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タイトル:公開特許公報(A)_圧力損失推定方法、圧力損失検出装置及び粒子輸送システム
出願番号:2007330126
年次:2008
IPC分類:G01N 15/08,B01J 8/02


特許情報キャッシュ

河府 賢治 越智 光昭 武居 昌宏 JP 2008180704 公開特許公報(A) 20080807 2007330126 20071221 圧力損失推定方法、圧力損失検出装置及び粒子輸送システム 学校法人日本大学 899000057 森 哲也 100066980 内藤 嘉昭 100075579 崔 秀▲てつ▼ 100103850 河府 賢治 越智 光昭 武居 昌宏 JP 2006351679 20061227 G01N 15/08 20060101AFI20080711BHJP B01J 8/02 20060101ALI20080711BHJP JPG01N15/08 ZB01J8/02 Z 10 8 OL 21 4G070 4G070AA01 4G070AA03 4G070AB06 4G070AB07 4G070BA02 4G070BB05 4G070DA30 本発明は、管路内で粒子層を流体が流れる場合の圧力損失を推定や検出をする圧力損失推定方法及び圧力損失検出装置、並びに管路内を流れる流体に粒子を混合して、粒子を輸送する粒子輸送システムに関する。 静止した多数の粒子の集合体である静止粒子充填層内を流体が通過する現象を充填層透過流動現象と呼んでいる。充填層透過流動現象の適用範囲は、排ガス中のダスト捕集・処理、ダイオキシン類の吸着除去及び下水道施設における汚臭処理等の化学工業分野から、土壌の透水現象及び天然ガスの流動等の自然科学分野に至るまで、極めて広い。 このようなことから、粒子充填層内を流体が流れるときの流速と圧力損失との関係を知ることは、極めて重要であり、従来より、粒子群を充填した充填層の圧力損失を推定する技術が数多く提案されている(例えば特許文献1、2参照) さらに、圧力損失計算式のひとつに、Ergunが提案したErgun式がある。Ergun式は、層流域から乱流域までを含め、適用範囲の広い式である。特開2006−266824号公報特開2006−272192号公報 Ergun式は、圧力損失の算出には有効な式となる。しかしながら、充填層内の粒子種類や流体の流速等の条件により、その計算値と実験値とに誤差が生じることが知られている。よって、Ergun式をそのまま用いたのでは、算出(推定)される圧力損失は精度が出ていないものであるので、そのように算出した圧力損失を用いて、粒子を輸送する輸送ライン等を設計、さらには運転しても、それが高い精度でなされないことになる。 本発明の課題は、圧力損失を高い精度で算出、推定することで、輸送ライン等の設計、さらには運転を高い精度で行うことである。 前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明に係る圧力損失推定方法は、管路内で粒子層を流体が流れる場合の圧力損失を推定する圧力損失推定方法において、2次元平面に投影した前記粒子の直線部分の長さの総計を、2次元平面に投影した前記粒子の周囲長で割り算して直線率φsを算出し、算出した直線率φsを記憶手段に記憶し、前記粒子の球相当径dp、並びに前記管路内における空隙率ε、流体速度Ua、流体密度ρa及び流体粘度ηを取得し、取得したそれら値を記憶手段に記憶し、前記記憶手段に記憶した前記直線率φs、球相当径dp、空隙率ε、流体速度Ua、流体密度ρa及び流体粘度ηを用いて、下記式、 ΔP/L=150・(η・(1−ε)2/(ε3・((1−0.645・φs)・dp)2))・Ua+1.75・(ρa・(1−ε)/(ε3・(1−0.645・φs)・dp))・Ua2 により管路長Lにおける圧力損失ΔP/Lを推定することを特徴とする。 また、請求項2に記載の発明に係る圧力損失推定方法は、請求項1に記載の発明に係る圧力損失推定方法において、取得した管路内径Dを記憶手段に記憶し、前記記憶手段に記憶した管路内径Dを用い、前記式を修正した下記式、 ΔP/L=150・(1+2・dp/(3・D・(1−ε)))2・η・(1−ε)2/(ε3・((1−0.645・φs)・dp)2)・Ua+1.75・ρa・(1−ε)/(ε3・(1−0.645・φs)・dp)・Ua2 により圧力損失ΔP/Lを推定することを特徴とする。 また、請求項3に記載の発明に係る圧力損失推定方法は、請求項1又は2に記載の発明に係る圧力損失推定方法において、前記管路は曲がり管のものであることを特徴とする。 また、請求項4に記載の発明に係る圧力損失検出装置は、管路内で粒子層を流体が流れる場合の圧力損失を検出する圧力損失検出装置において、直線率φs、前記粒子の球相当径dp、並びに前記管路内における空隙率ε、流体速度Ua、流体密度ρa及び流体粘度ηを用いて、下記式、 ΔP/L=150・(η・(1−ε)2/(ε3・((1−0.645・φs)・dp)2))・Ua+1.75・(ρa・(1−ε)/(ε3・(1−0.645・φs)・dp))・Ua2 により管路長Lにおける圧力損失ΔP/Lを算出しており、 前記圧力損失ΔP/Lを算出するための値を取得する値取得手段と、前記粒子の2次元投影画像を取得する2次元投影画像取得手段と、前記2次元投影画像取得手段が取得した粒子の2次元投影画像における、前記粒子の直線部分の長さ及び周囲長を検出する粒子状態検出手段と、前記粒子状態検出手段が検出した直線部分の長さの総計を、前記周囲長で割り算して前記直線率φsを算出する直線率算出手段と、前記直線率算出手段が算出した直線率φs及び前記値取得手段が取得した値である球相当径dp、空隙率ε、流体速度Ua、流体密度ρa及び流体粘度ηを用いて、前記式により圧力損失ΔP/Lを算出する圧力損失算出手段と、を備えることを特徴とする。 また、請求項5に記載の発明に係る圧力損失検出装置は、請求項4に記載の発明に係る圧力損失検出装置において、前記値取得手段は管路内径Dを取得し、前記圧力損失算出手段は、前記値取得手段が取得した管路内径Dを用い、前記式を修正した下記式、 ΔP/L=150・(1+2・dp/(3・D・(1−ε)))2・η・(1−ε)2/(ε3・((1−0.645・φs)・dp)2)・Ua+1.75・ρa・(1−ε)/(ε3・(1−0.645・φs)・dp)・Ua2 により圧力損失ΔP/Lを算出することを特徴とする。 