タイトル: | 公開特許公報(A)_ポリヒドロキシアルカン酸の精製方法 |
出願番号: | 2008051913 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | C12P 7/62,C12R 1/01,C12R 1/645 |
宮本 重彦 大窪 雄二 中本 光架 井上 博晶 JP 2009207380 公開特許公報(A) 20090917 2008051913 20080303 ポリヒドロキシアルカン酸の精製方法 株式会社カネカ 000000941 宮本 重彦 大窪 雄二 中本 光架 井上 博晶 C12P 7/62 20060101AFI20090821BHJP C12R 1/01 20060101ALN20090821BHJP C12R 1/645 20060101ALN20090821BHJP JPC12P7/62C12P7/62C12P7/62C12R1:01C12R1:645 24 OL 14 4B064 4B064AD83 4B064CA02 4B064CA06 4B064CE08 4B064DA16 本発明は、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)生成能を有する菌体類を利用して生成させたPHAを精製する方法に関する。 現在、プラスチック廃棄物は焼却、埋め立てなどにより処理されているが、これらの処理方法には地球の温暖化や埋め立て地の地盤弛緩等の問題点がある。そのため、プラスチックリサイクルへの社会意識の高まりとともに、リサイクルシステム化が進みつつある。しかし、リサイクル可能な用途には限りがあり、実際問題としてプラスチック廃棄処理方法としては、焼却、埋め立て、リサイクルだけでは対応しきれず、自然界に放置されたままになるものも多い。そこで、廃棄後は自然界の物質循環に取り込まれ、分解生成物が有害とならない生分解性プラスチックが注目されており、その実用化が切望されている。 これら生分解プラスチックの中でも、ポリヒドロキシアルカン酸(以後PHAと称す)は多くの微生物種の菌体内にエネルギー蓄積物質として生成、蓄積される生分解性を有する熱可塑性ポリエステルであり(非特許文献1)、自然界の炭素循環プロセスに取り込まれることから生態系への悪影響がほとんどないこと予想されているために、特に注目されている。また、医療分野においても、回収不要のインプラント材料、薬物担体としての利用が可能であると考えられている(非特許文献2、非特許文献3)。 微生物の生産するPHAは便宜上、炭素数6以下のヒドロキシアルカン酸を主成分とする短鎖PHA(scl−PHA)と、炭素数6以上のヒドロキシアルカン酸を主成分とする中長鎖PHA(mcl−PHA)に分類されている。さらに、微生物生産PHAは、生産に用いる微生物の種類や培地の組成、培養条件等により、その組成や構造、分子量が大きく変化することが知られており、これまでにPHAの物性改良を目的に様々な研究がなされてきた。PHAに導入されるユニットとして現在までに90種以上もの構造が報告されている(非特許文献4)。 例えば、カピリアビダス・ネケータ H16株(Cupriavidusnecator H16,ATCC17699)及びその変異株は、培養時の炭素源を変化させることによって、3−ヒドロキシブタン酸(3−HB)と3−ヒドロキシペンタン酸(3−HV)との共重合体を様々な組成で生産することが報告されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、非特許文献5)。また、アルカリゲネス・ユウトロファス(Alcaligeneseutrophus)H16株は炭素源として4−ヒドロキシブタン酸(4−HB)やγ−ブチロノラクトンを、コマモナス・アシドボランス(Comamonas acidovorans)は、グルコン酸と1,4−ブタンジオールを用いて培養すると、3−HBと4−HBを含む共重合体を生産することが報告されている(非特許文献6)。アエロモナス・キャビエ(Aeromonas caviae)は、油脂や脂肪酸を炭素源として3−HBと炭素数6の3−ヒドロキシヘキサン酸(3−HH)からなるランダム共重合体を生成する。更に、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)やシュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)などのシュードモナス属細菌は糖や有機酸・アルカンなどの多様な化合物を代謝し、C6〜C12の中長鎖3−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとしたPHA(mcl−PHA)を合成する(非特許文献1)。更に、C4〜C16までの広範な3−ヒドロキシアルカン酸から構成されるPHAも知られている(特許文献5)。 微生物によって生成されたPHAは、顆粒体を形成して菌体内に蓄積されており、これらをプラスチックとして利用するためには、微生物の菌体内から分離して取り出す必要がある。PHAを微生物菌体から分離精製する既知の方法として、大別すると、PHAが可溶である有機溶剤にPHAを溶解させて抽出する方法と、PHA以外の菌体構成成分を可溶化等させて取り除くことによりPHAを得る方法とがある。 