タイトル: | 公開特許公報(A)_フェノール系酸化防止剤の精製方法 |
出願番号: | 2008082722 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | C07C 67/56,C08L 65/00,C08L 45/00,C08K 5/13,C07C 69/732 |
西岡 寛哉 JP 2009234982 公開特許公報(A) 20091015 2008082722 20080327 フェノール系酸化防止剤の精製方法 日本ゼオン株式会社 000229117 西岡 寛哉 C07C 67/56 20060101AFI20090918BHJP C08L 65/00 20060101ALI20090918BHJP C08L 45/00 20060101ALI20090918BHJP C08K 5/13 20060101ALI20090918BHJP C07C 69/732 20060101ALI20090918BHJP JPC07C67/56C08L65/00C08L45/00C08K5/13C07C69/732 Z 2 OL 7 4H006 4J002 4H006AA02 4H006AB83 4H006AD17 4H006BA09 4H006BA30 4H006BA33 4H006BA68 4H006BB11 4J002BC031 4J002BK001 4J002CE001 4J002EJ016 4J002FD076 本発明は、リチウム触媒を用いて得られるフェノール系酸化防止剤の精製に関する。また、本発明は当該精製方法により精製されたフェノール系酸化防止剤と脂環構造含有重合体とを含む、光学部材の製造に適した樹脂組成物に関する。 ノルボルネン系単量体の開環重合体の水素添加物やノルボルネン系単量体とオレフィンとの付加重合体に代表される脂環構造含有重合体は、優れた透明性や低い吸水性を有し、光学材料に好適に用いられている。 より優れた光学特性を得るために、脂環構造含有重合体に酸化防止剤を配合することが望ましい。特許文献1には、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤などを、シリカ、アルミナ、シリカゲル、活性炭、活性白土、ケイ藻土、合成ゼオライトなどの吸着剤で処理することで、有機溶媒中での光線透過率を高めることが提案されている。特開2001−139756号公報 ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などに代表されるフェノール系酸化防止剤は、多価アルコールと多価アルコールと不飽和カルボン酸エステルとt−ブチル基含有フェノールとを原料とし、スズ触媒やリチウム触媒を用いて反応させることにより得られる。 本発明者は、これらの化合物を反応させる際にリチウム触媒を用いて得られるフェノール系酸化防止剤を脂環構造含有重合体に配合した場合、スズ触媒を用いて得られるフェノール系酸化防止剤を配合した脂環構造含有重合体に比べて、光線透過率の低い光学用成形体しか得られないことを確認した。そして、このようなフェノール系酸化防止剤は、400nmの光線透過率が20%以下と低い値であることを確認した。 そこで本発明者は、このようなリチウム触媒を用いて得られるフェノール系酸化防止剤を有機溶媒中で、平均孔径30〜100Åの酸性多孔質体と接触させることにより、フェノール系酸化防止剤を精製すると、スズ触媒を用いて得られるフェノール系酸化防止剤を配合した脂環構造含有重合体と同等の光線透過率が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。 かくして本発明によれば、多価アルコールと不飽和カルボン酸エステルとt−ブチル基含有フェノールとから得られる、リチウムが1〜50ppm、スズが0.5ppm以下のフェノール系酸化防止剤を有機溶媒中で、平均孔径30〜100Åの酸性多孔質体と接触させることを特徴とするフェノール系酸化防止剤の精製方法が提供される。 また、本発明によれば、この精製方法により精製されたフェノール系酸化防止剤と脂環構造含有重合体とを含む樹脂組成物が提供される。 本発明に関わるフェノール系酸化防止剤は、リチウムが1〜50ppm、スズが0.5ppm以下のフェノール系酸化防止剤である。通常、このような酸化防止剤は、リチウム触媒を用いて製造されるものである。リチウム量が3〜30ppm、スズが200ppb以下であるものが特に好ましい。尚、金属量はICP質量分析装置により測定される値である。 ここでフェノール系酸化防止剤は、2,6−ジ−t−ブチルフェノール構造を含有するフェノール化合物であり、具体的には、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が挙げられる。 本発明に用いる酸性多孔質体は、80℃の水に浸漬したときの水のpHが7未満、好ましくは4〜6、より好ましくは5〜6の微粒子である。また、多孔質体の平均孔径は、30〜100Å、好ましくは50〜100Åである。平均孔径は窒素やアルゴンを用いたガス吸着法により測定される。pHが高すぎると、フェノール系酸化防止剤と多孔質体との接触後の、フェノール系酸化防止剤の収率が低下するので好ましくない。 多孔質体の好適な例としては、酸性白土、シリカ、シリカゲル、アルミナなどが挙げられ、これら市販品として入手できる。 酸性多孔質体の使用量は、フェノール系酸化防止剤100重量部に対して、通常1〜30重量部、好ましくは5〜20重量部である。 