タイトル: | 公開特許公報(A)_細胞内ATP測定方法 |
出願番号: | 2007315624 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | C12Q 1/68,C12Q 1/66,C12Q 1/42,C12Q 1/34,C12Q 1/02,C12Q 1/48,C12Q 1/32,G01N 27/327,G01N 27/416 |
町田 邦彦 JP 2009136205 公開特許公報(A) 20090625 2007315624 20071206 細胞内ATP測定方法 パナソニック株式会社 000005821 岩橋 文雄 100097445 内藤 浩樹 100109667 永野 大介 100109151 町田 邦彦 C12Q 1/68 20060101AFI20090529BHJP C12Q 1/66 20060101ALI20090529BHJP C12Q 1/42 20060101ALI20090529BHJP C12Q 1/34 20060101ALI20090529BHJP C12Q 1/02 20060101ALI20090529BHJP C12Q 1/48 20060101ALI20090529BHJP C12Q 1/32 20060101ALI20090529BHJP G01N 27/327 20060101ALI20090529BHJP G01N 27/416 20060101ALI20090529BHJP JPC12Q1/68 ZC12Q1/66C12Q1/42C12Q1/34C12Q1/02C12Q1/48 ZC12Q1/32G01N27/30 353PG01N27/46 336G 5 OL 10 4B063 4B063QA01 4B063QQ05 4B063QQ16 4B063QQ22 4B063QQ63 4B063QR02 4B063QR04 4B063QR07 4B063QR10 4B063QR13 4B063QR41 4B063QR42 4B063QR50 4B063QR58 4B063QR66 4B063QR74 4B063QR83 4B063QS10 4B063QS12 4B063QS17 4B063QS28 4B063QS36 4B063QX02 4B063QX04 本発明は、細胞内ATPを測定する方法に関し、より詳細には、細胞内ATPを測定する為に細胞外ATPを消去する目的で使用するATP消去剤の活性を低減して、細胞内ATPを高感度に検出する技術に関する。 アデノシン三リン酸(ATP)は、多くの生物体のエネルギー代謝に関与している。生体内で起こる種々の化学反応には、ATPが加水分解されてアデノシン二リン酸(ADP)またはアデノシン一リン酸(AMP)となる際に放出されるエネルギーを利用して行われるものが多い。また、ATPは、生体内においてリボ核酸(RNA)の前駆体、生体内リン酸化反応におけるリン酸供与体などとしても利用される。このように、ATPは、生体において極めて重要な役割を果たす化合物であることから、ATPの測定は、様々な分野において、重要な役割を担っている。 食品衛生、バイオ、臨床検査等の現場では、衛生度、あるいは検体中の微生物の存在や量の迅速な把握が望まれている。しかし、従来の培養法では、現場での拭き取りから検査結果が出るまでに、数日かかり、その場で検査結果が得られない。そのため、迅速にATPの測定が出来る生物発光法を使用したATP検査装置が注目されている。ATP量を測定する方法として、蛍の発光原理でもあるルシフェリン−ルシフェラーゼ反応を利用した生物発光法が一般的であり、ATP検査装置にも広く用いられている。この方法は、試料から抽出したATPにルシフェリンおよびルシフェラーゼを作用させることで発光させる。この発光は、1分子あたり1個のフォトンが放出されるので、発光時間に対する値を積分することによってATPを定量的に検出できる。 この原理を利用したATP検査装置は、検体を拭き取ってからATP量を測定するまで数分しかかからない為、現場で衛生度を迅速に判定できる。これは、不適合の判定だったとしても、即座に再洗浄等の対策を実施することが出来るので、後の工程や流通あるいは消費者への汚染や食中毒の発生を防止できる利点がある。また、迅速にATP量を測定できるメリットを生かし、食品中の微生物検査への応用も出来る。これは、生きた微生物の生物細胞の中には必ずATPが存在する事を利用し、食品中の微生物量を判定する。 