タイトル: | 特許公報(B2)_メチルチオニニウム塩化物(MTC)などのジアミノフェノチアジニウム化合物を化学合成および精製する方法 |
出願番号: | 2007532950 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | C07D 279/18,C07B 61/00,A61K 31/5415,A61P 25/00,A61P 25/14,A61P 25/16,A61P 25/28,A61P 31/04,A61P 31/12,A61P 31/14,A61P 31/18,A61P 33/00,A61P 33/06,A61P 35/00,A61P 43/00 |
ストレイ,ジョン,マーヴィン,デヴィッド シンクレアー,ジェームス,ピーター マーシャル,コリン タン,ハン,ウォン ウィスチク,クラウド,ミシェル JP 5186212 特許公報(B2) 20130125 2007532950 20050921 メチルチオニニウム塩化物(MTC)などのジアミノフェノチアジニウム化合物を化学合成および精製する方法 ウィスタ ラボラトリーズ リミテッド 507092676 平木 祐輔 100091096 石井 貞次 100096183 藤田 節 100118773 藤井 愛 100125508 ストレイ,ジョン,マーヴィン,デヴィッド シンクレアー,ジェームス,ピーター マーシャル,コリン タン,ハン,ウォン ウィスチク,クラウド,ミシェル GB 0421234.6 20040923 GB 0503343.6 20050217 GB PCT/GB2005/003441 20050907 20130417 C07D 279/18 20060101AFI20130328BHJP C07B 61/00 20060101ALN20130328BHJP A61K 31/5415 20060101ALN20130328BHJP A61P 25/00 20060101ALN20130328BHJP A61P 25/14 20060101ALN20130328BHJP A61P 25/16 20060101ALN20130328BHJP A61P 25/28 20060101ALN20130328BHJP A61P 31/04 20060101ALN20130328BHJP A61P 31/12 20060101ALN20130328BHJP A61P 31/14 20060101ALN20130328BHJP A61P 31/18 20060101ALN20130328BHJP A61P 33/00 20060101ALN20130328BHJP A61P 33/06 20060101ALN20130328BHJP A61P 35/00 20060101ALN20130328BHJP A61P 43/00 20060101ALN20130328BHJP JPC07D279/18C07B61/00 300A61K31/5415A61P25/00A61P25/14A61P25/16A61P25/28A61P31/04A61P31/12A61P31/14A61P31/18A61P33/00A61P33/06A61P35/00A61P43/00 111 C07D 279/00 CAplus/REGISTRY/CASREACT(STN) 特開平11−502925(JP,A) 国際公開第2002/096896(WO,A1) 特開平04−501717(JP,A) 特開平04−507403(JP,A) 特表2007−512297(JP,A) 英国特許出願公開第02373787(GB,A) 特開平05−170752(JP,A) 48 GB2005003634 20050921 WO2006032879 20060330 2008513535 20080501 91 20080919 鳥居 福代 本出願は、2004年9月23日に出願された英国特許出願GB 0421234.6、2005年2月17日に出願された英国特許出願GB 0503343.6、2005年9月7日に出願された国際特許出願PCT/GB2005/003441に関連し、これらすべての内容は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。 本発明は全体としては化学合成および精製の分野に属し、より具体的にはメチルチオニニウム塩化物(MTC)(メチレンブルー[Methylene Blue]とも呼ばれる)などのある種の3,7-ジアミノ-フェノチアジン-5-イウム化合物(本明細書では「ジアミノフェノチアジニウム化合物」と呼ばれている)を合成および精製する方法に関する。本発明はまたその得られた(高純度の)化合物、その化合物を含む組成物(例えば、タブレット、カプセル)、および病原体を不活性化する方法におけるその使用、ならびに例えばタウオパシー、アルツハイマー病(AD)、皮膚癌、黒色腫、ウイルス性疾患、細菌性疾患、および原虫性疾患を医学的に治療および診断等する方法に関する。 この明細書を通して、また前出の特許請求の範囲を含めて、文中で特に断らない限り、単語「含む」および「含んでいる」のような変形体は、記載されている整数もしくはステップまたは整数の群もしくはステップの群の包含を意味するものであって、他の整数もしくはステップまたは整数の群もしくはステップの群の排除を意味するものではないと理解されたい。 注記しておかなければならないのは、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されている単数形には、文中で明確に断らない限り、その複数形も含まれることである。つまり、例えば、「医薬担体」と記載されている場合、2種以上のそのような担体の混合物も含まれる、などである。 本明細書では、範囲は、「約」1つの特定の値から、および/または「約」別の特定の値までと、多くの場合表現されている。そのような範囲が表現されている場合、「1つの特定の値」からおよび/または「別の特定の値」までは、別の実施形態に含まれることになる。同様に、先行詞「約」を使用することによって値が近似として表現されている場合、その特定の値は、別の実施形態を形成することは理解されると思われる。メチルチオニニウム塩化物(MTC)(メチレンブルーとも呼ばれる) メチルチオニニウム塩化物(MTC)(メチレンブルー(MB);メチルチオニン塩化物;テトラメチルチオニン塩化物;3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン-5-イウム塩化物、C.I.ベーシック・ブルー9[C.I. Basic Blue 9];テトラメチルチオニン塩化物;3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェナザチオニウム塩化物;スイスブルー[Swiss blue]、C.I. 52015、C.I.ソルベントブルー[Solvent Blue]8;アニリンバイオレット;およびウロレン・ブルー[Urolene Blue](登録商標);とも呼ばれる)は、以下の式:で表される低分子量(319.86)、水可溶性の三環式有機化合物である。 おそらく最もよく知られたフェノチアジン染料でありまた酸化還元指示薬でもあるメチルチオニニウム塩化物(MTC)(メチレンブルーとも呼ばれる)はまた、生体システムの光プローブとして、ナノ多孔質材料におけるインターカレータとして、酸化還元メディエータとして、またフォトエレクトロクロミックイメージングで用いられてきた。 例えば、Colour Index (Vol. 4, 3rd edition, 1971)およびLillie et al., 1979ならびにそこに引用されている文献を参照されたい。 MTCは、1877年にドイツ特許で初めて記載された(Badische-Anilin- und Soda-Fabrik, 1877)。この特許では、MTCは、ジメチルアニリンのニトロシル化、そのあとの還元によるN,N-ジメチル-1,4-ジアミノベンゼンの生成、およびそのあとの硫化水素(H2S)および塩化鉄(III)(FeCl3)の存在下での酸化的カップリングにより合成された。 BernthsenはMTCのそのあとの研究およびその合成方法を記載している[Bernthsen, 1885a, 1885b, 1889を参照されたい]。 Fierz David and Blangley, 1949もジメチルアニリンからのMTCの合成方法を記載しており、以下のスキームによって示される。スキーム1 ステップ(a)で、ジメチルアニリンを酸(HCl)水溶液中で亜硝酸塩(NaNO2)により処理することによりニトロソジメチルアニリンが調製される。ステップ(b)で、このニトロソ化合物が酸(HCl)水溶液中で亜鉛粉末溶液により還元されてp-アミノジメチルアニリンが生成する。ステップ(c)、(d)、および(e)で、このp-アミノジメチルアニリンが、酸水溶液中でもう1分子のジメチルアニリンで酸化され、同時にチオスルホン酸基が導入され、生成した環がこのあと二酸化マグネシウムまたは硫酸銅により閉じられる。より具体的には、p-アミノジメチルアニリンの透明な中性溶液を酸性化し(H2SO4)、非還元的塩化亜鉛溶液を加える(Na2Cr2O7と一緒のZnCl2)。チオ硫酸アルミニウム(Al2(S2O3)3)およびチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)を加える。この混合物を加熱し、曝気する。ジメチルアニリンを加える。重クロム酸ナトリウム(Na2Cr2O7)を加える。この混合物を加熱すると、ビンドシェドラー・グリーン[Bindschedler Green]であるチオスルホン酸が生成されて、色が深い緑がかった青となる。二酸化マグネシウムまたは硫酸銅を加え、その混合物を加熱すると、この染料が濃縮された塩化亜鉛溶液から沈殿する。 Colour Index (Vol. 4, 3rd edition, 1971), p. 4470にも非常によく似た合成方法が記載されている。 Masuya et al., 1992には、ある種のフェノチアジン誘導体およびその調製方法ならびに化学発光を利用した癌光力学的療法および免疫アッセイにおけるその使用が記載されている。この化合物は、上記で述べた経路と同じような経路により調製される。 Leventis et al., 1997にはある種のMTC類似物の合成方法が記載されており、ここでは出発物質としてフェノチアジンが用いられており、所望の3,7-置換基がハロゲン化およびそのあとのアミノ化により付加される。この著者は、N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミンのNa2S2O3の存在下でのNa2Cr2O7を用いての酸化、そのあとのN,N-ジメチルアミンの存在下でのさらなる酸化によりMTCは商業的に合成されていると主張している。 Marshall and Lewis, 1975aには、溶媒抽出および結晶化による市販のMTCおよびアズールB[Azure B]の精製が記載されている。この著者は、緩衝pH 9.5にあるMTC/アズールB水性混合物は四塩化炭素による抽出によって分離できると主張している。四塩化炭素はアズールBを除去する一方MTCを水性層に残す。この著者はさらに、塩酸を用いての濃度0.25 NにあるMTCの低温度結晶化により金属不純物が除去されると主張している。しかしながら、該文献に報告されている有機物純度分析は薄層クロマトグラフィーに基づいたものであり、これは定量化に適したものではない。また、硫酸化灰についての微量分析は、サンプルに金属が入っていないことを示すものではない。(1975年当時の優先的な手法は、原子吸光法である)。 Marshall and Lewis, 1975bには、市販のチアジン染料における金属不純物の原子吸光分光測光法による分析が記載されている。この著者は、金属濃度が個々のサンプル間で0.02%〜25.35%と大きく変わる38個のサンプルを報告しており、検査された金属は鉄、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛であった。この著者はまた、分析をしなかった他の金属が存在していたかも知れないと報告している。MTCの合成過程にはアルミニウム、クロム、マグネシウム、および銅のすべてが関与しており、存在していることはほぼ確実である。重要なことには、この著者は、市販MTCサンプルの金属含量が大きく変動していることを報告している。 Lohr et al., 1975には、カラムクロマトグラフィーによるアズールBの精製、具体的にはクロマトグラフィーにより分離して所望生成物を単離しそのあとイオン交換により元の塩化物に戻すことが記載されている。この著者は、この方法により、MTCのような他のカチオン染料も精製できると主張している。だが、カラムクロマトグラフィーは、MTCの大規模精製には適した方法でない。 Fierz David et al., 1949には、MTCの塩化亜鉛複塩を合成することについてならびに炭酸ナトリウムを用いてのキレート化により亜鉛を除去しそのあと濾過して無亜鉛のメチレンブルーを生成させることについて記載されている。けれども、この著者は、この方法は、収量が取るに足らないので、大きい規模には用いることができないことを認めている。 MTCは、現在、メトヘモグロビン血症(血液が、身体の酸素を必要とするところに酸素を運ぶことができないときに起こる病態)を治療するのに用いられている。MTCはまた、医用染料(例えば、手術の前またはその間に身体の特定の部分を染色するのに);診断用染料(例えば、尿中に存在している特定の化合物を検出するための指示薬染料として);緩効性尿防腐薬;粘膜表面刺激薬;腎臓結石の治療薬および予防薬;としても、また黒色腫の診断および治療でも用いられている。 MTCは、マラリアを単品で(Guttmann & Ehrlich, 1891)、またはクロロキン[Chloroquine]との組み合せで(Schirmer et al. 2003;Rengelhausen et al. 2004)治療するのに用いられてきた。ヒトでのマラリアは、次のプラスモディウム[Plasmodium]属の4つの原虫種:熱帯熱マラリア原虫[P. falciparum]、三日熱マラリア原虫[P. vivax]、卵形マラリア原虫[P. ovale]、または四日熱マラリア原虫[P. malariae]、のうちの1つによって引き起こされる。これらの種は全部、感染したメスのハマダラカ属の蚊が刺すことによってヒトに伝染する。時々、輸血によって、臓器移植によって、注射針共用によって、あるいは妊娠中の母から胎児へと伝染が起こる。マラリアは、毎年、世界中で3億〜5億人の感染とおよそ100万人の死を引き起こす。しかしながら、薬物耐性が主な関心事となっており、マラリアが関係するほぼすべての死の原因となっている種である熱帯熱マラリア原虫[P. falciparum]のそれが最も大きい。現在マラリアの予防に推奨されている医薬または医薬の組み合せとしては、クロロキン/プログアニル[proguanil]塩酸塩、メフロキン[mefloquine]、ドキシサイクリン[doxycycline]およびプリマキン[primaquine]が挙げられる。 MTC(Bioenvision Inc.[New York]から商品名Virostatとして販売されている)は、インビトロで有効な殺ウイルス活性があることが分かっている。具体的には、Virostatは、HIVや西ナイルウイルス[West Nile virus]のようなウイルスに対して、実験室試験で、有効である。西ナイルウイルス(WNV)は、中枢神経系に影響を及ぼすおそれがある深刻な病気である。感染した人々の大多数は、目に見える症状や、熱や頭痛のような緩いインフルエンザ様の症状を見せることはない。およそ150人に1人が、震え、痙攣、筋衰弱、失明、痺れ、麻痺や昏睡などの深刻な症状を起こす。普通、WNVは感染した蚊が刺すことによって広まるが、輸血を通して、臓器移植を通して、母乳による授乳を通して、あるいは妊娠中の母から子へと広まることもある。Virostatはまた、現在、慢性C型肝炎の治療についての臨床試験中である。C型肝炎は、肝臓のウイルス感染である。このウイルス(HCV)が、急性肝炎や慢性肝臓疾患(例えば肝硬変や肝臓癌など)の原因因子である。HCVは、主にヒトの血液と直接接触することで広まる。世界中のHCV感染の主な原因は、検査を受けていない輸血血液の使用、および適切に殺菌されていない注射および注射針の再使用である。世界保健機構は、C型肝炎は地球規模の健康問題であると宣言しており、世界の人口のおよそ3%がHCVに感染しており、また感染は地域によって相当変わる。合衆国における有病率は1.3%つまりおよそ350万人と推定されている。エジプトは人口がおよそ6200万人であり、C型肝炎の有病率が世界で最も高く、国民約6200万人の20%超と推定されている。 MTCは、光と組み合せられると、核酸(DNAまたはRNA)の複製を阻害することができる。血漿、血小板、赤血球には核DNAもRNAも含まれていない。血液構成成分中にMTCが導入されると、MTCは細菌細胞壁やウイルス膜を横切りそのあと核酸構造体の内側に移動する。光で活性化されると、この化合物は次にウイルスもしくは細菌病原体の核酸に結合して、DNAもしくはRNAの複製を阻害する。MTCは病原体を不活性化するよう設計されているので、試験で検出されずに残っているであろうと思われる病原体の伝染のリスクを小さくする可能性をMTCは有している。 MTCおよびその誘導体(例えば、「ジアミノフェノチアジニウム化合物」)は、タウオパシー(例えば、アルツハイマー病など)の治療に有用であることが分かっている(例えば、Wischik, C.M., et al., 1996, 2002を参照されたい)。 合衆国では、MTCの経口製剤および非経口製剤は商業的に入手可能である(普通は商品名Urolene Blue(登録商標)で)。しかしながら、これらの製剤は、相当なる量の金属不純物を含んでいる。これらの不純物は極めて望ましくないものであり、不純物の多くは(例えば、Al、Cr、Fe、Cuなど)、欧州保健機関が設定した安全限度値を超えている。 このように、より高い純度(例えば、医薬等級の純度、例えば金属含量が低いあるいは減らされていることによってヒトが消費するのに安全な純度)のMTCなどのジアミノフェノチアジニウム化合物に対する大きいニーズがある。 本発明者は、極めて高い純度の生成物、特に欧州健康機関(例えば、欧州薬局方)が設定した安全限度値を満たす(また多くの場合それを超える)、望ましくない不純物(有機も金属も)が極めて低いレベルにある生成物を生じる、(MTCなどの)ジアミノフェノチアジニウム化合物の合成方法を開発した。 誇張するものではないが、本明細書に記載されている方法により調製したMTCは、世界中で入手可能なもののなかでも最も純粋である。発明の概要 本発明の一態様は、高純度のジアミノフェノチアジニウム化合物などのジアミノフェノチアジニウム化合物を合成する方法に関する。 本発明の別の態様は、ジアミノフェノチアジニウム化合物を精製する方法に関する。 本発明の別の態様は、本明細書に記載されている方法によって得られるもしくは得ることができる高純度のジアミノフェノチアジニウム化合物に関する。 本発明の別の態様は、本明細書に記載されている高純度のジアミノフェノチアジニウム化合物を含む組成物(例えば、医薬組成物、例えばタブレット、カプセル)に関する。 本発明の別の態様は、例えば本明細書で論じられている疾患または症状に関して治療によってヒトもしくは動物の身体を治療する方法で使用するための本明細書で記載される高純度のジアミノフェノチアジニウム化合物に関する。 本発明の別の態様は、病原体を不活性化する方法で使用するための本明細書で記載される高純度のジアミノフェノチアジニウム化合物に関する。 本発明の別の態様は、例えばタウオパシー(例えば、アルツハイマー病)の治療で使用するための医薬を製造するための本明細書で記載される高純度のジアミノフェノチアジニウム化合物の使用に関する。 本発明の別の態様は、例えばタウオパシー(例えば、アルツハイマー病)の治療で使用するための医薬を製造する方法の一部としての、本明細書で記載される高純度のジアミノフェノチアジニウム化合物を合成する方法の使用に関する。 本発明の別の態様は、患者における例えばタウオパシー(例えば、アルツハイマー病)を治療する方法であって、そのような患者に本明細書に記載されている高純度のジアミノフェノチアジニウム化合物の治療的に有効な量を投与することを含む前記方法に関する。 当業者なら分かると思われるが、本発明の一態様の構成要件および好ましい実施形態は、本発明の他の態様にも関する。詳細な説明化合物 全体としては、本発明は、本明細書で「ジアミノフェノチアジニウム化合物」と集合的に呼ばれる以下の式:[式中: R1およびR9はそれぞれ、-H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、およびハロゲン化C1〜4アルキルから独立に選択され; R3NAおよびR3NBはそれぞれ、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、およびハロゲン化C1〜4アルキルから独立に選択され; R7NAおよびR7NBはそれぞれ、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、およびハロゲン化C1〜4アルキルから独立に選択され; Xは、電気的中性を保つための1個または複数個のアニオン対イオンである]で表されるある種の3,7-ジアミノ-フェノチアジン-5-イウム化合物の調製方法に関するものである。 上記構造は、多くある等価共鳴構造体のうちの単なる一つである。そのいくつかを以下に示しておく。これらはすべて、上記構造によって包含されるものとする。 一実施形態では、C1〜4アルキル基は:線状C1〜4アルキル基[例えば-Me、-Et、-nPr、-iPr、および-nBu];分枝状C3〜4アルキル基[例えば-iPr、-iBu、-sBu、および-tBu];および環状C3〜4アルキル基[例えば-cPrおよび-cBu]から選択される。 一実施形態では、C2〜4アルケニル基は、線状C1〜4アルケニル基[例えばCH=CH2(ビニル)および-CH2-CH=CH2(アリル)]から選択される。 一実施形態では、ハロゲン化C1〜4アルキル基は:-CF3、-CH2CF3、および-CF2CF3から選択される。 一実施形態では、R1およびR9はそれぞれ独立に-H、-Me、-Et、もしくは-CF3である。 一実施形態では、R1およびR9はそれぞれ独立に-H、-Me、もしくは-Etである。 一実施形態では、R1およびR9はそれぞれ独立に-Hである。 一実施形態では、R1およびR9はそれぞれ独立に-Meである。 一実施形態では、R1およびR9はそれぞれ独立に-Etである。 一実施形態では、R1およびR9は同じである。 一実施形態では、R1およびR9は異なっている。 一実施形態では、R3NAおよびR3NBはそれぞれ独立に-Me、-Et、-nPr、-nBu、-CH2-CH=CH2、もしくは-CF3である。 一実施形態では、R3NAおよびR3NBはそれぞれ独立に-Meもしくは-Etである。 一実施形態では、R3NAおよびR3NBはそれぞれ独立に-Meである。 一実施形態では、R3NAおよびR3NBはそれぞれ独立に-Etである。 一実施形態では、R3NAおよびR3NBは同じである。 一実施形態では、R3NAおよびR3NBは異なっている。 一実施形態では、R7NAおよびR7NBはそれぞれ独立に-Me、-Et、-nPr、-nBu、-CH2-CH=CH2、もしくは-CF3である。 一実施形態では、R7NAおよびR7NBはそれぞれ独立に-Meもしくは-Etである。 一実施形態では、R7NAおよびR7NBはそれぞれ独立に-Meである。 一実施形態では、R7NAおよびR7NBはそれぞれ独立に-Etである。 一実施形態では、R7NAおよびR7NBは同じである。 一実施形態では、R7NAおよびR7NBは異なっている。 一実施形態では、R3NAおよびR3NBならびにR7NAおよびR7NBは同じである。 一実施形態では、基-N(R3NA)(R3NB)および-N(R7NA)(R7NB)は同じである。 一実施形態では、基-N(R3NA)(R3NB)および-N(R7NA)(R7NB)は同じであり、そして:-NMe2、-NEt2、-N(nPr)2、-N(Bu)2、-NMeEt、-NMe(nPr)、および-N(CH2CH=CH2)2から選択される。 一実施形態では、基-N(R3NA)(R3NB)および-N(R7NA)(R7NB)は同じであり、そして:-NMe2および-NEt2から選択される。 一実施形態では、基-N(R3NA)(R3NB)および-N(R7NA)(R7NB)は-NMe2以外のものである。 一実施形態では、1個以上の炭素原子は11Cまたは13Cである。 一実施形態では、1個以上の炭素原子は11Cである。 一実施形態では、1個以上の炭素原子は13Cである。 一実施形態では、1個以上の窒素原子は15Nである。 一実施形態では、基R3NA、R3NB、R7NAおよびR7NBの1つ以上またはすべてにおける炭素原子の1つ以上またはすべてが13Cである。 一実施形態では、基-N(R3NA)(R3NB)および-N(R7NA)(R7NB)のそれぞれが-N(13CH3)2である。 一実施形態では、R1およびR9のそれぞれが-Hであり、基-N(R3NA)(R3NB)および-N(R7NA)(R7NB)のそれぞれが-N(13CH3)2である。 一実施形態では、R1およびR9のそれぞれが-Hであり;基-N(R3NA)(R3NB)および-N(R7NA)(R7NB)のそれぞれが-N(13CH3)2であり;X-がCl-である。 一実施形態では、X-は独立にハロゲンアニオン(すなわち、ハロゲン化物)である。 一実施形態では、X-は独立にCl-、Br-、もしくはI-である。 一実施形態では、X-は独立にCl-である。 一実施形態では、化合物は混合塩[例えば、ZnCl2混合塩]の形態にある。 このような化合物の例としては、以下が挙げられる。合成方法A 本発明で特許請求されている方法Aと公知の方法との間におけるひとつの重要な差は、双性イオン中間体(6)の単離および精製(IAPOZI)のステップである。この単離および精製のステップが、(なかでも、双性イオン中間体の安定性の向上および副反応の減少により)そのあとの閉環のステップでの収率の向上ならびに最終生成物ジアミノフェノチアジニウム化合物の純度の向上を生み出す。従来の方法では、双性イオン中間体は単離されず、反応混合物は、変えられることなく、次のステップで用いられる。 本発明で特許請求されている方法Aと公知の方法との間における別の重要な差は、Cr(VI)の還元のステップである。Cr(VI)が、(少なくとも)酸化的カップリングのステップで使用される。残留のCr(VI)は、深刻な問題を起こす。第一には、高いレベルの残留Cr(VI)のような非常に有毒な不純物は、薬局での使用に向けられた医薬品には許されない。残留のCr(VI)をCr(III)[これは毒性がずっと低い形態である]に還元することで、医薬品の規格をより容易に満たすことができる。第二には、残留のCr(VI)は双性イオン中間体を不安定化し、後続の閉環(RC)のステップを妨害する、つまり最終的なジアミノフェノチアジニウム化合物の収量を少なくする。残留のCr(VI)をCr(III)に還元することで、最終的なジアミノフェノチアジニウム化合物の収量は大きく増加する。 