生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_改良されたプルランカプセル
出願番号:2007511982
年次:2007
IPC分類:A61K 47/36,A61K 9/48


特許情報キャッシュ

スコット,ロバート ケード,ドミニク ヘ,ズィオングウェイ コール,エワート・トーマス JP 2007536308 公表特許公報(A) 20071213 2007511982 20050429 改良されたプルランカプセル ワーナー−ランバート カンパニー リミテッド ライアビリティー カンパニー 503181266 社本 一夫 100089705 小野 新次郎 100140109 小林 泰 100075270 千葉 昭男 100080137 富田 博行 100096013 中田 隆 100098590 スコット,ロバート ケード,ドミニク ヘ,ズィオングウェイ コール,エワート・トーマス EP 04291151.1 20040504 A61K 47/36 20060101AFI20071116BHJP A61K 9/48 20060101ALI20071116BHJP JPA61K47/36A61K9/48 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW EP2005004644 20050429 WO2005105051 20051110 21 20061226 4C076 4C076AA54 4C076DD23L 4C076DD23P 4C076EE30H 4C076EE30L 4C076EE30T 本発明は、種子、マイクロチップを包装するための、又は食品、アスピック又はゼリーを包むための、医薬品、獣医学、食品、化粧品、又は他の製品で使用するためのプルラン組成物、好ましくはソフト又はハードカプセルのような調薬前(predosed)製剤のためのフィルムのようなプルラン組成物に関する。さらに、本発明は、気管気管支投与のための調薬前製剤、冷水に溶解することが可能であり、及び/又は後に残渣を残さずに溶解する調薬前製剤に関する。 慣用的ハードカプセルは、浸漬成形法によりゼラチンで作製する。浸漬成形法は、冷却することによる熱ゼラチン溶液の硬化能力に基づいている。医薬カプセルの工業的製造については、そのゲル化、フィルム形成及び表面活性特性のため、ゼラチンが最も好ましい。浸漬成形法によるハードゼラチンカプセルの製造は、そのゲル化及びフィルム形成能力を十分に利用している。典型的な浸漬成形法は、ゼラチンの熱溶液内へ成形ピン(mould pin)を浸漬し、ゼラチン溶液からピンを取りだし、ピン上に付着したゼラチン溶液を冷却により硬化させ、乾燥し、そのように形成されたシェルを剥がしとる工程を含んでなる。浸漬後の、成形ピン上の溶液の硬化は、カプセルシェルの均一な厚さを得るために重要な工程である。 全自動化工業的ハードゼラチンカプセル製造機では、この方法は、成形ピンを熱ゼラチン溶液内へ浸漬し、溶液からピンを取り出し、ピンを下向きから上向きへ回転させ、ピン上に付着したゼラチン溶液(ゲル)を乾燥し、カプセルシェルを剥がし、そして最後に切断し、キャップとボディを予備連結することから成る。浸漬後、浸漬ピン上のゼラチン溶液の即時の硬化が、本方法の鍵となる。さもなければ、ゼラチン溶液が流れ落ちるであろうし、非常に薄い頂部厚を導き、カプセル品質を生み出すことができない。 しかしながら、この様式で製造されたゼラチン製ハード薬用カプセルは、いくつかの問題及び欠点を有している。例えば、ハードゼラチンカプセルで生じている架橋現象は、薬剤の溶解プロフィールにかなりの変化をもたらし得る。カプセルシェル溶解の不完全さ及び引き続いての薬剤放出問題は、多様な試薬、例えば、アルデヒド、特にホルムアルデヒドがゼラチンと共有結合で相互作用する能力を有するという事実に関連している。 さらに、ゼラチンは微生物の攻撃を受けがちであり、そのためゼラチン製カプセルの品質は、時間の経過につれての分解を避けることができない。 ゼラチン以外の材料、特に修飾セルロースでカプセルを製造する試みが行われてきた。うまくいった工業的例は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)で作製されたカプセルである。 プルランは、例えば、デンプンシロップ上で増殖する特定の酵母により細胞外的に産生されるところの天然の粘着性水溶性多糖である。それは発酵方法を通して産生することが可能である。それは良好なフィルム形成特性及び特に低い酸素透過性、そして50%RHで約12%の水分含量を有している。その存在は、1938年に最初に報告されている。林原商事(Hayashibara Company)は、1976年に商業的製造を開始した。 成形品、食用可能なフィルム及びコーティングにおけるプルランの使用について、多数の特許が存在する。 US 4,623,394 は、含水条件下で、制御された減一体性(desintegrability)を示す成形製品を記載している。成形物の組成は、本質的にプルラン及びヘテロマンナンの組み合わせから成り、ヘテロマンナンの量は、乾燥固形物に基づいて、プルランの1〜100%である。 JP5-65222-A は、それらの中に封入された容易に酸化される物質を安定化でき、容易な溶解性を示し、そして打ち抜き製造法に耐えることができるソフトカプセルを記載している。