生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_ニトロソアミンを発生しない新規ゴム用加硫促進剤兼硫黄供与型加硫剤
出願番号:2008137251
年次:2009
IPC分類:C07D 277/78,C08L 21/00,C08K 5/47


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大貫 毅 大池 智之 JP 2009263325 公開特許公報(A) 20091112 2008137251 20080425 ニトロソアミンを発生しない新規ゴム用加硫促進剤兼硫黄供与型加硫剤 川口化学工業株式会社 000199681 大貫 毅 大池 智之 C07D 277/78 20060101AFI20091016BHJP C08L 21/00 20060101ALI20091016BHJP C08K 5/47 20060101ALI20091016BHJP JPC07D277/78C08L21/00C08K5/47 3 書面 5 4J002 4J002AC001 4J002AC011 4J002EV326 4J002FD156 本発明は、ゴム用の加硫促進剤および硫黄供与型加硫剤に関し、具体的には有害なニトロソアミンの発生源にならないチアゾール類に属するスルフェンアミド系ゴム用加硫促進剤に関する。 スルフェンアミド化合物はゴム用加硫促進剤として用いられており、加硫反応に遅効性を与えることを特徴とし、一般的にスルフェンアミド系加硫促進剤と称する。ゴムは熱伝導性が悪く、肉厚のゴム製品を製造する上で均一な加硫をすることが難しく、その場合、加硫反応に遅効性を与えるスルフェンアミド系加硫促進剤を用いることが有効とされている。また、ジスルフィド構造をもつスルフェンアミド系加硫促進剤は、硫黄供与型の加硫剤としても機能し、同モノスルフィド型のスルフェンアミド系加硫促進剤よりも、物理特性の良い加硫ゴムが得られる。 具体的には現在市販されているスルフェンアミド系加硫促進剤の中で、ジスルフィド構造をもつスルフェンアミド系加硫促進剤としては、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール(略称:MDB)が挙げられ、同モノスルフィド型のスルフェンアミド系加硫促進剤としては、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(略称:OBS)があるが、何れもモルホリン構造が含まれることにより有害なN−ニトロソモルホリンの発生源となる可能性がある(非特許文献1、2、3参照)。 尚、特許文献1に有害なニトロソアミンの発生源にならないモノスルフィド型のスルフェンアミド系加硫促進剤、具体的にはN,N−ジベンジルベンゾチアゾールスルフェンアミドの記載があるが、ジスルフィド型の記載はされていない。また、非特許文献4によれば、本発明による2−(ジベンジルアミノジチオ)ベンゾチアゾール中に含まれるジベンジルアミンは有害なニトロソアミンの発生源とはならないことが記載されている。 遅効性加硫用薬剤としてのS−N化合物(その1),日本ゴム協会誌,第51巻,第11号,1978年,842〜852頁遅効性加硫用薬剤としてのS−N化合物(その2),日本ゴム協会誌,第51巻,第12号,1978年,905〜910頁遅効性加硫用薬剤としてのS−N化合物(その3),日本ゴム協会誌,第52巻,第1号,1979年,34〜40頁TRGS552(N−Nitrosamine)特開平8−253463号公報 発明が解決しようとする課題 有害なニトロソアミンの発生源にならない、ゴム用遅効性加硫促進剤兼硫黄供与型加硫剤を提供することを課題とした。 課題を解決するための手段 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。即ち、化1で表される2−(ジベンジルアミノジチオ)ベンゾチアゾールの合成に成功し、有害なニトロソアミンの発生源にならないゴム用遅効性加硫促進剤兼硫黄供与型加硫剤として機能することを確認した。 発明の効果 化1で表される2−(ジベンジルアミノジチオ)ベンゾチアソールは有害なニトロソアミンの発生源にならないゴム用遅効性加硫促進剤兼硫黄供与型加硫剤として有用である。 