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タイトル:公開特許公報(A)_スティック状化粧料
出願番号:2008083451
年次:2009
IPC分類:A61K 8/31,A61K 8/92,A61K 8/81,A61K 8/37,A61K 8/97,A61Q 1/06


特許情報キャッシュ

成 恵美 JP 2009234992 公開特許公報(A) 20091015 2008083451 20080327 スティック状化粧料 株式会社コーセー 000145862 特許業務法人 小野国際特許事務所 110000590 成 恵美 A61K 8/31 20060101AFI20090918BHJP A61K 8/92 20060101ALI20090918BHJP A61K 8/81 20060101ALI20090918BHJP A61K 8/37 20060101ALI20090918BHJP A61K 8/97 20060101ALI20090918BHJP A61Q 1/06 20060101ALI20090918BHJP JPA61K8/31A61K8/92A61K8/81A61K8/37A61K8/97A61Q1/06 4 OL 14 4C083 4C083AA081 4C083AA082 4C083AA121 4C083AA122 4C083AB172 4C083AB232 4C083AB242 4C083AB322 4C083AB442 4C083AC021 4C083AC022 4C083AC351 4C083AC352 4C083AC422 4C083AC441 4C083AC442 4C083AC792 4C083AC852 4C083AD021 4C083AD022 4C083AD332 4C083CC12 4C083CC13 4C083DD11 4C083EE03 4C083EE06 4C083EE07 本発明はスティック状化粧料に関し、更に詳しくは、やわらかく崩れて肌や唇への付きがよいために発色と潤い感に優れ、みずみずしいツヤが持続し、高温安定性を有し、更に、成型後に、化粧料を充填した容器や成型に用いられたキャップ、カプセル等からの離型性の良いスティック状化粧料に関するものである。 従来、スティック状化粧料のような固形化粧料において、べたつきなく、なめらかに、むらなく均一にのびながら外観品質に優れ、成形性、保形強度が良好である等、優れた品質のものが求められていた。このような固形化粧料を得るために、デキストリン脂肪酸エステルおよびアルキル変性シリコーンワックスと、粉体、油剤を組み合わせる技術が検討されてきた(例えば特許文献1)。 また、のびが良く、べたつきにくく、ツヤ感があり、かつ成形性に優れる固型化粧料を得るために、植物油やエステル、グリセリド等の油剤と、炭化水素等の油剤と、ワックスとの組み合わせも検討されてきた(例えば特許文献2)。 更に、ポリエチレンワックスと、それによって固化しにくい油剤を組み合わせて低い硬度の固形化粧料とし、これを特定の容器に充填してスティックまたは棒状にすることで、スティックの使用性とツヤ、うるおい等の化粧効果の持続性を具現化する技術も検討されてきた(例えば特許文献3)。 しかしながら、デキストリン脂肪酸エステルおよびアルキル変性シリコーンワックスと粉体、油剤を組み合わせる上記特許文献1の技術や、植物油やエステル、グリセリド等の油剤、炭化水素等の油剤およびワックスを組み合わせる上記特許文献2の技術では、良好な使用感を維持したままスティック状にすることは難しかった。 また、低い硬度の固形化粧料を特定の容器に充填してスティックまたは棒状にする上記技術は、ツヤ、うるおい等の化粧効果の持続性は得られるものの、ワックスと油剤が同じ炭化水素から成るためにのびが重くベタツキが生じてしまうことがあった。更に、一般的に硬度の低い固型化粧料では、スティック状の容器スリーブ部分や、先端カプセルへの付着やハガレが生じ、いわゆる離型性に問題のあるものも多かった。特開2007−161590号公報特開2006−151867号公報特開2006−248997号公報 従って、本発明は、やわらかく崩れて肌や唇への付きがよいために発色と潤い感に優れ、みずみずしいツヤが持続する特徴と、高温安定性や成型時の容器や容器に装着するカプセルからの離型性の良さを同時に満足するスティック状化粧料を提供することをその課題とするものである。 上記課題を解決するために本発明者らは鋭意研究を行った結果、特定の固形ワックスおよび炭化水素油と、分岐脂肪酸とペンタエリスリトールのエステルとを組み合わせ、特定の硬度範囲にすることにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は次の成分(a)〜(d); (a)フィッシャートロプシュワックス (b)キャンデリラロウエステル、カルナウバワックス、水添ホホバ油およびセチルパ ルミテートから選ばれるエステルワックスの1種以上 (c)ポリブテン、水添ポリイソブテン、α−オレフィンオリゴマー、流動パラフィン 、スクワランおよびワセリンから選ばれる炭化水素油の1種以上 (d)分岐脂肪酸とペンタエリスリトールのエステルを含有し、35℃での硬度が30〜120であることを特徴とするスティック状化粧料である。 本発明のスティック状化粧料は、発色の良さ、潤い感、みずみずしいツヤの持続、高温安定性を有し、更に、成型後に、化粧料を充填した容器や成型に用いられたキャップ、カプセル等からの離型性の良さを同時に満足する化粧料である。 また、この化粧料は従来のものよりも軟らかいにもかかわらず、化粧料を充填した容器や成型に用いられたキャップ、カプセル等からの離型性が良く、従来の口紅等のスティック状化粧料と同様の容器や製法を用いて製造することができるので、新たな設備投資を行わずに新ジャンルの化粧料を提供することができる。 本発明のスティック状化粧料(以下、「本発明化粧料」という)は、次の成分(a)〜(d)を含有し、35℃での硬度が30〜120のものである。 (a)フィッシャートロプシュワックス (b)キャンデリラロウエステル、カルナウバワックス、水添ホホバ油およびセチルパ ルミテートから選ばれるエステルワックスの1種以上 (c)ポリブテン、水添ポリイソブテン、α−オレフィンオリゴマー、流動パラフィン 、スクワランおよびワセリンから選ばれる炭化水素油の1種以上 (d)分岐脂肪酸とペンタエリスリトールのエステル 本発明化粧料の成分(a)であるフィッシャートロプシュワックスは、フィッシャートロプシュ法により製造される合成の炭化水素ワックスである。フィッシャートロプシュワックスの融点は、特に限定されないが、70〜125℃のものが好ましい。このようなフィッシャートロプシュワックスの市販品としては、例えば、パラフリントC77、パラフリントC80、パラフリントH1(いずれもサゾールワックス社製)、FT100(日本精蝋株式会社製)、CIREBELLE108、CIREBELLE109L、CIREBELLE303(いずれもCIREBELLE社製)等が挙げられる。このフィッシャートロプシュワックスは本発明化粧料に1〜20質量%(以下、単に「%」という)、好ましくは1〜15%含有される。なお、本明細書において、融点は「医薬部外品原料規格一般試験法の融点試験法」に基づき測定されるものである。 成分(b)は、キャンデリラロウエステル、カルナウバワックス、水添ホホバ油およびセチルパルミテートから選ばれるエステルワックスである。