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タイトル:特許公報(B2)_毛乳頭細胞増殖促進剤
出願番号:2007555917
年次:2014
IPC分類:A61K 8/67,A61Q 7/00


特許情報キャッシュ

高山 悟 森 徳子 竹内 誠人 小谷 康博 JP 5635226 特許公報(B2) 20141024 2007555917 20070119 毛乳頭細胞増殖促進剤 株式会社林原 397077760 須磨 光夫 100108486 高山 悟 森 徳子 竹内 誠人 小谷 康博 JP 2006014568 20060124 20141203 A61K 8/67 20060101AFI20141113BHJP A61Q 7/00 20060101ALI20141113BHJP JPA61K8/67A61Q7/00 A61K8/00− 8/99 A61Q1/00−90/00 CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) 特開平04−046112(JP,A) 特開2000−038340(JP,A) 特開平08−291025(JP,A) 米国特許第03734828(US,A) 特開2002−255827(JP,A) 特開平07−002677(JP,A) 特開平03−077809(JP,A) 国際公開第2004/076602(WO,A1) 国際公開第2005/087182(WO,A1) 特表平10−508313(JP,A) 特開平04−182415(JP,A) 国際公開第2004/071472(WO,A1) 感光色素,1988,Vol.90,pp.1-12 感光色素,1988,Vol.90,pp.13-25 J. Soc. Cosmet. Chem. Jpn., 1993,Vol.26, No.4,pp.247-253 フレグランスジャーナル,2002,Vol.30,No.2,pp.72-75 1 JP2007050811 20070119 WO2007086327 20070802 25 20091221 弘實 謙二 本発明は、新規な毛乳頭細胞増殖促進剤に関する。 高齢化社会、ストレス社会といわれる現代社会では、毛髪が様々な原因により、脱毛の危機にさらされる機会が増加しており、これに対応して様々な「育毛剤」が提案されている。しかしながら、従来の育毛剤では、その脱毛防止、発毛効果などの育毛作用は、必ずしも充分なものではなかった。その原因の一つとして、育毛剤は、非常に複雑な発毛機構の特定部位に作用するにも関わらず、その点をあまり考慮することなく使用されるため、使用した育毛剤が、使用者の脱毛原因の解決に適していない場合があったためと考えられる。その点、作用点が明らかな育毛剤が開発されれば、脱毛の原因や症状などに応じて育毛剤を選択又は組み合わせて、脱毛などを防止することが可能となり、より効果的なヘアケアを行うことが可能になる。なお、本発明でいう育毛とは、毛髪の形成促進、発毛促進、養毛、薄毛改善、ふけの発生抑制、かゆみの抑制及び脱毛の抑制を含む。 近年、発毛の機構の研究が進み、ヒトの毛髪毛包を構成する毛包角化細胞の増殖/分化やアポトーシスを調整し、毛髪の成長サイクル(以下、「毛周期」という。)の調節の中心的な役割を毛乳頭細胞が担っていることが明らかになり、育毛のための毛乳頭細胞増殖促進剤が提案されるようになっている(例えば、特開平9−208431号公報及び特開2005−41871号公報参照)。また、植毛技術の進歩により、自身の脱毛の起きていない部位の毛髪を外科的に採取して、脱毛部位に移植する試みも行われている。しかしながら、依然として、毛周期を完全にコントロールできる発毛剤や育毛剤は開発されていない。また、移植した毛髪(以下、「移植毛」と略記する場合がある。)も、必ずしも効率よく脱毛部位の頭皮に着生するわけではなく、着生率を向上するためには、移植毛の毛包部に存在する毛母の細胞などの増殖をコントロールする毛乳頭細胞を効率よく増殖させることが重要と考えられている。したがって、毛周期を、簡便かつ効果的にコントロールしたり、植毛時の移植毛の着生率を向上させるために有効な新規な毛乳頭細胞増殖促進剤の開発が望まれている。 一方、脂質の分解抑制作用を有するL−アスコルビン酸2−グルコシド(以下、「AA−2G」と略記する場合がある。)、グルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン及び感光素301号(6−[2−[(5−ブロモ−2−ピリジル)アミノ]ビニル]−1−エチル−2−ピコリニウムヨーダイド、以下、「感光素301号」と略記する。)、α,α−トレハロースなどの非還元性糖類などは、何れも皮膚外用剤の配合成分として使用されている物質であり、毛髪化粧品の有効成分としても提案されている(例えば、特開平4−182414号公報及び特開平4−46112号公報参照)。しかしながら、これらの特許文献には、毛乳頭細胞の増殖促進に関する記載や、これらの物質に、毛乳頭細胞の増殖を促進する作用や、移植毛の頭皮への着生率を向上する作用があることについての記載や示唆は何もされていない。 本発明は、毛乳頭細胞増殖促進剤を提供することを課題とする。 本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意研究、検討を重ねた結果、L−アスコルビン酸類、フラボノイド類(ヘスペリジン類、ルチン類、ナリンジン類などを含む)、リボフラビン類、感光素301号、及び、α,α−トレハロースなどの非還元性糖類から選ばれる、何れか1種又は2種以上の物質が、毛乳頭細胞の増殖を極めて効果的に促進し、これらの物質は何れも脂質からのラジカルの発生やアルデヒドの生成を抑制し脂質の分解を抑制する作用を有することを見出し、これら物質を有効成分とする毛乳頭細胞増殖促進剤を確立した。また、L−アスコルビン酸類、フラボノイド類、リボフラビン類及び/又は非還元性糖類の持つ毛乳頭細胞の増殖促進効果は、これらの物質を皮膚外用剤として直接頭皮に使用した場合だけでなく、経口摂取や、注射などによる非経口的な投与方法であっても発揮されることを見出した。さらに、アスコルビン酸類、フラボノイド類、リボフラビン類、感光素301号、及び/又は非還元性糖類を含有する水系媒体の処理液に浸漬した毛髪は、毛乳頭細胞の増殖が促進されて、頭皮に移植した際の頭皮への着生率が向上するだけでなく、これらの物質を、毛髪を移植後に、皮膚外用剤として直接頭皮に使用した場合や経口摂取、さらには、注射などの方法で非経口的に投与した場合にも、移植毛の頭皮への着生率が向上することを見出し、本発明を完成した。 本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤は、毛乳頭細胞の増殖を極めて効果的に促進するという優れた効果を有しているので、この毛乳頭細胞増殖促進剤は、毛周期の調節能に優れ、毛周期の回転を促進することから、休止期にある毛根の割合を低減し、毛髪の形成を促進すると共に、毛根を強化して脱毛も抑制するなどの優れた育毛効果を発揮することができる。また、移植用の毛髪の毛根部位を当該毛乳頭細胞増殖促進剤で処理することにより、その毛乳頭細胞の増殖を促進し、頭皮に移植した毛髪の着生率を向上させると共に、着生後の移植毛からの毛髪の形成を促進することができる。 本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤に使用する、L−アスコルビン酸類、フラボノイド類、リボフラビン類、感光素301号、非還元性糖類は、何れも脂質の分解抑制作用を有する物質で、本発明の所期の効果を有するものであれば、その由来や起源は問わず、抽出法、発酵法、酵素法、合成法など、それぞれの物質の製造に適した公知の方法で調製することができる。 本発明でいうL−アスコルビン酸類とは、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸の誘導体、これらのアルカリ金属或いはアルカリ土類金属塩などであって、脂質の分解抑制作用を有するものをいう。