フェノール系酸化防止剤と酸性多孔質体とを接触させる際、フェノール系酸化防止剤を溶解させる有機溶媒は、フェノール系酸化防止剤が溶解性するものであれば特に制限はないが、溶解度の観点から、トルエンやキシレンなどの芳香族系有機溶媒が好ましい。 有機溶媒100重量部に溶解させるフェノール系酸化防止剤の量は、フェノール系酸化防止剤と酸性多孔質との接触効率の観点から、通常5〜50重量部、好ましくは10〜30重量部、より好ましくは15〜30重量部である。 フェノール系酸化防止剤と酸性多孔質との接触方法に格別な制限はなく、通常、フェノール系酸化防止剤を有機溶媒に溶解し、次いで、酸性多孔質を添加し、攪拌する方法が採用される。 フェノール系酸化防止剤を有機溶媒に溶解した後、酸性多孔質と接触させる際の温度は、10℃以上通常有機溶媒の沸点未満、好ましくは、15℃以上有機溶媒の沸点より5℃以上低い温度である。温度が低いとフェノール系酸化防止剤の精製効率が低下するので好ましくない。 フェノール系酸化防止剤と酸性多孔質との接触時間は、通常1〜48時間、好ましくは2〜24時間である。接触時間が短いと、フェノール系酸化防止剤の精製が十分ではなく、逆に長すぎると生産効率が低下するので、いずれも好ましくない。 フェノール系酸化防止剤と酸性多孔質とを接触させた後、酸性多孔質を濾別し、次いで有機溶媒を除去し、精製されたフェノール系酸化防止剤が得られる。 このようにして得られるフェノール系酸化防止剤は、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、四塩化炭素、アセトン、メチルエチルケトンからなる群より選ばれる少なくとも1種の有機溶媒に、25重量%の濃度で溶解させたときの、100mm長光路セルで測定した400nmの光線透過率が40%以上となる。 このようにして精製されたフェノール系酸化防止剤を、脂環構造含有重合体に配合した樹脂組成物であれば、光学特性に優れた光学材料が得られる。 脂環構造含有重合体は、脂環式構造を有する不飽和炭化水素の重合体である。脂環構造含有重合体の具体例としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びその水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体とビニル化合物との付加重合体、単環シクロアルケン重合体、脂環式共役ジエン重合体、ビニル系脂環式炭化水素重合体及びその水素添加物が挙げられ、更に芳香族オレフィン重合体の芳香環水素添加物などの重合後の水素化で脂環構造が形成されて脂環式オレフィン重合体と同じ脂環構造が形成された重合体であってもよい。これらの中でも、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びその水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体とビニル化合物との付加重合体、芳香族オレフィン重合体の芳香環水素化物が好ましく、特にノルボルネン系単量体の開環重合体の水素化物が好ましい。 このような脂環構造含有重合体を与えるノルボルネン系単量体としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン;5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、トリシクロ[4.3.0.12,5]ウンデカ−3,7−ジエン若しくはトリシクロ[4.3.0.12,5]ウンデカ−3,8−ジエンまたはこれらの部分水素添加物(またはシクロペンタジエンとシクロヘキセンの付加物)であるトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン(単にテトラシクロドデセンともいう)、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−メチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン;8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−フェニル−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン;テトラシクロ[7.4.0.110,13.02,7]トリデカ−2,4,6,11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[8.4.0.111,14.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.0.13,6.110,13.02,7]ペンタデカ−4,11−ジエン及びシクロペンタジエンの4量体等が挙げられる。 これらの単量体を1種または2種以上使用し、公知の方法により開環重合して得られる開環重合体を、公知の水素化方法により水素化することにより、脂環構造含有重合体が得られる。 開環重合は、通常−20〜+100℃、好ましくは10〜80℃下でメタセシス重合触媒を用いて行う。 水素化反応は、開環重合体を単離後に行っても良いし、水素化触媒を添加して、脂環構造含有開環重合体を単離することなく、連続的に水素化反応を行っても良い。水素化触媒としては、オレフィン化合物の水素化に際して一般に使用されているものであれば、均一系触媒、不均一系触媒のいずれも使用することができる。得られる重合体中の残留金属の除去等を考慮すると、不均一系触媒が好ましい。 