タイトル: | 特許公報(B2)_フォトクロミックh−縮合ベンゾ[f]クロメン誘導体 |
出願番号: | 2007537188 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | C07D 493/04,C07D 495/04,C09K 9/02,G02B 5/23,G02C 7/02,G02C 7/10 |
マンフレット、メルツィーヒ イフェン、ロールフィング ウド、バイガント JP 5456255 特許公報(B2) 20140117 2007537188 20051018 フォトクロミックh−縮合ベンゾ[f]クロメン誘導体 ローデンストック.ゲゼルシャフト.ミット.ベシュレンクテル.ハフツング 503279013 吉武 賢次 100075812 中村 行孝 100091487 紺野 昭男 100094640 横田 修孝 100107342 浅野 真理 100120617 マンフレット、メルツィーヒ イフェン、ロールフィング ウド、バイガント DE 102004051509.3 20041021 20140326 C07D 493/04 20060101AFI20140306BHJP C07D 495/04 20060101ALI20140306BHJP C09K 9/02 20060101ALI20140306BHJP G02B 5/23 20060101ALI20140306BHJP G02C 7/02 20060101ALI20140306BHJP G02C 7/10 20060101ALI20140306BHJP JPC07D493/04 106CC07D493/04C07D495/04 101C09K9/02 BG02B5/23G02C7/02G02C7/10 C07D 311/,493/,495/ C09K 9/ G02B 5/ G02C 7/ REGISTRY/CAPLUS(STN) 特表2007−516961(JP,A) 特表2003−514810(JP,A) 特表2004−509109(JP,A) 9 EP2005011202 20051018 WO2006045495 20060504 2008517017 20080522 15 20080513 深谷 良範 本発明は、特殊なフォトクロミックh−縮合ベンゾ[f]クロメン誘導体、および、それらの、あらゆる種類のプラスチックにおける、特に眼科目的のための使用に関する。本発明は、とりわけ、ベンゾ[f]クロメンから誘導されたフォトクロミック化合物に関し、この化合物は、閉じた形態で、特に長波長吸収極大を有し、同時に、開いた着色形態で良好な効率を有するため、光互変性(phototropic)レンズに使用した場合に、そこに広く使用されているインデノナフトピランと良く調和する。 特定波長の光、特に日光、に露出された時に可逆的な変化を受ける様々な種類の染料が公知である。これは、これらの染料分子が、光の形態にあるエネルギーが入力されることにより、励起した着色状態に変化し、次いで、エネルギー入力が中断された時に、この状態を離れ、それらの無色または少なくともほとんど無色の通常状態に戻るためである。これらのフォトクロミック染料には、例えば先行技術ですでに様々な置換基と共に開示されているナフトピランがある。 ピラン、とりわけ、ナフトピランおよびそれから誘導されるより大きな環系は、今日でも集中的に研究されている主題であるフォトクロミック化合物である。これらの化合物に関する特許出願は1966年に最初に提出されている(米国特許第3,567,605号)が、眼鏡レンズ用に好適と思われる化合物は、1990年代まで開発されなかった。 ケイ酸塩ならびにプラスチックから製造されたフォトクロミック眼鏡の世界市場は、灰色および褐色が主流である。緑、青、マゼンタ、オレンジまたは黄のような色は、全く重要度の低い役割しか果たしていない。 現在市販されているすべてのフォトクロミックプラスチックレンズにおいて、これらの2色は、少なくとも2種類のフォトクロミック染料の混合物により達成される。米国特許第6,306,3126[sic]号に説明されているように、これらの染料は、2つの群、すなわち最も長い波長の吸収極大が550nmを超える群、すなわち励起状態でバイオレットブルーから緑の透過色を与える群、および最も長い波長の吸収極大が550nm未満の群である。これらの透過色は、黄〜オレンジ〜赤である。 第一群には、1−ナフトールから誘導される2H−ナフトピランおよびそれから縮合により誘導された高級類似体がある。これらの物質は、例えば米国特許第5,698,141号、第5,723,072号、第6,146,554号、第6,225,466号、第6,331,625号および第6,340,765号に記載されている。米国特許第4,931,220号または欧州特許第0600688号に記載されているような、他の区分に属するフォトクロミック化合物は、吸収極大が550nmを超えるが、寿命が短い、および/または長波長吸収の帯域幅が狭いために、商業的には到底使用できない。