ソフトカプセルは、ゼラチン、寒天又はカラギナンのようなカプセルフィルム物質とプルランを混和することにより得られる。 FR 2,147,112 及びGB 1,374,199 に相当するUS-3,784,390-A は、プルランと、アミロース、ポリビニルアルコール及びゼラチンから成る群の少なくとも1種のメンバーとの、特定の混合物は、圧縮成形又は上昇させた温度での押し出し成形により、又はその水性溶液からの水の蒸発により、形状化されて、フィルム又はコーティングのような形状化されたボディを形成することができることを開示している。重要な程度にまでプルランの価値ある特性を保持するため、混合物は、混合物中のプルランの重量に基づいて、アミロースを120パーセント、ポリビニルアルコールを100パーセント及び/又はゼラチンを150パーセント、を超えて含有してはならない。 US 4,562,020 は、自己支持グルカンフィルムを製造するための連続方法を開示しており、前記方法は、コロナ処理エンドレス耐熱プラスチックベルトの表面上にグルカン水溶液を流し込み、加熱しながらその上でグルカン溶液を乾燥させ、そして生じた自己支持グルカンフィルムを放出することを含んでなる。適したグルカンは、プルラン又はエルシナンのような繰り返しマルトトリオース単位から本質的に成るものである。 JP-60084215-A2 は、固形剤に対して改良された接着特性を有する固形医薬品のためのフィルムコーティング組成物を開示している。メチルセルロースのようなフィルムコーティング基礎材料にプルランを取り込ませることによりフィルムが得られる。 JP-2000205-A2 は、ソフトカプセルのための香料含有コーティングを開示している。コーティングは、油性香料、及び高HLBを有する糖エステルのような表面活性剤を含有するプルラン溶液に、多価アルコールを加えることにより得られる。 US 2,949,397 は、ミネラルを満たした紙を作製する方法を記載しており、それは、細かく分割したミネラル注入剤粒子を、マンノ−ガラクタン及びグルコ−ガラクタンから成る群より選択される、置換マンナンの形の植物粘液の水性コロイド状分散液でコーティングする工程を含んでなる。 US 3,871,892 は、適した溶媒及び/又はキャタライザー存在下、プルランと脂肪族又は芳香族脂肪酸又はそれらの誘導体との反応による、プルランエステルの製造を記載している。プルランエステルは、フィルム又はコーティングのような造形ボディを形成させるため、圧縮成形又は上昇させた温度での押し出し成形により、又はそれらの溶媒からの溶媒の蒸発により形づくることが可能であることを開示している。 US 3,873,333 は、プルランエステル及び/又はエーテルを、水又は水及びアセトンの混合物に、溶媒の5パーセント〜40パーセントの量で、均一に溶解又は分散させることにより製造した、接着剤又はペーストを開示している。 US 3,932,192 は、プルラン及び染料を含有する紙コーティング材料を記載している。 US 4,257,816 は、増粘剤、懸濁剤、乳化剤、安定剤、フィルム形成剤及びゲル形成剤が必要とされる、特に、紙工業のための商業的ガム応用に有用である、アルギン、TKP及びグァーガムの新規ブレンド物を開示している。 US 3,997,703 は、プルランを含んでなる少なくとも一つの層、及びオレフィン及び/又はビニール化合物のホモポリマー又はコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、セルロース、ポリビニルアルコール、塩酸ゴム、紙、及びアルミニウムホイルから構成される層から成る群より選択される少なくとも一つの層を有する多層成形プラスチックを開示している。 GB 1,533,301 は、プルランへの水溶性ジアルデヒド多糖類の添加による、プルランの水耐性を改良する方法を記載している。 GB 1559 644 はまた、プルラン製品の水耐性を改良する方法を開示している。改良された製品は、(a)プルラン又はそれらの水溶性誘導体、及び(b)ポリウロニド又はそれらの水溶性塩、の混合物又は成型組成物を、二価又は多価金属イオンの水溶液及び/又はアルコール溶液と接触させることを含んでなる方法により製造する。 これらの特許において、カプセルが記述され又は特許請求されているが、それらの組成物は、十分な硬化能力を有していないか、または少しも有していない。従って、これらの組成物は、工業的規模でのハードカプセル製造が不可能であり、そして慣用的浸漬成形法により、プルランハードカプセルを製造する試みが記載されていない。 慣用的プルランハードカプセルの別の問題は、それらの乏しい表面滑り性能であり、それは、予備連結(pre-joint)カプセルの高い開口力と高い閉口力を導く。実際、これらは自動高速カプセル充填装置での良好な充填性能のための二つの鍵となるパラメーターである。充填プロセスの間、充填装置は、非常に速い流れでカプセルを開口し、充填しそして再閉口する。高い開口又は閉口力は、非開口、カプセル末端の穴開きなどのような欠陥をもたらし、結果として頻繁な機械停止をもたらし得る。 慣用的カプセルのさらなる問題は、冷水におけるそれらの乏しい溶解特性である。さらなる問題は、慣用的フィルム及びシェルは、溶解すると残渣を残すことであろう。 それ故、本発明の目的は、先行技術組成物の欠点を克服した改良されたプルラン組成物の提供である。