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タイトル:特許公報(B2)_医薬組成物および抗真菌剤を組み合わせて使用する方法
出願番号:2007512933
年次:2013
IPC分類:A61K 31/445,A61K 31/513,A61K 31/436,A61K 31/4196,A61K 31/7048,A61K 31/422,A61K 31/496,A61P 43/00,A61P 31/10


特許情報キャッシュ

野村 伸彦 西川 博 藤野 宣知 JP 5216323 特許公報(B2) 20130308 2007512933 20060405 医薬組成物および抗真菌剤を組み合わせて使用する方法 富山化学工業株式会社 000003698 浅村 皓 100066692 浅村 肇 100072040 安藤 克則 100107504 池田 幸弘 100102897 野村 伸彦 西川 博 藤野 宣知 JP 2005110784 20050407 20130619 A61K 31/445 20060101AFI20130530BHJP A61K 31/513 20060101ALI20130530BHJP A61K 31/436 20060101ALI20130530BHJP A61K 31/4196 20060101ALI20130530BHJP A61K 31/7048 20060101ALI20130530BHJP A61K 31/422 20060101ALI20130530BHJP A61K 31/496 20060101ALI20130530BHJP A61P 43/00 20060101ALI20130530BHJP A61P 31/10 20060101ALI20130530BHJP JPA61K31/445A61K31/513A61K31/436A61K31/4196A61K31/7048A61K31/422A61K31/496A61P43/00 121A61P31/10 A61K 31/00−31/80 A61P 31/10 A61P 43/00 CAPlus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 国際公開第2003/074476(WO,A1) 最新薬物療法manual−投薬の基本と治療プログラム−上巻,株式会社日本臨床社,1991年,p.510-512,III.治療薬 I.感染化学療法領域 抗真菌薬 DEL,P.M. et al,Antimicrobial Agents and Chemotherapy,2000年,Vol.44, No.3,p.739-746 二木芳人 他,日本化学療法学会雑誌,2002年,Vol.50, Supplement-1,p.58-67 砂田淳子 他,日本化学療法学会雑誌,2004年,Vol.52, No.1,p.23-30 10 JP2006307204 20060405 WO2006109642 20061019 22 20090330 荒巻 真介 本発明は、真菌病原体によって引き起こされる真菌感染症の治療に有用なアリールアミジン誘導体またはその塩ならびにアゾール系抗真菌剤、ポリエン系抗真菌剤、キャンディン系抗真菌剤、フルオロピリミジン系抗真菌剤および免疫抑制剤から選ばれる1つ以上の薬剤を含有する医薬組成物に関する。また、真菌感染症の治療のために薬剤を組み合わせて使用する方法に関する。 侵襲性カンジダ症などの重篤な深在性真菌症は、しばしば致死的疾患となる。本来、カンジダなどの真菌に対する宿主生体側の主要な防御機構は、好中球による非特異免疫によると考えられており、この防御機構が正常に機能している場合には真菌に感染する危険性は少ない。しかしながら、近年、この生体の免疫機能の低下をもたらす悪性腫瘍(特に急性白血病、悪性リンパ腫などの造血器系悪性腫瘍)およびエイズなどの基礎疾患を有する患者数の増加、制癌剤・免疫抑制剤などの繁用、抗菌抗生物質・ステロイドホルモンの多用、長期にわたる中心静脈栄養および静脈カテーテルの使用などにより深在性真菌症に罹患する危険が増大している(非特許文献1)。 このような深在性真菌症の治療を適用とした薬剤は、抗菌剤と比較してはるかに少なく、アムホテリシンB、フルシトシン、ミコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、ボリコナゾールおよびミカファンギンなどにすぎない。 一方で、カンジダ、クリプトコッカスおよびアスペルギルスなどの真菌病原体による日和見真菌感染症に対して、安全で有効な薬剤がますます必要とされている。 現在使用されている薬剤、たとえば、アムホテリシンBは、殺菌作用が非常に強いが、腎毒性などの副作用の問題があり、臨床使用には制約がある。フルシトシンは、耐性化などの問題があるため、現在では単独で使用されることは稀である。ミカファンギンは、クリプトコッカス属に活性を示さない。フルコナゾールおよびボリコナゾールなどのアゾールは、有効性と安全性の兼ね合いから、現在、最も多用されているが、真菌に対する殺菌作用は、アムホテリシンBよりも劣る(非特許文献2、3)。 表在性真菌症の起因菌であるマラセチアは、癜風、脂漏性皮膚炎およびアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の原因や増悪因子と考えられている真菌病原体である。したがって、これらの疾患に対する治療において抗真菌剤の使用は有益である。しかしながら、マラセチアに対する優れた抗真菌活性を有する抗真菌剤は、ケトコナゾールおよびイトラコナゾールなどの一部の抗真菌剤に限られていることに加え、治療の終了後の再燃が報告されており、必ずしも満足できる治療効果が得られていない。(非特許文献4) 抗真菌剤を組み合せて使用する方法が、治療効果の増強等を目的として使用されている(非特許文献5)。また、抗真菌剤の組合せについて、研究が進められている(特許文献1、2、3)。しかしながら、組合せに用いられる薬剤の数が限られており、必ずしも満足できる治療効果が得られていない。 一方、抗真菌活性を有するアリールアミジン誘導体が、知られている(特許文献4)。特許第3288051号公報特表平11−504931号公報特表2003−527314号公報国際公開第03/074476号パンフレット臨床と微生物、1990年、第17巻、p.265−266臨床と微生物、1994年、第21巻、p.277−283臨床と微生物、2003年、第30巻、p.595−614日本医真菌学会雑誌、2005年、第46巻、p.163−167深在性真菌症の診断・治療ガイドライン、2003年、p.20、p.29、医歯薬出版株式会社 強い抗真菌活性を有し、副作用が少ない真菌感染症の治療に有用である医薬組成物および抗真菌剤を組み合わせて使用する方法が望まれている。 このような状況下、本発明者らは、鋭意検討を行った結果、次の一般式[1]「式中、R1は、アシル基で保護されてもよいヒドロキシル基で置換されてもよいアミジノ基、置換されてもよいアルコキシ基で置換されてもよいアミジノ基または置換されてもよいアルアルキルオキシ基で置換されてもよいアミジノ基を;R2およびR3は、同一または異なって水素原子またはハロゲン原子を示す。」で表されるアリールアミジン誘導体またはその塩ならびにアゾール系抗真菌剤、ポリエン系抗真菌剤、キャンディン系抗真菌剤およびフルオロピリミジン系抗真菌剤から選ばれる一つ以上の抗真菌剤を含有する医薬組成物が、強い抗真菌活性を有し、真菌感染症の治療に有用であること、これらを組み合せて使用する方法が真菌感染症の治療に有用であることを見出し、本発明を完成した。 