にアモルファス形態のテルミサルタンは、当業者に既知の適切な方法、例えば、水溶液の凍結乾燥、流動床における担体粒子のコーティング、糖沈降物又は他の担体に対する溶媒沈着により製造することができる。しかしながら、好ましくは、本質的にアモルファス形態のテルミサルタンは後述される特定の噴霧乾燥法により調製される。 その他の有効成分、即ち、利尿剤は、通常、微細結晶粉末として、任意によりファインミルド、ペグミルド又は微分化の形で用いられる。例えば、乾燥分散系におけるレーザ光散乱法(Sympatec Helos/Rodos、焦点距離100 mm)によって求められるヒドロクロロチアジドの粒度分布は、好ましくは次の通りである。d10 : ≦ 20μm、好ましくは2〜10μmd50 : 5〜50μm、好ましくは10〜30μmd90 : 20〜100μm、好ましくは40〜80μm 本発明の二層錠剤は、一般的には、10〜160 mg、好ましくは20〜80 mgのテルミサルタンと6.25〜50 mg、好ましくは12.5〜25 mgの利尿剤を含有する。現在好ましい形は、それぞれ40/12.5 mg、80/12.5 mg、80/25 mgのテルミサルタンとHCTZを含有する二層錠剤である。 第一錠剤層は、テルミサルタンを即効性放出(急速溶解)特性を有する溶解性錠剤マトリックスに分散された本質的にアモルファス形態で含有する。溶解性錠剤マトリックスは、酸性、中性又は塩基性であってもよいが、塩基性錠剤マトリックスが好ましい。 そのような好ましい実施態様においては、溶解性マトリックスは、塩基性物質と、水溶性希釈剤と、任意により他の賦形剤や補助剤とを含んでいる。 適切な塩基性物質の個々の例は、NaOHやKOHのようなアルカリ金属水酸化物; アルギニンやリシンのような塩基性アミノ酸であり; メグルミン(N-メチル-D-グルカミン)、NaOH、メグルミンが好ましい。 適切な水溶性希釈剤の個々の例は、炭水化物、例えば、グルコースのような単糖; スクロース、無水ラクトース、ラクトース1水和物のようなオリゴ糖; ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、リビトール、キシリトールのような糖アルコールである。好ましい希釈剤はソルビトールである。 その他の賦形剤及び/又は補助剤は、例えば、結合剤、担体、充填剤、滑沢剤、流れ調整剤、結晶抑制剤、溶解剤、着色剤、pH制御剤、界面活性剤及び乳化剤より選ばれ、個々の例は下記第二錠剤層組成物に関して示される。第一錠剤組成物の賦形剤及び/又は補助剤は、非酸性の急速溶解性錠剤マトリックスが得られるように選ばれることが好ましい。 第一錠剤層組成物は、一般的には3〜50 wt.%、好ましくは5〜35 wt.%の有効成分と; 0.25〜20 wt.%、好ましくは0.40〜15 wt.%の塩基性物質と; 30〜95 wt.%、好ましくは60〜80 wt.%の水溶性希釈剤とを含んでいる。 他の(任意)成分は、例えば、下記賦形剤及び/又は補助剤の1種以上より下記の指示された量で選ぶことができる。 10〜30 wt.%、好ましくは15〜25 wt.%の結合剤、担体、充填剤、それによって水溶性希釈剤が置き換えられる; 0.1〜5 wt.%、好ましくは0.5〜3 wt.%の滑沢剤; 0.1〜5 wt.%、好ましくは0.3〜2 wt.%の流れ調整剤; 1〜10 wt.%、好ましくは2〜8 wt.%の結晶抑制剤; 1〜10 wt.%、好ましくは2〜8 wt.%の溶解剤; 0.05〜1.5 wt.%、好ましくは0.1〜0.8 wt.%の着色剤; 0.5〜10 wt.%、好ましくは2〜8 wt.%のpH制御剤; 0.01〜5 wt.%、好ましくは0.05〜1 wt.%の界面活性剤、乳化剤。 第二錠剤層組成物は、利尿剤を急速崩壊性錠剤マトリックス中に含有する。好適実施態様においては、崩壊性錠剤マトリックスは充填剤と、結合剤と、崩壊剤と、任意により他の賦形剤や補助剤とを含んでいる。 