このうち、キャンデリラロウエステルはキャンデリラロウを分画して得られるエステル画分であり、ケン化価が70〜100のものである。市販品としては、高融点キャンデリラワックスFR100(日本ナチュラルプロダクツ社製)が挙げられる。また、カルナウバワックスはカルナウバヤシの葉から得られるエステルワックスであって、特に天然の粗ワックスを、脱ガム処理、脱酸処理、水素添加法、分別法、カラム処理等の方法で精製したものを用いると、臭いが少なく、経時安定性に優れるものが得られるため好ましい。市販品としては、精製カルナバワックス1号(日本ナチュラルプロダクツ社製)、精製カルナウバワックスNO.1(セラリカ野田社製)等が挙げられる。カルナウバワックスの融点は、特に限定されないが、70〜85℃のものが好ましい。更に、水添ホホバ油はホホバの種子から得られるロウエステルを水素添加して得られるものであり、融点が60℃以上のものである。市販品としては、極度水添ホホバ油(香栄興業社製)等が挙げられる。また更に、セチルパルミテートはセタノールとパルミチン酸をエステル化して得られる。市販品としては、NIKKOL N−SPV(日光ケミカルズ社製)等が挙げられる。これらのエステルワックスは1種で、または2種以上を組み合わせて使用することができ、本発明化粧料に、1〜20%、好ましくは1〜10%含有される。 なお、本発明化粧料には成分(a)と(b)として、市販されているこれらの混合品を利用しても良い。この混合品の市販品としては、SMART WAX 7743S(日本ナチュラルプロダクツ社製)等が挙げられる。 成分(c)は、ポリブテン、水添ポリイソブテン、α−オレフィンオリゴマー、流動パラフィン、スクワランおよびワセリンから選ばれる炭化水素油である。このうち、ポリブテンはブテンを重合して得られるもので、市販品としては例えば、ポリブテン35R、100R、300R、300H、2000H(以上、出光興産社製)、精製ポリブテンHV−100F(SB)(日本ナチュラルプロダクツ社製)等が挙げられる。また、水添ポリイソブテンは水素添加したポリブテンである。市販品としては例えば、パールリーム6、18、24、46(以上、日油社製)等が挙げられる。更に、α−オレフィンオリゴマーはα−オレフィンを重合、水素添加して得られるもので、市販品としては例えば、ノムコートHPD−C(日清オイリオグループ社製)、SILKFLO 364NF POLYDECENE、SILKFLO 366NF POLYDECENE(以上、LIPO CHEMICALS社製)等が挙げられる。また更に、流動パラフィンは石油系飽和炭化水素であり、市販品としては例えば、KLEAROL(SONNEBORN社製)、ハイコールK−500、K−350、K−230(以上、カネダ社製)であり、ワセリンは市販品としては例えば、SNOW WHITE SPECIAL、SUPERWHITE PROTOPET PETROLATUM、SONOJELL#9 PETROLATUM(以上、SONNEBORN社製)等が挙げられる。本発明化粧料においては、これら炭化水素油の中でも、特に20℃における粘度が20Pa・s〜2000Pa・sのものを用いると、ツヤを付与する効果が特に高く、閉塞性が高いために潤い感にも優れ、それらの効果の持続性も高く好ましい。このような炭化水素油としては、精製ポリブテンHV−100F(SB)、ポリブテン100R、ポリブテン300R、ポリブテン300H、ポリブテン2000H、パールリーム18、パールリーム24、パールリーム46等が挙げられる。これらの炭化水素油は、1種で、または2種以上を組み合わせて使用することができ、本発明化粧料に、20〜80%、好ましくは25〜50%含有される。 なお、上記炭化水素油の粘度は、例えば、単一円筒型回転粘度計ビスメトロン(登録商標)(芝浦システム社製)等のブルックフィールド型粘度計を使用して測定された値である。具体的に粘度値は次のようにして測定される。まず、測定試料を外径45mm、内径38mm、高さ82mmのガラス製ビンにエアスペースが生じないように充填し、ふたをして20℃恒温槽にて一昼夜放置する。翌日、単一円筒型回転粘度計ビスメトロン(登録商標)(芝浦システム社製)にて、付属の1〜4号ローターを用い、0.3〜30rpmで1分後の測定値を読み取り、各々の乗数を乗したものが粘度値となる。 成分(d)の分岐脂肪酸とペンタエリスリトールのエステルは、イソオクタン酸、イソノナン酸、イソステアリン酸等の分岐脂肪酸と、ペンタエリスリトールから得られるものである。この分岐脂肪酸とペンタエリスリトールのエステルは、成分(a)、(b)および(c)からなる固形組成物のワックスの結晶成長を適度に阻害して35℃での硬度を30〜120に下げて軟らかくすることにより持続性の高いみずみずしいツヤの具現化を可能にするものである。具体的に、35℃での硬度を30〜120にするには、成分(a)、(b)および(c)からなる固形組成物に、成分(d)を適当な配合比率で組み合わせることにより可能となる。このような分岐脂肪酸とペンタエリスリトールのエステルの具体例としては、テトライソオクタン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル等が挙げられる。これらの市販品としては、例えば、サラコス5408(日清オイリオグループ社製)、CETIOL PEEH4(コグニス社製)、PRISORINE 3631(ユニケマ社製)、エステロール PT−ISHV(ナショナル美松社製)等が挙げられる。これらの分岐脂肪酸とペンタエリスリトールのエステルは、1種で、または2種以上を組み合わせて使用することができ、本発明化粧料に、5〜50%、好ましくは10〜40%含有される。 また、本発明化粧料には、上記した成分(a)〜(d)の他に、通常化粧料に配合される任意成分、例えば、上記成分以外の油性成分、粉体成分、酸化防止剤、防腐剤、美容成分、界面活性剤、水性成分、水溶性高分子、紫外線吸収剤、香料等の成分を配合することができる。 油性成分としては、化粧料に一般に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、セレシンワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライトワックス、エチレンプロピレンコポリマー等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、ゲイロウ等のロウ類、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、デカイソステアリン酸ポリグリセリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、イソノナン酸イソトリデシル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸オクチルドデシル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル、乳酸ミリスチル、炭酸ジアルキル、酢酸液状ラノリン、トリメリト酸トリデシル、ダイマー酸ジイソプロピル、メドウフォーム油、サフラワー油、ロジン酸ペンタエリスリット、水添アビエチン酸グリセリル、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類、キャンデリラ樹脂などの等が挙げられる。 