加えて、クロムはCr(VI)の形態にあるときよりもCr(III)の形態にあるときのほうが容易に除去することができる。残留のCr(VI)をCr(III)に還元することで、残留のクロムが非常に低いレベルの生成物を得ることができる。 本発明で特許請求されている方法Aと公知の方法との間における別の重要な差は処理ステップ、すなわち塩化物塩の、硫化物処理(ST)、ジメチルジチオカルバメート処理 (DT)、カーボネート処理(CT)、エチレンジアミン四酢酸処理(EDTAT)、または有機溶媒抽出(OE)のうちの1つ以上による処理である。この追加的なステップ(1以上)が、得られるジアミノフェノチアジニウム化合物の純度を大きく高める。 一実施形態では、合成方法は、 酸化的カップリング(OC); 双性イオン中間体の単離および精製(IAPOZI); 閉環(RC);のステップを順番に含む。 一実施形態では、合成方法は、 酸化的カップリング(OC); Cr(VI)還元(CR); 双性イオン中間体の単離および精製(IAPOZI); 閉環(RC);のステップを順番に含む。 一実施形態では、合成方法は追加的に、 チオスルホン酸生成(TSAF);の初期ステップを含む。 一実施形態では、合成方法は追加的に、 ニトロシル還元(NR); チオスルホン酸生成(TSAF);の初期ステップを含む。 一実施形態では、合成方法は追加的に、 ニトロシル化(NOS); ニトロシル還元(NR); チオスルホン酸生成(TSAF);の初期ステップを含む。 一実施形態では、合成方法は追加的に、 塩化物塩生成(CSF);の後続のステップを含む。 一実施形態では、合成方法は追加的に、 硫化物処理(ST); ジメチルジチオカルバメート処理(DT); カーボネート処理(CT);および エチレンジアミン四酢酸処理(EDTAT);から選択される後続のステップを含む。 一実施形態では、合成方法は追加的に、 硫化物処理(ST); ジメチルジチオカルバメート処理(DT); カーボネート処理(CT); エチレンジアミン四酢酸処理(EDTAT);および 有機抽出(OE);から選択される後続のステップを含む。 一実施形態では、合成方法は追加的に、 硫化物処理(ST); ジメチルジチオカルバメート処理(DT); カーボネート処理(CT);および エチレンジアミン四酢酸処理(EDTAT);から選択される後続のステップ、およびその後の、 有機抽出(OE);の後続のステップを含む。 一実施形態では、合成方法は追加的に、 硫化物処理(ST);から選択される後続のステップ、およびその後の、 有機抽出(OE);の後続のステップを含む。 一実施形態では、合成方法は追加的に、 有機抽出(OE);の後続のステップを含む。 一実施形態では、合成方法は追加的に、 再結晶化(RX);の後続のステップを含む。 つまり、一実施形態では、合成方法は、 ニトロシル化(NOS); ニトロシル還元(NR); チオスルホン酸生成(TSAF); 酸化的カップリング(OC); Cr(VI)還元(CR); 双性イオン中間体の単離および精製(IAPOZI); 閉環(RC); 塩化物塩生成(CSF); 以下のひとつ以上: 硫化物処理(ST)、 ジメチルジチオカルバメート処理(DT)、 カーボネート処理(CT)、および エチレンジアミン四酢酸処理(EDTAT); 有機抽出(OE); 再結晶化(RX);のステップを順番に含む。 一実施形態では、合成方法は2ポット法である。 一実施形態では、合成方法は3ポット法である。 これらの方法は、R1およびR9が-Hであるジアミノフェノチアジニウム化合物の合成に特に適している。 これらの方法は、メチルチオニニウム塩化物(MTC)(メチレンブルーとも呼ばれる)の合成に特に適している。精製方法 本発明の別の態様は、ある種の3,7-ジアミノ-フェノチアジン-5-イウム化合物、具体的には上記の見出し「化合物」で述べた「ジアミノフェノチアジニウム化合物」を精製する方法に関する。 一実施形態では、精製方法は、MTCを精製する方法である。 一実施形態では、精製方法は、ジアミノフェノチアジニウム化合物(例えば、MTC)全般に、すなわち本明細書に記載されている合成方法によって調製されたものおよび調製されていないと思われるものにも適用される。 例えば、精製方法は、市販のジアミノフェノチアジニウム化合物(例えば、MTC)、例えば比較的不純物の多いものや、望ましくないまたは許容されない高レベルのある種の不純物(例えば、有機不純物、金属など)を含有しているものに適用することができる。 例えば、一実施形態では、精製方法は、市販のMedex(商標)(例えば、Medex Medical Export Co. Ltd.により最初に提供されるMTC)に適用される。 例えば、一実施形態では、精製方法は、市販のUrolene Blue(登録商標)(例えば、Urolene Blue(登録商標)として最初に提供されたMTC)に適用される。 一実施形態では、精製方法は、本明細書に記載されている合成方法によって調製されたジアミノフェノチアジニウム化合物(例えば、MTC)(例えば、本明細書に記載されている合成方法の生成物として最初に提供されるMTC)に適用される。 一実施形態では、精製方法は、 再結晶化(RX); 有機抽出(OE); 再結晶化(RX); 以下から選択される処理ステップ: 硫化物処理(ST)、 ジメチルジチオカルバメート処理(DT)、 カーボネート処理(CT)、および エチレンジアミン四酢酸処理(EDTAT); 再結晶化(RX); 有機抽出(OE);ならびに 再結晶化(RX);から選択される1つ以上のステップを順番に含む。 一実施形態では、精製方法は、 以下から選択される処理ステップ: 硫化物処理(ST)、 ジメチルジチオカルバメート処理(DT)、 カーボネート処理(CT)、および エチレンジアミン四酢酸処理(EDTAT);のステップを含む。 一実施形態では、精製方法は追加的に、 以下から選択される処理ステップ: 硫化物処理(ST)、 ジメチルジチオカルバメート処理(DT)、 カーボネート処理(CT)、および エチレンジアミン四酢酸処理(EDTAT);のステップを含む。 一実施形態では、精製方法は、 硫化物処理(ST);のステップを含む。 一実施形態では、精製方法は追加的に、 硫化物処理(ST);のステップを含む。 一実施形態では、精製方法は、 有機抽出(OE);のステップを含む。 一実施形態では、精製方法は追加的に、 有機抽出(OE);のステップを含む。 一実施形態では、精製方法は、 再結晶化(RX);のステップを含む。。 一実施形態では、精製方法は追加的に、 再結晶化(RX);のステップを含む。 一実施形態では、精製方法は、 以下から選択される処理ステップ: 硫化物処理(ST)、 ジメチルジチオカルバメート処理(DT)、 カーボネート処理(CT)、および エチレンジアミン四酢酸処理(EDTAT);ならびに 有機抽出(OE);のステップを順番に含む。 一実施形態では、精製方法は、 硫化物処理(ST);および 有機抽出(OE);のステップを順番に含む。 一実施形態では、精製方法は、 以下から選択される処理ステップ: 硫化物処理(ST)、 ジメチルジチオカルバメート処理(DT)、 カーボネート処理(CT)、および エチレンジアミン四酢酸処理(EDTAT);ならびに 再結晶化(RX);のステップを順番に含む。 一実施形態では、精製方法は、 硫化物処理(ST);および 再結晶化(RX);のステップを順番に含む。 一実施形態では、精製方法は、 有機抽出(OE);および 再結晶化(RX);のステップを順番に含む。 一実施形態では、精製方法は、 以下から選択される処理ステップ: 硫化物処理(ST)、 ジメチルジチオカルバメート処理(DT)、 カーボネート処理(CT)、および エチレンジアミン四酢酸処理(EDTAT); 有機抽出(OE);ならびに 再結晶化(RX);のステップを順番に含む。 一実施形態では、精製方法は、 硫化物処理(ST); 有機抽出(OE);および 再結晶化(RX);のステップを順番に含む。 一実施形態では、精製方法は、 再結晶化(RX);ならびに 以下から選択される処理ステップ: 硫化物処理(ST)、 ジメチルジチオカルバメート処理(DT)、 カーボネート処理(CT)、および エチレンジアミン四酢酸処理(EDTAT);を順番に含む。 一実施形態では、精製方法は、 再結晶化(RX);および 硫化物処理(ST);のステップを順番に含む。 一実施形態では、精製方法は、 再結晶化(RX);および 有機抽出(OE);のステップを順番に含む。 一実施形態では、精製方法は、 再結晶化(RX); 以下から選択される処理ステップ: 硫化物処理(ST)、 ジメチルジチオカルバメート処理(DT)、 カーボネート処理(CT)、および エチレンジアミン四酢酸処理(EDTAT);ならびに 有機抽出(OE);のステップを順番に含む。 一実施形態では、精製方法は、 再結晶化(RX); 硫化物処理(ST);および 有機抽出(OE);のステップを順番に含む。 一実施形態では、精製方法は、 以下から選択される処理ステップ: 硫化物処理(ST)、 ジメチルジチオカルバメート処理(DT)、 カーボネート処理(CT)、および エチレンジアミン四酢酸処理(EDTAT); 再結晶化(RX);ならびに 有機抽出(OE);のステップを順番に含む。 一実施形態では、精製方法は、 硫化物処理(ST); 再結晶化(RX);および 有機抽出(OE);のステップを順番に含む。 一実施形態では、有機抽出(OE)はジクロロメタン(DCM、CH2Cl2)を用いる。 一実施形態では、再結晶化(RX)のステップは冷酸性再結晶化(RX-CAR)のステップである。ニトロシル化(NOS) このステップでは、以下のスキームに図示されているように、N,N-二置換-3-置換されていてもよいアニリン(1)を4-ニトロシル化してN,N-二置換-3-置換されていてもよい-4-ニトロシルアニリン(2)を生成させる。 一実施形態では、以下のスキームに図示されているように、N,N-ジメチルアニリン(1')を4-ニトロシル化してN,N-ジメチル-4-ニトロシルアニリン(2')を生成させる。 一実施形態では、このニトロシル化はニトライトにより行われる。 一実施形態では、このニトライトはNO2-であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このニトライトはアルカリ金属亜硝酸塩であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このニトライトは亜硝酸ナトリウムもしくは亜硝酸カリウムであるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このニトライトは亜硝酸ナトリウム(NaNO2)である。 一実施形態では、ニトライトのアニリン(1)に対するモル比は0.8〜1.5である。 一実施形態では、このモル比は1.0〜1.5である。 一実施形態では、このモル比は1.1〜1.5である。 一実施形態では、このモル比は1.1〜1.3である。 一実施形態では、このニトロシル化は酸性条件下で行われる。 一実施形態では、このニトロシル化は1以下のpHで行われる。 一実施形態では、このニトロシル化は1〜-1のpHで行われる。 一実施形態では、このニトロシル化は1〜0のpHで行われる。 (特に断らないかぎり、pH値はすべて室温で測定される)。 一実施形態では、酸性の条件は強酸により達成される。 一実施形態では、この酸性の条件はHCl(これは1つの強酸プロトンを有している)を用いて達成される。 一実施形態では、酸プロトンのアニリン(1)に対するモル比は1〜4である。 一実施形態では、その範囲は2〜4である。 一実施形態では、その範囲は3〜4である。 一実施形態では、その比は約3.2である。 一実施形態では、その範囲は2〜3である。 一実施形態では、その範囲は2.25〜2.75である。 一実施形態では、その比は約2.5である。 一実施形態では、反応は水性媒体中で行われる。 一実施形態では、その反応温度は2〜25℃である。 一実施形態では、反応温度は2〜15℃である。 一実施形態では、反応温度は2〜10℃である。 一実施形態では、反応温度は約5℃である。 一実施形態では、反応時間は10〜240分である。 一実施形態では、反応時間は30〜120分である。 一実施形態では、反応時間は約60分である。 一実施形態では、反応混合物はこの反応ステップの間中撹拌される。ニトロシル還元(NR) このステップでは、以下のスキームに図示されているようにN,N-二置換-3-置換されていてもよい-4-ニトロシルアニリン(2)を還元してN,N-二置換-1,4-ジアミノ-5-置換されていてもよいベンゼン(3)を生成させる。 一実施形態では、以下のスキームに図示されているようにN,N-ジメチル-4-ニトロシルアニリン(2')を還元してN,N-ジメチル-1,4-ジアミノ-ベンゼン(3')を生成させる。 一実施形態では、この還元は還元剤を用いた反応によるものである。 一実施形態では、この還元剤はFe(0)であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、この還元剤は金属鉄であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、この還元剤は金属鉄である。 金属鉄は、例えば金属やすり粉として商業的に入手することができる。 一実施形態では、Fe(0)のアニリン(1)に対するモル比は1.0〜4.0である。 一実施形態では、その範囲は1.5〜4.0である。 一実施形態では、その範囲は1.5〜3.0である。 一実施形態では、その範囲は1.5〜2.5である。 一実施形態では、その範囲は1.5〜3.5である。 一実施形態では、その範囲は2.0〜3.0である。 一実施形態では、その比は約2.4である。 一実施形態では、反応は酸性条件下で行われる。 一実施形態では、この反応は1以下のpHで行われる。 一実施形態では、この反応は1〜-1のpHで行われる。 一実施形態では、この反応は1〜0のpHで行われる。 一実施形態では、酸性の条件は強酸により達成される。 一実施形態では、酸性の条件はHCl(これは1つの強酸プロトンを有している)により達成される。 一実施形態では、酸プロトンのアニリン(1)に対するモル比は1〜4である。 一実施形態では、その範囲は2〜4である。 一実施形態では、その範囲は3〜4である。 一実施形態では、その比は約3.2である。 一実施形態では、その範囲は2〜3である。 一実施形態では、その範囲は2.25〜2.75である。 一実施形態では、その比は約2.5である 一実施形態では、この反応は水性媒体中で行われる。 一実施形態では、この反応は2〜35℃の温度で行われる。 一実施形態では、この反応は10〜30℃の温度で行われる。 一実施形態では、この反応は約10℃の温度で行われる。 一実施形態では、この反応は10〜240分の時間で行われる。 一実施形態では、この反応は30〜180分の時間で行われる。 一実施形態では、この反応は約120分の時間で行われる。 一実施形態では、反応混合物は反応ステップの間中撹拌される。 一実施形態では、還元剤が金属鉄である場合、反応混合物から反応が完了したあと例えば濾過により余剰の金属鉄が除去される。チオスルホン酸生成(TSAF) このステップでは、以下のスキームに図示されているように、N,N-二置換-1,4-ジアミノ-5-置換されていてもよいベンゼン(3)をチオスルフェートの存在下で酸化させてチオ硫酸S-{2-(アミノ)-3-(置換されていてもよい)-5-(二置換-アミノ)-フェニル}エステル(4)を生成させる。 一実施形態では、以下のスキームに図示されているように、N,N-ジメチル-1,4-ジアミノ-ベンゼン(3')をチオスルフェートの存在下で酸化させてチオ硫酸S-{2-(アミノ)-5-(ジメチルアミノ)-フェニル}エステル(4')を生成させる。 このチオスルフェートはS2O3-2であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このチオスルフェートはNa2S2O3であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このチオスルフェートはNa2S2O3またはその水和物である。 Na2S2O3は、例えば無水塩あるいは五水和物として商業的に入手することができる。 一実施形態では、チオスルフェートのジアミン(3)に対するモル比は0.8〜1.5である。 一実施形態では、このモル比は1.0〜1.5である。 一実施形態では、このモル比は1.1〜1.5である。 一実施形態では、このモル比は1.1〜1.3である。 一実施形態では、この酸化は、酸化剤を用いた反応によるものである。 一実施形態では、この酸化剤はCr(VI)であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、この酸化剤はCr2O7-2であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、この酸化剤はNa2Cr2O7であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、この酸化剤はNa2Cr2O7またはその水和物である。 Na2Cr2O7は、例えば二水和物として商業的に入手することができる。 一実施形態では、Cr(VI)のジアミン(3)に対するモル比は0.2〜2.0である。 一実施形態では、このモル比は0.2〜1.0である。 一実施形態では、このモル比は0.2〜0.8である。 一実施形態では、このモル比は0.3〜0.7である。 一実施形態では、この反応は水性媒体中で行われる。 一実施形態では、反応温度は2〜25℃である。 一実施形態では、反応温度は2〜15℃である。 一実施形態では、反応温度は2〜10℃である。 一実施形態では、反応温度は約5℃である。 一実施形態では、反応時間は10〜240分である。 一実施形態では、反応時間は30〜120分である。 一実施形態では、反応時間は約60分である。 一実施形態では、反応混合物は反応ステップの間中撹拌される。酸化的カップリング(OC) このステップでは、以下のスキームに図示されているように、チオ硫酸S-{2-(アミノ)-3-(置換されていてもよい)-5-(二置換アミノ)-フェニル}エステル(4)を、Cr(VI)であるかまたはそれを含んでいる酸化剤によりN,N-二置換-3-置換されていてもよいアニリン(5)に酸化的にカップリングさせて[4-{2-(チオスルフェート)-4-(二置換アミノ)-6-(置換されていてもよい)-フェニル-イミノ}-3-(置換されていてもよい)-シクロヘキサ-2,5-ジエニリデン]-N,N-二置換アンモニウム(6)を生成させる。 一実施形態では、以下のスキームに図示されているように、チオ硫酸S-{2-(アミノ)-5-(ジメチルアミノ)-フェニル}エステル(4')を、Cr(VI)であるかまたはそれを含んでいる酸化剤によりN,N-ジメチル-アニリン(5')に酸化的にカップリングさせて[4-{2-(チオスルフェート)-4-(ジメチルアミノ)-フェニル-イミノ}-シクロヘキサ-2,5-ジエニリデン]-N,N-ジメチルアンモニウム(6')を生成させる。 一実施形態では、アニリン(5)が加えられる前に、エステル(4)が最初に加えられる。 一実施形態では、この酸化剤はCr2O7-2であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、この酸化剤はNa2Cr2O7であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、この酸化剤はNa2Cr2O7である。 一実施形態では、エステル(4)のアニリン(5)に対するモル比は0.5〜1.5である。 一実施形態では、その範囲は0.8〜1.2である。 一実施形態では、その範囲は約1.0である。 一実施形態では、Cr(VI)のアニリン(5)に対するモル比は1.0〜4.0である。 一実施形態では、その範囲は1.6〜3.0である。 一実施形態では、その範囲は2.0〜3.0である。 一実施形態では、その範囲は約2.2である。 一実施形態では、この反応は酸性条件下で行われる。 一実施形態では、この反応は1以下のpHで行われる。 一実施形態では、この反応は1〜-1のpHで行われる。 一実施形態では、この反応は1〜0のpHで行われる。 一実施形態では、反応ステップの終点におけるpHは、2〜6である。 一実施形態では、反応ステップの終点におけるpHは、3〜5である。 一実施形態では、反応ステップの終点におけるpHは、約4である。 一実施形態では、反応ステップの終点におけるpHは、約3.94である。 一実施形態では、酸性条件は強酸により達成される。 一実施形態では、この酸性条件はH2SO4(これは2つの強酸プロトンを有している)により達成される。 一実施形態では、酸プロトンのアニリン(5)に対するモル比は1.0〜4.0である。 一実施形態では、その範囲は1.5〜2.5である。 一実施形態では、その範囲は約2.0である。 一実施形態では、この反応は水性媒体中で行われる。 一実施形態では、反応温度は2〜20℃である。 一実施形態では、反応温度は2〜15℃である。 一実施形態では、反応温度は約5℃である。 一実施形態では、反応時間は10分〜12時間である。 一実施形態では、反応時間は30分〜4時間である。 一実施形態では、反応時間は約2時間である。 一実施形態では、反応混合物は反応ステップの間中撹拌される。 一実施形態では、アニリン(5)はアニリン(1)と同じである。Cr(VI)還元(CR) このステップでは、酸化的カップリング(OC)ステップの生成物を処理して残留のCr(VI)をCr(III)に変換させる。 一実施形態では、残留のCr(VI)の少なくとも25%がCr(III)に変換される。 一実施形態では、その範囲は少なくとも35%(すなわち、35〜100%)である。 一実施形態では、その範囲は少なくとも50%(すなわち、50〜100%)である。 一実施形態では、その範囲は少なくとも60%(すなわち、60〜100%)である。 一実施形態では、その範囲は少なくとも70%(すなわち、70〜100%)である。 一実施形態では、その範囲は少なくとも80%(すなわち、80〜100%)である。 一実施形態では、その範囲は少なくとも90%(すなわち、90〜100%)である。 一実施形態では、その範囲は少なくとも95%(すなわち、95〜100%)である。 一実施形態では、実質的にすべての残留のCr(VI)がCr(III)に変換される。 反応時間は、Cr(VI)対Cr(III)の比が適切である変換を達成するよう選択される。 一実施形態では、反応混合物は反応ステップの間中撹拌される。 一実施形態では、この反応は水性媒体中で行われる。 一実施形態では、処理は、還元剤による処理である。ハイドロサルファイト: 一実施形態では、この還元剤はハイドロサルファイト(ジチオナイトとも呼ばれる)である。 このハイドロサルファイトはS2O4-2であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このハイドロサルファイトは金属ハイドロサルファイトである。 一実施形態では、このハイドロサルファイトはアルカリ金属ハイドロサルファイトである。 一実施形態では、このハイドロサルファイトはNa2S2O4(ハイドロサルファイトナトリウムおよび亜ジチオン酸ナトリウムとも呼ばれる)であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このハイドロサルファイトはNa2S2O4またはその水和物である。 特定の理論に縛られることを望むものではないが、Cr(VI)はハイドロサルファイトと反応してCr(III)および硫酸ナトリウムを生成するものと考えられる(例えば、Na2Cr2O7 + Na2S2O4 → Cr2O3 + 2 Na2SO4)。 一実施形態では、ハイドロサルファイトのモル量は、チオスルホン酸生成(TSAF)ステップ(行われた場合、且つCr(VI)により行われた場合)および酸化的カップリング(OC)ステップで使用されたCr(VI)の全モル量の0.02〜1.0倍である。 一実施形態では、その範囲は0.03〜0.7である。 一実施形態では、その範囲は0.05〜0.5である。 一実施形態では、その範囲は0.05〜0.3である。 一実施形態では、その範囲は0.1〜0.2である。 一実施形態では、モル量は約0.16倍である。 一実施形態では、このハイドロサルファイトはハイドロサルファイト水溶液である。 一実施形態では、反応時間は1分〜6時間である。 一実施形態では、反応時間は2分〜1時間である。 一実施形態では、反応時間は約10分である。 一実施形態では、反応温度は2〜50℃である。 一実施形態では、反応温度は5〜30℃である。 一実施形態では、反応温度は10〜25℃である。 一実施形態では、反応温度は室温である。アルカノール: 一実施形態では、還元剤はアルカノールである。 一実施形態では、このアルカノールはC1〜6アルカノールであるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このC1〜6アルカノールは飽和脂肪族C1〜6アルカノールである。 一実施形態では、このC1〜6アルカノールはエタノールである。 特定の理論に縛られるのを望むものではないが、Cr(VI)はアルカノール(例えば、エタノール)と反応してCr(III)および対応のアルデヒド[すなわち、アルカナール(例えば、エタナール)]を生成するものと考えられ、このアルカナールは蒸発によって容易に除去することができる。 一実施形態では、アルカノール(例えば、エタノール)のモル量は、チオスルホン酸生成(TSAF)ステップ(行われた場合、且つCr(VI)により行われた場合)および酸化的カップリング(OC)ステップで使用されたCr(VI)の全モル量の0.02〜1.0倍である。 一実施形態では、その範囲は0.03〜0.7である。 一実施形態では、その範囲は0.05〜0.5である。 一実施形態では、その範囲は0.05〜0.3である。 一実施形態では、その範囲は0.1〜0.2である。 一実施形態では、モル量は約0.12倍である。 一実施形態では、反応時間は1時間〜48時間である。 一実施形態では、反応時間は2時間〜24時間である。 一実施形態では、反応時間は約16時間である。 一実施形態では、反応温度は2〜50℃である。 一実施形態では、反応温度は5〜30℃である。 一実施形態では、反応温度は10〜25℃である。 一実施形態では、反応温度は室温である。ヨウ化物: 一実施形態では、この還元剤はヨウ化物である。 特定の理論に縛られるのを望むものではないが、Cr(VI)はヨウ化物と反応してCr(III)およびヨウ素を生成するものと考えられる。 一実施形態では、このヨウ化物はアルカリ金属ヨウ化物であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このヨウ化物はヨウ化ナトリウムもしくはヨウ化カリウムであるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このヨウ化物はヨウ化カリウムであるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このヨウ化物はヨウ化カリウムである。 