充填剤は、無水ラクトース、噴霧乾燥したラクトース及びラクトース1水和物より選ばれることが好ましい。 結合剤は、乾燥結合剤の群及び/又は湿顆粒結合剤の群より選ばれ、第二錠剤層に選択される製造法に左右される。適切な乾燥結合剤は、例えば、セルロース末やミクロクリスタリンセルロースである。湿顆粒結合剤の個々の例は、コーンスターチ、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー(コポビドン)、又はヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体である。 適切な崩壊剤は、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、乾燥コーンスターチであり、デンプングリコール酸ナトリウムが好ましい。 その他の賦形剤や補助剤が使われる場合には、希釈剤及び担体、例えば、セルロース末、ミクロクリスタリンセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体、二塩基性リン酸カルシウム、コーンスターチ、アルファ化デンプン、ポリビニルピロリドン(ポビドン)等; 滑沢剤、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、三ベヘン酸グリセロール等; 流れ調整剤、例えば、コロイドシリカ、タルク等; 結晶抑制剤、例えば、ポビドン等; 溶解剤、例えば、プルロニック、ポビドン等; 染料や顔料を含む着色剤、例えば、酸化鉄レッド又はイエロ、二酸化チタン、タルク等の; pH制御剤、例えば、クエン酸、酒石酸、フマル酸、クエン酸ナトリウム、二塩基性リン酸カルシウム、二塩基性リン酸ナトリウム等; 界面活性剤や乳化剤、例えば、プルロニック、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエトキシル化ヒマシ油、硬化ヒマシ油等; 及びこれらの賦形剤及び/又は補助剤の2種以上の混合物より選ばれることが好ましい。 第二錠剤層組成物は、一般的には、1.5〜35 wt.%、好ましくは2〜15 wt.%の有効成分と; 25〜75 wt.%、好ましくは35〜65 wt.%の充填剤と; 10〜40 wt.%、好ましくは15〜35 wt.%の乾燥結合剤と; 0.5〜5 wt.%、好ましくは1〜4 wt.%の湿潤顆粒結合剤と; 1〜10 wt.%、好ましくは2〜8 wt.%の崩壊剤とを含んでいる。その他の賦形剤や補助剤は、一般的には第一錠剤層組成物と同量で用いられる。 本発明の二層錠剤を調製するために、第一錠剤層組成物と第二錠剤層組成物を二層錠剤圧縮機、例えば、二層打錠方式の高速回転圧縮機において通常の方法で圧縮することができる。しかしながら、第一錠剤層に過度の圧縮力を用いないことは注意しなければならない。好ましくは、第一錠剤層の圧縮中に加えられる圧縮力と第一錠剤層と第二溶剤層双方の圧縮中に加えられる圧縮力との比は1:10〜1:2の範囲にある。例えば、第一錠剤層は4〜8 kNの中程度の力で圧縮することができるが、第一層と第二層の主圧縮は, 10〜20 kNの力で行なわれる。 二層錠剤圧縮で、2つの層の間の十分な結合形成は距離の引力(分子間力)と粒子間の機械的インターロックによって達成される。 得られた二層錠剤は有効成分を急速に主にpH依存方式で放出し、完全な放出は60分未満以内に起こり、大部分の放出は15分未満以内に起こる。二層錠剤の溶解/崩壊速度論は、種々の方法で制御することができる。例えば、いずれの層も同時に溶解/崩壊することができる。しかしながら、好ましくは利尿剤を含有する第二錠剤層がまず崩壊するが、テルミサルタンを含有する第一錠剤層が同時に又は次に溶解する。 本発明によれば、有効成分、特にテルミサルタンのかなり高い溶解速度が達成される。