PHAの溶剤抽出に従来用いられている溶剤としてクロロホルム(特許文献4)、塩化メチレン(特許文献4)、ピリジン(特許文献6)などが知られている。しかし、これらの溶剤では、湿菌体からPHAを効率良く抽出できないため、抽出前に培養液から得られた菌体を予め乾燥する工程が必要となってくる。また、抽出後得られた抽出液に貧溶媒としてメタノール等の溶剤を添加しPHAを析出させなければならず、その際に貧溶媒を多量に必要とするため、非常に大きな製造設備が必要となり経済的に不利である。また、2溶剤系となるため、溶媒の回収、再利用の観点からも不利である。 特許文献7には湿菌体からのPHAの抽出法が記載されているが、ここで用いられる溶媒はいずれも特殊であり、経済性等の面で工業的に不十分である。 一方、PHA以外の成分を酵素や界面活性剤などで可溶化して取り除く精製法では、酵素、界面活性剤等の効果が菌株により著しく異なり、高純度のPHAを得るためには数多くの工程が必要になる場合がある。 特に、scl−PHAと比べ、mcl−PHAの工業的精製法の開発は進んでいない。例として、アセトンやイソプロパノールを用いた方法が報告されている。アセトン抽出法では、前処理としてメタノールまたはNaOHでの洗浄を必要とし、さらに、mcl−PHAの沈殿に貧溶媒であるメタノールの添加を必要とする(非特許文献7)。そのため、溶媒の再利用にはアセトンとメタノールの分離が必要となり、工業的に不利である。イソプロパノールによる抽出では、mcl−PHAの沈殿にメタノールの添加は必要としないが、回収率が著しく低いことが問題である(非特許文献8)。また、いずれの方法でも菌体を凍結乾燥する工程が必要である。特表平6−15604号公報特表平7−14352号公報特表平8−19227号公報特開昭57−65193号公報特開平5−30980号公報米国特許第3036959号公報特開平2−69187号公報Microbiological Reviews,450-472頁,1990年Tissue engineering, 6巻, 183-8頁, 2000年Journal of controlled release, 59巻,207-217頁,1999年FEMS Microbiology Letters,128,219-228頁,1995年Applied Microbiology and Biotechnology,28巻、330-334頁,1988年Applied and Environmental Microbiology, 64巻,3437-3443頁,1998年Journal of Microbiological Methods,67巻,212-219頁,2006年Journal of Microbiological Methods,69巻,206-213頁,2007年 本発明の目的は、生物細胞からのPHAの精製工程において、安価で入手しやすい溶媒を用いて湿細胞を前処理し、さらに/または同溶媒を用いてPHAを抽出し、PHAを得る方法を提供することにある。 本発明者らは、上記課題を解決するために、PHAを工業的有利に生産できる方法について鋭意検討した結果、驚くべきことにPHAを含有する生物細胞を水と混合可能な有機溶媒と水との混合液を用いて前処理することで効率的にPHAを精製できることを見いだした。更に前記同溶媒で抽出を行うことで良好にPHAを抽出できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。 即ち、本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであり、以下の発明を包含する。[1] ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)を含有する生物細胞から、PHAを分離精製して製造する方法であって、水と混合可能な有機溶媒を用いて、前記生物細胞を前処理する工程を含むことを特徴とするPHA製造方法。[2] 前記前処理工程が、前記有機溶媒と水との混合液でPHAを含有する生物細胞を洗浄する工程であることを特徴とする、[1]に記載のPHA製造方法。[3] 前記前処理工程の前に生物細胞を凝集する工程を含むことを特徴とする、[1]または[2]に記載のPHA製造方法。[4] 前記有機溶媒と水との混合液に、有機溶媒が1重量%〜99重量%の範囲で含有されることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のPHA製造方法。[5] 前記有機溶媒と水との混合液に、有機溶媒が30重量%〜99重量%の範囲で含有されることを特徴とする[4]に記載のPHA製造方法。[6] 前記有機溶媒と水との混合液に、有機溶媒が40重量%〜80重量%の範囲で含有されることを特徴とする[5]に記載のPHA製造方法。[7] 使用される有機溶媒が、アルコール類、ケトン類、エーテル類、ニトリル類からなる溶媒の群より選択されることを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかに記載のPHA製造方法。[8] 使用される有機溶媒が、エタノール、イソプロパノール、アセトンより選択されることを特徴とする、[7]に記載のPHA製造方法。