| タイトル: | 公開特許公報(A)_エチレングリコールの抽出方法とその装置 |
| 出願番号: | 2007336817 |
| 年次: | 2009 |
| IPC分類: | C02F 1/04,C02F 1/00,C07C 29/80,C07C 31/20,F01P 11/14 |
五ノ井 浩二 渡辺 哲文 野村 響一 JP 2009154117 公開特許公報(A) 20090716 2007336817 20071227 エチレングリコールの抽出方法とその装置 株式会社明電舎 000006105 橋本 剛 100096459 鵜澤 英久 100104938 五ノ井 浩二 渡辺 哲文 野村 響一 C02F 1/04 20060101AFI20090619BHJP C02F 1/00 20060101ALI20090619BHJP C07C 29/80 20060101ALI20090619BHJP C07C 31/20 20060101ALI20090619BHJP F01P 11/14 20060101ALI20090619BHJP JPC02F1/04 DC02F1/00 LC07C29/80C07C31/20 AF01P11/14 E 6 1 OL 8 4D034 4H006 4D034AA11 4D034CA12 4D034CA21 4H006AA02 4H006AA04 4H006AD11 4H006AD17 4H006FG24 本発明はエンジンの冷却廃水(廃LLC)からLLC(Long Life Coolant)の主成分であるエチレングリコールを抽出する技術に関する。 廃LLC処理技術は廃LLCに含まれる不要な成分をろ過除去するなどして使用可能なLLCに再生する方法が主流となっている(例えは特許文献1)。他の処理技術としては、エネルギー回収の観点からLLCの主成分であるエチレングリコールを蒸留により濃縮する方法がある(例えば特許文献2)。また、エチレングリコールが生分解性であることから廃LLCを生物学的に処理する方法がある(例えば特許文献3)。特開平9−158726特開2003−126604特開2005−013993 しかしながら、LLCを再生する方法は廃LLCに含まれる不要な成分を完全に除去することができないので再生品の品質は新品に比べて劣ってしまう。 LLCを濃縮する方法は蒸留工程で多くのエネルギーを必要とするため非常に不経済となる。 廃LLCの生物学的に処理する方法は廃LLCを希釈した後に処理を行う必要がある。そのためコストまた曝気や汚泥処理等のランニングコスト、プラントの設置に広い敷地を確保しなければならず、エネルギー的にもコスト的に課題がある。 そこで、請求項1のエチレングリコールの抽出方法は、エンジン冷却廃水を含んだ系の内圧を減圧することにより前記廃水に含まれる水分を気化させることにより除去して前記廃水に含まれるエチレングリコールを抽出する。この請求項1の発明によれば、エンジン冷却廃水を含んだ系の内圧が減圧することにより前記に含まれる水分が除去されてエンジン冷却水の主成分であるエチレングリコールが抽出される。前記系の内圧が低下することで同時に沸点も降下し、加温の必要なく水が蒸発していく。また、前記系の外気温と内圧と水とエチレングリコールの蒸気圧曲線とに基づき系の内圧が制御されるとランニングコストが抑制される。 請求項2のエチレングリコールの抽出方法は、請求項1のエチレングリコールの抽出方法において、前記水分が除去された前記廃水をフィルターによってろ過処理する。この請求項2の発明によれば、前記水分が除去されてエチレングリコールが濃縮された廃水に含まれる不純物が除去されるので高純度なエチレングリコールを得ることができる。 請求項3のエチレングリコールの抽出方法は、請求項1または2のエチレングリコールの抽出方法において、エチレングリコールの濃縮時に前記系の温度が水の沸点より高くエチレングリコールの沸点よりも低い範囲となるように前記系を加温する。この請求項3の発明によれば前記系が加温されることで低い温度でエチレングリコールの蒸留が可能となる。 請求項4のエチレングリコール抽出装置は、エンジン冷却廃水が導入されるタンクと、このタンクの内圧を減圧させる真空装置と、前記タンクの内圧を測定する圧力計と、前記タンクの外気温を測定する温度計と、前記真空装置の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は水とエチレングリコールの蒸気圧曲線と前記測定された圧力値及び外気温に基づき前記内圧を減圧するように前記真空装置を動作制御することにより前記タンク内の廃水に含まれる水分を気化させて前記廃水に含まれるエチレングリコールを抽出する。この請求項4の発明によれば、前記タンク内の圧力が低下することで同時に沸点も降下し、加温の必要なく水が蒸発していく。前記タンクの外気温と内圧と水とエチレングリコールの蒸気圧曲線とに基づき前記タンクの内圧が制御されるのでランニングコストが抑制される。 