現在市販されている灰色または褐色フォトクロミックプラスチックレンズ(例えば、Roden stock Perfalit Color Matic Extra(登録商標)−1999年以降、Transitions Next Generation(登録商標)−2002年以降、Hoya Solio(登録商標)1.55−2004年以降)の長波長吸収フォトクロミック染料は、全て上記の1−ナフトールから誘導された化合物に属する。 第二群に属する染料としては、ほとんどが2−ナフトールから誘導される3H−ベンゾピランおよび3H−ナフトピランであり、米国特許第5,244,602号、第5,427,774号、第5,552,090号、第5,552,091号、第5,585,042号および国際特許第WO97/20239号に記載されているように、ほとんどが2位置でアリールまたはヘテロアリールで置換されている。米国特許第4,826,977号に記載されているスピロアダマンタン置換された化合物も、この群に属する。1−ナフトールから誘導される2H−ナフト[1,2−b]ピランは、ヨーロッパ特許第1248778号に記載されているように、開いた形態が系の5位置における置換により立体的に束縛される場合にのみ、使用できる。この束縛が無い場合、明色化効果が、眼鏡レンズに使用するには遅過ぎる。 市販のフォトクロミック化合物、例えばReversacol Sunflower、Corn Yellow、FlameおよびRuby(James Robinson)またはCNN-4およびCNN-8(Tokuyama Soda)は、欧州特許第0691965号および米国特許第6,719,926号に記載されている。これら化合物は、全てアミノ基、通常はピペリジンまたはモルホリンを、ナフトピラン系の6位置に有し、吸収極大で非常に高いモル吸光度(IOD>1.5)を得ている。この官能基が無い場合、この値は約1.5低い。残念ながら、この強度に極性の置換パターンが強いソルバトクロミズム(solvatochromism)を引き起こすため、使用した染料の一部が固溶体(プラスチックマトリックス)中で開いた形態になる。これは、軽度に着色したレンズでは、励起光が全く存在しなくても現れる。さらに、Vλ後の透過率も4〜10%低下する。ここで挙げることができる例としては、Rodenstock Color Matic Extra(登録商標)およびHoya Solio(登録商標)1.55がある。 もう一つの欠点は、閉じた形態の吸収であり、これは、第一群の染料と比較して、20nm〜25nmのヒプソクロミックシフト(hipsochromic shift)を有する。この組成物は調整されている、すなわち使用するフォトクロミック染料のそれぞれの濃度が調整され、通常の直接または間接的日光中で所望の色が達成されるように、灰色または褐色が達成される。可視日光の非常に短い波長部分(380〜400nm)が、例えば断熱被覆を有する窓ガラスまたは自動車の張り合わせ安全ガラスにより、選択的に遮光または阻止されると、灰色レンズの場合はレンズが青色になり、褐色レンズの場合には灰色になる。これは、今日市販されているプラスチックフォトクロミックレンズで、明るく照明された室内で観察され、美感上の欠点である。 構造上の理由により閉じた形態で長い波長を吸収する化合物は、国際特許第WO02/22594号に記載されている。しかし、ここで重要な特徴は、長波長領域、すなわちバイオレット〜ブルー領域で吸収する強力な染料が得られる、すなわち開いた形態の長波長吸収を有することである。これは、アミノ置換基をナフトピラン系に導入することにより達成されている。これらの化合物は、540nm以上の、開いた形態の最も長い波長吸収極大を有する。しかし、ここでも、プラスチック眼鏡レンズ材料に使用した場合の予備着色が欠点である。 米国特許第5,869,658号には、類似の基本的構造を有し、その開いた形態が所望のスペクトル領域を吸収する化合物が記載されている。しかしながら、この文献では、6位置でアルコキシ基でも置換されているインデノ縮合されたナフト[2,1−b]ピランのみを考察している。これは、p−位置における結合点を求核性にする活性化置換基が無い場合に、リング閉鎖が起こらないので、必然的に上記の化合物のみが合成される結果である。五員環より大きい縮合環系は、当該文献には開示されておらず、この合成経路からは不可能である。さらに、明色化速度は非常に高い。このために、平衡状態における露光に対して、少量の開いた、すなわち着色した分子しか生じない。暗色化効果は僅か(ΔOD<0.5)である。同様に、通常は極大が370nm未満である閉じた形態の吸収が、第一群の化合物の波長よりはるかに短い波長にある。しかし、これは、日光の長波長UV部分を活用するのに十分ではない。米国特許第5,869,658号に記載されている染料分子は、H原子(段落21にある式の8および9位置)の反作用があまり大きくないので、比較的平らである。例3は、この場合、フェニル環Bおよび/またはB'上の2位置にあるフッ素置換基のために、遅い明色化およびそれによって、大きな暗色化ΔODが達成されるので、例外的である。ΔOD値を約4倍大きくするこの効果は、米国特許第5,066,818号にすでに記載されている。しかし、この置換基により自由回転が束縛されるため、明色化が、分子を取り囲むマトリックスによって過度に大きく変化する、すなわちマトリックス中の分子全体を考えた時の明色化速度の分布が非常に広くなる、および/または種々のプラスチック材料中で極めて異なった明色化速度が得られる。 