粉体成分としては、化粧料に一般に使用されるものであれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、例えば、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的に例示すれば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、チタン・酸化チタン焼結物、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、炭化珪素、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、カオリン、ベントナイト、スメクタイト、ヘクトライト、モンモリロナイト等の粘土鉱物、およびそれらの有機変性物、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末、酸化チタン被覆ガラスフレーク等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、等が挙げられる。これら粉体はその一種又は二種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い。なお、これら粉体は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の一種又は二種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。 酸化防止剤としては、化粧料に一般に使用されるものであれば特に限定されず、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等が挙げられる。 防腐剤としては、化粧料に一般に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。 美容成分としては、化粧料に一般に使用されるものであれば特に限定されず、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等が挙げられる。 界面活性剤としては、化粧料に一般に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、グリセリン脂肪酸エステルアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステルアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、レシチン等が挙げられる。 水性成分としては、化粧料に一般に使用されるものであれば特に限定されず、水または水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、エチアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。 水溶性高分子としては、化粧料に一般に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のもの、他にタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられる。 紫外線吸収剤としては、化粧料に一般に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、ベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。 本発明化粧料は、上記成分を加熱溶解したものを容器に直接充填する方法で製造される。具体的には、成分(a)〜(d)と任意の油性成分を加熱溶融したのち、任意の粉体や水性成分などを均一に混合分散し、これを加熱溶解後、必要により、キャップ、カプセル等を付けた容器に直接充填して得ることができる。容器への充填方法は、容器の上(塗布部位)から充填する方法でも、下(塗布部位と反対側の底面部)から充填する方法のどちらでもよい。また、本発明化粧料を充填することのできる容器としては、通常のスティック状化粧料に用いられる容器であれば特に制限されないが、特に、直接充填して成型することのできる繰り出し容器が好ましい。このような容器に充填すれば、本発明化粧料はそのまま使用に供することができる。 斯くして得られる本発明化粧料は、35℃での硬度が30〜120、好ましくは40〜100である。なお、この硬度は、成分(a)〜(d)およびその他の成分を100℃で溶解し、90℃で口紅容器等の樹脂製の容器に流し込み、25℃で1日放置したものをサンプルとし、これに、FUDOH RHEOMETER(不動工業社製)のレオメーター(総合物性評価装置)を用い、35℃に1時間保管したものを直径3mmの針が3mm針入する際の抵抗値(gf)である。 本発明のスティック状化粧料としては、口紅、リップグロス、リップトリートメント、リップクリーム、リップ下地などの口唇用化粧料や部分使用ファンデーション、コンシーラー、アイカラー、チーク、スポット用スキンケア化粧料などが挙げられるが、使用感、ツヤの持続および潤い感が求められる口唇用化粧料であることが特に好ましい。剤型は油性または油中水型であるが、中でも特に油性スティック状化粧料が好ましい。本発明において油性スティック状化粧料とは、液状、半固形状又は固形状の油剤や油溶性化合物である油性成分を連続相とする実質的に水を含まない棒状に固めたスティック状化粧料のことをいう。 以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。 実 施 例 1 スティック状口紅の調製: 表1に示す処方および下に示す製法により、スティック状口紅を製造した(実施品1〜4および比較品1〜5)。得られた各スティック状口紅の硬度を下記に示す方法により測定した。また、官能評価により、発色、潤い感、みずみずしいツヤの持続、高温安定性および化粧料を充填した容器や成型に用いられたキャップからの離型性を評価した。それらの結果を表1にあわせて示す。<製造方法> 表1の成分1〜9を100℃で溶解し、成分10〜20を加えて均一に混合分散し、脱泡したものを、成型のためのキャップを上端に付けた口紅容器(アルミニウム製、口径12mm)に、90℃で口紅容器の下端から流し込んだ。その後、これを−20℃まで冷却して成型し、キャップを外してスティック状口紅を製造した。<硬度測定方法> 上記のようにして製造されたスティック状口紅を、25℃で1日放置したものをサンプルとした。FUDOH RHEOMETER(不動工業社製)を用い、各サンプルを35℃にて1時間保管したものに直径3mmの針が3mm針入する際の抵抗値(gf)を測定し、この値を硬度とした。<評価方法> 上記のようにして製造されたスティック状口紅について下記評価基準に基づき評価した。下記評価項目イ〜ハについては、各試料について専門パネル20名による使用テストを行った。パネル各人がイとロは塗布直後の塗布膜の状態を観察し、ハについては塗布後3時間経過した後の状態を観察し、下記絶対評価基準1にて評点を付け、各試料のパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。下記絶対評価基準1にて評点を付け、各試料のパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。ニについては、各試料を50℃で1ヶ月保管し、下記判定基準2にて発汗、形状の変化、色むらの有無を目視で評価し判定した。ホについては、各試料を最後まで繰り出して外観を以下の基準で目視評価した。