生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_洗浄料
出願番号:2008108242
年次:2009
IPC分類:A61K 8/42,A61K 8/44,A61Q 19/10,C11D 3/32,C11D 1/90,C11D 3/33


特許情報キャッシュ

小林 和法 JP 2009256252 公開特許公報(A) 20091105 2008108242 20080417 洗浄料 ポーラ化成工業株式会社 000113470 小林 和法 A61K 8/42 20060101AFI20091009BHJP A61K 8/44 20060101ALI20091009BHJP A61Q 19/10 20060101ALI20091009BHJP C11D 3/32 20060101ALI20091009BHJP C11D 1/90 20060101ALI20091009BHJP C11D 3/33 20060101ALI20091009BHJP JPA61K8/42A61K8/44A61Q19/10C11D3/32C11D1/90C11D3/33 6 OL 11 4C083 4H003 4C083AA112 4C083AB032 4C083AC072 4C083AC122 4C083AC172 4C083AC242 4C083AC422 4C083AC482 4C083AC642 4C083AC661 4C083AC662 4C083AC681 4C083AC682 4C083AC711 4C083AC712 4C083AD042 4C083AD092 4C083AD492 4C083BB05 4C083BB07 4C083CC23 4H003AB03 4H003AB08 4H003AB10 4H003AC03 4H003AC12 4H003AC13 4H003AD04 4H003DA02 4H003EA21 4H003EB04 4H003EB05 4H003EB17 4H003EB18 4H003EB43 4H003ED02 4H003ED29 本発明は、化粧料に関し、更に詳細には、洗浄料に好適な化粧料に関する。 洗浄料は、通常水性担体を媒体として、汚れをこれに溶解、可溶化或いは分散せしめて身体より取り除く為の化粧料であり、汚れ以外の生体必須成分を過剰に落とし去らないようにする機能(除去の選択性)も求められているが、本来の機能が汚れ除去であるために、この機能が十分に達成されているケースはあまり多くはない。この為、もともと皮膚におけるバリアー機能の低い人、例えば、経表皮水分蒸散が20以上の人などが洗浄料を使用して水性洗浄を行った場合、更に多くの生体必須成分が散逸し、更に皮膚バリア機能を低下させかねない危険が存している。この様な状況から、水性洗浄における除去の選択性の向上が検討され、例えば、泡立てネットなどで起泡性を高め、汚れを泡に吸着せしめ、皮膚と洗浄料との接触を制限する方法(例えば、特許文献1を参照)、保湿性の高い生薬成分を含有せしめ、水分保持性の向上をはかる方法(例えば、特許文献2を参照)等が提案されている。しかしながら、泡立てての使用は、洗浄剤自体の皮膚への残留を防ぎ、残留洗浄剤による炎症の誘起を防ぐことは出来るが、生体必須成分の漏出は防ぎにくく、特に、皮膚バリア機能が低下している人に於いては、かかる漏出に起因する炎症の惹起が時としてみられるし、保湿成分の添加は、洗浄料に於いては、添加した保湿成分の皮膚上への残存量に限度が存し、期待したほどには皮膚の保湿性が向上せず、特に、皮膚バリア機能が低下している人に於いては、得られる保湿効果は充分満足できるほどには至っていない。 一方、アルキルアミドベタインは起泡性向上剤として洗浄料に含有され、尿素とともに洗浄料に含有させた場合、毛髪や皮膚の保湿性を高めることが報告されている(例えば、特許文献3、特許文献4を参照)が、尿素による刺激性の発現可能性から、この様な製剤は、皮膚バリア機能が低下している人に於いては、使用しにくい。 他方、ヒドロキシアルキル尿素の内、ヒドロキシエチル尿素については、毛髪洗浄料において保湿効果を奏することが知られている(例えば、特許文献5を参照)が、このものとアルキルアミドプロピルベタインとを組み合わせて含有する洗浄料が、皮膚バリア機能が低下している人に於いて、優れた選択除去性を奏するとともに、皮膚の水分保持量を向上せしめ、皮膚バリア機能をも向上させることは全く知られていなかった。特開2002−12538号公報特開2001−19994号公報特表平9−511248号公報特表2001−503058号公報特開2006−265246号公報 本発明は、この様な状況下為されたものであり、皮膚バリア機能が低下した人にも使用可能な洗浄料を提供することを課題とする。 この様な状況に鑑みて、本発明者らは、皮膚バリア機能が低下した人にも使用可能な洗浄料を求めて鋭意研究努力を重ねた結果、1)ヒドロキシアルキルウレアと、2)アルキルアミドプロピルベタインとを含有する洗浄料がその様な特性を備えていることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示すとおりである。