この目的は、フィルム形成組成物、単位投与又は複数回投与のための容器、カプレット、カプセル、水性溶液、浸漬成形法でハードカプセルを製造するための水性溶液の使用、及び水性プルラン溶液からのハードカプセルの製造、従属請求項に従った製品を含んでなるプルランの使用、に従って解決される。 本発明の一つの利点は、プルランフィルム又は容器(例えば、カプセル)が、例えば、ゼラチンカプセルについて上に記載されたような架橋を有しない、改良された化学安定性を提供することである。このことは、より長い貯蔵期間の間に害されない溶解プロフィールのために特に重要である。 本プルラン組成物は、非動物起源であること、及びすべての主たる受容体に適合しているというさらなる利点を提供する。 本発明は、例えば、少なくともプルランと硬化系から構成されるカプセルのような容器に含有されている、気管気管支投与のための粉末調製物又は液体調製物を含んでなる、例えば、気管気管支又は鼻腔内投与のための調製物を提供する。これらの調製物は、鼻又は口を通して投与することが可能である。 本発明のさらなる好都合な特色、側面及び詳細は、従属した特許請求の範囲、明細書本文及び図から明らかである。特許請求の範囲は、本発明を一般用語で定義するための最も重要な非制限アプローチとして理解されるべきである。 本発明の一つの目的は、多様な応用について、フィルムの機械的特性を改良及び調節するための、プルランに基づいた組成物を提供することである。 本発明は、プルラン及び硬化系を含んでなるフィルム形成組成物を提供する。 驚いたことに、非常に少量の硬化系、好ましくは、ゲル化剤として働く親水コロイド、最も好ましくは多糖類の添加が、冷却に伴った適切な硬化能力をプルラン溶液に与えて、ハードプルランカプセルの製造を慣用的浸漬成形法でできるようにすることを発見した。プルラン溶液への、好ましくは多糖類に基づいた硬化系の添加は、選択された方法(慣用的浸漬法によるハードプルランカプセルの製造のようなフィルム形成又は浸漬成形)に対して、特異的及び望まれるゲル化特性の適応を可能にする。浸漬成形法によるハードカプセルの製造のためには、浸漬後、成形ピン上に残っているフィルム形成プルラン溶液は、ピンを流れ落ちることから予防されていることが非常に重要である。さもなければ、得られたフィルムは、所望の均一な厚さを有していないであろう。 好ましい態様において、フィルム形成組成物は、好ましくはさらに、少なくとも1種のカチオンを含んでなるカチオン含有塩を含むことができる。場合により、フィルム形成組成物はさらに、少なくとも1種の金属イオン封鎖剤を含んでなることができる。 本発明の一つの側面において、フィルム組成物を、慣用的ハードゼラチンカプセルの製造に普通に使用される、慣用的浸漬成形法によりハードカプセルを製造するために使用する。 本発明の追加の側面において、カプセルの製造のための、本発明のフィルム形成組成物を含んでなる、水性溶液を提供する。硬化系は、溶液を受け取ると浸漬されたピン上で硬化させ、従って、均一なカプセルシェル厚を保証している。硬化系は、好ましくは、前記親水ゲル又は多糖類のようなゲル化剤、及び場合により、塩及び/又は金属イオン封鎖剤から構成される。 本組成物中のカチオン含有塩は、ゲル化剤の硬化能力を増強するために働く。好ましくは、塩は、K+、Li+、Na+、NH4+、Ca2+又はMg2+その他のようなカチオンを含んでなり、カラギナンについてはK+、NH4+又はCa2+が好ましい。カチオンの量は、水性プルラン溶液中、好ましくは3重量%未満、より好ましくは2重量%未満、最も好ましくは0.01〜1重量%である。フィルム又はカプセル中の、好ましい塩濃度は、1.0〜1.5重量%である。好ましい塩は、塩化カリウムである。 本発明のさらなる側面において、医薬品、獣医学、食品、化粧品又は他の製品における使用のための、食品、アスピック又はゼリーを包むためのフィルムのような、好ましくはソフト又はハードカプセルのような調薬前製剤のための組成物を提供し、ここでプルラン組成物は、水性溶液において十分な硬化能力を有している。 本発明者らは、製剤中への可塑剤の添加が、プルランフィルム柔軟性を劇的に改良できることを発見した。 本発明の特定の側面において、本発明のフィルム形成組成物から製造される、農薬、種子、ハーブ、香辛料のような食料品、飲料、「即席飲料」、染料、肥料、化粧品、医薬品又はフレーバー付与剤のための、単位又は複数回剤形用の容器を提供する。好ましくは、こうした容器は、バッグ、ひねって開ける容器及びカプセル、カプセル、特に医薬カプセルである。 カプセルのカプセル半分対は、好ましくは、本発明のフィルム形成組成物の一つまたはそれより多くの層でシールされている。カプセル半分対は、好ましくは、液体融合法によりシールされる。 さらに、カプセルは、その中に異なった医薬品を含有するため、各々のカプセル内に、二つまたはそれより多くの分離不可能な区画を形成することができる。 これらの種類のカプセルにより、お互いに反応し易くて不適切な生成物を生じるため、錠剤又は従来の技術のカプセル中で組み合わせることが不可能であった、二つまたはそれより多くの医薬品の組み合わせを可能にする。 本発明により、飲み込まれるべきサブユニットへ分割することが可能であるカプセル剤形を提供することが可能である。 加えて、本発明により、二つまたはそれより多くの異なった医薬品で充填されるべきカプセルを提供することが可能である。 本発明のカプセルは、好ましくは、低い温度で、好ましくは室温で、充填された物を放出することができる。 