タイトル: | 公表特許公報(A)_自己犠牲リンカー及び薬剤複合体 |
出願番号: | 2007527486 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | C07K 5/06,A61K 38/00,A61P 43/00,A61P 35/00,C07K 5/08,C07K 5/10 |
ボイド シャロン チェン リャン ガンワー サンジーヴ ギューラヴァイス ヴィンセント ホーガン キリアン リ ツィ−ホン スフィ ビラル JP 2007538099 公表特許公報(A) 20071227 2007527486 20050519 自己犠牲リンカー及び薬剤複合体 メダレックス インコーポレイテッド 504378238 正林 真之 100106002 高岡 亮一 100114775 林 一好 100120891 加藤 清志 100122426 ボイド シャロン チェン リャン ガンワー サンジーヴ ギューラヴァイス ヴィンセント ホーガン キリアン リ ツィ−ホン スフィ ビラル US 60/572,667 20040519 US 60/661,174 20050309 US 60/669,871 20050408 C07K 5/06 20060101AFI20071130BHJP A61K 38/00 20060101ALI20071130BHJP A61P 43/00 20060101ALI20071130BHJP A61P 35/00 20060101ALI20071130BHJP C07K 5/08 20060101ALI20071130BHJP C07K 5/10 20060101ALI20071130BHJP JPC07K5/06A61K37/02A61P43/00 105A61P35/00C07K5/08C07K5/10 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW US2005017804 20050519 WO2005112919 20051201 191 20070117 4C084 4H045 4C084AA02 4C084AA07 4C084BA01 4C084BA14 4C084BA32 4C084CA59 4C084DC50 4C084NA14 4C084ZB212 4C084ZB262 4H045AA10 4H045AA20 4H045AA30 4H045BA11 4H045BA12 4H045BA13 4H045BA51 4H045DA01 4H045EA20 4H045EA50 4H045FA10 本特許出願は、米国特許仮出願番号60/572,667、60/661,174及び60/669,871の優先権を主張し、その内容は本発明を構成するものとして本特許出願に援用される。(本発明の技術分野) 本発明は、薬剤及びリガンドと結合し、in vivoにて切断されるリンカーに関する。上記リンカーは、本発明に係るサイトトキシンのプロドラッグ及び複合体の調製、その他診断及び治療薬の調製に用いられる。 多くの治療薬、特に癌化学療法に効果的な治療薬は、しばしば生体内の急性毒性、特に骨髄及び粘膜毒性、あるいは慢性の心臓又は神経毒性を呈する。このような高い毒性の存在により、それらの使用は制限されかねない。ゆえに、より多くのより安全な特異的治療薬(特に制癌剤)の開発を行い、これらの製品の使用による副作用(毒性、非腫瘍細胞の傷害、その他)の頻度、及び腫瘍細胞の症状の軽減を効果的に行うことが望ましい。また、既存の治療薬が有する他の問題点は、血漿中において、最適な場合よりも安定性が低いことである。ただし、これらの化合物を安定化させる目的で官能基を付加した場合、活性が顕著に低下してしまう。したがって、治療における活性のレベルを維持しつつ、化合物を安定化する方法の開発が求められている。 細胞障害性を有し、より特異性の高い薬剤がここ数十年の間極めて活発に検索されたが、服用を制限する要因となる毒性(すなわち通常の組織に作用する望ましくないサイトトキシン活性)が、これまで癌治療を阻害する主な原因となっていた。例えば、CC−1065及びデュオカルマイシンは、極めて強力なサイトトキシンであることが公知である。 CC−1065は、アップジョン(Pharmacia Upjohn)社によって1981のストレプトマイセス・ゼレンシスから最初に分離され(非特許文献1、2、3)、in vitro及び実験動物における抗腫瘍及活性び抗菌活性を有することが明らかにされた(非特許文献4)。CC−1065は、5’−d(A/GNTTA)−3’及び5’−d(AAAAA)−3’の配列選択性により、副溝中で二本鎖B−DNAに結合し(非特許文献5)、その分子中に存在するCPI左側部分によって3’−アデニンのN3位置をアルキル化する(非特許文献6)。CC−1065は、その強力かつ広範な抗腫瘍活性にもかかわらず、それが実験動物の遅延死を引き起こすため、人間に対する使用を不可能にしている。 CC−1065及びデュオカルマイシンの多くのアナログ及び派生物が、現在公知である。その構造式、合成及び化合物の特性の多くが、これまで研究されている。非特許文献7及び8を参照のこと。 協和醗酵工業社のグループは、多くのCC−1065誘導体を調製している。例えば、特許文献1から11を参照のこと。 また、アップジョン社はCC−1065の派生物を多種にわたり調製している。例えば、特許文献12から15を参照のこと。 やがて、研究開発の矛先は、プロドラッグ(それらの構造がin vivoにおいて特定の化学的又は酵素的改変を受けることにより、薬剤(活性な治療化合物)に変換されることができる化合物)と称される、新しいタイプの治療薬に集中した。この変換が、循環器又は対象外の組織よりもむしろ、活性を発揮する部位又は標的組織において選択的に行われるため、毒性が減少する。しかしながら、それらの多くのものは、血液及び血清において安定性が低いという問題を孕んでる。なぜなら、プロドラッグが患者の体内の所望の部位に到達する前に、酵素により分解され、又は活性化されてしまうからである。 ブリストル‐マイヤーズスクイブ社は、特定のリソソームの酵素により分解可能な抗腫瘍薬剤複合体を開示している。特許文献16を参照のこと。なお、この特許は、アミノベンジルオキシカルボニル化合物に関するものである。 シアトルジェネティクス社は、特許文献17及び18を開示しており、それらは、p−アミノベンジルエーテルを薬剤輸送担体に使用することに関するものである。但し、これらの特許文献に記載されているリンカーは、アミノベンジルエーテル組成物に限定されている。 他のグループもまた、リンカーに関して開示している。例えば非特許文献9から13、特許文献19を参照のこと。これらのリンカーには、アミノベンジルエーテルスペーサー、細長い電子カスケード及び環化スペーサーシステム、例えばw−アミノ アミノカルボニルのような環化除去スペーサー、及びp−アミノベンジルオキシカルボニルリンカーが含まれる。 生体内安定性をはじめとするサイトトキシン薬剤の安定性に関しては、未だ解決すべき重要な問題が残されている。加えて、多くの化合物がその毒性により使用不可能なものとなるため、薬剤毒性が減少した組成物(例えば分解可能なプロドラッグ)の開発が求められている。したがって、従来技術において見られる技術の進歩にもかかわらず、哺乳類又は人間の治療のための、改良された治療薬開発の必要性が今なお残されている。より詳しくは、特に、高い活性特異性を呈し、毒性が減少され、周知の類似した構造の化合物と比較して血液中での安定性が改善された、サイトトキシンの開発が求められている。本発明において、それらの必要性について開示する。米国特許第5,101、038号米国特許第5,641,780号米国特許第5,187,186号米国特許第5,070,092号米国特許第5,703,080号米国特許第5,070,092号米国特許第5,641,780号米国特許第5,101,038号米国特許第5,084,468号国際特許出願公開第96/10405号欧州特許出願公開第0537575Al号米国特許第5,739,350号米国特許第4,978,757号米国特許第5,332、837号米国特許第4,912,227号米国特許第6,214,345号米国特許出願公開第2003/0096743号米国特許出願公開第2003/0130189号国際特許出願公開第02/083180号Hankaら、J.Antibiot.31:1211(1978)Martinら、J.Antibiot.33:902(1980)Martinら、J.Antibiot.34:1119(1981)Liら、Cancer Res.42:999(1982)Swensonら、Cancer Res.42:2821(1982)Hurleyら、Science 226:843(1984)Bogerら、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.35:1438(1996)Bogerら、Chem.Rev.97:787(1997)de Grootら、J.Med.Chem.42,5277(1999)de Grootら、J.Org.Chem.43,3093(2000)de Grootら、J.Med.Chem.66,8815,(2001)Carlら、J.Med.Chem.Lett.24,479,(1981)Dubowchikら、Bioorg&Med.Chem.Lett.8,3347(1998) 本発明は、薬剤及びリガンドがペプチジルリンカー、ヒドラジンリンカー又はジスルフィドリンカーで連結された、薬剤−リガンド複合体に関する。この複合体は強力なサイトトキシンであって、活性を発揮させる標的部位に選択的に分配することが可能で、その後分解し活性を有する薬剤を放出するものである。本発明の新規なリンカーアームは、例えば生体内での酵素反応又は還元反応により、細胞障害性薬剤から分離される。更に活性を有する薬剤部分をプロドラッグ誘導剤から遊離させる。また本発明には、リンカーアーム及び本発明のサイトトキシン間の複合体、並びにリンカーアーム、サイトトキシン及びターゲティング試薬(例えば抗体又はペプチド)間の複合体が含まれる。 本発明は、治療薬及び標識の安定化に有用な基にも関する。安定化に関与する基は、例えば、治療薬又は標識のクリアランス、及び血液又は標的外の組織に存在しうる酵素による代謝を制限する目的で選択される。例えば化合物の溶解性を増加させ、又は化合物の凝集を減少させて安定化に寄与する基は、薬剤又は標識の性能低下を防止し、また薬剤又は標識の他の生理学的性質を提供するのに有用である。安定化に寄与する基はまた、調製済み又は未調製の医薬品における、薬剤又は標識の安定性を改善することができる。 第一の実施態様において、本発明は、下記の一般式(1)から(3)のいずれかに記載の構造を有する細胞障害性薬剤−リガンド化合物を提供する。 ここで、記号Dは、その基本骨格に対するペンダント基としての、化学的に反応性の官能基を有する薬剤部分であり、上記官能基は第一級又は第二級アミン、ヒドロキシル、スルフィドリル、カルボキシル、アルデヒド及びケトンからなる群から選択される。 記号L1は、自己犠牲スペーサーを表し、mは0、1、2、3、4、5又は6の整数である。 記号X4は、保護された反応性官能基、保護されない反応性官能基、検出可能なラベル及びターゲティング試薬からなる群から選択される要素を表す。 記号L4はリンカーを表し、pは0又は1である。L4は、増加した溶解性又は減少した凝集性を複合体に付与する部分である。L4部分の例としては、置換されたアルキル、置換されないアルキル、置換されたアリール、置換されないアリール、置換されたヘテロアルキル又は、置換されないヘテロアルキル基(それらは直鎖状、分岐状又は環状であってもよい)、正電荷又は負電荷に荷電したアミノ酸高分子(例えばポリリジン又はポリアルギニン)又は他のポリマー(例えばポリエチレングリコール)が挙げられる。 以下の本願明細書における記号F、H及びJは、リンカーを表す。 一つの実施態様において、本発明は、以下に記載の構造を有するペプチドリンカー複合体に関する。 ここで、Dはその基本骨格に対するペンダント基としての、化学的に反応性の官能基を有する薬剤部分であり、上記官能基は第一級又は第二級アミン、ヒドロキシル、スルフィドリル、カルボキシル、アルデヒド及びケトンからなる群から選択され、 L1は自己犠牲リンカーであり、 mは0、1、2、3、4、5又は6の整数であり、 Fは以下に示す構造を有するリンカーであり、 ここで、AA1は、天然アミノ酸及び合成αアミノ酸からなる群から独立に選択される一つ又は二つ以上の要素であり、 cは1から20までのいずれかの整数であり、 L2は自己犠牲リンカーであり、 L3は、第一級又は第二級アミン又はカルボキシル官能基を含むスペーサー基であり、ここで、L3が存在する場合、mが0であり、L3のアミン基がDのペンダント基のカルボキシル官能基とアミド結合を形成するか、又はL3のカルボキシル基がDのペンダント基のアミン官能基とアミド結合を形成し、 oは0又は1であり、 L4はリンカー要素であり、ここで、L4は直接(AA1)cのN末端と結合するカルボキシルアシル基を含まず、 pは0又は1であり、並びに、 X4は、保護された反応性官能基、保護されない反応性官能基、検出可能なラベル及びターゲティング試薬からなる群から選択される要素である。 一つの実施態様において、上記ペプチドリンカー複合体は、以下に記載の構造を有する。 他の実施態様において、上記ペプチドリンカー複合体は、以下に記載の構造を有する。 望ましい実施態様において、上記L3は芳香族の基を含む。例えば、L3は安息香酸、アニリン又はインドール基を含むことができる。非限定的な例として、上記−L3−NH−は、以下に記載の群から選択される構造を有する。 ここで、Zは酸素原子、硫黄原子及びNR23から選択される要素であり、 R23は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシル基から選択される要素である。 上記ペプチドリンカーの望ましい実施態様において、(AA1)cは、腫瘍組織において発現されるプロテアーゼによって切断可能なペプチド配列である。望ましいプロテアーゼは、リソソーム由来プロテアーゼである。望ましい実施態様において、cは2から6のいずれかの整数、又は、cは2、3若しくは4である。特定の実施態様において、薬剤部分の最も近くに位置する(AA1)c中のアミノ酸は、以下の群から選択される:Ala、Asn、Asp、Cit、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr及びVal。望ましい実施態様において、ペプチド配列は以下の群から選択される:Val−Cit、Val−Lys、Phe−Lys、Lys−Lys、Ala−Lys、Phe−Cit、Leu−Cit、Ile−Cit、Trp、Cit、Phe−Ala、Phe−N9−トシル−Arg、Phe−N9−ニトロ−Arg、Phe−Phe−Lys、D−Phe−Phe−Lys、Gly−Phe−Lys、Leu−Ala−Leu、Ile−Ala−Leu、Val−Ala−Val、Ala−Leu−Ala−Leu(配列番号1)、β−Ala−Leu−Ala−Leu(配列番号2)及びGly−Phe−Leu−Gly(配列番号3)。特に望ましい実施態様において、(AA1)cは、Val−Cit又はVal−Lysである。 若干の望ましい実施態様において、上記ペプチドリンカー(F)は、以下に記載の構造を有する。 ここで、R24は、水素原子、置換されたアルキル、置換されないアルキル、置換されたヘテロアルキル及び置換されないヘテロアルキル基からなる群から選択され; Kは、置換されたアルキル、置換されないアルキル、置換されたヘテロアルキル、置換されないヘテロアルキル、置換されたアリール、置換されないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されないヘテロアリール、置換されたヘテロシクロアルキル、置換されないヘテロシクロアルキル基、ハロゲン、NO2、NR21R22、NR21COR22、OCONR21R22、OCOR21及びOR21、からなる群から選択される要素であり、 ここで、R21及びR22は、水素原子、置換されたアルキル、置換されないアルキル、置換されたヘテロアルキル、置換されないヘテロアルキル、置換されたアリール、置換されないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されないヘテロアリール、置換されたヘテロシクロアルキル又は置換されないヘテロシクロアルキル基、からなる群から独立に選択され; aは0、1、2、3又は4のいずれかの整数である。 他の望ましい実施態様において、上記−F−(L1)m−は、以下に記載の構造を有する。 ここで、各々のR24は、水素原子、置換されたアルキル、置換されないアルキル、置換されたヘテロアルキル及び置換されないヘテロアルキル基からなる群から独立に選択される要素である。 別の実施態様において、本発明は、以下に記載の構造を有するヒドラジンリンカー複合体に関する。 ここで、Dは、その基本骨格に対するペンダント基としての、化学的に反応性の官能基を有する薬剤部分であり、上記官能基は第一級又は第二級アミン、ヒドロキシル、スルフィドリル、カルボキシル、アルデヒド及びケトンからなる群から選択され、 L1は自己犠牲リンカーであり、 mは0、1、2、3、4、5又は6の整数であり; X4は保護された反応性官能基、保護されない反応性官能基、検出可能なラベル及びターゲティング試薬からなる群から選択される要素であり; L4はリンカーの要素であり; pは0又は1であり; Hは以下に記載の構造、すなわちを有するリンカーであり、 ここで、n1は1から10のいずれかの整数であり; n2は0、1又は2であり; 各々のR24は、水素原子、置換されたアルキル、置換されないアルキル、置換されたヘテロアルキル及び置換されないヘテロアルキル基からなる群から独立に選択される要素であり; Iは、結合又は以下の化合物、すなわちであり、ここで、n3が0又は1であり、但しn3が0であるときはn2は0でなく;n4は1、2又は3であり、 ここで、Iが結合で、n1が3、n2が1であるとき、Dが以下の化合物、すなわち、であり、ここでRがMe又はCH2−CH2−NMe2である。 幾つかの望ましい実施態様において、フェニル環上の置換はパラ位での置換である、幾つかの望ましい実施態様において、n1は2、3若しくは4、又はn1は3、又はn2は1である。 特定の実施態様において、Iは結合である。他の実施態様において、n3は0であり、n4は2である。 様々な実施態様において、本発明は、開裂により6員環を形成する自己犠牲リンカー、開裂により2つの5員環を形成する自己犠牲リンカー、単一の5員環を形成する自己犠牲リンカー、単一の7員環を形成する自己犠牲リンカー、又は5員環及び6員環を形成する自己犠牲リンカーである、ヒドラジンリンカー(H)を提供する。 望ましい実施態様において、Hはジェミナル構造のジメチル置換を含む。 望ましい実施態様において、Hは以下に記載の構造を有する。 望ましくは、n1は2、3又は4であり、より望ましくはn1は3である。望ましくは、各々のR24はCH3又は水素原子から独立に選択される。特定の望ましい実施態様において、各々のR24は水素原子である。 他の望ましい実施態様において、Hは以下に記載の構造を有する。 望ましくは、n1は3である。望ましくは、R24は各々CH3及び水素原子から独立に選択される。 また、他の望ましい実施態様において、Hは以下に記載の構造を有する。 望ましくは、各々のR24は独立に水素原子、又は飽和若しくは不飽和アルキル基である。 別の実施態様において、本発明は以下に記載の構造を有するヒドラジンリンカー複合体に関する。 ここで、Dは、その基本骨格に対するペンダント基としての、化学的に反応性の官能基を有する薬剤部分であり、第一級又は第二級アミン、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルデヒド、及びケトンからなる群から選択され; L1は自己犠牲リンカーであり; mは0、1、2、3、4、5又は6から選択される整数であり; X4は、保護された反応性官能基、保護されない反応性官能基、検出可能なラベル及びターゲティング試薬からなる群から選択される要素であり; L4はリンカーであり; pは0又は1であり; Hは以下に記載の構造、すなわち、を含むリンカーであり; ここで、qは0、1、2、3、4、5又は6であり; ここで、各々のR24は、水素原子、置換されたアルキル、置換されないアルキル、置換されたヘテロアルキル及び置換されないヘテロアルキル基からなる群から独立に選択される要素である。 更に他の実施態様において、本発明は、以下に記載の構造を有するジスルフィドリンカー複合体に関する。 ここで、Dは、その基本骨格に対するペンダント基としての、化学的に反応性の官能基を有する薬剤部分であり、その官能基が第一級又は第二級アミン、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルデヒド、及びケトンからなる群から選択され; L1は自己犠牲リンカーであり; mは0、1、2、3、4、5又は6から選択される整数であり; X4は、保護された反応性官能基、保護されない反応性官能基、検出可能なラベル及びターゲティング試薬からなる群から選択される要素であり; L4はリンカーであり; pは0又は1であり; Jは、以下に記載の構造、すなわち、を有するリンカーであり、 ここで、各々のR24は、水素原子、置換されたアルキル、置換されないアルキル、置換されたヘテロアルキル及び置換されないヘテロアルキル基からなる群から独立に選択される要素であり; 各々のKは、以下からなる群、すなわち、水素原子、置換されたアルキル、置換されないアルキル、置換されたヘテロアルキル、置換されないヘテロアルキル、置換されたアリール、置換されないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されないヘテロアリール、置換されたヘテロシクロアルキル、置換されないヘテロシクロアルキル基、ハロゲン、NO2、NR21R22、NR21COR22、OCONR21R22、OCOR21及びOR21、から独立に選択される要素であり、 ここで、R21及びR22は、以下からなる群、すなわち、水素原子、置換されたアルキル、置換されないアルキル、置換されたヘテロアルキル、置換されないヘテロアルキル、置換されたアリール、置換されないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されないヘテロアリール、置換されたヘテロシクロアルキル及び置換されないヘテロシクロアルキル基、から独立に選択され; aは0、1、2、3又は4のいずれかの整数であり; dは0、1、2、3、4、5又は6のいずれかの整数である。 様々な実施態様において、Jは、以下に記載の構造のうちの一つを有する。 前述のリンカー複合体の全てにおいて、Dは、望ましくは細胞障害性薬剤である。望ましい実施態様において、Dは、第一級又は第二級アミン、ヒドロキシル、スルフィドリル及びカルボキシル基からなる群から選択される化学的に反応性の官能基を有する。望ましい薬剤(D)の非限定的な例としては、デュオカルマイシン、デュオカルマイシンのアナログ及び誘導剤、CC−1065、CBIを主成分とするデュオカルマイシンアナログ、MCBIを主成分とするデュオカルマイシンアナログ、CCBIを主成分とするデュオカルマイシンアナログ、ドキソルビシン、ドキソルビシン複合体、モルフォリノ−ドキソルビシン、シアノモルフォリノ−ドキソルビシン、ドラスタチン、ドレスタチン−10、コンブレタスタチン、カリケアミシン、マイタンシン、マイタンシンアナログ、DMI、アウリスタチンE、アウリスタチンEB(AEB)、アウリスタチンEFP(AEFP)、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、5−ベンゾイルバレリン酸AEエステル(AEVB)、チューブリシン、ジソラゾール、エポシロン、パクリタキセル、ドセタキセル、SN−38、トポテカン、リゾキシン、エキノマイシン、コルヒチン、ビンブラスチン、ビンデシン、エストラムスチン、セマドチン、エリューテロビン、メトトレキサート、メトプテリン、ジクロロメトトレキサート、5−フルオロウラシル、6−メルカプトプリン、シトシンアラビノシド、メルファラン、リューロシン、リューロシダイン、アクチノマイシン、ダウノルビシン、ダウノルビシン複合体、マイトマイシンC、マイトマイシンA、カルミノマイシン、アミノプテリン、タリソマイシン、ポドフィロトキシン、ポドフィロトキシン誘導体、エトポシド、エトポシドリン酸塩、ビンクリスチン、タキソール、タキソテールレチノイン酸、酪酸、N8−アセチルスペルミジン並びにカンプトセシンが挙げられる。 望ましい実施態様において、Dは以下に記載の構造を有するデュオカルマイシンアナログ又は誘導体である。 ここで、環状部Aは、飽和又は不飽和アリール、飽和又は不飽和ヘテロアリール及び飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル基から選択される要素であり; E及びGは、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル、ヘテロ原子、単結合から独立に選択される要素であるか、又は、E及びGが結合して飽和又は不飽和アリール、飽和又は不飽和ヘテロアリール及び飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル基から選択される環状部を形成し; Xは酸素原子、硫黄原子及びNR23から選択される要素であり; R23は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシル基から選択される要素であり; R3は、(=O)SR11、NHR11、及びOR11からなる群から選択される要素であり、 ここで、R11は、水素原子、置換されたアルキル、置換されないアルキル、置換されたヘテロアルキル、置換されないヘテロアルキル基、二リン酸塩、三リン酸塩、アシル、C(O)R12R13、C(O)OR12、C(O)NR12R13、P(O)(OR12)2、C(O)CHR12R13、SR12及びSiR12R13R14からなる群から選択される要素であり、 R12、R13及びR14は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及び飽和又は不飽和アリールから独立に選択される要素であり、ここで、R12及びR13は、それらが結合する窒素原子又は炭素原子と共に任意に結合して4員環から6員環を有する飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を含み; R4、R4’、R5及びR5’が以下の群、すなわち、水素原子、置換されたアルキル、置換されないアルキル、置換されたアリール、置換されないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されないヘテロアリール、置換されたヘテロシクロアルキル、置換されないヘテロシクロアルキル基、ハロゲン、NO2、NR15R16、NC(O)R15、OC(O)NR15R16、OC(O)OR15、C(O)R15、SR15、OR15、CR15=NR16及びO(CH2)nN(CH3)2から独立に選択される要素であり、 nは1から20のいずれかの整数であり; R15及びR16は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル、飽和又は不飽和アリール、飽和又は不飽和ヘテロアリール、飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル及び飽和又は不飽和ペプチジル基から独立に選択され、ここで、R15及びR16は、それらが結合する窒素原子と共に任意に結合して4員環から6員環を有する飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を含み; R6は、存在するか又は存在しない単結合であり、存在するときはR6及びR7が接続してシクロプロピル環を形成し; R7は、CH2−X1又はR6と上記シクロプロピル環において連結する−CH2−であり、ここでX1は脱離基であり、 ここでR11、R12、R13、R15又はR16の少なくとも一つは、上記薬剤を、もし存在するときはL1と、又はF、H若しくはJと結合させる。 望ましい実施態様において、Dは以下に記載の構造を有する。 ここで、Zは酸素原子、硫黄原子及びNR23から選択される要素であり、ここで、R23は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシル基から選択される要素であり; R1は、水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル基、C(O)R8又はCO2R8であり、ここで、R8は、置換されたアルキル、置換されないアルキル基、NR9R10、NR9NHR10及びOR9からなる群から選択される要素であり、 ここで、R9及びR10は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル及び飽和又は不飽和ヘテロアルキル基から独立に選択される要素であり; R2は、水素原子、置換されたアルキル又は置換されない低級アルキル基であり; R11、R12、R13、R15又はR16のうち少なくとも一つは、上記薬剤を、存在するときはL1に、又はF、H若しくはJに結合させる。 R2は、置換されない低級アルキル基である。 他の望ましい実施態様において、Dは以下に記載の構造を有する。 ここで、Zは酸素原子、硫黄原子及びNR23から選択される要素であり、 ここで、R23は水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシル基から選択される要素であり; R1は、水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル基、C(O)R8又はCO2R8であり、ここで、R8はNR9R10及びOR9から選択される要素であり、 ここで、R9及びR10は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル及び飽和又は不飽和ヘテロアルキル基から独立に選択される要素であり; R1’は、水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル基又はC(O)R8であり、ここで、R8はNR9R10及びOR9から選択される要素であり、 ここで、R9及びR10は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル及び飽和又は不飽和ヘテロアルキル基から独立に選択される要素であり; R2は、水素原子、飽和若しくは不飽和低級アルキル、置換されないヘテロアルキル、シアノ基又はアルコキシル基であり; R2’は、水素原子、飽和若しくは不飽和低級アルキル又は置換されないヘテロアルキル基であり、 ここで、R11、R12、R13、R15又はR16のうち少なくとも一つは、上記薬剤を、存在するときはL1に、又はF、H若しくはJに結合させる。 前述のリンカー複合体の構造式の全てにおいて、L4は望ましくは環状部分を含まない。L4は、L4を欠く化合物と比較し、化合物の溶解性を増加させ、及び/又は化合物の凝集を減少させるため、望ましい。望ましい実施態様において、L4はポリエチレングリコール部分を含む。ポリエチレングリコール部分には、例えば3から12の繰り返し単位若しくは2から6の繰り返し単位、より望ましくは4つの繰り返し単位を含めることができる。 更に他の実施態様において、本発明は、以下に記載の一般式で表される構造を有する、細胞障害性薬剤−リガンド化合物を提供する。 ここで、L1は自己犠牲リンカーであり、mは整数0、1、2、3、4、5又は6である。 記号X4は、保護された反応性官能基、保護されない反応性官能基、検出可能なラベル及びターゲティング試薬からなる群から選択される要素を表す。 記号L4は、リンカー要素を表し、pは0又は1である。L4は、複合体の溶解性を増加させ、又は凝集を減少させる部分である。L4部分の例としては、置換されたアルキル、置換されないアルキル、置換されたアリール、置換されないアリール、置換されたヘテロアルキル又は置換されないヘテロアルキル基(直鎖状、分岐状又は環状でもよい)、陽電荷又は負電荷に荷電したアミノ酸高分子(例えばポリリジン又はポリアルギニン)又は他のポリマー(例えばポリエチレングリコール)が挙げられる。 本願明細書において記号Qは、以下、ペプチドリンカー、ヒドラジンリンカー又はジスルフィドリンカーのいずれかを含むが、これに限定されない、あらゆる切断可能なリンカーを表す。切断可能なリンカーには、化学的又は生物学的プロセスにより選択的に切断されるものが含まれ、切断により薬剤(D1)をX4から遊離させる。 記号D1は、以下に記載の一般式で表される構造を有する薬剤を表す。 ここで、X及びZは、酸素原子、硫黄原子及びNR23から独立に選択される要素であり; R23は水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシル基から選択される要素であり; R1は水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル、C(O)R8又はCO2R8であり、 R1’は水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル又はC(O)R8であり、 ここで、R8はNR9R10及びOR9から選択される要素であり、R9及びR10は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル及び飽和又は不飽和ヘテロアルキル基から独立に選択される要素であり; R2は水素原子、飽和若しくは不飽和低級アルキル、置換されないヘテロアルキル、シアノ基又はアルコキシル基であり; R2’は水素原子又は飽和又は不飽和低級アルキル又は置換されないヘテロアルキル基であり、 R3はSR11、NHR11及びOR11からなる群から選択される要素であり、ここで、R11は水素原子、置換されたアルキル、置換されないアルキル、置換されたヘテロアルキル、置換されないヘテロアルキル基、二リン酸塩、三リン酸塩、アシル、C(O)R12R13、C(O)OR12、C(O)NR12R13、P(O)(OR12)2、C(O)CHR12R13、SR12及びSiR12R13R14からなる群から選択される要素であり、R12、R13及びR14は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及び飽和又は不飽和アリールから独立に選択される要素であり、ここで、R12及びR13は、それらが結合する窒素原子又は炭素原子と共に任意に結合して4員環から6員環を有する飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を含み; R6は、存在するか又は存在しない単結合であり、存在するときはR6及びR7が結合してシクロプロピル環を形成し; R7は、CH2−X1又は上記シクロプロピル環でR6と結び付いた−CH2−であり、ここで、X1は脱離基であり、 R4、R4’、R5及びR5’は、水素原子、置換されたアルキル、置換されないアルキル、置換されたアリール、置換されないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されないヘテロアリール、置換されたヘテロシクロアルキル、置換されないヘテロシクロアルキル基、ハロゲン、NO2、NR15R16、NC(O)R15、OC(O)NR15R16、OC(O)OR15、C(O)R15、SR15、OR15、CR15=NR16及びO(CH2)nNR24R25からなる群から独立に選択される要素であり、ここでnは1から20のいずれかの整数であり; ここで、R15及びR16は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル、飽和又は不飽和アリール、飽和又は不飽和ヘテロアリール、飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル及び飽和又は不飽和ペプチジル基から独立に選択され、ここで、R15及びR16は、それらが結合する窒素原子と任意に結合して4員環から6員環を有する飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル環状を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を含み; R24及びR25は、置換されないアルキルから独立に選択され、R4、R4’、R5及びR5’のうち少なくとも一つはO(CH2)nNR24R25である。 また、他の実施態様において、化合物は以下の一般式で示される構造を含む。 ここで、X及びZは、酸素原子、硫黄原子及びNR23から独立に選択される要素であり; R23は水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシル基から選択される要素であり; R1は水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル基、C(O)R8又はCO2R8であり、 R1’は水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル基又はC(O)R8であり、 ここで、R8はNR9R10及びOR9から選択される要素であり、R9及びR10は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル及び飽和又は不飽和ヘテロアルキル基から独立に選択される要素であり; R2は水素原子、飽和若しくは不飽和低級アルキル、置換されないヘテロアルキル、シアノ基又はアルコキシル基であり; R2’は水素原子又は飽和又は不飽和低級アルキル又は置換されないヘテロアルキル基であり、 R3はSR11、NHR11及びOR11からなる群から選択される要素であり、ここで、R11は水素原子、置換されたアルキル、置換されないアルキル、置換されたヘテロアルキル、置換されないヘテロアルキル基、二リン酸塩、三リン酸塩、アシル基、C(O)R12R13、C(O)OR12、C(O)NR12R13、P(O)(OR12)2、C(O)CHR12R13、SR12及びSiR12R13R14からなる群から選択される要素であり、R12、R13及びR14は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及び飽和又は不飽和アリール基から独立に選択される要素であり、ここで、R12及びR13は、それらが結合する窒素原子又は炭素原子と共に任意に結合して4員環から6員環を有する飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を含み; ここで、R11、R12及びR13のうち少なくとも一つは、上記薬剤を、存在するときはL1に、又はQに連結し、 R6は、存在するか又は存在しない単結合であり、存在するときはR6及びR7が結合してシクロプロピル環を形成し; R7はCH2−X1又は上記シクロプロピル環でR6と結び付いた−CH2−であり、ここで、X1が脱離基であり、 R4、R4’、R5及びR5’は、水素原子、置換されたアルキル、置換されないアルキル、置換されたアリール、置換されないアリール、置換されたヘテロアリール、置換されないヘテロアリール、置換されたヘテロシクロアルキル、置換されないヘテロシクロアルキル基、ハロゲン、NO2、NR15R16、NC(O)R15、OC(O)NR15R16、OC(O)OR15、C(O)R15、SR15、OR15、CR15=NR16及びO(CH2)nNR24R25からなる群から独立に選択される要素であり、ここでnは1から20への整数であり; ここで、R15及びR16は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル、飽和又は不飽和アリール、飽和又は不飽和ヘテロアリール、飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル及び飽和又は不飽和ペプチジル基から独立に選択され、ここで、R15及びR16は、それらが結合する窒素原子と任意に結合して4員環から6員環を有する飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を含み; R24及びR25は、置換されないアルキル基から独立に選択され、R4、R4’、R5及びR5’のうち少なくとも一つはO(CH2)nNR24R25である。 更に他の実施態様において、本発明は医薬組成物に関する。この種の製剤としては、望ましくは本発明の複合体化合物及び医薬的に許容される担体を含む態様が挙げられる。 更なる態様において、本発明は、上記の複合体化合物を使用する方法に関する。例えば、本発明には、細胞を殺す方法であり、細胞を殺すのに十分な量の本発明の複合体化合物を、細胞に投与する方法が含まれる。望ましい実施態様において、上記細胞は腫瘍細胞である。他の実施態様において、本発明は、哺乳類の患者の腫瘍の成長の遅延(retard)又は抑止の方法であり、腫瘍の成長の遅延又は停止に充分な量の本発明の複合体化合物を患者に投与する方法を提供する。 本発明の他の実施態様、効果及び目的は、下記の詳細な説明を参照することにより明らかとなる。略語 本発明において、「Ala」はアラニンを指す。 「Boc」はt−ブチルオキシカルボニルを指す。 「CPI」はシクロプロパピロロインドールを指す。 「Cbz」はカルボベンゾキシを指す。 本発明において、「DCM」はジクロロメタンを指す。 「DDQ」は2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンを指す。 「DIPEA」はジイソプロピルエタラミンを指す。 「DMDA」はN,N’−ジメチルエチレンジアミンを指す。 「RBF」は丸底フラスコを指す。 「DMF」はN,B−ジメチルホルムアミドを指す。 「HATU」はN−[[(ジメチルアミノ)−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−1−イル]メチレン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェートN−オキシドを指す。 本発明において、「E」の符号は酵素的に切断可能な基を指す。 「EDCI」は1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドを指す。 本発明において、「FMOC」は9−フルオレニルメチルオキシカルボニルを指す。 「FMOC」は9−フルオレニルメトキシカルボニルを指す。 「HOAt」は7−アザ−1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを指す。 「Leu」はロイシンを指す。 「PABA」はパラ−アミノ安息香酸を指す。 「PEG」はポリエチレングリコールを指す。 「PMB」はパラ−メトキシベンジルを指す。 「TBAF」はフッ化テトラブチルアンモニウムを指す。 「TBSO」の略語はt−ブチルジメチルシリルエーテルを指す。 本発明において、「TEA」はトリエチルアミンを指す。 「TFA」はトリフルオロ酢酸を指す。 「Q」の符号は治療薬、診断薬又は検出可能な標識を指す。定義 別途定義する場合を除き、本発明において使用する全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野における通常の技術を有する者によって一般に理解されるものと同じ意味で用いられる。本発明において使用する分類、並びに細胞培養、分子遺伝学、有機化学及び核酸化学における解析及び下記のハイブリダイゼーションの手順は、当該技術分野において良く知られ、一般に用いられているものを意味する。核酸及びペプチド合成には、標準的な技術が使用される。酵素反応及び精製工程は、業者によるプロトコルにしたがって実施される。技術及び手順は、当該技術分野の従来法、及び様々な一般的文献(例えばSambrookら、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL、第2版(1989)Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.を参照されたい。なお、この文献は引用により本発明において援用する。)にしたがって実施され、本願明細書全体において参照される。本発明において使用する命名、及び分析における解析手順、並びに下記の有機合成は、当該技術分野において公知で、一般に用いられているものを意味する。化学合成及び化学分析においては、標準的技術又はその変法が用いられる。 「治療薬」の用語は、治療上有効な量が存在する場合に、哺乳動物に所望の治療効果をもたらす化合物を意味する。腫瘍を処置するためには、治療薬が標的細胞に取り込まれるのが望ましい。 「サイトトキシン」の用語は、癌細胞に対して毒性となる効果を有する治療薬を意味する。細胞に対する毒性とは、薬剤が細胞の成長を停止又は細胞を死滅させることを意味する。サイトトキシンの例として、コンブレタスタチン類、デュオカルマイシン類、CC−1065抗腫瘍性抗生物質、アントラサイクリン類及び関連化合物が挙げられるが、これらは単なる例示であってこれらに限定されない。他のサイトトキシンとして、マイコトキシン類、リシン及びそのアナログ、カリケアマイシン類、ドキシルビシン並びにメイタンシノイド類が挙げられる。 「プロドラッグ」の用語及び「薬剤複合体」の用語は、本発明において互換的に使用する。双方とも、複合体の形態をとる間は未だ細胞に対して比較的無害な化合物であるが、一定条件(例えば、標的細胞内又はその近傍に位置する酵素の存在)において選択的に分解され、薬理学的に活性な形態となるものを意味する。 「マーカー」の用語は、例えば腫瘍の診断や他の医学的症状の進行、又は腫瘍細胞によって分泌される因子のアッセイに有用な化合物を意味する。マーカーは、「診断薬」の一部分と解される。 酵素的切断に関して、「選択的」の用語は、リンカー部の切断の速度が、ランダムなアミノ酸配列を有するペプチドの切断の速度よりも高いことを意味する。 「ターゲッティング基」及び「ターゲッティング試薬」の用語は、(1)そこに付着する物質(例えば、治療薬又はマーカー)を、標的細胞、例えば特定の型の腫瘍細胞に仕向けることができる部分、又は(2)標的組織、例えば腫瘍、で優先的に活性化される部分のことを意味する。ターゲッティング基又はターゲッティング試薬は小分子が望ましく、非ペプチド及びペプチドの双方を含むものとする。