また、請求項6に記載の発明に係る圧力損失検出装置は、請求項4又は5に記載の発明に係る圧力損失検出装置において、前記管路は曲がり管のものであることを特徴とする。 また、請求項7に記載の発明に係る粒子輸送システムは、管路内を流れる流体に粒子を混合して、粒子を輸送する粒子輸送システムにおいて、直線率φs、前記粒子の球相当径dp、前記粒子の速度us並びに前記管路内における空隙率ε、流体速度Ua、流体密度ρa及び流体粘度ηを用いて下記式、 ΔP/L=150・(η・(1−ε)2/(ε3・((1−0.645・φs)・dp)2))・(Ua−us)+1.75・(ρa・(1−ε)/(ε3・(1−0.645・φs)・dp))・(Ua−us)2 により管路長Lにおける圧力損失ΔP/Lを算出しており、 前記管路で圧送するための上流側の供給圧を制御する供給圧制御手段と、前記圧力損失ΔP/Lを算出するための値を取得する値取得手段と、前記粒子の2次元投影画像を取得する2次元投影画像取得手段と、前記2次元投影画像取得手段が取得した粒子の2次元投影画像における、前記粒子の直線部分の長さ及び周囲長を検出する粒子状態検出手段と、前記粒子状態検出手段が検出した直線部分の長さの総計を、前記周囲長で割り算して前記直線率φsを算出する直線率算出手段と、前記粒子の輸送量を検出する粒子輸送量検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記粒子輸送量検出手段が検出した粒子の輸送量が目標値と異なる場合に、前記直線率算出手段が算出した直線率φs及び前記値取得手段が取得した値である球相当径dp、粒子の速度us、空隙率ε、流体速度Ua、流体密度ρa及び流体粘度ηを用いて、前記式により与えられる圧力損失ΔP/Lに基づいて、前記上流側の供給圧を変更することを特徴とする。 また、請求項8に記載の発明に係る粒子輸送システムは、請求項7に記載の発明に係る粒子輸送システムにおいて、前記制御手段が、前記粒子輸送量検出手段が検出した粒子の輸送量が目標値と異なる場合に、前記供給圧Ptが、Msを粒子の輸送量の目標値、Aを前記管路内断面積、ρBをバルク密度、usを粒子速度とする下記式、 Pt=∫(Ms/(A・ρB・us)・ΔP/L・dL となるように制御をすることを特徴とする。 また、請求項9に記載の発明に係る粒子輸送システムは、請求項7又は8に記載の発明に係る粒子輸送システムにおいて、前記値取得手段が管路内径Dを取得し、前記制御手段が、前記値取得手段が取得した管路内径Dを用い、下記式、 ΔP/L=150・(1+2・dp/(3・D・(1−ε)))2・η・(1−ε)2/(ε3・((1−0.645・φs)・dp)2)・(Ua−us)+1.75・ρa・(1−ε)/(ε3・(1−0.645・φs)・dp)・(Ua−us)2 により与えられる圧力損失ΔP/Lに基づいて、前記上流側の供給圧を変更することを特徴とする。 また、請求項10に記載の発明に係る粒子輸送システムは、請求項7〜9のいずれか1項に記載の発明に係る粒子輸送システムにおいて、前記管路は曲がり管のものであることを特徴とする。 ここで、圧力損失ΔP/Lを算出する下記式、 ΔP/L=150・(η・(1−ε)2/(ε3・((1−0.645・φs)・dp)2))・Ua+1.75・(ρa・(1−ε)/(ε3・(1−0.645・φs)・dp))・Ua2 は、下記Ergun式、 ΔP/L=150・(η・(1−ε)2/(ε3・dp2))・Ua+1.75・(ρa・(1−ε)/(ε3・dp))・Ua2 について、dp=(1−0.645・φs)・dpと置くことで、修正して得たものである。すなわち、粒子の直線率φsにより修正して得た式である。 本発明によれば、粒子の直線率φsを用いてErgun式を修正することで、精度を高くして、圧力損失を算出、推定することができる。これにより、輸送ライン等の設計、さらには運転を高い精度で行うことができる。 本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を図面を参照しながら詳細に説明する。(1)実施形態の前提となる技術 先ず、本実施形態の前提となる技術を説明する。(1−1)Ergun式 Ergun式は、静止粒子充填層内の圧力損失計算式として代表的な式である。このErgun式は、圧力損失の算出には有効な式である。本発明では、Ergun式を基礎としながらも、それに修正を加えて、圧力損失を算出している。Ergun式(修正前のErgun式)は、下記(1)式として示される。 ΔP/L=k1・(η・(1−ε)2/(ε3・dp2))・Ua+k2・(ρa・(1−ε)/(ε3・dp))・Ua2 ・・・(1) ここで、ΔPは圧力差(圧力損失)、Lは管路における充填層の長さ、εは管路における空隙率、ηは管路における空気粘度、Uaは管路における空気速度、dpは粒子径、ρaは管路における空気密度及びk1,k2はそれぞれ、層流域、乱流域における固有値である。前記(1)式において、右辺第1項は層流に対する圧力損失を表し、第2項は乱流に対する圧力損失を表している。 そして、E r g u n は、球形粒子による多くの実験データより、k1=150、k2=1.75 を導き出し、下記(2)式を得ている。 ΔP/L=150・(η・(1−ε)2/(ε3・dp2))・Ua+1.75・(ρa・(1−ε)/(ε3・dp))・Ua2 ・・・(2) すなわち、Ergunは、前記(1)式を導く過程で充填層内の隙間を、毛細管が集まった状態に置き換えて考え、毛細管内と充填層内の水力半径が等しくなる条件より、下記(3)を導いた。 ((π/4)・de2・Le)/(π・de・Le)=ε/(Sv・(1−ε)) ・・・(3) ここで、deは毛細管の直径、Leは毛細管の長さである。また、球形粒子について、下記(4)式が導ける。 Sv=6/dp ・・・(4) Ergunは、これら(3)式及び(4)式を用いては前記(2)式を導いている。(1−2)修正Ergun式 ところで、粒子充填層内に充填される粒子の形状は、多くの場合、非球形となるが、粒子が非球形である場合には、Ergun式に誤差が生じる。 これに対して、本件発明者は、粒子が非球形となる場合には、粒子の平面部分で粒子同士の面接触により、粒子表面と流体とが接触する面積が減少することで、粒子が充填されている充填層内の水力半径が変わり、前記(3)式が不成立となり、Ergun式に誤差が生じると考えた。