さらに、一般式[1]で表されるアリールアミジン誘導体またはその塩および免疫抑制剤を含有する医薬組成物が、強い抗真菌活性を有し、真菌感染症およびアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の治療に有用であること、これらを組み合せて使用する方法が真菌感染症およびアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の治療に有用であることを見出し、本発明を完成した。 抗真菌活性を有するアリールアミジン誘導体またはその塩ならびにアゾール系抗真菌剤、ポリエン系抗真菌剤、キャンディン系抗真菌剤およびフルオロピリミジン系抗真菌剤から選ばれる一つ以上の抗真菌剤を含有する医薬組成物は、強い抗真菌活性を有し、真菌感染症の治療に有用であり、これらを組み合せて使用する方法は、優れた真菌感染症の治療法として有用である。 さらに、アリールアミジン誘導体またはその塩および免疫抑制剤を含有する医薬組成物は、強い抗真菌活性を有し、真菌感染症およびアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の治療に有用であり、これらを組み合せて使用する方法は、真菌感染症およびアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の優れた治療法として有用である。 以下、本発明を詳細に説明する。 本明細書において、特に断らない限り、ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を;アルキル基とは、たとえば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、ヘプチルおよびオクチルなどの直鎖状もしくは分枝鎖状のC1−12アルキル基を;低級アルキル基とは、たとえば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチルおよびイソペンチルなどの直鎖状もしくは分枝鎖状のC1−6アルキル基を;アルケニル基とは、たとえば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニルおよびオクテニルなどの直鎖状もしくは分枝鎖状のC2−12アルケニル基を;アリール基とは、たとえば、フェニルおよびナフチルなどの基を;アルアルキル基とは、たとえば、ベンジル、ジフェニルメチル、トリチル、フェネチルおよびナフチルメチルなどのアルC1−6アルキル基を;アルコキシ基とは、たとえば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシおよびイソペンチルオキシなどの直鎖状もしくは分枝鎖状のC1−6アルキルオキシ基を;アルアルキルオキシ基とは、たとえば、ベンジルオキシ、ジフェニルメチルオキシ、トリチルオキシ、フェネチルオキシおよびナフチルメチルオキシなどのアルC1−6アルキルオキシ基を;アルコキシアルキル基とは、たとえば、メトキシメチルおよび1−エトキシエチルなどのC1−6アルキルオキシC1−6アルキル基を;アルアルキルオキシアルキル基とは、たとえば、ベンジルオキシメチルおよびフェネチルオキシメチルなどのアルC1−6アルキルオキシC1−6アルキル基を;アシル基とは、たとえば、ホルミル基、アセチル、プロピオニルおよびイソバレリルなどの直鎖状または分枝鎖状のC2−12アルカノイル基、ベンジルカルボニルなどのアルC1−6アルキルカルボニル基、ベンゾイルおよびナフトイルなどのアロイル基、ニコチノイル、テノイル、ピロリジノカルボニルおよびフロイルなどの複素環式カルボニル基、スクシニル基、グルタリル基、マレオイル基、フタロイル基ならびにアミノ酸(アミノ酸としては、たとえば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、リジン、ヒスチジン、ヒドロキシリジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリンおよびヒドロキシプロリンなどが挙げられる。)から誘導されるN末端が保護されてもよい直鎖状または分枝鎖状のα−アミノアルカノイル基を;アルキルオキシカルボニル基とは、たとえば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、1,1−ジメチルプロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルおよびtert−ペンチルオキシカルボニルなどの直鎖状もしくは分枝鎖状のC1−12アルキルオキシカルボニル基を;アルアルキルオキシカルボニル基とは、たとえば、ベンジルオキシカルボニルおよびフェネチルオキシカルボニル基などのアルC1−6アルキルオキシカルボニル基を;アリールオキシカルボニル基とは、たとえば、フェニルオキシカルボニルなどの基を;複素環オキシカルボニル基とは、たとえば、2−フルフリルオキシカルボニル、8−キノリルオキシカルボニルなどの基を;アリールチオ基とは、たとえば、フェニルチオなどの基を;アルカンスルホニル基とは、たとえば、メタンスルホニル、エタンスルホニルおよびプロパンスルホニルなどのC1−6アルカンスルホニル基を;アリールスルホニル基とは、たとえば、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニルおよびナフタレンスルホニルなどの基を;アルアルキリデン基とは、たとえば、ベンジリデンおよびナフチルメチレンなどの基を;シクロアルキリデン基とは、たとえば、シクロペンチリデンおよびシクロヘキシリデンなどの基を;ジアルキルアミノアルキリデン基とは、たとえば、N,N−ジメチルアミノメチレンおよびN,N−ジエチルアミノメチレンなどの基を;含窒素複素環式アルキリデン基とは、たとえば、3−ヒドロキシ−4−ピリジルメチレンなどの基を;含酸素複素環式アルキル基とは、たとえば、5−メチル−2−オキソ−2H−1,3−ジオキソール−4−イルメチルなどの基を;含酸素複素環式基とは、たとえば、テトラヒドロフリルおよびテトラヒドロピラニルなどの基を;含硫黄複素環式基とは、たとえば、テトラヒドロチオピラニルなどの基を;ジアリールホスホリル基とは、たとえば、ジフェニルホスホリルなどの基を;ジアルアルキルホスホリル基とは、たとえば、ジベンジルホスホリルなど基を;置換シリル基とは、たとえば、トリメチルシリル、トリエチルシリルおよびトリブチルシリルなどの基を意味する。 上記の各基は、さらに、ハロゲン原子、保護されてもよいアミノ基、保護されてもよいヒドロキシル基、ニトロ基、低級アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルアルキルオキシ基、アリール基、アシル基およびオキソ基から選ばれる1つ以上の基で置換されてもよい。 アミノ基の保護基としては、通常のアミノ保護基として使用しうるすべての基を含み、たとえば、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アルアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルアルキル基、アルコキシアルキル基、アルアルキルオキシアルキル基、アリールチオ基、アルカンスルホニル基、アリールスルホニル基、アルアルキリデン基、シクロアルキリデン基、ジアルキルアミノアルキリデン基、含窒素複素環式アルキリデン基、含酸素複素環式アルキル基、ジアリールホスホリル基、ジアルアルキルホスホリル基および置換シリル基などが挙げられる。 