タイトル: | 公開特許公報(A)_非対称エーテル化合物の製造方法 |
出願番号: | 2008069776 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | C07C 41/09,C07C 43/15,C07C 43/164,C07B 61/00 |
古田 剛志 山下 聖二 JP 2009221172 公開特許公報(A) 20091001 2008069776 20080318 非対称エーテル化合物の製造方法 三洋化成工業株式会社 000002288 古田 剛志 山下 聖二 C07C 41/09 20060101AFI20090904BHJP C07C 43/15 20060101ALI20090904BHJP C07C 43/164 20060101ALI20090904BHJP C07B 61/00 20060101ALN20090904BHJP JPC07C41/09C07C43/15C07C43/164C07B61/00 300 4 OL 12 4H006 4H039 4H006AA02 4H006AC43 4H006BA51 4H006BA65 4H006BC34 4H006GN05 4H006GP01 4H039CA61 4H039CL25本発明は、非対称エーテル化合物の製造方法に関し、詳しくは、異種の1価アルコール間の脱水縮合反応による副生物を含まない非対称エーテル化合物の製造方法に関する。 通常、非対称エーテル化合物の製造方法としては苛性ソーダなどの強塩基触媒の存在下、1価アルコールにアルキルハロゲン化物を反応させる方法が知られている(例えば、特許文献1)。 しかし、クロロメタンなどのアルキルハロゲン化物は毒性や危険性(可燃性、爆発性)が高いために取扱いが困難であり、また、多量に副成する塩化ナトリウムの分離、廃棄などの余計な工程や設備が必要なためコストがかかるとの問題を有する。 また、ゼオライトの存在下、モノアルキルエーテルを脱水縮合させる方法が提案されている(例えば、特許文献2)。 しかし、上記方法は反応性が低く、しかも反応温度が高過ぎるために、エーテル鎖などの熱分解によりアルデヒドなどの副生物が多量に生成し、その結果、ジアルキルエーテルの縮合により生成する目的物のエーテルの選択率が30%以下しか得られないという問題を有する。米国特許3,591, 641号公報特開平10−17514号公報 本発明の課題は、危険性や毒性が高いアルキルハライドを原料として使用せずに済み、 塩化ナトリウムなどの無駄でコストアップにつながる副成物の発生が無くかつ、反応率と選択性が共に高い非対称エーテル化合物の製造方法を提供することである。 本発明者は鋭意研究した結果、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は、非対称エーテル化合物(C)の製造に際し、1価アルコール(A1)と1価アルコール(A2)とをアンモニウム塩(B)の存在下で反応させて得ることを特徴とする非対称エーテル化合物の製造方法である。 本発明によれば、危険性や毒性が高いアルキルハライドを原料として使用せずに済む。また、高い反応率で、高純度の非対称エーテル化合物を得ることができる。さらに、アルキルハライドと水酸化ナトリウムを使用するプロセスと違い、不要でかつ後処理の必要な塩化ナトリウムなどの副生塩の発生もない。 本発明において非対称エーテル化合物(C)の製造に用いられる1価アルコール(A1)および1価アルコール(A2)は、それぞれ式(1)および式(2)で表される化合物である。本発明のエーテル化合物(C)が非対称のエーテル化合物であるため、原料として(A1)と(A2)は同一の1価アルコールを同時に用いない点だけが制限されるが、その他の点では、(A1)と(A2)は同類の1価アルコールが使用できる。従って、式(1)中のR1と式(2)中のR2も同類のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基であるが、同時に同一とはならない。 R1―(AO)m―OH (1) R2―(AO)n−OH (2) アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ヘキシル、ドデシル等の炭素数1〜12の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基が挙げられる。 アリール基としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、スチレン化フェニル等の炭素数6〜60のアリール基が挙げられる。 アラルキル基としては、べンジル、2−フェニルエチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル等の炭素数6〜60のアラルキル基が挙げられる。 