請求項5のエチレングリコール抽出装置は、請求項4のエチレングリコール抽出装置において、前記タンクから排出されたエチレングリコール濃縮廃水をフィルターによってろ過処理する。この請求項5の発明によれば前記水分が除去されてエチレングリコールが濃縮された廃水に含まれる不純物が除去されるので高純度なエチレングリコールを得ることができる。 請求項6のエチレングリコール抽出装置は、請求項4または5のエチレングリコール抽出装置において、前記タンクを加温する加温手段を備え、エチレングリコールの濃縮時に前記加温手段は前記タンク内の温度が水の沸点より高くエチレングリコールの沸点よりも低い範囲となるように前記タンクを加温する。この請求項6の発明によれば前記タンクが加温されることで低い温度でエチレングリコールの蒸留が可能となる。 したがって、以上の発明によればエネルギー的及びコスト的に効率よく廃LLCからエチレングリコールを高純度に回収できる。 図1は発明の第一の実施形態に係るエチレングリコール抽出装置の概略構成図である。 凍結乾燥は主に食品等の保存技術として用いられており、気圧を下げると沸点が低くなることを応用して、低圧環境下で含有水分を気化させる方法である。狭義には沸点が−20℃以下となるような低い気圧環境で乾燥させる方法が凍結乾燥と称されている。 図3に示されたように、水は1気圧下において融点が0℃、沸点が100℃に対してエチレングリコールは融点が−13℃、沸点が197.6℃と水に比べ広い温度範囲において液体で存在する。さらに、図4に示された水の沸点が0℃になる気圧の下ではエチレングリコールの沸点は図5に示されたように約80℃となる。したがって、例えば水とエチレングリコールを含んだ系の圧力が4.6mmHgに設定されると、前記系では常温でも容易に水蒸気となって蒸発していくがエチレングリコールはそのまま液体として存在することになる。このとき、水が蒸発するためには蒸発潜熱が必要となるが、沸点(この場合0℃)と外気温(例えば20℃)との差が蒸発潜熱となって供給されるので加温の必要がなくなる。すなわち、前記系内を減圧するだけで水分を除去することができる。 図1は以上のことを鑑み成された発明の第一の実施形態に係るエチレングリコール抽出装置(以下、EG抽出装置)1の概略構成図である。 EG抽出装置1はタンク10と真空装置11と圧力計12と温度計13と制御部14とを備える。タンク10は廃LLCを導入してLLC成分を分離するためのタンクである。タンク10には廃LLCを導入する配管15と濃縮LLCを排出する配管16が接続されている。配管15及び16にはそれぞれバルブV1及びV2が設置されている。真空装置11はタンク10内を減圧させる。真空装置11としては凍結乾燥技術に適用される減圧ポンプが例示される。圧力計12はタンク10の内圧を測定する。温度計13は外気温を測定する。制御部14は圧力計12によって測定された圧力値と温度計13によって測定された外気温とに基づき真空装置11の動作を制御する。 制御部14は水とエチレングリコールの蒸気圧曲線に基づく制御プログラムによって真空装置11の動作を制御する。具体的にはタンク10内の圧力が水の沸点が外気温となる圧力まで制御する。または、水とエチレングリコールの蒸発潜熱を考慮して真空装置11の動作を制御する。例えば、水の沸点が外気温よりもやや低くなるような温度に相当する圧力まで上昇したときに真空装置11を動作させ、ある設定下限圧力(例えば4.6mmHg)まで降下したら真空装置11を停止するように制御する。これによりランニングコストが抑制される。 図1及び図3を参照しながらEG抽出装置1の具体的な動作例について説明する。 制御部14には予めタンク10の下限圧力値P1が設定されている。次いで、図1に示されたバルブV2が閉及びバルブV1が開に設定されて配管15を介して廃LLCがタンク10内に導入される。タンク10内に廃LLCが一定量導入されるとバルブV1が閉に設定される。そして、図3に示されたようにS1で真空装置11が動作する。S2ではタンク10内の圧力値P2が圧力計12によって測定される。S3では圧力計12によって測定された圧力値P2が制御部14によって下限圧力値P1と比較される。下限圧力値P1<圧力値P2である場合(Y)、S1に戻り真空装置11の動作が継続される。一方、下限圧力値P1≧圧力値P2である場合(N)、S4に移行し真空装置11が停止する。そして、S5でタンク10内の圧力値P3が圧力計12によって測定される。次いで、S6では前記測定された圧力値P3が制御部14によって水の沸点T1に換算される。S7では温度計13によって測定された外気温T2(または外気温T2−α)が前記換算された沸点T1と比較される。そして、外気温T2>沸点T1である場合(Y)、S5に移行する。一方、外気温T2(または外気温T2−α)≦沸点T1である場合(N)、S1に移行する。