生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_葉酸産生ビフィドバクテリウム菌株、製剤およびこれらの用途
出願番号:2007524465
年次:2011
IPC分類:A61K 35/74,A61K 31/702,A61K 31/732,A61K 31/722,A61K 31/733,A61K 31/736,A61K 47/18,A61K 47/42,A61P 1/00,A61P 1/04,A61P 15/02,A61P 35/00,C12N 1/20,A23L 1/30,A23C 9/127,A23C 9/13


特許情報キャッシュ

モグナ,ジョヴァンニ ストロッジ,ジャン パオロ JP 4709838 特許公報(B2) 20110325 2007524465 20040805 葉酸産生ビフィドバクテリウム菌株、製剤およびこれらの用途 アニドラル エス.アール.エル. 507038180 ANIDRAL S.R.L. 前田 均 100097180 鈴木 亨 100110917 圓尾 龍哉 100135404 堀江 一基 100147393 モグナ,ジョヴァンニ ストロッジ,ジャン パオロ 20110629 A61K 35/74 20060101AFI20110609BHJP A61K 31/702 20060101ALI20110609BHJP A61K 31/732 20060101ALI20110609BHJP A61K 31/722 20060101ALI20110609BHJP A61K 31/733 20060101ALI20110609BHJP A61K 31/736 20060101ALI20110609BHJP A61K 47/18 20060101ALI20110609BHJP A61K 47/42 20060101ALI20110609BHJP A61P 1/00 20060101ALI20110609BHJP A61P 1/04 20060101ALI20110609BHJP A61P 15/02 20060101ALI20110609BHJP A61P 35/00 20060101ALI20110609BHJP C12N 1/20 20060101ALI20110609BHJP A23L 1/30 20060101ALI20110609BHJP A23C 9/127 20060101ALI20110609BHJP A23C 9/13 20060101ALI20110609BHJP JPA61K35/74 AA61K31/702A61K31/732A61K31/722A61K31/733A61K31/736A61K47/18A61K47/42A61P1/00A61P1/04A61P15/02A61P35/00C12N1/20 AC12N1/20 EA23L1/30 ZA23C9/127A23C9/13 A61K 35/74 A23C 9/127 A23C 9/13 A23L 1/30 A61K 31/702 A61K 31/722 A61K 31/732 A61K 31/733 A61K 31/736 C12N 1/20 CA/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) DEGUCHI Y ET AL,COMPARATIVE STUDIES ON SYNTHESIS OF WATER-SOLUBLE VITAMINS AMONG HUMAN SPECIES OF BIFIDOBACTERIA,AGRICULTURAL AND BIOLOGICAL CHEMISTRY,1985年,vol.49,no.1,pages.13-19 KRAUSE LINDA J ET AL,Feeding human milk to rats increases Bifidobacterium in the cecum and colon which correlates with enhanced folate status,JOURNAL OF NUTRITION,1996年,vol.126,no.5,pages.1505-1511 CRITTENDEN R G ET AL,Synthesis and utilisation of folate by yoghurt starter cultures and probiotic bacteria,INTERNATIONAL JOURNAL OF FOOD MICROBIOLOGY,2003年 2月,vol.80,no. 3,pages.217-222 10 DSMZ DSM16594 DSMZ DSM16595 DSMZ DSM16596 DSMZ DSM16597 DSMZ DSM16598 IT2004000444 20040805 WO2006013588 20060209 2008509131 20080327 18 20070611 鶴見 秀紀 本発明は、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する葉酸産生菌株、これらを含む医薬品製剤、動物用製剤または食物製剤、ならびにこれらの用途に関する。 具体的には、本発明は、ビフィドバクテリウム属アドレッセンティス種(2)、ビフィドバクテリウム属ブレーベ種(1)、およびビフィドバクテリウム属シュードカテニュレイタム種(2)に属し、ブダペスト条約に従い、2004年7月21日にDSMZコレクションセンター(ドイツ微生物細胞培養コレクション、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH);Braunsweig、Germany)に寄託された、ヒト由来の新規菌株に関する。 前記菌株は、それぞれ以下の識別コードに帰属された: ビフィドバクテリウム アドレッセンティス(Bifidobacterium adolescentis)種、コードDSM 16594; ビフィドバクテリウム アドレッセンティス(Bifidobacterium adolescentis)種、コードDSM 16595; ビフィドバクテリウム ブレーベ(Bifidobacterium breve)種、コードDSM 16596; ビフィドバクテリウム シュードカテニュレイタム(Bifidobacterium pseudocatenulatum)種、コードDSM 16597; ビフィドバクテリウム シュードカテニュレイタム(Bifidobacterium pseudocatenulatum)種、コードDSM 16598。 葉酸は、ドナー分子から1単位の炭素を受け取る、重要な水溶性のビタミンBである。 この特性によって、葉酸は、多数の必須の細胞プロセス、たとえば、メチル基の生合成、ヌクレオチド、ビタミンおよびさまざまなアミノ酸の合成などの中枢に関わっている。 