微生物の細胞内ATP量を測定する場合に問題になるのが、微生物の外に存在する細胞外ATPである。ATPはすべての生命体に含まれる物質なので、あらゆる所にATPが浮遊している。従って、測定すべき生物細胞の細胞内ATPを検出する際に、この細胞外ATPがバックグラウンドノイズとして同時に測定され、精度良く細胞内ATP量が測定出来ない。 このため、まず細胞外ATPを除去した後、細胞を界面活性剤で構成した抽出剤で細胞を破壊して、抽出した細胞内ATP量を生物発光法で測定する方法が用いられる。細胞外ATPの除去には、ATP分解酵素を利用したATP消去剤が使用されている。ATP分解酵素には、アピラーゼ、アデノシントリホスファターゼ、ヘキソキナーゼ、ATPピロフォスファターゼ等が知られており、特にアデノシンリン酸デアミナーゼを主として、1つあるいは複数のATP分解酵素を組み合わせて使用したATP消去剤が製品化されている(例えば、特許文献1参照。)。 この方法は、検体に含まれる細胞外ATP量すなわちバックグラウンドノイズを極力低い量まで削減した後に、細胞内ATPを抽出剤により抽出し、生物発光法で細胞内ATP量を測定する。ところが、ATP抽出後の細胞内ATP測定時にも、ATP消去剤のATP消去活性が残っている為、ATPが分解されて発光量も低く抑えられ、感度が低下する。そこで、消去剤としてアデノシンリン酸デアミナーゼを使用し、その阻害剤であるコホルマイシンを投入して不活化する提案がされている。この提案によれば、コホルマイシンがアデノシンリン酸デアミナーゼの阻害剤として有効に働き、ATP発光検出酵素であるルシフェラーゼへの影響を低く抑えて、ATPを検出できる(例えば、特許文献2参照。)。特開平9−182600号公報特開平11−56393号公報 しかしながら、前記従来の構成では、消去剤であるコホルマイシンは劇薬であるので、食品衛生検査などの現場では、安全に使用することが出来ないという課題を有していた。 本発明は、前記従来の課題を解決するもので、細胞内のATPを測定する時に、細胞外ATPを取り除くためのATP分解酵素を効果的に取り除き、細胞内ATPの測定感度を低下させる事のない細胞内ATP測定方法を提供することを目的とする。 前記従来の課題を解決するために、本発明の細胞内ATP測定方法は、測定すべき細胞の周囲にATP分解酵素を含む消去剤を塗布し、前記消去剤を疎水性化合物で不活化した後に前記測定すべき細胞の細胞内ATPを測定することを特徴としたものである。 本発明の細胞内ATPの測定方法によれば、細胞外ATPを安全な消去剤によって除去した後に、消去剤のATP分解能力を抑制して消去剤の影響を受ける事無く、高感度に細胞内ATP量を測定することができる。 以下に、本発明の細胞内ATPの測定方法の実施の形態を詳細に説明する。(実施の形態1) 細胞内ATPを抽出する際には、ATPを測定すべき細胞を形成している生体膜を除去しなければならない。この除去剤として界面活性剤が使用される。生体膜はタンパク質と脂質とが結合しているが、界面活性剤がこのタンパク質と疎水基結合をして界面活性剤の親水基の部分がタンパク質の表面をおおい、タンパク質を溶かす。これによって、細胞の生体膜が破壊され、ATPを含む細胞内物質が抽出できる。 また、ATP分解酵素も疎水基部分を有しているため、ATP分解の際には、この疎水基部分とATPとが結合してATP分解酵素内に埋もれてしまう。そのため、ATP分解酵素は、その表面の疎水性が減少すると共に形状も変化するが、分解時のリン酸放出の際に元の状態に戻る。そのため、界面活性剤を使用する際には、ATP分解酵素の疎水基部分に界面活性剤が結合して、ATP分解酵素の力を弱める。従来法では、この界面活性剤を利用して、細胞外ATPを除去した後のATP分解酵素の力を弱めていた。 本発明では、この細胞外ATPを除去するためのATP分解酵素のATP分解能力をさらに抑制する為、疎水性化合物を固定した担体を用いる。この疎水性化合物を固定した担体に、オクタデシル基を球状の粒子であるシリカゲルに固定したオクタデシルシリカゲル担体(ODS)を使用した。オクタデシルシリカゲル担体は、粒子状のシリカゲル表面に露出しているシラノール基に、シリル化剤を使用して疎水性の高いオクタデシル基をシラノール基に化学結合させ、シリカの表面を覆う事で作製できる。 大腸菌の細胞内ATPを測定する際に、このオクタデシルシリカゲル担体を使用することで、本発明によるATP分解酵素の不活化の有効性を確認した。 