ヒドロキシル基の保護基としては、通常のヒドロキシル保護基として使用し得るすべての基を含み、たとえば、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アルアルキルオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アルキル基、アルケニル基、アルアルキル基、含酸素複素環式基、含硫黄複素環式基、アルコキシアルキル基、アルアルキルオキシアルキル基、アルカンスルホニル基、アリールスルホニル基および置換シリル基などが挙げられる。 本発明に用いられる一般式[1]の化合物としては、たとえば、以下の化合物が挙げられる。 本発明化合物において、好ましい一般式[1]の化合物としては、以下の化合物が挙げられる。 一般式[1]の化合物としては、R1が、ヒドロキシル基で置換されてもよいアミジノ基である化合物が好ましく、アミジノ基である化合物がより好ましい。 R2およびR3が、水素原子である化合物が好ましい。 具体的には、一般式[1]の化合物としては、以下の化合物が、好ましい。 一般式[1]の化合物としては、以下の化合物が、さらに好ましい。 一般式[1]の化合物またはその塩において、溶媒和物および水和物が存在する場合、これらの溶媒和物および水和物も使用することができる。また、種々の形状の結晶も使用することができる。 一般式[1]の化合物の塩としては、たとえば、塩酸、臭化水素酸および硫酸などの鉱酸との塩;酒石酸、ギ酸、酢酸、クエン酸、トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸などの有機カルボン酸との塩;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸などのスルホン酸との塩;ならびにリン酸との塩などが挙げられる。 一般式[1]の化合物の好ましい塩としては、薬理学的に許容される塩が挙げられ、塩酸塩が、より好ましい。 本発明に用いられる一般式[1]の化合物は、常法により製造することができるが、たとえば、国際公開第WO2006/003881号パンフレットに記載の方法により製造することができる。 本発明に用いられるアゾール系抗真菌剤としては、たとえば、フルコナゾール、ホスフルコナゾール、イトラコナゾール、ボリコナゾール、ポサコナゾール、ラブコナゾール、BMS−379224、BAL−8557およびCS−758などのトリアゾール系抗真菌剤ならびにケトコナゾール、ミコナゾール、ビフォナゾール、ラノコナゾールおよびルリコナゾールなどのイミダゾール系抗真菌剤が挙げられる。 好ましいアゾール系抗真菌剤としては、フルコナゾール、ホスフルコナゾール、イトラコナゾール、ボリコナゾール、ポサコナゾール、ラブコナゾール、BMS−379224、BAL−8557およびCS−758などのトリアゾール系抗真菌剤が挙げられ、フルコナゾール、ホスフルコナゾール、ボリコナゾールおよびイトラコナゾールが、より好ましく、フルコナゾール、ボリコナゾールおよびイトラコナゾールがさらに好ましい。 本発明に用いられるポリエン系抗真菌剤としては、たとえば、アムホテリシンBおよびそのリポソーム製剤(たとえば、アベルセット(商品名)およびアンビソーム(商品名)など)、ナイスタチン、トリコマイシン、SPK−843ならびにピマリシンなどが挙げられる。 好ましいポリエン系抗真菌剤としては、アムホテリシンBおよびそのリポソーム製剤(たとえば、アベルセット(商品名)およびアンビソーム(商品名)など)が挙げられる。 本発明に用いられるキャンディン系抗真菌剤としては、たとえば、ミカファンギン、カスポファンギン、アニデュラファンギンおよびアミノキャンディンなどが挙げられる。 好ましいキャンディン系抗真菌剤としては、ミカファンギンが挙げられる。 本発明に用いられるフルオロピリミジン系抗真菌剤としては、たとえば、フルシトシンなどが挙げられる。 本発明に用いられる免疫抑制剤としては、たとえば、ラパマイシン、サイクロスポリンおよびタクロリムスなどのマクロライド系化合物が挙げられる。 好ましい免疫抑制剤としては、タクロリムスが挙げられる。 一般式[1]で表されるアリールアミジン誘導体またはその塩の投与経路は、特に限定されず、静脈内、経口、筋肉内、皮下または他の投与経路により投与することができる。また、一般式[1]で表されるアリールアミジン誘導体またはその塩は、アゾール系抗真菌剤、ポリエン系抗真菌剤、キャンディン系抗真菌剤、フルオロピリミジン系抗真菌剤および免疫抑制剤と同時に、別個にまたは特定の順序で投与してもよい。 本発明の医薬組成物は、たとえば、カンジダ(Candida)属、クリプトコッカス(Cryptococcus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属およびマラセチア属(Malassezia)などの真菌に対して優れた抗真菌作用を示すが、とりわけ、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)、カンジダ・ギリエルモンディ(Candida guilliermondii)、カンジダ・ケフィール(Candida kefyr)、カンジダ・クルセイ(Candida krusei)、カンジダ・パラプシローシス(Candida parapsilosis)、カンジダ・ステラトイデアエ(Candida stellatoidea)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)およびカンジダ・ルシタニアエ(Candida lusitaniae)などのカンジダ属;クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)などのクリプトコッカス属;アスペルギルス・クラバタス(Aspergillus clavatus)、アスペルギルス・フラーブス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)、アスペルギルス・ベルシカラー(Aspergillus versicolor)およびアスペルギルス・レストリクタス(Aspergillus restrictus)などのアスペルギルス属;ならびにマラセチア・ファーファー(Malassezia furfur)、マラセチア・パキデルマテス(Malassezia pachydermatis)、マラセチア・シンポデアリス(Malassezia sympodialis)およびマラセチア・スルーフィエ(Malassezia slooffiae)などのマラセチア属に優れた抗真菌作用を示す。 本発明の医薬組成物は、種々の真菌感染症、たとえば、カンジダ症、クリプトコッカス症、アスペルギルス症およびマラセチア症の予防及び治療に有用である。 本発明の医薬組成物によって、より重篤な真菌感染症の治療が可能となる。また、使用する個々の薬剤量を減じて投与しても強い抗真菌作用を示すことより、各々の薬剤の副作用を減じることが可能となる。 