体内では、葉酸の利用可能性が増加するにつれて、DNAの複製、修復およびメチル化がより効率的になる。 したがって、高い増殖回転率を示す組織、たとえば、白血球、赤血球および腸細胞などが、多量の葉酸、もしくは少なくともそれらの良好で恒常的な利用可能性が必要とされる。 ヒトにおいては、葉酸の欠乏は、癌リスクの増加と関連付けられており、たとえば、疫学研究では、閉経後の乳癌発生のリスクが、葉酸摂取量の低い女性でより高くなることが示された。 反対に、多量の葉酸は、結腸直腸癌のリスクを低減させる。 上皮再生プロセスが連続的に行われている結腸直腸粘膜を構成する細胞に関して、葉酸(およびその塩である葉酸塩)は、他の物質とともに必須の役割を果たしている。 結腸直腸癌予防に関して葉酸が果たす役割については、文献に記載されている(参考文献1)。具体的には、メチル基の代謝に関与する遺伝子多型が、結腸直腸癌の家族性リスクと関連づけられること、ならびにこれらの遺伝子の影響が葉酸塩の利用可能性によって緩和されることが明示されている(参考文献2)。 つまり、葉酸の局所的な利用可能性が低いもしくは弱められた場合、DNAの低メチル化を引き起こすことがあり、結果として、たとえば、結腸癌の発生を引き起こすことになる。 さらに、多量の葉酸の利用可能性は、炎症性大腸炎(IBD)の患者にも推奨される。結腸および直腸内の細胞増殖の調整を助けるからである。 したがって、最も重要なのは、必要量の葉酸を継続的に供給でき、それによって、従来の体系的な葉酸またはその塩の投与方法に代わりうる、天然の無毒性内在源を身体に与える手段を見出すことである。 残念ながら、いままでこの要求を満たしうる解決法は見つかっていない。 ヒト結腸には、宿主と活発に相互作用する、複雑で膨大な微生物群が定着していることがよく知られている。 結腸内の細菌濃度は、腸の内容物1gあたり約1011〜1012bacteriaである。 腸内には少なくとも400の菌種が存在しているが、ミクロフローラ全体の約95〜98%は30〜40種が占めている。 これらの主要な種のうち、ビフィドバクテリウム属に属すものが、ヒトに存在する主たる腸内微生物群の1つを代表する。ビフィドバクテリウムは、体内における有益な働きで知られる属である。この働きは、たとえば、抗生物質療法後の腸内細菌フローラの補充能、多様な腸内微生物群のバランス維持能、血中コレステロールレベルの低減能、ビタミンの生産能、乳糖不耐症の緩和能および免疫調節能などの作用となる。 したがって、ビフィドバクテリウム属に属する細菌は、当然ながらプロバイオティクスとみなされ、一般に、医薬品、動物用薬および/または食品部門でプロバイオティクスとして利用される。 プロバイオティクスは、その働きがヒトもしくは動物の健康に有益である、生きた微生物サプリメントと定義される。 いままで、葉酸を産生するプロバイオティクス菌株は知られていない(ラクトバシラス(Lactobacillus)属およびラクトコッカス(Lactococcus)属に属する葉酸産生菌が報告されているが、これらはプロバイオティクスとしては提案されていない。)。 特に、完全に葉酸を欠く培地で生育し多量の葉酸を産生するビフィドバクテリウム属に属するプロバイオティクス細菌は知られていない。 出願人は、ビフィドバクテリウム属に属するヒト由来のプロバイオティクス細菌株が葉酸の産生株であることを、偶然見出した。 たとえば、葉酸産生菌株として以下の種に属するものが特定されている: ビフィドバクテリウム ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム インファンティス(Bifidobacterium infantis)、ビフィドバクテリウム アドレッセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、ビフィドバクテリウム ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム ブレーベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム アンギュレイタム(Bifidobacterium angulatum)、ビフィドバクテリウム カテニュレイタム(Bifidobacterium catenulatum)、ビフィドバクテリウム シュードカテニュレイタム(Bifidobacterium pseudocatenulatum)、ビフィドバクテリウム ガリカム(Bifidobacterium gallicum)、ビフィドバクテリウム デンティウム(Bifidobacterium dentium)、ビフィドバクテリウム デンティコレンス(Bifidobacterium denticolens)、ビフィドバクテリウム イノピナータム(Bifidobacterium inopinatum)、ビフィドバクテリウム アニマリス(Bifidobacterium animalis)、ビフィドバクテリウム ラクチス(Bifidobacterium lactis)。 これらの細菌株のうち、ビフィドバクテリウム アドレッセンティス種、ビフィドバクテリウム ブレーベ種、およびビフィドバクテリウム シュードカテニュレイタム種は、以下に詳細を述べ、添付の特許請求の範囲に記載したように、特に興味深い。 より詳細には、以下に詳細を述べ、添付の特許請求の範囲に記載したように、本発明の好ましい面として、出願人は、ビフィドバクテリウム属に属する、ヒト由来の5つの新規な菌株を、単離し、2004年7月21日にDSMZコレクションセンター(ドイツ微生物細胞培養コレクション、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH);Braunsweig-Germany)に寄託した。これらの5つの新規菌株のうち、2つはビフィドバクテリウム アドレッセンティス種に、1つはビフィドバクテリウム ブレーベ種に、2つはビフィドバクテリウム シュードカテニュレイタム種に属す。前記菌株の識別コードは、それぞれ、DSM 16594、DSM 16595、DSM 16596、DSM 16597、DSM 16598である。 前記菌株は、以下に述べるように、分類学的かつ科学技術的に特徴付けられ、多量の葉酸を産生することが示された。 実際に、前記菌株は葉酸を欠いた培地で生育できる。 具体的には、前記菌株は、それぞれ、56〜62、16〜20、6〜9、14〜16、および14〜19ng/ml(培地)の葉酸を産生できる。 さらに、本発明の菌株による葉酸の生合成は、生産物による負の調節メカニズム(ネガティブフィードバック)を一切受けないこと、あるいは培地に予め含まれていた他の生産物の影響も受けないことが予期せず観察された。 言い換えると、生理条件において、葉酸の産生は、環境中に葉酸が含まれているかどうかにかかわらず、一定のままである。 