欧州特許第1230234号にも、縮合環で置換された2H−ジアリールナフトピランが開示されている。この文献に示された構造におけるインデン環内の縮合により、五員環のCH2基と8位置におけるH原子との間に立体障害が存在しないために、通常、比較化合物C5と同程度の急速に明色化する化合物が得られる。米国特許第3,567,605号に記載されているように、この構造を有する化合物は、極めて低温でのみ、十分な光互変性(photochromicity)を有する。六員環では、やはり束縛が非常に僅かであり、明色化が急速であり、従って、観察される着色がほんの僅かである。さらに、可能な化合物の選択が非常に限られており、記載されている合成により、6および7位置において活性化基で置換された化合物だけが可能である。一個のメトキシ基を使用した場合、または活性の低いより高級のアルコキシ基を使用した場合のみ、環閉鎖反応が起きない。合成を通して、より大きなアルカン環は可能であるが、立体障害は、米国特許第5,869,658号または国際特許第WO02/22594号よる構造の化合物の立体障害より常に低く、同様に、暗色化結果は僅かである。しかし、欧州特許第1230234号によるこれらの化合物の実質的な態様は、主として、本来灰色または褐色の化合物を提供している。開いた形態で、(置換された)フェニル基は、エチレンブリッジに対して、パラ位置ではなく、メタ位置にあり、このために、場合により異論の余地すらある、全く異なった挙動につながる。発明の概要 従って、本発明の目的は、先行技術において得られる化合物と比較して、特性が改良された、新規なフォトクロミック染料を提供することである。これらのフォトクロミック化合物は、先行技術の同等の化合物と比較して、非励起状態、すなわち約380nm〜400nmの領域で長波長を吸収し、同時に、開いた形態で良好な効率を有することを特徴とする、すなわち露光後の励起した形態のモル吸光度が高く、速度特性および寿命特性が良い、すなわち長波長領域で吸収し、同時に光互変性レンズに通常使用される化合物に適合した急速な明色化速度を有し、寿命試験で良好な結果を得ることを特徴とすべきである。 この目的は、請求項に記載する特徴を有する化合物により達成される。 とりわけ、一般式(I)を有するフォトクロミックh−縮合ベンゾ[f]クロメン誘導体を提供する。(式中、 nおよびmは、互いに独立して、0、1または2を表し、 基R1、R2、R3およびR4は、それぞれ互いに独立して、 水素原子、一個以上の異原子を有することができる、(C1〜C6)アルキル基、(C1〜C6)チオアルキル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、(C1〜C6)アルコキシ基、水酸基、トリフルオロメチル基、臭素、塩素、およびフッ素からなる群α、 未置換の、または一置換若しくは二置換されたフェニル、フェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ナフチルまたはナフトキシ基からなり、置換基をフェニルおよび群αから選択することができる群β、 基R1およびR2、および/またはR3およびR4が、それぞれ、芳香族環に結合された−A−(CH2)k−D−基または−A−(C(CH3)2)k−D−基(ここでk=1または2であり、AおよびDは、互いに独立して、酸素、硫黄、CH2、C(CH3)2またはC(C6H5)2から選択され、やはりベンゾ環が、前記−A−(CH2)k−D−基に縮合されていてよい。)で表される群γから選択されるものであり、 基R5、R6、R7およびR8は、それぞれ互いに独立して、フェニルおよび群αから選択されるか、または、基R5およびR6が、直接隣接するベンゾ環の基R3と共に縮合して、未置換の、または一置換若しくは二置換されたベンゾ環またはピリド環(この置換基はフェニルおよび群αから選択される。)を形成するか、または、mおよび/またはnが2を表す場合、2個の隣接するCR5R6単位の直接隣接する基R5およびR6、および/または、2個の隣接するCR7R8単位の直接隣接する基R7およびR8が、ともに縮合して、未置換の、または一置換若しくは二置換されたベンゾ環またはピリド環(この置換基はフェニルおよび群αから選択される。)を形成するか、または、基R5およびR6および/または基R7およびR8が一緒に、一個以上の酸素または硫黄等の異原子を有することができる(C3〜C7)シクロアルキル基を形成し、所望によりベンゾ環がこのシクロアルキル基に縮合しており、 Xは、O、SまたはCR9R10から選択されるものであり(ここで、基R9およびR10は、互いに独立して、フェニルおよび群αから選択されるか、または、基R9およびR10はともに、一個以上の異原子を有することができる(C3〜C7)シクロアルキル基を形成するか、または、基R9およびR10が、直接隣接するCR5R6単位および/またはCR7R8単位の基R5およびR6、および/または、R7およびR8と共に、X−C(R5R6)および/またはX−C(R7R8)結合に縮合した、未置換の、または一置換若しくは二置換されたベンゾ環またはピリド環(この置換基はフェニルおよび群αから選択される。)