生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_高尿酸血症の予防または改善剤
出願番号:2008172417
年次:2010
IPC分類:A61K 38/16,A61P 19/06


特許情報キャッシュ

山田 さおり JP 2010013364 公開特許公報(A) 20100121 2008172417 20080701 高尿酸血症の予防または改善剤 辻堂化学株式会社 707000691 山田 さおり A61K 38/16 20060101AFI20091218BHJP A61P 19/06 20060101ALI20091218BHJP JPA61K37/14A61P19/06 1 OL 5 4C084 4C084AA02 4C084DC50 4C084NA14 4C084ZA962 本発明は、高尿酸血症の予防または改善剤に関する。 高尿酸血症の患者は年々増加の傾向を示している。血中尿酸値の正常値の上限である、7 mg/dlを超えると、痛風、痛風性関節炎及び腎障害等として発症する。高尿酸血症の治療としては、血中尿酸値をコントロールする薬剤が投与されるが、このような薬剤としては、作用が緩和であること、持続性があること、副作用の少ないことなどを満たすことが望まれる。一方で、高尿酸血症を予防または改善する食品も求められている。例えば、特許文献1には、茶ポリフェノールを有効成分として含有する尿酸値低下剤が開示されている。 一方、ラクトフェリンは周知のように、天然の鉄結合蛋白質であり、様々な生理活性を有することが知られている。例えば、骨強化作用(特許文献2)、免疫賦活作用(特許文献3)、抗リウマチ作用(特許文献4)等が挙げられる。特開2002−370980号公報特開2000−281586号公報特開平7−179355号公報特開平5−186368号公報 本発明の目的は、安全性が高く、かつ、優れた血中尿酸値低下効果を有する高尿酸血症の予防または改善剤を提供することにある。 本発明は、ラクトフェリンを有効成分として含有することを特徴とする、高尿酸血症の予防または改善剤を提供するものである。 本発明によれば、安全性が高く、かつ、優れた血中尿酸値低下効果を有する高尿酸血症の予防または改善剤を提供することができる。 以下、本発明をさらに詳しく説明する。 本発明の有効成分として用いられるラクトフェリンは、ヒト、ウシ、水牛、ウマ、ヤギ、ヒツジ等のほ乳類の初乳、移行乳、常乳、末期乳等、これらの処理物である脱脂乳、ホエー等を原料とし、イオン交換クロマトグラフィー等の常法により分離、精製して得ることができる。また、市販品であってもよい。さらに、ラクトフェリンから常法により鉄を除去したアポラクトフェリン、アポラクトフェリンに鉄、銅、亜鉛、マンガン等の金属を一部又は完全にキレートさせた金属非飽和ラクトフェリンまたは金属飽和ラクトフェリンであってもよい。 本発明の高尿酸血症の予防または改善剤は、錠剤、ピル、カプセル、顆粒、粉末、散剤、液剤等の固形または溶液の形態(以下、製剤ともいう)に公知の方法により適宜調製することができる。即ち、本発明に有用な固形製剤または液状製剤は、ラクトフェリンと所望により添加剤とを混合し、従来充分に確立された公知の製剤製法を用いることにより製造される。添加剤としては、例えば賦形剤、pH調整剤、清涼化剤、懸濁化剤、希釈剤、消泡剤、粘稠剤、溶解補助剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、抗酸化剤、コーティング剤、着色剤、矯味矯臭剤、界面活性剤、可塑剤または香料などが挙げられる。 上記賦形剤としては、例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール或いはキシリトールなどの糖アルコール、ブドウ糖、白糖、乳糖或いは果糖などの糖類、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、リン酸水素カルシウム、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デキストリン、シクロデキストリン、軽質無水ケイ酸、酸化チタン、またはメタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。 上記pH調整剤としては、例えばクエン酸、リンゴ酸、リン酸水素ナトリウムまたはリン酸二カリウムなどが挙げられる。 上記清涼化剤としては、例えばl−メントールまたはハッカ水などが挙げられる。 上記懸濁化剤としては、例えば、カオリン、カルメロースナトリウム、キサンタンガム、メチルセルロースまたはトラガントなどが挙げられる。 上記希釈剤としては、例えば精製水、エタノール、植物油または乳化剤等が挙げられる。 上記消泡剤としては、例えばジメチルポリシロキサンまたはシリコン消泡剤などが挙げられる。 上記粘稠剤としては、例えばキサンタンガム、トラガント、メチルセルロースまたはデキストリンなどが挙げられる。 上記溶解補助剤としては、例えばエタノール、ショ糖脂肪酸エステルまたはマクロゴールなどが挙げられる。 上記崩壊剤としては、例えば低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチまたは部分アルファー化デンプンなどが挙げられる。 