本発明のさらなる側面において、本発明のフィルム形成組成物で被包されたカプレットを提供する。 ゼラチン又はHPMCと比較し、プルランの利点は、以下のように記載することができる: ・非動物起源 ・非化学修飾、完全に天然 ・発酵方法制御による高い製品品質一貫性 ・フィルムのより高い均一性及び透明度 ・非常に低い酸素透過性。そのカプセルは、魚及び植物油のような酸素感受性製品の充填に特に有用である。 ・比較的低い水含量、ゼラチンより低い ・低い毒性 ・架橋なし ・貯蔵の間の機械的及び溶解特性のような種々の特性の高い安定性 ・冷水に溶解 ・残渣を残さずに溶解 ・より良好な臭い及び味マスキング特性 ・改良された微生物学的品質 ・プルラン表面と他の化合物間のより低い接着力。 プルラン溶液への、好ましくは多糖類に基づいた硬化系の添加は、慣用的浸漬法によるハードプルランカプセルの製造のための、特異的及び所望のゲル化特性の適応を可能にする。こうしたカプセル製造のためには、浸漬後、成形ピン上に残っているフィルム形成プルラン溶液がピンを流れ落ちることから妨げられていることが非常に重要である。さもなければ、得られたフィルムは、所望の均一な厚さを有しないであろう。 従って、本発明は、ハードプルランカプセルを、慣用的ハードゼラチンカプセルの製造のために使用されるものと同一の装置を用い、同一範囲のプロセス条件下で製造できることを可能にする。さらに、本発明の組成物から製造されるカプセルは、同一の寸法仕様を有し、現行の充填機械の使用を可能にし、充填法のための特別なそして新たな装置を必要としない。 本発明の好ましい態様において、浸漬水性溶液中のプルランの濃度は、10〜60重量%、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは15〜40重量%、そして最も好ましくは10〜40重量%の範囲である。 多様な分子量のプルランが使用可能であるが、上記の濃度で及び浸漬温度(40〜70℃)で、100cps〜2000cpsの粘度を有するプルランが好ましい。 脱塩なしのプルラン(日本の食品用)は使用可能であるが、脱塩プルラン(日本の医薬品賦形剤用)が、その改良された機械特性のために好ましい。 驚いたことに、好ましくは親水コロイド、最も好ましくは多糖類から成る、非常に少量の硬化系の添加が、プルラン溶液に適切な硬化能力を与え、その結果として、慣用的プロセス条件下、ハードゼラチンカプセルの浸漬成形法により、ハードプルランカプセルを製造できることが発見された。 それ故、本発明の目的は、医薬品、獣医学、食品、化粧品又は他の製品における使用のための、食品、アスピック又はゼリーを包むためのフィルムのような、好ましくは、ソフト又はハードカプセルのような調薬前製剤の容器のための、プルランに基づいた組成物の提供であり、ここでプルラン組成物は、水性溶液において十分な硬化能力を有している。 本発明の一つの目的は、多様な応用について、フィルムの機械的特性を改良及び調整するための、プルランに基づいた組成物を提供することである。 プルランを他の水溶性ポリマー又は多糖類と混合することにより、フィルム機械特性をさらに改良することが可能であることが見出されている。好ましい例は、ペクチン、アルギン酸、ポリビニルアルコール及び高分子量ポリエチレングリコールである。 本発明の別の目的は、方法目的のための、プルラン溶液の適切な硬化能力の達成である。 プルラン溶液への、好ましくは多糖類に基づいた硬化系の添加は、選択された方法(慣用的浸漬法による、ハードプルランカプセルの製造のようなフィルム形成又は浸漬成形)に対して、特異的な及び望まれるゲル化特性の適応を可能にする。浸漬成形法によるハードカプセルの製造のためには、浸漬後、成形ピン上に残っているフィルム形成プルラン溶液は、ピンを流れ落ちることから予防されていることが非常に重要である。さもなければ、得られたフィルムは、所望の均一な厚さを有していないであろう。 本発明の好ましい態様において、硬化系は、親水コロイド又は親水コロイドの混合物を含んでなる。 本発明のための相乗的特性を生み出すのに適した親水コロイド又はそれらの混合物は、天然の海草、天然の種子ガム、天然の植物浸出液、天然の果実抽出液、生合成ガム、ゼラチン、生合成加工デンプン又はセルロース系材料を含んでなる群より選択することができ、好ましいのは多糖類である。 本発明の好ましい態様において、多糖類は、アルギン酸塩、寒天ガム、グァーガム、イナゴマメガム(カロブ)、カラギナン、タラガム、アラビアガム、ガティガム、カーヤ グランジフォリアガム、トラガントガム、カラヤガム、ペクチン、アラビアン(アラバン)、キサンタン、ジェラン、デンプン、コンニャクマンナン、ガラクトマンナン、フノラン、及び他の細胞外多糖類、を含んでなる群より選択される。好ましいのは、細胞外多糖類である。 本発明における使用に好ましい細胞外多糖類は、キサンタン、アセタン、ジェラン、ウェラン、ラムザン、ファーセレラン、スクシノグリカン、スクレログリカン、シゾフィラン、タマリンドガム、カードラン及びデキストラン、を含んでなる群より選択される。 本発明のさらに好ましい態様において、硬化系の親水コロイドは、カッパ−カラギナン又はジェランガム、又はキサンタンとイナゴマメガム又はキサンタンとコンニャクマンナンのような組み合わせである。 上に記載した硬化系の中で、カッパ−カラギナンとカチオン、及びジェランガムとカチオンのシステムが特に好ましい。