生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_成長ホルモン分泌促進剤
出願番号:2007325982
年次:2009
IPC分類:A61K 36/25,A61P 43/00,A61K 8/97,A61Q 5/00,A61Q 19/00,A23L 1/30,A23L 2/52,A23K 1/16


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御子柴 茂郎 敷波 久美子 JP 2009143886 公開特許公報(A) 20090702 2007325982 20071218 成長ホルモン分泌促進剤 ライオン株式会社 000006769 酒井 宏明 100089118 御子柴 茂郎 敷波 久美子 A61K 36/25 20060101AFI20090605BHJP A61P 43/00 20060101ALI20090605BHJP A61K 8/97 20060101ALI20090605BHJP A61Q 5/00 20060101ALI20090605BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20090605BHJP A23L 1/30 20060101ALI20090605BHJP A23L 2/52 20060101ALI20090605BHJP A23K 1/16 20060101ALI20090605BHJP JPA61K35/78 MA61P43/00 107A61K8/97A61Q5/00A61Q19/00A23L1/30 BA23L2/00 FA23K1/16 304C 3 OL 7 2B150 4B017 4B018 4C083 4C088 2B150DD36 2B150DD57 4B017LC03 4B017LG15 4B017LL09 4B017LP01 4B018LB08 4B018MD61 4B018ME14 4B018MF01 4C083AA111 4C083AA112 4C083AB172 4C083AD212 4C083AD222 4C083BB51 4C083BB53 4C083CC02 4C083CC31 4C083DD23 4C083DD41 4C083EE11 4C083EE21 4C088AB16 4C088AC01 4C088AC12 4C088BA09 4C088NA14 4C088ZB21 4C088ZB22 本発明は成長ホルモン分泌促進剤に関し、詳しくは、成長ホルモンの分泌を促進する作用を有する。 成長ホルモン(growth hormone:GH)は、191個のアミノ酸のペプチドホルモンで、脳の視床下部から分泌されるGH放出ホルモンやGH分泌抑制因子(ソマトスタチン)による調節を受け、脳下垂体前葉のGH分泌細胞より分泌される。分泌されたGHは血液によって全身に運ばれ、標的器官に直接的または間接的に作用する。間接的に作用する場合は、GHが肝臓などに作用した後、インスリン様成長因子−1(ソマトメジンC)を分泌させ、標的器官に働きかける。また、GHは年齢と共に減少することが知られている。具体的には、20から30代を過ぎるとGH分泌量は減少していくことが報告されている。 GHは体の成長のみならず、体の組成、代謝および心機能維持に重要である。具体的には、筋肉の成長や骨の伸長に関与するとともに、代謝の促進や生体の恒常性維持に関与することが報告されている。実際、GHの投与治療を受けると、体脂肪減少、無脂肪質量の増加、骨量および健康の改善が認められる。また、GH療法に関連するこれらの好ましい効果は、骨粗鬆症、高齢者の脆弱、複雑骨折、心筋症、肥満、例えばAIDSや慢性透析、異化性疾患およびグルココルチコイド治療等の窒素喪失性疾患における有効性が挙げられる。更には、GH療法はまた、老化に関連する変化からの回復について検討がなされている。 しかしながら、現在のGH療法においては、合成GHの注射による投与が毎日必要なため、GH投与方法が侵襲的である点に問題がある。 一方、GH分泌促進物質としては、食物繊維等のプレバイオティクスや有胞子乳酸菌等のプロバイオティクス(特許文献1:特開2007−131541号公報)、大豆蛋白由来ペプチド(特許文献2:特開2006−347976号公報)、乳酸菌発酵で得られるγ−アミノ酪酸〔GABA〕(特許文献3:特開2004−269341号公報)が提案されている。特開2007−131541号公報特開2006−347976号公報特開2004−269341号公報 しかし、従来のGH分泌促進物質は、いずれも効果の面で不十分であるという問題点があった。