ターゲッティング基は、マクロ分子であるのが望ましく、糖類、レクチン類、受容体、受容体に対するリガンド、BSAなどの蛋白質、抗体等が挙げられる。本願発明の望ましい実施形態において、ターゲッティング基は抗体又は抗体断片であり、更に望ましくはモノクローナル抗体又はモノクローナル抗体断片である。 「自己犠牲スペーサー」の用語は、二つの化学的部分と共有結合し、通常安定な三成分分子を形成することのできる二官能性の化学的部分をいう。自己犠牲スペーサーは、第一部分への結合が切断されれば第二部分から自然に分離することができる。 「検出可能な標識」の用語は、検出可能な物理的又は化学的性質を有する部分を意味する。 「切断可能な基」の用語は、インビボで不安定な部分を意味する。望ましくは、「切断可能な基」は、複合体の残部からマーカー又は薬剤を切断することによって、マーカー又は治療薬の活性化を可能とするものである。操作上の定義によれば、リンカーは、望ましくは生物学的環境によってインビボで切断される。切断は例えば酵素的、還元的、pHによるもの等、いかなるプロセスによって行われてもよく、限定されない。望ましくは、切断可能な基は、治療作用又はマーカー活性の部位など、標的細胞(例えば、癌腫細胞)若しくは組織の中又はその近傍の部位、など所望の作用部位で活性化が起こるように選択される。かかる切断は酵素的なものであり、酵素的に切断可能な基の例としては、天然アミノ酸のペプチド配列、又は天然アミノ酸で終結しリンカーにそれらのカルボキシル末端で付着するペプチド配列が挙げられる。切断速度の増加の程度は、本発明にとって決定的なものではないが、切断可能なリンカーの望ましい例は、切断可能な基の少なくとも約10%、最も望ましくは少なくとも約35%が投与後24時間以内に血中で切断されるものである。 「リガンド」の用語は、標的細胞又は組織上の受容体、基質、抗原決定基、又はその他の結合部位と特異的に結合するか、又は反応性をもって会合若しくは複合する分子を意味する。リガンドの例として、抗体及びその断片(例えば、モノクローナル抗体又はその断片)、酵素(例えば、線維素溶解酵素)、生物学的反応変性剤(例えば、インターロイキン、インターフェロン、エリスロポエチン又はコロニー刺激因子)、ペプチドホルモン並びにその抗原結合性断片が挙げられる。 「ヒドラジンリンカー」及び「自己環化ヒドラジンリンカー」の用語は、本発明において互換的に使用する。これらの用語は、pHの変動等の条件の変化に伴い、環化反応して1以上の環を形成するリンカー部分を指す。ヒドラジン部分は、付着するとヒドラゾンに変換される。この付着は、例えば、L4部分のケトン基との反応によって起こりうる。したがって、ヒドラゾンリンカーの用語は、このように付着に伴ってヒドラゾンに変換することから、本願発明のリンカーを表すのに使用することもできる。 「五員ヒドラジンリンカー」又は「5員ヒドラジンリンカー」の用語は、pHの変動などといった条件の変化に伴い、環化反応して1以上の5員環を形成する、ヒドラジンを含有する分子をいう。あるいは、この五員リンカーを、五員ヒドラゾンリンカー又は5員ヒドラゾンリンカーとして同様に表してもよい。 「六員ヒドラジンリンカー」又は「6員ヒドラジンリンカー」の用語は、pHの変動などの条件の変化に伴い、環化反応して1以上の6員環を形成する、ヒドラジンを含有する分子をいう。この六員リンカーを、六員ヒドラゾンリンカー又は6員ヒドラゾンリンカーとして同様に表してもよい。 「環化反応」の用語は、ペプチド、ヒドラジン、又はジスルフィドリンカーの環化をいう場合にあっては、そのリンカーが環になるように環化することを示し、これにより、薬剤−リガンド複合体の分離が開始する。この割合はex situで測定することができ、少なくとも90%、95%又は100%の産物が形成されれば完了とする。 「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「蛋白質」の用語は、本発明において、アミノ酸のポリマーを言うのに互換的に使用される。これらの用語は、1以上のアミノ酸残基が対応する天然アミノ酸の人工的な化学的類似物であるアミノ酸ポリマーや、天然のアミノ酸ポリマー及び人工のアミノ酸ポリマーにも適用される。またこれらの用語は、「抗体」の用語も包含する。 「アミノ酸」の用語は、天然及び合成アミノ酸や、天然アミノ酸と同様に機能するアミノ酸アナログ及びアミノ酸模倣物をいう。天然アミノ酸とは、遺伝暗号によってコードされるものや、事後的に修飾されるそれらのアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタメート、及びO−ホスホセリンをいう。アミノ酸アナログとは、天然アミノ酸と同じ基本化学構造、すなわち、水素、カルボキシル基、アミノ基、及びR基に結合するα炭素を有する化合物、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムをいう。このようなアナログは、修飾されたR基(例えば、ノルロイシン)又は修飾されたペプチド骨格を有するが、天然アミノ酸と同じ基本化学構造を保持している。特に使用しても良い一つのアミノ酸はシトルリンであって、これはアルギニンの前駆体であり、肝臓における尿素の形成に関与する。アミノ酸模倣物は、アミノ酸の一般化学構造とは異なる構造を有するが、天然アミノ酸と同様に機能する化学的化合物をいう。「非天然アミノ酸」の用語は、上記の20の天然アミノ酸の「D」型立体構造を有するものを表す。非天然アミノ酸の用語には、天然アミノ酸の相同体、及び天然アミノ酸の合成的に修飾された型とが含まれることが更に理解される。合成的に修飾された型には、上限2つの炭素原子にまで短縮又は延長されたアルキレン鎖を有するアミノ酸、任意に置換されたアリール基を含むアミノ酸、及びハロゲン化基、望ましくはハロゲン化アルキル及びアリール基を含むアミノ酸が含まれるが、これらに限定されない。本発明のリンカー又は複合体に付着すると、アミノ酸は、アミノ酸のカルボン酸基がケト(C(O))基に置換されている「アミノ酸側鎖」の形態となる。よって、例えば、アラニン側鎖は−C(O)−CH(NH2)−CH3である、等。 アミノ酸及びペプチドは、保護基によって保護されてもよい。保護基は、アミノ酸又はペプチドのN−末端を望ましくない反応から保護する原子又は化学的部分であり、薬剤−リガンド複合体の合成の際に使用することができる。これは、合成中はN−末端に付着した状態が望ましく、薬剤複合体の合成の完了後に、その除去を選択的に行う化学的条件又はその他の条件によって除去するのがよい。N−末端保護に望ましい保護基は、ペプチド化学の技術において公知である。保護基の例として、水素、D−アミノ酸、及びカルボベンゾキシ(Cbz)クロライドが挙げられるが、これらに限定されない。 「核酸」とは、デオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド、及びそのポリマーで一本鎖又は二本鎖のいずれかの型のものをいう。この用語には、既知のヌクレオチドアナログ又は修飾された骨格塩基若しくは連鎖を含んでいる核酸で、合成のもの、天然及び非天然のもの、対照の核酸と同様の結合性を有するもの、並びに対照のヌクレオチドと同様に代謝されるものが包含される。このようなアナログの例として、ホスホロチオエート類、ホスホルアミデート類、メチルホスホネート類、キラルなメチルホスホネート類、2−O−メチルリボヌクレオチド類、ペプチド核酸(PNA)が挙げられるが、限定されない。 別途に示す場合を除いて、特定の核酸配列には、開示された配列のほか、保存的に変更されたその変異体(例えば、縮重コドン置換体)、及び相補的配列も黙示的に包含する。具体的には、縮重コドン置換は、1以上の選択された(又はすべての)コドンの第3位が混合塩基及び/又はデオキシイノシン残基で置換されている配列を作製することにより得られる(Batzerら、Nucleic Acid Res.19:5081(1991);Ohtsukaら、J.Biol.Chem.260:2605−2608(1985);Rossoliniら、Mol.Cell.Probes 8:91−98(1994))。核酸の用語は、遺伝子、cDNA、mRNA、オリゴヌクレオチド、及びポリヌクレオチドで、互換的に使用される。 以下の符号は、表示された部分が分子の残部や固体支持体等に付着する点を示し、結合部として使用され、あるいは結合に対して垂直に表示されることもある。 「アルキル」の用語は、それ自体又は別の置換基の一部として別途記載されない限り、直鎖状若しくは分枝状鎖、若しくは環状の炭化水素基又はそれらの組み合わせであって、完全に飽和されたもの、一箇所若しくは複数箇所で飽和されているものでもよく、また、示された炭素原子の数を有する(すなわち、C1〜C10は1〜10の炭素を意味する)、二価及び多価の基を意味する。飽和炭化水素基の例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチルなどの基、例えば、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、等の相同体及び異性体が挙げられるが、これらに限定されない。不飽和アルキル基は、1以上の二重結合又は三重結合を有するものである。不飽和アルキル基の例として、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−及び3−プロピニル、3−ブチニル、並びに高相同体及び同位体が挙げられるが、これらに限定されない。「アルキル」の用語は、別途に述べない限り、「ヘテロアルキル」など、以下に更に詳しく定義するアルキルの誘導体も含むものを意味する。アルキル基で炭化水素基に限られるものは、「ホモアルキル」と命名されている。 「アルキレン」の用語は、それ自体、又は別の置換基の一部として、アルカンに由来する二価の基を意味し、その例としては−CH2CH2CH2CH2−が挙げられるが、これに限定されることはなく、更に「ヘテロアルキレン」として以下に記載する基が含まれる。望ましくは、アルキル(又はアルキレン)基は、1〜24の炭素原子を有するものであり、10以下の炭素原子を有するそれらの基が、本発明では望ましい。「低級アルキル」又は「低級アルキレン」は、短鎖のアルキル又はアルキレン基であり、概して8以下の炭素原子を有している。 「ヘテロアルキル」の用語は、それ自体、又は別の用語との組み合わせにおいて、別途記載しない限り、安定な直鎖状若しくは分枝状鎖、若しくは環状炭化水素基、又はそれらの組み合わせを意味し、記載した数の炭素原子と、O、N、Si及びSからなる群より選択される少なくとも一つのヘテロ原子とからなり、ここで窒素、炭素及びイオウ原子は任意に酸化されてもよく、また窒素ヘテロ原子は四級化されていてもよい。ヘテロ原子(単数又は複数)O、N及びS、並びにSiは、ヘテロアルキル基の内部位置のどこにでも、又はアルキル基が分子の残部に付着する位置に配置されうる。その例としては、−CH2−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−NH−CH3、−CH2−CH2−N(CH3)−CH3、−CH2−S−CH2−CH3、−CH2−CH2、−S(O)−CH3、−CH2−CH2−S(O)2−CH3、−CH=CH−O−CH3、−Si(CH3)3、−CH2−CH=N−OCH3、及び−CH=CH−N(CH3)−CH3が挙げられるが、これらに限定されない。例えば−CH2−NH−OCH3及び−CH2−O−Si(CH3)3など、2つまでのヘテロ原子が連続していてもよい。同様に、「ヘテロアルキレン」の用語は、それ自体、又は別の置換基の一部として、ヘテロアルキルより由来する二価の基を意味しており、その例としては−CH2−CH2−S−CH2−CH2−、及び−CH2−S−CH2−CH2−NH−CH2−が挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアルキレン基の場合、ヘテロ原子は鎖の末端の片方又は両方を占めることができる(例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノ等)。「ヘテロアルキル」及び「ヘテロアルキレン」の用語には、ポリ(エチレングリコール)及びその誘導体(例えば、Shearwater Polymers Catalog、2001を参照されたい)が包含される。更にまた、アルキレン及びヘテロアルキレン連結基については、かかる連結基の一般式で記載されている方向によって連結基の配向が規定されるものではない。例えば、一般式−C(O)2R’−は−C(O)2R’−と−R’C(O)2−との両方を表す。 「低級」の用語は、「アルキル」又は「ヘテロアルキル」の用語と組み合わせて、1〜6の炭素原子を有する部分をいう。 「アルコキシ」、「アルキルアミノ」、「アルキルスルホニル」、及び「アルキルチオ」(又はチオアルコキシ)の用語は、それらの慣例的な意味で使用され、酸素原子、アミノ基、SO2基又は硫黄原子を介してそれぞれ分子の残部に付着されたそれらアルキル基をいう。「アリールスルホニル」の用語は、SO2基を介して分子の残部に付着されるアリール基をいい、そして「スルフヒドリル」の用語はSH基のことである。 一般的に、「アシル置換基」も以上に記載の群から選択される。本発明において、「アシル置換基」の用語は、本発明の化合物の多環式核に直接又は間接的に付着したカルボニル炭素に付着して、その原子価を満たす基をいう。 「シクロアルキル」及び「ヘテロシクロアルキル」の用語は、それら自体、又は他の用語との組み合わせにおいて、別途に述べない限り、置換又は非置換「アルキル」、及び置換又は非置換「ヘテロアルキル」の環状体をそれぞれ表す。また、ヘテロシクロアルキルの場合、ヘテロ原子は、分子の残部にヘテロ環が付着する位置を占めることができる。シクロアルキルの例として、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、シクロヘプチル等が挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロシクロアルキルの例として、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。環状構造のヘテロ原子及び炭素原子は、任意に酸化される。 「ハロ」又は「ハロゲン」の用語は、それら自体、又は別の置換基の一部として、別途に述べない限り、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素原子を意味する。更に、「ハロアルキル」などの用語にはモノハロアルキル及びポリハロアルキルが含まれるものとする。例えば、「ハロ(C1〜C4)アルキル」の用語には、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピル等が含まれるが、これらに限定されない。 「アリール」の用語は、別途断りのない限り、置換又は非置換の、多価不飽和、芳香族及び炭化水素の置換基であり、単環又は多環(望ましくは1環から3環)状に融合若しくは共有結合するものを意味する。「ヘテロアリール」の用語は、N、O、及びSから選択される1〜4のヘテロ原子を含むアリール基(又は環)をいい、ここで窒素、炭素及びイオウ原子は任意に酸化され、窒素原子(単数又は複数)は任意に四級化されうる。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を介して分子の残部に付着できる。アリール及びヘテロアリール基の例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、2−フェニル−4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル、2−ベンズイミダゾリル、5−インドリル、1−イソキノリル、5−イソキノリル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリル、及び6−キノリルが挙げられるが、それに限定されない。上記アリール及びヘテロアリール環系の各々に対する置換基は、以下の許容される置換基の群から選択される。「アリール」及び「ヘテロアリール」もまた、1以上の非芳香族環系がアリール又はヘテロアリール系に融合、又は結合した環系を包含する。 略して、「アリール」の用語には、他の用語と組み合わせて使用する場合(例えば、アリールオキシ、アリールチオキシ、アリールアルキル)、上記定義のアリール及びヘテロアリール環の双方が含まれる。よって「アリールアルキル」の用語は、炭素原子(例えば、メチレン基)が例えば、酸素原子で置換されているアルキル基(例えば、フェノキシメチル、2−ピリジルオキシメチル、3−(1−ナフチルオキシ)プロピル等が挙げられる)を含め、アルキル基にアリール基が付着した基(例えば、ベンジル、フェネチル、ピリジルメチル等が挙げられる)を指す。 上記の用語(例えば、「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「アリール」及び「ヘテロアリール」)の各々には、示した基の置換及び非置換型の双方が含まれる。基の各々の型に望ましい置換基は、以下に示すとおりである。 アルキル、及びヘテロアルキル基(アルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、及びヘテロシクロアルケニルと称されることが多い基を含む)に対する置換基は概して、「アルキル置換基」、及び「ヘテロアルキル置換基」とそれぞれ称され、それらは0から(2m’+1)(m’は、かかる基の炭素原子の総数である)までの範囲の数で、−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−CO2R’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)2R’、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)2R’、−S(O)2NR’R’’、−NRSO2R’、−CN及び−NO2より選択される様々の基の1以上でありうるが、これらに限定されない。R’、R’’、R’’’及びR’’’’は、各々独立して、水素、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換アリール、例えば、1〜3のハロゲンで置換されたアリール、置換又は非置換アルキル、アルコキシ若しくはチオアルコキシ基、又はアリールアルキル基から選択されるのが望ましい。本発明の化合物が1以上のR基を含む場合、例えば、R基の各々は、R’、R’’、R’’’及びR’’’’基の1以上が存在する場合のこれらの各々の基のように、独立して選択される。R’及びR’’が同じ窒素原子に付着する場合、それらは窒素原子と共に結合して5員環、6員環又は7員環を形成することができる。例えば、−NR’R’’は、1−ピロリジニル及び4−モルホリニルを含むものとするが、これらに限定されない。以上の置換基に関する記載から、当業者であれば、「アルキル」の用語は、ハロアルキル(例えば、−CF3及び−CH2CF3)並びにアシル(例えば、−C(O)CH3、−C(O)CF3、−C(O)CH2OCH3等)などの、水素以外の基と結合した炭素原子を含む基を含むと理解するであろう。 アルキル基に関して記載した置換基と同様に、アリール置換基及びヘテロアリール置換基は、概してそれぞれ「アリール置換基」及び「ヘテロアリール置換基」と称され、多種多様なものであり、0から芳香族環系の開放原子価の総数までの範囲の数で、例えば、ハロゲン、−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−CO2R’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)2R’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)2R’、−S(O)2NR’R’’、−NRSO2R’、−CN及び−NO2、−R’、−N3、−CH(Ph)2、フルオロ(C1〜C4)アルコキシ、及びフルオロ(C1〜C4)アルキルより選択され;R’、R’’、R’’’及びR’’’’は、水素、(C1〜C8)アルキル及びヘテロアルキル、非置換アリール及びヘテロアリール、(非置換アリール)−(C1〜C4)アルキル、並びに(非置換アリール)オキシ−(C1〜C4)アルキルより独立して選択されるのが望ましい。本発明の化合物が1以上のR基を含む場合、例えば、R基の各々は、R’、R’’、R’’’及びR’’’’基の1以上が存在する場合のこれらの各々の基のように、独立に選択される。 アリール又はヘテロアリール環の隣接する原子上のアリール置換基の2つは、一般式:−T−C(O)−(CRR’)q−U−(式中、T及びUは独立して、−NR−、−O−、−CRR’−又は単結合であり、qは0から3の整数)の置換基で任意に置換されてよい。あるいは、アリール又はヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基の2つは、一般式−A−(CH2)r−B−(式中、A及びBは独立して、−CRR’−、−O−、−NR−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2NR’−又は単結合であり、rは1から4の整数)の置換基で任意に置換されてよい。このようにして形成された新しい環の単結合の一つは、二重結合で任意に置換されてよい。あるいは、アリール又はヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基の2つは、一般式−(CRR’)s−X−(CR’’R’’’)d−(式中、s及びdは、独立して0から3の整数であり、Xは−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、又は−S(O)2NR’−である)の置換基で任意に置換されてよい。置換基R、R’、R’’及びR’’’は、水素、又は置換若しくは非置換(C1〜C6)アルキルより独立して選択されるのが望ましい。 本発明において、「ジホスフェート」の用語には、2つのリン酸基を含むリン酸のエステルが含まれるが、これらに限定されない。「トリホスフェート」の用語には、3つのリン酸基を含むリン酸のエステルが含まれるが、これらに限定されない。例えば、ジホスフェート又はトリホスフェートを有する特定の薬剤として、以下のものが挙げられる。 本発明において、「ヘテロ原子」の用語には、酸素(O)、窒素(N)、イオウ(S)及びケイ素(Si)が含まれる。 「R」の符号は、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、及び置換又は非置換ヘテロシクリル基より選択される置換基を表す一般略記である。 「医薬的に許容される担体」の用語は、本発明において、化学物質の運搬又は輸送に関与する、液体若しくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、又は封入材料などの、医薬的に許容される材料、組成物又は溶剤を意味する。医薬的に許容される担体には医薬的に許容される塩が含まれ、ここで「医薬的に許容される塩」の用語には、本願明細書に記載の化合物に見られる特定の置換基に応じ、比較的無毒の酸又は塩基を用いて調製される活性化合物の塩が含まれる。本発明の化合物が比較的酸性の官能基を含む場合、塩基付加塩は、このような化合物の中性型を充分量の所望の塩基と、そのままか又は望ましい不活性溶媒中で接触させることによって得ることができる。医薬的に許容される塩基付加塩の例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、若しくはマグネシウム塩、又は類似の塩が挙げられる。本発明の化合物が比較的塩基性の官能基を含む場合、酸付加塩は、このような化合物の中性型を充分量の所望の酸と、そのままか又は望ましい不活性溶媒中で接触させることによって得ることができる。医薬的に許容される酸付加塩の例として、塩化水素酸、塩化臭素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸、又はリン酸等のような無機酸に由来するものや、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸等のような比較的無毒の有機酸に由来する塩が挙げられる。更に挙げられるのは、アルギン酸塩などの、アミノ酸の塩等、及びグルクロン酸又はガラクツロン酸のような有機酸の塩等である(例えば、Bergeら、「Pharmaceutical Salts」、Journal of Pharmaceutical Science、1977、66、1−19を参照)。本発明の特異的な所定の化合物は、その化合物を塩基又は酸付加塩のいずれかに変換させる、塩基性及び酸性官能基の双方を含む。 天然型化合物は、望ましくは、上記の塩を塩基又は酸に接触させ、従来法にて中性構造の化合物を単離することによって得られる。化合物の原型は、極性溶媒中での溶解性など特定の物理的特性ではそれらの様々な塩と異なるが、その他の点では、それらの塩は本発明の目的とする化合物の中性構造と同等である。 塩の型に加えて、本発明はプロドラッグ型の化合物を提供する。本願明細書に記載の化合物のプロドラッグとは、生理的条件下で化学的変化を容易に起こして本発明の化合物を提供する化合物である。加えて、プロドラッグは、ex vivoの環境において化学的又は生化学的方法によって本発明の化合物に変換されうる。例えば、プロドラッグは、望ましい酵素又は化学試薬と共に経皮リザーバーパッチに添加した場合、本発明の化合物に徐々に変換されうる。 本発明の特定の化合物は、非溶媒和物や、水和物を含めた溶媒和物の形態にて存在しうる。一般的に、溶媒和物は非溶媒和物と同等であり、本発明の範囲に包含されるものである。本発明の特定の化合物は、多結晶又は非晶形にて存在することもある。一般的に、すべての物理的な型が本発明により企図される用途において同等であり、本発明の範囲に含まれる。 本発明の特定の化合物は、不斉炭素原子(光学的中心)又は二重結合を有しており、ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体、及び個々の異性体が、本発明の範囲に包含される。 本発明の化合物はまた、かかる化合物を構成する一つ以上の原子において、非天然の割合で原子同位体も含みうる。化合物は、例えばトリチウム(3H)、ヨウ素125(125I)又は炭素14(14C)などの放射活性同位体で放射標識されていてもよい。本発明の化合物の同位体のすべてが、放射性の有無に関わらず、本発明の範囲に包含される。 「付着部分」又は「ターゲッティング基を付着するための部分」の用語は、標的基のリンカーへの付着を可能とする部分をいう。典型的な付着基としては、アルキル、アミノアルキル、アミノカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルマレイミド、アルキル−N−ヒドロキシルスクシンイミド、ポリ(エチレングリコール)マレイミド及びポリ(エチレングリコール)−N−ヒドロキシルスクシンイミド(これらはすべて、更に置換されてもよい)が例示として挙げられ、これらに限定されない。リンカーはまた、ターゲッティング基に実際に追加される付着部分を有することもできる。 本発明において、「脱離基」の用語は、反応において基質から切断される、基質の部分をいう。 「抗体」の用語は、本発明においては全抗体、及び抗原結合断片のいずれか(すなわち、「抗原結合部分」)、又はその一本鎖を含む。「抗体」とは、ジスルフィド結合により相互連結する、少なくとも2本の重(H)鎖と2本の軽(L)鎖とを含む糖蛋白質、又はその抗原結合部分をいう。各重鎖は、重鎖可変領域(VH)及び重鎖定常領域を備えるものである。重鎖定常領域は、3つのドメイン、すなわちCH1、CH2及びCH3を備えており、ミュー(μ)、デルタ(δ)、ガンマ(γ)、アルファ(α)又はイプシロン(ε)アイソタイプであってよい。各軽鎖は、軽鎖可変領域(VL)及び軽鎖定常領域を備えるものである。軽鎖定常領域は、一つのドメイン、すなわちCLを備えており、カッパ(κ)又はラムダ(λ)アイソタイプであってよい。VH及びVL領域は、より保存された領域であってフレームワーク領域と命名された領域が介在する、高頻度可変性の領域であって相補性決定領域(CDR)と命名された領域に、更に細分することができる。各VH及びVLは、3つのCDRと4つの及びFRとを備え、以下の順にアミノ末端からカルボキシ末端へと配置されている:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。重鎖と軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含んでいる。抗体の定常領域は、宿主組織、又は、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)及び古典補体系の第一成分(Clq)を含む因子への、免疫グロブリンの結合を媒介しうる。 抗体の「抗体断片」又は「抗原結合部分」(又は単に「抗体部分」)の用語は、本発明において、抗原への特異的な結合能を保持する、抗体の1以上の断片をいう。抗体の抗原結合機能は、全長の抗体の断片によって行えることが示されている。抗体の「抗体断片」又は「抗原結合部分」の用語に包含される結合性断片の例として、(i)Fab断片、VL、VH、CL及びCH1ドメインからなる一価断片;(ii)F(ab’)2断片、ヒンジ領域でジスルフィド架橋により連結される2つのFab断片を含む二価断片;(iii)VH及びCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単腕のVL及びVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなるdAb断片(Wardら、(1989)Nature 341:544−546);並びに(vi)単離された相補性決定領域(CDR)が挙げられる。更に、Fv断片の2つのドメイン、VL及びVHは、別々の遺伝子によってコードされているが、VL及びVH領域が対合して一価分子を形成している蛋白質一本鎖としてそれらが作製されることを可能とする合成リンカー(一本鎖Fv(scFv)として知られる;例えば、Birdら、(1988)Science 242:423−426;及びHustonら、(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879−5883を参照されたい)によって、組換え法を使用してそれらを繋げることができる。このような一本鎖抗体もまた、抗体の「抗原結合部分」の用語に包含されることが意図される。これらの抗体断片は、当業者に知られた従来の技術を用いて得られ、それら断片は通常の抗体と同様に、その用途に基づきスクリーニングされる。 「モノクローナル抗体」の用語は、本発明において、単一の分子組成の抗体分子の調製物をいう。モノクローナル抗体組成物は、特定のエピトープに対する単一の結合特異性及び親和性を呈する。 モノクローナル又はポリクローナル抗体の調製には、当該技術分野で公知のいかなる技術も使用することができる(例えば、Kohler&Milstein、Nature 256:495−497(1975);Kozborら、Immunology Today 4:72(1983);Coleら、MONOCLONAL ANTIBODY AND CANCER THERAPY、Alan R.Liss,Inc.(1985)の77−96頁を参照されたい)。 ポリクローナル抗体の製造方法は、当業者に公知である。近交系のマウス(例えば、BALB/Cマウス)又はウサギを、フロイントのアジュバントなどの完全アジュバントと、標準的な免疫プロトコルを用いて蛋白質で免疫する。免疫原調製物に対する動物の免疫応答は、検査用血液を採取してβサブユニットに対する反応性の力価を定量することによってモニターする。免疫原に対して適切な高さの力価の抗体が得られたとき、動物から採血し抗血清を調製する。所望の場合、蛋白質に対して反応性を有する抗体を濃縮し、更に分画を行うことができる。 モノクローナル抗体は、当業者が熟知している様々な技術により得られる。簡潔には、所望の抗原で免疫した動物の脾臓細胞を、一般には骨髄腫細胞との融合によって株化する(Kohler&Milstein、Eur.J.Immunol.6:511−519(1976)を参照されたい)。免疫化の代替方法としては、エプスタイン・バーウイルス、癌遺伝子、若しくはレトロウイルスを用いた形質転換、又は当該技術分野でよく知られた他の方法が挙げられる。 望ましい実施形態において、抗体はキメラ抗体又はヒト化抗体である。本発明のキメラ抗体又はヒト化抗体は、マウスのモノクローナル抗体の配列に基づいて調製することができる。重鎖及び軽鎖免疫グロブリンをコードするDNAは、対象のマウスハイブリドーマから得られ、標準的な分子生物学の技術を用いて非マウス(例えばヒト)免疫グロブリン配列を含むように調製される。例えば、キメラ抗体を作るには、当該技術分野で知られた方法を使用して、マウスの可変領域をヒト定常領域に連結することができる(例えば、Cabillyらの米国特許第4,816,567号を参照されたい)。ヒト化抗体を作るには、当該技術分野で知られた方法を使用して、マウスCDR領域をヒトフレームワークに挿入することができる(例えば、Winterの米国特許第5,225,539号、並びにQueenらの米国特許第5,530,101;5,585,089;5,693,762及び6,180,370号を参照されたい)。 別の望ましい実施形態において、抗体はヒト抗体である。かかるヒト抗体は、内在性のマウス免疫グロブリン遺伝子が不活性化され、外来性のヒト免疫グロブリン遺伝子が導入された、遺伝子導入又は染色体導入マウスを免疫することによって得られる。このようなマウスは、当該技術分野で公知である(例えば、すべてLonberg及びKayの米国特許第5,545,806;5,569,825;5,625,126;5,633,425;5,789,650;5,877,397;5,661,016;5,814,318;5,874,299;及び5,770,429号;Kucherlapatiらの米国特許第5,939,598;6,075,181;6,114,598;6,150,584及び6,162,963号;並びにIshidaらのPCT国際公開番号第WO02/43478号を参照されたい)。ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン遺伝子のライブラリーをスクリーニングするためのファージディスプレイ法を使用して調製することもできる。ヒト抗体を単離するための、かかるファージディスプレイ法も当該技術分野で公知である(例えば、Ladnerらの米国特許第5,223,409;5,403,484;及び5,571,698号;Dowerらの米国特許第5,427,908及び5,580,717号;McCaffertyらの米国特許第5,969,108及び6,172,197号;並びにGriffithsらの米国特許第5,885,793;6,521,404;6,544,731;6,555,313;6,582,915及び6,593,081号を参照されたい)。 「固体支持体」は、本発明において、選択した溶媒系において実質的に不溶性の材料、又は、選択した溶媒系(その中では当該支持体は可溶性である)から容易に分離(例えば、沈殿による)することができる材料をいう。本発明を実施するのに有用な固体支持体は、選択された種がその固体支持体に結合させられるように活性化されているか、又は活性化することのできる基を含むことができる。固体支持体はまた、例えば、チップ、ウエハー又はウェルなどといった基材で、その上に個々の、又は1以上の本発明の化合物が結合されるものでもよい。 本発明において「反応性官能基」とは、オレフィン類、アセチレン類、アルコール類、フェノール類、エーテル類、酸化物、ハロゲン化物、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類、エステル類、アミド類、シアン酸塩類、イソシアン酸塩類、チオシアン酸塩類、イソチオシアン酸塩類、アミン類、ヒドラジン類、ヒドラゾン類、ヒドラジド類、ジアゾ、ジアゾニウム、ニトロ、ニトリル類、メルカプタン類、スルフィド類、ジスルフィド類、スルホキシド類、スルホン類、スルホン酸類、スルフィン酸類、アセタール類、ケタール類、無水物、硫酸塩類、スルフェン酸類、イソニトリル類、アミジン類、イミド類、イミド酸塩類、ニトロン類、ヒドロキシルアミン類、オキシム類、ヒドロキサム酸類、チオヒドロキサム酸類、アレン類、オルトエステル類、亜硫酸塩類、エナミン類、イナミン類、尿素類、プソイド尿素類、セミカルバジド類、カルボジイミド類、カルバミン酸塩類、イミン類、アジド類、アゾ化合物、アゾキシ化合物、及びニトロソ化合物を含む基をいうが、これらに限定されない。反応性官能基としては、バイオコンジュゲート類を調製するために使用されるもの、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル類、マレイミド類等も挙げられる(例えば、Hermanson、BIOCOJUGATE TECHNIQUES、Academic press、San Diego、1996を参照)。これらの官能基の各々を調製する方法は、当該技術分野においてよく知られており、特定の目的のためのそれらの応用又は変更は、当業者がなしうる範囲にある(例えば、Sandler及びKaro、編、ORGANIC FUNCTIONAL GROUP PREPARATIONS、Academic Press、San Diego、1989を参照)。反応性官能基は、保護されてもされなくてもよい。 本発明の化合物は、単一の異性体(例えば、エナンチオマー、シス−トランス異性体、ジアステレオマー)として、又は異性体の混合物として調製される。望ましい実施形態において、化合物は、実質的に単一の異性体として調製される。実質的に異性体として純粋な化合物を調製する方法は、当該技術分野において知られている。例えば、エナンチオマーとして濃縮された混合物、及び純粋なエナンチオマー化合物は、エナンチオマーとして純粋なエナンチオマーの合成中間体を、キラル中心での立体化学を不変のままにするか又はその完全な反転を引き起こす反応と組み合わせて使用することにより、調製することができる。あるいは、最終産物又はその合成経路での中間体は、単一の立体異性体に分割することができる。特定の立体中心を反転するか又は不変のままにするための技術、及び立体異性体の混合物を分離するための技術は、当該技術分野においてよく知られており、特定の状況に対して方法を選択及び充当することは、当業者が充分になしうる範囲にある。概して、Furnissら、(編)、VOGEL’S ENCYCLOPEDIA OF PRACTICAL ORGANIC CHEMISTRY 第5版、Longman Scientific and Technical Ltd.、Essex、1991、809−816頁;及びHeller、Acc.Chem.Res.23:128(1990)を参照されたい。リンカー 本発明は、薬剤が化学リンカーを介してリガンドに連結されている、薬剤−リガンド複合体を提供する。このリンカーは、ペプチジル、ヒドラジン、又はジスルフィドリンカーのいずれかであり、本願明細書においてそれぞれ(L4)p−F−(L1)m、(L4)p−H−(L1)m、又は(L4)p−J−(L1)mとして示される。薬剤に付着されているリンカーに加えて、本発明は、基本的にいずれの分子種への付着にも適切な、切断可能なリンカーアームも提供する。本発明のリンカーアームの特徴は、本願明細書において治療部位へのそれらの付着について記載することにより例証される。しかしながら、当業者であれば、診断薬、分析薬、生体分子、ターゲッティング試薬、検出可能な標識等を含む(これらに限定されない)多様な分子種にリンカーが付着できることは容易に理解できるであろう。 一つの実施態様において、本発明はターゲッティング基を治療薬及びマーカーに付着するのに有用なリンカーに関する。別の特徴において、本発明は化合物に安定性を与え、それらのインビボ毒性を減じ、また他には、それらの薬物動態、生物学的利用能及び/又は薬力学に良好な影響を及ぼすリンカーを提供する。かかる実施形態において、概して、薬剤がひとたび作用部位に輸送されればリンカーが切断され、活性な薬剤を放出することが望ましい。よって本発明の一実施形態において、本発明のリンカーは、治療薬又はマーカーから(例えば活性化の際)取り除かれると、リンカーの存在の痕跡が残らないものが望ましい。 本発明の別の実施形態において、リンカーは、治療作用又はマーカー活性の部位など、標的細胞内又はその近傍部位でのそれらが切断されることを特徴とする。このような切断は、本質的には酵素的なものである。この特徴は、治療薬又はマーカーの身体全体での活性化を防止し、毒性及び全身性の副作用を防止するのに有用である。酵素的切断のための望ましい切断可能な基としては、ペプチド結合、エステル結合、及びジスルフィド結合が挙げられる。他の実施形態において、リンカーはpH感受性を有し、pHの変化によって切断される。 本願発明の重要な特徴は、リンカーを切断する速度の制御能である。例えば、本願明細書に記載のヒドラジンリンカーは、採用する特定構造により、リンカーが環化(リガンドから薬剤を切断)する速度を変化させることができ、特に有用である。WO02/096910は、ヒドラジンリンカーを有するいくつかの特異的リガンド−薬剤複合体を提供している。しかしながら、必要とされる環化の速度に応じたリンカー組成物を「調整」する方法は記載されておらず、また記載された特定の化合物は、多くの薬剤−リンカー複合体にとって望ましい速度よりも低速で、薬剤からリガンドを切り離す。これに対し、本願発明のヒドラジンリンカーは、非常に高速から非常に低速までの様々な環化速度を可能にし、これにより所望の環化速度に基づき特定のヒドラジンリンカーを選択することが可能となる。例えば、切断に伴い単一の5員環を産生するヒドラジンリンカーで、非常に速い環化が行われる。細胞への細胞毒性薬の標的化輸送に望ましい環化速度は、2つの5員環、又はジェミナル位置に2つのメチルを有するリンカーから得られる単一の6員環のいずれかを切断することに伴って産生するヒドラジンリンカーを使用して行われる。gem−ジメチル効果は、ジェミナル位置に2つのメチルを有しない単一の6員環と比較して、環化反応の速度を高めることが示されている。これは、環において歪みが軽減されることに起因するものである。しかしながら、置換基が反応を速めずに減速するような場合もある。多くの場合、遅延の原因は立体障害にある。実施例2.4に示すとおり、gemジメチル置換によって、ジェミナル炭素がCH2である場合に比較して、より速い環化反応を起こすことが可能となる。 しかしながら、実施形態によっては、切断速度がより低いリンカーが望ましい場合の存在を認めることも重要である。例えば、徐放性製剤、又は即放性及び徐放性成分の双方を含む製剤においては、切断速度がより低いリンカーを提供するのが有用と考えられる。特定の実施形態において、切断に伴って単一の6員環、又は単一の7員環のいずれかを生成する、gem−ジメチル置換のないヒドラジンリンカーを使用することで、低い環化速度が得られる。 リンカーは、循環中の分解から、治療薬又はマーカーを安定に維持するのにも有用である。付着した薬剤又はマーカーの循環中の半減期の延長が、このような安定化の結果として生じるので、この特徴により多大な利点がもたらされる。循環中は複合体が比較的良性で、一方標的の作用部位での活性化後には、例えば毒性など所望の効果を有するように、付着した薬剤又はマーカーの活性を弱めるのにリンカーの存在が有用である。治療薬複合体において、リンカーのこの特徴は、薬剤の治療効率を向上させるのに有用である。 安定化基は、望ましくは血液又は非標的組織中に存在しうる酵素により、治療薬又はマーカーのクリアランス及び代謝を制限するように選択され、更に細胞内への薬剤又はマーカーの輸送を限定するように選択される。安定化基は、薬剤又はマーカーの分解を阻止するのに有用で、また薬剤又はマーカーに他の物理的特性をもたらす効果も有する。安定化基はまた、製剤化又は非製剤化のいずれかの形態での保存の間の薬剤又はマーカーの安定性も改善しうる。 理想的には、安定化基は、ヒト血液中の薬剤又はマーカーを37℃で2時間保存することにより解析した場合に、薬剤又はマーカーを分解から保護し、所定のアッセイ条件下において、ヒト血液中に存在する酵素による薬剤又はマーカーの切断が20%未満、望ましくは10%未満、より望ましくは5%未満、更に望ましくは2%未満であれば、治療薬又はマーカーを安定化するのに有用である。 本発明はまた、これらのリンカーを含む複合体にも関する。更に詳細には、本発明は疾病の処置、特に癌の化学療法に使用されうるプロドラッグに関する。具体的には、本願明細書に記載のリンカーの使用により、類似の構造のプロドラッグと比べて作用の特異性が高く、毒性が低く、血液中での安定性が向上したプロドラッグが提供される。 本願明細書に記載の本発明のリンカーは、サイトトキシンの複合体内のいかなる部位に存在してもよい。 よって、インビボ、例えば血液中において、そのような基を持たない構築体の速度に比較して高い速度で切断されるリンカーであり、鎖の一部に様々な基を含みうるものが提供される。更に提供されるのは、治療及び診断薬とのリンカーアームの複合体である。リンカーは、治療薬のプロドラッグアナログを形成し、ターゲッティング試薬、検出可能な標識又は固体支持体に、治療又は診断薬を可逆的に連結させるのに有用である。リンカーは、本発明のサイトトキシンを含む複合体に組み込まれてもよい。 切断可能なペプチド、ヒドラジン又はジスルフィド基に加えて、1以上の自己犠牲リンカー基L1は、サイトトキシンとターゲッティング試薬との間に任意に導入される。これらリンカー基は、スペーサー基ともいい、少なくとも2つの反応性官能基を含んでいる。望ましくは、スペーサー基の一つの化学官能基が、例えば、サイトトキシンなどの治療薬の化学官能基に結合し、スペーサー基の他の化学官能基がターゲッティング試薬又は切断可能なリンカーの化学官能基に結合する。スペーサー基の化学官能基の例として、ヒドロキシ、メルカプト、カルボニル、カルボキシ、アミノ、ケトン、及びメルカプト基が挙げられる。 L1で表される自己犠牲リンカーは、概して置換若しくは非置換アルキル、置換若しくは非置換アリール、置換若しくは非置換ヘテロアリール、又は置換若しくは非置換ヘテロアルキル基である。一実施形態において、アルキル又はアリール基は1から20までの炭素原子を含みうる。それらはまた、ポリエチレングリコール部分も含みうる。 