これらは低濃度で高いゲル強度を生み出し、そして、プルランとの良好な適合性を有している。 硬化剤の量は、本発明の水性プルラン溶液中、好ましくは0.01〜5重量%、及び特に好ましくは0.03〜1.0重量%である。 フィルム又はカプセル中の、硬化剤の好ましい濃度は、0.1〜0.4重量%である。好ましい硬化剤はカラギナンである。 硬化系は、親水コロイド又は親水コロイドの混合物から成り、そして追加のカチオン及び/又は金属イオン封鎖剤を含むことができる。 カチオンは、好ましくは、K+、Li+、Na+、NH4+、Ca2+又はMg2+から選択され、特にカラギナンにおいては、K+、NH4+又はCa2+が好ましい。カチオンの量は、水性プルラン溶液中、好ましくは5重量%未満、より好ましくは0.01〜3重量%未満、そして特に好ましくは0.01〜1重量%である。フィルム又はカプセル中の、好ましい塩濃度は、1.0〜1.5重量%である。好ましい塩は、塩化カリウムである。 本発明の好ましい態様において、フィルム形成組成物はさらに、1種またはそれより多くの金属イオン封鎖剤を含んでなる。 本発明のさらに好ましい態様において、金属イオン封鎖剤は、エチレンジアミン四酢酸、酢酸、ホウ酸、クエン酸、エデト酸、グルコン酸、乳酸、リン酸、酒石酸、又はそれらの塩、メタンリン酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン、レシチン又はベータシクロデキストリン、及びそれらの組み合わせ、を含んでなる群より選択される。特に好ましいのは、エチレンジアミン四酢酸又はその塩、又はクエン酸又はその塩である。好ましくは、金属イオン封鎖剤の量は、水性プルラン溶液中、0.08重量%又はより少ない%の範囲である。フィルム又はカプセル中の、金属イオン封鎖剤の好ましい濃度は、3.0重量%またはより少なく、より好ましくは、1.0重量%又はより少ない。 本発明の別の好ましい態様において、イオン封鎖剤の量は、水性浸漬溶液の、好ましくは3重量%未満、特別には0.01〜1重量%である。 本発明のプルラン組成物は、さらに好ましい態様において、追加として、薬学的に又は食品的に許容できる着色剤を、フィルムの重量に基づいて0%〜10%の範囲で含んでなることができる。着色剤は、アゾ−、キノフタロン−、トリフェニルメタン−、キサンテン−又はインジゴイド染料、鉄酸化物又は水酸化物、二酸化チタン又は天然染料又はそれらの混合物を含んでなる群より選択することができる。例は、パテントブルーV、アシッドブリリアントグリーンBS、赤2G、アゾルビン、ポンソー4R、アマランス、D+C赤33、D+C赤22、D+C赤26、D+C赤28、D+C黄10、黄2G、FD+C黄5、FD+C黄6、FD+C赤3、FD+C赤40、FD+C青1、FD+C青2、FD+C緑3、ブリリアントブラックBN、カーボンブラック、黒酸化鉄、ベンガラ、黄酸化鉄、二酸化チタン、リボフラビン、カロチン、アントシアニン、ウコン、コチニール抽出物、クロロフィリン、カンタキサンチン、カラメル、又はベタニンである。 本発明のプルラン組成物は、さらに好ましい態様において、追加として、少なくとも1種の薬学的に又は食品的に許容できる可塑剤又はフレーバー付与剤を含むことができる。 製剤中への可塑剤の添加は、プルランフィルム柔軟性を劇的に改良できることが発見されている。可塑剤又は可塑剤の混合物は、ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、スクロース、コーンシロップ、フルクトース、スルホコハク酸ジオクチル−ナトリウム、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、1,2−プロピレングリコール、グリセリンのモノ−、ジ−又はトリアセテート、又は天然ガムから選択される。好ましいものは、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、クエン酸エステル及びそれらの組み合わせである。可塑剤の量は、最終応用に依存する。ハードカプセルのようなハードフィルム製剤には、可塑剤は0〜20%、好ましくは10〜20%含有されている。より高い含量(20〜40%)は、ソフトカプセルのようなソフトフィルム製剤に好適である。 本発明のプルラン組成物は、さらに好ましい態様において、追加として、少なくとも1種の薬学的に又は食品的に許容できるフレーバー付与剤を含んでなることができる。これらは、フィルムの重量に基づいて0%〜10%の範囲であることができる。適したフレーバー付与剤には、天然香料、天然果実香料、人工香料、人工果実香料、香料増強剤又はそれらの混合物が含まれる。天然香料、人工調味料又はそれらの混合物には、限定されるわけではないが、ミント(ペパーミント又はスペアミントのような)、メントール、シナモン、バニラ、人工バニラ、チョコレート、人工チョコレート又はバブルガムが含まれる。天然果実香料、人工果実香料又はそれらの混合物には、限定されるわけではないが、サクランボ、ブドウ、オレンジ、イチゴ又はレモンが含まれる。香料増強剤には、限定されるわけではないが、クエン酸が含まれる。以下のフレーバー付与剤又は増強剤は、ただ例示的に示されている、アスパルテーム、自己分解酵母、コーンシロップ、グアニル酸二ナトリウム、イノシン酸二ナトリウム、エチルバニリン、マンニトール、グルタミン酸一ナトリウム、グルタミン酸カリウム、サッカリン、塩化ナトリウム、ソルビトール、スクロース、バニラ、キシリトール。 