このようなことから、本件発明者は、実際に流体と接する粒子表面積を表す球径、つまり有効粒子径dp´を前記(1)式や(2)式に適用することで、そのような影響(誤差)を修正できると考えた。 ここで、新たに粒子物性値として、下記(5)式のように直線率φsを定義した。 φs=ΣLi/Ls ・・・(5) この(5)式に示すように、直線率φsは、図1に示すように、粒子を2次元的にとらえ、その2次元(2次元投影面)の粒子の直線部の長さLiの総和(図1ではL1+L2+L3+L4+L5)を、該粒子の外周長Ls(図1ではL1+L2+L3+L4+L5+Lc1+Lc2+Lc3+Lc4+Lc5)で割って得られる値である。この直線率φsが大きくなるほど、粒子の直線部が多くなっているといえるので、このような場合に、粒子同士が面接触する割合が高くなり、圧力損失の誤差が大きくなると考えられる。 そして、形状を考慮した式として、直線率φsを用いて、下記(6)式のように粒子径dp´を定義した。 dp´=(1−As・φs)・dp ・・・(6) ここで、Asはφsに関する修正係数である。 この(6)式を前記(2)式の粒子径dpに代入することで、直線率を考慮したErgun式の修正式として、下記(7)式を得ている。ここで、修正係数Asについては、実験により0.645を得た。 ΔP/L=150・(η・(1−ε)2/(ε3・((1−As・φs)・dp)2))・Ua+1.75・(ρa・(1−ε)/(ε3・(1−As・φs)・dp))・Ua2 ・・・(7) この(7)式に対して、As=0.645と一定値にすることで、空隙率ε、空気粘度η、空気速度Ua、粒子径dp及び空気密度ρaを与え、さらに、測定等により得た直線率φsを与えることで、圧力損失ΔP/Lを得ることができる。(1−3)実験装置及び実験方法 次のような実験装置及び実験方法により、修正係数Asを0.645として得た。(1−3−1)実験装置 図2は、実験装置概略図を示す。 図2に示すように、空気源にはエアーコンプレッサ1を使用し、エアーコンプレッサ1からの圧縮空気を溜めるためにエアーチャンバ2を使用し、さらにその圧縮空気を減圧するためにエアーチャンバ2の後段に減圧弁3を設置している。減圧弁3の後段には、空気流量の測定及び調整のため、フローメータ4、流量調整弁5、チェック弁6を設置している。 そして、チェック弁6の後段に位置されているホース出口7から所定距離L1(例えば500[mm])に、測定に使用する粒子をつめた静止粒子充填層を形成した管路8を設置している。実験では、管路8には直管を用いている。そして、管路8として、内径D及び長さL2が異なるものを用いており、内径D=26,38,50[mm]の場合、長さL2=550[mm]の管路8を用い、内径D=70[mm]の場合、長さL2=150[mm]の管路8を用いている。 プラグモデルの前後端を、プラグ状態を保つため網で固定した形にし、実験装置に取り付けており、プラグモデル前後の圧力損失を算出している。そのために、圧力タップ9,10をプラグモデルの上流及び下流のアクリル管の表面に1つずつ設置し、測定装置11,12により管内平均圧力を測定している。(1−3−2)実験条件 粒子として、ポリエチレンペレット(PEP)、ポリスチロールペレット(PSP)、プラスティックペレット(PTP)、小豆(SMB)、ニポロンハード(ニポロンハード:登録商標、NLH)、ペトロセン(ペトロセン:登録商標、PTS)、ハードカプセル(CPS)を使用している。下記表1には、これら使用粒子の主に物性値を示す。また、下記表2には、今回の実験条件を示す。(1−3−3)実験結果及び考察 実験結果は次のようになる。 図3は、ポリスチロールペレット(PSP)及びプラスティックペレット(PTP)について、Ergun式(前記(2)式)による圧力損失の理論値(計算式、縦軸の値)と本実験による実験値(横軸の値)との比較結果を示す。 図3に示すように、粒子により(ポリスチロールペレットの方に)、理論値と実験値とに誤差が見られる。その一方で、管路8の管径の違いよる理論値と実験値との合致性の傾向に差はほとんど見られない。 以上のように、粒子の違いにより誤差の違いが見られ、このようなことから、誤差を発生させる主原因は、粒子の物性(形状)によるものと考えられる。図4は、全粒子について、直線率φsと圧力損失誤差(理論値と実験値との比(理論値/実験値))との関係を示す。 図4に示すように、全粒子について、直線率φsが大きくなるほど、誤差が大きくなる(1から大きくかけ離れる)。これは、球形粒子の場合には、粒子同士が点接触するのに対し、直線部を有する粒子(直線率φsがある値をもつ粒子)の場合には、粒子同士が面接触し、充填層内の水力半径が異なるものになるためと考え、前記(3)式及び(4)式より粒子径dpを直線率φsを用いて修正することで、理論値と実験値の合致性を高められると考えた。 ここで、図5は、全粒子について、有効粒子径dp´と粒子径dpとの粒径比dp´/dpと、直線率φsとの関係を示す。 図5に示す結果から、傾き、すなわち粒径比dp´/dpが0.645であることを得ることができた。これにより、修正係数Asを0.645として得ることができる(As=0.645)。そして、As=0.645とした場合、前記(7)式は、下記(8)式のようになる。 ΔP/L=150・(η・(1−ε)2/(ε3・((1−0.645・φs)・dp)2))・Ua+1.75・(ρa・(1−ε)/(ε3・(1−0.645・φs)・dp))・Ua2 ・・・(8) 図6は、ポリエチレンペレット(PEP)ではD=26[mm]の条件とし、ポリスチロールペレット(PSP)ではD=70[mm]の条件とした場合の、前記(8)式で算出した理論値((ΔP/L)th)と実験値((ΔP/L)e)との比較結果を示す。同図中、前記(8)式により算出した理論値((ΔP/L)th)は、修正している値(Modified)値として示されており、前記(2)式により算出した理論値((ΔP/L)th)は、修正していない値(Not modified)として示されている。 図6に示すように、修正前のErgunの式による理論値との比較(図3参照)に対して誤差が大きく改善されており、直線率を考慮することで、実験値に近い値が得られるのがわかる。