また、免疫抑制剤を含有する医薬組成物は、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の原因や増悪因子の一つと考えられるマラセチア属などの表在性の真菌に優れた効果を示し、さらに、医薬組成物の成分である免疫抑制剤は、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患に効果を示す。免疫抑制剤を含有する医薬組成物は、抗真菌治療およびアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患治療の医薬組成物として有用である。 次に、本発明を試験例を挙げて説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。 各略号は、以下の意味を有する。 FLCZ:フルコナゾール、MCFG:ミカファンギン、AMPH-B:アムホテリシンB、ITCZ:イトラコナゾール、5-FC:フルシトシン、VLCZ:ボリコナゾール、KCZ:ケトコナゾール、TAC:タクロリムス 試験化合物として、以下の化合物を選択した。その化学構造式を以下に示す。 薬剤として、フルコナゾール(市販品)、ミカファンギン(市販品)、アムホテリシンB(市販品)、イトラコナゾール(市販品より抽出)、ボリコナゾール(市販品より抽出)、ケトコナゾール(市販品)、タクロリムス(市販品)およびフルシトシン(シグマ社)を選択した。試験例1 イン・ビトロ試験(アスペルギルス属、クリプトコッカス属) 液体希釈法を用いて、真菌に対する感受性試験を行った。 感受性試験に用いる培地は、0.165mol/Lモルホリンプロパンスルホン酸(MOPS)および1.0mol/L水酸化ナトリウムにてpH7.0に調整したRPMI1640(シグマ社)(RPMI/MOPS)からなる。 試験化合物を、少量の0.1mol/L塩酸に溶解し、滅菌水で希釈後、RPMI/MOPSを用いて所定の濃度に調製した。 薬剤を、少量の滅菌水またはジメチルスルホキシドに溶解し、RPMI/MOPSを用いて所定の濃度に調製した。 接種菌液は、サブロー寒天培地にて35℃で二晩培養したクリプトコッカス・ネオフォルマンスATCC90112および胞子液を滅菌生理食塩水に懸濁したアスペルギルス・フミガーツスTIMM0063を各々RPMI/MOPSを用いて所定の濃度に希釈し、調製した(各終濃度:約1×103cells/mL、約1×104CFU/mL)。最終的に所定濃度の試験化合物および各薬剤、培地および菌体が含まれるマイクロプレートを作製した。そのプレートを35℃で48〜72時間培養した。培養前および培養終了後、630nmの吸光度を自動分光光度計で測定した。被験物質非添加の発育対照に比べ、50%以上の生育阻害が見られる最も低い濃度をIC50とした。 試験化合物と、フルコナゾール、ミカファンギン、アムホテリシンB、イトラコナゾールおよびフルシトシンについてそれぞれ単独の場合と組合せの場合のIC50を比較し、試験化合物とそれぞれの薬剤の組合せの抗真菌活性をチェッカー盤方法で評価し、FIC指標を計算した。FIC指標は、(試験化合物についての併用時IC50値/試験化合物についての単剤時IC50値)+(薬剤についての併用時IC50値/薬剤についての単剤時IC50値)によって求めた値の最小値とした。 FIC指標が0.5以下の場合を両薬剤の組合せによる強い相乗効果があると判定した(アンチミクロバイアル・エージェント・アンド・ケモテラピー(Antimicrobial Agents and Chemotherapy)、第39巻、第1691頁、1995年)。 アスペルギルス・フミガーツスTIMM0063に対する試験化合物およびそれぞれの薬剤との組合せの結果を表1に示す。 試験化合物と、ミカファンギン、アムホテリシンBおよびフルシトシンとの強い相乗作用が確認された。 クリプトコッカス・ネオフォルマンスATCC90112に対する試験化合物およびそれぞれの薬剤との組合せの結果を表2に示す。 試験化合物と、フルコナゾール、イトラコナゾール、アムホテリシンBおよびフルシトシンとの強い相乗作用が確認された。試験例2 イン・ビトロ試験(マラセチア属) 液体希釈法を用いて、真菌に対する感受性試験を行った。 感受性試験に用いる培地は、0.165mol/L 3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)および1.0mol/L水酸化ナトリウムにてpH7.0に調整したRPMI1640(シグマ社)、グルコース、牛胆汁、グリセロールおよびTween20(和光純薬)の混合物(m RPMI/MOPS)からなる。 試験化合物を少量の0.1mol/L塩酸に溶解し、滅菌水で希釈後、m RPMI/MOPSを用いて所定の濃度に調製した。イトラコナゾール、ケトコナゾールおよびタクロリムスをジメチルスルホキシドに溶解し、m RPMI/MOPSを用いて所定の濃度に調整した。 接種菌液は、103寒天培地(グルコース1%、ペプトン0.5%、イースト抽出物0.3%および麦芽抽出物0.3%の混合物を1.0mol/L塩酸でpH5.6に調整し、オリーブオイル1%および寒天末1.5%を加え、高圧蒸気滅菌した培地)にて30℃で二晩培養したマラセチア・ファーファーNBRC0656を m RPMI/MOPSを用いて所定の濃度に希釈し、調製した(終濃度:約1×103cells/mL)。最終的に所定濃度の試験化合物、各薬剤、培地および菌体が含まれるマイクロプレートを作製した。そのプレートを30℃で70〜72時間培養した。 培養終了後、菌の生育が認められない最も低い濃度をMICとした。 試験化合物と、イトラコナゾール、ケトコナゾールおよびタクロリムス、それぞれ単独の場合と組合せの場合のMICを比較し、試験化合物と薬剤の組合せの抗真菌活性をチェッカー盤方法で評価し、FIC指標を計算した。FIC指標は、(試験化合物についての併用時MIC値/試験化合物についての単剤時MIC値)+(薬剤についての併用時MIC値/薬剤についての単剤時MIC値)によって求めた値の最小値とした。 マラセチア・ファーファーNBRC0656に対する試験化合物およびそれぞれの薬剤との組合せの結果を表3に示す。 試験化合物と、イトラコナゾール、ケトコナゾールおよびタクロリムスとの強い相乗作用が確認された。試験例3 イン・ビボ試験(カンジダ属) カンジダ・アルビカンスによるマウス全身感染モデルを用いてイン・ビボ活性を評価した。 マウス(ICR系雄性4週令(感染時)、一群10匹)にシクロフォスファミドを感染4日前(200mg/kg)および感染翌日(100mg/kg)に腹腔内投与した。接種菌液は、35℃で一夜培養したサブロー寒天平板上のカンジダ・アルビカンスTIMM1623を滅菌生理食塩液に懸濁し、生物顕微鏡にて細胞を計数後、滅菌生理食塩液で希釈し、調製した。マウスに接種菌液0.2mLを尾静脈内接種し、感染を惹起した(約3×104CFU/マウス)。 試験化合物を少量の0.1mol/L塩酸に溶解した後、滅菌生理食塩水で希釈した。 フルコナゾールおよびミカファンギンを滅菌生理食塩水で調製した。 アムホテリシンBを5%グルコースに溶解した。 感染2時間後および感染翌日から6日間、1日1回、計7回、試験化合物:0.0313mg/kg、フルコナゾール:0.25mg/kg、アムホテリシンB:0.1mg/kgおよびミカファンギン:0.25mg/kgを皮下投与した。試験は、それぞれの薬剤を単独投与する場合と、試験化合物の投与直後にそれぞれの薬剤を投与する組み合わせで行った。 