を形成するが、mおよびnの両方が0である場合、XはCR9R10ではない。) BおよびB'が、互いに独立して、下記の群a)、b)、c)またはd)の一つから選択されるものであり、 a)一、二および三置換されたアリール基であり、ここで前記アリール基はフェニルまたはナフチルであるか、 b)未置換の、または一置換若しくは二置換されたヘテロアリール基(ヘテロアリール基が、ピリジル、フラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、ジベンゾフラニル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イルまたはジベンゾチエニルである。)であり、 a)およびb)におけるアリールまたはヘテロアリール基の置換基は、群α、β若しくはγ、または、未置換の、または一置換若しくは二置換されたアミノ基、から選択される置換基(このアミン置換基は、(C1〜C6)アルキル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、置換されていないフェニルまたはベンジル基、あるいは群α、N−モルホリン基、N−チオモルホリン基、N−ピペリジン基、N−アザシクロヘプタン基、N−ピペラジン基、N−(N’−(C1〜C6−アルキル)ピペラジン基、N−ピロリジン基、N−イミダゾリジン基、N−ピペラゾリジン基、N−アジリジン基、N−アゼチジン基、N−インドリン基、N−カルバゾール基、N−フェノチアジン基、N−フェナジン基、N−フェノキサジン基、N−テトラヒドロキノリン基またはN−テトラヒドロイソキノリン基から選択された一個以上の置換基で置換されたフェニルまたはベンジル基から選択されてよい。)であり、 c)下記の式(V)および(W)を有する構造的単位であり、(式中、 YおよびZは、互いに独立して、O、S、CH2、CMe2、NH、NPhまたはN(C1〜C6)アルキルを意味し、基R12およびR13は、互いに独立して、水素または(C1〜C6)アルキル基を意味し、基R14は、群αから選択された置換基を意味し、pは1、2または3であるか、または d)BおよびB'がともに、未置換の、または一置換若しくは二置換された9,10−ジヒドロアントラセン基、フッ素基、チオキサンテン基またはキサンテン−9−イリデン基、ベンゾ[b]フルオレン−11−イリデン基、5H−ジベンゾ[a,c]シクロヘプテン、ジベンゾスベロンまたは5H−ジベンゾ[a,c]シクロオクタン−5−イリデン基、またはC3〜C12スピロ単環式、C7〜C12スピロ二環式および/またはC7〜C12スピロ三環式である飽和炭化水素基(ここで不飽和環状化合物上の置換基は群αから選択されるものである。)を形成してなるものである。) 本発明により、ベンゾ[f]クロメン系のh−縮合により、当該分野で公知の化合物と比較して、フォトクロミック特性が重要な優位性を有する化合物を提供する。とりわけ、本発明の化合物は、閉じた(無色の)形態で長波長吸収極大を有し、同時に開いた形態で良好な効率を有する、すなわち露光により励起された形態のモル吸光度がより高く、良好な速度特性および寿命特性を有する。さらに、本発明のフォトクロミックh−縮合ベンゾ[f]クロメン誘導体は、当該分野で公知の、対応する化合物の寿命特性に匹敵する良好な寿命特性および/またはより優れた速度特性、すなわち光互変性レンズに通常使用されるフォトクロミック染料に適合した高い明色化速度を有し、長波長吸収ならびに寿命試験における良好な挙動を有する。 ベンゾ[f]クロメン系のh位置で縮合した環および/または複素環は、好ましくは五員環(n=m=0、下記の式(II)参照)、六員環(n=1、m=0およびm=1、n=0、下記の式(III)参照)または七員環(好ましくはn=m=1、下記の式(IV)参照)である。 CH2ブリッジを有する五員環系は、ほとんど平面的であるが、大きな張力下にある。標準的な分子幾何学的構造プログラムHyperchem7(Monte Carlo、Mm+、100サイクル)で、角度ε(ナフタレン環の平面に対するフェニル環の回転)に対して−0.27°の値が得られる。酸素原子の導入により、角度εが−27.25°に回転することにより、分子が弛緩する。CH2ブリッジをCH2−CH2ブリッジで置き換え、六員環(ε=−25.39°)を形成しても同じ効果が得られる。CH2−CH2−CH2ブリッジを有する七員環は、ヘリセン状構造(ε=−49.25°)をすでに与える。OまたはSを含む五員環は、CH2またはCR2基によるよりも強い芳香族的性格を明らかに有する。これは、吸収の深色シフトにつながる。 本発明の好ましいフォトクロミックh−縮合ベンゾ[f]クロメン誘導体は、下記の一般式(II)、(III)および/または(IV)を有する。(式中、 B、B'、R1、R2、R3およびR4は、前記の定義と同様であり、 式(II)において、X=OまたはSであり、 式(III)において、XおよびX'は、互いに独立して、O、SまたはCR9R10から選択されるが、両者の少なくとも一方はCR9R10であり、 式(IV)において、X、X'およびX”は、互いに独立して、O、SまたはCR9R10から選択されるが、X'=OまたはSである場合、XおよびX”=CR9R10である。) 