<1>1)ヒドロキシアルキルウレアと、2)アルキルアミドプロピルベタインとを含有する洗浄料。<2>前記ヒドロキシアルキルウレアの含有量は、0.05〜5質量%であることを特徴とする、<1>に記載の洗浄料。<3>前記アルキルアミドプロピルベタインの含有量は、0.05〜5質量%であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の洗浄料。<4>更に、ビス(N−ラウロイルグルタミン酸)リジンを含有することを特徴とする、<1>〜<3>何れか1項に記載の洗浄料。<5>前記ビス(N−ラウロイルグルタミン酸)リジンは、ニオソームの形態で含有されていることを特徴とする、<4>に記載の洗浄料。<6>経表皮水分蒸散が20g/m2h以上の人のためのものであることを特徴とする、<1>〜<5>何れか1項に記載の洗浄料。 本発明によれば、皮膚バリア機能が低下した人にも使用可能な洗浄料を提供することができる。<1>本発明の洗浄料の必須成分であるヒドロキシアルキルウレア 本発明の洗浄料は、化粧料であって、ヒドロキシアルキルウレアを必須成分として含有することを特徴とする。前記ヒドロキシアルキルウレアとしては、ヒドロキシエチルウレア、ヒドロキシプロピルウレア、ヒドキシブチルウレアなどが好ましく例示でき、これらは、アルカリ触媒の存在下、尿素と対応するアルキレンオキシドを反応させることにより得ることが出来る。これらの内で、特に好ましいものは、ヒドロキシエチルウレアであり、このものは、市販品が存するのでかかる市販品を購入して利用することが出来る。市販としては、日本エヌエスシー株式会社より販売されている「HYDROVANCE(登録商標)」(ヒドロキシエチルウレア)が特に好ましく例示できる。かかる成分は、後記アルキルアミドプロピルベタインとともに働いて、洗浄剤としての使用条件下で、皮膚バリア機能の低下した肌に作用して、かかる肌の皮膚バリア機能、取り分け、経表皮水分蒸散を抑制し、皮膚バリア機能を向上せしめる作用を有する。この様な使用条件下で、汚れを落とす、洗浄剤としての機能も発揮される。この様な効果を奏するためには、本発明の洗浄剤に於いては、ヒドロキシアルキルウレアを洗浄料全量に対して、総量で0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜1質量%含有させることが好ましい。<2>本発明の洗浄料の必須成分であるアルキルアミドプロピルベタイン 本発明の洗浄料は、化粧料であって、アルキルアミドプロピルベタインを必須成分として含有することを特徴とする。かかる成分におけるアルキル基としては、炭素数8〜18のものが好ましく、カプリル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基などが好適に例示でき、特にカプリル基が好ましい。具体的な化合物としてこのましいものは、カプリル/カプラミドプロピルベタインが好ましく例示できる。かかる化合物には市販品が存し、かかる市販品を購入して利用することが出来る。この様な市販品としては、例えば、ゴールドシュミット・ケミカル・コーポレーションから販売されている「テゴベタイン810」が好ましく例示できる。かかる成分は唯一種含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。かかる成分は、本発明の洗浄料に於いて、前記ヒドロキシアルキルウレアとともに働いて、汚れなどを洗浄しつつ、皮膚バリア機能の低下した皮膚、取り分け、経表皮水分蒸散が20g/m2h以上の皮膚の人に対しては、この様な皮膚バリア機能を向上せしめる働き、経表皮水分蒸散ではこの数値を低減せしめる働きを有する。この様な効果を奏するためには、アルキルアミドプロピルベタインは1種乃至は2種以上を、化粧料全量に対して、総量で0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜1質量%含有させることが好ましい。少なすぎるとこの様な効果を奏さない場合が存し、多すぎても効果が頭打ちになり、前記効果を奏さない場合が存するからである。<3>本発明の洗浄料 本発明の洗浄料は、前記必須成分を含有し、化粧料であることを特徴とする。本発明の洗浄料は、皮膚バリア機能の低下した人、特に経表皮水分蒸散が20g/m2h以上の皮膚の人に対して、好適に使用される。洗浄料としては、水性洗浄料が特に好適で、対象部位が、体部乃至は顔面部の皮膚であるものが特に好ましい。本発明の洗浄料は、前記の構成を充足する限りに於いて、ローション形態でも、乳液形態でも、クリーム形態であっても良い。本発明の洗浄料の使用に際しては、予め泡立てネットなどを用いて、泡立てた後、この泡を用いて洗浄を行うことが、過剰洗浄を避ける上で好ましい。 