生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_放射性医薬前駆体の安定化
出願番号:2007547609
年次:2012
IPC分類:C07H 11/00


特許情報キャッシュ

ウィックストロム,リル・トーリッド ヴェルド,ダーク・インツ オズボーン,ナイジェル・ジョン グリッグス,ジュリアン ウィルソン,アンソニー JP 5047807 特許公報(B2) 20120727 2007547609 20051118 放射性医薬前駆体の安定化 ジーイー・ヘルスケア・アクスイェ・セルスカプ 396019387 ジーイー・ヘルスケア・リミテッド 305040710 荒川 聡志 100137545 小倉 博 100105588 黒川 俊久 100129779 ウィックストロム,リル・トーリッド ヴェルド,ダーク・インツ オズボーン,ナイジェル・ジョン グリッグス,ジュリアン ウィルソン,アンソニー GB 0428020.2 20041222 20121010 C07H 11/00 20060101AFI20120920BHJP JPC07H11/00 C07H 5/08 - 5/10 C07H 11/00 CA/REGISTRY(STN) 特開平09−263590(JP,A) 国際公開第2004/069285(WO,A1) 国際公開第2004/052357(WO,A1) 特表2000−502342(JP,A) 特表2002−511479(JP,A) 特開平07−507813(JP,A) 特開平06−157572(JP,A) 特開平05−345731(JP,A) アルドリッチ総合カタログ1998-1999,Sigma-Aldrich Co.,1998年,p.12 10 GB2005004448 20051118 WO2006067366 20060629 2008525393 20080717 11 20081113 三木 寛 本発明は非フッ素化糖誘導体の安定性を向上させる方法、特に陽電子放射断層撮影(PET)のようなインビボイメージング用の放射性フッ素化糖誘導体の製造の前駆体として用いられる非フッ素化グルコース誘導体の安定性を向上させる方法に関する。本発明には、さらに、非フッ素化糖誘導体の製剤及び該製剤を含む自動合成装置用カセットも包含する。 現在、1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノース(慣用名マンノーストリフレート)のような非フッ素化糖誘導体は乾燥粉末として市販されており、然るべき期間安定性を保つには低温で保存する必要があり、マンノーストリフレート乾燥粉末の保存期間は5℃で6か月である。これは、TracerLab MX(Coincidence Technologies社製)のような自動放射性フッ素化装置に関して、マンノーストリフレートをその他の試薬とは別個に保存しなければならず、放射性フッ素化プロセスを実施する前にオペレータがマンノーストリフレートをカセットを導入しなければならないことを意味する。そこで、保存期間を延ばし、好ましくは常温で(例えば他の試薬と同じパッケージに或いは組立済みカセットの一部として)保存できるように、マンノーストリフレートのような非フッ素化糖誘導体の安定性を向上させる方法に対するニーズが存在する。 今回、本発明者らは、マンノーストリフレートのような非フッ素化糖誘導体を乾燥粉末ではなく有機溶媒中で保存することによって、安定性が向上するという予想外の知見を得た。溶液中では分解が速まると一般に予想されていたので、これは予想に反する。マンノーストリフレートのような非フッ素化糖誘導体を有機溶媒中で提供すると、既に溶液中に存在していることから、放射性フッ素化を実施する前にマンノーストリフレートのような非フッ素化糖誘導体を溶解する必要がないという追加の利点が得られ、これは自動化放射化学操作において特に有益である。 そこで、本発明の一態様では、非フッ素化糖誘導体の安定性を向上させる方法であって、密封容器内の溶媒中での非フッ素化糖誘導体の保存を含んでなる方法を提供する。 本方法で使用する溶媒は非プロトン性溶媒(以下でさらに詳しく定義する。)でも、プロトン性溶媒でもよい。好適なプロトン性溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、アセトン又はオクタノールのようなC1−8アルコールが挙げられる。