すなわち、食物繊維等のプレバイオティクスや有胞子乳酸菌等のプロバイオティクスの場合には、30日間の連続摂取が必要であった。また、大豆蛋白由来ペプチドの場合には効果を得るために大量に摂取する必要があった。さらに、GABAの場合には、実験動物での有効性が確認されているにとどまる。 従って、本発明の解決すべき課題は、安全で高い効果を示し、耐用性が良好で経口投与できるGH分泌促進剤を提供することである。 本発明者らは上記課題を解決するため検討を重ねた。その結果、これまでにGH分泌促進作用があることは報告されていない植物である田七人参に着目し、この田七人参の水抽出物摂取及び運動負荷試験を行ったところ、プラセボ群と比較して有意な血中成長ホルモン量の増加が認められたことから、成長ホルモン分泌促進剤の有効成分として有用であることを見出し、本発明に到達した。 本発明は、以下の〔1〕〜〔3〕の各発明を提供するものである。〔1〕ウコギ科人参の水抽出物を有効成分として含有することを特徴とする成長ホルモン分泌促進剤。〔2〕前記ウコギ科人参が田七人参水抽出物である〔1〕に記載の成長ホルモン分泌促進剤。〔3〕〔1〕又は〔2〕に記載の成長ホルモン分泌促進剤を含む医薬品、化粧品、飲食品又は飼料。 本発明によれば、成長ホルモンの分泌を効果的に促進するための有効成分が提供される。 本発明においては、成長ホルモン分泌促進剤の有効成分としてウコギ科人参水抽出物を用いる。 ウコギ科人参は、ウコギ科(Araliaceae)の草本植物として分類される周知の薬用植物である。このウコギ科人参としては、御種人参(朝鮮人参、高麗人参とも別称される)、田七人参などがある。このうち、田七人参が好ましい。 本発明の有効成分であるウコギ科人参の水抽出物は、ウコギ科人参の用部を、水を用いて抽出して得られる抽出物を意味する。ウコギ科人参の用部としては、植物体を構成する一部分又は全体であればよいが、根(根茎を含む)の一部を含むことが好ましい。前記用部は生のまま水抽出に供してもよいが、その前に、乾燥、適当な大きさへの切断、粉砕等の加工を行ってもよい。 水抽出処理は、冷浸、温浸、加熱還流、パーコレーション法等常法に従って行うことができる。抽出温度やpH、時間などに特に制限はない。一例を挙げると、人参の乾燥物1重量に対して、10倍から30倍量の水を用い、加熱装置及び還流用の冷却装置を用いて60℃から沸騰直前、好ましくは80℃から沸騰直前の温度に保ちながら2時間以上、必要に応じて撹拌を行いながら加熱還流抽出を行うことができる。 水抽出により得られる粗抽出液は、そのまま本発明における水抽出物として用いることができるが、さらに洗浄処理を施しその残渣を用いることが好ましい。洗浄処理は、有機溶媒を用いて行うことができ、有機溶媒としてはメタノール、エタノール、ブタノール、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、酢酸エチル、アセトン、モノテルペン類などの一般に用いられる有機溶媒の中から適宜選択して用いることができるが、中でも好ましいものとしてエタノールが挙げられる。有機溶媒の分量は、例えばエタノールを用いる場合、上述の粗抽出液1重量に対して、1から3倍量の無水エタノールを用いることができる。上記洗浄処理は繰り返して行うことができる。これにより有効成分を純化することができるので好ましいが、繰り返しの回数は、効率の面から、5回以下とすることが好ましい。 本発明においては、さらに必要に応じて、上記の水抽出物を、分離精製することもできる。分離精製は、遠心分離、活性炭処理、液液分配、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー等の処理を1または複数処理組み合わせて行うことができる。 こうして得られる水抽出物は、さらにろ過、濃縮、凍結乾燥処理などを行い、濃縮エキス、乾燥粉末、ペーストとしたものなどを本発明の有効成分として用いることもできる。特に、粗抽出液について残渣抽出処理を経て得られる処理物を好ましく用いることができる。 本発明の成長ホルモン分泌促進剤の使用場面は特に限定されないが、通常の生活状態における摂取で成長ホルモン分泌量を高めることができ、さらに摂取期間中に運動を行うことにより、運動によって促進される成長ホルモン分泌量をより高めることができる。 また、本発明の成長ホルモン分泌促進剤は、成長ホルモン分泌の促進が期待される各種の場合において有用である。例えば、下垂体性小人症患者における成長ホルモン分泌促進を促すことにより身長促進作用の発揮が期待される。