(評価項目)イ.発色ロ.潤い感ハ.みずみずしいツヤの持続ニ.高温安定性ホ.離型性[イ〜ハの評価] 絶対評価基準1(評点): (評価) 6点 : 非常に良好 5点 : 良好 4点 : やや良好 3点 : 普通 2点 : やや不良 1点 : 不良 4段階判定基準1(判定): (評点の平均点) (評価) ◎ : 5.0点以上 : 非常に良好 ○ : 3.5点以上5点未満 : 良好 △ : 1.5点以上3.5点未満 : やや不良 × : 1.5点未満 : 不良[ニの評価] 絶対評価基準2(評点): (評価) 4点 : 発汗、形状の変化、色むらの有無が見られない。 3点 : 発汗が少し見られるが、繰り出しや使用には全く問題ない。 2点 : 発汗し多少形状の変化や色むらが見られ、使用性に明らかな違いがある。 1点 : 形状が変化して、使用することができない。 4段階判定基準2(判定): (評点の平均点) (評価) ◎ : 4.0点以上 :非常に良好 ○ : 3.0点以上4.0点未満 :良好 △ : 2.0点以上3.0点未満 :やや不良 × : 2.0点未満 :不良[ホの評価] 目視評価基準(評価): (内容) ◎ : ハガレ、亀裂、折れ、欠けが全く見られない。 ○ : ハガレ、欠けのいずれかがわずかに見られるが、使用上問題ない。 △ : ハガレ、欠けのいずれかがはっきりと見られ使用性に影響は少ないが製品の 外観品質上許容できないレベルである。 × : 著しいハガレ、亀裂、折れ、欠けが認められ使用性に影響するレベルである。 本発明のスティック状口紅は、やわらかく崩れて肌や唇への付きがよいために発色と潤い感に優れ、みずみずしいツヤが持続する特徴と、高温安定性を有し、更には、成型後に、スティック状口紅はほどよく収縮したため、化粧料を充填した容器や成型に用いられたキャップからの離型性の良さを同時に満足するものであった。一方、成分(a)を配合していない比較品1は、硬度が低すぎてスティック状にならなかったため評価できなかった。成分(b)を配合していない比較品2は、硬度が低く均一に塗れないために、発色、潤い感、みずみずしいツヤの持続、さらに高温で形状の変化が見られる等の安定性が悪いものであった。また、成分(c)を配合していない比較品3は、潤い感とみずみずしいツヤの持続が得られなかった。成分(d)を配合していない比較品4は、離型性が悪くなることに加えて、硬度が高くなり唇への付きが悪くなって発色、潤い感、みずみずしいツヤが損なわれた。成分(d)の代わりにイソオクタン酸セチルを配合した比較品5は、ハガレが生じる等の離型性の悪いものであった。 実 施 例 2 口紅:(成分) (%) 1.フィッシャートロプシュワックスと 8 キャンデリラロウエステルの混合物*7 2.カルナウバワックス*8 0.5 3.ワセリン*9 3 4.水添ポリイソブテン*10 15 5.流動パラフィン*11 15 6.テトライソオクタン酸ペンタエリトリット*12 30 7.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量 8.赤色201号 0.5 9.黄色4号アルミニウムレーキ 1.0 10.シリカ処理酸化チタン 0.5 11.ジメチルポリシロキサン2%処理酸化鉄被覆雲母チタン 5 12.合成マイカ 5 13.酸化防止剤 適量 14.防腐剤 適量*7:SMART WAX 7743S(日本ナチュラルプロダクツ社製)*8:精製カルナウバワックスNO.1(セラリカ野田社製)*9:SONOJELL#9 PETROLATUM(SONNEBORN社製)*10:パールリーム24(日油社製)*11:KLEAROL(SONNEBORN社製)*12:CETIOL PEEH4(コグニス社製)(製造方法)A:成分1〜7を100℃に加温して溶解し混合する。B:Aに成分8〜14を加え均一に分散する。C:Bを90℃にて口紅容器(アルミニウム製、口径9mm)に流し込み冷却する。 実施例2の口紅について実施例1と同様にして35℃での硬度を測定したところ40であった。この口紅はやわらかく崩れて肌や唇への付きがよいために発色と潤い感に優れ、みずみずしいツヤが持続する特徴と、高温安定性や離型性の良さを同時に満足する口紅であった。 実 施 例 3 コンシーラー:(成分) (%)1.フィッシャートロプシュワックスと 5 キャンデリラロウエステルの混合物*8 2.水添ホホバ油*13 83.ポリブテン*14 104.α−オレフィンオリゴマー*5 10 5.流動パラフィン*15 106.テトライソステアリン酸ペンタエリトリット*6 157.ジイソステアリン酸ジグリセリル 残量8.ジメチルポリシロキサン(10CS) 109.シリル化無水ケイ酸 1 10.ジメチルポリシロキサン4%処理ベンガラ 0.311.ジメチルポリシロキサン2%処理酸化チタン 1012.ジメチルポリシロキサン2%処理黄酸化鉄 313.ジメチルポリシロキサン2%処理黒酸化鉄 114.ジメチルポリシロキサン2%処理雲母チタン 115.ジメチルポリシロキサン3%処理合成マイカ 1016.防腐剤 適量17.酸化防止剤 適量18.ヒアルロン酸ナトリウム(1%)水溶液 1*13:極度水添ホホバ油(香栄興業社製)*14:ポリブテン100R(出光興産社製)*15:KLEAROL(SONNEBORN社製)(製造方法)A:成分1〜8を90℃に加温して溶解し混合する。B:Aに成分9〜18を加え均一に分散する。C:Bを90℃にて直接充填コンシーラー容器(ABS樹脂製、口径9mm)に流し込み冷却する。 実施例3のコンシーラーについて実施例1と同様にして35℃での硬度を測定したところ70であった。このコンシーラーはやわらかく崩れて肌への付きがよいために発色と潤い感に優れ、みずみずしいツヤが持続する特徴と、高温安定性や離型性の良さを同時に満足するコンシーラーであった。 本発明のスティック状化粧料は、やわらかく崩れて肌や唇への付きがよいために発色と潤い感に優れ、みずみずしいツヤが持続する特徴と、高温安定性を有し、更に、成型後に、化粧料を充填した容器や成型に用いられたキャップ、カプセル等からの離型性の良さを同時に満足するものであり、特に口紅として好適なものである。 以 上 次の成分(a)〜(d); (a)フィッシャートロプシュワックス (b)キャンデリラロウエステル、カルナウバワックス、水添ホホバ油およびセチルパ ルミテートから選ばれるエステルワックスの1種以上 (c)ポリブテン、水添ポリイソブテン、α−オレフィンオリゴマー、流動パラフィン 、スクワランおよびワセリンから選ばれる炭化水素油の1種以上 (d)分岐脂肪酸とペンタエリスリトールのエステルを含有し、35℃での硬度が30〜120であることを特徴とするスティック状化粧料。 成分(c)を20〜80質量%含有するものである請求項1記載のスティック状化粧料。 前記成分(d)の分岐脂肪酸とペンタエリスリトールのエステルが、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリチルまたはテトライソステアリン酸ペンタエリスリチルである請求項1または2に記載のスティック状化粧料。 口唇用である請求項1ないし3の何れかに記載のスティック状化粧料。 【課題】 固形化粧料の使用性や化粧持ちの良さと、液状や半固形化粧料のみずみずしいツヤや潤い感を同時に満足する化粧料を提供すること。【解決手段】 次の成分(a)〜(d); (a)フィッシャートロプシュワックス (b)キャンデリラロウエステル、カルナウバワックス、水添ホホバ油およびセチルパ ルミテートから選ばれるエステルワックスの1種以上 (c)ポリブテン、水添ポリイソブテン、α−オレフィンオリゴマー、流動パラフィン 、スクワランおよびワセリンから選ばれる炭化水素油の1種以上 (d)分岐脂肪酸とペンタエリスリトールのエステルを含有し、35℃での硬度が30〜120であることを特徴とするスティック状化粧料。【選択図】なし