基R5、R6、R7およびR8は、好ましくは互いに独立して群αから選択される。式(III)および/または(IV)で、X、X'および/またはX”がCR9R10を意味する場合、基R9およびR10は、一緒に、(C1〜C6)アルキル基または(C3〜C7)シクロアルキル基を意味することができ、特に一個以上の異原子を有することができる。 基R1およびR2および/またはR3およびR4は、それぞれ芳香族環に結合した−A−(CH2)k−D−基を形成することができ、ここでk=1または2であり、AおよびDは、互いに独立して、酸素、硫黄、CH2、C(CH3)2、またはC(C6H5)2から選択され、ベンゾ環は、この−A−(CH2)k−D−基に縮合されていてよく、特に−A−(CH2)k−D−単位としては−O−(CH2)2−O−を挙げることができ、ベンゾ環が所望によりそのエチレン基に縮合される。−A−(CH2)k−D−単位は、それぞれのベンゾ環に、AおよびDによりオルト位置で互いに結合する。 特に好ましい実施態様では、上記の式(I)、(II)、(III)および/または(IV)におけるBおよびB'は、互いに独立して、一、二または三置換されたアリール基であり、その際、アリール基は、フェニル基またはナフチル基である。 本発明の特に好ましいフォトクロミックh−縮合ベンゾ[f]クロメン誘導体としては、(1)2−(4−メトキシフェニル)−2−フェニル−2H−ベンゾフラノ[1,2−h]ベンゾ[f]クロメン、(2)2−(4−メトキシフェニル)−2−フェニル−2H−ベンゾチオフェノ[1,2−h]ベンゾ[f]クロメン、(3)2−(4−メトキシフェニル)−2−フェニル−2H−13,14−ジヒドロナフト−[1,2−h]ベンゾ[f]クロメン、(4)7−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−2−フェニル−2H−13,14−ジヒドロナフト−[1,2−h]ベンゾ[f]クロメン、(5)11−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−2−フェニル−2H−13,14−ジヒドロナフト−[1,2−h]ベンゾ[f]クロメン、(6)2−(4−メトキシフェニル)−2−フェニル−2H,13H−クロメノ[1,2−h]ベンゾ[f]クロメン、(7)2−(4−メトキシフェニル)−2−フェニル−2H,14H−クロメノ[1,2−h]ベンゾ[f]クロメン、(8)7−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)−2−フェニル−2H−ベンゾシクロヘプタノ[1,2−h]ベンゾ[f]クロメンがある。 様々な化合物の閉じた(無色)および開いた(着色)形態における長波長吸収極大λmaxを下記の表に示す(番号は、特に好ましい化合物のリストに基づいている)。さらに、本発明の化合物の着色形態における効率も示す。そのために、フォトクロミック染料500ppmをColor Matic Extra(登録商標)の光互変性マトリックス中に配合し、重合後、23℃で、動力学的試験装置(kinetic bench)を使用し、決められた手順で(50kluxで露出15分間)、透過率を測定した。透過率が低い程、露光下でのフォトクロミック染料の力がより強い。しかし、透過率は光学的感度極大Vに対して調整したファクターとして測定したので、吸収極大が人間の感度極大からはるかに離れている黄−オレンジ染料は、吸収極大が人間の感度極大に近いオレンジ赤染料よりも、高い透過率を有することも指摘する必要がある。従って、2種類のフォトクロミック染料の強度は、それらの最も長い波長の吸収極大(開いた形態)があまり遠く離れていない場合にのみ、照明下での透過率の程度により、良く比較できる(さもなくば、黄色染料はより赤い染料よりも、表面上、低いレベルに分類されるであろう)。米国特許第5,869,658号による先行技術の化合物を、比較のために、下記表の最後の列に示す。 下記の表に示す、m、n、X、R1およびR2に関する情報は、構造(I)に基づいている、すなわち −Bは4−メトキシフェニルであり、 −B’は、フェニルであり、 −R2=R4=Hである。 この表から、本発明の化合物は、先行技術の代表的な化合物と比較して、暗色化された状態における効率がより高いことが分かる。さらに、閉じた形態における吸収極大が、ほとんどの場合、深色シフトを有する。この特性は、大気中の散乱効果により少量のUV放射線しか励起に使用できない場合に、特に重要である。長波長UV放射線は、短波長放射線よりも散乱を受け難いので、これらの染料は、短波長で吸収するフォトクロミック染料と対照的に、好ましくない条件下でも良好な暗色化を受ける。 本発明の化合物は、フォトクロミック挙動が重要である様々な用途に使用する、あらゆる種類および形状のプラスチック材料および/またはプラスチック物体に使用できる。本発明の染料またはそのような染料の混合物を使用できる。例えば、本発明のフォトクロミックベンゾ[f]クロメン染料は、レンズ、特に眼科用レンズ、あらゆる種類の眼鏡レンズ、例えばスキーゴーグル、サングラス、オートバイゴーグル、安全ヘルメットのバイザー、等、に使用できる。