一実施形態では、ヨウ化物のモル量は、チオスルホン酸生成(TSAF)ステップ(行われた場合、且つCr(VI)により行われた場合)および酸化的カップリング(OC)ステップで使用されたCr(VI)の全モル量の0.02〜1.0倍である。 一実施形態では、その範囲は0.03〜0.7である。 一実施形態では、その範囲は0.05〜0.5である。 一実施形態では、その範囲は0.05〜0.3である。 一実施形態では、その範囲は0.1〜0.3である。 一実施形態では、モル量は約0.18倍である。 一実施形態では、ヨウ化物はヨウ化物水性溶液(例えば、ヨウ化ナトリウム水溶液)である。 一実施形態では、反応時間は1時間〜24時間である。 一実施形態では、反応時間は2時間〜18時間である。 一実施形態では、反応時間は約12時間である。 一実施形態では、反応温度は2〜50℃である。 一実施形態では、反応温度は5〜30℃である。 一実施形態では、反応温度は10〜25℃である。 一実施形態では、反応温度は25℃以下である。 一実施形態では、反応温度は15℃以下である。 一実施形態では、反応温度は2〜25℃である。 一実施形態では、反応温度は2〜15℃である。pH調整: 一実施形態では、処理は、酸もしくは塩基(例えば、強酸もしくは強塩基)により処理して5.70〜6.35のpH(室温で測定したもの)を達成するものである。 特定の理論に縛られるのを望むものではないが、この範囲のpHでは、Cr(VI)は反応してCr(III)を生成すると考えられる。 一実施形態では、このpH範囲は5.80〜6.25である。 一実施形態では、このpH範囲は5.90〜6.15である。 一実施形態では、このpH範囲は5.95〜6.10である。 一実施形態では、このpHは約6.02である。 一実施形態では、処理は強酸もしくは強塩基によるものである。 一実施形態では、処理は強塩基によるものである。 一実施形態では、処理はNaOH水溶液(例えば、10%)によるものである。 一実施形態では、反応時間は1時間〜48時間である。 一実施形態では、反応時間は2時間〜24時間である。 一実施形態では、反応時間は約16時間である。 一実施形態では、反応温度は2〜25℃である。 一実施形態では、反応温度は2〜15℃である。 一実施形態では、反応温度は5〜10℃である。双性イオン中間体の単離および精製(IAPOZI) このステップでは、次の双性イオン中間体(6)を単離して精製する。 一実施形態では、この単離および精製は、濾過によるものである。 一実施形態では、この単離および精製は、濾過、そのあとの洗浄によるものである。 一実施形態では、この洗浄は、H2Oによる洗浄である。 一実施形態では、この洗浄は、H2Oおよびテトラヒドロフラン(THF)による洗浄である。 一実施形態では、H2O対THFの体積比は、1:1〜10:1、好ましくは4:1である。 一実施形態では、この単離および精製は、濾過、そのあと洗浄と乾燥によるものである。 一実施形態では、この乾燥は、空気乾燥である。 一実施形態では、この乾燥は、2〜72時間の空気乾燥である。 一実施形態では、この乾燥は、2〜48時間の空気乾燥である。 一実施形態では、この乾燥は、2〜24時間の空気乾燥である。 一実施形態では、この乾燥は、オーブン乾燥である。 一実施形態では、この乾燥は、2〜72時間のオーブン乾燥である。 一実施形態では、この乾燥は、2〜48時間のオーブン乾燥である。 一実施形態では、この乾燥は、2〜24時間のオーブン乾燥である。 一実施形態では、この乾燥は、2〜48時間の30〜60℃でのオーブン乾燥である。 例えば、一実施形態では、反応混合物を濾過してその残留物(例えば、約100ミリモルの粗生成物)をH2O(例えば、4 x 250cm3)、THF(例えば、100cm3)で洗い、そのあと一晩空気乾燥させる。 例えば、一実施形態では、反応混合物を濾過し(例えば、減圧下にあるブフナー漏斗により)、その固形物を取り出し新鮮水が入っている別の容器に入れ、その混合物を激しく撹拌し、そしてもう一度濾過する。この「濾過・回収・再懸濁」工程は何回も繰り返すことができる。この最終的に得られる固形物は、後続のステップで用いることができる。閉環(RC) このステップでは、以下のスキームに図示されているように、[4-{2-(チオスルフェート)-4-(二置換アミノ)-6-(置換されていてもよい)-フェニル-イミノ}-3-(置換されていてもよい)-シクロヘキサ-2,5-ジエニリデン]-N,N-二置換アンモニウム(6)を閉環させて3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩(7)を生成させる。 一実施形態では、以下のスキームに図示されているように、[{2-(チオスルフェート)-4-(ジメチルアミノ)-フェニル-イミノ}-シクロヘキサ-2,5-ジエニリデン]-N,N-ジメチルアンモニウム(6')を閉環させて3,7-ビス(ジメチルアミノ)-フェノチアジン-5-イウム塩(7')を生成させる。 一実施形態では、閉環は、酸化剤による処理により達成される。 一実施形態では、この酸化剤は、Cu(II)であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、この酸化剤は、硫酸Cu(II)であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、この酸化剤は、硫酸Cu(II)またはその水和物である。 硫酸Cu(II)は、例えば五水和物として商業的に入手することができる。 特定の理論に縛られるのを望むものではないが、この反応でCu(II)はCu(I)に変換されて、不溶性のCu2Oとして沈殿すると考えられる。 一実施形態では、閉環は、酸性の条件下で行われる。 一実施形態では、閉環は、1〜5のpHで行われる。 一実施形態では、閉環は、2〜5のpHで行われる。 一実施形態では、閉環は、3〜4.5のpHで行われる。 一実施形態では、閉環は、3.5〜4.1のpHで行われる。 一実施形態では、閉環は、約3.8のpHで行われる。 一実施形態では、所望pHは、強酸を加えることにより得られる。 一実施形態では、所望pHは、HClを加えることにより得られる。 一実施形態では、Cu(II)のアンモニウム(6)に対するモル比は0.02〜0.10である。 一実施形態では、その範囲は0.03〜0.07である。 一実施形態では、その範囲は約0.05である。 一実施形態では、この反応は、水性媒体中で行われる。 一実施形態では、反応温度は30〜95℃である。 一実施形態では、反応温度は50〜90℃である。 一実施形態では、反応温度は60〜90℃である。 一実施形態では、反応温度は約85℃である。 一実施形態では、反応時間は10〜120分である。 一実施形態では、反応時間は20〜90分である。 一実施形態では、反応時間は約60分である。 一実施形態では、この反応は、反応混合物の色が変わる(例えば、深い青色になる)まで行われる。 一実施形態では、反応混合物は、反応ステップの間中撹拌される。 一実施形態では、反応のあと、反応混合物は濾過され、その濾液が回収される(この濾液は、所望生成物を溶液で含有している)。 一実施形態では、この濾過は、反応温度に近い温度で行われて、「熱い」濾液がつくられる。 一実施形態では、反応混合物は先ず冷やされ、そして濾過はおよそ室温で行われて「冷たい」濾液がつくられる。塩化物塩生成(CSF) このステップでは、以下のスキームに図示されているように、3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩(7)を塩化物と反応させて3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8)を生成させる。 一実施形態では、以下のスキームに図示されているように、3,7-ビス(ジメチルアミノ)-フェノチアジン-5-イウム塩(7')を塩化物と反応させて3,7-ビス(ジメチルアミノ)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8')(すなわち、MTC)を生成させる。塩化物源としての塩酸による処理: 一実施形態では、塩化物は塩酸である。 一実施形態では、この反応は比較的低pHで行われる。 一実施形態では、その比較的低pHは-1〜3である。 一実施形態では、その比較的低pHは0〜3である。 一実施形態では、その比較的低pHは0〜2である。 一実施形態では、その比較的低pHは約1である。 一実施形態では、このpHは、比較的低pHにゆっくりと調整される。 一実施形態では、pHは、5〜120分の時間で調整される。 一実施形態では、pHは、5〜60分の時間で調整される。 一実施形態では、pHは、5〜30分の時間で調整される。 一実施形態では、pHは、約10分の時間で調整される。 一実施形態では、この反応は、比較的冷たい温度で行われる。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は2〜40℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は2〜30℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は5〜30℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は10〜30℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は15〜30℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は20〜30℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は約25℃である。 一実施形態では、この反応は、反応混合物(最初は、例えば、深い青色)が薄青色〜無色になるまで行われる。 一実施形態では、反応混合物はこの反応ステップの間中撹拌される。塩化物源としての塩化物塩による処理: 一実施形態では、塩化物は塩化物塩である。 一実施形態では、塩化物はアルカリ金属塩化物である。 一実施形態では、塩化物は塩化ナトリウムである。 一実施形態では、大過剰モル量の(ナトリウム)塩化物が存在している。 一実施形態では、塩化物の塩(7)に対するモル比は5〜100である。 一実施形態では、このモル比は10〜80である。 一実施形態では、このモル比は10〜50である。 一実施形態では、このモル比は約20である。 一実施形態では、この反応は、水性媒体中で行われる。 一実施形態では、反応温度は20〜95℃である。 一実施形態では、反応温度は30〜95℃である。 一実施形態では、反応温度は50〜80℃である。 一実施形態では、反応温度は約65℃である。 一実施形態では、反応温度はおよそ室温である。 一実施形態では、反応時間は10〜30分である。 一実施形態では、この反応は、反応混合物(最初は、例えば、深い青色)が薄青色〜無色になるまで行われる。 一実施形態では、反応混合物はこの反応ステップの間中撹拌される。 一実施形態では、反応混合物は、塩化物を加えたあと降温させて、その生成物を沈殿物として生成させる。さらなる処理 塩化物塩生成(CSF)ステップのあと、次に述べるように、1つまたは複数の追加の処理ステップ(すなわち、ST、DT、CT、EDTAT、OE)を行うこともできる。これらの処理ステップの2つ以上が行われる場合は、それらはどのような順番で行ってもよい。これらの処理ステップは、純度の向上(特に金属含量の低下および有機不純物含量の低下)をもたらす。 一実施形態では、ST、DT、CT、およびEDTATから選択される1つまたは複数の追加の処理ステップが行われ、そのあとOEが行われる。硫化物処理(ST) このステップでは、3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩(7)もしくは3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8)が硫化物により処理される。 一実施形態では、塩(7)が硫化物により処理される。 一実施形態では、塩化物塩(8)が硫化物により処理される。 この硫化物はS2-であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、この硫化物は金属硫化物である。 一実施形態では、この硫化物はアルカリ金属硫化物である。 一実施形態では、この硫化物はNa2Sであるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、この硫化物はNa2Sである。 一実施形態では、この硫化物は遷移金属硫化物である。 一実施形態では、この硫化物はZnSであるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、この硫化物はZnSである。 一実施形態では、硫化物の量は0.01〜0.20当量である。 一実施形態では、その範囲は0.05〜0.15当量である。 一実施形態では、その範囲は約0.1当量である。 一実施形態では、塩7または8の(初期)濃度は、0.005〜0.25Mである。 一実施形態では、その範囲は0.02〜0.30Mである。 一実施形態では、その範囲は0.05〜0.20Mである。 一実施形態では、その(初期)濃度は約0.10Mである。 一実施形態では、処理は、硫化物および塩化物による処理である。 一実施形態では、塩化物はNaClであるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、塩化物はNaClである。 一実施形態では、モル過剰量の塩化物が存在している。 一実施形態では、塩化物の量は5〜300当量である。 一実施形態では、塩化物の量は5〜40当量である。 一実施形態では、塩化物の量は5〜30当量である。 一実施形態では、塩化物の量は約20当量である。 一実施形態では、塩化物の量は約200当量である。 一実施形態では、処理は2〜20℃の温度で行われる。 一実施形態では、この温度範囲は2〜15℃である。 一実施形態では、この温度範囲は5〜15℃である。 一実施形態では、この温度は約10℃(例えば、10 ± 2℃)である。 一実施形態では、処理は、水性媒体中で行われる。 一実施形態では、処理は塩基性条件下で行われる。 一実施形態では、処理は、9〜12のpHで行われる。 一実施形態では、処理は、10〜11のpHで行われる。 一実施形態では、処理は、約10.5のpHで行われる。 一実施形態では、処理は、反応混合物のpHが少なくとも9〜12に到達するように行われる。 一実施形態では、処理は、反応混合物のpHが少なくとも10〜11に到達するように行われる。 一実施形態では、処理は、反応混合物のpHが少なくとも約10.5に到達するように行われる。 一実施形態では、処理は、約10℃(例えば、10 ± 2℃)の温度で且つ約10.5のpHで(もしくは、反応混合物のpHが少なくとも約10.5に到達するように)行われる。 一実施形態では、反応混合物はこの反応ステップの間中撹拌される。 例えば、一実施形態では、粗製MTC生成物が、約65℃の温度において約0.1Mの濃度で水に完全に溶解される。この溶液は冷却される。冷却された溶液は場合により濾過される。この溶液は、約0.1当量の[または約10.5(例えば、10.5 ± 0.5)のpHを達成するのに十分な量の]硫化ナトリウム水溶液で処理される。得られた混合物は、(例えば、約10分の間)撹拌され、濾過され、そして濾液が回収される。一実施形態では、この濾液に大過剰の塩化ナトリウム(例えば、約23当量)が撹拌しながら加えられ、生じる沈殿物が回収される。これに代えて、別の一実施形態では、この冷たい(例えば、約20℃)溶液のpHが、HClにより約pH 1に調整され、そして生じた沈殿物が回収される。 一実施形態では、硫化物による処理のあと(例えば、且つ塩化物による処理のまえ)、その生成物(例えば、溶液中の)は有機溶媒によりさらに洗浄される。 一実施形態では、この有機溶媒は、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、酢酸エチル、ジエチルエーテル、クロロベンゼン、石油エーテル(例えば、40:60),ベンゼン、トルエン、および酢酸メチルから選択される。一実施形態では、この有機溶媒はジクロロメタンである。 一実施形態では、例えば有機溶媒による洗浄のあと、洗浄された生成物の溶液のpHは約4.5〜約5.5、または約5.0に調整される。一実施形態では、この溶液は(例えば、さらに)およそ20℃に加熱/冷却され、次いで冷酸性再結晶化される(例えば、pHがHClにより約1に調整され、そして生じた沈殿物が回収される)。別の実施形態では、この溶液は(例えば、さらに)およそ65℃に加熱され、そして熱塩析される。 例えば、一実施形態では、粗製MTC生成物が、約60℃の温度において約0.06Mの濃度で水に完全に溶解される。この溶液は冷却される。冷却された溶液は場合により濾過される。この溶液は、約0.07当量の硫化ナトリウム水溶液で処理される。得られた混合物は、(例えば、約15分の間)撹拌され、濾過され、そして濾液が回収される。この濾液はジクロロメタンにより洗浄される(例えば、数回)。一実施形態では、洗浄された濾液は約60℃に加熱され、そして大過剰の塩化ナトリウム(例えば、約260当量)がこの(熱)濾液に撹拌しながら加えられる。この熱溶液は非常にゆっくりと降温され、その(高度に結晶質の)沈殿物が回収される(例えば、「熱塩析」)。これに代えて、別の一実施形態では、この冷たい(例えば、約20℃)洗浄濾液のpHが、HClにより約pH 1に調整され、そして生じた沈殿物が回収される。ジメチルジチオカルバメート処理(DT) このステップでは、3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩(7)もしくは3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8)がジメチルジチオカルバメートにより処理される。 一実施形態では、塩(7)がジメチルジチオカルバメートにより処理される。 一実施形態では、塩化物塩(8)がジメチルジチオカルバメートにより処理される。 このジメチルジチオカルバメートは(CH3)2NCS2-であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このジメチルジチオカルバメートは(CH3)2NCS2Naであるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このジメチルジチオカルバメートは(CH3)2NCS2Naである。 一実施形態では、ジメチルジチオカルバメートの量は0.01〜0.20当量である。 一実施形態では、その範囲は0.05〜0.15当量である。 一実施形態では、その範囲は約0.1当量である。 一実施形態では、塩7または8の(初期)濃度は0.005〜0.25Mである。 一実施形態では、その範囲は0.02〜0.30Mである。 一実施形態では、その範囲は0.05〜0.20Mである。 一実施形態では、その(初期)濃度は約0.10Mである。 一実施形態では、この処理は、ジメチルジチオカルバメートおよび塩化物による処理である。 一実施形態では、塩化物はNaClであるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、塩化物はNaClである。 一実施形態では、モル過剰量の塩化物が存在している。 一実施形態では、塩化物の量は5〜40当量である。 一実施形態では、塩化物の量は5〜30当量である。 一実施形態では、塩化物の量は約20当量である。 一実施形態では、この処理は、水性媒体中で行われる。 一実施形態では、反応混合物はこの反応ステップの間中撹拌される。 例えば、一実施形態では、粗製MTC生成物が、約65℃の温度において約0.1Mの濃度で水に完全に溶解される。この溶液は冷却される。冷却された溶液は場合により濾過される。この溶液は、約0.1当量のジメチルジチオカルバミン酸、ナトリウム塩水溶液で処理される。得られた混合物は、(例えば、約10分の間)撹拌され、濾過され、そして濾液が回収される。この濾液に大過剰量の塩化ナトリウム(例えば、約23当量)が撹拌しながら加えられ、そして生じた沈殿物が回収される。 一実施形態では、ジメチルジチオカルバメートによる処理のあと(例えば、且つ塩化物による処理のまえに)、その生成物(例えば、溶液中)は、上記で硫化物処理に対して述べたように、有機溶媒によりさらに洗浄される。 一実施形態では、例えば有機溶媒による洗浄のあと、洗浄された生成物の溶液のpHは、上記で硫化物処理に対して述べたように、約4.5〜約5.5、または約5.0に調整される。カーボネート処理(CT) このステップでは、3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩(7)もしくは3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8)がカーボネートにより処理される。 一実施形態では、塩(7)がカーボネートにより処理される。 一実施形態では、塩化物塩(8)がカーボネートにより処理される。 このカーボネートはCO32-であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このカーボネートはアルカリ金属炭酸塩であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このカーボネートはで炭酸ナトリウムあるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このカーボネートは炭酸ナトリウムである。 一実施形態では、炭酸ナトリウムの量は0.01〜0.20当量である。 一実施形態では、その範囲は0.05〜0.15当量である。 一実施形態では、その量は約0.1当量である。 一実施形態では、塩7または8の(初期)濃度は0.005〜0.25Mである。 一実施形態では、その範囲は0.02〜0.30Mである。 一実施形態では、範囲0.05〜0.20Mはである。 一実施形態では、その(初期)濃度約0.10Mはである。 一実施形態では、この処理は、カーボネートおよび塩化物による処理である。 一実施形態では、この塩化物はNaClであるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、塩化物はNaClである。 一実施形態では、モル過剰の塩化物が存在している。 一実施形態では、塩化物の量は5〜40当量である。 一実施形態では、塩化物の量は5〜30当量である。 一実施形態では、塩化物の量は約20当量である。 一実施形態では、処理は、水性媒体中で行われる。 一実施形態では、反応混合物はこの反応ステップの間中撹拌される。 例えば、一実施形態では、粗製MTC生成物が、約65℃の温度において約0.1Mの濃度で水に完全に溶解される。この溶液は冷却される。冷却された溶液は場合により濾過される。この溶液は、約0.1当量の炭酸ナトリウム水溶液で処理される。得られた混合物は、(例えば、約10分の間)撹拌され、濾過され、そして濾液が回収される。この濾液に大過剰量の塩化ナトリウム(例えば、約23当量)が撹拌しながら加えられ、そして生じた沈殿物が回収される。 一実施形態では、カーボネートによる処理のあと(例えば、且つ塩化物による処理のまえに)、その生成物(例えば、溶液中)は、上記で硫化物処理に対して述べたように、有機溶媒によりさらに洗浄される。 一実施形態では、例えば有機溶媒による洗浄のあと、洗浄された生成物の溶液のpHは、上記で硫化物処理に対して述べたように、約4.5〜約5.5、または約5.0に調整される。エチレンジアミン四酢酸処理(EDTAT) このステップでは、3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩(7)もしくは3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8)がエチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはEDTA塩により処理される。 一実施形態では、塩(7)がEDTAまたはEDTA塩により処理される。 一実施形態では、塩化物塩(8)がEDTAまたはEDTA塩により処理される。 一実施形態では、このEDTA塩はEDTAアルカリ金属塩であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このEDTA塩はEDTA二ナトリウム塩であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このEDTA塩はEDTA二ナトリウム塩である。 一実施形態では、EDTAの量は0.01〜0.20当量である。 一実施形態では、その範囲は0.05〜0.15当量である。 一実施形態では、その量は約0.1当量である。 一実施形態では、塩7または8の(初期)濃度は0.005〜0.25Mである。 一実施形態では、その範囲は0.02〜0.30Mである。 一実施形態では、その範囲は0.05〜0.20Mである。 一実施形態では、その(初期)濃度は約0.10Mである。 一実施形態では、この処理は、EDTAまたはEDTA塩、および塩化物による処理である。 一実施形態では、塩化物はNaClであるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、塩化物はNaClである。 一実施形態では、モル過剰量の塩化物が存在している。 一実施形態では、塩化物の量は5〜40当量である。 一実施形態では、塩化物の量は5〜30当量である。 一実施形態では、塩化物の量は約10当量である。 一実施形態では、処理は、水性媒体中で行われる。 一実施形態では、反応混合物はこの反応ステップの間中撹拌される。 例えば、一実施形態では、粗製MTC生成物が、約65℃の温度において約0.1Mの濃度で水に完全に溶解される。この溶液は室温まで冷却され、そのあとこの溶液は約0.1当量のEDTA二ナトリウム塩水溶液で処理される。得られた混合物は、(例えば、約1時間の間)撹拌され、濾過され、そして濾液が回収される。この濾液に大過剰量の塩化ナトリウム(例えば、約10当量)が撹拌しながら加えられ、そして生じた沈殿物が回収される。 一実施形態では、EDTAによる処理のあと(例えば、且つ塩化物による処理のまえに)、その生成物(例えば、溶液中)は、上記で硫化物処理に対して述べたように、有機溶媒によりさらに洗浄される。 一実施形態では、例えば有機溶媒による洗浄のあと、洗浄された生成物の溶液のpHは、上記で硫化物処理に対して述べたように、約4.5〜約5.5、または約5.0に調整される。有機抽出(OE) このステップでは、水性溶液または水性懸濁液中の3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩(7)もしくは3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8)が有機溶媒により処理される(例えば、洗浄される)。 一実施形態では、水性溶液または水性懸濁液中の塩(7)が有機溶媒により処理される(例えば、洗浄される)。 一実施形態では、水性溶液または水性懸濁液中の塩化物塩(8)が有機溶媒により処理される(例えば、洗浄される)。 