すなわち、前記(8)式による圧力損失の算出精度が高くなっている。同様に、全粒子、全条件おいて誤差を±10%以内に軽減することができた(後述の図12〜18参照)。(2)本発明の実施形態 以上のような技術を前提とした実施形態を以下に説明する。(2−1)第1の実施形態 第1の実施形態は、本発明を適用した圧力損失演算システムである。(2−1−1)構成 図7は、圧力損失演算システムの構成を示す。 図7に示すように、圧力損失演算システムは、粒子画像取得部21、直線率算出部22、データ取得部23、条件設定部24、圧力損失算出部25、圧力損失判定部26及び出力部27を備えている。 図8は、圧力損失演算システムによる処理手順を示す。この処理により、所定条件下での圧力損失を算出している。図8の処理手順に沿って、圧力損失演算システムを構成する各構成部21〜26の処理内容を説明する。 図8に示すように、処理を開始すると、先ずステップS1〜ステップS6において粒子画像取得部21、直線率算出部22及びデータ取得部23が各種データを取得する。 すなわち、ステップS1では、圧力損失の算出対象又は輸送対象となる粒子が選択される。 続いてステップS2において、データ取得部23は、前記ステップS1で選択した粒子の粒子密度ρsを測定する。例えば、粒子の物性値からなるテーブル又はデータベースを参照して、前記ステップS1で選択した粒子密度ρsを取得する。 続いてステップS3において、データ取得部23は、前記ステップS1で選択した粒子の粒子質量Mを測定する。 続いてステップS3において、データ取得部23は、前記ステップS2及びステップS3で測定により得た粒子密度ρs及び粒子質量Mを基に、粒子の球相当径dpを算出する。そして、ステップS7に進む。 一方、ステップS5において、粒子画像取得部21は、前記ステップS1で選択した粒子の2次元画像を撮像装置(カメラ等)を用いて取得する。ここでは、相当数(例えば10 0 粒)をランダムに10方向から撮影して、2次元投影画像(例えば100×10パターンの2次元投影画像)を得る。 続いてステップS6において、直線率算出部22は、直線率φsを算出する。具体的には、直線率算出部22は、前記ステップS5で取得した相当数の粒子についての2次元投影画像から、粒子の外周長Ls及び直線部の長さLiを測定して、それら測定した外周長Ls及び直線部の長さLiを用いて、前記(5)式により直線率φsを算出する。そして、ステップS7に進む。なお、直線率算出部22では、例えば画像解析システム又はソフトや、手作業により粒子の外周長Ls及び直線部の長さLiを測定している。 例えば、以上のステップS1〜ステップS6で得た値をメモリ等の記憶手段に記憶しておく。 ステップS7では、条件設定部24は、前記ステップS1で選択した粒子が充填される充填層(管路)の条件設定を行う。具体的には、条件設定部24は、空隙率εを設定する。 続いてステップS8において、条件設定部24は、流体の条件設定を行う。具体的には、条件設定部24は、流体速度Ua、流体密度ρa及び流体粘度ηを設定する。例えば、流体密度ρa及び流体粘度ηについては、流体の物性値からなるテーブル又はデータベースを参照して、使用する流体に対応する流体密度ρa及び流体粘度ηを設定する。 続いてステップS9において、圧力損失算出部25は、前記ステップS4で算出した粒子の球相当径dp、前記ステップS6で算出した直線率φs、並びに前記ステップS7及び前記ステップS8で設定した空隙率ε、流体速度Ua、流体密度ρa及び流体粘度ηを用いて圧力損失ΔP/Lを算出する。すなわち、ここで、前記(8)式により、圧力損失ΔP/Lを算出する。 続いてステップS10において、圧力損失判定部26は、前記ステップS9で算出した圧力損失ΔP/Lが所定の圧力損失になっているか否かを判定する。例えば、算出した圧力損失ΔP/Lが許容できる所定の値の範囲内にあるか否かを判定する。ここで、圧力損失判定部26は前記ステップS9で算出した圧力損失ΔP/Lが所定の圧力損失になっている場合、ステップS11に進み、そうでない場合、ステップS12に進む。 ステップS11では、出力部27は出力処理を行う。例えば、前記ステップS9で算出した圧力損失ΔP/Lとともに、その算出に使用した値を、モニターや他のシステム等に出力する。 ステップS12では、条件設定部24は、流体条件が変更可能か否かを判定する。例えば、流体条件である流体速度Ua、流体密度ρa及び流体粘度ηに、変更が許容されている値があるか否かを判定する。ここで、条件設定部24は、流体条件が変更可能な場合、前記ステップS8に進み、再度、流体の条件設定を行い(例えば、変更許容範囲内で流体条件を変更し)、前記ステップS9以降の処理を行う。また、条件設定部24は、流体条件が変更不可能な場合、ステップS13に進む。 ステップS13では、条件設定部24は、充填層条件が変更可能か否かを判定する。例えば、充填層条件である空隙率εの変更が許容されているか否かを判定する。ここで、充填層条件が変更可能な場合、前記ステップS7に進み、再度、充填層の条件設定を行い(例えば、変更許容範囲内で充填層条件を変更し)、前記ステップS8以降の処理を行う。また、充填層条件が変更不可能な場合、前記ステップS1に進み、別の粒子を選択して、ステップS2以降の処理を行う。(2−1−2)動作、作用及び効果は次のようになる。 圧力損失の算出対象又は輸送対象となる粒子を選択し(前記ステップS1)、その選択した粒子の粒子密度ρs及び粒子質量Mを測定する(前記ステップS2、ステップS3)。そして、測定により得た粒子密度ρs及び粒子質量Mを基に、粒子の球相当径dpを算出する(前記ステップS4)。また、相当数の粒子について、2次元画像を取得して、その取得した2次元画像から、直線率φsを算出する(前記ステップS5、ステップS6)。さらに、充填層の条件設定(空隙率εの設定)を行うとともに、流体の条件設定(流体速度Ua、流体密度ρa及び流体粘度ηの設定)を行う(前記ステップS7、ステップS8)。 そして、粒子の球相当径dp、直線率φs、空隙率ε、流体速度Ua、流体密度ρa及び流体粘度ηを用いて圧力損失ΔP/Lを算出する(前記ステップS9)。ここで、算出した圧力損失ΔP/Lが所定の圧力損失になっている場合には、出力処理を行う一方で、算出した圧力損失ΔP/Lが所定の圧力損失になっていない場合には、充填層の条件や流体の条件を変更して、再度、圧力損失ΔP/Lを算出する(前記ステップS10〜ステップS13)。 