通常は、少なくとも70%、典型的には少なくとも、90%の薬剤装填が30分後に溶解する。 本発明の二層錠剤は、わずかに吸湿性である傾向があるので、アルミニウム箔ブリスターパック、又は乾燥剤を含有することが好ましいポリプロピレンチューブやHDPEびんのような防湿包装材料を用いて包装されることが好ましい。 最適溶解/崩壊と薬剤放出特性については、本発明の二層錠剤を製造する特定の方法が開発されており、その方法は(i) 第一錠剤層組成物を供給する工程であって、 a) テルミサルタンと、少なくとも1種の塩基性物質と、任意により溶解剤及び/又は結晶抑制剤との水溶液を調製する段階; b) 前記水溶液を噴霧乾燥して噴霧乾燥した顆粒を得る段階; c) 前記噴霧乾燥した顆粒と水溶性希釈剤とを混合してプレミックスを得る段階; d) 前記プレミックスと滑沢剤とを混合して第一錠剤層のための最終混和物を得る段階; e) 任意により、a)〜d)のいずれかの段階で他の賦形剤及び/又は補助剤を添加する段階による、前記工程;(ii) 第二錠剤層組成物を供給する工程であって、 f) 利尿剤と崩壊性錠剤マトリックスの成分と、任意により更に賦形剤及び/又は補助剤とを混合及び/又は造粒する段階; g) 滑沢剤を混合して第二錠剤層のための最終混和物を得る段階による、前記工程;(iii) 第一錠剤層組成物又は第二錠剤層組成物を錠剤圧縮機へ導入する工程;(iv) 前記錠剤層組成物を圧縮して錠剤層を形成する工程;(v) もう一方の錠剤層組成物を錠剤圧縮機へ導入する工程; 及び(vi) 双方の錠剤層組成物を圧縮して二層錠剤を形成する工程を含んでいる。 本方法の好適実施態様においては、テルミサルタンのアルカリ水溶液は、有効成分を精製水に水酸化ナトリウムやメグルミンのような1種以上の塩基性物質の援助により溶解することにより調製される。任意により、溶解剤及び/又は再結晶抑制剤を添加することができる。出発水溶液の乾燥物質含量は、一般的には10〜40 wt.%、好ましくは20〜30 wt.%である。 次に、水溶液を並流又は向流噴霧乾燥機内で室温で又は、好ましくは、例えば、50〜100℃の高温で、例えば、1〜4 barの噴霧圧で噴霧乾燥される。一般的に言えば、噴霧乾燥条件は、残留湿度が≦5 wt.%、好ましくは≦3.5 wt.%の噴霧乾燥した顆粒が分離サイクロンで得られるような方法で選ばれることが好ましい。そのために、噴霧乾燥機の空気出口温度は約80〜90℃の温度で保持されることが好ましく、噴霧圧、噴霧速度、空気入口温度等のその他のプロセスパラメータは結果的に調整される。 得られた噴霧乾燥した顆粒は、次の粒度分布を有する微細粉末であることが好ましい。 d10 : ≦ 20 μm、好ましくは≦ 10 μm d50 : ≦ 80 μm、好ましくは20〜55 μm d90 : ≦ 350 μm、好ましくは50〜150 μm 噴霧乾燥後、噴霧乾燥した顆粒中に含有する有効成分(テルミサルタン)と賦形剤は本質的にアモルファス状態にあり、結晶化度は検出できない。物理的観点から、噴霧乾燥した顆粒は固化した溶液又はガラス転移温度Tgが好ましくは> 50℃、更に好ましくは> 80℃のガラスである。 100重量部の有効成分(テルミサルタン)に基づき、噴霧乾燥した顆粒は5〜200重量部の塩基性物質と、任意により溶解剤及び/又は結晶抑制剤を含有することが好ましい。 水溶性希釈剤は、第一錠剤層組成物に基づき、一般的には30〜95 wt.%、好ましくは60〜80 wt.%の量で用いられる。 滑沢剤は、第一錠剤層組成物の重量に基づき、一般的には0.1〜5 wt.%、好ましくは0.3〜2 wt.%の量でプレミックスに添加される。 混合は、2段階で行なわれる。即ち、第一混合段階では、噴霧乾燥した顆粒と希釈剤が、例えば、高せん断ミキサ又はフリーフォールブレンダを用いて混合され、第二混合段階では、滑沢剤がプレミックスと、好ましくは高せん断条件下で混和される。