[9] 水と混合する有機溶媒を用いて、前記生物細胞を前処理する工程と同一の有機溶媒を用いて、PHAを抽出する工程を含むことを特徴とする[1]〜[8]のいずれかに記載のPHA製造方法。[10] 前記有機溶媒によるPHAの抽出温度が、10℃から130℃であることを特徴とする[9]に記載のPHA製造方法。[11] 前記PHAが、炭素数4〜16の3−、4−、または5−ヒドロキシアルカン酸から選択される構成成分からなるポリエステルである[1]〜[10]のいずれかに記載のPHA製造方法。[12] 前記PHAが、炭素数4〜16の3−ヒドロキシアルカン酸から選択される構成成分からなるポリエステルである[11]記載のPHA製造方法。[13] 前記PHAが、炭素数4〜16の3−、4−、または5−ヒドロキシアルカン酸から選択される構成成分からなる共重合ポリエステルである[1]〜[10]のいずれかに記載のPHA製造方法。[14] 前記PHAが、少なくとも3種類の炭素数4〜16の3−ヒドロキシアルカン酸から選択される構成成分からなる共重合ポリエステルである[13]記載のPHA製造方法。[15] 前記PHAが、少なくとも3種類の炭素数4〜16の3−ヒドロキシアルカン酸を含む共重合ポリエステルである[13]記載のPHA製造方法。[16] 前記PHAが、少なくとも5種類の炭素数4〜16の3−ヒドロキシアルカン酸を含む共重合ポリエステルである[13]記載のPHA製造方法。[17] 前記PHAが、少なくとも1つの不飽和結合を含む炭素数4〜16の3−、4−、または5−ヒドロキシアルカン酸から選択される構成成分からなる共重合ポリエステルである[1]〜[10]のいずれかに記載のPHA製造方法。[18] 前記PHAが、少なくとも1つの不飽和結合を含む炭素数4〜16の3−ヒドロキシアルカン酸から選択される構成成分からなる共重合ポリエステルである[17]記載のPHA製造方法。[19] PHAを含有する生物細胞がバクテリアあるいは酵母であることを特徴とする[1]記載のPHA製造方法。[20] PHAを含有する生物細胞がバチルス(Bacillus)属、ラルストニア(Ralstonia)属、カプリアビダス(Cupriavidus)属、ワウテルシア(Wautersia)属、アエロモナス(Aeromonas)属、エシェリキア(Esherichia)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、キャンディダ(Candida)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、コマモナス(Comamonas)属のいずれかに属する微生物であることを特徴とする[19]記載のPHA製造方法。[21] PHAを含有する生物細胞がシュードモナス(Pseudomonas)属に属する微生物であることを特徴とする[20]記載のPHA製造方法。[22] 更に、PHAの分子量を変化させる工程を含むことを特徴とする[1]〜[21]のいずれかに記載のPHA製造方法。[23] 更に、濃度80%以上のPHAを10℃以上の温度において容器移動を行うことを特徴とする工程を含む[1]〜[22]のいずれかに記載のPHA製造方法。[24] [1]〜[23]のいずれかに記載のPHA製造方法で取得したPHA。 本発明によれば、PHAを含有する湿生物細胞からPHAを抽出する前に、水と混合可能な有機溶媒と水との混合溶媒で生物細胞を前処理するという極めて簡便な操作によって、抽出後のPHAに含まれる不純物量を除去することが可能になり高純度のPHAが得られる。また、生物細胞前処理後の抽出を、前処理と同じ溶媒を用いて行うことができるため、溶媒の回収・再利用を容易に行うことができる。本発明は、微生物等によるPHAの工業的生産の効率向上および溶媒リサイクルによるコストの低減に大きく寄与するものである。 本発明におけるポリヒドロキシアルカン酸(PHA)は、生物細胞中に蓄積されるものであれば特に制限はない。ポリエステルの構成成分としては、炭素数4〜16の3−、4−、または5−ヒドロキシアルカン酸をモノマーユニットとして利用できる。好ましくは、3−ヒドロキシアルカン酸を構成成分として含むPHAである。 炭素数4〜16の3−ヒドロキシアルカン酸としては3-ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、3-ヒドロキシオクタン酸、3-ヒドロキシデカン酸、3−ヒドロキシウンデカン酸、3−ヒドロキシテトラデカン酸、3-ヒドロキシヘキサデカン酸などが挙げられる。これらのモノマーユニットには、1ないし複数の不飽和結合を含むことができる。不飽和結合を含むものとしては、例えば3−ヒドロキシ−5−cis−ドデセノエートや3−ヒドロキシ−7−cis−テトラデセノエートなどが挙げられる。また、フェニル基、フェノキシ基、ベンゾイル基、チエニル基等の置換基を有するモノマーユニットを含んでいてもかまわない。例えばフェニル基を有するものとしては5−フェニル吉草酸、ベンゾイル基を有するものとしては5−ベンゾイル吉草酸、チエニル基を有するものとしては5−チエニル吉草酸などが挙げられる。これらは、単一成分からなるホモポリエステルでも良いし、複数のモノマーユニットからなる共重合ポリエステルでも良い。