使用する溶媒はドライ、つまり水分量が10000ppm以下、好ましくは1000ppm以下、さらに好ましくは600ppm未満、さらに一段と好ましくは100ppm未満のものでもよい。 本発明の一態様では、非フッ素化糖誘導体は後段のフッ素化反応で用いるものと同じ溶媒中に保存するのが好適である。これによって、フッ素化前の溶媒除去という余分な工程を省略できる。そこで、本発明の別の態様では、非フッ素化糖誘導体の安定性を向上させる方法であって、密封容器内の非プロトン性溶媒中での非フッ素化糖誘導体の保存を含んでなる方法を提供する。 この目的に適した非プロトン性溶媒としては、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、スルホラン及びN−メチルピロリジノンが挙げられる。ただし、アセトニトリルが特に好適な保存用溶媒であることが判明した。使用する非プロトン性溶媒はドライ、つまり水分量が1000ppm以下、好ましくは600ppm未満、さらに好ましくは100ppm未満のものであってもよい。本発明の別の実施形態では、使用する非プロトン性溶媒は、1000ppm〜50000ppm、好ましくは1000ppm〜15000ppm、さらに好ましくは1500ppm〜7000ppm又は1800ppm〜7000ppm、さらに一段と好ましくは1500ppm〜7000ppm又は1800ppm〜2500ppmの水分含量のものであってもよい。このように水分量の制御された非プロトン性溶媒を用いることによって、次の放射性フッ素化反応の実施に最適な水分含量の溶液として非フッ素化糖誘導体を提供できるという追加の利点が得られ、例えば乾燥工程又は追加の水若しくは溶媒の添加によって水分含量を調整する必要がなくなる。 本明細書中で、「ppm」という用語を所定の溶媒の水分含量について用いる場合、μg水/gを意味する。 好適には、非フッ素化糖誘導体は溶媒(好ましくは非プロトン性溶媒)中に次段の放射性フッ素化反応の実施に適した濃度、例えば0.1mg/mL〜50mg/mL、好ましくは5mg/mL〜25mg/mL、さらに好ましくは10mg/mL〜18mg/mLの濃度で存在する。ある特定の実施形態では、非フッ素化糖誘導体は溶媒(好ましくは非プロトン性溶媒)中に15mg/mLの濃度で存在する。別の実施形態では、非フッ素化糖誘導体は溶媒(好ましくは非プロトン性溶媒)中に17.5〜21.5mg/mLの濃度で存在する。 好適な密封容器は溶媒とも非フッ素化糖誘導体とも反応せず、適宜無菌完全性を維持できて、適宜、ヘッドスペース不活性ガス(例えば窒素又はアルゴン)を有し、さらに適宜シリンジで溶液を添加及び吸引できるものである。かかる容器としては、液密又は気密ジャー、フラスコ、アンプル及びバイアルであって、蓋、ストッパー又はセプタムのような液密又は気密クロージャで封止されるものが挙げられる。好ましい容器は、セプタム封止バイアルであって、気密クロージャをオーバーシール(通常アルミニウム)でクリンプオンするものである。かかる容器は、所望に応じてヘッドスペースガスの変更又は溶液の脱ガスのための真空に耐え、また、例えば容器からの溶液の取り出しに役立つ加圧に耐えるという追加の利点を有する。 本明細書に記載の方法を用いると、非フッ素化糖誘導体を常温以下の温度、例えば−10℃〜35℃、好適には10℃〜35℃で、2日以上の長期間、例えば最高18か月、好適には最高6か月、さらに好適には最高8週間保存し得る。上述の通り、常温での保存が特に好都合である。 他の態様では、上述の非フッ素化糖誘導体の製剤であって、密封容器内に非フッ素化糖誘導体及び溶媒を含んでなる製剤を提供する。製剤に存在する溶媒は、上述の通り、非プロトン性溶媒でも、プロトン性溶媒でもよい。 他の態様では、さらに、上述の非フッ素化糖誘導体の製剤であって、密封容器内に非フッ素化糖誘導体及び非プロトン性溶媒を含んでなる製剤を提供する。 本明細書において、「非フッ素化糖誘導体」という用語は、多糖類、オリゴ糖類、二糖類又は単糖類であって、そのOH基の1つが脱離基で置換されており、他のOH基の各々が適宜適当な保護基で保護されているものをいう。かかる非フッ素化糖誘導体は、好適にはグルコース、フラクトース、リボース、アラビノース、マンノース又はガラクトースのような単糖類の誘導体であり、最も好適にはグルコース誘導体である。