しかしながら、本発明の方法は、これらの混合手順に限定されず、一般的には、段階c)、d)と、続いての段階f)とg)において、例えば、中間篩い分けを含むコンテナミキシングの代替的混合手順を用いることができる。 直接圧縮の場合、第二錠剤層組成物は、例えば、高強度ミキサ又はフリーフォールブレンダによって構成成分を乾燥混合することにより調製することができる。また、好ましくは、第二錠剤層組成物は湿式造粒法を用いて調製され、湿顆粒結合剤の水溶液をプレミックスに添加し、続いて得られた湿顆粒を、例えば、流動床乾燥機又は乾燥チャンバ内で乾燥する。乾燥した混合物を篩過してから、例えば、タンブルミキサ又はフリーフォールブレンダを用いて滑沢剤を混合し、その後、組成物はすぐに圧縮できる。 本発明の二層錠剤の製造については、第一錠剤層組成物と第二錠剤層組成物を二層錠剤圧縮機、例えば、二層打錠方式の回転式圧縮機で上記方法で圧縮される。第一錠剤層と第二錠剤層間の交差混入を避けるために(HTCZの分解を生じることがある)、いかなる顆粒状残渣も打錠チャンバ内のダイテーブルの強い吸引によって打錠中に注意深く除去しなければならない。 本発明を更に具体的に説明するために、限定しない実施例を次に示す。実施例 1製造1. 噴霧溶液 225,000 kgの精製水を適当なステンレス鋼容器の中に20〜40℃の温度で量った。順次、3,780 kgの水酸化ナトリウムと、45,000 kgのテルミサルタン(多形AとBの混合物)と、13,500 kgのポリビドンK 25と13,500 kgのメグルミンとをほとんど透明でわずかに黄色がかったアルカリ溶液が得られるまで強力撹拌によって精製水に溶解した。2. 噴霧乾燥 その溶液を、適切な噴霧乾燥機、例えば、乾燥機の上流にフロースルー加熱コイルが接続された、1.0 mm径のSchlick噴霧ノズルを備えたNiro P 6.3へ噴霧し、乾燥して白色からオフホワイトの微細顆粒を得た。噴霧方式は、約3 barの噴霧圧、約125℃の空気入口温度、約11 kg/hの噴霧速度での向流であるので、約85℃の空気出口温度になる。フロースルー加熱コイル水浴の温度は、約80℃の温度に設定した。3. 保護的篩い分け 乾燥顆粒状粉末を0.5 mmのメッシュサイズのスクリーンに、例えば、ビブラシーブ(Vibra Sieve)機を用いて篩過した。 得られたアモルファステルミサルタンの噴霧乾燥した顆粒をテルミサルタンの単一錠剤又は前記二層錠剤組成物の第一層に更に処理することができる。実施例2* 200 mg/SD顆粒、64 mg/HCTZ顆粒の顆粒液製造:1. 最終混和物 A 168,640 kgのソルビトールを67,360 kgのテルミサルタンの噴霧乾燥した顆粒と適切な高せん断ミキサ、例えば、Diosna P 600で4分間インペラとチョッパ双方を用いて混合した。次に、得られたプレミックスに4.0 kgのステアリン酸マグネシウムを添加し、高せん断ミキサで更に30秒間混合した。2. 最終混和物 B 約70℃の9,000 kgの精製水を適当な容器に移し、45℃で乾燥した6,000 kgのトウモロコシデンプンを水に懸濁した。この懸濁液を約90℃の55.000 kgの精製水の中へ、例えば、Ekatoスターラーを用いて撹拌した。 次に、112,170 kgのラクトース1水和物と、12,500 kgのヒドロクロロチアジドと、64,000 kgのミクロクリスタリンセルロース(Avicel PH 101)と、0,330 kgのレッド酸化鉄と、4,000 kgのデンプングリコール酸ナトリウムとを適切な高せん断造粒機、例えば、Diosna P 600で均一になるまで混合し、70,000 kgの上で調製した造粒水溶液で湿らせた。湿式造粒のプロセスパラメータ: 湿らせた後、得られた湿顆粒を適切な流動床乾燥機、例えば、Glatt WSG 120で100℃の空気入口温度、2000〜3000 m3/hの空気入口流量で約55℃の生成物温度に達するまで乾燥した。 