好ましくは、有機溶媒に対する溶解性からmcl−PHAに属するPHAであり、さらに好ましくは構成モノマーとして3種類以上、さらに5種類以上を含むPHAが、結晶性が低いという点で望ましい。 本発明に用いられるPHAを蓄積した生物細胞としては、例えばカピリアビダス・ネケータ(Cupriavidusnecator)等のカピリアビダス属、アルカリゲネス・ラタス(A.latas)等のアルカリゲネス属(Alcaligenes)、シュウドモナス属(Pseudomonas)、バチルス属(Bacillus)、アゾトバクター属(Azotobacter)、ノカルディア属(Nocardia)、アエロモナス属(Aeromonas)、ラルストニア(Ralstonia)属、ワウテルシア(Wautersia)属などの菌体内にPHAを蓄積する微生物が挙げられる(Microbiological Reviews,450-472項,1990年)。 中でも、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、シュードモナス・レジノボランス(Pseudomonas resinovorans)、シュードモナス・オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)が好ましく、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス・レジノボランス(Pseudomonas resinovorans)および、シュードモナス・オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)が安全性、生産性の面でより好ましい。 これら微生物の他にも遺伝子工学的な手法を用いて、PHA合成酵素等を導入することにより、人為的にPHAを生産させる改変を施した生物細胞を用いることもできる。この場合、例えばエシェリキア(Esherichia)属等のグラム陰性の細菌、バチルス属(Bacillus)属等のグラム陽性の細菌、キャンディダ(Candida)属等の酵母、植物などの生物細胞も利用できる(Advances in biochemical engineering biotechnology,71巻,209-40項,2001、WO2005085415 等)。多量のPHAを蓄積できる点で、微生物を用いることが好ましい。 これらの生物細胞におけるPHAの生産方法は特に制限はないが、培養タンクを用いた生産方法が現実的である。 培養タンクによるPHA生産菌の培養方法は、PHAを多量に効率良く菌体内に蓄積できるものであれば特に限定はなく、例えば、微生物シュードモナス・レジノボランスを用いるにはAppl Environ Microbiol.,58,744-746項,1992年、Biomacromoecules,2巻,211-216項,2001年、Appl Environ Microbiol.,62,536-543項,2003年等に記載の方法が挙げられる。以後、PHA含有生物細胞を菌体と表記する。 本発明においては、培養終了後の培養液に水と混合しうる有機溶媒を直接加えて、菌体を前処理しても良いが、いったん培養液の水分量を減少させてから前処理を行うことが、経済的である場合がある。培養液の水分量を減少させる方法としては、遠心分離法、デカンテーション法、濾過法等の当業者に周知の方法を使用することができる。この際、菌体の沈降性・濾過性を向上させる目的で高分子凝集剤や無機凝集剤等の菌体の凝集剤を用いることもできる。 例えば、高分子凝集剤としては、ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ソーダ系、ポリメタクリル酸エステル系、ポリアクリル酸エステル系凝集剤等が挙げられ、無機凝集剤としては硫酸バンド、ポリ塩化アルミ、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄などが挙げられる。これらは単独で用いても良いし、複数組み合わせて用いることもできる。また、pHを調整することにより菌体を凝集させることもできる。高純度PHAを作成する場合、水分量の減少したPHAを含む菌体培養液に対して、再び水を加え攪拌し洗浄することが好ましい。経済的に合理性があれば、その後加熱や減圧法などで水を更に減少させても良い。 本発明においては、水を含む培養液、あるいは培養液濃縮物もしくは洗浄菌体に対して、水と混合する有機溶媒を用いて前処理を行うことに特徴がある。ここに、水を含む培養液とは、乾燥菌体量に対して、100重量%以上10000重量%以下の水を含むことを示し、前処理の効率上、より好ましくは100重量%以上5000重量%以下の水を含むことを示す。本発明の前処理に使用できる有機溶媒としては、水と混合し、PHAが溶解するものであれば特に限定されないが、溶媒の価格・溶媒回収のコストなどからアルコール類、ケトン類、エーテル類、ニトリル類の溶媒が好ましい。アルコール類としてはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどが挙げられ、ケトン類としてはアセトン、エチルメチルケトン、エーテル類としては1、4−ジオキサン、ニトリル類としてはアセトニトリルなどが挙げられる。特に好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、アセトンである。