フレーバー付与剤は、製剤に口に合う芳香を提供するのに有効な量で、製剤中の副成分として、一般的に提供する。 本発明のさらに別の好ましい態様において、カプセルのようなプルラン容器は、例えば、腸特性を提供するため、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、メタクリル酸ゼラチン、フタル酸ヒプロメロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシアルキルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、又はそれらの混合物のような、適したコーティング剤で被覆することができる。 本発明の好ましい態様において、フィルム形成組成物はさらに、1種またはそれより多くの表面活性剤を含んでなる。 組成物中の表面活性剤は、カプセルが慣用的自動化高速カプセル充填装置でうまく働くような様式で、カプセル表面特性を改良する。 驚くべきことに、薬学的又は食品的品質の選択された表面活性剤を、少量添加すると、プルラン表面滑り性能を劇的に改良でき、充填装置に必要とされる範囲のカプセル開口及び閉口力を得ることを発見した。 それ故、本発明は、プルラン、硬化系及び表面活性剤、及びカプセルを製造するための前記フィルム形成組成物の水性溶液を含む、改良された表面特性を有するハードプルランカプセルのための組成物を提供する。 これらの好ましい水性溶液を用いると、ハードゼラチンカプセルのような慣用的浸漬成形法により、良好な充填性能を有するハードプルランカプセルを製造することが可能である。 未修飾プルランカプセルフィルムのさらに認知されている欠点は、手で触られた場合の接着性又は粘着性である。プルランの急速な再吸湿特性は、30秒又はそれ以上、手の中にカプセルフィルムを保持した場合、認知される粘着性を生じさせる。 さらなる欠点は、フィルムは舌、尾栓(口上部)、喉又は食道に接着するであろうので、慣用的ゼラチンフィルムカプセルと比較して好ましくなく、カプセルフィルムを飲み込む場合に明らかである。 患者の応諾は、慣用的ハードゼラチンカプセルの主たる利点であり、いくつかの市場研究により支持されており、それは、カプセル経口剤形についての患者の優先度における重要な因子として「飲み易さ」を引用している。 この認知されているプルランカプセルフィルムの未修飾欠点を解決するため、驚いたことに、プルランカプセルフィルム中の表面活性剤含有量は、カプセルの取り扱い又は飲み込みのための、許容できる一時的撥水表面を提供することが見出された。 さらに、表面活性剤は、75〜500ppm、より好ましくは0.5〜100ppm、最も好ましくは0.5〜5ppmの範囲で、粉末又は油状物として、外側に適用されることができる。 組成物中のプルランは、ハードカプセル作製の基礎材料である。表面活性剤を含んでなる水性溶液中のその好ましい濃度は、10〜40%である。 表面活性剤と共に使用するための好ましいゲル化剤は、溶液中で0.05〜3%の濃度のカッパ−カラギナン及び/又はジェランである。 組成物中の表面活性剤は、カプセル表面滑り性能、従って充填装置におけるカプセル充填性能を改良することを目的としている。表面活性剤は、カチオン性、アニオン性、非イオン性又は両性であることができ、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム(DSS)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、セトリミド(臭化トリメチルテトラデシルアンモニウム)、脂肪酸糖エステル、モノオレイン酸グリセリル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリビニルアルコール、ジメチルポリシロキサン、ソルビタンエステル又はレシチンのような薬学的及び食品的品質のものから好ましくは選択される。プルランに基づいたその量は、好ましくは0.01%〜3%である。 粉末調製物が、ゼラチンカプセル又はブリスター包装のような、慣用的な種々の容器に含有されて保存されたると、又はそれが投与デバイス中に装入されると、粉末が容器と接触し、そのため医薬品の微細な粒子が容器表面に吸着されて付着されるようになることが見出された。医薬品を気道内へ投与する場合、容器の内部表面に吸着され付着された微細粒子は、容器中に残存するであろう。容器から及び吸入器から粉末を空にすることについて、再現性がないことが、配合者の懸念である。本発明の好適な態様において、少なくともプルラン及び硬化系から構成されるカプセルのような容器に含有されている、気管気管支投与のための、例えば、粉末調製物又は液体鼻腔内調製物を含んでなる、気管気管支投与のための調製物を提供する。容器壁への、含有化合物のより低い粉末保持に加え、容器壁は高い静的電荷を示さない。 本発明に従った別の好適な態様において、少なくともプルラン及び硬化系から構成されるカプセルのような容器に含有されている、冷水で溶解するための液体、半固体又は固体調製物を含んでなる、冷水で溶解するための調製物を提供する。調製物は、肥料、種子、ベーキングパウダーのような食品添加物及び/又は成分、フレーバー付与剤、粉末洗剤、インスタント飲料、飲料、香辛料その他から選択することが可能である。 