試験化合物およびそれぞれの薬剤の単独投与群ならびに併用投与群の生存時間分布を薬剤非投与群の生存時間分布に対し、カプランマイヤー(Kaplan-Meier)法ログランク(log rank)検定(多群の比較)に準じ、有意水準両側5%で、有意差を検定した。試験結果を図1〜3に示す。 いずれの単独投与群においても、薬剤非投与群に比べ、有意な延命効果は認められなかった(p>0.05)。一方、試験化合物およびフルコナゾール、試験化合物およびアムホテリシンBならびに試験化合物およびミカファンギンの組合せ投与群において、薬剤非投与群に比べ、有意な延命効果が認められた(p≦0.0001)。 カンジダ・アルビカンスのマウス全身感染モデルにおいて、試験化合物およびフルコナゾール、試験化合物およびアムホテリシンBならびに試験化合物およびミカファンギンの組合せ投与は、優れた治療効果を示すことが認められた。試験例4 イン・ビボ試験(アスペルギルス属) アスペルギルス・フミガーツスによるマウス全身感染モデルを用いてイン・ビボ活性を評価した。 接種菌液は、マウス(ICR系雄性4週令(感染時)、一群10匹)にシクロフォスファミドを感染4日前(200mg/kg)および感染翌日(100mg/kg)に腹腔内投与した。アスペルギルス・フミガーツスTIMM0063の胞子液を0.05%Tween80(Difco社製)を含む滅菌生理食塩液にて希釈し、接種菌液を調製した。マウスに接種菌液0.2mLを尾静脈内接種し、感染を惹起した(約4×104CFU/マウス)。 試験化合物を少量の0.1mol/L塩酸に溶解した後、滅菌生理食塩水で希釈した。 ボリコナゾールを50mg/mLのスルホブチルエーテルβシクロデキストリンナトリウム(サイデックス社)水溶液に溶解した。 フルシトシンを0.5%メチルセルロース液に懸濁した。 感染2時間後および感染翌日から6日間、1日1回、計7回、試験化合物:0.1mg/kg、ボリコナゾール:5mg/kgを皮下投与、フルシトシン:50mg/kgを経口投与した。試験は、それぞれの薬剤を単独投与する場合および試験化合物の投与直後にそれぞれの薬剤を投与する組み合わせで行った。感染実験での有効性は感染15日後の生存率で評価した。 アスペルギルス・フミガーツスに対する試験化合物およびボリコナゾールとの組合せの結果を表4、アスペルギルス・フミガーツスに対する試験化合物およびフルシトシンとの組合せの結果を表5に示す。 アスペルギルス・フミガーツスのマウス全身感染モデルにおいて、試験化合物およびボリコナゾールならびに試験化合物およびフルシトシンの組合せ投与は、優れた治療効果を示した。試験例5 イン・ビボ試験(クリプトコッカス属) クリプトコッカス・ネオフォルマンスよるマウス全身感染モデルを用いてイン・ビボ活性を評価した。 マウス(ICR系雄性4週令(感染時)、一群10匹)にシクロフォスファミドを感染4日前(200mg/kg)および感染翌日(100mg/kg)に腹腔内投与した。接種菌液は、35℃で一夜培養したSDA平板上のクリプトコッカス・ネオフォルマンスATCC90112を滅菌生理食塩液に懸濁し、生物顕微鏡にて細胞を計数後、滅菌生理食塩液で希釈し、接種菌液を調製した。マウスに接種菌液0.2mLを尾静脈内接種し、感染を惹起した(約8×104CFU/マウス)。 試験化合物を少量の0.1mol/L塩酸に溶解した後、滅菌生理食塩水で希釈した。 フルコナゾールを滅菌生理食塩水で調製した。 アムホテリシンBを5%グルコース水溶液に溶解した。 感染2時間後および感染翌日から6日間、1日1回、計7回、試験化合物:0.125mg/kg、フルコナゾール:5mg/kg、アムホテリシンB:0.25mg/kgを皮下投与した。試験は、それぞれの薬剤を単独投与する場合と、試験化合物の投与直後に、それぞれの薬剤を投与する組み合わせで行った。感染実験での有効性は感染22日後の生存率で評価した。 クリプトコッカス・ネオフォルマンスに対する試験化合物およびフルコナゾールとの組合せの結果を表6、クリプトコッカス・ネオフォルマンスに対する試験化合物およびアムホテリシンBとの組合せの結果を表7に示す。 クリプトコッカス・ネオフォルマンスのマウス全身感染モデルにおいて、試験化合物およびフルコナゾールならびに試験化合物およびアムホテリシンBの組合せ投与は、優れた治療効果を示した。 上記の結果から明らかなように、一般式[1]で表されるアリールアミジン誘導体またはその塩と種々の抗真菌剤などとの組合せが、相乗的な抗真菌活性・治療効果を示し、真菌病原体によって引き起こされる真菌感染症の治療に有効である。 次に、本発明に使用される一般式[1]で表されるアリールアミジン誘導体またはその塩を製造例および製剤例を挙げて説明する。 溶離液における混合比は、容量比である。特に記載のない場合、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにおける担体は、富士シリシア化学株式会社、B.W.シリカゲル、BW−127ZHである。 各略号は、以下の意味を有する。 Ac:アセチル、Boc:tert−ブトキシカルボニル、Et:エチル、DMSO-d6:重ジメチルスルホキシド製造例1 tert−ブチル=4−(3−ヒドロキシプロピル)−1−ピペリジンカルボキシラート10.7gのテトラヒドロフラン110mL溶液に、水冷下、四臭化炭素19.0gを加えた後、トリフェニルホスフィン15.0gを13分間を要して加えた。この混合物を室温で2時間30分間攪拌し、13時間静置した。反応混合物に水、酢酸エチルおよび飽和塩化ナトリウム水溶液を加えた。有機層を分取し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=3:1]で精製し、無色油状のtert−ブチル=4−(3−ブロモプロピル)−1−ピペリジンカルボキシラート13.2gを得た。1H-NMR(CDCl3)δ値:1.00-1.20(2H,m),1.20-1.50(3H,m),1.45(9H,s),1.60-1.70(2H,m),1.80-1.95(2H,m),2.60-2.75(2H,m),3.40(2H,t,J=6.8Hz),3.90-4.25(2H,m)製造例2 tert−ブチル=4−(3−ブロモプロピル)−1−ピペリジンカルボキシラート13.2gのジメチルスルホキシド130mL溶液に、室温で4−シアノフェノール5.13gおよび炭酸カリウム11.9gを加え、同温度で26時間攪拌した。反応混合物をトルエンおよび水の混液に加えた。有機層を分取し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去し、白色固体のtert−ブチル=4−[3−(4−シアノフェノキシ)プロピル]−1−ピペリジンカルボキシラート14.5gを得た。1H-NMR(CDCl3)δ値:1.05-1.20(2H,m),1.40-1.50(3H,m),1.46(9H,s),1.65-1.75(2H,m),1.75-1.90(2H,m),2.60-2.80(2H,m),3.99(2H,t,J=6.3Hz),4.00-4.20(2H,m),6.93(2H,d,J=8.7Hz),7.58(2H,d,J=8.7Hz)製造例3 tert−ブチル=4−[3−(4−シアノフェノキシ)プロピル]−1−ピペリジンカルボキシラート14.0gのクロロホルム100mL溶液に、水冷下、トリフルオロ酢酸40mLを10分間を要して滴下した。同温度で20分間攪拌した後、室温で35分間攪拌した。