L−アスコルビン酸誘導体としては、例えば、L−アスコルビン酸グリコシド、L−アスコルビン酸グリコシドのアシル化誘導体、テトラヘキシルデカン酸アスコルビン酸、L−アスコルビン酸とトコフェロールがリン酸基を介して結合したアスコルビン酸−トコフェロールリン酸ジエステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル、ジパルミチン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、L−アスコルビン酸ステアリル、リン酸L−アスコルビル、L−アスコルビン酸エチルやそれらのアシル化誘導体などを挙げることができ、なかでも、毛乳頭細胞増殖促進活性の強さ及び安全性の点では、糖転移L−アスコルビン酸が望ましく、L−アスコルビン酸2−グルコシドが特に望ましい。なお、本発明でいう脂質の分解抑制作用を有するとは、その物質自体が脂質の分解抑制作用を有する場合だけではなく、L−アスコルビン酸2−グルコシドなどのように、生体に存在する酵素などにより分解されて、脂質の分解抑制作用を発揮する場合を含む。 本発明でいうフラボノイド類とは、二つのフェニル基がピラン環或いはそれに近い構造の3個の炭素原子をはさんで結合している、いわゆるC6−C3−C6の炭素骨格からなる化合物群であって、脂質の分解抑制作用を有するものをいう。具体的には、フラボン類、イソフラボン類、フラボノール類、フラバノン類、フラバノノール類、フラバン−3,4−ジオール類、フラバン−3−オール類、アントシアニジン類、オーロン類、カルコン類、ジヒドロカルコン類などやこれらの誘導体をいう。なかでも、毛乳頭細胞増殖促進活性の強さの点では、フラボノール類やフラバン3−オール類が望ましい。これらの中でも、ヘスペリジン類、ルチン類、ナリンジン類が特に望ましく、具体的には、ルチン、ヘスペリジン、ナリンジン、これらの糖転移物、アグリコンやアグリコン配糖体などを挙げることができる。 本発明でいうリボフラビン類とは、リボフラビン及びその誘導体であって脂質の分解抑制作用を有するものをいい、具体的には、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンリン酸エステル、ロイコフラビン、モノハイドロフラビン、ロイコフラビンリン酸エステル、糖転移リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンジヌクレオチドなどを挙げることができる。毛乳頭細胞増殖促進活性の強さの点では、リボフラビン及び糖転移リボフラビンが望ましい。 本発明でいう感光素301号とは、厚生省が昭和57年12月27日付けて公示した、化粧品原料基準第二版に収載されたアミノビニール系の化合物で、化学名が6−[2−[(5−ブロモ−2−ピリジル)アミノ]ビニル]−1−エチル−2−ピコリニウムヨーダイドのものをいう。 本発明でいう非還元性糖類とは、α,α−トレハロース、α−マルトシルマルトースなどのα,α−トレハロースの糖質誘導体、マルチトール、マルトトリイトールなどの糖アルコール、同じ出願人による国際公開WO 02/10361号明細書などに記載のサイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→}の構造を有する環状四糖(以下、「環状ニゲロシルニゲロース」という。)、或いは、特開平2005−95148号公報などに記載のサイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシル−(1→}の構造を有する環状四糖(以下、「環状マルトシルマルトース」という。)やサイクロデキストリンなどの環状糖質などのような、脂質の分解抑制作用を有するものを挙げることができる。毛乳頭細胞増殖促進活性の強さの点では、α,α−トレハロース、α,α−トレハロースの糖質誘導体、マルチトール及び環状四糖が望ましい。 本発明で使用するこれらの物質は、必ずしも高度に精製されておらずともよく、原料物質や調製の過程で共存するその他の成分との未分離組成物としての形態、それらを部分精製、或いは、高度に精製したものであってもよいし、市販品を使用することも随意である。なお、注射などの方法で直接体内に投与する場合には、高度に精製したものを使用することが望ましく、発熱物質や微生物が除去されたものが特に望ましい。また、L−アスコルビン酸、ヘスペリジン、ルチン、ナリンジン及びリボフラビンなどの糖転移物(以下、これらの物質を総称して「ビタミン配糖体」という場合がある。)は、1分子当たり1分子乃至10分子程度のグルコースが結合したものを含んでいてもよく、これらの配糖体の調製の過程で共存する配糖化されていない原料物質を含んでいてもよいが、注射剤や皮膚外用剤の形態で使用する場合には、1分子のグルコースが結合したモノグルコシル配糖体の純度を高めたものを使用するのが特に望ましい。ちなみに、これらのビタミン配糖体の市販品としては、例えば、食品級のL−アスコルビン酸2−グルコシド(株式会社林原商事販売、商品名「アスコフレッシュ」)、皮膚外用剤用のL−アスコルビン酸2−グルコシド(株式会社林原生物化学研究所販売、商品名「AA2G」)、グルコシルヘスペリジン(株式会社林原生物化学研究所販売、商品名「林原グルコシルヘスペリジンS」)、グルコシルルチン(株式会社林原商事販売、商品名「αGルチン」)がある。また、感光素301号は株式会社林原生物化学研究所から「タカナール」の商品名で販売されている。 本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤は、有効成分として、脂質の分解抑制作用を有するL−アスコルビン酸類、フラボノイド類、リボフラビン類、感光素301号及び非還元性糖類から選ばれる何れか1種又は2種以上を含むものであればよく、毛乳頭細胞増殖促進効果の強さの点からは、有効成分が1種の場合には、L−アスコルビン酸類が望ましいが、2種以上を組み合わせて用いることが特に望ましい。とりわけ、L−アスコルビン酸類とフラボノイド類、リボフラビン類、感光素301号及び非還元性糖類から選ばれる何れか1種又は2種以上とを併用することにより、その相乗作用により、強い毛乳頭細胞増殖促進効果を得ることができる。 また、本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤は、必須成分であるL−アスコルビン酸類、フラボノイド類、リボフラビン類、感光素301号及び/又は非還元性糖類に加えて、必要に応じて、かつ本発明の所期の効果を損なわない限り、育毛作用が認められている、本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤の有効成分以外の5αレダクターゼ阻害剤、血行促進剤、毛包賦活剤などのような既知の成分の1種又は2種以上を併用することにより、L−アスコルビン酸類、フラボノイド類、リボフラビン類、感光素301号及び/又は還元性糖類による毛乳頭細胞の増殖促進作用を、さらに効果的に増強することができる。具体的には、5αレダクターゼ阻害剤としては、アセンヤク、アチコリア、イエルバルイサ、イチイ、インチン、ウォロ、ウイキョウ、ウスベニアオイ、エイジツ、オルティガニグラ、オンジ、カゴソウ、カコチャ、カシュウ、カッコウアザミ、カノコソウ、ガラナ、カルドサント、カンゾウ、キササゲ、キンセンカ、キンモクセイ、ケイガイ、ケンゴシ、ゲンノショウコ、クアチャララーテ、クサノオウ、クマセバ、ゴバイシ、ゴボウシ、コリアンダー、サイカチ、サイコ、サンシシ、サンショウ、シャクヤク、シャゼンシ、ジャンカン、ジョウザン、セドロン、センソ、ソクハクヨウ、ソヨウ、ダイオウ、ダウントラワス、チャンカピエドラ、チョウジ、ニガキ、ビンロウジ、マチコ、モッカ、ヤクモソウ、ヤマハギ、ヨクイニン、レグロ、ロジン、ワタからなる群から選ばれた1種又は2種以上の植物の溶媒抽出エキス、オキセンドロン、または、フィナステリドなどを挙げることができる。