本発明の別の態様は、少なくともプルラン及び硬化系から構成されるカプセルのような容器に含有されている、残渣を残さずに溶解するための液体、半固体又は固体調製物を含んでなる、液体、好ましくは水性媒質中に何の残渣を残さずに溶解するための調製物を提供する。調製物は、粉末洗剤、飲料水のための滅菌剤、適用前に、水に戻されるべき局所マイクロエマルジョンから選択することが可能である。 本発明に従った組成物は、例えば、種子、マイクロチップ、染料、塗料の包装を提供するために使用することが可能である。 本発明に従った別の好適な態様において、少なくともプルラン及び硬化系から構成されるカプセルのような容器に含有されている、少なくとも1種の味の悪い化合物を含んでいる液体、半固体又は固体調製物を含んでなる、経口投与のための調製物を提供する。本発明に従った容器は、味マスキング特性を提供することが見出された。 以下の実施例及び試験(限定ではない)は、プルランカプセル製造及び特性を実証している。さらに、実施例は、ハードカプセル作製、表面滑り改良、及びカプセル充填改良を実証している。 実施例1: 1.0kgのプルラン(PI−20、日本の医薬品賦形剤グレード)粉末を、10gのカッパ−カラギナンと混合する。室温で攪拌しながら、4.0kgの脱イオン水に、20gの酢酸カリウム(溶液中、0.2重量%)を加え、続いて上記混合物(溶液中、20%のプルラン及び0.2%のカラギナン)を添加した。粉末添加及び攪拌速度は、溶解されるのに長時間がかかる塊の形成を避けるため、非常に速くなければならない。カラギナン及びプルランを完全に溶解させるため、攪拌しながら、溶液を70℃まで加熱する。成分を直接70℃で溶解させるのは可能であるが、プルランが塊になる傾向がより強い。 このように調製されたプルラン溶液を、低速の攪拌下で消泡し、次ぎに慣用的ハードゼラチンカプセル製造装置のパイロット機械の浸漬皿内へ注いだ。浸漬プルラン溶液を50℃に維持しながら、慣用的ハードゼラチンカプセルと同一の寸法仕様の慣用的方法に従って、サイズ0の自然透明ハードプルランカプセルを製造した。 実施例2: 1.0kgのプルラン(PI−20)粉末を、6gのジェランと混合した。室温で攪拌しながら、4.0kgの脱イオン水に、20gの酢酸カリウム(溶液中、0.2重量%)及び2gのエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(溶液中、0.04重量%)を加え、続いて上記混合物(溶液中、20%のプルラン及び0.12%のジェラン)を添加した。ジェラン及びプルランを完全に溶解させるため、攪拌しながら溶液を75℃まで加熱する。 このように調製されたプルラン溶液を、低速の攪拌下で消泡し、次ぎに慣用的ハードゼラチンカプセル製造装置のパイロット機械の浸漬皿内へ注いだ。浸漬プルラン溶液を50℃に維持しながら、慣用的ハードゼラチンカプセルと同一の寸法仕様の慣用的方法に従って、サイズ0の自然透明ハードプルランカプセルを製造した。 崩壊試験結果: 37℃での、アセトアミノフェンの脱イオン水溶液を充填したカプセルの、溶解試験結果(USP XXIII 溶解)は、図1に示されている。 実施例3:プルランフィルム滑り改良 室温で、400gの脱ミネラル水に、攪拌しながら0.05gのSLS(500ppm/プルラン)、1gのカッパー−カラギナン(0.2%)、1.25gの酢酸カリウム(0.25%)及び100gのプルラン(20%)を分散した。完全な溶解化のために混合物を攪拌しながら70℃まで加熱し、次ぎに消泡のために攪拌を減速する。溶液は次ぎに、部屋条件下で乾燥後、約100μm厚のプルランフィルムを形成するように、4mm厚のガラスプレート上で型をとるために使用した。 プルランフィルム滑り性能は、ゼラチン生産者により普通に使用されている方法である、傾斜方式での試験により評価する。本方法は、フィルムで被覆したガラスプレートが、面を合わせたフィルム被覆した別のプレート上で滑りを引き起こす、ガラスプレートの最も小さな傾角を決定する。従って、滑り角度がより小さいほど、フィルム滑り性能はより良好である。 表2に列挙した表面活性剤含量で、上記実施例を繰り返す。 表2に、異なった表面活性剤及び量についての滑り性能を集めた。 実施例4:プルランカプセル製造及び性能 室温で、142リットルの脱ミネラル水に、攪拌しながら20gの加水分解脱油レシチン(500ppm/プルラン)、363gのカッパー−カラギナン(0.2%)及び40kgのプルラン(22%)を分散した。完全な溶解化のために混合物を攪拌しながら70℃まで加熱した。少量の水に前もって溶解した455gの酢酸カリウムを溶液に加えた。 白色不透明カプセルを製造するため、高速シアリングにより、800gのTiO2、3リットルの熱水及び3リットルの上で調製したプルラン溶液からスラリーを作製した。消泡後、溶液を最後に60℃で安定化させた。 第二の同一の調製物を作製した。二つの調製物を、慣用的ハードゼラチンカプセル製造機へ送り込むために使用し、白色不透明ハードプルランカプセルを、ハードゼラチンカプセルと類似の方法で製造した。 対照として、製剤に表面活性剤を含まない、透明なプルランハードカプセルを、上記と同一の方法で製造した。 表面活性剤の添加によるハードプルランカプセルの改良が、表3に集められたデータにより例示されており、充填装置KGF400での充填試験により確認した。 