減圧下で溶媒を留去した後、クロロホルムおよび水を加えた。水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH13.0に調整した。有機層を分取し、水層をクロロホルムで抽出した。有機層と抽出液を合わせ、水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、炭酸カリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去し、淡黄色固体の4−[3−(4−ピペリジニル)プロポキシ]ベンゾニトリル10.3gを得た。1H-NMR(CDCl3)δ値:1.05-1.20(2H,m),1.35-1.45(3H,m),1.65-1.90(4H,m),2.50-2.65(2H,m),3.00-3.15(2H,m),3.99(2H,t,J=6.6Hz),4.78(1H,s),6.93(2H,d,J=9.0Hz),7.58(2H,d,J=9.0Hz)製造例4 4−[3−(4−ピペリジニル)プロポキシ]ベンゾニトリル10.2gのN,N−ジメチルホルムアミド150mL溶液に、室温で、炭酸カリウム11.2gおよび4−(3−ブロモプロポキシ)ベンゾニトリル9.72gを順次加え、同温度で18時間攪拌した。反応混合物にトルエンおよび水を加えた。析出物を濾取し、白色固体の4−(3−{4−[3−(4−シアノフェノキシ)プロピル]−1−ピペリジニル}プロポキシ)ベンゾニトリル13.7gを得た。1H-NMR(CDCl3)δ値:1.20-1.45(5H,m),1.65-2.05(8H,m),2.40-2.55(2H,m),2.85-3.00(2H,m),3.99(2H,t,J=6.5Hz),4.06(2H,t,J=6.3Hz),6.93(2H,d,J=8.8Hz),6.94(2H,d,J=8.8Hz),7.57(2H,d,J=8.8Hz),7.57(2H,d,J=8.8Hz)製造例5 2−フルオロ−4−ヒドロキシベンゾニトリル0.50gおよび炭酸カリウム0.56gの2−ブタノン7.0mL混液に、tert−ブチル=4−(3−ブロモプロピル)−1−ピペリジンカルボキシラート1.12gの2−ブタノン7.6mL溶液を加え、6時間30分間加熱還流した。室温まで冷却した後、反応混合物を酢酸エチルおよび水の混液に加えた。有機層を分取し、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=4:1]で精製し、無色油状のtert−ブチル=4−[3−(4−シアノ−3−フルオロフェノキシ)プロピル]−1−ピペリジンカルボキシラート0.72gを得た。1H-NMR(CDCl3)δ値:1.05-1.20(2H,m),1.35-1.45(3H,m),1.46(9H,s),1.65-1.75(2H,m),1.75-1.90(2H,m),2.60-2.75(2H,m),3.99(2H,t,J=6.3Hz),4.00-4.20(2H,m),6.65-6.80(2H,m),7.45-7.54(1H,m)製造例6 tert−ブチル=4−[3−(4−シアノ−3−フルオロフェノキシ)プロピル]−1−ピペリジンカルボキシラート0.66gの塩化メチレン5.5mL溶液に、氷冷下、トリフルオロ酢酸1.8mLを2分間を要して滴下し、室温で6時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去し、得られた残留物にクロロホルムおよび1.0mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えた。有機層を分取し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=4:1]で精製し、微黄色油状の2−フルオロ−4−[3−(4−ピペリジニル)プロポキシ]ベンゾニトリル0.28gを得た。1H-NMR(CDCl3)δ値:1.05-1.20(2H,m),1.30-1.45(3H,m),1.50-1.75(2H,m),1.75-1.90(2H,m),2.50-2.65(2H,m),3.00-3.15(2H,m),3.98(2H,t,J=6.5Hz),6.69(1H,dd,J=11.0,2.3Hz),6.75(1H,dd,J=8.5,2.3Hz),7.50(1H,dd,J=8.5,8.5Hz)製造例7 2−フルオロ−4−[3−(4−ピペリジニル)プロポキシ]ベンゾニトリル0.10gのN,N−ジメチルホルムアミド2.0mL溶液に、室温で、炭酸カリウム0.10gおよび4−(3−ブロモプロポキシ)ベンゾニトリル0.13gを順次加え、同温度で13時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチル、水およびトルエンを加えた。有機層を分取し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=4:1]で精製し、白色固体の4−(3−{1−[3−(4−シアノフェノキシ)プロピル]−4−ピペリジニル}プロポキシ)−2−フルオロベンゾニトリル68mgを得た。1H-NMR(CDCl3)δ値:1.20-1.45(5H,m),1.65-2.05(8H,m),2.40-2.55(2H,m),2.85-3.00(2H,m),3.98(2H,t,J=6.5Hz),4.06(2H,t,J=6.3Hz),6.69(1H,dd,J=11.0,2.4Hz),6.74(1H,dd,J=8.8,2.4Hz),6.94(2H,d,J=8.7Hz),7.45-7.55(1H,m),7.57(2H,d,J=8.7Hz)製造例8 4−[3−(4−ピペリジニル)プロポキシ]ベンゾニトリル0.12gおよび4−(3−ブロモプロポキシ)−2−フルオロベンゾニトリル0.15gを用い、製造例7と同様にして、白色固体の4−(3−{4−[3−(4−シアノフェノキシ)プロピル]−1−ピペリジニル}プロポキシ)−2−フルオロベンゾニトリル0.10gを得た。1H-NMR(CDCl3)δ値:1.20-1.35(3H,m),1.35-1.45(2H,m),1.60-2.05(8H,m),2.40-2.50(2H,m),2.85-3.00(2H,m),3.99(2H,t,J=6.5Hz),4.06(2H,t,J=6.3Hz),6.70-6.80(2H,m),6.93(2H,d,J=9.0Hz),7.45-7.55(1H,m),7.57(2H,d,J=9.0Hz)製造例9 2−フルオロ−4−[3−(4−ピペリジニル)プロポキシ]ベンゾニトリル0.26gおよび4−(3−クロロプロポキシ)−2−フルオロベンゾニトリル0.21gのジメチルスルホキシド4.0mL溶液に、N−エチルジイソプロピルアミン0.88mLを加え、80〜90℃で8時間15分間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=10:1]で精製し、褐色固体の4−(3−{1−[3−(4−シアノ−3−フルオロフェノキシ)プロピル]−4−ピペリジニル}プロポキシ)−2−フルオロベンゾニトリル0.25gを得た。1H-NMR(CDCl3)δ値:1.20-1.45(5H,m),1.65-2.05(8H,m),2.40-2.50(2H,m),2.85-3.00(2H,m),3.98(2H,t,J=6.5Hz),4.06(2H,t,J=6.3Hz),6.65-6.80(4H,m),7.45-7.55(2H,m)製造例10 4−(3−{4−[3−(4−シアノフェノキシ)プロピル]−1−ピペリジニル}プロポキシ)ベンゾニトリル12.6gのジメチルスルホキシド126mL懸濁液に、50%ヒドロキシルアミン水溶液19.1mLを加え、50℃で19時間攪拌した。