血行促進剤としては、アセチルコリン、センブリエキス、ヨウ化ニンニクエキス、イチョウエキス、塩化カルプロニウム、スピロノラクトン、ビタミンB6塩酸塩、γ−オリザノール、サークレチン、クロマカリム、セファランチン、ニコランジル、DL−α−トコフェロール、D−α−トコフェロール、酢酸DL−α−トコフェロール、酢酸D−α−トコフェロールなどのビタミンE類、ニコチン酸、ニコチン酸メチル、DL−α−トコフェロールニコチン酸エステル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジルなどのニコチン酸類、ピナシジル、ミノキシジル、フタリド類、キナエキス、ショウブ根エキス、ソフォラ抽出液、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、トウヒエキス、トウガラシチンキ、ユズ抽出液、カンタリスチンキ、ショウキョウチンキなどが挙げられる。などを挙げることができる。また、毛包賦活剤としては、パントテン酸、パントテン酸エステル、パンテノール、パントテニルエチルエーテルなどのパントテン酸類、N−アシルアミノ酸、ペンタデカン、ペンタデカン酸、ペンタデカン酸グリセリド、6−ベンジルアミノプリン、アデノシン、アデノシン5´−リン酸、アデノシン5´−リン酸の塩などのアデノシン類、アスパラギン酸カリウム、ビオチン、タマサキツヅラフジエキス、チクセツニンジンエキス、オタネニンジンエキスなどのニンジンエキス、ブドウエキス、リンゴエキス、モノニトログアヤコールナトリウム、酵母エキス、ニンニクエキス、真珠蛋白抽出液、プラセンタエキス、ローヤルゼリー、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、クロロゲルシノール、カテキン、タンニンなどのポリフェノール類、ミノキシジル酸などが挙げられる。L−アスコルビン酸類、フラボノイド類、リボフラビン類、感光素301号及び/又は非還元性糖類による毛乳頭細胞増殖促進作用をさらに増強する作用の強さの点からは、カテキンやタンニンをはじめとするポリフェノール類が望ましい。また、これらの5αレダクターゼ阻害剤、血行促進剤及び/又は毛包賦活剤の含有量は、本発明の所期の効果を妨げない量であれば特に制限はないが、十分な育毛効果と、使用時の皮膚や口腔に対する刺激抑制の観点から、通常、毛乳頭細胞増殖促進剤の全組成中の0.0001質量%乃至10質量%(以下、本明細書では特にことわらない限り質量%を「%」と表記する。)、特に0.001%乃至5%が好ましい。 さらに、本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤は、必要に応じて、かつ本発明の所期の効果を損なわない限り、化粧品、医薬部外品、医薬品、飲食品などにおいて一般的に用いられる、上記以外の各種の油性又は水性成分、保湿剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、皮膚溶解剤、角質溶解剤、粉体、乳化剤、pH調節剤、香料、色剤、各種の薬剤、水を含む溶媒などを配合することができる。 その具体例を挙げると、例えば、高級脂肪酸、固形パラフィン、流動パラフィン、シリコーン油、スクワラン、モノオレイン酸グリセリル、オリーブ油、イソプロピルミリステート、高級アルコールなどの油分、グリセリン、ヒアルロン酸、プロピレングリコール、アテロコラーゲン、乳酸ナトリウムなどの保湿剤、マルメロ粘質物、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、プルラン、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸をはじめとするムコ多糖類などの増粘剤、セリン、メチオニン、アルギニン、カルニチンなどのアミノ酸類、ビタミンB6、ビオチン、パントテン酸類などのビタミン類、セファランチンなどの皮膚機能亢進剤、エストラジオールなどの女性ホルモン剤、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、アズレン、カンゾウ抽出物、藍抽出液などの消炎剤、ヒノキチオールなどの抗菌剤、メントールなどの清涼剤、サリチル酸、亜鉛類、α−リポ酸、生理活性物質、乳酸、クエン酸などの有機酸類、ミネラル類、甘味料、高甘味度甘味料、コエンザイムQ10、上記以外のビタミン類、ハーブエキス類、生薬エキス類などを配合することができる。また、本発明で使用するビタミン配糖体は、何れも生体内で酵素分解を受けて徐々にビタミンとなるので、本来徐放性を有しているものの、この機能をさらに強化するためにリポソームのようなドラッグデリバリーシステム用の担体と共に使用することも随意である。 本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤は、その各成分を、原料の段階から製品の段階に至るまでの適宜の工程で、或いは、既存の製品に対して、例えば、希釈、濃縮、乾燥、濾過、遠心分離、混和、混捏、溶解、融解、分散、懸濁、乳化、浸漬、浸透、散布、塗布、被覆、噴霧、注入、晶出、固化、逆ミセル化などの方法の1種又は2種以上を適宜組み合わせて製造することができる。 本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤は、その全量に対して、有効成分であるL−アスコルビン酸類、フラボノイド類或いはリボフラビン類が、何れも0.0001%乃至10%となるように含有せしめればよく、好ましくは、何れも0.001%乃至1%となるように含有せしめればよい。感光素301号は、全量に対して、0.00001%乃至1%となるように含有せしめればよく、好ましくは0.0001%乃至0.5%となるように含有せしめればよい。また、非還元性糖類は、全量に対して、0.05%乃至10%となるように含有せしめればよく、好ましくは0.5%乃至5%となるように含有せしめればよい。これらの物質の配合量が毛乳頭細胞増殖促進剤の全量に対して上記配合量の下限よりも少ない場合には、所望する毛乳頭細胞の増殖促進作用が充分に発揮されず好ましくない。また、上記配合量の上限を超えて配合しても、その効果が増強されることが無いだけでなく、ヘスペリジン、ルチン、ナリンジンをはじめとするフラボノイド類、リボフラビン類或いは感光素301号にあっては、毛乳頭細胞の増殖が阻害される場合がある。また、上記配合量の上限を超えると各々の物質特有の不快臭や不快味を伴うようになったり、使用感が悪くなったりする場合がある点でも好ましくない。なお、L−アスコルビン酸類と、フラボノイド類、リボフラビン類、感光素301号及び非還元性糖類の何れか1種又は2種以上とを併用する場合、L−アスコルビン酸類の配合量の下限については、相乗効果により、単剤で使用する場合よりも低濃度でも毛乳頭細胞増殖促進作用が発揮される場合があるので、本発明の所望する作用が発揮される範囲で、適宜上記配合量をさらに減ずることができる。 本発明の毛乳頭増殖促進剤の剤型は、皮膚外用の化粧品、医薬部外品、医薬品などとして、頭部外皮に適用可能な剤型であれば特に限定されず、例えば、液状、乳液状、クリーム状、エアゾール状、ジェル状などの剤型を選択することができ、例えば、トニック、ヘアークリーム、ムース、シャンプー、リンス、乳液、化粧水、パック、エアゾール剤などの形態で使用することができる。 本発明の毛乳頭増殖促進剤のうち、感光素301号のように経口摂取が認められていない成分を配合したもの以外は、経口摂取はもとより、カテーテルなどを使用して胃や腸内に直接投与してもよく、注射などにより直接体内に投与することもできる。その経口摂取用の組成物としては、経口的に摂取可能な形態であれば特に制限はなく、例えば、固状、錠剤、粉末、液状、ペースト状などの形態を選択することができるし、一般の飲食品の形態であってもよい。この毛乳頭細胞増殖促進剤は、経口的に摂取した場合や、注射投与などにより直接体内に投与した場合においても、毛乳頭細胞の増殖促進作用を示す。また、本発明の毛乳頭剤増殖促進剤は、何れの投与経路の場合にも、頭皮を含む皮膚の血行を改善し、シワやクスミを改善することもできるので、皮膚に潤いや艶を与え、シワやコジワを改善する美肌効果にも優れている。したがって、これらの毛乳頭細胞増殖促進剤は、毛乳頭細胞増殖促進効果と美肌効果のいずれかを標榜することも、その両方を標榜して販売することも可能である。 