アルケニル基としては、エテニル、1−プロペニル、アリル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−ペンテニル等の炭素数2〜12のアルケニル基が挙げられる。 シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等の炭素数3〜20のシクロアルキル基が挙げられる。 式(1)と(2)中のAは、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、具体的にはエチレン基、1,2−プロピレン基、1,2−ブチレン基、1,4−ブチレン基であり、好ましくはエチレン基、または1,2−プロピレン基である。2種以上のアルキレン基を併用する場合は、ランダム、ブロックおよびこれらの併用でもよい。好ましくはランダム結合であり、特にエチレン基と1,2−プロピレン基のランダム結合が好ましい。 式(1)中のmと(2)中のnは、それぞれ独立に、平均が0または1〜10の整数を表す。さらに好ましくは、1〜4である。 m、nが0の場合の(A)、(B)は、アルコールやフェノール、またはこれらの置換体そのものである。 また、1以上の整数の場合の(A)、(B)は、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドをアルコールやフェノール、またはこれらの置換体に付加させたものである。 上記の1価アルコール(A1)と1価アルコール(A2)を、アンモニウム塩(B)の存在下で反応させて得られる本発明の非対称エーテル化合物(C)は、下記一般式(3)で表されるものである。 R1―(AO)m−O―(AO)n−R2 (3) 上記式中、A、m、およびnは、前記一般式(1)、および(2)におけるものと同じものが挙げられる。好ましいものも同じである。 本発明において必須要件として用いられるアンモニウム塩(B)は、下記一般式(4)または一般式(5)で示されるイミダゾリウムカチオン、イミダゾリニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、脂環式4級アンモニウムカチオン、脂肪族4級アンモニウムカチオンなどの有機カチオンと、無機アニオンまたは有機アニオンからなる塩である [式(4)中、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立に水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、スルホン基、エーテル結合を有する基で一部置換されていてもよい炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、一部又は全部が相互に結合して環を形成していてもよい。本発明において、イミダゾリウム塩、イミダゾリニウム塩、ピリジニウム塩の場合は環を形成する。] [式(5)中、R7はその一部にスルホン基を有する炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、R8、R9及びR10は水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、スルホン基、エーテル結合で一部置換されていてもよい炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、一部又は全部が相互に結合して環を形成していてもよい。本発明において、イミダゾリウム塩、イミダゾリニウム塩、ピリジニウム塩の場合は環を形成する。 A−は酸(E)のモノアニオンを表す。] 式(4)と式(5)中のR3〜R10の炭素数1〜20の1価の炭化水素基が環を形成しない場合、これらは直鎖状もしくは分岐状の脂肪族または脂環式の炭化水素基が挙げられ、飽和または不飽和のいずれであってもよい。 直鎖状飽和脂肪族炭化水素基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ヘキシル、カプリル、オクチル、デシル、ラウリル、トリデシル、ミリスチル、セチル、ステアリル、ノナデシル基などのアルキル基が挙げられる。分岐状飽和脂肪族炭化水素基としては、イソプロピル、イソブチル、sec−およびt−ブチル、ネオペンチル、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。脂環式飽和炭化水素基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル基などが挙げられる。