室温まで冷却し、水260mLを50分間を要して滴下し、室温で30分間、水冷下で2時間攪拌した。析出物を濾取し、白色固体の4−{3−[4−(3−{4−[アミノ(ヒドロキシイミノ)メチル]フェノキシ}プロピル)−1−ピペリジニル]プロポキシ}−N’−ヒドロキシベンズアミジン15.0gを得た。1H-NMR(DMSO-d6)δ値:1.05-1.40(5H,m),1.60-1.80(4H,m),1.80-1.90(4H,m),2.35-2.45(2H,m),2.80-2.90(2H,m),3.96(2H,t,J=6.5Hz),4.01(2H,t,J=6.5Hz),5.65-5.75(4H,m),6.85-6.95(4H,m),7.55-7.65(4H,m),9.43(1H,s),9.43(1H,s)製造例11 4−{3−[4−(3−{4−[アミノ(ヒドロキシイミノ)メチル]フェノキシ}プロピル)−1−ピペリジニル]プロポキシ}−N’−ヒドロキシベンズアミジン14.9gの酢酸150mL懸濁液に、室温で、無水酢酸5.97mLを加え、室温で1時間20分間攪拌した。この混合物に5%パラジウム−炭素1.50gを加え、水素雰囲気下で4時間40分間攪拌した。不溶物を濾去し、6.0mol/L塩酸55mLを加えた。減圧下で溶媒を留去し、得られた残留物にエタノールを加えた。固形物を濾取し、白色固体の4−{3−[4−(3−{4−[アミノ(イミノ)メチル]フェノキシ}プロピル)−1−ピペリジニル]プロポキシ}ベンズアミジン塩酸塩14.0gを得た。1H-NMR(DMSO-d6)δ値:1.30-1.45(2H,m),1.45-1.70(3H,m),1.70-1.90(4H,m),2.15-2.30(2H,m),2.80-3.00(2H,m),3.10-3.20(2H,m),3.45-3.55(2H,m),4.10(2H,t,J=6.2Hz),4.19(2H,t,J=6.1Hz),7.15(2H,d,J=8.4Hz),7.16(2H,d,J=8.4Hz),7.84(2H,d,J=8.4Hz),7.86(2H,d,J=8.4Hz),8.90-9.00(4H,m),9.15-9.30(4H,m),10.60-10.80(1H,broad)製造例12 4−(3−{4−[3−(4−シアノフェノキシ)プロピル]−1−ピペリジニル}プロポキシ)ベンゾニトリル1.15gのエタノール20mL懸濁液に、氷冷下、塩化水素を導入した後、室温で24時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去し、得られた残留物をエタノール20mLに溶解した。酢酸アンモニウム1.54gを加え、3時間45分間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し、水を加えた後、減圧下でエタノールを留去した。得られた残留物にクロロホルムを加え、5.0mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH12.5に調整した。析出物を濾取し、白色固体の4−{3−[4−(3−{4−[アミノ(イミノ)メチル]フェノキシ}プロピル)−1−ピペリジニル]プロポキシ}ベンズアミジン1.13gを得た。1H-NMR(DMSO-d6)δ値:1.00-1.40(5H,m),1.60-1.80(4H,m),1.80-1.95(4H,m),2.35-2.45(2H,m),2.80-2.90(2H,m),3.98(2H,t,J=6.5Hz),4.03(2H,t,J=6.3Hz),6.30-7.20(4H,broad),6.85-7.00(4H,m),7.65-7.80(4H,m)製造例13 4−{3−[4−(3−{4−[アミノ(イミノ)メチル]フェノキシ}プロピル)−1−ピペリジニル]プロポキシ}ベンズアミジン0.50gのエタノール10mL懸濁液に、室温で、2.6mol/mL塩化水素/エタノール溶液1.77mLを加え、室温で4時間15分間攪拌した。析出物を濾取し、無色固体の4−{3−[4−(3−{4−[アミノ(イミノ)メチル]フェノキシ}プロピル)−1−ピペリジニル]プロポキシ}ベンズアミジン塩酸塩0.49gを得た。d6-DMSO中における1H-NMRは、製造例11の値と一致した。製造例14 4−(3−{1−[3−(4−シアノフェノキシ)プロピル]−4−ピペリジニル}プロポキシ)−2−フルオロベンゾニトリル67mgのジオキサン3.0mL懸濁液に、50%ヒドロキシルアミン水溶液1.0mLを加え、2時間加熱還流した。室温まで冷却した後、水10mLを滴下し、氷冷下、30分間攪拌した。析出物を濾取し、淡黄色固体の4−{3−[1−(3−{4−[アミノ(ヒドロキシイミノ)メチル]フェノキシ}プロピル)−4−ピペリジニル]プロポキシ}−2−フルオロ−N’−ヒドロキシベンズアミジン63mgを得た。1H-NMR(DMSO-d6)δ値:1.00-1.40(5H,m),1.60-1.80(4H,m),1.80-1.95(4H,m),2.35-2.45(2H,m),2.80-2.90(2H,m),3.98(2H,t,J=6.4Hz),4.00(2H,t,J=6.0Hz),5.60-5.80(4H,m),6.70-6.85(2H,m),6.90(2H,d,J=8.8Hz),7.35-7.45(1H,m),7.58(2H,d,J=8.8Hz),9.43(1H,s),9.50(1H,s)製造例15 4−{3−[1−(3−{4−[アミノ(ヒドロキシイミノ)メチル]フェノキシ}プロピル)−4−ピペリジニル]プロポキシ}−2−フルオロ−N’−ヒドロキシベンズアミジン56mgの酢酸2.0mL懸濁液に、室温で無水酢酸0.043mLを加え、同温度で1時間攪拌した。この混合物に5%パラジウム−炭素5.0mgを加え、水素雰囲気下で2時間攪拌した。不溶物を濾去し、減圧下で溶媒を留去した。6.0mol/L塩酸および水を加え、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[シリカゲル:YMC社製ODS−AM120−S50、溶離液;水]で精製した。得られた残留物を水5.0mLに溶解し、5.0mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH12.2に調整した。氷冷下で20分間攪拌し、析出物を濾取し、白色固体の4−{3−[1−(3−{4−[アミノ(イミノ)メチル]フェノキシ}プロピル)−4−ピペリジニル]プロポキシ}−2−フルオロベンズアミジン43mgを得た。1H-NMR(DMSO-d6)δ値:1.05-1.40(5H,m),1.60-2.05(8H,m),2.30-2.45(2H,m),2.80-2.90(2H,m),3.98(2H,t,J=6.5Hz),4.02(2H,t,J=6.3Hz),6.20-6.70(4H,broad),6.75-6.85(2H,m),6.92(2H,d,J=8.4Hz),7.45-7.55(1H,m),7.71(2H,d,J=8.4Hz)製造例16 4−(3−{4−[3−(4−シアノフェノキシ)プロピル]−1−ピペリジニル}プロポキシ)−2−フルオロベンゾニトリル0.10gを用い、製造例14と同様にして白色固体の4−{3−[4−(3−{4−[アミノ(ヒドロキシイミノ)メチル]フェノキシ}プロピル)−1−ピペリジニル]プロポキシ}−2−フルオロ−N’−ヒドロキシベンズアミジン0.11gを得た。