最終的には、結腸の典型的な生態系におけるpH変化(約7〜5の間でpH値が変化するのは、特定の病状もしくは食事のタイプとの関連があると考えられる。)は、本発明の菌株の産生性に負の影響を与えないことも観察された。 したがって、このタイプの微生物は、既知のプロバイオティクス特性(つまり、身体に有益であること)に加え、生体内(たとえば、結腸内)での葉酸産生能とを併せ持つことになる。 それゆえ、これらの菌株は、上述した本発明の技術課題の望ましい解決法として、偶然にもその適性を示したのである。 実際に、上記微生物は、理想的で天然かつ無毒の、葉酸の内在源を代表する。 したがって、本発明の葉酸産生ビフィドバクテリウム属を含有する適切な製剤の使用は、生体内での継続的な葉酸産生を可能にする。 本発明のプロバイオティクス細菌は、患者や消費者の要求に従い、さまざまな方法で投与され得る。 好ましい面として、本発明は、本発明の1以上の菌株またはこれらの混合物を含んでなる、医薬品製剤、動物用製剤および/または食物製剤を得ようとするものである。 特に好ましいのは、DSM 16594、DSM 16595、DSM 16596、DSM 16597およびDSM 16598の少なくとも1つの菌株、またはこれらの組み合わせを含んでなる製剤である。 その他の好ましい面として、本発明の菌株を、相補的な特性、すなわち、異なる固有の性質を有する、他のプロバイオティクス菌株と組み合わせて、製剤化することもできる。 このような製剤の非限定的な一例として、本発明の1以上の菌株と、腸粘膜に強力に接着する特性を有するプロバイオティクス菌株との適切な混合物を示すことができる。 また、属する細菌属に関連した固有の有益な特性に加えて、宿主の健康に有用な他の独特の特性を示す、他の菌株と、本発明の菌株とを、組み合わせて製剤化してもよい。 前記混合製剤は、単一の製剤に多くのプロバイオティクス特性を結集することができ、それにより、複数の利益とそれらに由来する潜在的な相乗効果とを、単回投与で身体に与えることができる。 上記考察を踏まえ、当業者が自身の経験に基づいて、プロバイオティクス細菌の多くの組み合わせを考案可能であろうことは明らかである。 したがって、そのような組み合わせもまた本発明の範囲内にある。 本発明の範囲を限定しない一例として、前記プロバイオティクス細菌を、たとえば、ラクトバシラス(Lactobacillus)属、あるいはストレプトコッカス属など他の属のものから選ぶこともできる。種としては、たとえば、ラクトバシラス ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバシラス アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバシラス カゼイ サブスピーシーズ ラムノサス(Lactobacillus casei subsp. rhamnosus)、ラクトバシラス カゼイ サブスピーシーズ パラカゼイ(Lactobacillus casei subsp. paracasei)、ラクトバシラス プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバシラス ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバシラス サリバリウス サブスピーシーズ サリバリウス(Lactobacillus salivarius subsp. salivarius)、およびラクトバシラス ペントーサス(Lactobacillus pentosus)、ストレプトコッカス デルブルウェスキー サブスピーシーズ サーモフィラス(Streptococcus delbrueckii subsp. Thermophilus)などが挙げられる。 これらのうち、特に好ましい菌株の例として以下のものが含まれる。 ラクトバシラス アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)LMG P-21381(ベルギー微生物保存機関、the Belgian Coordinated Collections of Microorganisms−BCCM LMG Collectionに2002年1月31日に寄託); ラクトバシラス カゼイ サブスピーシーズ パラカゼイ(Lactobacillus casei subsp. paracasei)LMG P-21380(ベルギー微生物保存機関に2002年1月31日に寄託); ラクトバシラス プランタラム(Lactobacillus plantarum)LMG P-21021(ベルギー微生物保存機関に2002年10月16日に寄託); ラクトバシラス ペントーサス(Lactobacillus pentosus)LMG P-21019(ベルギー微生物保存機関に2002年10月16日に寄託); ラクトバシラス プランタラム(Lactobacillus plantarum)LMG P-21020(ベルギー微生物保存機関に2002年10月16日に寄託); ラクトバシラス プランタラム(Lactobacillus plantarum)LMG P-21022(ベルギー微生物保存機関に2002年10月16日に寄託); ラクトバシラス プランタラム(Lactobacillus plantarum)LMG P-21023(ベルギー微生物保存機関に2002年10月16日に寄託); ビフィドバクテリウム ラクチス(Bifidobacterium lactis)LMG P-21384 (ベルギー微生物保存機関に2002年1月31日に寄託); ストレプトコッカス デルブルウェスキー サブスピーシーズ サーモフィラス(Streptococcus delbrueckii subsp. thermophilus)DSM 16506(DSMZに2004年6月18日に寄託); ストレプトコッカス デルブルウェスキー サブスピーシーズ サーモフィラス(Streptococcus delbrueckii subsp. thermophilus)DSM 16507(DSMZに2004年6月18日に寄託); ビフィドバクテリウム ロンガム(Bifidobacterium longum)DSM 16603(DSMZに2004年7月20日に寄託); ビフィドバクテリウム ブレーベ(Bifidobacterium breve)DSM 16604(DSMZに2004年7月20日に寄託); ラクトバシラス カゼイ サブスピーシーズ ラムノサス(Lactobacillus casei subsp. rhamnosus)DSM 16605(DSMZに2004年7月20日に寄託)。 したがって、本発明の特に好ましい混合製剤は、DSM 16594〜DSM 16598の1以上の菌株、またはそれらの混合物を含んでなり、上記に示したプロバイオティクス菌株の1以上、またはそれらの混合物と組み合わせて適切に製剤化されるだろう。 