スペーサー基の例としては、例えば、6−アミノヘキサノール、6−メルカプトヘキサノール、10−ヒドロキシデカン酸、グリシン及び他のアミノ酸類、1,6−ヘキサンジオール、β−アラニン、2−アミノエタノール、システアミン(2−アミノエタンチオール)、5−アミノペンタン酸、6−アミノヘキサン酸、3−マレイミド安息香酸、フタリド、α−置換フタリド、カルボニル基、アミナールエステル、核酸、ペプチド等が挙げられる。 スペーサーは、追加の分子量及び化学官能基をサイトトキシン−ターゲッティング試薬複合体に導入するのに有用である。概して、追加の質量及び官能基は、複合体の血清半減期及びその他の性質に影響を及ぼすと考えられる。よって、スペーサー基を注意深く選択することで、様々な血清半減期を有するサイトトキシン複合体を作製することができる。 薬剤部分に直接隣接するように配置されるスペーサー(単数又は複数)は、(L1)mとも示され、ここでmは0、1、2、3、4、5、又は6から選択される整数である。複数のL1スペーサーが存在する場合、同一又は異なるスペーサーを使用しうる。L1は、自己犠牲基であってよい。一実施形態において、L1は、望ましくは置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、及び非置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル又は置換ヘテロシクロアルキル基である。薬剤−リガンド複合体がヒドラジンリンカーを含む場合、L1はジスルフィド結合を含まない。 L4は、リンカー部分であり、これはかかる部分を含むリンカーを利用している複合体に、溶解性の増大又は凝集性の減少をもたらすものである。L4リンカーが自己犠牲的である必要はない。一実施形態において、L4部分は、置換アルキル、非置換アルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアルキル、又は非置換ヘテロアルキル基であり、これらはいずれも直鎖状、分枝状、又は環状でありうる。置換基は、例えば、低級(C1〜C6)アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、又はジアルキルアミノ基であってよい。特定の実施形態において、L4は、非環状部分を含んでいる。別の実施形態において、L4は、ポリリジン又はポリアルギニンなどの、正又は負のいずれかに荷電したアミノ酸ポリマーのいずれかを含む。L4は、ポリエチレングリコール部分などのポリマーを含むことができる。更に、L4リンカーは、例えば、ポリマー成分及び小分子の双方を含む。 望ましい実施形態において、L4はポリエチレングリコール(PEG)部分を含む。L4のPEG部分は、1から50単位長までであってよい。望ましくは、PEGは1〜12反復単位、更に望ましくは3〜12反復単位、更に望ましくは2〜6反復単位、又は更に一層望ましくは3〜5反復単位、最も望ましくは4反復単位を有する。L4は、PEG部分のみで構成されてもよく、又は更なる置換若しくは非置換アルキル又はヘテロアルキル基も含んでいてよい。複合体の水溶性を高めるため、L4部分の一部としてPEGを組み合わせることが有用である。加えてPEG部分は、薬剤を抗体にコンジュゲートする際に起こりうる凝集の程度を低下させる。(1)ペプチドリンカー(F) 上記のとおり、本発明のペプチジルリンカーは、一般式:(L4)p−F−(L1)m(式中、Fはペプチジル部分を含むリンカー部を表す)によって表すことができる。一実施形態において、F部は、任意の更なる自己犠牲リンカー(単数又は複数)、L2、及びカルボニル基を含む。別の実施形態において、F部は、アミノ基及び任意のスペーサー基(単数又は複数)、L3を含む。 したがって、一実施形態において、ペプチジルリンカーを含む複合体は、以下に記載の一般式で示される構造を有する。 本実施形態において、L1は、上記のような自己犠牲リンカーであり、L4は上記のとおり、溶解性の増大又は凝集性の減少をもたらす部分である。L2は、自己犠牲リンカー(単数又は複数)を表す。mは0、1、2、3、4、5、又は6であり;o及びpは独立して0又は1である。一実施形態において、mは3、4、5又は6である。AA1は、1以上の天然アミノ酸、及び/又は非天然α−アミノ酸を表し;cは1から20までの整数である。 上記一般式にて表される本発明のペプチドリンカーにおいて、AA1はそのアミノ末端で、L4に直接か、又は、L4が存在しない場合はX4基(すなわち、ターゲッティング試薬、検出可能な標識、保護された反応性官能基、又は保護されていない反応性官能基)に直接連結される。実施形態によっては、L4が存在する場合、L4は、(AA1)cのN−末端に直接付着したカルボン酸アシル基を含まない。このため、これらの実施形態では、米国特許第6,214,345号のペプチドのリンカーで必要とされるように、L4又はX4のいずれかとAA1との間に直接的に、カルボン酸アシル単位が存在する必要はない。 別の実施形態において、ペプチジルリンカーを含む複合体は、以下に記載の一般式で示される構造を有する。 本実施形態において、L4は上記のとおり、溶解性の増大又は凝集性の減少をもたらす部分であり;L3は、一級若しくは二級アミン又はカルボキシル官能基を含むスペーサー基であり、L3のアミンがDのペンダント基であるカルボキシル官能基とアミド結合を形成するか、又はL3のカルボキシルがDのペンダント基であるアミン官能基とアミド結合を形成するか、のいずれかであり;そしてo及びpは独立して0又は1である。AA1は、1以上の天然アミノ酸、及び/又は非天然α−アミノ酸を表し;cは1から20までの整数である。この実施形態では、L1は存在しない(すなわち、一般式においてmは0である)。 上記一般式の、本発明のペプチドリンカーにおいて、AA1はそのアミノ末端で、L4に直接か、又は、L4が存在しない場合はX4基(すなわち、ターゲッティング試薬、検出可能な標識、保護された反応性官能基、又は保護されていない反応性官能基)に直接連結される。実施形態によっては、L4が存在する場合、L4は、(AA1)cのN−末端に直接付着するカルボン酸アシル基を含まない。このため、これらの実施形態では、米国特許第6,214,345号のペプチドのリンカーで必要とされるように、L4又はX4のいずれかとAA1との間に直接的に、カルボン酸アシル単位が存在する必要はない。自己犠牲リンカーL2 自己犠牲リンカーL2は、2つの離間した化学基部分を通常は安定な三成分分子へと共有結合させ、当該離間した化学基部分のうちの一つを酵素的切断によって上記三成分分子から遊離させ;上記酵素的切断の後、その残りの分子からもう一方の上記化学基部分を切り離し遊離することのできる、二官能基性の化学基部分である。本発明において、自己犠牲スペーサーはその端部の一方でペプチド部分に共有結合しており、かつその他方の端部で薬剤部分(その誘導体化は薬理学的活性を阻害する)の化学的活性部位に共有結合しており、これはペプチド部分と薬剤部分とを、三成分分子になるよう離間させかつ共有結合させ、この三成分分子は、それを標的とする酵素がなければ安定かつ薬理学上不活性であるが、スペーサー部分とペプチド部分との共有結合部分においてその酵素により切断されると、その結果、当該三成分分子からペプチド部分を遊離させることができるものである。かかる酵素的切断は順次、スペーサー部分の自己犠牲的な特性を活性化し、スペーサー部分と薬剤部分とを共有結合させている結合の自発的な切断を促進し、その結果、薬理学上活性な型で薬剤を遊離させることができる。 自己犠牲リンカーL2は、いかなる自己犠牲基でもよい。望ましくは、L2は置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換及び非置換アリール、又は置換及び非置換ヘテロアリール基である。 一つの特に望ましい自己犠牲スペーサーL2は、以下の一般式によって表される。 アミノベンジル基の芳香族環は、1以上の「K」基で置換されていてよい。「K」基は、環構造の一部である4つの非置換炭素のうちの一つ、そうでなければ付着する水素と置き換わる、芳香族環の置換基である。「K」基は、ハロゲンなどの単一の分子でもよく、又はアルキル、ヘテロアルキル、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキル、及びシアノ基などの複数原子基でもよい。各々のKは、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル基、ハロゲン、NO2、NR21R22、NR21COR22、OCONR21R22、OCOR21、及びOR21、からなる群より独立して選択され、ここでR21及びR22は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、及び非置換ヘテロシクロアルキル基からなる群より独立して選択される。K置換基の例としては、F、Cl、Br、I、NO2、OH、OCH3、NHCOCH3、N(CH3)2、NHCOCF3及びメチル基が挙げられるが、これらに限定されない。「Ka」については、aは0、1、2、3、又は4の整数である。望ましい一実施形態において、aは0である。 前掲の構造のエーテル酸素原子は、カルボニル基に結合される。NR24官能基から芳香族環内への線は、アミン官能基が5つの炭素のいずれと結合してもよく、双方が環を形成して−CH2−O−基で置換されていないことを示している。望ましくは、XのNR24官能基は、−CH2−O−基に対してパラ位で芳香族環と共有結合する。R24は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、及び非置換ヘテロアルキル基からなる群より選択される要素である。特定の実施形態において、R24は水素である。 望ましい実施形態において、本発明は上記一般式のペプチドリンカーを提供し、式中、Fは以下の構造を有する。 ここで、R24は水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、及び非置換ヘテロアルキル基からなる群より選択され; 各々のKは、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル基、ハロゲン、NO2、NR21R22、NR21COR22、OCONR21R22、OCOR21、及びOR21からなる群より独立して選択され、ここで、 R21及びR22は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル基からなる群より独立して選択され; aは0、1、2、3、又は4の整数である。 別の実施形態において、上記一般式(4)のペプチドリンカーは、以下の構造を有する−F−(L1)m−を含む。 ここで、各々のR24は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、及び非置換ヘテロアルキル基からなる群より独立して選択される要素である。スペーサー基L3 スペーサー基L3は、第一級若しくは第二級アミン、又はカルボキシル官能基を含み、L3基のアミンがDのペンダント基であるカルボキシル官能基とアミド結合を形成するか、又はL3のカルボキシルがDのペンダント基であるアミン官能基とアミド結合を形成するか、のいずれかである。L3は、置換若しくは非置換アルキル、置換若しくは非置換ヘテロアルキル、置換若しくは非置換アリール、置換若しくは非置換ヘテロアリール、又は置換若しくは非置換ヘテロシクロアルキルからなる群より選択することができる。望ましい実施形態において、L3は芳香族基を含む。更に望ましくは、L3は安息香酸基、アニリン基又はインドール基を含む。L3−NH−スペーサーとしての機能を果たすことができる構造の例として以下の構造が挙げられるが、これらの例に限定されない。 式中、Zは酸素原子、硫黄原子又はNR23より選択される要素であり、ここで、R23は水素原子、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル又はアシル基より選択される要素である。 L3を含む本発明のリンカーを切断しても、L3部分は薬剤Dに付着したままである。したがって、Dに付着したL3部分の存在がDの活性を大幅に変えることのないように、L3部分を選択する。別の実施形態において、薬剤D自体の一部分は、L3スペーサーとして機能する。例えば、一実施形態において、薬剤Dはデュオカルマイシン誘導体であり、この薬剤の一部分がL3スペーサーとして機能するのである。このような実施形態の例として、NH2−(L3)−Dが以下に示す群より選択される構造を有するものが挙げられるが、これらの例に限定されない。 ここで、Zは酸素原子、硫黄原子又はNR23、より選択される要素であり、 R23は水素原子、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル又はアシル基より選択される要素であり; 各構造でのNH2基は(AA1)cと反応して−(AA1)c−NH−を形成する。ペプチド配列AA1 基AA1は、単一のアミノ酸、又はアミド結合によって結合される複数のアミノ酸を表す。アミノ酸は、天然アミノ酸及び/又は非天然α−アミノ酸であってよい。 ペプチド配列(AA1)cは、単一のアミノ酸(c=1の場合)の、又はアミド結合によって結合される複数のアミノ酸の、アミド化残基である。本願発明のペプチドは、生体中の標的部位に存在する酵素によるペプチドの切断に適するように選択される。例えば、ターゲッティング試薬を用いて細胞にターゲッティングされ、次いで細胞によって取り込まれたとき、リソソーム内で1以上のリソソームのプロテアーゼによってペプチドが細胞内切断されるように選択される。ペプチド内のアミノ酸の数は1〜20の範囲であるが、更に望ましくは(AA1)cを含め、2〜8アミノ酸、2〜6アミノ酸、又は2、3若しくは4アミノ酸である。特異的な酵素、又は酵素のクラスによる切断に感受性のペプチド配列は、当該技術分野において公知である。 血清、肝臓、腸等の中の酵素によって切断される多くのペプチド配列が、当該技術分野において知られている。本発明のペプチド配列の例として挙げられるのは、プロテアーゼによって切断されるペプチド配列である。プロテアーゼ感受性配列の使用に続く議論は、飽くまで例示を明らかにすることのみが目的であり、本発明の範囲を限定するものではない。 ペプチドを切断する酵素がプロテアーゼである場合、リンカーは一般に、そのプロテアーゼに対する切断認識配列を含むペプチドを包含する。プロテアーゼに対する切断認識配列は、蛋白分解的切断の際にプロテアーゼによって認識される特異的アミノ酸配列である。多くのプロテアーゼ切断部位が、当該技術分野において知られており、これら切断部位やその他の切断部位を、リンカー部に含めることができる。例えば、Matayoshiら、Science 247:954(1990);Dunnら、Meth.Enzymol.241:254(1994);Seidahら、Meth.Enzymol.244:175(1994);Thornberry、Meth.Enzymol.244:615(1994);Weberら、Meth.Enzymol.244:595(1994);Smithら、Meth.Enzymol.244:412(1994);Bouvierら、Meth.Enzymol.248:614(1995)、Hardyら、AMYLOID PROTEIN PRECURSOR IN DEVELOPMENT,AGING, AND ALZHEIMER’S DISEASE、編、Mastersら、190〜198頁(1994)を参照されたい。 ペプチド配列(AA1)cのアミノ酸は、腫瘍関連プロテアーゼなど、特定の分子による選択的な酵素的切断に対する適性に基づいて選択される。使用されるアミノ酸は、天然又は非天然アミノ酸であってよい。それらは、L又はD型の立体構造でありうる。一実施形態において、少なくとも3つの異なるアミノ酸が使用される。別の実施形態においては、2つのアミノ酸のみが使用される。 望ましい実施形態において、ペプチド配列(AA1)cは、それがリソソームのプロテアーゼによって切断される適性に基づいて選択され、そのプロテアーゼの例としてはカテプシンB、C、D、H、L及びSが挙げられるが、これらに限定されない。望ましくは、ペプチド配列(AA1)cは、インビトロでカテプシンBによって切断されることができ、これは、当該技術分野において知られているインビトロプロテアーゼ切断アッセイを用いて試験することができる。 別の実施形態において、ペプチド配列(AA1)cは、腫瘍細胞の近傍で細胞外に認められるプロテアーゼなどの、腫瘍関連プロテアーゼ(その例として挙げられるのはチメットオリゴペプチダーゼ(TOP)及びCD10であり、これらの例は限定的なものではない)による切断適性に基づいて選択される。TOP又はCD10によるペプチドの切断可能性は、当該技術分野において知られているインビトロのプロテアーゼ切断アッセイを用いて試験することができる。 本発明の複合体における使用に望ましい、限定的でないペプチド配列の望ましい例として、Val−Cit、Val−Lys、Phe−Lys、Lys−Lys、Ala−Lys、Phe−Cit、Leu−Cit、Ile−Cit、Trp、Cit、Phe−Ala、Phe−N9−トシル−Arg、Phe−N9−ニトロ−Arg、Phe−Phe−Lys、D−Phe−Phe−Lys、Gly−Phe−Lys、Leu−Ala−Leu、Ile−Ala−Leu、Val−Ala−Val、Ala−Leu−Ala−Leu(配列番号1)、β−Ala−Leu−Ala−Leu(配列番号2)及びGly−Phe−Leu−Gly(配列番号3)が挙げられる。望ましいペプチド配列は、Val−Cit及びVal−Lysである。 別の実施形態において、薬剤部分の最も近傍に配置されるアミノ酸は、Ala、Asn、Asp、Cit、Cys、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、及びValからなる群より選択される。更に別の実施形態において、薬剤部分の最も近くに配置されるアミノ酸は、Ala、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、及びValからなる群より選択される。 プロテアーゼは、癌転移に関与している。プロテアーゼであるウロキナーゼの合成の増大は、多くの癌における転移能の増大と相関している。ウロキナーゼはプラスミノーゲンからプラスミンを活性化させ、これは細胞外マトリックスに遍在的に位置しておりその活性化は、細胞外マトリックスにおける蛋白質の分解を引き起こすことができ、それを通じて転移腫瘍細胞が浸潤するのである。プラスミンは、コラゲナーゼを活性化させることもでき、こうして毛細血管及びリンパ系を取り巻く基底膜のコラーゲンの分解を促進し、それによって標的組織へ腫瘍細胞が浸潤するのを可能とする(Danoら、Adv.Cancer.Res.、44:139(1985))。よって、ウロキナーゼによって切断されるペプチド配列をリンカーとして利用することも、本発明の範囲に含まれる。 本発明はまた、トリプターゼによる切断に感受性のペプチド配列の使用も提供する。ヒト肥満細胞は、α、βI、βII、及びβIIIと命名されている少なくとも4つの別異のトリプターゼを発現している。これらの酵素は、血漿プロテアーゼ阻害剤によって制御されず、インビトロで少数の生理的基質を切断するにすぎない。セリンプロテアーゼのトリプターゼファミリーは、肥満細胞に関わる種々のアレルギー性及び炎症性疾患の患者からの生物学的流体中でトリプターゼレベルの上昇が認められるため、これらの障害への関与が示されている。しかしながら、疾病の病態生理学におけるトリプターゼの正確な役割は未だ知られていない。トリプターゼの生物学的機能の範囲及び対応する生理学的作用は、それらの基質特異性によって実質的に定義される。 トリプターゼは、プロ−ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化剤(uPA)、腫瘍転移及び浸潤に関わるプロテアーゼのチモーゲン型の強力な活性化剤である。プラスミノーゲンカスケードの活性化は結果的に、細胞性血管外遊出及び遊走のために細胞外マトリックスの破壊を引き起こすもので、Pro−Arg−Phe−Lys(配列番号4)のP4−P1配列でのプロ−ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化剤のトリプターゼ活性化の作用になりうる(Stackら、Journal of Biological Chemistry 269(13):9416−9419(1994))。血管透過性の調節に関与する血管作用性腸管ペプチド、神経ペプチドもまた、主にThr−Arg−Leu−Arg(配列番号5)配列でトリプターゼにより切断される(Tamら、Am.J.Respir.Cell Mol.Biol.3:27−32(1990))。G−蛋白質共役受容体PAR−2は、Ser−Lys−Gly−Arg(配列番号6)配列でトリプターゼにより切断及び活性化されて線維芽細胞の増殖を駆動することができ、トロンビン活性化受容体PAR−1は、Pro−Asn−Asp−Lys(配列番号7)配列でトリプターゼにより不活性化される(Molinoら、Journal of Biological Chemistry 272(7):4043−4049(1997))。以上より、疾病の結果としての組織リモデリングにおけるトリプターゼに対する中心的な役割が、この証拠によって示唆される。これは、数種の肥満細胞媒介障害において観察される根本的な変化と一致している。慢性喘息及び他の長期呼吸器疾患の一つの特徴は、その生理的標的のトリプターゼ活性化の結果と考えられる根底組織の線維形成及び肥厚である。同様に一連の報告によって、血管形成が種々の癌における肥満細胞密度、トリプターゼ活性及び予後不良に関わっていることが示されている(Coussensら、Genes and Development 13(11):1382−97(1999));Takanamiら、Cancer 88(12):2686−92(2000);Toth−Jakaticsら、Human Pathology 31(8):955−960(2000);Ribattiら、International Journal of Cancer 85(2):171−5(2000))。 特定のプロテアーゼが、選択されたペプチド配列を切断するか否かを評価するための方法は、当該技術分野において知られている。例えば、7−アミノ−4−メチルクマリン(AMC)蛍光原ペプチド基質の使用が、プロテアーゼ特異性の判定のための、確立された方法である(Zimmerman、M.ら、(1977)Analytical Biochemistry78:47−51)。アニリド結合の特異的切断で蛍光原AMC脱離基が遊離し、個々の基質に対する切断速度の簡易な定量が可能となる。更に最近になって、幅広い基質をサンプリングすることにより、単独の実験にてプロテアーゼのN−末端特異性を迅速にプロファイリングするための、AMCペプチド基質ライブラリーのアレイ(Lee、D.ら、(1999)Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 9:1667−72)及びポジショナル走査ライブラリー(Rano、T.A.ら、(1997)Chemistry and Biology 4:149−55)が開発されている。よって、当業者は、余分な実験に頼らずとも、本発明での有用性を判定すべく、ペプチド配列をアレイにより容易に評価することができる。(2)ヒドラジンリンカー(H) 第二の実施形態において、本発明の複合体はヒドラジン自己犠牲リンカーを含み、ここで当該複合体は以下の構造を有する。 ここで、D、L1、L4、及びX4は、上記の定義と更に本願明細書に記載したとおりであって、Hは以下の構造を有するリンカーであり; 式中、n1は1〜10の整数であり; n2は0、1、又は2であり; 各々のR24は水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、及び非置換ヘテロアルキル基からなる群より独立して選択される要素であり; Iは結合(すなわち、骨格の炭素と、隣接する窒素との間の結合)、又は以下の構造:であり、式中、n3は0又は1であるが、但し、n3が0である場合、n2は0ではなく;かつn4は1、2又は3であり、 式中、Iが結合である場合、n1は3でn2は1であり、Dが(式中、RはMe又はCH2−CH2−NMe2)でない。 一実施形態において、フェニル環の置換は、パラ置換である。望ましい実施形態において、n1は2、3若しくは4であり、又はn1は3である。望ましい実施形態において、n2は1である。望ましい実施形態において、Iは結合(すなわち、骨格の炭素と、隣接する窒素との間の結合)である。一つの特徴では、ヒドラジンリンカーであるHは、切断に伴い6員自己犠牲リンカーを形成することができ、例えば、n3は0でn4は2である。別の特徴では、ヒドラジンリンカーHは、切断に伴い二つの5員自己犠牲リンカーを形成することができる。更に他の特徴では、切断に伴いHは5員自己犠牲リンカーを形成し、Hは7員自己犠牲リンカーを形成し、又はHは5員自己犠牲リンカー及び6員自己犠牲リンカーを形成する。切断の速度は、切断に伴い形成される環のサイズによる影響を受ける。よって、所望される切断の速度によって、切断に伴い形成すべき適切なサイズの環を選択することができる。五員ヒドラジンリンカー 一実施形態において、ヒドラジンリンカーは5員ヒドラジンリンカーを含み、ここでHは以下の構造を有する。 望ましい実施形態において、n1は2、3又は4である。別の望ましい実施形態において、n1は3である。上記構造において、各々のR24は水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、及び非置換ヘテロアルキル基からなる群より独立して選択される要素である。一実施形態において、各々のR24は独立して、水素原子又はC1〜C6アルキルである。別の実施形態において、各々のR24は独立して、水素原子又はC1〜C3アルキルであり、更に望ましくは水素原子又はCH3である。別の実施形態において、少なくとも一つのR24はメチル基である。別の実施形態において、各々のR24は水素原子である。各々のR24は、化合物の立体効果を調整し、かつ溶解性を変えるべく選択される。 五員ヒドラジンリンカーは、リンカーから薬剤を分離する1以上の環化反応をすることができ、この反応は、例えば以下のように示すことができる。 本発明の五員リンカーを調製するための合成経路の例は、以下のとおりである。 Cbzで保護されたDMDA(b)は、塩化チオニル溶液中で2,2−ジメチル−マロン酸aと反応してCbz−DMDA−2,2−ジメチルマロン酸cを形成する。化合物cは、水素の存在下にBoc−N−メチルヒドラジンdと反応してDMDA−2,2−ジメチルマロン−Boc−N−メチルヒドラジンeを形成する。六員ヒドラジンリンカー 別の実施形態において、ヒドラジンリンカーは6員ヒドラジンリンカーを含み、ここでHは以下の構造を有する。 望ましい実施形態において、n1は3である。上記の構造において、各々のR24は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、及び非置換ヘテロアルキルからなる群より独立して選択される要素である。一実施形態において、各々のR24は独立して、水素原子又はC1〜C6アルキルである。別の実施形態において、各々のR24は独立して、水素原子又はC1〜C3アルキルであり、更に望ましくは水素原子又はCH3である。別の実施形態において、少なくとも一つのR24はメチル基である。別の実施形態において、各々のR24は水素原子である。各々のR24は、化合物の立体効果を調整し、かつ溶解性を変えるべく選択される。望ましい実施形態において、Hは以下の構造を有する。 一実施形態において、Hはジェミナルのジメチル置換基を含む。上記構造の一実施形態において、各々のR24は独立して、水素原子又は置換若しくは非置換アルキル基である。 6員ヒドラジンリンカーは、リンカーから薬剤を分離する環化反応を進行させ、この反応は例えば以下のように示すことができる。 本発明の六員リンカーを調製する合成経路の例は、以下のとおりである。 ジクロロメタン溶液中、Cbzで保護されたジメチルアラニンaをHOAt及びCPIと反応させ、Cbzで保護されたジメチルアラニンヒドラジンbを形成した。ヒドラジンbは、メタノールの作用によって脱保護され、化合物cを形成する。他のヒドラジンリンカー 本発明では、七員を有するリンカーを包含することを企図している。このリンカーは、五員又は六員リンカーほど迅速に環化しないが、薬剤−リガンド複合体によっては望ましい場合がある。同様に、ヒドラジンリンカーは2つの六員環、又は一つの六員及び一つの五員環化産物を有するヒドラジンリンカーを含んでもよい。五員及び七員リンカーや、六員及び七員リンカーもまた企図される。 他のヒドラジン構造であるHは、以下の構造を有する。 式中、qは0、1,2、3、4、5、又は6であり; 各々のR24は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、及び非置換ヘテロアルキル基からなる群より独立して選択される要素である。このヒドラジン構造は、五員環、六員環又は七員環を形成することもでき、また複数環を形成するために追加の成分を添加することができる。(3)ジスルフィドリンカー(J) 更に別の実施形態において、リンカーは酵素的に切断可能なジスルフィド基を含む。一実施形態において、本発明は以下の一般式の構造を有する細胞毒性薬剤−リガンド化合物を提供する。 式中、D、L1、L4、及びX4は、上記の定義と更に本願明細書に記載したとおりであって、Jは以下の構造を有する基を含むジスルフィドリンカーであり; 式中、各々のR24は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、及び非置換ヘテロアルキル基からなる群より独立して選択でされる要素であり; 各々のKは、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル基、ハロゲン、NO2、NR21R22、NR21COR22、OCONR21R22、OCOR21、及びOR21、からなる群より独立して選択される要素であり、 ここでR21及びR22は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、及び非置換ヘテロシクロアルキル基からなる群より独立して選択され; aは0、1、2、3、又は4の整数であって; dは0、1、2、3、4、5、又は6の整数である。 ジスルフィドリンカーの芳香族環は、1以上の「K」基で置換されていてもよい。「K」基は、環構造の一部である4つの非置換炭素のうちの一つ、あるいは付着する水素と置き換わる、芳香族環の置換基である。「K」基は、ハロゲンなどの単一原子でもよく、又はアルキル、ヘテロアルキル、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキル、及びシアノ基などの複数原子基でもよい。K置換基の例としては、独立して、F、Cl、Br、I、NO2、OH、OCH3、NHCOCH3、N(CH3)2、NHCOCF3及びメチルが挙げられるが、これらに限定されない。「Ka」については、aは0、1、2、3、又は4の整数である。特定の実施形態において、aは0である。 望ましい実施形態において、リンカーは以下の一般式の、酵素的に切断可能なジスルフィド基を含む。 本実施形態においてL4、X4、p、及びR24は上記のとおりであり、dは0、1、2、3、4、5、又は6である。特定の実施形態において、dは1又は2である。 更に具体的なジスルフィドリンカーを、以下の一般式に示す。 本実施形態の具体的な例は以下のとおりである。 ここで、望ましくは、dは1又は2である。 他のジスルフィドリンカーを、以下の一般式に示す。 本実施形態の具体的な例は以下のとおりである。 ここで、望ましくは、dは1又は2である。 種々の実施形態において、ジスルフィド基はアミンに対してオルト位置にある。別の特定の実施形態において、aは0である。望ましい実施形態において、R24は、水素原子及びCH3から独立して選択される。 本発明のジスルフィドリンカーを調製する合成経路の例は、以下のとおりである。 3−メルカプトプロピオン酸aの溶液を、アルドリチオール−2と反応させヨウ化3−メチルベンゾチアゾリウムbを形成させる。ヨウ化3−メチルベンゾチアゾリウムcを水酸化ナトリウムと反応させ化合物dを形成させる。化合物dのメタノール溶液を更に化合物bと反応させ化合物eを形成させる。塩化アセチル及びメタノールの作用によって化合物eを脱保護し、化合物fが形成される。 本願発明の薬剤−リガンド複合体は、2以上のリンカーを任意に含みうる。これらのリンカーは同じものでも異なるものでもよい。例えば、薬剤をリガンドに連結するためにペプチジルリンカーを使用し、第二のペプチジルリンカーが診断薬をその複合体に付着させてもよい。あるいは、ペプチジル、ヒドラジン又はジスルフィドリンカーのいずれかが薬剤とリガンド複合体とを連結し、ペプチジル、ヒドラジン又はジスルフィドリンカーのいずれかが診断薬をその複合体に付着させてもよい。更なるリンカーの他の用途として挙げられるのは、分析薬、生体分子、ターゲッティング試薬、及び検出可能な標識を、薬剤−リガンド複合体に結合させることである。 更にまた本発明の範囲に含まれるのは、例えば、本発明の化合物又はその反応性アナログのダイマー、トリマー、テトラマー及び高相同物などの種を含む、ポリ−又は多価種である本発明の化合物である。ポリ−及び多価種は、本発明の単一種又は複数種から構築することができる。例えば、ダイマーの構築体は、「ホモダイマー性」又は「ヘテロダイマー性」でありうる。更に、本発明の化合物又はその反応性アナログがオリゴマー又はポリマーのフレームワーク(例えば、ポリリジン、デキストラン、ヒドロキシエチルデンプン等)に付着されたポリ−及び多価構築体が、本発明の範囲に含まれる。フレームワークは、望ましくは多官能性である(すなわち、本発明の化合物を付着するための反応性部位(複数)のアレイを有している)。更に、フレームワークは本発明の単一種、又は本発明の複数種に由来するものであってよい。 更に、本発明には、水溶性の化合物を得るために官能基が付与されている化合物が包含され、この水溶性は、官能基が付与されていない類似の化合物と比較して高められている。このように、本願明細書で述べた置換基のいずれも、水溶性を高めるような基と置換することができる。例えば、ヒドロキシル基をジオールに、又はアミンを四級アミン、ヒドロキシアミン若しくは更に水溶性が高い類似の基に置き換えることも本発明の範囲に含まれる。望ましい実施形態において、本願明細書に記載の化合物のイオンチャンネルに対する活性に必須ではない部位にて、原型の化合物の水溶性を高める部分で置換することによって、更なる水溶性が付与される。有機化合物の水溶性を高める方法は、当該技術分野において知られている。かかる方法として、永久的に荷電した部分、例えば四級アンモニウムや、生理的に適切なpHで荷電する基、例えばカルボン酸、アミンなどを有機核に付与することが挙げられるが、これらに限定されない。他の方法としては有機核にヒドロキシル又はアミン含有基、例えば、アルコール類、ポリオール類、ポリエーテル類等を付加することが挙げられる。代表的な例として、ポリリジン、ポリエチレンイミン、ポリ(エチレングリコール)及びポリ(プロピレングリコール)が挙げられるが、これらに限定されない。これらの化合物に対する望ましい官能基の付与方法は、当該技術分野において知られている。例えば、Dunn、R.L.ら、編、POLYMERIC DRUGS AND DRUG DELIVERY SYSTEMS、ACS Symposium Series 469巻、American Chemical Society、Washington,D.C.1991を参照されたい。薬剤 本願明細書において「D」と表記する薬剤は、本願発明ではペプチジル、ヒドラジン、又はジスルフィドリンカーのいずれかを介して薬剤がリガンドに連結されている、薬剤−リガンド複合体の一部として提供される。薬剤は、所望の生物学的活性を保有し、かつリガンドに連結するための反応性官能基を含んでいなければならない。所望の生物学的活性として、ヒトなどの動物における疾病の診断、治療、緩和、処置、又は予防が挙げられる。よって、必要とされる反応性官能基をそれが有する限り、「薬剤」の用語は、公的な米国薬局方、米国ホメオパシー薬局方、若しくは国民医薬剤集又はそれらいずれかの追補版において薬剤として認定されている化学薬剤をいう。薬剤の例は、食品医薬品局(FDA)により作成されているオレンジブック及び米国医師用卓上参考書(PDR)に示されている。新しい薬剤が絶えず発見及び開発されており、本発明はこれらの新しい薬剤も、本願発明の薬剤−リガンド複合体に含まれてよい。 望ましい官能基として、第一級又は二級アミン類、ヒドロキシル類、スルフヒドリル類、カルボキシル類、アルデヒド類、及びケトン類が挙げられる。より望ましい官能基として挙げられるのは、ヒドロキシル類、第一級又は二級アミン類、スルフヒドリル類、及びカルボン酸官能基である。より一層望ましい官能基として挙げられるのは、ヒドロキシル類、第一級及び二級アミン類、及びカルボン酸官能基である。薬剤は、少なくとも一つの反応性官能基を有していなければならないが、2、3、4、5、6又はそれ以上の反応性官能基を有してもよい。更には、自己犠牲スペーサー、L1は、薬剤の反応性官能基と、ペプチド、ヒドラジン又はジスルフィドリンカーとの間に組み込まれてもよい。 薬剤−リガンド複合体が通常の目的において有効であるということは、対応する薬剤が有効であるために他ならないが、標的細胞の所望の場所にその薬剤を輸送するという、リガンドに固有の能力のため、複合体の調製は更に有効である。 薬剤の例として、蛋白質、ペプチド、及びリガンドへの連結のための官能基を含む小分子の薬剤が挙げられる。更に具体的には、これらの薬剤には、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素阻害剤及びチミジル酸合成酵素阻害剤などの酵素阻害剤、DNAインターカレーター、DNA分解剤、トポイソメラーゼ阻害剤、薬剤のアントラサイクリンファミリー、ビンカ薬剤、マイトマイシン類、ブレオマイシン類、細胞毒性ヌクレオシド、薬剤のプテリジンファミリー、ディネン(diynene)類、ポドフィロトキシン類、分化誘導剤、及びタキソール類が包含される。 本願発明の望ましい薬剤としては、癌治療に有用である細胞毒性薬剤、及びトキシンなどの所望の生物学的活性を備えた他の小分子、蛋白質又はポリペプチドが挙げられる。薬剤は、腫瘍特異的リガンドとのコンジュゲーションによって腫瘍細胞で活性化されるものが選択される。これらの腫瘍特異的薬剤−リガンド複合体は、リガンドの特異性から生じる腫瘍特異性を有している。この例として挙げられるのは、腫瘍特異的酵素に対して選択性の高い基質である薬剤−リガンド複合体であり、この場合これらの酵素は、腫瘍の近傍に細胞毒性レベルの遊離薬剤を生成させるのに充分な量で、腫瘍の近くに存在している。これらの腫瘍特異的薬剤−リガンド複合体の一つの利点は、それらがヒト血清中の偶発的なプロテアーゼに対して安定なことにある。薬剤−リガンド複合体の別の利点は、それらは対応する遊離の薬剤よりも毒性が低い点;更に、複合体の特異性により、遊離薬剤に比べて全体の使用濃度を低くできる点;である。これは、特異性が高い結果、腫瘍部位において存在すべき複合体のパーセンテージが高くなることによる。サイトトキシン 本願発明において有用な細胞毒性薬剤として、例えば、デュオカルマイシン類及びCC−1065の、CBI(1,2,9,9a−テトラヒドロシクロプロパ[c]ベンズ[e]インドール−4−オン)系アナログ、MCBI(7−メトキシ−1,2,9,9a−テトラ−ヒドロシクロプロパ[c]ベンズ[e]インドール−4−オン)系アナログ及びCCBI(7−シアノ−1,2,9,9a−テトラヒドロシクロプロパ[c]ベンズ[e]−インドール−4−オン)系アナログ系を含めた、デュオカルマイシン類及びCC−1065、並びにそれらのアナログ、モルホリノ−ドキソルビシン及びシアノモルホリノ−ドキソルビシンなどのドキソルビシン及びドキソルビシン複合体、ドラスタチン−10などのドラスタチン類、コンブレタスタチン、カリケアマイシン、メイタシン、メイタシンアナログ、DM−1、オーリスタチンE、オーリスタチンEB(AEB)、オーリスタチンEFP(AEFP)、モノメチルオーリスタチンE(MMAE)、5−ベンゾイル吉草酸−AEエステル(AEVB)、チューブリシン類、ディスオラゾール、エポチロン類、パクリタキセル、ドセタキセル、SN−38、トポテカン、リゾキシン、エチノマイシン、コルヒチン、ビンブラスチン、ビンデシン、エストラムスチン、セマドチン、エレウテロビン、メトトレキセート、メトプテリン、ジクロロメトトレキセート、5−フルオロウラシル、6−メルカプトプリン、シトシンアラビノシド、メルファラン、ロイロシン、ロイロシデイン、アクチノマイシン、ダウノルビシン及びダウノルビシン複合体、マイトマイシンC、マイトマイシンA、カルミノマイシン、アミノプテリン、タリソマイシン、エトポシド又はエトポシドホスフェートなどのポドフィロトキシン及びポドフィロトキシン誘導体、ビンクリスチン、タキソール、タキソテールレチノイン酸、酪酸、N8−アセチルスペルミジン、カンプトセシン、及びそれらのアナログが挙げられる。本願明細書に記載のリンカーにコンジュゲーション用の官能基を提供するために、他の既知の薬剤を修飾してもよい。このような化学的修飾は、当該技術分野において公知である。 本願明細書において使用するための望ましいサイトトキシンとして、デュオカルマイシン類及びCC−1065、並びにそのCCBI系及びMCBI系アナログ、モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、ドラスタチン−10、コンブレタスタチン、カリケアマイシン、メイタシン、DM−1、オーリスタチンE、AEB、AEFP、MMAE、チューブリシンA、ディスオラゾール、エポチロンA及びエポチロンBが挙げられる。 特に望ましい本発明のサイトトキシンは、活性型の、強力なデュオカルマイシン誘導体及びCC−1065である。原型の薬剤は、可逆的であり、立体電子的に制御されたDNAの配列選択的アルキル化によってそれらの生物学的効果を引き出す、並外れて強力な抗腫瘍性の抗生物質である(Bogerら、J.Org.Chem.55:4499(1990);Bogerら、J.Am.Chem.Soc.112:8961(1990);Bogerら、J.Am.Chem.Soc.113:6645(1991);Bogerら、J.Am.Chem.Soc.115:9872(1993);Bogerら、Bioorg.Med.Chem.Lett.2:759(1992))。デュオカルマイシン類が最初に開示されて以降、デュオカルマイシン類のDNAアルキル化選択性、及びその構造を解明するのに、広範な研究がなされている。 本願発明の特に望ましい特徴によれば、以下の一般式の構造を有する細胞毒性化合物が提供される。 式中、環状体Aは置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール及び置換又は非置換ヘテロシクロアルキル基より選択される要素である。環状体の例として、フェニル基及びピロール基が挙げられる。 符号E及びGは、水素原子、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル基、ヘテロ原子、単結合より独立して選択されるか、又はEとGとが任意に結合し、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール及び置換又は非置換ヘテロシクロアルキル基より選択される環系を形成する。 符号Xは、酸素原子、硫黄原子及びNR23より選択される要素を表す。R23は、水素原子、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、及びアシル基より選択される要素である。 符号R3は、(=O)、SR11、NHR11及びOR11より選択される要素を表し、ここでR11は、水素原子、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル基、ジホスフェート類、トリホスフェート類、アシル、C(O)R12R13、C(O)OR12、C(O)NR12R13、P(O)(OR12)2、C(O)CHR12R13、SR12又はSiR12R13R14より選択される要素を表す。符号R12、R13、及びR14は独立して、水素原子、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル及び置換又は非置換アリール基を表し、ここでR12及びR13は、それらが付着する窒素又は炭素原子と共に任意に結合して、4員環〜6員環を有し、任意に2以上のヘテロ原子を含む、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル環を形成する。R12、R13、又はR14のうち少なくとも一つは、その構造内に切断可能な基を含みうる。 R4、R4’、R5及びR5’は、水素原子、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル基、ハロゲン、NO2、NR15R16、NC(O)R15、OC(O)NR15R16、OC(O)OR15、C(O)R15、SR15、OR15、CR15=NR16、及びO(CH2)nN(CH3)2、より独立して選択される要素であり、ここでnは1から20の整数である。R15及びR16は独立して、水素原子、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、及び置換又は非置換ペプチジル基を表し、ここでR15及びR16は、それらが付着する窒素原子と共に任意に結合して、4員環から6員環を有し、任意に2以上のヘテロ原子を含む、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル環を形成する。構造の一例として挙げられるのはアニリンである。 R4、R4’、R5、R5’、R11、R12、R13、R15及びR16は、それらの構造内に任意に1以上の切断可能な基を含む。切断可能な基の例として挙げられるのはペプチド、アミノ酸、ヒドラジン類及びジスルフィド類であるが、これらに限定されない。 R11、R12、R13、R15及びR16の少なくとも一つは、本願明細書に記載のとおり、薬剤を本発明のリンカーに、例えば、存在するならばL1に、又はF、H、若しくはJに連結させるのに使用される。 更に望ましい実施形態において、R4、R4’、R5、R5’、R11、R12、R13、R15及びR16の少なくとも一つは、化合物をコンジュゲートするのに適切な反応性基を有している。