対象となる大腸菌には、LB寒天培地上にて1日37℃で培養した大腸菌を用い、106CFU/mLのコロニーを2箇所採取し、10mMリン酸バッファ1mL溶液に溶解させて、2本作製した(試料No.1及び試料No.2。)。ATP消去剤は、アデノシンリン酸デアミナーゼとアピラーゼの2種類のATP分解酵素から成るキッコーマン製ルシフェールATP消去剤を使用した。疎水性化合物とその支持担体には、オクタデシル基を導入したシリカゲル(ODS)であるHARVARD製 MacroSpinColums ODSを使用した。また、ATPを測定する装置はルミノメーター(ルミテスターC−1000、キッコーマン社製)を使用した。発光試薬とATP抽出剤は、ルシフェール250プラス(キッコーマン社製)のキット試薬を使用した。このシステムでは、ATPの濃度をATP発光量で表現しており、事前に検量線を作製し評価した結果、ATP濃度1桁の変化が、おおよそATP発光量1桁の変化に相当し、ATP濃度で10−9M(1nM)が、ATP発光量100,000に相当している事を確認した。 <比較例1及びその評価手順> 試料No.1及び試料No.2の大腸菌を用い、比較例1として、細胞外ATPの消去を確認する為に、細胞外ATPを消去剤で消去し、細胞内ATPを抽出しないサンプルを作製した。以下の手順で、サンプルのATP発光量を測定した。(1) 検体である大腸菌溶解液150μLをエッペンチューブに抽出した。(2) 消去剤を15μL滴下し、30秒撹拌した。(3) (1)と(2)の混合溶液から100μL抽出し、更に蒸留水を100μL滴下(抽出剤を投入しない代わり)し、30秒撹拌した。(4) ATP発光試薬をATP測定用チューブに100μL滴下し、ATP発光量をルミノメーターで測定した。 <比較例2及びその評価手順> 試料No.1及び試料No.2の大腸菌を用い、比較例2として従来法を用いた。これは、消去剤で細胞外ATPを消去した後、抽出液で細胞内ATPを抽出したものである。以下の手順で、このATP発光量を測定した。(1) 検体である大腸菌溶解液150μLをエッペンチューブに抽出する。(2) 検体に消去剤を15μL滴下し、30秒撹拌する。(3) (1)と(2)の混合溶液から100μLを抽出してATP測定用チューブにとり、更にATP抽出剤を100μL滴下して、30秒撹拌する。(4) ATP発光試薬をATP測定用チューブに100μL滴下し、ATP発光量をルミノメーターで測定する。 <実施例とその評価手順> 試料No.1及び試料No.2の大腸菌を用い、実施例として、本発明の消去剤で細胞外ATPを消去した後、疎水性化合物を使用して消去剤を不活化し、その後抽出液で細胞内ATPを抽出したサンプルを作製した。以下の手順で、このサンプルのATP発光量を測定した。(1) 検体である大腸菌溶解液150μLをエッペンチューブに抽出する。(2) 検体に消去剤を15μL滴下し、30秒撹拌する。(3) (1)と(2)の混合溶液をODSスピンカラムに添加し、2000rpm、2分間遠心分離する。(4) 混合溶液から100μLを抽出してATP測定用チューブにとり、更にATP抽出剤を100μL滴下して、30秒撹拌する。(5) ATP発光試薬をATP測定用チューブに100μL滴下し、ATP発光量をルミノメーターで測定する。 表1に、比較例1及び2と実施例でのATP発光量の測定結果を示す。 比較例1が示すATP発光量は、細胞外ATPの量を表す。すなわち、2つの大腸菌からなる試料No.1及び試料No.2のバックグランドノイズを表す。比較例1と2とのATP発光量を比べると、従来法である比較例2では、このバックグランドノイズの2〜3倍の発光量があった。しかし、消去剤を追加した本発明の実施例の発光量は、このバックグランドノイズよりも28倍〜41倍と一桁大きい値を示した。これは、本発明で用いたる疎水性化合物を使用して消去剤の効果によるものである。このような消去剤を使用する事で、従来法よりも発光量の低下をはるかに抑制することが出来、細胞内ATP測定の感度の向上が出来る。 (実施の形態2) 図1は、本発明の第2の実施の形態における、細胞内ATPの測定方法を発光方式で実現する検体検査キットの構造図を示す。細胞外ATPを除去する為の消去剤には、本実施の形態1で説明した消去剤を使用する。検体検査キット1は、検体の拭き取りを実施する拭き取り器具2と、筒状で拭き取り器具2の先端部が差し込まれるキット本体3から構成されている。拭き取り器具2の先端には、拭き取る材料である綿棒9が装備されている。