好ましくは、上記プロバイオティクス菌株は、 ラクトバシラス アシドフィラスLMG P-21381; ラクトバシラス カゼイ サブスピーシーズ パラカゼイLMG P-21380; ラクトバシラス プランタラムLMG P-21021; ラクトバシラス ペントーサスLMG P-21019; ラクトバシラス プランタラムLMG P-21020; ラクトバシラス プランタラムLMG P-21022; ラクトバシラス プランタラムLMG P-21023; ビフィドバクテリウム ラクチスLMG P-21384; ストレプトコッカス デルブルウェスキー サブスピーシーズ サーモフィラスDSM 16506; ストレプトコッカス デルブルウェスキー サブスピーシーズ サーモフィラスDSM 16507; ビフィドバクテリウム ロンガムDSM 16603; ビフィドバクテリウム ブレーベDSM 16604; ラクトバシラス カゼイ サブスピーシーズ ラムノサスDSM 16605を含む群から選ばれる。 前記混合製剤で組み合わせられる菌株の数またはタイプは、治療または予防しようとする病変のタイプおよび重症度、あるいは得ようとするプロバイオティクス食品のタイプに応じて、当業者によって決められるだろう。 他の好ましい面において、単独で、またはお互いに組み合わせて、および/またはその他のプロバイオティクス菌株と組み合わせて用いられる本発明の菌株を、プレバイオティクス特性を有する他の物質と組み合わせて、さらに製剤化してもよい。 具体的には、前記プレバイオティクス特性を有する他の物質は、ヒトによって消化または吸収されず、完全に無傷で結腸に到達し、そこで多数の有益な微生物群、特にビフィドバクテリウム属などの生育と働きを選択的に促進する、糖質を含んでなることが好ましい。 上記プレバイオティクス糖質のうちでは、フラクトオリゴ糖(FOS)、特にイヌリン、イソマルトオリゴ糖、レジスタントスターチ、ペクチン、ガラクトオリゴ糖(GOS)、アラビノガラクタン、キシロオリゴ糖(XOS)、キトサンオリゴ糖(COS)およびグルコマンナンを含む群から選ばれるものが特に好ましい。 本発明の非限定的な一例として、好ましい製剤は、DSM 16594〜DSM 16598の1以上の菌株、またはこれらの混合物を含んでなり、プレバイオティクス特性を有する1以上の物質、たとえば、上記に示したうち、フラクトオリゴ糖(FOS)、特にイヌリン、イソマルトオリゴ糖、レジスタントスターチ、ペクチン、ガラクトオリゴ糖(GOS)、アラビノガラクタン、キシロオリゴ糖(XOS)、キトサンオリゴ糖(COS)およびグルコマンナンから選ばれるものと組み合わせて適切に製剤化される。 同様に、本発明の好ましい製剤は、DSM 16594〜DSM 16598の1以上の菌株、またはこれらの混合物を含んでなり、上記に示したプロバイオティクス菌株の1以上、またはそれらの混合物、ならびにプレバイオティクス特性を有する1以上の物質、たとえば、上記に示したうち、フラクトオリゴ糖(FOS)、特にイヌリン、イソマルトオリゴ糖、レジスタントスターチ、ペクチン、ガラクトオリゴ糖(GOS)、アラビノガラクタン、キシロオリゴ糖(XOS)、キトサンオリゴ糖(COS)およびグルコマンナンから選ばれるものと組み合わせて適切に製剤化される。 好ましくは、上記プロバイオティクス菌株は、 ラクトバシラス アシドフィラスLMG P-21381; ラクトバシラス カゼイ サブスピーシーズ パラカゼイLMG P-21380; ラクトバシラス プランタラムLMG P-21021; ラクトバシラス ペントーサスLMG P-21019; ラクトバシラス プランタラムLMG P-21020; ラクトバシラス プランタラムLMG P-21022; ラクトバシラス プランタラムLMG P-21023; ビフィドバクテリウム ラクチスLMG P-21384; ストレプトコッカス デルブルウェスキー サブスピーシーズ サーモフィラスDSM 16506; ストレプトコッカス デルブルウェスキー サブスピーシーズ サーモフィラスDSM 16507; ビフィドバクテリウム ロンガムDSM 16603; ビフィドバクテリウム ブレーベDSM 16604; ラクトバシラス カゼイ サブスピーシーズ ラムノサスDSM 16605を含む群から選ばれる。 本発明の好ましい態様として、本発明の菌株が好ましくは凍結乾燥の形態で用いられている製剤が挙げられる。 本発明の菌株は、一般に医薬品製剤および/または食物製剤の調製に使用される、適切な媒体、賦形剤、着香料、安定剤および添加剤、たとえば、アミノ酸、ビタミン、酸化防止剤および酵素などと組み合わせて、製剤化することが好ましい。 本発明の非限定的な単なる一例であるが、特に好ましい添加剤としては、グルタミン、アルギニン、スーパーオキシドジスムターゼおよびグルタチオンが挙げられる。 本発明の製剤は、経口で、または坐薬、膣錠もしくはカプセルなどのようなものとして、あるいは食品、たとえば、牛乳、ヨーグルト、牛乳誘導体または発酵乳製品のようなものと組み合わせて、充分な量の葉酸の投与が望ましい、消化器疾患(下痢、抗生物質療法、IBD、結腸癌の予防)を治療および/または予防するために投与してもよい。 上述したように、本発明の製剤は、抗生物質療法の後またはその間に、非病原性腸内フローラのバランスを補充および修復するために投与できる。 特に好ましい製剤は、経口で、または坐薬、膣カプセルもしくは錠剤として投与されるものである。 製剤の典型的な形態としては、たとえば、カプセル、経口液剤もしくは懸濁液、袋入り粉体または類似した形態、錠剤、坐薬およびペッサリーが挙げられる。 用量に関して、各製剤は、各菌株を通常は一用量あたり105〜1011cells、好ましくは一用量あたり106〜1011bacteria、最も好ましくは一用量あたり107〜1010bacteria含んでいる。 一般に、有効成分または有効成分の混合物の濃度は、製剤1グラムあたりの菌株が108〜1011cellsの範囲にあり、好ましくは109〜1010cells/g(製剤)の範囲である。 本発明の可能な用途の非限定的な一例として、抗生物質療法を受けている成人患者に本発明の菌株を投与した事例がある。 抗生物質療法の全継続期間およびその終了後5日間の間、前記患者は、DSM 16506およびLMG P-21380とグルタミンとを組み合わせた、DSM 16594およびDSM 16595の凍結乾燥製剤を1日あたり2袋受け取った。 水系の経口懸濁液の形態で投与される、各袋の中身は、約1010cellsの各菌株と、賦形剤としてのデンプン、Tween、分散剤、マンダリン香料、アセサルフェーム、サッカリン、アスコルビン酸およびメチルパラベンを含んでいた。 本発明の菌株が、食品の栄養価を高めるのに特に有用であることも明示された。 