一実施形態では、有機溶媒は、ジクロロメタン(CH2Cl2、DCM)である。DCMは、「クラス2」の化学物質で、許容される一日当りの曝露量(PDE)は6mg/日である。 一実施形態では、塩7または8の水性溶液または水性懸濁液対有機溶媒(例えば、DCM)の体積比は0.1〜10である。 一実施形態では、その比は0.5〜5である。 一実施形態では、その比は0.5〜2である。 一実施形態では、この処理(例えば、洗浄)は、有機溶媒(例えば、DCM)の複数のアリコートにより繰り返し行われる。 例えば、一実施形態では、塩(7または8)の水性溶液250mLが、50mLのDCMにより5回、全体積250mLのDCMおよび体積比1で洗浄される。 一実施形態では、塩(7または8)の水性溶液もしくは懸濁液は、8〜12のpHを有している。 一実施形態では、このpH範囲は9〜12である。 一実施形態では、このpH範囲は9〜11である。 一実施形態では、このpH範囲は約10.8である。 一実施形態では、処理(例えば、洗浄)は2〜20℃の温度で行われる。 一実施形態では、この温度範囲は2〜15℃である。 一実施形態では、この温度は約10℃である。 処理(例えば、洗浄)は、例えば、パドル付きシャフトが取り付けられているオーバーヘッド型機械式撹拌機ならびにフラスコ部底に流出用タップが装着された反応容器により行うことができる。この容器の中に塩(7または8)の水性溶液もしくは懸濁液を入れ、アリコートの有機溶媒(例えば、DCM)を加え、その不均質混合物を適切な時間撹拌する。これの層を分離させ、そして低い方の(有機溶媒の)層は流出タップから捨てられる。別の有機溶媒(例えば、DCM)アリコートを加え、この工程を、(例えば数回)繰り返す。 有機抽出(OE)は、最終的に得られる固体(例えば、結晶質)生成物の有機不純物レベルを大きく下げるのに特に効果的である。 一実施形態では、ST、DT、CT、およびEDTATから選択される1つまたは複数の追加の処理ステップが最初に行われ、そのあと有機抽出(OE)が行われる。再結晶化(RX) このステップでは、3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩(7)もしくは3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8)が再結晶化される。 一実施形態では、塩(7)が再結晶化される。 一実施形態では、塩化物塩(8)が再結晶化される。 この再結晶化ステップは純度をさらに向上させると同時に好適な粒子サイズ、例えばこのあとの医薬製剤で使用するのに適した粒子サイズをつくる。 疑念を避けるためにも、「結晶化」と「再結晶化」は本明細書では同意語的に使われていて溶液もしくは懸濁液からの固体沈殿物(例えば、結晶)の生成を意味すること、および用語「再結晶化」中の「再」は新しく結晶化した生成物がそのまえに固体もしくは結晶質形態にあったということを必要としないことに注意されたい。冷酸性再結晶化(RX-CAR): 一実施形態では、再結晶化は、pHを比較的低いpHに調整することによる比較的冷たい温度での水からの(例えば、水性溶液または水性懸濁液からの)再結晶化である(例えば、「冷酸性再結晶化」)。 一実施形態では、pHは、HClにより調整される。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は2〜40℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は2〜30℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は5〜30℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は10〜30℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は15〜30℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は20〜30℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は約25℃である。 一実施形態では、この比較的低いpHは-1〜3である。 一実施形態では、この比較的低いpHは0〜3である。 一実施形態では、この比較的低いpHは0〜2である。 一実施形態では、この比較的低いpHは約1である。 一実施形態では、pHは、比較的低いpHにゆっくりと調整される。 一実施形態では、pHは、5〜120分の時間で調整される。 一実施形態では、pHは、5〜60分の時間で調整される。 一実施形態では、pHは、5〜30分の時間で調整される。 一実施形態では、pHは、約10分の時間で調整される。 冷酸性再結晶化(RX-CAR)は、結果として得られる固体(例えば、結晶質)生成物の金属含量を大きく低減させるのに特に効果的である。熱塩析(RX-HSO): 一実施形態では、再結晶化は、塩化ナトリウムのような塩化物の存在下での、最初高温の水からの(例えば、水性溶液または水性懸濁液からの)再結晶化である(例えば、「熱塩析」)。 一実施形態では、塩7または8の(初期)濃度は0.002〜0.05Mである。 一実施形態では、その範囲は0.005〜0.04Mである。 一実施形態では、その範囲は0.01〜0.04Mである。 一実施形態では、その(初期)濃度は約0.03Mである。 一実施形態では、最初の高温は30〜90℃である。 一実施形態では、その範囲は40〜80℃である。 一実施形態では、その範囲は50〜80℃である。 一実施形態では、最初の高温は約65℃である。 一実施形態では、(ナトリウム)塩化物の(初期)濃度は0.1〜3.0Mである。 一実施形態では、その範囲は0.5〜2.5Mである。 一実施形態では、その範囲は1.0〜2.2Mである。 一実施形態では、その(初期)濃度は約2.0Mである。 一実施形態では、大過剰モル量の(ナトリウム)塩化物が存在している。 一実施形態では、(ナトリウム)塩化物の塩(7または8)に対するモル比は5〜100である。 一実施形態では、このモル比は20〜80である。 一実施形態では、このモル比は50〜80である。 一実施形態では、このモル比は約65である。 一実施形態では、再結晶化には、そのあとの再結晶化された(高度に結晶質の)沈殿物の、例えば適切な温度(例えば、50〜120℃)にあるオーブン中での適切な時間(例えば、1〜24時間)に亘る乾燥が含まれている。 例えば、一実施形態では、粗製MTC生成物もしくは処理済粗製MTC生成物が、およそ65℃において約0.03Mの濃度でH2Oに溶解される。この溶液は場合によって濾過される。塩化ナトリウムが加えられる。この混合物は、例えばおよそ室温に、例えば1〜10時間かけてゆっくりと降温される。得られた(高度に結晶質の)沈殿物は回収され、そして場合によっては例えばオーブン(例えば、約75℃にある)中で適当な時間(例えば、約16時間)乾燥される。摩砕(RX-TRIT): 一実施形態では、再結晶化は、テトラヒドロフラン(THF)の存在下での最初高温の水からの(例えば、水性溶液または水性懸濁液からの)再結晶化である(例えば、摩砕)。 一実施形態では、塩7または8の(初期)濃度は0.002〜0.20Mである。 一実施形態では、その範囲は0.01〜0.20Mである。 一実施形態では、その範囲は0.05〜0.15Mである。 一実施形態では、その(初期)濃度は約0.13Mである。 一実施形態では、最初の高温は30〜90℃である。 一実施形態では、その範囲は40〜80℃である。 一実施形態では、その範囲は50〜80℃である。 一実施形態では、最初の高温は約65℃である。 一実施形態では、水対THFの比は20:1〜2:1(体積)である。 一実施形態では、その範囲は10:1〜2:1である。 一実施形態では、その範囲は7:1〜3:1である。 一実施形態では、その比は約5:1である。 一実施形態では、再結晶化には、そのあとの再結晶化された(高度に結晶質の)沈殿物の、例えば適切な温度(例えば、50〜120℃)にあるオーブン中での適切な時間(例えば、1〜24時間)に亘る乾燥が含まれている。 例えば、一実施形態では、粗製MTC生成物もしくは処理済粗製MTC生成物が、およそ65℃において約0.13Mの濃度で水に溶解される。場合によっては、この溶液は濾過される。この混合物は、ゆっくりと降温され、温度が約25℃に到達したらTHFが、約5:1の水:THFの体積比で加えられる。この混合物は、もう一度、例えば約5℃に、例えば1〜10時間かけてゆっくりと降温される。得られた(高度に結晶質の)沈殿物が回収され、そして場合によっては例えばオーブン(例えば、約100℃にある)中で適当な時間(例えば、約2時間)乾燥される。合成方法-B 本発明で特許請求されている方法Bと公知の方法との間におけるひとつの重要な差は、環縮合(RF-2)ステップにおいて硫化ナトリウム(Na2S)を、硫化水素(H2S)などの他の硫化物にかえて用いることである。例えば、Michaelis et al.、1940を参照されたい。他方において、硫化水素は極めて有害であり、また工業プロセスで用いるのは難しく且つ高くつく。硫化ナトリウムを用いることにより、これらの欠点は克服される。加えて、硫化ナトリウムは固体であり、取り扱いがより容易で、より簡単にまたより正確に秤量することができる。これにより、反応のより良い制御が可能になる。 一実施形態では、この方法は以下のステップを含む:環縮合(RF-2)。 一実施形態では、この方法はさらに、 塩化物塩生成(CSF-2)の後続のステップを含む。 一実施形態では、この方法はさらに、 ニトロシル還元(NR-2)の初期ステップを含む。 一実施形態では、この方法はさらに、 ニトロシル化(NOS-2); ニトロシル還元(NR-2)の初期ステップを含む。 一実施形態では、この方法はさらに、 N,N-二置換(NNDS-2); ニトロシル化(NOS-2); ニトロシル還元(NR-2)の初期ステップを含む。 つまり、一実施形態では、この方法は、 N,N-二置換(NNDS-2); ニトロシル化(NOS-2); ニトロシル還元(NR-2); 環縮合(RF-2); 塩化物塩生成(CSF-2)のステップを順番に含む。 この方法は、例えば1,9-ジエチルメチルチオニニウム塩化物(DEMTC)におけるように、R1およびR9が-H以外であるジアミノフェノチアジニウム化合物の合成に特によく適している。N,N-二置換(NNDS-2) このステップでは、以下のスキームに図示されているように、3-置換されていてもよい-アニリン(9)が、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、またはハロゲン化ハロアルキルによりN,N-二置換されてN,N-二置換-3-置換されていてもよい-アニリン(10)が生成する。 一実施形態では、以下のスキームに図示されているように、3-エチル-アニリン(9)がハロゲン化メチルによりN,N-ジメチル化されてN,N-ジメチル-3-エチル-アニリン(10)が生成する。 一実施形態では、この反応ではハロゲン化アルキルが用いられる。 一実施形態では、この反応ではハロゲン化アルケニルが用いられる。 一実施形態では、この反応ではハロゲン化ハロアルキルが用いられる。 一実施形態では、このハロゲン化物は塩化物、臭化物、ヨウ化物である。 一実施形態では、このハロゲン化物は臭化物またはヨウ化物である。 一実施形態では、このハロゲン化物はヨウ化物である。 一実施形態では、この反応ではヨウ化メチルが用いられる。 一実施形態では、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、またはハロゲン化ハロアルキルのアニリン(9)に対するモル比は2.0〜4.0である。一実施形態では、このモル比は2.5〜3.5である。 一実施形態では、この反応は塩基性条件下で行われる。 一実施形態では、この反応は、8以上のpHで行われる。 一実施形態では、この反応は、8〜14のpHで行われる。 一実施形態では、この反応は、8〜12のpHで行われる。 一実施形態では、この反応は、8〜10のpHで行われる。 一実施形態では、塩基性条件は炭酸ナトリウムにより達成される。 一実施形態では、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、またはハロゲン化ハロアルキルの塩基(例えば、炭酸ナトリウム)に対するモル比は約2.0である。 一実施形態では、反応温度は25〜65℃である。 一実施形態では、反応温度は35〜55℃である。 一実施形態では、反応温度は約45℃である。 一実施形態では、反応時間は1〜24時間である。 一実施形態では、反応時間は2〜18時間である。 一実施形態では、反応時間は約10時間である。 一実施形態では、反応混合物はこの反応ステップの間中撹拌される。 一実施形態では、この反応は、水を加えることで停止される。ニトロシル化(NOS-2) このステップでは、以下のスキームに図示されているように、N,N-二置換-3-置換されていてもよいアニリン(10)が4-ニトロシル化されて対応のN,N-二置換-3-置換されていてもよい-4-ニトロシルアニリン(11)が生成する。 一実施形態では、以下のスキームに図示されているように、N,N-ジメチル-3-エチル-アニリン(10')が4-ニトロシル化されて対応のN,N-ジメチル-3-エチル-4-ニトロシルアニリン(11')が生成する。 一実施形態では、このニトロシル化はニトライトにより行われる。 一実施形態では、このニトライトはNO2-であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このニトライトはアルカリ金属亜硝酸塩であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このニトライトは亜硝酸ナトリウムまたは亜硝酸カリウムであるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このニトライトは亜硝酸ナトリウムであるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このニトライトは亜硝酸ナトリウムである。 一実施形態では、ニトライトのアニリン(9)に対するモル比は0.8〜1.5である。 一実施形態では、このモル比は1.0〜1.5である。 一実施形態では、このモル比は1.0〜1.3である。 一実施形態では、このモル比は1.0〜1.1である。 一実施形態では、このモル比は1.1〜1.5である。 一実施形態では、このモル比は1.1〜1.3である。 一実施形態では、この反応は、酸性の条件下で行われる。 一実施形態では、この反応は、1以下のpHで行われる。 一実施形態では、この反応は、1〜-1のpHで行われる。 一実施形態では、この反応は、1〜0のpHで行われる。 一実施形態では、酸性条件は、強酸により達成される。 一実施形態では、酸性条件は、HCl(これは1つの強酸プロトンを有している)により達成される。 一実施形態では、酸プロトンのアニリン(9)に対する比は1〜4である。 一実施形態では、その範囲は2〜4である。 一実施形態では、その範囲は3〜4である。 一実施形態では、その比は約3.2である。 一実施形態では、その範囲は2〜3である。 一実施形態では、その範囲は2.25〜2.75である。 一実施形態では、その比は約2.5である。 一実施形態では、この反応は、水性媒体中で行われる。 一実施形態では、反応温度は2〜25℃である。 一実施形態では、反応温度は2〜15℃である。 一実施形態では、反応温度は2〜10℃である。 一実施形態では、反応温度は約5℃である。 一実施形態では、反応時間は10〜240分である。 一実施形態では、反応時間は30〜120分である。 一実施形態では、反応時間は約60分である。 一実施形態では、反応混合物はこの反応ステップの間中撹拌される。ニトロシル還元(NR-2) このステップでは、以下のスキームに図示されているように、N,N-二置換-3-置換されていてもよい-4-ニトロシルアニリン(11)が還元されてN,N-二置換-1,4-ジアミノ-5-置換されていてもよいベンゼン(12)が生成する。 一実施形態では、以下のスキームに図示されているように、N,N-ジメチル-3-エチル-4-ニトロシル-アニリン(11')が還元されてN,N-ジメチル-1,4-ジアミノ-3-エチル-ベンゼン(12')が生成する。 一実施形態では、この還元は、還元剤を用いた反応によるものである。 一実施形態では、この還元剤はFe(0)であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、この還元剤は金属鉄であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、この還元剤は金属鉄である。 金属鉄は、商業的に例えば金属やすり粉として入手できる。 一実施形態では、Fe(0)のアニリン(9)に対するモル比は1.0〜4.0である。 一実施形態では、このモル比は1.5〜4.0である。 一実施形態では、このモル比は1.5〜3.0である。 一実施形態では、このモル比は1.5〜2.5である。 一実施形態では、この反応は、酸性の条件下で行われる。 一実施形態では、この反応は、1以下のpHで行われる。 一実施形態では、この反応は、1〜-1のpHで行われる。 一実施形態では、この反応は、1〜0のpHで行われる。 一実施形態では、酸性条件は、強酸により達成される。 一実施形態では、酸性条件は、HCl(これは1つの強酸プロトンを有している)により達成される。 一実施形態では、酸プロトンのアニリン(9)に対するモル比は1〜4である。 一実施形態では、その範囲は2〜4である。 一実施形態では、その範囲は3〜4である。 一実施形態では、その比は約3.2である。 一実施形態では、その範囲は2〜3である。 一実施形態では、その範囲は2.25〜2.75である。 一実施形態では、その比は約2.5である。 一実施形態では、この反応は、水性媒体中で行われる。 一実施形態では、この反応は2〜35℃の温度で行われる。 一実施形態では、この反応は10〜30℃の温度で行われる。 一実施形態では、この反応は10分〜12時間の時間で行われる。 一実施形態では、この反応は30分〜6時間の時間で行われる。 一実施形態では、この反応は約3時間の時間で行われる。 一実施形態では、反応混合物はこの反応ステップの間中撹拌される。環縮合(RF-2) このステップでは、以下のスキームに図示されているように、N,N-二置換-1,4-ジアミノ-5-置換されていてもよいベンゼン(12)の2つの分子がアルカリ金属硫化物および鉄(III)の存在下に0.6〜2.6のpHで縮合されて3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩(13)が生成する。 一実施形態では、以下のスキームに図示されているように、N,N-ジメチル-1,4-ジアミノ-5-エチル-ベンゼン(12)の2つの分子がアルカリ金属硫化物および鉄(III)の存在下に0.6〜2.6のpHで縮合されて3,7-ビス(ジメチル-アミノ)-1,9-(ジエチル)-フェノチアジン-5-イウム塩(13)が生成する。 一実施形態では、このアルカリ金属硫化物は硫化ナトリウムまたは硫化カリウムであるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このアルカリ金属硫化物は硫化ナトリウムであるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このアルカリ金属硫化物は硫化ナトリウムである。 一実施形態では、この鉄(III)はハロゲン化鉄(III)であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、この鉄(III)は塩化鉄(III)であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、この鉄(III)は塩化鉄(III)またはその水和物である。 塩化鉄(III)は、例えばその無水塩またはその六水和物として商業的に入手できる。 一実施形態では、この反応は、酸性の条件下で行われる。 一実施形態では、この反応は、0.8〜2.4のpHで行われる。 一実施形態では、その範囲は1.0〜2.2である。 一実施形態では、その範囲は1.2〜2.0である。 一実施形態では、その範囲は1.4〜1.8である。 一実施形態では、このpHは約1.6である。 一実施形態では、硫化物のアニリン(12)に対するモル比は0.5〜2.0である。 一実施形態では、このモル比は0.8〜1.5である。 一実施形態では、このモル比は約1.0である。 一実施形態では、Fe(III)のアニリン(12)に対するモル比は2.0〜6.0である。 一実施形態では、このモル比は2.6〜4.0である。 一実施形態では、このモル比は約3.0である。 一実施形態では、この反応は、水性媒体中で行われる。 一実施形態では、Fe(III)試薬は、複数のほぼ等しい分割部分で加えられる。 一実施形態では、Fe(III)試薬は、ふたつのほぼ等しい分割部分で加えられる。 一実施形態では、これのpHは(例えば、強酸もしくは強塩基を加えることで)所望の値に調整され、アルカリ金属硫化物が加えられ、そしてFe(III)試薬の半分が加えられる。この混合物をこのあと(例えば、1時間)曝気し、そのあとFe(III)試薬の残りが加えられる。 一実施形態では、この反応は2〜35℃の温度で行われる。 一実施形態では、この反応は10〜30℃の温度で行われる。 一実施形態では、この反応は10分〜12時間の時間で行われる。 一実施形態では、この反応は30分〜6時間の時間で行われる。 一実施形態では、この反応は約3時間の時間で行われる。 一実施形態では、反応混合物はこの反応ステップの間中撹拌される。 一実施形態では、反応のあと、反応混合物が濾過され、その濾液が回収される。 一実施形態では、この濾過は反応温度に近い温度で行われて、「熱」濾液をもたらす。 一実施形態では、反応混合物は先ず冷却され、そして濾過がおよそ室温で行われて、「冷」濾液をもたらす。塩化物塩生成(CSF-2) このステップでは、以下のスキームに図示されているように、3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩(13)が塩化物と反応して3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(14)が生成する。 一実施形態では、以下のスキームに図示されているように、3,7-ビス(ジメチルアミノ)-フェノチアジン-5-イウム塩(13')が塩化物と反応して3,7-ビス(ジメチルアミノ)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(14')(すなわち、DEMTC)が生成する。塩化物源としての塩酸による処理: 一実施形態では、塩化物は塩酸である。 一実施形態では、この反応は比較的低pHで行われる。 一実施形態では、この比較的低いpHは-1〜3である。 一実施形態では、この比較的低いpHは0〜3である。 一実施形態では、この比較的低いpHは0〜2である。 一実施形態では、この比較的低いpHは約1である。 一実施形態では、pHは、この比較的低いpHにゆっくりと調整される。 一実施形態では、pHは、5〜120分の時間で調整される。 一実施形態では、pHは、5〜60分の時間で調整される。 一実施形態では、pHは、5〜30分の時間で調整される。 一実施形態では、pHは、約10分の時間で調整される。 一実施形態では、この反応は、比較的冷たい温度で行われる。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は2〜40℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は2〜30℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は5〜30℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は10〜30℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は15〜30℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は20〜30℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は約25℃である。 一実施形態では、この反応は、反応混合物(最初は、例えば、深い青色)が薄青色〜無色になるまで行われる。 一実施形態では、反応混合物はこの反応ステップの間中撹拌される。塩化物源としての塩化物塩による処理: 一実施形態では、塩化物は塩化物塩である。 一実施形態では、塩化物はアルカリ金属塩化物である。 一実施形態では、塩化物は塩化ナトリウムである。 一実施形態では、大過剰モル量の(ナトリウム)塩化物が存在している。 一実施形態では、塩化物の塩(13)に対するモル比は5〜100である。 一実施形態では、このモル比は10〜80である。 一実施形態では、このモル比は10〜50である。 一実施形態では、このモル比は約20である。 一実施形態では、この反応は、水性媒体中で行われる。 一実施形態では、反応温度は2〜30℃である。 一実施形態では、反応温度は2〜20℃である。 一実施形態では、反応温度は約5℃である。 一実施形態では、反応時間は5〜30分である。 一実施形態では、この反応は、生成物が沈殿するにつれて反応混合物が色を変えるまで、例えば赤色/紫色になるまで行われる。 一実施形態では、反応混合物はこの反応ステップの間中撹拌される。 所望により、上記で述べた処理ステップ(ST、DT、CT、EDTAT、OE)のひとつ以上を追加的に行ってもよい。 所望により、上記で述べた再結晶化ステップ(RX)を追加的に行ってもよい。合成方法 C 本方法は、基-N(R3NA)(R3NB)および-N(R7NA)(R7NB)が-N(CH3)2以外である場合、例えば基-N(R3NA)(R3NB)および-N(R7NA)(R7NB)が同じであり、-N(CH3CH2)2である場合のジアミノフェノチアジニウム化合物の合成に特によく適している。 一実施形態では、本方法は以下のステップを順番に含む:チオスルホン酸生成(TSAF-3);酸化的カップリング(OC-3);閉環(RC-3)。 一実施形態では、本方法は以下のステップをさらに含む:塩化物塩生成(CSF-3)。 つまり、一実施形態で、この方法は以下のステップを順番に含む:チオスルホン酸生成(TSAF-3);酸化的カップリング(OC-3);閉環(RC-3);塩化物塩生成(CSF-3)。チオスルホン酸生成(TSAF-3) このステップでは、以下のスキームに図示されているように、N,N-ジエチル-1,4-ジアミノ-ベンゼン(15)がチオスルフェートの存在下に酸化されてチオ硫酸S-(2-アミノ-5-ジエチルアミノ-フェニル)エステル(16)が生成する。 このチオスルフェートはS2O3-2であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このチオスルフェートはNa2S2O3であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、このチオスルフェートはNa2S2O3である。 