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特許公報(B2)_スティック状化粧料

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_スティック状化粧料
出願番号:2008083451
年次:2012
IPC分類:A61K 8/31,A61K 8/92,A61K 8/37,A61K 8/97,A61Q 1/02,A61Q 1/06


特許情報キャッシュ

成 恵美 JP 5048564 特許公報(B2) 20120727 2008083451 20080327 スティック状化粧料 株式会社コーセー 000145862 特許業務法人 小野国際特許事務所 110000590 成 恵美 20121017 A61K 8/31 20060101AFI20120927BHJP A61K 8/92 20060101ALI20120927BHJP A61K 8/37 20060101ALI20120927BHJP A61K 8/97 20060101ALI20120927BHJP A61Q 1/02 20060101ALI20120927BHJP A61Q 1/06 20060101ALI20120927BHJP JPA61K8/31A61K8/92A61K8/37A61K8/97A61Q1/02A61Q1/06 A61K 8 A61Q 特開2005−220099(JP,A) 特開2006−282584(JP,A) 特開2007−176900(JP,A) 特開2002−114627(JP,A) 国際公開第2004/100902(WO,A1) 特開2004−339128(JP,A) 特開2004−107355(JP,A) 特開2001−187712(JP,A) 3 2009234992 20091015 13 20101101 吉岡 沙織 本発明はスティック状化粧料に関し、更に詳しくは、やわらかく崩れて肌や唇への付きがよいために発色と潤い感に優れ、みずみずしいツヤが持続し、高温安定性を有し、更に、成型後に、化粧料を充填した容器や成型に用いられたキャップ、カプセル等からの離型性の良いスティック状化粧料に関するものである。 従来、スティック状化粧料のような固形化粧料において、べたつきなく、なめらかに、むらなく均一にのびながら外観品質に優れ、成形性、保形強度が良好である等、優れた品質のものが求められていた。このような固形化粧料を得るために、デキストリン脂肪酸エステルおよびアルキル変性シリコーンワックスと、粉体、油剤を組み合わせる技術が検討されてきた(例えば特許文献1)。 また、のびが良く、べたつきにくく、ツヤ感があり、かつ成形性に優れる固型化粧料を得るために、植物油やエステル、グリセリド等の油剤と、炭化水素等の油剤と、ワックスとの組み合わせも検討されてきた(例えば特許文献2)。 更に、ポリエチレンワックスと、それによって固化しにくい油剤を組み合わせて低い硬度の固形化粧料とし、これを特定の容器に充填してスティックまたは棒状にすることで、スティックの使用性とツヤ、うるおい等の化粧効果の持続性を具現化する技術も検討されてきた(例えば特許文献3)。 しかしながら、デキストリン脂肪酸エステルおよびアルキル変性シリコーンワックスと粉体、油剤を組み合わせる上記特許文献1の技術や、植物油やエステル、グリセリド等の油剤、炭化水素等の油剤およびワックスを組み合わせる上記特許文献2の技術では、良好な使用感を維持したままスティック状にすることは難しかった。 また、低い硬度の固形化粧料を特定の容器に充填してスティックまたは棒状にする上記技術は、ツヤ、うるおい等の化粧効果の持続性は得られるものの、ワックスと油剤が同じ炭化水素から成るためにのびが重くベタツキが生じてしまうことがあった。更に、一般的に硬度の低い固型化粧料では、スティック状の容器スリーブ部分や、先端カプセルへの付着やハガレが生じ、いわゆる離型性に問題のあるものも多かった。特開2007−161590号公報特開2006−151867号公報特開2006−248997号公報 従って、本発明は、やわらかく崩れて肌や唇への付きがよいために発色と潤い感に優れ、みずみずしいツヤが持続する特徴と、高温安定性や成型時の容器や容器に装着するカプセルからの離型性の良さを同時に満足するスティック状化粧料を提供することをその課題とするものである。 上記課題を解決するために本発明者らは鋭意研究を行った結果、特定の固形ワックスおよび炭化水素油と、分岐脂肪酸とペンタエリスリトールのエステルとを組み合わせ、特定の硬度範囲にすることにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は次の成分(a)〜(d); (a)フィッシャートロプシュワックス (b)キャンデリラロウエステル、カルナウバワックス、水添ホホバ油およびセチルパ ルミテートから選ばれるエステルワックスの1種以上 (c)ポリブテン、水添ポリイソブテン、α−オレフィンオリゴマー、流動パラフィン 、スクワランおよびワセリンから選ばれる炭化水素油の1種以上 (d)分岐脂肪酸とペンタエリスリトールのエステルを含有し、35℃での硬度が30〜120であることを特徴とするスティック状化粧料である。 本発明のスティック状化粧料は、発色の良さ、潤い感、みずみずしいツヤの持続、高温安定性を有し、更に、成型後に、化粧料を充填した容器や成型に用いられたキャップ、カプセル等からの離型性の良さを同時に満足する化粧料である。 また、この化粧料は従来のものよりも軟らかいにもかかわらず、化粧料を充填した容器や成型に用いられたキャップ、カプセル等からの離型性が良く、従来の口紅等のスティック状化粧料と同様の容器や製法を用いて製造することができるので、新たな設備投資を行わずに新ジャンルの化粧料を提供することができる。 本発明のスティック状化粧料(以下、「本発明化粧料」という)は、次の成分(a)〜(d)を含有し、35℃での硬度が30〜120のものである。 (a)フィッシャートロプシュワックス (b)キャンデリラロウエステル、カルナウバワックス、水添ホホバ油およびセチルパ ルミテートから選ばれるエステルワックスの1種以上 (c)ポリブテン、水添ポリイソブテン、α−オレフィンオリゴマー、流動パラフィン 、スクワランおよびワセリンから選ばれる炭化水素油の1種以上 (d)分岐脂肪酸とペンタエリスリトールのエステル 本発明化粧料の成分(a)であるフィッシャートロプシュワックスは、フィッシャートロプシュ法により製造される合成の炭化水素ワックスである。フィッシャートロプシュワックスの融点は、特に限定されないが、70〜125℃のものが好ましい。このようなフィッシャートロプシュワックスの市販品としては、例えば、パラフリントC77、パラフリントC80、パラフリントH1(いずれもサゾールワックス社製)、FT100(日本精蝋株式会社製)、CIREBELLE108、CIREBELLE109L、CIREBELLE303(いずれもCIREBELLE社製)等が挙げられる。このフィッシャートロプシュワックスは本発明化粧料に1〜20質量%(以下、単に「%」という)、好ましくは1〜15%含有される。