直鎖状不飽和脂肪族炭化水素基としては、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、オクテニル、デセニル、ドデセニル、トリデセニル、ペンタデセニル、オレイル、ガドレイル、リノレイル基など(アルケニル基など)が挙げられる。 分岐状不飽和脂肪族炭化水素基としては、イソプロペニル基などが挙げられる。脂環式不飽和炭化水素基としては、シクロヘキセニル、シクロオクテニル基などが挙げられる。 これらのうち、直鎖脂肪族炭化水素基が好ましく、さらに好ましくはメチル基、メトキシエチル基及びエチル基、特に好ましくはメチル基及びエチル基である。 これらのうち、イミダゾリウムカチオン、脂肪族4級アンモニウムカチオンが好ましい。 さらに好ましくは1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−(4−スルホン酸)ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−(3−スルホン酸)プロピル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−(4−スルホン酸)ブチル−3−エチルイミダゾリウムカチオン、1−(3−スルホン酸)プロピル−3−エチルイミダゾリウムカチオン、4−(トリメチルアンモニオ)ブタン―1―スルホン酸カチオン、3−(トリメチルアンモニオ)プロパン―1―スルホン酸カチオン、4−(トリエチルアンモニオ)ブタン―1―スルホン酸カチオン、3−(トリエチルアンモニオ)プロパン―1―スルホン酸カチオンである。 式(4)中のA−としては、無機アニオンおよび有機アニオンが含まれる。 無機アニオンには、BO33−、F−、PF6−、BF4−、AsF6−、SbF6−、ClO4−、AlF4−、AlCl4−、TaF6−、NbF6−、SiF62−、CN−、F(HF)n−(当該式中、nは1以上4以下の数値を表す)が含まれ、これらの中で、PF6−、BF4−、AsF6−、SbF6−が好ましい。 有機アニオンには、N(RfSO2)2−、C(RfSO2)3−、RfCOO−、RfSO3−(Rfは炭素数1〜12のフルオロアルキル基)などの含フッ素アニオン;カルボン酸、モノまたはジアルキルリン酸エステル、スルホン酸、トリアゾール、テトラゾール骨格を有する化合物、ホウ素含有化合物から水素原子を除いたアニオンなどが含まれる。 上記のカルボン酸類としては、炭素数2〜15の2〜4価の脂肪族ポリカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸、芳香族オキシカルボン酸、脂肪族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸などが挙げられる。 上記のモノまたはジアルキルリン酸エステルとしては、炭素数1〜15であるアルキル基のモノまたはジアルキルリン酸エステルなどが挙げられる。 上記のスルホン酸としては、アルキル(炭素数1〜15)ベンゼンスルホン酸(p−トルエンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸など)、スルホサリチル酸、メタンスルホン酸、三フッ化メタンスルホン酸などが挙げられる。 上記のトリアゾール、テトラゾール骨格を有する化合物としては、1−H−1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール−4,5−ジカルボン酸、3−メルカプト−5−メチル−1,2,4−トリアゾール、1,2,3,4−テトラゾールなどが挙げられる。 上記のホウ素含有化合物としては、ボロジシュウ酸、ボロジグリコール酸、ボロジ(2−ヒドロキシイソ酪酸)が挙げられる。 これらのA−としての無機アニオンおよび有機アニオンの中で、p−トルエンスルホン酸、4フッ化ホウ素酸(BF4H)、6フッ化リン酸(PF6H)、6フッ化砒素酸(AsF6H)、6フッ化アンチモン酸(SbF6H)およびパーフルオロアルカンスルホン酸(RfSO3H)から水素原子を除いたアニオンが好ましい。 アンモニウム塩(B)として好ましいものを例示すると、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムスルホネート、1−(4−スルホン酸)ブチル−3−メチルイミダゾリウムスルホネート、1−(4−スルホン酸)ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−(3−スルホン酸)プロピル−3−メチルイミダゾリウムスルホネート、1−(3−スルホン酸)プロピル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−(4−スルホン酸)ブチル−3−エチルイミダゾリウムスルホネート、1−(3−スルホン酸)プロピル−3−エチルイミダゾリウムスルホネート、1−(3−スルホン酸)プロピル−3−エチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、4−(トリメチルアンモニオ)ブタン―1―スルホン酸スルホネート、3−(トリメチルアンモニオ)プロパン―1―スルホン酸スルホネート、4−(トリエチルアンモニオ)ブタン―1―スルホン酸スルホネート、3−(トリエチルアンモニオ)プロパン―1―スルホン酸スルホネートである。