更に望ましい実施形態において、R4、R4’、R5、R5’、R11、R12、R13、R15及びR16は、水素原子、置換アルキル及び置換ヘテロアルキル基より独立して選択され、アルキル又はヘテロアルキル部分の自由端で反応性官能基部分を有する。R4、R4’、R5、R5’、R11、R12、R13、R15及びR16の1以上は、別の種、例えばターゲッティング試薬、検出可能な標識、固体支持体等とコンジュゲートされてもよい。 以上の主旨より明らかなように、R15及びR16の少なくとも一つが反応性官能基部分を備えている場合、その部分は、薬剤と別の分子とが結合するための成分となりうる。R15及びR16の少なくとも一つが薬剤と別の種との間の連結を含む望ましい実施形態において、R15及びR16の少なくとも一つは、酵素によって切断可能な部分である。 更に望ましい実施形態において、R4、R4’、R5及びR5’の少なくとも一つは、以下に示されるとおりである。 上記一般式において、符号X2及びZ1は、O、S及びNR23より独立して選択される要素を表す。基R17及びR18は、水素原子、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル基、ハロゲン、NO2、NR19R20、NC(O)R19、OC(O)NR19、OC(O)OR19、C(O)R19、SR19又はOR19、より独立して選択され、但し、R12、R13、R19、又はR20の少なくとも一つは、本願明細書で開示される本発明のリンカーを含んでいる。 符号R19及びR20は、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換ペプチジルを独立して表し、ここでR19及びR20は、それらが付着する窒素原子と共に任意に結合して、4員環〜6員環を有し、任意に2以上のヘテロ原子を含む、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル環系を形成するものである。但し、Z1がNHで、R17及びR18の双方が水素原子でなく、かつR17がNH2でない場合に限られる。本願明細書全体を通して、符号R19及びR20もまた、R4及びR5について述べた基を包含する。よって、例えば、上記融合フェニル−複素環系の2以上を連結して有する化合物、又はリンカーと組み合わせて融合環を有する化合物を提供することは、本発明の範囲に含まれる。更に、リンカーが存在するそれらの実施形態において、リンカーはR4、R4’、R5、若しくはR5’置換基として、又はR17若しくはR18置換基として存在しうる。 R6は、存在するか、又は存在しない単結合である。R6が存在する場合、R6とR7とは連結してシクロプロピル環を形成する。R7は、CH2−X1又は−CH2−である。R7が−CH2−である場合、それはシクロプロパン環の成分である。符号X1は、ハロゲン、例えば、Cl、Br又はFなどの脱離基を表す。R6とR7との組み合わせは、化学的比重を基本的に乱さないと考えられる。 六員環内の曲線は、環が1以上の不飽和度を有しうるもので、それは芳香族であってよいことを示している。よって、以下に示すような環構造及び関連する構造が、以下の一般式の範囲に含まれる。 望ましい実施形態において、環Aは置換又は非置換のフェニル環である。環Aは、本願明細書における定義欄で述べたように1以上のアリール基置換基で置換されていることが望ましい。望ましい一実施形態において、フェニル環は置換CN又はメトキシ基で置換されている。 他の望ましい実施形態において、本発明は、以下の一般式の構造を有する化合物を提供する。 本実施形態において、基R3、R4、R4’、R5、R5’、R6、R7及びXは、実質的に上記のとおりである。符号Zは、酸素原子、硫黄原子及びNR23より独立して選択される要素である。各々の符号R23は独立して、水素原子、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、及びアシル基より選択される要素から選択される。符号R1は、水素原子、置換若しくは非置換低級アルキル基、又はC(O)R8若しくはCO2R8を表す。R8は、置換アルキル、非置換アルキル基、NR9R10、NR9NHR10及びOR9より選択される要素である。R9、及びR10は、水素原子、置換又は非置換アルキル及び置換又は非置換ヘテロアルキル基より独立して選択される。基R2は、水素原子、又は置換若しくは非置換低級アルキル基である。概して、R2が置換アルキル基である場合、それがパーフルオロアルキル基、例えば、CF3以外であるのが望ましい。一実施形態において、R2は、置換アルキル基であり、その置換基はハロゲンではない。別の実施形態において、R2は、非置換アルキル基である。 上記のとおり、X1は脱離基であるのが望ましい。有用な脱離基として、ハロゲン、アジド類、スルホン酸エステル類(例えば、アルキルスルホニル、アリールスルホニル)、オキソニウムイオン、過塩素酸アルキル、アンモニオアルカンスルホネートエステル類、アルキルフルオロスルホネート類及びフッ化合物(例えば、トリフレート類、ノナフレート類、トレシレート類)等が挙げられるが、これらに限定されない。脱離基として有用な具体的なハロゲンは、F、Cl及びBrである。具体的な反応条件の組み合わせに適切な、これらの脱離基やその他の脱離基の選択は、当業者であれば容易になしうる(例えば、March J、ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY、第2版、John Wiley and Sons、1992;Sandler SR、Karo W、ORGANIC FUNCTIONAL GROUP PREPARATIONS、第2版、Academic Press、Inc.、1983;及びWade LG、COMPENDIUM OF ORGANIC SYNTHETIC METHODS、John Wiley and Sons、1980を参照)。 望ましい実施形態において、R1は、CO2CH3などのエステル部分である。更に望ましい実施形態において、R2は低級アルキル基であり、これは置換されていても、又は置換されていなくてもよい。現在のところ望ましい低級アルキル基はCH3である。更なる実施形態において、R1はCO2CH3であり、R2はCH3である。 別の望ましい実施形態において、R4、R4’、R5、及びR5’は、水素原子、ハロゲン、NH2、OMe、O(CH2)2N(Me)2及びNO2より独立して選択される要素である。 一実施形態において、薬剤は、脱離基X1がハロゲン、アルキルスルホニル、アリールスルホニル基、及びアジドからなる群より選択される要素となるように選択される。別の実施形態において、Zは酸素原子である。特定の実施形態において、R1がCO2CH3、又はR2がCH3であるのが望ましく;更にR1がCO2CH3で、かつR2がCH3であるのが望ましい。R4、R4’、R5又はR5’の一つがC(O)R15であってよく、かつR4、R4’、R5及びR5’のその他3つは水素原子である。また、R4、R4’、R5及びR5’の少なくとも一つは、水素原子及びOCH3より選択される要素以外であるのがよい。一実施形態において、R4、R4’、R5及びR5’は、水素原子、ハロゲン、NH2、O(CH2)2N(Me)2及びNO2より独立して選択される要素である。 望ましい実施形態において、R4、R4’、R5又はR5’の一つはO(CH2)2N(Me)2であり、R4、R4’、R5及びR5’の残りのものは水素原子である。更に別の実施形態において、R7は、CH2−X1(X1は、F、Cl又はBrである)であって、かつR6は存在しない。 別の望ましい実施形態において、本発明は以下の一般式の構造を有する化合物を提供する。 上記一般式の一実施形態において、Xは望ましくは酸素原子であり;Zは望ましくは酸素原子である。別の実施形態において、ZはNR23又は酸素原子である。あるいは、R4、R4’、R5又はR5’の一つはO(CH2)2N(Me)2であってよく、R4、R4’、R5又はR5’の残りの3つは水素原子である。一実施形態において、R4、R4’、R5又はR5’はR29、COOR29、C(O)NR29、及びC(O)NNR29、からなる群より選択されるとよく、ここでR29は、水素原子、OH基、置換アルキル、非置換アルキル、置換シクロアルキル、非置換シクロアルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、非置換シクロヘテロアルキル、置換ヘテロアリール、及び非置換ヘテロアリール基からなる群より選択される。 上記一般式の別の実施形態において、Xは望ましくは酸素原子であり、Zは望ましくは酸素原子であり、R1は望ましくはCO2CH3であり、R7は望ましくはCH2−Clであり、R2は望ましくはCH3であり、R3は望ましくはOHである。あるいは、R4、R4’、R5又はR5’の一つはNHC(O)(C6H4)NH2であってよく、R4、R4’、R5又はR5’の残りの3つは水素原子である。 一実施形態において、R29は以下の群から選択されてよい。 薬剤の、更に別の実施形態において、R4及びR5より選択される一つの要素は、であり、ここでX2及びZ1は、酸素原子、硫黄原子及びNR23より独立して選択される要素であり;R17及びR18は、水素原子、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル基、ハロゲン、NO2、NR19R20、NC(O)R19、OC(O)NR19、OC(O)OR19、C(O)R19、OR19、及びO(CH2)nN(CH3)2からなる群より独立して選択される要素である。本実施形態において、nは1から20の整数であり;R19及びR20は、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、及び置換又は非置換ヘテロシクロアルキル基より独立して選択され、ここでR19及びR20は、それらが付着する窒素原子と共に任意に結合して4員環〜6員環を有し、任意に2以上のヘテロ原子を含む、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル環を形成するものであって、ここでR11、R12、R13、R15、R16、R19、又はR20の一つが、上記の薬剤を、存在するならばL1に、又はFに連結させる。望ましい一実施形態において、X2は酸素原子であり、Z1は、酸素原子又はNR23である。 上記[化56]の一般式に記載のデュオカルマイシンアナログの、他の望ましい構造は、環Aが非置換又は置換フェニル環である構造である。環Aがピロールである場合の、上記の構造に対して上記の薬剤分子での望ましい置換基もまた、環Aが非置換又は置換フェニル環である場合の望ましい置換基と同様である。 例えば、望ましい実施形態において、薬剤(D)は以下の構造を有する。 この構造において、R3、R6、R7、Xは、上記の一般式について上記したものと同様である。更に、Zは酸素原子、硫黄原子及びNR23より選択される要素であり、ここでR23は、水素原子、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、及びアシル基より選択される要素であり; R1は、水素原子、置換若しくは非置換低級アルキル基、C(O)R8、又はCO2R8であり、ここでR8は、NR9R10及びOR9より選択される要素であり、この場合R9及びR10は、水素原子、置換又は非置換アルキル、及び置換又は非置換ヘテロアルキル基より独立して選択される要素であり; R1’は、水素原子、置換若しくは非置換低級アルキル、又はC(O)R8であって、ここでR8は、NR9R10及びOR9より選択される要素であり、この場合R9及びR10は、水素原子、置換又は非置換アルキル、及び置換又は非置換ヘテロアルキル基より独立して選択される要素であり; R2は、水素原子、又は置換若しくは非置換低級アルキル又は非置換ヘテロアルキル、又はシアノ若しくはアルコキシ基であり;R2’は、水素原子、又は置換若しくは非置換低級アルキル又は非置換ヘテロアルキル基である。 R11、R12、R13、R15又はR16の少なくとも一つは、薬剤を、存在するならばL1に、又はF、H、若しくはJに連結させる。 望ましい実施形態において、R4、R4’、R5又はR5’の一つは、O(CH2)2N(Me)2であり、R4、R4’、R5及びR5’の残りのものは水素原子である。別の実施形態において、R7は、CH2−X1であり、ここでX1は、F、Cl又はBrであってR6は存在しない。 一実施形態において、本発明は、以下の一般式の構造を有する細胞毒性薬剤−リガンド化合物を提供する。 式中、符号L1は自己犠牲スペーサーを表し、mは0、1、2、3、4、5、又は6の整数である。 符号X4は、保護された反応性官能基、保護されていない反応性官能基、検出可能な標識、及びターゲッティング試薬からなる群より選択される要素を表す。 符号L4は、リンカーの要素を表し、pは0又は1である。L4は、複合体に溶解性の増大又は凝集性の減少をもたらす部分である。L4部分の例として置換アルキル、非置換アルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアルキル、又は非置換ヘテロアルキル基が挙げられ、これらはいずれも直鎖状、分枝状、又は環状の、正又は負のいずれかに荷電した、ポリリジン若しくはポリアルギニンなどのアミノ酸ポリマーか、又はポリエチレングリコールなどのその他のポリマーが適用可能である。 符号Qは、本願明細書に記載のペプチド、ヒドラジン、及びジスルフィドリンカーのいずれをも含め(これらに限定されない)切断可能なリンカーを表す。他の望ましいリンカーとして、米国特許第6,214,345号;米国特許出願公開第2003/0096743、2003/0130189、及び2004/121940号;PCT特許出願公開第WO03/026577及びWO04/043493号;並びに欧州特許出願公開第EP1243276及びEP1370298号(これらすべてを、引用することにより本発明において援用する)に記載のものが挙げられるが、これらに限定されない。切断可能なリンカーとして挙げられるのは、化学的又は生物学的プロセスによって選択的に切断されうるものであり、そして切断に際してX4から薬剤D1を分離する。切断は、リンカーの全部又はリンカーの末端のいずれの部位でも生じうる。 上記符号D1は、以下の一般式を有する薬剤を表す。 式中、X及びZは、酸素原子、硫黄原子及びNR23より独立して選択される要素であり; R23は、水素原子、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、及びアシル基より選択される要素であり; R1は、水素原子、置換若しくは非置換低級アルキル基、C(O)R8、又はCO2R8であり、 R1’は、水素原子、置換若しくは非置換低級アルキル基、又はC(O)R8であり、 ここでR8は、NR9R10及びOR9より選択される要素であり、R9及びR10は、水素原子、置換又は非置換アルキル及び置換又は非置換ヘテロアルキル基より独立して選択される要素であり; R2は、水素原子、又は置換若しくは非置換低級アルキル又は非置換ヘテロアルキル、又はシアノ若しくはアルコキシ基であり; R2’は、水素原子、又は置換若しくは非置換低級アルキル又は非置換ヘテロアルキル基であり、 R3は、SR11、NHR11及びOR11からなる群より選択される要素であり、ここでR11は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、ジホスフェート類、トリホスフェート類、アシル、C(O)R12R13、C(O)OR12、C(O)NR12R13、P(O)(OR12)2、C(O)CHR12R13、SR12及びSiR12R13R14からなる群より選択される要素であり、この場合R12、R13、及びR14は、水素原子、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、及び置換又は非置換アリールより独立して選択される要素であり、ここでR12及びR13は、それらが付着する窒素又は炭素原子と共に任意に結合して、4員環〜6員環を有し、任意に2以上のヘテロ原子を含む、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル環を形成し、 ここでR11、R12、及びR13の少なくとも一つは、上記薬剤を、存在するならばL1に、又はQに連結させ、 R6は、存在するか、又は存在しない単結合であり、存在する場合、R6とR7とは連結してシクロプロピル環を形成し; R7は、上記シクロプロピル環においてR6と連結するCH2−X1又は−CH2−であり、 ここでX1は、脱離基であり、 R4、R4’、R5及びR5’は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル基、ハロゲン、NO2、NR15R16、NC(O)R15、OC(O)NR15R16、OC(O)OR15、C(O)R15、SR15、OR15、CR15=NR16、及びO(CH2)nNR24R25からなる群より独立して選択される要素であり、ここでnは1から20の整数であり; R15及びR16は、水素原子、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、及び置換又は非置換ペプチジル基より独立して選択され、ここでR15及びR16は、それらが付着する窒素原子と共に任意に結合して、4員環から6員環を有し、任意に2以上のヘテロ原子を含む、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル環系を形成し; R24及びR25は、非置換アルキル基より独立して選択され、ここでR4、R4’、R5及びR5’の少なくとも一つはO(CH2)nNR24R25である。 実施形態によっては、nは2である。実施形態によっては、R24及びR25はメチルである。実施形態によっては、R4は、O(CH2)nNR24R25であり、R4’、R5及びR5’は水素原子である。実施形態によっては、R4は、O(CH2)2N(CH3)2であり、R4’、R5及びR5’は水素原子である。実施形態によっては、Qは上記のように、F、H、及びJより選択されるリンカーである。実施形態によっては、R1、R1’、R2、及びR2’は水素原子である。 薬剤D1の望ましい一般式は以下のとおりである。 薬剤D1の他の望ましい実施形態は、以下のとおりである。 薬剤D1の更なる望ましい実施形態は、以下のとおりである。 本願発明の別の望ましい実施形態において、細胞毒性薬剤は、以下の一般式の構造によって示される化合物などの、チューブリシンアナログ又は関連化合物であってよい。 ここで、R1及びR2は水素原子、若しくは低級アルキルであり、又は更に詳細にはイソブチル、エチル、プロピル、若しくはt−ブチルであり、かつR3は、水素原子又はOHである。チューブリシン及び癌の処置におけるその使用は、例えば、PCT国際公開第WO2004/005327及びWO2004/005326号公報に記載されている。チューブリシン化合物の製造はDE10008089号公報に記載されている。チューブリシンを本願発明の様々なリンカーに連結するのに使用しうる方法は、その実施例に示されている。望ましいチューブリシンアナログは、チューブリシンA−Fである。CBIアナログ 以下の具体的な化合物は、1,2,9,9a−テトラヒドロシクロプロパ[c]ベンズ[e]インドール−4−オン(CBI)アルキル化ドメイン又はアルキル化サブユニットを含むという点で、CBIアナログである。化合物は、薬剤として使用してもよい。本願発明の望ましい薬剤として挙げられるのは癌治療に有用な胞毒性薬剤である。これらの化合物は、上記のようにコンジュゲートされていてもされていなくてもよく、又はリンカーを含みうるものである。本願発明において有用な細胞毒性薬剤として、例えば、CBI(1,2,9,9a−テトラヒドロシクロプロパ[c]ベンズ[e]インドール−4−オン)系アナログ、MCBI(7−メトキシ−1,2,9,9a−テトラヒドロシクロプロパ[c]ベンズ[e]インドール−4−オン)系アナログ、及びCCBI(7−シアノ−1,2,9,9a−テトラヒドロシクロ−プロパ[c]ベンズ[e]−インドール−4−オン)系アナログが挙げられる。 一実施形態において、本発明の化合物は以下の一般式を有する。 式中、X及びZは、酸素原子、硫黄原子及びNR23より独立して選択され、ここでR23は、水素原子、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、及びアシル基より選択される要素であり; R1は、水素原子、置換若しくは非置換低級アルキル基、C(O)R8、又はCO2R8であり、 R1’は、水素原子、置換若しくは非置換低級アルキル基、又はC(O)R8であり、 各々のR8は、NR9R10及びOR9より独立して選択される要素であり及びR9及びR10は、水素原子、置換又は非置換アルキル及び置換又は非置換ヘテロアルキル基より独立して選択される要素であり; R2は、水素原子、又は置換若しくは非置換低級アルキル、非置換ヘテロアルキル、シアノ、又はアルコキシ基であり; R2’は、水素原子、置換若しくは非置換低級アルキル、又は非置換ヘテロアルキル基であり、 R3は、SR11、NHR11及びOR11からなる群より選択される要素であり、ここでR11は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル基、ジホスフェート類、トリホスフェート類、アシル、C(O)R12R13、C(O)OR12、C(O)NR12R13、P(O)(OR12)2、C(O)CHR12R13、SR12及びSiR12R13R14からなる群より選択される要素であり、この場合R12、R13、及びR14は、水素原子、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、及び置換又は非置換アリール基より独立して選択される要素であり、又は、R12及びR13は、それらが付着する窒素又は炭素原子と共に結合して、4員環〜6員環を有し、任意に2以上のヘテロ原子を含む、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル環を形成し、 R6は、存在するか、又は存在しない単結合であり、存在する場合、R6とR7とは連結してシクロプロピル環を形成し; R7は、上記シクロプロピル環においてR6と連結するCH2−X1又は−CH2−であり、ここでX1は、脱離基であり、 R4、R4’、R5及びR5’は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル基、ハロゲン、NO2、NR15R16、NC(O)R15、OC(O)NR15R16、OC(O)OR15、C(O)R15、SR15、OR15、CR15=NR16、及びO(CH2)nNR24R25からなる群より独立して選択される要素であり、ここでnは1から20の整数であり、望ましくは、nは2から6の整数であり; R15及びR16は、水素原子、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、及び置換又は非置換ペプチジル基より独立して選択され、ここでR15及びR16は、それらが付着する窒素原子と共に任意に結合して、4員環〜6員環を有し、任意に2以上のヘテロ原子を含む、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル環を形成し; R24及びR25は、非置換アルキル基より独立して選択され、 ここでR4、R4’、R5及びR5’の少なくとも一つはO(CH2)nNR24R25である。 上記のとおり、X1は脱離基であるのが望ましい。有用な脱離基として、ハロゲン、アジド類、スルホン酸エステル類(例えば、アルキルスルホニル、アリールスルホニル)、オキソニウムイオン、過塩素酸アルキル、アンモニオアルカンスルホネートエステル類、アルキルフルオロスルホネート類及びフッ化合物(例えば、トリフレート類、ノナフレート類、トレシレート類)等が挙げられるが、これらに限定されない。脱離基として有用な具体的なハロゲンは、F、Cl及びBrである。具体的な反応条件の組み合わせに適切な、これらの脱離基やその他の脱離基の選択は、当業者が容易になしうる(例えば、March J、ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY、第2版、John Wiley and Sons、1992;Sandler SR、Karo W、ORGANIC FUNCTIONAL GROUP PREPARATIONS、第2版、Academic Press、Inc.、1983;及びWade LG、COMPENDIUM OF ORGANIC SYNTHETIC METHODS、John Wiley and Sons、1980を参照)。 実施形態によっては、R4、R4’、R5、及びR5’は、水素原子、ハロゲン、NH2、OMe、O(CH2)2N(Me)2及びNO2より独立して選択される要素である。実施形態によっては、R4、R4’、R5、及びR5’の少なくとも一つはO(CH2)2N(Me)2である。実施形態によっては、R4、R4’、R5、又はR5’の一つはO(CH2)2N(Me)2であり、R4、R4’、R5、及びR5’の残りのものは水素原子である。他の実施形態において、R4は、O(CH2)2N(Me)2であり、R4’、R5、及びR5’は水素原子である。 実施形態によっては、R7はCH2−X1であり、ここでX1は、F、Cl又はBrであってR6は存在しない。実施形態によっては、薬剤は、脱離基X1がハロゲン、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、及びアジドからなる群より選択される要素となるように選択される。実施形態によっては、X1は、Cl又はBrである。 実施形態によっては、Zは酸素原子である。実施形態によっては、X及びZは酸素原子である。 実施形態によっては、R2は、水素原子、メチル、又はシアノ基であり、R1、R1’、及びR2’は水素原子である。実施形態によっては、R1、R1’、R2、及びR2’は水素原子である。実施形態によっては、R1、R1’、及びR2’は水素原子である。 実施形態によっては、R3は、下記の反応性基である。 上記[化70]の化合物の望ましい一般式は以下のとおりである。 [化70]の化合物の望ましい別の一般式は以下のとおりである。 [化70]の化合物の望ましい更に別の一般式は以下のとおりである。望ましいデュオカルマイシン及びCBI複合体 本発明のペプチド、ヒドラジン又はジスルフィドリンカーは、細胞毒性薬剤としてデュオカルマイシン又はCBIアナログを含む複合体において使用することができる。本発明の望ましい複合体を以下に更に詳細に記載する。別途に示さない限り、置換基はサイトトキシン、ペプチドリンカー、ヒドラジンリンカー及びジスルフィドリンカーに関する欄で上記したとおりに定義される。A.ペプチドリンカー複合体 望ましい実施形態において、本発明は、以下の構造を有するペプチドリンカー複合体を提供する。 式中、X1は、ハロゲンであり; Xは、酸素原子、硫黄原子及びNR23より選択される要素であり; R23は、水素原子、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、及びアシル基より選択される要素であり; R4、R4’、R5及びR5’は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル基、ハロゲン、NO2、NR15R16、NC(O)R15、OC(O)NR15R16、OC(O)OR15、C(O)R15、OR15、及びO(CH2)nN(CH3)2からなる群より独立して選択される要素であり、 ここでnは1から20の整数であり; R15及びR16は、水素原子、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール基、及び置換又は非置換より独立して選択され、ここでR15及びR16は、それらが付着する窒素原子と共に任意に結合して、4員環〜6員環を有し、任意に2以上のヘテロ原子を含む、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル環を形成する。 かかる複合体の非限定的な例として、以下の構造のものが挙げられる。 式中、X1は、Cl又はBrであり;ここでAbは抗体、又はその断片である。 別の望ましい実施形態において、本発明は、以下の構造を有する複合体を提供する。 式中、X1は、脱離基であり; Z及びXは、酸素原子、硫黄原子及びNR23より独立して選択される要素であり、 ここでR23は、水素原子、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、及びアシル基より選択される要素であり; R3は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル基、ハロゲン、NO2、NR15R16、NC(O)R15、OC(O)NR15R16、OC(O)OR15、C(O)R15、OR15、及びO(CH2)nN(CH3)2からなる群より選択され、ここで nは1から20の整数であり; R15及びR16は、水素原子、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール基、及び置換又は非置換より独立して選択される要素であり、ここでR15及びR16は、それらが付着する窒素原子と共に任意に結合して、4員環〜6員環を有し、任意に2以上のヘテロ原子を含む、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル環を形成する。 かかる複合体の限定的でない例として、以下の構造のものが挙げられる。式中、各々のbは独立して0から20の整数であり、Abは抗体、又はその断片である。 更に他の望ましい実施形態において、本発明は、以下の構造より選択されるペプチドリンカー複合体を提供する。式中、X1はCl又はBrであり、Abは抗体、又はその断片である。 更なる他の望ましい実施形態において、本発明は、以下の構造より選択されるペプチドリンカー複合体を提供する。式中、X1はCl又はBrであり、Abは抗体、又はその断片である。 更なる他の望ましい実施形態において、本発明は、以下の構造を有するペプチドリンカー複合体を提供する。式中、X1はCl又はBr、Abは抗体、又はその断片である。B.ヒドラジンリンカー複合体 望ましい実施形態において、本発明は、以下の構造を有するヒドラジンリンカー複合体を提供する。 別の望ましい実施形態において、本発明は、以下の構造を有するヒドラジンリンカー複合体を提供する。 更に他の望ましい実施形態において、本発明は、以下より選択される構造を有するヒドラジンリンカー複合体を提供する。式中、PEGは、ポリエチレングリコール部分であり、X1は、Cl又はBrである。 更なる他の望ましい実施形態において、本発明は、以下の構造より選択されるヒドラジンリンカー複合体を提供する。式中、X1はCl又はBrであり、Abは抗体、又はその断片である。 更に別の望ましい実施形態において、以下の構造より選択されるヒドラジンリンカー複合体が挙げられる。C.ジスルフィドリンカー複合体 望ましい実施形態において、本発明は、以下の構造を有するジスルフィドリンカー複合体を提供する。 かかる構造の非限定的な例として、以下のものが挙げられる。式中、X1は、Cl又はBrであり、Abは、抗体、又はその断片である。リガンド 本願発明のリガンドは、「X4」として表現される。本発明において、X4は保護された反応性官能基、保護されていない反応性官能基、検出可能な標識、及びターゲッティング試薬からなる群より選択される要素を表す。望ましいリガンドは、抗体及びその断片などのターゲッティング試薬である。 望ましい実施形態において、基X4は、R29、COOR29、C(O)NR29、及びC(O)NNR29より選択される要素として示すことができ、ここでR29は、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル及び置換又は非置換ヘテロアリールより選択される要素である。更に別の望ましい実施形態において、R29は、水素原子;OH;NHNH2;並びに、より選択される要素であり、 式中、R30は、反応性官能基が終端となっている置換又は非置換アルキル基、官能基が終端となっている置換又は非置換ヘテロアリール基を表す。上記構造は、例えば、抗体など、ターゲッティング試薬のアミノ酸の残基と反応する反応性保護基として作用し、これによりターゲッティング試薬をリンカー−薬剤部分に連結させることができる。ターゲッティング試薬 本発明のリンカーアーム及びサイトトキシンは、ペイロードを身体の細胞、臓器又は領域に選択的に輸送するターゲッティング試薬に連結することができる。抗体(例えば、キメラ、ヒト化及びヒト)、受容体に対するリガンド、レクチン類、糖類、抗体、等の典型的なターゲッティング試薬は当該技術分野において公知であり、限定されず、本発明を実施するのに有用なものである。他のターゲッティング試薬として、サイトトキシン分子に重量を追加する、ポリ(エチレングリコール)、多糖、ポリアミノ酸等のマクロ分子を含む、特異的分子認識モチーフを備えていないある種の化合物が挙げられる。追加の分子重量は、例えば、血清における半減期など、サイトトキシンの薬物動態に影響を及ぼす。 望ましい実施形態において、本発明は、例えば、抗体、受容体、ペプチド、レクチン、糖、核酸又はその組み合わせなどの生体分子であるターゲッティング試薬と、サイトトキシン、リンカー又はサイトトキシン−リンカーとの複合体を提供する。典型的な本発明のコンジュゲーションの経路は、上記のスキームに記載のとおりである。 本発明を実施するのに有用な生体分子は、いかなる供給源からも由来しうる。生体分子は、天然の供給源から単離することができ、又は合成することもできる。蛋白質は天然型又は変異型蛋白質でありうる。変異は、化学的突然変異誘発、部位特異的突然変異誘発又は当業者に知られている他の変異誘発の手段によって行うことができる。本発明を実施するのに有用な蛋白質として、例えば、酵素、抗原、抗体及び受容体が挙げられる。抗体は、多クローン性又は単クローン性のいずれかでありうるが、最も望ましくは単クローン性である。ペプチド及び核酸は、天然の供給源から単離することができ、又は起源が全体的若しくは部分的に合成したものでもよい。 望ましい実施形態において、ターゲッティング試薬は、対象の標的細胞上、又は標的部位で発現されている抗原に対する特異性に基づいて選択される、抗体又は抗体断片である。多種多様の腫瘍特異性又は他の疾病特異性抗原が同定されており、それらの抗原に対する抗体が使用されたり、又は腫瘍やその他の疾患の処置におけるその使用が提案されている。当該技術分野において知られている抗体を、特にその標的抗原に関わる疾病の処置のために、本発明の複合体に使用することができる。本発明の抗体−リンカー−薬剤複合体を標的化することのできる標的抗原(及びそれらの関連疾患)の限定的でない例として、:Her2(乳癌)、CD20(リンパ腫)、EGFR(固体腫瘍)、CD22(非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫)、CD52(慢性リンパ球性白血病)、CD33(急性骨髄性白血病)、CD4(リンパ腫、リウマチ様関節炎を含む自己免疫疾患)、CD30(非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫)、Muc18(黒色腫)、インテグリン(固体腫瘍)、PSMA(前立腺癌、良性前立腺過形成)、CEA(結腸直腸癌)、CD11a(乾癬)、CD80(乾癬)、CD23(喘息)、CD40L(免疫血小板減少性紫斑病)、CTLA4(T細胞リンパ腫)及びBLys(全身性エリテマトーデスを含む自己免疫疾患)が挙げられる。 それらの実施形態において、認識部分が蛋白質又は抗体である場合、蛋白質の表面上で利用できるいずれかの反応性ペプチド残基によって、蛋白質を表面若しくは自己組織化単層膜(SAM)成分に繋留するか、又はスペーサーアームを介して結合させることができる。望ましい実施形態において、反応性基は、アミン類又はカルボン酸塩類である。特に望ましい実施形態において、反応性基は、リジン残基のε−アミン基である。更に、これらの分子は、非特異的相互作用(例えば、化学吸着、物理吸着)によって、基質又はSAMの表面に吸着させることができる。 抗体である認識部分は、蛋白質、ペプチド、核酸、糖類、又は薬物、除草剤、殺虫剤、工業用化学薬剤及び化学兵器などの小分子である分析物を認識するのに使用することができる。特異分子に対する抗体を産生させる方法は、当業者に公知である。米国特許第5/147,786号(1992年9月15日にFengらに付与);第5/334,528号(1994年8月2日にStankerらに付与);第5/686,237号(1997年11月11日にAl−Bayati、M.A.S.に付与);及び第5/573,922号(1996年11月12日にHoessらに付与)を参照されたい。表面に抗体を付着するための方法もまた、当該技術分野において知られている。Delamarcheら、Langmuir12:1944−1946(1996)を参照されたい。 ターゲッティング試薬は、利用できるいずれかの反応性基によって、本発明のリンカーに付着させることができる。例えば、ペプチドは、アミン、カルボキシル、スルフヒドリル又はヒドロキシル基を介して付着させることができる。このような基は、ペプチド末端に、又はペプチド鎖の内部の部位に存在しうるものである。核酸は、塩基上の反応性基(例えば、環外アミン)、又は糖部上の利用できるヒドロキシル基(例えば、3’−又は5’−ヒドロキシル)を介して付着させることができる。ペプチド及び核酸鎖は、その鎖上への適切な反応性基の付着を可能とする1以上の部位で、更に誘導体化することができる。Chriseyら、Nucleic Acids Res.24:3031−3039(1996)を参照されたい。 ペプチド又は核酸が完全又は部分的に合成分子である場合、反応性基又はマスクされた反応性基を、合成のプロセスの際に組み込むことができる。ペプチド及び核酸の双方に反応性基を組み込むのに適切な、多くの誘導体化されたモノマーが当業者に知られている。例えば、THE PEPTIDES:ANALYSIS,合成,BIOLOGY、2巻:「ペプチド合成の特別法」、Gross,E.及びMelenhofer,J.編、Academic Press、New York(1980)を参照されたい。多くの有用なモノマーが市販されている(Bachem、Sigma等)。このマスクされた基は、合成後に除去することができ、その時点で本発明の化合物の成分との反応に利用可能になる。 核酸ターゲッティング試薬の例として挙げられるのは、アプタマー、アンチセンス化合物、及び三重らせん体を形成する核酸である。望ましくは糖残基のヒドロキシル基、塩基由来のアミノ基、又はヌクレオチドのリン酸の酸素原子が、ヌクレオチド系ターゲッティング試薬をサイトトキシンにカップリングさせるのに必要な化学官能基として利用される。しかしながら、当業者であれば、他の「非天然」反応性官能基を従来の技術によって核酸に付加できることを容易に理解するであろう。例えば、糖部分のヒドロキシル基を、当該技術分野において公知である技術を用いてメルカプト又はアミノ基に変換することができる。 アプタマー(すなわち核酸抗体)は、特異的な分子標的に結合する、一本鎖若しくは二本鎖DNA、又は一本鎖RNA分子である。概してアプタマーは、血液中を循環している標的のプールへの結合により、分子標的、例えば蛋白質の作用を阻害することによって機能する。アプタマーは化学官能基を保有しており、そのため本願明細書に記載のようにサイトトキシンに共有結合できる。 小分子薬剤、代謝物、補因子、毒素、糖系薬剤、ヌクレオチド系薬剤、糖蛋白質等を含む多種多様な分子標的とアプタマーとが、非共有的であるが特異的な会合をすることができるが、分子標的としては、血清蛋白質、キニン類、エイコサノイド類、細胞表面分子等を含め、蛋白質又はペプチドを含んでいるのが望ましい。アプタマーの例として、ギレアデ抗トロンビンインヒビターGS522及びその誘導体(Gilead Science、Foster City、Calif.)が挙げられる。Macayaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:3745−9(1993);Bockら、Nature(London)355:564−566(1992)及びWangら、Biochem.32:1899−904(1993)も参照されたい。 所定の生体分子に対して特異的なアプタマーは、当該技術分野において知られている技術を用いて同定することができる。例えば、Tooleら、(1992)PCT国際公開第WO92/14843号;Tuerk及びGold(1991)PCT国際公開第WO91/19813号;Weintraub及びHutchinson(1992)PCT国際公開第92/05285号;並びにEllington及びSzostak、Nature 346:818(1990)を参照されたい。手短に説明すると、これらの技術には、望ましくは、分子標的とオリゴヌクレオチドの無作為な混合物との複合体生成が含まれ;アプタマー−分子標的複合体を、非複合オリゴヌクレオチドから分離し;アプタマーを分離した複合体から回収して増幅させ;このサイクルを繰り返し、分子標的に対する親和性が最も高いアプタマー配列を同定する。 遺伝子の不適当な発現に起因する疾患に対して、このような遺伝子の発現の特異的な阻止又は低減が、理想的な治療を具現する。原則的には、特定の遺伝子産物の生産を、mRNAの利用しやすい配列、若しくはプレmRNAプロセッシングに必須の転写物内の配列に相補的な、又はその遺伝子自体に含まれる配列に相補的な一本鎖デオキシヌクレオチド又はリボデオキシヌクレオチドのハイブリダイゼーションによって、阻害、低減、又は遮断するとよい。遺伝子制御のためのこのパラダイムは、アンチセンス又はアンチジーン阻害と称されることが多い。本発明のようなアルキル化剤の核酸へのコンジュゲーションによって、更なる有効性が付与される。 アンチセンス化合物は、特定の蛋白質の産生を引き起こすmRNAに結合及び不活性化するか、又はその生産を防ぐように設計された核酸である。アンチセンス化合物として、アンチセンスRNA又はDNA、一本鎖若しくは二本鎖オリゴヌクレオチド、又はそれらのアナログで、個々のmRNA種に特異的にハイブリダイズすることができ、そしてそのmRNA種の転写及び/若しくはRNAプロセッシング並びに/又はコードされたポリペプチドの翻訳を防ぎ、それによりコードされたそれぞれのポリペプチドの量の低減をもたらすものが挙げられる。Chingら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.86:10006−10010(1989);Broderら、Ann.Int.Med.113:604−618(1990);Loreauら、FEBS Letters 274:53−56(1990);Holcenbergら、WO91/11535;WO91/09865;WO91/04753;WO90/13641;WO91/13080、WO91/06629、及びEP386563を参照。それらの優れた標的特異性及び選択性のため、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、本発明のサイトトキシンなどの治療薬を所望の分子標的に輸送するのに有用である。 他にも、核酸が、三重らせん形成を介して二重鎖DNAに結合し、転写及び/又はDNA合成を阻害できることが報告されている。三重らせん化合物(三本鎖薬剤とも称する)は、二本鎖DNAの配列に結合するオリゴヌクレオチドで、例えば、HIV及び単純ヘルペスウイルスなどのウイルス遺伝子、並びに癌遺伝子などの病原遺伝子の転写を選択的に阻害することが意図されているものであり、すなわち、それらは細胞核にて蛋白質の生産を停止させる。これらの薬剤は、細胞のゲノム内の二本鎖DNAに直接結合し、三重らせんを形成して細胞が標的蛋白質を作るのを妨げる。例えば、PCT国際公開第WO92/10590、WO92/09705、WO91/06626号、及び米国特許第5,176,996号を参照されたい。このように、本発明のサイトトキシンは、三重らせん体を形成する核酸配列とコンジュゲートされうる。 核酸(例えば、アンチセンス化合物及び三重らせん薬剤)の部位特異性は、ホスホジエステル結合の修飾、又はオリゴヌクレオチド末端の化学的修飾によって著しく影響を受けるものではない。このため、これらの核酸を化学的に修飾して、全体としての結合安定性を増強し、化学的分解に対する安定性を増大し、オリゴヌクレオチドが細胞内に輸送される速度を高めて、分子に化学的反応性を与えることができる。アンチセンス療法において有用な種々の核酸を構築する一般的な方法が、van der Krolら、Biotechniques 6:958−976(1988)、及びSteinら、Cancer Res.48:2659−2668(1988)によって総説されている。したがって、望ましい実施形態において、本発明のサイトトキシンは、ホスホジエステル結合の修飾によって核酸とコンジュゲートされる。 更に、本発明のサイトトキシンを担持するアプタマー、アンチセンス化合物及び三重らせん薬剤は、関連標的配列への特異的ハイブリダイゼーション又は会合が、そのオリゴヌクレオチドの機能が保持される限りにおいて、ヌクレオチドの置換、付加、削除、又は転位も含みうる。例えば、幾つかの実施形態では、それらの天然型ホスフェートジエステル対応物よりも、ヌクレアーゼによる分解に対する耐性が高く、またこのためインビボでの持続性が高くて有効性にすぐれていることが期待されるホスホロチオエートアナログが用いることも可能である(例えば、Campbellら、J.Biochem.Biophys.Methods 20:259−267(1990)を参照されたい)。オリゴヌクレオチドのホスホルアミデート誘導体もまた、相補的ポリヌクレオチドに結合して、共有結合により付着したリガンド種を適合させるという更なる能力を有することが知られており、これも本発明の方法に適すると考えられる。例えば、Froehlerら、Nucleic Acids Res.16(11):4831(1988)を参照されたい。 実施形態によっては、アプタマー、アンチセンス化合物及び三重らせん薬剤は、O−メチルリボヌクレオチドを含むものとされる(欧州特許出願公開第360609号)。またキメラオリゴヌクレオチドも使用してよい(Dagleら、Nucleic Acids Res.18:4751(1990))。