なお、本明細書において、融点は「医薬部外品原料規格一般試験法の融点試験法」に基づき測定されるものである。 成分(b)は、キャンデリラロウエステル、カルナウバワックス、水添ホホバ油およびセチルパルミテートから選ばれるエステルワックスである。このうち、キャンデリラロウエステルはキャンデリラロウを分画して得られるエステル画分であり、ケン化価が70〜100のものである。市販品としては、高融点キャンデリラワックスFR100(日本ナチュラルプロダクツ社製)が挙げられる。また、カルナウバワックスはカルナウバヤシの葉から得られるエステルワックスであって、特に天然の粗ワックスを、脱ガム処理、脱酸処理、水素添加法、分別法、カラム処理等の方法で精製したものを用いると、臭いが少なく、経時安定性に優れるものが得られるため好ましい。市販品としては、精製カルナバワックス1号(日本ナチュラルプロダクツ社製)、精製カルナウバワックスNO.1(セラリカ野田社製)等が挙げられる。カルナウバワックスの融点は、特に限定されないが、70〜85℃のものが好ましい。更に、水添ホホバ油はホホバの種子から得られるロウエステルを水素添加して得られるものであり、融点が60℃以上のものである。市販品としては、極度水添ホホバ油(香栄興業社製)等が挙げられる。また更に、セチルパルミテートはセタノールとパルミチン酸をエステル化して得られる。市販品としては、NIKKOL N−SPV(日光ケミカルズ社製)等が挙げられる。これらのエステルワックスは1種で、または2種以上を組み合わせて使用することができ、本発明化粧料に、1〜20%、好ましくは1〜10%含有される。 なお、本発明化粧料には成分(a)と(b)として、市販されているこれらの混合品を利用しても良い。この混合品の市販品としては、SMART WAX 7743S(日本ナチュラルプロダクツ社製)等が挙げられる。 成分(c)は、ポリブテン、水添ポリイソブテン、α−オレフィンオリゴマー、流動パラフィン、スクワランおよびワセリンから選ばれる炭化水素油である。このうち、ポリブテンはブテンを重合して得られるもので、市販品としては例えば、ポリブテン35R、100R、300R、300H、2000H(以上、出光興産社製)、精製ポリブテンHV−100F(SB)(日本ナチュラルプロダクツ社製)等が挙げられる。また、水添ポリイソブテンは水素添加したポリブテンである。市販品としては例えば、パールリーム6、18、24、46(以上、日油社製)等が挙げられる。更に、α−オレフィンオリゴマーはα−オレフィンを重合、水素添加して得られるもので、市販品としては例えば、ノムコートHPD−C(日清オイリオグループ社製)、SILKFLO 364NF POLYDECENE、SILKFLO 366NF POLYDECENE(以上、LIPO CHEMICALS社製)等が挙げられる。また更に、流動パラフィンは石油系飽和炭化水素であり、市販品としては例えば、KLEAROL(SONNEBORN社製)、ハイコールK−500、K−350、K−230(以上、カネダ社製)であり、ワセリンは市販品としては例えば、SNOW WHITE SPECIAL、SUPERWHITE PROTOPET PETROLATUM、SONOJELL#9 PETROLATUM(以上、SONNEBORN社製)等が挙げられる。本発明化粧料においては、これら炭化水素油の中でも、特に20℃における粘度が20Pa・s〜2000Pa・sのものを用いると、ツヤを付与する効果が特に高く、閉塞性が高いために潤い感にも優れ、それらの効果の持続性も高く好ましい。このような炭化水素油としては、精製ポリブテンHV−100F(SB)、ポリブテン100R、ポリブテン300R、ポリブテン300H、ポリブテン2000H、パールリーム18、パールリーム24、パールリーム46等が挙げられる。これらの炭化水素油は、1種で、または2種以上を組み合わせて使用することができ、本発明化粧料に、20〜80%、好ましくは25〜50%含有される。 なお、上記炭化水素油の粘度は、例えば、単一円筒型回転粘度計ビスメトロン(登録商標)(芝浦システム社製)等のブルックフィールド型粘度計を使用して測定された値である。具体的に粘度値は次のようにして測定される。まず、測定試料を外径45mm、内径38mm、高さ82mmのガラス製ビンにエアスペースが生じないように充填し、ふたをして20℃恒温槽にて一昼夜放置する。翌日、単一円筒型回転粘度計ビスメトロン(登録商標)(芝浦システム社製)にて、付属の1〜4号ローターを用い、0.3〜30rpmで1分後の測定値を読み取り、各々の乗数を乗したものが粘度値となる。 成分(d)の分岐脂肪酸とペンタエリスリトールのエステルは、イソオクタン酸、イソノナン酸、イソステアリン酸等の分岐脂肪酸と、ペンタエリスリトールから得られるものである。この分岐脂肪酸とペンタエリスリトールのエステルは、成分(a)、(b)および(c)からなる固形組成物のワックスの結晶成長を適度に阻害して35℃での硬度を30〜120に下げて軟らかくすることにより持続性の高いみずみずしいツヤの具現化を可能にするものである。具体的に、35℃での硬度を30〜120にするには、成分(a)、(b)および(c)からなる固形組成物に、成分(d)を適当な配合比率で組み合わせることにより可能となる。このような分岐脂肪酸とペンタエリスリトールのエステルの具体例としては、テトライソオクタン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル等が挙げられる。これらの市販品としては、例えば、サラコス5408(日清オイリオグループ社製)、CETIOL PEEH4(コグニス社製)、PRISORINE 3631(ユニケマ社製)、エステロール PT−ISHV(ナショナル美松社製)等が挙げられる。これらの分岐脂肪酸とペンタエリスリトールのエステルは、1種で、または2種以上を組み合わせて使用することができ、本発明化粧料に、5〜50%、好ましくは10〜40%含有される。 また、本発明化粧料には、上記した成分(a)〜(d)の他に、通常化粧料に配合される任意成分、例えば、上記成分以外の油性成分、粉体成分、酸化防止剤、防腐剤、美容成分、界面活性剤、水性成分、水溶性高分子、紫外線吸収剤、香料等の成分を配合することができる。 油性成分としては、化粧料に一般に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、セレシンワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライトワックス、エチレンプロピレンコポリマー等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、ゲイロウ等のロウ類、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、デカイソステアリン酸ポリグリセリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、イソノナン酸イソトリデシル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸オクチルドデシル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル、乳酸ミリスチル、炭酸ジアルキル、酢酸液状ラノリン、トリメリト酸トリデシル、ダイマー酸ジイソプロピル、メドウフォーム油、サフラワー油、ロジン酸ペンタエリスリット、水添アビエチン酸グリセリル、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類、キャンデリラ樹脂などの等が挙げられる。 