特に好ましくは1−(4−スルホン酸)ブチル−3−エチルイミダゾリウムスルホネート、1−(3−スルホン酸)プロピル−3−エチルイミダゾリウムスルホネート及び4−(トリエチルアンモニオ)ブタン―1―スルホン酸スルホネート、最も好ましくは1−(4−スルホン酸)ブチル−3−エチルイミダゾリウムスルホネート及び4−(トリエチルアンモニオ)ブタン―1―スルホン酸スルホネートである。 本発明におけるアンモニウム塩(B)は、触媒として使用してもよいし、触媒兼溶剤として使用してもよい。 アンモニウム塩(B)の使用量は、1価アルコール(A1)と(A2)との合計重量に対して通常1〜5,000重量%、好ましくは10〜2,000重量%である。1重量%未満であると反応性が低い。溶剤兼用として使用する場合は特に限定はないが多く使うと得られるジアルキルエーテルの収量が相対的に少なくなり不経済である。 1価アルコール(A1)と(A2)の反応温度、および反応時間は特に限定はないが、好ましい反応温度は70〜200℃、より好ましくは90〜160℃である。また、好ましい反応時間は1時間〜40時間、より好ましくは2時間〜10時間である。反応は、窒素等の不活性ガスの雰囲気下または流通下で行うのが好ましい。 1価アルコール(A1)と(A2)のモル比は、通常、0.5:1〜2:1であり、好ましくは、0.8:1〜1.2:1である。1価アルコール(A1)と(A2)の反応においては、選択性の観点から、(A1)または(A2)とアンモニウム塩(B)のスルホン基との反応により硫酸エステルが生成した後、さらに1価アルコール(A1)または(A2)を反応させることが好ましい。硫酸エステル化の反応温度は−10℃〜80℃が好ましく、0℃〜50℃であることがさらに好ましい。また、好ましい反応時間は1時間〜40時間、より好ましくは1.5時間〜20時間である。また、硫酸エステル生成する際に生成する水を、減圧により除去しながら反応させることが好ましい。 以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、特に記載のないかぎり、「部」は「重量部」、%は重量%を意味する。 1価アルコール反応率、非対称エーテル選択率の定義と測定・計算方法は以下の通りである。 下記一般式(1)で表される1価アルコール(A1)と、下記一般式(2)で表される1価アルコール(A2)を反応させると、(A1)と(A2)とが反応した本発明の目的反応物である下記一般式(3)で表される非対称エーテル(C)以外に、1価アルコール(A1)同士が反応した下記一般式(6)で表される対称エーテル(J1)、1価アルコール(A2)同士が反応した下記一般式(7)で表される対称エーテル(J2)、および生成したエーテル(C)、(J1)、(J2)の分解物であるプロピオンアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒド化合物などが副生する。 R1―(AO)m―OH (1) R2―(AO)n−OH (2) R1―(AO)m−O―(AO)n−R2 (3) R1―(AO)m−O―(AO)n−R1 (6) R2―(AO)n−O―(AO)n−R2 (7)<1価アルコール(A1)反応率> 1価アルコール(A1)反応率とは、原料の1価アルコール(A1)が反応により種々のエーテルに転化した反応率を表し、以下の数式(1)により求めた。1価アルコール(A1)反応率(%) =100−{Sm1×(1−A/B)}×100/(Sm2+Sm1) (1)但し、Sm1:1価アルコール(A1)のメチルピーク積分値 Sm2:1価アルコール(A1)から生成したエーテル(C)のメチルピーク積分値 A:1価アルコール(A1)同士の縮合により生成したエーテル(J1)の生成重量 B:反応前の1価アルコールの重量 <1価アルコール(A2)反応率> 1価アルコール(A2)反応率とは、原料の1価アルコール(A2)が反応により種々のエーテルに転化した反応率を表し、以下の数式(2)により求めた。 