また、綿棒9の材料は、綿以外にもガーゼやスポンジ等の吸収材や多孔質材料を選択可能である。 キット本体3には、使用前の拭き取り器具2を格納する拭き取り器具格納部4と、細胞外ATPを除去する為の消去剤が格納されている細胞外ATP消去部5、消去剤のATP分解能力を抑制する疎水性化合物を支持した担体を含んだ溶液が格納されている消去剤除去部6、拭き取り器具2に付着した拭き取り検体より検出対象物を抽出する液状の試薬が格納されている抽出試薬部7、検出対象物を発光で検出する検出部11で構成されている。 これら各格納部は独立して混ざらないように複数の仕切り8で区切っており、検体を検査する際には、格納部毎に順次反応を進める様、拭き取り器具で各仕切りを突き破れる素材でできている。例えば、アルミ箔やビニル、プラスチックで構成した膜等の仕切りで構成可能である。抽出試薬部7に充填されている抽出試薬とは、例えば、塩化ベンザルコニウム等の界面活性剤や、トリクロロ酢酸、メタノール等が選択可能である。 抽出試薬部7の下には、疎水性化合物を支持した担体をろ過するフィルター10を配置する。フィルターの径は、疎水性化合物を支持した担体を捕捉できるサイズ、数μmを選択する。担体をフィルターで補足する目的は、検出部11で、光を透過しない疎水性化合物を支持した担体の妨害を防ぐ為である。細胞内ATPを含んだ混合溶液は、フィルター10を通過し、検出部のルシフェリン−ルシフェラーゼを含む発光試薬と反応する。反応後、即時に検体検査用キット1をATP測定装置に装填してATP量の測定を行う。発光式のATP測定装置は、ATP量に基づいた発光量を定量測定し、表示するよう構成されている。 (実施の形態3) 図2は、本発明の第3の実施の形態における、細胞内ATPの測定方法を電気化学式で実現する検体検査キットの構造図を示す。細胞外ATPを除去する為の消去剤には、本実施の形態1で説明した消去剤を使用する。 検体検査キット1は、検体の拭き取りを実施する拭き取り器具2と、筒状で拭き取り器具2の先端部が差し込まれるキット本体3から構成されている。拭き取り器具2の先端には、拭き取る材料である綿棒9が装備されている。綿棒9の材料は、綿以外にもガーゼやスポンジ等の吸収材や多孔質材料を選択可能である。 キット本体3には、使用前の拭き取り器具2を格納する拭き取り器具格納部4と、細胞外ATPを除去する為の消去剤が格納されている細胞外ATP消去部5、消去剤のATP分解能力を抑制する疎水性化合物を支持した担体を含んだ溶液が格納されている消去剤除去部6、拭き取り器具2に付着した拭き取り検体より検出対象物を抽出する液状の試薬が格納されている抽出試薬部7、電気化学検出を行うセンサチップ12が格納されている検出部11で構成されている。これら各格納部は独立して混ざらないように仕切り8で区切っており、検体を検査する際には、格納部毎に順次反応を進める様、拭き取り器具で各仕切りを突き破れる素材でできている。例えば、アルミ箔やビニル、プラスチックで構成した膜等の仕切りで構成可能である。抽出試薬部7に充填されている抽出試薬とは、例えば、塩化ベンザルコニウム等の界面活性剤や、トリクロロ酢酸、メタノール等が選択可能である。 センサチップ12は、キット本体内で鉛直に配置されており、全ての仕切りを突き破って出てきた綿棒9が、検体取り込み口14に直接接触して停止する様な構成にしている。つまり、拭き取り器具2をキット本体3の限界まで挿入した際の綿棒の位置に、センサチップ12の検体取り込み口14を配置する。また、仕切りを突き破って出てきた綿棒が、できるかぎり本体キットの円周の中心に位置する様、導入路規制部材21が設けられている。 更に導入路規制部材21の入口より出口の径を小さくし、なおかつ出口の径を綿の径とほぼ同等にしておくことで、過剰な液が検出部に滴下しないようにする事も可能である。キット本体3の最下部には、センサチップ固定用蓋22が配置されている。これは、センサチップ12をキット本体3内に固定し、かつセンサチップ12のコネクタ部19を検体検査キット1の外側に出して装置との接続を可能にする機能に加えて、万が一抽出部7から過剰の抽出液が滴下しても、検体検査キット1外に液が流出しない液漏れ防止の機能を持っている。またセンサチップ12は、センサチップ固定用蓋を二分する様にして固定される。 図3は、本発明の第3の実施の形態における、センサチップの構造図を示す。