以上のような処理により、ある条件における圧力損失ΔP/Lを所定の値(所定の範囲内)のものとして算出できる。そして、圧力損失の算出に用いている前記(8)式の算出精度が高いので、この処理において算出される圧力損失も精度が高いとものとなる。これにより、このように算出した圧力損失ΔP/L、さらには該圧力損失ΔP/Lを得た条件を基に、輸送ライン等の設計、さらには運転を行うことで、そのような輸送ライン等の設計、さらには運転を高い精度で行うことができる。(2−2)第2の実施形態 第2の実施形態は、本発明を適用した空気輸送プラントである。空気輸送プラントでは、粒子を空気により輸送している。(2−2−1)構成 図9は、空気輸送プラントの主に制御システムの構成を示す。 図9に示すように、空気輸送プラントは、前記第1の実施形態と同様に、粒子画像取得部21、直線率算出部22及びデータ取得部23を備えている。そして、空気輸送プラントは、粒子輸送量等測定部31、ライン仕様取得部32、運転状態判定部33、制御部(演算部)34及び輸送ラインシステム35を備えている。 図10は、空気輸送プラントにおける処理手順を示す。図10の処理手順に沿って、空気輸送プラントを構成する各構成部21〜23、31〜35の処理内容を説明する。 図10に示すように、処理を開始すると、前記第1の実施形態と同様に、先ずステップS21〜ステップS26において粒子画像取得部21、直線率算出部22及びデータ取得部23が各種データを取得する。 すなわち、ステップS21では、空気輸送プラントにおいて輸送対象となる粒子を取得する。 続いてステップS22及びステップS23において、データ取得部23は、前記ステップS21で取得した粒子の粒子密度ρs及び粒子質量Mを測定し、ステップS24において、その測定により得た粒子密度ρs及び粒子質量Mを基に、粒子の球相当径dpを算出する。そして、ステップS27に進む。 一方、ステップS25において、粒子画像取得部21は、前記ステップS21で取得した粒子の2次元画像を撮像装置(カメラ等)を用いて取得する。 続いてステップS26において、直線率算出部22は、直線率φsを算出する。具体的には、直線率算出部22は、前記ステップS25で取得した相当数の粒子についての2次元投影画像から、粒子の外周長Ls及び直線部の長さLiを測定して、それら測定した外周長Ls及び直線部の長さLiを用いて、前記(5)式により直線率φsを算出する。そして、ステップS27に進む。 ステップS27では、データ取得部23は、物性を確認する。具体的には、データ取得部23は、充填層(管路)の空隙率ε及びかさ密度ρBを確認(取得)する。充填層(管路)の空隙率ε及びかさ密度ρBは、検出値又はデータベースに記憶されている値である。 続いてステップS28において、粒子輸送量等測定部31は、粒子輸送量Msm及び空気質量流量Mamを測定する。例えば、所定時間内に粒子輸送量Msm及び空気質量流量Mamを測定していき、その平均値を得る。 例えば、以上のステップS21〜ステップS28で得た値をメモリ等の記憶手段に記憶しておく。 続いてステップS29において、ライン仕様取得部32は、ライン仕様を確認(取得)する。具体的には、ライン仕様取得部32は、ライン仕様として、粒子輸送量Ms及び空気質量流量Maを確認する。例えば、ライン仕様からなるテーブル又はデータベースを参照して、粒子輸送量Ms及び空気質量流量Maを確認する。 続いてステップS30において、運転状態判定部33は、前記ステップS28で測定して得た粒子輸送量Msmが、前記ステップS29で確認したライン仕様(目的値)の粒子輸送量Msに一致(所定の誤差範囲内にあることも含む)しているか否かを判定する。ここで、運転状態判定部33は、測定して得た粒子輸送量Msmが、ライン仕様の粒子輸送量Msに一致している場合、ステップS31に進み、そうでない場合、ステップS32に進む。 ステップS31では、制御部34は、運転を継続する。すなわち、現状の制御条件(供給圧Pt及び空気質量流量Ma)で輸送ラインシステム35を制御する。 一方、ステップS32では、データ取得部23は、粒子速度usを測定する。 続いてステップS33において、データ取得部23又は制御部34は、空気質量流量Maを選定する。ここで、前記ステップS28で測定した空気質量流量Mamと前記ステップS29で確認したライン仕様の空気質量流量Maとを参照して、空気質量流量Maを選定する。例えば、前記ステップS28で測定した空気質量流量Mamと前記ステップS29で確認したライン仕様の空気質量流量Maとからかけ離れた値にならない空気質量流量Maを選定する。 続いてステップS34において、制御部34は、下記(9)式により、必要供給圧力Ptを算出する。ここで、(9)式は、プラグ輸送において、粒子を輸送するために必要な供給圧力を算出するのに一般的に用いられる式である。 Pt=∫(Ms/(A・ρB・us))・ΔP/L・dL ・・・(9) ここで、ρBは、前記ステップS27で確認(取得)した値、Msは、前記ステップS29で取得しているライン仕様の粒子輸送量Ms(目標値)、Aは管路内の断面積である。 そして、(9)式中のΔP/Lの値として、前記(8)式を用いている。また、プラグ輸送であることで、粒子の速度も考慮しており、前記(8)式中の、空気速度Uaを、空気と粒子の相対速度(Ua−us)に代えている。これにより、(9)式中のΔP/Lは、前記ステップS33で選定した空気質量流量Maの他に、前記ステップS32で測定した粒子速度usを用いて算出され、その算出したΔP/Lを用いて、必要供給圧力Ptが算出される。 続いてステップS35において、制御部34は、前記ステップS33で選定(前記ステップS34で圧力損失ΔP/Lの算出に使用)した空気質量流量Ma及び前記ステップS34で算出した必要供給圧力Ptとなるように制御を行う。例えば、実際の供給圧力Ptを測定し、その測定した実供給圧力Ptと前記ステップS34で算出した必要供給圧力Ptとの差分が0になるように制御を行う。 そして、そのような制御下において、再び前記ステップS28以降の処理を行う。すなわち、粒子輸送量Msm及び空気質量流量Mamを測定するとともに(前記ステップS28)、ライン仕様の粒子輸送量Ms及び空気質量流量Maを確認し(前記ステップS29)、測定して得た粒子輸送量Msmが、ライン仕様の粒子輸送量Msに一致しているか否かを判定する(前記ステップS30)。