1価アルコール(A2)反応率(%) =Sn1/(Sn1+Sn2)×100 (2) 但し、Sn1:1価アルコール(A2)から生成したエーテル(C)および1価アルコール(A2)同士が反応した対称エーテル(J2)の、エーテル結合に隣接するメチレンのピーク積分値 Sn2:1価アルコール(A2)の、アルコールに隣接するメチレンのピーク積分値 なお、1価アルコール反応率、および選択率の算出に際しては、核磁気共鳴法(NMR)により、以下の条件で測定した。1H−NMR装置: 日本電子製 JNM−ECX400(400MHz)ロック用溶媒: クロロホルム−d<非対称エーテル選択率> ここで定義した非対称エーテル選択率とは、反応した1価アルコール(A1)のうち、1価アルコール(A2)との非対称エーテルに転化した選択率であって、以下の数式(2)により求めた。非対称エーテル選択率(%)=(Cov1−A/B×100)/Cov1×100 (2)但し、Cov1:1価アルコール(A1)の反応率(%) A:1価アルコール(A1)同士の縮合により生成したエーテル(J1)の生成重量 B:反応前の1価アルコールの重量<製造例1>アンモニウム塩(B−1)の製造 撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、エチルイミダゾール64.8部を加え、窒素雰囲気下100℃で、1,4−ブタンスルトン(1,2−オキサチアン− 2,2-ジオキサイド)89.0部を2時間で滴下した後、同温度で2時間攪拌し、50℃まで冷却した。続いて硫酸60.1部を加え、窒素雰囲気下4時間反応後、120℃に加熱して2時間脱水を行い、アンモニウム塩[1−(4−スルホン酸)ブチル−3−エチルイミダゾリウム塩](B−1)220部を製造した。<製造例2>アンモニウム塩(B−2)の製造 ステンレス製オートクレーブにトリメチルアミン45.0部を加え、窒素雰囲気下60℃で1,4−ブタンスルトン100.4部を2時間で滴下した後、同温度で4時間攪拌し、30℃まで冷却した。続いてホウフッ化水素酸水溶液74.6部(純分42重量%)を60分かけて徐々に滴下して加え、窒素雰囲気下4時間反応後、120℃に加熱して2時間脱水を行い、アンモニウム塩[4−(トリエチルアンモニオ)ブタン―1―スルホン酸塩](B−2)220部を製造した。<実施例1> ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(A2−1)255部、および上記製造例1で製造したアンモニウム塩(B−1)1500部をステンレス製オートクレーブに仕込み、30℃、圧力約100Paの減圧下で生成した水を系外に留出させながら、5時間置換反応を行った。 これにメタノール(A1−1)45部を仕込み、この時点で1価アルコール量としてのメタノール量の重量を上記のNMR法によって計算した後、約20分でオートクレーブ内液温を130℃まで昇温し、8時間脱水エーテル化反応を行った。反応後、25℃まで冷却し、反応液を取出して上記の測定を行い、1価アルコール(A1)反応率、1価アルコール(A2)反応率、非対称エーテル選択率を算出した。 その後、130℃、圧力約100Paの減圧下で蒸留して、目的物の非対称エーテルの留分を取り出した。アンモニウム塩(B−1)は、蒸留後も分解や着色することなく、オートクレーブ内に残存した。 結果を表1に示した。 なお、オートクレーブの気相に存在する生成したジメチルエーテル(沸点−21.5℃)は、反応液の取出し前に全てガスバックに保存し、ガスクロマトグラフィーによりジメチルエーテル生成量を測定した。<実施例2> 実施例1において、アンモニウム塩(B−1)の使用量を1500部の代わりに30部とした以外は実施例1と同様に操作した。<実施例3> 実施例1において、アンモニウム塩(B−1)の使用量を1500部の代わりに6000部とした以外は実施例1と同様に操作した。<実施例4> 実施例1において、アンモニウム塩(B−1)1500部の代わりに、上記製造例2で製造したアンモニウム塩(B−2)1500部とした以外は実施例1と同様に操作した。<実施例5> ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(A2−1)239部、およびアンモニウム塩(B−2)1500部をステンレス製オートクレーブに仕込み、30℃、圧力約100Paの減圧下、10時間反応を行った。 これに61部のエタノール(A1−2)を仕込み、この時点で1価アルコール量としてのエタノールの重量を測定した後、約20分でオートクレーブ内液温を130℃とまで昇温し、8時間反応を行った。反応後、25℃まで冷却し、反応液を取出して上記の反応率、非対称エーテル選択率を算出した。 なお、気相に存在する生成したジエチルエーテル(沸点35℃)は、反応液の冷却前に全てガスバックに保存し、ガスクロマトグラフィーによりジエチルエーテル生成量を定量した。