本発明の洗浄剤においては、かかる成分以外に、通常洗浄剤で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ビス(N−ラウロイルグルタミン酸)リジン等のアシル(ポリ)アミノ酸及び/又はその塩;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤、;桂皮酸系紫外線吸収剤、;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。 これらの任意成分の内、特に好ましいものは、ビス(N−ラウロイルグルタミン酸)リジン等のアシル(ポリ)アミノ酸及び/又はその塩である。かかる成分のアシル基としては、炭素数10〜20の直鎖、分岐乃至は環状構造を有するアシル基が好ましく、具体的には、カプリル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、イソステアロイル基、オレオイル基、ベヘノイル基などが好適に例示できる。(ポリ)アミノ酸残基としては、ジグルタミルリジン残基が特に好ましい。かかるアシル(ポリ)アミノ酸はアミノ酸にアシルクロリドなどのアシル化剤を反応させ、しかる後に、所望によりDCC等のペプチド合成試薬を用いて縮合することにより製造することが出来る。かかるアシル(ポリ)アミノ酸には既に市販品が存し、かかる市販品を購入し利用することも出来る。好ましい市販品としては、例えば、旭化成ケミカルズから販売されている「ペリセア(登録商標)L−30」(ビス(N−ラウロイルグルタミル)リジン)等が存する。かかる成分は皮膚バリア機能を補完するとともに、有効成分を内包し、生体内へと配向させる作用を有する。この様な作用を発揮するためには、かかる成分は0.01〜1質量%含有させることが好ましく、0.05〜0.5質量%含有することが特に好ましい。 かかる成分、特にビス(N−ラウロイルグルタミル)リジンにおいては、双子型で、両親媒性であるため、フィトステロール、セラミドなどの他の成分とともにニオソームに加工して用いることが好ましい。この様な形態を取ることによりフィトステロールなどの有効成分の経皮吸収を促進することが出来る。かかるニオソームは、油相成分と水相成分とを80℃混合し、マイクロフルイダイザー処理などを行うことにより得ることが出来る。この場合、ビス(N−ラウロイルグルタミル)リジンとフィトステロール、セラミドの好ましい量比は、それぞれセラミド、或いは、フィトステロール1質量部に対して、ビス(N−ラウロイルグルタミル)リジン1〜5質量部、より好ましくは2〜4質量部であることである。ベシクルの壁を補強するために補助的に非イオン界面活性剤を含有させることも出来、この様な補強効果のある非イオン界面活性剤としては、例えば、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル、トリグリセリンジ脂肪酸エステル、ペンタグリセリンテトラ脂肪酸エステルなどが好適に例示でき、これらの脂肪酸残基としては、オレイン酸、イソステアリン酸などの不飽和脂肪酸残基乃至は分岐脂肪酸残基が好ましい。かかる補助的な非イオン界面活性剤の含有量は、総量でビス(N−ラウロイルグルタミル)リジンと等量乃至は3倍質量であることが好ましい。この様なニオソームの内水相には種々の有効成分を含有させることが出来、ニオソームに内包させることにより、経皮吸収性の向上と内包させた有効成分の安定性の向上が確保できる。この様な有効成分としては、セイヨウノコギリソウエキス、オトギリソウエキス、オウレンエキス、ジュエキスなどの生薬エキス、ポリメタクリロイルリジン、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・アクリル酸ブチル共重合体、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・アクリル酸ステアリル共重合体などが好適に例示できる。これらはアルカリ性の強い洗浄料に直接配合すると、着色する場合或いは異臭を生じる場合が存する。 この様なニオソームをより安定に含有させるためには、洗浄成分としては脂肪酸のカリウム石鹸を選択することが好ましく。脂肪酸の中和率は、高中和率乃至は過中和にすることが好ましく、具体的には、90〜105%が好ましく、より好ましくは93〜98%とすることが例示できる。この様な中和率を採用することにより、皮膚残存脂肪酸量も低減することが出来、刺激感抑制上はより好ましい。又、この様な洗浄成分構成においてはヒドロキシアルキルウレアの保湿性、TEWL抑制効果と、アルキルアミドプロピルベタインによるTEWL抑制効果とを損なうことがなく、洗浄料としての機能も発揮できる。 本発明の皮膚外用剤は、これらの成分を常法に従って処理することにより製造することが出来る。斯くして得られた本発明の皮膚外用剤は、適切な水性洗浄作用を有しつつ、刺激感発現抑制性に優れる。この為、刺激感を感じやすい人のための水性洗浄化粧料として好適に使用できる。 以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加える。 以下に示す処方に従って、本発明の洗浄用の皮膚外用剤である、水性洗浄化粧料を作成した。