(2−2−2)動作、作用及び効果は次のようになる。 空気輸送プラントにおいて輸送対象となる粒子を取得し(前記ステップS21)、その取得した粒子の粒子密度ρs及び粒子質量Mを測定する(前記ステップS22、ステップS23)。そして、測定により得た粒子密度ρs及び粒子質量Mを基に、粒子の球相当径dpを算出する(前記ステップS24)。また、相当数の粒子について、2次元画像を取得して、その取得した2次元画像から、直線率φsを算出する(前記ステップS25、ステップS26)。さらに、充填層(管路)の空隙率ε及びかさ密度ρBを確認(取得)する(前記ステップS27)。 そして、粒子輸送量Msm及び空気質量流量Mamを測定するとともに、ライン仕様の粒子輸送量Ms及び空気質量流量Maを確認(取得)し、測定して得た粒子輸送量Msmが、ライン仕様の粒子輸送量Msに一致しているか否かを判定する(前記ステップS28〜ステップS30)。 ここで、測定して得た粒子輸送量Msmが、ライン仕様の粒子輸送量Msに一致している場合には、運転を継続する(前記ステップS31)。一方、測定して得た粒子輸送量Msmが、ライン仕様の粒子輸送量Msに一致していない場合には、ライン仕様の粒子輸送量Msになるような制御を行う。すなわち、粒子速度usを測定するとともに、空気質量流量Maを選定する(前記ステップS32、ステップS33)。そして、それら粒子速度us及び空気質量流量Maを用いて、必要供給圧力Ptを算出し、その算出した必要供給圧力Pt及び空気質量流量Maにより制御を行う(前記ステップS34、ステップS35)。そして、そのような制御下において、再び前記ステップS28以降の処理を行う。 以上のような処理により、粒子を輸送する輸送ラインシステム35では、ライン仕様の粒子輸送量Msになるように制御がなされる。そして、圧力損失の算出に用いている前記(8)式の算出精度が高いので、この処理において算出される圧力損失は的確な値を示しており、この結果、粒子輸送量Msの制御は的確になされるようになる。 また、この第2の実施形態では、ライン仕様の粒子輸送量Msとなるように制御を実施しているが、ライン仕様の空気質量流量Maとなるように制御を実施しても良い。この場合、粒子輸送量を変更していくことで、ライン仕様の空気質量流量Maとなるように制御を行う。 なお、前記実施形態を次のような構成により実現することもできる。 すなわち、前記(8)式をさらに修正項を加えた式により、圧力損失ΔP/Lを算出することもできる。 ここで、下記(10)式は、圧力損失に対して壁面(管直径)の影響を考慮したErgun式の修正式として知られている。 ΔP/L=150・(1+2・dp/(3・D・(1−ε)))2・η・(1−ε)2/(ε3・dp2)・Ua+Cw・ρa・(1−ε)/(ε3・dp)・Ua2 ・・・(10) ここで、Cwは係数(=k2=1.75)、Dは管直径である。 そして、この(10)式を粒子径を考慮した下記(11)式に修正して、すなわち、粒子径dpに、前記(6)式の直線率φsを用いた粒子径dp´を代入して、下記(11)式により圧力損失ΔP/Lを算出する。 ΔP/L=150・(1+2・dp/(3・D・(1−ε)))2・η・(1−ε)2/(ε3・((1−0.645・φs)・dp)2)・Ua+Cw・ρa・(1−ε)/(ε3・(1−0.645・φs)・dp)・Ua2 ・・・(11) ここで、Cwは、固有値k2と同じ値、例えば1.75である。 例えば、前記第1の実施形態であれば、前記ステップS7において、充填層の条件設定として、空隙率εに加えて、管内径Dを設定するようにし、前記ステップS9において、前記(11)式により、圧力損失ΔP/Lを算出する。 また、前記第2の実施形態であれば、前記ステップS27において、物性確認として、空隙率ε及びかさ密度ρBに加えて、管内径Dを確認(取得)するようにし、前記ステップS34において、前記(11)式により、圧力損失ΔP/Lを算出する。 図11は、管径比D/dpを変化させていった場合に、前記(1)式、すなわち圧力損失に対して壁面(管直径)の影響を考慮していないErgun式により算出される固有値k1,k2を示す。 本来であればk1=150、k2=1.75にならなければならないが、管径比D/dpが小さい領域では、図11(a)に示すように、特に固有値k1が、150から大きく外れる。このように、管径比D/dpが小さい領域では、固有値k1が正しい値を示さないため、すなわち、前記(1)式により算出される圧力損失ΔP/Lに誤差が生じるため、壁面の影響を考慮した前記(11)式により圧力損失を算出する。 図12〜図18は、管直径Dをパラメータとして(D=26,38,50,70)、空気速度Uaを変化させたときの、理論値と実験値との比αの変化を示す。ここでは、直管を用いた結果を示す。理論値を前記(11)式の値とした場合には、修正している(Modified)αとなり、理論値を前記(8)式(管直径Dを考慮していない式)の値とした場合には、修正していない(Not modified)αとなる。 図12は、プラスティックペレット(PTP)を用いた結果を示し、図13は、小豆(SMB)を用いた結果を示し、図14は、ニポロンハード(NLH)を用いた結果を示し、図15は、ポリエチレンペレット(PEP)を用いた結果を示し、図16は、ペトロセン(PTS)を用いた結果を示し、図17は、ハードカプセル(CPS)を用いた結果を示し、図18は、ポリスチロールペレット(PSP)を用いた結果を示す。 図12〜図18に示すように、どの粒子、さらにはどの管直径Dにおいても、空気速度Uaの広い範囲において、αが1に近い値、すなわち理論値(前記(11)式の値)が実験値に近い値を示す。すなわち、前記(11)式による圧力損失ΔP/Lの算出精度が高くなっている。 図19〜図22は、曲管(ベンド管)について得た結果を示す。ここで、曲管の曲率半径(1/R)を管直径Dの10倍になるようにしている(R=D・10)。そして、図19〜図22は、管直径Dをパラメータとして(D=38,50)、空気速度Uaを変化させたときの、理論値と実験値との比αの変化を示す。理論値を前記(11)式の値とした場合には、修正している(Modified)αとなり、理論値を前記(8)式(管直径Dを考慮していない式)の値とした場合には、修正していない(Not modified)αとなる。 