また、本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤を、例えば、自毛を、頭皮の脱毛部位に移植する植毛手術の際に、後頭部や側頭部の健康な毛髪の部位を外科的に採取した頭皮から、毛髪(毛根部位)を移植用に、1本乃至数本に分離する時に使用する洗浄液や、毛髪の処理液乃至保存液、又は乾燥防止液などの水系媒体として使用し、毛根の部位を一定時間、当該毛乳頭細胞増殖促進剤と接触せしめることにより、植毛後の毛根の毛乳頭細胞や毛包上皮幹細胞の増殖を促進し、移植した毛髪の着生率の向上及び毛髪形成の促進をはかることができる。また、植毛時に休止期にある移植毛の毛根にあっても、その毛周期を回転させて、発毛期に移行させることできるので、より効果的に毛髪の形成を促進させることができる。さらに、これらの物質は、毛包上皮幹細胞に対する細胞増殖促進効果も有することから、健康な毛髪から採取した毛乳頭細胞や毛包上皮幹細胞を、試験管内で培養増殖させ、そのまま或いは凍結保存後に、再度、頭皮に移植して毛髪を再生する場合にも、試験管内でのこれらの細胞の増殖促進、及び、移植部位でのこれらの細胞の着生率向上や毛髪形成の促進にも有利に利用することができる。しかも、これらの物質のもつ移植毛の着生率の向上作用及び毛髪形成の促進作用は、当該毛乳頭細胞増殖促進剤を、移植後の頭皮に皮膚外用剤として使用した場合や、経口摂取、注射投与などにより直接体内に投与した場合においても発揮される。 以下、実験に基づいて、より詳細に本発明を説明する。<実験1:正常ヒト頭髪毛乳頭細胞の増殖に及ぼすL−アスコルビン酸類、ヘスペリジン、ルチン、リボフラビン又は感光素301号の影響> 正常ヒト頭髪毛乳頭細胞の増殖に及ぼすL−アスコルビン酸類、ヘスペリジン、ルチン、リボフラビン又は感光素301号の影響を調べる実験を、ヒト毛乳頭細胞を使用して、以下のようにしておこなった。<正常ヒト頭髪毛乳頭細胞の調製> 正常ヒト頭髪毛乳頭細胞(東洋紡績株式会社販売、商品名「正常ヒト頭髪毛乳頭細胞」)(以下、「ヒト毛乳頭細胞」と略記する場合がある。)を、1容積%ウシ胎児血清(以下、「FCS」と略記する。)を含むヒト毛乳頭細胞培養培地(東洋紡績株式会社販売、商品名「毛乳頭細胞増殖培地」、「正常ヒト頭髪毛乳頭細胞」に同梱)を用いて、37℃、5容積%CO2の条件で、75cm2のカルチャーフラスコ(コーニング社販売、商品名「75cm2カルチャーフラスコ」)で培養した。この細胞(継代数4)を、0.05%トリプシン含有リン酸緩衝生理食塩水を用いて回収し、1容積%FCSを添加したダルベッコウのMEM培地(ギブコ社販売、以下、「DMEM」と略記する。)に再懸濁し、96ウエルのマイクロプレート(岩城硝子株式会社販売、商品名「コラーゲンタイプIコート96ウエルプレート」)に、1.5×103細胞/50μl/ウエルで播種し、以下の試験に使用した。<ヒト毛乳頭細胞の増殖効果の判定> L−アスコルビン酸(以下、「AsA」と略記する場合がある。)、L−アスコルビン酸2−グルコシド(株式会社林原生物化学研究所販売、商品名「AA2G」、純度98%以上)(以下、「AA−2G」と略記する場合がある。)、ヘスペリジン(シグマ社販売、商品名「ヘスペリジン」)、ルチン(シグマ社販売、商品名「ルチン」)、リボフラビン(シグマ社販売、商品名「リボフラビン」)及び感光素301号(株式会社林原生物化学研究所販売、商品名「タカナール」、純度99%以上)を試験試薬として使用し、その何れか1種を、最終濃度が、表1又は表2に記載の濃度となるように、1容積%のFCS添加DMEM培地に添加し試験液を調製した。これら何れかの試験液を、先に調製したヒト毛乳頭細胞培養96ウエルプレートに50μl/ウエルで添加し、5容積%CO2、37℃の条件で、4日間培養後、MTT法を用いてヒト毛乳頭細胞の増殖率を求め、その結果を表1又は表2に示す。なお、ヒト毛乳頭細胞の増殖率(%)は、1容積%FCS添加DMEMに、塩基性線維芽細胞増殖因子(以下、「bFGF」と略記する場合がある。)を最終濃度10ng/mlになるように加えて培養したヒト毛乳頭細胞を陽性対照とし、1容積%FCS添加DMEMのみで培養したヒト毛乳頭細胞を陰性対照として用い、450nmの吸光度を測定して、次式により求めた。増殖率(%)={(試料の吸光度−陰性対照の吸光度)÷(陽性対照の吸光度−陰性対照の吸光度)}×100 表1から明らかなように、L−アスコルビン酸2−グルコシドは10μM乃至10mMの濃度で、濃度依存的にヒト毛乳頭細胞の増殖促進作用を示した。一方、L−アスコルビン酸を単回添加した場合、100μM以下ではヒト毛乳頭細胞の増殖促進作用は認められず、1mM以上添加した場合には細胞毒性が認められた。また、L−アスコルビン酸を、投与開始日から1日1回、3日間添加した場合、10μM乃至100μMでヒト毛乳頭細胞増殖促進作用が認められたことから、1)ヒト毛乳頭細胞の増殖促進作用は、L−アスコルビン酸の作用によるものであり、2)L−アスコルビン酸2−グルコシドは、L−アスコルビン酸に比して、細胞毒性が低く、且つ、培地中でも安定で、毛乳頭細胞に存在するα−グルコシダーゼの作用により、徐々に分解されてL−アスコルビン酸になることから、より強い細胞増殖作用が得られると推測された。また、表2から明らかなように、感光素301号、ヘスペリジン、ルチン或いはリボフラビンを添加した場合には、各々0.01nM乃至1μMの濃度でヒト毛乳頭細胞の増殖促進作用が認められた。また、L−アスコルビン酸2−グルコシドが濃度依存的なヒト毛乳頭細胞の増殖促進作用を示したのに対して、感光素301号、ヘスペリジン、ルチン或いはリボフラビンは、特定の濃度範囲でのヒト毛乳頭細胞の増殖促進作用を示し、それを越えた濃度では逆に細胞の増殖が抑制されたことから、L−アスコルビン酸2−グルコシドと、感光素301号、ヘスペリジン、ルチン或いはリボフラビンとは、毛乳頭細胞増殖促進の作用機作が異なっているものと推測された。<実験2:ヒト毛乳頭細胞の増殖に及ぼすグルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン、グルコシルナリンジン、マルトース、α,α−トレハロース、マルチトール、α−マルトシルα,α−トレハロース、環状ニゲロシルニゲロース或いは環状マルトシルマルトースの影響> ヒト毛乳頭細胞の増殖に及ぼすグルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン、グルコシルナリンジン、マルトース、α,α−トレハロース、マルチトール、α−マルトシルα,α−トレハロース、環状ニゲロシルニゲロース或いは環状マルトシルマルトースの影響を調べる実験を、以下のようにしておこなった。すなわち、グルコシルヘスペリジン(株式会社林原生物化学研究所販売、試薬級、純度98%以上)、グルコシルルチン(株式会社林原生物化学研究所製造、純度98%以上)、グルコシルナリンジン(株式会社林原生物化学研究所製造、純度98%以上)、マルトース(株式会社林原生物化学研究所販売、試薬級、純度99%以上)、α,α−トレハロース(株式会社林原生物化学研究所販売、化粧品用、純度99%以上)、マルチトール(株式会社林原生物化学研究所販売、試薬級、純度99%以上)α−マルトシルα,α−トレハロース(株式会社林原生物化学研究所製造、純度98%以上)、環状ニゲロシルニゲロース(株式会社林原生物化学研究所製造、純度98%以上)、環状マルトシルマルトース(株式会社林原生物化学研究所製造、純度98%以上)を試験試薬として使用し、その何れか1種を、最終濃度が、表3或いは表4に記載の濃度となるように、1容積%のFCS添加DMEM培地に添加し試験液を調製した。これら何れかの試験液を、実験1と同様に調製したヒト毛乳頭細胞培養96ウエルプレートに50μl/ウエルで添加し、5容積%CO2、37℃の条件で、4日間培養後、実験1と同じ方法で、MTT法を用いてヒト毛乳頭細胞の増殖率(%)を求め、グルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン或いはグルコシルナリンジンを添加した場合の結果を表3に、マルトース、α,α−トレハロース、マルチトール、α−マルトシルα,α−トレハロース、環状ニゲロシルニゲロース、或いは、環状マルトシルマルトースを添加した場合の結果を表4に示す。 