用途によっては、アンチセンスオリゴヌクレオチド及び三重らせんはポリアミド核酸(Nielsenら、Science 254:1497(1991)及びPCT国際公開第WO90/15065号)又は他のカチオン誘導体(Letsingerら、J.Am.Chem.Soc.110:4470−4471(1988))を含んでいてもよい。他の用途では、1以上のホスホジエステル結合が、PCT国際公開第WO92/05186及び91/06556号に記載されているような2〜4原子長のヌクレオシド間結合などの等配電子基、又はホルムアセタール基(Matteucciら、J.Am.Chem.Soc.113:7767−7768(1991))若しくはアミド基(Nielsenら、Science 254:1497−1500(1991))で置換されたオリゴヌクレオチドを利用してもよい。 更に、ヌクレオチドアナログ、例えば、糖又は塩基が化学的に修飾されているものを本発明で用いることもできる。プリン及びピリミジンの「類似」型は、概して当該技術分野において知られているものであり、その多くが化学療法剤として使用される。例示的であるが包括的ではないアナログとして挙げられるのは、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルアデニン、1−メチルプソイドウラシル、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−メチルアデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルクエオシン、5’メトキシカルボニルメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、クエオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、N−ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、プソイドウラシル、クエオシン、2−チオシトシン、及び2,6−ジアミノプリンである。更に挙げられるのは、ハロゲン化塩基による従来の塩基である。また、塩基の2’−フラノース位は、荷電していない大型基の置換基を有しうる。荷電していない大型基の例として、分枝状アルキル、糖類及び分枝状糖類が挙げられる。 末端修飾でも、サイトトキシンを核酸にコンジュゲートして、細胞型特異性、薬物動態、核透過性、及びオリゴヌクレオチド医薬に対する絶対的細胞取り込み速度を調整する、有用な手順が提供される。例えば、サイトトキシンの共有結合による付着を可能とする、5’及び3’端にて反応性基を付加させる置換基のアレイが知られている。例えば、OLIGODEOXYNUCLEOTIDES:ANTISENSE INHIBITORS OF GENE EXPRESSION、(1989)Cohen、編、CRC Press;PROSPECTS FOR ANTISENSE NUCLEIC ACID THERAPEUTICS FOR CANCER AND AIDS、(1991)、Wickstrom、編、Wiley−Liss;GENE REGULATION:BIOLOGY OF ANTISENSE RNA AND DNA、(1992)Erickson及びIzant、編、Raven Press;及びANTISENSE RNA AND DNA、(1992)、Murray、編、Wiley−Lissを参照されたい。アンチセンス化合物に関連する一般的な方法については、ANTISENSE RNA AND DNA、(1988)、D.A.Melton、編、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、N.Y.を参照されたい。検出可能な標識 本発明の化合物及び方法に関連して使用される特定の標識又は検出可能な基は、本発明の化合物の活性又は有用性を大幅に妨げない限り、本発明にとって重要ではない。検出可能な基は、検出可能な物理的又は化学的性質を有するいずれのものでもよい。このような検出可能な標識は、イムノアッセイの分野で充分に開発されており、一般的に、このような方法で、有用なほとんどの標識はいずれも本発明に適用することができる。ゆえに標識は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的又は化学的手段によって検出可能な組成物のいずれでもよい。本発明において有用な標識として、磁気ビーズ(例えば、DYNABEADS(商標))、蛍光染料(例えば、フルオレセインイソチオシアン酸塩、テキサスレッド、ローダミン等)、放射標識(例えば、3H、125I、35S、14C、又は32P)、酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、及びその他のELISAで一般に使用されるもの)、並びに金コロイド又は着色ガラス若しくはプラスチックビーズ(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックス等)などの比色標識が挙げられる。 標識は、当該技術分野において公知である方法に従って、本発明の化合物に直接又は間接的にカップリングさせればよい。前述のとおり、多種多様な標識が使用可能であり、その標識の選択は、必要とされる感度、化合物とのコンジュゲーションの容易性、安定性、利用可能な器具及び廃棄の規定に従い行われる。 本発明の化合物が検出可能な標識にコンジュゲートされる場合、標識は、望ましくは放射活性同位体、蛍光剤、蛍光剤前駆物質、発色団、酵素及びその組み合わせからなる群より選択される要素である。抗体に様々な基をコンジュゲートするための方法は、当該技術分野において公知である。例えば、抗体にコンジュゲートされることが多い検出可能な標識は、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、及びグルコースオキシダーゼなどの酵素である。 非放射性標識は、間接的な手段によって付着されることが多い。概して、リガンド分子(例えば、ビオチン)が複合体の成分に共有結合される。リガンドは次いで、例えば、ストレプトアビジンで固有に検出可能な分子、又は検出可能な酵素、蛍光化合物、若しくは化学発光化合物など、シグナリング系のいずれかの分子に共有結合により結合する。 本発明の複合体の成分を、例えば酵素又はフルオロフォアとのコンジュゲーションよってシグナルを発生する化合物に直接コンジュゲートすることもできる。標識として対象となる酵素は、主にヒドロラーゼ、特にホスファターゼ、エステラーゼ及びグリコシダーゼ、又はオキシドレダクターゼ、とりわけペルオキシダーゼであろう。蛍光化合物としては、フルオレセイン及びその誘導体、ローダミン及びその誘導体、ダンシル、ウンベリフェロン等が挙げられる。化学発光化合物としては、ルシフェリン、及び2,3−ジヒドロフタラジンジオン類、例えばルミノールが挙げられる。使用しうる種々の標識化又はシグナル発生システムの総括については、米国特許第4,391,904号を参照されたい。 標識を検出する手段は、当業者に公知である。よって、例えば標識が放射性標識である場合、検出のための手段として、シンチレーションカウンター、又はオートラジオグラフィーのような写真用フィルムが挙げられる。標識が蛍光剤標識である場合、適切な波長の光で蛍光色素を励起し、その結果生じた蛍光を検出することで検出を行うとよい。蛍光は、目視、写真用フィルム、電荷結合素子(CCD)などの電子的検出器の使用、又は光電子増倍管等により検出するとよい。同様に、酵素に対する適切な基質を提供し、その結果生じる反応産物を検出することによって、酵素標識を検出してもよい。最後に、単純な比色標識を用い、標識に由来する色を観察することによって簡単に検出してもよい。このような種々のディップスティックアッセイでは、コンジュゲートされた金は淡紅色に見え、一方コンジュゲートされた様々なビーズはそのビーズの色に見える。 蛍光剤標識は、取り扱い上必要とされる注意事項がほとんどなく、かつ高効率可視化技術(コンピュータを含む集積システムにおける解析用の画像のデジタル化を含めた光学的解析)に適応するという利点を有するため、現在はこの方法が望ましい。望ましい標識は、望ましくは、高感度、高安定性、低バックグラウンド、低環境感度、及び標識化における高特異性、の一つ以上の特徴を有するのが望ましい。多くの蛍光剤標識が、SIGMA chemical company(Saint Louis、MO)、Molecular Probes(Eugene、OR)、R&Dsystems(Minneapolis、MN)、Pharmacia LKB Biotechnology(Piscataway、NJ)、CLONTECH Laboratories,Inc.(Palo Alto、CA)、Chem Genes Corp.、Aldrich Chemical Company(Milwaukee、WI)、Glen Research,Inc.、GIBCO BRL Life Technologies,Inc.(Gaithersburg、MD)、Fluka Chemica−Biochemika Analytika(Fluka Chemie AG、Buchs、Switzerland)、及びApplied Biosystems(Foster City、CA)、更には当業者に公知の他の業者から市販されている。更に、当業者であれば特定の用途に適切なフルオロフォアをどのように選択するかを考察するはずであり、それが商業的に容易に入手できない場合は、必要なそのフルオロフォアをデノボ合成、又は市販の蛍光化合物を合成的に修飾して所望の蛍光剤標識を調製するであろう。 本発明では、小分子フルオロフォアに加え、天然の蛍光蛋白質、及びかかる蛋白質の修飾アナログが有用である。このような蛋白質として、例えば刺胞動物の緑色蛍光蛋白質(Wardら、Photochem.Photobiol.35:803−808(1982);Levineら、Comp.Biochem.Physiol、72B:77−85(1982))、Vibrio flscheri株由来の黄色蛍光蛋白質(Baldwinら、Biochemistry 29:5509−15(1990))、渦鞭毛藻類Symbiodinium sp.由来のペリジニン−クロロフィル(Morrisら、Plant Molecular Biology 24:673:77(1994))、Synechococcusなどの海生シアノバクテリア由来のフィコビリン蛋白質、例えば、フィコエリトリン及びフィコシアニン(Wilbanksら、J.Biol.Chem.268:1226−35(1993))等が挙げられる。 概して、サイトトキシンとターゲッティング(又はその他)薬剤と、任意にスペーサー基との結合を形成する前に、化学官能基の少なくとも一つが活性化されると考えられる。当業者であれば、ヒドロキシ、アミノ、及びカルボキシ基を含む種々の官能基を、種々の標準法及び条件を用いて活性化できることを想定するであろう。例えば、サイトトキシン又はターゲッティング試薬のヒドロキシル基をホスゲンで処置して対応するクロロホルメートを形成するか、又はp−ニトロフェニルクロロホルメートで対応する炭酸塩を形成することで活性化できる。 望ましい実施形態において、本発明は、カルボキシル官能基を有するターゲッティング試薬を活用する。カルボキシル基は、例えば対応するハロゲン化アシル又は活性エステルへの変換によって活性化されうる。この反応は、March、前出、388〜89頁に例示された種々の条件下にて実施するとよい。望ましい実施形態において、ハロゲン化アシルは、カルボキシルを含む基と塩化オキサリルとの反応で調製される。活性化された薬剤を、サイトトキシン又はサイトトキシン−リンカーアームの組み合わせと反応させて、本発明の複合体を形成させる。当業者であれば、カルボキシルを含むターゲッティング試薬の使用は単なる例示にすぎず、多くの他の官能基を有する薬剤を本発明のリンカーにコンジュゲートできることに想到するであろう。反応性官能基 例示を明瞭にするため、以下では本発明のサイトトキシンのターゲッティング試薬へのコンジュゲーションに焦点を絞る。その焦点は、本発明の実施形態の一つを例証するものであり、その他の形態は当業者によって容易に想到されると考えられる。なお、単一の実施形態に議論の焦点を絞ることにより、本発明がいささかも限定されるものではない。 望ましい本発明の化合物は、反応性官能基を担持し、これは概して置換若しくは非置換アルキル又はヘテロアルキル鎖上に位置しており、それらが別の分子種への付着を容易にする。反応性部分に対する好都合な位置は、鎖の末端である。 本発明を実施する上で有用な反応性官能基及び反応区分は、バイオコンジュゲートの分野において公知のものである。反応性官能基は保護されても保護されなくてもよく、その部分の保護特性は有機合成の技術分野において公知の方法により変化させてもよい。反応性サイトトキシンアナログと共に得られる、望ましい反応の区分は、比較的穏やかな条件下にて進行するものである。これらには、求核置換(例えば、アミン類及びアルコール類と、アシルハロゲン化物、活性エステル類との反応)、求電子置換(例えば、エナミン反応)、並びに炭素−炭素及び炭素−ヘテロ原子多価結合への付加(例えば、マイケル反応、ディールズ・アルダー付加)の反応が挙げられるが、これらに限定されない。これら又は他の有用な反応は、例えば、March、ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY、第3版、John Wiley&Sons、New York、1985;Hermanson、BIOCONJUGATE TECHCHNIQUES、Academic Press、San Diego、1996;及びFeeneyら、MODIFICATION OF PROTEINS;Advances in Chemistry Series、198巻、American Chemical Society、Washington,D.C.、1982に報告されている。 反応型の例として、カルボキシル基及びその様々な誘導体の反応型が挙げられ、その例としてN−ヒドロキシスクシンイミドエステル、N−ヒドロキシベンズトリアゾールエステル、酸ハロゲン化物、アシルイミダゾール類、チオエステル類、p−ニトロフェニルエステル、アルキル、アルケニル、アルキニル及び芳香族エステルが挙げられるが、これらに限定されない。ヒドロキシル基は、エステル、エーテル、アルデヒド等に変換することができる。ハロアルキル基は例えば、アミン、カルボキシルアニオン、チオールアニオン、カルバニオン、又はアルコキシドイオンとの反応によって新しい種へと変換される。ジエノフィル(例えば、マレイミド)基は、ディールズ・アルダー反応に関与する。アルデヒド又はケトン基は、イミン類、ヒドラゾン類、セミカルバゾン類若しくはオキシム類に、又はグリニヤール付加若しくはアルキルリチウム付加などの機構を介して変換することができる。スルホニルハロゲン化物は、容易にアミンと反応して、例えばスルホアミドを形成する。アミン又はスルフヒドリル基は、例えば、アシル化、アルキル化、又は酸化される。アルケン類は、環化付加、アシル化、マイケル付加等を使用して、新しい種のアレイに変換することができる。エポキシド類は、アミン類及びヒドロキシル化合物と容易に反応する。 当業者であれば、これらの多くの結合が、種々の方法及び条件を使用して形成させうることを容易に理解するであろう。エステルの調製については、例えば、March、前出、1157を参照;チオエステルについては、March、前出、362−363、491、720−722、829、941、及び1172を参照;炭酸塩については、March、前出、346−347を参照;カルバミン酸塩については、March、前出、1156−57を参照;アミドについては、March、前出、1152を参照;尿素及びチオ尿素については、March、前出、1174を参照;アセタール及びケタールについては、Greeneら、前出、178−210及びMarch、前出、1146を参照;アシルオキシアルキル誘導体については、PRODRUGS:TOPICAL AND OCULAR DRUG DELIVERY、K.B.Sloan、編、Marcel Dekker,Inc.、New York、1992を参照;エノールエステルについては、March、前出、1160を参照;N−スルホニルイミド酸塩については、Bundgaardら、J.Med.Chem.、31:2066(1988)を参照;無水物については、March、前出、355−56、636−37、990−91、及び1154を参照;N−アシルアミドについては、March、前出、379を参照;N−マンニッヒ塩基については、March、前出、800−02、及び828を参照;ヒドロキシメチルケトンエステルについては、Petracekら、Annals NY Acad.Sci.、507:353−54(1987)を参照;ジスルフィドについては、March、前出、1160を参照;ホスホネートエステル及びホスホンアミデート類。 反応性官能基は、それらが反応に関与又は干渉することのないように、脱保護又は選択されることができる。あるいは、反応性官能基は保護基の存在によって、反応への関与から保護されうる。当業者であれば、選択した反応条件で特定の官能基を干渉からどのように保護するかを理解するであろう。有用な保護基の例については、Greeneら、PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC 合成、John Wiley&Sons、New York、1991を参照されたい。 望ましくは、標準的な化学技術を用い、それらのそれぞれの化学官能基を介してターゲッティング試薬をサイトトキシンに共有結合させる。任意に、リンカー又は薬剤は1以上のスペーサー基を介して薬剤にカップリングされる。スペーサー基は、組み合わせて使用する場合、同じか又は異なるものが使用可能である。 概して、サイトトキシンと反応性官能基とを連結させる前に、化学官能基、及び任意にスペーサー基、の少なくとも一つが活性化される。当業者であれば、ヒドロキシ、アミノ、及びカルボキシ基を含めた様々の化学官能基が、種々の標準法及び条件を用いて活性化できることを理解するであろう。望ましい実施形態において、本発明は、反応性官能基としてカルボキシル官能基を含む。カルボキシル基は、以上に記載のとおり活性化するとよい。医薬組成物及び投与 別の望ましい実施形態において、本発明は、本発明の化合物及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。 付加塩又はその水和物などの医薬的に許容される担体を含む、本願明細書に記載の化合物は、多種多様な投与の経路又は態様を使用して患者に投与することができる。望ましい投与の経路として、吸入、経皮、経口、直腸内、経粘膜、経腸及び非経口投与、更に筋肉内、皮下及び静脈内注射が挙げられるが、これらに限定されない。望ましくは、標的部分として抗体又は抗体断片を含んでいる本発明の複合体は、非経口的に投与され、更に望ましくは静脈内に投与される。 本発明において、「投与する」又は「投与」の用語は、化合物を、その意図する作用部位に直接及び間接的に輸送するためのあらゆる手段を包含することが意図される。 本願明細書に記載の化合物、又は医薬的に許容される塩、及び/若しくはその水和物は、単体で、本発明の他の化合物と組み合わせて、及び/又は他の治療薬と組み合わせたカクテルにて投与してもよい。当然、本発明の化合物と共に投与できる治療薬の選択は、部分的に、処理される条件に依存する。 例えば、オートインデューサーに依存する生物によって引き起こされる症状を呈する患者に投与する場合、本発明の化合物は、一般的にその疾病に伴う疼痛、感染及び他の症状及び副作用を処置するのに使用される薬剤を含有する混合液にて投与することができる。このような薬剤として、例えば、鎮痛薬、抗生物質等が挙げられる。 癌治療を受けている患者に投与する場合、化合物は、抗癌剤及び/又は捕捉の増強剤を含有するカクテルにて投与するとよい。また、化合物は、制吐剤、放射性防護剤等の放射線療法の副作用を処置する薬剤を含有するカクテルにて投与してもよい。 本発明の化合物と一緒に投与することのできる増強剤として、例えば、三環系抗うつ剤(例えば、イミプラミン、デシプラミン、アミトリプチリン、クロミプラミン、トリミプラミン、ドキセピン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、アモキサピン及びマプロチリン);非環系抗うつ剤(例えば、セルトラリン、トラゾドン及びシタロプラム);Ca2+拮抗剤(例えば、ベラパミル、ニフェジピン、ニトレンジピン及びカロベリン);アンホテリシン;トリパラノールアナログ(例えば、タモキシフェン);抗不整脈剤(例えば、キニジン);降圧剤(例えば、レセルピン);チオール枯渇剤(例えば、ブチオニン及びスルホキミン);並びにカルシウムロイコボリンが挙げられる。 本発明の活性化合物(単数又は複数種)は、それ自体で、又は活性化合物(単数又は複数種)を1以上の医薬的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と混和している医薬組成物の形態で投与される。本発明により使用する医薬組成物は、望ましくは、賦形剤及び助剤であって、医薬上使用することのできる組成物への活性化合物の加工を円滑にするものを含む、1以上の生理的に許容される担体を使用して従来の方法で製剤化する。適切な剤形は、選択した投与の経路に依存する。 経粘膜投与の場合、浸透すべきバリアに適合した浸透剤が組成物に使用される。このような浸透剤は、概して、当該技術分野において公知である。 経口投与の場合、活性化合物(単数又は複数種)を、当該技術分野において公知の医薬的に許容される担体と組み合わせることによって、化合物を容易に製剤化することができる。このような担体を用い、患者による経口摂取用に、本発明の化合物を、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤等に製剤化することが可能となる。固体賦形剤を用い、得られる混合物を任意に粉砕し、必要に応じて望ましい助剤を添加した後に、顆粒の混合物を処理することによって錠剤又は糖衣錠コアを得て、経口用の医薬調製物を得ることができる。望ましい賦形剤は、具体的には、乳糖、スクロース、マンニトール、又はソルビトールを含む糖などの充填剤;例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)などのセルロース調製物である。必要に応じ、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸若しくはアルギン酸ナトリウムなどのその塩等といった崩壊剤を添加してもよい。 糖衣錠コアには、望ましいコーティングが施される。この目的のためには、濃縮糖溶液を用いるとよく、これは任意に、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、及び望ましい有機溶媒又は溶媒混合液を含有しうる。識別のため、又は活性化合物の用量の異なる組み合わせの特徴を示すために、錠剤又は糖衣錠コーティングに染料又は色素を添加してもよい。 経口的に使用することのできる医薬調製物として、ゼラチンで作ったプッシュフィット式カプセル剤や、ゼラチン、及びグリセロール又はソルビトールなどの可塑剤で作った密封軟カプセル剤が挙げられる。プッシュフィット式のカプセル剤は、乳糖などの充填剤、デンプンなどの結合剤、及び/又はタルク若しくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、並びに、任意に安定化剤と混和している有効成分を含有することができる。軟カプセル剤では、活性化合物は、脂肪油、液体パラフィン、又は液体ポリエチレングリコールなどの望ましい液剤中に溶解又は懸濁するとよい。更に、安定化剤を添加してもよい。経口投与用のすべての製剤は、このような投与に望ましい薬用量とされるべきである。 口腔内投与の場合、組成物は従来法にて製剤化される錠剤又はロゼンジ剤の形態を取るとよい。 吸入による投与の場合、本発明に使用する化合物は、エアロゾルスプレー付与の形態で、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の望ましいガスなどの望ましい噴霧剤を共に使用して圧縮パック又は噴霧器から輸送するのが便宜的である。加圧エアロゾルの場合、単位用量を輸送するバルブを設けることにより、薬用量単位を決定することができる。吸入器又は通気器に用いる例えばゼラチン製のカプセル剤及び薬包は、化合物と、望ましい粉末基剤、例えば乳糖又はデンプンとを粉体混合物として含む製剤とするとよい。 化合物は、例えば大量瞬時投与又は持続注入によるなど、注射による非経口的投与用に製剤化してもよい。注射が、本願発明の組成物にとって望ましい投与の方法である。注射用製剤は、単位剤形にて、例えば、保存剤を添加して多服用量容器中に、又はアンプル中に提供されるとよい。組成物は、油性又は水性溶剤の懸濁剤、溶液剤、又は乳化剤などの形態を取ってもよく、懸濁、安定化などの製剤用薬剤を含んでもよく、及び/又は架橋ポリビニルピロリドン、寒天又はアルギン酸若しくはアルギン酸ナトリウムなどのその塩、などといった分散剤を添加してもよい。 非経口的投与用の医薬組成物として、可溶型の活性化合物の水溶液が挙げられる。また、活性化合物の懸濁剤を、適当な油性注射用懸濁剤として調製してもよい。望ましい親油性溶媒又は溶剤として、ゴマ油などの脂肪油、又はオレイン酸エチル若しくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、又はリポソームが挙げられる。水性注射用懸濁剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、又はデキストランなどの、懸濁剤の粘度を増加させる物質を含有してもよい。懸濁剤は、望ましい安定化剤、又は化合物の溶解性を高めて高濃縮溶液の調製を可能とする薬剤も任意に含有してよい。注射用には、水溶液中、望ましくはハンクス液、リンゲル液、又は生理食塩水緩衝液などの、生理的に適合性の緩衝液中で、本発明の薬剤を製剤化するとよい。 あるいは、有効成分は、使用前に望ましい溶剤、例えば、滅菌発熱性物質除去水で構成するための粉末形態としてもよい。 化合物は更に、例えば従来から用いられているココアバター又はその他のグリセリド類などの座剤の基剤を含有させて、座剤又は滞留浣腸剤などの直腸内投与剤にも製剤化しうる。 以上に記載の製剤に加えて、化合物はデポ製剤として製剤化してもよい。このような長時間作用型の製剤は、埋没又は経皮的輸送(例えば、経皮的、若しくは筋肉内)、筋肉内注射又は経皮パッチ剤によって投与しうる。このようにして、例えば、望ましいポリマー材料若しくは疎水性材料(例えば、許容されるオイルの乳剤として)又はイオン交換樹脂で、又は難溶性誘導体として、例えば難溶性塩として、化合物を製剤化しうる。 医薬組成物は、適切な固体又はゲル状担体又は賦形剤を含んでもよい。このような担体又は賦形剤の例として、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖類、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、及びポリエチレングリコールなどのポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。 望ましい医薬組成物は、静脈内注射などの注射用に製剤化された組成物であり、医薬組成物の総重量100重量%に対して約0.01%〜約100重量%の薬剤−リガンド複合体を含む。薬剤−リガンド複合体は、抗体−サイトトキシン複合体であってよく、この抗体は、特定の癌に標的化するように選択されている。ライブラリー 更に本発明の範囲に包含されるのは、サイトトキシン、サイトトキシン−リンカー及びサイトトキシンの薬剤−リンカー複合体、並びに本発明のリンカーのライブラリーである。典型的なライブラリーには、少なくとも10の化合物、より望ましくは少なくとも100の化合物、更に一層望ましくは少なくとも1000の化合物、及び更になお望ましくは少なくとも100,000の化合物が含まれている。ライブラリーは、例えば細胞毒性、酵素、又は他の切断試薬によるリンカーの切断などといった特定の性質につき容易に解析される形態にある。形態の例としては、チップ形式、マイクロアレイ等が挙げられる。 平行、又はコンビナトリアル合成は、その主要目的として、本願明細書全体で足場(scaffold)と称している共通の特徴をすべてが共有している多様な分子のライブラリーを作製するものである。足場分子の可変部分の各々で、異なる部分を置換することによって、ライブラリーで探索可能なスペースの量が増大する。理論及び近代医療化学によれば、所定の生物学的標的に対する所定の化合物の有効性を判定する上で、占有スペースの概念が重要な因子として提唱されている。標的スペースの大部分を探索する、分子の多様なライブラリーを作り出すことによって、有効性の高いリード化合物を明らかにする見込みが劇的に増大する。 平行合成は概して、ポリマー樹脂などの固相支持体上で行う。足場、すなわち他の望ましい中間体は、化学リンカーによって切断可能に樹脂に係留される。粒子に係留された状態で、足場を修飾する反応を行う。試薬及び/又は反応条件の変更によって、各々のライブラリーの特徴となる構造上の多様性が生じる。 「小」分子(200〜1000の分子量の非オリゴマー)の平行合成は、1990年より前にはほとんど試みられていなかった。例えば、Campsら、Annaks de Quimica、70:848(1990)を参照されたい。近年、Ellmannは、いくつかのプロスタグランジンとβターン模倣物と共に、11のベンゾジアゼピンアナログを固相支持で平行(「コンビナトリアル」とも称される)合成することを開示した。これらの開示は、米国特許第5,288,514号に例証されている。小分子の平行合成の、関連する別の開示は、米国特許第5,324,483号にも認められる。この特許は、各々16の異なる足場にある4〜40の化合物の平行合成を開示している。Chenらも、有機合成ストラテジーを応用し、ポリマー支持体上の多工程プロセスを使用して合成した非ペプチドライブラリーを開発している(Chenら、J.Am.Chem.Soc.、116:2661−2662(1994))。 一旦、特有の化合物のライブラリーが調製されれば、出発点として自己誘導物質のライブラリーを使用し、本願明細書に記載の方法を用いて免疫複合体又は抗体のライブラリーを調製することができる。キット 別の特徴において、本発明は、本発明の化合物又は組成物の1以上と、その化合物又は組成物を使用するための注意表示を含むキットを提供する。望ましい実施形態において、本発明は、本発明のリンカーアームを別の分子にコンジュゲートするためのキットを提供する。キットは、リンカー及びリンカーを特定の官能基に付着させるための注意表示とを備えている。キットはまた、細胞毒性薬剤、ターゲッティング試薬、検出可能な標識、医薬用の塩、又は緩衝液の一つ以上を備えていてもよい。キットは更に、容器、一つ以上のバイアル、試験管、フラスコ、瓶、又はシリンジを任意に備えていてもよい。キットに関する他の様式は当業者にとって明らかであり、本発明の範囲に含まれる。精製 別の望ましい実施形態において、本発明は、リガンドX4に結合する、本発明のリガンド−サイトトキシンに対する分子標的を単離するための方法を提供する。その方法は、望ましくは、標的を含む細胞性製剤を固定化化合物に接触させ、これによって受容体と固定化化合物との間で複合体を形成することを含む。 本発明のサイトトキシンは、当該技術分野で公知のいずれかの手段によって、アフィニティ支持体上に固定化することができる。あるいは、本発明のリンカーの一つ以上を使用してサイトトキシンを固定化することができる。 更に別の望ましい実施形態において、本発明は、本発明のリンカーを含む、アフィニティ精製マトリックスを提供する。 標的を単離する本発明の方法は、望ましくは、一つ以上のアフィニティクロマトグラフィー技術を利用するものである。アフィニティクロマトグラフィーで、生物学的分子又はバイオポリマーなどの種の、特定の支持構造体の認識部位に対する特異性の高い結合能を利用することにより、効率よく単離することが可能になる。アフィニティクロマトグラフィー支持体、架橋材料、リガンド、並びにそれらの製剤及び用途などのこのような話題を含め、アフィニティクロマトグラフィーの主題についての記事、モノグラフ及び本などの文献が多く存在する。列挙すべきそれらの参照文献として:Ostrove、Methods Enzymol.182:357−71(1990);Ferment,Bioeng.70:199−209(1990)、Huangら、J.Chromatogr.492:431−69(1989);「ヘパリンセファロースアフィニティクロマトグラフィーによる酵素の精製」J.Chromatogr.、184:335−45(1980);Farooqi、Enzyme Eng.、4:441−2(1978);Nishikawa、Chem.Technol、5(9):564−71(1975);Guilfordら、PRACT.HlGH PERFORM. LlQ.CHROMATOGR.、Simpson(編)、193−206(1976);Nishikawa、Proc.Int.Workshop Technol Protein Sep.Improv.Blood Plasma Fractionation、Sandberg(編)、422−35;(1977)「酵素のアフィニティクロマトグラフィー」、Affinity Chromatogr.、Proc.Int.Symp.25−38,(1977)(出版1978);及びAFFINITY クロマトグラフィー: A PRACTICAL APPROACH、Deanら、(編)、IRL Press Limited、Oxford、England(1985)が挙げられる。当業者は、本発明の材料を利用して特定のアフィニティクロマトグラフィー法を開発する際の指針とすることができる。 本発明の方法において、様々な化学構造のアフィニティクロマトグラフィー媒体を支持体として使用することができる。例えば、アガロースゲル及び架橋アガロースゲルは、それらの親水性により非特異的結合が比較的防止できるため、支持材料として有用である。他の有用な支持体として、例えば、微細孔性ガラス(CPG)ビーズ、セルロース粒子、ポリアクリルアミドゲルビーズ、並びにデキストラン及びエピクロロヒドリンから作製されたセファデックス(登録商標)ゲルビーズが挙げられる。薬剤−リガンドのコンジュゲート方法及び用途 上記の組成物及び構成物に加えて、本発明はまた、本発明の化合物及び複合体を利用して実施することができる数多くの方法も提供する。本願発明の薬剤−リガンド複合体を使用する方法として挙げられるのは、腫瘍細胞又は癌細胞の成長又は複製の停止又は阻止、癌の処置、前癌状態の処置、自己免疫抗体を発現する細胞の成長又は複製の停止又は阻止、自己免疫疾患の処置、感染症の処置、腫瘍細胞又は癌細胞の増殖の予防、癌の予防、自己免疫抗体を発現する細胞の増殖の予防、自己免疫疾患の予防、及び感染症の予防等が挙げられる。これらの使用方法には、哺乳動物又はヒトなどの患者動物に、有効量の薬剤−リガンド複合体を投与することが含まれる。本願明細書に記載の使用方法の多くにおいて望ましいリガンドとして、特定の腫瘍細胞、癌細胞、又は他の標的領域を標的化する抗体及び抗体断片が挙げられる。 本願発明の薬剤−リガンド複合体は、動物の癌、自己免疫疾患及び感染症を処置するのに有用である。医薬的に有効な量の本発明の組成物を用い、医薬的に許容されるように患者にその組成物を提供することによる、腫瘍を処置するための組成物及び方法が提供される。 本願発明は、癌の処置ため、及び動物での腫瘍細胞又は癌細胞の増殖の阻害のために特に有用である。癌、又は前癌状態として、腫瘍、転移、又は無秩序な細胞成長によって特徴付けられるいずれの疾病若しくは障害(これらに限定されない)が挙げられ、これを本願発明の薬剤−リガンド複合体の投与によって処置又は予防することができる。複合体は、薬剤を腫瘍細胞又は癌細胞に輸送する。一実施形態において、リガンドは、癌細胞又は腫瘍細胞関連抗原に特異的に結合又は会合する。リガンドと近接するため、薬剤は、例えば、受容体が媒介するエンドサイトーシスによって腫瘍細胞又は癌細胞内部に取り込まれることができる。抗原は、腫瘍細胞若しくは癌細胞に付着させることができ、又は腫瘍細胞若しくは癌細胞に会合する細胞外マトリックス蛋白質であることもできる。一旦細胞内に入れば、リンカーは、腫瘍細胞又は癌細胞関連プロテアーゼによって加水分解的に切断され、これにより薬剤を放出する。放出された薬剤は、その後は自由に拡散し、細胞毒性活性を発揮する。他の実施形態において、薬剤は腫瘍細胞又は癌細胞の外で薬剤−リガンド複合体から切断され、その後薬剤が細胞に浸透する。 リガンドは、例えば、腫瘍細胞若しくは癌細胞、腫瘍細胞若しくは癌細胞の表面上の腫瘍細胞若しくは癌細胞抗原、又は腫瘍細胞若しくは癌細胞に会合する細胞外マトリックス蛋白質である腫瘍細胞若しくは癌細胞抗原に結合しうる。リガンドは、特定の腫瘍細胞又は癌細胞型に対して特異的に設計することができる。したがって、効果的に処置できる腫瘍又は癌の型を、リガンドの選択によって変更することができる。 薬剤−リガンド複合体により標的化されうる前癌状態の代表的な例として、化生、過形成、異形成、結腸直腸ポリープ、光線性角化症、光線性口唇炎、ヒトパピローマウイルス症、白斑症、扁平苔癬及びボーエン病が挙げられるが、これらに限定されない。 薬剤−リガンド複合体によって標識化されうる癌又は腫瘍の代表的な例として、肺癌、大腸癌、前立腺癌、リンパ腫、黒色腫、乳癌、卵巣癌、睾丸癌、CNS癌、腎癌、腎癌、膵臓癌、胃癌、口腔癌、鼻腔癌、子宮頚癌及び白血病が挙げられるが、これらに限定されない。当業者には、薬剤で処置すべき腫瘍組織にその薬剤を標的化させるように、複合体で使用する特定の標的リガンドを選択できる(すなわち、腫瘍特異性抗原に対して特異的なターゲッティング試薬を選択する)ことが容易に明らかになるであろう。このような標的リガンドの例は、当該技術分野においてよく知られており、限定的でないその例として、乳癌の処置には抗Her2、リンパ腫の処置には抗CD20、前立腺癌の処置には抗PSMA、及び非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫に対して抗CD30が挙げられる。 実施形態において、本発明は、細胞を死滅させる方法を提供する。この方法は、細胞に本発明の化合物の当該細胞を死滅させるのに充分な量を投与することを含む。望ましい実施形態において、化合物は、その細胞を担持している患者に投与される。更なる望ましい実施形態において、投与は、その細胞(例えば、細胞は腫瘍細胞でありうる)を含む腫瘍の成長を遅延又は停止させるのに有用である。成長を遅延させるための投与について、細胞の成長速度は、投与前の成長速度の少なくとも10%は低くなるのが望ましい。更には、成長速度は少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%遅延され、又は完全に停止するのが望ましい。有効投薬量 本発明で使用するのに望ましい医薬組成物として、治療上有効な量、すなわち、意図した目的を成し遂げるのに有効な量の有効成分を含有している組成物が挙げられる。特定の用途に有効な実際の量はとりわけ、処置すべき状態に依存するものである。有効量の決定は、特に本願明細書の詳細な開示に鑑み、当業者が充分なしうる。 本願明細書に記載のいずれの化合物についても、治療上有効な量を最初に細胞培養アッセイにより調べることができる。標的血漿濃度は、細胞成長又は分裂を阻害することができる活性化合物(単数又は複数)の濃度となる。望ましい実施形態において、細胞活性は少なくとも25%阻害される。又は、少なくとも約50%、75%、更には90%以上の細胞活性の阻害を誘発できる活性化合物(単数又は複数)の標的血漿濃度が、現在のところ望ましい。患者における細胞活性の阻害の割合をモニターし、達成される血漿薬剤濃度の適切さを評価でき、所望の阻害割合が得られるように増減して薬用量を調整することができる。 当該技術分野において公知であるように、ヒトで使用するのに治療上有効な量は動物モデルから決定することもできる。例えば、ヒト用の投薬量は、動物で有効であると見出されている循環濃度を得るように製剤化できる。ヒトでの薬用量は、細胞阻害をモニターし、上記のように薬用量を増減して調整することができる。 治療上有効な投薬量は、類似の薬理学的活性を呈することが知られている化合物に対するヒトのデータから決定することもできる。適用される薬用量は、相対的な生物学的利用能、及び投与化合物の既知化合物と比較した作用強度に基づいて調整することができる。 上記の方法、及び当該技術分野において公知である他の方法に基づき、ヒトで最高の効能を達成する薬用量を調整することは、当業者が充分なしうる範囲内にある。 局所投与の場合、投与化合物の全身循環濃度は、特別に重要ではない。このような場合、意図した結果を得るのに有効な局部領域での濃度となるように、化合物を投与する。 異常な細胞性増殖に関わる疾病の予防及び/又は処置における使用のため、約0.001μM〜20μMの投与化合物の循環濃度が好ましく、更に約0.01μM〜5μMが望ましい。 本願明細書に記載の化合物の経口投与に対する患者の薬用量は、望ましくは約1mg/日〜約10,000mg/日、より望ましくは約10mg/日〜約1,000mg/日、最も望ましくは約50mg/日〜約500mg/日の範囲にある。患者の体重に換算すると、典型的な薬用量は、約0.01〜約150mg/kg/日、更に望ましくは約0.1〜約15mg/kg/日、最も望ましくは約1〜約10mg/kg/日の範囲、例えば、5mg/kg/日、又は3mg/kg/日である。 投与のその他の態様については、用量及び間隔を、処置すべき特定の臨床適応症に対して有効な投与化合物の血漿レベルをもたらすように、個々に調整することができる。例えば、一実施形態において、本発明による化合物は、1日に何度も、比較的高濃度で投与される。あるいは、本発明の化合物を最低有効量投与し、より頻度の少ない投与計画を用いることがより望ましい。これにより、個々の疾病の重症度に見合う治療計画が提供されることになる。 本願明細書における開示を応用して、実質的な毒性を引き起こさず、しかも特定の患者によって示される臨床的症状を処置するのに完全に有効な、治療法を計画することができる。この計画には、化合物の作用強度、相対的生物学的利用能、患者の体重、望まない副作用の存在及び重度、望ましい投与の形態及び選択薬剤の毒性プロファイルなどの因子を考慮することにより、活性化合物を注意深く選択することが含まれる。 本発明の化合物、組成物及び方法は、以下の実施例によって更に例証される。なお、これらの実施例は例示のために提供するものであり、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。材料及び方法 以下の実施例においては、特に明記しない限り、温度は摂氏(℃)程度である。反応は室温又は常温で行われ(概して約18〜25℃の範囲);溶媒の蒸発は60℃までの浴槽温度において減圧(概して、4.5〜30mmHg)下で回転蒸発器を使用して行い;反応後にTLCを行い反応時間は例示目的のために提供され;融点は訂正せず;精製物は良好な1H−NMR及び/又は微量分析データを示し;収率は例示目的のために提供され;以下の一般的な略記が使用される:mp(融点)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、mmol(ミリモル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、min(分)、LC−MS(液体クロマトグラフィ−質量分析)及びh(時間)。 1H−NMRスペクトルは、Varian Mercury 300MHz分光計にて測定され、推定された構造式と一致した。化学シフトは、テトラメチルシランから100万分率(ppm)において表示された。電子スプレー質量スペクトルは、パーキン・エルマーSciex API 365質量分析計に記録された。基本的な分析は、Robertson Microlit Laboratories, Madison, NJによって行われた。フラッシュクロマトグラフィーのシリカゲルは、E.メルク等級(230−400のメッシュ)を使用した。逆相HPLCは、HP 1100又はバリアンProStar 210において、Phenomenex Lunaの5μm C−18(2)150mm×4.6mmのカラム又はVarian Microsorb−MV 0.1μm C−18 150mm×4.6mmのカラムを用いて行われた。1mL/分の流速で、254nmのUVで15分にわたる0%〜50%の緩衝液Bの勾配又は10分にわたる10%〜100%の緩衝液Bの勾配によって検出した。なお、緩衝液Aは20mMギ酸アンモニウム塩+20%アセトニトリル又は0.1%のトリフルオロ酢酸のアセトニトリル溶液であり;緩衝液Bは20mMのギ酸アンモニウム塩+80%アセトニトリル又は0.1%のトリフルオロ酢酸水溶液である。逆相HPLCは、Varian ProStar 215計測器で、Waters Delta Pak 15μm C−18 300mm×7.8mmカラムを用いて行った。(実施例1)ペプチドリンカー複合体の合成1.1a 合成方法1.1b 化合物1の合成:N−[2’−(N’−tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−エチル]−バリン tert−ブチルエステル 2(N−tert−ブトキシカルボニル−アミノ)エチルブロミド(1g、4.5mmol)及びバリン tert−ブチルエステル(0.936g、4.5mmol)のDMF(10mL)溶液に、炭酸カリウム(1.85g、13.5mmol)を添加した。得られた混合液を、一晩100℃で撹拌した。反応混合液を濃縮し、残った物質をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィにより、酢酸エチル/ヘキサン(3/7)を用いて溶出し、油状物質(0.16g、12%)として表題の化合物を得た。分析の結果、1H NMR(CDCl3)δ0.94(ft,6H),1.44(s,9H),1.473及び1.475(2s,9H),1.88(m,1H),2.51(m,1H),2.78(m,2H),3.11(m,1H),3.22(m,1H),3.39及び4.13(2bt,1H),5.00(bs,1H)ppm;LC−MS(ESI)205(M+H+−112),261(M+H+−Bu),317(M+H+);であった。1.1c 化合物2の合成:N−(2−アミノエチル)バリン 化合物1(137mg、0.43mmol)を室温で、TFA/ジクロロメタン(2mL、1/1)溶液に溶解した。得られた混合液を30分間室温で撹拌した。上記反応溶液を乾燥して濃縮し、油状の標題の化合物(0.18g、95%)を得た。