特に好ましい食品としては、牛乳および/またはその誘導体に由来するものであり、たとえば、ヨーグルト、発酵乳および菓子類のフィリング、アイスクリームなどである。 <菌株の単離> ビフィドバクテリウム アドレッセンティスDMS 16594菌株を、単離に先立ち3ヶ月間、抗生物質およびプロバイオティクス製剤を摂取していない成人被験者の糞便から単離した。 0.5倍濃度のWilkins-Chalgren Anaerobe Broth (Oxoid Limited, Basingstoke, Hampshire, England, UK)(パッケージ表示に従って調製した1:1希釈の培地)を用いて、新鮮な糞便の10%懸濁液を調製した。 ホモジネート(前記希釈物1mlを同じ培地9mlで希釈して得た、1:10希釈物)から10-9までの段階希釈物をつくった。 10-6〜10-9希釈物の0.1mlを分注しビフィドバクテリウム属の選択培地であるRB寒天に播菌した(参考文献3)。 プレートを、嫌気生活下、37℃で48時間培養した。 すべての調製品は、嫌気チャンバー(装置:Anaerobic System, Mod. 2028、Forma Scientific Co., Marietta, OH)内で、N2 85%、CO2 10%、H2 5%の雰囲気で作製した。 培地の酸性化および指示薬の変色による黄色のハローをつくるもののなかから、DMS 16594菌株に相当するコロニーを単離した。 <ビフィドバクテリウム属およびビフィドバクテリウム アドレッセンティス種への帰属> DMS 16594のビフィドバクテリウム属への帰属を目的として、属に特異的な増幅を、16S rDNA標的プライマーであるBif164/Bif662を使用して行い、523bpの修復された単位複製配列を得た。並行して、生化学分析を行い、ビフィドバクテリウム属の糖質代謝の主要酵素である、フルクトース−6−リン酸ホスホケトラーゼを同定した。 Scardoviらの論文(参考文献4)に記載されているようにして、DNA-DNAハイブリダイゼーションによって、アドレッセンティス種であることを同定した。 <DMS 16594菌株の特性> 由来:ヒト 年齢:39 性別:女 属:ビフィドバクテリウム 種:アドレッセンティス 形態:不規則な棒状、時おり二裂の形をとり、隆起とこぶを有する 葉酸産生:56〜62ng/ml プラスミド:なし 他の菌株、DSM 16595、DSM 16596、DSM 16597およびDSM 16598を、上述したのと同様の手順で単離した。 <DSM 16595菌株の特性> 由来:ヒト 年齢:37 性別:女 属:ビフィドバクテリウム 種:アドレッセンティス 形態:不規則な棒状、時おり二裂の形をとり、隆起とこぶを有する 葉酸産生:16〜20ng/ml プラスミド:なし <DMS 16596菌株の特性> 由来:ヒト 年齢:39 性別:女 属:ビフィドバクテリウム 種:ブレーベ 形態:短く不規則な棒状 葉酸産生:6〜9ng/ml プラスミド:なし <DMS 16597菌株の特性> 由来:ヒト 年齢:56 性別:男 属:ビフィドバクテリウム 種:シュードカテニュレイタム 形態:不規則な棒状 葉酸産生:14〜16ng/ml プラスミド:あり、約9kbのもの1つ <DMS 16598菌株の特性> 由来:ヒト 年齢:56 性別:男 属:ビフィドバクテリウム 種:シュードカテニュレイタム 形態:不規則な棒状 葉酸産生:14〜19ng/ml プラスミド:あり、約9kbのもの1つ <菌株の生育条件> 本発明の好ましい菌株である、DSM 16594、DSM 16595、DSM 16596、DSM 16597およびDSM 16598を、高層培地中、すなわち、寒天高層培地(0.9%寒天培地10mlを含む10mlチューブ)中で、あるいはMRS培養液(Bacto Lactobacilli MRS Broth [0881-17]、Difco Laboratories, Division of Becton Dickinsons and Company, Sparks, Maryland 21152 USA)にシステイン0.05%を加えたものの中で保存した。 パッケージの表示に従って調製した培地を110℃で30分間殺菌した。 葉酸なしの環境で菌株を培養する場合、つまり、いわゆる最少培地を使用する場合には、その培地はNo.7として特定され、以下に記載する組成を有する。 室温で攪拌下において、下記成分および溶液を、示された順に混合することによって、上記培地を調製する。 培地は要時調製する。 最少培地No.7 グルコース 20 g/L Vitamin Assay Casaminoacids(DIFCO Laboratories, USA [0288-17]) 5 g/L 尿素 2 g/L システイン 0.5 g/L 溶液A 700 ml/L 溶液B 1 ml/L 溶液C 1 ml/L 溶液D 5 ml/L 溶液A、B、CおよびDは以下の組成を有する: 溶液A (NH4)2SO4 10 g 酢酸ナトリウム 10 g アスコルビン酸 10 g KH2PO4 1 g MgSO4 0.7 g NaCl 0.2 g Tween 80 1 ml Tween 80を沸騰させた蒸留水700mlに溶かし、その後、他のすべての成分を順に加える。 溶液B ホウ酸 25 mg CuSO4 2 mg KI 5 mg FeCl3 10 mg MnSO4 20 mg モリブデン酸ナトリウム 10 mg ZnSO4 20 mg これらの成分を順に、室温で蒸留水50mlに溶かす。 溶液C ビオチン 0.2 mg パントテン酸カルシウム 40 mg ナイアシン 40 mg P-アミノ安息香酸 20 mg ピリドキシン 40 mg リボフラビン 20 mg チアミン 40 mg これらの成分を順に、室温で蒸留水100mlに溶かす。 溶液D FeSO4 50 mg 該塩を蒸留水25mlに溶かす。 培地を10mlチューブに分注し、100℃で30分間殺菌する。 <DSM 16594菌株により産生された葉酸の微生物学的アッセイ> DSM 16594菌株および本発明の他の菌株による発酵で産生された葉酸量を、微生物学的アッセイにより定量した。 葉酸産生性の測定に使用した培養物を、葉酸を含まない最少培地No.7に少なくとも3回移植した。 アッセイは、培養液中に含まれる葉酸量に従って変化する、エンテロコッカス ヒラエ(Enterococcus hirae)ATCC 8043の生育の比濁測定に基づく。 産生した葉酸を定量するのに必要な検量線を、エンテロコッカス ヒラエATCC 8043をBacto Folic AOAC 培地 (Difco, USA [0967-15])中で培養することによって作成する。 葉酸を別として、生育に必要なすべての栄養素を含む前記培地に、葉酸の増分量(培養液10mlを含むチューブあたり、0、1、2、4、6および8ng)を加える。 