上記結合剤としては、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニールピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、プルラン、アルファー化デンプン、カンテン、トラガント、アルギン酸ナトリウムまたはアルギン酸プロピレングリコールエステルなどが挙げられる。 上記滑沢剤としては、例えばステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、セタノール、タルク、硬化油、ショ糖脂肪酸エステル、ジメチルポリシロキサン、ミツロウまたはサラシミツロウなどが挙げられる。上記抗酸化剤としては、例えばアスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、トコフェロール、アスコルビン酸またはクエン酸などが挙げられる。 上記コーティング剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、メタアクリル酸コポリマー、ポリビニルアセタートジエチルアミノアセテートまたはセラックなどが挙げられる。 上記着色剤としては、例えばウコン抽出液、リボフラビン、酸化チタンまたはカロチン液などが挙げられる。 上記矯味矯臭剤としては、例えばクエン酸、アジピン酸、アスコルビン酸、果糖、D−ソルビトール、ブドウ糖、サッカリンナトリウム、単シロップ、白糖、ハチミツ、アマチャ、カンゾウ、クエン酸、アジピン酸、アスコルビン酸、オレンジ油、トウヒチンキ、ウイキョウ油、ハッカまたはメントールなどが挙げられる。 上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、ポリソルベート類、ラウリル硫酸ナトリウム、マクロゴール類またはショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。 上記可塑剤としては、例えばクエン酸トリエチル、ポリエチレングリコール、トリアセチンまたはセタノールなどが挙げられる。 上記香料としては、例えば、動物性香料或いは植物性香料等の天然香料、または単離香料或いは純合成香料等の合成香料などが挙げられる。 上記各種製剤の形態において、ラクトフェリンの量は、製剤全体に対して、通常約1〜80重量%、好ましくは約2〜50重量%である。 本発明の製剤の投与方法は、経口でも非経口であってもよい。また、本発明の有効成分であるラクトフェリンの投与量は、その剤型、また患者の年令、体重、適応症状などによって異なるが、例えば内服剤の場合は、ヒト体重1kg当たり少なくとも1mgの割合で、ヒト一人1日当たり20mg〜15g、特に100mg〜10g、特に好ましくは1g〜10g投与されることが望ましい。投与は、1日に1回又は数回に分けることができる。 以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例1 ウシラクトフェリンの高尿酸血症に対する効果を調べた。 実験方法 供試動物はWistar系ラット(メス)(8週令、体重約180g)を1群6匹で用いた。 試験飼料に0.75%の濃度でアデニンを加えてラットに給与し、腎臓からの尿中への尿酸排泄阻害を起こさせて高尿酸血症のモデル動物とした。 対照群は、上記の0.75%アデニン飼料のみ、薬剤投与群は、0.75%アデニンと市販のウシラクトフェリン含有飼料とした。飼料は自由摂取としたが、薬剤投与群の試験飼料中のウシラクトフェリンの濃度を、摂取量が10mg/kg体重となるように調整した。試験開始日及び24日目に血中の尿酸値を測定した。 その結果、対照群の試験開始日の血中尿酸濃度は、0.57mg/mlであり、24日目が2.33mg/mlであったのに対し、薬剤投与群の24日目の血中尿酸濃度は0.76mg/mlであった。 この結果から明らかなように、対照群では血中尿酸濃度が大幅に増加するのに対し、薬剤投与群ではその濃度は増加しなかった。したがって、ラクトフェリンは、高尿酸血症の予防または改善剤として有用であることが示された。実施例2 ヒト(健常男子成人志願者)6例にウシラクトフェリン10gを1回経口投与し、その後48時間にわたり血清中の尿酸値を測定した。 結果を表1に示す。 投与後の各数値は、危険率5%で有意差を有する。 なお、上記ではウシラクトフェリンを用いたが、ウマ、ヤギ、ヒト等、他のほ乳類でも同様の効果を示した。 ラクトフェリンを有効成分として含有することを特徴とする、高尿酸血症の予防または改善剤。 【課題】 高尿酸血症の患者は年々増加の傾向を示している。血中尿酸値の正常値の上限である、7 mg/dlを超えると、痛風、痛風性関節炎及び腎障害等として発症する。高尿酸血症の治療としては、血中尿酸値をコントロールする薬剤が投与されが、このような薬剤としては、作用が緩和であること、持続性があること、副作用の少ないことなどを満たすことが望まれる。【解決手段】 ラクトフェリンを有効成分として含有することを特徴とする、高尿酸血症の予防または改善剤。【選択図】 なし


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