好ましいのは、85〜90重量%の量のプルラン、1.0〜1.5重量%の量の塩化カリウム、0.1〜0.4重量%の量のカラギナン、0.1〜0.2重量%の量の1種またはそれより多くの表面活性剤、及び10〜15重量%の量の水を含んでなるハードカプセルである。 特に好ましいのは、86.3重量%の量のプルラン、1.32重量%の量の塩化カリウム、0.27重量%の量のカラギナン、0.15重量%の量の表面活性剤、及び12重量%の量の水を含んでなるハードカプセルであり、表面活性剤は糖エステル及び/又はモノラウリン酸ソルビタンから選択される。 驚くべきことに、好ましい組成物に従ったハードカプセルが、改良された崩壊挙動を有することが発見された。 プルランから作製された二片カプセルの、食道通過及びインビボ崩壊時間を、ガンマシンチグラフィーを使用して決定した。 好ましい組成物に従ったプルランカプセルを、慣用的浸漬成形法を使用して製造した。カプセルに、111In標識Amberlite(登録商標)IRP−69樹脂を含有するプラセボ製剤を充填した。8人の絶食健康ボランティアにおいて、カプセルの食道通過及びインビボ崩壊特性をモニターするため、ガンマシンチグラフィーを使用した。 カプセル(サイズ2)を、慣用的浸漬成形法を使用して製造した。 カプセル製剤は、慣用的標識法を使用することによる、充填材料内への111In標識Amberlite IRP−69樹脂の混和により放射標識した。 研究計画 プルラン及びゼラチンカプセルの腸動作を評価するため、8人の対象の群において、単一用量研究を実施した。食道通過及びカプセル崩壊特性を評価するため、連続的シンチグラフイメージングを使用した。8人の対象の群に絶食投与を行った。 プルランについて得られた結果を、サイズ1ゼラチンカプセルについて得られた従来の値と比較した。 シンチグラフ評価は、カプセルの食道通過時間は、5秒の平均値で、1.3〜10.8秒の範囲であることを示した。初期のカプセル崩壊は、胃で迅速に起こり、平均して投与後9分以内であった(範囲x〜y)。完全なカプセル崩壊が、平均して投与後34分で続いて起こり、但し1人のボランティアでは胃で起こった。 絶食状態での、プルランカプセルの食道通過及びインビボ崩壊特性は、好都合なことに、ゼラチンで得られた従来の値に匹敵した。それ故、非ゼラチンカプセルが必要とされる場合、多糖プルランに基づいた二片ユニットは、ゼラチンの代替的選択として考慮することが可能である。 気管気管支内投与のための調製物であって、少なくともプルラン及び硬化系から構成される容器中に含有される、気管気管支内投与のための粉末調製物又は液体調製物を含んでなる調製物。 冷水に溶解するための調製物であって、少なくともプルラン及び硬化系から構成される容器中に含有される、冷水に溶解するための液体、半固体又は固体調製物を含んでなる調製物。 液体、好ましくは水性媒質中に残渣なしに溶解する調製物であって、少なくともプルラン及び硬化系から構成されるカプセルのような容器中に含有される、残渣なしに溶解するための液体、半固体又は固体調製物を含んでなる調製物。 経口投与のための調製物であって、少なくともプルラン及び硬化系から構成される容器中に含有される、少なくとも1種の悪い味又は臭いの化合物を包含する液体、半固体又は固体調製物を含んでなる調製物。 請求項2から4に記載の調製物であって、肥料、種子、食品添加物、食物成分、フレーバー付与剤、ビタミン、粉末洗剤、飲料水のための滅菌剤、局所マイクロエマルジョンから選択される調製物。 前記請求項のいずれか一項に記載の調製物であって、該容器材料の組成がさらに、金属イオン封鎖剤、可塑剤、着色剤、表面活性剤、フレーバー付与剤の群から選択される1種又はそれより多くの追加の剤を含んでなる調製物。 前記請求項のいずれか一項に記載の調製物であって、該容器がカプセルである調製物。 請求項7に記載の調製物であって、該容器がハードカプセルであることを特徴とする調製物。 請求項8に記載の調製物であって、該容器がソフトカプセルであることを特徴とする調製物。 85%〜90重量%の量のプルラン、1.0%〜1.5重量%の量の塩化カリウム、0.1%〜0.4重量%の量のカラギナン、0.1%〜0.2重量%の量の1種またはそれより多くの表面活性剤、及び10〜15重量%の量の水を含んでなるハードカプセル。 請求項9に記載のハードカプセルであって、86.3重量%の量のプルラン、1.32重量%の量の塩化カリウム、0.27重量%の量のカラギナン、0.15重量%の量の表面活性剤、及び12重量%の量の水を含んでなるハードカプセル。 請求項9又は10に記載のハードカプセルであって、該表面活性剤が、糖エステル及び/又はモノラウリン酸ソルビタンから選択されるハードカプセル。 請求項9から11に記載のハードカプセルであって、さらに、0%〜10重量%の量の着色剤を含有するハードカプセル。 請求項9から12に記載のハードカプセルであって、5〜37分の間のインビボ溶解時間により特徴付けられるハードカプセル。 【課題】先行技術組成物の欠点を克服した改良されたプルラン組成物の提供。【解決手段】85〜90重量%の量のプルラン、1.0〜1.5重量%の量の塩化カリウム、0.1〜0.4重量%の量のカラギナン、0.1〜0.2重量%の量の1種またはそれより多くの表面活性剤、及び10〜15重量%の量の水を含んでなるハードカプセルを提供する。


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