樹脂組成物には、必要に応じて、その他の公知の添加剤を発明の効果が損なわれない範囲で含有されていてもよい。その他の公知の添加剤としては、ブロッキング防止剤、滑剤や分散助剤、潤滑剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、塩素捕捉剤、難燃剤、結晶化核剤、防曇剤、顔料、有機物充填材、中和剤、分解剤、金属不活性化剤、汚染防止材、抗菌剤やその他の樹脂、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。 脂環構造含有重合体、フェノール系酸化防止剤、及び必要に応じて用いられる添加剤は、例えば、単軸押出機、2軸押出機、ロール、バンバリーミキサー等の混練機によって溶融混合することにより、樹脂組成物として得られる。 樹脂組成物は、通常、取り扱いやすいようにペレットと呼ばれる米粒程度の大きさに加工された後、成形体に加工される。 成形体は、透明性、長期耐熱着色性に優れるため、光ディスク、光ファイバー、光コネクター、ポリゴンミラー等の反射デバイス、光カード、光学レンズ、回折格子、光学ミラー、液晶表示素子基板、導光体、光拡散板、偏光フィルム、位相差フィルム、光拡散シート、プリズムシート、自動車の窓材、航空機用窓材、自動車販売機用窓材ショーケース材等の光学部材が挙げられ、光学レンズが特に好ましい。 以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、部及び%は重量基準、圧力はゲージ圧である。実施例及び比較例における物性の測定方法は、以下のとおりである。(1)多孔質体のpH 80℃の水100gに、多孔質体を10g入れ、水の温度を80℃に制御しながら60分間攪拌した後の、80℃の水のpHを、pH測定器(アズワン社製ラコムテスターpH計;製品名「Ecoscan pH5」)を用いて測定した。(2)多孔質体の細孔径 AUTOSORB ASIC-VP(ユアサアイオニクス社製)で測定した。(3)フェノール系酸化防止剤の金属量 ICP質量分析装置(Agilent社製;製品名「Agilent4500」)を用いて以下の方法により行った。・分析方法試料2gを石英るつぼに秤取り、バーナーおよび電気炉で順次灰化した。灰化物をテフロン(登録商標)ビーカーに移し、硝酸およびフッ化水素酸で加熱分解し、希硝酸で定容とした。得られた定容液のLiおよびSnの定量分析をICP質量分析法で行った。(4)フェノール系酸化防止剤の光線透過率 フェノール系酸化防止剤をトルエンに25%濃度になるように溶解し、紫外・可視・近赤外分光光度計(V−570、日本分光社製)を用い、セル長100mm、波長400nmで測定した。[実施例1〜4、比較例1〜3] ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャリティケミカルズ社製、製品名「イルガノックス1010」;リチウム=20ppm、スズ=検出限界以下)25部を、トルエン100部に溶解させた。 表1記載の多孔質体をそれぞれ10部ずつ、トルエン溶液100部に添加した後、25℃で12時間攪拌した。 攪拌終了後、多孔質体を分離・除去し、次いで得られたトルエン溶液中のフェノール系酸化防止剤の濃度を25%となるように調製し、光線透過率を測定した。結果を表1に示す。[実施例6] 実施例2で得られたフェノール系酸化防止剤0.5部と、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン40部、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン30部、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン30部からなる水素化開環重合体(数平均分子量Mn=5,500、重量平均分子量Mw=9,500;ノルボルナン構造を有する脂環構造含有重合体)100部とを、2軸押出機(東芝機械社製;製品名「TEM−35B」、スクリュー径37mm、L/D=32、スクリュー回転数250rpm、樹脂温度270℃、フィードレート10kg/時間)で混練、押し出し、ペレットとした。 このペレットについて、厚さ3mm、縦横65mmの成形品を射出成形機(ファナック株式会社製;製品名「S−2000i100A」)により作製し、ヘイズメータ(NDH2000、日本電色工業社製)を用いてヘイズを測定した。ヘイズは、0.2%であり、透明性に優れていることが分かった。多価アルコールと不飽和カルボン酸エステルとt−ブチル基含有フェノールとから得られる、リチウムが1〜50ppm、スズが0.5ppm以下のフェノール系酸化防止剤を有機溶媒中で、平均孔径30〜100Åの酸性多孔質体と接触させることを特徴とするフェノール系酸化防止剤の精製方法。請求項1記載の精製方法により精製されたフェノール系酸化防止剤と脂環構造含有重合体とを含む樹脂組成物。 【課題】 リチウム触媒を用いて得られたフェノール系酸化防止剤の精製方法を提供する。【解決手段】 多価アルコールと不飽和カルボン酸エステルとt−ブチル基含有フェノールとから得られるペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]であって、リチウム触媒を用いて合成された、リチウムが1〜50ppm、スズが0.5ppm以下のフェノール系酸化防止剤を有機溶媒中で、平均孔径30〜100Åの酸性多孔質体と接触させることを特徴とするフェノール系酸化防止剤の精製方法。【選択図】 なし