並行して、エンテロコッカス ヒラエATCC 8043を、チューブ内のBacto Folic AOAC 培地に植菌し、そこにチューブごとに異なる量のDSM 16594菌株の発酵ブロスの上清を加える。 すべてのチューブを、37℃で16〜18時間培養した後、600nmでサンプルの濁度を読み取り、片対数スケール上に、サンプルの吸光度に応じて葉酸濃度の対数をプロットすることにより、線グラフを描く。 2μg/l、すなわち2ng/mlの濃度の葉酸の標準液(s.s.)の調製 0.01NのNaOH約30mlと水300mlとの中に50mgの葉酸を溶かす。希塩酸(0.1N)を使用して、pHを7.5に合わせ、容積が500mlになるまで水を加える。上述した溶液2mlを水50mlに加え、pHを7.5に合わせ、容積が100mlになるまで水を加える(2μg/mlのs.s.)。 この溶液1mlを水で1リットルに希釈して、2ng/ml(2μg/l)のs.s.を得る。 Bacto葉酸培地を含むチューブの作製 starting powder 11gを水100mlに溶かす。成分を完全に溶かすために、2〜3分間培地を沸騰させる。チューブを蒸留水で数回すすいだ後、チューブ内に5mlを分注する。チューブごとに異なる量の発酵ブロスの上清もしくは葉酸標準溶液(s.s.、2ng/ml)を加え、その後、各チューブの最終容積が10mlになるまで水を加える。121℃で5分間殺菌する。 水4mlと、遠心分離および0.22μフィルターによるろ過後の適当な希釈によって得られた、発酵ブロスの上清1mlとを、他の2つのチューブに加える。 葉酸を含まないチューブを用意し、ブランクサンプルとした。このチューブには植菌しない。 接種菌液の調製 アッセイの2日前に、エンテロコッカス ヒラエATCC 8043の新鮮な高層培養物を、M17 液体培地(Bacto M17 Broth、Difco Laboratories、USA [1856-17])を含むチューブ内に植菌する。 接種菌液として使用しうる培養物を調製するため、M17における培養物を無菌的に遠心分離し、その上清を除去し、生理溶液9mlで3回、細胞を洗浄する。細胞ペレットを生理溶液9mlに再懸濁し、この細菌懸濁液1mlを、殺菌した生理溶液100mlが入った三角フラスコに加える。この懸濁液の一滴を、Bacto Folic AOAC 培地の入ったチューブに加え、さらに葉酸10ngも加えてから、該チューブを37℃で震とうすることなく培養する。 アッセイ当日、上述した手順に従って調製した培養物を用いてアッセイ用の接種菌液を調製する。すなわち、該培養物を無菌的に遠心分離し、その上清を除去し、生理溶液9mlで3回、細胞を洗浄する。細胞ペレットを生理溶液9mlに再懸濁し、この細菌懸濁液1mlを、殺菌した生理溶液100mlの入った三角フラスコに加える。テストチューブに植菌するために、この懸濁液の一滴を、121℃で5分間殺菌したすべてのチューブに加える。 その後、該チューブを37℃で16〜18時間培養する。 <純粋培養物の産生性> DSM 16594菌株によって、最少培地No.7中で産生された葉酸は56〜62ng/mlに達する。 pH調製をしない培養物および一定のpHのバイオリアクター内での培養物の双方に関して行った場合、いずれも一定で再現性のあるアッセイ結果が得られる。 概して、結腸に含まれる物質のpHは、特定の病変や食事要因との関連で、大きく変化することがある。DSM 16594による葉酸産生は、測定されたpH値(この場合には5.5〜7.0の範囲)にかかわらず、一定(約57〜60ng/ml)であることを示した。 DSM 16594菌株が、負のフィードバックを受けずに葉酸を産生すること、すなわち、腸の内容物に含まれる葉酸の濃度と完全に独立であることもある程度観察された。実際に、DSM 16594菌株は、葉酸濃度の異なる(0、1、2、5、10および20ng/ml)最少培地No.7で培養された場合、該菌株は、培地にあらかじめ含まれていたものに加えて、一定量の葉酸(58〜61ng/ml)を常に合成、分泌することが観察された。DSM 16594菌株をプロバイオティクスとして摂取した後、結腸内において、腸細胞の急速な代謝回転に不可欠のビタミンである、葉酸の継続的な供給が起こることが示唆されるため、この面は重要性が高い。DSM 16594菌株の代謝調節解除、すなわち、既に充分な量の葉酸が存在している箇所での葉酸の生合成をブロックするという、制御メカニズムの欠如は、産生された葉酸の量が、このビタミンを合成せず、充分に生育するためにはそれを外部の源から得なければならない細菌の、健全な生育を保証するのに必要な量よりも50倍以上多いという事実から、確認される。 <糞便培養物中のDSM 16594菌株によってもたらされる葉酸の寄与評価> 混合培養物中、すなわち、腸内マイクロフローラの組成をシミュレートした培養物中のDSM 16594菌株による葉酸の効果的な産生の有無を評価するために、DSM 16594菌株を植菌した/植菌しなかった糞便培養物、すなわち、希釈した糞便サンプルを調製し、該培養物中における、葉酸濃度の増加を測定した。 使用した混合培養物に、腸の内容物の通常の微生物構成をシミュレートするように希釈した糞便サンプルを植菌した。使用した培地には、植菌した微生物個体群全体の生育を保証する量である、10ng/mlの葉酸が含まれる。さらに、該培地には、ペプトン、ビタミンおよび炭素源としてフルクトオリゴ糖(FOS)も含まれる。 FOSを選択したのは、このプレバイオティクスの糖質が消化吸収されずに結腸まで到達し、一般にそこでビフィドバクテリウム属によって代謝されるため、プロバイオティクスのビフィドバクテリウムと、組み合わせて摂取することで、プロバイオティクスのビフィドバクテリウム属と内在性のビフィドバクテリウム属の双方の腸への定着を助けるからである。 <糞便培養物> 以下の組成を有し、既述した手順により調製した培地中で、糞便培養物を用意した: Raftilose P95 (FOS)(Orafti Group、Tienen、Belgium) 20 g/L Vitamin Assay Casaminoacids(DIFCO Laboratories、USA [0288-17]) 5 g/L システイン 0.5 g/L 葉酸 10 μg/L 溶液A 700 ml/L 溶液B 1 ml/L 溶液C 1 ml/L 溶液D 5 ml/L 溶液E 10 ml/L 溶液A (NH4)2SO4 10 g 酢酸ナトリウム 10 g アスコルビン酸 10 g KH2PO4 1 g MgSO4 0.7 g NaCl 0.2 g Tween 80 1 ml Tween 80を、沸騰した蒸留水700mlで溶解後、他のすべての成分を順に加える。 