図19は、プラスティックペレット(PTP)を用いた結果を示し、図20は、小豆(SMB)を用いた結果を示し、図21は、ポリエチレンペレット(PEP)を用いた結果を示し、図22は、ポリスチロールペレット(PSP)を用いた結果を示す。 図19〜図22に示すように、どの粒子、さらにはどの管直径Dにおいても、空気速度Uaの広い範囲において、αが1に近い値、すなわち理論値(前記(11)式の値)が実験値に近い値を示す。すなわち、前記(11)式による圧力損失ΔP/Lの算出精度が高くなっている。さらに、この結果から、曲管の場合でも、前記(11)式による圧力損失ΔP/Lの算出精度が高くなるのがわかる。 また、充填層に充填される粒子又は輸送される粒子は、本実施形態の説明で具体的に示したものに限定されるものではなく、他の粒子でも良く、また、管路内を流れる流体は、空気に限定されるものではなく、他の流体でも良い。 なお、前記第1の実施形態の説明において、データ取得部23は、前記圧力損失ΔP/Lを算出するための値を取得する値取得手段を実現しており、粒子画像取得部21は、前記粒子の2次元投影画像を取得する2次元投影画像取得手段を実現しており、直線率算出部22は、前記2次元投影画像取得手段が取得した粒子の2次元投影画像における、前記粒子の直線部分の長さ及び周囲長を検出する粒子状態検出手段及び前記粒子状態検出手段が検出した直線部分の長さの総計を、前記周囲長で割り算して前記直線率φsを算出する直線率算出手段を実現しており、圧力損失算出部25は、前記直線率算出手段が算出した直線率φs及び前記値取得手段が取得した値である球相当径dp、空隙率ε、流体速度Ua、流体密度ρa及び流体粘度ηを用いて、圧力損失ΔP/Lを算出する圧力損失算出手段を実現している。 また、前記第2の実施形態の説明において、制御部34は、前記管路で圧送するための上流側の供給圧を制御する供給圧制御手段を実現しており、データ取得部23は、前記圧力損失ΔP/Lを算出するための値を取得する値取得手段を実現しており、粒子画像取得部21は、前記粒子の2次元投影画像を取得する2次元投影画像取得手段を実現しており、直線率算出部22は、前記2次元投影画像取得手段が取得した粒子の2次元投影画像における、前記粒子の直線部分の長さ及び周囲長を検出する粒子状態検出手段及び前記粒子状態検出手段が検出した直線部分の長さの総計を、前記周囲長で割り算して前記直線率φsを算出する直線率算出手段を実現しており、粒子輸送量等測定部31は、前記管路内の流体の流量及び粒子の輸送量を検出する粒子輸送量検出手段を実現しており、制御部34のステップS34の処理は、前記検出手段が検出した流体の流量及び粒子の輸送量が目標値と異なる場合に、前記直線率算出手段が算出した直線率φs及び前記値取得手段が取得した値である球相当径dp、粒子の速度us、空隙率ε、流体速度Ua、流体密度ρa及び流体粘度ηを用いて、圧力損失ΔP/Lに基づいて、前記上流側の供給圧を変更する制御手段の処理を実現している。直線率φsの算出の説明に用いた図である。実験装置概略を示す図である。Ergun式((2)式)で算出した理論値と実験値との比較結果を示す特性図である。Ergun式((2)式)で算出した理論値と実験値との誤差の検証に用いた特性図である。有効粒子径dp´と粒子径dpとの粒径比dp´/dpと、直線率φsとの関係を示す特性図である。Ergun式の修正式((8)式)で算出した理論値と実験値との比較結果を示す特性図である。本発明の第1の実施形態の圧力損失演算システムの構成を示すブロック図である。圧力損失演算システムの処理手順を示すフローチャートである。本発明の第2の実施形態の空気輸送プラントの構成を示すブロック図である。空気輸送プラントにおける制御の処理手順を示すフローチャートである。管径比D/dpとErgun式((1)式)により算出される固有値k1,k2との関係を示す特性図である。空気速度UaとErgun式の修正式((11)式)との関係を示すものであり、直管及びプラスティックペレット(PTP)を用いた結果を示す特性である。空気速度UaとErgun式の修正式((11)式)との関係を示すものであり、直管及び小豆(SMB)を用いた結果を示す特性である。空気速度UaとErgun式の修正式((11)式)との関係を示すものであり、直管及びニポロンハード(NLH)を用いた結果を示す特性である。空気速度UaとErgun式の修正式((11)式)との関係を示すものであり、直管及びポリエチレンペレット(PEP)を用いた結果を示す特性である。空気速度UaとErgun式の修正式((11)式)との関係を示すものであり、直管及びペトロセン(PTS)を用いた結果を示す特性である。空気速度UaとErgun式の修正式((11)式)との関係を示すものであり、直管及びハードカプセル(CPS)を用いた結果を示す特性である。空気速度UaとErgun式の修正式((11)式)との関係を示すものであり、直管及びポリスチロールペレット(PSP)を用いた結果を示す特性である。空気速度UaとErgun式の修正式((11)式)との関係を示すものであり、曲管及びプラスティックペレット(PTP)を用いた結果を示す特性である。空気速度UaとErgun式の修正式((11)式)との関係を示すものであり、曲管及び小豆(SMB)を用いた結果を示す特性である。空気速度UaとErgun式の修正式((11)式)との関係を示すものであり、曲管及びポリエチレンペレット(PEP)を用いた結果を示す特性である。空気速度UaとErgun式の修正式((11)式)との関係を示すものであり、曲管及びポリスチロールペレット(PSP)を用いた結果を示す特性である。符号の説明 21 粒子画像取得部、22 直線率算出部、23 データ取得部、24 条件設定部、25 圧力損失算出部、26 圧力損失判定部,27 出力部、31 粒子輸送量等測定部、32 ライン仕様取得部、33 運転状態判定部、34 制御部、35 輸送ラインシステム 管路内で粒子層を流体が流れる場合の圧力損失を推定する圧力損失推定方法において、 2次元平面に投影した前記粒子の直線部分の長さの総計を、2次元平面に投影した前記粒子の周囲長で割り算して直線率φsを算出し、算出した直線率φsを記憶手段に記憶し、 前記粒子の球相当径dp、並びに前記管路内における空隙率ε、流体速度Ua、流体密度ρa及び流体粘度ηを取得し、取得したそれら値を記憶手段に記憶し、 前記記憶手段に記憶した前記直線率φs、球相当径dp、空隙率ε、流体速度Ua、流体密度ρa及び流体粘度ηを用いて、下記式、 ΔP/L=150・(η・(1−ε)2/(ε3・((1−0.645・φs)・dp)2))・Ua+1.75・(ρa・(1−ε)/(ε3・(1−0.645・φs)・dp))・Ua2 により管路長Lにおける圧力損失ΔP/Lを推定することを特徴とする圧力損失推定方法。 