また、身体の組成、代謝および心機能維持が図られる。具体的には、糖や脂質の代謝促進による体脂肪の減少、肥満、動脈硬化の予防;カルシウム等のミネラルの利用効率向上による骨形成促進;筋肉でのタンパク質合成促進による筋肉発達;老化予防、皮膚組織の修復、心臓病の治療、等を挙げることができる。 本発明の成長ホルモン分泌促進剤は、成長ホルモンの分泌を促進させるので、特に哺乳類(例えば、ヒト、ラット、マウス、モルモット、イヌ、ネコ、サル、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ等)に用いることができる。 本発明の成長ホルモン分泌促進剤の担体としては、その使用形態に応じて、適当な充填剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、表面活性剤、防湿剤、賦形剤、希釈剤などを使用することができる。また、本発明の成長ホルモン分泌促進剤の製剤形態は、その使用目的に応じて決定することができ特に限定されないが、例えば経口投与の場合、錠剤、顆粒剤、粉末剤、カプセルなどの固剤や液剤が好ましく、経皮投与の場合、クリーム、軟膏、湿布、乳液、ローション、パウダー、スプレー、スティック、ボディーソープ、シャンプー、リンス、トニックなどのゲル状又は液状の形態が好ましい。本発明の成長ホルモン分泌促進剤の投与形態は、特に限定されないが経口投与、経皮投与によることが好ましい。 本発明の成長ホルモン分泌促進剤の摂取量は、動物種、年齢、性別、体格、健康状態にもよるが、一般に、田七人参粉末として1日当たり0.5〜4.5g(田七人参水抽出エキスとして0.1〜0.9g)が良く、好ましくは田七人参粉末として1日当たり1g〜1.5g(田七人参水抽出エキスとして0.2g〜0.3g)の範囲で、最適な摂取量、摂取方法、摂取回数、摂取期間を適宜決めることができる。 以上説明したように、本発明の成長ホルモン分泌促進剤は、優れた成長ホルモン分泌促進効果を発揮するので、医薬品、化粧品、飲食品、飼料として有用である。実施例1および比較例1(田七人参エキス末錠及び対照錠の調製方法) 田七人参エキス末錠は、松浦薬業株式会社製の田七人参エキス末(水抽出物)を下記の表1の容量で錠剤化した。 対照錠は、表1に示すように、田七人参エキス末の替わりに乳糖を増量し、見た目を同じにするためカラメルを配合して錠剤化した。(田七人参摂取運動負荷実験) 30−42歳の男性を5名ずつの2群にわけ、それぞれに錠剤化した田七人参エキス末錠(実施例)又は対照錠(比較例)を8日間継続摂取させた。 田七人参エキス末錠は一日3回食後に2錠ずつ(田七人参エキスとして0.3g/日)、合計6錠摂取させた。対照剤は一日3回食後に2錠ずつ、合計6錠摂取させた。 8日目に運動負荷を実施した。すなわち、連続20回の妻先立ちスクワットを3分間の休憩を挟んで10セット、合計200回のスクワット負荷を行った。その後、継続摂取及び運動負荷に対する成長ホルモンの動態を調べた。 田七人参エキス末錠の摂取前、運動負荷前(摂取開始8日後)、運動負荷後で採血を行い、血中の成長ホルモン量を測定した。結果(平均値)を表2に示す。 なお、試験は4週間のwashout期間を設け、クロスオーバー試験にて行った。 上記の表2に示すように、8日間の田七人参摂取により、明確な成長ホルモン分泌促進効果が認められた。さらに、田七人参には運動負荷により誘導される成長ホルモン分泌量も促進する効果が認められた。 以上のことより、田七人参は経口摂取によって血中の成長ホルモン量を増加させることができ、成長ホルモン分泌促進剤として有用であることが明らかとなった。 ウコギ科人参水抽出物を有効成分として含有することを特徴とする成長ホルモン分泌促進剤。 前記ウコギ科人参が田七人参である請求項1に記載の成長ホルモン分泌促進剤。 請求項1又は2に記載の成長ホルモン分泌促進剤を含む医薬品、化粧品、飲食品又は飼料。 【課題】本発明の解決すべき課題は、従来のプレバイオティクスやプロバイオティクス、大豆蛋白由来ペプチド、γ−アミノ酪酸といった成長ホルモン分泌促進物質と比較して、安全で高い効果を示し、耐用性が良好で経口投与可能な成長ホルモン分泌促進剤を提供することである。【解決手段】ウコギ科人参水抽出物を有効成分として含有することを特徴とする成長ホルモン分泌促進剤、および前記ウコギ科人参が田七人参である前記成長ホルモン分泌促進剤。【選択図】なし


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