これらの有機溶媒を前処理に用いる場合は水との混合溶媒として使用する。その際、有機溶剤濃度は、終濃度として処理菌体液重量に対して下限値として1重量%以上、好ましくは30重量%以上、更に好ましくは40重量%以上である。上限値としては99重量%以下、好ましくは80重量%以下の範囲で使用すれば良い。これは、洗浄効果を十分に確保し、かつPHAをより多く回収するためである。このとき、処理菌体液の水分含量を勘案し、該菌体液に水を含まない有機溶媒を加えて所望の濃度とすることもできるし、水を含む有機溶媒を加えて所望の濃度とすることもできる。さらに最適化した濃度は、用いる溶媒と対象とするPHAの組成・分子量等を勘案して決定することができる。複数回の前処理を行う場合、使用する有機溶媒濃度はその都度、本発明の濃度範囲の中で変化させることができる。 用いる有機溶剤量や、前処理の回数に特に制限は無いが、処理菌体液体積に対して、0.5倍以上10倍以下の量で用いることが好ましい。前処理の回数に特に制限はないが、1回以上5回以下が好ましい。上記前処理は、例えば、上述有機溶媒を処理菌体液に混合・攪拌し、遠心分離法、デカンテーション法、濾過法等の方法でPHAを含む菌体と分離を行うことができる。攪拌時間や攪拌強度に特に制限は無く、十分に均一化できれば良い。攪拌等を行わずに修理しても良い。最終的に乾燥菌体に対して1000重量%以下になるように水含有有機溶媒を除去することが好ましい。 上記の様に前処理を施した菌体に対し、抽出溶媒を用いてPHAを抽出する。抽出溶剤としては、目的PHAを溶解することのできる有機溶剤であればいかなる溶剤を用いても良い。例えば、クロロホルム、塩化メチレン、ノルマルヘキサン、酢酸エチル、アセトン、イソプロパノールなどが挙げられる。より好ましくは、抽出溶媒として、上記前処理に用いた有機溶媒と同一の溶媒を用いることができる。同一溶媒を用いることで設備上のコストを低減することが可能であり、本発明の第二の特徴でもある。 用いる抽出溶媒の量に特に制限は無いが、あまり多すぎると、PHAの回収にコストがかかること、あまり少なすぎると、十分に抽出されなかったり、抽出後の液体が粘調になりすぎたりして処理が困難になる場合がある。好ましくは、PHA濃度の下限値としては1%以上、好ましくは3%以上であり、上限値としては50%以下、より好ましくは30%以下になるように加えるのが適当である。その抽出温度は−20℃から200℃の範囲で行えばよく、用いる有機溶剤の沸点以上では、加圧装置を用いての抽出が可能である。好ましくは10℃〜130℃、より好ましくは、用いる有機溶剤の大気圧下での沸点以下、50℃〜90℃の範囲で行う。抽出回数は少ないほうが望ましいが、特に制限は無い。 上述の有機溶媒に溶解したPHAは、次に、菌体残渣の除去を行う。本発明のPHA精製方法においては、遠心分離法、デカンテーション法、濾過法等の方法が使用できる。大量に処理ができる点で、濾過法が好ましい。濾過による分離を行う場合は、予め濾過器を抽出温度と同程度に加温しておくことが望ましい。菌体残渣から分離されたPHAを溶解した抽出溶液から、溶媒を除きPHAを単離する方法は当業者には周知の方法が使用できる。いわゆる貧溶媒を加えることにより、PHAを沈殿させ回収することもできるが、より好ましくは、例えば、減圧や加熱による溶媒の留去、冷却または貧溶媒としての水の添加によるPHAの沈殿などにより濃縮(分離)することができる。これらの手法は組み合わせて使うことができる。PHAの乾燥は、当業者には周知の方法、たとえば気流乾燥、真空乾燥などで行われる。 PHAのモノマー組成によっては有機溶媒に対する溶解度が低く、高温高圧下でも溶解しない場合がある。このような場合、PHAを限定的に分解し分子量を低下させることにより有機溶媒に対する溶解性を改変することができる。 PHAの分解は熱や酸、好ましくは硫酸、塩酸などを用いて行うことができるが、アルカリを用いる方法がより好ましい。アルカリとしてはPHAの分解に使用できれば特に限定されるものではない。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等のアルカリ金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の有機酸のアルカリ金属塩;ホウ砂等のアルカリ金属のホウ酸塩;リン酸3ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸3カリウム、リン酸水素2カリウム等のアルカリ金属のリン酸塩;水酸化バリウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア水等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。この中でも、工業生産に適し、また価格の点から、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩が好ましく、より好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム等である。 本発明においては、水と混合する有機溶媒を用いて前処理を行う工程の前あるいは後にアルカリ加水分解の工程を加えることができる。