本発明で用いる非フッ素化糖誘導体の具体例は式(I)のものである。式中、Lは脱離基であり、P1〜P4は各々適当な保護基である。 本発明で用いる非フッ素化糖誘導体に存在し得る適当な保護基は公知であり、例えば“Protecting Groups in Organic Synthesis”,Theodora W.Greene及びPeter G.M.Wuts, John Wiley & Sons Inc.に記載されている。保護基の選択は、所期のフッ素化生成物の調製法に依存するが、例えばヒドロキシ基は、例えば塩化アセチルのようなアルカノイルクロライドとの反応でアルキル又は芳香族エステルに変換することによって保護し得る。或いは、ヒドロキシ基は例えばアルキルエーテル又はベンジルエーテルのようなエーテルに変換してもよい。好ましくは、保護基P1〜P4は各々アシル基である。 好適な脱離基も公知であり、例えばトルエンスルホネートのようなアリールスルホネート、アルキルハロスルホネート、並びにメタンスルホネートのようなアルキルスルホネートが挙げられる。ただし、脱離基はトリフルオロメタンスルホネート(トリフレート)基であるのが特に好ましい。 特に好ましい非フッ素化糖誘導体は、一般に「マンノーストリフレート」と呼ばれる1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノースである。マンノーストリフレートは市販の非フッ素化糖誘導体であり、保護中間体2−フルオロ−1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−D−グルコース(テトラアセチルフルオログルコース又はpFDG)経由での2−[18F]フルオロ−D−グルコース([18F]FDG)の合成のための前駆体として用いられる。 当業者には自明であろうが、本発明の製剤は他の成分、例えば緩衝液、薬学的に許容される可溶化剤(例えばPluronic、Tween(登録商標)又はリン脂質のようなシクロデキストリン又は界面活性剤)、薬学的に許容される安定剤又は酸化防止剤(例えばアスコルビン酸、ゲンチジン酸又はパラアミノ安息香酸))を適宜含んでいてもよい。また、かかる成分は本発明の方法の一部として添加してもよい。ただし、後段でのインビボイメージングでの使用のためできるだけ純度の高い状態で放射性フッ素化糖誘導体が得られるように、これらの成分の存在はできるだけ避ける。したがって、本明細書に記載の製剤及び方法では、非フッ素化糖誘導体及び溶媒は、密封容器内に他の成分を含まない状態で存在する。 現在、[18F]FDGのような放射性トレーサーの大半は、Kryptofix(商標)2.2.2試薬に基づく18F−での求核放射性フッ素化反応を用いた自動放射合成装置で調製されている。かかる市販装置の例を幾つか挙げると、Tracerlab MX(Coincidence Technologies SA)及びTracerlab FX(Nuclear Interface GmbH)がある。かかる装置は放射化学が実施されるカセット(多くの場合使い捨て)を通例備えており、放射合成を実施するため装置に装着される。カセットは、液体流路、反応容器、複数の試薬バイアル用のポート、並びに放射合成後の洗浄工程で用いられる固相抽出カートリッジを通常備えている。 本明細書に記載の非フッ素化糖誘導体の製剤は、自動合成装置用に設計された使い捨て又は着脱可能なカセット内に収容し得る。そこで、本発明はさらに、自動合成装置用のカセットであって、上述の密封容器内に非フッ素化糖誘導体及び溶媒を含んでなる非フッ素化糖誘導体含有製剤を含むカセットを提供する。本明細書で例証する通り、製剤として保存したときの本発明の非フッ素化糖誘導体の安定性の向上は、フッ素化反応に必要な試薬を放射性フッ化物を除いてすべて完備した状態でカセットを供給できるとともに、カセットを常温で保存でき、冷凍の必要がないことを意味する。 以下の実施例で本発明を例示するが、実施例では以下の略語を用いる。MT又はマンノーストリフレート:1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノース、HPLC:高速液体クロマトグラフィー、IR:赤外線吸光分析、UV:紫外線、RCP:放射化学純度、pFDG:2−フルオロ−1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−D−グルコース。 