表3から明らかなように、グルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン或いはグルコシルナリンジンを添加した場合には、各々0.01nM乃至1μMの濃度でヒト毛乳頭細胞の増殖促進作用が認められた。この結果は、グルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン或いはグルコシルナリンジンは、特定の濃度範囲で、毛乳頭細胞の増殖促進作用を有することを物語っている。なお、表2と表3を対比すると、同濃度のルチンとグルコシルルチンが同程度の増殖促進作用を示したのに対して、同濃度のグルコシルヘスペリジンとヘスペリジンとでは、グルコシルヘスペリジンの方が、何れの濃度においても低い増殖促進効果しか示さなかったのは、この実験系では、グルコシルルチンとグルコシルヘスペリジンとで、ヒト毛乳頭細胞に由来するα−グルコシダーゼによる分解の速度に差があるためと推測された。また、表4から明らかなように還元糖のマルトースを添加した場合には、毛乳頭細胞に増殖は認められなかった。これに対して、非還元糖のα,α−トレハロース、マルチトール、α−マルトシルα,α−トレハロース、環状ニゲロシルニゲロース、或いは、環状マルトシルマルトースを添加した場合には、何れの非還元性糖類を添加した場合においても、濃度に依存した毛乳頭細胞の増殖が認められた。α,α−トレハロース及びマルチトールを添加した場合には、1.5mM以上の添加で、毛乳頭細胞増殖促進効果が認められ、15mM以上の添加で、その効果は顕著となった。また、α−マルトシルα,α−トレハロース、環状ニゲロシルニゲロース、或いは、環状マルトシルマルトースを添加した場合には、0.75mM以上の添加で毛乳頭細胞増殖促進効果が認められ、7.5mM以上の添加で、その効果は顕著となった。これら非還元性糖類による毛乳頭細胞増殖促進効果は、添加量を増やしても細胞増殖は抑制されないことから、グルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン或いはグルコシルナリンジンによる毛乳頭細胞増殖促進のメカニズムとは異り、アスコルビン酸類を添加した場合と類似していることを物語っている。<実験3:L−アスコルビン酸2−グルコシドのヒト毛乳頭細胞増殖促進作用に及ぼす感光素301号、ヘスペリジン、グルコシルルチン、リボフラビン、α,α−トレハロース或いは環状ニゲロシルニゲロースの影響> 実験1及び実験2から、L−アスコルビン酸2−グルコシドや非還元性糖類と、感光素301号、ヘスペリジン、グルコシルルチン或いはリボフラビンとは、ヒト毛乳頭増殖の作用機作が異なることが判明したので、L−アスコルビン酸2−グルコシドの毛乳頭細胞増殖促進作用に及ぼす感光素301号、ヘスペリジン、グルコシルルチン、リボフラビン、α,α−トレハロース或いは環状ニゲロシルニゲロースの影響を調べる実験を、以下のようにしておこなった。すなわち、L−アスコルビン酸2−グルコシド(株式会社林原生物化学研究所販売、商品名「AA2G」、純度98%以上)、感光素301号(株式会社林原生物化学研究所販売、商品名「タカナール」)、ヘスペリジン(シグマ社販売、商品名「ヘスペリジン」)、リボフラビン(シグマ社販売、商品名「リボフラビン」)、グルコシルルチン(株式会社林原生物化学研究所製造、純度98%以上)、α,α−トレハロース(林原生物化学研究所販売、試薬級、純度99%以上)及び環状ニゲロシルニゲロース(株式会社林原生物化学研究所製造、純度98%以上)を試験薬剤として使用し、最終濃度が、表5に記載の濃度となるように、1容積%のFCSを含むDMEM培地に添加し試験液を調製した。これら何れかの試験液を、実験1と同じ方法で調製したヒト毛乳頭細胞培養96ウエルプレートに50μl/ウエルで添加し、5容積%CO2、37℃の条件で、4日間培養後、MTT法を用いて実験1と同じ方法で、各試験液で培養したヒト毛乳頭細胞の増殖率を求めた。この増殖率を使用して、Chou J. H.(「Synergism and antagonism in chemotherapy」,223−241,1991参照)の理論に基づき、L−アスコルビン酸2−グルコシドと他の試験試薬の二剤を併用した時のL−アスコルビン酸2−グルコシドの投与量の併用効果指数(Combination Index、以下「CI」と略記する。)を、CI計算用ソフト(カルックシン(CalcuSyn)、バイオソフト(BIOSOFT)社(英国)販売)で計算し、その結果を表5に示す。また、CIに基づく、二剤併用時の相乗効果の程度は、表6に示す当該計算ソフトに添付されたマニュアルに記載の判定基準に基づき判定し、併せて、表5に示す。 表5及び表6から明らかなように、L−アスコルビン酸2−グルコシド(AA−2G)と感光素301号とを併用した場合には、CIが0.40となり、ヒト毛乳頭細胞の増殖促進に対して、相乗効果があることが確認された。また、L−アスコルビン酸2−グルコシドと、ヘスペリジン、グルコシルルチン或いはリボフラビンの何れかとを併用した場合には、CIが0.1−0.3の範囲内となり、L−アスコルビン酸2−グルコシドと、ヘスペリジン、グルコシルルチン或いはリボフラビンとの併用により、ヒト毛乳頭細胞の増殖促進に対して、強い相乗効果があることが確認された。また、L−アスコルビン酸2−グルコシド(AA−2G)と、α,α−トレハロース或いは環状ニゲロシルニゲロースとを併用した場合にも、CIが、各々0.39、0.36となって、ヒト毛乳頭細胞の増殖促進に対して、相乗効果があることが確認された。これらの試験結果は、L−アスコルビン酸2−グルコシドと感光素301号、ヘスペリジン、グルコシルルチン、リボフラビン、或いは、α,α−トレハロースや環状ニゲロシルニゲロースなどの非還元性糖類とを併用することにより、優れた毛乳頭細胞増殖促進剤が調製できることを物語っている。<実験4:毛周期に及ぼすL−アスコルビン酸2−グルコシド、グルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン、グルコシルリボフラビン、グルコシルナリンジン、感光素301号或いはα,α−トレハロースの糖質誘導体の影響> 毛周期に及ぼすL−アスコルビン酸2−グルコシド、グルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン、グルコシルリボフラビン、グルコシルナリンジン、感光素301号、或いはα,α−トレハロースの糖質誘導体の影響を調べる試験を以下のように行った。すなわち、L−アスコルビン酸2−グルコシド(株式会社林原生物化学研究所販売、商品名「AA2G」、純度98%以上)、グルコシルヘスペリジン(株式会社林原生物化学研究所販売、試薬級、純度98%以上)、グルコシルルチン(株式会社林原生物化学研究所製造、純度98%以上)、グルコシルリボフラビン(株式会社林原生物化学研究所製造、純度98%以上)、グルコシルナリンジン(株式会社林原生物化学研究所製造、純度98%以上)及び感光素301号(株式会社林原生物化学研究所販売、商品名「タカナール」、純度98%以上)、α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質(株式会社林原生物化学研究所販売、商品名「トルナーレ」、α−マルトシルα,α−トレハロースを無水物換算で約53%含有)を試験試薬として使用した。L−アスコルビン酸2−グルコシド1%、クエン酸1%、クエン酸ナトリウム1%、70%エタノール90%、硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40モル付加物)1%からなる基本処方に、表7に示す前記試験試薬の何れか1種を、表7に示す量添加し、適量のイオン交換水を加えて全量を100%として、常法により試験用の育毛料No1乃至育毛料No6を調製した。