さらに、本発明のフォトクロミックベンゾ[f]クロメン染料は、車両および住居における、窓、安全バイザー、カバー、屋根、等の形態にある太陽光保護手段として使用できる。 そのようなフォトクロミック物体を製造するために、本発明のフォトクロミックベンゾ[f]クロメン染料を、先行技術に記載されている様々な方法、例えば国際特許第WO99/15518号に記載する方法、を使用し、重合体材料、例えば有機プラスチック材料、に塗布するか、またはその中に埋め込むことができる。 材料染色方法と表面染色方法とは区別する。材料染色方法は、例えば本発明のフォトクロミック化合物をプラスチック材料中に、例えば重合を行う前にフォトクロミック化合物を単量体状材料に加えることにより、溶解または分散させることを含んでなる。フォトクロミック物体を製造するためのもう一つの方法は、例えばプラスチック材料を本発明のフォトクロミック染料の高温溶液に浸漬することにより、あるいは熱的転写方法により、プラスチック材料にフォトクロミック化合物を含浸させることである。フォトクロミック化合物は、隣接するプラスチック材料の層間に、別の層の形態で、例えば重合体フィルムの一部として、加えることもできる。さらに、フォトクロミック化合物を、プラスチック材料の表面上に被覆の一部として塗布することもできる。含浸の用語は、例えばフォトクロミック化合物を溶剤の作用により重合体マトリックス中に移動させることにより、気相移動により、または他のそのような表面拡散過程により、フォトクロミック化合物をプラスチック材料中へ移行させることを意味するものと理解すべきである。そのようなフォトクロミック物体、例えば眼鏡レンズ、は、通常の材料染色によるのみならず、表面染色によっても、同様に有利に製造することができ、驚くべきことに、この表面染色により、移行傾向を低くすることができる。これは、その後に続く仕上げ工程の場合に、例えば反射防止被覆を施す場合に有利であり、真空における逆拡散(back diffusion)が低いために、層の分離および類似の欠陥を劇的に低減させることができる。 従って、全体的に、本発明のフォトクロミックh−縮合ベンゾ[f]クロメン誘導体を使用することにより、(化学的な観点から、および色に関して許容される)どのような相容性のある染色も可能である、すなわち、染料をプラスチック材料に塗布し、または中に埋め込み、美的ファクターならびに医学的または流行に適合させることができる。従って、具体的に選択する染料は、意図する効果および必要条件に応じて、変えることができる。 本発明の、一般式(I)および/または(II)、(III)および(IV)を有するフォトクロミックh−縮合ベンゾ[f]クロメン誘導体は、適切に置換した、縮合2−ナフトール誘導体と適切に置換した2−プロピン−1−オール誘導体の、公知の方法(国際特許第WO02/22594号参照)における反応により、合成することができる。本発明の化合物の製造を以下に、一般的な反応図式(図1参照)により説明する。 保護された酢酸官能基をオルト位置に有する、適切に置換した芳香族グリニャール化合物を、環状芳香族脂肪族ケトンの上に付加させる(工程i)。水を解離させ、カルボン酸保護基を除去した後、分子内環化により置換された縮合2−ナフトール誘導体を形成する(工程iiおよびiii)。次いで、これらの2−ナフトール誘導体を、適切に置換した2−プロピン−1−オール誘導体と工程iv)により反応させ本発明の化合物を形成する。反応スキームである。 一般式(I)を有する、フォトクロミックh−縮合ベンゾ[f]クロメン。(式中、 nおよびmは、互いに独立して、0、1または2を表し、 基R1、R2、R3およびR4は、それぞれ互いに独立して、 水素原子、(C1〜C6)アルキル基、(C1〜C6)チオアルキル基、一個以上の異原子を有することができる(C3〜C7)シクロアルキル基、(C1〜C6)アルコキシ基、水酸基、トリフルオロメチル基、臭素、塩素、およびフッ素からなる群α、 未置換の、または一置換若しくは二置換されたフェニル、フェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ナフチルまたはナフトキシ基からなり、置換基をフェニルおよび群αから選択することができる群β、 基R1およびR2、および/またはR3およびR4が、それぞれ、芳香族環に結合された−A−(CH2)k−D−基または−A−(C(CH3)2)k−D−基(ここでk=1または2であり、AおよびDは、互いに独立して、酸素、硫黄、CH2、C(CH3)2またはC(C6H5)2から選択され、やはりベンゾ環が、前記−A−(CH2)k−D−基に縮合されていてよい。)で表される群γから選択されるものであり、 基R5、R6、R7およびR8は、それぞれ互いに独立して、フェニルおよび群αから選択されるか、または、基R5およびR6が、直接隣接するベンゾ環の基R3と共に縮合して、未置換の、または一置換若しくは二置換されたベンゾ環またはピリド環(この置換基はフェニルおよび群αから選択される。)