PHAの分解はPHAの有機溶媒による抽出時に並行して行うこともできるし、抽出後に行うこともできる。 水と混合する有機溶媒を用いて前処理を行う工程の前にアルカリ加水分解を行う場合は、培養液あるいは予め水で洗浄培養液に対して、所定のアルカリ溶液を加え、加温あるいは室温下、攪拌することにより分解反応を行う。 分解反応は、pHを所望の値にコントロールしながら、菌体の懸濁液に、アルカリを連続的あるいは断続的に添加する方法が好ましい。所望の分子量に至った後にpHを中性以下にすることにより反応を停止し、その後、水と混合する有機溶媒を用いて前処理を行う。 水と混合する有機溶媒を用いて前処理を行う工程の後にアルカリ加水分解を行う場合も同様に、前処理済み菌体に対して、所定のアルカリ溶液を加え、加温あるいは室温下、攪拌することにより分解反応を行う。分解反応は、pHをコントロールして行うこともできる。所望の分子量に至った後にpHを中性以下にすることにより反応を停止し、その後、菌体成分とPHAを遠心法や濾過法などを用いて沈殿回収する。その後、有機溶媒を用いて前述の様に抽出を行うことができる。 PHAの分解をPHAの有機溶媒による抽出時に並行して行う場合は、PHAが抽出された、あるいは抽出されつつある菌体成分を含む溶液に対してアルカリにより上記と同様に分解し、濾過等で菌体成分と分離する。この時pHを中性にして反応を停止するのは、菌体成分との分離の前後どちらでも良い。菌体成分から分離されたPHAは、そのまま、有機溶媒を減圧除去しても良いが、静置分離あるいは水を加えて、沈殿濃縮させた後に有機溶媒を除去することができる。更に、水洗工程を加えることで、塩を除去することもできる。 PHAの分解をPHAの有機溶媒による抽出後に行う場合は、菌体成分と分離されたPHAが溶解した溶液に対してアルカリにより上記と同様に所望の分子量まで分解しpHを中性にして反応を停止する。そのまま、有機溶媒を減圧除去しても良いが、静置分離あるいは水を加えて、沈殿濃縮させた後に有機溶媒を除去することができる。更に、水洗を加えることで、塩を除去することもできる。 微生物等のPHA生産系を改変することによっても、所望の有機溶媒溶解性を有するPHAを作成することができる。例えば、PHA合成酵素を過剰に発現させることにより、分子量の低下したPHAを作成することができる。 上記のごとく精製したPHAは、最終的に別の容器に回収する。この時の払い出し温度の上限には特に制限はないが、下限としては10℃以上好ましくは30℃以上より好ましくは50℃以上が操作性が格段に向上する点で望ましい。 以下実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 (PHAの平均分子量の測定方法) 回収したPHA約10mgを、クロロホルム5mlに溶解した後、不溶物を濾過により除いた。この溶液を、Shodex K805L(300×8mm、2本連結)(昭和電工社製)を装着した島津製作所製GPCシステムを用い、クロロホルムを移動相として分析した。分子量標準サンプルには、市販の標準ポリスチレンを用いた。 (PHAの定量方法) 重量法または、HPLC法を用いた。HPLC法は、Shodex GF−310HQ(300×7.6mm、)(昭和電工社製)を装着した島津製作所製HPLCシステムを用い、酢酸エチルを移動相として分析した。検出はRI検出器を使用した。標準サンプルは実施例1に記載の方法で培養した菌体を次のように精製したものを使用した。菌体を水洗し、凍結乾燥後クロロホルムにて抽出、残渣を濾過後、エバポレータにて濃縮し、メタノールを加えて沈殿させた。クロロホルム溶解とメタノールによる沈殿を更に3回繰り返した。メタノール上清を除去後、真空乾燥器にて40℃3日間乾燥させ標準品とした。 (実施例1) (培養) シュードモナス・レジノボランス(ATCC14235)株を次のように培養した。 種培地の組成は1w/v% Meat−extract、1w/v% Bacto−Trypton、0.2w/v%Yeast−extract、0.9w/v%Na2PO4・12H2O、0.15w/v%KH2PO4、(pH6.8)とした。 前培養培地の組成は1.1w/v% Na2HPO4・12H2O、0.19w/v% KH2PO4、1.29 w/v%(NH4)2SO4 、0.1w/v% MgSO4・7H2O、0.5v/v% 微量金属塩溶液(0.1N塩酸に1.6w/v% FeCl3・6H2O、1w/v% CaCl2・2H2O、0.02w/v% CoCl2・6H2O、0.016w/v% CuSO4・5H2O、0.012w/v% NiCl2・6H2Oを溶かしたもの。)とした。炭素源には、パーム油を2.5w/v%の濃度で用いた。 ポリエステル生産培地の組成は0.385w/v% Na2HPO4・12H2O、0.067w/v% KH2PO4、0・291w/v%(NH4)2SO4 、0.1w/v% MgSO4・7H2O、0.5v/v% 微量金属塩溶液(0.1N塩酸に1.6w/v% FeCl3・6H2O、1w/v% CaCl2・2H2O、0.02w/v% CoCl2・6H2O、0.016w/v% CuSO4・5H2O、0.012w/v% NiCl2・6H2Oを溶かしたもの。)、0.05w/v%BIOSPUREX200K(消泡剤:コグニスジャパン製)とした。 