1H-NMR(DMSO-d6)δ値:1.00-1.40(5H,m),1.60-1.75(4H,m),1.75-1.90(4H,m),2.30-2.40(2H,m),2.80-2.90(2H,m),3.96(2H,t,J=6.5Hz),4.03(2H,t,J=6.3Hz),5.65-5.80(4H,m),6.75-6.90(2H,m),6.90(2H,d,J=8.9Hz),7.35-7.45(1H,m),7.58(2H,d,J=8.9Hz),9.43(1H,s),9.50(1H,s)製造例174−{3−[4−(3−{4−[アミノ(ヒドロキシイミノ)メチル]フェノキシ}プロピル)−1−ピペリジニル]プロポキシ}−2−フルオロ−N’−ヒドロキシベンズアミジン90mgを用い、製造例15と同様にして白色固体の4−{3−[4−(3−{4−[アミノ(イミノ)メチル]フェノキシ}プロピル)−1−ピペリジニル]プロポキシ}−2−フルオロベンズアミジン34mgを得た。1H-NMR(DMSO-d6)δ値:1.05-1.40(5H,m),1.60-1.90(8H,m),2.30-2.45(2H,m),2.80-2.90(2H,m),3.98(2H,t,J=6.5Hz),4.03(2H,t,J=6.0Hz),6.30-6.75(4H,broad),6.75-6.85(2H,m),6.93(2H,d,J=8.7Hz),7.45-7.55(1H,m),7.71(2H,d,J=8.7Hz)製造例18 4−(3−{1−[3−(4−シアノ−3−フルオロフェノキシ)プロピル]−4−ピペリジニル}プロポキシ)−2−フルオロベンゾニトリル0.10gのエタノール10mL懸濁液に、氷冷下、塩化水素を導入した後、同温度で1時間10分間、室温で17時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去し、得られた残留物をエタノール5.0mLに懸濁し、酢酸アンモニウム44mgを加え、5時間30分間加熱還流した。減圧下で溶媒を留去し、得られた残留物を1.0mol/L塩酸8.0mLに溶解し、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[シリカゲル:YMC社製ODS−AM120−S50、溶離液;水]で精製し、白色固体の4−{3−[1−(3−{4−[アミノ(イミノ)メチル]−3−フルオロフェノキシ}プロピル)−4−ピペリジニル]プロポキシ}−2−フルオロベンズアミジン塩酸塩46mgを得た。1H-NMR (DMSO-d6)δ値:1.30-1.45(2H,m),1.50-1.70(3H,m),1.70-1.90(4H,m),2.20-2.30(2H,m),2.80-2.95(2H,m),3.10-3.20(2H,m),3.40-3.55(2H,m),4.10(2H,t,J=6.0Hz),4.20(2H,t,J=5.7Hz),6.95-7.05(2H,m),7.05-7.15(2H,m),7.60-7.75(2H,m),9.20-9.50(8H,m),10.95-11.10(1H,broad)製剤例1 製造例11で得られた化合物1.25gおよびD−マンニトール5.0gを注射用水に溶解し、全量を100mLとした。溶解液を0.22μmのメンブランフィルターでろ過し、得られた薬液10mLをアンプルに充填密封後、蒸気滅菌し、注射剤を得た。 本発明の抗真菌活性を有するアリールアミジン誘導体またはその塩ならびにアゾール系抗真菌剤、ポリエン系抗真菌剤、キャンディン系抗真菌剤、フルオロピリミジン系抗真菌剤および免疫抑制剤から選ばれる一つ以上の薬剤を含有する医薬組成物は、強い抗真菌活性を有し、真菌病原体によって引き起こされる真菌感染症の治療に有用である。さらに本発明の治療方法は、真菌感染症の優れた治療方法として有用である。FLCZと試験化合物の併用効果(試験例2)についての生存曲線である。黒丸は、薬剤非投与群、黒四角は、FLCZ0.25mg/kg投与群、黒菱形は、試験化合物0.0313mg/kg投与群、黒三角は、試験化合物0.0313mg/kgおよびFLCZ0.25mg/kg投与群の結果である。AMPH-Bと試験化合物の併用効果(試験例2)についての生存曲線である。黒丸は、薬剤非投与群、黒四角は、AMPH-B0.1mg/kg投与群、黒菱形は、試験化合物0.0313mg/kg投与群、黒三角は、試験化合物0.0313mg/kgおよびAMPH-B:0.1mg/kg投与群の結果である。MCFGと試験化合物の併用効果(試験例2)についての生存曲線である。黒丸は、薬剤非投与群、黒四角は、MCFG0.25mg/kg投与群、黒菱形は、試験化合物0.0313mg/kg投与群、黒三角は、試験化合物0.0313mg/kgおよびMCFG0.25mg/kg投与群の結果である。 一般式「式中、R1は、アミジノ基を;R2およびR3は、水素原子を示す。」で表されるアリールアミジン誘導体またはその塩ならびにトリアゾール系抗真菌剤、アムホテリシンB、ミカファンギン、タクロリムス、ケトコナゾールおよびフルシトシンから選ばれる一つ以上の薬剤を含有する、真菌感染症を治療するための医薬組成物。 薬剤が、トリアゾール系抗真菌剤、アムホテリシンB、ミカファンギン、タクロリムス、ケトコナゾールおよびフルシトシンから選ばれる一つ以上の薬剤である、請求項1に記載の医薬組成物。 トリアゾール系抗真菌剤が、フルコナゾール、ボリコナゾールまたはイトラコナゾールである、請求項1または2に記載の医薬組成物。 真菌感染症が、カンジダ、クリプトコッカス、アスペルギルスおよびマラセチアから選ばれる真菌病原体によって引き起こされる真菌感染症である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬組成物。 真菌感染症が、カンジダ、クリプトコッカスおよびアスペルギルスから選ばれる真菌病原体によって引き起こされる真菌感染症である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬組成物。 一般式「式中、R1は、アミジノ基を;R2およびR3は、水素原子を示す。」で表されるアリールアミジン誘導体またはその塩と、トリアゾール系抗真菌剤、アムホテリシンB、ミカファンギン、タクロリムス、ケトコナゾールおよびフルシトシンから選ばれる一つ以上の薬剤とを含む、真菌病原体によって引き起こされる真菌感染症の治療のためのキット。 薬剤が、トリアゾール系抗真菌剤、アムホテリシンB、ミカファンギン、タクロリムス、ケトコナゾールおよびフルシトシンから選ばれる一つ以上の薬剤である、請求項6に記載のキット。 トリアゾール系抗真菌剤が、フルコナゾール、ボリコナゾールまたはイトラコナゾールである、請求項6または7に記載のキット。 真菌感染症が、カンジダ、クリプトコッカス、アスペルギルスおよびマラセチアから選ばれる真菌病原体によって引き起こされる真菌感染症である、請求項6〜8のいずれか一項に記載のキット。 真菌感染症が、カンジダ、クリプトコッカスおよびアスペルギルスから選ばれる真菌病原体によって引き起こされる真菌感染症である、請求項6〜8のいずれか一項に記載のキット。


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