センサチップ12は、絶縁基板部13に、測定対象物を取り込む検体取り込み口14、検体を毛細管現象で取り込むための空気口15、取り込み口から空気口までの検体流路16、また検体流路中に配置されている検出電極17と、検出電極上に試薬を固定化している反応層18、及び反応層を覆う膜20、および分析装置(ATP測定装置、図示せず)との電気的接続部であるコネクタ部19とで構成されている。膜20の径は、疎水性化合物を支持した担体を捕捉して、測定対象物を含む混合溶液が通過するサイズ、数μm以下を選択する。膜20は、電極上の反応において疎水性化合物を支持した担体が妨害しないよう、除去する事が目的である。尚、図3のセンサチップ12は三電極、すなわち作用極、参照極、対極による構成を記載している。これは、食品衛生分野では、検査対象が様々でpH等にばらつきがあり、より安定した測定を実施する為に有効である。もちろん血糖値センサの様な二電極構成、すなわち作用極と対極のみでの構成も可能である。 反応層にはATPを電気化学的に検出する為の試薬(酵素も含む)を、以下で構成している。(イ) 塩化マグネシウム六水和物(ロ) 塩化チアミンピロリン酸(ハ) フラビンアデニンジヌクレオチドニナトリウムN水和物(ニ) アデノシン一リン酸(ホ) ホスホエノールピルビン酸(ヘ) ミオキナーゼ(ト) ピルビン酸キナーゼ(チ) ピルビン酸デヒドロゲナーゼ(リ) 1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチルサルフェイト(ヌ) リン酸(緩衝用)上記はATP検査用試薬構成の一例であり、本発明の実施には、公知のATP検査用試薬を用いれば良い。 電極上の反応層18と検体が接触した後、検体検査用キットをコネクタ部19を通してATP測定装置に接続し、ATP量の測定を行う。電気化学式のATP測定装置は、コネクタ部19を通してセンサチップ12の電極間に電位電圧をかけた際に、ATPの濃度に応じて発生する電流値を測定し表示するよう構成されている。 尚、本実施例ではセンサチップを検体検査キット内に取り込む事で、検体の拭き取りから測定対象物の抽出及び電気化学的検出までの一連の工程をキット内に封入し、外部からの異物や測定対象物そのものの混入を防止できる構造にしているが、電気化学的検出であるセンサチップと、拭き取りから細胞内ATPを抽出するまでのキットを別提供してもよい。 本発明にかかる細胞内ATPの測定方法は、細胞内ATPを測定する場合において、細胞外ATPを消去剤で消去後、消去剤に含まれているATP分解酵素を疎水性化合物と結合させる事で、抽出した細胞内ATPが消去剤の影響を受ける事無く、高感度にATP量を測定することができ、特にATP検査の様な食品等衛生状態や微生物を検査するに適している。本発明の第2の実施の形態における、細胞内ATPの測定方法を発光方式で実現する検体検査キットの構造図本発明の第3の実施の形態における、細胞内ATPの測定方法を電気化学式で実現する検体検査キットの構造図本発明の第3の実施の形態における、センサチップの構造図符号の説明 1 検体検査キット 2 拭き取り器具 3 キット本体 4 拭き取り器具格納部 5 消去部 6 消去剤除去部 7 抽出部 8 仕切り 9 綿棒 10 フィルター 11 検出部 12 センサチップ 13 絶縁基板部 14 検体取り込み口 15 空気口 16 検体流路 17 検出電極 18 反応層 19 コネクタ部 20 膜 21 導入路規制部材 22 センサチップ固定用蓋測定すべき細胞の周囲にATP分解酵素を含む消去剤を塗布し、前記消去剤を疎水性化合物で不活化した後に前記測定すべき細胞の細胞内ATPを測定する細胞内ATP測定方法。前記疎水性化合物は、担体に結合した構造を持つ請求項1記載の細胞内ATP測定方法。前記疎水性化合物がオクタデシル基であり、及び前記担体がシリカゲル担体である請求項2記載の細胞内ATP測定方法。前記細胞内ATPの測定は、発光検出である請求項1から請求項3記載の細胞内ATP測定方法。前記細胞内ATPの測定は、電気化学検出である請求項1から請求項3記載の細胞内ATP測定方法。 【課題】細胞内のATPを測定する時に、細胞外ATPを取り除くためのATP分解酵素を効果的に取り除き、細胞内ATPの測定感度を低下させる事のない細胞内ATP測定方法を提供する。【解決手段】測定すべき細胞の周囲にATP分解酵素を含む消去剤を塗布し、前記消去剤を疎水性化合物がオクタデシル基であり且つシリカゲル担体に結合した構造を持つ消去剤で不活化した後に前記測定すべき細胞の細胞内ATPを測定する細胞内ATP測定方法。【選択図】なし