シュードモナス・レジノボランス(ATCC14235)株のグリセロールストック(50μl)を種培地(10ml)に接種して24時間培養した。300mlの前培養培地を入れた坂口フラスコに3v/v%接種した。運転条件は、培養温度30℃、振トウ速度100rpmで24時間培養した。 ポリエステル生産培養は6Lの生産培地を入れた10Lジャーファーメンター(丸菱バイオエンジ製MDL−1000型)に前培養種母を2.5v/v%接種した。運転条件は、培養温度28℃、攪拌速度400rpm、通気量6L/minとし、pHは6.7から6.8の間でコントロールした。pHコントロールには7%アンモニア水溶液を使用した。炭素源であるパーム油は、培養期間を通じペリスタポンプにて10g/Hの速度にて添加した。培養開始より50時間目に培養を停止し、培養液を回収した。PHAを菌体内に約50重量%含有した菌体を得た。 (精製) 17.5gのPHAを含有する500mLの培養菌体液に、2.5gの硫酸バンドを添加してしばらく攪拌した後、pH7に調整して菌体を凝集させた。その後、遠心分離処理(3000g、10min)にて菌体を沈殿させ、上清を除去し200gの湿菌体を得た。この湿菌体を400mLの水にて再分散、遠心分離を行うことで2回洗浄し、200gの洗浄菌体液を得た。ここに、80重量%のイソプロパノールを含む水溶液400mLを加え再分散、遠心分離を行った。この操作を2回繰り返し180gの湿菌体を得た。この湿菌体に400mLの100%イソプロパノールを加え、80℃にて30分間攪拌し、抽出を行った。その後、濾紙による濾過を行い、残渣は更に400mLの100%イソプロパノールを加え、80℃にて30分間攪拌し、再抽出を行った。それぞれの溶媒を留去後、得られた抽出物の量とPHA含量を測定した。その結果を、表1に示す。 純度94%以上のPHA(分子量:130000)が回収率82%で得られた。 (実施例2) 実施例1において、洗浄溶媒を80%アセトン水溶液、抽出溶媒を100%アセトンに変更した以外は同様の操作を行った。その結果を表2に示す。 純度88%以上のPHA(分子量:130000)が回収率82%で得られた。 (実施例3) 6.3gのPHAを菌体内に含有する培養菌体液300mLに、6gの硫酸バンドを添加してしばらく攪拌した後、pH7に調整して菌体を凝集させた。その後、遠心分離処理(3000g、10min)にて菌体を沈殿させ、上清を除去し100gの湿菌体を得た。この湿菌体を100mLの水にて再分散、遠心分離し、さらにこの操作を繰り返した。次いで、湿菌体を90%エタノールにて再懸濁、遠心分離を行った。この操作を2回繰り返した。得られた湿菌体を300mLの水に再懸濁後、2N KOHを添加してpH11に保ち、80℃で加水分解反応を行った。2時間後、塩酸を添加して反応液のpHを7に調整して、加水分解反応を停止した。その後、反応液を遠心分離(3000g、10min)することで沈殿画分を回収した。沈殿画分に300mLの100%エタノールを加え、78℃で抽出を行った。その後、濾紙による濾過を行い、残渣は更に100%エタノールによる抽出を行った。それぞれの溶媒を留去後、得られた抽出物の量とPHA含量を測定した。その結果を表3に示した。 純度89%以上のPHA(分子量:20000)が回収率39%で得られた。 (実施例4) 実施例3において、溶媒をエタノールからアセトンに変更した以外は同様の操作を行った。その結果を表4に示す。 純度82%以上のPHA(分子量:20000)が回収率50%で得られた。 (比較例1) 2.7gのPHAを含有する100mLの培養菌体液に、0.5gの硫酸バンドを添加してしばらく攪拌した後、pH7に調整して菌体を凝集させた。その後、遠心分離処理(3000g、10min)にて菌体を沈殿させ、上清を除去し50gの湿菌体を得た。この湿菌体を200mLの水にて再分散、遠心分離を行うことで2回洗浄した。ここに、250mLの酢酸エチルを加え室温で2時間抽出を行った。その後、濾紙による濾過を行い、残渣は更に250mLの酢酸エチルを加え室温で2時間、再抽出を行った。それぞれの溶媒を合わせた後、溶媒を留去し、得られた抽出物に含まれるPHA量を測定した。得られたPHAの回収率と純度を計算したところ、回収率32.6%、純度19.5%であった。 (比較例2) 2.7gのPHAを含有する100mLの培養菌体液に、0.5gの硫酸バンドを添加してしばらく攪拌した後、pH7に調整して菌体を凝集させた。その後、遠心分離処理(3000g、10min)にて菌体を沈殿させ、上清を除去し50gの湿菌体を得た。この湿菌体を200mLの水にて再分散、遠心分離を行うことで2回洗浄した。その後、湿菌体を凍結乾燥することで、10gの乾燥菌体を得た。乾燥菌体にイソプロパノール100mLを加え、80℃で1時間抽出を行った。濾紙による濾過を行い、残渣は更に100mLのイソプロパノールを加え80℃で1時間、再抽出を行った。それぞれの溶媒を合わせた後、溶媒を留去し、得られた抽出物に含まれるPHA量を測定した。得られたPHAの回収率と純度を計算したところ、回収率74%、純度45%であった。 (比較例3) 比較例2において、溶媒をイソプロパノールからアセトンに変更し、抽出温度を室温で行った以外は同様の操作を行った。その結果得られたPHAの回収率と純度を計算したところ、回収率81%、純度48%であった。 ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)を含有する生物細胞から、PHAを分離精製して製造する方法であって、水と混合可能な有機溶媒を用いて、前記生物細胞を前処理する工程を含むことを特徴とするPHA製造方法。 前記前処理工程が、前記有機溶媒と水との混合液でPHAを含有する生物細胞を洗浄する工程であることを特徴とする、請求項1に記載のPHA製造方法。 前記前処理工程の前に生物細胞を凝集する工程を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のPHA製造方法。 前記有機溶媒と水との混合液に、有機溶媒が1重量%〜99重量%の範囲で含有されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のPHA製造方法。 前記有機溶媒と水との混合液に、有機溶媒が30重量%〜99重量%の範囲で含有されることを特徴とする請求項4に記載のPHA製造方法。 前記有機溶媒と水との混合液に、有機溶媒が40重量%〜80重量%の範囲で含有されることを特徴とする請求項5に記載のPHA製造方法。 使用される有機溶媒が、アルコール類、ケトン類、エーテル類、ニトリル類からなる溶媒の群より選択されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のPHA製造方法。 使用される有機溶媒が、エタノール、イソプロパノール、アセトンより選択されることを特徴とする、請求項7に記載のPHA製造方法。 水と混合する有機溶媒を用いて、前記生物細胞を前処理する工程と同一の有機溶媒を用いて、PHAを抽出する工程を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のPHA製造方法。 前記有機溶媒によるPHAの抽出温度が、10℃から130℃であることを特徴とする請求項9に記載のPHA製造方法。 前記PHAが、炭素数4〜16の3−、4−、または5−ヒドロキシアルカン酸から選択される構成成分からなるポリエステルである請求項1〜10のいずれかに記載のPHA製造方法。 前記PHAが、炭素数4〜16の3−ヒドロキシアルカン酸から選択される構成成分からなるポリエステルである請求項11記載のPHA製造方法。 前記PHAが、炭素数4〜16の3−、4−、または5−ヒドロキシアルカン酸から選択される構成成分からなる共重合ポリエステルである請求項1〜10のいずれかに記載のPHA製造方法。 前記PHAが、炭素数4〜16の3−ヒドロキシアルカン酸から選択される構成成分からなる共重合ポリエステルである請求項13記載のPHA製造方法。 前記PHAが、少なくとも3種類の炭素数4〜16の3−ヒドロキシアルカン酸を含む共重合ポリエステルである請求項13記載のPHA製造方法。 前記PHAが、少なくとも5種類の炭素数4〜16の3−ヒドロキシアルカン酸を含む共重合ポリエステルである請求項13記載のPHA製造方法。 前記PHAが、少なくとも1つの不飽和結合を含む炭素数4〜16の3−、4−、または5−ヒドロキシアルカン酸から選択される構成成分からなる共重合ポリエステルである請求項1〜10のいずれかに記載のPHA製造方法。 前記PHAが、少なくとも1つの不飽和結合を含む炭素数4〜16の3−ヒドロキシアルカン酸から選択される構成成分からなる共重合ポリエステルである請求項17記載のPHA製造方法。 PHAを含有する生物細胞がバクテリアあるいは酵母であることを特徴とする請求項1記載のPHA製造方法。 PHAを含有する生物細胞がバチルス(Bacillus)属、ラルストニア(Ralstonia)属、カプリアビダス(Cupriavidus)属、ワウテルシア(Wautersia)属、アエロモナス(Aeromonas)属、エシェリキア(Esherichia)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、キャンディダ(Candida)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、コマモナス(Comamonas)属のいずれかに属する微生物であることを特徴とする請求項19記載のPHA製造方法。 PHAを含有する生物細胞がシュードモナス(Pseudomonas)属に属する微生物であることを特徴とする請求項20記載のPHA製造方法。 更に、PHAの分子量を変化させる工程を含むことを特徴とする請求項1〜21のいずれかに記載のPHA製造方法。 更に、濃度80%以上のPHAを10℃以上の温度において容器移動を行うことを特徴とする工程を含む請求項1〜22のいずれかに記載のPHA製造方法。 請求項1〜23のいずれかに記載のPHA製造方法で取得したPHA。 【課題】 水と混合可能な有機溶媒を用いて、ポリヒドロキシアルカン酸含有微生物菌体の洗浄および抽出を行い、純度の高いポリヒドロキシアルカン酸を効率よく得る精製方法を提供するものである。【解決手段】 水と混合可能な有機溶媒と水との混合溶媒でポリヒドロキシアルカン酸を含有する菌体を洗浄し不純物を除く等の菌体前処理工程を行うこと、及び続く同溶媒を用いたポリヒドロキシアルカン酸の抽出工程を行うPHAの抽出分離を行なう。【選択図】なし