以下、本発明を具体的な実施形態にてより詳しく説明するが、本発明が実施例によって何ら限定されないことは勿論である。 2−(ジベンジルアミノジチオ)ベンゾチアゾールの合成例3L四ツ口フラスコに2−(ジベンジルアミノチオ)ベンゾチアゾール(DBzZ)120.0g(0.33mol)、硫黄11.1g(0.35mol)、N,N−ジベンジルアミン130.6g(0.66mol)、メタノール1200mlを仕込み、30分かけて65℃まで昇温させた。15時間撹拌後、室温まで冷却し結晶を析出させ、ろ過後、メタノール80mlで2回洗浄を行い粗結晶を得た。粗結晶は65℃下、メタノール1200mlで30分加熱洗浄を行い、2℃まで冷却後ろ過を行った。得た結晶をメタノール80mlで洗浄し、25℃で真空乾燥させ灰白色結晶性粉末である2−(ジベンジルアミノジチオ)ベンゾチアゾール(DBzZ−SS)87.9gを得た(収率68%)。m/z 394(M+)IR(KBr) 3029,2838,1493,1454,1418,1365,1310,1095,1029,998,946,905,753,721,698,613,499,453cm−1 比較物質として、化2で表されるN,N−ジベンジルベンゾチアゾールスルフェンアミドを用いた。 N,N−ジベンジルベンゾチアゾールスルフェンアミドの合成例3L四ツ口フラスコに2−ベンゾチアゾリルジスルフィド200g(0.60mol)、2400gのトルエンを仕込んだ後、内温が110℃になるまで共沸脱水を行った(留出分198.6g)。室温まで冷却後、塩素ガス44.8g(0.63mol)を1.25時間かけて吹き込んだ。1時間撹拌した後、2℃まで冷却を行いN,N−ジベンジルアミン475.0g(2.40mol)を1.5時間かけて滴下した。室温まで昇温し15時間撹拌した後、析出してくる塩をろ過しトルエン800mlで洗浄した。ろ液、洗液を合わせ1.8w%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄・分液後、さらに蒸留水500mlで2回洗浄を行った。トルエン層を45℃で濃縮し、粗品の10倍量のメタノールを加え、再結晶を行ったところ微赤色粉末結晶の目的物であるN,N−ジベンジルベンゾチアゾールスルフェンアミド(DBzZ)を156.8g得た(収率36%)。m/z 362(M+)IR(KBr) 2919,1631,1493,1466,1453,1428,1240,1078,1026,910,754,729,700,607,459,425,408cm−1 ゴム試験結果表1に本発明物質と比較物質のゴム試験結果を示す。各ゴム配合は、密閉混合機およびオープンロールを用いた通常の方法で混練りし、加硫プレスを用いて所定条件にて試験用加硫ゴムを得た。ムーニースコーチ試験は、JIS K6300に準拠して行った。振動式加硫試験機による加硫試験は、アルファテクノロジーズ社製、M.D.R.2000を用いて測定した。加硫ゴム物性試験はJIS K6251およびJIS K6253にそれぞれ準拠して行った。 表1に示されたゴム試験結果より、本発明における化1で示される実施例物質は、化2で示される比較例物質と同等のスコーチ安定性(t5)および同等の加硫速度(tc(90))を有し、ゴム用遅効性加硫促進剤として機能することが示された。また、実施例物質は比較例物質よりも加硫トルク(MH)および加硫ゴム硬度(Hs)、加硫ゴム引っ張り物性が高いことから、硫黄供与型の加硫剤としても機能していることが示された。 化1で表される2−(ジベンジルアミノジチオ)ベンゾチアゾール。 請求項1に記載の化1で表される化合物を主成分とするゴム用加硫促進剤及び/又はゴム用加硫剤。 ゴム100重量部に対して、請求項1に記載の化1で表される化合物を0.1〜5.0重量部配合することを特徴とするゴム組成物。 【課題】有害なニトロソアミンの発生源にならない、ゴム用遅効性加硫促進剤兼硫黄供与型加硫剤の提供。【解決手段】化1で表される2−(ジベンジルアミノジチオ)ベンゾチアゾールをゴム用加硫促進剤及び/又は加硫剤として用いる。【選択図】なし


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