Na2S2O3は、例えばその無水塩または五水和物として商業的に入手できる。 一実施形態では、チオスルフェートのジアミン(15)に対するモル比は0.8〜1.5である。 一実施形態では、このモル比は1.0〜1.5である。 一実施形態では、このモル比は1.1〜1.5である。 一実施形態では、このモル比は1.1〜1.3である。 一実施形態では、この酸化は、酸化剤を用いた酸化によるものである。 一実施形態では、この酸化剤はCr(VI)であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、この酸化剤はCr2O7-2であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、この酸化剤はNa2Cr2O7であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、この酸化剤はNa2Cr2O7である。 一実施形態では、Cr(VI)のジアミン(15)に対するモル比は0.2〜2.0である。 一実施形態では、このモル比は0.2〜1.0である。 一実施形態では、このモル比は0.2〜0.8である。 一実施形態では、このモル比は0.3〜0.7である。 一実施形態では、酸化剤はさらにAl(III)を含んでいる。 一実施形態では、酸化剤はさらにAl2(SO4)3を含んでいる。 一実施形態では、Al(III)のジアミン(15)に対するモル比は0.2〜2.0である。 一実施形態では、このモル比は0.2〜1.0である。 一実施形態では、このモル比は0.2〜0.8である。 一実施形態では、このモル比は0.3〜0.7である。 一実施形態では、酸化剤はさらに強酸を含んでいる。 一実施形態では、酸化剤はさらに硫酸(H2SO4)(これは2つの強酸プロトンを有している)を含んでいる。 一実施形態では、酸プロトンのジアミン(15)に対するモル比は1.0〜4.0である。 一実施形態では、その範囲は1.5〜2.5である。 一実施形態では、その範囲は約2.0である。 一実施形態では、この反応は、水性媒体中で行われる。 一実施形態では、この反応は15〜50℃の温度で行われる。 一実施形態では、この反応は10分〜2時間の時間で行われる。 一実施形態では、反応混合物はこの反応ステップの間中撹拌される。 一実施形態では、反応のあと、反応混合物は濾過され、そして濾液が回収される。 一実施形態では、この濾過は、反応温度に近い温度で行われる。 一実施形態では、反応混合物は先ず冷却され、そして濾過がおよそ室温で行われる。酸化的カップリング(OC-3) このステップでは、以下のスキームに図示されているように、チオ硫酸S-(2-アミノ-5-ジエチルアミノ-フェニル)エステル(16)がN,N-ジエチル-アニリン(17)に酸化的にカップリングされて[4-{2-(チオスルフェート)-4-(ジエチルアミノ)-フェニル-イミノ}-シクロヘキサ-2,5-ジエニリデン]-N,N-ジエチルアンモニウム(18)が生成する。 一実施形態では、この酸化は、酸化剤を用いて行われる。 一実施形態では、この酸化剤はCr(VI)であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、この酸化剤はCr2O7-2であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、この酸化剤はNa2Cr2O7であるかまたはそれを含んでいる。 一実施形態では、この酸化剤はNa2Cr2O7である。 一実施形態では、エステル(16)のアニリン(17)に対するモル比は0.5〜1.5である。 一実施形態では、その範囲は0.8〜1.2である。 一実施形態では、このモル比は約1.0である。 一実施形態では、Cr(VI)のアニリン(17)に対するモル比は1.0〜4.0である。 一実施形態では、その範囲は1.6〜3.0である。 一実施形態では、その範囲は2.0〜3.0である。 一実施形態では、このモル比は約2.2である。 一実施形態では、この反応は酸性条件下で行われる。 一実施形態では、この反応は1以下のpHで行われる。 一実施形態では、この反応は1〜-1のpHで行われる。 一実施形態では、この反応は1〜0のpHで行われる。 一実施形態では、酸性条件は、強酸により達成される。 一実施形態では、酸性条件は、HCl(これは1つの強酸プロトンを有している)により達成される。 一実施形態では、酸プロトンのアニリン(17)に対するモル比は1.0〜4.0である。 一実施形態では、その範囲は1.5〜2.5である。 一実施形態では、このモル比は約2.0である。 一実施形態では、この反応は、水性媒体中で行われる。 一実施形態では、反応温度は20〜95℃である。 一実施形態では、反応温度は30〜80℃である。 一実施形態では、反応時間は10分〜12時間である。 一実施形態では、反応時間は10分〜4時間である。 一実施形態では、反応時間は約30分である。 一実施形態では、反応混合物はこの反応ステップの間中撹拌される。閉環(RC-3) このステップでは、以下のスキームに図示されているように、[4-{2-(チオスルフェート)-4-(ジエチルアミノ)-フェニル-イミノ}-シクロヘキサ-2,5-ジエニリデン]-N,N-ジエチルアンモニウム(18)が活性二酸化マンガン(MnO2)と反応することで閉環が行われて3,7-ビス(ジエチルアミノ)-フェノチアジン-5-イウム塩(19)が生成する。 一実施形態では、MnO2のアンモニウム(18)に対するモル比は1.0〜3.0である。 一実施形態では、このモル比は1.5〜2.5である。 一実施形態では、このモル比は約2.0である。 一実施形態では、この反応は、水性媒体中で行われる。 一実施形態では、反応温度は30〜95℃である。 一実施形態では、反応温度は60〜90℃である。 一実施形態では、反応温度は約85℃である。 一実施形態では、反応時間は10分〜12時間である。 一実施形態では、反応時間は10分〜4時間である。 一実施形態では、反応時間は約30分である。 一実施形態では、反応混合物はこの反応ステップの間中撹拌される。 一実施形態では、反応の完結(沈殿物のある青い溶液が観察される)のあと、強酸(例えば、濃H2SO4)が加えられる。 特定の理論に縛られるのを望むものではないが、強酸がマンガン塩および酸化クロム(ならびに存在する場合はその他の塩)を溶解するものと考えられる。 一実施形態では、反応のあと、反応混合物が濾過され、その濾液が回収される。 一実施形態では、この濾過は反応温度に近い温度で行われて「熱」濾液をもたらす。 一実施形態では、反応混合物は先ず冷却され、そして濾過はおよそ室温で行われて「冷」濾液をもたらす。塩化物塩生成(CSF-3) このステップでは、以下のスキームに図示されているように、3,7-ビス(ジエチルアミノ)-フェノチアジン-5-イウム塩(19)が塩化物と反応して3,7-ビス(ジエチルアミノ)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩化亜鉛混合塩(20)が生成する。塩化物源としての塩酸による処理: 一実施形態では、塩化物は塩酸である。 一実施形態では、この反応は比較的低pHで行われる。 一実施形態では、この比較的低いpHは-1〜3である。 一実施形態では、この比較的低いpHは0〜3である。 一実施形態では、この比較的低いpHは0〜2である。 一実施形態では、この比較的低いpHは約1である。 一実施形態では、pHは、比較的低pHにゆっくりと調整される。 一実施形態では、pHは、5〜120分の時間で調整される。 一実施形態では、pHは、5〜60分の時間で調整される。 一実施形態では、pHは、5〜30分の時間で調整される。 一実施形態では、pHは、約10分の時間で調整される。 一実施形態では、この反応は、比較的冷たい温度で行われる。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は2〜40℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は2〜30℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は5〜30℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は10〜30℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は15〜30℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は20〜30℃である。 一実施形態では、この比較的冷たい温度は約25℃である。 一実施形態では、この反応は、反応混合物(最初は、例えば、深い青色)が薄青色〜無色になるまで行われる。 一実施形態では、反応混合物はこの反応ステップの間中撹拌される。塩化物源としての塩化物塩による処理: 一実施形態では、塩化物は塩化物塩である。 一実施形態では、塩化物はアルカリ金属塩化物である。 一実施形態では、塩化物は塩化ナトリウムである。 一実施形態では、塩化物はアルカリ金属塩化物および塩化亜鉛である。 一実施形態では、塩化物は塩化ナトリウムおよび塩化亜鉛である。 一実施形態では、大過剰モル量の(ナトリウムおよび亜鉛)塩化物が存在している。 一実施形態では、塩化物の塩(19)に対するモル比は5〜100である。 一実施形態では、このモル比は10〜80である。 一実施形態では、このモル比は10〜50である。 一実施形態では、このモル比は約20である。 一実施形態では、この反応は、水性媒体中で行われる。 一実施形態では、反応温度は2〜30℃である。 一実施形態では、反応温度は2〜20℃である。 一実施形態では、反応温度は約5℃である。 一実施形態では、反応時間は30分〜24時間である。 一実施形態では、反応混合物はこの反応ステップの間中撹拌される。 所望により、上記で述べた処理ステップ(ST、DT、CT、EDTAT、OE)のひとつ以上を追加的に行ってもよい。 所望により、上記で述べた再結晶化ステップ(RX)を追加的に行ってもよい。化合物 本明細書に記載されている方法は、これまで世界中で入手できなかった純度のジアミノフェノチアジニウム化合物をもたらす。 例えば、本明細書に記載されている方法の多くは、有機不純物(例えば、アズールB[Azure B]およびメチレン・バイオレット・ベルントゼン(MVB))と金属不純物のレベルの双方が極めて低い(例えば、欧州薬局方限度値[European Pharmacopoeia limits]を満たすまたはそれを下回る)非常に高純度のMTCをもたらす。 つまり、本発明のひとつの態様は、本明細書に記載されている方法によって得られるまたは得ることができる本明細書に記載されているジアミノフェノチアジニウム化合物に関する。 一実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている方法によって得られるまたは得ることができるMTCに関する。 一実施形態では、この化合物(例えば、MTC)は、98%より高い純度を有している。 一実施形態では、この化合物(例えば、MTC)は、97%より高い純度を有している。 一実施形態では、この化合物(例えば、MTC)は、96%より高い純度を有している。 一実施形態では、この化合物(例えば、MTC)は、95%より高い純度を有している。 一実施形態では、この化合物(例えば、MTC)は、94%より高い純度を有している。 一実施形態では、この化合物は、2%未満の不純物としてのアズールBを有している。 一実施形態では、この化合物は、不純物としてのアズールBが3%未満である。 一実施形態では、この化合物は、不純物としてのアズールBが4%未満である。 一実施形態では、この化合物は、不純物としてのMVBが0.13%未満である。 一実施形態では、この化合物は、不純物としてのMVBが0.14%未満である。 一実施形態では、この化合物は、不純物としてのMVBが0.15%未満である。 (パーセント純度はすべて、特に断らない限り、重量によるものである)。 一実施形態で、この化合物(例えば、MTC)は、欧州薬局方(EP)限度値よりも優れた元素純度(例えば、Al、Cr、Zn、Cu、Fe、Mn、Ni、Mo、Cd、Sn、およびPbについての)を有している。 本明細書で言及されている用語「元素純度」は、欧州薬局方によって設定されている次の11金属の量に関するものである:Al、Cr、Zn、Cu、Fe、Mn、Ni、Mo、Cd、Sn、およびPb。 本明細書で言及されている欧州薬局方限度値を以下の表に載せておく。 一実施形態で、この化合物(例えば、MTC)は、欧州薬局方(EP)限度値の0.9倍よりもよい元素純度を有している。 一実施形態で、この化合物(例えば、MTC)は、欧州薬局方(EP)限度値の0.5倍よりもよい元素純度を有している。 一実施形態で、この化合物(例えば、MTC)は、欧州薬局方(EP)限度値の0.2倍よりもよい元素純度を有している。 一実施形態で、この化合物(例えば、MTC)は、欧州薬局方(EP)限度値の0.1倍よりもよい元素純度を有している。(例えば、欧州薬局方(EP)限度値の0.5倍は、50μg/g Al、5μg/g Cr、5μg/g Zn等である)。 上記純度等級のあり得る且つ適合する組み合せはすべて、あたかもそれぞれの個々の組み合せが具体的且つ明確に列挙されているがごとくに、本明細書では開示されている。組成物 本発明のひとつの態様は、本明細書に記載されているジアミノフェノチアジニウム化合物を含む組成物に関する。 本発明のひとつの態様は、本明細書に記載されている方法によって得られるまたはそれによって得ることができるジアミノフェノチアジニウム化合物を含む組成物に関する。 一実施形態では、この組成物はさらに、薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む。病原体を不活性化する方法 本発明の1つの態様は、サンプル(例えば血液サンプルや血漿サンプル)中の病原体を不活性化する方法における本明細書に記載されているジアミノフェノチアジニウム化合物の使用に関し、その方法は、その化合物をサンプルの中に導入し、そのサンプルを光に曝露することを含む。 本発明の1つの態様は、サンプル(例えば血液サンプルや血漿サンプル)中の病原体を不活性化する方法における本明細書に記載されている方法によって得られるまたは得ることができるジアミノフェノチアジニウム化合物の使用に関し、その方法は、その化合物をサンプルの中に導入し、そのサンプルを光に曝露することを含む。医学的治療する方法 本発明のひとつの態様は、治療により(例えば疾患状態の)ヒトまたは動物の身体を治療する方法で使用するための本明細書に記載されているジアミノフェノチアジニウム化合物に関する。 本発明のひとつの態様は、治療により(例えば疾患状態の)ヒトまたは動物の身体を治療する方法で使用するための本明細書に記載されている方法によって得られるまたは得ることができるジアミノフェノチアジニウム化合物に関する。 本発明のひとつの態様は、疾患状態の治療で使用するための医薬を製造するための本明細書に記載されているジアミノフェノチアジニウム化合物の使用に関する。 本発明のひとつの態様は、疾患状態の治療で使用するための医薬を製造するための本明細書に記載されている方法によって得られるまたは得ることができるジアミノフェノチアジニウム化合物の使用に関する。 本発明のひとつの態様は患者における疾患状態を治療する方法であって、そのような患者に本明細書に記載されているジアミノフェノチアジニウム化合物の治療的に有効な量を投与することを含む前記方法に関する。 本発明のひとつの態様は患者における疾患状態を治療する方法であって、そのような患者に本明細書に記載されている方法によって得られるまたは得ることができるジアミノフェノチアジニウム化合物の治療的に有効な量を投与することを含む前記方法に関する。疾患状態 一実施形態では、疾患状態はタウオパシーである。 「タウオパシー(tauopathy)」とは、タウタンパク質(およびその異常な作用またはプロセシング)が関与している病態である。アルツハイマー病は、タウオパシーのひとつの例である。ピック病[Pick's disease]や進行性核上性麻痺[Progressive Supranuclear Palsy](PSP)のような神経変性的な疾患の病因は、それぞれ大脳新皮質の歯状回細胞や星状錐体細胞における異常にトランケートされたタウタンパク質集合体の蓄積と関係していると考えられている。他の痴呆としては、前頭側頭葉型痴呆症[fronto-temporal dementia](FTD);第17染色体遺伝子関連パーキンソニズム[parkinsonism linked to chromosome 17](FTDP-17);脱抑制・痴呆・パーキンソニズム・筋萎縮複合症[disinhibition-dementia-parkinsonism-amyotrophy complex](DDPAC);淡蒼球・脳橋・黒質変性症[pallido-ponto-nigral degeneration](PPND);グアムALS症候群[Guam-ALS syndrome];淡蒼球・黒質・ルュイ中心正中核変性症[pallido-nigro-luysian degeneration](PNLD);大脳皮質基底核変性症[cortico-basal degeneration](CBD)他が挙げられる(例えば、Wischik et al., 2000(特許文献4)、特にそこのTable 5.1を参照されたい)。異常なタウタンパク質集合体によって主としてあるいは部分的に特徴付けられるこれらの疾患はみな本明細書では「タウオパシー」と呼ばれる。 一実施形態では、疾患状態はアルツハイマー病(AD)である。 一実施形態では、疾患状態は皮膚癌である。 一実施形態では、疾患状態は黒色腫である。 一実施形態では、疾患状態はウイルス性、細菌性または原虫性の疾患である。 一実施形態では、原虫性の疾患状態はマラリアである。この実施形態では、治療は別の抗微生物薬との組み合せ、例えばクロロキンまたはアトバクオン[atovaquone]との組み合せであってもよい。 一実施形態では、ウイルス性の疾患状態は、C型肝炎、HIVまたは西ナイルウイルスによって引き起こされたものである。治療 病態を治療するという意味で本明細書で使用されている用語「治療」は、通常、ヒトであれ動物(例えば、獣医学での適用)であれそれの治療および療法を意味し、ここでは一定の所望の治療効果、例えば病態の進行の阻止が達成され、この治療効果には進行速度の低下、進行速度の停止、病態の後退、病態の改善、および病態の治癒が含まれる。予防的手段としての治療(すなわち、予防、防止)も含まれる。 本明細書で使用されている用語「治療的に有効な量」とは、所望の治療計画に従って投与された場合、合理的な利益/リスク比と釣り合った何らかの所望の治療効果を生み出すのに効果がある活性化合物もしくは物質または活性化合物を含む組成物もしくは薬剤の量を意味する。 用語「治療」には組み合せの治療および療法が含まれ、ここでは2つ以上の治療または療法が、例えば順次にまたは同時に組み合せられる。治療および療法の例としては、限定するものではないが、化学療法(例えば、薬剤、抗体[例えば、免疫療法におけるように]、プロドラッグ[例えば、光力学的療法、GDEPT、ADEPTなどにおけるように]などの活性剤を投与すること);外科的手術;放射線療法;および遺伝子療法;が挙げられる。投与の経路 ジアミノフェノチアジニウム化合物またはそれを含んでいる医薬組成物は、全身的/末梢的であれ局所的(すなわち、作用が望まれている部位に)であれ、都合のよい投与の経路により被験者/患者に投与することができる。 投与の経路としては、限定するものではないが、経口(例えば、食物摂取により);経頬;経舌下;経皮(例えばパッチ、プラスターなどによるものなど);経粘膜(例えばパッチ、プラスターなどによるものなど);鼻腔内(例えば、鼻腔スプレーにより);経眼(例えば、点眼薬により);経肺(例えば口または鼻を通しての例えばエアロゾルを用いた吸入療法または通気療法により);経直腸(例えば、座薬や浣腸により);経膣(例えば、膣座薬により);(例えば注射による)非経口[皮下、皮内、筋内、静脈内、動脈内、心臓内、鞘内、髄内、包内、被膜下、眼窩内、腹腔内、気管内、表皮下、関節腔内、クモ膜下、および胸骨下(例えば脳への血管内カテーテル注入など)など];デポー剤またはレザバー剤の埋め込みによる例えば皮下あるいは筋内;が挙げられる。被験体/患者 被験体/患者は、動物、哺乳動物、胎盤哺乳動物、有袋類(例えば、カンガルー、ウォンバット)、単孔類(例えば、カモノハシ)、げっ歯類(例えば、モルモット、ハムスター、ラット、マウス)、ネズミ(例えば、マウス)、ウサギ目(例えば、ウサギ)、鳥類(例えば、トリ)、犬類(例えば、イヌ)、猫類(例えば、ネコ)、馬類(例えば、ウマ)、ブタ類(例えば、ブタ)、羊類(例えば、ヒツジ)、牛類(例えば、ウシ)、霊長類、類人猿(例えば、サルや類人猿)、サル科目(例えば、マルモセット、ヒヒ)、類人猿科目(例えば、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、テナガザル)、あるいはヒトであってよい。さらに、被験体/患者は、その発達のどの形態(例えば、胎児)にあってもよい。 好ましい一実施形態では、被験体/患者はヒトである。製剤 ジアミノフェノチアジニウム化合物を単独で用いる(例えば投与する)ことは可能であるが、多くの場合それを組成物または製剤として提供するのが好ましい。 一実施形態では、組成物は、本明細書に記載されているジアミノフェノチアジニウム化合物および薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含んでいる医薬組成物(例えば、製剤、調製物、医薬)である。 一実施形態では、組成物は、本明細書に記載されている少なくとも1種のジアミノフェノチアジニウム化合物を、限定するものではないが薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、補助剤、増量剤、緩衝剤、防腐剤、抗酸化剤、潤滑剤、安定化剤、可溶化剤、界面活性剤(例えば、湿潤化剤)、マスキング剤、着色剤、芳香剤、および甘味剤などの当業者にはよく知られている1種以上の他の薬学的に許容される成分と一緒に含む医薬組成物である。 一実施形態では、組成物はさらに他の活性剤、例えば他の治療剤や予防剤を含む。 好適な担体、希釈剤、賦形剤などは、標準的な製薬の書物に載っている。例えば、「Handbook of-Pharmaceutical-Additives, 2nd-Edition (eds. M. Ash and I. Ash), 2001 (Synapse-Information-Resources, Inc., Endicott, New-York, USA)」、「Remington's-Pharmaceutical-Sciences, 20th edition, pub. Lippincott, Williams-&-Wilkins, 2000」;および「Handbook-of-Pharmaceutical-Excipients, 2nd edition, 1994」を参照されたい。 本発明の別の態様は、本明細書に記載されている少なくとも1種の[11C]-放射能標識化フェノチアジンまたはフェノチアジン様化合物を1種以上の当業者にはよく知られている他の薬学的に許容される成分例えば担体、希釈剤、賦形剤などと一緒に混ぜることを含む医薬組成物の製造方法に関する。個々の単位(例えば、タブレットなど)として製剤化される場合は、各単位は、所定量(投薬量)の活性化合物を含んでいる。 本明細書で使用される用語「薬学的に許容される」とは、妥当な医学的判断の範囲内において、合理的な利益/リスク比と釣り合って、過剰な毒性、刺激性、アレルギー応答性や他の問題あるいは合併症がなく当該の被験体(例えば、ヒト)の組織と接触して使用するのに適している化合物、成分、物質、組成物、剤形などに関する。担体、希釈剤、賦形剤他はそれぞれまた、製剤の他の成分と適合するという意味において「許容される」ものでなければならない。 製剤は、製薬の技術分野で周知の方法によって調製することができる。そのような方法には、活性化合物と、1種以上の補助的な成分から構成される担体とを混ぜるというステップが含まれている。一般には、製剤は、活性化合物と担体(例えば、液体担体、微細粉砕固体担体、他)とを均一且つ緊密に混ぜることによって、また必要ならそのあとその製品を成形することによって調製される。 製剤は、迅速もしくは緩慢放出;瞬間、遅延、時限、または持続放出;あるいはこれらの組み合せ;を提供するように調製することもできる。 非経口投与(例えば、注射)に適した製剤は、水性もしくは非水性の、等張性の、発熱物質なしの、滅菌の液体(例えば、溶液、懸濁液)を含んでおり、この中に活性成分が溶解されているか、懸濁されているか、あるいはそうでなければ入れられている(例えば、リポソームや他の微粒子状物質の中に)。そのような液体は、追加的な他の薬学的に許容される成分、例えば抗酸化剤、緩衝剤、防腐剤、安定化剤、静菌剤、懸濁化剤、増粘剤、ならびに製剤を対象の被験者の血液(または他の関係する体液)と等張性にする溶質を含んでいてもよい。賦形剤の例としては、例えば水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油などが挙げられる。このような製剤で使用するのに適した等張性担体の例としては、塩化ナトリウム液[Sodium Chloride Injection]、リンゲル溶液[Ringer's Solution]、や乳酸加リンゲル液[Lactated Ringer's Injection]が挙げられる。典型的には、液体中の活性成分の濃度は約1ng/mL〜約10μg/mL、例えば約10ng/mL〜約1μg/mLである。製剤は単回用量または複数回用量の密封容器(例えば、アンプルやバイアル)に入れて提供することができ、また使用直前に滅菌液体担体(例えば注射用の水)を加えることのみを必要とする凍結乾燥状態で貯蔵しておくこともできる。無菌の粉末、顆粒、タブレットからは、即席の注射溶液や懸濁液を調製することができる。好ましい製剤の例 本発明のひとつの態様は、本明細書に記載されている(例えば、本明細書に記載されている方法によって得られるまたは得ることができる;本明細書に記載されている純度を有している;他)ジアミノフェノチアジニウム化合物20〜300mg、および薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む投薬単位(例えば、医薬タブレットやカプセル)に関する。 一実施形態では、その投薬単位はタブレットである。 一実施形態では、投薬単位はカプセルである。 一実施形態では、その量は30〜200mgである。 一実施形態では、量は約30mgである。 一実施形態では、量は約60mgである。 一実施形態では、量は約100mgである。 一実施形態では、量は約150mgである。 一実施形態では、量は約200mgである。 