管路内径Dを取得し、取得した管路内径Dを記憶手段に記憶し、前記記憶手段に記憶した管路内径Dを用い、前記式を修正した下記式、 ΔP/L=150・(1+2・dp/(3・D・(1−ε)))2・η・(1−ε)2/(ε3・((1−0.645・φs)・dp)2)・Ua+1.75・ρa・(1−ε)/(ε3・(1−0.645・φs)・dp)・Ua2 により圧力損失ΔP/Lを推定することを特徴とする請求項1に記載の圧力損失推定方法。 前記管路は曲がり管のものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力損失推定方法。 管路内で粒子層を流体が流れる場合の圧力損失を検出する圧力損失検出装置において、 直線率φs、前記粒子の球相当径dp、並びに前記管路内における空隙率ε、流体速度Ua、流体密度ρa及び流体粘度ηを用いて、下記式、 ΔP/L=150・(η・(1−ε)2/(ε3・((1−0.645・φs)・dp)2))・Ua+1.75・(ρa・(1−ε)/(ε3・(1−0.645・φs)・dp))・Ua2 により管路長Lにおける圧力損失ΔP/Lを算出しており、 前記圧力損失ΔP/Lを算出するための値を取得する値取得手段と、 前記粒子の2次元投影画像を取得する2次元投影画像取得手段と、 前記2次元投影画像取得手段が取得した粒子の2次元投影画像における、前記粒子の直線部分の長さ及び周囲長を検出する粒子状態検出手段と、 前記粒子状態検出手段が検出した直線部分の長さの総計を、前記周囲長で割り算して前記直線率φsを算出する直線率算出手段と、 前記直線率算出手段が算出した直線率φs及び前記値取得手段が取得した値である球相当径dp、空隙率ε、流体速度Ua、流体密度ρa及び流体粘度ηを用いて、前記式により圧力損失ΔP/Lを算出する圧力損失算出手段と、 を備えることを特徴とする圧力損失検出装置。 前記値取得手段は管路内径Dを取得し、前記圧力損失算出手段は、前記値取得手段が取得した管路内径Dを用い、前記式を修正した下記式、 ΔP/L=150・(1+2・dp/(3・D・(1−ε)))2・η・(1−ε)2/(ε3・((1−0.645・φs)・dp)2)・Ua+1.75・ρa・(1−ε)/(ε3・(1−0.645・φs)・dp)・Ua2 により圧力損失ΔP/Lを算出することを特徴とする請求項4に記載の圧力損失検出装置。 前記管路は曲がり管のものであることを特徴とする請求項4又は5に記載の圧力損失検出装置。 管路内を流れる流体に粒子を混合して、粒子を輸送する粒子輸送システムにおいて、 直線率φs、前記粒子の球相当径dp、前記粒子の速度us並びに前記管路内における空隙率ε、流体速度Ua、流体密度ρa及び流体粘度ηを用いて下記式、 ΔP/L=150・(η・(1−ε)2/(ε3・((1−0.645・φs)・dp)2))・(Ua−us)+1.75・(ρa・(1−ε)/(ε3・(1−0.645・φs)・dp))・(Ua−us)2 により管路長Lにおける圧力損失ΔP/Lを算出しており、 前記管路で圧送するための上流側の供給圧を制御する供給圧制御手段と、 前記圧力損失ΔP/Lを算出するための値を取得する値取得手段と、 前記粒子の2次元投影画像を取得する2次元投影画像取得手段と、 前記2次元投影画像取得手段が取得した粒子の2次元投影画像における、前記粒子の直線部分の長さ及び周囲長を検出する粒子状態検出手段と、 前記粒子状態検出手段が検出した直線部分の長さの総計を、前記周囲長で割り算して前記直線率φsを算出する直線率算出手段と、 前記粒子の輸送量を検出する粒子輸送量検出手段と、 を備え、 前記制御手段は、前記粒子輸送量検出手段が検出した粒子の輸送量が目標値と異なる場合に、前記直線率算出手段が算出した直線率φs及び前記値取得手段が取得した値である球相当径dp、粒子の速度us、空隙率ε、流体速度Ua、流体密度ρa及び流体粘度ηを用いて、前記式により与えられる圧力損失ΔP/Lに基づいて、前記上流側の供給圧を変更することを特徴とする粒子輸送システム。 前記制御手段は、前記粒子輸送量検出手段が検出した粒子の輸送量が目標値と異なる場合に、前記供給圧Ptが、Msを粒子の輸送量の目標値、Aを前記管路内断面積、ρBをバルク密度、usを粒子速度とする下記式、 Pt=∫(Ms/(A・ρB・us))・ΔP/L・dL となるように制御をすることを特徴とする請求項7に記載の粒子輸送システム。 前記値取得手段は管路内径Dを取得し、前記制御手段は、前記値取得手段が取得した管路内径Dを用い、下記式、 ΔP/L=150・(1+2・dp/(3・D・(1−ε)))2・η・(1−ε)2/(ε3・((1−0.645・φs)・dp)2)・(Ua−us)+1.75・ρa・(1−ε)/(ε3・(1−0.645・φs)・dp)・(Ua−us)2 により与えられる圧力損失ΔP/Lに基づいて、前記上流側の供給圧を変更することを特徴とする請求項7又は8に記載の粒子輸送システム。 前記管路は曲がり管のものであることを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の粒子輸送システム。 【課題】圧力損失を高い精度で算出、推定することで、輸送ライン等の設計、さらには運転を高い精度で行う。【解決手段】圧力損失演算システムは、直線率φs、球相当径dp、空隙率ε、流体速度Ua、流体密度ρa、流体粘度η及び管内径Dを用いて、下記式、 ΔP/L=150・(1+2・dp/(3・D・(1−ε)))2・η・(1−ε)2/(ε3・((1−0.645・φs)・dp)2)・Ua+1.75・ρa・(1−ε)/(ε3・(1−0.645・φs)・dp)・Ua2 により管路長Lにおける圧力損失ΔP/Lを推定する。【選択図】図8


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