また、基本処方に適量のイオン交換水を加えて全量を100%とした育毛料No7及び、陰性対照として、基本処方からL−アスコルビン酸2−グルコシドを除いた処方に適量のイオン交換水を加えて、全量を100%として育毛料No8を調製した。なお、α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質は、α−マルトシルα,α−トレハロースの配合割合が0.5%となるように添加した。<毛周期に及ぼす影響の確認試験> 試験用の育毛料No1乃至育毛料No7及び陰性対照(育毛料No8)の育毛料を用いてこれらの育毛料の毛周期に及ぼす影響を調べるために、ヒトに対して、以下の方法で試験を実施した。すなわち、育毛料No1乃至育毛料No7或いは陰性対照(育毛料No8)の何れか1種を、男性型脱毛に悩む男性10名(合計80名)を被験者として、1日に朝晩2回、6ヶ月間使用を続けてもらった。育毛料の有効性評価は、塗布直前及び塗布終了直後に、被験者1名につき脱毛部位に残存している毛髪を、無作為に30本抜毛し、毛根を顕微鏡で観察した。毛根の形態により、休止期毛根数を計数し、休止期毛根の割合を求め、休止期毛根の割合が、試験育毛料塗布前に比して20%以上減少、20%未満減少乃至20%未満増加、20%以上増加の3群に分けて、その人数を表7に示す。また、各試験育毛料を塗布した被験者に占める、休止期毛根の割合が、塗布前に比して20%以上減少した被験者の割合(%)を求め、下記の判定基準に基づき、毛周期の回転に及ぼす効果を評価して、結果を表7に示す。なお、試験を通じて、安全性に関する問題は見られなかった。 休止期毛根の割合の増減により、育毛料No1乃至育毛料No7及び陰性対照の育毛作用を比較した。休止期毛根とは成長の止まった毛の毛根であり、脱毛を訴えるヒトは、正常なヒトよりもこの休止期毛根の割合が多いことが認められているので育毛作用の効果は、下記の判定基準で評価した。<判定基準> 休止期毛根の割合が育毛料使用前に比して20%以上減少した被験者が、40%以上である場合を「有効」、20%以上40%未満である場合を「やや有効」、20%未満である2合を「無効」とした。 表7から明らかなように、L−アスコルビン酸2−グルコシドと、グルコシルヘスペリジン(育毛料No1)、グルコシルルチン(育毛料No2)、グルコシルリボフラビン(育毛料No3)、グルコシルナリンジン(育毛料No4)、感光素301号(育毛料No5)或いはα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質(育毛料No6)の何れか1種とを併用した育毛料を使用した場合には、休止期毛根の割合が、使用前に比して減少することが明らかとなった。その効果は、L−アスコルビン酸2−グルコシドとグルコシルヘスペリジン或いはグルコシルルチンとを併用した場合に最も高くなった。また、試験試薬としてL−アスコルビン酸2−グルコシドのみを含む基本処方の育毛剤(育毛料No7)を使用した場合にも、試験試薬2剤を併用した場合(育毛料No1乃至育毛料No6)よりは弱いながら、使用前に比して休止期毛根の割合の減少が認められた。これらに対して、L−アスコルビン酸2−グルコシド、グルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン、グルコシルリボフラビン、グルコシルナリンジン及び感光素301号の何れも含まない陰性対照(育毛料No8)を使用した場合には、使用前に比して休止期毛根の割合の減少は殆ど認められなかった。<実験5:自毛植毛した際の毛乳頭細胞の増殖に及ぼすL−アスコルビン酸2−グルコシド、グルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン、グルコシルリボフラビン、感光素301号、α,α−トレハロース或いはα−マルトシルα,α−トレハロースの影響> 自毛植毛した際の毛乳頭細胞の増殖に及ぼすL−アスコルビン酸2−グルコシド、糖転移ヘスペリジン、糖転移ルチン、糖転移リボフラビン、感光素301号、α,α−トレハロース或いはα−マルトシルα,α−トレハロースの影響を調べる実験を自毛移植の際の移植毛を使用して、以下のようにしておこなった。<自毛移植用の移植毛の調製> 自毛植毛を希望する脱毛症の男性80名を、無作為に10名ずつ8つのグループに分けた。各自の後頭部の健康毛の部位から、常法により、毛髪のはえた頭皮を、外科的に採取した。採取した頭皮を、抗菌剤を含む生理食塩水で洗浄後、試験試薬として、実験1で使用したものと同じL−アスコルビン酸2−グルコシド、及び、実験2で使用したものと同じグルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン、グルコシルリボフラビン、感光素301号、α,α−トレハロース或いはα−マルトシルα,α−トレハロースの何れかを、生理食塩水に添加して、表8に示す濃度となるように調製した処理液に2時間浸漬し、その浸漬期間中に、処理液中で、個々の毛髪乃至休止期の移植毛を、移植用に切り分けた。対照として生理食塩水のみを使用した処理液で、移植用の毛髪乃至休止期の移植毛を調製した。<移植した毛髪乃至休止期の毛髪の着生の有無の判定> 処理液に2時間浸漬した移植毛を、生理食塩水に移し、常法により、脱毛部位の頭皮に移植した。移植終了後、移植部位をデジタルカメラで撮影し、約100本の毛髪を移植した部位を特定して、その範囲に移植した移植毛の本数を正確にカウントした。移植60日後に、前に撮影したデジタルカメラの映像を基に、移植時にその移植毛の本数をカウントした部位について、移植毛の数をカウントし、移植時の本数で除し、100倍して、移植毛の着生率(%)を求め、その結果を表8に示す。 表8から明らかなように、対照として使用した生理食塩水中で処理した移植毛を移植した場合の着生率は、34.7%だったのに対して、アスコルビン酸2−グルコシド、グルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン、グルコシルリボフラビン、感光素301号、α,α−トレハロース或いはα−マルトシルα,α−トレハロースを添加した生理食塩水中で処理した移植毛の着生率は、各44.1%、47.6%、45.2%、50.8%、56.9%、44.5%、46.6%となって、何れの場合も、対照よりも高い着生率を示した。この試験結果は、移植毛を頭皮に移植する前に、L−アスコルビン酸2−グルコシド、感光素301号、グルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン、グルコシルリボフラビン、α,α−トレハロース或いはα−マルトシルα,α−トレハロースを含有する溶液で処理することにより、移植毛の頭皮への着生率を向上できることを物語っている。<実験6:L−アスコルビン酸2−グルコシドのヒト毛髪の自毛移植の着生に及ぼす感光素301号、グルコシルヘスペリジン、グルコシルグルコシルルチン、グルコシルリボフラビン、α,α−トレハロース、或いは、α−マルトシルα,α−トレハロースの影響> 実験5から、L−アスコルビン酸2−グルコシド、感光素301号、グルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン、グルコシルリボフラビン、α,α−トレハロース、或いは、α−マルトシルα,α−トレハロースは、自毛移植時の移植毛の着生率を向上させる作用があることが判明したので、L−アスコルビン酸2−グルコシドの移植毛の着生に及ぼす感光素301号、グルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン、グルコシルリボフラビン、α,α−トレハロース、或いは、α−マルトシルα,α−トレハロースの影響を調べる実験を、以下のようにしておこなった。すなわち、実験5で使用したものと同じ試験薬剤を使用し、最終濃度が、L−アスコルビン酸2−グルコシドは、実験5の10分の1の1mMとし、L−アスコルビン酸2−グルコシド以外は、実験5と同じ濃度として、表9に示す濃度となるように、処理液を調製した。これらの処理液を使用して、実験5と同一の方法、条件で、各処理液につき10名の脱毛症の男性に自毛植毛を実施した。