一実施形態では、薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤は、グリセリド(例えば、Gelucire 44/14(登録商標);欧州薬局方・米国薬局方ラウロイルマクロゴール-32グリセリド[lauroyl macrogol-32 glycerides PhEur, USP])とコロイド状二酸化ケイ素(例えば、2% Aerosil 200(登録商標);欧州薬局方・米国薬局方コロイド状二酸化ケイ素[Colliodal Silicon Dioxide PhEur, USP])の一方または双方であるか、またはその一方または双方を含んでいる。投薬 当業者なら当然、ジアミノフェノチアジニウム化合物またはそれを含む組成物の適切な投薬というものは、患者によって変わるものであることを理解するはずである。最適な投薬の決定は、一般に、治療効果のレベル対リスクすなわち有害な副作用のバランスをとることによって行われるものである。投薬レベルの選択は、限定するものではないが、その特定の化合物の活性度、投与の経路、投与の時間、化合物の排泄速度、治療の期間、組み合せで使用される他の薬剤、化合物、および/または物質、病態の症状度合、ならびに患者の人種、性別、年齢、体重、病態、全般的な健康状態、およびこれまでの病歴などの様々な要因によって決まるものである。化合物の量および投与の経路は最終的には医師、獣医、または臨床医の判断によるものであるが、一般には投薬は、作用の部位において、実質的に危険または有害な副作用を引き起こすことなく所望の効果を達成する局所濃度を達成するように選択されるものである。 投与は、ひとつの用量で、治療の過程の間中、連続的にまたは断続的に(例えば、適切な時間間隔で分割された用量で)行うことができる。投与の最も効果的な仕方および投薬の決定の仕方は当業者にはよく知られており、治療に使用される製剤、治療の目的、治療されている標的細胞、および治療を受ける被験者によって変わるものである。単回投与も複数回投与も、治療を行う医師、獣医、または臨床医によって選択される用量レベルとパターンで実施すればよい。 一般には、活性化合物の好適な用量範囲は、一日につき被験者の体重1キログラムあたり約100ng〜約25mg(より典型的には約1μg〜約10mg)である。活性化合物が塩、エステル、アミド、プロドラッグなどである場合は、投与される量は親化合物を基準にして計算され、そのため用いられる実際の重量は比例して大きくなる。 一実施形態では、活性化合物(例えば、MTC)は以下の投薬計画に従ってヒト患者に投与される:約100mg、一日3回。 一実施形態では、活性化合物(例えば、MTC)は以下の投薬計画に従ってヒト患者に投与される:約150mg、一日2回。 一実施形態では、活性化合物(例えば、MTC)は以下の投薬計画に従ってヒト患者に投与される:約200mg、一日2回。 以下は実施例であり、単に本発明を説明するために提供されており、本明細書に記載されている発明の範囲を限定することを意図するものではない。実施例 1メチルチオニニウム塩化物(MTC)ハイドロサルファイトを用いての、中間体の単離ありの3-ポット合成 丸底フラスコ(RBF)にN,N-ジメチルアニリン(C6H5N(CH3)2、MW 121.2、20g、0.165モル)、水(100cm3)、およびHCl(37%、44cm3)を加えた。この混合物をおよそ5℃まで冷却した。この混合物に水(100cm3)中の亜硝酸ナトリウム(NaNO2、MW 69.0、12.6g、0.183モル)水溶液を滴下した。得られた懸濁液を低温(5〜10℃)で1時間撹拌した。この混合物をおよそ5℃に冷却した。鉄やすり粉(Fe、MW 55.85、22.0g、0.40モル)およびHCl(37%、44cm3)を1回のアリコート量で加えた。この混合物を30℃より低い温度で2時間撹拌した。混合物を濾過し、その濾液を回収した。 この濾液をおよそ5℃に冷却した。濾液をチオ硫酸ナトリウム五水和物(Na2S2O3・5H2O、MW 248.2、45.0g、0.181モル)の水(50cm3)溶液で処理した。重クロム酸ナトリウム二水和物(Na2Cr2O7・2H2O、MW 298.0、20.0g、67.1ミリモル)の水(40cm3)溶液を40分間かけて滴下した。この溶液をこのあと低温(約5℃)で1時間撹拌した。この冷溶液にN,N-ジメチルアニリン(C6H5N(CH3)2、MW 121.2、20g、0.165モル)、水(20cm3)およびH2SO4(98%、16g)の均質溶液を次に加えた。このあと、重クロム酸ナトリウム二水和物(Na2Cr2O7・2H2O、MW 298.0、52.0g、0.174ミリモル)の水(140cm3)溶液を90分間かけて滴下した。この混合物をおよそ5℃で2時間撹拌した。この混合物にハイドロサルファイトナトリウム(Na2S2O4、MW 174.1、15.2g、87.2ミリモル)のH2O(20cm3)溶液を加えた。この混合物をもう10分(約5℃で)撹拌した。得られた緑・茶色の懸濁液を濾過した。その残留物を水(4 x 250cm3)およびテトラヒドロフラン(THF)(200cm3)で洗って緑色の固形物を得た。この固形物を一晩空気乾燥させた。 この固形物を硫酸銅(II)五水和物(CuSO4・5H2O、MW 249.7、2.06g、8.25ミリモル)のHCl水溶液(900cm3、pH 2)に加えた。これの温度を85℃まで上げた。この混合物をこの温度で1時間撹拌した。深い青色が形成された。この混合物を室温まで冷却した。混合物を濾過した。その残留物を水(4 x 200cm3)で洗った。濾液を回収した。濾液を塩化ナトリウム(NaCl、MW 57.96、200g、3.45モル)により処理した。この混合物を、深い青色が消えるまで撹拌した。混合物を濾過して、粗製メチルチオニニウム塩化物(MTC)を固形物(18.1g、35%)として得た。 この粗生成物を場合により、実施例9〜13に記載されているようにさらなる処理に付し(例えば、硫化ナトリウム他により)、そのあと場合により、実施例14および15に記載されているように再結晶化により(さらに)精製した。実施例 2メチルチオニニウム塩化物(MTC)エタノールを用いての、中間体の単離ありの3-ポット合成 丸底フラスコ(RBF)にN,N-ジメチルアニリン(C6H5N(CH3)2、MW 121.2、10g、82.15ミリモル)、水(100cm3)、およびHCl(37%、22cm3)を加えた。この混合物をおよそ5℃まで冷却した。この混合物に水(50cm3)中の亜硝酸ナトリウム(NaNO2、MW 69.0、6.3g、90.8ミリモル)水溶液を滴下した。得られた懸濁液を低温(約5℃)で1時間撹拌した。この混合物をおよそ5℃まで冷却した。鉄やすり粉(Fe、MW 55.85、11.0g、197ミリモル)およびHCl(37%、22cm3)を1回のアリコート量で加えた。この混合物を30℃より低い温度で2時間撹拌した。混合物を濾過し、その濾液を回収した。 濾液をおよそ5℃に冷却した。この濾液をチオ硫酸ナトリウム五水和物(Na2S2O3・5H2O、MW 248.2、22.52g、90.75ミリモル)の水(25cm3)溶液で処理した。重クロム酸ナトリウム二水和物(Na2Cr2O7・2H2O、MW 298.0、10.0g、33.6ミリモル)の水(20cm3)溶液を20分間かけて滴下した。この溶液をこのあと低温(約5℃)で1時間撹拌した。この冷溶液にN,N-ジメチルアニリン(C6H5N(CH3)2、MW 121.2、10g、82.15ミリモル)、水(10cm3)およびH2SO4(98%、8g)の均質溶液を次に加えた。このあと、重クロム酸ナトリウム二水和物(Na2Cr2O7・2H2O、MW 298.0、26.15g、87.7ミリモル)の水(35cm3)溶液を25分間かけて滴下した。この混合物をおよそ5℃で2時間撹拌した。この混合物にエタノール(C2H5OH、MW 46.07、1cm3、2.4g、52ミリモル)を加えた。この混合物をもう16時間(5〜10℃で)撹拌した。得られた緑・茶色の懸濁液を濾過した。その残留物を水(4 x 250cm3)およびテトラヒドロフラン(THF)(100cm3)で洗って緑色の固形物を得た。この固形物を一晩空気乾燥させた。 この固形物を硫酸銅(II)五水和物(CuSO4・5H2O、MW 249.7、2.06g、8.25ミリモル)のHCl水溶液(450cm3、pH 2)に加えた。これの温度を85℃まで上げた。この混合物をこの温度で1時間撹拌した。深い青色が形成された。この混合物を室温まで冷却した。混合物を濾過した。その残留物を水(4 x 100cm3)で洗った。濾液を回収した。濾液を塩化ナトリウム(NaCl、MW 57.96、100g、1.73モル)により処理した。この混合物を、深い青色が消えるまで撹拌した。混合物を濾過して、粗製メチルチオニニウム塩化物(MTC)を固形物として得た。 この粗生成物を場合により、実施例9〜13に記載されているようにさらなる処理に付し(例えば、硫化ナトリウム他により)、そのあと場合により、実施例14および15に記載されているように再結晶化により(さらに)精製した。実施例 3メチルチオニニウム塩化物(MTC)ヨウ化物を用いての、中間体の単離ありの3-ポット合成 丸底フラスコ(RBF)にN,N-ジメチルアニリン(C6H5N(CH3)2、MW 121.2、10g、82.15ミリモル)、水(100cm3)、およびHCl(37%、22cm3)を加えた。この混合物をおよそ5℃まで冷却した。この混合物に水(50cm3)中の亜硝酸ナトリウム(NaNO2、MW 69.0、6.3g、90.8ミリモル)水溶液を滴下した。得られた懸濁液を低温(約5〜10℃)で1時間撹拌した。この混合物をおよそ5℃まで冷却した。鉄やすり粉(Fe、MW 55.85、11.0g、197ミリモル)およびHCl(37%、22cm3)を1回のアリコート量で加えた。この混合物を30℃より低い温度で2時間撹拌した。混合物を濾過し、その濾液を回収した。 濾液をおよそ5℃に冷却した。この濾液をチオ硫酸ナトリウム五水和物(Na2S2O3・5H2O、MW 248.2、22.52g、90.75ミリモル)の水(25cm3)溶液で処理した。重クロム酸ナトリウム二水和物(Na2Cr2O7・2H2O、MW 298.0、10.0g、33.6ミリモル)の水(20cm3)溶液を20分間かけて滴下した。この溶液をこのあと低温(約5℃)で1時間撹拌した。この冷溶液にN,N-ジメチルアニリン(C6H5N(CH3)2、MW 121.2、10g、82.15ミリモル)、水(10cm3)およびH2SO4(98%、8g)の均質溶液を次に加えた。このあと、重クロム酸ナトリウム二水和物(Na2Cr2O7・2H2O、MW 298.0、26.15g、87.7ミリモル)の水(25cm3)溶液を25分間かけて滴下した。この混合物をおよそ5℃で2時間撹拌した。この混合物にヨウ化カリウム(KI、MW 166.01、7.3g、43.6ミリモル)のH2O(10cm3)溶液を加えた。この混合物をもう12時間(室温で)撹拌した。得られた緑・茶色の懸濁液を濾過した。その残留物を水(4 x 250cm3)およびテトラヒドロフラン(THF)(100cm3)で洗って緑色の固形物を得た。この固形物を一晩空気乾燥させた。 この固形物を硫酸銅(II)五水和物(CuSO4・5H2O、MW 249.7、2.06g、8.25ミリモル)のHCl水溶液(450cm3、pH 2)に加えた。これの温度を85℃まで上げた。この混合物をこの温度で1時間撹拌した。深い青色が形成された。この混合物を室温まで冷却した。混合物を濾過した。その残留物を水(4 x 100cm3)で洗った。濾液を回収した。濾液を塩化ナトリウム(NaCl、MW 57.96、100g、1.73モル)により処理した。この混合物を、深い青色が消えるまで撹拌した。混合物を濾過して、粗製メチルチオニニウム塩化物(MTC)を固形物(9.1g)として得た。 この粗生成物を場合により、実施例9〜13に記載されているようにさらなる処理に付し(例えば、硫化ナトリウム他により)、そのあと場合により、実施例14および15に記載されているように再結晶化により(さらに)精製した。実施例 4メチルチオニニウム塩化物(MTC)pH調整を用いての、中間体の単離ありの3-ポット合成 丸底フラスコ(RBF)にN,N-ジメチルアニリン(C6H5N(CH3)2、MW 121.2、10g、82.15ミリモル)、水(100cm3)、およびHCl(37%、22cm3)を加えた。この混合物をおよそ5℃まで冷却した。この混合物に水(50cm3)中の亜硝酸ナトリウム(NaNO2、MW 69.0、6.3g、90.8ミリモル)水溶液を滴下した。得られた懸濁液を低温(約5〜10℃)で1時間撹拌した。この混合物をおよそ5℃まで冷却した。鉄やすり粉(Fe、MW 55.85、11.0g、197ミリモル)およびHCl(37%、22cm3)を1回のアリコート量で加えた。この混合物を30℃より低い温度で2時間撹拌した。混合物を濾過し、その濾液を回収した。 濾液をおよそ5℃に冷却した。この濾液をチオ硫酸ナトリウム五水和物(Na2S2O3・5H2O、MW 248.2、22.52g、90.75ミリモル)の水(25cm3)溶液で処理した。重クロム酸ナトリウム二水和物(Na2Cr2O7・2H2O、MW 298.0、10.0g、33.6ミリモル)の水(20cm3)溶液を20分間かけて滴下した。この溶液をこのあと低温(約5℃)で1時間撹拌した。この冷溶液にN,N-ジメチルアニリン(C6H5N(CH3)2、MW 121.2、10g、82.15ミリモル)、水(10cm3)およびH2SO4(98%、8g)の均質溶液を次に加えた。このあと、重クロム酸ナトリウム二水和物(Na2Cr2O7・2H2O、MW 298.0、26.15g、87.7ミリモル)の水(25cm3)溶液を25分間かけて滴下した。この混合物をおよそ5℃で2時間撹拌した(最終pH 18℃で4.02)。この反応混合物のpHを、温度を10℃より低く保ちながらNaOH水溶液(10%)により、8.6℃で6.0に調整した。この混合物を室温でもう16時間撹拌した。得られた緑・茶色の懸濁液を濾過した。その残留物を水(4 x 250cm3)およびテトラヒドロフラン(THF)(100cm3)で洗って緑色の固形物を得た。この固形物を一晩空気乾燥させた。 この固形物を硫酸銅(II)五水和物(CuSO4・5H2O、MW 249.7、2.06g、8.25ミリモル)のHCl水溶液(450cm3、pH 2)に加えた。これの温度を85℃まで上げた。この混合物をこの温度で1時間撹拌した。深い青色が形成された。この混合物を室温まで冷却した。混合物を濾過した。その残留物を水(4 x 100cm3)で洗った。濾液を回収した。濾液を塩化ナトリウム(NaCl、MW 57.96、100g、1.73モル)により処理した。この混合物を、深い青色が消えるまで撹拌した。混合物を濾過して、粗製メチルチオニニウム塩化物(MTC)を固形物(30%)として得た。 この粗生成物を場合により、実施例9〜13に記載されているようにさらなる処理に付し(例えば、硫化ナトリウム他により)、そのあと場合により、実施例14および15に記載されているように再結晶化により(さらに)精製した。実施例 5メチルチオニニウム塩化物(MTC)pH調整を用いての、中間体の単離なしの2-ポット合成 丸底フラスコ(RBF)にN,N-ジメチルアニリン(C6H5N(CH3)2、MW 121.2、10g、82.15ミリモル)、水(100cm3)、およびHCl(37%、22cm3)を加えた。この混合物をおよそ5℃まで冷却した。この混合物に水(50cm3)中の亜硝酸ナトリウム(NaNO2、MW 69.0、6.3g、90.8ミリモル)水溶液を滴下した。得られた懸濁液を低温(約5〜10℃)で1時間撹拌した。この混合物をおよそ5℃まで冷却した。鉄やすり粉(Fe、MW 55.85、11.0g、197ミリモル)およびHCl(37%、22cm3)を1回のアリコート量で加えた。この混合物を30℃より低い温度で2時間撹拌した。混合物を濾過し、その濾液を回収した。 濾液をおよそ5℃に冷却した。この濾液をチオ硫酸ナトリウム五水和物(Na2S2O3・5H2O、MW 248.2、22.52g、90.75ミリモル)の水(25cm3)溶液で処理した。重クロム酸ナトリウム二水和物(Na2Cr2O7・2H2O、MW 298.0、10.0g、33.6ミリモル)の水(20cm3)溶液を20分間かけて滴下した。この溶液をこのあと低温(約5℃)で1時間撹拌した。この冷溶液にN,N-ジメチルアニリン(C6H5N(CH3)2、MW 121.2、10g、82.15ミリモル)、水(10cm3)およびH2SO4(98%、8g)の均質溶液を次に加えた。このあと、重クロム酸ナトリウム二水和物(Na2Cr2O7・2H2O、MW 298.0、26.15g、87.7ミリモル)の水(25cm3)溶液を25分間かけて滴下した。この混合物をおよそ5℃で1時間撹拌した(最終pH 4.51)。この反応混合物のpHを、温度を10℃より低く保ちながらNaOH水溶液(10%)により、8.6℃で6.02に調整した。この混合物をこの温度(8.6℃)でもう10分間撹拌し、そのあと硫酸銅(II)五水和物(CuSO4・5H2O、MW 249.7、2.06g、8.25ミリモル)の10% HCl水溶液によりpHを3.80に再調整した。これの温度を85℃まで上げた。この混合物をこの温度で1時間撹拌した。深い青色が形成された。この混合物を65℃まで冷却した。混合物を濾過した。その残留物を水(4 x 100cm3)で洗った。濾液を回収した。濾液を塩化ナトリウム(NaCl、MW 57.96、120g、2.07モル)により処理した。この混合物を、深い青色が消えるまで撹拌した。混合物を濾過して、粗製メチルチオニニウム塩化物(MTC)を固形物(7.48g、29%)として得た。 この粗生成物を場合により、実施例9〜13に記載されているようにさらなる処理に付し(例えば、硫化ナトリウム他により)、そのあと場合により、実施例14および15に記載されているように再結晶化により(さらに)精製した。実施例 6メチルチオニニウム塩化物(MTC)ハイドロサルファイトナトリウムを用いての、中間体の単離なしの2-ポット合成 丸底フラスコ(RBF)にN,N-ジメチルアニリン(C6H5N(CH3)2、MW 121.2、10g、82.15ミリモル)、水(100cm3)、およびHCl(37%、22cm3)を加えた。この混合物をおよそ5℃まで冷却した。この混合物に水(50cm3)中の亜硝酸ナトリウム(NaNO2、MW 69.0、6.3g、90.8ミリモル)水溶液を滴下した。得られた懸濁液を低温(約5〜10℃)で1時間撹拌した。この混合物をおよそ5℃まで冷却した。鉄やすり粉(Fe、MW 55.85、11.0g、197ミリモル)およびHCl(37%、22cm3)を1回のアリコート量で加えた。この混合物を30℃より低い温度で2時間撹拌した。混合物を濾過し、その濾液を回収した。 濾液をおよそ5℃に冷却した。この濾液をチオ硫酸ナトリウム五水和物(Na2S2O3・5H2O、MW 248.2、22.52g、90.75ミリモル)の水(25cm3)溶液で処理した。重クロム酸ナトリウム二水和物(Na2Cr2O7・2H2O、MW 298.0、10.0g、33.6ミリモル)の水(20cm3)溶液を20分間かけて滴下した。この溶液をこのあと低温(約5℃)で1時間撹拌した。この冷溶液にN,N-ジメチルアニリン(C6H5N(CH3)2、MW 121.2、10g、82.15ミリモル)、水(10cm3)およびH2SO4(98%、8g)の均質溶液を次に加えた。このあと、重クロム酸ナトリウム二水和物(Na2Cr2O7・2H2O、MW 298.0、26.15g、87.7ミリモル)の水(25cm3)溶液を25分間かけて滴下した。この混合物をおよそ5℃で1時間撹拌した。これの濾液を水(10cm3)中ハイドロサルファイトナトリウム(Na2S2O4、MW 174.11、約83%、9.2g、43.9ミリモル)により処理した。この混合物をおよそ5℃で10分撹拌した(最終pH = 3.05)。硫酸銅(II)五水和物(CuSO4・5H2O、MW 249.7、2.06g、8.25ミリモル)の水酸化ナトリウム水溶液(NaOH、10%)によりpHを3.85に調整した。これの温度を85℃まで上げた。この混合物をこの温度で1時間撹拌した。深い青色が形成された。この混合物を65℃まで冷却した。混合物を濾過した。その残留物を水(4 x 100cm3)で洗った。濾液を回収した。濾液を塩化ナトリウム(NaCl、MW 57.96、120g、2.07モル)により処理した。この混合物を、深い青色が消えるまで撹拌した。混合物を濾過して、粗製メチルチオニニウム塩化物(MTC)を固形物(7.48g、29%)として得た。 この粗生成物を場合により、実施例9〜13に記載されているようにさらなる処理に付し(例えば、硫化ナトリウム他により)、そのあと場合により、実施例14および15に記載されているように再結晶化により(さらに)精製した。実施例 7メチルチオニニウム塩化物(MTC)ハイドロサルファイトを用いての、中間体の単離ありの3-ポット合成 丸底フラスコ(RBF)にN,N-ジメチルアニリン(C6H5N(CH3)2、MW 121.2、20g、0.165モル)および水(200cm3)を加えて不均質混合物をつくった。この混合物をおよそ5℃まで冷却した。この冷混合物にHCl(37%、44cm3)を10〜15分間かけて加えた。この混合物に水(100cm3)中の亜硝酸ナトリウム(NaNO2、MW 69.0、12.6g、0.183モル)水溶液を20〜30分間かけて滴下した。得られた懸濁液を低温(およそ5℃)で1時間撹拌した。この混合物をおよそに5℃に維持し、そしてHCl(37%、44cm3)を5〜10分間かけて加えた。さらに5分撹拌したあと、鉄やすり粉(Fe、MW 55.85、22.0g、0.40モル)を、その添加の間反応温度を30℃より低く維持するために、15〜20分間かけて加えた。この混合物をおよそ10℃の温度で2時間撹拌した。この混合物を濾過した。その固体残留物を水(20cm3)で洗い、そして濾液を回収した。 この濾液を10〜15分間内でおよそ5℃に冷却した。濾液を、1回のアリコートとしてのチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3・5H2O、MW 248.2、45.0g、0.181モル)の水(50cm3)溶液を素早く添加することにより処理した。重クロム酸ナトリウム二水和物(Na2Cr2O7・2H2O、MW 298.0、20.0g、67.1ミリモル)の水(80cm3)溶液を40分間かけて滴下した。この溶液をこのあと低温(約5℃)で1時間撹拌した。この冷反応溶液にN,N-ジメチルアニリン(C6H5N(CH3)2、MW 121.2、20g、0.165モル)、水(20cm3)およびH2SO4(98%、16g)の冷(およそ5℃)均質溶液を1回のアリコートで、一気に加えた。(添加に先行してのこの均質溶液の調製:N,N-ジメチルアニリンおよび水を氷浴中でおよそ5℃に冷却し、そのあと濃硫酸を、発熱反応の熱暴走を避けるために15〜25分間かけてゆっくりと加えた)。このあと、重クロム酸ナトリウム二水和物(Na2Cr2O7・2H2O、MW 298.0、52.0g、0.174ミリモル)の水(140cm3)溶液を90分間かけて滴下した。この反応混合物をおよそ5℃で2時間撹拌した。この混合物にハイドロサルファイトナトリウム(Na2S2O4、MW 174.1、15.2g、87.2ミリモル)のH2O(20cm3)溶液を1回のアリコートとして一度に素早く加えた。この混合物をもう10分(約5℃で)撹拌した。得られた緑・茶色の懸濁液を濾過した。その残留物を水(2 x 250cm3)で洗って緑色の固形物を得た。この固形物を一晩空気乾燥させた。 この固形物をHCl水溶液(900cm3、pH 2)に加えると懸濁液を形成した。硫酸銅(II)五水和物(CuSO4・5H2O、MW 249.7、4.12g、16.5ミリモル)を1回のアリコートとして一度に素早く加えた。これの温度を15〜20分間かけて85℃まで上げた。この混合物をこの温度で1時間撹拌した。深い青色が形成された。この混合物を30分間かけて室温まで冷却し、そしてこの混合物を濾過した。(別の実施例で、混合物を約60℃で濾過した。しかしながら、濾液が、減圧下では突沸することがあった)。その残留物を水(2 x 200cm3)で洗った。濾液を回収した。濾液を25〜30分間かけて65℃に加熱した。この(熱)濾液を塩化ナトリウム(NaCl、MW 57.96、200g、3.45モル)により処理し、そして3.5時間かけて22℃まで降温させた。結晶質生成物が、約2.5時間の後約40℃で最初に観察された。この混合物を濾過して、粗製メチルチオニニウム塩化物(MTC)を固形物(このスケールでは:18〜24gまたは35%;5 Lスケールでは:60〜65gまたは>30%)として得た。 この粗生成物を場合により、実施例9〜13に記載されているようにさらなる処理に付し(例えば、硫化ナトリウム他により)、そのあと場合により、実施例14および15に記載されているように再結晶化により(さらに)精製した。実施例 8メチルチオニニウム塩化物(MTC)中間体の単離ありの3-ポット合成 丸底フラスコ(RBF)にN,N-ジメチルアニリン(C6H5N(CH3)2、MW 121.2、10g、82.15ミリモル)、水(100cm3)、およびHCl(37%、22cm3)を加えた。この混合物をおよそ5℃まで冷却した。この混合物に水(50cm3)中の亜硝酸ナトリウム(NaNO2、MW 69.0、6.3g、90.8ミリモル)水溶液を滴下した。得られた懸濁液を低温(5〜10℃)で1時間撹拌した。この混合物をおよそに5℃冷却した。鉄やすり粉(Fe、MW 55.85、11.0g、197ミリモル)およびHCl(37%、22cm3)を1回のアリコート量で加えた。この混合物を30℃より低い温度で2時間撹拌した。混合物を濾過し、その濾液を回収した。 この濾液をおよそ5℃に冷却した。濾液をチオ硫酸ナトリウム五水和物(Na2S2O3・5H2O、MW 248.2、22.52g、90.75ミリモル)の水(25cm3)溶液で処理した。重クロム酸ナトリウム二水和物(Na2Cr2O7・2H2O、MW 298.0、10.0g、33.6ミリモル)の水(20cm3)溶液を20分間かけて滴下した。この溶液をこのあと低温(約5℃)で1時間撹拌した。この冷溶液にN,N-ジメチルアニリン(C6H5N(CH3)2、MW 121.2、10g、82.15ミリモル)、水(10cm3)およびH2SO4(98%、8g)の均質溶液を次に加えた。このあと、重クロム酸ナトリウム二水和物(Na2Cr2O7・2H2O、MW 298.0、26.15g、87.7ミリモル)の水(35cm3)溶液を25分間かけて滴下した。この混合物をおよそ5℃で2時間撹拌した。得られた緑・茶色の懸濁液を濾過した。その残留物を水(4 x 250cm3)およびテトラヒドロフラン(THF)(200cm3)で洗って緑色の固形物を得た。この固形物を一晩空気乾燥させた。 この固形物を硫酸銅(II)五水和物(CuSO4・5H2O、MW 249.7、2.06g、8.25ミリモル)のHCl水溶液(455cm3、pH 2)に加えた。これの温度を85℃まで上げた。この混合物をこの温度で1時間撹拌した。深い青色が形成された。この混合物を室温まで冷却した。混合物を濾過した。その残留物を水(4 x 100cm3)で洗った。濾液を回収した。濾液を塩化ナトリウム(NaCl、MW 57.96、100g、1.73モル)により処理した。この混合物を、深い青色が消えるまで撹拌した。