分析の結果、1H NMR(CD3OD)δ1.07及び1.16(2d,6H),2.35(m,1H),3.2(m,1H),3.38(m,4H)ppm;LC−MS(ESI)217(M+H+);であった。1.1d 化合物3の合成 マレイミド−dPEG4−NHSエステル(61mg、0.16mmol)のジクロロメタン溶液(2mL)に、化合物2(80.7mg、0.16mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(55.5μL、0.32mmol)のジクロロメタン(1mL)溶液を液滴により添加した。得られた混合溶液を一晩撹拌した。溶媒を遠心乾燥により除去し、残りの物質をジクロロメタンを有するシリカゲル上にてフラッシュクロマトグラフィにより洗浄した。その後、5%メタノールのジクロロメタン溶液から100%メタノールにより溶出し、無色の油状物(87mg、97%)として表題の化合物を得た。分析の結果、1H NMR(CDCl3)δ1.08(dd,6H),2.25(m,1H),2.49(t,2H),2.52(t,2H),3.10−3.79(m,25H),6.82(s,2H)ppm;LC−MS(ESI)559(M+H+);であった。1.1e 化合物4の合成:Fmoc−Cit−PABOH Fmoc−Cit−OH(1.0g、2.52mmol)及び4−アミノベンジルアルコール(341mg、2.77mmol)をジクロロメタン(10mL)及びメタノール(5mL)に溶解した溶液に、一盛の2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン[EEDQ](1.24g、5.04mmol)を添加した。混合液を暗所で16時間撹拌した。溶媒を遠心乾燥により除去し、白色固体の粉末のエーテル(100mL)懸濁液を得た。得られた懸濁液を5分間超音波破壊し、30分間静置し、白色固体を濾過により回収し、エーテルにより洗浄の後、真空乾燥した(1.23g、97%)。分析の結果、1H−NMR(DMSO)δ1.32から1.52(m,2H),1.52から1.74(dm,2H),2.86から3.06(dm,2H),4.1(M,1H),4.42(d,2H),5.07(t,1H),5.40(bs,2H),5.97(t,1H),7.19から7.95(m,12H),8.10(d,1H),9.97(s,1H)ppm;LC−MS(ESI)503.1(M+H+);であった。1.1f 化合物5の合成:Fmoc−Cit−PABC−PNP 化合物4(309mg、0.62mmol)及びp−ニトロフェニルクロロギ酸塩(372mg、1.85mmol)をテトラヒドロフラン(30mL)及び1−メチル2−ピロリジン(1mL)に溶解した溶液に、一盛のピリジン(100μL、1.23mmol)を添加した。得られた混合液を、30分間室温にて撹拌した。溶媒を遠心乾燥により除去し、残りの物質をジクロロメタンを有するシリカゲル上にてフラッシュクロマトグラフィにより洗浄した。更に3%メタノールから最終10%メタノールのジクロロメタン溶液により溶出し、白色固体(97.9mg、70%)として表題の化合物を得た。分析の結果、LC−MS(ESI)668(M+H+)であった。1.1g 化合物6の合成:Fmoc−Lys(Boc)−PABOH 化合物6を上記化合物4と同様に調製し、98%の収率にて得た。分析の結果、1H NMR(DMSO)δ1.40(s,9H),1.38(m,2H),1.50から1.74(dm,2H),3.04(t,2H),3.30(q,3H),4.19から4.31(m,2H),4.41(d,2H),4.55(s,2H),7.28から7.68(m,12H),8.00(d,1H)ppm;LC−MS(ESI)574(M+H+);であった。1.1h 化合物7の合成:Fmoc−LysfBoc)−PABC−PNP 化合物7を上記化合物5と同様に調製し、70%の収率にて得た。分析の結果、1H NMR(CD3Cl)δ1.44(s,9H),1.49−1.60(m,6H),1.73(m,1H),2.00(m,1H),3.11(m,1H),3.20(bs,1H),4.23(m,2H),4.46(bs,2H),4.67(bs,1H),5.56(bs,1H),7.28(m,2H),7.36−7.41(m,6H),7.59(m,4H),7.76(d,2H),8.26(dd,2H),8.45(bs,1H)ppm;LC−MS(ESI)639(M+H+−Boc),684(M+H+−Bu),739(M+H+),778(M+K+);であった。1.1i 化合物8の合成:Boc−Val−Cit−OH シトルリン(2.54g、14.50mmol)及び重炭酸ナトリウム(1.28g)の水溶液(40mL)に、Boc−Val−OSu(4.34g、13.81mmol)のジメトキシエタン(DME)溶液を添加した。混合液の溶解を促進するため、テトラヒドロフラン(10mL)を添加した。得られた混合液を室温にて一晩撹拌した。クエン酸水溶液(15%、75mL)を添加し、混合液を10% 2−プロパノール/酢酸エチル(2×100mL)により抽出した。有機層を塩水(2×150mL)により洗浄し、溶媒を遠心乾燥により除去した。得られた白色固体を5時間、真空乾燥し、その後エーテル(100mL)により処理した。短い超音波処理及び粉砕の後、白い固体生成物を濾過により回収した(1.39g、27%)。分析の結果、1H NMR(CD3OD)δ0.91(dd,3H),0.98(dd,3H),1.44(s,9H),1.70(m,2H),1.87(m,2H),2.02(m,2H),3.11(t,2H),3.89(t,1H),4.39(q,1H),8.22(d,1H)ppm;LC−MS(ESI)375(M+H+);であった。1.1j 化合物9の合成:Boc−Val−Cit−PABOH 化合物9を上記化合物4と同様に調製し、71%の収率にて得た。分析の結果、1H NMR(CD3OD)δ0.93及び0.97(2d,6H),1.44(s,9H),1.58(m,2H),1.75(m,1H),1.90(m,1H),2.05(m,1H),3.10(m,1H),3.19(m,1H),3.91(d,1H),4.52(m,1H),5.25(s,2H),7.40(d,2H),7.45(dd,2H),7.64(d,4H),8.29(dd,2H)ppm;LC−MS(ESI)480(M+H+);であった。1.1k 化合物10の合成:Boc−Val−Cit−PABC−PNP Boc−ValCit−PABOH(178mg、0.370mmol)のTHF(8mL)、CH2Cl2(4mL)溶液に、PNPクロロギ酸塩(160mg、0.80mmol)及びピリジン(65μL、0.80mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。酢酸エチル(100mL)及び10%クエン酸水溶液(50mL)を反応混合液に添加し、有機層を塩水により洗浄し、乾燥濃縮した。残りの物質をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィにて、5%のメタノールにより溶出し、白色固体(165mg、70%)として表題の化合物を得た。分析の結果、1H NMR(CD3OD)δ0.93(dd,3H),0.97(dd,3H),1.44(s,9H),1.58(m,2H),1.75(m,1H),1.89(m,1H),2.05(m,1H),3.10(m,1H)3.20(m,1H),3.90(d,1H),4.51(m,1H),4.55(s,2H),7.29(d,2H),7.55(d,2H)ppm;LC−MS(ESI)545(M+H+−Boc),645(M+H+),667(M+Na+),683(M+K+);であった。1.1l 化合物12aの合成 化合物11(20mg、0.078mmol)の酢酸エチル(5mL)懸濁液を20分間、HClガスによりバブリングした(最終的にその懸濁液は透明な溶液になった)。反応混合液を更に5分間撹拌し、更に乾燥濃縮し、黄色の固体(26mg、100%)として表題の化合物を得た。その化合物を更に洗浄せず、次の工程での使用に供した。分析の結果、LC−MS(ESI)260(M+H+−Cl),295(M+H+);であった。1.1m 化合物12bの合成 化合物11(20mg、0.078mmol)の酢酸エチル(5mL)懸濁液を20分間、HBrガスによりバブリングした(最終的にその懸濁液は透明な溶液になった)。反応混合液を更に5分間撹拌し、更に乾燥濃縮し、黄色の固体(33mg、100%)として表題の化合物を得た。その化合物を更に洗浄せず、次の工程での使用に供した。分析の結果、LC−MS(ESI)260(M+H+−Br),339(M+H+),341(M+H++2);であった。1.1n 化合物 13bの合成 化合物12a(26mg、0.078mmol)のDMF(2mL)の溶液に、5(2−ジメチルアミノエトキシ)−ベンゾフラン−2−カルボキシル酸(44mg、0.155mmol)及びEDC(30mg、0.155mmol)を添加した。得られた混合液を、室温にて2時間撹拌した。混合液を濃縮し、残りの物質をH2O/CH3CN/TFA(4/1.5/0.5、6mL)溶液に溶解し、フリーザーにて3時間保存した。その後、黄色の固体を濾過(35mg、85%)により回収した。分析の結果、1H NMR(CD3OD)δ2.67(s,3H),3.01(s,6H),3.34(m,2H),3.63(ft,1H),3.89(s,3H),3.91(m,1H),4.41(m,3H),4.54(m,1H),4.65(m,1H),7.20(dd,1H),7.36(d,1H),7.54(s,1H),7.59(d,1H),7.73(bs,1H),11.75(s,1H)ppm;LC−MS(ESI)490(M+H+−Cl),526(M+H+);であった。1.1o 化合物13cの合成 化合物12b(19mg、0.0387mmol)のDMF(2mL)の溶液に、5(2−ジメチルアミノエトキシ)−ベンゾフラン−2−カルボキシル酸の臭化水素塩(25mg、0.0775mmol)及びPS−カルボジイミド(82mg、mmol/g:0.94、0.0775mmol)を添加した。反応混合液を室温で24時間撹拌した。濾過の後、濾液を濃縮し、残りの物質をH2O/CH3CN/TFA(2/0.75/0.25、3mL)に溶解し、フリーザーにて3時間保存した。その後、黄色の固体を濾過により回収し、乾燥し、表題の化合物(18mg、82%)を得た。分析の結果、LC−MS(ESI)490(M+H+−Br),570(M+H+),572(M+H++2);であった。1.1p 化合物14aの合成 化合物13a(48mg、0.10mmol)のジクロロメタン(4mL)懸濁液を、−78℃にてp−ニトロフェニルクロロギ酸塩(80mg、0.40mmol)及びトリエチルアミン(56μL、0.40mmol)を添加した。混合液を徐々に室温に加温し、更に撹拌を30分間継続した。反応混合液に化合物N−Boc−N,N’−ジメチルエチレンジアミン(166mg、0.80mmol)を添加し、一晩撹拌した。混合液を濃縮し、残りの物質をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィにて、1.25%メタノールのジクロロメタン溶液にて溶出し、白色固体(71mg、100%)として表題の化合物を得た。分析の結果、1H NMR δ1.45−1.47(m,9H),2.69(s,3H),2.97(s,3H),3.14−3.34(m,4H),3.81−3.92(m,8H),4.38−4.47(m,3H),4.70(d,1H),7.05(dd,1H),7.11(d,1H),7.45(s,1H),7.48(d,1H),7.99(s,1H),10.43(s,1H)ppm;LC−MS(ESI)710(M−H+);であった。1.1q 化合物14bの合成 化合物13b(48mg、0.075mmol)のジクロロメタン(2mL)懸濁液に、0℃にて4−ニトロフェニルクロロギ酸塩(80mg、0.4mmol)及びトリエチルアミン(40mg、0.4mmol、56μL)を添加した。その後混合液を室温まで徐々に加温し、更に6時間撹拌を継続した。溶媒を蒸発させ、残りの物質をエーテルによって洗浄し、中間体を得た。中間体をジクロロメタン(2mL)に溶解し、その反応溶液にN−Boc−N,N’−ジメチルエチレンジアミン(44mg、0.2mmol)及びトリメチルアミン(20mg、0.2mmol、28μL)を添加した。得られた混合液を、室温で一晩撹拌した。混合液を濃縮し、残りの物質をC−18カラムを用いたHPLCにて、アンモニウムギ酸塩(20mM、pH7.0)及びアセトニトリルにより溶出し、白色固体(31mg、54%)として表題の化合物を精製した。分析の結果、LC−MS(ESI)755(M+H+)であった。1.1r 化合物14cの合成 化合物13c(24mg、0.04mmol)のCH2Cl2(2mL)懸濁液を、0℃にてp−ニトロフェニルクロロギ酸塩(64mg、0.32mmol)及びトリエチルアミン(22μL、0.16mmol)を添加した。得られた反応混合物を、室温にて18時間撹拌した。反応混合液にN−Boc−N,N’−ジメチルエチレンジアミン(94mg、0.50mmol)を添加し、更に50分間撹拌した。更に反応混合液を濃縮し、残りの物質をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィにて、5%のメタノールのジクロロメタン溶液にて精製し、白色固体(28mg、83%)として表題の化合物を得た。分析の結果、LC−MS(ESI)490,570,684(M+H+−Boc),784(M+H+),805(M+Na+),722(M+K+);であった。1.1s 化合物15aの合成 化合物14a(70mg、0.10mのモグラ)をトリフルオロ酢酸(5mL)に溶解し、混合液を30分間室温にて撹拌し、乾燥濃縮し、製品(72mg、100%)を得た。更なる浄化を行わずに次の工程に用いた。HPLC分析の結果、95%以上の純度であった。分析の結果、1H NMR δ2.64(s,3H),2.93(s,3H),3.19(s,3H),3.30(t,1H),3.79(s,3H),3.85(s,3H),3.81−3.85(m,1H),4.27−4.49(m,3H),4.59(d,1H),4.68(d,1H),6.97(dd,1H),7.03(d,1H),7.38(s,1H),7.41(d,1H),8.00(br s,1H),10.61(br s,1H)ppm;LC−MS(ESI)612(M+H+),634(M+Na+);であった。1.1t 化合物15bの合成 化合物15bを化合物15aと同様に調製し、100%の収率にて得た。分析の結果、1H NMR(CD3OD)δ2.69(s,3H),2.76(s,3H),2.83(bs,1H),3.01(s,6H),3.08(bs,1H),3.24(bs,2H),3.42(m,2H),3.63(bs,3H),3.74(bs,1H),3.91(s,3H),3.92(m,1H),4.40(bs,2H),4.57(bs,2H),4.71(bs,1H),7.22(bd,1H),7.36(s,1H),7.56(s,1H),7.59(d,1H),8.04(bs,1H)ppm;LC−MS(ESI)490,526,640(M+H+),678(M+K+);であった。1.1u 化合物15cの合成 化合物15cを化合物15aと同様に調製し、100%の収率にて得た。分析の結果、LC−MS(ESI)490,570,684(M+H+),722(M+K+)であった。1.1v 化合物16aの合成 化合物5(12.5mg、0.019mmol)及び化合物15a(10mg、0.014mmol)のジメチルホルムアミド(200μL)溶液に、トリエチルアミン(6μL、0.044mmol)を添加した。得られた混合液を室温で一晩撹拌した。エーテル(5mL)を混合液に添加し、白色固体を溶液から沈殿により回収した。固体をフィルターにかけ、ジクロロメタンを有するシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィによって精製し、その後1%メタノールのジクロロメタン溶液、2%メタノールのジクロロメタン溶液、3%メタノールのジクロロメタン溶液及び最後に4%メタノールのジクロロメタン溶液により溶出し、白色固体(8.7mg、56%)として表題の化合物を得た。分析の結果、LC−MS(ESI)470,1112(M+H+),1134(M+Na+),1150(M+K+)であった。1.1w 化合物16bの合成 化合物15b(5mg、0.0056mmol)のDMF(0.35mL)溶液に、化合物5(3.8mg、0.0056mmol)及びDIEA(2μL、0.011mmol)を添加した。得られた混合を室温で5時間撹拌した。混合液を濃縮し、残りの物質を、10%メタノールのジクロロメタン溶液を有するシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィにより溶出し、固体(3mg、45%)として表題の化合物を得た。分析の結果、LC−MS(ESI)490、526、1169(M+H+)、1208(M+K+);であった。1.1x 化合物16cの合成 化合物16cを上記化合物16bと同様に調製し、50%の収率にて得た。分析の結果、LC−MS(ESI)490,570,1212(M+H+),1250(M+K+)であった。1.1v 化合物17aの合成 化合物16a(8.7mg、0.008mmol)のジメチルホルムアミド溶液(500μL)に、一盛のピペリジン(100μL)を添加した。得られた混合を室温で20分間撹拌した。溶媒を遠心乾燥により除去し、高い真空状態にて1.5時間静置した。残りの物質を最小量のジクロロメタン(100μL)に取り込ませ、ヘキサン(3mL)をその溶液に添加し、生じた白色固体(6.7mg、96.7%)を濾過して除去し、乾燥させた。分析の結果、MS(ES)470,890.1(M+H+),912(M+Na+),928(M+K+)であった。1.1z 化合物17bの合成 化合物17bを上記化合物17aと同様に調製し、95%の収率にて得た。分析の結果、LC−MS(ESI)947(M+H+)であった。1.1aa 化合物17cの合成 化合物17cを上記化合物17aと同様に調製し、95%の収率にて得た。分析の結果、LC−MS(ESI)1015(M+H+)であった。1.1bb 化合物18aの合成 化合物17a(4.2mg、0.005mmol)及び化合物3(2.64mg、0.005mmol)のジクロロメタン(1mL)溶液に、一盛のPyBOP(3.7mg、0.007mmol)、続いてジイソプロピルエチルアミン(1μL)を添加した。得られた混合液を室温で一晩撹拌した。溶媒を遠心乾燥により除去した。残りの物質をプレパックHPLCにより精製し、ベージュの固体(2.6mg、38.7%)を得た。分析の結果、MS(ES)470,1431(M+H+),1453(M+Na+),1469(M+K+)であった。1.1cc 化合物18bの合成 化合物17b(2.2mg、0.0025mmol)及び化合物3の5%メタノールのジクロロメタン溶液(400μL)に、HBTU(9mg、0.0046mmol)及びDIEA(1.4μL、0.0046mmol)を添加した。得られた混合液を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残りの物質を、半調製済みHPLCにて、10mMのアンモニウムギ酸塩及びアセトニトリルにより溶出し、油状の表題の化合物(1.1mg、30%)を得た。分析の結果、LC−MS(ESI)490,526,1488(M+H+),1527(M+K+)であった。1.1dd 化合物18cの合成化合物17c(6.5mg、0.0065mmol)及び化合物3(5.5mg、0.0097mmol)の5%メタノールのジクロロメタン溶液(0.5mL)に、HBTU(3.7mg、0.0097mmol)及びDIEA(3.4μL、0.0194mmol)を添加した。得られた混合液を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残りの物質を30%メタノールのジクロロメタン溶液を有するシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィによって溶出し、油状の表題の化合物(4mg、30%)を得た。分析の結果、LC−MS(ESI)1532(M+H+),1554(M+Na+),1570(M+K+)であった。1.2 自己犠牲スペーサーを含まないデュオカルマイシン含有ペプチドリンカーの合成方法1.2a 反応A: アルキル化の核7mgの2mL酢酸エチル懸濁液に、HBrガスを緩やかに供給し、約15分後に透明な溶液が形成された。反応混合を濃縮し、高い真空条件下で一晩乾燥させた。1.2b 反応B: ステップAにおいて調製されたブロモメチルseco化合物のDMF懸濁液に、EDC(10mg、0.054mmol)及び5−ニトロベンゾフランカルボキシル酸(12mg、0.054mmol)を添加し、6時間撹拌した。その後、この反応混合物に酢酸エチル及び塩水を添加した。複合有機層を酢酸エチルにより3回抽出し、濃縮した。更にシリカゲルを用い、MeOH/DCMのMeOHの量を増加させて抽出した。得られた物質の質量分析の結果は、M+1=530であった。1.2c 反応C: 4’−OHを、メチルピペラジンカルボニル塩化物(11mg、0.054mmol)の2mLのDCM溶液、200μLのアリルアルコール及びピリジン(21μL)を用いて2時間反応させ、保護した。得られた反応産物をシリカゲルカラムクロマトグラフイにより精製し、質量分析を行った結果、MS+1=654であった。1.2d 反応D: ニトロ基の除去は、Pd/Cを用い、40PSI、DCM/MeOH(2:1)の条件で45分間加水分解することにより行った。反応産物を濾過し、濾液を濃縮し、高い真空条件下で乾燥させた。反応産物を質量分析によりMS+1=を算出し、更なる浄化を行わずに次の工程に用いた。1.2e 反応E: 上記の化合物(18mg、0.024mmol)のMeOH/DCM溶液(2:1、3mL)に、Fmoc−バリン−シトルリン(29mg、0.06mmol)を添加し、10分間撹拌し、全ての酸を溶解させた。15mg、0.06molのEEDQを添加し、反応混合液を暗所で一晩撹拌した。混合液を濃縮し、ジエチルエーテルによって洗浄し、逆相HPLC(調製済)によって精製し、得られた物質を質量分析した結果、M+1=1103であった。1.2f 反応F: Fmocにより保護された基の脱保護は、5%ピぺリジンの1mLのDMF溶液を用い、10分間反応させて行った。反応混合物の濃縮後、固体残留物をジエチルエーテルで洗浄した。得られた物質を質量分析した結果、MS+1=880及びM+K=919であった。1.2g 反応G: 上記反応Fにおいて調製されたDMFフリーなアミン溶液(1.5mL)に、Mal−(PEG)4−NHS−エステル(20mg)を添加した。濃縮の後、調製済の逆相HPLCによる精製を行い、2.8mgの物質(初発のアルキル化の核に対して11%)を得、続いて1時間撹拌した。質量分析の結果、MS+1=2178、M+Na=1300及びM+K=1316であった。1.3 チューブリシンAとコンジュゲートしたペプチドリンカーの合成 上記の合成方法により、上記リガンドをPEG及びペプチドリンカーに結合させることができる。 薬剤がチューブリシンAである、ペプチドリンカーを有するリガンド−薬剤複合体及びその中間体の合成方法を上記に示す。この基本的な方法は他の薬剤に対しても適用可能である。1.4a ペプチド−リンカー複合体111の合成1.4b ペプチド−リンカー複合体112の合成1.4c ペプチド−リンカー複合体113の合成(実施例2)6員環ヒドラジンリンカー複合体の合成2.1 デュオカルマイシン派生サイトトキシンとコンジュゲートした6員環gem−ジメチルヒドラジンリンカーの合成2.1a 化合物109の合成反応式2.1b 化合物110の合成 アイスバス中で氷冷したCbz−ジメチルアラニン(1g、3.98mmol)の30mLのDCM懸濁液に、HOAT(触媒、0.25当量)及びDIPEA(2.8mL、16mmol)を添加し、その後2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾールインジニウムヘキサフルオロリン酸(CIP)(1.2g、4.4mmol)を添加した。この反応混合液に更にBoc−NN(Me)(643モル、4.4mmol)を添加した。上記反応溶液を室温で一晩撹拌した。上記反応溶液に10%のクエン酸溶液(100mL)を添加し、DCMにより抽出した。有機相は、水、重炭酸ナトリウムの飽和溶液、再度水により洗浄した。有機相を濃縮し、酢酸エチルのヘキサン溶液を用いて極性を増加させたシリカゲルカラムにより精製し、860mgの化合物(化合物107に対し57%の収率)を得た。質量分析の結果、M+1=380及びM+NH4+=397であった。Cbz保護基を、MeOHにおいてPd/Cを使用して触媒水素化処理により除去し、化合物108を得、MSによって解析した。 PNPC−1918(10mg、0.1mmol)の2mLのDCM溶液に、化合物108(60mg、0.25mmol)のDCM溶液8mLを液滴により添加し、上記反応溶液を、全ての出発原料が溶解するまで、2日間にわたり撹拌した。上記反応溶液を短い二酸化ケイ素ゲルパッドにて濾過し、濃縮し、調製済みの逆相HPLCにより精製し、4.2mgの化合物109を得た。質量分析の結果、M+1=740であった。化合物109を、純粋なTFAにより20分間反応させBoc脱保護し、化合物110を得た。得られた産物の質量分析の結果、M+1=640であった。2.1c 化合物111の合成 上記Mal−PEG4−アセトフェノン及び化合物110(3mg、0.05mmol)を結合し、濃縮し、高い真空条件下で一晩乾燥した。この混合液に、1日早く調製された5%の酢酸溶液の1mLを添加し、分子篩を通した後乾燥させた。ヒドラゾンの形成は、1時間以内に終了した。その後、上記反応溶液を濃縮し、調製済みHPLC(アンモニウムギ酸塩、Ph=7)により精製し、2.8mgの化合物111(収率60%)得た。得られた物質の質量分析の結果、MS+1=1129、M+NH4=1146及びM+K=1168であった。2.2 チューブリシンサイトトキシンとコンジュゲートしたgem−ジメチル6員環ヒドラジンリンカーの合成 上記実施例2.1と同様の方法が、チューブリシンAなどの薬剤と複合したジミナルなジメチル6員環ヒドラジンリンカーの合成に適用可能であることを示す。2.3 デュオカルマイシンアナログとコンジュゲートしたヒドラジンリンカーの合成 ブロモメチルseco化合物(0.074mmol)の3mLのDMF溶液に、5−アセチルインドール−2−カルボキシル酸(30mg、0.15mmol)及びEDC(28mg、0.15mmol)を添加し、得られた混合液を一晩撹拌した。上記反応溶液を濃縮し、5%MeOHのDCM溶液を使用したシリカゲルクロマトグラフィにより精製し、29mg(74%の収率)を得、質量分析の結果、M+1=523であった。 5mLのDCM及び300μLのアリルアルコールに、工程Cにおいて合成された化合物を溶解させた溶液に、メチルピペラジンカルボニルクロライド(22mg、0.11mmol)及びピリジン44μLを添加した。上記反応溶液を室温で5時間撹拌した。5%のMeOH/DCMを用いたシリカゲルクロマトグラフィによって精製し、目的の物質(収率73%)48mgを得た。質量分析の結果、M+1=650であった。 上記の化合物(8.2mg、0.012mmol)及びMal−PEG4−ヒドラジンを、5%酢酸の無水DCM溶液に溶解した溶液を、20分間の室温で撹拌し、溶媒を蒸発させ、更にアセトニトリル及びアンモニウムギ酸塩のバッファーを使用した調製済みの逆相HPLCにより精製し、最終目的物質2.5mgを得た。質量分析の結果、M+1=1063であった。2.4a ジメチル6員環を有するヒドラジンリンカーの環化速度 ジメチル6員環ヒドラジンリンカーにコンジュゲートしたデュオカルマイシンアナログを、pH7.4にて24時間バッファー中でインキュベートし、ヒドラジンリンカーの環化により生じた環状物の生成、またそれによるデュオカルマイシンアナログの遊離を時間を追って解析した。 pH=7.4にて24時間以上反応させ、検出した結果、環化された物質の量が最小であった。すなわち、6員環を有するヒドラジンリンカーのこの形状では環化反応が比較的遅いことを示す。2.4b gem−ジメチル6員環ヒドラジンリンカーの環化速度 gem−ジメチル6員環ヒドラジンリンカーにコンジュゲートしたデュオカルマイシンアナログを、pH7.4にてバッファー中でインキュベートし、ヒドラジンリンカーの環化により生じた環状物の生成、またそれによるデュオカルマイシンアナログの遊離を時間を追って解析した。 6員環gem−ジメチルリンカーにおいては、環化反応は非常に急速であり、2、3分以内で反応が完了した。すなわち、6員環gem−ジメチルヒドラジンリンカーの環化は、gem−ジメチル部分を含まない6員環リンカーの場合と比較し、非常に速い速度で進行した。(実施例3)5員環ヒドラジンリンカー複合体の合成3.1 化合物4の合成方法Cbz−DMDA−2.2−ジメチルマロン酸(1) 2,2−ジメチルマロン酸(2.0mg、0.0151mol)及び塩化チオニル(1.35ml、0.0182mol)のTHF溶液(15ml)を含む、撹拌棒、温度計、還流コンデンサーを備えた25mLのフラスコに、DMFを液滴により添加し、その反応溶液を還流のために2時間加熱し、その後室温に冷却した。この反応混合液を液滴により、0℃にてCbz−DMDA(4mg、0.0182モル)及びトリエチルアミン(4ml、0.0287mol)のTHF(5ml)溶液に添加し、この温度で30分間撹拌した。溶媒を真空内で除去し、残りの物質を1N 塩酸(50ml)に溶解し、DCM(2×25ml)により抽出した。複合有機層を1N NaOH(2×25ml)により抽出し、複合水層を濃塩酸により酸性化し(pH<1)、酢酸エチル(2×25ml)により抽出し、MgSO4を通して乾燥させ、フィルター濾過、真空濃縮の後、オフホワイトの粘着性の固体(3.44gm)を得た。収率は68%であった。化合物1は、質量分析の結果、m/z 337.0[M+1]+、HPLC保持時間:3.77分であった。Cbz−DMDA−2,2−ジメチルマロン−Boc−N’−メチルヒドラジン(2) 化合物1(3.0mg、0.0089mol)及び塩化チオニル(0.78ml、0.0107mol)のTHF(25ml)溶液を、撹拌棒、温度計及び還流コンデンサーを備えている50ml容の3首RBFに、DMFを液滴により添加し、上記反応溶液を2時間還流し、室温に冷却した。この反応混合をその後、Boc−N−メチルヒドラジン(1.33mg、0.091mol)及びトリエチルアミン(3ml、0.0215mol)のTHF(25ml)溶液に0℃にて液滴により添加し、30分間撹拌した。溶媒を真空内で除去し、残りの物質を酢酸エチル(50ml)に溶解し、MgSO4を通じて乾燥させ、濾過し、真空内で濃縮して茶色の油状物を得た。上記油状物を酢酸エチルに溶解し、カラムクロマトグラフィー(100%のEtOAc)により精製し、3.45gmの澄んだ油状物(83%の収率)を得た。化合物2の質量分析の結果、m/z465.2[M+1]、HPLC保持時間:3.97分であった。DMDA−2,2−ジメチルマロン−Boc−N’−メチルヒドラジン(3) 化合物2(0.5gm、0.0011mol)のMeOH(30ml)溶液に、10%のPd/C(15mg)を添加し、30分間パール水素化装置にて反応させた。触媒を濾過により除去し、濾液を真空内で濃縮し、澄んだ油状の化合物3(0.38gm)を得た。分析の結果、NMR(1H、CDCl3)δ1.45(s、15H)2.45(s、3H)2.85(s、6H)、3.16(s、3H)4.64(m、1H)10.6(bs、1H);ΝMR(13C、CDCl3)δ24.1、28.57、35.15、35.58、36.66、47.01、48.51、81.11、155.17、173.56、176.24;であった。化合物4の合成 撹拌棒を備えた15mlのRBFに、化合物3(50mg、0.1513mmols)、PNPC−1918(20mg、0.0315mmol)及びDCM(5ml)を充填した。溶液を30分間撹拌し、トリエチルアミン(25μL、0.1794mmol)を添加し、得られた明るい黄色の溶液を1時間撹拌した。黄色の油状の溶液を真空内で濃縮し、カラムクロマトグラフイ(100%DCMからEtOAc/DCM(1:1)の勾配)により精製し、オフホワイトの固体(22mg)として化合物4(収率84%)を得た。質量分析の結果、m/z825.7[M+1]+、HPLC保持時間:7.65分であった。3.2 5員環ヒドラジンリンカーを有する抗体−薬剤複合体の合成 この反応式は、抗体のリンカー-薬剤複合体とのコンジュゲーションを示す。これらの方法は、製薬技術として公知である。他の反応性サイトの例としては、リガンド上でチオールと反応するマレイミド、ハロアセトアミド、リガンド上のジスルフィドと反応するチオール、リガンド上のアルデヒド及びケトンと反応するヒドラジド、並びにリガンド上のアミノ基と反応するヒドロキシスクシニイミド、イソシネート、イソチオシアン酸塩及び無水物、が挙げられる。(実施例4)ジスルフィド含有リンカー複合体の合成4.1a 化合物1の合成 PEG4(3.88g、20mmol)を含むフラスコに、トリトンB(40%メタノール溶液、1.08mL、0.25mmol)及びその15分後にfert−ブチルアクリレート(3.62mL、24mmol)を添加した。上記混合液を室温にて一晩撹拌した。上記混合液を真空乾燥し、残りの物質を1%メタノールのジクロロメタン溶液を用い、シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、無色の油状物として表題の化合物(2.35g、36%)を得た。分析の結果、1H NMRδ1.45(s、9H)、2.5(t、2H)、3.65(m、18H)であった。4.1b 化合物2の合成 化合物1(1.17g、3.6mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、トリエチルアミン(532μL、4mmol)及びメタンスルフォニルクロライド(309μL、4mmol)を添加した。得られた上記混合液を室温にて一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残りの物質を1%メタノールのジクロロメタン溶液を用い、シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、黄色の油状物として表題の化合物(1.3g、89%)を得た。分析の結果、1H NMRδ1.43(s、9H)、2.48(t、2H)、3.07(s、3H)、3.62〜3.70(m、14H)、3.76(m、2H)、4.37(m、2H)であった。4.1c 化合物3の合成 化合物2(1.3g、3.25mmol)エタノール(10mL)溶液に、アジ化ナトリウム(423mg、6.5mmol)を添加した。得られた上記混合液を一晩還流した。溶媒を蒸発させ、残りの物質を1%メタノールのジクロロメタン溶液を用い、シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、黄色の油状物として表題の化合物(1.01g、90%)を得た。分析の結果、1H NMRδ1.45(s、9H)、2.50(t、2H)、3.40(t、2H)、3.62−3.73(m、16H)であった。4.1d 化合物4の合成 化合物3(470mg、1.35mmol)のH2O(25μL)を含むエーテル(5mL)溶液に、トリフェニルフォスフィン(391mg、1.48mmol)を添加した。得られた上記混合液を室温にて一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残りの物質を1%メタノールのジクロロメタン溶液を用い、シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、黄色の油状物として表題の化合物(325mg、75%)を得た。分析の結果、1H NMRδ1.45(s、9H)、2.24(bs、2H)、2.51(t、2H)、2.91(t、2H)、3.56(m、2H)、3.63〜3.66(m、12H)、3.72(m、2H)であった。4.1e 化合物5の合成 3−メルカプトプロピオン酸(1.22g、11.5mmol)のメタノール(10mL)溶液に、アルドリチオール−2(3.78g、17.25mmol)を添加した。得られた上記混合液を3時間室温にて撹拌した。溶媒を蒸発させ、残りの物質を30%の酢酸エチルのヘキサン溶液を有するシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、油状物として表題の化合物(2.44g、98%)を得た。分析の結果、1H NMRδ2.8(t、2H)、3.05(t、2H)、7.14(m、1H)、7.67(m、2H)、8.48(m、1H);化合物5b:1H NMRδ1.43(d、3H)、2.61(m、1H)、2.76(m、1H)、3.40(m、1H)、7.17(m、1H)、7.66(m、2H)、8.45(m、1H);であった。4.1f 化合物6の合成 3−メチルベンゾチアゾリウムヨウ化物(1g、3.6mmol)を2N水酸化ナトリウム水溶液(10mL)に溶解し、100℃で6時間撹拌し、その後上記混合液を6N塩酸水溶液によってpH4に調製し、ジエチルエーテルによって抽出した。有機層をNa2SO4を通じて乾燥し、真空内で遠心乾燥させ、残りの物質をメタノール(10mL)に溶解し、化合物5a(776mg、3.6mmol)を添加した。上記混合液を室温にて1時間撹拌した。上記混合液を濃縮乾燥し、残りの物質を1%メタノールのジクロロメタン溶液を用い、シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、黄色の油状物質として表題の化合物(482mg、55%)を得た。分析の結果、1H NMRδ2.85(m、2H)、2.95(m、5H)、6.64(m、2H)、7.3(m、1H)、7.4(dd、1H);MS(ES)244(M+H+)(487(2M+H+));化合物6b:1H NMRδ1.35(d、3H)、2.48(m、1H)、2.92(s、3H)、3.02(m、1H))、3.34(m、1H)、6.62(m、2H)、7.28(m、1H)、7.44(m、1H);MS(ES)258(M+H+);化合物6c:1H NMRδ1.45(s、6H)、2.70(s、2H)、2.93(s、3H)、6.62(m、2H)、7.24(m、1H)、7.51(m、1H);MS(ES)272(M+H+)、294(M+Na+)、310(M+K+);であった。4.1g 化合物7の合成 化合物6a(28mg、0.115mmol)の無水メタノール(1mL)溶液に、塩化アセチル(13μL、0.173mmol)を添加した。得られた上記混合液を室温にて一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残りの物質を10%の酢酸エチルのヘキサン溶液を有するシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、油状物として表題の化合物(24mg、83%)を得た。分析の結果、1H NMRδ2.08(m、2H)、2.93(s、3H)、2.95(m、2H)、3.70(s、3H)、6.63(m、2H)、7.28(m、2H)、7.40(m、2H);MS(ES)258(M+H+)、280(M+Na+)、296(M+K+);化合物7b:1H NMRδ1.32(d、3H)、2.45(m、1H)、2.92(s、3H)、2.93(m、1H)、3.35(m、1H)、3.67(s、3H)、6.62(m、2H)、7.26(m、1H)、7.44(m、1H);MS(ES)272(M+H+);化合物7c:1H NMRδ1.42(s、6H)、2.66(s、2H)、2.93(s、3H)、3.62(s、3H)、6.62(m、2H)、7.24(m、1H)、7.51(m、1H);MS(ES)286(M+H+)、308(M+Na+)、324(M+K+);であった。4.1h 化合物8の合成 化合物7a(24mg、0.093mmol)のジクロロメタン(1mL)溶液に、0℃にてトリホスゲン(28mg、0.093mmol)及びトリエチルアミン(37μL、0.28mmol)を添加した。上記混合液を1時間撹拌した。上記混合液を濃縮乾燥し、残りの物質を更に精製せずに次の工程で使用した。粗精製物をジクロロメタン(1mL)に溶解し、化合物8a(35mg、0.074mmol)及びDMAP(23mg、0.190mmol)を添加した。得られた上記混合液を室温にて一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残りの物質を1%メタノールのジクロロメタン溶液を用い、シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、黄色の油状物として表題の化合物(53mg、76%)を得た。分析の結果、1H NMRδ2.70(s,3H),2.74(m,2H),3.06(m,2H),3.34(m,1H),3.35及び3.36(2s,3H),3.63及び3.64(2s,3H),3.86(m,1H),3.88(s,3H),3.93及び3.94(2s,3H),4.48(m,1H),4.55(m,1H),4.79(m,1H),7.05(m,1H),7.11(m,1H),7.26−7.52(m,5H),7.85(d,1H),8.1(bs,1H),8.98及び9.08(2s,1H);MS(ES)753(M+H+);化合物8b:1H NMRδ1.38(m,3H),2.52(m,1H),2.69(m,3H),2.79(m,1H),3.33(m,1H),3.37(2s,3H),3.64(m,3H),3.88(s,3H),3.84−3.90(m,1H),3.93(2s,3H),4.48(m,1H),4.57(m,1H),4.78(m,1H),7.06(m,1H),7.12(m,1H),7.26−7.43(m,3H),7.50(m,2H),7.86(m,1H),8.1(bs,1H),8.99,9.08,9.13及び9.22(4s,1H);MS(ES)767(M+H+);化合物8c:1H NMRδ1.44(m,6H),2.63(d,2H),2.70(s,3H),3.35(m,1H),3.38及び3.39(2s,3H),3.63及び3.64(2s,3H),3.87(m,1H),3.88(s,3H),3.93及び3.94(2s,3H),4.48(m,1H),4.55(m,1H),4.79(m,1H),7.05(m,1H),7.12(m,1H),7.31−7.39(m,3H),7.49(m,2H),7.89(d,1H),8.1(bs,1H),9.12及び9.23(2s,1H);MS(ES)781(M+H+);であった。4.1i 化合物9及び10の合成 化合物8a(0.1mg)のPBS緩衝液(pH7.2)/メタノール(300μL、2/1)溶液に20mM DTT溶液(100μL(15等量))を添加し、HPLCにより反応の経過をモニターした。反応があまりに急速であったため検出することができず、数秒で反応が完了し、化合物10を得た。反応中間体である化合物9は検出されなかった。4.1j 化合物11の合成 化合物6a(66mg、0.2mmol)のジクロロメタン(1mL)溶液に、DCC(47mg、0.22mmol)、HOBt(31mg、0.22mmol)及び化合物4(50mg、0.2mmol)を添加した。得られた上記混合液を室温にて一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残りの物質を1%メタノールのジクロロメタン溶液を用い、シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、黄色の油状物として表題の化合物(70mg、62%)を得た。分析の結果、1H NMRδ1.44(s、9H)、2.51(t、1H)、2.63(t、2H)、2.93(d、3H)、3.01(t、2H)、3.45(m、2H)、3.55(m、2H)、3.64(m、12H)、3.71(t、2H)、5.01(bs、1H)、6.38(bt、1H)、6.62(m、2H)、7.27(m、1H)、7.43(dd、1H);MS(ES)491(M−56+H+)、513(M−56+Na+)、547(M+H+)、569(M+Na+);化合物11b:1H NMRδ1.34(d、3H)、1.45(s、9H)、2.30(m、1H)、2.5(t、2H)、2.69(m、1H)、2.93(d、3H)、3.37−3.55(m、5H)、3.63(m、12H)、3.71(t、2H)、4.99(bs、1H)、6.13(bt、1H)、6.62(m、2H)57.25(m、1H)、7.48(dd、1H);MS(ES)505(M−56+H+)、527(M−56+Na+)、543(M−56+K+)、561(M+H+)583(M+Na+);化合物11c:1.43(s、3H)、1.45(s、9H)、2.46(s、2H)、2.5(t、2H)、2.92及び2.94(2s、3H)、3.33(m、2H)、3.47(t、2H)、3.63(m、12H)、3.70(t、2H)、6.06(bt、1H)、6.63(m、2H)、7.25(m、1H)、7.54(d、1H);MS(ES)519(M−56+H+)、541(M−56+Na+)、575(M+H+)、597(M+Na+);であった。4.1k 化合物12の合成 化合物11a(20mg、0.037mmol)のジクロロメタン(1mL)懸濁液に、0℃にてトリエチルアミン(15μL、0.11mmol)及び2Nホスゲンのトルエン溶液(55μL、0.11mmol)を添加した。上記混合液を室温にて1時間撹拌した。上記混合液を濃縮し、残りの物質をジクロロメタン(1mL)に溶解し、その後化合物10(14mg、0.030mmol)及びDMAP(9mg、0.076mmol)を添加した。得られた上記混合液を室温にて一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残りの物質を1%のメタノールのジクロロメタン溶液を用い、シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、黄色の油状物として表題の化合物(23mg、74%)を得た。