乾燥顆粒の粒子径を小さくするために適切な篩い分け機、例えば、2 mmメッシュサイズのラスプスクリーンを備えたComil篩い分け機を用いて篩過した。最後に、その篩過した顆粒物質に1,000 kgの予備篩過したステアリン酸マグネシウムを混合し、適切なタンブルミキサで8〜10 rpmの速度で100回転混合した。3. 二層錠剤圧縮 適切な回転式錠剤圧縮機を用いて、240 kgの最終混和物(A)と200 kgの最終混和物(B)を二層錠剤へ圧縮する。第一層の標的重量は240 mgであり、第二層の標的重量は200 mgであった。打錠のプロセスパラメータ: 一般に、錠剤硬度は第二層の主圧縮力の変化によって調整される。 得られた二層錠剤は次の特性を有する:実施例 3製造: 製造は実施例2のように行なわれる。実施例2に記載される湿式造粒法の代りに、(09)〜(13)を適切なフリーフォールブレンダ、例えば、1 m3コンテナミキサで10 rpmの速度で200回転乾燥混合することにより第二層組成物を製造した。次に(08)を主混合物にコンテナミキサで更に50回混合した。着色顔料の均一な分布を得るために、イエロ酸化鉄と、8 mmメッシュスクリーンに手で篩過した後に主混合物に導入されるミクロクリスタリンセルロースの一部、例えば、2,000 kgとの予備混合を更に行なうことができる。 得られた二層錠剤は、呈色以外は実施例2と同じ物理的特性を示す。実施例4テルミサルタン/ヒドロクロロチアジド二層錠剤の組成(mg/錠剤):* 用量は最終生成物中にはない a)テルミサルタンと少なくとも一種の塩基性物質とを含有する水溶液を調製する工程と、 b)前記水溶液を噴霧乾燥して噴霧乾燥顆粒を得る工程とを含むことを特徴とする、実質的にアモルファスであるテルミサルタンの製造方法。 前記噴霧乾燥顆粒が、テルミサルタン100重量部に対し、5〜200重量部の塩基性物質を含有することを特徴とする請求項1記載の製造方法。 テルミサルタンが、アルカリ金属水酸化物、塩基性アミノ酸及びメグルミンからなる群から選ばれる一種以上の塩基性物質の援助により水に溶解していることを特徴とする請求項1記載の製造方法。 前記塩基性物質が、水酸化ナトリウム及び/又はメグルミンであることを特徴とする請求項2記載の製造方法。 前記水溶液が、更に溶解剤及び/又は結晶抑制剤を含有することを特徴とする請求項1記載の製造方法。 前記水溶液の固形分量が一般的に10〜40質量%であることを特徴とする請求項5記載の製造方法。 前記水溶液を、室温において、又は50℃〜100℃の高温において、並流又は向流噴霧乾燥機内で噴霧乾燥することを特徴とする請求項1記載の製造方法。 前記水溶液を、1〜4barの噴霧圧力において噴霧乾燥することを特徴とする請求項1記載の製造方法。 残留湿度が5質量%以下の噴霧乾燥顆粒を分離サイクロンにおいて得ることを特徴とする請求項1記載の製造方法。 噴霧乾燥器の空気出口温度を約80℃〜90℃に維持することを特徴とする請求項9記載の製造方法。 以下の粒度分布: d10:≦20μm d50:≦80μm d90:≦350μmを有する噴霧乾燥顆粒微粉を得ることを特徴とする請求項1記載の製造方法。 噴霧乾燥顆粒が、ガラス転移点Tgが50℃より大きいガラスであるか又は固化した溶液であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。 噴霧乾燥顆粒に含まれるテルミサルタン及び賦形剤が、結晶化度が検出できないアモルファス状態であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。 【課題】実質的にアモルファスであるテルミサルタンの製造方法を提供すること。【解決手段】a)テルミサルタンと少なくとも一種の塩基性物質とを含有する水溶液を調製する工程と、 b)前記水溶液を噴霧乾燥して噴霧乾燥顆粒を得る工程とを含むことを特徴とする、実質的にアモルファスであるテルミサルタンの製造方法。【選択図】なし