混合物を濾過して、粗製メチルチオニニウム塩化物(MTC)を固形物(15.3g、58%)として得た。 この粗生成物を場合により、実施例9〜13に記載されているようにさらなる処理に付し(例えば、硫化ナトリウム他により)、そのあと場合により、実施例14および15に記載されているように再結晶化により(さらに)精製した。実施例 9硫化ナトリウムによる粗生成物の処理 粗製MTC生成物(MW 373.90、4.5g、約12.0ミリモル)を65℃でH2O(125cm3)に完全に溶解させた。この溶液を室温まで冷却した。この冷溶液を濾過により透明な液体にすることで完全に溶解させた。この溶液を硫化ナトリウム(Na2S、MW 78.04、>60%、200mg、1.54ミリモル、0.1当量)のH2O(10cm3)溶液で処理した。得られた混合物を10分撹拌した。この混合物を減圧濾過により濾過した。その濾液を回収した。この濾液に塩化ナトリウム(NaCl、MW 57.96、16g、0.276モル)を撹拌しながら加えた。得られた沈殿物を減圧濾過により回収した。実施例 10硫化ナトリウムによる粗生成物の処理 粗製MTC生成物(MW 373.90、5g、約13.3ミリモル)を60℃でH2O(230cm3)に完全に溶解させた。この溶液を室温まで冷却した。この溶液を硫化ナトリウム(Na2S、MW 78.04、>60%、135mg、約1.0ミリモル、約0.07当量)のH2O(20cm3)溶液で処理した。得られた混合物を15分撹拌した。この混合物を減圧濾過により濾過した。その濾液を回収した。濾液のpHは10.5 ± 0.5であった。濾液をジクロロメタン(DCM)(5 x 100cm3)で洗った。この洗った濾液のpHをおよそ9.5〜10.2から5.0に調整した。この溶液をこのあと60℃まで加熱した。この(熱)溶液に塩化ナトリウム(NaCl、MW 57.96、200g、3.45モル)をゆっくりと加えた。(残留のDCMにより溶液が突沸することもあるので注意を払う必要がある)。(3.5時間超で)ゆっくりと冷却すると、メチルチオニニウム塩化物(MTC)が高度に結晶質の形態で沈殿した。この沈殿物を減圧濾過により回収し、そして60℃のオーブンで乾燥させた。実施例 11ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩による粗生成物の処理 粗製MTC生成物(MW 373.90、4.5g、約12.0ミリモル)を65℃でH2O(125cm3)に完全に溶解させた。この溶液を室温まで冷却した。この冷溶液を濾過により透明な液体にすることで完全に溶解させた。この溶液をジメチルジチオカルバミン酸、ナトリウム塩((CH3)2NCS2Na、MW 143.21、550mg、3.84ミリモル、0.1当量)のH2O(10cm3)溶液で処理した。得られた混合物を10分撹拌した。この混合物を減圧濾過により濾過した。その濾液を回収した。この濾液に塩化ナトリウム(NaCl、MW 57.96、16g、0.276モル)を撹拌しながら加えた。得られた沈殿物を減圧濾過により回収した。実施例 12炭酸ナトリウムによる粗生成物の処理 粗製MTC生成物(MW 373.90、4.5g、約12.0ミリモル)を65℃でH2O(125cm3)に完全に溶解させた。この溶液を室温まで冷却した。この冷溶液を濾過により透明な液体にすることで完全に溶解させた。この溶液を炭酸ナトリウム(Na2CO3、MW 105.99、163mg、0.154ミリモル、0.1当量)のH2O(10cm3)溶液で処理した。得られた混合物を10分撹拌した。この混合物を減圧濾過により濾過した。その濾液を回収した。この濾液に塩化ナトリウム(NaCl、MW 57.96、16g、0.276モル)を撹拌しながら加えた。得られた沈殿物を減圧濾過により回収した。実施例 13EDTA二ナトリウム塩による粗生成物の処理 粗製MTC生成物(MW 373.90、10.0g、約26.7ミリモル)をH2O(270cm3)に完全に溶解させた。エチレンジアミン四酢酸(EDTA)二ナトリウム塩二水和物(MW 372.24、1g、2.68ミリモル、0.1当量)を加えた。この混合物を65℃でおよそ1時間撹拌した。この混合物を減圧濾過により濾過した。その濾液を回収した。この濾液に塩化ナトリウム(NaCl、MW 57.96、16g、0.276モル、10当量)を撹拌しながら加えた。得られた沈殿物を減圧濾過により回収した。実施例 14冷酸性再結晶化による再結晶化 粗製MTC生成物または処理済粗製MTC生成物(MW 373.90、20g、約53.4ミリモル)をH2O(1700cm3)に65℃で溶解させた。この混合物を22℃まで降温させた。HCl水溶液によりpHをpH 1に調整すると、濾過可能な懸濁液が生成した。得られた高度に結晶質の生成物を減圧濾過により回収し、75℃のオーブン中で16時間乾燥させた。実施例 15熱塩析による再結晶化 粗製MTC生成物または処理済粗製MTC生成物(MW 373.90、20g、約53.4ミリモル)をH2O(1700cm3)に65℃で溶解させた。塩化ナトリウム(NaCl、MW 57.96、200g、3.45モル)を加えた。この混合物を3.5時間かけて22℃までゆっくりと降温させた。得られた高度に結晶質の生成物を減圧濾過により回収し、75℃のオーブン中で16時間乾燥させた。実施例 16THF/H2Oによる再結晶化 粗製MTC生成物または処理済粗製MTC生成物(MW 373.90、10g、約26.7ミリモル)をH2O(200cm3)に65℃で溶解させた。この溶液をおよそ22℃まで降温させた。テトラヒドロフラン(THF)(40cm3)を加えた。この溶液を氷浴中で数時間かけておよそ5℃までゆっくりと降温させた。得られた高度に結晶質の生成物を減圧濾過により回収し、100℃のオーブン中で2時間乾燥させた。実施例 17メチルチオニニウム塩化物(MTC)MTCの合成、処理、および再結晶化 反応容器 [V1] の中にN,N-ジメチルアニリン(20.0g、165ミリモル)を入れ、撹拌した。この容器にH2O(200cm3)を1回のアリコートで1分かけて加え、この不均質混合物を氷/水浴により5℃(± 2℃)まで15分間(± 5分)かけて冷却した。37% 塩酸(44cm3)を5分間(± 2分)かけて加えると、4℃から8℃(± 2℃)への温度上昇が観測された。(注意:発熱反応)。反応容器をさらなる5分間(± 2分)5℃(± 2℃)に維持することで混合物を完全に均質なものとした。この工程中は撹拌は連続的に行った。 NaNO2溶液を別途調製した。撹拌H2O(100cm3)が入っている別のフラスコにNaNO2(12.6g、182.6ミリモル)を1分で素早く加えた。結果としてのこの溶解工程は吸熱反応であり、20℃から17℃(± 2℃)への温度降下が観測された。完全溶解には5分(± 2分)かかった。全体としての体積およそ110cm3が得られた。 この亜硝酸ナトリウム溶液を反応容器 [V1] に20分間(± 5分)かけてゆっくりと滴下した。この添加の間に5℃から9℃への反応温度の上昇が観測された。(注意:発熱反応)。この添加が開始されるとオレンジ色が一度観察された。この反応混合物を、氷/水浴により温度を5℃(± 2℃)に維持しながらさらに60分(± 5分)撹拌した。反応のこの段階において、オレンジ色溶液中にそれより薄い色の沈殿物があるのが観察された。少量の泡状物も生成していた。 この反応混合物 [V1] に37% 塩酸(44cm3)を5分間(± 2分)で加えると、5℃から8℃への反応温度の上昇が観測された。(注意:発熱反応)。添加が完了したあと反応混合物をもう5分(± 2分)撹拌した。反応容器に鉄やすり粉(22.0g、0.394モル)をおよそ2gのアリコートで15分(± 5分)の時間で加えた。この鉄添加の間、8℃から12℃への温度上昇が観測された。(注意:発熱反応)。(注意:オレンジ色の煙が発生する;ガスが発生する)。反応混合物を、氷/水浴により反応温度をおよそ10℃(± 2℃)に維持しながらさらに120分(± 10分)撹拌した。 過剰の鉄やすり粉を5分間(± 2分)でCelite(登録商標)上での減圧濾過により回収し、濾過漏斗中に残っている固形物をH2O(20cm3)で洗った。 濾液(透明な茶色の液体)はそのままにしておいた。これには、所望のN,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン二塩酸塩が含まれている。濾液の全体積はおよそ400cm3であった。この段階における溶液のpHは、20℃で2.59であった。反応の間中紫外線分光側光器により溶液をモニターして、反応の完結を確認するとともにN,N-ジメチル-p-フェニレンジアミンの最終濃度を計算した。典型的な転化率は82% ± 2%であった。 濾液を別の反応容器 [V2] に入れ、氷/水浴により15分(± 5分)の時間で5℃(± 2℃)まで冷却した。 Na2S2O3・5H2Oの溶液を別途調製した。Na2S2O3・5H2O(45.0g、181.4ミリモル)を1回のアリコートで撹拌H2O(50cm3)に1分で加えた。結果としてのこの溶解は吸熱反応であり、22℃から10℃への温度降下が観測された。この混合物をこのあと15分(± 5分)撹拌して完全に溶解させた。全体体積76cm3が得られた。 このNa2S2O3・5H2O溶液を [V2] 中の反応混合物に1回のアリコートで1分間で加えた。この反応混合物をその反応温度を5℃(± 2℃)に保ちながらさらに5分(± 2分)撹拌した。 Na2Cr2O7・2H2Oの溶液を別途調製した。Na2Cr2O7・2H2O(20.0g、67.2ミリモル)を撹拌H2O(80cm3)に1分で1回のアリコートとして加えた。結果としてのこの溶解は吸熱反応であり、温度が22℃から15℃へ降下した。この混合物をこのあと15分(± 5分)撹拌して完全に溶解させた。このNa2Cr2O7・2H2O溶液を [V2] 中の反応混合物に、反応温度を5℃〜8℃(± 2℃)に維持するために30分間(± 5分)かけて、ゆっくりと加えた。(注意:発熱反応)。この反応混合物をこのあと氷/水浴によりその反応温度を5℃(± 2℃)に保ちながらさらに60分撹拌した。 N,N-ジメチルアニリンの溶液を別途調製した。N,N-ジメチルアニリン(20.0g、165ミリモル)を、撹拌H2O(20cm3)が入っているフラスコに1回のアリコートで1分で加えた。この不均質混合物を氷/水浴により15分(± 5分)かけて5℃(± 2℃)に冷却し、そして濃(98%)硫酸(16.0g)を、急速な温度上昇を避けるために25分間(± 5分)かけてゆっくりと加えた。3℃から21℃への温度上昇が観測された。(注意:発熱反応)。この酸添加が完了したあと、その混合物をさらに10分(± 5分)撹拌して完全に均質な混合物とした。この混合物は、主反応容器 [V2] に加えるまで5℃(± 2℃)に保っておいた。これの全体体積はおよそ48cm3であった。 この5℃(± 2℃)の冷酸性化N,N-ジメチルアニリン水性混合物を [V2] 中の反応混合物に1回のアリコートとして1分間で加えた。この反応混合物をこのあと5℃(± 2℃)に維持しながらもう5分(± 2分)撹拌した。主反応混合物へのこの添加では温度変化は観測されなかった。 Na2Cr2O7・2H2O溶液を別途調製した。Na2Cr2O7・2H2O(52.0g、174.4ミリモル)を撹拌H2O(140cm3)が入っているフラスコに1分間で加えた。 このNa2Cr2O7・2H2O溶液を [V2] 中の反応混合物に90分間(± 2分)かけて加えた。5℃から10℃(± 2℃)への反応の温度上昇が起こった。(注意:発熱反応)。このNa2Cr2O7・2H2O溶液を加えると緑色の沈殿物が生成した。反応混合物を5℃(± 2℃)に維持しながら120分撹拌した。反応混合物は、この時点で、暗緑色のスラリーに似ていた。ビンドシェドラー・グリーン[Bindschedler Green]のチオスルホン酸は、この段階におけるこの溶液中の緑色の沈殿物である。廃流出液(濾液)をこの時点でモニターしてクロム(VI)のレベルを決定した。過塩素酸および硫酸の存在下での硫酸アンモニウム鉄(II)(0.1M)による滴定によってCr(VI)のレベルを計算することができ、これによってこの流出液は適切に処理することができる。 Na2S2O4の溶液を別途調製した。Na2S2O4(15.2g、87.2ミリモル)を撹拌H2O(20cm3)が入っているフラスコに1回のアリコートで1分間で加えた。この混合物をさらに30分(± 5分)撹拌して完全なる溶解を確実なものにした。 このNa2S2O4溶液を反応混合物 [V2] に1回のアリコートとして1分間で加えた。この間、温度変化は観測されなかった。この添加が完了したあと、反応混合物はさらに5分(± 2分)撹拌したままにしておいた。 この [V2] 中の反応混合物をこのあとブフナー漏斗により減圧下で30分間(± 5分)かけて濾過した。これの固形物を濾過漏斗から取り出し、新たな容器の中に入れて新鮮水(250cm3)を加えた。この混合物を15分激しく撹拌し、そして濾過した。これの固形物をここでも濾過漏斗から取り出し、新鮮水(250cm3)が入っている別の容器に入れ、撹拌し、そして濾過した。洗浄液はすべて捨てた。 濾過漏斗中に回収されたこのビンドシェドラー・グリーンのチオスルホン酸固形物を小片に砕き、新たなきれいな反応容器 [V3] の中に入れた。 5cm3(± 1cm3)の5M 塩酸を用いて別途H2O(900cm3)をpH 2.0(± 0.2)にpH調整した。この酸性化された水をこのあと [V3] 中のビンドシェドラー・グリーンのチオスルホン酸が入っている反応容器に1分間で加えた。この容器 [V3] の内容物をこのあと撹拌した。ビンドシェドラー・グリーンのチオスルホン酸はこの酸性化された水 [V3] 中に懸濁させた。この懸濁液 [V3] にCuSO4・5H2O(4.0g、16.0ミリモル)を1回のアリコートで1分間で加えた。このスケールでは発熱反応は観測されなかった。反応容器 [V3] をこのあと25分間(± 5分)かけて85℃(± 2℃)に加熱した。40℃(± 2℃)で青い色が最初に観察された。反応容器 [V3] が、85℃(± 2℃)に到達すると、この温度で撹拌を60分続けた。容器 [V3] をこのあと20分間(± 5分)かけて60℃(± 2℃)まで冷却し、その内容物をブフナー漏斗により減圧下で20分間(± 5分)かけて濾過した。これの固形物をこのあと新鮮水(200cm3)で洗った。これの固体廃棄物は安全に捨てた。10gのスケールではおよそ68gの廃固形物(固体廃棄物の乾燥重量)が実測されたので、およそ146gの廃固形物が予測された。水洗浄液および濾液を合わせた。これで精製の準備は整った。この濾液および洗浄液には所望のMTCが溶液で含まれている。 このMTCを含有する深い青色の水性濾液を25分間(± 5分)かけて65℃(± 2℃)に加熱し、そして塩化ナトリウム(200g、342ミリモル)を10分間(± 2分)かけて加えた。この溶液を360分間(± 5分)かけて25℃(± 2℃)に冷却すると生成物が青緑色の固形物として生成した。(全粗製物重量は24.1g、およそ40%)。 これに代えて:上記MTCを含有する深い青色の水性濾液に塩酸(15cm3、5M)を25℃で10分間(± 2分)かけて並行して加えてpH 1にした。これにより、懸濁液ができた。この懸濁液を25分(± 5分)かけて65℃(± 2℃)に加熱し、そして360分間(± 5分)かけて20℃(± 2℃)に冷却すると生成物が青緑色の固形物として生成した。(全粗製物重量は24.1g、およそ40%)。この比較的粗製的な生成物でさえ、市販されているMTCよりも純度が高く、通常低い金属含量を有している。 これに代えて:このMTCをこのあと塩酸(1M)をゆっくりと加えてpH 1にすることによって溶液から結晶化させた。この固体MTCを濾過によって回収した。濾液中の残留のMTCは、NaClを加えることで回収することができる。 この生成物をこのあと処理ならびに有機抽出に付した。 MTC(5g、上述した手順により得たもの)を、水(230cm3)が入っている容器の中に入れ、そして撹拌しながら20分間(± 5分)かけて65℃(± 5℃)に加熱した。この温度でさらに1時間(± 10分)撹拌を続け、その反応混合物をそのあと30分間(± 5分)かけて10℃(± 2℃)に冷却した。 Na2Sの溶液を別途調製した。硫化ナトリウム(135mg)を撹拌しながら10分間(± 5分)で水(20cm3)に完全に溶解させた。(硫化ナトリウムは強い不快臭がする)。 上記10℃(± 2℃)に冷却されたMTC溶液を、この調製硫化ナトリウム溶液で1回のアリコートで一気に処理した。この合わせた溶液を温度10℃(± 2℃)に維持しながら15分(± 5分)撹拌し、そのあと生じた沈殿物を濾過により取り除いた。(これにより、錯体化した金属が取り除かれる)。金属を含まないMTCが、この時点で、濾液中に溶液で存在している。 このMTC濾液のpHはおよそ10.8であった。もしそうでなければ、Na2S水溶液を用いておよそ10.8のpHとなるように調整した。この10℃(± 2℃)の冷MTC溶液を、パドル付きシャフトが取り付けられたオーバーヘッド型機械式撹拌機ならびにフラスコの底のところにある流出用タップが装着された反応容器の中に入れた。このMTC溶液(濾液)を容器の中に入れたあと、その同じ容器にジクロロメタン(50cm3)(注意:非引火性、揮発性)も加え、この非均質混合物を10分撹拌した。(このジクロロメタンは水に非混和性であり、上記MTC含有水層の下に別の層を形成する)。この水性MTC層からジクロロメタンが分かれると、下の方のジクロロメタン層を流出させた。(これの界面を見ることは不可能であるが、DCM層は紫色であり、一旦タップから出て来ると、それと暗青/黒色の水性MTC層とは明確に区別することができる)。このジクロロメタンの添加、10分の撹拌、および下の方の層の流出をもう4回繰り返した。また温度は、この抽出工程の間中10℃(± 2℃)に維持した。(前記アズールBはこのDCMで除去される)。ジクロロメタンの全体積は、250cm3であった。 この深い青色のMTC水性トップ層を、この時点で10%塩酸を用いて9.9から5.0にpH調整した。このMTC溶液をこのあと、撹拌しながら20分間(± 5分)かけて65℃(± 5℃)に加熱した。このMTC溶液に塩化ナトリウム(42g)を加え、そのあと直ちに360分間(± 5分)かけて25℃(± 2℃)に冷却した。金属が入っていない極めて純度の高いMTCが溶液から沈殿し、濾過により回収すると青緑色の固形物(4.7〜4.9g、96% ± 2%)が得られた。 これに代えて:この深い青色のMTC水性トップ層に塩酸(15cm3、5M)を10分間(± 2分)かけて加えてpH 1にした。これにより懸濁液ができた。この懸濁液を25分間(± 5分)かけて65℃(± 2℃)に加熱し、そして360分間(± 5分)かけて20℃(± 2℃)に冷却すると金属を含まない極めて純度の高いMTCが青緑色の固形物として得られた。 これに代えて:この深い青色のMTC水性トップ層をpH 3.5〜4.5の間にpH調整し、温度を25℃まで上昇させた。このMTCをこのあと塩酸(1M)をゆっくり加えてpH 1にすることにより溶液から結晶化させた。この固体MTCを濾過により回収すると、金属を含まない極めて純度の高いMTCが青緑色の固形物として得られた。濾液中の残留のMTCは、NaClを加えることで回収することができる。 実施例1に記載されている方法によりMTCサンプルを調製した。この粗生成物(CM-pd-378)をこのあと実施例17に記載されている冷酸性再結晶化により結晶化させた。この物質をこのあと、これも実施例17に記載されているように、有機抽出によりさらに精製し、そして25℃のHClにより再結晶化させた。これにより、HPLC分析による有機物純度が98.53%の極めて純度の高いMTCが得られた。純度のデータを以下の表にまとめた。注記: Medex(商標):比較目的のためにMedexMedical Export Co. Ltd.より入手した。 CM-pd-378:実施例 1に従って調製された粗製MTCで、そのあとT = 25℃のH2O/HCl(pH 1)から析出させたもの。 CM-pd-378b:粗製MTCから調製された高純度のMTC(CM-pd-378をNa2Sで処理し、10℃においてDCMで処理/洗浄/抽出し、そのあとMTCをT = 10〜25℃のHCl(pH 1)を用いて水層から再結晶化させた)。実施例 18エチルチオニニウム塩化物(ETC)硫化ナトリウムおよび塩化鉄(III)を用いての合成 N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン(H2NC6H4N(CH2CH3)2、MW 164.25、40g、244ミリモル)をジエチルエーテル(200cm3)に溶解させた。塩酸(40cm3、37%)を加えた。得られた溶液をロータリーエバポレーターで濃縮してN,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン二塩酸塩を薄茶色の固形物(57.76g、100%)として得た。δH(250 MHz;D2O): 7.68(2H, m, ArH), 3.45(4H, q, 7.25, NCH2), 1.19(6H, t, 7.25, CH3)。 N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン二塩酸塩(H2NC6H4N(CH2CH3)・2HCl、MW 237.17、57.76g、244ミリモル)を水(1200cm3)に溶解させた。これのpHを10% HCl水溶液を用いてpH 1.6に調整した。桃色が形成された。硫化ナトリウム(Na2S、MW 78.04、32g、>60%、244ミリモル)を加えた。緑色の沈殿物がある薄黄色の溶液ができた。この混合物に塩化鉄(III)六水和物(FeCl3・6H2O、MW 270.30、98.75g、365ミリモル)の水(400cm3)中水溶液を加えた。直ちに色が青に変わった。この混合物をこのあと1時間曝気した。この混合物に塩化鉄(III)六水和物(FeCl3・6H2O、MW 270.30、98.75g、365ミリモル)の水(400cm3)中第2水溶液を加えた。この溶液を5℃に冷却した。この混合物を濾過した。これの残留物を水で洗った。これの濾液を回収した。濾液に塩化ナトリウム(NaCl、MW 57.96、400g、6.9モル)を加えた。この混合物を10分撹拌した。沈殿物が形成されるにつれて色が赤/紫色に変わった。この混合物を濾過し、その固体残留物を回収した。この固形物をジクロロメタン(CH2Cl2、1000cm3)およびメタノール(CH3OH、100cm3)に溶解させ、硫酸マグネシウム(MgSO4)で脱水した。この混合物を濾過し、その濾液を濃縮して生成物であるエチルチオニニウム塩化物(ETC)(MW 375.96、4.28g、11.4ミリモル、9.3%)を緑色の固形物として得た。δH(250 MHz;D2O): 7.35 (2H, d, ArH), 7.04 (2H, d, ArH), 6.86 (2H, s, ArH), 3.45 (8H, q, 7.25, NCH2), 1.19 (12H, t, 7.25, CH3)。 残留の塩化鉄を除去するには、例えば溶離液10% メタノール:90% ジクロロメタンを用いたシリカ40〜63μm 60Åによるフラッシュカラムクロマトグラフィーを行うこともできる。実施例 191,9-ジエチルメチルチオニニウム塩化物(DEMTC)硫化ナトリウムおよび塩化鉄(III)を用いての合成 100cm3丸底フラスコに3-エチルアニリン(H2NC6H4CH2CH3、MW 121.18、10g、82.5ミリモル)、エタノール(15cm3)、および炭酸ナトリウム(Na2CO3、MW 105.99、11.81g、111.4ミリモル)を加えた。ヨウ化メチル(CH3I、MW 141.94、31.63g、222ミリモル)を滴下した。この混合物をこのあと45℃で10時間加熱した。混合物をこのあと室温まで冷却した。水(100cm3)を加えた。この混合物をジエチルエーテル(3 x 100cm3)の中に抽出せしめ、その抽出液を硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた。この混合物を濾過し、その濾液を濃縮して生成物であるN,N-ジメチル-m-エチルアニリン((CH3)2NC6H4CH2CH3、MW 149.23、4.68g、31.3ミリモル、38%)を薄黄色の油状物として得た。δH (250 MHz、CDCl3): 7.22 (1H, t, 7.75, ArH), 6.63 (3H, m, ArH), 2.97 (6H, s, NCH3), 2.63 (2H, q, 7.5, CH2), 1.27 (3H, t, 7.5, CH3);δC (62.9 MHz、CDCl3): 15.8 (CH3 ), 29.5 (NCH2), 40.8 (NCH3 ), 110.3 (ArC), 112.4 (ArC), 116.5 (ArC), 129.1 (ArC), 145.3 (ArC), 150.9 (ArC)。 250cm3丸底フラスコにN,N-ジメチル-m-エチルアニリン((CH3)2NC6H4CH2CH3、MW 149.23、4.68g、31.3ミリモル)、水(100cm3)、および塩酸(HCl、8.5cm3、37%)を加えた。この溶液を5℃まで冷却した。次に亜硝酸ナトリウム(NaNO2、MW 69.0、2.46g、35.7ミリモル)の水(80cm3)溶液を滴下した。この混合物を室温で3時間撹拌した。鉄やすり粉(Fe、MW 55.85、5.24g、94ミリモル)および塩酸(HCl、8.5cm3、37%)を加えた。この混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を濾過し、その濾液を回収した。濾液のpHを重炭酸ナトリウム(NaHCO3)溶液を用いてpH 7に調整し、酢酸エチル(3 x 50cm3)の中に抽出せしめた。合わせた抽出液を硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた。この混合物を濾過し、その濾液を濃縮して茶色の油状物を得た。この油状物をジエチルエーテル/エタノール(1:1)(175cm3)に溶解させた。塩酸(HCl、5cm3、37%)を加えた。この溶液を濾過して生成物であるN,N-ジメチル-m-エチル-p-フェニレンジアミン二塩酸塩((CH3)2NC6H4(CH2CH3)NH2・2HCl、MW 237.17、4.44g、1.87ミリモル、60%)を薄茶色の固形物として得た。δH (250 MHz;D2O): 7.66 (1H, s, ArH), 7.56 (2H, s, ArH), 3.29 (6H, s, NCH3), 2.74 (2H, q, 7.5, CH2), 1.25 (3H, t, 7.5, CH3);δC (62.9 MHz、CDCl3): 15.5 (CH3) 25.6 (NCH2), 48.9 (NCH3), 122.1 (ArC), 124.6 (ArC), 128.1 (ArC), 132.6 (ArC), 143.3 (ArC), 144.9 (ArC)。 N,N-ジメチル-m-エチル-p-フェニレンジアミン二塩酸塩((CH3)2NC6H4(CH2CH3)NH2・2HCl、MW 237.17、1.3g、5.5ミリモル)を水(50cm3)に溶解させた。