植毛後60日目に、実験5と同じ方法で移植毛の本数をカウントして、着生率を求めて、L−アスコルビン酸2−グルコシドと感光素301号、グルコシルヘスペリジン、グルコシルグルコシルルチン、グルコシルリボフラビン、α,α−トレハロース、或いは、α−マルトシルα,α−トレハロースとの併用の効果を調べて、その結果を表9に示した。 表9から明らかなように、L−アスコルビン酸2−グルコシド(AA−2G)と、感光素301号、グルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン、グルコシルリボフラビン、α,α−トレハロース或いはα−マルトシルα,α−トレハロースの何れかとを併用した場合には、移植毛の着生率が、各々66.3%、68.5%、73.1%、74.2%、59.3%、61.2%となって、何れの場合も、L−アスコルビン酸2−グルコシド単独の場合の着生率(43.4%)よりも高い値を示した。また、表9と表8との比較から明らかなように、感光素301号、グルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン、グルコシルリボフラビン、α,α−トレハロース或いはα−マルトシルα,α−トレハロースの何れかを単独で使用した場合よりも、その着生率が向上していることから、感光素301号、グルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン、グルコシルリボフラビン、α,α−トレハロース或いはα−マルトシルα,α−トレハロースには、L−アスコルビン酸2−グルコシドによる移植毛の着生率増強効果をさらに増強する作用があることが確認された。この実験結果は、自毛移植の際に、移植毛を頭皮に移植する前に、L−アスコルビン酸2−グルコシドと感光素301号、グルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン、グルコシルリボフラビン、α,α−トレハロース或いはα−マルトシルα,α−トレハロースとを併用して処理することにより、L−アスコルビン酸2−グルコシドを単独で使用するよりも、移植毛の頭皮への着生率を向上できることを物語っている。 これらの実験結果は、L−アスコルビン酸2−グルコシド、グルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン、グルコシルリボフラビン、グルコシルナリンジン、感光素301号或いはα,α−トレハロースをはじめとする非還元性糖類は、毛乳頭細胞の増殖を促進し、毛周期における休止期の毛根の割合を低減すると共に、毛根を活性化することができるので、これらの物質の1種又は2種以上を用いることによって、優れた育毛効果(発毛効果、脱毛抑制効果を含む)や自毛植毛時の移植毛の頭皮への着生率向上効果を得ることができることを物語っている。また、L−アスコルビン酸2−グルコシドと、グルコシルヘスペリジン、グルコシルルチン、グルコシルリボフラビン、グルコシルナリンジン、感光素301号或いはα,α−トレハロースをはじめとする非還元性糖類から選ばれる1種又は2種とを併用することにより、L−アスコルビン酸2−グルコシドのもつ毛乳頭細胞の増殖を促進し、毛周期における休止期の毛根の割合を低減すると共に、毛根を活性化する作用を、さらに増強できることを物語っている。 以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、この実施例により、本発明の技術的範囲が限定的に解釈されるべきものではない。なお、以下の実施例の各成分の配合量は、特に断わらない限り、配合される対象物全体に対する割合(%)で示す。<毛乳頭細胞増殖促進剤> 以下の成分を以下の配合で均一に混合して、毛乳頭細胞増殖促進剤を調製した。 含水結晶α,α−トレハロース(株式会社林原商事 販売、商品名「トレハ」) 69 L−アスコルビン酸2−グルコシド(株式会社林原 生物化学研究所販売、商品名「AA2G」) 28 グルコシルヘスペリジン(株式会社林原生物化学研 究所販売、商品名「林原ヘスペリジンS」) 1 グルコシルルチン(株式会社林原商事販売、商品名 「αGルチン」) 1 グルコシルリボフラビン(株式会社林原生物化学研 究所製造) 1 本品は、毛乳頭細胞増殖促進作用や自毛植毛時の移植毛の頭皮への着生率向上作用を示し、皮膚に潤いを与え、皮膚の老化防止に奏効する、簡便に利用できかつ著効を示す毛乳頭細胞増殖促進剤である。また、本品は、適度な酸味により良好な呈味を示すので、毛乳頭細胞増殖促進のために用いられる旨の表示を付して、毛乳頭細胞増殖促進のための健康補助食品として、このまま経口的に摂取することも、又、水やその他の飲料などに溶解して摂取することも随意である。さらには、特別用途食品、保健機能食品、化粧品、医薬部外品、医薬品、飼料、ペットフード、雑貨などに配合して、これらに毛乳頭細胞増殖促進作用を付与することも随意である。また、本品を、注射剤の製造原料として使用することも随意である。 本品を、1容積%FCS添加DMEMで、グルコシルヘスペリジンの濃度が0.5μMとなるように希釈して、実験1に記載の方法により測定したところ、明確な毛乳頭細胞増殖促進作用が確認された。<毛乳頭細胞増殖促進剤> 以下の成分を以下の配合で均一に混合して、毛乳頭細胞増殖促進剤を調製した。 α,α−トレハロースの糖質誘導体含有シラップ( 株式会社林原生物化学研究所販売、商品名「トルナ ーレ」) 75 L−アスコルビン酸2−グルコシド(株式会社林原 生物化学研究所販売、商品名「AA2G」) 24 グルコシルヘスペリジン(株式会社林原生物化学研 究所販売、商品名「林原ヘスペリジンS」) 0.5 グルコシルリボフラビン(株式会社林原生物化学研 究所製造) 0.3 感光素301号(株式会社林原生物化学研究所販売、 商品名「タカナール」) 0.2 本品は、毛乳頭細胞増殖促進作用や自毛植毛時の移植毛の頭皮への着生率向上作用を示し、皮膚に潤いを与え、皮膚の老化防止に奏効する、簡便に利用できかつ著効を示す毛乳頭細胞増殖促進剤である。また、本品を、化粧品、医薬部外品、医薬品などの皮膚外用剤に配合して、これらに毛乳頭細胞増殖促進作用を付与することも随意である。 本品を、1容積%FCS添加DMEMで、グルコシルヘスペリジンの濃度が200nMとなるように希釈して、実験1に記載の方法により測定したところ、明確な毛乳頭細胞増殖促進作用が確認された。<毛乳頭細胞増殖促進用剤> 以下の成分を以下の配合で均一に混合して、液状の毛乳頭細胞増殖促進剤を調製した。L−アスコルビン酸2−グルコシド 2クエン酸 0.01クエン酸ナトリウム 0.1グルコシルヘスペリジン 0.5ステアリルジメチルアミンオキシド 0.5硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40モル)付加物 1α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質(株式会 社林原生物化学研究所販売、商品名「トルナーレ) 195%エタノール 54イオン交換水 残量 本品は、毛乳頭細胞増殖促進作用や自毛植毛時の移植毛の頭皮への着生率向上作用を有し、かつ、育毛効果及び脱毛抑制作用を有する毛乳頭細胞増殖促進剤である。 本品を、1容積%FCS添加DMEMで、グルコシルヘスペリジンの濃度が200nMとなるように希釈して、実験1に記載の方法により測定したところ、明確な毛乳頭細胞増殖促進作用が確認された。<毛乳頭細胞増殖促進剤> 以下の成分を以下の配合で均一に混合して、液状の毛乳頭細胞増殖促進剤を調製した。L−アスコルビン酸2−グルコシド 2クエン酸 0.01クエン酸ナトリウム 0.1グルコシルヘスペリジン 0.5N−ヤシラウリル−β−アミノプロピオン酸ソーダ 0.2ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.5硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40モル)付加物 1藍エキス(株式会社林原生物化学研究所販売、商品名 「藍ルーロス」) 195%エタノール 54イオン交換水 残量 本品は、毛乳頭細胞増殖促進作用や自毛植毛時の移植毛の頭皮への着生率向上作用を有し、かつ、育毛作用及び脱毛抑制作用を示す、優れた毛乳頭細胞増殖促進剤である。 