溶液B ホウ酸 25 mg CuSO4 2 mg KI 5 mg FeCl3 10 mg MnSO4 20 mg モリブデン酸ナトリウム 10 mg ZnSO4 20 mg これらの成分を、室温で順に蒸留水50mlに溶かす。 溶液C ビオチン 0.2 mg パントテン酸カルシウム 40 mg ナイアシン 40 mg P-アミノ安息香酸 20 mg ピリドキシン 40 mg リボフラビン 20 mg チアミン 40 mg これらの成分を、室温で順に蒸留水100mlに溶かす。 溶液D FeSO4 50 mg 該塩を室温で蒸留水25mlに溶かす。 溶液E 50 mg/Lのヘミン(Sigma-Aldrich SRL、Via Gallarate、Milan、Italy [H5533])を1MのNaOH 5mlに溶かし、容積が1リットルになるまで蒸留水を加える。 方法 培地のアリコート40mlを、穴の開けられるゴム製キャップ付の100ccボトル内に分注する。ゴム製キャップに針で穴を開け、ボトルを沸騰させたウォーターバス内に静置する。100℃で10分間インキュベートした後、キャップに第2の針を刺して穴を開け、そこから窒素を0.15barsの圧力で10分間ボトル内に吹き込む。吹込みが完了したら、両方の針を除去し、ボトルを110℃で30分間殺菌する。 接種菌液の調製 新鮮な糞便サンプルを、嫌気チャンバー内に移す(10% H2、10% CO2、80% N2)。その後、上述した培地で10%懸濁液を調製し、直径3mmの無菌ガラスビーズとともにホモジナイズする。 ボトルに含まれているのと同じ培地で、この懸濁液から1:100希釈物を調製する。後者の希釈物0.4mlを、培地40mlが入っている2つの無菌ボトルにシリンジで加える。 DSM 16594菌株の植菌の有無による糞便サンプル中に含まれる葉酸の比較 希釈した糞便サンプルを添加した2つの同一サンプルのうちの1つに、最少培地No.7で24時間生育したDSM 16594菌株の培養物0.4mlを植菌する。DSM 16594菌株を植菌した糞便培養物と植菌していない糞便培養物を37℃で24時間培養する。 24時間後、両方の培養物のアリコートを3500gで10分間遠心分離し、上清を0.4μmフィルターでろ過する。上清を適宜希釈し、葉酸の微生物学的アッセイに使用する。 糞便培養物の葉酸産生性 DSM 16594菌株を植菌していない糞便培養物中の葉酸濃度の範囲は、約30〜70ng/mlである。 DSM 16594菌株を植菌したもう一方の培養物では、葉酸濃度の著しい増加がみられた。この増加量(30〜50ng/mlの範囲)を前述した葉酸濃度30〜70ng/mlに加算した。 この葉酸の著しい増加が見られたことにより、本発明のプロバイオティクス菌株であるDSM 16594の投与が、患者の健康状態にかかわりなく、結腸内に葉酸を高レベルで確実に存在させることも示された。 その結果、腸内細菌フローラの最適バランスの再建および維持を促進し、確実なものとすることができる。 実験に関するセクションでは、本発明の特に好ましい菌株の1つ、すなわち、DSM 16594の使用について詳細に述べた。 同一条件下で同量の試薬を使用し、本発明の好ましい他の4つの菌株である、DSM 16595、DSM 16596、DSM 16597およびDSM 16598についても同様の試験を行った。 これらの菌株がDSM 16594と同じように葉酸を産生し、同じ特性を有するということが証明された。 ビフィドバクテリウム アドレッセンティスDSM 16595、ビフィドバクテリウム ブレーベDSM 16596、ビフィドバクテリウム シュードカテニュレイタムDSM 16597、およびビフィドバクテリウム シュードカテニュレイタムDSM 16598は、ビフィドバクテリウム アドレッセンティスDSM 16594と比較して低い産生性を示した。 具体的には、DSM 16595は、DSM 16594によって産生される葉酸量の約30.5%、DSM 16596は約13%、DSM 16597は25.5%、DSM 16598は28%を産生した。 それでも、これらの場合でも、産生された葉酸量は、それぞれ、DSM 16595では約16〜20ng/ml、DSM 16596では6〜9 ng/ml、DSM 16597では14〜16 ng/ml、DSM 16598では14〜19 ng/mlに達した。これは、最適な生育にこのビタミンを要する他の細菌の健全な生育を確実にするのに必要な量よりも著しく高い(DSM 16595では約14〜16倍高く、DSM 16596では5〜7倍高く、DSM 16597では12〜13倍高く、DSM 16598では12〜15倍高い)。 参考文献 1. フーチス・シー・エス(Fuchs C.S.)他、「葉酸塩およびマルチビタミンの使用による女性の結腸癌の家族性リスクへの影響(The influence of folate and multivitamin use on the familial risk of colon cancer in women.)」、キャンサー・エピデミオロジー・バイオマーカーズ・アンド・プリベンション(Cancer Epidemiol. Biomark. Prev.)2002年、11、P.227〜234 2. マ・ジェイ(Ma J.)他、「メチオニンシンターゼ遺伝子多型:血漿液中の葉酸塩、ビタミンB12、ホモシステインと結腸直腸癌リスクの関連性(A polymorphism of the methionine synthase gene: association with plasma folate, vitamin B12, homocyst(e)ine, and colorectal cancer risk.)」、キャンサー・エピデミオロジー・バイオマーカーズ・アンド・プリベンション(Cancer Epidemiol. Biomark. Prev.)、1999年、8、P.825〜829 3. ハーテミンク・アール、コク ビフィドバクテリウムジェイ・ウィーク・ジー・エイチ、ロンバウツ・エフ・エム(Hartemink R., Kok BIFIDOBACTERIUMJ. Weenk G.H., Rombouts F.M.)、「ビフィドバクテリウム属の新規選択培地、ラフィノース-ビフィドバクテリウム寒天(Raffinose-Bifidobacterium (RB) agar, a new selective medium for bifidobacteria)」、ジャーナル・オブ・マイクロバイオロジカル・メソッド(J. Microbiol. Methods.)、1996年、27、P.33〜43 4. スカドヴィ・ブイ、クロシアニ・エフ(Scardovi V. Crociani F.)