即ち、イ、ロの成分を80℃に加温し、イに徐々にロを加え粗ニオソームを作成し、これをエクストルーダーで処理し、ニオソーム分散液1を得た。ニオソームであることは偏光顕微鏡により、脂質二重膜構造の存在から確認した。別途、ハ、ニをそれぞれ80℃に加温し、ハを真空乳化釜に仕込み、80℃に温度調整した後、攪拌下ニの成分を加えて中和し、真空で攪拌冷却を行った。温度が50℃になったところでホのニオソーム分散液1を加え、30℃まで攪拌冷却し、水性洗浄化粧料1を得た。同様に処置して、水性洗浄化粧料1の「テゴベタイン810」を「HYDROVANCE」に置換した比較例1、水に置換した比較例2、「HYDROVANCE」を「テゴベタイン810」に置換した比較例3、水に置換した比較例4、テゴベタイン810」と「HYDROVANCE」とを水に置換した比較例5も同様に作成した。<試験例1> ラウリン酸石鹸に刺激感を感じやすい人を対象に本発明の皮膚外用剤及び比較例の皮膚外用剤について刺激感発現性を調べた。即ち、公募したパネラー40名の前腕内側部に0.06%ラウリン酸カリウム水溶液を綿棒に含ませて軽くタッチし、刺激感を感じた人をパネラーに選択した。パネラーは8名であった。パネラーの前腕内側部に、水99質量部と検体1質量部を混合して作成した試験液を綿棒に含ませて軽くタッチし、刺激感の発現性を調べた。ネガチブコントロールとして水、ポジチブコントロールとして0.06%ラウリン酸カリウム水溶液をおいた。結果を表2に示す。これより、本発明の皮膚外用剤は刺激感発現性が極めて低いと言える。これは剤形による刺激感発現抑制作用が存する為と思われる。<試験例2> パネラー6名を用い、前腕内側部に2cm×4cmの部位を作成し、サージカルテープで3回ストリッピングを行い、テヴァメータで経表皮水分蒸散(TEWL;l/m2/hr)を求めた。しかる後、検体40mgを塗布し、温水で洗い流し、10分静置し、再びTEWLを測定した。結果を平均値として表3に示す。これより、TEWLが20l/m2/hr以上の、バリア機能の低下した人に、本発明の洗浄用の皮膚外用剤は好適であることがわかる。この様な機能故に、試験例1で示した刺激感発現抑制作用が得られたものと思われる。 以下に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である、水性洗浄化粧料2を作成した。即ち、イ、ロの成分を80℃に加温し、イに徐々にロを加え、真空乳化釜にて、減圧下攪拌、冷却し、水性洗浄化粧料とした。このものを試験例2の方法で評価したところ、ストリッピング後のTEWLは22.1±2.3であり、洗浄後のTEWLは18.1±3.3であり、その効果はニオソームの形態で含有するより低かった。 以下に示す処方に従って、実施例1と同様に、本発明の皮膚外用剤である、水性洗浄化粧料3を作成した。このものを試験例2の方法で評価したところ、ストリッピング後のTEWLは22.8±2.6であり、洗浄後のTEWLは19.2±2.9であった。 以下に示す処方に従って、実施例1と同様に、本発明の皮膚外用剤である、水性洗浄化粧料4を作成した。このものを試験例2の方法で評価したところ、ストリッピング後のTEWLは23.2±2.8であり、洗浄後のTEWLは17.9±3.9であった。フィトステロールとセラミドの併用が好ましいことがわかる。 本発明は、水性洗浄化粧料などの洗浄用の皮膚外用剤に応用できる。1)ヒドロキシアルキルウレアと、2)アルキルアミドプロピルベタインとを含有する洗浄料。前記ヒドロキシアルキルウレアの含有量は、0.05〜5質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の洗浄料。前記アルキルアミドプロピルベタインの含有量は、0.05〜5質量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の洗浄料。更に、ビス(N−ラウロイルグルタミン酸)リジンを含有することを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の洗浄料。前記ビス(N−ラウロイルグルタミン酸)リジンは、ニオソームの形態で含有されていることを特徴とする、請求項4に記載の洗浄料。経表皮水分蒸散が20g/m2h以上の人のためのものであることを特徴とする、請求項1〜5何れか1項に記載の洗浄料。 【課題】 皮膚バリア機能が低下した人にも使用可能な洗浄料を提供する。 【解決手段】 1)ヒドロキシアルキルウレアと、2)アルキルアミドプロピルベタインとを洗浄料に含有させる。前記ヒドロキシアルキルウレアの含有量は、0.05〜5質量%であることが好ましく、前記アルキルアミドプロピルベタインの含有量は、0.05〜5質量%であることが好ましい。更に、ビス(N−ラウロイルグルタミン酸)リジンを含有することが好ましく、該ビス(N−ラウロイルグルタミン酸)リジンは、ニオソームの形態で含有されていることが好ましい。【選択図】 なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る