を形成するか、または、mおよび/またはnが2を表す場合、2個の隣接するCR5R6単位の直接隣接する基R5およびR6、および/または、2個の隣接するCR7R8単位の直接隣接する基R7およびR8が、ともに縮合して、未置換の、または一置換若しくは二置換されたベンゾ環またはピリド環(この置換基はフェニルおよび群αから選択される。)を形成するか、または、基R5およびR6および/または基R7およびR8が一緒に、一個以上の酸素または硫黄等の異原子を有することができる(C3〜C7)シクロアルキル基を形成し、所望によりベンゾ環がこのシクロアルキル基に縮合しており、 Xは、O、SまたはCR9R10から選択されるものであり(ここで、基R9およびR10は、互いに独立して、フェニルおよび群α(但し、R9およびR10がともに水素である場合を除く)から選択されるか、または、基R9およびR10はともに、一個以上の異原子を有することができる(C3〜C7)シクロアルキル基を形成するか、または、基R9およびR10が、直接隣接するCR5R6単位および/またはCR7R8単位の基R5およびR6、および/または、R7およびR8と共に、X−C(R5R6)および/またはX−C(R7R8)結合に縮合した、未置換の、または一置換若しくは二置換されたベンゾ環またはピリド環(この置換基はフェニルおよび群αから選択される。)を形成するが、mおよびnの両方が0である場合、XはCR9R10ではない。) BおよびB'が、互いに独立して、下記の群a)、b)、c)またはd)の一つから選択されるものであり、 a)一、二および三置換されたアリール基であり、ここで前記アリール基はフェニルまたはナフチルであるか、 b)未置換の、または一置換若しくは二置換されたヘテロアリール基(ヘテロアリール基が、ピリジル、フラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、ジベンゾフラニル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イルまたはジベンゾチエニルである。)であり、 a)およびb)におけるアリールまたはヘテロアリール基の置換基は、群α、β若しくはγ、または、未置換の、または一置換若しくは二置換されたアミノ基、から選択される置換基(このアミン置換基は、(C1〜C6)アルキル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、置換されていないフェニルまたはベンジル基、あるいは群α、N−モルホリン基、N−チオモルホリン基、N−ピペリジン基、N−アザシクロヘプタン基、N−ピペラジン基、N−(N’−(C1〜C6−アルキル)ピペラジン基、N−ピロリジン基、N−イミダゾリジン基、N−ピペラゾリジン基、N−アジリジン基、N−アゼチジン基、N−インドリン基、N−カルバゾール基、N−フェノチアジン基、N−フェナジン基、N−フェノキサジン基、N−テトラヒドロキノリン基またはN−テトラヒドロイソキノリン基から選択された一個以上の置換基で置換されたフェニルまたはベンジル基から選択されてよい。)であり、 c)下記の式(V)および(W)を有する構造的単位であり、(式中、 YおよびZは、互いに独立して、O、S、CH2、CMe2、NH、NPhまたはN(C1〜C6)アルキルを意味し、基R12およびR13は、互いに独立して、水素または(C1〜C6)アルキル基を意味し、基R14は、群αから選択された置換基を意味し、pは1、2または3であるか、または d)BおよびB'がともに、未置換の、または一置換若しくは二置換された9,10−ジヒドロアントラセン基、フッ素基、チオキサンテン基またはキサンテン−9−イリデン基、ベンゾ[b]フルオレン−11−イリデン基、5H−ジベンゾ[a,c]シクロヘプテン、ジベンゾスベロンまたは5H−ジベンゾ[a,c]シクロオクタン−5−イリデン基、またはC3〜C12スピロ単環式、C7〜C12スピロ二環式および/またはC7〜C12スピロ三環式である飽和炭化水素基(ここで不飽和環状化合物上の置換基は群αから選択されるものである。)を形成してなるものである。) 式(I)のベンゾ[f]クロメン系の、h位置において縮合した環および/または複素環が、五員環、六員環または七員環である、請求項1に記載のフォトクロミックベンゾ[f]クロメン。 下記一般式(II)、(III)および/または(IV)を有する、フォトクロミックベンゾ[f]クロメン。(式中、 基R1、R2、R3およびR4は、それぞれ互いに独立して、 水素原子、(C1〜C6)アルキル基、(C1〜C6)チオアルキル基、一個以上の異原子を有することができる(C3〜C7)シクロアルキル基、(C1〜C6)アルコキシ基、水酸基、トリフルオロメチル基、臭素、塩素、およびフッ素からなる群α、 未置換の、または一置換若しくは二置換されたフェニル、フェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ナフチルまたはナフトキシ基からなり、置換基をフェニルおよび群αから選択することができる群β、 基R1およびR2、および/またはR3およびR4が、それぞれ、芳香族環に結合された−A−(CH2)k−D−基または−A−(C(CH3)2)k−D−基(ここでk=1または2であり、AおよびDは、互いに独立して、酸素、硫黄、CH2、C(CH3)2またはC(C6H5)2から選択され、やはりベンゾ環が、前記−A−(CH2)k−D−基に縮合されていてよい。)