本品を、1容積%FCS添加DMEMで、グルコシルヘスペリジンの濃度が200nMとなるように希釈して、実験1に記載の方法により測定したところ、明確な毛乳頭細胞増殖促進作用が確認された。<毛乳頭細胞増殖促進剤> 下記配合に基づき、A相を60℃で加熱溶解し、これに溶解したB相を加え、次にC相を添加し混合した。これにD相を徐々に添加し分散させ、ジェル状の毛乳頭細胞増殖促進剤を調製した。(A相)硬化ヒマシ油エチレンオキシド(60モル)付加物 2グリセリン 10ジプロピレングリコール 101,3−ブチレングリコール 5ポリエチレングリコール1500 5ペンチレングリコール 3.5(B相)カルボキシビニルポリマー1%水溶液 30ヘキサメタリン酸ソーダ 0.03 イオン交換水 8.35(C相)水酸化カリウム 0.12イオン交換水 5(D相)L−アスコルビン酸2−グルコシド 2水酸化カリウム 3グルコシルリボフラビン 0.05イオン交換水 15.95 本品は、毛乳頭細胞増殖促進作用や自毛植毛時の移植毛の頭皮への着生率向上作用を有し、かつ、育毛作用及び脱毛抑制作用を示す、優れた毛乳頭細胞増殖促進剤である。<毛乳頭細胞増殖促進剤> 下記配合に基づき、A相、B相をそれぞれ加熱溶解して混合し、ホモミキサーで乳化してクリーム状の毛乳頭細胞増殖促進剤を調製した。(A相)流動パラフィン 5セトステアリルアルコール 5.5グリセリルモノステアレート 3EO(20モル)−2−オクチルドデシルエーテル 3プロピルパラベン 0.3香料 0.1(B相)L−アスコルビン酸2−グルコシド 2クエン酸 0.01クエン酸ナトリウム 0.1感光素301号 0.005グリセリン 7サイクリックマルトシルマルトース(株式会社林原生 物化学研究所製造) 1ジプロピレングリコール 20ポリエチレングリコール4000 5ドデシル硫酸ナトリウム 0.1ヘキサメタリン酸ソーダ 0.005イオン交換水 残量 本品は、毛乳頭細胞増殖促進作用や自毛植毛時の移植毛の頭皮への着生率向上作用を有し、かつ、育毛作用及び脱毛抑制作用を示す、優れた毛乳頭細胞増殖促進剤である。 男性型脱毛に悩む男性10名に対して、本品を1日に朝晩2回、1回0.5gを、4ヶ月間脱毛部に使用してもらい、実験4と同じ方法で、休止期の毛根の割合を測定したところ、試験開始前に比べて、10名中7名で、休止期の毛根の割合が、使用前に比して20%以上減少した。<毛乳頭細胞増殖促進剤> 下記配合処方に基づき、95%エタノールに適量のイオン交換水を加え、これに、実施例2の方法で調製した毛乳頭細胞増殖促進剤、硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40モル)付加物及びポリオキシエチレンラウリルアミンオキシド、ジメチルラウリルアミンオキシドを加えた後、攪拌して、液状の毛乳頭細胞増殖促進剤を得た。実施例2の方法で調製した毛乳頭細胞増殖促進剤 1ポリオキシエチレンラウリルアミンオキシド 0.1ジメチルラウリルアミンオキシド 1硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40モル)付加物 1マルチトール 0.595%エタノール 54香料 適量イオン交換水 残量 本品は、毛乳頭細胞増殖促進作用や自毛植毛時の移植毛の頭皮への着生率向上作用を有し、かつ、育毛作用及び脱毛抑制作用を示す、優れた毛乳頭細胞増殖促進剤である。 本品を、1容積%FCS添加DMEMで、グルコシルヘスペリジンの濃度が200nMとなるように希釈して、実験1に記載の方法により測定したところ、明確な毛乳頭細胞増殖促進作用が確認された。<毛乳頭細胞増殖促進剤> 下記配合処方に基づき、液状の毛乳頭細胞増殖促進剤を調製した。L−アスコルビン酸2−グルコシド 2クエン酸 0.01クエン酸ナトリウム 0.1グルコシルルチン 0.5グルコシルナリンジン(株式会社林原生物化学研究所製造) 0.2感光素301号 0.001N−ヤシラウリル−β−アミノプロピオン酸ソーダ 0.2ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.5硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40モル)付加物 1サイクリックニゲロシルニゲロース 0.195%エタノール 54イオン交換水 残量 本品は、毛乳頭細胞増殖促進作用や自毛植毛時の移植毛の頭皮への着生率向上作用を有し、かつ、育毛作用及び脱毛抑制作用を示す、優れた毛乳頭細胞増殖促進剤である。 本品を、1容積%FCS添加DMEMで、グルコシルヘスペリジンの濃度が200nMとなるように希釈して、実験1に記載の方法により測定したところ、明確な毛乳頭細胞増殖促進作用が確認された。<毛乳頭細胞増殖促進剤> 以下の成分を以下の配合で均一に混合して、粉末状の毛乳頭細胞増殖促進剤を調製した。 含水結晶α,α−トレハロース(株式会社林原商事 販売、商品名「トレハ」) 65.5 L−アスコルビン酸2−グルコシド(株式会社林原 商事販売、商品名「アスコフレッシュ」) 15 キトサン 15 糖転移ヘスペリジン(株式会社林原商事販売、商品 名「林原グルコシルヘスペリジンS」) 2 グルコシルリボフラビン 1 アデノシンモノフォスフェイト 1 コエンザイムQ10 0.5 本品は、毛乳頭細胞増殖促進や自毛植毛時の移植毛の頭皮への着生率向上のために用いられる旨の表示を付して使用することのできる毛乳頭細胞増殖促進剤である。 本品は、皮膚組織の血行を促進し、皮膚に潤いを与え、皮膚の張りや艶をよくし、シワやコジワの改善にも優れた効果を有している。男性型脱毛に悩む男性10名に対して、本品を1日に朝晩2回、1回1gを、6ヶ月間食べ続けてもらい、実験4と同じ方法で、休止期の毛根の割合を測定したところ、試験開始前に比べて、10名中6名で、休止期の毛根の割合が、使用前に比して20%以上減少した。<毛乳頭細胞増殖促進剤> 粉末マルチトール 35 実施例1の方法で調製した毛乳頭細胞増殖促進剤 15 粉末卵黄 19 脱脂粉乳 20 塩化ナトリウム 4.5 塩化カリウム 1.85 硫酸マグネシウム 4 チアミン 0.01 ビタミンEアセテート 0.6 ニコチン酸アミド 0.04 上記配合組成からなる配合物を調製した。この配合物25質量部を精製水150質量部に均一に分散・溶解させ、200gずつ褐色ガラス瓶に封入した。 本品を、1容積%FCS添加DMEMで、グルコシルヘスペリジンの濃度が200nMとなるように希釈して、実験1に記載の方法により測定したところ、明確な毛乳頭細胞増殖促進作用が確認された。 本品は、毛乳頭細胞増殖促進や自毛植毛時の移植毛の頭皮への着生率向上のために用いられる旨の表示を付して使用することのできる毛乳頭細胞増殖促進剤である。また、本品は、皮膚組織の血行を促進し、皮膚に潤いを与え、皮膚の張りや艶をよくし、シワやコジワの改善にも優れた効果を示す。 以上説明したように、本発明のL−アスコルビン酸類、フラボノイド類、リボフラビン類、感光素301号及びα,α−トレハロースをはじめとする非還元性糖類などの脂質の分解抑制作用を有する物質から選ばれる何れか1種又は2種以上を有効成分とする毛乳頭細胞増殖促進剤は、毛乳頭細胞の増殖を効果的に促進することができる。また、L−アスコルビン酸類、フラボノイド類、リボフラビン類感光素301号、及び、非還元性糖類は何れも、飲食品或いは皮膚外用剤に長期間使用されている安全性の極めて高い物質であり、本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤の有効成分として、副作用を懸念すること無く使用することができる。本発明は、斯くも顕著な作用効果を奏する発明であり、斯界に多大の貢献をする、誠に意義のある発明である。 自毛植毛の際に、移植用の毛髪の浸漬処理に用いるための、L−アスコルビン酸2−グルコシドを有効成分として含有する、移植毛の頭皮への着生率向上剤。


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