粉体成分としては、化粧料に一般に使用されるものであれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、例えば、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的に例示すれば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、チタン・酸化チタン焼結物、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、炭化珪素、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、カオリン、ベントナイト、スメクタイト、ヘクトライト、モンモリロナイト等の粘土鉱物、およびそれらの有機変性物、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末、酸化チタン被覆ガラスフレーク等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、等が挙げられる。これら粉体はその一種又は二種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い。なお、これら粉体は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の一種又は二種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。 酸化防止剤としては、化粧料に一般に使用されるものであれば特に限定されず、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等が挙げられる。 防腐剤としては、化粧料に一般に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。 美容成分としては、化粧料に一般に使用されるものであれば特に限定されず、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等が挙げられる。 界面活性剤としては、化粧料に一般に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、グリセリン脂肪酸エステルアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステルアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、レシチン等が挙げられる。 水性成分としては、化粧料に一般に使用されるものであれば特に限定されず、水または水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、エチアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。 水溶性高分子としては、化粧料に一般に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のもの、他にタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられる。 紫外線吸収剤としては、化粧料に一般に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、ベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。 本発明化粧料は、上記成分を加熱溶解したものを容器に直接充填する方法で製造される。具体的には、成分(a)〜(d)と任意の油性成分を加熱溶融したのち、任意の粉体や水性成分などを均一に混合分散し、これを加熱溶解後、必要により、キャップ、カプセル等を付けた容器に直接充填して得ることができる。容器への充填方法は、容器の上(塗布部位)から充填する方法でも、下(塗布部位と反対側の底面部)から充填する方法のどちらでもよい。また、本発明化粧料を充填することのできる容器としては、通常のスティック状化粧料に用いられる容器であれば特に制限されないが、特に、直接充填して成型することのできる繰り出し容器が好ましい。このような容器に充填すれば、本発明化粧料はそのまま使用に供することができる。 斯くして得られる本発明化粧料は、35℃での硬度が30〜120、好ましくは40〜100である。なお、この硬度は、成分(a)〜(d)およびその他の成分を100℃で溶解し、90℃で口紅容器等の樹脂製の容器に流し込み、25℃で1日放置したものをサンプルとし、これに、FUDOH RHEOMETER(不動工業社製)のレオメーター(総合物性評価装置)を用い、35℃に1時間保管したものを直径3mmの針が3mm針入する際の抵抗値(gf)である。 本発明のスティック状化粧料としては、口紅、リップグロス、リップトリートメント、リップクリーム、リップ下地などの口唇用化粧料や部分使用ファンデーション、コンシーラー、アイカラー、チーク、スポット用スキンケア化粧料などが挙げられるが、使用感、ツヤの持続および潤い感が求められる口唇用化粧料であることが特に好ましい。剤型は油性または油中水型であるが、中でも特に油性スティック状化粧料が好ましい。本発明において油性スティック状化粧料とは、液状、半固形状又は固形状の油剤や油溶性化合物である油性成分を連続相とする実質的に水を含まない棒状に固めたスティック状化粧料のことをいう。 以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。 実 施 例 1 スティック状口紅の調製: 表1に示す処方および下に示す製法により、スティック状口紅を製造した(実施品1〜4および比較品1〜5)。得られた各スティック状口紅の硬度を下記に示す方法により測定した。また、官能評価により、発色、潤い感、みずみずしいツヤの持続、高温安定性および化粧料を充填した容器や成型に用いられたキャップからの離型性を評価した。それらの結果を表1にあわせて示す。<製造方法> 表1の成分1〜9を100℃で溶解し、成分10〜20を加えて均一に混合分散し、脱泡したものを、成型のためのキャップを上端に付けた口紅容器(アルミニウム製、口径12mm)に、90℃で口紅容器の下端から流し込んだ。その後、これを−20℃まで冷却して成型し、キャップを外してスティック状口紅を製造した。<硬度測定方法> 上記のようにして製造されたスティック状口紅を、25℃で1日放置したものをサンプルとした。FUDOH RHEOMETER(不動工業社製)を用い、各サンプルを35℃にて1時間保管したものに直径3mmの針が3mm針入する際の抵抗値(gf)を測定し、この値を硬度とした。<評価方法> 上記のようにして製造されたスティック状口紅について下記評価基準に基づき評価した。下記評価項目イ〜ハについては、各試料について専門パネル20名による使用テストを行った。パネル各人がイとロは塗布直後の塗布膜の状態を観察し、ハについては塗布後3時間経過した後の状態を観察し、下記絶対評価基準1にて評点を付け、各試料のパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。下記絶対評価基準1にて評点を付け、各試料のパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。