で表される群γから選択されるものであり、 BおよびB'は、互いに独立して、下記の群a)、b)、c)またはd)の一つから選択されるものであり、 a)一、二および三置換されたアリール基であり、ここで前記アリール基はフェニルまたはナフチルであるか、 b)未置換の、または一置換若しくは二置換されたヘテロアリール基(ヘテロアリール基が、ピリジル、フラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、ジベンゾフラニル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イルまたはジベンゾチエニルである。)であり、 a)およびb)におけるアリールまたはヘテロアリール基の置換基は、群α、β若しくはγ、または、未置換の、または一置換若しくは二置換されたアミノ基、から選択される置換基(このアミン置換基は、(C1〜C6)アルキル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、置換されていないフェニルまたはベンジル基、あるいは群α、N−モルホリン基、N−チオモルホリン基、N−ピペリジン基、N−アザシクロヘプタン基、N−ピペラジン基、N−(N’−(C1〜C6−アルキル)ピペラジン基、N−ピロリジン基、N−イミダゾリジン基、N−ピペラゾリジン基、N−アジリジン基、N−アゼチジン基、N−インドリン基、N−カルバゾール基、N−フェノチアジン基、N−フェナジン基、N−フェノキサジン基、N−テトラヒドロキノリン基またはN−テトラヒドロイソキノリン基から選択された一個以上の置換基で置換されたフェニルまたはベンジル基から選択されてよい。)であり、 c)下記の式(V)および(W)を有する構造的単位であり、(式中、 YおよびZは、互いに独立して、O、S、CH2、CMe2、NH、NPhまたはN(C1〜C6)アルキルを意味し、基R12およびR13は、互いに独立して、水素または(C1〜C6)アルキル基を意味し、基R14は、群αから選択された置換基を意味し、pは1、2または3であるか、または d)BおよびB'がともに、未置換の、または一置換若しくは二置換された9,10−ジヒドロアントラセン基、フッ素基、チオキサンテン基またはキサンテン−9−イリデン基、ベンゾ[b]フルオレン−11−イリデン基、5H−ジベンゾ[a,c]シクロヘプテン、ジベンゾスベロンまたは5H−ジベンゾ[a,c]シクロオクタン−5−イリデン基、またはC3〜C12スピロ単環式、C7〜C12スピロ二環式および/またはC7〜C12スピロ三環式である飽和炭化水素基(ここで不飽和環状化合物上の置換基は群αから選択されるものである。) 式(II)において、X=OまたはSであり、 式(III)において、XおよびX'は、互いに独立して、O、SまたはCR9R10から選択されるが、両者の少なくとも一方はCR9R10であり、 式(IV)において、X、X'およびX”は、互いに独立して、O、SまたはCR9R10から選択されるが、X'=OまたはSである場合、XおよびX”=CR9R10であり、 基R9およびR10は、互いに独立して、フェニルおよび群α(但し、R9およびR10がともに水素である場合を除く)から選択されるか、または、基R9およびR10はともに、一個以上の異原子を有することができる(C3〜C7)シクロアルキル基を形成する。) 前記基R1、R2、R3およびR4が、群αおよびβから選択されるものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフォトクロミックベンゾ[f]クロメン。 前記基R5、R6、R7およびR8が、互いに独立して群αから選択されるものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフォトクロミックベンゾ[f]クロメン。 式(I)、(II)、(III)および/または(IV)におけるBおよびB'が、互いに独立して、一、二または三置換されたアリール基(このアリール基は、フェニル基またはナフチル基である。)を意味する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフォトクロミックベンゾ[f]クロメン。 2−(4−メトキシフェニル)−2−フェニル−2H−ベンゾフラノ[1,2−h]ベンゾ[f]クロメン、 2−(4−メトキシフェニル)−2−フェニル−2H−ベンゾチオフェノ[1,2−h]ベンゾ[f]クロメン、 2−(4−メトキシフェニル)−2−フェニル−2H,13H−クロメノ[1,2−h]ベンゾ[f]クロメン、 2−(4−メトキシフェニル)−2−フェニル−2H,14H−クロメノ[1,2−h]ベンゾ[f]クロメン、およびを含んでなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフォトクロミックベンゾ[f]クロメン。 請求項1〜7のいずれか一項に記載のフォトクロミックベンゾ[f]クロメンの、プラスチック材料における使用。 前記プラスチック材料が眼科用レンズである、請求項8に記載の使用。