分析の結果、1H NMRδ1.44(s、9H)、2.49(t、2H)、2.67(m、2H)、2.65及び2.67(2s、3H)、3.07(m、2H)、3.33(s、3H)、3.40(m、3H)、3.51(m、2H)、3.60(m、12H)、3.69(m、2H)、3.87(s、3H)、3.92(s、3H)、3.93(m、1H)、4.52(m、2H)、4.78(m、1H)、6.65、6.74及び6.97(3bt、1H)、7.06(d、1H)、7.12(s、1H)、7.29−7.42(m、3H)、7.50(m、2H)、7.87(d、1H)、8.10及び8.15(2bs、1H)、9.79及び9.58(2s、1H);MS(ES)986(M+H+−56)、1042(M+H+);化合物12b:1H NMRδ1.32(m、3H)、1.44(s、9H)、2.39(m、1H)、2.48(m、2H)、2.60(m、1H)、2.67及び2.69(2s、3H)、3.32及び3.35(2s、3H)、3.38−3.72(m、20H)、3.88(s、3H)、3.93(s、3H)、3.94(m、1H)、4.52(m、2H)、4.77(m、1H)、6.53、6.67及び6.72(3bt、1H)、7.06(d、1H)、7.12(s、1H)、7.29−7.39(m、3H)、7.49(m、2H)、7.88(d、1H)、8.12及び8.25(2bs、1H)、9.13、9.36、10.08及び10.21(4s、1H);MS(ES)1000(M+H+−56)、1056(M+H+)、1078(M+Na+)、1084(M+K+);化合物12c:1H NMRδ1.30−1.42(m、3H)、1.44(s、9H)、2.45−2.52(m、4H)、2.69及び2.72(2s、3H)、3.34及び3.35(2s、3H)、3.39−3.72(m、19H)、3.88(s、3H)、3.925及び3.93(2s、3H)、3.94(m、1H)、4.53(m、2H)、4.80(m、1H)、6.63(m、1H)、7.06(dd、1H)、7.13(d、1H)、7.25−7.39(m、3H)、7.50(m、2H)、7.89(d、1H)、8.10及び8.27(2bs、1H)、9.99及び10.191(2s、1H);MS(ES)1014(M+H+−56)、1070(M+H+)、1108(M+K+);であった。4.1l 化合物13の合成 化合物12a(23mg、0.022mmol)をトリフルオロ酢酸及びジクロロメタン(1mL、1/1)溶液に溶解し、上記混合液を30分間室温にて撹拌の後、濃縮し、生成物(21mg、100%)を得た。分析の結果、1H NMRδ2.60(t、2H)、2.67及び2.68(2s、3H)、2.75(m、2H)、3.07(m、2H)、3.34(s、3H)、3.38−3.64(m、21H)、3.76(t、2H)、3.88(s、3H)、3.92(s、3H)、3.93(m、1H)、4.53(m、2H)、4.78(m、1H)、7.06(d、1H)、7.13(s、1H)、7.31−7.43(m、3H)、7.49(m、2H)、7.87(d、1H)、8.10及び8.15(2bs、1H)、9.44及び9.65(2s、1H);MS(ES)986(M+H+)、1008(M+Na+)、1024(M+K+);化合物13b:1H NMRδ1.34(m、3H)、2.56(m、1H)、2.62(m、2H)、2.68(m、3H)、2.8(m、1H)、3.35−3.36(2s、3H)、3.40−3.70(m、18H)、3.77(t、2H)、3.88(s、3H)、3.93及び3.95(2s、3H)、3.94(m、1H)、4.54(m、2H)、4.79(m、1H)、7.07(d、2H)、7.13(s、1H)、7.30−7.42(m、3H)、7.49(m、2H)、7.88(d、1H)、8.11及び8.25(2bs、1H)、9.22、9.37,9.80及び9.92(4s、1H);MS(ES)1000(M+H+)、1022(M+Na+)、1038(M+K+);化合物13c:1H NMRδ1.30−1.45(m、6H)、2.54(m、2H)、2.61(m、2H)、2.68及び2.69(2s、3H)、3.35−3.36(2s、3H)、3.40−3.70(m、17H)、3.77(t、2H)、3.88(s、3H)、3.92及び3.93(2s、3H)、3.94(m、1H)、4.50(m、2H)、4.80(m、1H)、7.08(m、2H)、7.12(d、1H)、7.29−7.39(m、3H)、7.49(m、2H)、7.89(m、1H)、8.10及び8.25(2bs、1H)、9.88及び10.04(2s、1H);MS(ES)1014(M+H+)、1036(M+Na+)、1054(M+K+);であった。4.1m 化合物14aの合成 化合物13a(5.4mg、0.0054mmol)のジクロロメタン(1mL)溶液に、PS−カルボジイミド(11.5mg、0.94mmol/g、0.0108mmol)及びPS−DMAP(7.2mg、1.49mmol/g、0.0108mmol)を添加した。得られた上記混合液を室温にて一晩撹拌し、濾過の後濃縮し、標題の化合物を得た。分析の結果、MS(ES)1082(M+H+)であった。4.2 チューブリシンAとコンジュゲートしたジスルフィドリンカーの合成 薬剤チューブリシンAは、上記の反応機構により、本発明のジスルフィドリンカーにコンジュゲートさせることができる。本発明の他の薬剤及び他のリンカーも、同様の反応様式で合成することができる。4.3 ジスルフィドリンカーの環化速度 化合物8aの(0.1mg)PBS緩衝液(pH7.2)/メタノール(300μL、2/1)溶液に、20mM DTT(100μL(15等量))を添加し、反応の経過をHPLCによりモニターした。反応があまりに急速であったため検出することができず、数秒で反応が完了し、化合物10を得た。反応中間体である化合物9は検出されなかった。(実施例5)化合物32の合成 化合物30(120mg、0.28mmol)の酢酸エチル(10mL)溶液に、HClガスを5分間バブリングした。上記反応溶液をさらに30分間室温で撹拌し、上記混合液を濃縮した。エーテルを上記反応溶液に添加し、白い沈殿物をフィルターにて回収した。固体を減圧下で一晩乾燥させ、目的の化合物100mgを得た。LC−MS(ESI)による分析の結果、324(M+H+)であり、更に浄化せずに次の工程に使用した。この化合物(100mg、0.24mmol)のDMF(5mL)溶液に、化合物31(65mg、0.26mmol)、HATU(100mg、0.26mmol)及びTEA(91μL、0.52mmol)を添加した。得られた上記混合液を室温で3時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残りの物質を0.1%のTFAの水及びアセトニトリル溶液を用い、半調製済みのHPLCにより精製し、油状物として化合物32(110mg、80%)を得た。目的の化合物をLC−MS(ESI)により分析した結果、555(M+H+)であった。化合物33の合成 化合物32(110mg、0.2mmol)及びパラジウム炭(20mg)のDCM(10mL)及びメタノール(5mL)溶液を、水素雰囲気下、通常圧・室温にて12時間撹拌した。パラジウムを濾過し、上記反応溶液を濃縮し、残りの物質を0.1%TFAの水及びアセトニトリル溶液を用い、半調製済みのHPLCにより精製し、油状物として目的化合物(80mg、78%)を得た。LC−MS(ESI)による分析の結果、465(M+H+)であった。残りの物質(80mg、0.17mmol)のジクロロメタン(10mL)及びTHF(5mL)の溶液に、0℃にてPNPCl(4−ニトロフェニルクロロギ酸塩)(137mg、0.68mmol)及びトリエチルアミン(144μL、1.02mmol)を添加した。得られた上記混合液を、0℃にて12時間、その後室温にて30分間撹拌した。反応混合液を真空下で濃縮し、残りの物質を真空乾燥し、エチルエーテル(100mL)により沈殿させ、黄色の固体として化合物33(90mg、82%)を得た。LC−MS(ESI)による分析の結果、631(M+H+)であった。化合物46の合成 化合物33(60mg、0.1mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、室温にてBoc−N,Nジメチルエチルジアミン(84mg、0.38mmol)及びトリエチルアミン(26μL、0.1mmol)を添加した。得られた上記混合液を室温にて12時間撹拌した。反応混合液を真空濃縮し、残りの物質をエチルエーテル(100mL)を使用して抽出し、Boc保護された化合物34を得た。更に浄化せずに次の工程に使用した。Boc保護された化合物34を10mLのTFAに溶解し、上記反応溶液を室温にて60分撹拌した。反応混合液を真空濃縮し、残りの物質をエチルエーテル(100mL)を用いて抽出し、黄色の固体として化合物46を得た。LC−MS(ESI)による分析の結果、631(M+H+)であった。化合物34の合成 2−ブロモエチルアミンブロミド(5g、24.4mmol)のDMF(50mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(8.5mL、48.8mmol)及びベンジルクロロギ酸塩(3.48mL、24.4mmol)を添加した。得られた上記混合液を室温にて2時間撹拌した。上記反応溶液を濃縮し、残りの物質を、溶出液として酢酸エチル/ヘキサン(3/7)を用い、シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、油状物(4g、64%)として目的の化合物34を得た。分析の結果、1H NMR(CDCl3)δ3.54(bs、2H)、3.61(bs、2H)、5.12(s、2H)、7.36(m、5H)であった。化合物35の合成 化合物34(3.34g、12.99mmol)及びバリンtert−ブチルエステル(3.27g、15.59mmol)のDMF(50mL)溶液に、炭酸カリウム(5.39g、38.97mmol)及びヨウ化カリウム(2.59g、15.59mmol)を添加した。得られた上記混合液を100℃にて一晩撹拌した。上記反応溶液を濃縮し、残りの物質を、溶離剤として酢酸エチル/ヘキサン(2/8)を用い、シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、油状物として所望の化合物35(3.12g、69%)を得た。分析の結果、1H NMR(CDCl3)δ0.92(m、6H)、1.46(s、9H)、1.86(m、1H)、2.53(m、1H)、2.80(m、2H)、3.18(m、1H)、3.31(m、1H)、5.10(s、2H)、5.25(bs、1H)、7.36(m、5H);LC−MS(ESI)296(M+H−t−butyl+)、352(M+H+)であった。化合物36の合成 化合物35(3.4g、9.72mmol)及びパラジウム炭(200mg)のメタノール(30mL)溶液を、水素雰囲気下、通常圧・室温にて静置した。得られた上記混合液を2時間室温にて撹拌した。パラジウムを濾過し、上記反応溶液を濃縮乾燥し、油状物として目的の化合物36(2.1g、98%)を得た。化合物37の合成 化合物36(2.1g、9.72mmol)のジクロロメタン(30mL)溶液に、0℃にてFmocOSu(9−フルオレニルメトキシカルボニル−N−ヒドロキシスクシニミドエステル)(3.28g、9.72mmol)を添加した。得られた上記混合液を0℃で2時間撹拌した。溶媒を遠心乾燥により除去し、残りの物質を、溶離剤としてジクロロメタン、0.5%メタノールのジクロロメタン溶液、及び最後に1%メタノールのジクロロメタン溶液を用い、シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。無色の油状物として目的の化合物37(2.55g、60%)を得た。分析の結果、1H NMR(CDCl3)δ0.95(ft、6H)、1.48(s、9H)、1.90(m、1H)、2.55(m、1H)、2.82(m、2H)、3.18(m、1H)、3.32(m、1H)、4.24(m、1H)、4.37(m、2H)、5.40(bs、1H)、7.30(m、2H)、7.39(m、2H)、7.60(d、2H)、7.75(d、2H)ppm;LC−MS(ESI)383(M+H−t−butyl+)、440(M+H+)、462(M+Na+)、478(M+K+);であった。化合物38の合成 化合物37(177mg、0.4mmol)のテトラヒドロフラン/水(3/1、8mL)溶液に、HClガスを5分間バブリングした。上記反応溶液を37℃にて一晩で撹拌し、上記混合液を濃縮乾燥し、固形物として目的の化合物38(168mg、98%)を得た。LC−MSによる分析の結果、(ESI)383(M+H+)、405(M+Na+)であり、更に浄化せずに次の工程に使用した。分析の結果、LC−MS(ESI)383(M+H+)、405(M+Na+)であった。化合物39の合成 化合物5(525mg、0.79mmol)のDMF(5mL)溶液に、N−Boc−N,N’−ジメチルエチレンジアミン(177mg、0.94mmol)を添加した。得られた上記混合液を室温にて30分撹拌した。溶媒を除去し、残りの物質を、溶離剤としてジクロロメタン、2%のメタノールのジクロロメタン溶液、及び最後に5%のメタノールのジクロロメタン溶液を用い、シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、無色の油状物として目的の化合物39(364mg、65%)を得た。分析の結果、1H NMR(CD3OD)δ1.39(s、9H)、1.56(m、2H)、1.70(m、1H)、1.82(m、1H)、2.70及び2.82(2s、3H)、2.90(s、3H)、3.09(m、1H)、3.17(m、1H)、3.30〜3.37(m、4H)、4.16(t、1H)、4.27(m、1H)、4.33(d、2H)、5.02(bs、2H)、7.24〜7.36(m、6H)、7.51〜7.65(m、4H)、7.74(d、2H)ppm;LC−MS(ESI)618(M+H−Boc+)、662(M+H−t−butyl+)、718(M+H+)、740(M+Na+)、1435(2M+H+);であった。化合物40の合成 化合物40を上記化合物17aと同様に調製し、98%収率にて得た。分析の結果、LC−MS(ESI)396(M+H−Boc+),496(M+H+),517(M+Na+),533(M+K+),992(2M+H+)であった。化合物41の合成 化合物40(138mg、0.28mmol)のDMF(4mL)溶液に、化合物38(110mg、0.28mmol)、HOBt(36mg、0.28mmol)及びEDC(1,3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(50mg、0.28mmol)を添加した。得られた上記混合液を室温にて一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残りの物質を、溶離剤として0.1%TFAの水及びアセトニトリル溶液を用い、半調製のHPLCにより精製し、油状物として目的の化合物41(178mg、70%)を得た。分析の結果、1H NMR(CD3OD)δ1.04及び1.11(2d、6H)、1.40(s、9H)、1.58(m、2H)、1.77(m、1H)、1.88(m、1H)、2.24(m、1H)、2.72及び2.84(2s、3H)、2.92(s、3H)、3.10〜3.18(m、4H)、3.35〜3.46(m、6H)、3.82(d、1H)、4.22(t、1H)、4.41(m、2H)、4.59(m、1H)、5.04(bs、2H)、7.28〜7.40(m、6H)、7.55(m、2H)、7.63(m、2H)、7.78(d、2H)ppm;LC−MS(ESI)760(M+H−Boc+)、804(M+H−t−butyl+)、860(M+H+)、882(M+Na+)、899(M+K+)であった。化合物42の合成 化合物42を上記化合物17aと同様に調製し、98%の収率にて得た。分析の結果、LC−MS(ESI)538(M+H−Boc+),582(M+H−t−butyl+),638(M+H+),660(M+Na+)であった。化合物43の合成 化合物42(23mg、0.036mmol)のジクロロメタン(1mL)溶液に、0℃にてGMBS(N(マレイミドブチリルオキシ)スクシニミドエステル)(14mg、0.05mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(8.4μL、0.05mmol)を添加した。上記混合液を徐々に室温に加温し、さらに30分間撹拌を続けた。溶媒を蒸発させ、残りの物質を、溶離剤として0.1%TFAの水及びアセトニトリル溶液を用い、半調製済みのHPLCにより精製し、油状物として所望の化合物43(26mg、79%)を得た。分析の結果、1H NMR(CD3OD)δ1.06及び1.12(2d、6H)、1.41(s、9H)、1.59(m、2H)、1.78(m、1H)、1.86〜1.93(m、3H)52.24(m、3H)、2.74及び2.84(2s、3H)、2.93(bs、3H)、3.13〜3.22(m、4H)、3.40〜3.60(m、8H)、3.82(d、1H)、4.60(m、1H)、5.05(bs、2H)、6.80(s、2H)、7.32(m、2H)、7.57(d、2H)、8.78(d、1H)ppm;LC−MS(ESI)703(M+H−Boc+)、747(M+H−t−butyl+)、803(M+H+)、825(M+Na+)、841(M+K+);であった。化合物44の合成 化合物44を、上記の化合物15aと同様に調製し、98%の収率にて得た。分析の結果、LC−MS(ESI)703(M+H+)、725(M+Na+)であった。化合物45の合成 化合物44(15mg、0.016mmol)及び化合物33(10mg、0.016mmol)のDMF(0.8mL)溶液に、室温にてジイソプロピルエチルアミン(5.5μL、0.032mmol)を添加した。得られた上記混合液を室温にて一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残りの物質を、溶離剤として0.1%のTFAの水及びアセトニトリル溶液を用い、半調製済みのHPLCにより精製し、油状物として目的の化合物45(10mg、45%)を得た。分析の結果、1H NMR(CD3OD)δ1.02〜1.13(m、6H)、1.55(m、2H)、1.74(m、1H)、1.84〜1.92(m、3H)、2.20〜2.27(m、3H)、2.95〜3.14(m、16H)、3.47〜3.84(m、12H)、3.98(m、1H)、4.2〜4.34(m、3H)、4.57(m、1H)、4.69(m、2H)、5.07〜5.17(m、2H)、6.78(s、2H)、7.16〜7.23(m、3H)、7.30(m、1H)、7.38〜7.47(m、3H)、7.52〜7.58(m、3H)、7.81〜7.92(m、2H)、8.25(bs、1H)ppm;LC−MS(ESI)1194(M+H+)、1215(M+Na+)、1233(M+K+);であった。(実施例6)化合物(2)の合成 化合物1(100mg、0.24mmol)及び10%のPd−C(35mg)のMeOH/CH2Cl2(1/2、10ml)溶液を、40秒間真空下において脱気した。得られた混合液を、水素雰囲気下に静置し、25℃にて7時間撹拌した。上記反応溶液をセライト(CH2Cl2、ウォッシュ)にて濾過した。溶媒を真空下にて除去した。EtOAc/ヘキサン(2/8)を溶出液として用いたシリカゲル上のクロマトグラフィーにより、化合物2(77mg、98%)を得た。分析の結果、1H NMR(DMSO−d6)δ10.36(s、1H)、8.04(d、1H、J=8.2Hz)、7.72(d、1H、J=8.2Hz)、7.61(br s、1H)、7.45(t、1H、J=8.4Hz)、7.261(t、1H、J=8.4Hz)4.06(m、4H)、3.73(m、1H)、1.52(s、9H);であった。化合物(4)の合成 化合物2(35mg、0.1mmol)の4M HCl−EtOAc(5ml)溶液を、30分間Arガスの雰囲気下、25℃にて撹拌した。溶媒を真空内で除去した。残りの物質に、5−アセチルインドン−2−カルボキシル酸(24.4mg、0.12mmol)を添加した。EDC(22.9mg、0.12mmol)のDMF(3ml)溶液を添加し、上記反応溶液を25℃で5時間撹拌した。溶媒を除去し。粗精製物を、10%MeOHのCH2Cl2溶液を溶出液として用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製し、化合物4(40.7mg、93%)を得た。分析の結果、1H NMR(DMSO−d6)512.13(s、1H)、10.47(s、1H)、8.45(s、1H)、8.10(d、1H、J=8.4Hz)、7.96(br s、1H)、7.85(d、2H、J=8.4Hz)、7.54(d、1H、J=8.4Hz)、7.51(t、1H、J=8.2Hz)、7.36(t、1H、J=1.6)、7.35(s、1H)、4.81(t、1H、11.2Hz)、4.54(dd、1H、8.8Hz)、4.23(m、1H)、4.01(dd、1H、J=10.2Hz)、3.86(dd、1H、J=10.7Hz)、2.61(s、3H);であった。化合物(5)の合成 4−メチル−1−ピペラジンカルボニルクロライド塩酸(19.9mg、0.1mmol)を、化合物4(20mg、0.05mmol)及び無水ピリジン(25μml、0.3mmol)を含む、3%アリルアルコールの無水メチレンクロライド(4ml)溶液に添加し、上記混合液を16時間撹拌した。上記粗生成物をシリカゲルにより精製し、化合物5(23.6mg、91%)を得た。分析の結果、1H NMR(DMSO−d6)δ12.03(s、1H)、8.41(s、1H)、8.21(s、1H)、8.01(d、1H、J=8.4Hz)、7.88(d、1H、J=8.4Hz)、7.82(dd、1H、J=8.4Hz)、7.58(t、1H、J=8.1Hz)、7.51(d、1H、J=8.4Hz)、7.46(t、1H、J=7.6Hz)、7.37(s、1H)、4.86(t、1H、J=10.8Hz)、4.57(dd、1H、J=10.8Hz)、4.38(m、1H)、4.06(dd、1H、J=10.8Hz)、3.86(dd、1H、J=11Hz)、3.41(br、4H)、3.29(br、4H)、2.82(s、3H)、2.57(s、3H);であった。化合物(7)の合成 化合物5(13mg、24μmol)及びリンカー6(16.9mg、31μmol)を、5%の酢酸の無水メチレンクロライド(1ml)溶液に溶解し、25℃で30分間撹拌した。溶媒を完全に真空内で除去し、HPLC(SymmetryPrep C18、7μm、19×150mmのカラム)により精製し、化合物7(18.5mg、81%)を得た。MS分析の結果、C48H57ClN8O11(M+H)m/z958.38,found:958.10;と算出された。(実施例7)増殖アッセイ 本発明の細胞障害性化合物の生物学的活性は、確立した3Hチミジン増殖アッセイにより解析することができる。これは放射性同位元素で識別された3Hチミジンの外部からの取り込みを測定することによりDNA合成を解析する方法であり、細胞増殖を数量化する簡便な方法である。この分析は、非常に再現性が高く、多数の化合物に適用することができる。 解析にあたり、前骨髄性白血病細胞(HL−60)を、熱不活性化した10%牛胎児血清(FCS)を含むRPMI培地で培養した。解析を行う日に細胞を回収し、洗浄の後、10%FCSを含むRPMIを0.5×106細胞/mlの濃度で再懸濁した。細胞懸濁液を100μlずつ、96ウェルプレートに分注した。ドキソルビシン(陽性コントロール)又は試験化合物の連続希釈(3倍増)系列を調製し、化合物を100μlずつ添加した。最後に、ウェル当たり100μCi/mlの3Hチミジンを10μl添加し、プレートを24時間インキュベートした。96ウェルハーベスター(Packard Instruments社)を使用してプレートから細胞を回収し、Packard Top Countカウンターにより計測した。Prismソフトウェアを使用しIC50値を決定した結果、3Hチミジン編入と薬剤モル濃度の関数が、4パラメータの対数曲線として表された。 本発明の化合物は一般に、上記の解析において約1pMから約100nM(望ましくは約10pMから約10nM)のIC50値を有する。(実施例8)抗体に対する薬剤−リンカー分子の活用 この実施例は、ターゲティング薬品(X4)などの抗体に、本発明の薬剤−リンカー分子(任意に、例えばスペーサー、反応性官能基など他の基を含む)を接合する反応条件及び方法に関する。その反応及び方法は単なる例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。抗体に薬剤−リンカー分子を接合する他の方法は当業者に公知である。 本願明細書において記載されているコンジュゲート方法は、抗体のリジン残基と2−イミノチオランとの反応による、抗体へのフリーなチオール基の導入、及びそれに続く薬剤−リンカー分子と活性マレイミド基との反応に基づく。最初に、コンジュゲートされた抗体を、50mMのNaCl、2mMのDTPA(pH8.0)を含む0.1Mリン酸塩バッファー(pH8.0)によりバッファー交換し、5〜10mg/mlまで濃縮した。上記抗体に2−イミノチオランを付加し、チオール化した。添加した2−イミノチオランの量は予備実験において決定され、抗体毎に随時変化させる。予備実験において、抗体に2−イミノチオランを滴定してタイトレーションし、室温にて1時間抗体をインキュベートし、50mM HEPESバッファ(pH6.0)を使用し、Sephadex G−25カラムにより抗体を脱塩し、ジチオジピリジン(DTDP)と反応させて導入されたチオール基の数を迅速に測定した。DTDPのチオール基との反応は、チオピリジンの遊離を324nmでモニターすることにより行った。0.5〜1.0mg/mlのタンパク質濃度の試料を用いた。280nmの吸光度により、サンプル中のタンパク質濃度を測定し、各サンプルを0.9mlずつ調製し、0.1mlのDTDP(5mM、エタノール溶液)を添加し、10分間室温にてインキュベートした。バッファ単独、及びDTDPを含まないサンプルも同様にインキュベートした。10分後、324nmの吸光度を測定し、存在するチオール基の数を、チオピリジンの減衰係数19800M−1を使用して定量化した。 抗体当たり3つのチオール基によるチオール化レベルが望ましい。これは、例えば1つの特定の抗体に対して15倍のモル数の2−イミノチオランを添加し、1時間の室温にてインキュベートすることにより行われる。コンジュゲートされた抗体は、その後適切なモル比率で2−イミノチオランとインキュベートされ、更に活性化バッファー(5mMグリシン、3%グリセロール及び2mMのDTPAを含む50mM HEPESバッファー(pH6.0))により脱塩される。チオール化されたサンプルを氷上で保存し、導入されたチオール基の数を上記の通りに測定する。 導入されたチオール基の数の測定後、活性化マレイミド基を含む薬剤−リンカー分子を、チオール基に対して3倍のモル数添加した。コンジュゲート反応は、更に最終濃度5%のエチレングリコールジメチルエーテル(又は他の適切な溶媒)を含むコンジュゲーションバッファーにて行った。通常、薬剤−リンカーのストック溶液は、90%エチレングリコールジメチルエーテル/10%ジメチルスルホキシド溶液に溶解した。抗体への付加において、チオール化された抗体にストック溶液を直接添加することが可能で、それによりエチレングリコールジメチルエーテルが最終濃度5%となるのに十分となる。又は、最終濃度10%のエチレングリコールジメチルエーテルを含むようにコンジュゲーションバッファーを前希釈し、その後等量のチオール化された抗体溶液を添加してもよい。 コンジュゲート反応は、室温にて2時間、撹拌しながらインキュベートして行われた。インキュベート後、反応混合液を15分間、14000rpmで遠心分離し、すぐに精製しない場合はpHを7.2に調整した。複合体の精製は、多くの方法を組み合わせたクロマトグラフィーにより行った。複合体は、5mMグリシン、50mM NaCl及び3%グリセロールを含む50mM HEPESバッファー(pH7.2)によって予め平衡化したSephacryl S200カラムを用い、限外濾過クロマトグラフィーにより精製することができる。クロマトグラフィーを28cm/hの線形流速により行った。複合体を含むフラクションを回収し、プールし、濃縮した。あるいは、イオン交換クロマトグラフィーにより精製することも可能である。精製条件を抗体毎に変化させ、いずれの場合においても最適化が必要となる。例えば、抗体−薬剤複合体反応混合液を、50mM HEPES、5mMグリシン、3%グリセロール(pH6.0)溶液により予め平衡化したSP−Sepharoseカラムにアプライして行った。上記抗体複合体を、平衡化バッファーにおける0〜1MのNaCl濃度勾配により溶出した。上記複合体を含むフラクションをプールし、pH7.2に調整し、必要に応じてサンプルを濃縮した。 本発明の明細書にて言及又は参照された全ての特許出願、特許、刊行物並びにその他の刊行された文書は、それらの内容を本発明において援用する旨の明確な記載が存在するのと同程度の意味合いにて、それらの内容が本発明において援用される。本発明において幾つかの具体的な態様を示しつつ記載したが、当業者であれば、本発明の技術的範囲及び添付された特許請求の範囲から逸脱することなく種々の変更、また均等物への置換を容易に想到しうると考えられる。更に、本発明の課題、技術的思想及び技術的範囲に適応する態様にて、特定の条件、原料、物質の組成、プロセス、プロセス中の工程に多様な工夫を加えることが可能である。それらの全ての工夫は、本願にて添付された特許請求の範囲内に含まれると解釈すべきである。 以下の一般式で示される、化合物。 (ここで、Dはその基本骨格に対するペンダント基としての、化学的に反応性の官能基を有する薬剤部分であり、前記官能基は第一級又は第二級アミン、ヒドロキシル、スルフィドリル、カルボキシル、アルデヒド及びケトンからなる群から選択され、L1は自己犠牲リンカーであり、mは0、1、2、3、4、5又は6の整数であり、Fは以下に示す構造を有するリンカーであり、ここで、AA1は天然アミノ酸及び合成αアミノ酸からなる群から独立に選択される一つ又は二つ以上の要素であり、cは1から20までのいずれかの整数であり、L2は自己犠牲リンカーであり、L3は第一級若しくは第二級アミン、又はカルボキシル基を有するスペーサー基であり、ここで、L3が存在する場合、mが0であり、L3のアミン基がDのペンダント基のカルボキシル基とアミド結合を形成するか、又はL3のカルボキシル基がDのペンダント基のアミン基とアミド結合を形成し、oは0又は1であり、L4はリンカー要素であり、ここで、L4は直接(AA1)cのN末端と結合するカルボキシルアシル基を含まず、pは0又は1であり、並びにX4は、保護された反応性官能基、保護されない反応性官能基、検出可能なラベル及びターゲティング試薬からなる群から選択される要素である。) 以下に示す一般式を有する、請求項1に記載の化合物。 以下に示す一般式を有する、請求項1に記載の化合物。 L3が芳香族の基を有する、請求項3に記載の化合物。 L3が安息香酸基、アニリン基又はインドール基を有する、請求項4に記載の化合物。 −L3−NH−が、以下に示す群から選択される構造の基を有する、請求項4に記載の化合物。 (ここで、Zは酸素原子、硫黄原子及びNR23から選択される要素であり、R23は水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシル基から選択される要素である。) L4が非環状部分を有する、請求項1から6のいずれか一つに記載の化合物。 L4が、L4を欠く化合物と比較して、化合物の可溶性を増大させる、請求項1から7のいずれか一つに記載の化合物。 L4が、L4を欠く化合物と比較して、化合物の凝集を減少させる、請求項1から8のいずれか一つに記載の化合物。 L4がポリエチレングリコール部分を有する、請求項1から9のいずれか一つに記載の化合物。 前記ポリエチレングリコール部分が3から12の繰り返し単位を有する、請求項10に記載の化合物。 前記ポリエチレングリコール部分が2から6の繰り返し単位を有する、請求項11に記載の化合物。 前記ポリエチレングリコール部分が4つの繰り返し単位を有する、請求項12に記載の化合物。 (AA1)cが、腫瘍組織において発現されるプロテアーゼによって切断可能なペプチド配列である、請求項1から13のいずれか一つに記載の化合物。 前記プロテアーゼが、リソソーム由来プロテアーゼである、請求項14に記載の化合物。 cが2から6までのいずれかの整数である、請求項1から15のいずれか一つに記載の化合物。 cが2、3又は4である、請求項16に記載の化合物。 薬剤部分の最も近くに位置する(AA1)cのアミノ酸が、Ala、Asn、Asp、Cit、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr及びValからなる群から選択される、請求項1から17のいずれか一つに記載の化合物。 (AA1)cが、Val−Cit、Val−Lys、Phe−Lys、Lys−Lys、Ala−Lys、Phe−Cit、Leu−Cit、Ile−Cit、Trp、Cit、Phe−Ala、Phe−N9−トシル−Arg、Phe−N9−ニトロ−Arg、Phe−Phe−Lys、D−Phe−Phe−Lys、Gly−Phe−Lys、Leu−Ala−Leu、Ile−Ala−Leu、Val−Ala−Val、Ala−Leu−Ala−Leu(配列番号1)、β−Ala−Leu−Ala−Leu(配列番号2)及びGly−Phe−Leu−Gly(配列番号3)からなる群から選択されるペプチド配列である、請求項1から18のいずれか一つに記載の化合物。 (AA1)cが、Val−Cit又はVal−Lysである、請求項1から19のいずれか一つに記載の化合物。 Dが細胞障害性薬剤である、請求項1から20のいずれか一つに記載の化合物。 Dが、第一級又は第二級アミン、ヒドロキシル、スルフィドリル及びカルボキシル基からなる群から選択される、化学的に反応性の官能基を有する、請求項21に記載の化合物。 Dが、 デュオカルマイシン、CC−1065、CBIを主成分とするデュオカルマイシンアナログ、MCBIを主成分とするデュオカルマイシンアナログ、CCBIを主成分とするデュオカルマイシンアナログ、ドキソルビシン、ドキソルビシン複合体、モルフォリノドキソルビシン、シアノモルフォリノドキソルビシン、ドラスタチン、ドラスタチン−10、コンブレタスタチン、カリチェアミシン、マイタンシン、マイタンシンアナログ、DMI、アウリスタチンE、アウリスタチンEB、アウリスタチンEFP、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、5−ベンゾイルバレリン酸−AEエステル(AEVB)、チューブリシン、ジソラゾール、エポシロン、パクリタキセル、ドセタキセル、SN−38、トポテカン、リゾキシン、エキノマイシン、コルヒチン、ビンブラスチン、ビンデシン、エストラムスチン、セマドチン、エリューテロビン、メトトレキサート、メトプテリン、ジクロロメトトレキサート、5−フルオロウラシル、6−メルカプトプリン、シトシンアラビノシド、メルファラン、リューロシン、リューロシダイン、アクチノマイシン、ダウノルビシン、ダウノルビシン複合体、マイトマイシンC、マイトマイシンA、カルミノマイシン、アミノプテリン、タリソマイシン、ポドフィロトキシン、ポドフィロトキシン誘導体、エトポシド、リン酸エトポシド、ビンクリスチン、タキソール、タキソテールレチノイン酸、酪酸、N8−アセチルスペルミジン及びカンプトセシン、からなる群から選択される、請求項21に記載の化合物。 Dが以下に示す構造を有する、請求項1から23のいずれか一つに記載の化合物。 (ここで、環状部Aは、飽和又は不飽和アリール、飽和又は不飽和ヘテロアリール及び飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル基から選択される要素であり、E及びGは、独立に水素原子、飽和若しくは不飽和アルキル、飽和若しくは不飽和ヘテロアルキル基、ヘテロ原子及び単結合から選択される要素であるか、又はE及びGが結合し、飽和若しくは不飽和アリール、飽和若しくは不飽和ヘテロアリール及び飽和若しくは不飽和ヘテロシクロアルキル基から選択される環状部を形成し、Xは、酸素原子、硫黄原子及びNR23から選択される要素であり、R23は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシル基から選択される要素であり、R3は、(=O)、SR11、NHR11及びOR11からなる群から選択される要素であり、ここで、R11は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、二リン酸塩、三リン酸塩、アシル、C(O)R12R13、C(O)OR12、C(O)NR12R13、P(O)(OR12)2、C(O)CHR12R13、SR12及びSiR12R13R14からなる群から選択される要素であり、R12、R13及びR14は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及び飽和又は不飽和アリール基から選択され、ここで、R12及びR13が、それらが結合する窒素原子又は炭素原子と共に4員環から6員環を有する飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成するために任意に結合し、任意に2つ以上のヘテロ原子を有し;R4、R4’、R5及びR5’は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、ハロゲン、NO2、NR15R16、NC(O)R15、OC(O)NR15R16、OC(O)OR15、C(O)R15、SR15、OR15、CR15=NR16及びO(CH2)nN(CH3)2からなる基から独立に選択され、nが1から20のいずれかの整数であり;R15及びR16は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル、飽和又は不飽和アリール、飽和又は不飽和へテロアリール、飽和又は不飽和ヘテロシクロアリール及び飽和又は不飽和ペプチジル基から選択され、ここで、R15及びR16が、それらが結合する窒素原子と共に4員環から6員環を有する飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成するために任意に結合し、任意に2つ以上のヘテロ原子を有し;R6は、存在するか又は存在しない単結合であり、存在するときはR6及びR7が結合してシクロプロピル環を形成し;並びに、R7は、CH2−X1又は前記シクロプロピル環においてR6と連結する−CH2−であり、ここでX1が脱離基であり、ここでR11、R12、R13、R15又はR16のうち少なくとも一つが、前記薬剤を、存在するときはL1に、又はFに結合させる。) Dが以下に示す構造を有する、請求項24に記載の化合物。 (ここで、Zは酸素原子、硫黄原子及びNR23から選択される要素であり、ここで、R23が水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシル基から選択される要素であり;R1は、水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル、C(O)R8又はCO2R8であり、ここで、R8が置換アルキル、非置換アルキル、NR9R10、NR9NHR10及びOR9からなる基から選択される要素であり、ここで、R9及びR10が水素原子、飽和又は不飽和アルキル及び飽和又は不飽和ヘテロアルキルから独立に選択される要素であり;R2は、水素原子、置換アルキル又は非置換低級アルキルであり;R11、R12、R13、R15又はR16のうち少なくとも一つは、前記薬剤を、存在するときはL1に、又はFに結合させる。) R2が、非置換低級アルキルである、請求項25に記載の化合物。 NH2−(L3)−Dが、以下に示す群から選択される構造、すなわちを有し、Zは、酸素原子、硫黄原子及びNR23から選択される要素であり、ここで、R23が水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシル基から選択される要素であり;ここで、各々の構造式に存在するNH2基が(AA1)cと反応して−(AA1)c−NH−を形成する、請求項3に記載の化合物。 Dが、以下に示す構造を有する、請求項24に記載の化合物。 (ここで、Zは酸素原子、硫黄原子及びNR23から選択される要素であり、ここで、R23は水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシル基から選択される要素であり;R1は水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル、C(O)R8又はCO2R8であり、ここで、R8がNR9R10及びOR9から選択される要素であり、ここで、R9及びR10は水素原子、飽和又は不飽和アルキル及び飽和又は不飽和ヘテロアルキル基から独立に選択される要素であり;R1’は水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル又はC(O)R8であり、ここで、R8はNR9R10及びOR9から選択される要素であり、ここで、R9及びR10は水素原子、飽和又は不飽和アルキル及び飽和又は不飽和ヘテロアルキル基から独立に選択される要素であり;R2は水素原子、飽和若しくは不飽和低級アルキル、非置換ヘテロアルキル、シアノ基又はアルコキシル基であり;R2’は水素原子、飽和若しくは不飽和低級アルキル又は非置換ヘテロアルキルであり、ここで、R11、R12、R13、R15又はR16のうち少なくとも一つが、前記薬剤を、存在するときはL1に、又はFに結合させる。) Fが、以下に示す構造を有する、請求項2に記載の化合物。 (ここで、R24は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル及び非置換ヘテロアルキルからなる群から選択され;Kは、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、ハロゲン、NO2、NR21R22、NR21COR22、OCONR21R22、OCOR21及びOR21、からなる群から選択される要素であり、ここで、R21及びR22は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル基、からなる群から独立に選択され;aは0,1、2、3又は4のいずれかの整数である。) −F−(L1)m−が、以下に示す構造を有する、請求項29に記載の化合物。 (ここで、各々のR24は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル及び非置換ヘテロアルキルからなる群から独立に選択される要素である。) 以下に示す構造を有する、請求項29に記載の化合物。 (ここで、X1はハロゲンであり;Xは酸素原子、硫黄原子及びNR23から選択される要素であり;R23は水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシル基から選択される要素であり;R4、R4’、R5及びR5’は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、ハロゲン、NO2、NR15R16、NC(O)R15、OC(O)NR15R16、OC(O)OR15、C(O)R15、OR15及びO(CH2)nN(CH3)2、からなる群から独立に選択される要素であり、ここで、nは1から20のいずれかの整数であり;R15及びR16は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル、飽和又は不飽和アリール、飽和又は不飽和ヘテロアリール及び飽和又は不飽和から独立に選択され、ここで、R15及びR16が、それらが結合する窒素原子と共に任意に結合し、4員環から6員環の飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を有する。) 以下に記載の群、すなわちから選択され、X1がCl又はBrであり、Abが抗体又はそのフラグメントである、請求項29に記載の化合物。 以下に記載の構造、すなわちを有し、ここで、X1が脱離基であり;Z及びXが、酸素原子、硫黄原子及びNR23から独立に選択される要素であり、ここで、R23が、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシルから選択される要素であり;R3が、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、ハロゲン、NO2、NR15R16、NC(O)R15、OC(O)NR15R16、OC(O)OR15、C(O)R15、OR15及びO(CH2)nN(CH3)2からなる群から選択され、ここで、nが1から20のいずれかの整数であり;R15及びR16が、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル、飽和又は不飽和アリール、飽和又は不飽和ヘテロアリール及び飽和又は不飽和から独立に選択され、ここで、R15及びR16が、それらが結合する窒素原子と共に任意に結合して4員環から6員環を有する飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を有する、請求項3に記載の化合物。 以下に記載のいずれかの構造、すなわちを有し、ここで、各々のbが独立に0から20のいずれかの整数であり、Abが抗体又はそのフラグメントである、請求項33に記載の化合物。 以下に記載の群、すなわちから選択され、ここで、X1がCl又はBrであり、Abが抗体又はそのフラグメントである、請求項3に記載の化合物。 以下に記載の群、すなわち、から選択され、X1がCl又はBrであり、Abが抗体又はそのフラグメントである、請求項3に記載の化合物。 以下に記載の構造、すなわち、を有し、ここで、X1がCl又はBrであり、Abが抗体又はそのフラグメントである、請求項3に記載の化合物。 以下の一般式で示される、化合物。 (ここで、Dは、その基本骨格に対するペンダント基としての、化学的に反応性の官能基を有する薬剤部分であり、前記官能基は、第一級又は第二級アミン、ヒドロキシル、スルフィドリル、カルボキシル、アルデヒド及びケトンからなる群から選択され、L1は自己犠牲リンカーであり、mは、0、1、2、3、4、5又は6のいずれかの整数であり;X4は、保護された反応性官能基、保護されない反応性官能基、検出可能なラベル及びターゲティング試薬からなる群から選択される要素であり;L4はリンカー要素であり;pは0又は1であり;Hは、以下に記載の構造、すなわちを有するリンカーであり、ここで、n1は1から10のいずれかの整数であり;n2は0、1又は2であり;各々のR24は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル及び非置換ヘテロアルキルからなる群から独立に選択される要素であり;Iは、結合又は以下に記載の化合物、すなわちであり、ここで、n3は0又は1であり、但しn3が0であるときはn2は0でなく;n4は1、2又は3であり、ここで、Iが結合、n1が3、n2が1であるとき、Dは以下の化合物、すなわち又はであり、ここで、RはMe又はCH2−CH2−NMe2である。) フェニル環上の置換が、パラ位での置換である、請求項38に記載の化合物。 n1が、2、3又は4である、請求項38又は39のいずれか一つに記載の化合物。 n1が3である、請求項40に記載の化合物。 n2が1である、請求項38から41のいずれか一つに記載の化合物。 Iが結合である、請求項42に記載の化合物。 Hが、開裂により6員環を有する自己犠牲リンカーを形成する、請求項38から43のいずれか一つに記載の化合物。 n3が0であり、n4が2である、請求項42に記載の化合物。 Hが、開裂により2つの5員環を有する自己犠牲リンカーを形成する、請求項38から43のいずれか一つに記載の化合物。 開裂により、Hが5員環を有する自己犠牲リンカーを形成するか、Hが7員環を有する自己犠牲リンカーを形成するか、又はHが5員環を有する自己犠牲リンカー及び6員環を有する自己犠牲リンカーを形成する、請求項38から43のいずれか一つに記載の化合物。 Hが、以下の構造を有する、請求項38から43のいずれか一つに記載の化合物。 n1が2、3又は4である、請求項48に記載の化合物。 n1が3である、請求項48に記載の化合物。 R24の各々が、CH3及び水素原子から独立に選択される、請求項48から50のいずれか一つの化合物。 R24の各々が水素原子である、請求項48から51のいずれか一つに記載の化合物。 Hが、以下の構造を有する、請求項38から43のいずれか一つに記載の化合物。 n1が3である、請求項53に記載の化合物。 R24の各々が、CH3及び水素原子から独立に選択される、請求項53に記載の化合物。 Hが、以下の構造を有する、請求項53に記載の化合物。 Hが、ジェミナル構造のジメチル置換を有する、請求項53に記載の化合物。 各々のR24が、独立に水素原子又は飽和若しくは不飽和アルキル基である、請求項56に記載の化合物。 Dが、細胞障害性薬剤である、請求項38から58のいずれか一つに記載の化合物。 Dが、第一級又は第二級アミン、ヒドロキシル、スルフィドリル及びカルボキシル基からなる群から選択される、化学反応性の官能基を有する、請求項38から59のいずれか一つに記載の化合物。 Dが、 デュオカルマイシン、CC−1065、CBIを主成分とするデュオカルマイシンアナログ、MCBIを主成分とするデュオカルマイシンアナログ、CCBIを主成分とするデュオカルマイシンアナログ、ドキソルビシン、ドキソルビシン複合体、モルフォリノ−ドキソルビシン、シアノモルフォリノ−ドキソルビシン、ドラスタチン、ドレスタチン−10、コンブレタスタチン、カリケアミシン、マイタンシン、マイタンシンアナログ、DMI、アウリスタチンE、アウリスタチンEB(AEB)、アウリスタチンEFP(AEFP)、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、5−ベンゾイルバレリン酸−AEエステル(AEVB)、チューブリシン、ジソラゾール、エポシロン、パクリタキセル、ドセタキセル、SN−38、トポテカン、リゾキシン、エキノマイシン、コルヒチン、ビンブラスチン、ビンデシン、エストラムスチン、セマドチン、エリューテロビン、メトトレキサート、メトプテリン、ジクロロメトトレキサート、5−フルオロウラシル、6−メルカプトプリン、シトシンアラビノシド、メルファラン、リューロシン、リューロシダイン、アクチノマイシン、ダウノルビシン、ダウノルビシン複合体、マイトマイシンC、マイトマイシンA、カルミノマイシン、アミノプテリン、タリソマイシン、ポドフィロトキシン、ポドフィロトキシン誘導体、エトポシド、エトポシドリン酸塩、ビンクリスチン、タキソール、タキソテールレチノイン酸、酪酸、N8−アセチルスペルミジン及びカンプトセシン、からなる群から選択される、請求項38から60のいずれか一つに記載の化合物。 Dが、以下の構造を有する、請求項38から61のいずれか一つに記載の化合物。 (ここで、環状部Aは、飽和又は不飽和アリール、飽和又は不飽和ヘテロアリール及び飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル基から選択される要素であり;E及びGは、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル、ヘテロ原子、単結合から独立に選択される要素であるか、又は、E及びGが結合して、飽和又は不飽和アリール、飽和又は不飽和ヘテロアリール及び飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル基から選択される環状部を形成し;Xは、酸素原子、硫黄原子及びNR23から選択される要素であり;R23は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシル基から選択される要素であり;R3は、(=O)SR11、NHR11、及びOR11からなる群から選択される要素であり、ここで、R11は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、二リン酸塩、三リン酸塩、アシル、C(O)R12R13、C(O)OR12、C(O)NR12R13、P(O)(OR12)2、C(O)CHR12R13、SR12及びSiR12R13R14からなる群から選択される要素であり、R12、R13及びR14は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及び飽和又は不飽和アリールから独立に選択される要素であり、ここで、R12及びR13は、それらが結合する窒素原子又は炭素原子と共に任意に結合して4員環から6員環を有する飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を有し;R4、R4’、R5及びR5’は、以下の群、すなわち、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、ハロゲン、NO2、NR15R16、NC(O)R15、OC(O)NR15R16、OC(O)OR15、C(O)R15、SR15、OR15、CR15=NR16及びO(CH2)nN(CH3)2から独立に選択される要素であり、nは、1から20のいずれかの整数であり;R15及びR16は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル、飽和又は不飽和アリール、飽和又は不飽和ヘテロアリール、飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル及び飽和又は不飽和ペプチジル基から独立に選択され、ここで、R15及びR16は、それらが結合する窒素原子と共に任意に結合して4員環から6員環を有する飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を有し;R6は、存在するか又は存在しない単結合であり、存在するときはR6及びR7が接続してシクロプロピル環を形成し;R7は、CH2−X1又はR6と前記シクロプロピル環において連結する−CH2−であり、ここでX1が脱離基であり、ここで、R11、R12、R13、R15又はR16の少なくとも一つは、前記薬剤を、もし存在するときはL1と、又はHと結合させる。) Dが、以下の構造を有する、請求項62に記載の化合物。 (ここで、Zは、酸素原子、硫黄原子及びNR23から選択される要素であり、ここで、R23は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシル基から選択される要素であり;R1は、水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル、C(O)R8又はCO2R8であり、ここで、R8は、置換アルキル、非置換アルキル、NR9R10、NR9NHR10及びOR9からなる群から選択される要素であり、ここで、R9及びR10は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル及び飽和又は不飽和ヘテロアルキル基から独立に選択される要素であり;R2は、水素原子、置換アルキル又は非置換低級アルキル基であり;R11、R12、R13、R15又はR16のうち少なくとも一つは、前記薬剤を、存在するときはL1に、又はHに結合させる。) R2が、非置換低級アルキルである、請求項63に記載の化合物。 Dが以下に記載の構造を有する、請求項62に記載の化合物。 (ここで、Zは酸素原子、硫黄原子及びNR23から選択される要素であり、ここで、R23は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシル基から選択される要素であり;R1は、水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル基、C(O)R8又はCO2R8であり、ここで、R8がNR9R10及びOR9から選択される要素であり、ここで、R9及びR10は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル及び飽和又は不飽和ヘテロアルキル基から独立に選択される要素であり;R1’は、水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル又はC(O)R8であり、ここで、R8がNR9R10及びOR9から選択される要素であり、ここで、R9及びR10は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル及び飽和又は不飽和ヘテロアルキル基から独立に選択される要素であり;R2は、水素原子、飽和若しくは不飽和低級アルキル、非置換ヘテロアルキル、シアノ基又はアルコキシル基であり;R2’は、水素原子、飽和若しくは不飽和低級アルキル又は非置換ヘテロアルキル基であり、ここで、R11、R12、R13、R15又はR16のうち少なくとも一つは、前記薬剤を、存在するときはL1に、又はHに結合させる。) L4が、非環状部分を有する、請求項38から65のいずれか一つに記載の化合物。 L4が、L4を欠く化合物と比較して、化合物の溶解性を増加させる、請求項38から66のいずれか一つに記載の化合物。 L4が、L4を欠く化合物と比較して、化合物の凝集を減少させる、請求項38から67のいずれか一つに記載の化合物。 L4が、ポリエチレングリコール部分を有する、請求項38から68のいずれか一つに記載の化合物。 前記ポリエチレングリコール部分が、3から12の繰り返し単位を有する、請求項69に記載の化合物。 前記ポリエチレングリコール部分が、2から6の繰り返し単位を有する、請求項70に記載の化合物。 前記ポリエチレングリコール部分が、4つの繰り返し単位を有する、請求項71に記載の化合物。 以下の構造を有する、請求項63の化合物。又は 以下の構造を有する、請求項63の化合物。 以下の構造を有する、請求項63の化合物。 (ここで、PEGがポリエチレングリコール部分であり、X1がCl又はBrである。) 以下の構造を有する、請求項63に記載の化合物。 (ここで、X1がCl又はBrであり、Abが抗体又はそのフラグメントである。) 以下の群から選択される構造を有する、請求項63に記載の化合物。 (ここで、X1がCl又はBrであり、Abが抗体又はそのフラグメントである。) 以下の一般式で示される、化合物。(ここで、Dは、その基本骨格に対するペンダント基としての、化学的に反応性の官能基を有する薬剤部分であり、その官能基は、第一級又は第二級アミン、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルデヒド、及びケトンからなる群から選択され;L1は自己犠牲リンカーであり;mは0、1、2、3、4、5又は6から選択される整数であり;X4は、保護された反応性官能基、保護されない反応性官能基、検出可能なラベル及びターゲティング試薬からなる群から選択される要素であり;L4はリンカーであり;pは0又は1であり;Jは、以下の構造、すなわち、を有するリンカーであり、ここで、各々のR24は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル及び非置換ヘテロアルキル基からなる群から独立に選択される要素であり;各々のKは、以下からなる群、すなわち、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル基、ハロゲン、NO2、NR21R22、NR21COR22、OCONR21R22、OCOR21及びOR21、から独立に選択される要素であり、ここで、R21及びR22は、以下からなる群、すなわち、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル及び非置換ヘテロシクロアルキル基、から独立に選択され;aは0、1、2、3又は4のいずれかの整数であり;dは0、1、2、3、4、5又は6のいずれかの整数である。) Jが、以下の構造を有する、請求項78に記載の化合物。 Jが、以下の構造を有する、請求項78に記載の化合物。 dが、1又は2である、請求項80に記載の化合物。 Jが、以下の構造を有する、請求項78に記載の化合物。 Jが、以下の構造を有する、請求項82に記載の化合物。 Dが、細胞障害性薬剤である、請求項78から83のいずれか一つに記載の化合物。 Dが、第一級又は第二級アミン、ヒドロキシル、スルフィドリル及びカルボキシル基からなる群から選択される、化学的に反応性の官能基を有する、請求項78から84のいずれか一つに記載の化合物。 Dが、以下の群、すなわち、 デュオカルマイシン、CC−1065、CBIを主成分とするデュオカルマイシンアナログ、MCBIを主成分とするデュオカルマイシンアナログ、CCBIを主成分とするデュオカルマイシンアナログ、ドキソルビシン、ドキソルビシン複合体、モルフォリノ−ドキソルビシン、シアノモルフォリノ−ドキソルビシン、ドラスタチン、ドレスタチン−10、コンブレタスタチン、カリケアミシン、マイタンシン、マイタンシンアナログ、DMI、アウリスタチンE、アウリスタチンEB(AEB)、アウリスタチンEFP(AEFP)、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、5−ベンゾイルバレリン酸AEエステル(AEVB)、チューブリシン、ジソラゾール、エポシロン、パクリタキセル、ドセタキセル、SN−38、トポテカン、リゾキシン、エキノマイシン、コルヒチン、ビンブラスチン、ビンデシン、エストラムスチン、セマドチン、エリューテロビン、メトトレキサート、メトプテリン、ジクロロメトトレキサート、5−フルオロウラシル、6−メルカプトプリン、シトシンアラビノシド、メルファラン、リューロシン、リューロシダイン、アクチノマイシン、ダウノルビシン、ダウノルビシン複合体、マイトマイシンC、マイトマイシンA、カルミノマイシン、アミノプテリン、タリソマイシン、ポドフィロトキシン、ポドフィロトキシン誘導体、エトポシド、エトポシドリン酸塩、ビンクリスチン、タキソール、タキソテールレチノイン酸、酪酸、N8−アセチルスペルミジン及びカンプトセシン、から選択される、請求項78から85のいずれか一つに記載の化合物。 Dが、以下の構造を有する、請求項78から86のいずれか一つに記載の化合物。 (ここで、環状部Aは、飽和又は不飽和アリール、飽和又は不飽和ヘテロアリール及び飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル基から選択される要素であり;E及びGは、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル、ヘテロ原子、単結合から独立に選択される要素であるか、又は、E及びGが結合して飽和又は不飽和アリール、飽和又は不飽和ヘテロアリール及び飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキルから選択される環状部を形成し;Xは、酸素原子、硫黄原子及びNR23から選択される要素であり;R23は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシルから選択される要素であり;R3は、(=O)SR11、NHR11、及びOR11からなる群から選択される要素であり、ここで、R11は水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル、二リン酸塩、三リン酸塩、アシル、C(O)R12R13、C(O)OR12、C(O)NR12R13、P(O)(OR12)2、C(O)CHR12R13、SR12及びSiR12R13R14からなる群から選択される要素であり、R12、R13及びR14は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及び飽和又は不飽和アリールから独立に選択される要素であり、ここで、R12及びR13は、それらが結合する窒素原子又は炭素原子と共に任意に結合して4員環から6員環を有する飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を有し;R4、R4’、R5及びR5’は、以下の群、すなわち、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、ハロゲン、NO2、NR15R16、NC(O)R15、OC(O)NR15R16、OC(O)OR15、C(O)R15、SR15、OR15、CR15=NR16及びO(CH2)nN(CH3)2、から独立に選択される要素であり、nは1から20のいずれかの整数であり;R15及びR16は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル、飽和又は不飽和アリール、飽和又は不飽和ヘテロアリール、飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル及び飽和又は不飽和ペプチジル基から独立に選択され、ここで、R15及びR16は、それらが結合する窒素原子と共に任意に接続して4員環から6員環を有する飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を有し;R6は、存在するか又は存在しない単結合であり、存在するときはR6及びR7が接続してシクロプロピル環を形成し;R7は、CH2−X1又はR6と前記シクロプロピル環において連結する−CH2−であり、ここで、X1が脱離基であり、ここで、R11、R12、R13、R15又はR16の少なくとも一つは、前記薬剤を、もし存在するときはL1と、又はJと結合させる。) Dが以下の構造を有する、請求項87に記載の化合物。 (ここで、Zは酸素原子、硫黄原子及びNR23から選択される要素であり、ここで、R23は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシル基から選択される要素であり;R1は、水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル基、C(O)R8又はCO2R8であり、ここで、R8は、置換アルキル、非置換アルキル基、NR9R10、NR9NHR10及びOR9からなる群から選択される要素であり、ここで、R9及びR10は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル及び飽和又は不飽和ヘテロアルキル基から独立に選択される要素であり;R2は、水素原子、置換アルキル又は非置換低級アルキル基であり;R11、R12、R13、R15又はR16のうち少なくとも一つは、前記薬剤を、存在するときはL1に、又はJに結合させる。) R2が、非置換低級アルキル基である、請求項88に記載の化合物。 Dが、以下の構造を有する、請求項87に記載の化合物。 (ここで、Zは、酸素原子、硫黄原子及びNR23から選択される要素であり、ここで、R23は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシル基から選択される要素であり;R1は、水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル基、C(O)R8又はCO2R8であり、ここで、R8は、NR9R10及びOR9から選択される要素であり、ここで、R9及びR10は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル及び飽和又は不飽和ヘテロアルキル基から独立に選択される要素であり;R1’は、水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル基又はC(O)R8であり、ここで、R8は、NR9R10及びOR9から選択される要素であり、ここで、R9及びR10は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル及び飽和又は不飽和ヘテロアルキル基から独立に選択される要素であり;R2は、水素原子、飽和若しくは不飽和低級アルキル、非置換ヘテロアルキル、シアノ基又はアルコキシル基であり;R2’が水素原子、飽和若しくは不飽和低級アルキル又は非置換ヘテロアルキル基であり、ここで、R11、R12、R13、R15又はR16のうち少なくとも一つは、前記薬剤を、存在するときはL1に、又はJに結合させる。) L4が、非環状部分を有する、請求項78から90のいずれか一つに記載の化合物。 L4が、L4を欠く化合物と比較して、化合物の溶解性を増加させる、請求項78から91のいずれか一つに記載の化合物。 L4が、L4を欠く化合物と比較して、化合物の凝集を減少させる、請求項78から92のいずれか一つに記載の化合物。 L4が、ポリエチレングリコール部分を有する、請求項78から93のいずれか一つに記載の化合物。 前記ポリエチレングリコール部分が、3から12の繰り返し単位を有する、請求項94に記載の化合物。 前記ポリエチレングリコール部分が、2から6の繰り返し単位を有する、請求項95に記載の化合物。 前記ポリエチレングリコール部分が、4つの繰り返し単位を有する、請求項96に記載の化合物。 以下の構造を有する、請求項88に記載の化合物。又は 以下の群、すなわち、から選択される構造を有し、ここで、X1がCl又はBrであり、Abが抗体又はそのフラグメントである、請求項88の化合物。 以下の一般式で示される、化合物。 (ここで、Dは、その基本骨格に対するペンダント基としての、化学的に反応性の官能基を有する薬剤部分であり、第一級又は第二級アミン、ヒドロキシル、チオール、カルボキシル、アルデヒド、及びケトンからなる群から選択され;L1は自己犠牲リンカーであり;mは0、1、2、3、4、5又は6から選択される整数であり;X4は、保護された反応性官能基、保護されない反応性官能基、検出可能なラベル及びターゲティング試薬からなる群から選択される要素であり;L4はリンカーであり;pは0又は1であり;Hは、以下の構造、すなわち、を有するリンカーであり;ここで、qは0、1,2、3、4、5又は6であり;ここで、各々のR24は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル及び非置換ヘテロアルキル基からなる群から独立に選択される要素であり、このヒドラジン構造はまた、5員環、6員環又は7員環を有する環状構造を形成することができ、付加的な構成要素を付加して多数の環を形成することができる。) Hが、開裂により6員環を有する自己犠牲リンカーを形成する、請求項100に記載の化合物。 Hが、開裂により二つの5員環を有する自己犠牲リンカーを形成する、請求項100に記載の化合物。 Dが、細胞障害性薬剤である、請求項100から102のいずれか一つに記載の化合物。 Dが、第一級又は第二級アミン、ヒドロキシル、スルフィドリル及びカルボキシルからなる群から選択される、化学的に反応性の官能基を有する、請求項100から103のいずれか一つに記載の化合物。 Dが、以下の群、すなわち、 デュオカルマイシン、CC−1065、CBIを主成分とするデュオカルマイシンアナログ、MCBIを主成分とするデュオカルマイシンアナログ、CCBIを主成分とするデュオカルマイシンアナログ、ドキソルビシン、ドキソルビシン複合体、モルフォリノ−ドキソルビシン、シアノモルフォリノ−ドキソルビシン、ドラスタチン、ドレスタチン−10、コンブレタスタチン、カリケアミシン、マイタンシン、マイタンシンアナログ、DMI、アウリスタチンE、アウリスタチンEB(AEB)、アウリスタチンEFP(AEFP)、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、5−ベンゾイルバレリン酸AEエステル(AEVB)、チューブリシン、ジソラゾール、エポシロン、パクリタキセル、ドセタキセル、SN−38、トポテカン、リゾキシン、エキノマイシン、コルヒチン、ビンブラスチン、ビンデシン、エストラムスチン、セマドチン、エリューテロビン、メトトレキサート、メトプテリン、ジクロロメトトレキサート、5−フルオロウラシル、6−メルカプトプリン、シトシンアラビノシド、メルファラン、リューロシン、リューロシダイン、アクチノマイシン、ダウノルビシン、ダウノルビシン複合体、マイトマイシンC、マイトマイシンA、カルミノマイシン、アミノプテリン、タリソマイシン、ポドフィロトキシン、ポドフィロトキシン誘導体、エトポシド、エトポシドリン酸塩、ビンクリスチン、タキソール、タキソテールレチノイン酸、酪酸、N8−アセチルスペルミジン及びカンプトセシン、から選択される、請求項100から104のいずれか一つに記載の化合物。 Dが、以下の構造を有する、請求項100から105のいずれか一つに記載の化合物。 (ここで、環状部Aは、飽和又は不飽和アリール、飽和又は不飽和ヘテロアリール及び飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル基から選択される要素であり;E及びGは、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル基、ヘテロ原子、単結合から独立に選択される要素であるか、又は、E及びGが結合して飽和又は不飽和アリール、飽和又は不飽和ヘテロアリール及び飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル基から選択される環状部を形成し;Xは、酸素原子、硫黄原子及びNR23から選択される要素であり;R23は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシルから選択される要素であり;R3は、(=O)SR11、NHR11、及びOR11からなる群から選択される要素であり、ここで、R11は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル基、二リン酸塩、三リン酸塩、アシル基、C(O)R12R13、C(O)OR12、C(O)NR12R13、P(O)(OR12)2、C(O)CHR12R13、SR12及びSiR12R13R14からなる群から選択される要素であり、R12、R13及びR14は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及び飽和又は不飽和アリール基から独立に選択される要素であり、ここで、R12及びR13は、それらが結合する窒素原子又は炭素原子と共に任意に結合して4員環から6員環を有する飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を有し;R4、R4’、R5及びR5’は、以下の群、すなわち、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル基、ハロゲン、NO2、NR15R16、NC(O)R15、OC(O)NR15R16、OC(O)OR15、C(O)R15、SR15、OR15、CR15=NR16及びO(CH2)nN(CH3)2、から独立に選択される要素であり、nは1から20のいずれかの整数であり;R15及びR16は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル、飽和又は不飽和アリール、飽和又は不飽和ヘテロアリール、飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル及び飽和又は不飽和ペプチジル基から独立に選択され、ここで、R15及びR16は、それらが結合する窒素原子と共に任意に結合して4員環から6員環を有する飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を有し;R6は、存在するか又は存在しない単結合であり、存在するときはR6及びR7が接続してシクロプロピル環を形成し;R7は、CH2−X1又はR6と前記シクロプロピル環において連結する−CH2−であり、ここで、X1が脱離基であり、ここで、R11、R12、R13、R15又はR16の少なくとも一つは、前記薬剤を、もし存在するときはL1と、又はFと結合させる。) Dが、以下の構造を有する、請求項106に記載の化合物。 (ここで、Zは酸素原子、硫黄原子及びNR23から選択される要素であり、ここで、R23は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシル基から選択される要素であり;R1は、水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル基、C(O)R8又はCO2R8であり、ここで、R8は、置換アルキル、非置換アルキル基、NR9R10、NR9NHR10及びOR9からなる群から選択される要素であり、ここで、R9及びR10は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル及び飽和又は不飽和ヘテロアルキル基から独立に選択される要素であり;R2が水素原子、置換アルキル又は非置換低級アルキル基であり;R11、R12、R13、R15又はR16のうち少なくとも一つは、前記薬剤を、存在するときはL1に、又はHに結合させる。) R2が、非置換低級アルキル基である、請求項107に記載の化合物。 Dが、以下に記載の構造を有する、請求項106に記載の化合物。 (ここで、Zは、酸素原子、硫黄原子及びNR23から選択される要素であり、ここで、R23は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシル基から選択される要素であり;R1は、水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル基、C(O)R8又はCO2R8であり、ここで、R8は、NR9R10及びOR9から選択される要素であり、ここで、R9及びR10は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル及び飽和又は不飽和ヘテロアルキル基から独立に選択される要素であり;R1’は、水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル基又はC(O)R8であり、ここで、R8はNR9R10及びOR9から選択される要素であり、ここで、R9及びR10は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル及び飽和又は不飽和ヘテロアルキル基から独立に選択される要素であり;R2は、水素原子、飽和若しくは不飽和低級アルキル、非置換ヘテロアルキル、シアノ基又はアルコキシル基であり;R2’は、水素原子、飽和若しくは不飽和低級アルキル又は非置換ヘテロアルキル基であり、ここで、R11、R12、R13、R15又はR16のうち少なくとも一つは、前記薬剤を、存在するときはL1に、又はHに結合させる。) L4が、非環状部分を有する、請求項100から109のいずれか一つに記載の化合物。 L4が、L4を欠く化合物と比較して、化合物の溶解性を増加させる、請求項100から110のいずれか一つに記載の化合物。 L4が、L4を欠く化合物と比較して、化合物の凝集を減少させる、請求項100から111のいずれか一つに記載の化合物。 L4が、ポリエチレングリコール部分を有する、請求項100から112のいずれか一つに記載の化合物。 前記ポリエチレングリコール部分が、3から12の繰り返し単位を有する、請求項113に記載の化合物。 前記ポリエチレングリコール部分が、2から6の繰り返し単位を有する、請求項114に記載の化合物。 前記ポリエチレングリコール部分が、4つの繰り返し単位を有する、請求項115に記載の化合物。 以下に記載の構造、すなわち、又はを有し;ここで、Abが抗体又はそのフラグメントである、請求項109に記載の化合物。 以下の一般式で示される、化合物。 (ここで、L1は自己犠牲リンカーであり;mは整数0、1、2、3、4、5又は6であり;L4はリンカーであり、ここで、L4は直接(AA1)cのN末端に結合するカルボキシルアシル基を含まず;pは0又は1であり;X4は、保護された反応性官能基、保護されない反応性官能基、検出可能なラベル及びターゲティング試薬からなる群から選択される要素であり;Qは開裂可能なリンカーであり;D1は、以下の一般式、すなわち、を有する薬剤であり、ここで、X及びZは、酸素原子、硫黄原子及びNR23から独立に選択される要素であり;R23は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシル基から選択される要素であり;R1は、水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル基、C(O)R8又はCO2R8であり、R1’は、水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル基又はC(O)R8であり、ここで、R8はNR9R10及びOR9から選択される要素であり、R9及びR10は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル及び飽和又は不飽和ヘテロアルキル基から独立に選択される要素であり;R2は、水素原子、飽和若しくは不飽和低級アルキル、非置換ヘテロアルキル、シアノ基又はアルコキシル基であり;R2’は、水素原子又は飽和又は不飽和低級アルキル又は非置換ヘテロアルキル基であり、R3は、SR11、NHR11及びOR11からなる群から選択される要素であり、ここで、R11は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル基、二リン酸塩、三リン酸塩、アシル、C(O)R12R13、C(O)OR12、C(O)NR12R13、P(O)(OR12)2、C(O)CHR12R13、SR12及びSiR12R13R14からなる群から選択される要素であり、R12、R13及びR14は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及び飽和又は不飽和アリール基から独立に選択される要素であり、ここで、R12及びR13は、それらが結合する窒素原子又は炭素原子と共に任意に結合して4員環から6員環を有する飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を有し;ここで、R11、R12及びR13のうち少なくとも一つは、前記薬剤を、存在するときはL1に、又はQに結合させ、R6は、存在するか又は存在しない単結合であり、存在するときはR6及びR7が結合してシクロプロピル環を形成し;R7は、CH2−X1又は前記シクロプロピル環でR6と結合した−CH2−であり、ここで、X1が脱離基であり、R4、R4’、R5及びR5’は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル基、ハロゲン、NO2、NR15R16、NC(O)R15、OC(O)NR15R16、OC(O)OR15、C(O)R15、SR15、OR15、CR15=NR16及びO(CH2)nNR24R25からなる群から独立に選択される要素であり、ここでnは1から20のいずれかの整数であり;ここで、R15及びR16は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル、飽和又は不飽和アリール、飽和又は不飽和ヘテロアリール、飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル及び飽和又は不飽和ペプチジル基から独立に選択され、ここで、R15及びR16は、それらが結合する窒素原子と任意に結合して4員環から6員環を有する飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル環状を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を有し;R24及びR25は、非置換アルキルから独立に選択され、R4、R4’、R5及びR5’のうち少なくとも一つは、O(CH2)nNR24R25である。) nが2である、請求項118に記載の化合物。 R24及びR25が、メチル基である、請求項118又は119に記載の化合物。 R4’、R5及びR5’が水素原子であり、R4がO(CH2)nNR24R25である、請求項118から120のいずれか一つに記載の化合物。 R4がO(CH2)2N(CH3)2である、請求項121に記載の化合物。 R1、R1’、R2及びR2’が、水素原子である、請求項118から122のいずれか一つに記載の化合物。 薬剤D1が、以下から選択される一般式を有する、請求項118から123いずれか一つに記載の化合物。及び 以下の一般式で表される、化合物。 (ここで、X及びZは、酸素原子、硫黄原子及びNR23から独立に選択され、R23は水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシル基から選択される要素であり;R1は、水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル、C(O)R8又はCO2R8であり、R1’は、水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル又はC(O)R8であり、各々のR8は、NR9R10及びOR9から独立に選択される要素であり、R9及びR10は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル及び飽和又は不飽和ヘテロアルキル基から独立に選択される要素であり;R2は、水素原子、飽和若しくは不飽和低級アルキル、非置換ヘテロアルキル、シアノ基又はアルコキシル基であり;R2’は、水素原子、飽和又は不飽和低級アルキル又は非置換ヘテロアルキル基であり、R3は、SR11、NHR11及びOR11からなる基から選択される要素であり、ここで、R11は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアルキル基、二リン酸塩、三リン酸塩、アシル基、C(O)R12R13、C(O)OR12、C(O)NR12R13、P(O)(OR12)2、C(O)CHR12R13、SR12及びSiR12R13R14)からなる群から選択される要素であり、ここで、R12、R13及びR14は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及び飽和又は不飽和アリール基から独立に選択されるか、又は、R12及びR13は、それらが結合する窒素原子又は炭素原子と共に結合して4員環から6員環を有する飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成し;R6は、存在するか又は存在しない単結合であり、存在するときはR6及びR7が結合してシクロプロピル環を形成し;R7は、CH2−X1又は前記シクロプロピル環においてR6と結び付いた−CH2−であり、ここで、X1は脱離基であり、R4、R4’、R5及びR5’は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル基、ハロゲン、NO2、NR15R16、NC(O)R15、OC(O)NR15R16、OC(O)OR15、C(O)R15、SR15、OR15、CR15=NR16及びO(CH2)nNR24R25からなる群から独立に選択される要素であり、ここでnは1から20のいずれかの整数であり;ここで、R15及びR16は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル、飽和又は不飽和アリール、飽和又は不飽和ヘテロアリール、飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル及び飽和又は不飽和ペプチジル基から独立に選択され、ここで、R15及びR16は、それらが結合する窒素原子と任意に結合して4員環から6員環を有する飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を有し;R24及びR25は、非置換アルキル基から独立に選択され、R4、R4’、R5及びR5’のうち少なくとも一つは、O(CH2)nNR24R25である。) R4がO(CH2)nNR24R25である、請求項125に記載の化合物。 R4がO(CH2)nN(CH3)2である、請求項126に記載の化合物。 R4’、R5及びR5’が水素原子である、請求項l27に記載の化合物。 R6が存在せず、R7がCH2−X1であり、ここで、X1がF、Cl又はBrである、請求項125から128のいずれか一つに記載の化合物。 R1、R1’、R2及びR2’が水素原子である、請求項125から129のいずれか一つに記載の化合物。 Xが酸素原子であり、Zが酸素原子である、請求項125から130のいずれか一つに記載の化合物。 以下の一般式を有する、請求項125から131のいずれか一つに記載の化合物。 以下で表される一般式、すなわち、を有し、ここで、X1がF、Cl又はBrである、請求項125から132のいずれか一つに記載の化合物。 以下で表される一般式を有する、請求項125から133のいずれか一つに記載の化合物。 以下で表される一般式を有する、請求項125から134のいずれか一つに記載の化合物。 請求項1から135のいずれか一つの化合物、及び医薬的に許容される担体を有する医薬組成物。 細胞を殺す方法であり、前記方法が、前記細胞を殺すのに十分な量の請求項1から135のいずれか一つに記載の化合物をその細胞に対して投与することを含む、方法。 前記細胞が腫瘍細胞である、請求項137に記載の方法。 哺乳類の患者において腫瘍の成長を遅延又は抑止する方法であり、前記成長を遅延又は停止するのに充分な量の請求項1から135のいずれか一つに記載の化合物を前記患者に投与することを含む、方法。 本発明は、強力なサイトトキシンである薬剤−リガンド複合体を提供する。より詳細には、前記薬剤が、ペプチジル自己犠牲リンカー、ヒドラジン自己犠牲リンカー又はジスルフィド自己犠牲リンカーのいずれかを介してリガンドに連結されている、薬剤−リガンド複合体を提供する。一つの実施態様において、前記サイトトキシンはデュオカルマイシン又はその誘導体である。本発明はまた、前記薬剤−リガンド複合体を含む組成物、及びそれらを用いた治療方法に関する。20070126A16333請求項313 以下に示す構造を有する、請求項29に記載の化合物。 (ここで、X1はハロゲンであり;Xは酸素原子、硫黄原子及びNR23から選択される要素であり;R23は水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシル基から選択される要素であり;R4、R4’、R5及びR5’は、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、ハロゲン、NO2、NR15R16、NC(O)R15、OC(O)NR15R16、OC(O)OR15、C(O)R15、OR15及びO(CH2)nN(CH3)2、からなる群から独立に選択される要素であり、ここで、nは1から20のいずれかの整数であり;R15及びR16は、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル、飽和又は不飽和アリール、飽和又は不飽和ヘテロアリール及び飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル基から独立に選択され、ここで、R15及びR16が、それらが結合する窒素原子と共に任意に結合し、4員環から6員環の飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を有する。)A16333請求項333 以下に記載の構造、すなわちを有し、ここで、X1が脱離基であり;Z及びXが、酸素原子、硫黄原子及びNR23から独立に選択される要素であり、ここで、R23が、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル及びアシルから選択される要素であり;R3が、水素原子、置換アルキル、非置換アルキル、置換アリール、非置換アリール、置換ヘテロアリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、ハロゲン、NO2、NR15R16、NC(O)R15、OC(O)NR15R16、OC(O)OR15、C(O)R15、OR15及びO(CH2)nN(CH3)2からなる群から選択され、ここで、nが1から20のいずれかの整数であり;R15及びR16が、水素原子、飽和又は不飽和アルキル、飽和又は不飽和ヘテロアルキル、飽和又は不飽和アリール、飽和又は不飽和ヘテロアリール及び飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル基から独立に選択され、ここで、R15及びR16が、それらが結合する窒素原子と共に任意に結合して4員環から6員環を有する飽和又は不飽和ヘテロシクロアルキル環を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を有する、請求項3に記載の化合物。A16330配列表1配列表