ニについては、各試料を50℃で1ヶ月保管し、下記判定基準2にて発汗、形状の変化、色むらの有無を目視で評価し判定した。ホについては、各試料を最後まで繰り出して外観を以下の基準で目視評価した。(評価項目)イ.発色ロ.潤い感ハ.みずみずしいツヤの持続ニ.高温安定性ホ.離型性[イ〜ハの評価] 絶対評価基準1(評点): (評価) 6点 : 非常に良好 5点 : 良好 4点 : やや良好 3点 : 普通 2点 : やや不良 1点 : 不良 4段階判定基準1(判定): (評点の平均点) (評価) ◎ : 5.0点以上 : 非常に良好 ○ : 3.5点以上5点未満 : 良好 △ : 1.5点以上3.5点未満 : やや不良 × : 1.5点未満 : 不良[ニの評価] 絶対評価基準2(評点): (評価) 4点 : 発汗、形状の変化、色むらの有無が見られない。 3点 : 発汗が少し見られるが、繰り出しや使用には全く問題ない。 2点 : 発汗し多少形状の変化や色むらが見られ、使用性に明らかな違いがある。 1点 : 形状が変化して、使用することができない。 4段階判定基準2(判定): (評点の平均点) (評価) ◎ : 4.0点以上 :非常に良好 ○ : 3.0点以上4.0点未満 :良好 △ : 2.0点以上3.0点未満 :やや不良 × : 2.0点未満 :不良[ホの評価] 目視評価基準(評価): (内容) ◎ : ハガレ、亀裂、折れ、欠けが全く見られない。 ○ : ハガレ、欠けのいずれかがわずかに見られるが、使用上問題ない。 △ : ハガレ、欠けのいずれかがはっきりと見られ使用性に影響は少ないが製品の 外観品質上許容できないレベルである。 × : 著しいハガレ、亀裂、折れ、欠けが認められ使用性に影響するレベルである。 本発明のスティック状口紅は、やわらかく崩れて肌や唇への付きがよいために発色と潤い感に優れ、みずみずしいツヤが持続する特徴と、高温安定性を有し、更には、成型後に、スティック状口紅はほどよく収縮したため、化粧料を充填した容器や成型に用いられたキャップからの離型性の良さを同時に満足するものであった。一方、成分(a)を配合していない比較品1は、硬度が低すぎてスティック状にならなかったため評価できなかった。成分(b)を配合していない比較品2は、硬度が低く均一に塗れないために、発色、潤い感、みずみずしいツヤの持続、さらに高温で形状の変化が見られる等の安定性が悪いものであった。また、成分(c)を配合していない比較品3は、潤い感とみずみずしいツヤの持続が得られなかった。成分(d)を配合していない比較品4は、離型性が悪くなることに加えて、硬度が高くなり唇への付きが悪くなって発色、潤い感、みずみずしいツヤが損なわれた。成分(d)の代わりにイソオクタン酸セチルを配合した比較品5は、ハガレが生じる等の離型性の悪いものであった。 実 施 例 2 口紅:(成分) (%) 1.フィッシャートロプシュワックスと 8 キャンデリラロウエステルの混合物*7 2.カルナウバワックス*8 0.5 3.ワセリン*9 3 4.水添ポリイソブテン*10 15 5.流動パラフィン*11 15 6.テトライソオクタン酸ペンタエリトリット*12 30 7.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量 8.赤色201号 0.5 9.黄色4号アルミニウムレーキ 1.0 10.シリカ処理酸化チタン 0.5 11.ジメチルポリシロキサン2%処理酸化鉄被覆雲母チタン 5 12.合成マイカ 5 13.酸化防止剤 適量 14.防腐剤 適量*7:SMART WAX 7743S(日本ナチュラルプロダクツ社製)*8:精製カルナウバワックスNO.1(セラリカ野田社製)*9:SONOJELL#9 PETROLATUM(SONNEBORN社製)*10:パールリーム24(日油社製)*11:KLEAROL(SONNEBORN社製)*12:CETIOL PEEH4(コグニス社製)(製造方法)A:成分1〜7を100℃に加温して溶解し混合する。B:Aに成分8〜14を加え均一に分散する。C:Bを90℃にて口紅容器(アルミニウム製、口径9mm)に流し込み冷却する。 実施例2の口紅について実施例1と同様にして35℃での硬度を測定したところ40であった。この口紅はやわらかく崩れて肌や唇への付きがよいために発色と潤い感に優れ、みずみずしいツヤが持続する特徴と、高温安定性や離型性の良さを同時に満足する口紅であった。 実 施 例 3 コンシーラー:(成分) (%)1.フィッシャートロプシュワックスと 5 キャンデリラロウエステルの混合物*8 2.水添ホホバ油*13 83.ポリブテン*14 104.α−オレフィンオリゴマー*5 10 5.流動パラフィン*15 106.テトライソステアリン酸ペンタエリトリット*6 157.ジイソステアリン酸ジグリセリル 残量8.ジメチルポリシロキサン(10CS) 109.シリル化無水ケイ酸 1 10.ジメチルポリシロキサン4%処理ベンガラ 0.311.ジメチルポリシロキサン2%処理酸化チタン 1012.ジメチルポリシロキサン2%処理黄酸化鉄 313.ジメチルポリシロキサン2%処理黒酸化鉄 114.ジメチルポリシロキサン2%処理雲母チタン 115.ジメチルポリシロキサン3%処理合成マイカ 1016.防腐剤 適量17.酸化防止剤 適量18.ヒアルロン酸ナトリウム(1%)水溶液 1*13:極度水添ホホバ油(香栄興業社製)*14:ポリブテン100R(出光興産社製)*15:KLEAROL(SONNEBORN社製)(製造方法)A:成分1〜8を90℃に加温して溶解し混合する。B:Aに成分9〜18を加え均一に分散する。C:Bを90℃にて直接充填コンシーラー容器(ABS樹脂製、口径9mm)に流し込み冷却する。 実施例3のコンシーラーについて実施例1と同様にして35℃での硬度を測定したところ70であった。このコンシーラーはやわらかく崩れて肌への付きがよいために発色と潤い感に優れ、みずみずしいツヤが持続する特徴と、高温安定性や離型性の良さを同時に満足するコンシーラーであった。 本発明のスティック状化粧料は、やわらかく崩れて肌や唇への付きがよいために発色と潤い感に優れ、みずみずしいツヤが持続する特徴と、高温安定性を有し、更に、成型後に、化粧料を充填した容器や成型に用いられたキャップ、カプセル等からの離型性の良さを同時に満足するものであり、特に口紅として好適なものである。 以 上 次の成分(a)〜(d);(a)フィッシャートロプシュワックス 1〜20質量%(b)キャンデリラロウエステル、カルナウバワックス、水添ホホバ油およびセチルパルミテートから選ばれるエステルワックスの1種以上 1〜20質量%(c)ポリブテン、水添ポリイソブテン、α−オレフィンオリゴマー、流動パラフィン、スクワランおよびワセリンから選ばれる炭化水素油の1種以上 20〜80質量%(d)分岐脂肪酸とペンタエリスリトールのエステル 5〜50質量%を含有し、35℃での硬度が30〜120(gf)であることを特徴とするスティック状化粧料。 前記成分(d)の分岐脂肪酸とペンタエリスリトールのエステルが、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリチルまたはテトライソステアリン酸ペンタエリスリチルである請求項1に記載のスティック状化粧料。 口唇用である請求項1または2に記載のスティック状化粧料。


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