以上のようにタンク10内の圧力が制御されてタンク10内の水分が除去されてタンク10内のLLCが濃縮される。濃縮されたLLCはバルブV2が開に設定されている配管16を介して排出される。また、気化した水分は真空装置11を介して系外に排出される。 水分が除去された廃LLC中には高純度のエチレングリコールの他にLLCがエンジンに冷却に用いられているときに混入した金属類やその他の不純物が存在する。そこで、図2に示されたEG抽出装置2のようにタンク10の下流側(具体的にはバルブV2の下流側)にフィルター17を設けると前記金属類や不純物がフィルター17によって除去されてより高純度なエチレングリコールの抽出が可能となる。フィルター17としては前記金属類や不純物を分離できるものであれば既知のフィルターを採用すればよい。 また、エチレングリコールをより高度に精製するために、タンク10は水分の蒸発(第一段階)のために水の沸点よりも高い値に加温するとよい。具体的には、タンク10内は水の沸点より高くエチレングリコールの沸点よりも低い範囲の温度に設定される。そして、エチレングリコールを蒸発(第二段階)させるためにタンク10内はエチレングリコールの沸点より高い温度に設定される。このときエチレングリコールの沸点よりもわずかに高い温度となるように設定されるとエチレングリコールを抽出する際のエネルギーコストが低減する。 例えば図7の概念図のように2.0mmHgのもとでは水の沸点は−10℃である一方でエチレングリコールの沸点は約67℃である。したがって、タンク10の内圧が2.0mmHgに設定されて第一段階でタンク10内が60℃まで加温されて水分が蒸発した後に第二段階で70℃まで加温されると、通常環境下(例えば特許文献2の回収法)よりも低温度でエチレングリコールの蒸留が可能となる。すなわち、低エネルギーに高純度なエチレングリコールを抽出できる。発明の第一の実施形態に係るエチレングリコール抽出装置の概略構成図。発明の第二の実施形態に係るエチレングリコール抽出装置の概略構成図。1気圧下における水とエチレングリコールの沸点及び融点の差異の説明図。水の沸点と飽和蒸気圧の関係を示した表。エチレングリコールの飽和蒸気圧曲線を示した特性図。第一の実施形態に係るエチレングリコール抽出装置の動作例を説明したフローチャート。2.0mmHg下におけるエチレングリコール蒸留の概念図。符号の説明1,2…エチレングリコール抽出装置(EG抽出装置)10…タンク、11…真空装置、12…圧力計、13…温度計、14…制御部15,16…配管、V1,V2…バルブ17…フィルター エンジン冷却廃水を含んだ系の内圧を減圧することにより前記廃水に含まれる水分を気化させることにより除去して前記廃水に含まれるエチレングリコールを抽出することを特徴とするエチレングリコールの抽出方法。 前記水分が除去された前記廃水をフィルターによってろ過処理することを特徴とする請求項1に記載のエチレングリコールの抽出方法。 エチレングリコールの濃縮時に前記系の温度が水の沸点より高くエチレングリコールの沸点よりも低い範囲となるように前記系を加温することを特徴とする請求項1または2に記載のエチレングリコールの抽出方法。 エンジン冷却廃水が導入されるタンクと、 このタンクの内圧を減圧させる真空装置と、 前記タンクの内圧を測定する圧力計と、 前記タンクの外気温を測定する温度計と、 前記真空装置の動作を制御する制御部とを備え、 前記制御部は水とエチレングリコールの蒸気圧曲線と前記測定された圧力値及び外気温に基づき前記内圧を減圧するように前記真空装置を動作制御することにより前記タンク内の廃水に含まれる水分を気化させて前記廃水に含まれるエチレングリコールを抽出することを特徴とするエチレングリコール抽出装置。 前記タンクから排出されたエチレングリコール濃縮廃水をフィルターによってろ過処理することを特徴とする請求項4に記載のエチレングリコール抽出装置。 前記タンクを加温する加温手段を備え、 エチレングリコールの濃縮時に前記加温手段は前記タンク内の温度が水の沸点より高くエチレングリコールの沸点よりも低い範囲となるように前記タンクを加温することを特徴とする請求項4または5に記載のエチレングリコール抽出装置。 【課題】エネルギー的及びコスト的に効率よく廃LLCからエチレングリコールを高純度に回収する。【解決手段】エチレングリコール抽出装置1はタンク10と真空装置11と圧力計12と温度計13と制御部14とを備える。タンク10にはエンジン冷却廃水が導入される。真空装置11はタンク10の内圧を減圧させる。圧力計12はタンク10の内圧を測定する。温度計13はタンク10の外気温を測定する。制御部14は水とエチレングリコールの蒸気圧曲線と前記測定された圧力値及び外気温に基づき前記内圧を減圧するように真空装置11を動作制御することによりタンク10内の廃水に含まれる水分を気化させて前記廃水に含まれるエチレングリコールを抽出する。【選択図】図1