<実施例6> ジエチレングリコールモノアリルエーテル(A2−2)206部、およびアンモニウム塩(B−1)1500部をステンレス製オートクレーブに仕込み、30℃、圧力約100Paの減圧下、10時間反応を行った。 これに94部のエタノール(A1−2)を仕込み、この時点で1価アルコール量としてのエタノールの重量を測定した後、約20分でオートクレーブ内液温を130℃とし、8時間反応を行った。反応後、25℃まで冷却し、反応液を取出して上記の反応率、非対称エーテル選択率を算出した。<実施例7> ベンジルアルコール(A2−3)210部、およびアンモニウム塩(B−1)1500部をステンレス製オートクレーブに仕込み、30℃、圧力約100Paの減圧下、5時間反応を行った。 これに1価アルコールのエタノール(A1−2)90部を仕込み、この時点で1価アルコール量としてのエタノールの重量を測定した後、約20分でオートクレーブ内液温を130℃とし、8時間反応を行った。反応後、25℃まで冷却し、反応液を取出して上記の反応率、非対称エーテル選択率を算出した。<比較例1> メタノール(A1−1)45部を仕込み、この時点で1価アルコール量としてのメタノールの重量を測定した後、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(A2−1)255部、および硫酸7.0部をステンレス製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内液温を130℃とし、8時間反応を行った。反応後、25℃まで冷却し、反応液を取出して上記の反応率、非対称エーテル選択率を算出した。<比較例2> メタノール(A1−1)69部を仕込み、この時点で1価アルコール量としてのメタノールの重量を測定した後、ベンジルアルコール(A2−3)231部、および硫酸7.0部をステンレス製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内液温を130℃とし、8時間反応を行った。反応後、25℃まで冷却し、反応液を取出して上記の反応率、非対称エーテル選択率を算出した。<比較例3> メタノール(A1−1)45部を仕込み、この時点で1価アルコール量としてのメタノールの重量を測定した後、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(A2−1)255部、およびゼオライト[東ソー製Y型ゼオライト(SiO2/Al2O3(mol/mol)=5.5)]100部をステンレス製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内液温を130℃とし、8時間反応を行った。反応後、25℃まで冷却し、反応液を取出して上記の反応率、非対称エーテル選択率を算出した。<比較例4> メタノール(A1−1)69部を仕込み、この時点で1価アルコール量としてのメタノールの重量を測定した後、ベンジルアルコール(A2−3)231部、およびゼオライト100部をステンレス製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内液温を130℃とし、8時間反応を行った。反応後、25℃まで冷却し、反応液を取出して上記の反応率、非対称エーテル選択率を算出した。 表1の結果から明らかな通り、本発明のアンモニウム塩(B1)、(B2)を用いた製造法で得られた実施例1〜7の非対称エーテルは、比較例1〜4に比べて反応率が高く、特に触媒量ではなく溶媒として用いた場合は特に高い。 一方、触媒として従来の硫酸(比較例1、2)やゼオライト(比較例3、4)を用いた場合は、反応率が40%以下と低いだけでなく、非対称エーテル選択率も50%以下と低いため、目的の非対称エーテルを選択的に得るためには、不純物を何らかの方法で除去する必要がある。 本発明の製造方法により製造される非対称エーテルは、電子材料の洗浄剤、塗料の溶剤の用途に幅広く用いることができる。 下記一般式(1)で表される1価アルコール(A1)および下記一般式(2)で表される1価アルコール(A2)とを反応させて下記一般式(3)で表される非対称エーテル化合物(C)の製造において、アンモニウム塩(B)の存在下で反応させ、該1価アルコール(A1)同士の脱水縮合物である対称エーテル化合物(D1)および該1価アルコール(A2)同士の脱水縮合物である対称エーテル化合物(D2)の合計含有量が30重量%以下であることを特徴とする非対称エーテル化合物(C)の製造方法。 R1―(AO)m―OH (1) R2―(AO)n−OH (2) R1―(AO)m−O―(AO)n−R2 (3)[式中、R1とR2はそれぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、を表す。Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、mおよびnは、それぞれ独立に平均が0または1〜10の整数を表す。]該アンモニウム塩(B)が、下記一般式(4)または一般式(5)で示されるイミダゾリウム塩、イミダゾリニウム塩、ピリジニウム塩、脂環式4級アンモニウム塩および脂肪族4級アンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機カチオンである請求項1記載の非対称エーテルの製造方法。(式中、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立に水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、スルホン基、エーテル結合を有する基で一部置換されていてもよい炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、一部又は全部が相互に結合して環を形成していてもよい。)[式中、R7はその一部にスルホン基を有する炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、R8、R9及びR10は水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、スルホン基、エーテル結合で一部置換されていてもよい炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、一部又は全部が相互に結合して環を形成していてもよい。A−は酸(E)のモノアニオンを表す。] 該酸(E)が、p−トルエンスルホン酸、過塩素酸、4フッ化ホウ素酸、6フッ化リン酸、6フッ化砒素酸、6フッ化アンチモン酸、およびパーフルオロアルカンスルホン酸からなる群から選ばれる1種以上の酸である請求項1または2記載の非対称エーテルの製造方法。 該アンモニウム塩(B)の使用量が、1価アルコール(A1)と(A2)との合計重量に対して10〜2,000重量%である請求項1〜3いずれか記載の非対称エーテルの製造方法。 【課題】 本発明の課題は、副生物を含まない非対称エーテルの製造方法を提供することである。【解決手段】 下記一般式(1)で表される1価アルコール(A1)および下記一般式(2)で表される1価アルコール(A2)とを反応させて下記一般式(3)で表される非対称エーテル化合物(C)の製造において、アンモニウム塩(B)の存在下で反応させ、該1価アルコール(A1)同士の脱水縮合物である対称エーテル化合物(D1)および該1価アルコール(A2)同士の脱水縮合物である対称エーテル化合物(D2)の合計含有量が30重量%以下であることを特徴とする非対称エーテル化合物(C)の製造方法である。 R1―(AO)m―OH (1) R2―(AO)n−OH (2) R1―(AO)m−O―(AO)n−R2 (3)[式中、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、mおよびnはそれぞれ独立に平均が0または1〜10の整数を表す。R1とR2はそれぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、を表す。]【選択図】なし20090121A16333請求項13 下記一般式(1)で表される1価アルコール(A1)および下記一般式(2)で表される1価アルコール(A2)とを反応させて下記一般式(3)で表される非対称エーテル化合物(C)の製造において、アンモニウム塩(B)の存在下で反応させ、該1価アルコール(A1)同士の脱水縮合物である対称エーテル化合物(D1)および該1価アルコール(A2)同士の脱水縮合物である対称エーテル化合物(D2)の合計含有量が30重量%以下であることを特徴とする非対称エーテル化合物(C)の製造方法。 R1―(AO)m―OH (1) R2―(AO)n−OH (2) R1―(AO)m−O―(AO)n−R2 (3)[式中、R1とR2はそれぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはアラルキル基 を表す。Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、mおよびnは、それぞれ独立に平均が0または1〜10の整数を表す。]A16333請求項33 該酸(E)が、p−トルエンスルホン酸、過塩素酸、4フッ化ホウ素酸、6フッ化リン酸、6フッ化砒素酸、6フッ化アンチモン酸、およびパーフルオロアルカンスルホン酸からなる群から選ばれる1種以上の酸である請求項 2記載の非対称エーテルの製造方法。