実施例1:乾燥アセトニトリル中でのマンノーストリフレートの安定性 図面に関して、図1は、開始時のABX社製マンノーストリフレート(固体)のHPLC−UVクロマトグラムであり、図2は、開始時のABX社製マンノーストリフレート(アセトニトリルに溶解)のHPLC−UVクロマトグラムであり、図3は、50℃で2週間保存した後のABX社製マンノーストリフレート(固体)のHPLC−UVクロマトグラムであり、図4は、50℃で2週間保存した後のABX社製マンノーストリフレート(アセトニトリルに溶解)のHPLC−UVクロマトグラムである。 材料:アセトニトリル(MeCN):VWR/Merck社、4L、水分含量約600ppm、マンノーストリフレート(ABX社製):超高純度、1g単位、バイアル:Fiolax 5mLガラスバイアル(13mm)、Munnerstaedter、ストッパー:West、4432/50 Gray(13mm)、テフロン(登録商標)コート。キャップ:Helvoet Pharma社製。 実験: 用いるガラスバイアルは、使用前に、210℃のLytzen加熱滅菌装置で5時間乾燥させた。ストッパーは処理しなかった。 排気フード内で、2.0gのマンノーストリフレートを秤量して三角フラスコに入れ、133mLの無水アセトニトリルに溶解してアセトニトリル溶液を調製した。溶解は速やかで、アセトニトリルと接触したとたん固形分は消失した。 分注: この溶液を、10mLガラス製メスシリンダーを用いて約4.2mL〜4.4mLずつバイアルサンプルに分注した。 空気中及び窒素中で、マンノーストリフレート(溶媒なし)の対照試料も調製した。 充填し、キャップしたバイアルを25℃及び50℃の恒温キャビネット内で所定期間保管し、「取出し時点」でバイアルを貯蔵庫から取り出し、以下に概説する試験に付した。 用いた試験法: 実施した非放射性試験法(コールド試験)は以下の通りであった。外観/官能試験:すべての取り出し時点、HPLC−UVでの純度試験:すべての取り出し時点、19F−NMR:すべての取り出し時点、水分量分析:開始時点、HPLC法:オクタデシルシリルシリカゲル(5μm)カラム(Hichrom Nucleosil 100−5C18);温度25℃;注入体積20μL;移動相は水;アセトニトリル勾配、1mL/分;分光光度計で220nmで検出。 実施した放射性試験法(ホット試験)は以下の通りであった。ガラス状炭素製反応器での18F−での放射性標識(すべての取り出し時点)。マンノーストリフレートの乾燥試料(20mg)を各々無水アセトニトリル(1.6mL)に溶解。アセトニトリル中で保存したマンノーストリフレートについては、所定分量(3.3mL)を抜き取り、アセトニトリルで4.0mLに希釈し、その溶液1.6mLを放射性標識試験に用いた。50℃で2週間保存した後の試料については、マンノーストリフレート溶液の1.6mL試料を、それ以上希釈せずに直接使用した。いずれの場合も、放射性標識は、アセトニトリル中のマンノーストリフレートの試験溶液を添加する前に、Kryptofix 2.2.2(19.4mg)、炭酸カリウム(41.0mg)、アセトニトリル(0.32mL)及び水(0.04mL)からなる18F溶液を80℃で4分間乾燥した後で実施した。標識反応はガラス状炭素製反応器中、80℃で4分間実施した。 結果: 固形マンノーストリフレートの対照実験HPLC−UVトレースの結果及びマンノーストリフレートのアセトニトリル溶液のHPLC−UVトレースの結果を、それぞれ図1及び2に示す。マンノーストリフレートは32.5分で溶出した。 50℃で2週間保存後に、乾燥粉末として保存したマンノーストリフレート試料はすべて黒色で、強い酢酸臭を有していた。この物質が既にマンノーストリフレートでないことがIRで認められたので、放射性標識は行わなかった。HPLC−UVトレースを図3に示すが、マンノーストリフレートは検出されなかった。 これに対して、アセトニトリル中の溶液は、50℃で2週間及び4週間保存した後も、無色のままで変化は認められなかった。HPLC−UVの結果は、単一のピークを示し、MTの分解が起こっていないことを示していた(図4)。 開始時点及び50℃で様々な時間保存した後の、ガラス状炭素製反応器内での放射性標識の結果を表1に示す。 