これのpHを10%HCl水溶液を用いてpH 1.6に調整した。桃色が形成された。硫化ナトリウム(Na2S、MW 78.04、0.71g、>60%、5.5ミリモル)を滴下した。この混合物に塩化鉄(III)六水和物(FeCl3・6H2O、MW 270.30、2.23g、8.2ミリモル)の水(50cm3)中水溶液を加えた。色が紫色に直ちに変わった。この混合物をこのあと1時間曝気した。この混合物に、塩化鉄(III)六水和物(FeCl3・6H2O、MW 270.30、2.23g、8.2ミリモル)の水(50cm3)中第2水溶液を加えた。この溶液を5℃まで冷却した。この混合物を濾過した。その残留物を水で洗った。濾液を回収した。この濾液に塩化ナトリウム(NaCl、MW 57.96、50g、0.86モル)を加えた。この混合物を10分撹拌した。沈殿物が生成するにつれて色が赤/紫色に変わった。この混合物を濾過し、その固体残留物を回収した。この固形物をジクロロメタン(CH2CH2、100cm3)およびメタノール(CH3OH、10cm3)に溶解させ、そして硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた。この混合物を濾過し、その濾液を濃縮して生成物である1,9-ジエチルメチルチオニニウム塩化物(DEMTC)(MW 375.96、0.15g、0.40ミリモル、15%)を緑色の固形物として得た。δH (250 MHz;D2O): 6.55 (2H, s, ArH), 6.23 (2H, s, ArH), 2.92 (12H, s, NCH3), 2.56 (4H, q, 7.5, CH2), 0.99 (6H, t, 7.5, CH3)。 残留の塩化鉄を除去するには、例えば10% メタノール:90% ジクロロメタンの溶離液を用いてシリカ40-63μm 60Åによるフラッシュカラムクロマトグラフィーを行うこともできる。実施例 20エチルチオニニウム塩化物(ETC)塩化亜鉛(複塩)二酸化マンガンを用いての合成 H2O(100cm3)中N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン((CH3CH2)NC6H4NH2、MW 164.25、5.0g、30.4ミリモル)および硫酸(H2SO4、濃、「98%」、1cm3)の撹拌混合物を非還元性塩化亜鉛溶液(Na2Cr2O7・2H2O、MW 298.00、100mg、0.3ミリモルを含有する15cm3 H2O中のZnCl2、MW 136.29、7.60g、55ミリモル)で処理して赤みを帯びた反応混合物を調製した。 Al2(SO4)3・16H2O(5.80g、9.2ミリモル)H2O(10cm3)溶液;チオ硫酸ナトリウム五水和物(Na2S2O3・5H2O、MW 248.18、8.0g、32.2ミリモル)H2O(10cm3)溶液;および重クロム酸ナトリウム二水和物(Na2Cr2O7・2H2O、MW 298.00、8.7g、29.2ミリモル)H2O(15cm3)溶液の三分の一;を加えた。直後に温度が40℃に急速に上昇した。 N,N-ジエチルアニリン((CH3CH2)2NC6H5、MW 149.24、3.0g、20.1ミリモル)濃HCl(4cm3)溶液を加え、そのあと上記の残存重クロム酸ナトリウム二水和物溶液を加えた。暗緑色の沈殿物が生成した。温度は75℃に急速に上昇した。活性化二酸化マンガン(MnO2、MW 86.94、3.80g、43.7ミリモル)のH2O(5cm3)中のスラリーを加えた。温度が85℃まで上昇した。この混合物をこの温度で30分撹拌した。沈殿物含有の青色の溶液が観察された。 この混合物を50℃まで冷却し、濃硫酸(H2SO4、11cm3)をゆっくりと加えた。この混合物を20℃まで冷却した。この混合物を減圧濾過した。これの残留物を集め、ブライン(飽和塩化ナトリウム[NaCl]水溶液)で洗った。この黒色残留物を100℃でH2O(250cm3)に再溶解させ、室温まで冷却し、そして減圧濾過して不溶物を除去した。この濾液を塩化亜鉛(ZnCl2、MW 136.28、4g、29ミリモル)および塩化ナトリウム(NaCl、MW 58.44、23g、0.4モル)で処理し、そして冷蔵庫の中に16時間静置しておいた。生じた沈殿物を減圧濾過により回収し、ブライン(飽和塩化ナトリウム[NaCl]水溶液、30cm3)で洗い、そして減圧オーブン中で3時間乾燥させて生成物であるエチルチオニニウム塩化物(ETC)塩化亜鉛(複塩)(MW 547.70、5.7g、10ミリモル、71%)を赤錆色の粉末として得た。δH (250 MHz, D2O): 1.20 (12H, br t, CH3), 3.50 (8H, br q, CH2), 6.80 (2H, s, Ph), 7.05 (2H, br d, Ph)および7.30 (2H, br d, Ph)。実施例 21金属の定量分析得られた生成物のUrolene Blue(登録商標)との比較 市場から入手したUrolene Blue(登録商標)サンプルならびに本明細書に記載した方法によって得られた高純度MTC生成物サンプルについて定量分析を行った。MTC(「得られた生成物」)は、N,N-ジメチルアニリンのニトロシル化、そのあとのニトロシル還元、チオスルホン酸生成、酸化的カップリング、ハイドロサルファイトを用いたCr(VI)還元、閉環、および冷NaClを用いた塩化物塩生成によって得られた。これにより粗製MTCが得られ、これを、硫化ナトリウム処理、そのあとの冷NaClを用いた塩化物塩生成によりさらに精製した。分析は、誘導結合プラズマ質量分光分析[inductively coupled plasma-mass spectrometry](ICP-MS)を用いて(Agilent 7500(登録商標)の機器を用いて、反応セルモード(H2)有りと無しで)行った。サンプルは、標準的なサンプル調製のプロトコルに従って調製した。10 ppbのロジウムを内部標準として使用した。データを以下の表にまとめた。 さらに、以下の元素がUrolene Blue(登録商標)では検出されたが、本明細書に記載されている方法により得られた高純度MTC生成物では検出されなかった:スカンジウム、臭素、イットリウム、ニオブ、パラジウム、ランタン、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、ハフニウム、タンタル、トリウム。 このデータから分かるように、Urolene Blue(登録商標)は、Al、Cr、Fe、Cuなどのいくつかの金属について欧州安全限度値を超えている(且ついくつかのケースでは大きく超えている)が、本明細書に記載されている方法により得られた高純度MTC生成物はこれらの基準を満たしているばかりか、これらの金属ならびに他の金属のレベルが相当に低い。実施例 22合成され且つ精製されたMTCの分析 本明細書に記載されている方法に従ってMTCを合成し、且つ精製した。得られた生成物を有機不純物と金属不純物の双方について分析した。結果を以下の表にまとめた。注記:(1)Medex(商標)はMedex Medical Export Co. Ltd.から入手。(2)Urolene Blue(登録商標)(糖衣錠として製剤されているMTC)はStar Pharmaceuticals(Florida、USA)から入手。(3)NTPは、National Toxicology Program[(米国)国家毒性プログラム]からのMTCサンプルである。(4)DJPS12aとDJPS13aは、N,N-ジメチルアニリンのニトロシル化、そのあとのニトロシル還元、チオスルホン酸生成、酸化的カップリング、ハイドロサルファイトを用いてのCr(VI)還元、閉環、および熱NaClを用いての塩化物塩生成により得られたMTCである。これにより粗製MTCを得、これを冷硫化ナトリウム処理、そのあとDCM洗浄、ついで冷酸性再結晶化によりさらに精製した。サンプルDJPS12aとDJPS13aについては、NaClによる残存MTCの塩析は起こらなかった。注記として、「<」は、分析が行われた日における機器の検出限界を表す。 市販の製品とは違って、本明細書に記載されている方法に従って合成され且つ精製されたMTCの有機不純物のレベルはかなり低減されておりまたその金属のレベルも上記11のEP金属のそれぞれについてEP限度値よりも低かったことを注記しておく。実施例 23市販のMTC製品の分析 以下の表に、販売元から入手した様々なMTC製品についての純度データを示す。Chemical Reference Substanceでさえも、有機物質としては比較的純度が高いが、金属に関しては比較的純度が低く、銅およびクロムについては欧州薬局方(EP)基準値を満たしていない。注記として、「<」は、分析が行われた日における機器の検出限界を表す。 市販製品は、すべて、銅についての欧州薬局方(EP)限度値を満たしていないことを注記しておく。クロムについては大半が満たしていない。アルミニウム、亜鉛、および鉄については多くのものが満たしていない。いくつかのものが、ニッケル、スズ、および鉛などのその他の金属について満たしていない。多数のものがかろうじて満たしているのは、鉄とマンガンについてのEP限度値のみである。Urolene Blue(登録商標)は、銅、クロム、アルミニウム、および鉄のそれぞれについてのEP限度値を満たしていない。 さらに:Medex(商標)は検出限界より高いヨウ化物および臭化物の双方を含有していたこと;およびUrolene Blue(登録商標)も高レベルのマグネシウム、チタン、およびストロンチウムを含有していたことならびに検出限界より高いレベルのウラニウム、スカンジウム、臭素、イットリウム、ニオブ、パラジウム、ヨウ素、セシウム、ランタン、セリウム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、およびトリウムを含有していたこと;を注記しておく。 販売元からのMTCサンプルの詳細を以下の表に掲載しておく。実施例 24カプセルの調製 MTCを含んでいて医薬用途に適したゼラチンカプセルを調製した。 その医薬製品はサイズ1の青色/青色ゼラチンカプセルであり、緑がかった青色のワックス状物質が中に入っており、このワックス状物質は、懸濁媒体としてのGelucire 44/14(登録商標)(欧州薬局方・米国薬局方ラウロイルマクロゴール-32グリセリド)およびチキソトロピック(揺変性)懸濁化剤としての2%のAerosil 200(登録商標)(欧州薬局方・米国薬局方コロイド状二酸化ケイ素)によるワックス状懸濁液中に活性物質であるメチルチオニニウム塩化物(MTC)が混合されたものである。 30mg、60mgおよび100mgの目標力価で三つの力価のカプセルを製造した。MTC 25%(無水基準で)、Gelucire 73%、およびAerosil 200 2%のバルク混合物を調製し、薬量は、製剤組成をそれぞれの薬量に対して一定とし、充填重量を変えることで調節した。 カプセルは、MW Encap Ltd(Encap Drug Deliveryとも呼ばれている)[West Lothian, UK]によりcGMPに則って製造された。以下の表に、典型的なバッチの組成を示す。 Gelucireを、混合容器中でおよそ65℃で溶融し、およそ65℃に保っておいた。前記MTC(600μmの篩を通してスクリーン処理してある)とAerosil 200(登録商標)を加え、混合物が均質となるまで混合した。この混合物を、およそ15分減圧することで脱気し、次いでカプセル充填機のホッパー(およそ55℃の温度に設定してある)に移した。硬質のゼラチンカプセル(Capsugel社製)に充填し、目標充填重量を頻繁な間隔(およそ30分の間隔)でチェックした。カプセルをこのあとバンディング機に移した。ゼラチンバンディング溶液(純水にゼラチンが入っている)を調製した。カプセルを、気泡や不完全シールについてオンラインで検査しながらバンディング機でバンディングした。カプセルをこのあと25〜30℃の乾燥オーブンの中に通した。 ここまで、本発明の原理、好ましい実施形態、および操作形態について述べてきた。しかしながら、本発明は、論議したそれらの特定の実施形態に限定されるととるべきでない。そうでなくて、上述した実施形態は限定するものというよりもむしろ説明するものとみなされるべきで、そして当然当業者であれば本明細書に記載されている本発明の範囲を逸脱することなくそれらの実施形態において変形形態をつくることができることは理解されるべきである。 本発明は、添付の請求項によって包含される実施形態に限定されるものではない。これらの請求項は、本発明の多くある好ましい態様および実施形態のほんの一部に関するものである。参考文献 本発明ならびに本発明が関係する当該技術の現状をより完全に説明・開示するために、いくつかの特許ならびに文献が本明細書中で引用されている。これらの参考文献についての全引用を以下に記載しておく。これらの参考文献はそれぞれ、その個々の参考文献が参照により本明細書に組み込まれると具体的且つ個別的に書かれているのと同じ程度に本開示中にその全体が参照によりここにおいて組み込まれる。 次の各ステップ: Cr(VI)であるかまたはそれを含んでいる酸化剤を用いてチオ硫酸S-{2-(アミノ)-3-(置換されていてもよい)-5-(二置換アミノ)-フェニル}エステル(4)をN,N-二置換-3-置換されていてもよい-アニリン(5)に酸化的にカップリングさせて[4-{2-(チオスルフェート)-4-(二置換アミノ)-6-(置換されていてもよい)-フェニル-イミノ}-3-(置換されていてもよい)-シクロヘキサ-2,5-ジエニリデン]-N,N-二置換アンモニウム(6)を生成させる、酸化的カップリング(OC)のステップ; 該[4-{2-(チオスルフェート)-4-(二置換アミノ)-6-(置換されていてもよい)-フェニル-イミノ}-3-(置換されていてもよい)-シクロヘキサ-2,5-ジエニリデン]-N,N-二置換アンモニウム(6)を単離および精製する、双性イオン中間体の単離および精製(IAPOZI)のステップ; 該単離および精製された[4-{2-(チオスルフェート)-4-(二置換アミノ)-6-(置換されていてもよい)-フェニル-イミノ}-3-(置換されていてもよい)-シクロヘキサ-2,5-ジエニリデン]-N,N-二置換アンモニウム(6)を閉環させて3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩(7)を生成させる、閉環(RC)のステップ;を順番に含み、さらに閉環(RC)ステップのあとに次の追加のステップ: 前記3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩(7)を塩化物と反応させて3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8)を生成させる、塩化物塩生成(CSF)のステップ;を含み、さらに塩化物塩生成(CSF)ステップのあとに次の追加のステップ: 前記3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8)を硫化物により処理する、硫化物処理(ST)のステップ;を含み、さらに次の追加の後続のステップ: 水性溶液もしくは水性懸濁液中の前記3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8)を有機溶媒により洗浄する、有機抽出(OE)のステップ;をさらに含み、 有機抽出(OE)で用いられる有機溶媒がジクロロメタン(CH2Cl2、DCM)である、[上記式中: R1およびR9はそれぞれ、-H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、およびハロゲン化C1〜4アルキルから独立に選択され; R3NAおよびR3NBはそれぞれ、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、およびハロゲン化C1〜4アルキルから独立に選択され; R7NAおよびR7NBはそれぞれ、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、およびハロゲン化C1〜4アルキルから独立に選択され; Xは、電気的中性を保つための1個または複数個のアニオン対イオンである]合成方法。 酸化的カップリング(OC)ステップの酸化剤がNa2Cr2O7である請求項1に記載の合成方法。 酸化的カップリング(OC)ステップを酸性条件下で行う請求項1または2に記載の合成方法。 単離および精製が濾過によるものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の合成方法。 単離および精製が濾過およびそのあとの洗浄によるものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の合成方法。 単離および精製が濾過およびそのあとの洗浄および乾燥によるものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の合成方法。 閉環(RC)ステップが硫酸Cu(II)による処理により達成される請求項1〜6のいずれか一項に記載の合成方法。 閉環(RC)ステップを酸性条件下で行う請求項1〜7のいずれか一項に記載の合成方法。 酸化的カップリング(OC)ステップのあと且つ双性イオン中間体の単離および精製(IAPOZI)ステップのまえに次の追加のステップ: 酸化的カップリング(OC)ステップの生成物を処理して残留のCr(VI)をCr(III)に変換させる、Cr(VI)還元(CR)のステップ;をさらに含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の合成方法。 残留のCr(VI)をCr(III)に変換させる処理が還元剤による処理である請求項9に記載の合成方法。 残留のCr(VI)をCr(III)に変換させる処理がハイドロサルファイトによる処理である請求項9に記載の合成方法。 残留のCr(VI)をCr(III)に変換させる処理がハイドロサルファイトナトリウムによる処理である請求項9に記載の合成方法。 残留のCr(VI)をCr(III)に変換させる処理がアルカノールによる処理である請求項9に記載の合成方法。 残留のCr(VI)をCr(III)に変換させる処理がヨウ化物による処理である請求項9に記載の合成方法。 残留のCr(VI)をCr(III)に変換させる処理が酸または塩基により5.70〜6.35のpHを達成する処理である請求項9に記載の合成方法。 酸化的カップリング(OC)ステップのまえに次の追加のステップ: N,N-二置換-1,4-ジアミノ-5-置換されていてもよいベンゼン(3)をチオスルフェートの存在下に酸化させて前記チオ硫酸S-{2-(アミノ)-3-(置換されていてもよい)-5-(二置換-アミノ)-フェニル}エステル(4)を生成させる、チオスルホン酸生成(TSAF)のステップ;をさらに含む請求項1〜15のいずれか一項に記載の合成方法。 チオスルフェートがNa2S2O3であるかまたはそれを含んでいる請求項16に記載の合成方法。 チオスルホン酸生成(TSAF)ステップにおける酸化がCr(VI)であるかまたはそれを含んでいる酸化剤を用いた反応によるものである請求項16もしくは17に記載の合成方法。 チオスルホン酸生成(TSAF)ステップにおける酸化がNa2Cr2O7であるかまたはそれを含んでいる酸化剤を用いた反応によるものである請求項16もしくは17に記載の合成方法。 チオスルホン酸生成(TSAF)ステップのまえに次の追加のステップ: N,N-二置換-3-置換されていてもよい-4-ニトロシルアニリン(2)を還元させて前記N,N-二置換-1,4-ジアミノ-5-置換されていてもよいベンゼン(3)を生成させる、ニトロシル還元(NR)のステップ;をさらに含む請求項16〜19のいずれか一項に記載の合成方法。 ニトロシル還元(NR)ステップにおける還元がFe(O)であるかまたはそれを含んでいる還元剤を用いた反応によるものである請求項20に記載の合成方法。 ニトロシル還元(NR)ステップにおける還元が金属鉄であるかまたはそれを含んでいる還元剤を用いた反応によるものである請求項20に記載の合成方法。 ニトロシル還元(NR)ステップにおける還元を酸性条件下で行う請求項20〜22のいずれか一項に記載の合成方法。 ニトロシル還元(NR)ステップのまえに次の追加のステップ: N,N-二置換-3-置換されていてもよいアニリン(1)を4-ニトロシル化して前記N,N-二置換-3-置換されていてもよい-4-ニトロシルアニリン(2)を生成させる、ニトロシル化(NOS)のステップ;をさらに含む請求項20〜23のいずれか一項に記載の合成方法。 ニトロシル化をニトライトを用いて行う請求項24に記載の合成方法。 ニトロシル化を亜硝酸ナトリウムを用いて行う請求項24に記載の合成方法。 ニトロシル化を酸性条件下で行う請求項24〜26のいずれか一項に記載の合成方法。 塩化物塩生成(CSF)で用いられる塩化物が塩酸である請求項1〜27のいずれか一項に記載の合成方法。 塩化物塩生成(CSF)を0〜2の比較的低いpHで行う請求項28に記載の合成方法。 塩化物塩生成(CSF)を20〜30℃の比較的冷たい温度で行う請求項28もしくは29に記載の合成方法。 塩化物塩生成(CSF)で用いられる塩化物が塩化ナトリウムである請求項1〜27のいずれか一項に記載の合成方法。 硫化物処理(ST)で用いられる硫化物が金属硫化物である請求項1〜31のいずれか一項に記載の合成方法。 硫化物処理(ST)で用いられる硫化物が硫化ナトリウムである請求項32に記載の合成方法。 硫化物処理(ST)を5〜15℃の温度で行う請求項1〜33のいずれか一項に記載の合成方法。 硫化物処理(ST)を9〜12のpHで行う請求項1〜34のいずれか一項に記載の合成方法。 有機抽出(OE)において有機溶媒による処理を有機溶媒の複数のアリコートを用いて繰り返し行う請求項1〜35のいずれか一項に記載の合成方法。 有機抽出(OE)において塩(8)の水性溶液もしくは懸濁液が9〜12のpHを有している請求項1〜36のいずれか一項に記載の合成方法。 有機抽出(OE)において有機溶媒による処理を5〜15℃の温度で行う請求項1〜37のいずれか一項に記載の合成方法。 次の追加の最終ステップ: 前記3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8)を再結晶化させる、再結晶化(RX)のステップ;をさらに含む請求項1〜38のいずれか一項に記載の合成方法。 再結晶化が、pHを-1〜3の比較的低いpHに調整することによる2〜40℃の比較的冷たい温度での水からの再結晶化である請求項39に記載の合成方法。 比較的冷たい温度が10〜30℃である請求項40に記載の合成方法。 比較的冷たい温度が約25℃である請求項40に記載の合成方法。 比較的低いpHが0〜2である請求項40〜42のいずれか一項に記載の合成方法。 比較的低いpHが約1である請求項40〜42のいずれか一項に記載の合成方法。 再結晶化が、塩化物の存在下での最初高温の水からの再結晶化である請求項39に記載の合成方法。 次の各ステップ: N,N-二置換-3-置換されていてもよいアニリン(1)を4-ニトロシル化してN,N-二置換-3-置換されていてもよい-4-ニトロシルアニリン(2)を生成させる、ニトロシル化(NOS)のステップ; 該N,N-二置換-3-置換されていてもよい-4-ニトロシルアニリン(2)を還元してN,N-二置換-1,4-ジアミノ-5-置換されていてもよいベンゼン(3)を生成させる、ニトロシル還元(NR)のステップ; 該N,N-二置換-1,4-ジアミノ-5-置換されていてもよいベンゼン(3)をチオスルフェートの存在下で酸化させてチオ硫酸S-{2-(アミノ)-3-(置換されていてもよい)-5-(二置換-アミノ)-フェニル}エステル(4)を生成させる、チオスルホン酸生成(TSAF)のステップ; Cr(VI)であるかまたはそれを含んでいる酸化剤を用いて該チオ硫酸S-{2-(アミノ)-3-(置換されていてもよい)-5-(二置換アミノ)-フェニル}エステル(4)をN,N-二置換-3-置換されていてもよい-アニリン(5)に酸化的にカップリングさせて[4-{2-(チオスルフェート)-4-(二置換アミノ)-6-(置換されていてもよい)-フェニル-イミノ}-3-(置換されていてもよい)-シクロヘキサ-2,5-ジエニリデン]-N,N-二置換アンモニウム(6)を生成させる、酸化的カップリング(OC)のステップ; 該酸化的カップリング(OC)ステップの生成物を処理して残留のCr(VI)をCr(III)に変換させる、Cr(VI)還元(CR)のステップ; 該[4-{2-(チオスルフェート)-4-(二置換アミノ)-6-(置換されていてもよい)-フェニル-イミノ}-3-(置換されていてもよい)-シクロヘキサ-2,5-ジエニリデン]-N,N-二置換アンモニウム(6)を単離および精製する、双性イオン中間体の単離および精製(IAPOZI)のステップ; 該単離および精製された[4-{2-(チオスルフェート)-4-(二置換アミノ)-6-(置換されていてもよい)-フェニル-イミノ}-3-(置換されていてもよい)-シクロヘキサ-2,5-ジエニリデン]-N,N-二置換アンモニウム(6)を閉環させて3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩(7)を生成させる、閉環(RC)のステップ; 該3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩(7)を塩化物と反応させて3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8)を生成させる、塩化物塩生成(CSF)のステップ; 該3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8)を硫化物により処理する、硫化物処理(ST)のステップ; 水性溶液もしくは水性懸濁液中の該3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8)を有機溶媒により洗浄し、有機溶媒はジクロロメタン(CH2Cl2、DCM)である、有機抽出(OE)のステップ; 該3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8)を再結晶化させる、再結晶化(RX)のステップ;[上記式中: R1およびR9はそれぞれ、-H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、およびハロゲン化C1〜4アルキルから独立に選択され; R3NAおよびR3NBはそれぞれ、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、およびハロゲン化C1〜4アルキルから独立に選択され; R7NAおよびR7NBはそれぞれ、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、およびハロゲン化C1〜4アルキルから独立に選択され; Xは、電気的中性を保つための1個または複数個のアニオン対イオンである]を順番に含む請求項1に記載の合成方法。 再結晶化が、pHを0〜2の比較的低いpHに調整することによる10〜30℃の比較的冷たい温度での水からの再結晶化である請求項46に記載の合成方法。 再結晶化がそのあとの再結晶化された沈殿物の乾燥を含む請求項39〜47のいずれか一項に記載の合成方法。