、「ビフィドバクテリウム カテニュレイタム、ビフィドバクテリウム デンティウム、ビフィドバクテリウム アンギュレイタム:三新種およびそれらのデオキシリボ核酸ホモロジー相関(Bifidobacterium catenulatum, Bifidobacterium dentium, Bifidobacterium angulatum: three new species and their deoxyribonucleic acid homology relationships.)」、インターナショナル・ジャーナル・オブ・システマティック・バクテリオロジー(Int. J. Syst. Bacteriol.)、1974年、24、P.6〜20 2004年7月21日にDSMZに寄託され、かつ識別コードDSM 16594で特定されるビフィドバクテリウム アドレッセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、 2004年7月21日にDSMZに寄託され、かつ識別コードDSM 16595で特定されるビフィドバクテリウム アドレッセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、 2004年7月21日にDSMZに寄託され、かつ識別コードDSM 16596で特定されるビフィドバクテリウム ブレーベ (Bifidobacterium breve)、 2004年7月21日にDSMZに寄託され、かつ識別コードDSM 16597で特定されるビフィドバクテリウム シュードカテニュレイタム(Bifidobacterium pseudocatenulatum)、 2004年7月21日にDSMZに寄託され、かつ識別コードDSM 16598で特定されるビフィドバクテリウム シュードカテニュレイタム(Bifidobacterium pseudocatenulatum)を含む群から選ばれる、 ビフィドバクテリウム アドレッセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、またはビフィドバクテリウム ブレーベ(Bifidobacterium breve)、またはビフィドバクテリウム シュードカテニュレイタム(Bifidobacterium pseudocatenulatum)種に属する、ヒト由来のプロバイオティクス細菌株。 請求項1に記載の菌株を1以上含んでなる、医薬品製剤、動物用製剤および/または食物製剤。 ビフィドバクテリウム アドレッセンティス(Bifidobacterium adolescentis)DSM 16594菌株、ビフィドバクテリウム アドレッセンティス(Bifidobacterium adolescentis)DSM 16595菌株、ビフィドバクテリウム ブレーベ(Bifidobacterium breve)DSM 16596菌株、ビフィドバクテリウム シュードカテニュレイタム(Bifidobacterium pseudocatenulatum)DSM 16597菌株、ビフィドバクテリウム シュードカテニュレイタム(Bifidobacterium pseudocatenulatum)DSM 16598菌株、またはDSM 16594、DSM 16595、DSM 16596、DSM 16597およびDSM 16598を含む群から選ばれる2以上の菌株の混合物、を含んでなる請求項2に記載の製剤。 さらに、相補的な特性を有する1以上のプロバイオティクス菌株を含んでなり、 該プロバイオティクス菌株が、ラクトバシラス アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)LMG P-21381、ラクトバシラス カゼイ サブスピーシーズ パラカゼイ(Lactobacillus casei subsp. paracasei)LMG P-21380、ラクトバシラス プランタラム(Lactobacillus plantarum)LMG P-21021、ラクトバシラス ペントーサス(Lactobacillus pentosus)LMG P-21019、ラクトバシラス プランタラム(Lactobacillus plantarum)LMG P-21020、ラクトバシラス プランタラム(Lactobacillus plantarum)LMG P-21022、ラクトバシラス プランタラム(Lactobacillus plantarum)LMG P-21023、ビフィドバクテリウム ラクチス(Bifidobacterium lactis)LMG P-21384、ストレプトコッカス デルブルウェスキー サブスピーシーズ サーモフィラス(Streptococcus delbrueckii subsp. thermophilus)DSM 16506、ストレプトコッカス デルブルウェスキー サブスピーシーズ サーモフィラス(Streptococcus delbrueckii subsp. thermophilus)DSM 16507、ビフィドバクテリウム ロンガム(Bifidobacterium longum)DSM 16603、ビフィドバクテリウム ブレーベ(Bifidobacterium breve)DSM 16604、ラクトバシラス カゼイ サブスピーシーズ ラムノサス(Lactobacillus casei subsp. rhamnosus)DSM 16605を含む群から選ばれることを特徴とする、請求項3に記載の製剤。 さらに、プレバイオティクス特性を有する他の物質を含んでなり、 該プレバイオティクス特性を有する物質が、フラクトオリゴ糖(FOS)、イヌリン、イソマルトオリゴ糖、レジスタントスターチ、ペクチン、ガラクトオリゴ糖、アラビノガラクタン、キシロオリゴ糖、グルコマンナンおよびキトサンオリゴ糖を含む群から選ばれることを特徴とする、請求項3に記載の製剤。 さらに、プレバイオティクス特性を有する他の物質を含んでなり、 該プレバイオティクス特性を有する物質が、フラクトオリゴ糖(FOS)、イヌリン、イソマルトオリゴ糖、レジスタントスターチ、ペクチン、ガラクトオリゴ糖、アラビノガラクタン、キシロオリゴ糖、グルコマンナンおよびキトサンオリゴ糖を含む群から選ばれることを特徴とする、請求項4に記載の製剤。 さらに、添加剤、媒体、賦形剤、着香料を含んでなり、 該添加剤が、アミノ酸、ビタミン、酸化防止剤、酵素、グルタミン、アルギニン、スーパーオキシドジスムターゼ、グルタチオンを含む群から選ばれることを特徴とする、請求項3に記載の製剤。 DSM 16594菌株、DSM 16595菌株、DSM 16596菌株、DSM 16597菌株、DSM 16598菌株、またはこれらの混合物が、凍結乾燥の形態で含まれていることを特徴とする、請求項3に記載の製剤。 一用量あたり105〜1011cellsの各菌株を含んでいる、請求項3に記載の製剤。 カプセル、経口液剤または懸濁液、袋入り粉体、錠剤、坐薬、膣錠、ペッサリーの形態である、請求項3に記載の製剤。


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