結論: 50℃で8週間保存した後も良好な標識性と良好な化学安定性を併せもつことがHPLCで認められたことから、MTをアセトニトリル中に溶解するとはっきりとした安定化効果がみられるという結論を得た。 実施例2:アセトニトリル/水混合液中でのマンノーストリフレートの安定性 実施例1と同様の方法を用いて、水分含量約725ppm、1450ppm及び2500ppmのアセトニトリル中でのマンノーストリフレートの安定性を調べた。 開始時点及び50℃で様々な時間保存した後の、ガラス状炭素製反応器内での放射性標識の結果を表2に示す。 比較例:マンノーストリフレート乾燥粉末の安定性 マンノーストリフレート乾燥粉末をバイアル中で様々な温度で様々な時間保存した。 放射性標識法 炭酸カリウム溶液(40μLの水中に炭酸カリウム41mg)をガラス状炭素製反応器に加え、Kryptofix 2.2.2溶液(320μl中19.4mg)を別途添加した。次いで、18−フッ化物の水溶液(0.05mL)を添加し、乾燥窒素気流(0.3L/分)で溶液を80℃に4分間加熱して乾燥させた。次いで、1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノースの溶液(1.6mLの無水アセトニトリル中20mg)を添加し、80℃で4分間反応させた。次いで反応を50℃に冷却し、サンプリングして、TLCアルミニウムシートシリカゲル60 F254上で95%アセトニトリル/5%水で溶出したITLC(インスタント薄層クロマトグラフィー)で分析した。糖と遊離フッ化物の合計(反応系に存在する2成分)に対する1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−フルオロ−β−D−マンノピラノースの比から放射化学純度を算出した。放射性標識の結果を表3に示す。 上記のデータは、マンノーストリフレートは室温ではかなり不安定であり、50℃に加熱すると格段に劣化することを裏付けている。マンノーストリフレートは昇温下ではすぐに黒くなり、アセトニトリル中に溶解するのが次第に難しくなる。開始時のABX社製マンノーストリフレート(固体)のHPLC−UVクロマトグラム。開始時のABX社製マンノーストリフレート(アセトニトリルに溶解)のHPLC−UVクロマトグラム。50℃で2週間保存した後のABX社製マンノーストリフレート(固体)のHPLC−UVクロマトグラム。50℃で2週間保存した後のABX社製マンノーストリフレート(アセトニトリルに溶解)のHPLC−UVクロマトグラム。 1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノースの安定性を向上させる方法であって、1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノースを密封容器内のアセトニトリル溶媒中で10mg/mL〜18mg/mLの濃度で保存する工程を含んでなる方法。 前記アセトニトリル溶媒の水分含量が1000ppm以下である、請求項1記載の方法。 前記アセトニトリル溶媒の水分含量が1000ppm〜50000ppmである、請求項1記載の方法。 前記密封容器がセプタム封止バイアルである、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の方法。 インビボイメージング用の放射性フッ素化糖誘導体の製造のための製剤であって、密封容器内にアセトニトリル溶媒と濃度10mg/mL〜18mg/mLの1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノースとを含んでなる製剤。 前記インビボイメージングが陽電子放射断層撮影(PET)である、請求項5記載の製剤。 前記アセトニトリル溶媒の水分含量が1000ppm以下である、請求項5又は請求項6記載の製剤。 前記アセトニトリル溶媒の水分含量が1000ppm〜50000ppmである、請求項5又は請求項6記載の製剤。 前記密封容器がセプタム封止バイアルである、請求項5乃至請求項8のいずれか1項記載の製剤。 液体流路と、反応容器と、複数の試薬バイアル用のポートと、放射合成後の洗浄工程で用いられる固相抽出カートリッジと共に、請求項5乃至請求項9のいずれか1項記載の製剤とを含んでなる自動合成装置用カセット。


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